画像形成装置、制御装置及びプログラム
【課題】複数回の複写を続けて行う場合に、2回目以降の複写の指示の入力後の画像形成開始までの待ち時間を短くすること。
【解決手段】画像の定着を行う場合に、加熱部材51の温度を第1の温度に近づけるように熱源55を制御し、最後に実行された画像形成が、読取部2によって生成された画像データに基づく画像形成である場合には、画像形成終了後の待機状態における加熱部材51の温度を第1の温度よりも低く、且つ、加熱部材51を加熱しない場合の温度よりも高い第2の温度に近づけるように熱源55を制御する。
【解決手段】画像の定着を行う場合に、加熱部材51の温度を第1の温度に近づけるように熱源55を制御し、最後に実行された画像形成が、読取部2によって生成された画像データに基づく画像形成である場合には、画像形成終了後の待機状態における加熱部材51の温度を第1の温度よりも低く、且つ、加熱部材51を加熱しない場合の温度よりも高い第2の温度に近づけるように熱源55を制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、制御装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
加熱した部材をトナー像に押し当てることによりトナー像を溶融させて記録媒体に定着させる定着装置が知られている。特許文献1では、定着装置の温度が第1の温度領域に達したならば、複写を許可し、定着装置の温度が第1の温度領域よりも高い第2の温度領域に達したならば、外部装置から受け取った画像データに基づく画像形成を許可するように画像形成装置を制御することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−340986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザが複数回の複写を続けて行う場合、2回目以降の複写の指示を入力してから画像形成装置による画像形成が始まるまでに、定着装置の加熱のための待ち時間が発生することがある。
本発明は、複数回の複写を続けて行う場合に、2回目以降の複写の指示の入力後の画像形成開始までの待ち時間を短くすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る画像形成装置は、画像データを受信する受信手段と、原稿を読み取って画像データを生成する読取手段と、前記受信手段によって受信された画像データと、前記読取手段によって生成された画像データとのいずれかに基づいて、記録媒体にトナーを用いて画像を形成する画像形成手段と、熱源と当該熱源によって加熱される加熱部材とを有し、当該加熱部材を前記画像に接触させることによって前記画像を前記記録媒体に定着させる定着手段と、前記定着手段により前記画像の定着を行う場合に、前記加熱部材の温度を第1の温度に近づけるように前記熱源を制御し、前記画像形成手段によって最後に実行された画像形成が、前記読取手段によって生成された画像データに基づく画像形成である場合には、画像形成終了後の待機状態における前記加熱部材の温度を、前記第1の温度よりも低く、且つ、前記加熱部材を加熱しない場合の温度よりも高い第2の温度に近づけるように前記熱源を制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【0006】
請求項2に係る画像形成装置は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記制御手段は、前記画像形成手段によって最後に実行された画像形成が、前記受信手段によって受信された画像データに基づく画像形成である場合には、画像形成終了後の待機状態において前記加熱部材を加熱しないように前記熱源を制御することを特徴とする。
【0007】
請求項3に係る画像形成装置は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記制御手段は、前記画像形成手段によって最後に実行された画像形成が、前記読取手段によって生成された画像データに基づく画像形成であり、且つ、当該画像形成の終了後に、前記受信手段による画像データの受信と、前記読取手段による原稿の読み取りとのいずれも実行されない期間が閾値を超えた場合に、前記加熱部材を加熱しないように前記熱源を制御することを特徴とする。
請求項4に係る画像形成装置は、請求項3に記載の画像形成装置において、前記閾値を指定する指示を受け付ける受付手段を有し、前記制御手段は、前記受付手段によって受け付けられた指示に基づいて前記熱源を制御することを特徴とする。
【0008】
請求項5に係る制御装置は、画像データを受信する受信手段と、原稿を読み取って画像データを生成する読取手段と、前記受信手段によって受信された画像データと、前記読取手段によって生成された画像データとのいずれかに基づいて、記録媒体にトナーを用いて画像を形成する画像形成手段と、熱源と当該熱源によって加熱される加熱部材とを有し、当該加熱部材を前記画像に接触させることによって前記画像を前記記録媒体に定着させる定着手段とを有する画像形成装置との間で当該画像形成装置を制御するための通信を行う通信手段と、前記定着手段により前記画像の定着を行う場合に、前記加熱部材の温度を第1の温度に近づけるように前記熱源を制御し、前記画像形成手段によって最後に実行された画像形成が、前記読取手段によって生成された画像データに基づく画像形成である場合には、画像形成終了後の待機状態における前記加熱部材の温度を、前記第1の温度よりも低く、且つ、前記加熱部材を加熱しない場合の温度よりも高い第2の温度に近づけるように前記熱源を制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【0009】
請求項6に係るプログラムは、コンピュータを、画像データを受信する受信手段と、原稿を読み取って画像データを生成する読取手段と、前記受信手段によって受信された画像データと、前記読取手段によって生成された画像データとのいずれかに基づいて、記録媒体にトナーを用いて画像を形成する画像形成手段と、熱源と当該熱源によって加熱される加熱部材とを有し、当該加熱部材を前記画像に接触させることによって前記画像を前記記録媒体に定着させる定着手段とを有する画像形成装置との間で当該画像形成装置を制御するための通信を行う通信手段と、前記定着手段により前記画像の定着を行う場合に、前記加熱部材の温度を第1の温度に近づけるように前記熱源を制御し、前記画像形成手段によって最後に実行された画像形成が、前記読取手段によって生成された画像データに基づく画像形成である場合には、画像形成終了後の待機状態における前記加熱部材の温度を、前記第1の温度よりも低く、且つ、前記加熱部材を加熱しない場合の温度よりも高い第2の温度に近づけるように前記熱源を制御する制御手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1、5、6に係る発明によれば、加熱部材の温度を第2の温度に近づけるように熱源を制御しない場合と比べて、複数回の複写を続けて行う場合に、2回目以降の複写の指示の入力後の画像形成開始までの待ち時間を短くすることができる。
請求項2、3に係る発明によれば、加熱部材を加熱しないように熱源を制御しない場合と比べて、加熱部材を加熱するためのエネルギーを節約することができる。
請求項4に係る発明によれば、加熱部材の加熱を停止させる時期を、画像形成装置の利用形態に応じて設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】画像形成装置100のハードウェア構成を示す図である。
【図2】画像形成エンジン10の構成を示す図である。
【図3】定着装置50を示す図である。
【図4】制御部4が実行する処理の手順を示す流れ図である。
【図5】制御部4が実行する処理の手順を示す流れ図である。
【図6】加熱部材51の温度を示す図である。
【図7】加熱部材51の温度を示す図である。
【図8】加熱部材51の温度を示す図である。
【図9】定着装置70を示す図である。
【図10】制御装置200、画像形成装置300のハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(1)実施形態の基本構成
図1は、画像形成装置100のハードウェア構成を示す図である。
記憶部5は、例えばハードディスク記憶装置であり、OS(Operating System)、アプリケーションプログラム等が記憶されている。制御部4は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を有する(いずれも図示省略)。ROMには、ハードウェアやOSの起動の手順を記述したファームウェアが記憶されている。RAMは、CPUがプログラムを実行する際のデータの記憶に用いられる。
指示受付部1は、ユーザが画像形成装置100に指示を入力するための種々の操作子を有する。指示受付部1で受け付けられた指示は制御部4に送られ、制御部4はこの指示に従って画像形成装置100の動作を制御する。
通信I/F(Interface)6は、LAN(Local Area Network)等の通信手段(図示省略)に接続されており、画像形成装置100と他の装置との通信を仲介する。
【0013】
読取部2は、原稿を光学的に読み取って画像データを生成する。具体的には、読取部2は、光源、光学系及び撮像素子を備え(いずれも図示省略)、プラテンガラス2A上に載せられた原稿に対して光源が光を照射し、原稿で反射された反射光が光学系を介してR(Red)色、G(Green)色、B(Blue)色に分解されて撮像素子に入射する。撮像素子は、入射した光を画像データに変換し、画像処理部3に供給する。また、読取部2は、原稿を載せる原稿台2Bと、原稿台に載せられた原稿を1枚ずつプラテンガラス2A上に搬送する原稿搬送機構2Cを有する。
画像処理部3は、読取部2から供給された画像データをA/D変換し、ノイズ除去、ガンマ補正、R色、G色、B色からY(Yellow)色、M(Magenta)色、C(Cyan)色、K(Black)色への変換、スクリーン処理等を施す。こうして、色毎、画素毎の階調を表す画像データが生成される。
【0014】
画像形成部7の主な構成要素は、画像形成エンジン10Y、10M、10C、10K、中間転写体20、媒体搬送部30である。
画像形成エンジン10Y、10M、10C、10Kは、画像処理部3から供給された画像データに基づいて、電子写真方式により、それぞれY色、M色、C色、K色のトナー像を中間転写体20の表面に重ねて形成する。各画像形成エンジンの構成は共通であるから、各画像形成エンジンを区別する必要のない場合には、画像形成エンジン10と総称する。また、その場合、画像形成エンジン10の構成要素についても、Y、M、C、Kの表記を省略する。
【0015】
図2は、画像形成エンジン10の構成を画像形成装置100の正面側から示した図である。画像形成エンジン10は、感光体11の周囲に、帯電装置12、露光装置13、現像装置14、1次転写装置15等を設けて構成されている。
感光体11は、矢印Aの方向に回転駆動されるローラであり、その表面には、光の照射によって電位が変化する半導体で作製された感光層が設けられている。
帯電装置12は、例えば、コロトロン型帯電装置、ローラ式帯電装置等であり、感光体11の表面を予め定められた電位に帯電させる。
露光装置13は、感光体11の表面に潜像を書き込む。具体的には、画像処理部3から供給された画像データで表される各画素の階調に対応するレーザビームLBを生成し、このレーザビームLBで感光体11の表面を定められた主走査方向(例えば、感光体11の軸方向)に走査する。すると、感光体11の表面では、レーザビームLBの照射された部分の電位が低下することによって潜像が形成される。感光体11が回転駆動されることによって主走査方向の走査線単位での潜像の書き込みが周方向(副走査方向)に繰り返される。
【0016】
現像装置14は、感光体11の外周面に形成された潜像を現像する。具体的には、現像装置14は、感光体11と互いの外周面が対向するように設けられた現像ローラ142を有する。現像装置14の内部には、トナーとキャリアからなる2成分現像剤が収容されている。トナーは、樹脂製の粉体をY色、M色、C色、K色のいずれかの色材で着色したものである。キャリアは、磁性体で作製された粉体である。2成分現像剤は、回転駆動される現像ローラ142の外周面に磁力によって付着する。現像ローラ142には潜像と逆極性の現像バイアス電圧が印加されている。この現像バイアス電圧によってトナーが潜像と逆極性に帯電させられる結果、静電引力によりトナーが潜像上に移送される。つまり、潜像がトナーで現像されることによりトナー像が形成される。
【0017】
中間転写体20は、駆動ローラ21とローラ22に架け回された無端のベルトであり、駆動ローラ21が回転駆動されることによって、中間転写体20が矢印Bの方向に循環する。中間転写体20を挟んで感光体11と対向する位置には1次転写装置15が設けられている。1次転写装置15は、例えば、コロトロン型帯電装置であり、中間転写体20にトナー像と逆極性の転写バイアス電圧を印加する。転写バイアス電圧によって中間転写体20がトナー像と逆極性に帯電させられ、トナー像が中間転写体20に転写される。この転写動作を1次転写という。
以上が画像形成エンジン10の構成である。画像形成エンジン10Y、10M、10C、10Kで形成されたトナー像は、中間転写体20に重ねて転写される。
【0018】
媒体搬送部30は、記録媒体Pを搬送する。具体的には、媒体収容部31には、紙等の記録媒体Pが積み重ねて収容されており、送り出しローラ32が、中間転写体20上のトナー像の移動と同期させて回転駆動されることにより、記録媒体Pを1枚ずつ搬送路34に送り出す。搬送路34上に設けられた搬送ローラ33が回転駆動されることにより、記録媒体Pが搬送路34に沿って搬送される。
2次転写装置23は、記録媒体Pに中間転写体20と逆極性の転写バイアス電圧を印加するローラであり、2次転写装置23の外周面は、中間転写体20を挟んでローラ22の外周面に突き当てられている。2次転写装置23と中間転写体20とが接触する位置に記録媒体Pが進入すると、転写バイアス電圧によって記録媒体Pが中間転写体20と逆極性に帯電させられ、トナー像が記録媒体Pの表面に転写される。この転写動作を2次転写という。
【0019】
トナー像が転写された記録媒体Pは、定着装置50に搬送される。定着装置50は、トナー像を加熱及び加圧することによって、トナー像を記録媒体Pの表面に定着させる。
図3は、定着装置50を示す図である。定着装置50は、加熱部材51と加圧機構61とを有する。
加熱部材51は、搬送路34を横断する方向を軸方向とするローラである。加熱部材51は、芯53と被覆層54とを有し、芯53が軸受(図示省略)によって支持されている。芯53は、例えばアルミニウム等で作製された中空の部材であり、その外周面が被覆層54で覆われている。被覆層54は、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等の樹脂で作製されている。芯53の内部には、熱源55が設けられている。熱源55は、電源回路56から供給される電力を熱に変換する。熱源55は、ハロゲンランプ、セラミックヒータ等、いかなるものでもよい。また、誘導加熱によって芯53を発熱させるコイルを設けた構成でもよい。この場合、芯53とコイルとで熱源55が構成される。
【0020】
加圧機構61は、支持部材63と加圧部材64とベルト65とを有する。支持部材63は、搬送路34を横断する方向に延びる梁状又はパイプ状の部材である。支持部材63の加熱部材51と対向する側には、加圧部材64が設けられている。加圧部材64は、シリコンゴム、フッ素ゴム等である。ベルト65は、支持部材63と加圧部材64とを取り巻くように設けられた無端のベルトである。ベルト65は、ポリイミド、ポリアミド等の層を有し、その外周面にPFA、PTFE等の層が形成されている。
加圧部材64は、ベルト65を挟んで加熱部材51に押し当てられている。加熱部材51は、電気モータ等の駆動手段(図示省略)によって矢印Hの方向に回転させられる。ベルト65は、加熱部材51の回転に伴って、矢印Jの方向に循環させられる。
【0021】
温度測定部57は、加熱部材51の外周面の温度を測定するためのセンサである。制御部4は、温度測定部57から出力された情報に基づいて、熱源55を制御する。温度測定部57がサーミスタの場合、サーミスタは温度に応じて抵抗値が変化する。制御部4は、電流をサーミスタに供給して電圧を測定し、測定値に基づいてサーミスタの抵抗値を算出する。制御部4は、サーミスタの抵抗値と温度との関係を表すテーブルから加熱部材51の温度を求め、この温度と閾値とを比較して、加熱部材51の加熱の要否を判断する。制御部4は、加熱を要すると判断した場合には、熱源55へ電力を供給するように電源回路56を制御し、加熱を要しないと判断した場合には、熱源55へ電力を供給しないように電源回路56を制御する。この判断の具体例については、後述する。
【0022】
画像形成装置100は、前述のとおり、読取部2で原稿を読み取ることによって生成された画像データに基づいて画像形成を行う、いわゆる複写機能を有する。
また、画像形成装置100は、通信I/F6を介して情報処理装置から受信したベクタ形式やビットマップ形式のデータに基づいて画像形成を行う機能も有する。ここでは、この機能を便宜上、非複写機能と呼ぶ。情報処理装置とは、例えば、LANによって画像形成装置100と接続されたコンピュータであってもよいし、電話回線によって画像形成装置100と接続されたファクシミリ装置でもよい。
要するに、画像形成装置100は、画像データを受信する受信手段と、原稿を読み取って画像データを生成する読取手段と、前記受信手段によって受信された画像データと、前記読取手段によって生成された画像データとのいずれかに基づいて、記録媒体にトナーを用いて画像を形成する画像形成手段と、熱源と当該熱源によって加熱される加熱部材とを有し、当該加熱部材を前記画像に接触させることによって前記画像を前記記録媒体に定着させる定着手段とを有する画像形成装置の一例である。
【0023】
(2)動作
次に、画像形成装置100の動作について説明する。制御部4が記憶部5に記憶されたプログラムを実行することによって、以下の動作が行われる。
図4、図5は、制御部4が実行する処理の手順を示す流れ図である。記憶部5には、この流れ図に従って作成されたプログラムが記憶されており、画像形成装置100に対して画像形成の指示が入力された場合に、制御部4が当該プログラムの実行を開始する。ここで、画像形成の指示とは、複写機能による画像形成の指示の場合と、非複写機能による画像形成の指示の場合とがある。ユーザが読取部2のプラテンガラス2A又は原稿台2Bに原稿を載せ、指示受付部1を用いて複写の指示を入力した場合、この指示が、複写機能による画像形成の指示となる。一方、通信I/F6を介して画像形成のためのデータを受信した場合、このデータの受信が、非複写機能による画像形成の指示となる。画像形成の指示が入力されると、制御部4は、当該指示の内容を表す指示データを記憶部5に記憶し、当該画像形成の終了後、当該画像形成に対応する指示データを記憶部5から削除する。
【0024】
図6乃至8は、加熱部材51の温度を示す図である。「待機状態」とは、画像形成が終了してから次の画像形成の指示が画像形成装置100に入力されるまでの状態を指す。図6における待機状態は、加熱部材51の温度が下がり切った状態を示している。電源回路56の制御の詳細は後述するが、本実施形態では、画像形成の終了後、定められた時間内に新規の画像形成の指示が入力されなかった場合、電源回路56から熱源55への電力供給が絶たれるように構成されている。電力供給が絶たれると、加熱部材51の温度が下降し、やがて定常状態となる。この状態が、加熱部材51の温度が下がり切った状態である。このときの加熱部材51の温度は、言い換えれば、加熱部材51を加熱しない場合の温度である。図7、図8における待機状態については、後述する。画像形成装置100が画像形成の実行中であっても待機状態であっても、画像形成の指示が画像形成装置100に入力された場合には、制御部4が図4に示す処理を開始する。
【0025】
次に、図4について説明する。
ステップS101では、制御部4が、加熱部材51の加熱を開始させる。具体的には、制御部4が、電源回路56に対して、熱源55への電力供給の開始を指示する。すると、図6乃至8の「加熱」の期間で示すように、加熱部材51の温度が上昇する。
また、ステップS101では、制御部4が、画像形成の種類を示すフラグを記憶部5に書き込む。具体的には、ユーザが指示受付部1を用いて複写の指示を入力すると、制御部4は、記憶部5にフラグ「1」を書き込む。つまり、フラグ「1」は、複写機能による画像形成を示すフラグである。一方、通信I/F6を介して画像形成のためのデータを受信した場合、制御部4は、記憶部5にフラグ「0」を書き込む。つまり、フラグ「0」は、非複写機能による画像形成を示すフラグである。
【0026】
ステップS102では、制御部4が、加熱部材51の温度が第1の温度を上回ったか否かを判定する。第1の温度は、記録媒体にトナーを定着させる場合の加熱部材51の温度制御の基準となる温度であり、例えば、180℃である。加熱部材51の温度が第1の温度を上回った場合(ステップS102:YES)には、ステップS103に進む。加熱部材51の温度が第1の温度を上回っていない場合(ステップS102:NO)には、ステップS102の判定を繰り返す。
【0027】
ステップS103では、制御部4が、加熱部材51の加熱を停止させる。具体的には、制御部4が、電源回路56に対して、熱源55への電力供給の停止を指示する。
また、ステップS103では、制御部4が、画像形成の指示に従って画像形成を開始させる。なお、当該画像形成以前に指示が入力された画像形成が実行中又は実行待ちである場合には、その実行が終了し次第、当該画像形成を開始させる。
【0028】
ステップS104では、制御部4が、これまでに指示の入力された画像形成のすべてが終了したか否かを判定する。これまでに指示の入力された画像形成のすべてが終了した場合(ステップS104:YES)には、図5に示す流れ図のAに進む。これまでに指示の入力された画像形成が終了していない場合(ステップS104:NO)には、ステップS105に進む。
ステップS105では、制御部4が、加熱部材51の温度が第1の温度を下回ったか否かを判定する。加熱部材51の温度が第1の温度を下回った場合(ステップS105:YES)には、ステップS106に進む。加熱部材51の温度が第1の温度を下回っていない場合(ステップS105:NO)には、ステップS104に戻る。
ステップS106では、制御部4が、加熱部材51の加熱を開始させる。具体的には、制御部4が、電源回路56に対して、熱源55への電力供給の開始を指示する。すると、図6に示すように、加熱部材51の温度が上昇し始める。
【0029】
ステップS107では、制御部4が、これまでに指示の入力された画像形成のすべてが終了したか否かを判定する。これまでに指示の入力された画像形成のすべてが終了した場合(ステップS107:YES)には、図5に示す流れ図のAに進む。これまでに指示の入力された画像形成が終了していない場合(ステップS107:NO)には、ステップS108に進む。
ステップS108では、制御部4が、加熱部材51の温度が第1の温度を上回ったか否かを判定する。加熱部材51の温度が第1の温度を上回った場合(ステップS108:YES)には、ステップS109に進む。加熱部材51の温度が第1の温度を上回っていない場合(ステップS108:NO)には、ステップS107に戻る。
【0030】
ステップS109では、制御部4が、加熱部材51の加熱を停止させる。具体的には、制御部4が、電源回路56に対して、熱源55への電力供給の停止を指示する。
そして、ステップS104に戻る。
つまり、画像形成装置100に画像形成の指示が入力された場合、図6乃至8の「画像形成」の期間で示すように、第1の温度を含む或る範囲の中で、加熱部材51の温度が周期的に上昇と下降を繰り返すことになる。言い換えれば、制御部4は、定着装置50により画像の定着を行う場合に、加熱部材51の温度を第1の温度に近づけるように熱源55を制御する。
【0031】
次に、図5の説明に移る。図5は、画像形成の終了後の処理を示す流れ図である。
ステップS201では、制御部4が、実行待ちの画像形成が有るか否かを判定する。具体的には、記憶部5に実行待ちの指示データが記憶されているならば、実行待ちの画像形成が有ると判定する。前述のとおり、画像形成の指示は、複写機能による画像形成の指示の場合と、非複写機能による画像形成の指示の場合とがあるが、どちらの指示であっても、実行待ちの画像形成が有るならば(ステップS201:YES)、制御部4は、図4に示す流れ図のBに進む。一方、実行待ちの画像形成が無いならば(ステップS201:NO)、ステップS202に進む。
【0032】
ステップS202では、制御部4が、最後に実行された画像形成が複写機能による画像形成であるのか、非複写機能による画像形成であるのかを判定する。具体的には、制御部4が、記憶部5に書き込まれたフラグを参照し、フラグが「1」であれば、複写機能による画像形成であると判定し、フラグが「0」であれば、非複写機能による画像形成であると判定する。複写機能による画像形成である場合(ステップS202:YES)には、ステップS203に進み、非複写機能による画像形成である場合(ステップS202:NO)には、ステップS210に進む。
ステップS203では、制御部4が、実行待ちの画像形成が有るか否かを判定する。具体的な処理は、ステップS201と同様である。実行待ちの画像形成が有るならば(ステップS203:YES)、制御部4は、図4に示す流れ図のBに進む。一方、実行待ちの画像形成が無いならば(ステップS203:NO)、ステップS204に進む。
【0033】
ステップS204では、制御部4が、画像形成の終了後、継続して画像形成の指示が入力されない期間が閾値に達したか否かを判定する。具体的には、制御部4が、画像形成の終了後に経過した時間を計測し、この時間が例えば1分に達したか否かを判定する。当該期間が閾値に達した場合(ステップS204:YES)には、ステップS210に進む。一方、当該期間が閾値に達していない場合(ステップS204:NO)には、ステップS205に進む。
ステップS205では、制御部4が、加熱部材51の温度が第2の温度を下回ったか否かを判定する。ここで、第2の温度は、第1の温度よりも低い温度であり、且つ、加熱部材51の温度が下がり切った状態の温度(図6参照)よりも高い温度である。加熱部材51の温度が下がり切った状態の温度とは、要するに、加熱部材51を加熱しない場合の温度である。加熱部材51の温度が第2の温度を下回った場合(ステップS205:YES)には、ステップS206に進む。加熱部材51の温度が第2の温度を下回っていない場合(ステップS205:NO)には、ステップS203に戻る。
【0034】
ステップS206では、制御部4が、加熱部材51の加熱を開始させる。具体的には、制御部4が、電源回路56に対して、熱源55への電力供給の開始を指示する。電力供給を開始した後の加熱部材51の温度の変化は、ステップS106についての説明と同様である。
ステップS207では、制御部4が、実行待ちの画像形成が有るか否かを判定する。具体的な処理は、ステップS203と同様である。実行待ちの画像形成が有るならば(ステップS207:YES)、制御部4は、図4に示す流れ図のBに進む。一方、実行待ちの画像形成が無いならば(ステップS207:NO)、ステップS208に進む。
【0035】
ステップS208では、制御部4が、画像形成の終了後、継続して画像形成の指示が入力されない期間が閾値に達したか否かを判定する。具体的な処理の内容は、ステップS204と同様である。当該期間が閾値に達した場合(ステップS208:YES)には、ステップS210に進む。一方、当該期間が閾値に達していない場合(ステップS208:NO)には、ステップS209に進む。
ステップS209では、制御部4が、加熱部材51の温度が第2の温度を上回ったか否かを判定する。加熱部材51の温度が第2の温度を上回った場合(ステップS209:YES)には、ステップS203に戻る。加熱部材51の温度が第2の温度を上回っていない場合(ステップS209:NO)には、ステップS207に戻る。
【0036】
つまり、最後の画像形成が複写機能による画像形成であった場合、当該画像形成の終了後、図8の「待機状態」の期間で示すように、加熱部材51の温度が下降し、第2の温度を含む或る範囲の中で、加熱部材51の温度が周期的に上昇と下降を繰り返す。そして、画像形成の指示が入力されると、図8の「画像形成」の期間で示すように、加熱部材51の温度が上昇し、第1の温度を含む或る範囲の中で、加熱部材51の温度が周期的に上昇と下降を繰り返す。
要するに、画像形成装置100は、前記定着手段により前記画像の定着を行う場合に、前記加熱部材の温度を第1の温度に近づけるように前記熱源を制御し、前記画像形成手段によって最後に実行された画像形成が、前記読取手段によって生成された画像データに基づく画像形成である場合には、画像形成終了後の待機状態における前記加熱部材の温度を、前記第1の温度よりも低く、且つ、前記加熱部材を加熱しない場合の温度よりも高い第2の温度に近づけるように前記熱源を制御する制御手段を有する画像形成装置の一例である。
【0037】
ステップS210では、制御部4が、加熱部材51の加熱を停止させる。具体的には、制御部4が、電源回路56に対して、熱源55への電力供給の停止を指示する。
ステップS211では、制御部4が、画像形成装置100に画像形成の指示が入力されたか否かを判定する。画像形成の指示が入力されたならば(ステップS211:YES)、制御部4は、図4に示す流れ図のBに進む。一方、画像形成の指示が入力されていないならば(ステップS211:NO)、ステップS211の判定を繰り返す。
【0038】
つまり、ステップS210に進んだ場合、図7の「待機状態」の期間で示すように、加熱部材51の温度が下降し続け、画像形成の指示が入力されたならば、加熱部材51が加熱されて温度が上昇する。なお、図6のように加熱部材51の温度が下がり切った状態から加熱を開始した場合、加熱部材51の温度が第1の温度に達するまでに要する時間は、例えば、10秒である。
要するに、画像形成装置100は、前記画像形成手段によって最後に実行された画像形成が、前記受信手段によって受信された画像データに基づく画像形成である場合には、画像形成終了後の待機状態において前記加熱部材を加熱しないように前記熱源を制御する制御手段を有する画像形成装置の一例である。
また、画像形成装置100は、前記画像形成手段によって最後に実行された画像形成が、前記読取手段によって生成された画像データに基づく画像形成であり、且つ、当該画像形成の終了後に、前記受信手段による画像データの受信と、前記読取手段による原稿の読み取りとのいずれも実行されない期間が閾値を超えた場合に、前記加熱部材を加熱しないように前記熱源を制御する制御手段を有する画像形成装置の一例である。
以上が、画像形成装置100の動作である。
【0039】
次に、実際の利用形態を想定して、本実施形態の作用について説明する。
ユーザが画像形成装置100の複写機能を用いて複数回の複写を実行する場合を想定する。この場合、先行の複写が終了してからユーザが後続の複写の指示を入力するまでに、或る程度の時間を要することになる。例えば、プラテンガラス2Aに手作業で原稿を載せる場合、先行の複写で読み取った原稿を取り除いて別の原稿を載せ、複写の指示を入力するという作業が生じる。あるいは、原稿搬送機構2Cを用いる場合、原稿の搬送が終了した後、別の原稿を原稿台2Bに載せ、複写の指示を入力するという作業が生じる。あるいは、先行の複写で読み取った原稿をプラテンガラス2Aに載せたまま、倍率、濃度等の設定を変更する場合もある。また、原稿がステープルで綴じられている場合、ステープルを取り外す作業が生じる。また、寸法の異なる原稿が混在していると、原稿を載せる作業に手間取ることがある。つまり、複写と複写の間の作業に要する時間は、作業の内容や原稿の形態によってまちまちである。仮に、待機状態の期間内に図7のように加熱部材51の加熱を停止したままにすると、上記の作業に手間取るほど加熱部材51の温度が下降する。加熱部材51の温度が低いほど、複写の指示を入力してから加熱部材51の温度が第1の温度に達するまでの時間も長くなるので、複写の指示を入力してから複写が開始されるまでの待ち時間が長くなる。この待ち時間が短ければ短いほどよいことは明らかである。
【0040】
本実施形態では、最後の画像形成が複写機能による画像形成であった場合に、加熱部材51の温度を第2の温度に近づけるように熱源55を制御する。第2の温度は、第1の温度よりも低い温度であり、且つ、加熱部材51を加熱しない場合の温度よりも高い温度である。この構成によれば、加熱部材51の温度を第2の温度に近づけるように熱源55を制御しない場合と比べて、複数回の複写を続けて行う場合の2回目以降の複写の指示の入力後の待ち時間が短くなる。
なお、待ち時間を短くするには、第1の温度と第2の温度との差が小さいほどよいが、差を小さくし過ぎると省電力の効果が薄れてしまう。従って、待ち時間の短縮と省電力とのバランスを考慮して、第2の温度を設定することが望ましい。
【0041】
一方、非複写機能による画像形成の場合、複写機能による画像形成の場合と比べて、この待ち時間が問題になることは少ない。例えば、ユーザがコンピュータから画像形成装置100にデータを送信する場合、ユーザが印刷物を手に取るには、コンピュータの設置場所から画像形成装置100の設置場所まで移動することが必要であり、その移動の間に加熱部材51の加熱が行われる。また、外部のファクシミリ装置からデータを受信した場合、一般に、ユーザがその受信を認識するのは、画像の定着された記録媒体が排出された後である。従って、本実施形態では、非複写機能による画像形成の場合には、画像形成の終了後、次の画像形成の指示が入力されるまで、加熱部材51の加熱を停止させたままにする。
【0042】
(3)変形例
上記の実施形態を以下に示す変形例のように変形してもよい。また、複数の変形例を組み合わせても良い。また、実施形態と変形例を組み合わせてもよい。
(3.1)変形例1
実施形態では、支持部材63と加圧部材64とベルト65とを有する加圧機構61の例を示したが、加圧機構61がローラであってもよい。
図9は、定着装置70を示す図である。定着装置70は、加熱部材81と加圧部材71とを有する。
加熱部材81は、搬送路34を横断する方向を軸方向とするローラである。加熱部材81は、芯82と中間層83と被覆層54とを有し、芯82が軸受(図示省略)によって支持されている。芯82は、例えばアルミニウム等で作製された中空の部材であり、その外周面が中間層83で覆われている。中間層83は、例えばシリコンゴムで作製されており、その外周面が被覆層54で覆われている。被覆層54は、PFA、PTFE等の樹脂で作製されている。芯82の内部には、熱源55が設けられている。
【0043】
加圧部材71は、搬送路34を横断する方向を軸方向とするローラである。加圧部材71は、芯73と中間層74と被覆層75とを有し、芯73が軸受(図示省略)によって支持されている。芯73は、例えばアルミニウム等で作製されており、その外周面が中間層74で覆われている。中間層74は、例えばシリコンゴムで作製されており、その外周面が被覆層75で覆われている。被覆層75は、PFA、PTFE等の樹脂で作製されている。
加熱部材81は、電気モータ等の駆動手段(図示省略)によって矢印Hの方向に回転させられる。加圧部材71の外周面は加熱部材81の外周面に押し当てられており、加圧部材71は、加熱部材81の回転に伴って矢印Jの方向に回転させられる。
【0044】
(3.2)変形例2
ステップS204、S208における閾値を、ユーザが指示受付部1により指定するようにしてもよい。例えば、複写機能の使用頻度が高いほど、当該閾値を大きくするようにしてもよい。当該閾値を大きくするほど、待ち時間が短くなる。
ステップS204、S208の判定を省略してもよい。この構成では、最後の画像形成が複写機能による画像形成であった場合に、制御部4は、時間の制限なしに、次の画像形成の指示が入力されるまで、加熱部材51の温度を第2の温度に近づけるように熱源55を制御し続ける。
【0045】
(3.3)変形例3
指示受付部1、画像処理部3、制御部4、記憶部5を画像形成装置と別体の制御装置として構成し、制御装置と画像形成装置とを通信手段で接続し、この通信手段を介して制御装置が画像形成装置を制御するようにしてもよい。図10は、制御装置200及び画像形成装置300のハードウェア構成を示す図である。制御装置200は、実施形態に係る画像形成装置100の構成要素のうち、指示受付部1、画像処理部3、制御部4、記憶部5及び通信I/F6を有する。画像形成装置300は、画像形成装置100の構成要素のうち、読取部2、画像形成部7、定着装置50及び通信I/F6を有する。
【0046】
要するに、制御装置200は、画像データを受信する受信手段と、原稿を読み取って画像データを生成する読取手段と、前記受信手段によって受信された画像データと、前記読取手段によって生成された画像データとのいずれかに基づいて、記録媒体にトナーを用いて画像を形成する画像形成手段と、熱源と当該熱源によって加熱される加熱部材とを有し、当該加熱部材を前記画像に接触させることによって前記画像を前記記録媒体に定着させる定着手段とを有する画像形成装置との間で当該画像形成装置を制御するための通信を行う通信手段と、前記定着手段により前記画像の定着を行う場合に、前記加熱部材の温度を第1の温度に近づけるように前記熱源を制御し、前記画像形成手段によって最後に実行された画像形成が、前記読取手段によって生成された画像データに基づく画像形成である場合には、画像形成終了後の待機状態における前記加熱部材の温度を、前記第1の温度よりも低く、且つ、前記加熱部材を加熱しない場合の温度よりも高い第2の温度に近づけるように前記熱源を制御する制御手段とを有することを特徴とする制御装置の一例である。
【0047】
(3.4)変形例4
実施形態及び変形例3では、制御部4がプログラムを実行することによって処理を実行する例を示したが、同様の機能をハードウェアで実装するようにしてもよい。また、このプログラムを、光記録媒体、半導体メモリ等、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供し、この記録媒体からプログラムを読み取って画像形成装置100の記憶部5に記憶させるようにしてもよい。また、このプログラムを電気通信回線経由で提供してもよい。
【符号の説明】
【0048】
100…画像形成装置、1…指示受付部、2…読取部、3…画像処理部、4…制御部、5…記憶部、6…通信I/F、7…画像形成部、10Y、10M、10C、10K…画像形成エンジン、11…感光体、12…帯電装置、13…露光装置、14…現像装置、15…1次転写装置、20…中間転写体、30…媒体搬送部、23…2次転写装置、50…定着装置、51…加熱部材、53…芯、54…被覆層、55…熱源、56…電源回路、57…温度測定部、61…加圧機構、63…支持部材、64…加圧部材、65…ベルト
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、制御装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
加熱した部材をトナー像に押し当てることによりトナー像を溶融させて記録媒体に定着させる定着装置が知られている。特許文献1では、定着装置の温度が第1の温度領域に達したならば、複写を許可し、定着装置の温度が第1の温度領域よりも高い第2の温度領域に達したならば、外部装置から受け取った画像データに基づく画像形成を許可するように画像形成装置を制御することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−340986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザが複数回の複写を続けて行う場合、2回目以降の複写の指示を入力してから画像形成装置による画像形成が始まるまでに、定着装置の加熱のための待ち時間が発生することがある。
本発明は、複数回の複写を続けて行う場合に、2回目以降の複写の指示の入力後の画像形成開始までの待ち時間を短くすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る画像形成装置は、画像データを受信する受信手段と、原稿を読み取って画像データを生成する読取手段と、前記受信手段によって受信された画像データと、前記読取手段によって生成された画像データとのいずれかに基づいて、記録媒体にトナーを用いて画像を形成する画像形成手段と、熱源と当該熱源によって加熱される加熱部材とを有し、当該加熱部材を前記画像に接触させることによって前記画像を前記記録媒体に定着させる定着手段と、前記定着手段により前記画像の定着を行う場合に、前記加熱部材の温度を第1の温度に近づけるように前記熱源を制御し、前記画像形成手段によって最後に実行された画像形成が、前記読取手段によって生成された画像データに基づく画像形成である場合には、画像形成終了後の待機状態における前記加熱部材の温度を、前記第1の温度よりも低く、且つ、前記加熱部材を加熱しない場合の温度よりも高い第2の温度に近づけるように前記熱源を制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【0006】
請求項2に係る画像形成装置は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記制御手段は、前記画像形成手段によって最後に実行された画像形成が、前記受信手段によって受信された画像データに基づく画像形成である場合には、画像形成終了後の待機状態において前記加熱部材を加熱しないように前記熱源を制御することを特徴とする。
【0007】
請求項3に係る画像形成装置は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記制御手段は、前記画像形成手段によって最後に実行された画像形成が、前記読取手段によって生成された画像データに基づく画像形成であり、且つ、当該画像形成の終了後に、前記受信手段による画像データの受信と、前記読取手段による原稿の読み取りとのいずれも実行されない期間が閾値を超えた場合に、前記加熱部材を加熱しないように前記熱源を制御することを特徴とする。
請求項4に係る画像形成装置は、請求項3に記載の画像形成装置において、前記閾値を指定する指示を受け付ける受付手段を有し、前記制御手段は、前記受付手段によって受け付けられた指示に基づいて前記熱源を制御することを特徴とする。
【0008】
請求項5に係る制御装置は、画像データを受信する受信手段と、原稿を読み取って画像データを生成する読取手段と、前記受信手段によって受信された画像データと、前記読取手段によって生成された画像データとのいずれかに基づいて、記録媒体にトナーを用いて画像を形成する画像形成手段と、熱源と当該熱源によって加熱される加熱部材とを有し、当該加熱部材を前記画像に接触させることによって前記画像を前記記録媒体に定着させる定着手段とを有する画像形成装置との間で当該画像形成装置を制御するための通信を行う通信手段と、前記定着手段により前記画像の定着を行う場合に、前記加熱部材の温度を第1の温度に近づけるように前記熱源を制御し、前記画像形成手段によって最後に実行された画像形成が、前記読取手段によって生成された画像データに基づく画像形成である場合には、画像形成終了後の待機状態における前記加熱部材の温度を、前記第1の温度よりも低く、且つ、前記加熱部材を加熱しない場合の温度よりも高い第2の温度に近づけるように前記熱源を制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【0009】
請求項6に係るプログラムは、コンピュータを、画像データを受信する受信手段と、原稿を読み取って画像データを生成する読取手段と、前記受信手段によって受信された画像データと、前記読取手段によって生成された画像データとのいずれかに基づいて、記録媒体にトナーを用いて画像を形成する画像形成手段と、熱源と当該熱源によって加熱される加熱部材とを有し、当該加熱部材を前記画像に接触させることによって前記画像を前記記録媒体に定着させる定着手段とを有する画像形成装置との間で当該画像形成装置を制御するための通信を行う通信手段と、前記定着手段により前記画像の定着を行う場合に、前記加熱部材の温度を第1の温度に近づけるように前記熱源を制御し、前記画像形成手段によって最後に実行された画像形成が、前記読取手段によって生成された画像データに基づく画像形成である場合には、画像形成終了後の待機状態における前記加熱部材の温度を、前記第1の温度よりも低く、且つ、前記加熱部材を加熱しない場合の温度よりも高い第2の温度に近づけるように前記熱源を制御する制御手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1、5、6に係る発明によれば、加熱部材の温度を第2の温度に近づけるように熱源を制御しない場合と比べて、複数回の複写を続けて行う場合に、2回目以降の複写の指示の入力後の画像形成開始までの待ち時間を短くすることができる。
請求項2、3に係る発明によれば、加熱部材を加熱しないように熱源を制御しない場合と比べて、加熱部材を加熱するためのエネルギーを節約することができる。
請求項4に係る発明によれば、加熱部材の加熱を停止させる時期を、画像形成装置の利用形態に応じて設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】画像形成装置100のハードウェア構成を示す図である。
【図2】画像形成エンジン10の構成を示す図である。
【図3】定着装置50を示す図である。
【図4】制御部4が実行する処理の手順を示す流れ図である。
【図5】制御部4が実行する処理の手順を示す流れ図である。
【図6】加熱部材51の温度を示す図である。
【図7】加熱部材51の温度を示す図である。
【図8】加熱部材51の温度を示す図である。
【図9】定着装置70を示す図である。
【図10】制御装置200、画像形成装置300のハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(1)実施形態の基本構成
図1は、画像形成装置100のハードウェア構成を示す図である。
記憶部5は、例えばハードディスク記憶装置であり、OS(Operating System)、アプリケーションプログラム等が記憶されている。制御部4は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を有する(いずれも図示省略)。ROMには、ハードウェアやOSの起動の手順を記述したファームウェアが記憶されている。RAMは、CPUがプログラムを実行する際のデータの記憶に用いられる。
指示受付部1は、ユーザが画像形成装置100に指示を入力するための種々の操作子を有する。指示受付部1で受け付けられた指示は制御部4に送られ、制御部4はこの指示に従って画像形成装置100の動作を制御する。
通信I/F(Interface)6は、LAN(Local Area Network)等の通信手段(図示省略)に接続されており、画像形成装置100と他の装置との通信を仲介する。
【0013】
読取部2は、原稿を光学的に読み取って画像データを生成する。具体的には、読取部2は、光源、光学系及び撮像素子を備え(いずれも図示省略)、プラテンガラス2A上に載せられた原稿に対して光源が光を照射し、原稿で反射された反射光が光学系を介してR(Red)色、G(Green)色、B(Blue)色に分解されて撮像素子に入射する。撮像素子は、入射した光を画像データに変換し、画像処理部3に供給する。また、読取部2は、原稿を載せる原稿台2Bと、原稿台に載せられた原稿を1枚ずつプラテンガラス2A上に搬送する原稿搬送機構2Cを有する。
画像処理部3は、読取部2から供給された画像データをA/D変換し、ノイズ除去、ガンマ補正、R色、G色、B色からY(Yellow)色、M(Magenta)色、C(Cyan)色、K(Black)色への変換、スクリーン処理等を施す。こうして、色毎、画素毎の階調を表す画像データが生成される。
【0014】
画像形成部7の主な構成要素は、画像形成エンジン10Y、10M、10C、10K、中間転写体20、媒体搬送部30である。
画像形成エンジン10Y、10M、10C、10Kは、画像処理部3から供給された画像データに基づいて、電子写真方式により、それぞれY色、M色、C色、K色のトナー像を中間転写体20の表面に重ねて形成する。各画像形成エンジンの構成は共通であるから、各画像形成エンジンを区別する必要のない場合には、画像形成エンジン10と総称する。また、その場合、画像形成エンジン10の構成要素についても、Y、M、C、Kの表記を省略する。
【0015】
図2は、画像形成エンジン10の構成を画像形成装置100の正面側から示した図である。画像形成エンジン10は、感光体11の周囲に、帯電装置12、露光装置13、現像装置14、1次転写装置15等を設けて構成されている。
感光体11は、矢印Aの方向に回転駆動されるローラであり、その表面には、光の照射によって電位が変化する半導体で作製された感光層が設けられている。
帯電装置12は、例えば、コロトロン型帯電装置、ローラ式帯電装置等であり、感光体11の表面を予め定められた電位に帯電させる。
露光装置13は、感光体11の表面に潜像を書き込む。具体的には、画像処理部3から供給された画像データで表される各画素の階調に対応するレーザビームLBを生成し、このレーザビームLBで感光体11の表面を定められた主走査方向(例えば、感光体11の軸方向)に走査する。すると、感光体11の表面では、レーザビームLBの照射された部分の電位が低下することによって潜像が形成される。感光体11が回転駆動されることによって主走査方向の走査線単位での潜像の書き込みが周方向(副走査方向)に繰り返される。
【0016】
現像装置14は、感光体11の外周面に形成された潜像を現像する。具体的には、現像装置14は、感光体11と互いの外周面が対向するように設けられた現像ローラ142を有する。現像装置14の内部には、トナーとキャリアからなる2成分現像剤が収容されている。トナーは、樹脂製の粉体をY色、M色、C色、K色のいずれかの色材で着色したものである。キャリアは、磁性体で作製された粉体である。2成分現像剤は、回転駆動される現像ローラ142の外周面に磁力によって付着する。現像ローラ142には潜像と逆極性の現像バイアス電圧が印加されている。この現像バイアス電圧によってトナーが潜像と逆極性に帯電させられる結果、静電引力によりトナーが潜像上に移送される。つまり、潜像がトナーで現像されることによりトナー像が形成される。
【0017】
中間転写体20は、駆動ローラ21とローラ22に架け回された無端のベルトであり、駆動ローラ21が回転駆動されることによって、中間転写体20が矢印Bの方向に循環する。中間転写体20を挟んで感光体11と対向する位置には1次転写装置15が設けられている。1次転写装置15は、例えば、コロトロン型帯電装置であり、中間転写体20にトナー像と逆極性の転写バイアス電圧を印加する。転写バイアス電圧によって中間転写体20がトナー像と逆極性に帯電させられ、トナー像が中間転写体20に転写される。この転写動作を1次転写という。
以上が画像形成エンジン10の構成である。画像形成エンジン10Y、10M、10C、10Kで形成されたトナー像は、中間転写体20に重ねて転写される。
【0018】
媒体搬送部30は、記録媒体Pを搬送する。具体的には、媒体収容部31には、紙等の記録媒体Pが積み重ねて収容されており、送り出しローラ32が、中間転写体20上のトナー像の移動と同期させて回転駆動されることにより、記録媒体Pを1枚ずつ搬送路34に送り出す。搬送路34上に設けられた搬送ローラ33が回転駆動されることにより、記録媒体Pが搬送路34に沿って搬送される。
2次転写装置23は、記録媒体Pに中間転写体20と逆極性の転写バイアス電圧を印加するローラであり、2次転写装置23の外周面は、中間転写体20を挟んでローラ22の外周面に突き当てられている。2次転写装置23と中間転写体20とが接触する位置に記録媒体Pが進入すると、転写バイアス電圧によって記録媒体Pが中間転写体20と逆極性に帯電させられ、トナー像が記録媒体Pの表面に転写される。この転写動作を2次転写という。
【0019】
トナー像が転写された記録媒体Pは、定着装置50に搬送される。定着装置50は、トナー像を加熱及び加圧することによって、トナー像を記録媒体Pの表面に定着させる。
図3は、定着装置50を示す図である。定着装置50は、加熱部材51と加圧機構61とを有する。
加熱部材51は、搬送路34を横断する方向を軸方向とするローラである。加熱部材51は、芯53と被覆層54とを有し、芯53が軸受(図示省略)によって支持されている。芯53は、例えばアルミニウム等で作製された中空の部材であり、その外周面が被覆層54で覆われている。被覆層54は、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等の樹脂で作製されている。芯53の内部には、熱源55が設けられている。熱源55は、電源回路56から供給される電力を熱に変換する。熱源55は、ハロゲンランプ、セラミックヒータ等、いかなるものでもよい。また、誘導加熱によって芯53を発熱させるコイルを設けた構成でもよい。この場合、芯53とコイルとで熱源55が構成される。
【0020】
加圧機構61は、支持部材63と加圧部材64とベルト65とを有する。支持部材63は、搬送路34を横断する方向に延びる梁状又はパイプ状の部材である。支持部材63の加熱部材51と対向する側には、加圧部材64が設けられている。加圧部材64は、シリコンゴム、フッ素ゴム等である。ベルト65は、支持部材63と加圧部材64とを取り巻くように設けられた無端のベルトである。ベルト65は、ポリイミド、ポリアミド等の層を有し、その外周面にPFA、PTFE等の層が形成されている。
加圧部材64は、ベルト65を挟んで加熱部材51に押し当てられている。加熱部材51は、電気モータ等の駆動手段(図示省略)によって矢印Hの方向に回転させられる。ベルト65は、加熱部材51の回転に伴って、矢印Jの方向に循環させられる。
【0021】
温度測定部57は、加熱部材51の外周面の温度を測定するためのセンサである。制御部4は、温度測定部57から出力された情報に基づいて、熱源55を制御する。温度測定部57がサーミスタの場合、サーミスタは温度に応じて抵抗値が変化する。制御部4は、電流をサーミスタに供給して電圧を測定し、測定値に基づいてサーミスタの抵抗値を算出する。制御部4は、サーミスタの抵抗値と温度との関係を表すテーブルから加熱部材51の温度を求め、この温度と閾値とを比較して、加熱部材51の加熱の要否を判断する。制御部4は、加熱を要すると判断した場合には、熱源55へ電力を供給するように電源回路56を制御し、加熱を要しないと判断した場合には、熱源55へ電力を供給しないように電源回路56を制御する。この判断の具体例については、後述する。
【0022】
画像形成装置100は、前述のとおり、読取部2で原稿を読み取ることによって生成された画像データに基づいて画像形成を行う、いわゆる複写機能を有する。
また、画像形成装置100は、通信I/F6を介して情報処理装置から受信したベクタ形式やビットマップ形式のデータに基づいて画像形成を行う機能も有する。ここでは、この機能を便宜上、非複写機能と呼ぶ。情報処理装置とは、例えば、LANによって画像形成装置100と接続されたコンピュータであってもよいし、電話回線によって画像形成装置100と接続されたファクシミリ装置でもよい。
要するに、画像形成装置100は、画像データを受信する受信手段と、原稿を読み取って画像データを生成する読取手段と、前記受信手段によって受信された画像データと、前記読取手段によって生成された画像データとのいずれかに基づいて、記録媒体にトナーを用いて画像を形成する画像形成手段と、熱源と当該熱源によって加熱される加熱部材とを有し、当該加熱部材を前記画像に接触させることによって前記画像を前記記録媒体に定着させる定着手段とを有する画像形成装置の一例である。
【0023】
(2)動作
次に、画像形成装置100の動作について説明する。制御部4が記憶部5に記憶されたプログラムを実行することによって、以下の動作が行われる。
図4、図5は、制御部4が実行する処理の手順を示す流れ図である。記憶部5には、この流れ図に従って作成されたプログラムが記憶されており、画像形成装置100に対して画像形成の指示が入力された場合に、制御部4が当該プログラムの実行を開始する。ここで、画像形成の指示とは、複写機能による画像形成の指示の場合と、非複写機能による画像形成の指示の場合とがある。ユーザが読取部2のプラテンガラス2A又は原稿台2Bに原稿を載せ、指示受付部1を用いて複写の指示を入力した場合、この指示が、複写機能による画像形成の指示となる。一方、通信I/F6を介して画像形成のためのデータを受信した場合、このデータの受信が、非複写機能による画像形成の指示となる。画像形成の指示が入力されると、制御部4は、当該指示の内容を表す指示データを記憶部5に記憶し、当該画像形成の終了後、当該画像形成に対応する指示データを記憶部5から削除する。
【0024】
図6乃至8は、加熱部材51の温度を示す図である。「待機状態」とは、画像形成が終了してから次の画像形成の指示が画像形成装置100に入力されるまでの状態を指す。図6における待機状態は、加熱部材51の温度が下がり切った状態を示している。電源回路56の制御の詳細は後述するが、本実施形態では、画像形成の終了後、定められた時間内に新規の画像形成の指示が入力されなかった場合、電源回路56から熱源55への電力供給が絶たれるように構成されている。電力供給が絶たれると、加熱部材51の温度が下降し、やがて定常状態となる。この状態が、加熱部材51の温度が下がり切った状態である。このときの加熱部材51の温度は、言い換えれば、加熱部材51を加熱しない場合の温度である。図7、図8における待機状態については、後述する。画像形成装置100が画像形成の実行中であっても待機状態であっても、画像形成の指示が画像形成装置100に入力された場合には、制御部4が図4に示す処理を開始する。
【0025】
次に、図4について説明する。
ステップS101では、制御部4が、加熱部材51の加熱を開始させる。具体的には、制御部4が、電源回路56に対して、熱源55への電力供給の開始を指示する。すると、図6乃至8の「加熱」の期間で示すように、加熱部材51の温度が上昇する。
また、ステップS101では、制御部4が、画像形成の種類を示すフラグを記憶部5に書き込む。具体的には、ユーザが指示受付部1を用いて複写の指示を入力すると、制御部4は、記憶部5にフラグ「1」を書き込む。つまり、フラグ「1」は、複写機能による画像形成を示すフラグである。一方、通信I/F6を介して画像形成のためのデータを受信した場合、制御部4は、記憶部5にフラグ「0」を書き込む。つまり、フラグ「0」は、非複写機能による画像形成を示すフラグである。
【0026】
ステップS102では、制御部4が、加熱部材51の温度が第1の温度を上回ったか否かを判定する。第1の温度は、記録媒体にトナーを定着させる場合の加熱部材51の温度制御の基準となる温度であり、例えば、180℃である。加熱部材51の温度が第1の温度を上回った場合(ステップS102:YES)には、ステップS103に進む。加熱部材51の温度が第1の温度を上回っていない場合(ステップS102:NO)には、ステップS102の判定を繰り返す。
【0027】
ステップS103では、制御部4が、加熱部材51の加熱を停止させる。具体的には、制御部4が、電源回路56に対して、熱源55への電力供給の停止を指示する。
また、ステップS103では、制御部4が、画像形成の指示に従って画像形成を開始させる。なお、当該画像形成以前に指示が入力された画像形成が実行中又は実行待ちである場合には、その実行が終了し次第、当該画像形成を開始させる。
【0028】
ステップS104では、制御部4が、これまでに指示の入力された画像形成のすべてが終了したか否かを判定する。これまでに指示の入力された画像形成のすべてが終了した場合(ステップS104:YES)には、図5に示す流れ図のAに進む。これまでに指示の入力された画像形成が終了していない場合(ステップS104:NO)には、ステップS105に進む。
ステップS105では、制御部4が、加熱部材51の温度が第1の温度を下回ったか否かを判定する。加熱部材51の温度が第1の温度を下回った場合(ステップS105:YES)には、ステップS106に進む。加熱部材51の温度が第1の温度を下回っていない場合(ステップS105:NO)には、ステップS104に戻る。
ステップS106では、制御部4が、加熱部材51の加熱を開始させる。具体的には、制御部4が、電源回路56に対して、熱源55への電力供給の開始を指示する。すると、図6に示すように、加熱部材51の温度が上昇し始める。
【0029】
ステップS107では、制御部4が、これまでに指示の入力された画像形成のすべてが終了したか否かを判定する。これまでに指示の入力された画像形成のすべてが終了した場合(ステップS107:YES)には、図5に示す流れ図のAに進む。これまでに指示の入力された画像形成が終了していない場合(ステップS107:NO)には、ステップS108に進む。
ステップS108では、制御部4が、加熱部材51の温度が第1の温度を上回ったか否かを判定する。加熱部材51の温度が第1の温度を上回った場合(ステップS108:YES)には、ステップS109に進む。加熱部材51の温度が第1の温度を上回っていない場合(ステップS108:NO)には、ステップS107に戻る。
【0030】
ステップS109では、制御部4が、加熱部材51の加熱を停止させる。具体的には、制御部4が、電源回路56に対して、熱源55への電力供給の停止を指示する。
そして、ステップS104に戻る。
つまり、画像形成装置100に画像形成の指示が入力された場合、図6乃至8の「画像形成」の期間で示すように、第1の温度を含む或る範囲の中で、加熱部材51の温度が周期的に上昇と下降を繰り返すことになる。言い換えれば、制御部4は、定着装置50により画像の定着を行う場合に、加熱部材51の温度を第1の温度に近づけるように熱源55を制御する。
【0031】
次に、図5の説明に移る。図5は、画像形成の終了後の処理を示す流れ図である。
ステップS201では、制御部4が、実行待ちの画像形成が有るか否かを判定する。具体的には、記憶部5に実行待ちの指示データが記憶されているならば、実行待ちの画像形成が有ると判定する。前述のとおり、画像形成の指示は、複写機能による画像形成の指示の場合と、非複写機能による画像形成の指示の場合とがあるが、どちらの指示であっても、実行待ちの画像形成が有るならば(ステップS201:YES)、制御部4は、図4に示す流れ図のBに進む。一方、実行待ちの画像形成が無いならば(ステップS201:NO)、ステップS202に進む。
【0032】
ステップS202では、制御部4が、最後に実行された画像形成が複写機能による画像形成であるのか、非複写機能による画像形成であるのかを判定する。具体的には、制御部4が、記憶部5に書き込まれたフラグを参照し、フラグが「1」であれば、複写機能による画像形成であると判定し、フラグが「0」であれば、非複写機能による画像形成であると判定する。複写機能による画像形成である場合(ステップS202:YES)には、ステップS203に進み、非複写機能による画像形成である場合(ステップS202:NO)には、ステップS210に進む。
ステップS203では、制御部4が、実行待ちの画像形成が有るか否かを判定する。具体的な処理は、ステップS201と同様である。実行待ちの画像形成が有るならば(ステップS203:YES)、制御部4は、図4に示す流れ図のBに進む。一方、実行待ちの画像形成が無いならば(ステップS203:NO)、ステップS204に進む。
【0033】
ステップS204では、制御部4が、画像形成の終了後、継続して画像形成の指示が入力されない期間が閾値に達したか否かを判定する。具体的には、制御部4が、画像形成の終了後に経過した時間を計測し、この時間が例えば1分に達したか否かを判定する。当該期間が閾値に達した場合(ステップS204:YES)には、ステップS210に進む。一方、当該期間が閾値に達していない場合(ステップS204:NO)には、ステップS205に進む。
ステップS205では、制御部4が、加熱部材51の温度が第2の温度を下回ったか否かを判定する。ここで、第2の温度は、第1の温度よりも低い温度であり、且つ、加熱部材51の温度が下がり切った状態の温度(図6参照)よりも高い温度である。加熱部材51の温度が下がり切った状態の温度とは、要するに、加熱部材51を加熱しない場合の温度である。加熱部材51の温度が第2の温度を下回った場合(ステップS205:YES)には、ステップS206に進む。加熱部材51の温度が第2の温度を下回っていない場合(ステップS205:NO)には、ステップS203に戻る。
【0034】
ステップS206では、制御部4が、加熱部材51の加熱を開始させる。具体的には、制御部4が、電源回路56に対して、熱源55への電力供給の開始を指示する。電力供給を開始した後の加熱部材51の温度の変化は、ステップS106についての説明と同様である。
ステップS207では、制御部4が、実行待ちの画像形成が有るか否かを判定する。具体的な処理は、ステップS203と同様である。実行待ちの画像形成が有るならば(ステップS207:YES)、制御部4は、図4に示す流れ図のBに進む。一方、実行待ちの画像形成が無いならば(ステップS207:NO)、ステップS208に進む。
【0035】
ステップS208では、制御部4が、画像形成の終了後、継続して画像形成の指示が入力されない期間が閾値に達したか否かを判定する。具体的な処理の内容は、ステップS204と同様である。当該期間が閾値に達した場合(ステップS208:YES)には、ステップS210に進む。一方、当該期間が閾値に達していない場合(ステップS208:NO)には、ステップS209に進む。
ステップS209では、制御部4が、加熱部材51の温度が第2の温度を上回ったか否かを判定する。加熱部材51の温度が第2の温度を上回った場合(ステップS209:YES)には、ステップS203に戻る。加熱部材51の温度が第2の温度を上回っていない場合(ステップS209:NO)には、ステップS207に戻る。
【0036】
つまり、最後の画像形成が複写機能による画像形成であった場合、当該画像形成の終了後、図8の「待機状態」の期間で示すように、加熱部材51の温度が下降し、第2の温度を含む或る範囲の中で、加熱部材51の温度が周期的に上昇と下降を繰り返す。そして、画像形成の指示が入力されると、図8の「画像形成」の期間で示すように、加熱部材51の温度が上昇し、第1の温度を含む或る範囲の中で、加熱部材51の温度が周期的に上昇と下降を繰り返す。
要するに、画像形成装置100は、前記定着手段により前記画像の定着を行う場合に、前記加熱部材の温度を第1の温度に近づけるように前記熱源を制御し、前記画像形成手段によって最後に実行された画像形成が、前記読取手段によって生成された画像データに基づく画像形成である場合には、画像形成終了後の待機状態における前記加熱部材の温度を、前記第1の温度よりも低く、且つ、前記加熱部材を加熱しない場合の温度よりも高い第2の温度に近づけるように前記熱源を制御する制御手段を有する画像形成装置の一例である。
【0037】
ステップS210では、制御部4が、加熱部材51の加熱を停止させる。具体的には、制御部4が、電源回路56に対して、熱源55への電力供給の停止を指示する。
ステップS211では、制御部4が、画像形成装置100に画像形成の指示が入力されたか否かを判定する。画像形成の指示が入力されたならば(ステップS211:YES)、制御部4は、図4に示す流れ図のBに進む。一方、画像形成の指示が入力されていないならば(ステップS211:NO)、ステップS211の判定を繰り返す。
【0038】
つまり、ステップS210に進んだ場合、図7の「待機状態」の期間で示すように、加熱部材51の温度が下降し続け、画像形成の指示が入力されたならば、加熱部材51が加熱されて温度が上昇する。なお、図6のように加熱部材51の温度が下がり切った状態から加熱を開始した場合、加熱部材51の温度が第1の温度に達するまでに要する時間は、例えば、10秒である。
要するに、画像形成装置100は、前記画像形成手段によって最後に実行された画像形成が、前記受信手段によって受信された画像データに基づく画像形成である場合には、画像形成終了後の待機状態において前記加熱部材を加熱しないように前記熱源を制御する制御手段を有する画像形成装置の一例である。
また、画像形成装置100は、前記画像形成手段によって最後に実行された画像形成が、前記読取手段によって生成された画像データに基づく画像形成であり、且つ、当該画像形成の終了後に、前記受信手段による画像データの受信と、前記読取手段による原稿の読み取りとのいずれも実行されない期間が閾値を超えた場合に、前記加熱部材を加熱しないように前記熱源を制御する制御手段を有する画像形成装置の一例である。
以上が、画像形成装置100の動作である。
【0039】
次に、実際の利用形態を想定して、本実施形態の作用について説明する。
ユーザが画像形成装置100の複写機能を用いて複数回の複写を実行する場合を想定する。この場合、先行の複写が終了してからユーザが後続の複写の指示を入力するまでに、或る程度の時間を要することになる。例えば、プラテンガラス2Aに手作業で原稿を載せる場合、先行の複写で読み取った原稿を取り除いて別の原稿を載せ、複写の指示を入力するという作業が生じる。あるいは、原稿搬送機構2Cを用いる場合、原稿の搬送が終了した後、別の原稿を原稿台2Bに載せ、複写の指示を入力するという作業が生じる。あるいは、先行の複写で読み取った原稿をプラテンガラス2Aに載せたまま、倍率、濃度等の設定を変更する場合もある。また、原稿がステープルで綴じられている場合、ステープルを取り外す作業が生じる。また、寸法の異なる原稿が混在していると、原稿を載せる作業に手間取ることがある。つまり、複写と複写の間の作業に要する時間は、作業の内容や原稿の形態によってまちまちである。仮に、待機状態の期間内に図7のように加熱部材51の加熱を停止したままにすると、上記の作業に手間取るほど加熱部材51の温度が下降する。加熱部材51の温度が低いほど、複写の指示を入力してから加熱部材51の温度が第1の温度に達するまでの時間も長くなるので、複写の指示を入力してから複写が開始されるまでの待ち時間が長くなる。この待ち時間が短ければ短いほどよいことは明らかである。
【0040】
本実施形態では、最後の画像形成が複写機能による画像形成であった場合に、加熱部材51の温度を第2の温度に近づけるように熱源55を制御する。第2の温度は、第1の温度よりも低い温度であり、且つ、加熱部材51を加熱しない場合の温度よりも高い温度である。この構成によれば、加熱部材51の温度を第2の温度に近づけるように熱源55を制御しない場合と比べて、複数回の複写を続けて行う場合の2回目以降の複写の指示の入力後の待ち時間が短くなる。
なお、待ち時間を短くするには、第1の温度と第2の温度との差が小さいほどよいが、差を小さくし過ぎると省電力の効果が薄れてしまう。従って、待ち時間の短縮と省電力とのバランスを考慮して、第2の温度を設定することが望ましい。
【0041】
一方、非複写機能による画像形成の場合、複写機能による画像形成の場合と比べて、この待ち時間が問題になることは少ない。例えば、ユーザがコンピュータから画像形成装置100にデータを送信する場合、ユーザが印刷物を手に取るには、コンピュータの設置場所から画像形成装置100の設置場所まで移動することが必要であり、その移動の間に加熱部材51の加熱が行われる。また、外部のファクシミリ装置からデータを受信した場合、一般に、ユーザがその受信を認識するのは、画像の定着された記録媒体が排出された後である。従って、本実施形態では、非複写機能による画像形成の場合には、画像形成の終了後、次の画像形成の指示が入力されるまで、加熱部材51の加熱を停止させたままにする。
【0042】
(3)変形例
上記の実施形態を以下に示す変形例のように変形してもよい。また、複数の変形例を組み合わせても良い。また、実施形態と変形例を組み合わせてもよい。
(3.1)変形例1
実施形態では、支持部材63と加圧部材64とベルト65とを有する加圧機構61の例を示したが、加圧機構61がローラであってもよい。
図9は、定着装置70を示す図である。定着装置70は、加熱部材81と加圧部材71とを有する。
加熱部材81は、搬送路34を横断する方向を軸方向とするローラである。加熱部材81は、芯82と中間層83と被覆層54とを有し、芯82が軸受(図示省略)によって支持されている。芯82は、例えばアルミニウム等で作製された中空の部材であり、その外周面が中間層83で覆われている。中間層83は、例えばシリコンゴムで作製されており、その外周面が被覆層54で覆われている。被覆層54は、PFA、PTFE等の樹脂で作製されている。芯82の内部には、熱源55が設けられている。
【0043】
加圧部材71は、搬送路34を横断する方向を軸方向とするローラである。加圧部材71は、芯73と中間層74と被覆層75とを有し、芯73が軸受(図示省略)によって支持されている。芯73は、例えばアルミニウム等で作製されており、その外周面が中間層74で覆われている。中間層74は、例えばシリコンゴムで作製されており、その外周面が被覆層75で覆われている。被覆層75は、PFA、PTFE等の樹脂で作製されている。
加熱部材81は、電気モータ等の駆動手段(図示省略)によって矢印Hの方向に回転させられる。加圧部材71の外周面は加熱部材81の外周面に押し当てられており、加圧部材71は、加熱部材81の回転に伴って矢印Jの方向に回転させられる。
【0044】
(3.2)変形例2
ステップS204、S208における閾値を、ユーザが指示受付部1により指定するようにしてもよい。例えば、複写機能の使用頻度が高いほど、当該閾値を大きくするようにしてもよい。当該閾値を大きくするほど、待ち時間が短くなる。
ステップS204、S208の判定を省略してもよい。この構成では、最後の画像形成が複写機能による画像形成であった場合に、制御部4は、時間の制限なしに、次の画像形成の指示が入力されるまで、加熱部材51の温度を第2の温度に近づけるように熱源55を制御し続ける。
【0045】
(3.3)変形例3
指示受付部1、画像処理部3、制御部4、記憶部5を画像形成装置と別体の制御装置として構成し、制御装置と画像形成装置とを通信手段で接続し、この通信手段を介して制御装置が画像形成装置を制御するようにしてもよい。図10は、制御装置200及び画像形成装置300のハードウェア構成を示す図である。制御装置200は、実施形態に係る画像形成装置100の構成要素のうち、指示受付部1、画像処理部3、制御部4、記憶部5及び通信I/F6を有する。画像形成装置300は、画像形成装置100の構成要素のうち、読取部2、画像形成部7、定着装置50及び通信I/F6を有する。
【0046】
要するに、制御装置200は、画像データを受信する受信手段と、原稿を読み取って画像データを生成する読取手段と、前記受信手段によって受信された画像データと、前記読取手段によって生成された画像データとのいずれかに基づいて、記録媒体にトナーを用いて画像を形成する画像形成手段と、熱源と当該熱源によって加熱される加熱部材とを有し、当該加熱部材を前記画像に接触させることによって前記画像を前記記録媒体に定着させる定着手段とを有する画像形成装置との間で当該画像形成装置を制御するための通信を行う通信手段と、前記定着手段により前記画像の定着を行う場合に、前記加熱部材の温度を第1の温度に近づけるように前記熱源を制御し、前記画像形成手段によって最後に実行された画像形成が、前記読取手段によって生成された画像データに基づく画像形成である場合には、画像形成終了後の待機状態における前記加熱部材の温度を、前記第1の温度よりも低く、且つ、前記加熱部材を加熱しない場合の温度よりも高い第2の温度に近づけるように前記熱源を制御する制御手段とを有することを特徴とする制御装置の一例である。
【0047】
(3.4)変形例4
実施形態及び変形例3では、制御部4がプログラムを実行することによって処理を実行する例を示したが、同様の機能をハードウェアで実装するようにしてもよい。また、このプログラムを、光記録媒体、半導体メモリ等、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供し、この記録媒体からプログラムを読み取って画像形成装置100の記憶部5に記憶させるようにしてもよい。また、このプログラムを電気通信回線経由で提供してもよい。
【符号の説明】
【0048】
100…画像形成装置、1…指示受付部、2…読取部、3…画像処理部、4…制御部、5…記憶部、6…通信I/F、7…画像形成部、10Y、10M、10C、10K…画像形成エンジン、11…感光体、12…帯電装置、13…露光装置、14…現像装置、15…1次転写装置、20…中間転写体、30…媒体搬送部、23…2次転写装置、50…定着装置、51…加熱部材、53…芯、54…被覆層、55…熱源、56…電源回路、57…温度測定部、61…加圧機構、63…支持部材、64…加圧部材、65…ベルト
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを受信する受信手段と、
原稿を読み取って画像データを生成する読取手段と、
前記受信手段によって受信された画像データと、前記読取手段によって生成された画像データとのいずれかに基づいて、記録媒体にトナーを用いて画像を形成する画像形成手段と、
熱源と当該熱源によって加熱される加熱部材とを有し、当該加熱部材を前記画像に接触させることによって前記画像を前記記録媒体に定着させる定着手段と、
前記定着手段により前記画像の定着を行う場合に、前記加熱部材の温度を第1の温度に近づけるように前記熱源を制御し、前記画像形成手段によって最後に実行された画像形成が、前記読取手段によって生成された画像データに基づく画像形成である場合には、画像形成終了後の待機状態における前記加熱部材の温度を、前記第1の温度よりも低く、且つ、前記加熱部材を加熱しない場合の温度よりも高い第2の温度に近づけるように前記熱源を制御する制御手段と
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記画像形成手段によって最後に実行された画像形成が、前記受信手段によって受信された画像データに基づく画像形成である場合には、画像形成終了後の待機状態において前記加熱部材を加熱しないように前記熱源を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記画像形成手段によって最後に実行された画像形成が、前記読取手段によって生成された画像データに基づく画像形成であり、且つ、当該画像形成の終了後に、前記受信手段による画像データの受信と、前記読取手段による原稿の読み取りとのいずれも実行されない期間が閾値を超えた場合に、前記加熱部材を加熱しないように前記熱源を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記閾値を指定する指示を受け付ける受付手段を有し、
前記制御手段は、前記受付手段によって受け付けられた指示に基づいて前記熱源を制御する
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
画像データを受信する受信手段と、原稿を読み取って画像データを生成する読取手段と、前記受信手段によって受信された画像データと、前記読取手段によって生成された画像データとのいずれかに基づいて、記録媒体にトナーを用いて画像を形成する画像形成手段と、熱源と当該熱源によって加熱される加熱部材とを有し、当該加熱部材を前記画像に接触させることによって前記画像を前記記録媒体に定着させる定着手段とを有する画像形成装置との間で当該画像形成装置を制御するための通信を行う通信手段と、
前記定着手段により前記画像の定着を行う場合に、前記加熱部材の温度を第1の温度に近づけるように前記熱源を制御し、前記画像形成手段によって最後に実行された画像形成が、前記読取手段によって生成された画像データに基づく画像形成である場合には、画像形成終了後の待機状態における前記加熱部材の温度を、前記第1の温度よりも低く、且つ、前記加熱部材を加熱しない場合の温度よりも高い第2の温度に近づけるように前記熱源を制御する制御手段と
を有することを特徴とする制御装置。
【請求項6】
コンピュータを、
画像データを受信する受信手段と、原稿を読み取って画像データを生成する読取手段と、前記受信手段によって受信された画像データと、前記読取手段によって生成された画像データとのいずれかに基づいて、記録媒体にトナーを用いて画像を形成する画像形成手段と、熱源と当該熱源によって加熱される加熱部材とを有し、当該加熱部材を前記画像に接触させることによって前記画像を前記記録媒体に定着させる定着手段とを有する画像形成装置との間で当該画像形成装置を制御するための通信を行う通信手段と、
前記定着手段により前記画像の定着を行う場合に、前記加熱部材の温度を第1の温度に近づけるように前記熱源を制御し、前記画像形成手段によって最後に実行された画像形成が、前記読取手段によって生成された画像データに基づく画像形成である場合には、画像形成終了後の待機状態における前記加熱部材の温度を、前記第1の温度よりも低く、且つ、前記加熱部材を加熱しない場合の温度よりも高い第2の温度に近づけるように前記熱源を制御する制御手段
として機能させるためのプログラム。
【請求項1】
画像データを受信する受信手段と、
原稿を読み取って画像データを生成する読取手段と、
前記受信手段によって受信された画像データと、前記読取手段によって生成された画像データとのいずれかに基づいて、記録媒体にトナーを用いて画像を形成する画像形成手段と、
熱源と当該熱源によって加熱される加熱部材とを有し、当該加熱部材を前記画像に接触させることによって前記画像を前記記録媒体に定着させる定着手段と、
前記定着手段により前記画像の定着を行う場合に、前記加熱部材の温度を第1の温度に近づけるように前記熱源を制御し、前記画像形成手段によって最後に実行された画像形成が、前記読取手段によって生成された画像データに基づく画像形成である場合には、画像形成終了後の待機状態における前記加熱部材の温度を、前記第1の温度よりも低く、且つ、前記加熱部材を加熱しない場合の温度よりも高い第2の温度に近づけるように前記熱源を制御する制御手段と
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記画像形成手段によって最後に実行された画像形成が、前記受信手段によって受信された画像データに基づく画像形成である場合には、画像形成終了後の待機状態において前記加熱部材を加熱しないように前記熱源を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記画像形成手段によって最後に実行された画像形成が、前記読取手段によって生成された画像データに基づく画像形成であり、且つ、当該画像形成の終了後に、前記受信手段による画像データの受信と、前記読取手段による原稿の読み取りとのいずれも実行されない期間が閾値を超えた場合に、前記加熱部材を加熱しないように前記熱源を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記閾値を指定する指示を受け付ける受付手段を有し、
前記制御手段は、前記受付手段によって受け付けられた指示に基づいて前記熱源を制御する
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
画像データを受信する受信手段と、原稿を読み取って画像データを生成する読取手段と、前記受信手段によって受信された画像データと、前記読取手段によって生成された画像データとのいずれかに基づいて、記録媒体にトナーを用いて画像を形成する画像形成手段と、熱源と当該熱源によって加熱される加熱部材とを有し、当該加熱部材を前記画像に接触させることによって前記画像を前記記録媒体に定着させる定着手段とを有する画像形成装置との間で当該画像形成装置を制御するための通信を行う通信手段と、
前記定着手段により前記画像の定着を行う場合に、前記加熱部材の温度を第1の温度に近づけるように前記熱源を制御し、前記画像形成手段によって最後に実行された画像形成が、前記読取手段によって生成された画像データに基づく画像形成である場合には、画像形成終了後の待機状態における前記加熱部材の温度を、前記第1の温度よりも低く、且つ、前記加熱部材を加熱しない場合の温度よりも高い第2の温度に近づけるように前記熱源を制御する制御手段と
を有することを特徴とする制御装置。
【請求項6】
コンピュータを、
画像データを受信する受信手段と、原稿を読み取って画像データを生成する読取手段と、前記受信手段によって受信された画像データと、前記読取手段によって生成された画像データとのいずれかに基づいて、記録媒体にトナーを用いて画像を形成する画像形成手段と、熱源と当該熱源によって加熱される加熱部材とを有し、当該加熱部材を前記画像に接触させることによって前記画像を前記記録媒体に定着させる定着手段とを有する画像形成装置との間で当該画像形成装置を制御するための通信を行う通信手段と、
前記定着手段により前記画像の定着を行う場合に、前記加熱部材の温度を第1の温度に近づけるように前記熱源を制御し、前記画像形成手段によって最後に実行された画像形成が、前記読取手段によって生成された画像データに基づく画像形成である場合には、画像形成終了後の待機状態における前記加熱部材の温度を、前記第1の温度よりも低く、且つ、前記加熱部材を加熱しない場合の温度よりも高い第2の温度に近づけるように前記熱源を制御する制御手段
として機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2013−64849(P2013−64849A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−203176(P2011−203176)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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