画像形成装置、帯電器および像保持体ユニット
【課題】低コストな構成で帯電部材の端部放電を抑制すること。
【解決手段】回転する像保持体(PRy)と、前記像保持体(PRy)に対向して配置され且つ前記像保持体(PRy)表面を帯電させるとともに、前記像保持体(PRy)の回転の軸方向に対して、両端部の表面に放電抑制剤が付与された帯電部材(1)と、を備えた画像形成装置(U)。
【解決手段】回転する像保持体(PRy)と、前記像保持体(PRy)に対向して配置され且つ前記像保持体(PRy)表面を帯電させるとともに、前記像保持体(PRy)の回転の軸方向に対して、両端部の表面に放電抑制剤が付与された帯電部材(1)と、を備えた画像形成装置(U)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、帯電器および像保持体ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式の複写機やプリンタ、FAX等の画像形成装置では、帯電器により像保持体表面を帯電させており、前記帯電器として、像保持体に接触または近接して配置された帯電ロール等の帯電部材を有する帯電器が知られている。帯電ロールでは、像保持体と帯電ロールとの隙間やくさび状の空間における放電により帯電させている。
このような帯電器は、例えば、下記の特許文献1〜3に記載されている。
【0003】
特許文献1(特開2003−140445号公報)記載の技術は、帯電部材(3)の両端部における放電により被帯電体としての感光体(1)の表層の劣化が促進されることを防止するために、感光体(1)に対向して配置されたプレート状の帯電部材(3)において、導電性基体(31)に、感光体(1)に接触する中抵抗層(32)が支持され、中抵抗層(32)の両端部には導電性基体(31)との間に絶縁層(33)を設けている。
また、ローラ状の帯電部材(3)において、導電性基体としての芯金(31)の外周に感光体(1)に押し当てられた弾性中抵抗層(32)が支持されており、弾性中抵抗層(32)の両端部の内周面に、導電性基体(31)との間に絶縁層(33)を設ける技術も記載されている。
特許文献2(特開平7−261507号公報)には、帯電部材の端部放電を低減するために、帯電ローラ(2)の両端部の最外周面に電気抵抗値の高い塗布層(2e)を設ける技術が記載されている。
特許文献3(特開平7−199599号公報)には、帯電部材の端部からの放電の集中を緩和させるために、ローラ状の帯電部材(1)の軸方向両端部の外周面に絶縁層(4)を設ける技術が記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−140445号公報(「0061」〜「0066」図2,図3)
【特許文献2】特開平7−261507号公報(要約書、「0067」〜「0069」、「0130」〜「0131」、図2)
【特許文献3】特開平7−199599号公報(要約書、「0023」〜「0026」、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、低コストな構成で帯電部材の端部放電を抑制することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記技術的課題を解決するために、請求項1記載の画像形成装置は、
回転する像保持体と、
前記像保持体に対向して配置され且つ前記像保持体表面を帯電させる帯電部材とを有し、
前記帯電部材と前記像保持体の対向部には、軸方向端部の放電を抑制する放電抑制剤が介在することを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の画像形成装置は、請求項1に記載の画像形成装置において、
トナーまたは前記トナーに外添された外添剤により構成された前記放電抑制剤、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の画像形成装置は、請求項1または2に記載の画像形成装置において、
前記帯電部材に対して前記像保持体回転方向上流側に配置されて、前記像保持体表面に接触して清掃する像保持体清掃部材であって、像保持体表面の残留物により構成された前記放電抑制剤を軸方向の両端部で擦り抜けることを許容する前記像保持体清掃部材、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の画像形成装置は、請求項3に記載の画像形成装置において、
前記像保持体清掃部材は、前記像保持体表面に先端が接触する板状部材であって、前記像保持体表面側に延びる長さが、軸方向の中央部に対して両端部が短いことを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の画像形成装置は、請求項3に記載の画像形成装置において、
前記像保持体表面に先端が接触する板状部材と、
前記板状部材の基端部を支持する支持部材と、
を有する前記像保持体清掃部材を備え、前記支持部材の前記像保持体表面側先端から前記板状部材の先端までの長さである自由長が、前記像保持体軸方向の中央部に対して両端部が長いことを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の画像形成装置は、請求項3に記載の画像形成装置において、
前記像保持体表面に先端が接触する接触部材と、
先端部に前記接触部材を支持し且つ前記接触部材を前記像保持体表面に付勢する付勢力を発生させる付勢部材と、
前記付勢部材の基端部を支持する支持部材と、
を有する前記像保持体清掃部材を備え、前記支持部材の前記像保持体表面側先端から前記板状部材の先端までの長さである自由長が、前記像保持体軸方向の中央部に対して両端部が長いことを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の画像形成装置は、請求項5または6に記載の画像形成装置において、
前記支持部材の前記像保持体表面側に延びる長さが、前記中央部に対して両端部が短いことを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の画像形成装置は、請求項7に記載の画像形成装置において、
前記支持部材の前記中央部に、前記像保持体表面側に延びる長さが均一の平坦部が形成されたことを特徴とする。
【0014】
請求項9に記載の画像形成装置は、請求項3に記載の画像形成装置において、
前記像保持体清掃部材は、前記像保持体表面に先端が接触する板状部材であって、前記板状部材の厚みが、軸方向の中央部に対して両端部が小さいことを特徴とする。
【0015】
請求項10に記載の画像形成装置は、請求項1ないし9のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記帯電器清掃部材は、前記帯電部材に対向して接触配置され且つ回転の軸方向の接触部の長さが前記帯電部材の帯電領域よりも短いことを特徴とする。
【0016】
請求項11に記載の画像形成装置は、請求項10に記載の画像形成装置において、
板状部材により構成された前記帯電器清掃部材、
を備えた事を特徴とする。
【0017】
請求項12に記載の画像形成装置は、請求項1ないし11のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記像保持体に対向して配置されて、前記像保持体表面の静電潜像を現像する現像剤を保持し且つ前記帯電部材よりも軸方向の長さが長く設定された現像剤保持体を有する現像器、
を備えたことを特徴とする。
【0018】
請求項13に記載の画像形成装置は、請求項1ないし12のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記帯電部材に対して前記像保持体回転方向上流側に配置され且つ前記像保持体表面に接触して清掃する像保持体清掃部材と、前記像保持体清掃部材により回収された残留物を収容する清掃容器と、前記清掃容器内に収容された残留物を回収容器に向けて搬送する残留物搬送部材と、前記像保持体の回転の軸方向両端部に前記残留物を搬送する端部搬送部材と、を有する像保持体清掃器、
を備えたことを特徴とする。
【0019】
請求項14に記載の画像形成装置は、請求項13に記載の画像形成装置において、
前記残留物搬送部材の搬送方向下流側の端部に配置され、前記清掃容器から像保持体に現像剤が移動することを規制する規制部材、
を備えたことを特徴とする。
【0020】
請求項15に記載の画像形成装置は、請求項13または14に記載の画像形成装置において、
画像形成装置の使用時に現像剤が収容された前記清掃容器、
を備えたことを特徴とする。
なお、本願明細書および特許請求の範囲において、「画像形成装置の使用時に現像剤収容された」とは、少なくとも、使用される時点で現像剤が収容されていればよく、設置前の画像形成装置の出荷時に予め収容されている場合や、空の状態で出荷され設置時に充填された場合、画像形成装置の設置後で使用開始前の準備動作時に媒体を搬送せずに画像形成を行い、形成された画像のトナーを清掃容器に回収した場合、等を含む意味で使用している。
【0021】
前記技術的課題を解決するために請求項16に記載の帯電器は、
回転する像保持体に対向して配置され且つ前記像保持体表面を帯電させるとともに、前記像保持体の回転の軸方向に対して、両端部表面に放電抑制剤が付与された帯電部材、
を備えたことを特徴とする。
【0022】
請求項17に記載の帯電器は、請求項16に記載の帯電器において、
トナーまたは前記トナーに外添された外添剤により構成された前記放電抑制剤、
を備えたことを特徴とする。
【0023】
前記技術的課題を解決するために、請求項18に記載の像保持体ユニットは、
回転する像保持体と、
前記像保持体に対向して配置され且つ前記像保持体表面を帯電させる帯電部材とを有し、
前記帯電部材と前記像保持体の対向部には、軸方向端部の放電を抑制する放電抑制剤が介在することを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
請求項1に記載の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べて、帯電部材の端部放電を抑制することができる。
請求項2に記載の発明によれば、画像形成に使用されるトナーや外添剤を放電抑制剤として兼用できる。
請求項3に記載の発明によれば、像保持体清掃部材の端部で擦り抜けた残留物を放電抑制剤として帯電部材に付着させることができる。
請求項4に記載の発明によれば、像保持体清掃部材の形状を一部変更することで、帯電部材の端部放電を抑制できる。
【0025】
請求項5に記載の発明によれば、板状部材の自由長を一部変更することで、帯電部材の端部放電を抑制できる。
請求項6に記載の発明によれば、付勢部材の自由長を一部変更することで、帯電部材の端部放電を抑制できる。
請求項7に記載の発明によれば、支持部材の形状を一部変更することで、自由長を変更でき、帯電部材の端部放電を抑制できる。
請求項8に記載の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べて、支持部材の寸法を容易且つ正確に測定できる。
【0026】
請求項9に記載の発明によれば像保持体清掃部材の形状を一部変更することで、帯電部材の端部放電を抑制できる。
請求項10に記載の発明によれば、帯電器清掃部材の形状を一部変更することで帯電ロールの端部に、放電抑制剤が付着した状態で保持できる。
請求項11に記載の発明によれば、掻き取られた放電抑制剤を効率的に帯電部材の端部に移送することができる。
【0027】
請求項12に記載の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べて、帯電部材の端部に効率的に放電抑制剤を供給できる。
請求項13に記載の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べて、清掃容器から帯電部材の端部に安定して放電抑制剤を供給することができる。
請求項14に記載の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べて、残留物搬送部材の搬送方向下流側において帯電部材の端部への放電抑制剤の供給が過剰になりすぎることを抑制することができる。
【0028】
請求項15に記載の発明によれば、清掃容器内のトナー回収量が少ない画像形成装置出荷時でも、帯電部材に安定して放電抑制剤を供給することができる。
請求項16に記載の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べて帯電部材の端部放電を抑制することができる。
請求項17に記載の発明によれば、画像形成に使用されるトナーや外添剤を放電抑制剤として兼用できる。
請求項18に記載の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べて、帯電部材の端部放電を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例である実施例を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0030】
図1は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図1において、画像形成装置Uは自動原稿搬送装置U1と、これを支持し且つ上端に透明な原稿読取り面PGを有する画像形成装置本体U2とを備えている。
前記自動原稿搬送装置U1は、複写しようとする複数の原稿Giが重ねて収容される原稿給紙部TG1と、原稿給紙部TG1から給紙され前記原稿読取り面PG上の原稿読取位置を通過して搬送される原稿Giが排出される原稿排紙部TG2とを有している。
前記画像形成装置本体U2は、利用者が画像形成動作開始等の作動指令信号を入力操作する操作部UIと、露光光学系A等を有している。
【0031】
前記自動原稿搬送装置U2で原稿読取り面PG上を搬送される原稿または手動で原稿読取り面PG上に置かれた原稿からの反射光は、前記露光光学系Aを介して、固体撮像素子CCDでR(赤)、G(緑)、B(青)の電気信号に変換される。
画像情報変換部IPSは、固体撮像素子CCDから入力される前記RGBの電気信号をK(黒)、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)の画像情報に変換して一時的に記憶し、前記画像情報を所定のタイミングで潜像形成用の画像情報として潜像形成装置駆動回路DLに出力する。
なお、原稿画像が単色画像、いわゆる、モノクロの場合は、K(黒)のみの画像情報が潜像形成装置駆動回路DLに入力される。
前記潜像形成装置駆動回路DLは、各色Y,M,C,Kの各駆動回路(図示せず)を有し、入力された画像情報に応じたレーザ駆動信号を所定のタイミングで、潜像形成装置ROSの各色の潜像書込用レーザダイオード(図示せず)に出力する。
【0032】
図2は実施例1の画像形成装置の要部拡大説明図である。
前記潜像形成装置ROSの上方に配置された可視像形成装置Uy,Um,Uc,Ukはそれぞれ、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、およびK(黒)の各色のトナー像を形成する装置である。
潜像形成装置ROSの各レーザダイオードから出射したY,M,C,Kの潜像書込光の一例としてのレーザビームLy,Lm,Lc,Lkは、それぞれ、回転する像保持体PRy,PRm,PRc,PRkに入射する。
前記Yの可視像形成装置Uyは、回転する像保持体PRy、帯電器CRy,現像装置Gy、転写器T1y、像保持体清掃器CLyを有している。なお、実施例1では、前記現像装置Gyは画像形成装置Uに着脱可能な現像ユニットにより構成されており、前記像保持体PRy、帯電器CRyおよび像保持体清掃器CLyは画像形成装置Uに対して一体的に着脱可能な像保持体ユニットにより構成されている。すなわち、実施例1の可視像形成装置Uyは、現像ユニット、像保持体ユニットおよび転写器T1y等により構成されている。
前記可視像形成装置Um,Uc,Ukはいずれも前記Yの可視像形成装置Uyと同様に構成されている。
【0033】
図1,図2において、前記各像保持体PRy,PRm,PRc,PRkはそれぞれの帯電器CRy,CRm,CRc,CRkにより帯電された後、画像書込位置Q1y、Q1m,Q1c,Q1kにおいて、前記レーザビームLy,Lm,Lc,Lkにより、その表面に静電潜像が形成される。前記像保持体PRy,PRm,PRc,PRk表面の静電潜像は、現像領域Q2y,Q2m,Q2c,Q2kにおいて、現像器Gy,Gm,Gc,Gkの現像剤保持体の一例としての現像ロールGRy,GRm,GRc,GRkに保持された現像剤により可視像の一例としてのトナー像に現像される。
その現像されたトナー像は、中間転写体の一例としての中間転写ベルトBに接触する1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kに搬送される。前記1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kにおいて中間転写ベルトBの裏面側に配置された1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kには、制御部Cにより制御される電源回路Eから所定のタイミングでトナーの帯電極性と逆極性の1次転写電圧が印加される。
前記各像保持体PRy〜PRk上のトナー像は前記1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kにより中間転写ベルトBに1次転写される。1次転写後の像保持体PRy,PRm,PRc,PRk表面の残留トナーは、像保持体清掃器CLy,CLm,CLc,CLkによりクリーニングされる。クリーニングされた前記像保持体PRy,PRm,PRc,PRk表面は、帯電器CRy,CRm,CRc,CRkにより再帯電される。
【0034】
前記像保持体PRy〜PRkの上方には、上下移動可能且つ前方に引き出し可能な中間転写装置の一例としてのベルトモジュールBMが配置されている。前記ベルトモジュールBMは、中間転写体の一例としての中間転写ベルトBと、中間転写体駆動部材の一例としてのベルト駆動ロールRd、中間転写体張架部材の一例としてのテンションロールRt、蛇行防止用部材の一例としてのウォーキングロールRw、従動部材の一例としてのアイドラロール(フリーロール)Rfおよび二次転写領域対向部材の一例としてのバックアップロールT2aを含む中間転写体支持部材の一例としてのベルト支持ロール(Rd,Rt,Rw,Rf,T2a)と、前記1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kとを有している。そして、前記中間転写ベルトBは前記ベルト支持ロール(Rd,Rt,Rw,Rf,T2a)により回転移動可能に支持されている。
【0035】
前記バックアップロールT2aに接する中間転写ベルトBの表面に対向して2次転写部材の一例としての二次転写ロールT2bが配置されており、前記各ロールT2a,T2bにより2次転写器T2が構成されている。また、2次転写器T2bおよび中間転写ベルトBの対向する領域には2次転写領域Q4が形成される。
前記1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kで転写器T1y,T1m,T1c,T1kにより中間転写ベルトB上に順次重ねて転写された単色または多色のトナー像は、前記2次転写領域Q4に搬送される。
【0036】
前記潜像形成装置ROSの下方には、給紙容器の一例としての給紙トレイTR1〜TR3を前後方向(X軸方向)に出入可能に支持するガイド部材の一例としての左右一対のガイドレールGR,GRが3段設けられている。給紙トレイTR1〜TR3に収容された媒体の一例としての記録シートSは、媒体取出し部材の一例としてのピックアップロールRpにより取り出され、媒体捌き部材の一例としてのさばきロールRsにより1枚ずつ分離される。そして、記録シートは、媒体搬送路の一例であるシート搬送路SHに沿って媒体搬送部材の一例としての複数の搬送ロールRaにより搬送され、2次転写領域Q4のシート搬送方向上流側に配置された転写領域搬送時期調節部材の一例としてのレジロールRrに送られる。前記シート搬送路SH、シート搬送ロールRa、レジロールRr等によりシート搬送装置(SH+Ra+Rr)が構成されている。
【0037】
レジロールRrは、前記中間転写ベルトBに形成されたトナー像が2次転写領域Q4に搬送されるのにタイミングを合わせて、前記記録シートSを2次転写領域Q4に搬送する。記録シートSが前記2次転写領域Q4を通過する際、前記バックアップロールT2aは接地され、2次転写器T2bには前記制御部Cにより制御される電源回路Eから所定のタイミングでトナーの帯電極性と逆極性の2次転写電圧が印加される。このとき、前記中間転写ベルトB上のカラートナー像は、前記2次転写器T2により前記記録シートSに転写される。
2次転写後の前記中間転写ベルトBは、中間転写体清掃器の一例としてのベルトクリーナCLbによりクリーニングされる。
【0038】
前記トナー像が2次転写された記録シートSは、定着装置Fの加熱用定着部材の一例としての加熱ロールFhおよび加圧用定着部材の一例としての加圧ロールFpの圧接領域である定着領域Q5に搬送され、前記定着領域を通過する際に加熱定着される。加熱定着された記録シートSは、媒体排出部材の一例としての排出ローラRhから媒体排出部の一例としての排紙トレイTRhに排出される。
なお、前記加熱ロールFh表面には、記録シートSの前記加熱ロールからの離型性を良くするための離型剤が離型剤塗布装置Faにより塗布されている。
【0039】
前記ベルトモジュールBMの上方にはY(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),K(黒)の各現像剤を収容する現像剤補給容器の一例としての現像剤カートリッジKy,Km,Kc,Kkが配置されている。各現像剤カートリッジKy,Km,Kc,Kkに収容された現像剤は、前記現像器Gy,Gm,Gc,Gkの現像剤の消費に応じて、図示しない現像剤補給路から前記各現像器Gy,Gm,Gc,Gkに補給される。なお、実施例1では、前記現像剤として、磁性のキャリアと、外添剤が付与されたトナーとを含む二成分現像剤により構成されている。
【0040】
図1において、前記画像形成装置Uは上側枠体UFと下側枠体LFとを有しており、上側枠体UFには、前記潜像形成装置ROSおよび潜像形成装置ROSよりも上方に配置された部材、すなわち、像保持体PRy,PRm,PRc,PRk、現像器Gy,Gm,Gc,Gk、ベルトモジュールBM等が支持されている。
また、下側枠体LFには、前記給紙トレイTR1〜TR3を支持するガイドレールGRおよび前記各トレイTR1〜TR3から給紙を行う前記給紙部材、すなわち、ピックアップロールRp,さばきロールRs,シート搬送ロールRa等が支持されている。
【0041】
(可視像形成装置の各部材の説明)
図3は本発明の実施例1の画像形成装置における像保持体清掃部材と像保持体と帯電部材とを説明する説明図であり、図3Aは図2の要部説明図、図3Bは長さの関係を説明する説明図である。
次に、本発明の実施例1の可視像形成装置Uy,Um,Uc,Ukを構成する帯電器CRy,CRm,CRc,CRkや像保持体清掃器CLy,CLm,CLc,CLkの説明をするが、各色の部材は同様に構成されているため、Y色のものについてのみ説明し、その他の色のものについての詳細な説明は省略する。
(帯電器の説明)
図2,図3において、実施例1の帯電器CRyは、像保持体PRy表面に接触して従動回転する帯電部材の一例としての帯電ロール1を有する。図3において、実施例1の帯電ロール1として、外径が12mm、軸方向の長さが320mmで、軸方向両端部に45度で1mmの狭窄部2、いわゆるテーパ部2が形成された帯電ロール1を使用できる。前記帯電ロール1は、回転軸としての直径8mmの金属製の芯材3と、芯材3の外周に設けられた厚さ2mmの導電性ゴム層4とを有し、前記導電性ゴム層4は、弾性層4aと表面層4bとで構成される。前記弾性層4aとしては、例えば、エピクロルヒドリンゴムにイオン導電剤が分散されたものが使用される。また、表面層4bとしては、例えば、厚さが3〜6μm程度のポリエステル樹脂またはポリアミド樹脂が使用される。
前記帯電ロール1には、直流に交流が重畳された帯電電圧が印加され、定電流で制御されており、像保持体PRyの回転方向に沿ったくさび形の空間、すなわち、帯電領域Q0yでの放電により像保持体PRy表面が帯電される。なお、実施例1の像保持体PRyは、例えば、いわゆる有機感光体を使用でき、外径30mm、軸方向長さ370mmのアルミ製の導電性支持体上には軸方向長さ355mmの下引層を設け、その表面に電荷発生層と電荷輸送層とからなる感光層を設け、さらに最表面に保護層を設けたものが使用される。なお、例えば、前記電荷発生層の厚みは17〜19μm、保護層の厚みは7〜8μmである。
【0042】
(像保持体清掃器の説明)
図3において、実施例1の像保持体清掃器CLyは、清掃容器の一例としてのハウジング20を有しており、ハウジング20内には、像保持体PRyに対向して配置された回転清掃部材の一例としてのクリーニングブラシ21が回転可能に支持されている。
前記クリーニングブラシ21の像保持体PRy回転方向下流側には、像保持体PRy表面から残留トナーを掻き取る像保持体清掃部材の一例としてのクリーニングブレード24が配置されている。実施例1のクリーニングブレード24は、板状部材により構成されており、例えば、ウレタンゴムにより構成することができ、像保持体PRyの軸方向の幅が324mm、長さ8mm、厚み2mmのものを使用できる。図3Bにおいて、実施例1のクリーニングブレード24の両端部には、長さが中央部に比べて外端で長さL1だけ短く形成された擦り抜け許容部24aが設けられている。なお、実施例1では、前記長さL1は0.2mmに設定されている。
【0043】
図3Aにおいて、前記クリーニングブレード24は、像保持体PRyに対して接線方向に対して角度θ1の接触角で接触させており、実施例1では角度θ1は21〜25度に設定されている。また、前記クリーニングブレード24は所定量だけ食い込むように設計されており、実施例1では食い込み量が中央部で1.2mm、両端で1.0mmとなるように設定されている。すなわち、クリーニングブレード24が像保持体PRy側に突出、進入している量が中央部に比べて両端部が少なく設定されている。
前記クリーニングブラシ21で回収されたトナーや外添剤、紙粉、放電生成物等の残留やクリーニングブレード24で掻き取られた残留物は、残留物搬送部材の一例としての廃トナー搬送オーガ26により搬送され、残留物廃棄用の図示しない回収容器に回収される。
前記符号21〜26を付した各部材により実施例1の像保持体清掃器CLyが構成されている。
【0044】
(実施例1の作用)
前記構成要件を備えた実施例1の画像形成装置Uでは、1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kで中間転写ベルトBにトナー像が転写された後の像保持体PRy〜PRk表面に残留した残留物は像保持体清掃器CLyによりクリーニングされる。このとき、クリーニングブレード24には、両端部に擦り抜け許容部24aが設けられており、この擦り抜け許容部24aによる両端部での少ない食い込み量により、両端部では残留物の一部がクリーニングブレード24を擦り抜ける。クリーニングブレード24を擦り抜けたトナーや外添剤等の高抵抗の残留物、すなわち、放電抑制剤は、擦り抜け許容部24aに対応するクリーニングブレード24の擦り抜け許容領域24bを擦り抜けて、像保持体回転方向下流側の帯電ロール1の両端部の放電抑制剤付与領域1aに付着し、帯電ロール1の両端部やテーパ部2が高抵抗化され、端部放電が低減される。すなわち、端部放電の低減に伴い、放電による像保持体PRy〜PRkの磨耗や、局所放電や漏電、いわゆる、リークの発生も低減される。
【0045】
なお、実施例1の画像形成装置では、現像剤に含まれるトナーとして、任意の作製方法で作成されたトナーを使用可能であり、従来から使用されている粉砕法で作製された粉砕トナーや、乳化重合法で作製された重合トナーを使用することも可能である。乳化重合法で作製された重合トナーとしては、例えば、ポリエステルやスチレンアクリルなどのバインダ樹脂に着色剤、ワックスが内添された外径6μmの微粒子が使用できる。また、このトナーに、帯電性や転写性の向上のために、平均粒径5〜200nmのシリカ(SiO2)、酸化セリウム(CeO2)、チタニア(TiO2)などの無機微粒子の外添剤を外添することができる。前記重合トナーや外添剤は、従来の粉砕法によるトナーに比べて外径が小さいため、クリーニングブレード24から擦り抜けやすい。また、クリーニングブレード24で、転写残トナーを掻き取った際にこれら外添剤がトナーから分離して、クリーニングブレード24から擦り抜けやすい。すなわち、重合トナーおよび外添剤を含む現像剤を使用した場合には、粉砕トナーの場合に比べて、放電抑制剤が擦り抜けやすく、帯電ロール1の端部は効率的に高抵抗化される。
【実施例2】
【0046】
次に、本発明の実施例2の説明を行うが、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例2は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
図4は実施例2の像保持体清掃部材の説明図であり、図4Aは実施例1の図3Aに対応する要部説明図、図4Bは像保持体清掃部材の側面図、図4Cは像保持体清掃部材の正面図である。
図4において、実施例2の像保持体清掃部材27は、実施例1の像保持体清掃部材の一例としてのクリーニングブレード24に換えて、ハウジング20に支持される支持部材28と、前記支持部材28に支持され且つ像保持体PRy〜PRk表面に接触して清掃する板状部材の一例としてのクリーニングブレード29とを有する。
【0047】
実施例2の支持部材28は、例えば、厚み2mmの鋼板により構成される。図4Cにおいて、実施例2の支持部材28は、中央部28aが像保持体PRy〜PRk側に突出する山形に形成されており、中央部28aから両端側に行くにつれて突出量が少なく形成されている。すなわち、支持部材28は、像保持体PRy〜PRk側に延びる長さが、中央部28aに対して両端部が短く形成されている。したがって、支持部材28に支持されるクリーニングブレード29では、支持部材28の端部からクリーニングブレード29の先端までの長さである自由長Ljは、中央部の自由長Lj1に対して両端部の自由長Lj2が短くなっている。
前記クリーニングブレード29は、例えば、厚み2mm、軸方向の長さLbが324mmの弾性ゴムの一例としてのポリウレタンゴムにより構成され、中央部の自由長Lj1が8mm、両端部の自由長Lj2が9mmに設定される。したがって、クリーニングブレード29において、中央部に比べて、両端部の接触圧力が低下し、クリーニングブレード29の像保持体PRy〜PRkに対する接触圧力は、例えば、線圧で、中央部が40N/mm、両端部が30N/mmに設定される。
【0048】
(実施例2の作用)
前記構成を備えた実施例2の画像形成装置では、両端側に行くにつれて接触圧力が小さくなり、残留物の一部がクリーニングブレード29を擦り抜けやすくなる。すなわち、実施例1と同様に、擦り抜けた放電抑制剤により、帯電ロール1の端部の放電抑制剤付与領域1aに付着し、帯電ロール1の端部が高抵抗化される。
【実施例3】
【0049】
次に、本発明の実施例3の説明を行うが、この実施例3の説明において、前記実施例1、2の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例3は、下記の点で前記実施例1、2と相違しているが、他の点では前記実施例1、2と同様に構成されている。
図5は実施例3の像保持体清掃部材の説明図であり、図5Aは実施例2の図4Bに対応する像保持体清掃部材の側面図、図5Bは実施例2の図4Cに対応する像保持体清掃部材の正面図である。
図5において、実施例3の像保持体清掃部材27′は、実施例2と同様に構成された支持部材28と、支持部材28に基端部が支持された板状の付勢部材29aと、付勢部材29aの先端部に支持され且つ像保持体PRy〜PRk表面に接触して清掃する接触部材29bとを有する。
【0050】
前記付勢部材29aは、例えば、金属製の板バネ状部材により構成することができ、厚さ80μmのSUS304で作製できる。また、前記接触部材29bは、例えば、厚み1.2mm、幅5mm、軸方向長さ324mmのポリウレタンゴムにより構成される。さらに、実施例3では、接触圧力は、例えば、軸方向中央部で35N/mm、両端部で27N/mmに設定される。
【0051】
(実施例3の作用)
前記構成を備えた実施例3の画像形成装置Uでは、山形形状の支持部材28に支持される付勢部材29aの中央部の自由長Lj1′が、両端部の自由長Lj2′に比べて、短いため、両端部で残留物の一部がクリーニングブレード29を擦り抜けやすくなる。すなわち、実施例1と同様に、擦り抜けた放電抑制剤により、帯電ロール1の端部の放電抑制剤付与領域1aに付着し、帯電ロール1の端部が高抵抗化される。
また、実施例3の画像形成装置Uでは、付勢部材29aを金属の板バネにより作製した場合、実施例2のように全体がゴム製のクリーニングブレード29で構成する場合に比べて、いわゆる、ゴムのヘタリが抑制され、接触部材29bの像保持体PRy〜PRkへの当接圧力の変動が低減される。また、付勢部材29aを金属の板バネにより作製した場合、実施例2のように全体がゴム製のクリーニングブレード29で構成する場合に比べて、ゴムと像保持体PRy〜PRk表面との摩擦により、めくれてしまう現象も抑制される。
【実施例4】
【0052】
次に、本発明の実施例4の説明を行うが、この実施例4の説明において、前記実施例1〜3の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例4は、下記の点で前記実施例1〜3と相違しているが、他の点では前記実施例1〜3と同様に構成されている。
図6は実施例4の像保持体清掃部材の説明図であり、図6Aは実施例3の図5Aに対応する像保持体清掃部材の側面図、図6Bは実施例3の図5Bに対応する像保持体清掃部材の正面図、図6Cは実施例4の支持部材の寸法測定の説明図、図6Dは実施例3の支持部材の寸法測定の説明図である。
【0053】
図6において、実施例4の像保持体清掃部材27″は、実施例2,3とは異なる支持部材28″と、実施例3の場合と同様に構成された付勢部材29aおよび接触部材29bとを有する。
図6において、実施例4の支持部材28″は、実施例2,3の山形の支持部材28の頂部が切除された台形状に形成されており、切除頂部には中央部としての平坦部28a″が形成されている。なお、実施例4では、前記平坦部28a″の幅Lb1は、例えば、16mmに設定される。
【0054】
(実施例4の作用)
前記構成を備えた実施例4の画像形成装置Uでは、台形形状の支持部材28″に支持される付勢部材29aの中央部の自由長Lj1′が、両端部の自由長Lj2′に比べて、短いため、両端部で残留物の一部がクリーニングブレード29を擦り抜けやすくなる。すなわち、実施例1と同様に、擦り抜けた放電抑制剤により、帯電ロール1の端部の放電抑制剤付与領域1aに付着し、帯電ロール1の端部が高抵抗化される。
また、図6Dにおいて、実施例3の支持部材28の場合では、中央部28aが尖っているため、寸法測定時に、検査位置がずれると、中央部28aから位置a、bで測定され、測定される幅寸法Ls2a,Ls2bは中央部28aの幅寸法Ls2とは異なってしまい、正確に寸法測定ができない場合がある。これに対して、図6Cにおいて、実施例4の画像形成装置Uでは、支持部材28″の検査工程での寸法測定において、平坦部28a″の寸法を測定する際に、測定位置が多少ずれても、支持部材28″の中央部28a″の幅寸法Ls2を、容易且つ正確に測定できる。
【実施例5】
【0055】
次に、本発明の実施例5の説明を行うが、この実施例5の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例5は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
図7は本発明の実施例5の像保持体清掃部材の斜視説明図である。
図7において、本発明の実施例5の画像形成装置Uでは、実施例1のクリーニングブレード24に比べて、実施例5の像保持体清掃部材の一例としてのクリーニングブレード24′の像保持体PRy側に延びる長さは、中央部と両端部で同じ長さに設定されている。そして、実施例5のクリーニングブレード24′では、クリーニングブレード24′の厚さは、中央部と両端部の擦り抜け許容部24a′とで長さL1′だけ厚みが異なる。実施例5では、中央部の厚みLa0が2.0mm、擦り抜け許容部24a′の両端の厚みLa1が1.9mm、すなわち、長さL1′は0.1mmに設定されている。
【0056】
(実施例5の作用)
前記構成を備えた実施例5の画像形成装置Uでは、クリーニングブレード24′の両端部の擦り抜け許容部24a′で、厚みが中央部よりも薄く形成されているので、像保持体PRyに接触する接触圧力が低減され、トナーや外添剤等の放電抑制剤が擦り抜ける。擦り抜けた放電抑制剤は、帯電ロール1の放電抑制剤付与領域1aに付着し、高抵抗化される。
【実施例6】
【0057】
次に、本発明の実施例6の説明を行うが、この実施例6の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例6は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
図8は本発明の実施例6の画像形成装置の帯電器部分の要部拡大説明図である。
図9は本発明の実施例6の画像形成装置の像保持体と帯電器と帯電器清掃部材との長さの関係を説明する説明図である。
図10は本発明の実施例6の画像形成装置の帯電領域、帯電器清掃領域および画像形成領域の関係を説明する説明図である。
図8、図9において、実施例6の画像形成装置Uでは、帯電器CRyは、帯電ロール1には、帯電領域Q0yの反対側に配置された帯電器清掃部材31を有している。前記帯電器清掃部材31は、円柱回転体、いわゆる、ローラ状に形成されている。前記帯電器清掃部材31の回転軸32は、両端部で一対の軸支持部材33により支持されている。前記軸支持部材33は、帯電器清掃部材31の回転軸32を軸受34を介して支持する清掃部材支持部33aと、一対の鉤爪状に形成され回転軸としての芯材3を回転自由に支持する帯電部材支持部33bとを有する。前記軸支持部材33と、画像形成装置Uの枠体、いわゆるフレーム36との間には、付勢部材の一例としてのコイルバネ37が装着されており、コイルバネ37により帯電ロール1が像保持体PRyに押し当てられると共に、帯電器清掃部材31が帯電ロール1に押し当てられている。なお、実施例6では、前記コイルバネ37による付勢力の一例として7.5Nが設定されている。
【0058】
実施例6の帯電器清掃部材31は、例えば、回転軸32として外径6mmの金属シャフトを使用でき、金属シャフト32の外周に高さ2mmのブラシを支持することで構成することができ、軸方向の長さは300mmに設定されている。
前記ブラシとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリプロピレンやナイロン系の繊維で太さは40T〜50Tのものを使用可能である。なお、前記Tは、10000m当りのグラムを差し、50Tは10000m当り50グラムとなる太さの繊維を意味する。また、前記ブラシに変えて厚み2mmの発泡弾性体を使用することも可能であり、この場合、例えば、ウレタンフォームやメラミンフォームを使用でき、セル密度は例えば40個〜120個/25mmのものを使用可能である。なお、前記セル密度は、25mm当りの発泡孔の個数を指す。
【0059】
図10において、実施例6の画像形成装置では、帯電ロール1の長さに対応する帯電領域Q0y〜Q0kの幅L3と、帯電器清掃部材31の長さに対応する帯電器清掃領域の幅L4と、潜像形成装置ROSにより画像が形成される画像形成領域38の幅L5とは、L3>L4>L5となるように設定されている。例えば、帯電ロール1の長さに対応する帯電領域Q0y〜Q0kの幅L3は320mmに設定され、帯電器清掃部材31の長さに対応する帯電器清掃領域の幅L4は帯電量域の中央部の300mmに設定されている。したがって、長さ320mmの帯電ロール1には、長さ300mmの帯電器清掃部材31により清掃されない非清掃領域、すなわち、放電抑制剤付与領域1a′が端部10mmずつ設けられている。
【0060】
(実施例6の作用)
前記構成を備えた実施例6の画像形成装置Uでは、画像形成領域に付着したトナー等や、画像形成領域の外側に飛散等して付着したトナー等の放電抑制剤は、像保持体清掃器CLy〜CLkで除去されるが、像保持体清掃器CLy〜CLkを擦り抜けて帯電ローラ1に付着した放電抑制剤は帯電器清掃部材31により除去される。このとき、帯電ローラ1の両端部は、帯電器清掃部材31により清掃されず、放電抑制剤付与領域1a′には放電抑制剤が付着、すなわち、付与され、高抵抗化される。
【実施例7】
【0061】
次に、本発明の実施例7の説明を行うが、この実施例7の説明において、前記実施例1、6の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例7は、下記の点で前記実施例1、6と相違しているが、他の点では前記実施例1、6と同様に構成されている。
図11は本発明の実施例7の画像形成装置の帯電器部分の要部説明図である。
図12は本発明の実施例7の帯電器と帯電器清掃部材を説明する要部斜視説明図である。
図11、図12において、実施例7の画像形成装置Uでは、帯電器清掃部材41が帯電ローラ1表面に接触する板状、いわゆるブレード状に形成されており、帯電器清掃部材41の周囲には帯電器清掃部材41により擦り落とされた残留物、すなわち放電抑制剤43を収容する帯電器用残留物収容容器42が配置されている。
なお、実施例6の帯電器CLy〜CLkでは、例えば、ブレード状の帯電器清掃部材41の長さが300mm、帯電ロール1の長さが320mmに設定されており、帯電ロール1の端部に放電抑制剤付与領域1aが設定されている。
【0062】
(実施例7の作用)
前記構成を備えた実施例7の画像形成装置では、帯電ローラ1に付着したトナー等の放電抑制剤はブレード状の帯電器清掃部材41により除去され、帯電器用残留物収容容器42に回収される。このとき、帯電ローラ1の両端部の放電抑制剤付与領域1aは、帯電器清掃部材41により清掃されず、放電抑制剤が付与された状態となる。また、ブレード状の帯電器清掃部材41では、帯電ローラ1の回転に伴って擦り取られた放電抑制剤43は、その一部が、図12の矢印で示すように、ブレードの端部で外側、すなわち、放電抑制剤付与領域1a側に退避するように移動する。このようにして、帯電ローラ1の放電抑制剤付与領域1aに放電抑制剤が付与され、帯電ローラ1の端部が高抵抗化される。
【実施例8】
【0063】
次に、本発明の実施例8の説明を行うが、この実施例8の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例8は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
図13は本発明の実施例8の画像形成装置の現像器と帯電器の要部説明図である。
図13において、実施例8の画像形成装置Uでは、現像装置Gy,Gm,Gc,Gkの現像ロールGRy,GRm,GRc,GRkの長さL6は、帯電ロール1の長さL3に対してL6>L3に設定されている。実施例8では、例えば、前記長さL6は322mmに設定され、長さL3は320mmに設定されている。
【0064】
(実施例8の作用)
前記構成を備えた実施例8の画像形成装置では、帯電ロール1の長さL3よりも長い現像ロールGRy,GRm,GRc,GRkにより像保持体PRy〜PRk表面には、帯電ロール1の長さ以上の範囲でトナーが付着、いわゆるかぶりトナーが発生しやすくなる。前記かぶりトナーの発生により端部に付着するトナー量が多くなり、クリーニングブレード24に突入するトナー量が端部で多くなる。このため、実施例8の帯電ロール1では、帯電ロール1の端部に付着するトナー量が多くなり、高抵抗化される。
【実施例9】
【0065】
次に、本発明の実施例9の説明を行うが、この実施例9の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例9は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
図14は本発明の実施例9の画像形成装置の像保持体と像保持体清掃器の要部説明図である。
図15は本発明の実施例9の画像形成装置の像保持体清掃器の説明図である。
【0066】
図14、図15において、実施例9の像保持体清掃器CLy〜CLkは、実施例1の像保持体清掃器CLy〜CLkに対して、クリーニングブラシ21に換えて端部搬送部材の一例としての端部搬送オーガ51が配置されており、端部搬送オーガ51の前側(図15の+X側)には板状の規制部材52が配置されている。前記端部搬送オーガ51は、回転軸51aと、中央部から後部に渡って回転軸51a外周に支持された後方搬送羽根51bと、中央部から前部に渡って回転軸51a外周に支持された前方搬送羽根51cとを有する。端部搬送オーガ51の回転軸51aは後端部がハウジング20′に回転可能に支持されており、後端にはギヤG2が固定支持されている。前記ギヤG2は、廃トナー搬送オーガ26の回転軸26aに支持されたギヤG1と噛合っており、ギヤG1には、像保持体清掃器用の駆動系Mから駆動が伝達される。
前記規制部材52は、前側の水平部52aと、水平部52aの後端から斜め下方に延びる斜め部52bとを有する。また、実施例9の像保持体清掃器CLy〜CLkでは、図14に示すように、クリーニングブレード24により回収されハウジング20′に収容された残留物の量が、クリーニングブレード24の上端部の高さ程度となるように設定されている。
【0067】
したがって、前記駆動系M1から回転が伝達されると、廃トナー搬送オーガ26が回転してハウジング20′内の回収残留物をハウジング20′の排出口20aに向けて搬送し、回収容器53に回収される。このとき、端部搬送オーガ51も回転して、ハウジング20′内に収容された残留物の中の上側部分の残留物を搬送する。このとき、各羽根51b、51cにより残留物は、矢印51d、51eの方向、すなわち、像保持体PRy〜PRkの軸方向両端側に搬送される。なお、実施例9では、前記駆動系M1の駆動や駆動停止は、クリーニングブレード24による回収量と、廃トナー搬送オーガ26による排出量がほぼ同様になり、前記ハウジング20′内の残留物の量がクリーニングブレード24の上端部の高さ程度となるように調整される。
【0068】
(実施例9の作用)
前記構成を備えた実施例9の画像形成装置では、像保持体PRy〜PRk表面に付着したトナー等は、クリーニングブレード24で回収され、ハウジング20′内に収容される。ハウジング20′内に収容された残留物は、廃トナー搬送オーガ26の駆動に伴って搬送されて回収容器53に回収されるとともに、上部の残留物は端部搬送オーガ51により前後両端側に搬送される。ハウジング20′内の回収残留物は、クリーニングブレード24の高さ程度となっており、前後両端部ではクリーニングブレード24により擦り取られた残留物に加え、上流側から搬送されてくる現像剤により端部側ほど多くなり、クリーニングブレード24の高さを超え、像保持体PRy〜PRk側に戻りやすくなっている。このとき、廃トナー搬送オーガ26の搬送方向下流側である前側では、クリーニングブレード24で擦り取られた残留物と、端部搬送オーガ51により上流側から搬送される残留物に加え、廃トナー搬送オーガ26により上流側から搬送される残留物があり、総量が多くなる可能性があるため、多くなりすぎないように規制部材52により高さが規制される。このとき、規制部材52は、端側の水平部52aが内側の斜め部52bよりも鉛直方向の高さが高いため、像保持体PRy〜PRkの端側に多くの残留物が戻りやすくなっている。前記端部搬送オーガ51および規制部材52により像保持体PRy〜PRkの両端部に戻された残留物は中央部に比べて量が多く、クリーニングブレード24を擦り抜けやすく、擦り抜けた残留物は帯電ロール1の端部に付着し、帯電ロール1の端部を高抵抗化する。
【0069】
なお、前記ハウジング20′内の残留物は、ハウジング20′内に所定量貯留されるまで廃トナー搬送オーガ26を駆動しないことにより貯留することも可能であるが、他にも、例えば、画像形成装置Uの工場出荷時に予め充填しておいたり、画像形成装置Uの設置時に記録シートSを搬送せずに、像保持体PRy〜PRkに画像形成を行い、形成された画像のトナーを全てを像保持体清掃器CLy〜CLkで回収することでも実現できる。予め充填しておいた場合等では、設置直後でも、帯電ロール1の端部に放電抑制剤が付与されることとなる。
【0070】
(実験例)
図16は本発明の実験例の実験条件の説明図であり、図16Aは各部材の長さの関係の説明図、図16Bは実験例で使用した像保持体清掃部材の側面図、図16Cは実験例で使用した像保持体清掃部材の正面図である。
次に、本発明の効果を確認するため下記の実験を行った。図16において、図16B、図16Cに示す像保持体清掃器CLy〜CLkおよび実施例6に例示した帯電器清掃部材31を備えた画像形成装置において、端部局所磨耗抑制効果を確認する実験を行った。図16B、図16Cにおいて、実験例で使用される像保持体清掃部材61は、実施例3、実施例4で例示した付勢部材29aおよび接触部材29bと、前記付勢部材29aの基端部を支持する支持部材62とを有する。
【0071】
一端側と他端側とで効果の違いを確認するために、前記支持部材62は、実施例3,4記載の支持部材28、28″とは形状を変えている。すなわち、支持部材62は、一端部62a(図16A、図16Cの左側)から中央部62bまでの像保持体PRy〜PRk側に延びる長さLj1″、すなわち、付勢部材29aの自由長Lj1″を9.3mmとしている。また、中央部62bから他端部62c(図16A、図16Cの右側)に行くにつれて、像保持体PRy〜PRk側に延びる長さが短くなり、他端部62cでは、像保持体PRy〜PRk側に延びる長さLj2″、すなわち、付勢部材29aの自由長Lj2″が10.1mmとなっている。
【0072】
また、帯電器清掃部材31としてはスポンジロールを使用し、帯電ロール1には帯電電圧として、VDC=−750Vの直流電圧に、振幅1700V、周波数1306Hzの交流電圧を重畳した電圧を使用した。そして、像保持体清掃部材61の接触部29bの長さL7と、帯電ロール1の長さL3と、帯電器清掃部材31の長さL4と、画像形成領域38の長さL5とを、図16に示すようにL7>L3>L4>L5に設定した。また、一端側と他端側とで効果の違いを確認するために、帯電器清掃部材31の配置位置を異なる設定とした。すなわち、一端側(図16A、図16Cの左側)では帯電器清掃部材31により帯電ロール1の端部まで清掃するように設定されており、他端側(図16A、図16Cの右側)では、帯電ロール1の端部が清掃されないように設定されている。
【0073】
また、クリーニングブレード24の中央部の食い込み量は1.2mmに設定され、クリーニングブレード24の像保持体PRy〜PRkへの接触角は27度とした。なお、このときの付勢部材29aの弾性変形による接触部材29bと像保持体PRy〜PRkとの実際の接触角、いわゆるワーキングアングルは13度であった。このときの接触部材29bの像保持体PRy〜PRkへの接触圧力は、一端部62aおよび中央部62bで35N/mm、他端部62cで27N/mmとなった。
そして、実施例9のように、実験開始前に像保持体清掃器CLy〜CLkのハウジング20′の内部に所定量のトナーを詰め込んだ。画像形成装置Uとして、富士ゼロックス(株)のDCCa450を使用し、温度28℃、湿度85%の高温高湿の環境下で画像密度5%、1回の画像形成動作、すなわち1ジョブ当り5枚の枚数で、A4縦200000枚の耐久テストを実行した。
【0074】
200000枚の印刷を実行後、像保持体PRy〜PRkの磨耗を観察した結果、一端側では端部近傍で局所的な磨耗が観察され、表面保護層7.5μmを貫通して電荷輸送層まで磨耗が進行していた。一方、他端側では局部的な磨耗が観察されず、帯電ロール1の端部放電による像保持体PRy〜PRk磨耗の抑制効果が観測された。
【0075】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H07)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、画像形成装置としての複写機を例示したが、これに限定されず、FAXやプリンタあるいはこれらすべてまたは複数の機能を備えた複合機とすることも可能である。
【0076】
(H02)前記実施例において、各部材の具体的な数値や構成材料は、設計や仕様等に応じて任意に変更可能である。
(H03)前記実施例において、全てまたは一部の実施例の構成を組み合わせることで、帯電ロールの高抵抗化の作用を高めたり、高すぎる高抵抗化の作用を適正化することも可能である。
(H04)前記実施例において、クリーニングブラシ21を使用する像保持体清掃器CLy〜CLkを例示したが、これに限定されず、不織布等を使用したクリーニングローラ等、任意の像保持体清掃部材を採用可能である。また、不織布として、導電性の繊維を使用した不織布を使用したり、絶縁性の不織布を使用したクリーニングローラを採用することも可能である。なお、導電性の不織布を使用した場合、クリーニングローラからトナーを移動させるための回収ロールやスクレーパ等を配置することも可能である。また、絶縁性不織布のクリーニングロール単体で不織布の微細且つポーラス(porous:多孔性)の構造で、トナー成分を保持して摺擦することもできる。
【0077】
(H05)前記実施例において、帯電部材としてロール状の帯電ロールを例示したが、これに限定されず、ベルト状やブレード状、ブラシ状等の任意の帯電部材に適用可能である。また、帯電ロールは接触して従動する場合に限定されず、微小な隙間をあけて駆動する構成にも適用可能である。
(H06)前記実施例において、像保持体PRy〜PRkは、中間転写ベルトBの回転方向に対して上流側からY,M,C,Kの順に配置したが、これに限定されず、配置順は任意に変更可能である。また、中間転写ベルトBが無く、像保持体PRy〜PRkから媒体に直接転写される構成としたり、中間転写ドラムを有する構成とすることも可能である。また、像保持体PRy〜PRkの数は4つ、すなわち、4色に限定されず、3色以下や5色以上とすることも可能である。
【0078】
(H07)前記実施例において、高抵抗化剤としてトナーや紙粉、放電生成物等を利用し、これらを放電抑制剤と兼用する場合を例示したが、これらに限定されず、帯電部材の端部の放電を抑制するための放電抑制剤を供給する専用の装置を設けたり、予め付与しておくことも可能である。このとき、使用される放電抑制剤も、粉体に限定されず、液体や塗布された固体とすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】図1は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
【図2】図2は実施例1の画像形成装置の要部拡大説明図である。
【図3】図3は本発明の実施例1の画像形成装置における像保持体清掃部材と像保持体と帯電部材とを説明する説明図であり、図3Aは図2の要部説明図、図3Bは長さの関係を説明する説明図である。
【図4】図4は実施例2の像保持体清掃部材の説明図であり、図4Aは実施例1の図3Aに対応する要部説明図、図4Bは像保持体清掃部材の側面図、図4Cは像保持体清掃部材の正面図である。
【図5】図5は実施例3の像保持体清掃部材の説明図であり、図5Aは実施例2の図4Bに対応する像保持体清掃部材の側面図、図5Bは実施例2の図4Cに対応する像保持体清掃部材の正面図である。
【図6】図6は実施例4の像保持体清掃部材の説明図であり、図6Aは実施例3の図5Aに対応する像保持体清掃部材の側面図、図6Bは実施例3の図5Bに対応する像保持体清掃部材の正面図、図6Cは実施例4の支持部材の寸法測定の説明図、図6Dは実施例3の支持部材の寸法測定の説明図である。
【図7】図7は本発明の実施例5の像保持体清掃部材の斜視説明図である。
【図8】図8は本発明の実施例6の画像形成装置の帯電器部分の要部拡大説明図である。
【図9】図9は本発明の実施例6の画像形成装置の像保持体と帯電器と帯電器清掃部材との長さの関係を説明する説明図である。
【図10】図10は本発明の実施例6の画像形成装置の帯電領域、帯電器清掃領域および画像形成領域の関係を説明する説明図である。
【図11】図11は本発明の実施例7の画像形成装置の帯電器部分の要部説明図である。
【図12】図12は本発明の実施例7の帯電器と帯電器清掃部材を説明する要部斜視説明図である。
【図13】図13は本発明の実施例8の画像形成装置の現像器と帯電器の要部説明図である。
【図14】図14は本発明の実施例9の画像形成装置の像保持体と像保持体清掃器の要部説明図である。
【図15】図15は本発明の実施例9の画像形成装置の像保持体清掃器の説明図である。
【図16】図16は本発明の実験例の実験条件の説明図であり、図16Aは各部材の長さの関係の説明図、図16Bは実験例で使用した像保持体清掃部材の側面図、図16Cは実験例で使用した像保持体清掃部材の正面図である。
【符号の説明】
【0080】
1…帯電部材、
20,20′…清掃容器、
24,24′,27,27′,27″…像保持体清掃部材、
24,29…板状部材、
26…残留物搬送部材、
28,28″…支持部材、
28a″…平坦部、
29a…付勢部材、
29b…接触部材、
31,41…帯電器清掃部材、
51…端部搬送部材、
52…規制部材、
CLy,CLm,CLc,CLk…像保持体清掃器、
CRy,CRm,CRc,CRk…帯電器、
GRy,GRm,GRc,GRk…現像剤保持体、
Gy,Gm,Gc,Gk…現像器、
Lj1,Lj2,LJ1′,LJ2′…自由長、
PRy,PRm,PRc,PRk…像保持体、
U…画像形成装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、帯電器および像保持体ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式の複写機やプリンタ、FAX等の画像形成装置では、帯電器により像保持体表面を帯電させており、前記帯電器として、像保持体に接触または近接して配置された帯電ロール等の帯電部材を有する帯電器が知られている。帯電ロールでは、像保持体と帯電ロールとの隙間やくさび状の空間における放電により帯電させている。
このような帯電器は、例えば、下記の特許文献1〜3に記載されている。
【0003】
特許文献1(特開2003−140445号公報)記載の技術は、帯電部材(3)の両端部における放電により被帯電体としての感光体(1)の表層の劣化が促進されることを防止するために、感光体(1)に対向して配置されたプレート状の帯電部材(3)において、導電性基体(31)に、感光体(1)に接触する中抵抗層(32)が支持され、中抵抗層(32)の両端部には導電性基体(31)との間に絶縁層(33)を設けている。
また、ローラ状の帯電部材(3)において、導電性基体としての芯金(31)の外周に感光体(1)に押し当てられた弾性中抵抗層(32)が支持されており、弾性中抵抗層(32)の両端部の内周面に、導電性基体(31)との間に絶縁層(33)を設ける技術も記載されている。
特許文献2(特開平7−261507号公報)には、帯電部材の端部放電を低減するために、帯電ローラ(2)の両端部の最外周面に電気抵抗値の高い塗布層(2e)を設ける技術が記載されている。
特許文献3(特開平7−199599号公報)には、帯電部材の端部からの放電の集中を緩和させるために、ローラ状の帯電部材(1)の軸方向両端部の外周面に絶縁層(4)を設ける技術が記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−140445号公報(「0061」〜「0066」図2,図3)
【特許文献2】特開平7−261507号公報(要約書、「0067」〜「0069」、「0130」〜「0131」、図2)
【特許文献3】特開平7−199599号公報(要約書、「0023」〜「0026」、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、低コストな構成で帯電部材の端部放電を抑制することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記技術的課題を解決するために、請求項1記載の画像形成装置は、
回転する像保持体と、
前記像保持体に対向して配置され且つ前記像保持体表面を帯電させる帯電部材とを有し、
前記帯電部材と前記像保持体の対向部には、軸方向端部の放電を抑制する放電抑制剤が介在することを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の画像形成装置は、請求項1に記載の画像形成装置において、
トナーまたは前記トナーに外添された外添剤により構成された前記放電抑制剤、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の画像形成装置は、請求項1または2に記載の画像形成装置において、
前記帯電部材に対して前記像保持体回転方向上流側に配置されて、前記像保持体表面に接触して清掃する像保持体清掃部材であって、像保持体表面の残留物により構成された前記放電抑制剤を軸方向の両端部で擦り抜けることを許容する前記像保持体清掃部材、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の画像形成装置は、請求項3に記載の画像形成装置において、
前記像保持体清掃部材は、前記像保持体表面に先端が接触する板状部材であって、前記像保持体表面側に延びる長さが、軸方向の中央部に対して両端部が短いことを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の画像形成装置は、請求項3に記載の画像形成装置において、
前記像保持体表面に先端が接触する板状部材と、
前記板状部材の基端部を支持する支持部材と、
を有する前記像保持体清掃部材を備え、前記支持部材の前記像保持体表面側先端から前記板状部材の先端までの長さである自由長が、前記像保持体軸方向の中央部に対して両端部が長いことを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の画像形成装置は、請求項3に記載の画像形成装置において、
前記像保持体表面に先端が接触する接触部材と、
先端部に前記接触部材を支持し且つ前記接触部材を前記像保持体表面に付勢する付勢力を発生させる付勢部材と、
前記付勢部材の基端部を支持する支持部材と、
を有する前記像保持体清掃部材を備え、前記支持部材の前記像保持体表面側先端から前記板状部材の先端までの長さである自由長が、前記像保持体軸方向の中央部に対して両端部が長いことを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の画像形成装置は、請求項5または6に記載の画像形成装置において、
前記支持部材の前記像保持体表面側に延びる長さが、前記中央部に対して両端部が短いことを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の画像形成装置は、請求項7に記載の画像形成装置において、
前記支持部材の前記中央部に、前記像保持体表面側に延びる長さが均一の平坦部が形成されたことを特徴とする。
【0014】
請求項9に記載の画像形成装置は、請求項3に記載の画像形成装置において、
前記像保持体清掃部材は、前記像保持体表面に先端が接触する板状部材であって、前記板状部材の厚みが、軸方向の中央部に対して両端部が小さいことを特徴とする。
【0015】
請求項10に記載の画像形成装置は、請求項1ないし9のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記帯電器清掃部材は、前記帯電部材に対向して接触配置され且つ回転の軸方向の接触部の長さが前記帯電部材の帯電領域よりも短いことを特徴とする。
【0016】
請求項11に記載の画像形成装置は、請求項10に記載の画像形成装置において、
板状部材により構成された前記帯電器清掃部材、
を備えた事を特徴とする。
【0017】
請求項12に記載の画像形成装置は、請求項1ないし11のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記像保持体に対向して配置されて、前記像保持体表面の静電潜像を現像する現像剤を保持し且つ前記帯電部材よりも軸方向の長さが長く設定された現像剤保持体を有する現像器、
を備えたことを特徴とする。
【0018】
請求項13に記載の画像形成装置は、請求項1ないし12のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記帯電部材に対して前記像保持体回転方向上流側に配置され且つ前記像保持体表面に接触して清掃する像保持体清掃部材と、前記像保持体清掃部材により回収された残留物を収容する清掃容器と、前記清掃容器内に収容された残留物を回収容器に向けて搬送する残留物搬送部材と、前記像保持体の回転の軸方向両端部に前記残留物を搬送する端部搬送部材と、を有する像保持体清掃器、
を備えたことを特徴とする。
【0019】
請求項14に記載の画像形成装置は、請求項13に記載の画像形成装置において、
前記残留物搬送部材の搬送方向下流側の端部に配置され、前記清掃容器から像保持体に現像剤が移動することを規制する規制部材、
を備えたことを特徴とする。
【0020】
請求項15に記載の画像形成装置は、請求項13または14に記載の画像形成装置において、
画像形成装置の使用時に現像剤が収容された前記清掃容器、
を備えたことを特徴とする。
なお、本願明細書および特許請求の範囲において、「画像形成装置の使用時に現像剤収容された」とは、少なくとも、使用される時点で現像剤が収容されていればよく、設置前の画像形成装置の出荷時に予め収容されている場合や、空の状態で出荷され設置時に充填された場合、画像形成装置の設置後で使用開始前の準備動作時に媒体を搬送せずに画像形成を行い、形成された画像のトナーを清掃容器に回収した場合、等を含む意味で使用している。
【0021】
前記技術的課題を解決するために請求項16に記載の帯電器は、
回転する像保持体に対向して配置され且つ前記像保持体表面を帯電させるとともに、前記像保持体の回転の軸方向に対して、両端部表面に放電抑制剤が付与された帯電部材、
を備えたことを特徴とする。
【0022】
請求項17に記載の帯電器は、請求項16に記載の帯電器において、
トナーまたは前記トナーに外添された外添剤により構成された前記放電抑制剤、
を備えたことを特徴とする。
【0023】
前記技術的課題を解決するために、請求項18に記載の像保持体ユニットは、
回転する像保持体と、
前記像保持体に対向して配置され且つ前記像保持体表面を帯電させる帯電部材とを有し、
前記帯電部材と前記像保持体の対向部には、軸方向端部の放電を抑制する放電抑制剤が介在することを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
請求項1に記載の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べて、帯電部材の端部放電を抑制することができる。
請求項2に記載の発明によれば、画像形成に使用されるトナーや外添剤を放電抑制剤として兼用できる。
請求項3に記載の発明によれば、像保持体清掃部材の端部で擦り抜けた残留物を放電抑制剤として帯電部材に付着させることができる。
請求項4に記載の発明によれば、像保持体清掃部材の形状を一部変更することで、帯電部材の端部放電を抑制できる。
【0025】
請求項5に記載の発明によれば、板状部材の自由長を一部変更することで、帯電部材の端部放電を抑制できる。
請求項6に記載の発明によれば、付勢部材の自由長を一部変更することで、帯電部材の端部放電を抑制できる。
請求項7に記載の発明によれば、支持部材の形状を一部変更することで、自由長を変更でき、帯電部材の端部放電を抑制できる。
請求項8に記載の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べて、支持部材の寸法を容易且つ正確に測定できる。
【0026】
請求項9に記載の発明によれば像保持体清掃部材の形状を一部変更することで、帯電部材の端部放電を抑制できる。
請求項10に記載の発明によれば、帯電器清掃部材の形状を一部変更することで帯電ロールの端部に、放電抑制剤が付着した状態で保持できる。
請求項11に記載の発明によれば、掻き取られた放電抑制剤を効率的に帯電部材の端部に移送することができる。
【0027】
請求項12に記載の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べて、帯電部材の端部に効率的に放電抑制剤を供給できる。
請求項13に記載の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べて、清掃容器から帯電部材の端部に安定して放電抑制剤を供給することができる。
請求項14に記載の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べて、残留物搬送部材の搬送方向下流側において帯電部材の端部への放電抑制剤の供給が過剰になりすぎることを抑制することができる。
【0028】
請求項15に記載の発明によれば、清掃容器内のトナー回収量が少ない画像形成装置出荷時でも、帯電部材に安定して放電抑制剤を供給することができる。
請求項16に記載の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べて帯電部材の端部放電を抑制することができる。
請求項17に記載の発明によれば、画像形成に使用されるトナーや外添剤を放電抑制剤として兼用できる。
請求項18に記載の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べて、帯電部材の端部放電を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例である実施例を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0030】
図1は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図1において、画像形成装置Uは自動原稿搬送装置U1と、これを支持し且つ上端に透明な原稿読取り面PGを有する画像形成装置本体U2とを備えている。
前記自動原稿搬送装置U1は、複写しようとする複数の原稿Giが重ねて収容される原稿給紙部TG1と、原稿給紙部TG1から給紙され前記原稿読取り面PG上の原稿読取位置を通過して搬送される原稿Giが排出される原稿排紙部TG2とを有している。
前記画像形成装置本体U2は、利用者が画像形成動作開始等の作動指令信号を入力操作する操作部UIと、露光光学系A等を有している。
【0031】
前記自動原稿搬送装置U2で原稿読取り面PG上を搬送される原稿または手動で原稿読取り面PG上に置かれた原稿からの反射光は、前記露光光学系Aを介して、固体撮像素子CCDでR(赤)、G(緑)、B(青)の電気信号に変換される。
画像情報変換部IPSは、固体撮像素子CCDから入力される前記RGBの電気信号をK(黒)、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)の画像情報に変換して一時的に記憶し、前記画像情報を所定のタイミングで潜像形成用の画像情報として潜像形成装置駆動回路DLに出力する。
なお、原稿画像が単色画像、いわゆる、モノクロの場合は、K(黒)のみの画像情報が潜像形成装置駆動回路DLに入力される。
前記潜像形成装置駆動回路DLは、各色Y,M,C,Kの各駆動回路(図示せず)を有し、入力された画像情報に応じたレーザ駆動信号を所定のタイミングで、潜像形成装置ROSの各色の潜像書込用レーザダイオード(図示せず)に出力する。
【0032】
図2は実施例1の画像形成装置の要部拡大説明図である。
前記潜像形成装置ROSの上方に配置された可視像形成装置Uy,Um,Uc,Ukはそれぞれ、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、およびK(黒)の各色のトナー像を形成する装置である。
潜像形成装置ROSの各レーザダイオードから出射したY,M,C,Kの潜像書込光の一例としてのレーザビームLy,Lm,Lc,Lkは、それぞれ、回転する像保持体PRy,PRm,PRc,PRkに入射する。
前記Yの可視像形成装置Uyは、回転する像保持体PRy、帯電器CRy,現像装置Gy、転写器T1y、像保持体清掃器CLyを有している。なお、実施例1では、前記現像装置Gyは画像形成装置Uに着脱可能な現像ユニットにより構成されており、前記像保持体PRy、帯電器CRyおよび像保持体清掃器CLyは画像形成装置Uに対して一体的に着脱可能な像保持体ユニットにより構成されている。すなわち、実施例1の可視像形成装置Uyは、現像ユニット、像保持体ユニットおよび転写器T1y等により構成されている。
前記可視像形成装置Um,Uc,Ukはいずれも前記Yの可視像形成装置Uyと同様に構成されている。
【0033】
図1,図2において、前記各像保持体PRy,PRm,PRc,PRkはそれぞれの帯電器CRy,CRm,CRc,CRkにより帯電された後、画像書込位置Q1y、Q1m,Q1c,Q1kにおいて、前記レーザビームLy,Lm,Lc,Lkにより、その表面に静電潜像が形成される。前記像保持体PRy,PRm,PRc,PRk表面の静電潜像は、現像領域Q2y,Q2m,Q2c,Q2kにおいて、現像器Gy,Gm,Gc,Gkの現像剤保持体の一例としての現像ロールGRy,GRm,GRc,GRkに保持された現像剤により可視像の一例としてのトナー像に現像される。
その現像されたトナー像は、中間転写体の一例としての中間転写ベルトBに接触する1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kに搬送される。前記1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kにおいて中間転写ベルトBの裏面側に配置された1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kには、制御部Cにより制御される電源回路Eから所定のタイミングでトナーの帯電極性と逆極性の1次転写電圧が印加される。
前記各像保持体PRy〜PRk上のトナー像は前記1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kにより中間転写ベルトBに1次転写される。1次転写後の像保持体PRy,PRm,PRc,PRk表面の残留トナーは、像保持体清掃器CLy,CLm,CLc,CLkによりクリーニングされる。クリーニングされた前記像保持体PRy,PRm,PRc,PRk表面は、帯電器CRy,CRm,CRc,CRkにより再帯電される。
【0034】
前記像保持体PRy〜PRkの上方には、上下移動可能且つ前方に引き出し可能な中間転写装置の一例としてのベルトモジュールBMが配置されている。前記ベルトモジュールBMは、中間転写体の一例としての中間転写ベルトBと、中間転写体駆動部材の一例としてのベルト駆動ロールRd、中間転写体張架部材の一例としてのテンションロールRt、蛇行防止用部材の一例としてのウォーキングロールRw、従動部材の一例としてのアイドラロール(フリーロール)Rfおよび二次転写領域対向部材の一例としてのバックアップロールT2aを含む中間転写体支持部材の一例としてのベルト支持ロール(Rd,Rt,Rw,Rf,T2a)と、前記1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kとを有している。そして、前記中間転写ベルトBは前記ベルト支持ロール(Rd,Rt,Rw,Rf,T2a)により回転移動可能に支持されている。
【0035】
前記バックアップロールT2aに接する中間転写ベルトBの表面に対向して2次転写部材の一例としての二次転写ロールT2bが配置されており、前記各ロールT2a,T2bにより2次転写器T2が構成されている。また、2次転写器T2bおよび中間転写ベルトBの対向する領域には2次転写領域Q4が形成される。
前記1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kで転写器T1y,T1m,T1c,T1kにより中間転写ベルトB上に順次重ねて転写された単色または多色のトナー像は、前記2次転写領域Q4に搬送される。
【0036】
前記潜像形成装置ROSの下方には、給紙容器の一例としての給紙トレイTR1〜TR3を前後方向(X軸方向)に出入可能に支持するガイド部材の一例としての左右一対のガイドレールGR,GRが3段設けられている。給紙トレイTR1〜TR3に収容された媒体の一例としての記録シートSは、媒体取出し部材の一例としてのピックアップロールRpにより取り出され、媒体捌き部材の一例としてのさばきロールRsにより1枚ずつ分離される。そして、記録シートは、媒体搬送路の一例であるシート搬送路SHに沿って媒体搬送部材の一例としての複数の搬送ロールRaにより搬送され、2次転写領域Q4のシート搬送方向上流側に配置された転写領域搬送時期調節部材の一例としてのレジロールRrに送られる。前記シート搬送路SH、シート搬送ロールRa、レジロールRr等によりシート搬送装置(SH+Ra+Rr)が構成されている。
【0037】
レジロールRrは、前記中間転写ベルトBに形成されたトナー像が2次転写領域Q4に搬送されるのにタイミングを合わせて、前記記録シートSを2次転写領域Q4に搬送する。記録シートSが前記2次転写領域Q4を通過する際、前記バックアップロールT2aは接地され、2次転写器T2bには前記制御部Cにより制御される電源回路Eから所定のタイミングでトナーの帯電極性と逆極性の2次転写電圧が印加される。このとき、前記中間転写ベルトB上のカラートナー像は、前記2次転写器T2により前記記録シートSに転写される。
2次転写後の前記中間転写ベルトBは、中間転写体清掃器の一例としてのベルトクリーナCLbによりクリーニングされる。
【0038】
前記トナー像が2次転写された記録シートSは、定着装置Fの加熱用定着部材の一例としての加熱ロールFhおよび加圧用定着部材の一例としての加圧ロールFpの圧接領域である定着領域Q5に搬送され、前記定着領域を通過する際に加熱定着される。加熱定着された記録シートSは、媒体排出部材の一例としての排出ローラRhから媒体排出部の一例としての排紙トレイTRhに排出される。
なお、前記加熱ロールFh表面には、記録シートSの前記加熱ロールからの離型性を良くするための離型剤が離型剤塗布装置Faにより塗布されている。
【0039】
前記ベルトモジュールBMの上方にはY(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),K(黒)の各現像剤を収容する現像剤補給容器の一例としての現像剤カートリッジKy,Km,Kc,Kkが配置されている。各現像剤カートリッジKy,Km,Kc,Kkに収容された現像剤は、前記現像器Gy,Gm,Gc,Gkの現像剤の消費に応じて、図示しない現像剤補給路から前記各現像器Gy,Gm,Gc,Gkに補給される。なお、実施例1では、前記現像剤として、磁性のキャリアと、外添剤が付与されたトナーとを含む二成分現像剤により構成されている。
【0040】
図1において、前記画像形成装置Uは上側枠体UFと下側枠体LFとを有しており、上側枠体UFには、前記潜像形成装置ROSおよび潜像形成装置ROSよりも上方に配置された部材、すなわち、像保持体PRy,PRm,PRc,PRk、現像器Gy,Gm,Gc,Gk、ベルトモジュールBM等が支持されている。
また、下側枠体LFには、前記給紙トレイTR1〜TR3を支持するガイドレールGRおよび前記各トレイTR1〜TR3から給紙を行う前記給紙部材、すなわち、ピックアップロールRp,さばきロールRs,シート搬送ロールRa等が支持されている。
【0041】
(可視像形成装置の各部材の説明)
図3は本発明の実施例1の画像形成装置における像保持体清掃部材と像保持体と帯電部材とを説明する説明図であり、図3Aは図2の要部説明図、図3Bは長さの関係を説明する説明図である。
次に、本発明の実施例1の可視像形成装置Uy,Um,Uc,Ukを構成する帯電器CRy,CRm,CRc,CRkや像保持体清掃器CLy,CLm,CLc,CLkの説明をするが、各色の部材は同様に構成されているため、Y色のものについてのみ説明し、その他の色のものについての詳細な説明は省略する。
(帯電器の説明)
図2,図3において、実施例1の帯電器CRyは、像保持体PRy表面に接触して従動回転する帯電部材の一例としての帯電ロール1を有する。図3において、実施例1の帯電ロール1として、外径が12mm、軸方向の長さが320mmで、軸方向両端部に45度で1mmの狭窄部2、いわゆるテーパ部2が形成された帯電ロール1を使用できる。前記帯電ロール1は、回転軸としての直径8mmの金属製の芯材3と、芯材3の外周に設けられた厚さ2mmの導電性ゴム層4とを有し、前記導電性ゴム層4は、弾性層4aと表面層4bとで構成される。前記弾性層4aとしては、例えば、エピクロルヒドリンゴムにイオン導電剤が分散されたものが使用される。また、表面層4bとしては、例えば、厚さが3〜6μm程度のポリエステル樹脂またはポリアミド樹脂が使用される。
前記帯電ロール1には、直流に交流が重畳された帯電電圧が印加され、定電流で制御されており、像保持体PRyの回転方向に沿ったくさび形の空間、すなわち、帯電領域Q0yでの放電により像保持体PRy表面が帯電される。なお、実施例1の像保持体PRyは、例えば、いわゆる有機感光体を使用でき、外径30mm、軸方向長さ370mmのアルミ製の導電性支持体上には軸方向長さ355mmの下引層を設け、その表面に電荷発生層と電荷輸送層とからなる感光層を設け、さらに最表面に保護層を設けたものが使用される。なお、例えば、前記電荷発生層の厚みは17〜19μm、保護層の厚みは7〜8μmである。
【0042】
(像保持体清掃器の説明)
図3において、実施例1の像保持体清掃器CLyは、清掃容器の一例としてのハウジング20を有しており、ハウジング20内には、像保持体PRyに対向して配置された回転清掃部材の一例としてのクリーニングブラシ21が回転可能に支持されている。
前記クリーニングブラシ21の像保持体PRy回転方向下流側には、像保持体PRy表面から残留トナーを掻き取る像保持体清掃部材の一例としてのクリーニングブレード24が配置されている。実施例1のクリーニングブレード24は、板状部材により構成されており、例えば、ウレタンゴムにより構成することができ、像保持体PRyの軸方向の幅が324mm、長さ8mm、厚み2mmのものを使用できる。図3Bにおいて、実施例1のクリーニングブレード24の両端部には、長さが中央部に比べて外端で長さL1だけ短く形成された擦り抜け許容部24aが設けられている。なお、実施例1では、前記長さL1は0.2mmに設定されている。
【0043】
図3Aにおいて、前記クリーニングブレード24は、像保持体PRyに対して接線方向に対して角度θ1の接触角で接触させており、実施例1では角度θ1は21〜25度に設定されている。また、前記クリーニングブレード24は所定量だけ食い込むように設計されており、実施例1では食い込み量が中央部で1.2mm、両端で1.0mmとなるように設定されている。すなわち、クリーニングブレード24が像保持体PRy側に突出、進入している量が中央部に比べて両端部が少なく設定されている。
前記クリーニングブラシ21で回収されたトナーや外添剤、紙粉、放電生成物等の残留やクリーニングブレード24で掻き取られた残留物は、残留物搬送部材の一例としての廃トナー搬送オーガ26により搬送され、残留物廃棄用の図示しない回収容器に回収される。
前記符号21〜26を付した各部材により実施例1の像保持体清掃器CLyが構成されている。
【0044】
(実施例1の作用)
前記構成要件を備えた実施例1の画像形成装置Uでは、1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kで中間転写ベルトBにトナー像が転写された後の像保持体PRy〜PRk表面に残留した残留物は像保持体清掃器CLyによりクリーニングされる。このとき、クリーニングブレード24には、両端部に擦り抜け許容部24aが設けられており、この擦り抜け許容部24aによる両端部での少ない食い込み量により、両端部では残留物の一部がクリーニングブレード24を擦り抜ける。クリーニングブレード24を擦り抜けたトナーや外添剤等の高抵抗の残留物、すなわち、放電抑制剤は、擦り抜け許容部24aに対応するクリーニングブレード24の擦り抜け許容領域24bを擦り抜けて、像保持体回転方向下流側の帯電ロール1の両端部の放電抑制剤付与領域1aに付着し、帯電ロール1の両端部やテーパ部2が高抵抗化され、端部放電が低減される。すなわち、端部放電の低減に伴い、放電による像保持体PRy〜PRkの磨耗や、局所放電や漏電、いわゆる、リークの発生も低減される。
【0045】
なお、実施例1の画像形成装置では、現像剤に含まれるトナーとして、任意の作製方法で作成されたトナーを使用可能であり、従来から使用されている粉砕法で作製された粉砕トナーや、乳化重合法で作製された重合トナーを使用することも可能である。乳化重合法で作製された重合トナーとしては、例えば、ポリエステルやスチレンアクリルなどのバインダ樹脂に着色剤、ワックスが内添された外径6μmの微粒子が使用できる。また、このトナーに、帯電性や転写性の向上のために、平均粒径5〜200nmのシリカ(SiO2)、酸化セリウム(CeO2)、チタニア(TiO2)などの無機微粒子の外添剤を外添することができる。前記重合トナーや外添剤は、従来の粉砕法によるトナーに比べて外径が小さいため、クリーニングブレード24から擦り抜けやすい。また、クリーニングブレード24で、転写残トナーを掻き取った際にこれら外添剤がトナーから分離して、クリーニングブレード24から擦り抜けやすい。すなわち、重合トナーおよび外添剤を含む現像剤を使用した場合には、粉砕トナーの場合に比べて、放電抑制剤が擦り抜けやすく、帯電ロール1の端部は効率的に高抵抗化される。
【実施例2】
【0046】
次に、本発明の実施例2の説明を行うが、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例2は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
図4は実施例2の像保持体清掃部材の説明図であり、図4Aは実施例1の図3Aに対応する要部説明図、図4Bは像保持体清掃部材の側面図、図4Cは像保持体清掃部材の正面図である。
図4において、実施例2の像保持体清掃部材27は、実施例1の像保持体清掃部材の一例としてのクリーニングブレード24に換えて、ハウジング20に支持される支持部材28と、前記支持部材28に支持され且つ像保持体PRy〜PRk表面に接触して清掃する板状部材の一例としてのクリーニングブレード29とを有する。
【0047】
実施例2の支持部材28は、例えば、厚み2mmの鋼板により構成される。図4Cにおいて、実施例2の支持部材28は、中央部28aが像保持体PRy〜PRk側に突出する山形に形成されており、中央部28aから両端側に行くにつれて突出量が少なく形成されている。すなわち、支持部材28は、像保持体PRy〜PRk側に延びる長さが、中央部28aに対して両端部が短く形成されている。したがって、支持部材28に支持されるクリーニングブレード29では、支持部材28の端部からクリーニングブレード29の先端までの長さである自由長Ljは、中央部の自由長Lj1に対して両端部の自由長Lj2が短くなっている。
前記クリーニングブレード29は、例えば、厚み2mm、軸方向の長さLbが324mmの弾性ゴムの一例としてのポリウレタンゴムにより構成され、中央部の自由長Lj1が8mm、両端部の自由長Lj2が9mmに設定される。したがって、クリーニングブレード29において、中央部に比べて、両端部の接触圧力が低下し、クリーニングブレード29の像保持体PRy〜PRkに対する接触圧力は、例えば、線圧で、中央部が40N/mm、両端部が30N/mmに設定される。
【0048】
(実施例2の作用)
前記構成を備えた実施例2の画像形成装置では、両端側に行くにつれて接触圧力が小さくなり、残留物の一部がクリーニングブレード29を擦り抜けやすくなる。すなわち、実施例1と同様に、擦り抜けた放電抑制剤により、帯電ロール1の端部の放電抑制剤付与領域1aに付着し、帯電ロール1の端部が高抵抗化される。
【実施例3】
【0049】
次に、本発明の実施例3の説明を行うが、この実施例3の説明において、前記実施例1、2の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例3は、下記の点で前記実施例1、2と相違しているが、他の点では前記実施例1、2と同様に構成されている。
図5は実施例3の像保持体清掃部材の説明図であり、図5Aは実施例2の図4Bに対応する像保持体清掃部材の側面図、図5Bは実施例2の図4Cに対応する像保持体清掃部材の正面図である。
図5において、実施例3の像保持体清掃部材27′は、実施例2と同様に構成された支持部材28と、支持部材28に基端部が支持された板状の付勢部材29aと、付勢部材29aの先端部に支持され且つ像保持体PRy〜PRk表面に接触して清掃する接触部材29bとを有する。
【0050】
前記付勢部材29aは、例えば、金属製の板バネ状部材により構成することができ、厚さ80μmのSUS304で作製できる。また、前記接触部材29bは、例えば、厚み1.2mm、幅5mm、軸方向長さ324mmのポリウレタンゴムにより構成される。さらに、実施例3では、接触圧力は、例えば、軸方向中央部で35N/mm、両端部で27N/mmに設定される。
【0051】
(実施例3の作用)
前記構成を備えた実施例3の画像形成装置Uでは、山形形状の支持部材28に支持される付勢部材29aの中央部の自由長Lj1′が、両端部の自由長Lj2′に比べて、短いため、両端部で残留物の一部がクリーニングブレード29を擦り抜けやすくなる。すなわち、実施例1と同様に、擦り抜けた放電抑制剤により、帯電ロール1の端部の放電抑制剤付与領域1aに付着し、帯電ロール1の端部が高抵抗化される。
また、実施例3の画像形成装置Uでは、付勢部材29aを金属の板バネにより作製した場合、実施例2のように全体がゴム製のクリーニングブレード29で構成する場合に比べて、いわゆる、ゴムのヘタリが抑制され、接触部材29bの像保持体PRy〜PRkへの当接圧力の変動が低減される。また、付勢部材29aを金属の板バネにより作製した場合、実施例2のように全体がゴム製のクリーニングブレード29で構成する場合に比べて、ゴムと像保持体PRy〜PRk表面との摩擦により、めくれてしまう現象も抑制される。
【実施例4】
【0052】
次に、本発明の実施例4の説明を行うが、この実施例4の説明において、前記実施例1〜3の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例4は、下記の点で前記実施例1〜3と相違しているが、他の点では前記実施例1〜3と同様に構成されている。
図6は実施例4の像保持体清掃部材の説明図であり、図6Aは実施例3の図5Aに対応する像保持体清掃部材の側面図、図6Bは実施例3の図5Bに対応する像保持体清掃部材の正面図、図6Cは実施例4の支持部材の寸法測定の説明図、図6Dは実施例3の支持部材の寸法測定の説明図である。
【0053】
図6において、実施例4の像保持体清掃部材27″は、実施例2,3とは異なる支持部材28″と、実施例3の場合と同様に構成された付勢部材29aおよび接触部材29bとを有する。
図6において、実施例4の支持部材28″は、実施例2,3の山形の支持部材28の頂部が切除された台形状に形成されており、切除頂部には中央部としての平坦部28a″が形成されている。なお、実施例4では、前記平坦部28a″の幅Lb1は、例えば、16mmに設定される。
【0054】
(実施例4の作用)
前記構成を備えた実施例4の画像形成装置Uでは、台形形状の支持部材28″に支持される付勢部材29aの中央部の自由長Lj1′が、両端部の自由長Lj2′に比べて、短いため、両端部で残留物の一部がクリーニングブレード29を擦り抜けやすくなる。すなわち、実施例1と同様に、擦り抜けた放電抑制剤により、帯電ロール1の端部の放電抑制剤付与領域1aに付着し、帯電ロール1の端部が高抵抗化される。
また、図6Dにおいて、実施例3の支持部材28の場合では、中央部28aが尖っているため、寸法測定時に、検査位置がずれると、中央部28aから位置a、bで測定され、測定される幅寸法Ls2a,Ls2bは中央部28aの幅寸法Ls2とは異なってしまい、正確に寸法測定ができない場合がある。これに対して、図6Cにおいて、実施例4の画像形成装置Uでは、支持部材28″の検査工程での寸法測定において、平坦部28a″の寸法を測定する際に、測定位置が多少ずれても、支持部材28″の中央部28a″の幅寸法Ls2を、容易且つ正確に測定できる。
【実施例5】
【0055】
次に、本発明の実施例5の説明を行うが、この実施例5の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例5は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
図7は本発明の実施例5の像保持体清掃部材の斜視説明図である。
図7において、本発明の実施例5の画像形成装置Uでは、実施例1のクリーニングブレード24に比べて、実施例5の像保持体清掃部材の一例としてのクリーニングブレード24′の像保持体PRy側に延びる長さは、中央部と両端部で同じ長さに設定されている。そして、実施例5のクリーニングブレード24′では、クリーニングブレード24′の厚さは、中央部と両端部の擦り抜け許容部24a′とで長さL1′だけ厚みが異なる。実施例5では、中央部の厚みLa0が2.0mm、擦り抜け許容部24a′の両端の厚みLa1が1.9mm、すなわち、長さL1′は0.1mmに設定されている。
【0056】
(実施例5の作用)
前記構成を備えた実施例5の画像形成装置Uでは、クリーニングブレード24′の両端部の擦り抜け許容部24a′で、厚みが中央部よりも薄く形成されているので、像保持体PRyに接触する接触圧力が低減され、トナーや外添剤等の放電抑制剤が擦り抜ける。擦り抜けた放電抑制剤は、帯電ロール1の放電抑制剤付与領域1aに付着し、高抵抗化される。
【実施例6】
【0057】
次に、本発明の実施例6の説明を行うが、この実施例6の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例6は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
図8は本発明の実施例6の画像形成装置の帯電器部分の要部拡大説明図である。
図9は本発明の実施例6の画像形成装置の像保持体と帯電器と帯電器清掃部材との長さの関係を説明する説明図である。
図10は本発明の実施例6の画像形成装置の帯電領域、帯電器清掃領域および画像形成領域の関係を説明する説明図である。
図8、図9において、実施例6の画像形成装置Uでは、帯電器CRyは、帯電ロール1には、帯電領域Q0yの反対側に配置された帯電器清掃部材31を有している。前記帯電器清掃部材31は、円柱回転体、いわゆる、ローラ状に形成されている。前記帯電器清掃部材31の回転軸32は、両端部で一対の軸支持部材33により支持されている。前記軸支持部材33は、帯電器清掃部材31の回転軸32を軸受34を介して支持する清掃部材支持部33aと、一対の鉤爪状に形成され回転軸としての芯材3を回転自由に支持する帯電部材支持部33bとを有する。前記軸支持部材33と、画像形成装置Uの枠体、いわゆるフレーム36との間には、付勢部材の一例としてのコイルバネ37が装着されており、コイルバネ37により帯電ロール1が像保持体PRyに押し当てられると共に、帯電器清掃部材31が帯電ロール1に押し当てられている。なお、実施例6では、前記コイルバネ37による付勢力の一例として7.5Nが設定されている。
【0058】
実施例6の帯電器清掃部材31は、例えば、回転軸32として外径6mmの金属シャフトを使用でき、金属シャフト32の外周に高さ2mmのブラシを支持することで構成することができ、軸方向の長さは300mmに設定されている。
前記ブラシとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリプロピレンやナイロン系の繊維で太さは40T〜50Tのものを使用可能である。なお、前記Tは、10000m当りのグラムを差し、50Tは10000m当り50グラムとなる太さの繊維を意味する。また、前記ブラシに変えて厚み2mmの発泡弾性体を使用することも可能であり、この場合、例えば、ウレタンフォームやメラミンフォームを使用でき、セル密度は例えば40個〜120個/25mmのものを使用可能である。なお、前記セル密度は、25mm当りの発泡孔の個数を指す。
【0059】
図10において、実施例6の画像形成装置では、帯電ロール1の長さに対応する帯電領域Q0y〜Q0kの幅L3と、帯電器清掃部材31の長さに対応する帯電器清掃領域の幅L4と、潜像形成装置ROSにより画像が形成される画像形成領域38の幅L5とは、L3>L4>L5となるように設定されている。例えば、帯電ロール1の長さに対応する帯電領域Q0y〜Q0kの幅L3は320mmに設定され、帯電器清掃部材31の長さに対応する帯電器清掃領域の幅L4は帯電量域の中央部の300mmに設定されている。したがって、長さ320mmの帯電ロール1には、長さ300mmの帯電器清掃部材31により清掃されない非清掃領域、すなわち、放電抑制剤付与領域1a′が端部10mmずつ設けられている。
【0060】
(実施例6の作用)
前記構成を備えた実施例6の画像形成装置Uでは、画像形成領域に付着したトナー等や、画像形成領域の外側に飛散等して付着したトナー等の放電抑制剤は、像保持体清掃器CLy〜CLkで除去されるが、像保持体清掃器CLy〜CLkを擦り抜けて帯電ローラ1に付着した放電抑制剤は帯電器清掃部材31により除去される。このとき、帯電ローラ1の両端部は、帯電器清掃部材31により清掃されず、放電抑制剤付与領域1a′には放電抑制剤が付着、すなわち、付与され、高抵抗化される。
【実施例7】
【0061】
次に、本発明の実施例7の説明を行うが、この実施例7の説明において、前記実施例1、6の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例7は、下記の点で前記実施例1、6と相違しているが、他の点では前記実施例1、6と同様に構成されている。
図11は本発明の実施例7の画像形成装置の帯電器部分の要部説明図である。
図12は本発明の実施例7の帯電器と帯電器清掃部材を説明する要部斜視説明図である。
図11、図12において、実施例7の画像形成装置Uでは、帯電器清掃部材41が帯電ローラ1表面に接触する板状、いわゆるブレード状に形成されており、帯電器清掃部材41の周囲には帯電器清掃部材41により擦り落とされた残留物、すなわち放電抑制剤43を収容する帯電器用残留物収容容器42が配置されている。
なお、実施例6の帯電器CLy〜CLkでは、例えば、ブレード状の帯電器清掃部材41の長さが300mm、帯電ロール1の長さが320mmに設定されており、帯電ロール1の端部に放電抑制剤付与領域1aが設定されている。
【0062】
(実施例7の作用)
前記構成を備えた実施例7の画像形成装置では、帯電ローラ1に付着したトナー等の放電抑制剤はブレード状の帯電器清掃部材41により除去され、帯電器用残留物収容容器42に回収される。このとき、帯電ローラ1の両端部の放電抑制剤付与領域1aは、帯電器清掃部材41により清掃されず、放電抑制剤が付与された状態となる。また、ブレード状の帯電器清掃部材41では、帯電ローラ1の回転に伴って擦り取られた放電抑制剤43は、その一部が、図12の矢印で示すように、ブレードの端部で外側、すなわち、放電抑制剤付与領域1a側に退避するように移動する。このようにして、帯電ローラ1の放電抑制剤付与領域1aに放電抑制剤が付与され、帯電ローラ1の端部が高抵抗化される。
【実施例8】
【0063】
次に、本発明の実施例8の説明を行うが、この実施例8の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例8は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
図13は本発明の実施例8の画像形成装置の現像器と帯電器の要部説明図である。
図13において、実施例8の画像形成装置Uでは、現像装置Gy,Gm,Gc,Gkの現像ロールGRy,GRm,GRc,GRkの長さL6は、帯電ロール1の長さL3に対してL6>L3に設定されている。実施例8では、例えば、前記長さL6は322mmに設定され、長さL3は320mmに設定されている。
【0064】
(実施例8の作用)
前記構成を備えた実施例8の画像形成装置では、帯電ロール1の長さL3よりも長い現像ロールGRy,GRm,GRc,GRkにより像保持体PRy〜PRk表面には、帯電ロール1の長さ以上の範囲でトナーが付着、いわゆるかぶりトナーが発生しやすくなる。前記かぶりトナーの発生により端部に付着するトナー量が多くなり、クリーニングブレード24に突入するトナー量が端部で多くなる。このため、実施例8の帯電ロール1では、帯電ロール1の端部に付着するトナー量が多くなり、高抵抗化される。
【実施例9】
【0065】
次に、本発明の実施例9の説明を行うが、この実施例9の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例9は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
図14は本発明の実施例9の画像形成装置の像保持体と像保持体清掃器の要部説明図である。
図15は本発明の実施例9の画像形成装置の像保持体清掃器の説明図である。
【0066】
図14、図15において、実施例9の像保持体清掃器CLy〜CLkは、実施例1の像保持体清掃器CLy〜CLkに対して、クリーニングブラシ21に換えて端部搬送部材の一例としての端部搬送オーガ51が配置されており、端部搬送オーガ51の前側(図15の+X側)には板状の規制部材52が配置されている。前記端部搬送オーガ51は、回転軸51aと、中央部から後部に渡って回転軸51a外周に支持された後方搬送羽根51bと、中央部から前部に渡って回転軸51a外周に支持された前方搬送羽根51cとを有する。端部搬送オーガ51の回転軸51aは後端部がハウジング20′に回転可能に支持されており、後端にはギヤG2が固定支持されている。前記ギヤG2は、廃トナー搬送オーガ26の回転軸26aに支持されたギヤG1と噛合っており、ギヤG1には、像保持体清掃器用の駆動系Mから駆動が伝達される。
前記規制部材52は、前側の水平部52aと、水平部52aの後端から斜め下方に延びる斜め部52bとを有する。また、実施例9の像保持体清掃器CLy〜CLkでは、図14に示すように、クリーニングブレード24により回収されハウジング20′に収容された残留物の量が、クリーニングブレード24の上端部の高さ程度となるように設定されている。
【0067】
したがって、前記駆動系M1から回転が伝達されると、廃トナー搬送オーガ26が回転してハウジング20′内の回収残留物をハウジング20′の排出口20aに向けて搬送し、回収容器53に回収される。このとき、端部搬送オーガ51も回転して、ハウジング20′内に収容された残留物の中の上側部分の残留物を搬送する。このとき、各羽根51b、51cにより残留物は、矢印51d、51eの方向、すなわち、像保持体PRy〜PRkの軸方向両端側に搬送される。なお、実施例9では、前記駆動系M1の駆動や駆動停止は、クリーニングブレード24による回収量と、廃トナー搬送オーガ26による排出量がほぼ同様になり、前記ハウジング20′内の残留物の量がクリーニングブレード24の上端部の高さ程度となるように調整される。
【0068】
(実施例9の作用)
前記構成を備えた実施例9の画像形成装置では、像保持体PRy〜PRk表面に付着したトナー等は、クリーニングブレード24で回収され、ハウジング20′内に収容される。ハウジング20′内に収容された残留物は、廃トナー搬送オーガ26の駆動に伴って搬送されて回収容器53に回収されるとともに、上部の残留物は端部搬送オーガ51により前後両端側に搬送される。ハウジング20′内の回収残留物は、クリーニングブレード24の高さ程度となっており、前後両端部ではクリーニングブレード24により擦り取られた残留物に加え、上流側から搬送されてくる現像剤により端部側ほど多くなり、クリーニングブレード24の高さを超え、像保持体PRy〜PRk側に戻りやすくなっている。このとき、廃トナー搬送オーガ26の搬送方向下流側である前側では、クリーニングブレード24で擦り取られた残留物と、端部搬送オーガ51により上流側から搬送される残留物に加え、廃トナー搬送オーガ26により上流側から搬送される残留物があり、総量が多くなる可能性があるため、多くなりすぎないように規制部材52により高さが規制される。このとき、規制部材52は、端側の水平部52aが内側の斜め部52bよりも鉛直方向の高さが高いため、像保持体PRy〜PRkの端側に多くの残留物が戻りやすくなっている。前記端部搬送オーガ51および規制部材52により像保持体PRy〜PRkの両端部に戻された残留物は中央部に比べて量が多く、クリーニングブレード24を擦り抜けやすく、擦り抜けた残留物は帯電ロール1の端部に付着し、帯電ロール1の端部を高抵抗化する。
【0069】
なお、前記ハウジング20′内の残留物は、ハウジング20′内に所定量貯留されるまで廃トナー搬送オーガ26を駆動しないことにより貯留することも可能であるが、他にも、例えば、画像形成装置Uの工場出荷時に予め充填しておいたり、画像形成装置Uの設置時に記録シートSを搬送せずに、像保持体PRy〜PRkに画像形成を行い、形成された画像のトナーを全てを像保持体清掃器CLy〜CLkで回収することでも実現できる。予め充填しておいた場合等では、設置直後でも、帯電ロール1の端部に放電抑制剤が付与されることとなる。
【0070】
(実験例)
図16は本発明の実験例の実験条件の説明図であり、図16Aは各部材の長さの関係の説明図、図16Bは実験例で使用した像保持体清掃部材の側面図、図16Cは実験例で使用した像保持体清掃部材の正面図である。
次に、本発明の効果を確認するため下記の実験を行った。図16において、図16B、図16Cに示す像保持体清掃器CLy〜CLkおよび実施例6に例示した帯電器清掃部材31を備えた画像形成装置において、端部局所磨耗抑制効果を確認する実験を行った。図16B、図16Cにおいて、実験例で使用される像保持体清掃部材61は、実施例3、実施例4で例示した付勢部材29aおよび接触部材29bと、前記付勢部材29aの基端部を支持する支持部材62とを有する。
【0071】
一端側と他端側とで効果の違いを確認するために、前記支持部材62は、実施例3,4記載の支持部材28、28″とは形状を変えている。すなわち、支持部材62は、一端部62a(図16A、図16Cの左側)から中央部62bまでの像保持体PRy〜PRk側に延びる長さLj1″、すなわち、付勢部材29aの自由長Lj1″を9.3mmとしている。また、中央部62bから他端部62c(図16A、図16Cの右側)に行くにつれて、像保持体PRy〜PRk側に延びる長さが短くなり、他端部62cでは、像保持体PRy〜PRk側に延びる長さLj2″、すなわち、付勢部材29aの自由長Lj2″が10.1mmとなっている。
【0072】
また、帯電器清掃部材31としてはスポンジロールを使用し、帯電ロール1には帯電電圧として、VDC=−750Vの直流電圧に、振幅1700V、周波数1306Hzの交流電圧を重畳した電圧を使用した。そして、像保持体清掃部材61の接触部29bの長さL7と、帯電ロール1の長さL3と、帯電器清掃部材31の長さL4と、画像形成領域38の長さL5とを、図16に示すようにL7>L3>L4>L5に設定した。また、一端側と他端側とで効果の違いを確認するために、帯電器清掃部材31の配置位置を異なる設定とした。すなわち、一端側(図16A、図16Cの左側)では帯電器清掃部材31により帯電ロール1の端部まで清掃するように設定されており、他端側(図16A、図16Cの右側)では、帯電ロール1の端部が清掃されないように設定されている。
【0073】
また、クリーニングブレード24の中央部の食い込み量は1.2mmに設定され、クリーニングブレード24の像保持体PRy〜PRkへの接触角は27度とした。なお、このときの付勢部材29aの弾性変形による接触部材29bと像保持体PRy〜PRkとの実際の接触角、いわゆるワーキングアングルは13度であった。このときの接触部材29bの像保持体PRy〜PRkへの接触圧力は、一端部62aおよび中央部62bで35N/mm、他端部62cで27N/mmとなった。
そして、実施例9のように、実験開始前に像保持体清掃器CLy〜CLkのハウジング20′の内部に所定量のトナーを詰め込んだ。画像形成装置Uとして、富士ゼロックス(株)のDCCa450を使用し、温度28℃、湿度85%の高温高湿の環境下で画像密度5%、1回の画像形成動作、すなわち1ジョブ当り5枚の枚数で、A4縦200000枚の耐久テストを実行した。
【0074】
200000枚の印刷を実行後、像保持体PRy〜PRkの磨耗を観察した結果、一端側では端部近傍で局所的な磨耗が観察され、表面保護層7.5μmを貫通して電荷輸送層まで磨耗が進行していた。一方、他端側では局部的な磨耗が観察されず、帯電ロール1の端部放電による像保持体PRy〜PRk磨耗の抑制効果が観測された。
【0075】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H07)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、画像形成装置としての複写機を例示したが、これに限定されず、FAXやプリンタあるいはこれらすべてまたは複数の機能を備えた複合機とすることも可能である。
【0076】
(H02)前記実施例において、各部材の具体的な数値や構成材料は、設計や仕様等に応じて任意に変更可能である。
(H03)前記実施例において、全てまたは一部の実施例の構成を組み合わせることで、帯電ロールの高抵抗化の作用を高めたり、高すぎる高抵抗化の作用を適正化することも可能である。
(H04)前記実施例において、クリーニングブラシ21を使用する像保持体清掃器CLy〜CLkを例示したが、これに限定されず、不織布等を使用したクリーニングローラ等、任意の像保持体清掃部材を採用可能である。また、不織布として、導電性の繊維を使用した不織布を使用したり、絶縁性の不織布を使用したクリーニングローラを採用することも可能である。なお、導電性の不織布を使用した場合、クリーニングローラからトナーを移動させるための回収ロールやスクレーパ等を配置することも可能である。また、絶縁性不織布のクリーニングロール単体で不織布の微細且つポーラス(porous:多孔性)の構造で、トナー成分を保持して摺擦することもできる。
【0077】
(H05)前記実施例において、帯電部材としてロール状の帯電ロールを例示したが、これに限定されず、ベルト状やブレード状、ブラシ状等の任意の帯電部材に適用可能である。また、帯電ロールは接触して従動する場合に限定されず、微小な隙間をあけて駆動する構成にも適用可能である。
(H06)前記実施例において、像保持体PRy〜PRkは、中間転写ベルトBの回転方向に対して上流側からY,M,C,Kの順に配置したが、これに限定されず、配置順は任意に変更可能である。また、中間転写ベルトBが無く、像保持体PRy〜PRkから媒体に直接転写される構成としたり、中間転写ドラムを有する構成とすることも可能である。また、像保持体PRy〜PRkの数は4つ、すなわち、4色に限定されず、3色以下や5色以上とすることも可能である。
【0078】
(H07)前記実施例において、高抵抗化剤としてトナーや紙粉、放電生成物等を利用し、これらを放電抑制剤と兼用する場合を例示したが、これらに限定されず、帯電部材の端部の放電を抑制するための放電抑制剤を供給する専用の装置を設けたり、予め付与しておくことも可能である。このとき、使用される放電抑制剤も、粉体に限定されず、液体や塗布された固体とすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】図1は本発明の実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
【図2】図2は実施例1の画像形成装置の要部拡大説明図である。
【図3】図3は本発明の実施例1の画像形成装置における像保持体清掃部材と像保持体と帯電部材とを説明する説明図であり、図3Aは図2の要部説明図、図3Bは長さの関係を説明する説明図である。
【図4】図4は実施例2の像保持体清掃部材の説明図であり、図4Aは実施例1の図3Aに対応する要部説明図、図4Bは像保持体清掃部材の側面図、図4Cは像保持体清掃部材の正面図である。
【図5】図5は実施例3の像保持体清掃部材の説明図であり、図5Aは実施例2の図4Bに対応する像保持体清掃部材の側面図、図5Bは実施例2の図4Cに対応する像保持体清掃部材の正面図である。
【図6】図6は実施例4の像保持体清掃部材の説明図であり、図6Aは実施例3の図5Aに対応する像保持体清掃部材の側面図、図6Bは実施例3の図5Bに対応する像保持体清掃部材の正面図、図6Cは実施例4の支持部材の寸法測定の説明図、図6Dは実施例3の支持部材の寸法測定の説明図である。
【図7】図7は本発明の実施例5の像保持体清掃部材の斜視説明図である。
【図8】図8は本発明の実施例6の画像形成装置の帯電器部分の要部拡大説明図である。
【図9】図9は本発明の実施例6の画像形成装置の像保持体と帯電器と帯電器清掃部材との長さの関係を説明する説明図である。
【図10】図10は本発明の実施例6の画像形成装置の帯電領域、帯電器清掃領域および画像形成領域の関係を説明する説明図である。
【図11】図11は本発明の実施例7の画像形成装置の帯電器部分の要部説明図である。
【図12】図12は本発明の実施例7の帯電器と帯電器清掃部材を説明する要部斜視説明図である。
【図13】図13は本発明の実施例8の画像形成装置の現像器と帯電器の要部説明図である。
【図14】図14は本発明の実施例9の画像形成装置の像保持体と像保持体清掃器の要部説明図である。
【図15】図15は本発明の実施例9の画像形成装置の像保持体清掃器の説明図である。
【図16】図16は本発明の実験例の実験条件の説明図であり、図16Aは各部材の長さの関係の説明図、図16Bは実験例で使用した像保持体清掃部材の側面図、図16Cは実験例で使用した像保持体清掃部材の正面図である。
【符号の説明】
【0080】
1…帯電部材、
20,20′…清掃容器、
24,24′,27,27′,27″…像保持体清掃部材、
24,29…板状部材、
26…残留物搬送部材、
28,28″…支持部材、
28a″…平坦部、
29a…付勢部材、
29b…接触部材、
31,41…帯電器清掃部材、
51…端部搬送部材、
52…規制部材、
CLy,CLm,CLc,CLk…像保持体清掃器、
CRy,CRm,CRc,CRk…帯電器、
GRy,GRm,GRc,GRk…現像剤保持体、
Gy,Gm,Gc,Gk…現像器、
Lj1,Lj2,LJ1′,LJ2′…自由長、
PRy,PRm,PRc,PRk…像保持体、
U…画像形成装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転する像保持体と、
前記像保持体に対向して配置され且つ前記像保持体表面を帯電させる帯電部材とを有し、
前記帯電部材と前記像保持体の対向部には、軸方向端部の放電を抑制する放電抑制剤が介在することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
トナーまたは前記トナーに外添された外添剤により構成された前記放電抑制剤、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記帯電部材に対して前記像保持体回転方向上流側に配置されて、前記像保持体表面に接触して清掃する像保持体清掃部材であって、像保持体表面の残留物により構成された前記放電抑制剤を軸方向の両端部で擦り抜けることを許容する前記像保持体清掃部材、
を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記像保持体清掃部材は、前記像保持体表面に先端が接触する板状部材であって、前記像保持体表面側に延びる長さが、軸方向の中央部に対して両端部が短いことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記像保持体表面に先端が接触する板状部材と、
前記板状部材の基端部を支持する支持部材と、
を有する前記像保持体清掃部材を備え、前記支持部材の前記像保持体表面側先端から前記板状部材の先端までの長さである自由長が、前記像保持体軸方向の中央部に対して両端部が長いことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記像保持体表面に先端が接触する接触部材と、
先端部に前記接触部材を支持し且つ前記接触部材を前記像保持体表面に付勢する付勢力を発生させる付勢部材と、
前記付勢部材の基端部を支持する支持部材と、
を有する前記像保持体清掃部材を備え、前記支持部材の前記像保持体表面側先端から前記板状部材の先端までの長さである自由長が、前記像保持体軸方向の中央部に対して両端部が長いことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記支持部材の前記像保持体表面側に延びる長さが、前記中央部に対して両端部が短いことを特徴とする請求項5または6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記支持部材の前記中央部に、前記像保持体表面側に延びる長さが均一の平坦部が形成されたことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記像保持体清掃部材は、前記像保持体表面に先端が接触する板状部材であって、前記板状部材の厚みが、軸方向の中央部に対して両端部が小さいことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記帯電器清掃部材は、前記帯電部材に対向して接触配置され且つ回転の軸方向の接触部の長さが前記帯電部材の帯電領域よりも短いことを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項11】
板状部材により構成された前記帯電器清掃部材、
を備えた事を特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記像保持体に対向して配置されて、前記像保持体表面の静電潜像を現像する現像剤を保持し且つ前記帯電部材よりも軸方向の長さが長く設定された現像剤保持体を有する現像器、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記帯電部材に対して前記像保持体回転方向上流側に配置され且つ前記像保持体表面に接触して清掃する像保持体清掃部材と、前記像保持体清掃部材により回収された残留物を収容する清掃容器と、前記清掃容器内に収容された残留物を回収容器に向けて搬送する残留物搬送部材と、前記像保持体の回転の軸方向両端部に前記残留物を搬送する端部搬送部材と、を有する像保持体清掃器、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記残留物搬送部材の搬送方向下流側の端部に配置され、前記清掃容器から像保持体に現像剤が移動することを規制する規制部材、
を備えたことを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項15】
画像形成装置の使用時に現像剤が収容された前記清掃容器、
を備えたことを特徴とする請求項13または14に記載の画像形成装置。
【請求項16】
回転する像保持体に対向して配置され且つ前記像保持体表面を帯電させるとともに、前記像保持体の回転の軸方向に対して、両端部表面に放電抑制剤が付与された帯電部材、
を備えたことを特徴とする帯電器。
【請求項17】
トナーまたは前記トナーに外添された外添剤により構成された前記放電抑制剤、
を備えたことを特徴とする請求項16に記載の帯電器。
【請求項18】
回転する像保持体と、
前記像保持体に対向して配置され且つ前記像保持体表面を帯電させる帯電部材とを有し、
前記帯電部材と前記像保持体の対向部には、軸方向端部の放電を抑制する放電抑制剤が介在することを特徴とする像保持体ユニット。
【請求項1】
回転する像保持体と、
前記像保持体に対向して配置され且つ前記像保持体表面を帯電させる帯電部材とを有し、
前記帯電部材と前記像保持体の対向部には、軸方向端部の放電を抑制する放電抑制剤が介在することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
トナーまたは前記トナーに外添された外添剤により構成された前記放電抑制剤、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記帯電部材に対して前記像保持体回転方向上流側に配置されて、前記像保持体表面に接触して清掃する像保持体清掃部材であって、像保持体表面の残留物により構成された前記放電抑制剤を軸方向の両端部で擦り抜けることを許容する前記像保持体清掃部材、
を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記像保持体清掃部材は、前記像保持体表面に先端が接触する板状部材であって、前記像保持体表面側に延びる長さが、軸方向の中央部に対して両端部が短いことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記像保持体表面に先端が接触する板状部材と、
前記板状部材の基端部を支持する支持部材と、
を有する前記像保持体清掃部材を備え、前記支持部材の前記像保持体表面側先端から前記板状部材の先端までの長さである自由長が、前記像保持体軸方向の中央部に対して両端部が長いことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記像保持体表面に先端が接触する接触部材と、
先端部に前記接触部材を支持し且つ前記接触部材を前記像保持体表面に付勢する付勢力を発生させる付勢部材と、
前記付勢部材の基端部を支持する支持部材と、
を有する前記像保持体清掃部材を備え、前記支持部材の前記像保持体表面側先端から前記板状部材の先端までの長さである自由長が、前記像保持体軸方向の中央部に対して両端部が長いことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記支持部材の前記像保持体表面側に延びる長さが、前記中央部に対して両端部が短いことを特徴とする請求項5または6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記支持部材の前記中央部に、前記像保持体表面側に延びる長さが均一の平坦部が形成されたことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記像保持体清掃部材は、前記像保持体表面に先端が接触する板状部材であって、前記板状部材の厚みが、軸方向の中央部に対して両端部が小さいことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記帯電器清掃部材は、前記帯電部材に対向して接触配置され且つ回転の軸方向の接触部の長さが前記帯電部材の帯電領域よりも短いことを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項11】
板状部材により構成された前記帯電器清掃部材、
を備えた事を特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記像保持体に対向して配置されて、前記像保持体表面の静電潜像を現像する現像剤を保持し且つ前記帯電部材よりも軸方向の長さが長く設定された現像剤保持体を有する現像器、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記帯電部材に対して前記像保持体回転方向上流側に配置され且つ前記像保持体表面に接触して清掃する像保持体清掃部材と、前記像保持体清掃部材により回収された残留物を収容する清掃容器と、前記清掃容器内に収容された残留物を回収容器に向けて搬送する残留物搬送部材と、前記像保持体の回転の軸方向両端部に前記残留物を搬送する端部搬送部材と、を有する像保持体清掃器、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記残留物搬送部材の搬送方向下流側の端部に配置され、前記清掃容器から像保持体に現像剤が移動することを規制する規制部材、
を備えたことを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項15】
画像形成装置の使用時に現像剤が収容された前記清掃容器、
を備えたことを特徴とする請求項13または14に記載の画像形成装置。
【請求項16】
回転する像保持体に対向して配置され且つ前記像保持体表面を帯電させるとともに、前記像保持体の回転の軸方向に対して、両端部表面に放電抑制剤が付与された帯電部材、
を備えたことを特徴とする帯電器。
【請求項17】
トナーまたは前記トナーに外添された外添剤により構成された前記放電抑制剤、
を備えたことを特徴とする請求項16に記載の帯電器。
【請求項18】
回転する像保持体と、
前記像保持体に対向して配置され且つ前記像保持体表面を帯電させる帯電部材とを有し、
前記帯電部材と前記像保持体の対向部には、軸方向端部の放電を抑制する放電抑制剤が介在することを特徴とする像保持体ユニット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図12】
【公開番号】特開2008−185720(P2008−185720A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−18213(P2007−18213)
【出願日】平成19年1月29日(2007.1.29)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月29日(2007.1.29)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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