説明

画像形成装置および処理プログラム

【課題】多値復元の精度を向上させることのできる画像処理装置を提供する。
【解決手段】オブジェクトの属性毎に、各オブジェクトを識別する識別情報を付与された画素としての画像情報に基づいてオブジェクトを識別する識別手段と、二値化された画像情報について、注目画素を中心としたM×N(MおよびNは整数)マトリックスの平均化フィルタにより多値復元処理を実行する多値復元手段とを備え、多値復元手段は、注目画素を中心としたM×Nマトリックスの平均化フィルタによって多値復元する際に、識別手段で識別されるM×Nマトリックス内における注目画素に対応するオブジェクトの属性に応じて、M×Nマトリックス内で当該オブジェクトと同じ属性の画素のみを参照して多値復元処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置および処理プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、ファクシミリ信号のような二値画像を多値化して高画質描画を実現する目的、あるいはメモリ容量の削減を目的に多値データを二値化して圧縮、記憶し、印刷出力時に多値復元するような多値化手法が提案されている。
【0003】
例えば、特開平9−51431号公報には、文字、線画領域とそれ以外の領域を判別し、文字、線画領域は単純多値化し、それ以外はアベレージフィルタ(平均化フィルタ)による多値化を実施することにより、文字、線画領域の多値復元時のエッジの不鮮明さを改善する技術が開示されている。
【0004】
また、文字、線画領域以外の多値復元において、アベレージフィルタの対象画素から文字、線画領域画素を除いた画像データを対象として、フィルタリングして多値復元することで、エッジ近傍の不鮮明さをさらに改善する技術も開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−51431号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、多値復元の精度を向上させることのできる画像処理装置および処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、請求項1の発明に係る画像処理装置は、オブジェクトの属性毎に、各オブジェクトを識別する識別情報を付与された画素としての画像情報に基づいてオブジェクトを識別する識別手段と、二値化された画像情報について、注目画素を中心としたM×N(MおよびNは整数)マトリックスの平均化フィルタにより多値復元処理を実行する多値復元手段とを備え、前記多値復元手段は、注目画素を中心とした前記M×Nマトリックスの平均化フィルタによって多値復元する際に、前記識別手段で識別される前記M×Nマトリックス内における注目画素に対応するオブジェクトの属性に応じて、前記M×Nマトリックス内で当該オブジェクトと同じ属性の画素のみを参照して多値復元処理を実行することを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明に係る画像処理装置は、請求項1に記載の発明について、前記多値復元手段は、二値化された画像情報を入力する入力手段と、該入力手段から入力された前記二値化された画像情報について、注目画素を中心としたM×N(MおよびNは整数)にブロック化したマトリックスを生成する生成手段と、前記平均化フィルタにより多値復元に関する演算処理を行う演算手段とを備え、前記識別手段は、前記識別情報に基づいて、前記生成手段で生成したM×Nのマトリックス内における注目画素と同じ属性を有する画素の抽出を行う抽出手段を備え、前記演算手段は、前記抽出手段で抽出された画素に基づく平均化フィルタ処理を実行して、多値復元画像を出力することを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明に係る画像処理装置は、請求項2に記載の発明について、前記入力手段で入力された前記二値化された画像情報を圧縮して格納する格納手段をさらに備えることを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明に係る画像処理プログラムは、オブジェクトの属性毎に、各オブジェクトを識別する識別情報を付与された画素としての画像情報に基づいてオブジェクトを識別する識別過程と、二値化された画像情報について、注目画素を中心としたM×N(MおよびNは整数)マトリックスの平均化フィルタにより多値復元する多値復元過程とを有し、前記多値復元過程は、注目画素を中心とした前記M×Nマトリックスの平均化フィルタによって多値復元する際に、前記識別過程で識別される前記M×Nマトリックス内における注目画素に対応するオブジェクトの属性に応じて、前記M×Nマトリックス内で当該オブジェクトと同じ属性の画素のみを参照して多値復元処理を演算手段に実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば以下の効果を奏することができる。
【0012】
すなわち、請求項1に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、種々の属性(例えば、テキスト、グラフィック、イメージなどの属性)のオブジェクトについて多値復元の精度を向上させる画像処理装置を提供することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、種々の属性のオブジェクトについて高精度の多値復元処理を実現できる画像処理装置を提供することができる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、種々の属性のオブジェクトについて高精度の多値復元処理を具体的に実現できる画像処理装置を提供することができる。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、メモリ容量を低減できる画像処理装置を提供することができる。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、種々の属性のオブジェクトについて多値復元の精度を向上させる画像処理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施の形態に係る画像処理装置の機能構成を示す機能ブロック図である。
【図2】属性とオブジェクトタグの対応例を示す表である。
【図3】実施の形態に係る画像処理装置における画像処理の概要を示すブロック図である。
【図4】実施の形態に係る画像処理装置における多値復元処理の概要を示すブロック図である。
【図5】比較対象としての多値復元の具体例を示す説明図である。
【図6】比較対象としての多値復元の他の具体例を示す説明図である。
【図7】比較対象としての多値復元の他の具体例を示す説明図である。
【図8】実施の形態に係る画像処理装置による多値復元の具体例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一例としての実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。ここで、添付図面において同一の部材には同一の符号を付しており、また、重複した説明は省略されている。なお、ここでの説明は本発明が実施される最良の形態であることから、本発明は当該形態に限定されるものではない。
【0019】
図1から図8を参照して、本発明についての実施の形態に係るプリンタとしての画像処理装置PR1(以下、プリンタPR1と記す)について説明する。
【0020】
まず、図1の機能ブロックを参照して、本実施の形態に係るプリンタPR1の機能構成例について説明する。
【0021】
プリンタPR1は、プリンタ記述言語(PDL)を解釈してラスター画像データを生成するとともに、前記生成された文字(テキストデータ、フォントデータ等)、写真(ビットマップデータ)、グラフィック(ベクターデータ)などのオブジェクトの属性(例えば、前記文字、写真、グラフィックなどの属性)毎に、各オブジェクトを識別するオブジェクトタグ(識別情報の一例)を画素毎に付与するPDL処理部351と、前記ラスターデータに各種画像処理を施し、二値データ(二値化された画像情報)を生成する第1の画像処理部352と、2値化された画像情報について、注目画素を中心としたM×N(MおよびNは整数)マトリックスの平均化フィルタ(アベレージフィルタ)により多値復元処理を実行する多値復元処理部300(多値復元手段の一例)と、前記多値復元処理部300内で前記PDL処理部351にて付与されたオブジェクトタグにより画素毎にオブジェクトを識別するオブジェクトタグ識別部100(識別手段の一例)と、再スクリーン処理を行う第2の画像処理部361および印刷用紙等に画像を形成する画像形成部400とを備える。
【0022】
なお、PDLデータの生成および送信は、例えばプリンタPR1にLAN等のネットワークNを介して接続されるパーソナルコンピュータやホストコンピュータ等の情報処理装置(外部装置)PC1で行われる。
【0023】
ここで、オブジェクトタグとは、画像データに対して1画素毎に付与されるオブジェクトの属性(種類)を示すデータである。
【0024】
特には限定されないが、例えば図2に示すように、文字データにはオブジェクトタグ「00」を、写真データにはオブジェクトタグ「01」を、グラフィックデータにはオブジェクトタグ「10」を付与するようにしてもよい。
【0025】
また、一般的にデジタル化された画像は、1画素の輝度を8ビット(0〜255)の階調で表現されるが、この様な画像データは多値画像データと呼称されている。
【0026】
一方、1画素の輝度が1ビット(0または1)の階調で表現した画像データを二値画像データと呼称している。
【0027】
そして、本発明では、多値画像データを二値画像データに変換する処理を二値化と呼び、二値画像データを多値画像データに復元する処理を多値復元処理又は多値化と呼んでいる。
【0028】
さらに、平均化フィルタ(アベレージフィルタ)とは、空間フィルタリング処理の一種であり、対象となる画素である注目画素およびこの注目画素の周囲に存在する周囲画素のデジタル画像データを平均化するものである。
【0029】
ここで、前記多値復元処理部300は、注目画素を中心としたM×Nマトリックスの平均化フィルタによって多値復元する際に、オブジェクトタグ識別部100で識別されるM×Nマトリックス内における注目画素に対応するオブジェクトの属性に応じて、M×Nマトリックス内で当該オブジェクトと同じ属性の画素のみを参照して多値復元処理を実行するようになっている。
【0030】
また、本実施の形態に係るプリンタPR1において、多値復元処理部300は、二値化された画像情報を入力する二値データ入力部301(入力手段の一例)と、二値データ入力部301から入力された前記二値化された画像情報について、注目画素を中心としたM×N(MおよびNは整数)にブロック化したマトリックスを生成するブロック化部302(生成手段の一例)と、平均化フィルタにより多値復元に関する演算処理を行うCPU等で構成される演算部303(演算手段の一例)とを備えている。
【0031】
さらに、本実施の形態においては、第一の画像処理部352で生成される前記二値化された画像情報を格納する不揮発性メモリ等の画像メモリで構成されるデータ格納部304(格納手段の一例)を備えている。
【0032】
なお、第1の画像処理部352とデータ格納部304との間にデータを圧縮する圧縮処理部を設けるようにしてもよい。
【0033】
また、二値データ入力部301でデータの伸長処理を行うようにしてもよい。
【0034】
また、オブジェクトタグ識別部100は、オブジェクトタグに基づいて、ブロック化部302で生成したM×Nのマトリックス内における注目画素と同じ属性を有する画素の抽出を行う参照画素抽出部101(抽出手段の一例)を備えている。
【0035】
そして、演算部303は、参照画素抽出部101で抽出された画素に基づく平均化フィルタ処理を実行して、多値復元画像を出力するようになっている。
【0036】
より具体的には、演算部303は、次式
【0037】
注目画素の多値復元値=255×(Y/X)
【0038】
ここで、Xは、M×N(MおよびNは整数)の参照画素内における注目画素と同じ属性を有する画素の総数
【0039】
Yは、前記M×N(MおよびNは整数)の参照画素内における注目画素と同じ属性を有する画素内の黒画素の数(単純に言えば前記X内での黒画素数)
【0040】
によって、多値復元画像の出力値を得るようにしている。
【0041】
これにより、グレー色文字や色文字など中間調表現されるテキスト領域においても、テキスト領域部分のみの画像データで多値復元されるので、多値復元精度が向上される。
【0042】
なお、具体的な例については後述する。
【0043】
次に、図3のブロック図を参照して、プリンタPR1の画像処理の概要について説明する。
【0044】
図3に示すように、PDL処理部351でプリンタ記述言語(PDL)を解釈してラスター画像データを生成し、第1の画像処理部352で前記ラスターデータに各種画像処理を施し、二値データ(二値化された画像情報)を生成し、当該二値画像データとオブジェクトタグを画像メモリ304に送る。
【0045】
画像メモリ304では、二値画像データとオブジェクトタグを一時的に格納する。なお、二値画像データを圧縮して格納するようにしてもよい。
【0046】
次いで、画像メモリ304に格納されている二値画像データとオブジェクトタグは、多値復元処理部300に送られる。
【0047】
多値復元処理部300では、二値画像データとオブジェクトタグに基づいて多値画像データを復元して第2の画像処理部361にそれらのデータを送る。
【0048】
第2の画像処理部361では、再スクリーン処理が行われる。ここで、スクリーン処理とは、網点と呼ばれる着色ドットの大きさによって擬似的に中間調画像の濃度を表わすことで、濃度階調を有する多値画像データを二値画像データに変換する処理である。
【0049】
次いで、スクリーン処理後の1bit、2bitあるいは4bit等の印刷データは画像形成部400に送られて画像形成処理が実行され、印刷用紙等に画像形成が行われる。
【0050】
次に、図4のブロック図は、多値復元処理の流れの概要を示す。
【0051】
二値データからなる注目画素が二値データ入力部301に入力され、ブロック化部302でM×Nにブロック化したマトリックスが生成される。
【0052】
次いで、オブジェクトタグ識別部100で注目画素のオブジェクトタグに基づいてオブジェクトが識別される。
【0053】
そして、注目画素のオブジェクトタグに基づくオブジェクト情報と、M×Nマトリックス内の注目画素以外のオブジェクト情報に基づいて、オブジェクトタグ識別部100の参照画素抽出部101は、参照画素の抽出を行う。
【0054】
続いて、抽出された参照画素に関するデータは演算部(平均化フィルタ)303に送られて平均化フィルタ処理が実行される。
【0055】
具体的には、注目画素の多値復元値=255×(Y/X)の演算が行われる。なお、Xは、M×N(MおよびNは整数)の参照画素内における注目画素と同じ属性を有する画素の総数、Yは、前記M×N(MおよびNは整数)の参照画素内における注目画素と同じ属性を有する画素内の黒画素の数(単純に言えば前記X内での黒画素数)である。
【0056】
これにより、注目画素の多値画像データが生成される。
【0057】
次に、図5から図8を参照して、本発明の比較対象としての処理例および本実施の形態に係るプリンタPR1による処理例について説明する。
【0058】
まず、図5から図7を参照して、本発明の比較対象としての処理例について述べる。
【0059】
図5は、白色の背景において、黒一色による255階調の文字「A」を形成した場合において、全面マトリックス平均化処理を行った場合の例である。
【0060】
この場合において、文字「A」のある領域(8×8)503について、多値元画像503aにスクリーン処理を実行して二値化画像503bを生成する。そして、この二値化画像503bに対して全面アベレージフィルタによる多値復元処理を実施すると、文字、線画と背景との境界が不鮮明になってしまう(いわゆるボケてしまう)という不都合があった。
【0061】
この場合の「ボケ」は、例えば黒文字エッジ近傍においては、3×3マトリックスの中で、黒文字部(255)と白背景部(0)が平均化されるので、注目画素はグレー(例えば128)画像となり、結果的にエッジ周辺部がボケてしまう状態を意味する。
【0062】
図6は、白色の背景において、黒一色による255階調の文字「A」を形成した場合において、本件の先行技術文献に係る特開平9−51431号公報に開示の技術を適用した場合の例である。
【0063】
この場合において、文字「A」のある領域(8×8)504について、ある注目画素600aを中心とした例えば3×3のマトリックスの中で、文字、線画領域を除いた画素(図上、ハッチを入れた領域)600bのみを参照するようにしている。
【0064】
即ち、特開平9−51431号公報に開示の技術では、特定領域(例えば、文字・線画領域)を検出し、特定領域は単純多値化し、特定領域以外については、M×N(図6に示す例では3×3)マトリックスの中で特定領域を除く画素にて平均化フィルタ(アベレージフィルタ)等を用いた画素平均による多値化処理を実施することで、エッジの不鮮明さの発生を回避している。
【0065】
しかしながら、図7に示すような中間調の背景における中間調文字の場合には、次に述べるような難点があることが分かった。
【0066】
即ち、図7に示すように、グレー文字や色文字などのスクリーン構造を有する文字、線画505においては、属性を判別して文字・線画の別が判断されたとしても、この部分を単純に多値化処理する(505b→505c)と、スクリーン構造を有したまま多値化されてしまい、元の中間値に復元されないという不都合がある。
【0067】
例えば、図7において、多値復元されたある画素700aに注目した場合に、元の画像における同じ位置の画素650aとは全く異なる値となっていることが分かる。
【0068】
次に、図8を参照して、本実施の形態に係るプリンタPR1による処理例について説明する。
【0069】
図8に示すように、グレー色の背景にグレー色のスクリーン構造を有する文字「A」を形成する場合において、文字「A」のある領域(8×8)700について本実施の形態に係るプリンタPR1によって多値化処理を実行する。
【0070】
具体的には、多値元画像700aに対して二値データ生成部200でスクリーン処理を実行して二値化画像700bを生成してデータ格納部304に圧縮して格納する。
【0071】
次いで、多値復元する場合には、データ格納部304から二値化画像700bを読み出して多値復元処理部300のブロック化部302および演算部303による多値化処理が実行される。
【0072】
即ち、図8において、ある画素を注目画素750とした場合に、この注目画素750を中心とした3×3(即ち、M×Nにおいて、M=3、N=3とする)にブロック化したマトリックスを生成する。
【0073】
次いで、生成した3×3のマトリックス内における注目画素と同じ属性を有する画素の抽出を行う。
【0074】
図8における注目画素と同じ属性を有する画素の抽出結果は800aのように表される。
【0075】
そして、演算部303では、注目画素の多値復元値=255×(Y/X)(ここで、Xは、M×N(MおよびNは整数)の参照画素内における注目画素と同じ属性を有する画素の総数、Yは、前記M×N(MおよびNは整数)の参照画素内における注目画素と同じ属性を有する画素内の黒画素の数の演算によって多値復元画像の出力値を得る。
【0076】
具体的には、3×3のマトリックス800a内において、3×3のマトリックス800a内の注目画素750と同じ属性(この例ではグラフィックG)を有する画素の総数は5ピクセル(pix)であるから前記X値は「5」となり、3×3のマトリックス800a内における黒画素数は2つであるから前記Y値は「2」となる。
【0077】
従って、注目画素750の多値復元値=255×(2/5)=102となる。
【0078】
図8に示すように、多値元画像において注目画素750に対応する箇所の値は「100」であり、注目画素750の値「102」と比較的近い値に復元されていることが分かる。
【0079】
以上のような多値復元処理を二値化画像の復元したい領域の各画素について行うことにより、従来に比して多値復元の精度が向上される。
【0080】
なお、本実施の形態においては、黒画素値を255と定義した場合の例を挙げているが、黒画素値を0と定義(あるいは、白画素値を255と定義)してもよい。
【0081】
また、8bit画像のみを対象にする場合に限られず、1bit(2値)画像のみを対象にしたり、2bit画像や4bit画像を対象にしてもよい。
【0082】
以上本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって開示された技術に限定されるものではないと考えるべきである。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈すべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0083】
また、プログラムを用いる場合には、ネットワークを介して提供し、或いはCD−ROM等の記録媒体に格納して提供することが可能である。
【0084】
即ち、画像処理プログラムを含む所定のプログラムを記録媒体としてのハードディスク等の記憶装置に記録する場合に限らず、当該所定のプログラムを次のようにして提供することも可能である。
【0085】
例えば、所定のプログラムをROMに格納しておき、CPUが、この所定のプログラムをこのROMから主記憶装置へローディングして実行するようにしてもよい。
【0086】
また、上記所定のプログラムを、DVD−ROM、CD−ROM、MO(光磁気ディスク)、フレキシブルディスク、などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布するようにしてもよい。
【0087】
さらには、画像形成装置等を通信回線(例えばインターネット)を介してサーバ装置あるいはホストコンピュータと接続するようにし、サーバ装置あるいはホストコンピュータから上記所定のプログラムをダウンロードした後、この所定のプログラムを実行するようにしてもよい。この場合、この所定のプログラムのダウンロード先としては、RAM等のメモリやハードディスクなどの記憶装置(記録媒体)が挙げられる。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明による画像形成装置および処理プログラムは、プリンタや複合機等に適用することができる。
【符号の説明】
【0089】
PR1 画像処理装置
PC1 情報処理装置
100 オブジェクトタグ識別部
101 参照画素抽出部
200 二値データ生成部
300 多値復元処理部
301 二値データ入力部
302 ブロック化部
303 演算部
304 データ格納部
400 画像形成部
502 特定領域
503a 多値元画像
503b 二値化画像
505 線画
600a 注目画素
700a 多値元画像
700b 二値化画像
750 注目画素

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オブジェクトの属性毎に、各オブジェクトを識別する識別情報を付与された画素としての画像情報に基づいてオブジェクトを識別する識別手段と、
二値化された画像情報について、注目画素を中心としたM×N(MおよびNは整数)マトリックスの平均化フィルタにより多値復元処理を実行する多値復元手段と、
を備え、
前記多値復元手段は、注目画素を中心とした前記M×Nマトリックスの平均化フィルタによって多値復元する際に、前記識別手段で識別される前記M×Nマトリックス内における注目画素に対応するオブジェクトの属性に応じて、前記M×Nマトリックス内で当該オブジェクトと同じ属性の画素のみを参照して多値復元処理を実行することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記多値復元手段は、
二値化された画像情報を入力する入力手段と、
該入力手段から入力された前記二値化された画像情報について、注目画素を中心としたM×N(MおよびNは整数)にブロック化したマトリックスを生成する生成手段と、
前記平均化フィルタにより多値復元に関する演算処理を行う演算手段と、
を備え、
前記識別手段は、
前記識別情報に基づいて、前記生成手段で生成したM×Nのマトリックス内における注目画素と同じ属性を有する画素の抽出を行う抽出手段を備え、
前記演算手段は、
前記抽出手段で抽出された画素に基づく平均化フィルタ処理を実行して、多値復元画像を出力することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記入力手段で入力された前記二値化された画像情報を圧縮して格納する格納手段をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
オブジェクトの属性毎に、各オブジェクトを識別する識別情報を付与された画素としての画像情報に基づいてオブジェクトを識別する識別過程と、
二値化された画像情報について、注目画素を中心としたM×N(MおよびNは整数)マトリックスの平均化フィルタにより多値復元する多値復元過程と、
を有し、
前記多値復元過程は、注目画素を中心とした前記M×Nマトリックスの平均化フィルタによって多値復元する際に、前記識別過程で識別される前記M×Nマトリックス内における注目画素に対応するオブジェクトの属性に応じて、前記M×Nマトリックス内で当該オブジェクトと同じ属性の画素のみを参照して多値復元処理を演算手段に実行させることを特徴とする画像処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−257065(P2012−257065A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−128851(P2011−128851)
【出願日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】