説明

画像形成装置およびプログラム

【課題】搭載されるメモリの容量を低減可能な画像形成装置およびプログラムを提供する。
【解決手段】画像形成装置は、クライアント装置(2,9)から受信した印刷データの記述言語を特定する特定部42と、特定部42で特定された記述言語で記述された印刷データを画像形成用データに変換するためのプログラムをサーバ装置5から取得する取得部43と、取得部43で取得されたプログラムを記憶する第1記憶部32と、第1記憶部32に記憶されたプログラムを実行して、印刷データを画像形成用データに変換する変換部44と、変換部44で変換された画像形成用データに基づいて印刷を行うエンジン50と、エンジン50による印刷が行われた後、所定の条件が成立したときに、プログラムを第1記憶部32から削除する削除部47と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数種類の記述言語の各々に対応し、当該記述言語で記述された印刷データを画像形成用データに変換するための複数のプログラムが記憶されたメモリを備えるプリンタが知られている。
【0003】
例えば特許文献1に開示されたプリンタでは、ホストから受信した印刷データの記述言語に対応するプログラムがメモリ(プリンタの内部メモリ)から読み出され、その読み出されたプログラムが実行されることで、当該受信した印刷データは画像形成用データに変換される。そして、その変換された画像形成用データに基づいて印刷が行われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、複数種類の記述言語の各々に対応するプログラムがプリンタの内部メモリに記憶されるので、当該内部メモリに必要とされる容量が増大するという問題がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、搭載されるメモリの容量を低減可能な画像形成装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、ネットワークを介してクライアント装置およびサーバ装置の各々と接続される画像形成装置であって、複数種類の記述言語のうちの何れかの記述言語で記述された印刷データを前記クライアント装置から受信する受信部と、前記受信部で受信された前記印刷データを記述している記述言語を特定する特定部と、前記特定部で特定された記述言語によって記述された前記印刷データを画像形成用データに変換するためのプログラムを前記サーバ装置から取得する取得部と、前記取得部で取得された前記プログラムを記憶する第1記憶部と、前記第1記憶部に記憶された前記プログラムを実行して、前記印刷データを前記画像形成用データに変換する変換部と、前記変換部で変換された前記画像形成用データに基づいて、媒体上に画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部による画像形成が行われた後、所定の条件が成立したときに、前記プログラムを前記第1記憶部から削除する削除部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明のプログラムは、複数種類の記述言語のうちの何れかで記述された印刷データを画像形成用データに変換するための複数のプログラムが記憶された記憶部から、ネットワークを介してサーバ装置と接続された画像形成装置が要求する前記プログラムを読み出す第1ステップと、前記第1ステップで読み出した前記プログラムを前記画像形成装置へ送信する第2ステップと、前記第2ステップで送信した前記プログラムの継続利用の要求を前記画像形成装置から受信する第3ステップと、前記第3ステップで継続利用が要求された前記プログラムの送信数と、しきい値とを比較する第4ステップと、前記第4ステップにおいて、前記プログラムの送信数がしきい値以上のときは、前記画像形成装置に対して、当該プログラムの削除を要求する第5ステップと、を前記サーバ装置に実行させるためのプログラムである。
【0008】
また、本発明のプログラムは、ネットワークを介してクライアント装置およびサーバ装置の各々に接続される画像形成装置に、前記クライアント装置から受信した複数種類の記述言語のうちの何れかの記述言語で記述された印刷データを受信する第1ステップと、前記受信ステップで受信された前記印刷データを記述している記述言語を特定する第2ステップと、前記第2ステップで特定された記述言語によって記述された前記印刷データを画像形成用データに変換するためのプログラムを前記サーバ装置から取得する第3ステップと、前記第3ステップで取得された前記プログラムを記憶装置に記憶する第4ステップと、前記第4ステップで前記記憶装置に記憶された前記プログラムを実行して、前記印刷データを画像形成用データに変換する第5ステップと、前記第5ステップで変換された前記画像形成用データに基づき媒体上に画像形成を行った後、所定の条件が成立したときに、前記プログラムを前記記憶装置から削除する第6ステップと、を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、搭載されるメモリの容量を低減可能な画像形成装置およびプログラムを提供できるという有利な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、実施形態に係る画像形成システムの概略構成の一例を示すブロック図である。
【図2】図2は、プリンタとサーバ装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】図3は、PJL情報の一例を示す図である。
【図4】図4は、プリンタが実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】図5は、サーバ装置の処理動作の一例を示すフローチャートである。
【図6】図6は、サーバ装置の処理動作の一例を示すフローチャートである。
【図7】図7は、利用ログの一例を示す図である。
【図8】図8は、画像形成装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る画像形成装置およびプログラムの一実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、画像形成装置として、プリンタ機能を有するプリンタと、プリンタ機能に加え、スキャナ機能、コピー機能、及びファクシミリ機能の少なくともいずれかの機能を有する複合機(MFP:Multifunction Peripheral)を例に挙げて説明するが、これに限られるものではない。
【0012】
図1は、本実施形態に係る画像形成システム100の概略構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、画像形成システム100は、複合機1と、クライアント装置であるPC(Personal Computer)2と、複数のプリンタ3,4と、サーバ装置5とを備え、それぞれがLAN(Local Area Network)6を介して接続されている。LAN6は、ルータ7を介してインターネット8に接続されている。LAN6により接続された各装置は、インターネット8を介して外部の装置(例えばPC9)と通信可能である。各装置は、TCP/IPプロトコルに従って他の装置と通信を行う。また、複合機1は、PSTN(public switched telephone network)/ISDN網10に接続されている。
【0013】
図2は、本実施形態のプリンタ3とサーバ装置5の構成の一例を示すブロック図である。なお、図2ではプリンタ3のみの構成を例示しているが、図1の複合機1およびプリンタ4も同様の構成を有している。図2に示すように、プリンタ3は、通信部20と、記憶部30と、制御部40と、エンジン50とを有する。
【0014】
通信部20は、LANやインターネットなどのネットワーク(通信網)を介して、サーバ装置5などの他の装置と通信する手段であり、通信インタフェースなどの通信装置で構成される。また、通信部20は、図1のPC2,9などから印刷データを受信可能である。
【0015】
記憶部30は、各種データを記憶する。記憶部30は、例えばHDD(Hard Disk Drive)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などの磁気的、光学的、または電気的に記憶可能な記憶装置のうちの少なくとも何れかで構成される。記憶部30は、第1記憶部32と第2記憶部34を含む。詳細な内容は後述するが、第1記憶部32は、サーバ装置5から取得したプログラムを記憶する。第2記憶部34は、通信部20で受信した印刷データを記憶する。
【0016】
制御部40は、プリンタ3の各部を制御する手段であり、CPU(Central Processing Unit)などの制御装置で構成される。制御部40が有する機能としては、印刷データ管理部41、特定部42、取得部43、変換部44、印刷制御部45、要求部46、削除部47、条件判定部48などがある。これらの機能は、制御部40が制御プログラムを実行することにより実現される。
【0017】
印刷データ管理部41は、通信部20で印刷データを受信したときに、その受信した印刷データを第2記憶部34に書き込む。特定部42は、第2記憶部34に記憶された印刷データを読み出し、その読み出した印刷データを記述している記述言語を特定する。本実施形態では、印刷データは、複数種類の記述言語のうちの何れかの記述言語で記述されたPDLデータと、印刷データに関する情報を示すPJL情報とを含む。図3は、PJL情報の一例を示す図である。PJL情報には、印刷データを記述している記述言語の種類を示す情報、当該記述言語のバージョンを示す情報、印刷が行われるプリンタの機種を示す情報、フォントを示す情報が含まれる。図3に示す「@PJL ENTER LANGUAGE=“PCL”」は、印刷データを記述している記述言語の種類は「PCL」であることを示す情報である。また、図3に示す「@PJL LANGUAGE VERSION=“1.00”」は、印刷データを記述している記述言語(ここではPCL)のバージョンが「1.00」であることを示す情報である。また、図3に示す「@PJL MACHINE NAME=“A”」は、印刷が行われるプリンタの機種が「A」であることを示す情報である。さらに、図3に示す「@PJL FONT VERSION=“1.00”」は、フォントのバージョンが「1.00」であることを示す情報である。
【0018】
特定部42は、印刷データに含まれるPJL情報を解析して、印刷データを記述している記述言語の種類、当該記述言語のバージョン情報、印刷が行われるプリンタの機種を示す機種情報、フォント情報を特定する。
【0019】
図2に示す取得部43は、特定部42で特定された記述言語によって記述された印刷データを画像形成用データに変換するためのプログラムをサーバ装置5から取得し、その取得したプログラムを第1記憶部32に書き込む。変換部44は、第1記憶部32に記憶されたプログラムを実行して、印刷データを画像形成用データに変換する。
【0020】
印刷制御部45は、変換部44で変換された画像形成用データに基づいて、記録紙などの媒体上に画像を形成する画像形成動作(印刷)を実行するようにエンジン50を制御する。要求部46は、エンジン50による印刷の終了後、サーバ装置5に対して、取得部43が取得したプログラムの継続利用を要求する。削除部47は、エンジン50による印刷の終了後、所定の条件が成立したときに、当該印刷が行われた印刷データの変換(画像形成用データへの変換)に用いられたプログラムを第1記憶部32から削除する。詳細な内容については後述する。条件判定部48は、削除部47による削除の実行条件(削除条件)が記載された削除条件リストを参照して、削除部47による削除が実行されるか否かを判定する。削除条件リストは、制御部40のRAMなどに保存される。
【0021】
一方、図2に示すように、サーバ装置5は、通信部60と、記憶部70と、制御部80とを有する。通信部60は、LAN6やインターネット8などのネットワークを介して、プリンタ3などの他の装置と通信する手段であり、通信インタフェースなどの通信装置で構成される。
【0022】
記憶部70は、サーバ装置5で実行される各種プログラムや各種データなどを記憶する。記憶部70は、例えばHDD(Hard Disk Drive)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などの磁気的、光学的、または電気的に記憶可能な記憶装置のうちの少なくとも何れかで構成される。記憶部70は、第3記憶部72と第4記憶部74とを含む。第3記憶部72は、複数種類の記述言語のうちの何れかで記述された印刷データを画像形成用データに変換するための複数のプログラムを記憶する。本実施形態では、第3記憶部72は、記述言語の種類と、当該記述言語のバージョン情報と、機種情報と、フォント情報とが対応付けられた情報ごとに、対応するプログラムを記憶する。第4記憶部74は、プリンタ3から継続利用が要求されたプログラムの継続利用の可否を判定するための利用ログを記憶する。詳細な内容については後述する。
【0023】
制御部80は、サーバ装置5の各部を制御する手段であり、CPU(Central Processing Unit)などで構成される。制御部80が有する機能としては、プログラム管理部82、継続利用判定部84などがある。これらの機能は、制御部80が記憶部70に記憶された制御プログラムを実行することにより実現される。
【0024】
プログラム管理部82は、プリンタ3からプログラムの取得を要求されたときに、当該プログラムが第3記憶部72に存在するか否かを判定する。プログラム管理部82は、当該プログラムが第3記憶部72に存在する場合は、当該プログラムをプリンタ3へ送信する一方、当該プログラムが第3記憶部72に存在しない場合は、印刷のキャンセル(取り消し)を指示するキャンセル応答をプリンタ3へ送信する。
【0025】
継続利用判定部84は、プリンタ3から、プログラムの継続利用を要求されたときに、第4記憶部74に記憶された後述の利用ログを参照して、当該プログラムの継続利用の可否を判定する。詳細な内容については後述する。
【0026】
図4は、プリンタ3が実行する一連の処理の一例を示すフローチャートである。ここでは、通信部20で受信した印刷データが第2記憶部34に記憶されていることを前提とする。まず、特定部42は、第2記憶部34に記憶されている印刷データを読み出す(ステップS1)。次に、特定部42は、その読み出した印刷データを記述している記述言語を特定する(ステップS2)。より具体的には、特定部42は、印刷データに含まれるPJL情報(図3参照)を解析して、印刷データを記述している記述言語の種類、当該記述言語のバージョン情報、印刷が行われるプリンタの機種を示す機種情報、フォント情報を特定する。
【0027】
次に、取得部43は、特定部42で特定した記述言語に対応するプログラム(読み出した印刷データを画像形成用データに変換するためのプログラム)が、第1記憶部32に存在するか否かを判定する(ステップS3)。当該プログラムが第1記憶部32に存在しない場合、取得部43は、当該プログラムの取得をサーバ装置5に要求する(ステップS4)。本実施形態では、取得部43は、プログラムの取得を要求するリクエスト信号として、特定部42によるPJL情報の解析結果(記述言語の種類、当該記述言語のバージョン情報、機種情報およびフォント情報)を、サーバ装置5に送信するように通信部20を制御する。一方、上述のステップS3において、当該プログラムが第1記憶部32に存在する場合、処理は後述のステップS7に移行する。
【0028】
図5は、上述のリクエスト信号を受信したサーバ装置5の処理動作の一例を示すフローチャートである。まずプログラム管理部82は、プリンタ3からリクエスト信号を受信したか否かを判定する(ステップS21)。通信部60でリクエスト信号を受信したとき(ステップS21の結果:肯定)、プログラム管理部82は、そのリクエスト信号に対応するプログラムが第3記憶部72に存在するか否かを判定する(ステップS22)。リクエスト信号に対応するプログラムが第3記憶部72に存在する場合、プログラム管理部82は、当該プログラムを第3記憶部72から読み出す。そして、その読み出したプログラムをプリンタ3へ送信するように通信部60を制御する(ステップS23)。
【0029】
上述のステップS22において、リクエスト信号に対応するプログラムが第3記憶部72に存在しない場合、プログラム管理部82は、キャンセル応答をプリンタ3へ送信するように通信部60を制御する(ステップS24)。
【0030】
再び図4に戻って説明を続ける。図4のステップS4の後、サーバ装置5からプログラムを受信したとき(ステップS5の結果:肯定)、取得部43は、その受信したプログラムを第1記憶部32に登録する(ステップS6)。次に、変換部44は、ステップS6で第1記憶部32に登録されたプログラムを読み出し、その読み出したプログラムを実行して、上述のステップS1で読み出した印刷データを画像形成用データに変換する(ステップS7)。そして、印刷制御部45は、変換部44で変換した画像形成用データに基づいて印刷を実行するように、エンジン50を制御する(ステップS8)。
【0031】
一方、図4のステップS4の後、サーバ装置5からプログラムを受信せずに(ステップS5の結果:否定)、キャンセル応答を受信したときは(ステップS9の結果:肯定)、上述のステップS1で読み出された印刷データの印刷はキャンセルされ(ステップS10)、当該印刷データは破棄される。
【0032】
上述のステップS8の印刷が終了した後(ステップS11の結果:肯定)、要求部46は、当該印刷で利用したプログラムの継続利用を要求する継続利用要求信号をサーバ装置5に送信するように、通信部20を制御する(ステップS12)。
【0033】
図6は、上述の継続利用要求情報を受信したサーバ装置5の処理動作の一例を示すフローチャートである。まず継続利用判定部84は、継続利用要求信号を受信したか否かを判定する(ステップS31)。通信部60で継続利用要求信号を受信したとき(ステップS31の結果:肯定)、継続利用判定部84は、第4記憶部74に記憶された利用ログを参照して、継続利用が要求されたプログラムの継続利用の可否を判断する。より具体的には以下のとおりである。
【0034】
図7は、利用ログの一例を示す図である。図7の例では、利用ログには、記述言語の種類、当該記述言語のバージョン情報、機種情報、フォント情報に対応するプログラムごとに、第3記憶部72に保持されていた当該プログラムの元の数を示す保持数、および、他のプリンタで現在使用されている当該プログラムの数を示す使用数(当該プログラムの送信数)が記録されている。本実施形態では、通信部60で継続利用要求信号を受信したとき(図6のステップS31の結果:肯定)、継続利用判定部84は、図7に示す利用ログを参照して、継続利用が要求されたプログラムの使用数(送信数)と、保持数とを比較する(図6のステップS32)。
【0035】
上述のステップS32において、継続利用が要求されたプログラムの使用数が保持数以上である場合、継続利用判定部84は、当該プログラムの継続利用は不可能であると判定し、当該プログラムの削除を要求する削除要求をプリンタ3へ送信するように通信部60を制御する(ステップS34)。一方、上述のステップS32において、継続利用が要求されたプログラムの使用数が保持数を下回る場合、継続利用判定部84は、当該プログラムの継続利用は可能であると判定し、当該プログラムの継続利用を許可する許可通知をプリンタ3へ送信するように通信部60を制御する(ステップS35)。
【0036】
再び図4に戻って説明を続ける。図4に示すように、上述のステップS12の後、サーバ装置5から上述の削除要求を受信したとき(ステップS13の結果:肯定)、削除部47は、継続利用を要求したプログラムを第1記憶部32から削除し(ステップS14)、一連の処理が終了する。
【0037】
一方、上述のステップS12の後、サーバ装置5から上述の削除信号を受信せずに(ステップS13の結果:否定)、上述の許可通知を受信したとき(ステップS15の結果:肯定)、条件判定部48は、削除条件リストを参照して、削除条件が成立しているか否かを判定する(ステップS16)。
【0038】
削除条件リストに記載された削除条件は任意に設定可能である。例えば所定の時刻(予め定められた印刷可能な時刻など)を経過した場合に削除部47による削除が実行されてもよいし、プリンタ3が節電状態に移行する場合に削除部47による削除が実行されてもよいし、次の印刷データの記述言語が、直前の印刷データの記述言語と異なる場合に削除部47による削除が実行されてもよい。また、これらの条件を任意に組み合わせて削除条件を設定することもできる。また、ユーザーは、例えばプリンタ3の操作部(不図示)を操作することにより、削除条件リストの記載内容を可変に設定することができる。
【0039】
上述のステップS16において、削除条件が成立したと判定された場合は(ステップS16の結果:肯定)、処理は上述のステップS14に移行し、削除部47は、継続利用が許可されたプログラムを第1記憶部32から削除する。一方、上述のステップS16において、削除条件が成立していないと判定された場合は(ステップS16の結果:否定)、削除部47による削除は実行されず、一連の処理が終了する。
【0040】
以上に説明したように、本実施形態のプリンタ3は、受信した印刷データの記述言語に対応するプログラムをサーバ装置5から取得し、その取得したプログラムを実行して、当該印刷データを画像形成用データに変換する。そして、その変換した画像形成用データに基づいて印刷を行い、当該印刷後、所定の条件が成立したときに、サーバ装置5から取得したプログラムを第1記憶部32から削除するので、プリンタ3に搭載されるメモリの容量が増大することを抑制できるという有利な効果を奏する。
【0041】
なお、上述の実施形態の各プリンタ、複合機1およびサーバ装置5で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供されるが、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記録して提供することもできる。
【0042】
さらに、上述の実施形態の各プリンタ、複合機1およびサーバ装置5で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供することもできる。また、上述の実施形態の各プリンタ、複合機1およびサーバ装置5で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布することもできる。
【0043】
上述の実施形態の各プリンタ、複合機1およびサーバ装置5で実行されるプログラムは、上述した各部をコンピュータ上で実現させるためのモジュール構成となっている。実際のハードウェアとしてはCPUがROMからプログラムをRAM上に読み出して実行することにより、上記各部がコンピュータ上で実現される。
【0044】
図8は、本実施形態に係るプリンタ(複合機)のハードウェア構成例を示すブロック図である。本図に示すように、このプリンタは、コントローラボード110とエンジン(Engine)50とをPCI(Peripheral Component Interface)バスで接続した構成となる。コントローラボード110は、プリンタ全体の制御と描画、通信、図示しない操作部からの入力を制御する手段である。エンジン50は、PCIバスに接続可能なプリンタエンジンなどであり、たとえば白黒プロッタ、1ドラムカラープロッタ、4ドラムカラープロッタ、スキャナまたはファックスユニットなどである。なお、このエンジン50には、プロッタなどのいわゆるエンジン部分に加えて、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれる。
【0045】
コントローラボード110は、CPU11と、ノースブリッジ(NB)13と、システムメモリ(MEM−P)12と、サウスブリッジ(SB)14と、ローカルメモリ(MEM−C)17と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)16と、ハードディスクドライブ(HDD)18とを有し、ノースブリッジ(NB)13とASIC16との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス15で接続した構成となる。また、MEM−P12は、ROM(Read Only Memory)12aと、RAM(Random Access Memory)12bと、をさらに有する。
【0046】
CPU11は、プリンタの全体制御をおこなうものであり、NB13、MEM−P12およびSB14からなるチップセットを有し、このチップセットを介して他の機器と接続される。
【0047】
NB13は、CPU11とMEM−P12、SB14、AGP15とを接続するためのブリッジであり、MEM−P12に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCIマスタおよびAGPターゲットとを有する。
【0048】
MEM−P12は、プログラムやデータの格納用メモリ、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いるシステムメモリであり、ROM12aとRAM12bとからなる。ROM12aは、プログラムやデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリであり、RAM12bは、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いる書き込みおよび読み出し可能なメモリである。
【0049】
ここでは、CPU11は、図2の制御部40に対応する。CPU11がROM12aから制御プログラムをRAM12b上に読み出して実行することにより、図2で説明した各部(41、42、43、44、45、46、47、48)の機能が実現される。また、ハードディスクドライブ18は、図2の記憶部30に対応する。なお、これに限らず、MEM−P12が図2の記憶部30に対応してもよいし、ローカルメモリ(MEM−C)17が図2の記憶部30に対応してもよい。
【0050】
SB14は、NB13とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。このSB14は、PCIバスを介してNB13と接続されており、このPCIバスには、ネットワークインターフェース(I/F)部(図2の通信部20に対応)なども接続される。
【0051】
ASIC16は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGP15、PCIバス、HDD18およびMEM−C17をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC16は、PCIターゲットおよびAGPマスタと、ASIC16の中核をなすアービタ(ARB)と、MEM−C17を制御するメモリコントローラと、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などをおこなう複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)と、エンジン50との間でPCIバスを介したデータ転送をおこなうPCIユニットとからなる。このASIC16には、PCIバスを介してFCU(Facsimile Control Unit)130、USB(Universal Serial Bus)140、IEEE1394(the Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)インタフェース150が接続される。操作表示部160はASIC16に直接接続されている。
【0052】
MEM−C17は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリであり、HDD(Hard Disk Drive)18は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。AGP15は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレーターカード用のバスインターフェースであり、MEM−P12に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレーターカードを高速にするものである。
【0053】
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0054】
1 複合機
2 PC
3 プリンタ
4 プリンタ
5 サーバ装置
6 LAN
7 ルータ
8 インターネット
9 PC
10 PSTN/ISDN網
20 通信部
30 記憶部
32 第1記憶部
34 第2記憶部
40 制御部
41 印刷データ管理部
42 特定部
43 取得部
44 変換部
45 印刷制御部
46 要求部
47 削除部
48 条件判定部
50 エンジン
60 通信部
70 記憶部
72 第3記憶部
74 第4記憶部
80 制御部
82 プログラム管理部
84 継続利用判定部
100 画像形成システム
【先行技術文献】
【特許文献】
【0055】
【特許文献1】特開2009−220457号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介してクライアント装置およびサーバ装置の各々と接続される画像形成装置であって、
複数種類の記述言語のうちの何れかの記述言語で記述された印刷データを前記クライアント装置から受信する受信部と、
前記受信部で受信された前記印刷データを記述している記述言語を特定する特定部と、
前記特定部で特定された記述言語によって記述された前記印刷データを画像形成用データに変換するためのプログラムを前記サーバ装置から取得する取得部と、
前記取得部で取得された前記プログラムを記憶する第1記憶部と、
前記第1記憶部に記憶された前記プログラムを実行して、前記印刷データを前記画像形成用データに変換する変換部と、
前記変換部で変換された前記画像形成用データに基づいて、媒体上に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部による画像形成が行われた後、所定の条件が成立したときに、前記プログラムを前記第1記憶部から削除する削除部と、を備える、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記画像形成部による画像形成が行われた後、前記サーバ装置に対して、前記取得部が取得した前記プログラムの継続利用を要求する要求部と、
前記要求部の要求に対する応答として、前記要求部が継続利用を要求した前記プログラムの削除を要求する削除要求を、前記サーバ装置から受信する削除要求受信部と、を備え、
前記削除部は、前記削除要求受信部で前記削除要求を受信したときに、前記要求部が継続利用を要求した前記プログラムを前記第1記憶部から削除する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記受信部で受信した前記印刷データを記憶する第2記憶部を備え、
前記特定部は、前記画像形成部による画像形成が終了するたびに、前記第2記憶部に記憶された前記印刷データを順次に読み出し、その読み出した前記印刷データの記述言語を特定し、
前記削除部は、前記特定部で特定された記述言語が、直前の画像形成において前記特定部が特定した記述言語と異なる場合は、当該直前の画像形成において前記取得部が取得した前記プログラムを前記第1記憶部から削除する、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記削除部は、前記画像形成部による画像形成が行われた後、所定の時刻を経過した場合は、前記取得部が取得した前記プログラムを前記第1記憶部から削除する、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記削除部は、前記画像形成部による画像形成が行われた後、前記画像形成装置が節電状態に移行する場合は、前記取得部が取得した前記プログラムを前記第1記憶部から削除する、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置。
【請求項6】
複数種類の記述言語のうちの何れかで記述された印刷データを画像形成用データに変換するための複数のプログラムが記憶された記憶部から、ネットワークを介してサーバ装置と接続された画像形成装置が要求する前記プログラムを読み出す第1ステップと、
前記第1ステップで読み出した前記プログラムを前記画像形成装置へ送信する第2ステップと、
前記第2ステップで送信した前記プログラムの継続利用の要求を前記画像形成装置から受信する第3ステップと、
前記第3ステップで継続利用が要求された前記プログラムの送信数と、しきい値とを比較する第4ステップと、
前記第4ステップにおいて、前記プログラムの送信数がしきい値以上のときは、前記画像形成装置に対して、当該プログラムの削除を要求する第5ステップと、を前記サーバ装置に実行させるためのプログラム。
【請求項7】
ネットワークを介してクライアント装置およびサーバ装置の各々に接続される画像形成装置に、
前記クライアント装置から受信した複数種類の記述言語のうちの何れかの記述言語で記述された印刷データを受信する第1ステップと、
前記受信ステップで受信された前記印刷データを記述している記述言語を特定する第2ステップと、
前記第2ステップで特定された記述言語によって記述された前記印刷データを画像形成用データに変換するためのプログラムを前記サーバ装置から取得する第3ステップと、
前記第3ステップで取得された前記プログラムを記憶装置に記憶する第4ステップと、
前記第4ステップで前記記憶装置に記憶された前記プログラムを実行して、前記印刷データを画像形成用データに変換する第5ステップと、
前記第5ステップで変換された前記画像形成用データに基づき媒体上に画像形成を行った後、所定の条件が成立したときに、前記プログラムを前記記憶装置から削除する第6ステップと、を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−171219(P2012−171219A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−35681(P2011−35681)
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】