画像形成装置およびクリーニング制御方法
【課題】過剰なオゾンの発生を防止することにより画像ぼけや白ぬけ等の画像不良を抑制して、画質の安定化を図るとともに、感光体を帯電させる帯電手段の長寿命化を図ることができる画像形成装置、クリーニング制御方法、クリーニング制御プログラムおよび記録媒体を提供する。
【解決手段】電子写真方式により画像を形成する画像形成装置100において、帯電装置301の構成として、複数のノコ歯53が一方向に配列された針電極363と、針電極363をクリーニングするクリーニングゴムローラ66と、クリーニング部材保持体394と、クリーニング部材保持体394を移動させる移動手段303を備え、帯電装置301を制御する制御部202として、印字累積カウントが増加するに連れてノコ歯電流値を上げていき、クリーニングを行うタイミングでノコ歯電流値を下げる機能を備えることを特徴とするものである。
【解決手段】電子写真方式により画像を形成する画像形成装置100において、帯電装置301の構成として、複数のノコ歯53が一方向に配列された針電極363と、針電極363をクリーニングするクリーニングゴムローラ66と、クリーニング部材保持体394と、クリーニング部材保持体394を移動させる移動手段303を備え、帯電装置301を制御する制御部202として、印字累積カウントが増加するに連れてノコ歯電流値を上げていき、クリーニングを行うタイミングでノコ歯電流値を下げる機能を備えることを特徴とするものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置およびクリーニング制御方法に係り、特に、感光体の表面を帯電させる帯電装置を備えて前記感光体上に形成した静電潜像に基づき画像形成を行う電子写真方式による画像形成装置およびクリーニング制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置には、感光体の表面を均一に帯電させる帯電装置が搭載されている。帯電装置としては、例えば感光体の表面に接触しない非接触式の帯電装置がある。非接触式の帯電装置は、高圧電源が印加された電極からの放電、いわゆるコロナ放電により、感光体の表面を帯電させる。非接触式の帯電装置としては、複数の針電極を有するノコ歯タイプの帯電装置がある。
【0003】
ノコ歯タイプの帯電装置の課題として、この帯電装置を備える画像形成装置内に浮遊しているトナー、シリカおよび塵が、高圧電界が発生しているノコ歯の先端部に吸着する。そして、これを放置すると適正な放電が行われず、いわゆる放電不良が発生する。この放電不良によって、感光体が均一に帯電されないため、画像不良が生じるという問題ある。
【0004】
また、帯電装置による放電に伴いオゾンや窒素酸化物などの放電生成物が発生する。
これらの窒素酸化物およびオゾン等は、感光体の表面を酸化させたり、電気抵抗を低下させたりして、感光体表面の帯電電荷をリークしやすくするために、感光体上に形成された画像に画像ぼけや像流れ、白抜け等の欠陥が生じるという問題がある。
【0005】
そこで、上記従来の問題を解決するために、従来技術として、定期的にノコ歯先端を清掃ローラで清掃することで、ノコ歯の先端部に付着したトナー、シリカおよび塵等を除去するようにしたものが提案されている(特許文献1を参照。)。
【0006】
また、上記従来技術を構成する清掃ローラ等の清掃部材の寿命を考慮して、放電部材が汚れた場合に清掃部材を動作するように制御するようにしたものが提案されている(特許文献2を参照。)。
【0007】
なお、オゾンの発生メカニズムは、電子と酸素分子の衝突により発生するため、空気中での放電では発生が避けられない。この放電で生じる電子量はノコ歯に加える電流量を増すと増加する。そのため過剰な発生を防ぐには、ノコ歯電流量を下ることで可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008-26739号公報
【特許文献2】特開平9−258528号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、コロナ放電で発生するオゾンは、感光体の抵抗を下げて画像ぼけや白抜けの画像不良を発生させ、感光体の寿命を低下させるという問題がある。また、ライフに伴い、ノコ歯先端にシロキサン等が付着するため画像ムラが現れるという問題がある。
画像ムラを見えにくくするためには、ノコ歯電流の増加または印加電圧の増加が必要となるため、オゾン量を多く発生させていた。
【0010】
したがって、従来技術では、初期条件でチャージライフを考慮してノコ歯電流を増加させると、過剰なオゾンを発生させるという問題があった。
【0011】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、画像形成装置に係り、過剰なオゾンの発生を防止することにより画像ぼけや白ぬけ等の画像不良を抑制して、画質の安定化を図るとともに、感光体を帯電させる帯電手段の長寿命化を図ることができる画像形成装置およびクリーニング制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決するための本発明に係る画像形成装置は、次の通りである。
【0013】
本発明は、静電潜像が形成される感光体に所定の電位を与えて帯電させる帯電手段と、前記帯電手段を制御する制御手段と、電子写真方式により帯電した感光体に形成された静電潜像に基づき画像を形成する画像形成手段とを備えた画像形成装置において、前記帯電手段の構成として、複数のノコ歯が一方向(前記感光体の移動方向に対して略垂直方向)に配列された針電極と、前記複数のノコ歯の配列方向に沿って移動するとともに前記複数のノコ歯の先端部と順次接することで前記針電極をクリーニングするクリーニング部材と、前記クリーニング部材を支持するクリーニング部材保持体と、前記クリーニング部材保持体を前記複数のノコ歯の配列方向に沿って移動させる移動手段とを備え、前記制御手段として、印字枚数の累積値(例えば、印字累積カウント)が増加するに連れて前記ノコ歯に流れる電流値(ノコ歯電流)を上げていき、前記クリーニング部材によるノコ歯のクリーニングが動作するタイミングで前記ノコ歯に流れる電流値を所定の値に下げる機能を備えて、印字累積カウントとノコ歯の状態に応じでノコ歯電流を制御することを特徴とするものである。
【0014】
なお、本発明は、例えば、ノコ歯(針電極)のライフカウンター以上でノコ歯電流の増大を停止させるようにしてもよい。また、クリーニング部材による自動清掃のタイミングは、カウンター規定を行うことでノコ歯電流を下げるタイミングの制御システムを用いるようにしてもよい。
【0015】
また、本発明は、前記帯電手段の構成として、前記感光体に対して前記ノコ歯が略垂直となるように前記ノコ歯を保持するベース面を有するベース部と前記複数のノコ歯の配列方向に沿って略平行に前記ノコ歯を保持する保持部とを設けて前記針電極を保持する電極保持部材を備えることが好ましい。
【0016】
また、本発明は、前記ノコ歯に流れる電流値は、各印字枚数の累積値に応じて画質の安定化が可能な前記感光体の表面電位に帯電させるのに必要な電流量と、各印字枚数の累積値に予め関連付けられた補正係数(例えば、ノコ歯電流量係数)とに基づいて求められることが好ましい。
【0017】
また、本発明は、静電潜像が形成される感光体に所定の電位を与えて帯電させる帯電手段と、前記帯電手段を制御する制御手段と、電子写真方式により帯電した感光体に形成された静電潜像に基づき画像を形成する画像形成手段とを備えた画像形成装置における、前記帯電手段の電極をクリーニング部材によりクリーニングする工程を備えて、前記クリーニング部材の動作を制御するクリーニング制御方法であって、前記クリーニング部材を、複数のノコ歯が一方向に配列された電極のノコ歯の配列方向に沿って前記複数のノコ歯の先端部と順次接しながら移動する工程と、印字枚数の累積値が増加するに連れて前記ノコ歯に流れる電流値(ノコ歯電流)を上げていく工程と、前記クリーニング部材によるノコ歯のクリーニングが動作するタイミングで前記ノコ歯に流れる電流値を所定の値に下げる工程と、を備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明の画像形成装置によれば、静電潜像が形成される感光体に所定の電位を与えて帯電させる帯電手段と、前記帯電手段を制御する制御手段と、電子写真方式により帯電した感光体に形成された静電潜像に基づき画像を形成する画像形成手段とを備えた画像形成装置において、前記帯電手段の構成として、複数のノコ歯が一方向(前記感光体の移動方向に対して略垂直方向)に配列された針電極と、前記複数のノコ歯の配列方向に沿って移動するとともに前記複数のノコ歯の先端部と順次接することで前記針電極をクリーニングするクリーニング部材と、前記クリーニング部材を支持するクリーニング部材保持体と、前記クリーニング部材保持体を前記複数のノコ歯の配列方向に沿って移動させる移動手段とを備え、前記制御手段として、印字枚数の累積値(例えば、印字累積カウント)が増加するに連れて前記ノコ歯に流れる電流値(ノコ歯電流)を上げていき、前記クリーニング部材によるノコ歯のクリーニングが動作するタイミングで前記ノコ歯に流れる電流値を所定の値に下げる機能を備えて、印字累積カウントとノコ歯の状態に応じてノコ歯電流を下げるように制御することで、前記帯電手段より発生するオゾン量を減少でき、画像ぼけ・白抜け等の画像不良を抑え高品位の画像を安定して得ることができるとともに、帯電手段の長寿命化を図ることができる。
【0019】
また、本発明によれば、前記帯電手段の構成として、前記感光体に対して前記ノコ歯が略垂直となるように前記ノコ歯を保持するベース面を有するベース部と前記複数のノコ歯の配列方向に沿って略平行に前記ノコ歯を保持する保持部とを設けて前記針電極を保持する電極保持部材を備えることで、感光体に対して前記ノコ歯を正確に位置決め保持する事ができる。
【0020】
また、本発明によれば、前記ノコ歯に流れる電流値は、各印字枚数の累積値に応じて画質の安定化が可能な前記感光体の表面電位に帯電させるのに必要な電流量と、各印字枚数の累積値に予め関連付けられた補正係数(例えば、ノコ歯電流量係数)とに基づいて求められることで、簡単にノコ歯電流を決定することができる。
【0021】
また、本発明のクリーニング制御方法によれば、静電潜像が形成される感光体に所定の電位を与えて帯電させる帯電手段と、前記帯電手段を制御する制御手段と、電子写真方式により帯電した感光体に形成された静電潜像に基づき画像を形成する画像形成手段とを備えた画像形成装置における、前記帯電手段の電極をクリーニング部材によりクリーニングする工程を備えて、前記クリーニング部材の動作を制御するクリーニング制御方法であって、前記クリーニング部材を、複数のノコ歯が一方向に配列された電極のノコ歯の配列方向に沿って前記複数のノコ歯の先端部と順次接しながら移動する工程と、印字枚数の累積値が増加するに連れて前記ノコ歯に流れる電流値(ノコ歯電流)を上げていく工程と、前記クリーニング部材によるノコ歯のクリーニングが動作するタイミングで前記ノコ歯に流れる電流値を所定の値に下げる工程と、を備えることで、前記帯電手段より発生するオゾン量を減少でき、画像ぼけ・白抜け等の画像不良を抑え高品位の画像を安定して得ることができるとともに、帯電手段の長寿命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】前記画像形成装置における画像形成部の具体的な構成の一例を模式的に示す説明図である。
【図3】前記画像形成装置の可視像形成ユニットを構成する感光体の周辺の構造の一例を示す説明図である。
【図4】本実施形態の帯電装置の構成を模式的に示す側面図である。
【図5】前記帯電装置の構成を模式的に示す底面側から見た説明図である。
【図6】図5のX−X断面矢視図である。
【図7】図5の前記帯電装置を構成するクリーニングゴムローラ周辺を示すB部の拡大図である。
【図8】図7のY−Y断面矢視図である。
【図9】図4の前記帯電装置を構成するクリーニング部材保持体周辺を示すA部の拡大図である。
【図10】前記帯電装置における印字累積カウントに基づくノコ歯電流値の制御を示すフローチャートである。
【図11】前記帯電装置における印字累積カウントに基づくクリーニング部材による自動清掃制御を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の画像形成装置を実施するための形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図、図2は前記画像形成装置における画像形成部の具体的な構成の一例を模式的に示す説明図である。
【0024】
本実施形態の画像形成装置100は、図1,図2に示すように、静電潜像が形成される感光体11に所定の電位を与えて帯電させる帯電装置(帯電手段)301と、帯電装置301を制御する機能を備えた制御部(制御手段)202と、電子写真方式により帯電した感光体に形成された静電潜像に基づき画像を形成する画像形成部(画像形成手段)208とを備えた画像形成装置において、帯電装置301および制御部202の構成として、本発明に係る画像形成装置の帯電手段および制御手段の構成を採用したものである。
【0025】
まず、本実施形態に係る画像形成装置100の全体構成について説明する。
画像形成装置100は、たとえばスキャナとプリンタと周辺機器とを備えた複合機であり、図1に示すように、読取部206と、画像処理部207と、画像形成部208と、周辺機器制御部209と、操作部と、記憶部203と、制御部202とを含む。
【0026】
読取部206は原稿画像の読み取りを行い、読み取った原稿画像を画像処理部207で適正な電気信号に変換して画像データを生成する。画像形成部208は、生成された画像データを印刷出力する。画像形成部208については、後で詳しく述べる。
周辺機器制御部209は、後処理装置であるフィニッシャーやソーターなどの周辺機器を制御する。操作部は、入力部204と表示部205とを備える。
【0027】
画像形成装置100では帯電装置301におけるクリーニング制御が行われるが、記憶部203には、例えば、クリーニング制御で用いられるノコ歯電流補正係数のデータ、印字累積カウントのデータ、ノコ歯ライフカウンターのデータおよびノコ歯清掃カウンターのデータが記憶されている。
【0028】
制御手段である制御部202は、前記クリーニング制御を行う。
制御部202によって行われる記憶部203に記憶されている補正係数のデータを用いたクリーニング制御、ノコ歯電流制御については、後で詳しく述べる。
【0029】
次に、画像形成部208の具体的な構成および動作について説明する。
本実施形態の画像形成装置100は、電子写真方式のフルカラー画像形成装置であり、たとえばネットワークを介して外部から送信されてくる画像データや読取部206によって読み取った画像データに基づいて、記録媒体(転写媒体)に対し多色または単色の画像を形成する。
【0030】
図2に示すように、画像形成装置100は、可視像形成ユニット10、供給トレイ20、記録媒体搬送手段30および定着装置40を備える。ここでは、可視像形成ユニット10にて現像した像(トナー像)は、記録媒体Pに直接転写するものとするが、中間転写ベルト等の中間転写媒体に転写するようになっていてもよい。
【0031】
可視像形成ユニット10には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(B)の各色に対応して、4つの可視像形成ユニット10Y,10M,10C,10Bが並設される。つまり、可視像形成ユニット10は4つの可視像形成ユニット10Y,10M,10C,10Bからなり、可視像形成ユニット10Yはイエロー(Y)のトナーを用いて画像形成を行い、可視像形成ユニット10Mはマゼンダ(M)のトナーを用いて画像形成を行い、可視像形成ユニット10Cはシアン(C)のトナーを用いて画像形成を行い、可視像形成ユニット10Bはブラック(B)のトナーを用いて画像形成を行う。
【0032】
具体的な配置としては、供給トレイ20から定着装置40へ記録媒体Pを搬送する搬送路に沿って、4組の可視像形成ユニット10Y,10M,10C,10Bが配設されており、搬送される記録媒体Pに各色のトナーを多重転写する。図2に示すように、可視像形成ユニット10Y,10M,10C,10Bは、それぞれ実質的に同一の構成を有する。すなわち、それぞれに、感光体(感光体ドラム、像担持体)11、帯電装置301、温湿度センサ313、レーザ光照射手段13、現像装置14、転写ローラ15、クリーナユニット16および除電装置17が設けられている。感光体11、レーザ光照射手段13および現像装置14は、画像形成手段に相当する。
【0033】
ここで、画像形成部208を構成する可視像形成ユニット10の構成について詳細に説明する。
図3は本実施形態の可視像形成ユニットを構成する感光体の周辺の構造の一例を示す説明図である。
【0034】
画像形成部208を構成する可視像形成ユニット10は、図3に示すように、像担持体である感光体11表面を臨むように、帯電装置301、レーザ光照射手段13、現像装置14、転写ローラ15、クリーナユニット16および除電装置17がこの順で感光体11の回転方向に沿って、すなわち回転方向の上流側から下流側に向かって配置されている。
【0035】
帯電手段である帯電装置301は、感光体11の表面を所定の電位に均一に帯電させる装置であり、感光体11の表面から非接触で近接させてコロナ放電とグリッドバイアス制御によって帯電させる非接触帯電方式のコロナ帯電方式の帯電装置を用いている。
【0036】
レーザ光照射手段13は、帯電装置301によって帯電された感光体11の表面を画像データに応じて露光し、感光体11の表面に静電潜像を形成する装置である。
【0037】
現像装置14は、感光体11の表面に形成される静電潜像にトナーを供給して現像して可視像であるトナー像を形成する装置である。感光体11の表面へのトナーの供給に際しては、現像装置14にトナーの帯電電位とは逆極性の電位が現像バイアス電圧として印加される。これによって、トナーが静電潜像に円滑に供給される。
【0038】
転写ローラ15は、トナーとは逆極性のバイアス電圧を印加されており、感光体11に形成されたトナー像を、搬送ベルト33によって搬送される記録媒体Pに転写させる装置である。
【0039】
クリーナユニット16は、転写ローラ15による転写処理の後に、感光体11の表面に残留したトナーを除去および回収する。クリーナユニット16は、ケース54およびクリーニングブレード51を備えている。クリーニングブレード51は、感光体11の表面に残留するトナーを回収するためのものであり、感光体11の軸方向を長手方向とする長尺状のゴム部材によって形成されている。
【0040】
除電装置17は、感光体11表面を除電する装置である。
上記の構成の各可視像形成ユニットにおいて、感光体11は除電装置17で除電された後、帯電装置301によって表面が帯電され、帯電した感光体11の表面をレーザ光照射手段13で露光して静電潜像を形成し、静電潜像を現像装置14によって現像し、現像したトナー像を転写ローラ15によって記録媒体Pに転写する。転写後に感光体11の表面に残ったトナー像は、クリーナユニット16によって除去回収される。そして、このような記録媒体Pに対するトナー像の転写を、各色の可視像形成ユニットにおいて順次行うことで、記録媒体Pに各色のトナー像が多重転写される。
【0041】
図2に戻って、記録媒体搬送手段30は、駆動ローラ31、アイドリングローラ32および搬送ベルト33を含み、各可視像形成ユニットによって記録媒体Pにトナー像が転写されるように、記録媒体を搬送する。駆動ローラ31およびアイドリングローラ32は、無端状の搬送ベルト33を張架するものであり、駆動ローラ31が所定の周速度で回転駆動されることで、搬送ベルト33が回転する。また、搬送ベルト33は、外側表面は所定の電位に帯電しており、記録媒体Pを静電吸着しながら搬送する。
【0042】
記録媒体搬送手段30によって搬送されて各可視像形成ユニットを通過し、トナー像(未定着トナー像)が転写された記録媒体は、駆動ローラ31の曲率によって搬送ベルト33から剥離され、定着装置40に搬送される。
【0043】
定着装置40は、記録媒体に適度な熱と圧力とを与えて、記録媒体P上に転写されたトナーを溶解させて記録媒体に定着させ、記録媒体を排紙トレイ(図示せず)に排出する。定着装置40の構成は特に限定されるものではなく、たとえば加熱ローラ41と加圧ローラ42とを備え、これら両ローラによって記録媒体を挟持しながら搬送する構成のものを用いることができる。これらの動作によって、記録媒体Pに画像が形成される。
【0044】
このような画像形成装置100に備えられる上記各部材の動作は、制御手段である制御部(図示しない制御用集積回路基板または図示しないコンピュータ)202によって制御される。
【0045】
次に、本実施形態の特徴的な帯電装置301の構成について図面を参照して詳細に説明する。
図4は本実施形態の帯電装置の構成を模式的に示す側面図、図5は前記帯電装置の構成を模式的に示す底面側から見た説明図、図6は図5のX−X断面矢視図、図7は図5の前記帯電装置を構成するクリーニングゴムローラ周辺を示すB部の拡大図、図8は図7のY−Y断面矢視図、図9は図4の前記帯電装置を構成するクリーニング部材保持体周辺を示すA部の拡大図である。
【0046】
以下、本実施形態の画像形成装置100の画像形成部208にて用いることができる帯電装置301の構成の一例を説明する。
【0047】
帯電装置301は、図6に示すように、帯電ケース300に囲まれている。
帯電装置301は、図4,図5,図6に示すように、帯電ケース300と、針電極363と、ノコ歯保持部材362と、クリーニングゴムローラ(クリーニング部材)66と、クリーニング部材保持体394と、移動手段303と、スクリーングリッド64と、端子部350とを含む。
【0048】
針電極363は、薄い帯状の金属材料からなり、図4,図6に示すように、その全長に渡って一定の間隔で複数のノコ歯53が下向きに延出している。複数のノコ歯53は、針電極363の長さ方向に平行な矢符B1,B2に沿って一方向に配列している。針電極363からの放電によって感光体11の表面が一様の電位に帯電する。複数のノコ歯53は、感光体11の長手方向に渡って配列されており、ノコ歯53の先端部と感光体11との間には、一定の距離がある。針電極363の長さは、感光体11における周面の軸方向の長さより長い。ノコ歯53には、定電流電源が接続されている。スクリーングリッド64には、定電圧電源が接続されている。
【0049】
複数のノコ歯53を保持するノコ歯保持部材362は、図6に示すように、ノコ歯53に対して垂直にノコ歯53を保持するベース面308を有するベース部分306、およびノコ歯53に対して平行にノコ歯53を保持する保持部分307で針電極363を保持する。
【0050】
ノコ歯保持部材362の長さは、針電極363の長さより長く形成されている。
ベース部分306は、図4,図5に示すように、ノコ歯53が存在する存在部362aの両端部にノコ歯53が存在しない非存在部362bが一体的に形成されてなる。
本実施形態において、存在部362aの長手方向の長さ383は342mmであり、短手方向の長さ384は20mmである。ノコ歯保持部材362は、その長手方向の両端部で帯電装置301の帯電ケース300に固定される。ノコ歯保持部材362は、合成樹脂などの絶縁性材料によって構成される。
【0051】
クリーニング部材であるクリーニングゴムローラ66は、図5,図6,図7に示すように、針電極363と対向する位置に配置され、シャフト65の外周において、2つの回転コロ(第1回転コロ67a、第2回転コロ67b)の間に形成される。クリーニングゴムローラ66は、ノコ歯53の先端部と感光体11との間において、ノコ歯53の配列方向に沿って移動するように配置され、その移動時に複数のノコ歯53の先端部に順に外周面が接することで針電極363をクリーニングする。
【0052】
クリーニングゴムローラ66は、図8に示すように、その内側から順に円柱状のシャフト65、円筒状の芯金67、弾性層96が形成される3層構造のロール状部材である。
シャフト65の材料としては、ポリカーボネートおよびSUS(Stainless Used Steel)材が挙げられる。芯金67の材料としては、ポリカーボネートおよびSUS材が挙げられる。弾性層96の材料としては、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)が挙げられる。クリーニングゴムローラ66の直径は、スクリーングリッド64の周面に接触しない範囲でできるだけ大きくすることができ、たとえば直径が6mmであり、軸線方向の長さが4mmである。
【0053】
本実施形態において、クリーニングゴムローラ66は、材料をポリカーボネートとするシャフト65を用い、外径が2mmであり、材料をポリカーボネートとする芯金67を用い、厚さが1.5mmであり、軸線方向の長さが4mmであり、材料をエチレンプロピレンジエンゴムとする弾性層96を用いて構成される。なお、シャフト65と芯金67とは共に材料をポリカーボネートとする一体成型のものを用いてもよい。
【0054】
針電極363は、図8に示すように、ノコ歯53の先端部がクリーニングゴムローラ66に埋没するようにして順に接することで、コロナ放電に伴う静電気力の集塵作用によりノコ歯53先端部に付着した、浮遊トナー、揮発したTMSおよび塵がクリーニングされる。
【0055】
クリーニングゴムローラ66は、複数のノコ歯53から周面に作用する抵抗によって回転しつつ矢符B1,B2に沿って移動する。クリーニング部材保持体394は、図8に示すように、長さ53aが0.5mm程度になるように、すなわちクリーニングゴムローラ66の周面にノコ歯53の先端が0.5mm程度の長さで埋没するようにクリーニングゴムローラ66を保持する。
【0056】
図4,5,6に戻って、クリーニング部材保持体394は、ゴムローラ保持体302と、シャフト65と、2つの回転コロ67a,67bと、突起片302a,302bとを含む。そして、クリーニング部材保持体394は、ゴムローラ保持体302にシャフト65の両端部を回転自在に固定することで、クリーニングゴムローラ66を回動自在に支持す
る。
【0057】
突起片302a,302bは、図6に示すように、クリーニング部材保持体394の内面側に突出形成される。クリーニング部材保持体394は、該内面における上面302cと、突起片302a,302bとでノコ歯保持部材362を上下方向に挟み、該内面における側面302d,302eでノコ歯保持部材362を左右方向に挟む。これにより、クリーニング部材保持体394は、ベース面308に平行で矢符B1,B2に直交する方向において、回転を含む移動を規制される。針電極363のクリーニング後、クリーニング部材保持体394は、印字の妨げとならないノコ歯53の無い位置、すなわち、図5に示す2つの非存在部362bのいずれか一方まで移動手段によって移動する。
【0058】
移動手段303は、図9に示すように、スクリューネジ70と移動部材371とを含む。移動部材371には、ねじ軸であるスクリューネジ70から螺合されるねじ穴82が貫通している。
【0059】
スクリューネジ70は、図4に示すように、ベース部分306の長手方向に渡って設けられ、その回転によって、スクリューネジ70に沿ってクリーニング部材保持体394を移動させる。スクリューネジ70は、図示しないモータによって回転する。モータは正逆回転が可能である。図9に示すように、スクリューネジ70が矢符A1の方向に回転すると、その回転によってクリーニング部材保持体394は矢符B1の方向に移動し、スクリューネジ70が矢符A2の方向に回転すると、その回転によってクリーニング部材保持体394は矢符B2の方向に移動する。スクリューネジ70は、ノコ歯53の配列方向および感光体11の軸線方向と平行に構成される。
【0060】
端子部350は、図9に示すように、図示しない端子を収納する。端子は、高圧電源と針電極363とを接続する。端子を介して針電極363に高圧電源が印加されると、ノコ歯53の先端部に印加電界が集中し、この部分が放電しやすくなる。これによって、複数のノコ歯53から感光体11の表面に放電され、この放電によって感光体11表面が所定の電位に帯電される。
【0061】
以上のように構成された帯電装置301は、制御部202により動作を制御するようにされている。
【0062】
本実施形態では、制御部202は、累積された印字枚数(以下、「印字累積カウント」と称する。)が増加するに連れてノコ歯に流れる電流値(ノコ歯電流)を上げていき、クリーニングローラ66が動作するタイミングでノコ歯53に流れる電流値を所定の値に下げる機能を備えている。すなわち、制御部202は、通常の画像形成装置100の各部構成の動作制御に加えて、印字累積カウントとノコ歯53の状態に応じでノコ歯電流を制御するように構成されている。
【0063】
次に、本実施形態の帯電装置301の動作を制御する制御部202による特徴的なクリーニングゴムローラ66の動作制御、およびノコ歯電流値の制御を含むクリーニング制御について説明する。
図10は本実施形態の帯電装置における印字累積カウントに基づくノコ歯電流値の制御を示すフローチャート、図11は前記帯電装置における印字累積カウントに基づくクリーニング部材による自動清掃制御を示すフローチャートである。
【0064】
まず、本実施形態の帯電装置301における制御部202による印字累積カウントに基づくノコ歯電流値の制御についてフローチャートに基づき説明する。
【0065】
プリントスイッチまたは画像形成装置100本体の操作部におけるコピーキーをONにすると、1ジョブの画像情報が制御部202に送信され、画像形成部208で印字が開始される。そして、そのジョブのうちの1ページが印字されると、本発明に係る印字累積カウントに基づくノコ歯電流値の制御のスタートとなる。
【0066】
図10に示すように、画像形成装置100において、制御部202により印字累積カウントが確認されると(ステップS1)、印字累積カウントがノコ歯ライフカウント(200K枚(1K=1000))に到達したか否かが判断される(ステップS2)。
【0067】
ここで、印字枚数の累積値である印字累積カウントの算出について説明する。
印字累積カウント値Dは、記憶部203に予め記憶されている印字完了累積カウント値dと、印字毎カウント値cとを足し合わせることによって算出され、下記式(1)によって表される。
印字累積カウント値:D=(印字完了累積カウント値d)
+(印字毎カウント値c) ・・・(1)
【0068】
印字完了累積カウント値dは、直前に印字されたページよりも前に印字が完了したページのカウント値の累積である。
【0069】
さらに、印字完了累積カウント値dは、印字が完了したジョブそれぞれのカウント値の合計をX1,X2…とし、現在印字中のジョブにおいて、直前に印字されたページより前のページのそれぞれの印字毎カウント値をY1,Y2…とすると、印字完了累積カウント値dは、下記式(2)によって表わされる。
印字完了累積カウント値:d=(X1+X2+・・・)
+(Y1+Y2+・・・) ・・・(2)
【0070】
ステップS2において、印刷累積カウントがノコ歯ライフカウント(200K)に到達していないと判断された場合は、ステップS3に進む。
【0071】
ステップS3において、印字した記録媒体の大きさとノコ歯をクリーニングした回数に基づき、ノコ歯電流値I1を補正する。
ノコ歯電流係数αは、画像形成装置毎に任意で設定可能であり、記憶部203に予め記憶されている。
【0072】
印字累積カウント値Dとノコ歯クリーニング動作回数Fにより、ノコ歯電流値I1を算出する。ノコ歯電流値I1は、記憶部203に記憶されている印字累積カウント値Dの一次式である。傾きを画像形成装置毎に応じた係数α、切片を(初期ノコ歯電流値A+(β×ノコ歯クリーニング動作回数G))で記憶部203に予め記憶されている。
初期ノコ歯電流値Aと係数βは、画像形成装置毎に応じて決定される。
【0073】
そして、補正されたノコ歯電流値I1で感光体11への放電が開始される(ステップS4)。そして、ステップS1に戻る。
【0074】
一方、ステップS2において、印刷累積カウントがノコ歯ライフカウント(200K)に到達したと判断された場合は、ステップS5に進み、ノコ歯電流値I2を900μAとして、電流値の制御は終了する。
【0075】
なお、本フローチャートは、印字累積カウントに基づくノコ歯電流値の制御の一例であり、ノコ歯53のライフ時点のノコ歯電流値やその印字累積カウント、クリーニングを実行する印字累積カウント値や、クリーニング実行回数(クリーニングローラの往復回数)は画像形成装置毎に任意で設定が可能である。
【0076】
(実施例1)
実施例1は、初期ノコ歯電流値Aを600μA、係数βを−80とした時のノコ歯電流値を示すものである。
ノコ歯電流値I1は、下記式(3)により表わされる。
ノコ歯電流値:I1=(印字累積カウント値D)×α
+(600+(−80×ノコ歯クリーニング動作回数G))μA ・・・(3)
【0077】
次に、本実施形態の帯電装置301における制御部202による印字累積カウントに基づくクリーニングゴムローラ66の動作制御についてフローチャートに基づき説明する。
【0078】
本発明に係る印字累積カウントに基づくクリーニングゴムローラ66の動作制御がスタートされると、図11に示すように、画像形成装置100において、制御部202により印字累積カウントが確認され(ステップS10)、印字累積カウントがノコ歯清掃カウンターに到達したか否かが判断される(ステップS11)。
【0079】
ステップS11において、印字累積カウント値がノコ歯清掃カウンターに達していないと判断された場合は、ステップS10に戻る。
【0080】
一方、ステップS11において、印字累積カウント値がノコ歯清掃カウンターに達していると判断された場合は、ステップS12に進む。
【0081】
ステップS12では、印字を一旦中断し、クリーニング部材保持体394を往復移動させてノコ歯53のクリーニグを行う自動清掃が1回行われる。この自動清掃は、印刷累積カウントが10Kを経過する毎に行われる。
【0082】
そして、ステップS13に進み、印字累積カウントがノコ歯ライフカウント(200K枚(1K=1000))に到達したか否かが判断される。
【0083】
ステップS13において、字累積カウントがノコ歯ライフカウントに到達していないと判断された場合は、ステップS10に戻る。
【0084】
一方、ステップS13において、字累積カウントがノコ歯ライフカウントに到達していると判断された場合は、本クリーニング制御は終了する。
【0085】
以上のように、制御部202により、印字累積カウントに基づきノコ歯電流I1を上げていき、印字累積カウントに応じてクリーニング部材保持体394の動作を制御することによって、クリーニングゴムローラ66によるノコ歯53のクリーニングを最適なタイミングで行うことができる。
【0086】
また、クリーニングが動作したタイミングでノコ歯電流を所定値まで下げることで、帯電処理により発生するオゾン量を減少でき、長期間に渡って高品位の画像を安定して得ることができる。
【0087】
また、汚染物質付着によってダメージを受ける前にノコ歯53のクリーニングを行うことができ、かつ過剰なクリーニングを防止してノコ歯53の劣化を抑えることができるので、ノコ歯53のさらなる長寿命化を図ることができる。
【0088】
次に、本実施形態の画像形成装置100に用いられる特徴的なクリーニング制御プログラムと記録媒体について説明する。
【0089】
本実施形態に係る画像形成装置100の制御部202は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0090】
CPUを用いてソフトウェアによって制御部202を実現する場合、制御部202は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(Central Processing Unit)、前記プログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)、前記プログラムおよび各種データを格納するメモリなどの記憶装置(記憶媒体)などを備える。
【0091】
そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるクリーニング制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記憶媒体を、上記画像形成装置100の制御部202に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによって、達成可能である。
【0092】
前記記憶媒体としては、たとえば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R/Blu-ray(登録商標)ディスク等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0093】
また、画像形成装置100を通信ネットワークと接続可能に構成し、通信ネットワークを介して上記プログラムコードを供給してもよい。通信ネットワークとしては、特に限定されず、たとえば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。
【0094】
また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、たとえば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0095】
このように、クリーニング制御プログラムは、本発明の画像形成装置100を動作させるためのプログラムであって、コンピュータを制御部202として機能させることによって、印字累積カウントを基にノコ歯電流値を補正し、印字累積カウントに応じてクリーニング部材保持体394の移動を制御する方法を容易に制御部202に供給することができ、また前述したクリーニング制御方法を汎用的なものにすることができる。
【0096】
以上のように構成したので、本実施形態によれば、画像形成装置100において、帯電装置301の構成として、複数のノコ歯53を感光体11の移動方向に対して略垂直方向)に配列した針電極363と、針電極363をクリーニングするクリーニングゴムローラ66と、クリーニング部材保持体394と、クリーニング部材保持体394を移動させる移動手段303とを備え、制御手段として制御部202に、印字累積カウントが増加するに連れてノコ歯電流を上げていき、クリーニングゴムローラ66によるノコ歯53のクリーニングが動作するタイミングでノコ歯電流値を所定の値に下げる機能を備えて、印字累積カウントとノコ歯53の状態に応じてノコ歯電流を下げるように制御するようにしたので、帯電装置301より発生するオゾン量を減少でき、画像ぼけ・白抜け等の画像不良を抑え高品位の画像を安定して得ることができるとともに、針電極363の長寿命化を図ることができる。
【0097】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0098】
11 感光体
53 ノコ歯
66 クリーニングゴムローラ(クリーニング部材)
100 画像形成装置
202 制御部(制御手段)
208 画像形成部(画像形成手段)
301 帯電装置(帯電手段)
302 ゴムローラ保持体
303 移動手段
362 ノコ歯保持部材
363 針電極
394 クリーニング部材保持体
c 印字毎カウント値
d 印字完了累積カウント値
D 印字累積カウント値(印字枚数の累積値)
I1,I2 ノコ歯電流値(ノコ歯に流れる電流値)
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置およびクリーニング制御方法に係り、特に、感光体の表面を帯電させる帯電装置を備えて前記感光体上に形成した静電潜像に基づき画像形成を行う電子写真方式による画像形成装置およびクリーニング制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置には、感光体の表面を均一に帯電させる帯電装置が搭載されている。帯電装置としては、例えば感光体の表面に接触しない非接触式の帯電装置がある。非接触式の帯電装置は、高圧電源が印加された電極からの放電、いわゆるコロナ放電により、感光体の表面を帯電させる。非接触式の帯電装置としては、複数の針電極を有するノコ歯タイプの帯電装置がある。
【0003】
ノコ歯タイプの帯電装置の課題として、この帯電装置を備える画像形成装置内に浮遊しているトナー、シリカおよび塵が、高圧電界が発生しているノコ歯の先端部に吸着する。そして、これを放置すると適正な放電が行われず、いわゆる放電不良が発生する。この放電不良によって、感光体が均一に帯電されないため、画像不良が生じるという問題ある。
【0004】
また、帯電装置による放電に伴いオゾンや窒素酸化物などの放電生成物が発生する。
これらの窒素酸化物およびオゾン等は、感光体の表面を酸化させたり、電気抵抗を低下させたりして、感光体表面の帯電電荷をリークしやすくするために、感光体上に形成された画像に画像ぼけや像流れ、白抜け等の欠陥が生じるという問題がある。
【0005】
そこで、上記従来の問題を解決するために、従来技術として、定期的にノコ歯先端を清掃ローラで清掃することで、ノコ歯の先端部に付着したトナー、シリカおよび塵等を除去するようにしたものが提案されている(特許文献1を参照。)。
【0006】
また、上記従来技術を構成する清掃ローラ等の清掃部材の寿命を考慮して、放電部材が汚れた場合に清掃部材を動作するように制御するようにしたものが提案されている(特許文献2を参照。)。
【0007】
なお、オゾンの発生メカニズムは、電子と酸素分子の衝突により発生するため、空気中での放電では発生が避けられない。この放電で生じる電子量はノコ歯に加える電流量を増すと増加する。そのため過剰な発生を防ぐには、ノコ歯電流量を下ることで可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008-26739号公報
【特許文献2】特開平9−258528号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、コロナ放電で発生するオゾンは、感光体の抵抗を下げて画像ぼけや白抜けの画像不良を発生させ、感光体の寿命を低下させるという問題がある。また、ライフに伴い、ノコ歯先端にシロキサン等が付着するため画像ムラが現れるという問題がある。
画像ムラを見えにくくするためには、ノコ歯電流の増加または印加電圧の増加が必要となるため、オゾン量を多く発生させていた。
【0010】
したがって、従来技術では、初期条件でチャージライフを考慮してノコ歯電流を増加させると、過剰なオゾンを発生させるという問題があった。
【0011】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、画像形成装置に係り、過剰なオゾンの発生を防止することにより画像ぼけや白ぬけ等の画像不良を抑制して、画質の安定化を図るとともに、感光体を帯電させる帯電手段の長寿命化を図ることができる画像形成装置およびクリーニング制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決するための本発明に係る画像形成装置は、次の通りである。
【0013】
本発明は、静電潜像が形成される感光体に所定の電位を与えて帯電させる帯電手段と、前記帯電手段を制御する制御手段と、電子写真方式により帯電した感光体に形成された静電潜像に基づき画像を形成する画像形成手段とを備えた画像形成装置において、前記帯電手段の構成として、複数のノコ歯が一方向(前記感光体の移動方向に対して略垂直方向)に配列された針電極と、前記複数のノコ歯の配列方向に沿って移動するとともに前記複数のノコ歯の先端部と順次接することで前記針電極をクリーニングするクリーニング部材と、前記クリーニング部材を支持するクリーニング部材保持体と、前記クリーニング部材保持体を前記複数のノコ歯の配列方向に沿って移動させる移動手段とを備え、前記制御手段として、印字枚数の累積値(例えば、印字累積カウント)が増加するに連れて前記ノコ歯に流れる電流値(ノコ歯電流)を上げていき、前記クリーニング部材によるノコ歯のクリーニングが動作するタイミングで前記ノコ歯に流れる電流値を所定の値に下げる機能を備えて、印字累積カウントとノコ歯の状態に応じでノコ歯電流を制御することを特徴とするものである。
【0014】
なお、本発明は、例えば、ノコ歯(針電極)のライフカウンター以上でノコ歯電流の増大を停止させるようにしてもよい。また、クリーニング部材による自動清掃のタイミングは、カウンター規定を行うことでノコ歯電流を下げるタイミングの制御システムを用いるようにしてもよい。
【0015】
また、本発明は、前記帯電手段の構成として、前記感光体に対して前記ノコ歯が略垂直となるように前記ノコ歯を保持するベース面を有するベース部と前記複数のノコ歯の配列方向に沿って略平行に前記ノコ歯を保持する保持部とを設けて前記針電極を保持する電極保持部材を備えることが好ましい。
【0016】
また、本発明は、前記ノコ歯に流れる電流値は、各印字枚数の累積値に応じて画質の安定化が可能な前記感光体の表面電位に帯電させるのに必要な電流量と、各印字枚数の累積値に予め関連付けられた補正係数(例えば、ノコ歯電流量係数)とに基づいて求められることが好ましい。
【0017】
また、本発明は、静電潜像が形成される感光体に所定の電位を与えて帯電させる帯電手段と、前記帯電手段を制御する制御手段と、電子写真方式により帯電した感光体に形成された静電潜像に基づき画像を形成する画像形成手段とを備えた画像形成装置における、前記帯電手段の電極をクリーニング部材によりクリーニングする工程を備えて、前記クリーニング部材の動作を制御するクリーニング制御方法であって、前記クリーニング部材を、複数のノコ歯が一方向に配列された電極のノコ歯の配列方向に沿って前記複数のノコ歯の先端部と順次接しながら移動する工程と、印字枚数の累積値が増加するに連れて前記ノコ歯に流れる電流値(ノコ歯電流)を上げていく工程と、前記クリーニング部材によるノコ歯のクリーニングが動作するタイミングで前記ノコ歯に流れる電流値を所定の値に下げる工程と、を備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明の画像形成装置によれば、静電潜像が形成される感光体に所定の電位を与えて帯電させる帯電手段と、前記帯電手段を制御する制御手段と、電子写真方式により帯電した感光体に形成された静電潜像に基づき画像を形成する画像形成手段とを備えた画像形成装置において、前記帯電手段の構成として、複数のノコ歯が一方向(前記感光体の移動方向に対して略垂直方向)に配列された針電極と、前記複数のノコ歯の配列方向に沿って移動するとともに前記複数のノコ歯の先端部と順次接することで前記針電極をクリーニングするクリーニング部材と、前記クリーニング部材を支持するクリーニング部材保持体と、前記クリーニング部材保持体を前記複数のノコ歯の配列方向に沿って移動させる移動手段とを備え、前記制御手段として、印字枚数の累積値(例えば、印字累積カウント)が増加するに連れて前記ノコ歯に流れる電流値(ノコ歯電流)を上げていき、前記クリーニング部材によるノコ歯のクリーニングが動作するタイミングで前記ノコ歯に流れる電流値を所定の値に下げる機能を備えて、印字累積カウントとノコ歯の状態に応じてノコ歯電流を下げるように制御することで、前記帯電手段より発生するオゾン量を減少でき、画像ぼけ・白抜け等の画像不良を抑え高品位の画像を安定して得ることができるとともに、帯電手段の長寿命化を図ることができる。
【0019】
また、本発明によれば、前記帯電手段の構成として、前記感光体に対して前記ノコ歯が略垂直となるように前記ノコ歯を保持するベース面を有するベース部と前記複数のノコ歯の配列方向に沿って略平行に前記ノコ歯を保持する保持部とを設けて前記針電極を保持する電極保持部材を備えることで、感光体に対して前記ノコ歯を正確に位置決め保持する事ができる。
【0020】
また、本発明によれば、前記ノコ歯に流れる電流値は、各印字枚数の累積値に応じて画質の安定化が可能な前記感光体の表面電位に帯電させるのに必要な電流量と、各印字枚数の累積値に予め関連付けられた補正係数(例えば、ノコ歯電流量係数)とに基づいて求められることで、簡単にノコ歯電流を決定することができる。
【0021】
また、本発明のクリーニング制御方法によれば、静電潜像が形成される感光体に所定の電位を与えて帯電させる帯電手段と、前記帯電手段を制御する制御手段と、電子写真方式により帯電した感光体に形成された静電潜像に基づき画像を形成する画像形成手段とを備えた画像形成装置における、前記帯電手段の電極をクリーニング部材によりクリーニングする工程を備えて、前記クリーニング部材の動作を制御するクリーニング制御方法であって、前記クリーニング部材を、複数のノコ歯が一方向に配列された電極のノコ歯の配列方向に沿って前記複数のノコ歯の先端部と順次接しながら移動する工程と、印字枚数の累積値が増加するに連れて前記ノコ歯に流れる電流値(ノコ歯電流)を上げていく工程と、前記クリーニング部材によるノコ歯のクリーニングが動作するタイミングで前記ノコ歯に流れる電流値を所定の値に下げる工程と、を備えることで、前記帯電手段より発生するオゾン量を減少でき、画像ぼけ・白抜け等の画像不良を抑え高品位の画像を安定して得ることができるとともに、帯電手段の長寿命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】前記画像形成装置における画像形成部の具体的な構成の一例を模式的に示す説明図である。
【図3】前記画像形成装置の可視像形成ユニットを構成する感光体の周辺の構造の一例を示す説明図である。
【図4】本実施形態の帯電装置の構成を模式的に示す側面図である。
【図5】前記帯電装置の構成を模式的に示す底面側から見た説明図である。
【図6】図5のX−X断面矢視図である。
【図7】図5の前記帯電装置を構成するクリーニングゴムローラ周辺を示すB部の拡大図である。
【図8】図7のY−Y断面矢視図である。
【図9】図4の前記帯電装置を構成するクリーニング部材保持体周辺を示すA部の拡大図である。
【図10】前記帯電装置における印字累積カウントに基づくノコ歯電流値の制御を示すフローチャートである。
【図11】前記帯電装置における印字累積カウントに基づくクリーニング部材による自動清掃制御を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の画像形成装置を実施するための形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図、図2は前記画像形成装置における画像形成部の具体的な構成の一例を模式的に示す説明図である。
【0024】
本実施形態の画像形成装置100は、図1,図2に示すように、静電潜像が形成される感光体11に所定の電位を与えて帯電させる帯電装置(帯電手段)301と、帯電装置301を制御する機能を備えた制御部(制御手段)202と、電子写真方式により帯電した感光体に形成された静電潜像に基づき画像を形成する画像形成部(画像形成手段)208とを備えた画像形成装置において、帯電装置301および制御部202の構成として、本発明に係る画像形成装置の帯電手段および制御手段の構成を採用したものである。
【0025】
まず、本実施形態に係る画像形成装置100の全体構成について説明する。
画像形成装置100は、たとえばスキャナとプリンタと周辺機器とを備えた複合機であり、図1に示すように、読取部206と、画像処理部207と、画像形成部208と、周辺機器制御部209と、操作部と、記憶部203と、制御部202とを含む。
【0026】
読取部206は原稿画像の読み取りを行い、読み取った原稿画像を画像処理部207で適正な電気信号に変換して画像データを生成する。画像形成部208は、生成された画像データを印刷出力する。画像形成部208については、後で詳しく述べる。
周辺機器制御部209は、後処理装置であるフィニッシャーやソーターなどの周辺機器を制御する。操作部は、入力部204と表示部205とを備える。
【0027】
画像形成装置100では帯電装置301におけるクリーニング制御が行われるが、記憶部203には、例えば、クリーニング制御で用いられるノコ歯電流補正係数のデータ、印字累積カウントのデータ、ノコ歯ライフカウンターのデータおよびノコ歯清掃カウンターのデータが記憶されている。
【0028】
制御手段である制御部202は、前記クリーニング制御を行う。
制御部202によって行われる記憶部203に記憶されている補正係数のデータを用いたクリーニング制御、ノコ歯電流制御については、後で詳しく述べる。
【0029】
次に、画像形成部208の具体的な構成および動作について説明する。
本実施形態の画像形成装置100は、電子写真方式のフルカラー画像形成装置であり、たとえばネットワークを介して外部から送信されてくる画像データや読取部206によって読み取った画像データに基づいて、記録媒体(転写媒体)に対し多色または単色の画像を形成する。
【0030】
図2に示すように、画像形成装置100は、可視像形成ユニット10、供給トレイ20、記録媒体搬送手段30および定着装置40を備える。ここでは、可視像形成ユニット10にて現像した像(トナー像)は、記録媒体Pに直接転写するものとするが、中間転写ベルト等の中間転写媒体に転写するようになっていてもよい。
【0031】
可視像形成ユニット10には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(B)の各色に対応して、4つの可視像形成ユニット10Y,10M,10C,10Bが並設される。つまり、可視像形成ユニット10は4つの可視像形成ユニット10Y,10M,10C,10Bからなり、可視像形成ユニット10Yはイエロー(Y)のトナーを用いて画像形成を行い、可視像形成ユニット10Mはマゼンダ(M)のトナーを用いて画像形成を行い、可視像形成ユニット10Cはシアン(C)のトナーを用いて画像形成を行い、可視像形成ユニット10Bはブラック(B)のトナーを用いて画像形成を行う。
【0032】
具体的な配置としては、供給トレイ20から定着装置40へ記録媒体Pを搬送する搬送路に沿って、4組の可視像形成ユニット10Y,10M,10C,10Bが配設されており、搬送される記録媒体Pに各色のトナーを多重転写する。図2に示すように、可視像形成ユニット10Y,10M,10C,10Bは、それぞれ実質的に同一の構成を有する。すなわち、それぞれに、感光体(感光体ドラム、像担持体)11、帯電装置301、温湿度センサ313、レーザ光照射手段13、現像装置14、転写ローラ15、クリーナユニット16および除電装置17が設けられている。感光体11、レーザ光照射手段13および現像装置14は、画像形成手段に相当する。
【0033】
ここで、画像形成部208を構成する可視像形成ユニット10の構成について詳細に説明する。
図3は本実施形態の可視像形成ユニットを構成する感光体の周辺の構造の一例を示す説明図である。
【0034】
画像形成部208を構成する可視像形成ユニット10は、図3に示すように、像担持体である感光体11表面を臨むように、帯電装置301、レーザ光照射手段13、現像装置14、転写ローラ15、クリーナユニット16および除電装置17がこの順で感光体11の回転方向に沿って、すなわち回転方向の上流側から下流側に向かって配置されている。
【0035】
帯電手段である帯電装置301は、感光体11の表面を所定の電位に均一に帯電させる装置であり、感光体11の表面から非接触で近接させてコロナ放電とグリッドバイアス制御によって帯電させる非接触帯電方式のコロナ帯電方式の帯電装置を用いている。
【0036】
レーザ光照射手段13は、帯電装置301によって帯電された感光体11の表面を画像データに応じて露光し、感光体11の表面に静電潜像を形成する装置である。
【0037】
現像装置14は、感光体11の表面に形成される静電潜像にトナーを供給して現像して可視像であるトナー像を形成する装置である。感光体11の表面へのトナーの供給に際しては、現像装置14にトナーの帯電電位とは逆極性の電位が現像バイアス電圧として印加される。これによって、トナーが静電潜像に円滑に供給される。
【0038】
転写ローラ15は、トナーとは逆極性のバイアス電圧を印加されており、感光体11に形成されたトナー像を、搬送ベルト33によって搬送される記録媒体Pに転写させる装置である。
【0039】
クリーナユニット16は、転写ローラ15による転写処理の後に、感光体11の表面に残留したトナーを除去および回収する。クリーナユニット16は、ケース54およびクリーニングブレード51を備えている。クリーニングブレード51は、感光体11の表面に残留するトナーを回収するためのものであり、感光体11の軸方向を長手方向とする長尺状のゴム部材によって形成されている。
【0040】
除電装置17は、感光体11表面を除電する装置である。
上記の構成の各可視像形成ユニットにおいて、感光体11は除電装置17で除電された後、帯電装置301によって表面が帯電され、帯電した感光体11の表面をレーザ光照射手段13で露光して静電潜像を形成し、静電潜像を現像装置14によって現像し、現像したトナー像を転写ローラ15によって記録媒体Pに転写する。転写後に感光体11の表面に残ったトナー像は、クリーナユニット16によって除去回収される。そして、このような記録媒体Pに対するトナー像の転写を、各色の可視像形成ユニットにおいて順次行うことで、記録媒体Pに各色のトナー像が多重転写される。
【0041】
図2に戻って、記録媒体搬送手段30は、駆動ローラ31、アイドリングローラ32および搬送ベルト33を含み、各可視像形成ユニットによって記録媒体Pにトナー像が転写されるように、記録媒体を搬送する。駆動ローラ31およびアイドリングローラ32は、無端状の搬送ベルト33を張架するものであり、駆動ローラ31が所定の周速度で回転駆動されることで、搬送ベルト33が回転する。また、搬送ベルト33は、外側表面は所定の電位に帯電しており、記録媒体Pを静電吸着しながら搬送する。
【0042】
記録媒体搬送手段30によって搬送されて各可視像形成ユニットを通過し、トナー像(未定着トナー像)が転写された記録媒体は、駆動ローラ31の曲率によって搬送ベルト33から剥離され、定着装置40に搬送される。
【0043】
定着装置40は、記録媒体に適度な熱と圧力とを与えて、記録媒体P上に転写されたトナーを溶解させて記録媒体に定着させ、記録媒体を排紙トレイ(図示せず)に排出する。定着装置40の構成は特に限定されるものではなく、たとえば加熱ローラ41と加圧ローラ42とを備え、これら両ローラによって記録媒体を挟持しながら搬送する構成のものを用いることができる。これらの動作によって、記録媒体Pに画像が形成される。
【0044】
このような画像形成装置100に備えられる上記各部材の動作は、制御手段である制御部(図示しない制御用集積回路基板または図示しないコンピュータ)202によって制御される。
【0045】
次に、本実施形態の特徴的な帯電装置301の構成について図面を参照して詳細に説明する。
図4は本実施形態の帯電装置の構成を模式的に示す側面図、図5は前記帯電装置の構成を模式的に示す底面側から見た説明図、図6は図5のX−X断面矢視図、図7は図5の前記帯電装置を構成するクリーニングゴムローラ周辺を示すB部の拡大図、図8は図7のY−Y断面矢視図、図9は図4の前記帯電装置を構成するクリーニング部材保持体周辺を示すA部の拡大図である。
【0046】
以下、本実施形態の画像形成装置100の画像形成部208にて用いることができる帯電装置301の構成の一例を説明する。
【0047】
帯電装置301は、図6に示すように、帯電ケース300に囲まれている。
帯電装置301は、図4,図5,図6に示すように、帯電ケース300と、針電極363と、ノコ歯保持部材362と、クリーニングゴムローラ(クリーニング部材)66と、クリーニング部材保持体394と、移動手段303と、スクリーングリッド64と、端子部350とを含む。
【0048】
針電極363は、薄い帯状の金属材料からなり、図4,図6に示すように、その全長に渡って一定の間隔で複数のノコ歯53が下向きに延出している。複数のノコ歯53は、針電極363の長さ方向に平行な矢符B1,B2に沿って一方向に配列している。針電極363からの放電によって感光体11の表面が一様の電位に帯電する。複数のノコ歯53は、感光体11の長手方向に渡って配列されており、ノコ歯53の先端部と感光体11との間には、一定の距離がある。針電極363の長さは、感光体11における周面の軸方向の長さより長い。ノコ歯53には、定電流電源が接続されている。スクリーングリッド64には、定電圧電源が接続されている。
【0049】
複数のノコ歯53を保持するノコ歯保持部材362は、図6に示すように、ノコ歯53に対して垂直にノコ歯53を保持するベース面308を有するベース部分306、およびノコ歯53に対して平行にノコ歯53を保持する保持部分307で針電極363を保持する。
【0050】
ノコ歯保持部材362の長さは、針電極363の長さより長く形成されている。
ベース部分306は、図4,図5に示すように、ノコ歯53が存在する存在部362aの両端部にノコ歯53が存在しない非存在部362bが一体的に形成されてなる。
本実施形態において、存在部362aの長手方向の長さ383は342mmであり、短手方向の長さ384は20mmである。ノコ歯保持部材362は、その長手方向の両端部で帯電装置301の帯電ケース300に固定される。ノコ歯保持部材362は、合成樹脂などの絶縁性材料によって構成される。
【0051】
クリーニング部材であるクリーニングゴムローラ66は、図5,図6,図7に示すように、針電極363と対向する位置に配置され、シャフト65の外周において、2つの回転コロ(第1回転コロ67a、第2回転コロ67b)の間に形成される。クリーニングゴムローラ66は、ノコ歯53の先端部と感光体11との間において、ノコ歯53の配列方向に沿って移動するように配置され、その移動時に複数のノコ歯53の先端部に順に外周面が接することで針電極363をクリーニングする。
【0052】
クリーニングゴムローラ66は、図8に示すように、その内側から順に円柱状のシャフト65、円筒状の芯金67、弾性層96が形成される3層構造のロール状部材である。
シャフト65の材料としては、ポリカーボネートおよびSUS(Stainless Used Steel)材が挙げられる。芯金67の材料としては、ポリカーボネートおよびSUS材が挙げられる。弾性層96の材料としては、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)が挙げられる。クリーニングゴムローラ66の直径は、スクリーングリッド64の周面に接触しない範囲でできるだけ大きくすることができ、たとえば直径が6mmであり、軸線方向の長さが4mmである。
【0053】
本実施形態において、クリーニングゴムローラ66は、材料をポリカーボネートとするシャフト65を用い、外径が2mmであり、材料をポリカーボネートとする芯金67を用い、厚さが1.5mmであり、軸線方向の長さが4mmであり、材料をエチレンプロピレンジエンゴムとする弾性層96を用いて構成される。なお、シャフト65と芯金67とは共に材料をポリカーボネートとする一体成型のものを用いてもよい。
【0054】
針電極363は、図8に示すように、ノコ歯53の先端部がクリーニングゴムローラ66に埋没するようにして順に接することで、コロナ放電に伴う静電気力の集塵作用によりノコ歯53先端部に付着した、浮遊トナー、揮発したTMSおよび塵がクリーニングされる。
【0055】
クリーニングゴムローラ66は、複数のノコ歯53から周面に作用する抵抗によって回転しつつ矢符B1,B2に沿って移動する。クリーニング部材保持体394は、図8に示すように、長さ53aが0.5mm程度になるように、すなわちクリーニングゴムローラ66の周面にノコ歯53の先端が0.5mm程度の長さで埋没するようにクリーニングゴムローラ66を保持する。
【0056】
図4,5,6に戻って、クリーニング部材保持体394は、ゴムローラ保持体302と、シャフト65と、2つの回転コロ67a,67bと、突起片302a,302bとを含む。そして、クリーニング部材保持体394は、ゴムローラ保持体302にシャフト65の両端部を回転自在に固定することで、クリーニングゴムローラ66を回動自在に支持す
る。
【0057】
突起片302a,302bは、図6に示すように、クリーニング部材保持体394の内面側に突出形成される。クリーニング部材保持体394は、該内面における上面302cと、突起片302a,302bとでノコ歯保持部材362を上下方向に挟み、該内面における側面302d,302eでノコ歯保持部材362を左右方向に挟む。これにより、クリーニング部材保持体394は、ベース面308に平行で矢符B1,B2に直交する方向において、回転を含む移動を規制される。針電極363のクリーニング後、クリーニング部材保持体394は、印字の妨げとならないノコ歯53の無い位置、すなわち、図5に示す2つの非存在部362bのいずれか一方まで移動手段によって移動する。
【0058】
移動手段303は、図9に示すように、スクリューネジ70と移動部材371とを含む。移動部材371には、ねじ軸であるスクリューネジ70から螺合されるねじ穴82が貫通している。
【0059】
スクリューネジ70は、図4に示すように、ベース部分306の長手方向に渡って設けられ、その回転によって、スクリューネジ70に沿ってクリーニング部材保持体394を移動させる。スクリューネジ70は、図示しないモータによって回転する。モータは正逆回転が可能である。図9に示すように、スクリューネジ70が矢符A1の方向に回転すると、その回転によってクリーニング部材保持体394は矢符B1の方向に移動し、スクリューネジ70が矢符A2の方向に回転すると、その回転によってクリーニング部材保持体394は矢符B2の方向に移動する。スクリューネジ70は、ノコ歯53の配列方向および感光体11の軸線方向と平行に構成される。
【0060】
端子部350は、図9に示すように、図示しない端子を収納する。端子は、高圧電源と針電極363とを接続する。端子を介して針電極363に高圧電源が印加されると、ノコ歯53の先端部に印加電界が集中し、この部分が放電しやすくなる。これによって、複数のノコ歯53から感光体11の表面に放電され、この放電によって感光体11表面が所定の電位に帯電される。
【0061】
以上のように構成された帯電装置301は、制御部202により動作を制御するようにされている。
【0062】
本実施形態では、制御部202は、累積された印字枚数(以下、「印字累積カウント」と称する。)が増加するに連れてノコ歯に流れる電流値(ノコ歯電流)を上げていき、クリーニングローラ66が動作するタイミングでノコ歯53に流れる電流値を所定の値に下げる機能を備えている。すなわち、制御部202は、通常の画像形成装置100の各部構成の動作制御に加えて、印字累積カウントとノコ歯53の状態に応じでノコ歯電流を制御するように構成されている。
【0063】
次に、本実施形態の帯電装置301の動作を制御する制御部202による特徴的なクリーニングゴムローラ66の動作制御、およびノコ歯電流値の制御を含むクリーニング制御について説明する。
図10は本実施形態の帯電装置における印字累積カウントに基づくノコ歯電流値の制御を示すフローチャート、図11は前記帯電装置における印字累積カウントに基づくクリーニング部材による自動清掃制御を示すフローチャートである。
【0064】
まず、本実施形態の帯電装置301における制御部202による印字累積カウントに基づくノコ歯電流値の制御についてフローチャートに基づき説明する。
【0065】
プリントスイッチまたは画像形成装置100本体の操作部におけるコピーキーをONにすると、1ジョブの画像情報が制御部202に送信され、画像形成部208で印字が開始される。そして、そのジョブのうちの1ページが印字されると、本発明に係る印字累積カウントに基づくノコ歯電流値の制御のスタートとなる。
【0066】
図10に示すように、画像形成装置100において、制御部202により印字累積カウントが確認されると(ステップS1)、印字累積カウントがノコ歯ライフカウント(200K枚(1K=1000))に到達したか否かが判断される(ステップS2)。
【0067】
ここで、印字枚数の累積値である印字累積カウントの算出について説明する。
印字累積カウント値Dは、記憶部203に予め記憶されている印字完了累積カウント値dと、印字毎カウント値cとを足し合わせることによって算出され、下記式(1)によって表される。
印字累積カウント値:D=(印字完了累積カウント値d)
+(印字毎カウント値c) ・・・(1)
【0068】
印字完了累積カウント値dは、直前に印字されたページよりも前に印字が完了したページのカウント値の累積である。
【0069】
さらに、印字完了累積カウント値dは、印字が完了したジョブそれぞれのカウント値の合計をX1,X2…とし、現在印字中のジョブにおいて、直前に印字されたページより前のページのそれぞれの印字毎カウント値をY1,Y2…とすると、印字完了累積カウント値dは、下記式(2)によって表わされる。
印字完了累積カウント値:d=(X1+X2+・・・)
+(Y1+Y2+・・・) ・・・(2)
【0070】
ステップS2において、印刷累積カウントがノコ歯ライフカウント(200K)に到達していないと判断された場合は、ステップS3に進む。
【0071】
ステップS3において、印字した記録媒体の大きさとノコ歯をクリーニングした回数に基づき、ノコ歯電流値I1を補正する。
ノコ歯電流係数αは、画像形成装置毎に任意で設定可能であり、記憶部203に予め記憶されている。
【0072】
印字累積カウント値Dとノコ歯クリーニング動作回数Fにより、ノコ歯電流値I1を算出する。ノコ歯電流値I1は、記憶部203に記憶されている印字累積カウント値Dの一次式である。傾きを画像形成装置毎に応じた係数α、切片を(初期ノコ歯電流値A+(β×ノコ歯クリーニング動作回数G))で記憶部203に予め記憶されている。
初期ノコ歯電流値Aと係数βは、画像形成装置毎に応じて決定される。
【0073】
そして、補正されたノコ歯電流値I1で感光体11への放電が開始される(ステップS4)。そして、ステップS1に戻る。
【0074】
一方、ステップS2において、印刷累積カウントがノコ歯ライフカウント(200K)に到達したと判断された場合は、ステップS5に進み、ノコ歯電流値I2を900μAとして、電流値の制御は終了する。
【0075】
なお、本フローチャートは、印字累積カウントに基づくノコ歯電流値の制御の一例であり、ノコ歯53のライフ時点のノコ歯電流値やその印字累積カウント、クリーニングを実行する印字累積カウント値や、クリーニング実行回数(クリーニングローラの往復回数)は画像形成装置毎に任意で設定が可能である。
【0076】
(実施例1)
実施例1は、初期ノコ歯電流値Aを600μA、係数βを−80とした時のノコ歯電流値を示すものである。
ノコ歯電流値I1は、下記式(3)により表わされる。
ノコ歯電流値:I1=(印字累積カウント値D)×α
+(600+(−80×ノコ歯クリーニング動作回数G))μA ・・・(3)
【0077】
次に、本実施形態の帯電装置301における制御部202による印字累積カウントに基づくクリーニングゴムローラ66の動作制御についてフローチャートに基づき説明する。
【0078】
本発明に係る印字累積カウントに基づくクリーニングゴムローラ66の動作制御がスタートされると、図11に示すように、画像形成装置100において、制御部202により印字累積カウントが確認され(ステップS10)、印字累積カウントがノコ歯清掃カウンターに到達したか否かが判断される(ステップS11)。
【0079】
ステップS11において、印字累積カウント値がノコ歯清掃カウンターに達していないと判断された場合は、ステップS10に戻る。
【0080】
一方、ステップS11において、印字累積カウント値がノコ歯清掃カウンターに達していると判断された場合は、ステップS12に進む。
【0081】
ステップS12では、印字を一旦中断し、クリーニング部材保持体394を往復移動させてノコ歯53のクリーニグを行う自動清掃が1回行われる。この自動清掃は、印刷累積カウントが10Kを経過する毎に行われる。
【0082】
そして、ステップS13に進み、印字累積カウントがノコ歯ライフカウント(200K枚(1K=1000))に到達したか否かが判断される。
【0083】
ステップS13において、字累積カウントがノコ歯ライフカウントに到達していないと判断された場合は、ステップS10に戻る。
【0084】
一方、ステップS13において、字累積カウントがノコ歯ライフカウントに到達していると判断された場合は、本クリーニング制御は終了する。
【0085】
以上のように、制御部202により、印字累積カウントに基づきノコ歯電流I1を上げていき、印字累積カウントに応じてクリーニング部材保持体394の動作を制御することによって、クリーニングゴムローラ66によるノコ歯53のクリーニングを最適なタイミングで行うことができる。
【0086】
また、クリーニングが動作したタイミングでノコ歯電流を所定値まで下げることで、帯電処理により発生するオゾン量を減少でき、長期間に渡って高品位の画像を安定して得ることができる。
【0087】
また、汚染物質付着によってダメージを受ける前にノコ歯53のクリーニングを行うことができ、かつ過剰なクリーニングを防止してノコ歯53の劣化を抑えることができるので、ノコ歯53のさらなる長寿命化を図ることができる。
【0088】
次に、本実施形態の画像形成装置100に用いられる特徴的なクリーニング制御プログラムと記録媒体について説明する。
【0089】
本実施形態に係る画像形成装置100の制御部202は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0090】
CPUを用いてソフトウェアによって制御部202を実現する場合、制御部202は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(Central Processing Unit)、前記プログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)、前記プログラムおよび各種データを格納するメモリなどの記憶装置(記憶媒体)などを備える。
【0091】
そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるクリーニング制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記憶媒体を、上記画像形成装置100の制御部202に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによって、達成可能である。
【0092】
前記記憶媒体としては、たとえば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R/Blu-ray(登録商標)ディスク等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0093】
また、画像形成装置100を通信ネットワークと接続可能に構成し、通信ネットワークを介して上記プログラムコードを供給してもよい。通信ネットワークとしては、特に限定されず、たとえば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。
【0094】
また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、たとえば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0095】
このように、クリーニング制御プログラムは、本発明の画像形成装置100を動作させるためのプログラムであって、コンピュータを制御部202として機能させることによって、印字累積カウントを基にノコ歯電流値を補正し、印字累積カウントに応じてクリーニング部材保持体394の移動を制御する方法を容易に制御部202に供給することができ、また前述したクリーニング制御方法を汎用的なものにすることができる。
【0096】
以上のように構成したので、本実施形態によれば、画像形成装置100において、帯電装置301の構成として、複数のノコ歯53を感光体11の移動方向に対して略垂直方向)に配列した針電極363と、針電極363をクリーニングするクリーニングゴムローラ66と、クリーニング部材保持体394と、クリーニング部材保持体394を移動させる移動手段303とを備え、制御手段として制御部202に、印字累積カウントが増加するに連れてノコ歯電流を上げていき、クリーニングゴムローラ66によるノコ歯53のクリーニングが動作するタイミングでノコ歯電流値を所定の値に下げる機能を備えて、印字累積カウントとノコ歯53の状態に応じてノコ歯電流を下げるように制御するようにしたので、帯電装置301より発生するオゾン量を減少でき、画像ぼけ・白抜け等の画像不良を抑え高品位の画像を安定して得ることができるとともに、針電極363の長寿命化を図ることができる。
【0097】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0098】
11 感光体
53 ノコ歯
66 クリーニングゴムローラ(クリーニング部材)
100 画像形成装置
202 制御部(制御手段)
208 画像形成部(画像形成手段)
301 帯電装置(帯電手段)
302 ゴムローラ保持体
303 移動手段
362 ノコ歯保持部材
363 針電極
394 クリーニング部材保持体
c 印字毎カウント値
d 印字完了累積カウント値
D 印字累積カウント値(印字枚数の累積値)
I1,I2 ノコ歯電流値(ノコ歯に流れる電流値)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電潜像が形成される感光体に所定の電位を与えて帯電させる帯電手段と、前記帯電手段を制御する制御手段と、電子写真方式により帯電した感光体に形成された静電潜像に基づき画像を形成する画像形成手段とを備えた画像形成装置において、
前記帯電手段は、複数のノコ歯が一方向に配列された針電極と、前記複数のノコ歯の配列方向に沿って移動するとともに前記複数のノコ歯の先端部と順次接することで前記針電極をクリーニングするクリーニング部材と、前記クリーニング部材を支持するクリーニング部材保持体と、前記クリーニング部材保持体を前記複数のノコ歯の配列方向に沿って移動させる移動手段とを備え、
前記制御手段は、印字枚数の累積値が増加するに連れて前記ノコ歯に流れる電流値を上げていき、前記クリーニング部材が動作するタイミングで前記ノコ歯に流れる電流値を下げる機能を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記帯電手段は、前記感光体に対して前記ノコ歯が略垂直となるように前記ノコ歯を保持するベース面を有するベース部と前記複数のノコ歯の配列方向に沿って略平行に前記ノコ歯を保持する保持部とを設けて前記針電極を保持する電極保持部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ノコ歯に流れる電流値は、各印字枚数の累積値に応じて画質の安定化が可能な前記感光体の表面電位に帯電させるのに必要な電流量と、各印字枚数の累積値に予め関連付けられた補正係数とに基づいて求められることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
静電潜像が形成される感光体に所定の電位を与えて帯電させる帯電手段と、前記帯電手段を制御する制御手段と、電子写真方式により帯電した感光体に形成された静電潜像に基づき画像を形成する画像形成手段とを備えた画像形成装置における、前記帯電手段の電極をクリーニング部材によりクリーニングする工程を備えて、前記クリーニング部材の動作を制御するクリーニング制御方法であって、
前記クリーニング部材を、複数のノコ歯が一方向に配列された電極のノコ歯の配列方向に沿って前記複数のノコ歯の先端部と順次接しながら移動する工程と、
印字枚数の累積値が増加するに連れて前記ノコ歯に流れる電流値を上げていく工程と、
前記クリーニング部材が動作するタイミングで前記ノコ歯に流れる電流値を下げる工程と、
を備えることを特徴とするクリーニング制御方法。
【請求項1】
静電潜像が形成される感光体に所定の電位を与えて帯電させる帯電手段と、前記帯電手段を制御する制御手段と、電子写真方式により帯電した感光体に形成された静電潜像に基づき画像を形成する画像形成手段とを備えた画像形成装置において、
前記帯電手段は、複数のノコ歯が一方向に配列された針電極と、前記複数のノコ歯の配列方向に沿って移動するとともに前記複数のノコ歯の先端部と順次接することで前記針電極をクリーニングするクリーニング部材と、前記クリーニング部材を支持するクリーニング部材保持体と、前記クリーニング部材保持体を前記複数のノコ歯の配列方向に沿って移動させる移動手段とを備え、
前記制御手段は、印字枚数の累積値が増加するに連れて前記ノコ歯に流れる電流値を上げていき、前記クリーニング部材が動作するタイミングで前記ノコ歯に流れる電流値を下げる機能を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記帯電手段は、前記感光体に対して前記ノコ歯が略垂直となるように前記ノコ歯を保持するベース面を有するベース部と前記複数のノコ歯の配列方向に沿って略平行に前記ノコ歯を保持する保持部とを設けて前記針電極を保持する電極保持部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ノコ歯に流れる電流値は、各印字枚数の累積値に応じて画質の安定化が可能な前記感光体の表面電位に帯電させるのに必要な電流量と、各印字枚数の累積値に予め関連付けられた補正係数とに基づいて求められることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
静電潜像が形成される感光体に所定の電位を与えて帯電させる帯電手段と、前記帯電手段を制御する制御手段と、電子写真方式により帯電した感光体に形成された静電潜像に基づき画像を形成する画像形成手段とを備えた画像形成装置における、前記帯電手段の電極をクリーニング部材によりクリーニングする工程を備えて、前記クリーニング部材の動作を制御するクリーニング制御方法であって、
前記クリーニング部材を、複数のノコ歯が一方向に配列された電極のノコ歯の配列方向に沿って前記複数のノコ歯の先端部と順次接しながら移動する工程と、
印字枚数の累積値が増加するに連れて前記ノコ歯に流れる電流値を上げていく工程と、
前記クリーニング部材が動作するタイミングで前記ノコ歯に流れる電流値を下げる工程と、
を備えることを特徴とするクリーニング制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−113975(P2013−113975A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−258951(P2011−258951)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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