説明

画像形成装置、プログラム及び記憶媒体

【課題】 各々が異なるデータ形式のファイルに対する印刷処理が可能な複数のアプリを有する画像形成装置において、アプリ毎に対応可能なデータ形式を意識せずに各アプリの印刷処理機能を利用できるようにする。
【解決手段】 振り分けモジュール42は、印刷データを第1の受信モジュール33a又は第2の受信モジュール34aに振り分ける。第1、第2の受信モジュール33a、34aは、印刷データを第1、第2の解析モジュール33b、34bに渡す。第1、第2の解析モジュール33b、34bは、印刷データが、第1、第2の印刷モジュール33c、34cにて描画可能な場合はそれらの印刷モジュールに渡し、描画不可能な場合は相手方の解析モジュールに渡す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各々が異なるデータ形式の印刷データからの描画が可能な複数のアプリケーションを備えた画像形成装置、並びにそれに使用されるプログラム及びそのプログラムを記憶した記憶媒体に関し、さらに詳細には、ユーザが個々のアプリケーションの対応可能なデータ形式を意識することなく、各アプリケーションの印刷処理機能を利用できるようにした画像形成装置、プログラム及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
コピー機能、プリンタ機能、FAX(ファクシミリ)機能などの複数の機能を備え、画像データをデジタル処理するデジタル複合機と呼ばれる画像形成装置がある。さらに、近年はインターネットの普及に伴い、インターネットFAX機能を備えたデジタル複合機も出現している(特許文献1参照)。
【0003】
インターネットFAX(以下、i−FAXと言う)機能を備えたデジタル複合機は、画像読取装置、画像形成装置、FAX通信装置、LAN接続装置などを備えている。コピー機能は画像読取装置で読み取った原稿の画像データに基づいて画像形成を行う機能であり、FAX機能は画像読取装置で読み取った原稿の画像データをFAX通信装置により公衆回線網へ送信する機能、及びFAX通信装置で受信したFAX画像データに基づいて画像形成を行う機能である。また、プリンタ機能はLAN上のパーソナルコンピュータ(以下、PCと言う)から送出された画像データに基づいて画像形成を行う機能である。i−FAX機能は、例えば、画像読取装置で読み取った画像データをTIFFファイルに変換し、電子メールの添付ファイルとしてLAN上のメールサーバを介してインターネットへ送信する機能、及びメールサーバで受信した電子メールの本文及び添付ファイルを受け取り、それらの画像データに基づいて画像形成を行う機能である。
【0004】
これらのコピー機能、FAX機能、プリンタ機能、i−FAX機能の実行時には、それぞれコピーアプリケーション(以下、コピーアプリと言う)、FAXアプリケーション(以下、FAXアプリと言う)、プリンタアプリケーション(以下、プリンタアプリと言う)、i−FAXアプリケーション(以下、i−FAXアプリと言う)と呼ばれるソフトウェア及びハードウェアからなるユニットが動作する。
【0005】
ここで、画像形成装置は所定の印刷形式、即ちページ記述言語と呼ばれる所定のプリンタ制御プログラム言語で記述された描画コマンドを解釈して実行し、ビットマップデータを生成して画像形成を行うように構成されているため、各アプリはユーザによる印刷指令に基づいて印刷を行うときに、画像形成装置に供給する画像データを所定の印刷形式に変換する印刷処理を行う。例えばプリンタアプリはPCの文書作成ソフトや表計算ソフトなどで作成された所定のファイル形式の画像データを所定の印刷形式に変換し、i−FAXアプリも同様に、電子メールの本文及び添付ファイルを所定の印刷形式に変換する。
また、画像形成装置の中には、このような所定の印刷形式で記述された画像データをビットマップデータに変換する機能に加えて、所定のファイル形式の画像データを直接ビットマップデータに変換する機能を有する印刷モジュールを備えたものもある。このような印刷モジュールを上述した各アプリに設けることにより、各アプリは所定のファイル形式、所定の印刷形式どちらの印刷データを受け取っても、それらをビットマップデータに変換し、描画することができる。
【0006】
しかしながら、例えば電子メールの添付ファイルがi−FAXアプリの印刷モジュールによる描画が不可能なデータ形式(ファイル形式、印刷形式)であった場合、プリンタアプリの印刷モジュールでは上記添付ファイルからの描画が可能であったとしても、印刷エラーになってしまうという問題がある。この問題を避けるためには、ユーザがアプリ毎の描画可能なデータ形式を把握し、印刷指令を行うときに適切なアプリを選択することが必要となるため、ユーザにとって困難かつ不便である。
【0007】
【特許文献1】特開2003−125149号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、各々が異なるデータ形式のファイルに対する印刷処理が可能な複数のアプリを有する画像形成装置において、アプリ毎に対応可能なデータ形式を意識せずに各アプリの印刷処理機能を利用できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明は、各々が互いに異なる所定のデータ形式の印刷データからの描画が可能な複数の印刷制御手段を備えた画像形成装置であって、前記各印刷制御手段に対応して設けられ、前記各印刷制御手段に供給するための印刷データを受け取る複数の受け取り手段と、該受け取り手段により受け取られた印刷データが、その供給先の印刷制御手段で描画可能なデータ形式か否かを判定する判定手段と、該判定手段により描画不可能と判定されたときに前記印刷データを他の印刷制御手段に対応して設けられた受け取り手段へ転送する転送手段とを有することを特徴とする画像形成装置である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記所定のデータ形式の印刷データを受信し、前記受け取り手段へ振り分ける振り分け手段を有することを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、前記振り分け手段は、印刷データの先頭部のデータ形式に応じて振り分け先を決定することを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、前記振り分け手段は、ユーザの指定したアプリに属する受け取り手段に振り分けることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置において、前記印刷データが複数の異なるデータ形式のファイルからなる場合、前記判定手段は、該データ形式毎に判定を行うことを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置において、前記印刷制御手段毎の印刷履歴情報を保存する印刷履歴保存手段を有することを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項6に記載の画像形成装置において、前記印刷制御手段の各々に対応する、前記印刷制御手段と同数の印刷履歴保存手段を有することを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項7に記載の画像形成装置において、印刷データを最初に受け取った受け取り手段からの印刷データに基づいて描画を行う印刷制御手段に対応して設けられた印刷履歴保存手段が、前記印刷データの印刷履歴情報を保存することを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項6に記載の画像形成装置において、印刷データの描画を実行した印刷制御手段に対応して設けられた印刷履歴保存手段が、該印刷データの印刷履歴情報を保存することを特徴とする。
請求項10の発明は、請求項8に記載の画像形成装置において、印刷データの転送先の印刷制御手段が描画を実行した場合に、該描画の印刷履歴情報を前記転送元の印刷履歴保存手段に通知する手段を有することを特徴とする。
請求項11の発明は、請求項7に記載の画像形成装置において、印刷データが複数の異なるデータ形式からなる場合、前記印刷履歴保存手段は、データ形式毎に印刷履歴情報を保存することを特徴とする。
請求項12の発明は、請求項7に記載の画像形成装置において、印刷データが複数の異なるデータ形式からなる場合、前記印刷履歴保存手段は、各データ形式の印刷結果を併合した印刷履歴情報を保存することを特徴とする。
請求項13の発明は、請求項2〜12のいずれかに記載の画像形成装置において、電子メールを受信して、その本文と添付ファイルとに分割し、前記振り分け手段へ供給する電子メール受信手段を有することを特徴とする。
請求項14の発明は、請求項13に記載の画像形成装置において、1通の電子メールに添付ファイルが複数存在する場合、1つの印刷データとして印刷パラメータを設定し、前記印刷制御手段へ供給する印刷パラメータ設定手段を有することを特徴とする。
請求項15の発明は、請求項14に記載の画像形成装置において、前記印刷パラメータ設定手段は、先頭の添付ファイルに基づいて前記印刷パラメータを設定することを特徴とする。
請求項16の発明は、請求項13に記載の画像形成装置において、1通の電子メールに添付ファイルが複数存在する場合、添付ファイル毎に印刷パラメータを設定し、前記印刷制御手段へ供給する印刷パラメータ設定手段を有することを特徴とする。
請求項17の発明は、請求項14又は15に記載の画像形成装置において、前記印刷履歴保存手段は、複数の添付ファイルの印刷結果を1つの印刷ジョブの印刷履歴情報として保存することを特徴とする。
請求項18の発明は、請求項14又は15に記載の画像形成装置において、前記印刷履歴保存手段は、複数の添付ファイルの印刷結果をファイル毎に保存することを特徴とする。
請求項19の発明は、画像形成装置のコンピュータを、各々が互いに異なる所定のデータ形式の印刷データからの描画が可能な複数の印刷制御手段と、前記各印刷制御手段に対応して設けられ、前記各印刷制御手段に供給するための印刷データを受け取る複数の受け取り手段と、該受け取り手段により受け取られた印刷データが、その供給先の印刷制御手段で描画可能なデータ形式か否かを判定する判定手段と、該判定手段により描画不可能と判定されたときに前記印刷データを他の印刷制御手段に対応して設けられた受け取り手段へ転送する転送手段として機能させるためのプログラムである。
請求項20の発明は、請求項19に記載のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、印刷制御手段と、受け取り手段と、判定手段と、転送手段とを各アプリに設けることにより、アプリ間で印刷データや印刷結果情報などの受け渡しを行い、一番初めに印刷データを受け取ったアプリがそのデータのデータ形式に対応できなかった場合、別のアプリに印刷データを渡し、それを繰り返すことで、画像形成装置に搭載されている全てのアプリの機能を調べて、そのデータ形式の印刷データに対応可能なアプリの印刷制御手段を探し出すので、ユーザはアプリ毎に対応可能なデータ形式を意識せずに全アプリの印刷処理機能を利用することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
[第1の実施形態]
図1は本発明の第1の実施形態の画像形成装置のブロック図及びその画像形成装置を含むネットワークシステムの構成を示す図である。
【0012】
このネットワークシステムは、LAN2と、それぞれがLAN2に接続された画像形成装置1、メールサーバ3、PC4、及びルータ5を備えている。また、画像形成装置1は、アナログやデジタルの公衆回線網6に接続されており、ルータ5はインターネット7に接続されている。
【0013】
画像形成装置1は、CPU21a、ROM21b、及びRAM21cを有する制御部21と、それぞれが制御部21に接続された操作・表示部22、画像読取部23、画像形成部24、FAX通信部25、LAN接続部26、及びデータ記憶部27を備えている。
【0014】
制御部21は、この画像形成装置1内の各部の制御、演算処理などを実行する。操作・表示部22は、画像形成装置1を操作するための各種キー(テンキー、スタートキー、ファンクションキーなど)が設けられた操作部と、画像形成装置1の動作状態、及び操作部のキーから入力された情報などを表示するためのLCDなどからなる表示部とからなる。画像読取部23は、原稿の画像を読み取り、画像データとして出力する機能を有する。画像形成部24は、画像データに基づいて、用紙などに画像を印刷する機能を有する。FAX通信部25は、公衆回線網6上の通信相手の機器との間でFAX画像データなどの通信を行う。LAN接続部26は、LAN2上の各機器との間で各種データの通信を行う。データ記憶部27は、ハードディスク装置などの大容量記憶装置からなり、各種データを保存する。
【0015】
図2は、図1に示す画像形成装置1のシステムソフトの構成を示す図である。この画像形成装置1は、マルチタスク型のシステムとして構成され、操作・表示部等の各機能単位はリソース(実資源)として扱われる。一つのリソースを複数のアプリで共有するための管理を行うのがシステム制御層である。システム制御層には、装置全体の制御を司るシステムコントローラ35、システムコントローラ35によって制御される画像読取部コントローラ36、画像形成部コントローラ37、操作・表示部コントローラ38、FAX通信部コントローラ39、及びLAN接続部コントローラ40が属する。また、デバイス制御層は、システム制御層からのコマンド、制御信号等の論理的指示から、実際に装置を動かすために、クラッチ、センサ、モータ等の機械的入出力を駆動、入力する変換を行っており、入出力コントローラ41がここに属する。さらに、アプリケーション層は、拡張機能として、複数アプリがシステム制御層から提供される機能によって共存可能となる層であり、コピーアプリ31、FAXアプリ32、プリンタアプリ33、i−FAXアプリ34がここに属する。各アプリは、その機能を実現するためのソフト及びハードからなるユニットとして装置全体に接続できるよう構成される。さらに、各アプリは、システムコントローラ35から受け取った印刷データの受け渡しが出来るように構成されている。
【0016】
以上の構成を有する画像形成装置1において、ユーザがコピー機能、FAX機能、プリンタ機能、及びi−FAX機能を利用するときの動作を説明する。
コピー機能を利用するときは、コピーアプリ31が動作し、画像読取部23で原稿の画像が読み取られ、画像データが制御部21で所定の画像処理を受け、この画像データに基づいて、画像形成部24で画像の印刷が行われる。ここで、制御部21により画像処理を行う代わりに、画像処理装置を設けて画像処理を行うように構成してもよい。
【0017】
FAX機能を利用してFAX送信を行うときは、FAXアプリ32が動作し、画像読取部23で原稿の画像が読み取られ、画像データが制御部21で所定の符号化処理を受け、FAX通信部25から公衆回線網5に接続されている相手先のFAX端末などへ送信される。FAX受信を行うときは、FAX通信部25で受信されたFAX画像データを制御部21で復号化し、復号化された画像データに基づいて、画像形成部24で画像の印刷が行われる。ここで、制御部21により符号化及び復号化を行う代わりに、符号化・復号化装置を設けて符号化及び復号化を行うように構成してもよい。
【0018】
プリンタ機能を利用してPC4で作成したデータを印刷するときは、プリンタアプリ33が動作し、PC4から送出された印刷データ(印刷用の画像データ)はLAN接続部26を経て制御部21に入力され、制御部21からの印刷データに基づいて、画像形成部24で画像の印刷が行われる。
【0019】
i−FAX機能を利用して、画像データを電子メールに添付して送信するときは、i−FAXアプリ34が動作し、画像読取部23で原稿の画像が読み取られ、画像データが制御部21でTIFFのファイル形式に変換され、制御部21で生成されたメール本文に添付され、LAN接続部26を経由して一旦メールサーバ3に保存された後に、ルータ5からインターネット7へ送出される。電子メールを受信するときは、一定時間毎にメールサーバ3にアクセスし、画像形成装置1宛の電子メールが保存されているか否かを確認し、保存されていた場合は、それをダウンロードし、制御部21にて添付ファイルを分離し、その画像データに基づいて、画像形成部24で画像の印刷が行われる。
【0020】
以上、各アプリの動作の概略を説明した。次に、プリンタアプリ33、及びi−FAXアプリ34の受信動作について詳細に説明する。図3は、プリンタアプリ33、及びi−FAXアプリ34にて受信動作を行うモジュールの構成を示す図である。プリンタアプリ33は、第1の受信モジュール33a、第1の解析モジュール33b、及び第1の印刷モジュール33cを備えており、i−FAXアプリ34は、第2の受信モジュール34a、第2の解析モジュール34b、及び第2の印刷モジュール34cを備えている。システムコントローラ35内の振り分けモジュール42は、PC4からの印刷データ、メールサーバ3からの印刷データを第1の受信モジュール33a又は第2の受信モジュール34aへ振り分けて送出する機能を有する。振り分け先は、印刷データの送信元(PC4、メールサーバ3)、印刷データを受信したアプリの種類、ユーザの設定などにより決定される。
【0021】
第1の受信モジュール33a、第2の受信モジュール34aは、それぞれ受信した印刷データを一定量毎に第1の解析モジュール33b、第2の解析モジュール34bに渡す。第1の解析モジュール33b、第2の解析モジュール34bは、受け取った印刷データのデータ形式を解析し、第1の印刷モジュール33c、第2の印刷モジュール34cが描画可能なデータ形式であるか否かを判断する。そして、描画不可能な場合は、受け取った印刷データを他の解析モジュール、即ち第1の解析モジュール33bは第2の解析モジュール34bへ、第2の解析モジュール34bは第1の解析モジュール33bへ転送する。また、描画可能な場合は、受け取った印刷データに基づいて印刷パラメータを設定し、印刷データとともに第1の印刷モジュール33c、第2の印刷モジュール34cへ送る。
【0022】
印刷モジュール、印刷パラメータ、及び印刷方法の一例を下記の表1に示す。この表の場合、第1の印刷モジュール33c、第2の印刷モジュール34cは、それぞれXX、YYに対応する。つまり、第1の印刷モジュール33cは、データ形式がPDF、PS(ポストスクリプト:登録商標)の印刷データを直接ビットマップデータに変換して描画することが可能であり、第2の印刷モジュール34cは、データ形式がTIFF、PCLの印刷データを直接ビットマップデータに変換して描画することが可能である。従って、第1の解析モジュール33bは、第1の受信モジュール33aから渡された印刷データがTIFFファイルであった場合、それを第2の解析モジュール34bに転送することにより、第2の印刷モジュール34cで描画することができるようになる。同様に、第2の解析モジュール34bは、第2の受信モジュール34aから渡された印刷データがPDFファイルであった場合、それを第1の解析モジュール33bに転送することにより、第1の印刷モジュール33cで描画することができるようになる。このとき、転送先の解析モジュールは、転送元の解析モジュールが印刷データを記憶したバッファメモリ(RAM21c)の記憶領域を利用して、処理を実行する。
【0023】
【表1】

【0024】
第1の印刷モジュール33c、第2の印刷モジュール34cは、第1の解析モジュール33b、第2の解析モジュール34bにより印刷データ、及び設定された印刷パラメータを示す情報を受け取り、それらを画像形成部コントローラ37に渡すことで、画像形成部24における印刷動作を制御する機能を有する。なお、印刷方法は予めユーザにより設定され、それを示すデータが印刷データに付加されて、振り分けモジュール42から受信モジュールに渡される。
【0025】
このように本発明の第1の実施形態の画像形成装置によれば、第1の解析モジュール33bと第2の解析モジュール34bとの間で印刷データの送受信を可能にしたので、第1の解析モジュール33b、第2の解析モジュール34bは、それぞれ第1の受信モジュール33a、第2の受信モジュール34aから渡された印刷データのデータ形式が第1の印刷モジュール33c、第2の印刷モジュール34cで描画不可能と判断した合に、印刷データを転送することにより、転送先の印刷モジュールにて描画することができるため、ユーザは、プリンタアプリ33、及びi−FAXアプリ34を利用する際に、描画機能の相違を意識する必要がなくなる。
【0026】
[第2の実施形態]
本実施形態の画像形成装置の全体構成、システムソフト構成は第1の実施形態と同じである。ただし、本実施形態では、第1、第2の解析モジュール33b、34bは、それぞれ第1、第2の受信モジュール33a、34aから受け取った印刷データのデータ形式が第1、第2の印刷モジュール33c、34cによる描画が不可能な形式であった場合、印刷データを転送するときに、下記の表2に示すような解析モジュール検索テーブルを併せて送信する。
【0027】
【表2】

この解析モジュール検索テーブルは、解析モジュールが、受け取った印刷データを印刷モジュールが描画可能か否かをデータ形式毎に判断した結果を示す情報が書き込まれている。
【0028】
図4及び図5は、本発明の第2の実施形態の画像形成装置におけるプリンタアプリ及びi−FAXアプリのモジュールの処理を示すフローチャートである。ここで、図4は全体の処理であり、図5は図4の解析処理(ステップS4)のサブルーチンである。本実施形態の画像形成装置の全体構成、システムソフト構成、及びプリンタアプリ及びi−FAXアプリのモジュールの基本構成は第1の実施形態と同じであるので、それらを参照しながら説明する。
【0029】
画像形成装置1の制御部21は印刷データを受信すると、図4に示すように、振り分けモジュール42により印刷データを振り分け、受信モジュールに渡す(ステップS1)。次いで解析処理回数カウンタ(図示せず)のカウント値iを0にセットし(ステップS2)、カウント値iが解析モジュールの総数(図3の場合は2)より小さく、かつ印刷動作が未終了の間は、解析処理を実行する毎にカウントアップする処理を繰り返す(ステップS3〜S6)。なお、このフローの最後の「印刷動作終了」とは、印刷データの印刷が完了した場合、及び印刷が出来ずにエラー処理を行った場合である。ここで、ステップS2は振り分けモジュール42が実行し、ステップS3〜S6は解析モジュールが実行する。
【0030】
図5に示すように、解析処理では、図3における任意の解析モジュールが印刷データを受け取り、そのデータ形式を解析する(ステップS41、S42)。次いで、解析したデータ形式を、自分の出力が入力される印刷モジュール、即ち同一アプリに属する印刷モジュールが描画可能か否かを判断し(ステップS43)、描画可能であった場合は、印刷パラメータを設定し(ステップS44、印刷データ、及び設定された印刷パラメータを示すデータを印刷モジュールに渡す(ステップS45)。印刷モジュールは、受け取ったデータに従って描画などの印刷制御を行う(ステップS46)。
【0031】
一方、解析の結果、描画不可能であった場合は(ステップS43:NO)、そのデータ形式からの描画が可能か否かの判断を行っていない解析モジュールの有無を判断し、無い場合(ステップS47:NO)はユーザにエラー通知を行い、有る場合(ステップS47:YES)は解析モジュール検索テーブルの自分の欄に描画不可能のデータを入力し、処理を終える。例えば、第1の解析モジュール33bが第1の受信モジュール33aから受け取った印刷データのデータ形式が、第1の印刷モジュール33cにて描画できないデータ形式であった場合、表2の判断結果の記入欄における第1の解析モジュールの欄に「描画不可能(×)」を示すデータを書き込む。
【0032】
図5に示す処理を「ステップS47:YES」で終了した場合は、次に図4のステップS5にて、解析処理回数カウンタのカウント値iをインクリメントし、ステップS6にて、印刷データ及び解析モジュール検索テーブルを例えば第1の解析モジュール33bから第2の解析モジュール34bに渡す。そして、ステップS3→S4へ移行し、再び図5に示す処理を実行する。今回の処理では、第2の解析モジュール34bが解析を行う。
【0033】
第2の解析モジュール34bは、受け取った印刷データのデータ形式が、第2の印刷モジュール34cにて描画可能な形式であると判断した場合は、印刷パラメータを設定し(ステップS44)、印刷データ、及び設定された印刷パラメータを示すデータを第2の印刷モジュール34cに渡す(ステップS45)。また、表2に示すように、解析モジュール検索テーブルの自分の欄に「描画可能(○)」を示すデータを入力する。
【0034】
第2の解析モジュール34bは、受け取った印刷データのデータ形式が、第2の印刷モジュールにて描画不可能な形式であると判断した場合は(ステップS43:NO)、前述した第1の解析モジュール33bと同様な処理を行う。
【0035】
このように、本発明の第2の実施形態によれば、解析モジュールは、他の解析モジュールから、印刷データとともに受け取った解析モジュール検索テーブルを見ることにより、既にその印刷データの描画が不可能と判断した解析モジュールを知ることが出来るので、自分に対応する印刷モジュールも描画できないと判断した場合に、次にその印刷データを渡すべき解析モジュールを判別することができる。
【0036】
[第3の実施形態]
本実施形態の画像形成装置の全体構成、システムソフト構成は第1の実施形態と同じである。本実施形態は2つの異なるデータ形式を有する印刷データに対応している。図6は、本発明の第3の実施形態の画像形成装置におけるモジュールの動作を示す図である。
【0037】
図6に示すように、印刷データ内に、データ形式X、Yからなる2つのデータが存在する。データ形式Xのデータの後にデータ形式Yのデータが有る。ここで、データ形式XはPDF又はPSであり、第1の印刷モジュール33cにて描画可能である。また、データ形式YはTIFF又はPCLであり、第2の印刷モジュール34cにて描画可能である。
【0038】
印刷データが振り分けモジュール42で受信される。振り分けモジュール42は、印刷データの幾らかの量を読み込み、印刷データを解析する。解析の結果、印刷データの初めにはデータ形式Xのデータが有るので、それを描画可能な第1の印刷モジュール33cに対応して設けられた第1の解析モジュール33bに送ればよいと判断し、第1の受信モジュール33aに印刷データを渡す。
【0039】
印刷データは、第1の受信モジュール33aから第1の解析モジュール33bへ送られる。第1の解析モジュール33bは、受け取った印刷データの途中に、第1の印刷モジュール33cが描画出来ないデータ形式Yのデータがあることを発見すると、そのデータを分離する。また、データ形式Y用の解析モジュール検索テーブルに、第1の印刷モジュール33cではデータ形式Yからの描画が不可能であるとの判断結果を書き込み、分離したデータ形式Yの印刷データ、及び判断結果を書き込んだ解析モジュール検索テーブルを第2の解析モジュール34bに渡す。
【0040】
第1、第2の解析モジュール33b、34bは、それぞれでデータ形式X、Yの印刷データに印刷パラメータを設定した後、それぞれ第1、第2の印刷モジュール33c、34cに、印刷パラメータを設定した印刷データを渡す。第1、第2の印刷モジュール33c、34cは、印刷パラメータに従って印刷データの印刷制御を行う。これにより、画像形成部24から画像Px、Pyが出力される。
【0041】
なお、データ形式Yが、第2の印刷モジュール34cで描画不可能であった場合、第2の解析モジュール34bは、データ形式Y用の解析モジュール検索テーブルに、第2の印刷モジュール34cではデータ形式Yからの描画が不可能であるとの判断結果を書き込み、まだ判断を行っていない別の解析モジュールにこの印刷データ(データ形式Y)とデータ形式Y用の解析モジュール検索テーブルを渡す。
【0042】
[第4実施形態]
本実施形態の画像形成装置の全体構成、システムソフト構成は第1の実施形態と同じである。図7は、本発明の第4の実施形態の画像形成装置におけるモジュールの動作を示す図である。この図において、第1、第2の印刷モジュール33c、34cが、それぞれデータ形式X、Yの印刷データの印刷制御を行う処理までは第3の実施形態と同じである。本実施形態は、印刷モジュール毎の印刷履歴を管理するモジュールを備えている。
【0043】
第1、第2の印刷モジュール33c、34cは、それぞれ印刷結果情報を第1、第2の解析モジュール33b、34bに渡す。第1、第2の解析モジュール33b、34bは、受け取った印刷結果情報を、それぞれ第1、第2の印刷モジュール33c、34cに対応して設けられた第1、第2の印刷履歴管理モジュール33d、34dに渡す。第1、第2の印刷履歴管理モジュール33d、34dは、受け取った印刷結果情報を保存する。
【0044】
[第5実施形態]
本実施形態の画像形成装置の全体構成、システムソフト構成は第1の実施形態と同じである。図8は、本発明の第5の実施形態の画像形成装置におけるモジュールの動作を示す図である。この図において、第1、第2の解析モジュール33b、34bが、それぞれ第1、第2の印刷モジュール33c、34cから印刷結果情報を受け取る処理までは第4の実施形態と同じである。
【0045】
本実施形態では、第1の解析モジュール33bは、第1の印刷モジュール33cから受け取った印刷結果情報を第4の実施形態と同様、第1の印刷履歴管理モジュール33dに渡す。一方、第2の解析モジュール34bは、第2の印刷モジュール34cから受け取った印刷結果情報を第2の印刷履歴管理テーブル34dではなく。第1の解析モジュール33bを介して第1の印刷履歴管理モジュール33dに渡す。第1の印刷履歴管理モジュール33dは、受け取った2つの印刷管理情報を1つの印刷ジョブの印刷結果として、第1、第2の印刷モジュール毎、かつデータ形式毎に保存する。
【0046】
このように、本実施形態では、印刷データを最初に受け取った第1の解析モジュール33bからの印刷データに基づいて印刷制御を行う第1の印刷モジュール33cに対応して設けられた第1の印刷履歴管理モジュール33dが、その印刷データの全ファイルの印刷結果情報を集中的に保存して管理する。
【0047】
[第6実施形態]
本実施形態の画像形成装置の全体構成、システムソフト構成は第1の実施形態と同じである。図9は、本発明の第6の実施形態の画像形成装置におけるモジュールの動作を示す図である。本実施形態は3つの異なるデータ形式X、Y、Zを有する印刷データに対応している。
【0048】
図9に示すように、印刷データ内に、データ形式X、Y、Zからなる3つのデータ形式が存在する。データ形式Xのデータの後にデータ形式Yのデータが有り、データ形式Yのデータの後にデータ形式Zのデータが有る。
【0049】
本実施形態において、印刷データのうち、データ形式X、Yのデータに関する処理は、印刷結果情報の保存も含めて、第5の実施形態と同じである。本実施形態では、第1の印刷モジュール33cが、データ形式Xに加えて、データ形式Zの印刷データをビットマップデータに変換して描画することが可能である。従って、第1の印刷モジュール33cは、順次データ形式X、Zの印刷データの印刷制御を行い、画像形成部24から画像Px、Pzを出力する。データ形式X、Zの印刷データの印刷結果情報は、第1の印刷モジュール33cから第1の解析モジュール33bを経て第1の印刷履歴管理モジュール33dに送られる。第1の印刷履歴管理モジュール33dには、第5の実施形態と同様、第2の印刷モジュール34cの印刷結果情報も送られており、第1の印刷履歴管理モジュール33dは、受け取った3つの印刷管理情報を1つの印刷ジョブの印刷結果として、第1、第2の印刷モジュール毎、かつデータ形式毎に保存する。
【0050】
[第7実施形態]
本実施形態の画像形成装置の全体構成、システムソフト構成は第1の実施形態と同じである。図10は、本発明の第7の実施形態の画像形成装置におけるモジュールの動作を示す図である。本実施形態では、システムコントローラ35内にメール受信モジュール44を設け、メール受信モジュール44が受信したメールを本文と添付ファイルとに分割して、振り分けモジュールに42に渡すように構成した。
【0051】
図10に示すように、振り分けモジュール42は、メール受信モジュール44から受け取った添付ファイルの幾らかの量を読み込み、データ形式を解析する。解析の結果、そのデータ形式からの描画が可能な第1の印刷モジュール33cに対応して設けられた第1の解析モジュール33bに送ればよいと判断し、第1の受信モジュール33aに添付ファイルを渡す。
【0052】
添付ファイルは、第1の受信モジュール33aから第1の解析モジュール33bへ送られる。第1の解析モジュール33bは、受け取った添付ファイルのデータ形式を解析し、第1の印刷モジュール33cにて描画可能であると判断した場合は、印刷パラメータを設定し、印刷データとともに第1の印刷モジュール33cに渡す。第1の印刷モジュール33cは、印刷パラメータに従って添付ファイルの印刷制御を行う。これにより、画像形成部24から添付ファイルの画像が出力される。
【0053】
[第8実施形態]
図11は、本発明の第8の実施形態の画像形成装置におけるモジュールの動作を示す図である。ここで、第7の実施形態と同一又は対応するモジュールには、第7の実施形態と同一の符号を付した。本実施形態は、メールにデータ形式Xの添付ファイルが2つ添付されている場合の構成例である。
【0054】
図11に示すように、メール受信モジュール44は、添付ファイル1、2が添付されたメールを受信する。メール受信モジュール44は、受信したメールをメール本文、添付ファイル1、及び添付ファイル2に分割し、振り分けモジュール42に渡す。
【0055】
振り分けモジュール42は、先頭の添付ファイル1の幾らかの量を読み込み、添付ファイル1のデータ形式を解析する。添付ファイル1はデータ形式Xのデータなので、振り分けモジュール42は、添付ファイルを、データ形式Xの印刷データからの描画が可能な第1の印刷モジュール33cに対応して設けられた第1の受信モジュール33aへ送ればよいと判断し、添付ファイル1、2を第1の受信モジュール33aに渡す。第1の受信モジュール33aは、受け取った添付ファイル1、2を第1の解析モジュール33bに渡す。
【0056】
第1の解析モジュール33bは、受け取った添付ファイル1、2のデータに基づいて、順次、添付ファイル1、2の印刷パラメータを判断し、共通に設定する。そして、印刷データとともに印刷パラメータを示すデータを第1の印刷モジュール33cに渡す。
【0057】
第1の印刷モジュール33cは、受け取った印刷パラメータを示すデータに従って、順次添付ファイル1、2の印刷制御を行う。これにより、画像形成部24から添付ファイル1、2を印刷した画像が順次出力される。データ形式、印刷パラメータ、及び印刷方法の一例を下記の表3に示す。
【0058】
【表3】

【0059】
[第9実施形態]
図12は、本発明の第9の実施形態の画像形成装置におけるモジュールの動作を示す図である。ここで、第7の実施形態と同一又は対応するモジュールには、第7の実施形態と同一の符号を付した。本実施形態は、メールにデータ形式がX、Yの添付ファイルが1つずつ添付されている場合の構成例である。ここで、添付ファイル1、2が第1の受信モジュール33aに送られるまでの処理は第7の実施形態と同じである。
【0060】
第1の解析モジュール33bは、受け取った添付ファイル1、2の印刷データを順次解析し、第1の印刷モジュール33cが、添付ファイル1のデータ形式Xのデータは描画可能であるが、添付ファイル2のデータ形式Yのデータは描画不可能であると判断して、添付ファイル2を分離する。また、データ形式Y用の解析モジュール検索テーブルに、第1の印刷モジュール33cでは描画が不可能であるとの判断結果を書き込み、分離した、添付ファイル2の印刷データ、並びに判断結果を書き込んだ解析モジュール検索テーブル及び第1の解析モジュール33bが一番目にデータ形式Yの描画が可能か否かを判断した解析モジュールであることを示す情報を第2の解析モジュール34bに渡す。
【0061】
第2の解析モジュール34bは、受け取った添付ファイル2の印刷データを解析し、第2の印刷モジュール34cにて描画可能であると判断する。なお、データ形式Yが、第2の印刷モジュール34cにて描画不可能であった場合、第2の解析モジュール34bは、データ形式Y用の解析モジュール検索テーブルを参照して、まだ判断を行っていない別の解析モジュールにこの印刷データ(データ形式Y)とデータ形式Y用の解析モジュール検索テーブルを渡す。このとき、第2の印刷モジュール34cでは描画が不可能であるとの判断結果を書き込む。また、第2の解析モジュール34bが二番目にデータ形式Yからの描画が可能か否かを判断した解析モジュールであることを示す情報も渡す。
【0062】
第1、第2の解析モジュール33b、34bは、それぞれ添付ファイル1、2の印刷データに印刷パラメータを設定した後、それぞれ第1、第2の印刷モジュール33c、34cに印刷データとともに渡す。第1、第2の印刷モジュール33c、34cは、印刷パラメータに従って印刷データの印刷制御を行う。これにより、画像形成部24から添付ファイル1、2を印刷した画像が順次出力される。
【0063】
ここで、第1の印刷モジュール33cが印刷結果情報を第1の解析モジュール33bへ送り、第1の解析モジュール33bが図示しない第1の印刷履歴管理モジュールに送り、そこに保存するように構成してもよい。また、第2の印刷モジュール34cが印刷結果情報を第2の解析モジュール34bに送り、第2の解析モジュール34bが、先に第1の解析モジュール33bから渡された「一番目にデータ形式Yの描画が可能か否かを判断した解析モジュールであることを示す情報」を参照して、印刷結果情報を第1の解析モジュール33bへ送り、第1の解析モジュール33bが第1の印刷履歴管理モジュールに送り、そこで保存するように構成してもよい。第1の印刷履歴管理モジュールは、添付ファイル1、2の印刷結果情報を併合して、画像形成装置1が受信したメールの印刷履歴として「印刷結果 : 印刷完了」を保存する。
【0064】
なお、以上の実施形態では、解析モジュールが印刷データのデータ形式を判断して、印刷パラメータを設定しているが、ユーザの設定に基づいて、解析モジュールが印刷パラメータを設定してもよい。また、以上の各実施形態は、本発明をプリンタアプリ33及びi−FAXアプリ34の間で印刷データを転送する場合の構成例であるが、本発明は、各々が異なる形式のデータに対する印刷処理が可能な複数のアプリであれば、その他のアプリについても適用可能である。さらに、以上の実施形態では、i−FAXアプリとして、画像データを電子メールに添付する方式を例示したが、本発明は、画像データを符号化し、パケット化して伝送する方式のi−FAXアプリにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の第1の実施形態の画像形成装置のブロック図及びその画像形成装置を含むネットワークシステムの構成を示す図である。
【図2】図1に示す画像形成装置のシステムソフトの構成を示す図である。
【図3】図2のプリンタアプリ、及びi−FAXアプリにて受信動作を行うモジュールの構成を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施形態の画像形成装置におけるプリンタアプリ及びi−FAXアプリのモジュールの処理を示すフローチャートである。
【図5】図4における解析処理のサブルーチンである。
【図6】本発明の第3の実施形態の画像形成装置におけるモジュールの動作を示す図である。
【図7】本発明の第4の実施形態の画像形成装置におけるモジュールの動作を示す図である。
【図8】本発明の第5の実施形態の画像形成装置におけるモジュールの動作を示す図である。
【図9】本発明の第6の実施形態の画像形成装置におけるモジュールの動作を示す図である。
【図10】本発明の第7の実施形態の画像形成装置におけるモジュールの動作を示す図である。
【図11】本発明の第8の実施形態の画像形成装置におけるモジュールの動作を示す図である。
【図12】本発明の第9の実施形態の画像形成装置におけるモジュールの動作を示す図である。
【符号の説明】
【0066】
1・・・画像形成装置、33a・・・第1の受信モジュール、33b・・・第1の解析モジュール、33c・・・第1の印刷モジュール、33d・・・第1の印刷履歴管理モジュール、34a・・・第2の受信モジュール、34b・・・第2の解析モジュール、34c・・・第2の印刷モジュール、34d・・・第2の印刷履歴管理モジュール、42・・・振り分けモジュール、44・・・メール受信モジュール。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が互いに異なる所定のデータ形式の印刷データからの描画が可能な複数の印刷制御手段を備えた画像形成装置であって、
前記各印刷制御手段に対応して設けられ、前記各印刷制御手段に供給するための印刷データを受け取る複数の受け取り手段と、該受け取り手段により受け取られた印刷データが、その供給先の印刷制御手段で描画可能なデータ形式か否かを判定する判定手段と、該判定手段により描画不可能と判定されたときに前記印刷データを他の印刷制御手段に対応して設けられた受け取り手段へ転送する転送手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記所定のデータ形式の印刷データを受信し、前記受け取り手段へ振り分ける振り分け手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像形成装置において、
前記振り分け手段は、印刷データの先頭部のデータ形式に応じて振り分け先を決定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項2に記載の画像形成装置において、
前記振り分け手段は、ユーザの指定したアプリに属する受け取り手段に振り分けることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記印刷データが複数の異なるデータ形式のファイルからなる場合、前記判定手段は、該データ形式毎に判定を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記印刷制御手段毎の印刷履歴情報を保存する印刷履歴保存手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項6に記載の画像形成装置において、
前記印刷制御手段の各々に対応する、前記印刷制御手段と同数の印刷履歴保存手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項7に記載の画像形成装置において、
印刷データを最初に受け取った受け取り手段からの印刷データに基づいて描画を行う印刷制御手段に対応して設けられた印刷履歴保存手段が、前記印刷データの印刷履歴情報を保存することを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項6に記載の画像形成装置において、
印刷データの描画を実行した印刷制御手段に対応して設けられた印刷履歴保存手段が、該印刷データの印刷履歴情報を保存することを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項8に記載の画像形成装置において、
印刷データの転送先の印刷制御手段が描画を実行した場合に、該描画の印刷履歴情報を前記転送元の印刷履歴保存手段に通知する手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項7に記載の画像形成装置において、
印刷データが複数の異なるデータ形式からなる場合、前記印刷履歴保存手段は、データ形式毎に印刷履歴情報を保存することを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項7に記載の画像形成装置において、
印刷データが複数の異なるデータ形式からなる場合、前記印刷履歴保存手段は、各データ形式の印刷結果を併合した印刷履歴情報を保存することを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項2〜12のいずれかに記載の画像形成装置において、
電子メールを受信して、その本文と添付ファイルとに分割し、前記振り分け手段へ供給する電子メール受信手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
請求項13に記載の画像形成装置において、
1通の電子メールに添付ファイルが複数存在する場合、1つの印刷データとして印刷パラメータを設定し、前記印刷制御手段へ供給する印刷パラメータ設定手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項15】
請求項14に記載の画像形成装置において、
前記印刷パラメータ設定手段は、先頭の添付ファイルに基づいて前記印刷パラメータを設定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項16】
請求項13に記載の画像形成装置において、1通の電子メールに添付ファイルが複数存在する場合、添付ファイル毎に印刷パラメータを設定し、前記印刷制御手段へ供給する印刷パラメータ設定手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項17】
請求項14又は15に記載の画像形成装置において、
前記印刷履歴保存手段は、複数の添付ファイルの印刷結果を1つの印刷ジョブの印刷履歴情報として保存することを特徴とする画像形成装置。
【請求項18】
請求項14又は15に記載の画像形成装置において、前記印刷履歴保存手段は、複数の添付ファイルの印刷結果をファイル毎に保存することを特徴とする画像形成装置。
【請求項19】
画像形成装置のコンピュータを、各々が互いに異なる所定のデータ形式の印刷データからの描画が可能な複数の印刷制御手段と、前記各印刷制御手段に対応して設けられ、前記各印刷制御手段に供給するための印刷データを受け取る複数の受け取り手段と、該受け取り手段により受け取られた印刷データが、その供給先の印刷制御手段で描画可能なデータ形式か否かを判定する判定手段と、該判定手段により描画不可能と判定されたときに前記印刷データを他の印刷制御手段に対応して設けられた受け取り手段へ転送する転送手段として機能させるためのプログラム。
【請求項20】
請求項19に記載のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2008−269404(P2008−269404A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−113064(P2007−113064)
【出願日】平成19年4月23日(2007.4.23)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】