説明

画像形成装置および画像形成プログラム

【課題】 用紙シフト機能を持たない画像形成装置において、印刷後にエラー頁を探し出し易くする。
【解決手段】 画像処理部3は、印刷ジョブから1頁単位の画像データを形成し、異なるサイズの印刷用紙がセットされる給紙段(第1、第2のカセット13、15、手差しトレイ17)のうち画像データの印刷用紙に対応した給紙段を指定して出力する。画像処理部3は、画像データが得られないエラー頁を検出する。優先順位記憶部7は印刷用紙とは異なる用紙がセットされた給紙段13、15、17の優先順位を予め記憶する。エンジン制御部5は、画像データおよび給紙段指定データに基づき印刷エンジン11を印刷制御する。エラー処理部9は、画像処理部3にてエラー頁を検出したとき、優先順位に基づく給紙段13、15、17から給紙して該当エラー頁位置に挿入するようエンジン制御部5を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置および画像形成プログラムに係り、例えばコピー機、ファクシミリ機、プリンター又はこれらの複合機等の画像形成装置および画像形成プログラムの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
コピー機等の画像形成装置において、複数頁の原稿を印刷する場合、途中頁の画像データにエラーが発生したとき、当該エラーの発生した頁を印刷後に発見し易くすると便利である。
【0003】
従来、このようなエラー発生頁を印刷後に発見し易くする構成として、例えば特開2004−338308号公報(特許文献1)がある。
【0004】
これは、印刷後に頁単位で画像検査を行う画像検査手段を備えた画像形成装置であり、印刷失敗した頁をリジェクトせずリカバリに必要な情報のみ記憶媒体にセットし継続して印刷を行うとともに、エラー頁存在箇所では印刷用紙をシフト排紙し、シフト排紙された印刷用紙から印刷失敗した頁位置を発見し易くしたものである。すなわち、シフト排紙された用紙を「しおり」として機能させるものである。
【特許文献1】特開2004−338308号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1の構成では、シフト排紙された印刷用紙から印刷失敗したエラー頁の存在およびその場所を発見し易くするため、印刷用紙をシフトして排紙する機能や構造が必要になり、シフト機能を持たない比較的安価なコピー機等では実用化が困難で、このような安価なコピー機等においては改善が要望されている。
【0006】
しかも、印刷後に印刷物からエラー頁の発生した箇所を探し出し易くする工夫も求められている。
【0007】
本発明はそのような課題を解決するためになされたもので、用紙のシフト機能を搭載しなくとも、印刷継続後に印刷物からエラー頁を探し出し易くした画像形成装置および画像形成プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そのような課題を解決するために本発明に係る画像形成装置は、用紙がセットされる第1の給紙段と、この第1の給紙段とは各々用紙形態又は用紙セット方向の異なる用紙がセットされる1個又は複数の第2の給紙段と、印刷ジョブを画像処理した1頁単位の画像データと、その給紙段のうち画像データの印刷に用いる印刷用紙に対応した給紙段を指定する給紙段指定データとを出力するとともに、その画像データの得られない頁をエラー頁として検出する画像処理部と、それら給紙段から印刷用紙を給紙して印刷する印刷エンジンに対しその画像処理部からの画像データおよび給紙段指定データに基づき印刷制御するエンジン制御部と、その画像処理部がエラー頁を検出したとき、上記給紙段の中からその印刷用紙とは異なる給紙段をエラー頁用給紙段としてエラー頁位置に挿入するようそのエンジン制御部を制御するエラー処理部とを具備している。
【0009】
そして、本発明では、上記画像処理部が、所定の規則に従って上記エラー頁を検出する構成も可能である。
【0010】
また、本発明では、上記エラー頁用給紙段としての優先順位を予め記憶する優先順位記憶部を設け、上記エンジン制御部は、その優先順位記憶部からの優先順位に基づきそのエラー頁用給紙段を指定する構成も可能である。
【0011】
さらに、本発明では、上記優先順位記憶部が、用紙サイズ、用紙セット方向又は用紙質の優先順位を記憶する構成も可能である。
【0012】
さらにまた、本発明では、上記優先順位を用紙サイズ、用紙セット方向、用紙質の順に設定する構成も可能である。
【0013】
また、本発明では、上記優先順位を、それら用紙サイズ、用紙セット方向および用紙質が複数組合せ設定される構成も可能である。
【0014】
さらに、本発明では、上記優先順位として、エラー頁用の用紙が挿入されたときその印刷用紙からはみ出る用紙サイズ又は用紙セット方向が当該優先順位の上位に設定されるよう構成可能である。
【0015】
そして、本発明に係る画像形成プログラムでは、印刷ジョブを画像処理した1頁単位の画像データと、用紙がセットされる第1の給紙段と、この第1の給紙段とは各々用紙形態又は用紙セット方向の異なる用紙がセットされる1個又は複数の第2の給紙段のうち画像データの印刷に用いる印刷用紙に対応した給紙段を指定する給紙段指定データとを出力して印刷制御する制御用のコンピュータに、それらの画像データおよび給紙段指定データとを出力処理するとともに画像データが得られない頁をエラー頁として検出処理する画像処理と、その給紙段から給紙して印刷する印刷エンジンに対し画像処理から得られた画像データおよび給紙段指定データに基づき印刷制御する印刷制御処理と、その画像処理でそのエラー頁を検出したとき、上記給紙段からその印刷用紙とは異なる給紙段をエラー頁用給紙段として指定してエラー頁位置に挿入するよう印刷制御をするエラー処理とを実行させるものである。
【発明の効果】
【0016】
このような本発明に係る画像形成装置および画像形成プログラムでは、用紙がセットされる第1の給紙段と、この第1の給紙段とは各々用紙形態又は用紙セット方向の異なる用紙がセットされる1個又は複数の第2の給紙段を設け、上記画像処理部にて、印刷ジョブを画像処理した1頁単位の画像データと、この画像データの印刷に用いる印刷用紙に対応した給紙段を指定する給紙段指定データとを出力するとともに画像データの得られない頁をエラー頁として検出し、上記エンジン制御部にて、それら給紙段から給紙して印刷する印刷エンジンに対しその画像処理部から得られた画像データおよび給紙段指定データに基づき印刷制御し、上記エラー処理部にて、その印刷用紙とは異なる給紙段をエラー頁用給紙段として指定してエラー頁位置に挿入するようエンジン制御部を制御するから、用紙のシフト機能を搭載しなくとも、印刷継続後に印刷物からエラー頁を探し出し易い。
【0017】
そして、上記画像処理部が、所定の規則に従って上記エラー頁を検出する構成では、用紙の給紙開始前にもエラー判別が可能で、確実にエラー用紙を挿入可能である。
【0018】
また、エラー頁用給紙段としての優先順位を予め記憶する優先順位記憶部を設け、上記エンジン制御部にてその優先順位に基づきその給紙段を指定する構成では、セットされていないエラー頁用給紙段があっても、優先順位に従って給紙段が順次指定され、確実にエラー用紙を挿入可能である。
【0019】
さらに、上記優先順位記憶部が、用紙サイズ、用紙セット方向又は用紙質の優先順位を記憶する構成では、種々の用紙の使用が容易で多様な使用に対応可能である。
【0020】
さらにまた、上記優先順位を、用紙サイズ、用紙セット方向、用紙質の順に設定する構成では、特に、エラー頁の発生したエラー頁位置を探し出し易く、用紙のセットも容易で、多様な使用に対応可能である。
【0021】
また、上記優先順位が、それら用紙サイズ、用紙セット方向および用紙質が複数組合せ設定される構成では、更に一層、エラー頁の発生したエラー頁位置を探し出し易く、多様な使用に対応可能である。
【0022】
さらに、上記優先順位として、エラー頁用の用紙が挿入されたときその印刷用紙からはみ出る用紙サイズ又は用紙セット方向が当該優先順位の上位に設定する構成では、一層、エラー頁の発生したエラー頁位置を探し出し易い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明に係る実施の形態を図面を参照して説明する。
【0024】
図1は本発明に係る画像形成装置の実施の形態を示すブロック図である。本発明に係る画像形成プログラムは画像形成装置を説明する過程で説明する。
【0025】
画像形成装置1は、画像処理部3、エンジン制御部5、優先順位記憶部7、エラー処理部9、印刷エンジン11、第1のカセット13、第2のカセット15および手差しトレイ17を有して構成されている。
【0026】
なお、画像形成装置1内には、コピー機、ファクシミリ機又はプリンター等を形成するそれ以外の構成があるが、本発明の要部ではないので、説明および図示を省略する。
【0027】
画像処理部3は、入力した印刷ジョブを所定の頁記述文法等に従って画像処理して1頁単位の画像データを各頁毎に組み立て形成し、当該画像データの印刷に用いる印刷用紙に対応した給紙段、すなわち上述した第1、第2のカセット13、15又は手差しトレイ17を指定する給紙段指定データを形成し、これを画像データとともにエンジン制御部5に出力する機能を有している。
【0028】
第1、第2のカセット13、15又は手差しトレイ17等の給紙段の指定は、外部からの印刷ジョブに添付されていたり、コピー機等の画像形成装置1に配置された操作パネル(図示せず。)から指示される。
【0029】
画像処理部3は、頁毎に各画像データが組み立てられて画像データが得られたか否か検出する機能を有しており、画像データが得られない頁をエラー頁とし、これを示すエラー信号をエラー処理部9に出力する機能を有している。
【0030】
本発明では、画像データが得られずにエラー信号が出力される事例として、1頁単位の画像データを組み立てるフレームメモリ(図示せず)の容量以上に入力印刷ジョブがあってメモリがオーバフローした場合、静電気の発生によってデータ化けやデータロスがあった場合等、1頁単位の画像データを組み立てるまでに検出されるエラーであり、用紙搬送中の用紙エラーは含まれない。
【0031】
エンジン制御部5は、頁単位の画像データおよび給紙段指定データ、その他の制御データに基づき、印刷エンジン11を制御する機能を有している。
【0032】
印刷エンジン11は、指定された第1、第2のカセット13、15又は手差しトレイ17から印刷用紙を給紙して搬送する過程で、画像転写、定着して排紙する機能を有しており、エンジン制御部5は、画像データおよび給紙段指定データその他の制御データに基づき、印刷エンジン11の給紙機構、用紙搬送機構、画像転写機構、定着機構の各々を制御する機能を有している。
【0033】
第1、第2のカセット13、15は、印刷用紙が複数枚セットされコピー機等の画像形成装置に装着された従来公知の給紙段であり、各々サイズの異なる用紙、例えば第1の給紙段としての第1のカセット13にはA4版の用紙が、第2の給紙段としての第2のカセット15にはB4版の用紙がセットされ、印刷エンジン11によって給紙される。
【0034】
手差しトレイ17は、コピー機等の画像形成装置1に外部からセット可能に形成された従来公知の第2の給紙段であり、用紙サイズが可変可能、例えば第2の給紙段としてのA3版の用紙向けにセットされており、印刷エンジン11によって給紙される。もっとも、第1のカセット13が第1の給紙段に、第2のカセット15、手差しトレイ17が第2の給紙段に固定されるものではない。
【0035】
なお、印刷エンジン11におけるそれら搬送機構、画像転写機構および定着機構自体は、従来公知のものであって本発明の要部ではないから、図示および詳細な説明は省略する。
【0036】
優先順位記憶部7は、予め用紙形態又は用紙セット方向の異なる用紙がセットされる給紙段、すなわち第1、第2のカセット13、15又は手差しトレイ17から、印刷ジョブの印刷に使用されない第1、第2のカセット13、15又は手差しトレイ17(エラー頁用給紙段)の優先順位を予め記憶するRAM等であり、後述するエラー処理部9からの要求に基づいてその優先順位の給紙段をエラー処理部9に出力する機能を有している。
【0037】
優先順位記憶部7は、例えば画像処理部3を介して操作パネル等からそれらエラー用給紙段が設定記憶されるようになっている。
【0038】
優先順位は、エラー発生頁の1頁前の印刷に使用される印刷用紙に対して、用紙サイズの大きい用紙、印刷挿入されるとはみ出るようにセットされた用紙、厚さ、色又は材質等の質感の異なる用紙の順で、これらの用紙がセットされる給紙段が予め設定されている。
【0039】
例えば、印刷ジョブの印刷に第1のカセット13が指定されているとき、手差しトレイ17、第2のカセット15の順に設定されている。なお、それら複数の優先順位を組合せ設定する構成も可能である。
【0040】
エラー処理部9は、画像処理部3からエラー信号を受けたとき、エンジン制御部5から直前の給紙段情報を受けるとともに、優先順位記憶部7から優先順位情報を取り込み、この優先順位情報に基づき、画像データの印刷用紙がセットされた例えば第1のカセット13とは異なる例えば手差しトレイ17を指定した指定情報をエンジン制御部5に出力し、手差しトレイ17からの用紙を該当エラー頁位置に挿入するようエンジン制御部5を制御する機能を有している。
【0041】
エラー処理部9は、手差しトレイ17に用紙がないとき、エンジン制御部5と協動して次順位の第2のカセット15を指定制御するようになっている。
【0042】
エラー頁に相当する位置に挿入する用紙は、印刷エンジン11にて画像転写や定着がされずに排紙され、前後の印刷済み用紙の間に挿入されるが、便宜上、この動作をエラー頁挿入モードとする。
【0043】
なお、エラー処理部9は、操作パネル等の入力部からキャンセル指示により、エラー頁挿入モードを実行させないようになっている。
【0044】
上述した画像処理部3、エンジン制御部5、優先順位記憶部7、エラー処理部9等は、種々の演算動作を行うCPU、このCPUの動作プログラムを格納したROM、制御演算中のデータや優先順位等を格納するRAMおよびインターフェースからなるマイコン等で形成されており、コピー機、ファクシミリ機、プリンター又はこれらの複合機を形成する画像形成装置1に搭載されたマイコン等で兼用可能である。
【0045】
次に、上述した本発明に係る画像形成装置の動作を、図2のフローチャートを参照して説明する。
【0046】
プログラムがスタート(Start)すると、ステップS1で1頁単位の画像形成と印刷処理が行われ、ステップS2においてエラー頁が発生したか否か判別される。
【0047】
画像データがエラーなく形成されてステップS2がNOの場合には終了(End)し、エラー頁が発生してステップS2がYESの場合には、ステップS3にてエラー頁挿入モードか否か判別される。
【0048】
エラー頁挿入モードが選択されずにステップS3がNOの場合には終了(End)し、エラー頁挿入モードが選択されていてステップS3がYESの場合、ステップS4にて直前の給紙段情報を確認する。
【0049】
続くステップS5でエラー頁位置に挿入する給紙段(エラー報告ページ選択)の優先順位設定を取得し、ステップS6にて優先順位に合致する給紙段をサーチし、ステップS7では優先順位に合致する給紙段の有無を判別する。
【0050】
合致する給紙段が存在せずにステップS7がNOの場合には終了(End)し、合致する給紙段が存在してステップS7がYESの場合には、ステップS8にて指定された給紙段から給紙挿入されて終了(End)する。
【0051】
このように、本発明に係る画像形成装置では、サイズの異なる用紙がセットされる第1、第2のカセット13、15および手差しトレイ17(給紙段)と、印刷ジョブを画像処理した1頁単位の画像データや、それら給紙段のうち画像データの印刷に用いる印刷用紙に対応した給紙段を指定する給紙段指定データを出力するとともに、画像データが得られないエラー頁を検出する画像処理部3と、それら給紙段のうちエラー頁用給紙段としての優先順位を予め記憶する優先順位記憶部7と、画像処理部3からの画像データおよび給紙段指定データに基づき印刷エンジン11を印刷制御するエンジン制御部5と、その画像処理部3にてそのエラー頁を検出したとき、優先順位記憶部7の優先順位に基づく順位の給紙段から用紙を給紙して該当エラー頁位置に挿入するようエンジン制御部5を制御するエラー処理部9とを具備している。
【0052】
そのため、画像データが得られないエラー頁が検出されると、第1、第2のカセット13、15又は手差しトレイ17の中で、印刷ジョブの印刷用紙とは異なる用紙がセットされるエラー頁用給紙段が優先順位に従って指定され、エラー頁用給紙段の用紙が該当エラー頁位置に挿入されるから、シフト機能を持たない比較的安価な構成の画像形成装置1において、印刷中にエラー頁が発生しても、印刷を継続して得られた印刷物からエラー頁位置を探し出し易い。
【0053】
しかも、画像処理部3が、所定の規則に従ってエラー頁を検出するから、用紙の給紙開始前にエラー判別が可能で、確実にエラー用紙を挿入可能である。
【0054】
ところで、上述した本発明の実施の形態では、サイズの異なる用紙がセットされるエラー頁用給紙段の優先順位を予め記憶する優先順位記憶部7を有して構成したが、本発明においては、必ずしも優先順位記憶部7を用いなくとも本発明の目的達成が可能である。
【0055】
そして、上述した本発明の実施の形態において、エラー頁用給紙段として印刷用紙よりサイズが大きい用紙がセットされた手差しトレイ17を優先設定したが、本発明ではこれに限定されず、本来印刷用に使用する第1、第2のカセット13、15又は手差しトレイ17以外の第1、第2のカセット13、15又は手差しトレイ17を指定可能である。
【0056】
しかも、本来の印刷用紙よりもサイズが小さい用紙のセットされる給紙段をエラー頁用給紙段として設定可能であるが、印刷後に探し出し易いように、印刷用紙よりサイズが大きい用紙がセットされる給紙段を設定する方が好ましい。
【0057】
さらに、用紙サイズのみならず、色の異なる用紙、厚みや材質等、質感の異なる用紙の給紙段も、エラー頁用給紙段として指定可能である。
【0058】
さらにまた、印刷用紙と同じサイズの用紙であっても、用紙セット方向を異ならせてセットする給紙段の使用も可能である。
【0059】
要は、用紙の形態や用紙セット方向の異なる用紙のセットされる給紙段を指定すれば本発明の目的達成が可能である。
【0060】
しかも、本発明では、2個以上の給紙段のうち、何れか2つが異なる用紙形態又は用紙セット方向であれば良く、給紙段が全て異なっている必要はない。
【0061】
そして、エラー頁用給紙段の優先順位を記憶する優先順位記憶部7を有する構成において、それら用紙サイズ、用紙セット方向又は用紙質を優先順位とすることが可能であるし、それら用紙サイズ、用紙セット方向、用紙質の順に設定すれば、エラー頁位置に挿入する種々の用紙の使用が容易となり、使用範囲が拡大する利点がある。特に、エラー頁用の用紙が挿入されたとき、印刷用紙からはみ出る用紙サイズ又は用紙セット方向を優先順位の上位に設定すると好ましい。
【0062】
さらに、優先順位として、それら用紙サイズ、用紙セット方向又は用紙質が複数組合せ設定されば、一層、使用範囲が拡大する。
【0063】
ところで、本発明に係る画像形成プログラムにつき言及すれば、印刷ジョブを画像処理した1頁単位の画像データと、用紙がセットされる第1の給紙段と、この第1の給紙段とは各々用紙形態又は用紙セット方向の異なる用紙がセットされる1個又は複数の第2の給紙段のうち画像データの印刷に用いる印刷用紙に対応した給紙段を指定する給紙段指定データとを出力して印刷制御する制御用のコンピュータに、それら画像データおよび給紙段指定データを出力処理するとともに画像データの得られないエラー頁を検出処理する画像処理と、画像処理から得られた画像データおよび給紙段指定データに基づき印刷エンジンを印刷制御する印刷制御処理と、その画像処理でそのエラー頁を検出したとき、上記給紙段からその印刷用紙とは異なる給紙段をエラー頁用給紙段として指定してエラー頁位置に挿入するよう印刷制御するエラー処理と、を実行させるものである。
【0064】
なお、本発明に係る画像形成装置は、複写機、ファクシミリ、プリンター等を搭載した複合機に限らず、種々の機器において好適する。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明に係る画像形成装置の実施の一形態を示すブロック図である。
【図2】図1に係る画像形成装置の動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0066】
1 画像形成装置
3 画像処理部
5 エンジン制御部
7 優先順位記憶部
9 エラー処理部
11 印刷エンジン
13 第1のカセット(給紙段)
15 第2のカセット(給紙段)
17 手差しトレイ(給紙段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙がセットされる第1の給紙段と、
この第1の給紙段とは各々用紙形態又は用紙セット方向の異なる用紙がセットされる1個又は複数の第2の給紙段と、
印刷ジョブを画像処理した1頁単位の画像データと、前記給紙段のうち前記画像データの印刷に用いる印刷用紙に対応した前記給紙段を指定する給紙段指定データとを出力するとともに、前記画像データの得られない頁をエラー頁として検出する画像処理部と、
前記給紙段から給紙して印刷する印刷エンジンに対し、前記画像処理部から得られた前記画像データおよび給紙段指定データに基づき印刷制御するエンジン制御部と、
前記画像処理部が前記エラー頁を検出したとき、前記給紙段の中から前記印刷用紙とは異なる給紙段をエラー頁用給紙段として前記エラー頁位置に挿入するよう前記エンジン制御部を制御するエラー処理部と、
を具備することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記画像処理部は、所定の規則に従って前記エラー頁を検出する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記エラー頁用給紙段の優先順位を予め記憶する優先順位記憶部を有し、前記エンジン制御部は、前記優先順位記憶部からの優先順位に基づき前記エラー頁用給紙段を指定する請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記優先順位記憶部は、用紙サイズ、用紙セット方向又は用紙質の優先順位を記憶する請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記優先順位は、用紙サイズ、用紙セット方向、用紙質の順に設定される請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記優先順位は、前記用紙サイズ、用紙セット方向および用紙質が複数組合せ設定される請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記優先順位は、エラー頁用の用紙が挿入されたとき、前記印刷用紙からはみ出る用紙サイズ又は用紙セット方向が当該優先順位の上位に設定される請求項4又は5記載の画像形成装置。
【請求項8】
印刷ジョブを画像処理した1頁単位の画像データと、用紙がセットされる第1の給紙段と、この第1の給紙段とは各々用紙形態又は用紙セット方向の異なる用紙がセットされる1個又は複数の第2の給紙段のうち前記画像データの印刷に用いる印刷用紙に対応した前記給紙段を指定する給紙段指定データとを出力して印刷制御する制御用のコンピュータに、
前記画像データおよび給紙段指定データを出力処理するとともに前記画像データの得られない頁をエラー頁として検出処理する画像処理と、
前記給紙段から前記印刷用紙を給紙して印刷する印刷エンジンに対し、前記画像処理から得られた前記画像データおよび給紙段指定データに基づき印刷制御する印刷制御処理と、
前記画像処理で前記エラー頁を検出したとき、前記給紙段の中から前記印刷用紙とは異なる給紙段をエラー頁給紙段として指定して前記エラー頁位置に挿入するよう前記印刷制御をするエラー処理と、
を実行させる画像形成プログラム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−331324(P2007−331324A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−168377(P2006−168377)
【出願日】平成18年6月19日(2006.6.19)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】