説明

画像形成装置、画像形成システム、データ蓄積制御処理プログラム

【課題】印刷対象の文書データに対応して所定の処理が要求されている場合に、当該所定の処理を実行する保存先装置に対し当該文書データを蓄積させることのできる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置(画像処理装置)は、データ処理装置から送信された文書データおよび所定の処理に関する情報を取得するデータ取得手段と、他の画像形成装置に対し処理機能を問い合わせし、その問い合わせに対する結果を取得する処理機能取得手段と、他の画像形成装置毎の処理機能を示す情報と当該所定の画像形成装置にかかわる処理機能を示す情報とを記憶する処理機能情報記憶手段と、所定の処理に関する情報と画像形成装置毎の処理機能情報とを基に、複数の画像形成装置の中の他の画像形成装置に対し前記データ取得手段によって取得された文書データの蓄積を依頼するデータ蓄積制御手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成システム、データ蓄積制御処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置には、当該画像形成装置の記憶部における記憶容量よりも入力される画像データのデータ量が多いきに、その記憶容量を超える画像データを外部記憶装置に転送して記憶させるとともに、その外部記憶装置から画像データを読み出して出力する画像形成装置がある。
【0003】
この画像形成装置は、複数の外部記憶装置の中から、複数の選択条件の優先順位に関し任意に選択された優先順位と外部記憶装置の稼働状態とを基に、転送先の外部記憶装置を決定し、この決定した外部記憶装置に向けて画像データを転送する。
【0004】
このような画像形成装置としては、特許文献1に記載されたものが知られている。
【0005】
また、画像形成装置、例えばコピー機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能、スキャナ機能等の機能を兼ね備えたデジタル複合機には、スキャナで読み取った文書データなどを記録するための内部記憶装置を備えるものがある。その内部記憶装置は、ネットワーク上のスキャナやコンピュータから受信した文書データなどを一時保持するために用いられ、しかも記憶容量は有限である。
【0006】
そして、上記画像形成装置は、その内部記憶装置に文書データを蓄積するだけの空き容量が存在しないときは、代替記憶装置として、ネットワークで接続されているコンピュータの内部記憶装置に対し、文書データを保存するように依頼する。
【0007】
このような画像形成装置としては、特許文献2に記載されたものが知られている。
【0008】
さらには、複数の画像形成装置に記憶されているデータを一元管理するデータ管理システムおよび画像形成装置がある(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】特許第3868931号公報
【特許文献2】特開2004−186823号公報
【特許文献3】特開2006−157549号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、印刷対象の文書データに対応して所定の処理が要求されている場合に、当該所定の処理を実行する保存先装置に対し当該文書データを蓄積させることのできる画像形成装置、画像形成システム、データ蓄積制御処理プログラム。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明の画像形成装置は、1つ以上の画像形成装置と通信回線を介して接続され、取得された文書データに対応して要求されている所定の処理に対応すべく、前記1つ以上の画像形成装置の中の前記所定の処理を実行する画像形成装置に対し当該文書データの蓄積を依頼する、ことを特徴とする。
【0011】
上記課題を解決するため、請求項2に記載の本発明の画像形成システムは、データを記憶する記憶手段を有する複数の画像形成装置と、前記複数の画像形成装置の中の所定の画像形成装置に向けて印刷対象の文書データを送信するデータ処理装置と、が通信回線を介して接続され、前記所定の画像形成装置は、取得された文書データに対応して要求されている所定の処理に対応すべく、前記複数の画像形成装置の中の前記所定の処理を実行する他の画像形成装置に対し当該文書データの蓄積を依頼する制御手段、を更に有することを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明は、上記請求項2に記載の発明において、前記所定の画像形成装置の制御手段は、前記取得された文書データに対応してユーザによって指定された所定の処理に関する情報と、前記複数の画像形成装置のそれぞれに対応する処理機能を示す情報とを基に、前記複数の画像形成装置の中の前記所定の処理を実行する他の画像形成装置に対し当該文書データの蓄積を依頼する、ことを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明は、上記請求項2または3に記載の発明において、前記制御手段は、前記データ処理装置から送信された文書データおよび所定の処理に関する情報を取得するデータ取得手段と、当該所定の画像形成装置以外の他の画像形成装置に対し処理機能を問い合わせるとともに、該問い合わせに対する当該他の画像形成装置からの結果を取得する処理機能取得手段と、前記処理機能取得手段によって取得された他の画像形成装置毎の処理機能を示す情報と当該所定の画像形成装置にかかわる処理機能を示す情報とを記憶する処理機能情報記憶手段と、前記データ取得手段によって取得された所定の処理に関する情報と、前記処理機能情報記憶手段に記憶されている画像形成装置毎の処理機能情報とを基に、前記複数の画像形成装置の中の他の画像形成装置に対し前記データ取得手段によって取得された文書データの蓄積を依頼するデータ蓄積制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0014】
請求項5に記載の発明は、上記請求項4に記載の発明において、前記所定の処理は、データ蓄積処理、情報漏洩抑止処理、処理能力の高い画像処理を示す高性能画像処理および処理能力の高い印刷処理を示す高性能印刷処理の少なくとも一つの処理であり、前記処理機能は、前記データ蓄積処理に対応するデータ蓄積処理機能、前記情報漏洩抑止処理に対応する情報漏洩抑止処理機能、前記高性能画像処理に対応する画像処理機能を示す高性能画像処理機能および前記高性能印刷処理に対応する印刷処理機能を示す高性能印刷処理機能のうち少なくとも一つの処理機能であり、前記データ蓄積制御手段は、前記所定の処理が、前記データ蓄積処理のときは前記データ蓄積処理機能を有する画像形成装置に対し、また前記情報漏洩抑止処理のときは前記情報漏洩抑止処理機能を有する画像形成装置に対し、また前記高性能画像処理のときは前記高性能画像処理機能を有する画像形成装置に対し、さらに前記高性能印刷処理のときは前記高性能印刷処理機能を有する画像形成装置に対し、前記取得された文書データの蓄積を依頼する、ことを特徴とする。
【0015】
請求項6に記載の発明は、上記請求項2に記載の発明において、前記制御手段は、前記データ処理装置から送信された文書データを取得するデータ取得手段と、当該所定の画像形成装置以外の他の画像形成装置に対し処理機能を問い合わせるとともに、該問い合わせに対する当該他の画像形成装置からの結果を取得する処理機能取得手段と、前記データ取得手段によって取得された文書データの中にセキュリティ情報が含まれているかを解析するデータ解析手段と、前記処理機能取得手段によって取得された他の画像形成装置毎の処理機能を示す情報と当該所定の画像形成装置にかかわる処理機能を示す情報とを記憶する処理機能情報記憶手段と、前記データ解析手段によってセキュリティ情報が含まれていると解析されたときは、前記処理機能情報記憶手段の記憶内容を参照して得られる蓄積認証処理機能を有する画像形成装置に対し前記データ取得手段によって取得された文書データの蓄積を依頼するデータ蓄積制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0016】
上記課題を解決するため、請求項7に記載の本発明の画像形成装置は、データを記憶する記憶手段を有する1つ以上の画像形成装置、およびデータを記憶するデータ記憶手段と印刷対象の文書データの送信制御を行うデータ送信制御手段とを有する1つ以上のデータ処理装置と通信回線を介して接続され、前記データ処理装置から送信された文書データを受信するデータ受信手段と、前記データ受信手段によって受信された文書データに対応して要求されている所定の処理としてのデータ蓄積処理に対応すべく、当該文書データを所定の領域単位で分割するとともに、該分割後の複数の分割データまたは当該複数の分割データのうち任意の複数の分割データを分散して保存させるべく、前記1つ以上の画像形成装置および前記データ処理装置の中の保存先を示す複数の保存先装置に対し分割データの蓄積を依頼する制御手段と、前記複数の分割データの中の前記任意の複数の分割データ以外の分割データを記憶する分割データ記憶手段と、を有することを特徴とする。
【0017】
上記課題を解決するため、請求項8に記載の本発明の画像形成システムは、データを記憶する記憶手段を有する複数の画像形成装置と、データを記憶するデータ記憶手段と、前記複数の画像形成装置の中の所定の画像形成装置に対する印刷対象の文書データの送信制御を行うデータ送信制御手段とを有するデータ処理装置と、が通信回線を介して接続され、前記所定の画像形成装置は、取得された文書データに対応して要求されている所定の処理としてのデータ蓄積処理に対応すべく、当該文書データを所定の領域単位で分割するとともに、該分割後の複数の分割データを分散して保存させるべく前記複数の画像形成装置および前記データ処理装置の中の保存先を示す複数の保存先装置に対し分割データの蓄積を依頼する制御手段、を更に有することを特徴とする。
【0018】
請求項9に記載の発明は、上記請求項8に記載の発明において、前記制御手段は、前記文書データを印刷可能な形式の印刷データに変換するとともに、該変換された当該印刷データを所定の領域単位で分割するデータ処理手段、を備えることを特徴とする。
【0019】
請求項10に記載の発明は、上記請求項9に記載の発明において、前記データ処理手段は、所定の領域単位としてのページ単位またはページに対応する領域にかかわる分割単位で前記印刷データを分割する、ことを特徴とする。
【0020】
請求項11に記載の発明は、上記請求項9または10に記載の発明において、前記データ処理手段は、前記印刷データを前記ページ単位または前記分割単位で分割した複数の分割データを分散して保存させるときに、連続する複数の分割データが異なる保存先に保存されるように、前記複数の保存先装置に対し分割データの蓄積を依頼する、ことを特徴とする。
【0021】
請求項12に記載の発明は、上記請求項9〜11の何れか一項に記載の発明において、前記データ処理手段は、前記複数の分割データを分散して保存させるときに、同一の分割データを前記複数の保存先装置に対し蓄積依頼する、ことを特徴とする。
【0022】
請求項13に記載の発明は、上記請求項9〜12の何れか一項に記載の発明において、前記制御手段は、前記データ処理手段によって分割された複数の分割データを暗号化する暗号処理手段、を更に備え、前記データ処理手段は、前記暗号処理手段によって暗号化された複数の分割データを分散して保存させるときに、前記複数の保存先装置に対し暗号化された分割データの蓄積を依頼する、ことを特徴とする。
【0023】
請求項14に記載の発明は、上記請求項13に記載の発明において、前記暗号処理手段によって前記複数の分割データをそれぞれ異なる暗号化鍵で暗号化し、それぞれの暗号化鍵で暗号化された複数の分割データをそれぞれ復号するための復号鍵は、当該復号鍵に対応しない暗号化鍵で暗号化された分割データを保存する保存先装置で保存される、ことを特徴とする。
【0024】
上記課題を解決するため、請求項15に記載の本発明のデータ蓄積制御処理プログラムは、データ処理装置から所定の画像形成装置に向けて送信された文書データおよび所定の処理に関する情報を取得するデータ取得処理過程と、他の画像形成装置に対し処理機能を問い合わせるとともに、該問い合わせに対する当該他の画像形成装置からの結果を取得する処理機能取得処理過程と、前記処理機能取得処理過程により取得された他の画像形成装置毎の処理機能を示す情報と当該所定の画像形成装置にかかわる処理機能を示す情報とを記憶する処理機能情報記憶処理過程と、前記データ取得処理過程により取得された所定の処理に関する情報と、前記処理機能情報記憶処理過程により記憶されている画像形成装置毎の処理機能情報とを基に、複数の画像形成装置の中の他の画像形成装置に対し前記データ取得処理過程により取得された文書データの蓄積を依頼するデータ蓄積制御処理過程と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0025】
上記課題を解決するため、請求項16に記載の本発明のデータ蓄積制御処理プログラムは、文書データを印刷可能な形式の印刷データに変換する変換処理過程と、前記変換処理過程により変換された印刷データを所定の領域単位で分割する分割処理過程と、前記分割処理過程により分割された複数の分割データを分散して保存させるべく、複数の画像形成装置およびデータ処理装置の中の保存先を示す複数の保存先装置に対し分割データの蓄積を依頼する蓄積依頼処理過程と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
請求項1記載の発明によれば、印刷対象の文書データに対応して所定の処理が要求されている場合に、当該所定の処理を実行する保存先装置に対し当該文書データを蓄積させることができる。
【0027】
請求項2記載の発明によれば印刷対象の文書データに対応して所定の処理が要求されている場合に、当該所定の処理を実行する保存先装置に対し当該文書データを蓄積させることができる。
【0028】
請求項3記載の発明によれば、指定された所定の処理に関する情報と画像形成装置の処理機能を示す情報とに基づき、当該所定の処理を実行する画像形成装置に対し文書データを蓄積させることができる。
【0029】
請求項4記載の発明によれば、指定された所定の処理に関する情報と画像形成装置毎に問い合わせすることにより取得される処理機能を示す情報とに基づき、当該所定の処理を実行する画像形成装置に対し文書データを蓄積させることができる。
【0030】
請求項5記載の発明によれば、データ蓄積処理、情報漏洩抑止処理、処理能力の高い画像処理を示す高性能画像処理および処理能力の高い印刷処理を示す高性能印刷処理の少なくとも一つの処理が所定の処理として指定されている場合に、当該指定されている処理を実行する画像形成装置に対し印刷対象の文書データを蓄積させることができる。
【0031】
請求項6記載の発明によれば、印刷対象の文書データの中にセキュリティ情報が含まれているとデータ解析されたときは、当該文書データを、情報漏洩抑止処理機能を有する画像形成装置に対し蓄積させることができる。
【0032】
請求項7記載の発明によれば、印刷対象の文書データに対応して所定の処理としてのデータ蓄積処理が要求されている場合に、当該文書データを所定の領域単位で分割した複数の分割データを、当該データ蓄積処理を実行する複数の保存先装置に対し蓄積させることができる。
【0033】
請求項8記載の発明によれば、印刷対象の文書データに対応して所定の処理としてのデータ蓄積処理が要求されている場合に、当該文書データを所定の領域単位で分割した複数の分割データを、当該データ蓄積処理を実行する複数の保存先装置に対し蓄積させることができる。
【0034】
請求項9記載の発明によれば、文書データを印刷可能な形式の印刷データに変換し、この印刷データについて所定の領域単位で分割した複数の分割データを、データ蓄積処理を実行する複数の保存先装置に対し蓄積させることができる。
【0035】
請求項10記載の発明によれば、文書データを印刷可能な形式の印刷データに変換し、この印刷データについてページ単位またはページに対応する領域にかかわる分割単位で分割した複数の分割データを、複数の保存先装置に対し蓄積させることができる。
【0036】
請求項11記載の発明によれば、連続する複数の分割データを、1つの保存先装置に蓄積させることなく、複数の保存先装置に対し蓄積させることができる。
【0037】
請求項12記載の発明によれば、同一の分割データを複数の保存先装置に対し蓄積させることができる。
【0038】
請求項13記載の発明によれば、暗号化された複数の分割データを複数の保存先装置に対し蓄積させることができる。
【0039】
請求項14記載の発明によれば、暗号化鍵により暗号化された分割データと当該暗号化鍵に対応しない復号鍵とを保存先装置に対し蓄積させることができる。
【0040】
請求項15記載の発明によれば、印刷対象の文書データに対応して所定の処理が要求されている場合に、当該所定の処理を実行する保存先装置に対し当該文書データを蓄積させるソフトウェアを提供することができる。
【0041】
請求項16記載の発明によれば、印刷対象の文書データに対応して所定の処理としてのデータ蓄積処理が要求されている場合に、当該文書データを所定の領域単位で分割した複数の分割データを、当該データ蓄積処理を実行する複数の保存先装置に対し蓄積させるソフトウェアを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための図面において同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0043】
(実施の形態1)
【0044】
図1は、本実施の形態1に係る画像処理装置の基本構成を示している。
【0045】
画像処理装置100は、画像入力処理部10、グループ定義部20、記憶部30、画像処理部40、印刷部50およびユーザインターフェース部(以下「UI部」という。)60を有している。なお、画像入力処理部10、グループ定義部20および記憶部30で制御部70を構成している。
【0046】
この画像処理装置100は、画像形成装置の機能を有しているので、画像形成装置であると言える。すなわち、本実施の形態1では、画像処理装置は画像形成装置を想定している。
【0047】
画像処理装置100は、通信回線(通信媒体)を介して、他の画像処理装置、外部記憶装置、パーソナルコンピュータなど外部装置と接続されるようになっている。
【0048】
画像入力処理部10は、データ取得手段の機能を有し、スキャナやパーソナルコンピュータなどデータ処理装置から送信された画像データ(文書データ)および所定の処理に関する情報を取得(取り込む)する。
【0049】
本願明細書では、「所定の処理」は、データ蓄積処理、情報漏洩抑止処理、処理能力の高い画像処理を示す高性能画像処理および処理能力の高い印刷処理を示す高性能印刷処理の少なくとも一つの処理を意味する。また、「所定の処理に関する情報」は、情報漏洩抑止処理、高性能画像処理および高性能印刷処理の少なくとも一つの処理を指示(指定)する情報を意味する。
【0050】
また、画像入力処理部10は、取り込んだ画像データを基に当該画像データの容量、その画像の特徴を認識するともに、取り込んだ所定の処理に関する情報を基にユーザ指定情報などを認識し、それらの情報を入力情報として前記画像データに付加する。
【0051】
グループ定義部20は、処理機能情報取得部21と処理機能情報記憶部22とを有し、予めグループとして登録されている装置、例えば当該画像処理装置100を含む複数の画像処理装置に関する情報を、他の画像処理装置と相互に交換し、画像処理装置(画像形成装置)毎の処理機能情報を管理する。
【0052】
処理機能情報取得部21は、処理機能取得手段の機能を有し、当該所定の画像処理装置(画像形成装置)以外の他の画像処理装置(画像形成装置)に対し処理機能を問い合わせるとともに、該問い合わせに対する当該他の画像処理装置(画像形成装置)からの結果を取得する。
【0053】
処理機能情報記憶部22は、処理機能情報記憶手段の機能を有し、処理機能情報取得部(処理機能取得手段)21によって取得された他の画像処理装置(画像形成装置)毎の処理機能を示す情報と当該所定の画像処理装置(画像形成装置)にかかわる処理機能を示す情報とを記憶する。
【0054】
本願明細書では、「処理機能」は、上記データ蓄積処理に対応するデータ蓄積処理機能、上記情報漏洩抑止処理に対応する情報漏洩抑止処理機能、上記高性能画像処理に対応する画像処理機能を示す高性能画像処理機能および上記高性能印刷処理に対応する印刷処理機能を示す高性能印刷処理機能のうち少なくとも一つの処理機能を意味する。
【0055】
データ蓄積処理機能としては例えば記憶手段の記憶機能が、情報漏洩抑止処理機能はとしては例えば蓄積認証処理機能が、また高性能画像処理機能としては画像処理能力の一つである例えば高画質処理機能が、さらに高性能印刷処理機能としては印刷処理能力の一つである例えば高印刷処理機能が、それぞれ挙げられる。
【0056】
記憶手段の記憶機能としては記憶容量に応じて、例えばハードディスクドライブ(HDD)、RAM(Random Access Memory:随時書き込み読み出しメモリ)などのメモリなどが挙げられる。ここで、「メモリの記憶容量<HDDの記憶容量」の関係が成立する。
【0057】
蓄積認証処理機能としては、セキュリティレベル(例えばデータの記憶にかかわるセキュリティレベル)に応じて、例えば指紋認証や静脈認証など生体認証、パスワードなどによる認証(蓄積認証)が挙げられる。
【0058】
高画質処理機能としては、画像処理装置(画像形成装置)が1200dpiの解像度で画像処理する制御手段、高性能画像処理に対応する制御手段例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit:特定用途向けIC)などを備えている場合、解像度1200dpiでの画像処理、高性能画像処理用ASIC(新画像ASIC)による画像処理が挙げられる。
【0059】
高印刷処理機能としては、画像処理装置(画像形成装置)がソーター、ステープラーなどを備えている場合、ソーター処理、ステープラー処理が挙げられる。
【0060】
ところで、グループ定義され処理機能情報を相互に交換する複数の画像処理装置(画像形成装置)においては、上述したグループ定義部20を有しており、記憶手段(記憶部)の空き容量、セキュリティレベル(例えばデータの記憶にかかわるセキュリティレベル)、画像処理能力、印刷処理能力などの情報が相互に交換されるようになっている。
【0061】
記憶部30は、データ蓄積制御手段の機能を有し、画像入力処理部(データ取得手段)10によって取得された所定の処理に関する情報と、処理機能情報記憶部(処理機能情報記憶手段)22に記憶されている画像処理装置(画像形成装置)毎の処理機能情報とを基に複数の画像処理装置(画像形成装置)の中の他の画像処理装置(画像形成装置)に対し画像入力処理部(データ取得手段)10によって取得された文書データの蓄積を依頼する。
【0062】
この場合、記憶部30は、所定の処理が、情報漏洩抑止処理のときは情報漏洩抑止処理機能を有する画像処理装置(画像形成装置)に対し、また高性能画像処理のときは高性能画像処理機能を有する画像処理装置(画像形成装置)に対し、さらに高性能印刷処理のときは前記高性能印刷処理機能を有する画像処理装置(画像形成装置)に対し、取得された文書データの蓄積を依頼する。
【0063】
すなわち、記憶部30は、画像入力処理部10から得られた画像データに付加されている「入力情報(所定の処理に関する情報を含む)」と、グループ定義部20によって定義されている「画像処理装置(画像形成装置)毎の処理機能情報」とを基に、その優先情報(グループ優先リスト)を相互利用する当該画像処理装置100を含む複数の画像処理装置(画像形成装置)の中から記憶先(転送先)を決定する。
【0064】
また、記憶部30は、決定した記憶先が当該画像処理装置100の場合には当該記憶部20で入力情報および画像データを記憶し、一方、決定した記憶先が他の画像処理装置(画像形成装置)の場合は当該画像処理装置(画像形成装置)に対し入力情報および画像データを転送して、それら入力情報および画像データの蓄積を依頼する。
【0065】
具体的には、記憶部30は、画像入力処理部10によって画像データに付加された入力情報と、グループ定義部20の処理機能情報記憶部22内の処理機能情報とを基に、例えば、キュリティの高い画像データは指紋認証の可能な画像処理装置の記憶部に記憶させる制御を行い、またデータ容量が大きな画像データは記憶容量に余裕のある記憶部を有する画像処理装置の記憶部に記憶させる制御を行う。
【0066】
さらに、記憶部30は、画像処理プロセスを決定する。この画像処理プロセスには、外部の記憶部に蓄積されたデータを継続管理する外部処理プロセス、外部の記憶部に蓄積されたデータの処理は終了する移管プロセス、外部の記憶部は使用せず当該画像処理装置100の当該記憶部30で処理する内部処理プロセスなどがある。ここで、外部の記憶部とは、他の画像処理装置(画像形成装置)の記憶手段(記憶部)を意味する。
【0067】
画像処理部40は、記憶部30に記憶されている画像データを読み出し、該読み出した画像データに対する印刷のための画像処理を実行するものであり、例えば画像データをイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の色空間のデータ(ラスタデータ)に変換し、この変換した結果(ラスタデータ)を印刷部50へ出力する。
【0068】
印刷部50は、画像処理部40からのラスタデータを基に印刷処理を実施し、この印刷処理した結果としての印刷物(印刷された用紙)を出力する。
【0069】
UI部60は、ユーザインターフェースの機能を果たすものである。
【0070】
制御部70は、取得された文書データに対応してユーザによって指定された所定の処理に関する情報と、複数の画像処理装置(画像形成装置)のそれぞれに対応する処理機能を示す情報とを基に、複数の画像処理装置(画像形成装置)の中の他の画像処理装置(画像形成装置)に対し当該文書データの蓄積を依頼する。
【0071】
図2は、本実施の形態1に係る画像形成システムの構成を示している。
【0072】
画像形成システム1は、複数の画像処理装置(画像形成装置)110,120,130,140が通信回線150を介して接続されている。また、画像処理装置(画像形成装置)110は、USB(Universal Serial Bus:周辺装置用シリアルインターフェース)など、通信回線(通信媒体)としてのシリアルインターフェース170を介して画像読取装置160と接続されている。
【0073】
複数の画像処理装置(画像形成装置)110〜140は、それぞれ1つのグループとしてグループ定義される画像処理装置(画像形成装置)である。
【0074】
画像読取装置160は、スキャナであり、原稿画像に対応する画像データの蓄積機能は有していない。
【0075】
通信回線150としては、ローカルエリアネットワーク(LAN:Local Area Network)や電話回線などの有線通信回線、無線LANなどの無線通信回線、さらには、これらの通信回線を組み合わせたもの、などが挙げられる。
【0076】
図3は画像処理装置(画像形成装置)110の構成を示している。この画像処理装置110は、図1に示した画像処理装置100の構成において、スキャン入力I/F部111、パソコン入力I/F部112、RAM記憶部(RAM一次記憶部)113、通信部114、4行表示部115およびキー入力部116を追加した構成になっている。
【0077】
図3において、スキャン入力I/F部111は、通信回線(通信媒体)としてのシリアルインターフェース170を介して画像読取装置160との間でデータの送受信を行うインターフェースであり、例えば画像読取装置160から送信された画像データおよびユーザによって指定された所定の処理に関する情報を受信し、この受信した受信データを画像入力処理部10に与える。
【0078】
パソコン入力I/F部112は、所定のインターフェース(図示せず)を介してパーソナルコンピュータ(図示せず)との間でデータの送受信を行うインターフェースであり、例えばコンピュータから送信された画像データおよびユーザによって指定された所定の処理に関する情報を受信し、この受信した受信データを画像入力処理部10に与える。
【0079】
RAM記憶部(RAM一次記憶部)113は、RAM(Random Access Memory:随時書き込み読み出しメモリ)の機能を有するものであり、記憶部30によって格納されるデータを記憶する。記憶部30およびその配下にあるRAM記憶部(RAM一次記憶部)113で記憶手段の機能を果たすようになっている。
【0080】
通信部114は、通信回線150を介して、他の画像処理装置(画像形成装置)との間でデータの送受信を行う。
【0081】
グループ定義部20は通信部114を介して他の画像処理装置(画像形成装置)との通信を行う。また、記憶部30は、画像データおよび入力情報を転送先の画像処理装置に向けて送信するときは、グループ定義部20に対し、前記画像データおよび入力情報を当該転送先の画像処理装置に向けて転送するように依頼する。すなわち、記憶部30からの画像データおよび入力情報は、グループ定義部20、通信部114および通信回線150を介して転送先の画像処理装置に向けて転送される。
【0082】
4行表示部115はUI部60から与えられる所定の表示情報を表示し、キー入力部116は、所定の指示や所定の設定値などを入力する。キー入力部116の入力操作に応じた入力データはUI部60に与えられる。UI部60および4行表示部115およびキー入力部116でユーザインターフェース手段の機能を果たすようになっている。
【0083】
この画像処理装置110では、HDD記憶部121に蓄積された画像データに対する印刷処理には、パスワードによる認証は不要となっている。また、画像処理装置110は、特殊用紙に対応して印刷処理を実施することができる。
【0084】
図4は画像処理装置(画像形成装置)120の構成を示している。この画像処理装置120は、図3に示した画像処理装置110の構成において、HDD記憶部121、カードメモリ記憶部122、タッチパネル入力表示部123および指紋認証部124を追加し、4行表示部115およびキー入力部116を削除した構成になっている。
【0085】
HDD記憶部121は、記憶手段としてのハードディスクドライブ(HDD)の機能を果たす。カードメモリ記憶部122は、画像処理装置120に配設される図示しないカードスロットに着脱可能に装着されるメモリカードにおける記憶手段としてのメモリの機能を果たす。
【0086】
タッチパネル入力表示部123は、所定の選択肢(項目などの情報)を選択(指定)する入力手段の機能と所定の表示情報を表示する表示手段の機能とを有するタッチパネルである。
【0087】
指紋認証部124は、認証対象のユーザの指紋を読み取り、この読み取った指紋情報と予め登録されたユーザの指紋情報とを照合し、当該認証対象のユーザが正当なユーザであるかを認証(指紋認証)する。
【0088】
すなわち、画像処理装置120では、HDD記憶部121に蓄積された画像データに対する印刷処理には、指紋による認証(指紋認証)を必要とする。また、画像処理装置120では、印刷部50は、大容量のソーター、ステープラーを備えている。
【0089】
画像処理装置(画像形成装置)130は、図4に示した画像処理装置(画像形成装置)120の構成において指紋認証部124を削除した構成になっている。この画像処理装置130では、HDD記憶部121に蓄積された画像データに対する印刷処理には、パスワードによる認証(パスワード認証)を必要とする。また、画像処理装置130では、画像処理部40は1200dpiの解像度で画像処理を実施する機能を有している。さらに印刷部50は、ソーターを備えている。
【0090】
画像処理装置(画像形成装置)140は、図3に示した画像処理装置(画像形成装置)120の構成と同様になっている。この画像処理装置140では、HDD記憶部121に蓄積された画像データに対する印刷処理には、パスワードによる認証(パスワード認証)を必要とする。また、画像処理装置140では、画像処理部40は、新画像ASICを搭載しており、1200dpiの解像度で画像処理を実施する機能を有している。
【0091】
図5は、画像処理装置同士が通信する場合の接続形態の一例として、画像処理装置110と画像処理装置120とが通信する場合の接続形態を示している。
【0092】
グループ定義された各画像処理装置のグループ定義部20は、図5に示すように、該当する画像処理装置の通信部114を介して、他の画像処理装置のグループ定義部20との間で処理機能情報を送受信する。グループ定義された各画像処理装置のグループ定義部20同士は、所定のタイミング毎に処理機能情報の交換を行う。
【0093】
また、画像読取装置160が接続されている画像処理装置110の記憶部30は、当該画像処理装置110の通信部114を介して、画像処理装置120に対し画像データを送信し、その画像データの蓄積を依頼する。
【0094】
次に、画像形成システムの画像処理装置のグループ定義部による処理機能情報の取得処理について、図6を参照して説明する。
【0095】
なお、図6は、その取得処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0096】
ここでは、画像処理装置110のグループ定義部20による処理機能情報の取得処理について説明するが、他の画像処理装置も画像処理装置110と同様の前記取得処理を実施する。
【0097】
画像処理装置110では、当該画像処理装置110の電源が投入されると(電源がオン状態になると)、グループ定義部20は、装置起動後、ネットワーク通信が可能となった段階で、グループ定義が設定されている場合はグループチェック処理の実行を開始し(ステップS101)、グループリスト上の画像処理装置を確認する(ステップS102)。
【0098】
ステップS102を終了したグループ定義部20は、処理機能情報の情報交換処理に移行し、グループリスト上の画像処理装置との間で、記憶手段の記憶機能、セキュリティレベルなどの処理機能情報の情報交換を実施する(ステップS103)。
【0099】
ステップS103を終了したグループ定義部20は、グループリスト上の全ての画像処理装置に関して処理機能情報の情報交換を実施したか否かを判断し(ステップS104)、この判断した結果、全ての画像処理装置について情報交換が終了していない場合には上記ステップS103に戻り。
【0100】
一方、ステップS104において全ての画像処理装置について情報交換が終了したと判断したグループ定義部20は、グループチェック処理の実行を終了し(ステップS105)、全ての画像処理装置との間で情報交換した処理機能情報を基に優先情報つまり優先順位表(優先度リスト)を作成し(ステップS106)、その後、この処理を終了する。
【0101】
上述したようにしてグループチェック処理が実施された結果、画像処理装置毎の処理機能情報が収集される。その収集された画像処理装置毎の処理機能情報の一例を、図7に示す。
【0102】
本実施の形態1では、画像処理装置(画像形成装置)110を「プリンタD」、画像処理装置(画像形成装置)120を「複合機A」、画像処理装置(画像形成装置)130を「複合機B」、画像処理装置(画像形成装置)140を「プリンタC」とする。
【0103】
図7に示すように、複合機A(画像処理装置120)は、データ蓄積処理機能としての記憶手段の記憶機能例えば「HDD(ハードディスクドライブ)」機能、情報漏洩抑止処理機能としての蓄積認証処理機能例えば「指紋認証」機能、高性能印刷処理機能としての高印刷処理機能例えば「大容量ソーター」機能および「ステープラー」機能を有している。
【0104】
複合機B(画像処理装置130)は、データ蓄積処理機能としての「記憶手段の記憶機能」例えば「HDD」機能、情報漏洩抑止処理機能としての「蓄積認証処理機能」例えば「パスワード認証」機能、高性能画像処理機能としての「高画質処理機能」例えば「解像度1200dpiでの画像処理」機能、高性能印刷処理機能としての「高印刷処理機能」例えば「ソーター」機能を有している。
【0105】
プリンタC(画像処理装置140)は、データ蓄積処理機能としての「記憶手段の記憶機能」例えば「メモリ」機能、情報漏洩抑止処理機能としての「蓄積認証処理機能」例えば「パスワード認証」機能、高性能画像処理機能としての「高画質処理機能」例えば「解像度1200dpiでの画像処理」機能および「新画像ASICによる画像処理」機能を有している。
【0106】
プリンタD(画像処理装置110)は、データ蓄積処理機能としての「記憶手段の記憶機能」例えば「メモリ」機能、高性能印刷処理機能としての「高印刷処理機能」例えば「特殊用紙に対応して印刷処理」機能を有している。なお、プリンタDは「蓄積認証処理機能」を有していない。
【0107】
グループ定義部20は、上述したような画像処理装置毎の処理機能情報(図7参照)を基に、「蓄積認証」の処理、「高画像機能」の処理および「高印刷機能」の処理のうち少なくとも一つの処理を行うための優先順位表を作成することになる。
【0108】
(1)「蓄積認証」の処理を行うための優先順位表を作成
【0109】
この場合、図7に示した画像処理装置毎の処理機能情報の「記憶手段の記憶機能」および「蓄積認証処理機能」に関する情報に注目する。
【0110】
また、優先順位を決定する判断基準として、記憶手段の記憶機能に関しては「HDDはメモリよりも優先順位が高い(HDD>メモリ)」、蓄積認証処理機能に関しては「指紋認証はパスワードよりも優先順位が高い(指紋認証>パスワード」、とする。
【0111】
これらの判断基準に基づき、図7に示した画像処理装置毎の処理機能情報の「記憶手段の記憶機能」および「蓄積認証処理機能」に関する情報について整理すると、図8に示す内容が得られる。
【0112】
そして、グループ定義部20は、図8に示す内容を基に、最終的に、図9に示す優先順位表を作成する。
【0113】
(2)「高画像機能」の処理を行うための優先順位表を作成
【0114】
この場合、図7に示した画像処理装置毎の処理機能情報の「高画質処理機能」に関する情報に注目する。
【0115】
優先順位を決定する判断基準として、高画質処理機能に関しては「解像度1200dpiに関し「あり」の場合は「なし」の場合よりも優先順位が高い(解像度1200dpiあり>解像度1200dpiなし)」、「新画像ASICに関し「あり」の場合は「なし」の場合よりも優先順位が高い(新画像ASICあり>新画像ASICなし)」、とする。
【0116】
これらの判断基準に基づき、図7に示した画像処理装置毎の処理機能情報の「高画質処理機能」に関する情報について整理すると、図10に示す内容が得られる。この図10に示す内容は優先順位表として利用される。
【0117】
(3)「高印刷機能」の処理を行うための優先順位表を作成
【0118】
この場合、図7に示した画像処理装置毎の処理機能情報の「高印刷処理機能」に関する情報に注目する。
【0119】
優先順位を決定する判断基準として、高印刷処理機能に関しては「ソーターに関し「あり」の場合は「なし」の場合よりも優先順位が高い(ソーターあり>ソーターなし)」、「ステープラーに関し「あり」の場合は「なし」の場合よりも優先順位が高い(ステープラーあり>ステープラーなし)」、とする。
【0120】
これらの判断基準に基づき、図7に示した画像処理装置毎の処理機能情報の「高印刷処理機能」に関する情報について整理すると、図11に示す内容が得られる。この図11に示す内容は優先順位表として利用される。
【0121】
ところで、上述した処理機能情報の交換においては、「蓄積認証」の処理、「高画像機能」の処理および「高印刷機能」の処理のそれぞれにかかわる情報、すなわち図7に示した例の如く「記憶手段の記憶機能」、「蓄積認証処理機能」、「高画質処理機能」および「高印刷処理機能」のそれぞれに関する情報の交換を実施するようにしているが、これに限定されることなく、例えば「蓄積認証」の処理に関する情報のみを情報交換するようにしてもよい。
【0122】
この「蓄積認証」の処理に関する情報のみを情報交換した場合の画像処理装置毎の処理機能情報の一例を、図12に示す。
【0123】
そして、記憶手段の記憶機能に関しては「HDDはメモリよりも優先順位が高い(HDD>メモリ)」、蓄積認証処理機能に関しては「指紋認証はパスワードよりも優先順位が高い(指紋認証>パスワード」、とする、優先順位を決定する判断基準に基づき、図12に示す情報について整理すると、図8に示した内容が得られ、最終的に、図9に示した優先順位表が作成されることになる。
【0124】
次に、画像形成システムのデータ蓄積制御処理(通常コピーの場合の処理)について、図13および図14を参照して説明する。
【0125】
図13は、そのデータ蓄積制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0126】
また、図14は、画像形成システムのデータ蓄積制御処理の処理手順を示すシーケンスである。
【0127】
これは、蓄積など高機能な機能は使わずにシンプルにコピーを採取する場合の画像処理装置110(プリンタD)によるデータ蓄積制御処理についてである。
【0128】
画像読取装置160によって原稿がスキャンされた画像データおよびユーザによって指示された通常コピー指示を示す旨(通常コピー指示情報)が、シリアルインターフェース(USB)170を経由して画像処理装置110(プリンタD)に向けて送信されると(図14のS11参照)、画像処理装置110では、画像入力処理部10は、図13に示すように、スキャン入力I/F部111によって受信された画像データおよび通常コピー指示情報を取得する(ステップS201)。
【0129】
次に、画像入力処理部10は、取得した画像データにかかわる入力情報として「通常コピー」を作成し(ステップS202)、この作成した入力情報(通常コピー)および取得した画像データを記憶部30に渡す。
【0130】
記憶部30は、画像入力処理部10から渡された入力情報(通常コピー)を基に、画像入力処理部10から渡された画像データの記憶が必要か否かを判断し(ステップS203)、このステップにおいて、入力情報が「通常コピー」なので、「画像データの記憶は不要である(記憶不要)」および「内部処理プロセス」であると判断した場合は、画像処理部40を起動させて、前記画像データを画像処理部40に渡す。
【0131】
起動された画像処理部40は、記憶部30から渡された画像データを受け取り(ステップS204)、印刷のための画像処理を実施し(ステップS205)、その後、印刷部50を起動させて、画像処理後の画像データを印刷部50に渡す。
【0132】
起動された印刷部50は、画像処理部40からの画像データを基に印刷処理を実施し(ステップS205、図14のS12参照)、その印刷結果としての印刷物を出力する。
【0133】
次に、画像形成システムのデータ蓄積制御処理(蓄積認証コピーの場合の処理)について、図15および図14を参照して説明する。
【0134】
図15は、データ蓄積依頼元の画像処理装置によるデータ蓄積制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0135】
画像読取装置160によって原稿がスキャンされた画像データおよびユーザによって指示された蓄積認証コピー指示を示す旨(蓄積認証コピー指示情報)が、シリアルインターフェース(USB)170を経由して画像処理装置110(プリンタD)に向けて送信されると(図14のS21参照)、データ蓄積依頼元の画像処理装置としての画像処理装置110では、画像入力処理部10は、図15に示すように、スキャン入力I/F部111によって受信された画像データおよび蓄積認証コピー指示情報を取得する(ステップS301)。
【0136】
次に、画像入力処理部10は、取得した画像データにかかわる入力情報として「蓄積認証コピー」を作成し(ステップS302)、この作成した入力情報(蓄積認証コピー)および取得した画像データを記憶部30に渡す。
【0137】
記憶部30は、画像入力処理部10から渡された入力情報(蓄積認証コピー)を基に、画像入力処理部10から渡された画像データの記憶が必要か否かを判断し(ステップS303)、このステップにおいて、入力情報が「蓄積認証コピー」なので、画像データの記憶は必要である(記憶必要)と判断した場合は、グループ定義部20の処理機能情報記憶部22から優先順位表(優先情報)つまり「蓄積認証」の処理を行うための優先順位表(図9参照)を取得し、この取得した優先順位表および前記入力情報(蓄積認証コピー)を基に蓄積先(記憶先)を判断する(ステップS304)。
【0138】
記憶部30は、ステップS304において、入力情報(蓄積認証コピー)を基に「HDD」と「指紋認証」が必要であると判断するとともに、これらの情報と前記取得した優先順位表(図9参照)とを基に、「HDD」と「指紋認証」とを有する蓄積先(記憶先)の画像処理装置として「優先順位が第1位の画像処理装置120(複合機A)」を決定し、さらに画像処理プロセスとして「外部処理プロセス」を決定する。
【0139】
次に、記憶部30が、グループ定義部20に対し、上記決定した蓄積先(記憶先)の画像処理装置に向けて「画像データ転送が可能であるかを示す旨(調整依頼)」および「蓄積対象のデータのデータ量情報」の送信を依頼すると、グループ定義部20は、その調整依頼およびデータ量情報を、通信部114を介して蓄積先(記憶先)の画像処理装置としての画像処理装置120(複合機A)に向けて送信する(図14のS22参照)。
【0140】
ここで、蓄積先(記憶先)の画像処理装置としての画像処理装置120(複合機A)が、調整依頼を受けて「画像データ転送を許可する旨」を、その調整依頼元の画像処理装置110(プリンタD)に向けて送信すると(図14のS23参照)、その「画像データ転送を許可する旨」は、通信回線150、画像処理装置110(プリンタD)の通信部114およびグループ定義部20を介して記憶部30によって取得される。
【0141】
画像処理装置110(プリンタD)では、記憶部30は、調整依頼に対する蓄積先の画像処理装置からの結果は「許可」であるか否かを判断し(ステップS305)、このステップにおいて、蓄積先(記憶先)の画像処理装置としての画像処理装置120(複合機A)からの「画像データ転送を許可する旨」を取得したので、調整依頼に対する結果は「許可」であると判断した場合は、グループ定義部20に対し、入力情報(蓄積認証コピー)および画像データを蓄積先(記憶先)の画像処理装置としての画像処理装置120(複合機A)に向けて転送するように指示する。
【0142】
これにより、画像処理装置110(プリンタD)の記憶部30からの入力情報(蓄積認証コピー)および画像データは、グループ定義部20、通信部114および通信回線150を介して、蓄積先(記憶先)の画像処理装置としての画像処理装置120(複合機A)に転送され(ステップS306、図14のS24参照)、さらに当該画像処理装置120(複合機A)の通信部114およびグループ定義部20を介して、記憶部20に転送される。
【0143】
そして、画像処理装置110は、正常にデータ転送を終了した場合、この処理を終了する。
【0144】
画像処理装置110は、ステップS305において、蓄積先(記憶先)の画像処理装置としての画像処理装置120(複合機A)から「画像データ転送を拒否する旨」つまり調整依頼に対する蓄積先の画像処理装置からの結果が「拒否」であると判断した場合は、今回調整依頼した画像処理装置の順位の次の順位の画像処理装置に対し、調整依頼を送信することになる。
【0145】
次に、画像形成システムのデータ蓄積依頼先の画像処理装置によるデータ蓄積制御処理(蓄積認証コピーの場合の処理)について、図16および図14を参照して説明する。
【0146】
図16は、データ蓄積依頼先の画像処理装置によるデータ蓄積制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0147】
調整依頼元(データ蓄積依頼元)の画像処理装置としての画像処理装置110(プリンタD)からの上記調整依頼およびデータ量情報が、蓄積先(データ蓄積依頼先)の画像処理装置としての画像処理装置120(複合機A)によって受信されると(図14のS22参照)、その調整依頼およびデータ量情報は、画像処理装置120(複合機A)の通信部114およびグループ定義部20を介して、記憶部20によって受け付けられる(ステップS401)。
【0148】
画像処理装置120(複合機A)では、記憶部30は、RAM記憶部113、HDD記憶部121およびカードメモリ記憶部122の記憶手段のメモリ状態(空き容量の状態など)、当該画像処理装置120の装置状態を確認(内部チェック)し(ステップS402)、データ転送を受け付け可能である、つまり受け取ったデータ量情報のデータを蓄積するための空き容量が十分あるので、前記記憶手段による記憶が可能であると判断した場合は、調整依頼に対する結果としてデータ転送を受け付け可能である旨(「許可」)を、画像処理装置110に向けて通知する(ステップS403、図14のS23参照)。
【0149】
調整依頼に対する結果としての「許可」を受け取った画像処理装置110から画像処理装置120に向けて、画像データおよび入力情報(蓄積認証コピー)が転送されると、これらの転送データは、通信回線150、画像処理装置120の通信部114によって受信される。
【0150】
画像処理装置120では、記憶部30は、通信部114およびグループ定義部20を介して画像データおよび入力情報(蓄積認証コピー)を受け取り(ステップS404)、これらのデータを蓄積する(図14のS25参照)。
【0151】
次に、記憶部30は、上記蓄積した画像データに関する情報を図17に示す蓄積リストに追加登録し、UI部60に対し蓄積リストを表示させる(公開させる)ことで(ステップS405)、ユーザによるUI部60からの蓄積リストの参照を可能にする(ステップS406)。
【0152】
これにより、画像処理装置120(複合機A)のUI部60のタッチパネル入力表示部123による印刷処理対象の選択、および指紋認証部124による指紋認証により、蓄積認証コピーが可能となる。
【0153】
ここで、蓄積リストについて説明する。
【0154】
画像処理装置120は、受け取ったデータを蓄積する処理のときに、蓄積番号(蓄積NO)および蓄積日時の情報と、画像処理装置110から受け取った情報とを基に、図17に示すような蓄積リストを作成する。
【0155】
この蓄積リストは、「蓄積NO.」、「日時」、「入力装置」および「指定ユーザ」の各項目から構成されている。
【0156】
「蓄積NO.」は、蓄積されたデータに対応する番号を示し、画像処理装置110によって例えば連番の番号が生成され登録される。
【0157】
「日時」は、データを蓄積した日時を示し、画像処理装置110によって日時が生成され登録される。
【0158】
「入力装置」は、画像が送られてきた装置を示す。
【0159】
「指定ユーザ」は、画像処理装置110から送られた入力情報に含まれるパスワードを基に特定されるユーザ名を示す。画像処理装置120は、ユーザの情報(パスワード、指紋情報)を特定する手段を有している。
【0160】
例えば、画像処理装置120内のデータベース(図示せず)に、予め登録されたユーザの情報(パスワード、指紋情報)とユーザ名とを関連付けて登録しておく。そして、画像処理装置110から送られた入力情報に含まれるパスワードをキーとして、前記データベースから対応するユーザ名を検索(特定)する。または外部の管理サーバに、予め登録されたユーザの情報(パスワード、指紋情報)とユーザ名とを関連付けて登録しておく。そして、外部の管理サーバへアクセスし、画像処理装置110から送られた入力情報に含まれるパスワードに対応するユーザ名の検索を要求する。
【0161】
なお、図17に示す蓄積リストのうち、少なくとも指定ユーザ(ユーザ名)のリストが画像処理装置120のUI部60によって表示される。
【0162】
ところで、画像処理装置110は、図18に示すように、図14のS21,S22の処理と同様の処理を実施し(S31,S32参照)、蓄積先の画像処理装置としての画像処理装置120(複合機A)から「画像データ転送を拒否する旨」(「拒否」)が送信されてきた場合は(S33)、優先順位が第2位の画像処理装置130(複合機B)に対し、「画像データ転送が可能であるかを示す旨(調整依頼)」および「蓄積対象のデータのデータ量情報」を送信する(S34)。
【0163】
そして、蓄積先の画像処理装置としての画像処理装置130(複合機B)が、図14のS23の処理を実施した画像処理装置120(複合機A)の場合と同様に、記憶手段による記憶が可能であると判断した場合は、図14のS23,S24,S25の処理と同様の処理が実施される(S35,S36,S37)。
【0164】
本実施の形態1では、所定の処理機能がデータ蓄積処理機能および情報漏洩抑止処理機能の場合のデータ蓄積制御処理について説明したが、これに限定されることなく、所定の処理機能がデータ蓄積処理機能と高性能画像処理機能または高性能印刷処理機能の場合も、これらの処理機能を有しない画像処理装置110が、予めグループ定義されている、所定の処理機能(例えばデータ蓄積処理機能、高性能画像処理機能あるいは高性能印刷処理機能)を有する画像処理装置に向けて画像データ(文書データ)を転送する、というデータ蓄積制御処理を実施することができる。
【0165】
また、所定の処理機能(例えば情報漏洩抑止処理機能としての蓄積認証処理機能つまり蓄積認証コピー機能)を有しない画像処理装置110と画像読取装置110とがシリアルインターフェース(USB)で接続(ローカル接続)されている場合に、画像読取装置110によって読み取られた画像データに関して、前記所定の処理機能(例えば蓄積認証処理機能つまり蓄積認証コピー機能)を実施したいときは、接続先を変更することなく、画像処理装置110が、予めグループ定義されている、所定の処理機能(例えば蓄積認証処理機能つまり蓄積認証コピー機能)を有する画像処理装置120に向けて画像データ(文書データ)を転送することで、当該画像処理装置によって所定の処理(例えば蓄積認証コピー)を実施することができる。
【0166】
また、所定の処理機能が高性能画像処理機能、あるいは高性能印刷処理機能の場合にも、上記同様に、これらの処理機能を有しない画像処理装置110が、予めグループ定義されている、所定の処理機能(例えば高性能画像処理機能、あるいは高性能印刷処理機能)を有する画像処理装置に向けて、画像データ(文書データ)を転送することで、当該画像処理装置によって当該所定の処理を実施することができる。
【0167】
さらに、画像処理装置120,130,140も、当該画像処理装置が有しない所定の処理機能を、グループ定義されている画像処理装置における前記所定の処理機能を有する転送先(蓄積先)の画像処理装置に向けて、画像データ(文書データ)を転送することで、転送先(蓄積先)の画像処理装置によって所定の処理(例えば蓄積認証コピー、解像度1200dpiでの画像処理、ソーター処理)を実施することができる。
【0168】
図19は、実施の形態1に係る画像形成システム1の画像処理装置(プリンタD)110のハードウェア構成を示している。
【0169】
画像処理装置110は、図19に示すように、CPU(中央演算処理装置)101、ROM(読み出し専用メモリ)102、RAM(随時書き込み読み出しメモリ)103、操作パネル104、画像出力装置105、第1のI/F106、第2のI/F107および通信I/F108を備えている。
【0170】
操作パネル104はUI部60、4行表示部115およびキー入力部116(図3参照)に対応し、画像出力装置105は印刷部50(図3参照)に対応し、第1のI/F106はインターフェース機能を有しスキャン入力I/F部111(図3参照)に対応し、第2のI/F107はインターフェース機能を有しパソコン入力I/F部112(図3参照)に対応し、通信I/F108はインターフェース機能を有し通信部114(図3参照)に対応する。
【0171】
ROM102には、(a)上述したデータ蓄積制御処理の処理手順(図15参照)に対応するプログラム(データ蓄積制御処理プログラム102A)、(b)画像入力処理部10の機能(入力情報の作成処理)に対応するプログラム、(c)グループ定義部20の機能(処理機能情報の情報交換処理、優先順位表の作成処理など)に対応するプログラム、(d)記憶部30の機能(蓄積先(記憶先)の決定処理、画像データの転送制御処理など)に対応するプログラム、(e)画像処理部40の機能(ラスタライズ処理などの画像処理)に対応するプログラム(画像展開処理プログラム)など、所定のプログラムが格納されている。
【0172】
なお、データ蓄積制御処理プログラム102Aは、少なくとも次の(1)〜(4)の処理過程を含んでいる。
【0173】
(1)データ処理装置から所定の画像形成装置に向けて送信された文書データおよび所定の処理に関する情報を取得するデータ取得処理過程。
【0174】
(2)他の画像形成装置に対し処理機能を問い合わせるとともに、該問い合わせに対する当該他の画像形成装置からの結果を取得する処理機能取得処理過程。
【0175】
(3)上記処理機能取得処理過程により取得された他の画像形成装置毎の処理機能を示す情報と当該所定の画像形成装置にかかわる処理機能を示す情報とを記憶する処理機能情報記憶処理過程。
【0176】
(4)上記データ取得処理過程により取得された所定の処理に関する情報と、上記処理機能情報記憶処理過程により記憶されている画像形成装置毎の処理機能情報とを基に、複数の画像形成装置の中の他の画像形成装置に対し前記データ取得処理過程により取得された文書データの蓄積を依頼するデータ蓄積制御処理過程。
【0177】
RAM103は、ROM102から読み込まれたデータ蓄積制御処理プログラム102Aを含む所定のプログラムを記憶する。また、RAM103は、第1のI/F106によって受信された画像データ(文書データ)およびユーザによって指示された情報(蓄積認証コピー指示情報など)、グループ定義部20が情報交換処理により収集した画像処理装置毎の処理機能情報、グループ定義部20によって作成された優先順位表など、各種のデータを記憶する。
【0178】
CPU101は、ROM102からRAM103へデータ蓄積制御処理プログラム102Aを読み込んで実行することによりデータ蓄積制御処理を遂行する。また、CPU101は、ROM102からRAM103へ、画像入力処理部10の機能、グループ定義部20の機能、記憶部30の機能、画像処理部40の機能のそれぞれに対応するプログラムを読み込んで実行することにより、それぞれの構成要素の機能を実現する。
【0179】
本願明細書において、画像処理装置の各機能を実現し、上記データ蓄積制御処理の処理手順(図15参照)に対応するプログラム(データ蓄積制御処理プログラム)や、画像入力処理部、グループ定義部、記憶部および画像処理部の各機能に対応するプログラムを含む所定のプログラムを記録媒体としてのROMに記録する実施形態として説明したが、当該所定のプログラムを次のようにして提供することも可能である。
【0180】
すなわち、上記所定のプログラムをハードディスクなど記憶装置に格納しておき、CPUが、このプログラムをこの記憶装置から主記憶装置へローディングして実行するようにしても良い。
【0181】
また、上記所定のプログラムを、DVD−ROM、CD−ROM、MO(光磁気ディスク)、フレキシブルディスク、などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布するようにしても良い。この場合、その記録媒体に記録されたプログラムを画像処理装置がインストールした後、このプログラムをCPUが実行するようにする。このプログラムのインストール先としては、RAM等のメモリやハードディスクなどの記憶装置がある。そして、画像処理装置は、必要に応じてこの記憶装置に記憶したプログラムを主記憶装置にローディングして実行する。
【0182】
さらには、画像処理装置を通信回線(例えばインターネット)を介してサーバ装置あるいはホストコンピュータ等のコンピュータと接続するようにし、当該画像処理装置が、サーバ装置あるいはコンピュータから上記所定のプログラムをダウンロードした後、このプログラムを実行するようにしても良い。この場合、このプログラムのダウンロード先としては、RAM等のメモリやハードディスクなどの記憶装置(記録媒体)がある。そして、当該画像処理装置が、必要に応じてこの記憶装置に記憶された上記プログラムを主記憶装置にローディングして実行するようにする。
【0183】
(実施の形態2)
【0184】
次に、実施の形態2に係る画像形成システムについて説明する。
【0185】
この実施の形態2の画像形成システムも、図2に示した実施の形態1の画像形成システム1と同様の構成になっている。
【0186】
本実施の形態2では、画像入力処理部10は、実施の形態1で説明したデータ取得手段の機能に加えて、当該画像入力処理部10(データ取得手段)が取得した文書データの中にセキュリティ情報が含まれているかを解析するデータ解析手段の機能も有している。
【0187】
記憶部(データ蓄積制御手段)30は、画像入力処理部(データ解析手段)10によってセキュリティ情報が含まれていると解析されたときは、前記所定の処理としての情報漏洩抑止処理に対応する情報漏洩抑止処理機能(例えば蓄積認証処理機能)を有する画像形成装置に対し画像入力処理部(データ取得手段)によって取得された文書データの蓄積を依頼するようになっている。
【0188】
次に、画像形成システムのデータ蓄積制御処理(蓄積認証コピーおよび機密データの場合の処理)について、図20を参照して説明する。
【0189】
図20は、データ蓄積依頼元の画像処理装置によるデータ蓄積制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0190】
画像処理装置110の画像入力処理部10は、スキャン入力I/F部111が画像データ(スキャンデータ)を受信したことを検知すると(ステップS501)、スキャン入力I/F部111からの画像データを取得(受信)し、その画像データの解析処理を開始する(ステップS502)。
【0191】
次に、画像入力処理部10は、取得した画像データの解析処理を実行するとともに、当該画像データにおける解析処理を終了したデータ(画像データ)を記憶部30に渡して一次格納させる(ステップS503)。記憶部30は、画像入力処理部10から渡された画像データをRAM一次記憶部113に格納(一次格納)する。
【0192】
画像データの解析処理においては、画像入力処理部10は、取得した画像データについて電子透かし、バーコードなど、埋め込み画像の検知を行う。
【0193】
画像入力処理部10は、スキャン入力I/F部111から一連の画像データ(スキャンデータ)を受け取り、その画像データ全てについての画像解析が終了したか否かを判断し(ステップS504)、この判断した結果、未実施の画像データがある場合には上記ステップS503に戻り、一方、画像データ全てについて画像解析した場合は、解析処理の結果を基に、画像データにセキュリティ情報が含まれているか否か(画像データは機密データであるか否か)を判断し(ステップS505)、この判断した結果つまり画像データにセキュリティ情報が含まれているか否かに応じた入力情報を生成する。
【0194】
ステップS505において、画像データにセキュリティ情報が含まれていると判断(画像データは機密データであると判断)した画像入力処理部10は、「機密データ」および「蓄積認証コピー」を示す旨の入力情報を生成し(ステップS506)、この生成した入力情報(「機密データ」および「蓄積認証コピー」)を記憶部30に渡す。
【0195】
記憶部30は、画像入力処理部10からの入力情報が「機密データ」および「蓄積認証コピー」のときは、HDDと指紋認証が必要であると判断し、この判断した結果および図9に示した優先順位表を基に、蓄積先(記憶先)として「画像処理装置120」を決定するとともに、画像処理プロセスとして「外部処理プロセス」を決定する。
【0196】
これ以降の処理は、上述した実施の形態1の場合と同様である。ちなみに、記憶部30から上記決定した蓄積先(記憶先)の画像処理装置120への「画像データ転送が可能であるかを示す旨(調整依頼)」および「蓄積対象のデータのデータ量情報」の送信、その画像処理装置120から画像処理装置110への調整依頼に対する結果(「許可」または「拒否」)、画像処理装置110による調整依頼に対する結果に応じた処理、などが実施される。
【0197】
ここで、上記調整依頼に対する結果が「許可」の場合、画像処理装置110では、記憶部30は、RAM一次記憶部113から画像データを読み出し、この読み出した画像データおよび入力情報(「機密データ」および「蓄積認証コピー」)を、蓄積先の画像処理装置120に向けて送信する(ステップS507)。
【0198】
また、記憶部30は、画像入力処理部10に対し、入力されたデータが「画像処理装置120にて機密データとして処理される」という旨の判断結果を通知する。画像入力処理部10は、通知された内容を、スキャン入力I/F部111を介して画像読取装置160へ通知(つまりデータの取り扱いを通知)する。
【0199】
そして、画像入力処理部10が受け取った通知の内容は、画像読取装置160のスキャン操作を行っているユーザへの注意喚起に利用される。
【0200】
ところで、ステップS505において、画像データにセキュリティ情報が含まれていないと判断(画像データは機密データではないと判断)した画像入力処理部10は、その画像データは通常コピーデータであるとし、「通常コピー」を示す旨の入力情報を生成し(ステップS508)、この生成した入力情報(「通常コピー」)を記憶部30に渡す。
【0201】
これ以降は、図13に示した実施の形態1の処理手順のステップS204〜S206と同様の処理が実施される(ステップS509〜S511)。
【0202】
以上説明したように、所定の処理機能(例えば情報漏洩抑止処理機能としての蓄積認証処理機能つまり蓄積認証コピー機能)を有しない画像処理装置110と画像読取装置160とがシリアルインターフェース(USB)で接続(ローカル接続)されている場合に、画像読取装置160によって読み取られた機密データとしての画像データに関して、前記所定の処理機能(例えば蓄積認証処理機能つまり蓄積認証コピー機能)を実施したいときは、画像処理装置110が、所定の処理機能(例えば蓄積認証処理機能つまり蓄積認証コピー機能)を有する画像処理装置120に向けて画像データ(文書データ)を転送し、当該画像処理装置によって所定の処理(例えば蓄積認証コピー)を実施することで、認証性の高いコピーが可能となる。
【0203】
(実施の形態3)
【0204】
次に、実施の形態3に係る画像形成システムについて説明する。
【0205】
図21は、実施の形態3に係る画像形成システム300の構成を示している。
【0206】
画像形成システム300は、複数の画像形成装置310−1,310−2、複数の画像読取装置320−1,320−2、複数の情報処理装置330−1,330−2が通信回線340を介して接続されている。
【0207】
複数の画像形成装置310−1,310−2は、画像読取装置または情報処理装置によって生成された蓄積文書データを分割するとともに、該分割した複数の分割データを印刷用データに変換し、さらに変換処理された複数の印刷用データを分散して保存させるべく、記憶装置を有する複数の保存先装置に対し印刷用データ(分割データに対応する印刷用データ)の蓄積を依頼する。これらの画像形成装置の詳細については後述する。
【0208】
ここで、蓄積文書データは、ページ記述言語(Page Description Language:PDL)により記述されたデータ(以下「PDLデータ」という。)である。
【0209】
複数の画像読取装置320−1,320−2は、データを記憶するデータ記憶手段の機能を有する記憶装置321、複数の画像形成装置310−1,310−2の中の所定の画像形成装置に対する印刷対象の文書データの送信制御を行うデータ送信制御手段の機能を有する制御部322、および通信回線340を介して画像形成装置310−1,310−2との間でデータの送受信を行う通信部323を備えている。
【0210】
また、複数の画像読取装置320−1,320−2は、プラテンまたは自動原稿送り装置(ADF)にセットされた原稿を読み取る画像読取部(図示せず)を備えている。
【0211】
制御部322は、上記画像読取部による画像読取処理の結果に対応するデータを蓄積文書データ(PDLデータ)に変換するとともに、該蓄積文書データを、通信部323を介して複数の画像形成装置310−1,310−2の中の所定の画像形成装置に向けて送信する。
【0212】
複数の情報処理装置330−1,330−2は、データを記憶するデータ記憶手段の機能を有する記憶装置331、複数の画像形成装置310−1,310−2の中の所定の画像形成装置に対する印刷対象の文書データの送信制御を行うデータ送信制御手段の機能を有する制御部332、および通信回線340を介して画像形成装置310−1,310−2との間でデータの送受信を行う通信部333を備えている。
【0213】
制御部332は、アプリケーション(アプリケーションソフトウェア)を実行して当該アプリケーションに対応する文書データを生成し、この生成した文書データを蓄積文書データ(PDLデータ)に変換するとともに、さらに該蓄積文書データを、通信部323を介して複数の画像形成装置310−1,310−2の中の所定の画像形成装置に向けて送信する。
【0214】
本実施の形態3においては、複数の画像読取装置320−1,320−2、複数の情報処理装置330−1,330−2は印刷対象の文書データの送信制御を行うデータ処理装置の機能を有している。
【0215】
通信回線340としては、ローカルエリアネットワーク(LAN)や電話回線などの有線通信回線、無線LANなどの無線通信回線、さらには、これらの通信回線を組み合わせたもの、などが挙げられる。
【0216】
本実施の形態3では、複数の画像形成装置310−1,310−2、複数の画像読取装置320−1,320−2、複数の情報処理装置330−1,330−2が、それぞれ蓄積処理機能を有している。
【0217】
図22は、画像形成装置の構成を示している。
【0218】
ここでは、画像形成装置310−1の構成について説明するが、画像形成装置310−2も、画像形成装置310−1と同様の構成になっている。
【0219】
画像形成装置310−1は、通信部3100、制御部3200、記憶装置3300、メモリ3400および画像出力装置3500を備えている。
【0220】
通信部3100は、通信回線340を介して、他の画像形成装置、画像読取装置、情報処理装置との間でデータの送受信を行う。また、通信部3100は、画像読取装置や情報処理装置などデータ処理装置から送信された蓄積文書データ(文書データつまりPDLデータ)を受信するデータ受信手段の機能を有している。
【0221】
制御部3200は、印刷データ処理部3210と印刷処理部3220とを備えている。
【0222】
制御部3200は、通信部(データ受信手段)3100によって受信された蓄積文書データ(文書データ)に対応して要求されている所定の処理としてのデータ蓄積処理に対応すべく、当該蓄積文書データ(文書データ)を所定の領域単位で分割するとともに、該分割後の複数の分割データを分散して保存させるべく画像読取装置320−1,320−2あるいは情報処理装置330−1,330−2などデータ処理装置、および複数の画像形成装置310−1,310−2の中の保存先を示す複数の保存先装置に対し分割データの蓄積を依頼する。
【0223】
なお、蓄積文書データ(文書データ)を所定の領域単位で分割する処理の詳細については後述する。
【0224】
ところで、他の画像形成装置、画像読取装置、情報処理装置など外部装置に注目した場合、制御部3200は、分割後の複数の分割データまたは当該複数の分割データのうち任意の複数の分割データを分散して保存させるべく、1つ以上の画像形成装置および画像読取装置や情報処理装置など1つ以上のデータ処理装置の中の保存先を示す複数の保存先装置に対し分割データの蓄積を依頼することになる。
【0225】
印刷データ処理部3210は、分割データ処理部3211および暗号処理部3212を備えており、データの分割や分割されたデータの統合を行う。
【0226】
分割データ処理部3211は、蓄積文書データ(文書データ)を印刷可能な形式の印刷データに変換するとともに、該変換された当該印刷データを所定の領域単位に分割するデータ処理手段の機能を有している。
【0227】
本実施の形態3では、所定の領域単位で印刷データを分割した後の複数のデータのそれぞれを「分割データ」と定義する。したがって、分割前の印刷データは複数の分割データ(印刷データ)に対応することになる。
【0228】
また本実施の形態3において、「印刷可能な形式の印刷データ」とは、シアン(C)色、マゼンタ(M)色、イエロー(Y)色、ブラック(K)色で表現される色空間(CMYK色空間)でのデータ(CMYKデータ)であり、かつラスタデータである。
【0229】
さて、分割データ処理部(データ処理手段)3211は、次の(1)〜(8)の機能を有している。
【0230】
(1)所定の領域単位としてのページ単位またはページに対応する領域にかかわる分割単位で上記印刷データ(印刷可能な形式の印刷データ)を分割する。
【0231】
なお、ページに対応する領域にかかわる分割単位は、1つのページを例えば9分割、12分割、16分割など複数に分割する場合の分割後の1つの領域を意味する。
【0232】
これにより、一塊の蓄積文書データ(文書データ)に対応する印刷データがページ単位または分割単位で分割され、分割された複数の分割データを分散して複数の保存先に保存させることが可能となる。
【0233】
(2)印刷データをページ単位または分割単位で分割した複数の分割データを分散して保存させるときに、連続する複数の分割データが異なる保存先に保存されるように、複数の保存先装置に対し分割データの蓄積を依頼する。
【0234】
これにより、分割データを蓄積する保存先装置の記憶手段(記憶装置)には、連続しない複数の分割データが蓄積されることになる。
【0235】
(3)複数の分割データを分散して保存させるときに、同一の分割データを複数の保存先装置に対し蓄積依頼する。
【0236】
これにより、分割した複数の分割データ(印刷データ)が、それぞれ2つ以上の保存先装置の記憶手段(記憶装置)に保存されることになる。
【0237】
(4)暗号処理部3212によって暗号化された複数の分割データを分散して保存させるときに、複数の保存先装置に対し暗号化された分割データの蓄積を依頼する。
【0238】
これにより、暗号化された複数の分割データ(印刷データ)が、複数の保存先装置の記憶手段(記憶装置)に保存されることになる。
【0239】
(5)保存先装置の記憶手段(記憶装置)の空き容量を確認し、分割した印刷データが当該保存先装置の記憶手段に保存可能なデータ量(容量)以下になるように、印刷データを分割する。
【0240】
これにより、保存先装置の記憶手段(記憶装置)には、その空き容量に応じて分割された分割データ(印刷データ)が保存されることになる。
【0241】
(6)複数の分割データを分散して保存させるべく、複数の保存先装置に分割データの蓄積を依頼した場合に、複数の分割データのそれぞれに対応する保存先装置を示す保存位置情報を作成し、この作成した保存位置情報を、当該画像形成装置の記憶手段(記憶装置)に保存させる。
【0242】
これにより、保存位置情報が、該画像形成装置の記憶手段(記憶装置)に保存されることになる。
【0243】
(7)複数の分割データを分散して保存させるべく、複数の保存先装置に分割データの蓄積を依頼した場合に、複数の分割データのそれぞれに対応する保存先装置を示す保存位置情報を作成し、この作成した保存位置情報を当該画像形成装置の記憶手段(記憶装置)に保存させるとともに、分割データ(印刷データ)の蓄積依頼された保存先装置に対し前記保存位置情報の保存を依頼する。
【0244】
これにより、保存位置情報が、当該画像形成装置の記憶手段(記憶装置)に保存されるとともに、分割データ(印刷データ)を蓄積している保存先装置の記憶手段(記憶装置)にも保存されることになる。
【0245】
暗号処理部3212は、分割データ処理部(データ処理手段)3211によって分割された複数の分割データを暗号化する暗号処理手段の機能を有するとともに、暗号化されたデータを復号化する手段の機能を有する。
【0246】
また、暗号処理部(暗号処理手段)3212は、分割データ処理部(データ処理手段)3211によって分割された複数の分割データをそれぞれ異なる暗号化鍵で暗号化する機能も有している。
【0247】
このようにして、それぞれの暗号化鍵で暗号化された複数の分割データをそれぞれ復号するための復号鍵は、当該復号鍵に対応しない暗号化鍵で暗号化された分割データを保存する保存先装置で保存されるようになっている。
【0248】
ところで、印刷データ処理部3210は、次の(a)〜(d)の機能を有している。
【0249】
(a)暗号処理部3212によって暗号化されたデータ(複数の分割データ)を復号化するための復号鍵は、当該画像形成装置310−1の記憶装置3300に保存する。
【0250】
(b)蓄積文書データに対応するデータ(複数の分割データ)を印刷するときは、分割データ処理部3211の上記(6)の機能が実行されたことに起因して、当該画像形成装置310−1の記憶装置3300に保存されている保存位置情報を基に、保存先装置から該当する分割データを取得するともに、取得した複数の分割データを統合して、この統合したデータつまり1つの印刷データ(CMYKデータ、ラスタデータ)を印刷処理部3220へ出力する。
【0251】
(c)蓄積文書データに対応するデータ(複数の分割データ)を印刷するときは、分割データ処理部3211の上記(7)の機能が実行されたことに起因して、保存位置情報を保存している他の保存先装置から当該保存位置情報を取得するとともに、取得した保存位置情報を基に保存先装置から該当する分割データを取得し、さらに取得した複数の分割データを統合して、この統合したデータ、つまり1つの印刷データ(CMYKデータ、ラスタデータ)を印刷処理部3220へ出力する。
【0252】
(d)蓄積文書データ(PDLデータ)とは異なる通常の文書データ(PDLデータ)を、分割することなく、印刷可能な形式の印刷データ(CMYKデータ、ラスタデータ)に変換する機能を有し、その印刷データを印刷処理部3220へ出力する。
【0253】
印刷処理部3220は、印刷データ処理部3210から出力された印刷データを、画像出力装置3400へ出力する。
【0254】
記憶装置3300は、印刷データ処理部(の分割データ処理部3211)3210によって、分割後の複数の分割データまたは当該複数の分割データのうち任意の複数の分割データを分散して保存させるべく、1つ以上の画像形成装置および画像読取装置や情報処理装置など1つ以上のデータ処理装置の中の保存先を示す複数の保存先装置に対し分割データの蓄積が依頼された場合に、前記複数の分割データの中の任意の複数の分割データ以外の分割データを記憶する分割データ記憶手段の機能を有している。
【0255】
また、記憶装置3300は、上述した保存位置情報を保存する。さらに、記憶装置3300は、ハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュディスク、RAMディスクなどである。
【0256】
メモリ3400には、蓄積文書データ(PDLデータ)から印刷データ(CMYKデータ)への変換処理、この印刷データの分割処理、複数の分割データの統合処理など、印刷データ処理部3210が処理するときに使用される作業領域(ワークエリア)が割り当てられている。
【0257】
また、メモリ3400は、蓄積文書データ(PDLデータ)、分割された複数の分割データ(印刷データ)、複数の分割データが統合された統合データ(印刷データ)を一時的に記憶する。
【0258】
画像出力装置3500は、印刷処理部3300から渡された印刷データに基づき印刷処理を実施し、この印刷処理の結果として印刷物(印刷された用紙)を出力する。
【0259】
本実施の形態3において、印刷データ処理部3210は、分割データ処理部3211の上記(2)〜(4),(6),(7)の機能と同等の機能を有し、これらの機能を分割データ処理部3211に代替して実現するようにしてもよい。
【0260】
また、本実施の形態3では、印刷データ処理部3210が、通常の文書データ(PDLデータ)を、印刷可能な形式の印刷データ(CMYKデータ、ラスタデータ)に変換するようにしているが、これに限定されることなく、印刷処理部3220が、通常の文書データを印刷可能な形式の印刷データに変換するようにしてもよい。
【0261】
次に、画像形成システムの蓄積文書データのデータ蓄積制御処理について、図23を参照して説明する。
【0262】
図23は、そのデータ蓄積制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0263】
画像読取装置320−1,320−2あるいは情報処理装置330−1,330−2の任意のデータ処理装置例えば画像読取装置320−1が、通信回線340を介して所定の画像形成装置としての画像形成装置310−1に向けて蓄積文書データを送信する。
【0264】
画像形成装置310−1では、通信部3100は、画像読取装置320−1からの蓄積文書データを受信して、印刷データ処理部3210に渡す。
【0265】
印刷データ処理部3210では、分割データ処理部3211は、図23に示すように、通信部3100からの蓄積文書データ(PDLデータ)を取得し(ステップS601)、この取得した蓄積文書データ(PDLデータ)を印刷データ(CMYKデータ)に変換するとともに(ステップS602)、該印刷データを所定の領域単位で分割する(ステップS603)。
【0266】
この印刷データの所定の領域単位での分割処理には、図24に示すように、所定の領域単位としてのページ単位で印刷データを分割する方法、(ページ単位蓄積データ生成方法)と、図25に示すように、所定の領域単位としてのページ分割単位(ページに対応する領域にかかわる分割単位)で印刷データを分割する方法(ページ分割単位蓄積データ生成方法)とがある。
【0267】
図24において、符号1#,符号2#,符号3#,・・・.符号7#で示される部分はデータの単位(ページ単位)を示す。
【0268】
ここでは、蓄積文書データ(PDLデータ)に関して、ページ毎にPDLデータを印刷データ(CMYKデータ=ラスタデータ)に変換し、ページ単位で分割するようにしている。
【0269】
上記「ページ単位蓄積データ生成方法」による分割処理によりページ毎に分割した印刷データを蓄積することで、データの再現を難しくする。
【0270】
図25において、符号1#,符号2#,符号3#,・・・.符号7#で示される部分は、データの単位(分割単位)を示す。
【0271】
ここでは、蓄積文書データ(PDLデータ)に関して、ページ毎にPDLデータを印刷データ(CMYKデータ)に変換し、このページ単位の印刷データ(CMYKデータ=ラスタデータ)を分割単位で分割するようにしている。これは、通常の印刷処理のように生成された1つの印刷データ(ページ単位のラスタデータ)を分割することを意味している。
【0272】
上記「ページ分割単位データ生成方法」は「ページ単位蓄積データ生成方法」とともに用いられるものであり、「ページ単位蓄積データ生成方法」による分割処理により印刷データをページ単位で分割し、「ページ分割単位データ生成方法」による分割処理により各ページをさらに分割単位で分割した印刷データを蓄積することで、データの再現を難しくする。
【0273】
ステップS603を終了した印刷データ処理部3210は、複数の分割データ(蓄積印刷データ)を分散して保存させるべく、保存先装置に対し分割データを送信して蓄積を依頼する(ステップS604)。
【0274】
ステップS604の処理においては、印刷データ処理部3210は、複数の分割データを分散して保存させるべく、画像形成装置310−1の記憶装置3300、画像形成装置310−2の記憶装置3210、画像読取装置320−1,320−2の記憶装置321、情報処理装置330−1,330−2の記憶装置331に対し、所定の分割データを送信して蓄積を依頼する。これにより、それらの保存先装置の記憶装置には、分割データが保存されることになる。
【0275】
ここで、複数の分割データ(蓄積印刷データ)を複数の保存先装置に保存させる方法には、同一の分割データを1箇所の保存先装置に保存させる場合と、同一の分割データ(蓄積印刷データ)を複数箇所の保存先装置に保存させる場合と、がある。すなわち、同一の分割データ(蓄積印刷データ)の保管場所(保存先)は、1箇所または複数箇所である。
【0276】
ちなみに、同一の分割データを複数箇所の保存先装置で保存するようにしたときは、その1つの保存先装置の記憶装置が盗難に遭った場合や記憶装置が故障し分割データを読み出すことができない場合などのときに、他の保存先装置の記憶装置に保存されている分割データを読み出して印刷処理することが可能である。
【0277】
なお、印刷データ処理部3210は、ステップS604の処理において、複数の分割データを複数の保存先装置に分散して保存させるときに、暗号処理部321によって分割データを暗号化鍵により暗号化するようにしてもよい。
【0278】
暗号化したデータ(分割データ)を復号化するためには、暗号化されたデータ(分割データ)と復号鍵が必要になる。そのため、印刷データ処理部3210は、暗号化されたデータ(分割データ)と暗号鍵とを別々の保存先装置に保存させるべく、暗号化されたデータ(分割データ)と暗号鍵とを異なる保存先装置に対し送信し保存依頼する。
【0279】
ところで、ステップS604を終了した印刷データ処理部3210は、分割データを保存している(分割データの蓄積依頼先の)保存先装置を示す保存位置情報を作成するとともに、この作成した保存位置情報を記憶装置3300に保存する(ステップS605)。
【0280】
ステップS605の処理においては、画像形成装置310−1の印刷データ処理部3210は、保存先装置に保存先位置情報を保存しているかを示す保存位置情報(図26、図27参照)を当該画像形成装置310−1の記憶装置3300に保存する。
【0281】
同一の分割データを1箇所の保存先装置に保存させる場合の保存位置情報の一例を図26に示し、同一の分割データを複数箇所の保存先装置に保存させる場合の保存位置情報の一例を図27に示す。
【0282】
図26において、保存位置情報500は、ユーザ名510、蓄積文書名520、蓄積部分530、データ保存先540および鍵保存先550の各項目から構成されている。
【0283】
なお、図26において、データ保存先540の項目および鍵保存先550の項目に登録されている例えば「310−1」,「320−1」,「330−1」などの符号は、図21に示す「310−1」,「320−1」,「330−1」の各保存先装置(画像形成装置、画像読取装置、情報処理装置)に対応する。
【0284】
蓄積部分530の項目には、所定の領域単位例えばページ単位の部分が登録される。ちなみに、蓄積部分530の項目に登録されている「1#」,「2#」,「3#」などの蓄積部分は、図24あるいは図25に示す「1#」,「2#」,「3#」などの領域単位(ページ単位あるいは分割単位)に対応する。
【0285】
データ保存先540の項目には、分割データが保存されている保存先装置を示す情報が登録される。
【0286】
鍵保存先550の項目には、復号鍵が保存されている保存先装置を示す情報が登録される。
【0287】
ここで、データ保存先540の項目と鍵保存先550の項目とに注目すると、分割データを保存している保存先装置と復号鍵を保存している保存先装置とは異なっていることが分かる。すなわち、復号鍵は、当該復号鍵に対応しない暗号化鍵で暗号化された分割データを保存する保存先装置に保存されるようになっている。
【0288】
図27において、保存位置情報600は、保存位置情報500の場合と同様に、ユーザ名610、蓄積文書名620、蓄積部分630、データ保存先640および鍵保存先650の各項目から構成されている。
【0289】
なお、図27において、データ保存先640の項目および鍵保存先650の項目に登録されている例えば「310−1」,「320−1」,「330−1」などの符号は、図21に示す「310−1」,「320−1」,「330−1」の各保存先装置(画像形成装置、画像読取装置、情報処理装置)に対応する。
【0290】
蓄積部分630の項目には、所定の領域単位例えば分割単位の部分が登録される。ちなみに、蓄積部分630の項目に登録されている「1#」,「2#」,「3#」などの蓄積部分は、図24あるいは図25に示す「1#」,「2#」,「3#」などの領域単位(ページ単位あるいは分割単位)に対応する。
【0291】
データ保存先640の項目には、分割データが保存されている異なる複数の保存先装置を示す情報が登録される。
【0292】
ここで、保存先装置を示す情報例えば「310−1」に注目し、これに対応する保存先装置310−1が保存している分割データは、蓄積部分630の項目を参照して明らかなように、「1#」,「4#」,「7#」の部分である。また、保存先装置を示す情報例えば「320−1」に注目し、これに対応する保存先装置320−1が保存している分割データは、蓄積部分630の項目を参照して明らかなように、「1#」,「3#」,「6#」の部分である。
【0293】
このように、保存先装置には、連続する分割データが保存されないようになっている。すなわち、連続する分割データが異なる保存先に保存されるように、複数の保存先装置に対し分割データの蓄積依頼が行われるようになっている。
【0294】
鍵保存先650の項目には、復号鍵が保存されている異なる複数の保存先装置を示す情報が登録される。この場合も、上記同様に、復号鍵は、当該復号鍵に対応しない暗号化鍵で暗号化された分割データを保存する保存先装置に保存されるようになっている。
【0295】
本実施の形態3では、保存位置情報は、当該画像形成装置310−1の記憶装置3300に保存されるようになっているが、これに限定されることなく、例えば、画像形成装置310−2の記憶装置3210、画像読取装置320−1の記憶装置321、情報処理装置330−1の記憶装置321など他の保存先装置の記憶装置にも保存されるようにしてもよい。
【0296】
また、本実施の形態3では、当該画像形成装置310−1の記憶装置3300に保存された保存位置情報、または画像形成装置310−2の記憶装置3210、画像読取装置320−1の記憶装置321、情報処理装置330−1の記憶装置321など他の保存先装置の記憶装置に保存された保存位置情報を、複数の画像形成装置310−1,310−2で共有するようにしてもよい。
【0297】
次に、画像形成システムの蓄積文書の印刷処理について、図28を参照して説明する。
【0298】
図28は、その印刷処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0299】
蓄積文書の印刷指示(蓄積文書名を指定しての印刷指示)が画像形成装置310−1に向けて送信されると、画像形成装置310−1では、通信部3100が、その蓄積文書の印刷指示(蓄積文書名を指定しての印刷指示)を受け取り、これを印刷データ処理部3210に渡す。
【0300】
印刷データ処理部3210は、通信部3100からの蓄積文書の印刷指示(蓄積文書名を指定しての印刷指示)を受け付けると(ステップS701)、保存位置情報の保存先である記憶装置3300から保存位置情報500(図26参照)または保存位置情報600(図27参照)を取得する(ステップS702)。
【0301】
保存位置情報を取得した印刷データ処理部3210は、その取得した保存位置情報を基に、指定された蓄積文書名に対応するデータ保存先540またはデータ保存先640の項目に登録されている情報に対応する保存先装置から該当する分割データ(蓄積印刷データ)を取得するとともに(ステップS703)、鍵保存先550または鍵保存先650の項目に登録されている情報に対応する保存先装置から復号鍵を取得する。
【0302】
このようにして分割データと復号鍵を取得した印刷データ処理部3210は、復号鍵により分割データを復号するとともに、復号された複数の分割データを統合し(ステップS704)、さらにこの統合したデータ(印刷データ)を印刷処理部3220へ渡す。
【0303】
そして、印刷処理部3220が統合されたデータ(印刷データ)を画像出力装置3500に渡し印刷指令を与えると、画像出力装置3500は、統合されたデータ(印刷データ)を基に印刷処理を実施する(ステップS705)。
【0304】
以上で、蓄積文書の印刷処理についての説明を終了する。
【0305】
ちなみに、画像形成装置310−1が通常の文書データ(PDLデータ)の印刷指示を受け取ったときは、印刷データ処理部3210は、その文書データを印刷可能な形式の印刷データに変換し、その印刷データを印刷処理部3220に渡す。そして、印刷処理部3220が渡された印刷データを画像出力装置3500に渡し印刷指令を与えると、画像出力装置3500は、統合されたデータ(印刷データ)を基に印刷処理を実施する。
【0306】
本実施の形態3では、複数の画像形成装置310−1,310−2、複数の画像読取装置320−1,320−2、複数の情報処理装置330−1,330−2が、それぞれ蓄積処理機能を有する構成としたが、これに限定されることなく、次のようにしてもよい。
【0307】
すなわち、複数の画像形成装置のうち1つ以上の画像形成装置が蓄積処理機能を有するようにし、また複数の画像読取装置および複数の情報処理装置のうち少なくとも一方の複数の装置のうち1つ以上の装置が蓄積処理機能を有するようにする。
【0308】
また、本実施の形態3では、ページ分割単位データ生成方法」による分割処理は、1つの印刷データ(ページ単位のラスタデータ)を分割するようにしているが、これに限定されることなく、蓄積文書データ(PDLデータ)におけるページに対応するPDLデータに関して、所定の単位毎に印刷データを生成するようにし、この生成された印刷データを分割単位で分割するようにしてもよい。
【0309】
すなわち、図25に示す例において、ページに対応するPDLデータにおける例えば「1#」,「2#」,「3#」の各部分に対応するPDLデータに関し、印刷データ(CMYKデータ)に変換し、この変換された印刷データを分割単位で分割するようにする。これにより、分割後の「1#」,「2#」,「3#」の分割単位が得られる。
【0310】
次に、「4#」,「5#」,「6#」の各部分に対応するPDLデータに関しても、上記同様の分割処理を実施することで、分割後の「4#」,「5#」,「6#」の分割単位が得られる。
【0311】
以上説明したように、分割データ(蓄積印刷データ)を分散して保存することにより、分割データを保存している保存先装置の記憶装置が盗難に遭った場合に、完全なデータを再現しにくくできる。
【0312】
また、暗号データと復号鍵とを別々の保存先装置に保存することにより、分割データを保存している保存先装置の記憶装置が盗難に遭った場合に、完全なデータを再現しにくくできる。
【0313】
また、1つの分割データを異なる複数の保存先装置に保存しておくことにより、分割データを保存している保存先装置の記憶装置が盗難に遭った場合あるいはその記憶装置が故障した場合に、他の保存先装置の記憶装置に保存されている分割データを使用して、印刷データを再現することができる。
【0314】
さらに、保存位置情報を複数の保存先装置の記憶装置に保存しておくことにより、保存位置情報を保存している保存先装置の記憶装置が盗難にあった場合あるいはその記憶装置が故障した場合に、他の保存先装置の記憶装置に保存されている保存位置情報を使用して、印刷データを再現することができる。
【0315】
図29は、実施の形態3に係る画像形成システム300の画像形成装置310−1のハードウェア構成を示している。
【0316】
画像処理装置310−1は、図29に示すように、CPU(中央演算処理装置)311、記憶装置312、ROM(読み出し専用メモリ)313、RAM(随時書き込み読み出しメモリ)314、操作パネル315、画像出力装置316、および通信I/F317を備えている。
【0317】
操作パネル315はユーザインターフェースの機能を有する。画像出力装置316は画像出力装置3500(図22参照)に対応し、通信I/F317はインターフェース機能を有し通信部3100(図22参照)に対応する。
【0318】
記憶装置312は、記憶装置3300(図22参照)に対応し、例えばハードディスクドライブ(HDD)で構成される。
【0319】
記憶装置312には、(a)上述したデータ蓄積制御処理の処理手順(図23参照)に対応するプログラム(データ蓄積制御処理プログラム312A)、(b)データ処理部3210の機能(分割データ処理部3211の機能および暗号処理部3212の機能も含む)に対応するプログラム、(c)印刷処理部3220の機能に対応するプログラムなど、所定のプログラムが格納されている。また、記憶装置312は保存位置情報を保存する。
【0320】
なお、データ蓄積制御処理プログラム312Aには、少なくとも次の(1)〜(3)の処理過程が含まれている。
【0321】
(1)蓄積文書データ(文書データ=PDLデータ)を印刷可能な形式の印刷データ(CMYKデータ)に変換する変換処理過程。
【0322】
(2)上記変換処理過程により変換された印刷データを所定の領域単位(ページ単位または分割単位)で分割する分割処理過程。
【0323】
(3)上記分割処理過程により分割された複数の分割データ(CMYKデータ)を分散して保存させるべく、複数の画像形成装置およびデータ処理装置の中の保存先を示す複数の保存先装置に対し分割データの蓄積を依頼する蓄積依頼処理過程。
【0324】
ROM313には、画像形成処理(印刷処理)の際に必要となるパラメータやデータが格納されている。
【0325】
RAM314は、記憶装置312から読み込まれたデータ蓄積制御処理プログラム312Aを含む所定のプログラム、ROM313から読み込まれたパラメータやデータを記憶する。また、RAM314は、メモリ3400(図22参照)の機能を果たす。さらにRAM314は、通信I/F317によって受信された蓄積文書データ(文書データ)、送信すべき送信データ(分割データ、保存位置情報など)など、各種のデータを記憶する。
【0326】
CPU311は、記憶装置312からからRAM314へデータ蓄積制御処理プログラム312Aを読み込んで実行することによりデータ蓄積制御処理を遂行する。また、CPU311は、記憶装置312からRAM314へ、データ処理部3210の機能、印刷処理部3220の機能のそれぞれに対応するプログラムを読み込んで実行することにより、それぞれの構成要素の機能を実現する。
【0327】
本願明細書において、本願明細書において、画像形成装置の各機能を実現し、上記データ蓄積制御処理の処理手順(図23)に対応するプログラム(データ蓄積制御処理プログラム)や、データ処理部3210および印刷処理部3220の各機能に対応するプログラムを含む所定のプログラムを記録媒体としての記憶装置に記録する実施形態として説明したが、当該所定のプログラムを次のようにして提供することも可能である。
【0328】
すなわち、上記所定のプログラムをROMに格納しておき、CPUが、このプログラムをこのROMから主記憶装置へローディングして実行するようにしても良い。
【0329】
さらに、上記所定のプログラムを、DVD−ROM、CD−ROM、MO(光磁気ディスク)、フレキシブルディスク、などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布するようにしても良い。この場合、その記録媒体に記録されたプログラムを画像形成装置がインストールした後、このプログラムをCPUが実行するようにする。このプログラムのインストール先としては、RAM等のメモリやハードディスクなどの記憶装置がある。そして、画像形成装置は、必要に応じてこの記憶装置に記憶したプログラムを主記憶装置にローディングして実行する。
【0330】
さらには、画像形成装置を通信回線(例えばインターネット)を介してサーバ装置あるいはホストコンピュータ等のコンピュータと接続するようにし、当該画像形成装置が、サーバ装置あるいはコンピュータから上記所定のプログラムをダウンロードした後、このプログラムを実行するようにしても良い。この場合、このプログラムのダウンロード先としては、RAM等のメモリやハードディスクなどの記憶装置(記録媒体)がある。そして、当該画像形成装置が、必要に応じてこの記憶装置に記憶された上記プログラムを主記憶装置にローディングして実行するようにする。
【産業上の利用可能性】
【0331】
本発明は、少なくともスキャナ機能およびプリンタ機能を有する複数の画像形成装置が通信回線を介して接続される画像形成システムに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0332】
【図1】本実施の形態1に係る画像処理装置の基本構成を示す構成図である。
【図2】本実施の形態1に係る画像形成システムの構成を示す構成図である。
【図3】本実施の形態1に係る画像処理装置の構成を示す構成図である。
【図4】本実施の形態1に係る他の画像処理装置の構成を示す構成図である。
【図5】本実施の形態1に係る画像処理装置同士で通信する場合の接続形態の一例を示す図である。
【図6】実施の形態1に係る画像処理装置のグループ定義部による処理機能情報の取得処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】実施の形態1に係る画像処理装置毎の処理機能の一例を示す図である。
【図8】実施の形態1に係る画像処理装置毎の処理機能に関して記憶手段の記憶機能および蓄積認証処理機能に注目した場合における画像処理装置の優先順位が決定された様子を示す図である。
【図9】実施の形態1に係る優先順位表の一例を示す図である。
【図10】実施の形態1に係る画像処理装置毎の処理機能に関して高画質処理機能に注目した場合における画像処理装置の優先順位が決定された様子を示す図である。
【図11】実施の形態1に係る画像処理装置毎の処理機能に関して高印刷処理機能に注目した場合における画像処理装置の優先順位が決定された様子を示す図である。
【図12】実施の形態1に係る処理機能情報の交換において蓄積認証の処理に関する情報のみを情報交換した場合の画像処理装置毎の処理機能情報の一例を示す図である。
【図13】実施の形態1に係る画像形成システムのデータ蓄積制御処理(通常コピーの場合の処理)の処理動作を示すフローチャートである。
【図14】実施の形態1に係る画像形成システムのデータ蓄積制御処理の処理手順を示すシーケンスである。
【図15】実施の形態1に係る画像形成システムのデータ蓄積依頼元の画像処理装置によるデータ蓄積制御処理(蓄積認証コピーの場合の処理)の処理動作を示すフローチャートである。
【図16】実施の形態1に係る画像形成システムのデータ蓄積依頼先の画像処理装置によるデータ蓄積制御処理(蓄積認証コピーの場合の処理)の処理手順を示すフローチャートである。
【図17】実施の形態1に係る画像形成システムのデータ蓄積依頼先の画像処理装置によって作成される蓄積リストの一例を示す図である。
【図18】実施の形態1に係る画像形成システムのデータ蓄積制御処理の他の処理手順を示すシーケンスである。
【図19】実施の形態1に係る画像処理装置のハードウェア構成を示す構成図である。
【図20】実施の形態2に係る画像形成システムのデータ蓄積依頼元の画像処理装置によるデータ蓄積制御処理(蓄積認証コピーの場合の処理)の処理動作を示すフローチャートである。
【図21】実施の形態3に係る画像形成システムの構成を示す構成図である。
【図22】実施の形態3に係る画像形成装置の構成を示す構成図である。
【図23】実施の形態3に係る画像形成システムのデータ蓄積制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図24】実施の形態3に係る分割データ処理部による分割処理の方法を説明する図である。
【図25】実施の形態3に係る分割データ処理部による分割処理の他の方法を説明する図である。
【図26】実施の形態3に係る保存位置情報の一例を示す図である。
【図27】実施の形態3に係る保存位置情報の他の例を示す図である。
【図28】実施の形態3に係る画像形成システムの蓄積文書の印刷処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図29】実施の形態3に係る画像形成装置のハードウェア構成を示す構成図である。
【符号の説明】
【0333】
1,300 画像形成システム
10 画像入力処理部
20 グループ定義部
21 処理機能情報取得部
22 処理機能情報記憶部
30 記憶部
40 画像処理部
50 印刷部
70 制御部
101,311 CPU
102,312 ROM
102A,312A データ蓄積制御プログラム
103,314 RAM
110,120,130,140 画像処理装置
150,340 通信回線
160 画像読取装置
310−1,310−2 画像形成装置
320−1,320−2 画像読取装置
330−1,330−2 情報処理装置
321,331,3300 記憶装置
322,332,3200 制御部
321,333,3100 通信部
3210 印刷データ処理部
3211 分割データ処理部
3212 暗号処理部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の画像形成装置と通信回線を介して接続され、
取得された文書データに対応して要求されている所定の処理に対応すべく、前記1つ以上の画像形成装置の中の前記所定の処理を実行する画像形成装置に対し当該文書データの蓄積を依頼する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
データを記憶する記憶手段を有する複数の画像形成装置と、
前記複数の画像形成装置の中の所定の画像形成装置に向けて印刷対象の文書データを送信するデータ処理装置と、
が通信回線を介して接続され、
前記所定の画像形成装置は、
取得された文書データに対応して要求されている所定の処理に対応すべく、前記複数の画像形成装置の中の前記所定の処理を実行する他の画像形成装置に対し当該文書データの蓄積を依頼する制御手段、
を更に有することを特徴とする画像形成システム。
【請求項3】
前記所定の画像形成装置の制御手段は、
前記取得された文書データに対応してユーザによって指定された所定の処理に関する情報と、前記複数の画像形成装置のそれぞれに対応する処理機能を示す情報とを基に、前記複数の画像形成装置の中の前記所定の処理を実行する他の画像形成装置に対し当該文書データの蓄積を依頼する、
ことを特徴とする請求項2記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記制御手段は、
前記データ処理装置から送信された文書データおよび所定の処理に関する情報を取得するデータ取得手段と、
当該所定の画像形成装置以外の他の画像形成装置に対し処理機能を問い合わせるとともに、該問い合わせに対する当該他の画像形成装置からの結果を取得する処理機能取得手段と、
前記処理機能取得手段によって取得された他の画像形成装置毎の処理機能を示す情報と当該所定の画像形成装置にかかわる処理機能を示す情報とを記憶する処理機能情報記憶手段と、
前記データ取得手段によって取得された所定の処理に関する情報と、前記処理機能情報記憶手段に記憶されている画像形成装置毎の処理機能情報とを基に、前記複数の画像形成装置の中の他の画像形成装置に対し前記データ取得手段によって取得された文書データの蓄積を依頼するデータ蓄積制御手段と、
を備えることを特徴とする請求項2または3記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記所定の処理は、
データ蓄積処理、情報漏洩抑止処理、処理能力の高い画像処理を示す高性能画像処理および処理能力の高い印刷処理を示す高性能印刷処理の少なくとも一つの処理であり、
前記処理機能は、
前記データ蓄積処理に対応するデータ蓄積処理機能、前記情報漏洩抑止処理に対応する情報漏洩抑止処理機能、前記高性能画像処理に対応する画像処理機能を示す高性能画像処理機能および前記高性能印刷処理に対応する印刷処理機能を示す高性能印刷処理機能のうち少なくとも一つの処理機能であり、
前記データ蓄積制御手段は、
前記所定の処理が、前記データ蓄積処理のときは前記データ蓄積処理機能を有する画像形成装置に対し、また前記情報漏洩抑止処理のときは前記情報漏洩抑止処理機能を有する画像形成装置に対し、また前記高性能画像処理のときは前記高性能画像処理機能を有する画像形成装置に対し、さらに前記高性能印刷処理のときは前記高性能印刷処理機能を有する画像形成装置に対し、前記取得された文書データの蓄積を依頼する、
ことを特徴とする請求項4記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記制御手段は、
前記データ処理装置から送信された文書データを取得するデータ取得手段と、
当該所定の画像形成装置以外の他の画像形成装置に対し処理機能を問い合わせるとともに、該問い合わせに対する当該他の画像形成装置からの結果を取得する処理機能取得手段と、
前記データ取得手段によって取得された文書データの中にセキュリティ情報が含まれているかを解析するデータ解析手段と、
前記処理機能取得手段によって取得された他の画像形成装置毎の処理機能を示す情報と当該所定の画像形成装置にかかわる処理機能を示す情報とを記憶する処理機能情報記憶手段と、
前記データ解析手段によってセキュリティ情報が含まれていると解析されたときは、前記処理機能情報記憶手段の記憶内容を参照して得られる蓄積認証処理機能を有する画像形成装置に対し前記データ取得手段によって取得された文書データの蓄積を依頼するデータ蓄積制御手段と、
を備えることを特徴とする請求項2記載の画像形成システム。
【請求項7】
データを記憶する記憶手段を有する1つ以上の画像形成装置、およびデータを記憶するデータ記憶手段と印刷対象の文書データの送信制御を行うデータ送信制御手段とを有する1つ以上のデータ処理装置と通信回線を介して接続され、
前記データ処理装置から送信された文書データを受信するデータ受信手段と、
前記データ受信手段によって受信された文書データに対応して要求されている所定の処理としてのデータ蓄積処理に対応すべく、当該文書データを所定の領域単位で分割するとともに、該分割後の複数の分割データまたは当該複数の分割データのうち任意の複数の分割データを分散して保存させるべく、前記1つ以上の画像形成装置および前記データ処理装置の中の保存先を示す複数の保存先装置に対し分割データの蓄積を依頼する制御手段と、
前記複数の分割データの中の前記任意の複数の分割データ以外の分割データを記憶する分割データ記憶手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
データを記憶する記憶手段を有する複数の画像形成装置と、
データを記憶するデータ記憶手段と、前記複数の画像形成装置の中の所定の画像形成装置に対する印刷対象の文書データの送信制御を行うデータ送信制御手段とを有するデータ処理装置と、
が通信回線を介して接続され、
前記所定の画像形成装置は、
取得された文書データに対応して要求されている所定の処理としてのデータ蓄積処理に対応すべく、当該文書データを所定の領域単位で分割するとともに、該分割後の複数の分割データを分散して保存させるべく前記複数の画像形成装置および前記データ処理装置の中の保存先を示す複数の保存先装置に対し分割データの蓄積を依頼する制御手段、
を更に有することを特徴とする画像形成システム。
【請求項9】
前記制御手段は、
前記文書データを印刷可能な形式の印刷データに変換するとともに、該変換された当該印刷データを所定の領域単位で分割するデータ処理手段、
を備えることを特徴とする請求項8記載の画像形成システム。
【請求項10】
前記データ処理手段は、
所定の領域単位としてのページ単位またはページに対応する領域にかかわる分割単位で前記印刷データを分割する、
ことを特徴とする請求項9記載の画像形成システム。
【請求項11】
前記データ処理手段は、
前記印刷データを前記ページ単位または前記分割単位で分割した複数の分割データを分散して保存させるときに、連続する複数の分割データが異なる保存先に保存されるように、前記複数の保存先装置に対し分割データの蓄積を依頼する、
ことを特徴とする請求項9または10記載の画像形成システム。
【請求項12】
前記データ処理手段は、
前記複数の分割データを分散して保存させるときに、同一の分割データを前記複数の保存先装置に対し蓄積依頼する、
ことを特徴とする請求項9〜11の何れか一項に記載の画像形成システム。
【請求項13】
前記制御手段は、
前記データ処理手段によって分割された複数の分割データを暗号化する暗号処理手段、を更に備え、
前記データ処理手段は、
前記暗号処理手段によって暗号化された複数の分割データを分散して保存させるときに、前記複数の保存先装置に対し暗号化された分割データの蓄積を依頼する、
ことを特徴とする請求項9〜12の何れか一項に記載の画像形成システム。
【請求項14】
前記暗号処理手段によって前記複数の分割データをそれぞれ異なる暗号化鍵で暗号化し、それぞれの暗号化鍵で暗号化された複数の分割データをそれぞれ復号するための復号鍵は、当該復号鍵に対応しない暗号化鍵で暗号化された分割データを保存する保存先装置で保存される、
ことを特徴とする請求項13記載の画像形成システム。
【請求項15】
データ処理装置から所定の画像形成装置に向けて送信された文書データおよび所定の処理に関する情報を取得するデータ取得処理過程と、
他の画像形成装置に対し処理機能を問い合わせるとともに、該問い合わせに対する当該他の画像形成装置からの結果を取得する処理機能取得処理過程と、
前記処理機能取得処理過程により取得された他の画像形成装置毎の処理機能を示す情報と当該所定の画像形成装置にかかわる処理機能を示す情報とを記憶する処理機能情報記憶処理過程と、
前記データ取得処理過程により取得された所定の処理に関する情報と、前記処理機能情報記憶処理過程により記憶されている画像形成装置毎の処理機能情報とを基に、複数の画像形成装置の中の他の画像形成装置に対し前記データ取得処理過程により取得された文書データの蓄積を依頼するデータ蓄積制御処理過程と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするデータ蓄積制御処理プログラム。
【請求項16】
文書データを印刷可能な形式の印刷データに変換する変換処理過程と、
前記変換処理過程により変換された印刷データを所定の領域単位で分割する分割処理過程と、
前記分割処理過程により分割された複数の分割データを分散して保存させるべく、複数の画像形成装置およびデータ処理装置の中の保存先を示す複数の保存先装置に対し分割データの蓄積を依頼する蓄積依頼処理過程と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするデータ蓄積制御処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2009−71381(P2009−71381A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−234704(P2007−234704)
【出願日】平成19年9月10日(2007.9.10)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】