説明

画像形成装置および画像形成プログラム

【課題】インク噴射印刷装置が備えるフルライン型の記録ヘッドのインク噴射ノズルの目詰まり防止を効率的に行う画像形成装置および画像形成プログラムを提供する。
【解決手段】記録紙の幅方向に並ぶフルライン型の記録ヘッドのヘッドユニットから印刷指示された印刷データに応じてインクを記録紙上に噴射して画像を印刷する際に、印刷に先立って、記録紙の印字領域をユーザ領域と印刷制御領域とに区分し、印刷制御領域におけるインク噴射部から噴射するインク量が、ユーザ領域におけるインク噴射部から噴射するインク量と比べて少なくなるように異ならせてインクを記録紙上に予備噴射する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インク噴射印刷装置が備えるフルライン型の記録ヘッドにおけるインク噴射ノズルの目詰まり防止を効率的に行う画像形成装置および画像形成プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
インク噴射印刷装置は、フルライン型の記録ヘッドが備えるインク噴射ノズルで長期間、インクの噴射が行われないと、そのノズルに目詰まりが生じて印字品質が低下する場合がある。
【0003】
これを防止する方法として、例えば特許文献1では、記録ヘッドのノズルを定期的にクリーニングする予備吐出等の技術が提案されている。
【0004】
また、インク噴射印刷装置のインク噴射ノズルの目詰まりを防止する方法として、連帳用紙のページの切れ目に、インクを予備吐出する方法がある。
【0005】
しかし、この方法は、予備吐出をページの切れ目にその用紙の全幅(用紙搬送方向に対する垂直方向)にわたって全色(Y、M、C、K)のインクを全噴射(100%の濃度)するため、予備吐出のインクの消費量が大きいという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−225301号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、インク噴射印刷装置が備えるフルライン型の記録ヘッドにおけるインク噴射ノズルの目詰まり防止を効率的に行う画像形成装置および画像形成プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1の画像形成装置の発明は、記録紙の搬送方向に対してほぼ垂直な幅方向に並ぶフルライン型の記録ヘッドを有するとともに、印刷指示された印刷データに応じて、前記記録ヘッドの複数の噴射口からインクを該記録紙上に噴射して画像を印刷するインク噴射手段と、前記記録紙の印字領域を該記録紙の前記幅方向に、前記印刷データを印刷するユーザ領域と該記録紙の後処理で参照される印刷制御情報を印刷する印刷制御領域とに区分する領域区分手段と、前記画像の印刷に先立って、前記印刷制御領域における噴射口から噴射するインク量が、前記ユーザ領域における噴射口から噴射するインク量と比べて少なくなるように異ならせて前記複数の噴射口からインクを前記記録紙上に予備噴射する予備噴射手段とを具備することを特徴とする。
【0009】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記予備噴射の際に、前記印刷制御領域にインクを噴射させるか否かをユーザに指定させる指定手段を更に具備し、前記予備噴射手段は、前記指定手段で指定された内容に応じて前記印刷制御領域における噴射口からインクを噴射させることを特徴とする。
【0010】
また、請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記指定手段は、前記印刷制御情報の印字で噴射されるインク量が所定値以上となるインクの噴射を抑制するか否かをユーザに指定させ、前記予備噴射手段は、前記指定手段で前記インクの噴射を抑制するが指定された場合に、前記インク量が所定値以上となるインクの前記印刷制御領域における噴射口を特定し、該特定した噴射口からのインクの噴射を抑制することを特徴とする。
【0011】
また、請求項4記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記指定手段は、前記記録紙が一定の頁数搬送される間に前記印刷制御領域で噴射のなかったインクを強制噴射させるか否かをユーザに指定させ、前記予備噴射手段は、 前記指定手段で前記インクを強制噴射させるが指定された場合に、前記記録紙が一定の頁数搬送される間にインクの噴射のなかった前記印刷制御領域における噴射口を特定し、該特定した噴射口からインクを当該頁の記録紙上に噴射させることを特徴とする。
【0012】
また、請求項5記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記指定手段は、前記印刷制御領域のインクを予備噴射する噴射位置をユーザに指定させ、 前記予備噴射手段は、前記指定手段で指定された噴射位置に対応する前記印刷制御領域における噴射口を特定し、該特定した噴射口からインクを噴射させることを特徴とする。
【0013】
また、請求項6記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記予備噴射手段は、前記指定手段で前記噴射位置が前記印刷制御情報の画像と重なる位置と指定された場合に、該指定された噴射位置に対応する前記印刷制御領域における噴射口を特定し、該特定した噴射口からインクを噴射させることを特徴とする。
【0014】
また、請求項7記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記予備噴射手段は、前記指定手段で前記噴射位置が前記印刷制御情報の画像の前記記録紙搬送方向の後方の位置と指定された場合に、該指定された噴射位置に対応する前記印刷制御領域における噴射口を特定し、該特定した噴射口からインクを噴射させることを特徴とする。
【0015】
また、請求項8記載の発明は、請求項3乃至7のいずれかに記載の発明において、前記指定手段で指定された噴射位置に対応する前記印刷制御領域における噴射口が前記予備噴射手段で特定されなかった場合に、その旨を報知して前記印刷データの印刷処理を中止する印刷処理中止手段を更に具備することを特徴とする。
【0016】
請求項9の画像形成プログラムの発明は、コンピュータにより構成され、記録紙の搬送方向に対してほぼ垂直な幅方向に並ぶフルライン型の記録ヘッドを有するとともに、印刷データを演算処理する演算処理手段を備える画像形成装置に実装し、前記コンピュータを、印刷指示された印刷データに応じて、前記記録ヘッドの複数の噴射口からインクを該記録紙上に噴射して画像を印刷するインク噴射手段、前記記録紙の印字領域を該記録紙の前記幅方向に、前記印刷データを印刷するユーザ領域と該記録紙の後処理で参照される印刷制御情報を印刷する印刷制御領域とに区分する領域区分手段、前記画像の印刷に先立って、前記印刷制御領域における噴射口から噴射するインク量が、前記ユーザ領域における噴射口から噴射するインク量と比べて少なくなるように異ならせて前記複数の噴射口からインクを前記記録紙上に予備噴射する予備噴射手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1記載の画像形成装置の発明によれば、フルライン型の記録ヘッドのインク噴射ノズルにおける目詰まり防止のために行う予備噴射のインクの使用量を、ユーザ領域と印刷制御領域とにかかわらず一律して同様の予備噴射を行うものに比べて、より抑えることができる。
【0018】
請求項2記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明において、予備噴射を行うか否かが指定でき、予備噴射のインクの使用量をより抑えることができる。
【0019】
請求項3記載の発明によれば、上記請求項2記載の発明において、不要な予備噴射によるインクの無駄が抑制でき、予備噴射のインクの使用量をより抑えることができる。
【0020】
請求項4記載の発明によれば、上記請求項2記載の発明において、一定期間のインクの未噴射状態が防止でき、インク噴射ノズルの目詰まりを確実に防止できる。
【0021】
請求項5記載の発明によれば、上記請求項2記載の発明において、予備噴射するインクの噴射位置が指定でき、予備噴射のインクの使用量をより抑えることができる。
【0022】
請求項6記載の発明によれば、上記請求項2記載の発明において、記録紙上の予備噴射による画像を目立たないようにすることができ、予備噴射のインクの使用量をより抑えることができる。
【0023】
請求項7記載の発明によれば、上記請求項2記載の発明において、記録紙の後処理で参照される印刷制御情報の画像に影響を与えることなくインクの予備噴射ができる。
【0024】
請求項8記載の発明によれば、上記請求項3乃至7のいずれかに記載の発明において、インクの目詰まりによる印字品質が低下した印刷物が出力されることを防止でき、予備噴射のインクの使用量をより抑えることができる。
【0025】
請求項9記載の画像形成プログラムの発明によれば、画像形成装置に実装し、フルライン型の記録ヘッドのインク噴射ノズルの目詰まり防止のために行う予備噴射のインクの使用量をより抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す画像形成システム1の概略構成図である。
【図2】画像形成システム1を構成する各装置の各主要部の機能構成図である。
【図3】インク予備噴射設定画面200の構成例を示す図である。
【図4】画像形成システム1の予備噴射画像の印字例を示す説明図である。
【図5】画像形成システム1の予備噴射画像の印字例を示す説明図である。
【図6】ホスト端末2の動作を示す流れ図である。
【図7】画像形成装置3の動作を示す流れ図である。
【図8】画像形成装置3の動作を示す流れ図である。
【図9】インク予備噴射設定画面201の構成例を示す図である。
【図10】画像形成システム1の予備噴射画像の印字例を示す説明図である。
【図11】画像形成システム1の予備噴射画像の印字例を示す説明図である。
【図12】画像形成装置3の動作を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0028】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係わる画像形成システム1の概略構成の一例を示す図である。
【0029】
この画像形成システム1は、PC(パーソナル・コンピュータ)等から成るホスト端末2と連続紙(連帳紙)Pを高速印刷する画像形成装置3とがLANなどのネットワーク4を介して接続されている。
【0030】
この画像形成装置3は、ホスト端末2からの印刷指示に基づき該印刷指示対象の印刷ジョブ(文書など)を連続紙Pに高速印刷する印刷装置であり、フルライン型のインクジェット方式の記録ヘッド41を備えている。
【0031】
尚、フルライン型のインクジェット方式とは、記録ヘッドの方を固定し、連続紙の方を記録ヘッドに向かう一定方向に走行させて印刷する方式のことを言う。
【0032】
この画像形成装置3は、コントローラ部30、画像形成部40、バッファ装置50A及び50B、前処理装置60A及び後処理装置60Bを備えており、コントローラ部30は、画像形成装置3全体を統括制御し、本発明に係わる記録ヘッド41のインクの目詰まり防止を効率的に制御するように構成されている。
【0033】
画像形成部40は、連続紙Pを搬送してその連続紙P上に画像を形成する部であり、ヘッドドライバ42、ヘッドユニット43を有する記録ヘッド41を備えている。
【0034】
このヘッドユニット43は、各色(Y、M、C、K)のインクを吐出するインク噴射部を備え、その先端部が用紙搬送路面に向けて配置されており、活性エネルギーにより硬化可能なインクを連続紙Pに向けて噴射する。
【0035】
また、このヘッドユニット43にはヘッドドライバ42が接続されて各色のインクの噴射量を制御する。
【0036】
この画像形成装置3の連続紙Pとして、例えば、ロール紙を用い、該ロール紙は、前処理装置60Aの送り出しローラに巻かれており、該送り出しローラからバッファ装置50A、画像形成部40の用紙搬送路、バッファ装置50Bを通って後処理装置60Bの巻取りローラ間に掛け渡される。
【0037】
バッファ装置50Aは、前処理装置60Aと画像形成部40の用紙搬送路前端との間でロール紙に張力(テンション)を付与し、バッファ装置50Bは、後処理装置60Bと画像形成部40の用紙搬送路後端との間でロール紙にテンションを付与する。
【0038】
上述の如く掛け渡された連続紙Pは、画像印刷時に、画像形成部40内において用紙搬送路中を搬送(図1の矢印方向)され、印刷指示された印刷ジョブが記録ヘッド41のヘッドユニット43からのインクの噴射により連続紙P上に印字される。
【0039】
ところで、本発明の画像形成システム1は、画像形成装置3のヘッドユニット43のインクの目詰まり防止するための各機能的な構成を備えている。
【0040】
図2は、画像形成システム1の各機能的な構成を示す機能ブロック図である。図2に示すように、ホスト端末2はユーザ設定部20の機能的な構成を備え、画像形成装置3のコントローラ部30は印刷制御部31、印刷データ受信部32、ユーザ設定情報取得部33、印刷領域判定部34、印刷制御データ作成部35、予備噴射制御部36の各機能的な構成を備えている。
【0041】
ホスト端末2のユーザ設定部20は、ヘッドユニット43のインクの目詰まり防止を効率的に行うためにユーザが設定可能な設定情報を設定する制御と、その制御を実現する各種装置から構成される。
【0042】
このユーザ設定部20でユーザが設定情報を設定するための設定画面の一例を図3を参照して説明する。
【0043】
図3は、インク予備噴射設定画面200の一例を示す図である。このインク予備噴射設定画面200は、ヘッドユニット43のインクの目詰まり防止するために、印刷指示された印刷データを印字する前に予備的にインクを噴射する予備噴射の実施方法を設定する画面であり、連続紙Pの印字領域のユーザ領域と印刷制御領域とを設定する「ユーザ領域」項目と、印刷制御領域へのインクの予備噴射の実施方法を指定して設定する「印刷制御領域」項目とで構成されている。
【0044】
このユーザ領域とは、連続紙Pの印字領域のうちのユーザが印刷指示した印刷データが印字可能な領域であり、印刷制御領域とは、連続紙Pの識別情報、裁断位置情報、レジスト位置情報、重連(表裏)情報など、連続紙Pの後処理などで用いられる各種制御情報のマーク画像が印字される領域である。
【0045】
「ユーザ領域」項目で例えば「xx」pixcel〜「xxx」pixcelと入力して設定した場合、画像形成装置3は、図4(a)に示すように、連続紙Pの各頁の左端から「xx」pixcelまでを印刷制御領域、「xx」pixcel〜「xxx」pixcelまでをユーザ領域、「xxx」pixcel〜連続紙Pの右端までを印刷制御領域として区分し、連続紙Pの各頁の境目のユーザ領域に対しては、全色(Y、M、C、K)の各色のインクを全濃度「100」%で噴射して印字し、各印刷制御領域に対しては、「印刷制御領域」項目で指定して設定された設定値に対応した色のインクをその設定濃度で噴射して印字する。
【0046】
なお、「ユーザ領域」項目で表示されるpixcelの単位からは、フルライン型インクジェット方式のヘッドユニット43の連続紙Pの全幅方向(搬送方向とは垂直方向)に対応したインクの噴射位置が特定可能に構成されている。
【0047】
次に、「印刷制御領域」項目で例えば「インク噴射する」を選択して「濃度」項目で「50」%と入力し、「噴射タイミング」項目で「常に」を選択して設定した場合は、図4(b)に示すように、インク全色のうち、印刷制御領域に印字される印刷制御データで噴射されない色(不足色)がある場合は、連続紙Pの各頁の境目の各印刷制御領域に対してその不足色のインクを設定濃度(この場合は「50」%)で噴射して印字し、不足色がない場合は、その各印刷制御領域に対して全色のインクを設定濃度で噴射して印字する。
【0048】
また、「印刷制御領域」項目の「噴射タイミング」項目で「自動で判断する」を選択し、「マークライン数」項目で「5」pixcelと入力して設定した場合は、印刷制御データのライン数がマークライン数の「5」pixcelより大きいものの色は、図5(a)に示すように、連続紙Pの各頁の境目の各印刷制御領域に対してその色のインクの予備噴射を行わないように抑制する。
【0049】
なお、「マークライン数」項目で表示されるpixcelの単位からは、フルライン型インクジェット方式のヘッドユニット43の連続紙Pの搬送方向に対応したインクの噴射位置(行)が特定可能に構成されている。
【0050】
更に、「印刷制御領域」項目で「一定のページ間隔で強制的にインクを噴射する」を選択し、「ページの間隔」項目で「3」ページと入力して設定した場合は、図5(b)に示すように、連続紙Pの各頁の境目の各印刷制御領域に対して設定ページ間隔「3」ページの間、噴射が行われなかったインクの色を設定濃度(この場合は「50」%)で連続紙Pの当該頁に強制的に噴射して印字するよう画像形成装置3が動作する。
【0051】
次に、画像形成装置3のコントローラ部30の印刷制御部31は、作成されたラスタライズ画像の印刷を画像形成部40に対して指示する制御を行うとともに、コントローラ部30の各機能部を制御して画像形成装置3全体を統括制御する機能部である。
【0052】
印刷データ受信部32は、ホスト端末(PC)2などから印刷指示されてラスタライズされて送信された印刷データ、ユーザ設定情報などを含む印刷ジョブを受信する機能部である。
【0053】
このユーザ設定情報は、ホスト端末2で前述のインク予備噴射設定画面200から入力して設定された各設定値を含む各種情報である。
【0054】
ユーザ設定情報取得部33は、ホスト端末(PC)2から送信された印刷ジョブに含まれるユーザ設定情報の各設定値を取得する機能部である。
【0055】
印刷領域判定部34は、ユーザ設定情報取得部33で取得されたユーザ設定情報からユーザ領域の設定値を参照して、連続紙Pの印字領域を印刷指示された印刷データを印字するユーザ領域と印刷制御データを印字する印刷制御領域とに区分する機能部である。
【0056】
印刷制御データ作成部35は、印刷制御データを作成して不図示の画像メモリに描画し、当該描画された印刷制御データに対応したマーク画像のライン数(列方向のpixcel、行方向のpixcel)を予備噴射制御部36に通知する制御を行う機能部である。
【0057】
予備噴射制御部36は、ユーザ設定情報取得部33で取得されたユーザ設定情報を参照して、その設定値に基づきユーザ領域と印刷制御領域にそれぞれ予備噴射するインク量や噴射位置、各領域にインクを予備噴射して印字する印刷データ(以下、予備噴射印刷データという)の描画など、予備噴射に係わる制御を行う機能部である。
【0058】
このように構成された画像形成システム1のインクの目詰まり防止を効率的に行う制御動作について、図6〜図8の流れ図を参照して説明する。
【0059】
先ず、ホスト端末2の動作について図6の流れ図を参照して説明する。
【0060】
図6に示すように、ホスト端末2は、ユーザからの指示に基づきユーザ設定部20の機能を実行して、前述のインク予備噴射設定画面200(図3参照)をホスト端末2の不図示の画面上に表示させ、各設定値をユーザに入力させ、その設定値をユーザ設定情報として取得する(ステップS100)。
【0061】
そして、ホスト端末2上でユーザが印刷データを作成または選択後(ステップS101)、印刷指示すると(ステップS102)、その印刷データとユーザ設定情報を含む印刷ジョブを作成して画像形成装置3に送信する(ステップS103)。
【0062】
次に、画像形成装置3の動作について図7の流れ図を参照して説明する。
【0063】
一方、画像形成装置3は、図7に示すように、ホスト端末2からネットワーク4を介して送信された印刷ジョブを印刷データ受信部32で受信し、ユーザ設定情報取得部33がその印刷ジョブに含まれるユーザ設定情報の各設定値を取得する。
【0064】
また、印刷領域判定部34は、ユーザ設定情報取得部33で取得されたユーザ設定情報のユーザ領域の設定値を参照して不図示の画像メモリの連続紙Pの印字領域に対応する領域をユーザ領域と印刷制御領域とに区分する(ステップS1001)。
【0065】
ステップS1001でユーザ領域と印刷制御領域とに区分されると、予備噴射制御部36がユーザ設定情報取得部33で取得されたユーザ設定情報の予備噴射の実施有無の設定値を参照して印刷制御領域への予備噴射の実施の「有無」を判定し(ステップS1002)、インクの予備噴射の実施が「無」の場合は(ステップS1002でNO)、画像メモリ(不図示)の連続紙Pの頁の境目のユーザ領域に予備噴射印刷データを描画し、噴射対象のインクの色を全色、噴射する濃度を全濃度(100%)に設定する。
【0066】
この設定値に基づき印刷制御部31が連続紙Pの印刷制御領域にはインクの予備噴射を行わずに、ユーザ領域にのみ全色のインクを全濃度で噴射して予備噴射印刷データの画像を印字する制御を行う(ステップS1018)。
また、予備噴射制御部36は、ステップS1002で印刷制御領域への予備噴射の実施が「有」の場合は(ステップS1002でYES)、更に、予備噴射の噴射タイミング(常に、自動で判断する)をユーザ設定情報のその設定値に基づき判定する(ステップS1003)。
【0067】
その噴射タイミング(時期)が「自動で判断する」の場合は(ステップS1003でNO)、印刷制御部31を介して印刷制御データ作成部35に対して印刷制御領域に印字される印刷制御データの色およびその色のライン数(行数)の通知を要求し、印刷制御データ作成部35がその画像メモリの印刷制御領域に印刷制御データを描画し、その描画された印刷制御データの色およびその色のライン数(行数)を特定して、予備噴射制御部36へ通知する(ステップS1004)。
【0068】
予備噴射制御部36は、その特定された色のライン数(以下、特定ライン数という)と予備噴射を実施する条件である予備噴射実施ライン数とを比較して(ステップS1005)、予備噴射実施ライン数以下の特定ライン数の色があれば、予備噴射を実施する色があると判定し(ステップS1006でYES)、その色を予備噴射対象の色として設定する(ステップS1007)。
【0069】
なお、特定ライン数は、予め取得されて画像形成装置3が備える不図示の記憶装置に記憶されている。
【0070】
また、ステップS1005で予備噴射実施ライン数以下の特定ライン数の色がなければ、予備噴射を実施する色がないと判定し(ステップS1006でNO)、その後、またはS1007で予備噴射対象の色の設定後、「一定のページ間隔で強制的にインクを噴射する」が選択されているか否かをユーザ設定情報の設定値に基づき判定する(ステップS1008)。
【0071】
ユーザ設定情報の設定値が「一定のページ間隔で強制的にインクを噴射する」の場合は(ステップS1008でYES)、設定頁数の間、インク噴射のなかった色があるか否かを確認し(ステップS1009)、その色があった場合は(ステップS1009でYES)、その色を予備噴射対象の色に設定する(ステップS1010)。
【0072】
また、ステップS1008でユーザ設定情報の設定値が「一定のページ間隔で強制的にインクを噴射する」でない場合(ステップS1008でNO)またはステップS1009で設定頁数の間、インク噴射のなかった色がなかった場合(ステップS1009でNO)またはS1010で予備噴射対象の色の設定後、予備噴射対象の色があるか否かを判定し(ステップS1011)、予備噴射対象の色がある場合は(ステップS1011でYES)、画像メモリ(不図示)の連続紙Pの頁の境目の印刷制御領域およびユーザ領域に予備噴射印刷データを描画する。
【0073】
そして、印刷制御部31が連続紙Pの印刷制御領域にはステップS1007およびステップS1010で設定された予備噴射対象の色のインクを設定濃度(例えば50%)で噴射して予備噴射印刷データの画像を印字し(ステップS1011でYES、ステップS1012)、ユーザ領域には全色のインクを全濃度で噴射して予備噴射印刷データの画像を印字する(ステップS1018)。
【0074】
また、ステップS1011で予備噴射対象の色がないと判定した場合は(ステップS1011でNO)、印刷制御部31は、連続紙Pの印刷制御領域にはインクの予備噴射を行わずに、ユーザ領域にのみ全色のインクを全濃度で噴射して予備噴射印刷データの画像を印字する(ステップS1018)。
【0075】
また、前述のステップS1003でユーザ設定情報の設定値が「予備噴射の噴射タイミングが常に」の場合は(ステップS1003でYES)、図8に示すように、印刷制御データ作成部35が画像メモリの印刷制御領域に印刷制御データを描画し、当該描画された印刷制御データに全色のうちの噴射されない色(不足色)があるか否かを判定し、その判定結果を予備噴射制御部36に通知するとともに、不足色がある場合は、その色を特定して予備噴射制御部36に通知する(ステップS1013)。
【0076】
予備噴射制御部36は、印刷制御データ作成部35から不足色有りと通知された場合は(ステップS1014でYES)、画像メモリ(不図示)の連続紙Pの頁の境目の印刷制御領域とユーザ領域に予備噴射印刷データを描画し、印刷制御領域には噴射対象の色をその不足色、噴射するインク濃度を設定濃度(例えば50%)に設定し、ユーザ領域には噴射対象の色を全色、噴射するインク濃度を全濃度に設定する。
【0077】
そして、この設定値に基づき印刷制御部31が連続紙Pの頁の境目の印刷制御領域には印刷制御データの不足色のインクを設定濃度で噴射して予備噴射印刷データの画像を印字し、ユーザ領域には全色のインクを全濃度で噴射して予備噴射印刷データの画像を印字する制御を行う(ステップS1015〜S1016、S1018)。
【0078】
また、印刷制御データ作成部35から不足色無しと通知された場合は(ステップS1014でNO)、画像メモリ(不図示)の連続紙Pの頁の境目の印刷制御領域およびユーザ領域に予備噴射印刷データを描画し、印刷制御領域には噴射対象の色を全色、噴射するインク濃度を設定濃度(例えば50%)に設定し、ユーザ領域には噴射対象の色を全色、噴射するインク濃度を全濃度に設定する。
【0079】
そして、この設定値に基づき印刷制御部31が連続紙Pの印刷制御領域に全色のインクを設定濃度で噴射して予備噴射印刷データの画像を印字し、ユーザ領域に全色のインクを全濃度で噴射して予備噴射印刷データの画像を印字する制御を行う(ステップS1017、S1018)。
【0080】
上記第1の実施の形態で示したインクの予備噴射の噴射タイミングの設定に加えて、更に予備噴射の噴射位置を指定して設定できる構成にしてもよい。
【0081】
この場合は、ホスト端末2のユーザ設定部20を前述のインク予備噴射設定画面200の構成に加えて、更に図9に示すような「レジストマークに重ねて印字する」、「レジストマークの直後に印字する」、「ID直後に印字する」などの選択項目と、上記選択項目に対応して予備噴射する領域(印字箇所)が特定できない場合に、印刷処理を中断するための「印字箇所がなかった場合、印字を中断する」などの選択項目を追加して表示させるインク予備噴射設定画面201を表示させ、それらの各設定値が設定可能な構成とする。 このインク予備噴射設定画面201は、インク予備噴射設定画面200の次頁の構成としてもよく、インク予備噴射設定画面200上にインク予備噴射設定画面201の各設定項目を追加する構成でもよい。
【0082】
このインク予備噴射設定画面201は、予備噴射の噴射位置を指定する設定項目として例えば「レジストマークに重ねて印字する」、「レジストマークの直後に印字する」、「ID直後に印字する」などの各選択項目と、指定した噴射位置が特定できない場合の処理を指定する「印字箇所がなかった場合、印字を中断する」などのエラー処理項目で構成されている。
【0083】
このインク予備噴射設定画面201の「噴射位置」項目で「レジストマークに重ねて印字する」を選択して設定した場合、画像形成装置3は、図10(a)に示すように、印刷制御領域にレジストマークがある場合は、そのレジストマークの位置に、レジストマークがない場合は、連続紙Pの各頁の境目の印刷制御領域にそれぞれ指定されたインクの噴射濃度で、指定された噴射タイミング(常に、自動)に対応した色のインクを噴射して印字し、ユーザ領域には全色の各インクを全濃度で噴射して予備噴射印刷データの画像を印字する。
【0084】
また、この場合において、印刷制御領域に他の印刷制御データが印字される場合は、その印刷制御データのマークの位置に指定されたインクの噴射濃度で、指定された噴射タイミング(常に、自動)に対応した色のインクを噴射して印字してもよい。
【0085】
「噴射位置」項目で「レジストマークの直後に印字する」を選択して設定した場合、画像形成装置3は、図10(b)に示すように、印刷制御領域にレジストマークがある場合は、そのレジストマークの直後(連続紙Pの搬送方向に対してレジストマークの後側)の位置に、レジストマークがない場合は、連続紙Pの各頁の境目の印刷制御領域にそれぞれ指定されたインクの噴射濃度で、指定された噴射タイミング(常に、自動)に対応した色のインクを噴射して印字し、ユーザ領域には全色のインクを全濃度で噴射して予備噴射印刷データの画像を印字する。
【0086】
また、この場合において、印刷制御領域に他の印刷制御データが印字される場合は、その印刷制御データのマークの位置に指定されたインクの噴射濃度で、指定された噴射タイミング(常に、自動)に対応した色のインクを噴射して印字してもよい。
【0087】
また、「噴射位置」項目で「ID直後に印字する」を選択して設定した場合、画像形成装置3は、図11(a)に示すように、印刷制御領域に文書IDマークがある場合は、その文書IDマークの直後(連続紙Pの搬送方向に対して文書IDマークの後側)の位置に、文書IDマークがない場合は、連続紙Pの各頁の境目の印刷制御領域にそれぞれ指定されたインクの噴射濃度で、指定された噴射タイミング(常に、自動)に対応した色のインクを噴射して印字し、ユーザ領域には全色のインクを全濃度で噴射して予備噴射印刷データの画像を印字する。
【0088】
また、「印字箇所がなかった場合、印字を中断する」を選択して設定した場合、画像形成装置3は、連続紙Pの印刷制御領域に予備噴射する領域(印字箇所)が特定できない場合に、その旨をユーザに対して通知し、その印刷処理を中断する。
【0089】
この場合のホスト端末2および画像形成装置3の制御動作について説明する。
【0090】
なお、ここでは指定された噴射位置に対応した各装置の制御動作について説明する。
【0091】
ホスト端末2の動作については、上記第1の実施の形態に係わる画像形成システム1の場合と同様に、ユーザからの指示に基づきユーザ設定部20の機能を実行して、前述のインク予備噴射設定画面201(図9参照)をホスト端末2の不図示の画面上に表示させ、各設定値をユーザに入力させ、その設定値をユーザ設定情報として取得する。
【0092】
そして、ホスト端末2上でユーザが印刷データを作成または選択後、印刷指示すると、その印刷データとユーザ設定情報を含む印刷ジョブを作成して画像形成装置3に送信する。
【0093】
一方、画像形成装置3は、図12に示すように、予備噴射制御部36が、ユーザ設定情報取得部33で取得されたユーザ設定情報の噴射位置の設定値を参照して、噴射位置の指定が「無」の設定値の場合は(ステップS2001でNO)、画像メモリ(不図示)の連続紙Pの頁の境目の印刷制御領域およびユーザ領域に予備噴射印刷データを描画し、ユーザ設定情報の噴射タイミング(「予備噴射の実施有無」、「予備噴射の噴射タイミング(常に、自動で判断する)」、「マークライン数」、「一定のページ間隔で強制的にインクを噴射する」、「ページの間隔」)の各設定値に対応した色のインクを予備噴射対象の色に設定する。
【0094】
そして、この設定値に基づき印刷制御部31が連続紙Pの印刷制御領域には噴射タイミングの各設定値に対応した予備噴射対象の色のインクを設定濃度で噴射して予備噴射印刷データの画像を印字し、ユーザ領域には全色のインクを全濃度で噴射して予備噴射印刷データの画像を印字する制御を行う(ステップS2010〜ステップS2012)。
【0095】
また、ステップS2001でユーザ設定情報の噴射位置の指定が「有」の設定値の場合は(ステップS2001でYES)、予備噴射制御部36は、印刷制御データ作成部35で描画された印刷制御領域の印刷制御データに基づき指定された予備噴射位置を確認し(ステップS2002)、その予備噴射位置に予備噴射印刷データの印字が可能か否かを判定する(ステップS2003)。
【0096】
この予備噴射位置の確認は、ユーザ設定情報には、前述のインク予備噴射設定画面201(図9参照)で選択されて設定された「レジストマークに重ねて印字する」、「レジストマークの直後に印字する」、「ID直後に印字する」などの何れかに対応する設定値が設定されているので、これらの指定された設定値と描画された印刷制御データから予備噴射位置を確認する。
【0097】
ステップS2002で、指定された予備噴射位置の確認結果からその予備噴射位置への予備噴射印刷データの印字が不可と判定された場合は(ステップS2003でNO)、その判定結果を印刷制御部31へ通知し、印刷制御部31がその旨を不図示の報知手段でユーザに報知して当該印刷処理を中断させて終了する(ステップS2013)。
【0098】
また、ステップS2003で予備噴射位置への予備噴射印刷データの印字が可と判定された場合(ステップS2003でYES)、予備噴射制御部36は、更に、ユーザ設定情報の噴射位置の設定値を参照し、その設定値が「レジストマークに重ねて印字する」の場合に(ステップS2004でYES)、不図示の画像メモリの印刷制御領域のレジストマークの位置とその画像メモリの連続紙Pの頁の境目のユーザ領域に予備噴射印刷データを描画し、ユーザ設定情報の噴射タイミングの各設定値に対応した色のインクを予備噴射対象の色に設定する(ステップS2005、ステップS2010)。
【0099】
そして、この設定値に基づき印刷制御部31が連続紙Pの印刷制御領域には噴射タイミングの各設定値に対応した予備噴射対象の色のインクを設定濃度でレジストマークに重ねて噴射して印字し、ユーザ領域には全色のインクを全濃度で噴射して予備噴射印刷データの画像を印字する制御を行う(ステップS2011、ステップS2012)。
【0100】
また、予備噴射制御部36は、ユーザ設定情報の噴射位置の設定値が「レジストマークの直後に印字する」の場合に(ステップS2004でNO、ステップS2006でYES)、不図示の画像メモリの印刷制御領域のレジストマークの直後の位置とその画像メモリの連続紙Pの頁の境目のユーザ領域に予備噴射印刷データを描画し、ユーザ設定情報の噴射タイミングの各設定値に対応した色のインクを予備噴射対象の色に設定する(ステップS2007、ステップS2010)。
【0101】
そして、この設定値に基づき印刷制御部31が連続紙Pの印刷制御領域には噴射タイミングの各設定値に対応した予備噴射対象の色のインクを設定濃度でレジストマークの直後の位置に噴射して予備噴射印刷データの画像を印字し、ユーザ領域には全色のインクを全濃度で噴射して予備噴射印刷データの画像を印字する制御を行う(ステップS2011、ステップS2012)。
【0102】
また、予備噴射制御部36は、ユーザ設定情報の噴射位置の設定値が「ID直後に印字する」の場合に(ステップS2006でNO、ステップS2008でYES)、不図示の画像メモリの印刷制御領域の文書IDマークの直後の位置とその画像メモリの連続紙Pの頁の境目のユーザ領域に予備噴射印刷データを描画し、ユーザ設定情報の噴射タイミングの各設定値に対応した色のインクを予備噴射対象の色に設定する(ステップS2009、ステップS2010)。
【0103】
そして、この設定値に基づき印刷制御部31が連続紙Pの印刷制御領域には噴射タイミングの各設定値に対応した予備噴射対象の色のインクを設定濃度で文書IDマークの直後の位置に噴射して予備噴射印刷データの画像を印字し、ユーザ領域には全色のインクを全濃度で噴射して予備噴射印刷データの画像を印字する制御を行う(ステップS2011、ステップS2012)。
【0104】
上記の本発明の実施の形態において、ユーザ設定部20の機能的な構成をホスト端末2が備える構成を示したが、このユーザ設定部20を画像形成装置3が備える構成にしてもよい。
【0105】
また、上述の本発明の各実施の形態で説明した各装置の各機能部の機能を全部あるいは部分的に、コンピュータにより実行可能なプログラムによって構成してもよい。
【0106】
この場合、上述の本発明の実施の形態におけるホスト端末2、画像形成装置3のコントローラ部30のそれぞれの各機能部の全部あるいは部分的な機能のプログラムをそれぞれの装置の記憶装置に格納し、各プログラムをそれぞれの装置の中央演算処理装置がそれぞれのプログラムを読み出し実行することによって、上述の本発明の実施の形態で説明した機能が全部あるいは部分的に実現される。
【0107】
また、ユーザ設定部20の機能的な構成を画像形成装置3が備える構成とした場合は、上述の本発明の実施の形態におけるホスト端末2、画像形成装置3のコントローラ部30のそれぞれの各機能部の全部あるいは部分的な機能のプログラムを画像形成装置3の記憶装置に格納し、画像形成装置3の中央演算処理装置がそのプログラムを読み出し実行することによって、上述の本発明の実施の形態で説明した機能が全部あるいは部分的に実現される。
【符号の説明】
【0108】
1:画像形成システム、2:ホスト端末、3:画像形成装置、4:ネットワーク、30:コントローラ部、40:画像形成部、50A及び50B:バッファ装置、60A:前処理装置、60B:後処理装置、41:記録ヘッド、42:ヘッドドライバ、43:ヘッドユニット、31:印刷制御部、32:印刷データ受信部、33:ユーザ設定情報取得部、34:印刷領域判定部、35:印刷制御データ作成部、36:予備噴射制御部、200及び201:インク予備噴射設定画面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録紙の搬送方向に対してほぼ垂直な幅方向に並ぶフルライン型の記録ヘッドを有するとともに、印刷指示された印刷データに応じて、前記記録ヘッドの複数の噴射口からインクを該記録紙上に噴射して画像を印刷するインク噴射手段と、
前記記録紙の印字領域を該記録紙の前記幅方向に、前記印刷データを印刷するユーザ領域と該記録紙の後処理で参照される印刷制御情報を印刷する印刷制御領域とに区分する領域区分手段と、
前記画像の印刷に先立って、前記印刷制御領域における噴射口から噴射するインク量が、前記ユーザ領域における噴射口から噴射するインク量と比べて少なくなるように異ならせて前記複数の噴射口からインクを前記記録紙上に予備噴射する予備噴射手段と
を具備する画像形成装置。
【請求項2】
前記予備噴射の際に、前記印刷制御領域にインクを噴射させるか否かをユーザに指定させる指定手段を
更に具備し、
前記予備噴射手段は、
前記指定手段で指定された内容に応じて前記印刷制御領域における噴射口からインクを噴射させる請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記指定手段は、
前記印刷制御情報の印字で噴射されるインク量が所定値以上となるインクの噴射を抑制するか否かをユーザに指定させ、
前記予備噴射手段は、
前記指定手段で前記インクの噴射を抑制するが指定された場合に、前記インク量が所定値以上となるインクの前記印刷制御領域における噴射口を特定し、該特定した噴射口からのインクの噴射を抑制する請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記指定手段は、
前記記録紙が一定の頁数搬送される間に前記印刷制御領域で噴射のなかったインクを強制噴射させるか否かをユーザに指定させ、
前記予備噴射手段は、
前記指定手段で前記インクを強制噴射させるが指定された場合に、前記記録紙が一定の頁数搬送される間にインクの噴射のなかった前記印刷制御領域における噴射口を特定し、該特定した噴射口からインクを当該頁の記録紙上に噴射させる請求項2記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記指定手段は、
前記印刷制御領域のインクを予備噴射する噴射位置をユーザに指定させ、
前記予備噴射手段は、
前記指定手段で指定された噴射位置に対応する前記印刷制御領域における噴射口を特定し、該特定した噴射口からインクを噴射させる請求項2記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記予備噴射手段は、
前記指定手段で前記噴射位置が前記印刷制御情報の画像と重なる位置と指定された場合に、該指定された噴射位置に対応する前記印刷制御領域における噴射口を特定し、該特定した噴射口からインクを噴射させる請求項2記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記予備噴射手段は、
前記指定手段で前記噴射位置が前記印刷制御情報の画像の前記記録紙搬送方向の後方の位置と指定された場合に、該指定された噴射位置に対応する前記印刷制御領域における噴射口を特定し、該特定した噴射口からインクを噴射させる請求項2記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記指定手段で指定された噴射位置に対応する前記印刷制御領域における噴射口が前記予備噴射手段で特定されなかった場合に、その旨を報知して前記印刷データの印刷処理を中止する印刷処理中止手段
を更に具備する請求項3乃至7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
コンピュータにより構成され、記録紙の搬送方向に対してほぼ垂直な幅方向に並ぶフルライン型の記録ヘッドを有するとともに、印刷データを演算処理する演算処理手段を備える画像形成装置に実装し、
前記コンピュータを、
印刷指示された印刷データに応じて、前記記録ヘッドの複数の噴射口からインクを該記録紙上に噴射して画像を印刷するインク噴射手段、
前記記録紙の印字領域を該記録紙の前記幅方向に、前記印刷データを印刷するユーザ領域と該記録紙の後処理で参照される印刷制御情報を印刷する印刷制御領域とに区分する領域区分手段、
前記画像の印刷に先立って、前記印刷制御領域における噴射口から噴射するインク量が、前記ユーザ領域における噴射口から噴射するインク量と比べて少なくなるように異ならせて前記複数の噴射口からインクを前記記録紙上に予備噴射する予備噴射手段
として機能させる画像形成プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−218393(P2012−218393A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−89201(P2011−89201)
【出願日】平成23年4月13日(2011.4.13)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】