説明

画像形成装置および画像形成制御プログラム

【課題】
印刷媒体の背景として印刷された点画像群の不正読み取りによる当該点画像群により示される情報の漏洩を防止できるようにした画像形成装置および画像形成制御プログラムを提供する。
【解決手段】
二次元コード情報を示す第一背景画像を第一背景画像生成部107で生成するとともに、その第一背景画像が印刷された印刷用紙複写若しくは画像解析した場合に、第一背景画像のドットの輪郭、大きさ、ドット間の相互関係を不明とすることで光学的に第一背景画像を遮蔽することが可能な第二背景画像を第二背景画像生成部108で生成する。そして、これらを合成処理部109で合成し、出力制御部104では、第一背景画像を黒色の印刷材料で、第二背景画像をCMY色を重ね合わせたプロセスブラックの印刷材料で印刷出力するように印刷出力部105に対して指示を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置および画像形成制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
公文書や秘密文書、契約書などの重要文書への文字等による情報の記入に際してディジタルペンと呼ばれる製品を用いることにより記入した情報を取得して管理することが可能な技術が公開されている。
【0003】
このディジタルペンを用いて、印刷用紙の全面若しくは一部に印刷されたドット形状からなる隠し情報上に所定の文字等による情報を記入することで、その文字等の記載内容の情報や記載位置をディジタルペン内若しくは当該ディジタルペンから転送された情報記憶ストレージ等で管理することが可能となる。
【0004】
すなわち、重要文書等に記載された情報が不正に改ざんされた場合にこれを検知することを可能とすることで不正を防止している。
【0005】
特許文献1に開示された技術では、カード利用時のカード所有者本人を判断するためのデータを登録しておき、上記のようなディジタルペン(電子ペン)を用いてサインしたカード所有者本人を確認するための文字や情報と登録したデータとを比較することにより、カード所有者本人によるカード利用であるかを認証することを可能にしている。
【0006】
また、特許文献2に開示された技術では、印刷用紙の面に印刷された当該媒体の面の位置を特定するためのアドレス情報と印刷用紙に印刷する電子文書とを対応付けておき、そのアドレス情報を変換して生成したコード画像とその電子文書とを印刷用紙に印刷出力することを可能としている。
【0007】
すなわち、上記に示すようなドット形状からなるコード情報を文書に印刷する技術を示している。
【特許文献1】特開2004−030235号公報
【特許文献2】特開2006−285908号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、印刷媒体の背景として印刷された点画像群の不正読み取りによる当該点画像群により示される情報の漏洩を防止できるようにした画像形成装置および画像形成制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、所定の波長領域の反射光によって読み取りが可能な第1の色材を用いて形成され、所定の規則で配列された点画像群に対応する第1の画像データを生成する第1の画像データ生成手段と、第2の色材を用いて形成され、前記点画像群に少なくとも一部が重なる第2の画像データを生成する第2の画像データ生成手段と、前記第1の画像データ生成手段により形成された前記第1の画像データと前記第2の画像データ生成手段により形成された前記第2の画像データとを合成して画像形成する画像形成手段とを具備する。
【0010】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記第2の画像データ生成手段は、前記点画像群に少なくとも一部が重なる複数の点画像に対応する第2の画像データを生成する。
【0011】
また、請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記第2の画像データ生成手段は、前記点画像群に少なくとも一部が重なる複数の細線画像に対応する第2の画像データを生成する。
【0012】
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3いずれかの発明において、前記第1の色材は、黒色の色材からなり、前記第2の色材は、黒以外の複数の色材からなる。
【0013】
また、請求項5の発明は、請求項1の発明において、前記第2の色材は、シアン色、マゼンタ色、イエロー色の色材を含む。
【0014】
また、請求項6の発明は、コンピュータを、所定の波長領域の反射光によって読み取りが可能な第1の色材を用いて形成され、所定の規則で配列された点画像群に対応する第1の画像データを生成する第1の画像データ生成手段、第2の色材を用いて形成され、前記点画像群に少なくとも一部が重なる第2の画像データを生成する第2の画像データ生成手段、前記第1の画像データ生成手段により形成された前記第1の画像データと前記第2の画像データ生成手段により形成された前記第2の画像データとを合成して画像形成の制御を行う画像形成制御手段として機能させる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の請求項1によれば、印刷媒体の背景として印刷された点画像群の不正読み取りによる当該点画像群により示される情報の漏洩を防止できるようになるという効果を奏する。
【0016】
また、請求項2によれば、点画像群の不正な読み取りによる場合であっても第2の画像データによる第1の画像データの情報漏洩を防止することができるようになるという効果を奏する。
【0017】
また、請求項3によれば、点画像群の不正な読み取りによる場合であっても第2の画像データによる第1の画像データの情報漏洩を防止することができるようになるという効果を奏する。
【0018】
また、請求項4によれば、黒の色材による反射率と黒色以外の色材により生成した黒色と類似する色の反射率により情報漏洩を防止することができるようになるという効果を奏する。
【0019】
また、請求項5によれば、シアン色、マゼンタ色、イエロー色の色材により作成される色により作成される第2の画像データを用いて第1の画像データが示す情報の漏洩を防止することができるようになるという効果を奏する。
【0020】
また、請求項6によれば、印刷媒体の背景として印刷された点画像群の不正読み取りによる当該点画像群により示される情報の漏洩を防止できるようになるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明に係わる画像形成装置および画像形成制御プログラムの一実施例を添付図面を参照して詳細に説明する。
【実施例】
【0022】
図1は、本発明の実施の形態における画像形成装置および画像形成制御プログラムを適用して構成した画像形成装置の構成図の一例である。
【0023】
図1において、画像形成装置は、例えば印刷装置により構成され、ドット形状(点画像群)により表される二次元コード情報(「隠し情報」ともいう)を印刷用紙等の背景画像として印刷出力した帳票を生成する装置である。この画像形成装置では、シアン色(C)、マゼンタ色(M)、イエロー色(Y)、ブラック色(K)の4つの印刷材料(色材)を用いて印刷出力を行う。
【0024】
また、この画像形成装置は、ブラック色以外の他の印刷材料を適当な割合で重ね合わせることにより単色のブラック色に類似する色味を表現した「プロセスブラック」と呼ばれる色を生成することができる。この画像形成装置は、ユーザインターフェース部(U/I部)101、画像処理部102、通信部103、出力制御部104、印刷出力部105を具備して構成される。
【0025】
操作ボタンや表示ディスプレイ等により構成されるユーザインターフェース部101を用いて帳票の生成操作を受け付けると、ユーザインターフェース部101は、画像処理部102に対して帳票の生成を指示する。この画像処理部102は、帳票文書画像処理部106、第一背景画像生成部107、第二背景画像生成部108、合成処理部109を具備して構成され、印刷出力部105から印刷出力される帳票の画像データを生成する。
【0026】
画像処理部102では、ユーザインターフェース101から指定された帳票に対応した帳票文書画像に対する処理を帳票文書画像処理部106で行う。
【0027】
この帳票文書画像処理部106では、例えば、帳票文書画像記憶部(図示せず)等の記憶領域に記憶する1または複数の帳票文書画像から、生成する帳票の帳票文書画像を検索・取得し、その帳票文書画像を印刷出力する印刷用紙等の印刷媒体の形状、サイズ等に成形する処理を行う。
【0028】
さらに、ユーザインターフェース101から帳票印刷が指定されたこの画像処理部102では、第一背景画像生成部107および第二背景画像生成部108に対して背景画像の生成処理を要求する。
【0029】
この第一背景画像生成部107は、任意の情報を表した二次元コード情報を生成する。なお、第二背景画像生成部108により生成される背景画像との違いを明確にするため、この二次元コード情報(隠し情報)を「第一背景画像」(第1の画像データ)と示す。この第一背景画像は、図2(b)に示すような連続的または不連続的にマトリクス配置されたドット形状の画素によって表され、マトリックス上の所定の位置にあるドット間の配列(画素配列)により任意の情報を示し、画素配列画像データとも示す。この任意の情報として、例えば帳票そのものを識別する帳票識別情報であるほか、帳票上の位置情報などがある。
【0030】
図2(a)は、第一背景画像と帳票文書画像のみを用いて印刷出力することにより作成された帳票の一例を示す図である。
【0031】
なお、図2(b)に示すようなマトリックスを形成する罫線は、上記に示すような任意の情報を読み取る際の指標・基準となる線であって、第一背景画像として印刷されるものではない。
【0032】
この第一背景画像は、単色のブラック色によって印刷用紙等の印刷媒体上に印刷出力する。このブラック色は、赤外領域の読み取り感度を有する光学デバイスを用いて読み取ることができる。
【0033】
また、第二背景画像生成部108は、第一背景画像生成部107により生成した第一背景画像と合成する「第二背景画像」(第2の画像データ)を生成する。
【0034】
この第二背景画像は、第一背景画像のドット形状とは異なる連続的または不連続的にマトリクス配置されたドット形状若しくは線形状等により作成された背景画像データである。この第一背景画像が二次元コード情報によって任意の情報を表すのに対して、第二背景画像はランダムなドット形状によって構成され、第一背景画像が印刷された印刷用紙が複写若しくは画像解析した場合に、第一背景画像のドットの輪郭、大きさ、ドット間の相互関係を不明とすることで光学的に第一背景画像を遮蔽することが可能な画像である。
【0035】
もちろん、この第二背景画像によって任意の情報を構成とすることも可能である。
【0036】
この第二背景画像は、第一背景画像とは異なる印字材料のトナーにより印字される。すなわち、第一背景画像は単色のブラック色による印刷出力が指示されていることから、この第二背景画像は、シアン色、マゼンタ色、イエロー色の組合せ若しくはこれら3色の印刷材料を重ね合わせて作成されるプロセスブラックにより印刷出力することを指示する。前者の場合の例を図3(b)に示し、後者の場合の例を図4(b)に示し、以下で説明する。
【0037】
第一背景画像生成部107、第二背景画像生成部108によりそれぞれ第一背景画像、第二背景画像が生成されると、これらを合成処理部109へと送出する。合成処理部109は、第一背景画像生成部107から送出された第一背景画像および第二背景画像生成部108から送出された第二背景画像を合成し、さらに帳票文書画像処理部106から送出された帳票文書画像をさらに合成する処理を行う。
【0038】
この合成処理後、合成処理部109は、これらを合成して生成した画像データを出力制御部104へと送出する。
【0039】
出力制御部104では、印刷出力部105に対して、単色のブラック色を用いて第一背景画像の印刷出力を行うこと、および、シアン色、マゼンタ色、イエロー色の組合せ若しくはこれら3色の印刷材料を重ね合わせて作成されるプロセスブラックを用いて第二背景画像の印刷出力を行うことを指示する。なお、帳票文書画像の印刷出力に用いる印刷材料はいずれの印刷材料であってもよく、またそれらを組合せて印刷出力するような構成であってもよい。
【0040】
この印刷出力部105では、合成処理部109で第一背景画像、第二背景画像および帳票文書画像が合成された画像データを出力制御部104により印刷指示された印刷材料を用いて印刷出力することにより帳票を生成する。
【0041】
このようにして生成された帳票を構成する一部を図3(c)、図4(c)、図5(c)に示す。
【0042】
図3および図4および図5は、本発明の実施の形態における画像形成装置により印刷出力される第一背景画像、第二背景画像およびこれらを合成した合成画像を示すとともに、その合成画像を複写若しくは画像解析された場合の状態を示す図である。
【0043】
図3において、図3(a)は、第一背景画像を示す二次元コード情報の一例であってその一部分を示している。図3(b)は、上記するようにシアン色、マゼンタ色、イエロー色の組合せにより作成した第二背景画像を示す図であり、図3(c)は、図3(a)に示す第一背景画像と図3(b)に示す第二背景画像とをシアン色、マゼンタ色、イエロー色の背景画像と一部若しくは全てが重なるように合成して作成した合成画像を示す図であり、図3(d)は、図3(c)に示す合成画像が印刷された印刷用紙を複写若しくは画像解析した場合の状態を示す。
【0044】
図3(d)に示す図では、図3(a)に示す第一背景画像と比べてそのドット形状がくずれ、さらにドットの大きさ、ドット間の相対位置が不明となっている。
【0045】
次に、図4において、図4(a)は、第一背景画像を示す二次元コード情報の一例であってその一部分を示している。図4(b)は、ドット形状が図4(a)に示す第一背景画像とは異なる形状からなる第二背景画像を示す図であり、具体的には第一背景画像のドットと略同一の大きさ、またはより大きな形状のドットであって、ランダムに配置された状態を示している。
【0046】
図4(c)は、図4(a)に示す第一背景画像と図4(b)に示す第二背景画像とを合成した合成画像を示す図であって、図4(d)は、図4(c)に示す合成画像が印刷された印刷用紙を複写若しくは画像解析した場合の状態を示す。
【0047】
図4(d)に示す図では、ドット形状の識別が不可能な状態となっている。
【0048】
図5において、図5(a)は、第一背景画像を示す二次元コード情報の一例であってその一部分を示している。図5(b)は、線画によって構成される第二背景画像を示す図であり、図5(c)は、図5(a)に示す第一背景画像と図5(b)に示す第二背景画像とを合成した合成画像を示す図であり、図5(d)は、図5(c)に示す合成画像が印刷された印刷要旨を複写若しくは画像解析した場合の状態を示す。
【0049】
図5(d)に示す図では、第一背景画像の一部が第二背景画像により隠れた状態となり第一背景画像全体を認識することができない状態であることから、ドット形状の相互位置関係が不明となる。
【0050】
図6は、本発明の実施の形態における画像形成装置により行われる処理の流れを示すフローチャートを示す図である。
【0051】
図6において、帳票の生成が指示されると処理が開始され、生成する帳票文書画像をディジタル画像として描画するレンダリング処理を行う(601)。続いて、二次元コード情報を第一背景画像として構成することが指示されているかを判断し(602)、指示されていない場合(602)には、レンダリング処理した帳票背景画像のディジタル画像をページメモリに格納する(603)。
【0052】
それに対して、二次元コード情報を第一背景画像として構成することが指示されている場合(602でYES)には、第一背景画像と当該第一背景画像を印刷出力する印刷用紙等の印刷媒体の形状、サイズ等の情報を読み込む処理を行う(604)。
【0053】
続いて、第一背景画像を、印刷出力する印刷用紙等の印刷媒体の形状、サイズ等に成形し(605)、成形後の第一背景画像をレンダリング処理する(606)。
【0054】
さらに、偽造防止を施すか否かが指示されているかを判断し(607)、偽造防止を施すことが指定されていない場合(607でNO)には、レンダリング処理した帳票文書画像と第一背景画像のディジタル画像をページメモリに格納して合成処理を行う(608)。
【0055】
それに対して、偽装防止を施すことが指定されている場合(607でYES)には、第二背景画像の形状に関する情報および像密度を読み込む(609)。この第二背景画像の形状に関する情報とは、図3(b)若しくは図4(b)若しくは図5(b)のいずれかを識別し、識別した第二背景画像の形状を示す情報である。例えば、図3(b)に示す第二背景画像を用いる場合、この第二背景画像の形状に関する情報として、シアン色、マゼンタ色、イエロー色の組合せである。
【0056】
また、像密度は第二背景画像が印刷用紙全体に占める密度を示している。
【0057】
続いて、この第二背景画像をレンダリング処理し(610)、レンダリング処理後の帳票文書画像、第一背景画像、第二背景画像をページメモリに格納して合成する(611)。
【0058】
上記の処理によりページメモリに格納された画像データを印刷出力部へと送出することで第一背景画像を単色のブラック色によって印刷出力し、第二背景画像を単色のブラック以外の印刷材料(色材)、例えばプロセスブラックによって印刷出力する(612)。
【0059】
図7は、格子上に配設した罫線の交差地点(格子点)が所定数、含まれる範囲を情報埋め込みの最小単位(ビットパターン)とし、その交差地点に配置するドット数およびドットの配置箇所により任意の情報を表す二次元コード情報の例である。
【0060】
図7には、交差地点が9つ含まれる範囲を最小単位のビットパターンとした例を示し、各ビットパターン内には3つのドットが付されている例を示している。この場合、1つのビットパターン内で84通りの組合せによる任意の情報を示すことができる。
【0061】
図7(a)は、ビットパターンにより第一背景画像を示す例であって、4つのビットパターンを示している。
【0062】
1つ目のビットパターンは1行目のA列目から3行目のC列目までの9つの交差地点を含む領域で表され、2つ目のビットパターンは、1行目のD列目から3行目のF列目までの9つの交差地点を含む領域で表される。また、3つ目のビットパターンは4行目のA列目から6行目のC列目までの9つの交差地点を含む領域で表され、4つ目のビットパターンは、4行目のD列目から6行目のF列目までの9つの交差地点を含む領域で表される。
【0063】
1つ目のビットパターンでは、ドットが1行目のA列と、1行目のB列と、2行目のA列の3箇所に示されており、2つ目のビットパターンでは、ドットが1行目のD列と、2行目のD列と、2行目のE列の3箇所に示されている。また、3つ目のビットパターンでは、ドットが4行目のA列と、4行目のB列と、5行目のB列の3箇所に示されており、4つ目のビットパターンでは、ドットが4行目のD列と、4行目のE列と、5行目のE列の3箇所に示されている。
【0064】
これに対して、図7(b)は、第一背景画像に第二背景画像を合成して作成した合成画像を示す図である。
【0065】
すなわち、1つ目のビットパターンでは、1行目のC列目、2行目のB列目、2行目のC列目にあるドットが第二背景画像を示すドットであり、1つ目のビットパターンでは、1行目のE列目、1行目のF列目、2行目のF列目にあるドットが第二背景画像を示すドットである。また、3つ目のビットパターンでは、5行目のA列目、6行目のA列目、6行目のB列目にあるドットが第二背景画像を示すドットであり、4つ目のビットパターンでは、5行目のD列目、6行目のD列目、6行目のE列目にあるドットが第二背景画像を示すドットである。
【0066】
図7(b)に示す図では、第一背景画像のドットとは異なる交差地点に第二背景画像のドットを示すことで、第一背景画像と第二背景画像が合成された図7(b)に示すような合成画像が印刷された印刷用紙を複写若しくは画像解析した場合でも第一背景画像を光学的に遮蔽する。
【0067】
図7(b)に示す第二背景画像は、マゼンタ色、シアン色、イエロー色の色材を重ね合わせて作成されるドットであって、図7(b)に示す例では、マゼンタ色の上にシアン色を重ね合わせ、さらにそのシアン色の上にイエロー色を重ね合わせた例を示している。
【0068】
なお、本発明は、通信機能を備えた印刷システムで上述の動作を実行させ、あるいは上述の手段を構成させるためのプログラムを格納した記録媒体(CD−ROM、DVD−ROM等)から該プログラムをコンピュータにインストールし、これを実行させることにより、上述の処理を実行する印刷システムを構成することも可能である。印刷システムを構成するコンピュータは、システムバスを介してCPU(Central Processor Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクが接続されている。CPUは、ROMまたはハードディスクに記憶されているプログラムに従い、RAMを作業領域にして処理を行う。
【0069】
また、プログラムを供給するための媒体は、通信媒体(通信回線、通信システムのように一時的または流動的にプログラムを保持する媒体)でもよい。例えば、通信ネットワークの電子掲示板(BBS:Bulletin Board Service)に該プログラムを掲示し、これを通信回線を介して配信するようにしてもよい。
【0070】
本発明は、上記し、且つ図面に示す実施例に限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の実施の形態における画像形成装置および画像形成制御プログラムを適用して構成した画像形成装置の構成図の一例。
【図2】二次元コード情報である第一背景画像の一例を示す図。
【図3】本発明の実施の形態における画像形成装置により印刷出力される第一背景画像、第二背景画像およびこれらを合成した合成画像を示すとともに、その合成画像を複写若しくは画像解析された場合の状態を示す図。
【図4】本発明の実施の形態における画像形成装置により印刷出力される第一背景画像、第二背景画像およびこれらを合成した合成画像を示すとともに、その合成画像を複写若しくは画像解析された場合の状態を示す図。
【図5】本発明の実施の形態における画像形成装置により印刷出力される第一背景画像、第二背景画像およびこれらを合成した合成画像を示すとともに、その合成画像を複写若しくは画像解析された場合の状態を示す図。
【図6】本発明の実施の形態における画像形成装置により行われる処理の流れを示すフローチャートを示す図。
【図7】交差地点が9つ含まれる範囲を最小単位のビットパターンとした例を示し、各ビットパターン内には3つのドットが付されている例を示す図。
【符号の説明】
【0072】
101 ユーザインターフェース部(U/I部)
102 画像処理部
103 通信部
104 出力制御部
105 印刷出力部
106 帳票文書画像処理部
107 第一背景画像生成部
108 第二背景画像生成部
109 合成処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の波長領域の反射光によって読み取りが可能な第1の色材を用いて形成され、所定の規則で配列された点画像群に対応する第1の画像データを生成する第1の画像データ生成手段と、
第2の色材を用いて形成され、前記点画像群に少なくとも一部が重なる第2の画像データを生成する第2の画像データ生成手段と、
前記第1の画像データ生成手段により形成された前記第1の画像データと前記第2の画像データ生成手段により形成された前記第2の画像データとを合成して画像形成する画像形成手段と
を具備する画像形成装置。
【請求項2】
前記第2の画像データ生成手段は、
前記点画像群に少なくとも一部が重なる複数の点画像に対応する第2の画像データを生成する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第2の画像データ生成手段は、
前記点画像群に少なくとも一部が重なる複数の線画画像に対応する第2の画像データを生成する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1の色材は、
黒色の色材からなり、
前記第2の色材は、
黒以外の複数の色材からなる請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第2の色材は、
シアン色、マゼンタ色、イエロー色の色材を含む請求項1記載の画像形成装置。
【請求項6】
コンピュータを、
所定の波長領域の反射光によって読み取りが可能な第1の色材を用いて形成され、所定の規則で配列された点画像群に対応する第1の画像データを生成する第1の画像データ生成手段、
第2の色材を用いて形成され、前記点画像群に少なくとも一部が重なる第2の画像データを生成する第2の画像データ生成手段、
前記第1の画像データ生成手段により形成された前記第1の画像データと前記第2の画像データ生成手段により形成された前記第2の画像データとを合成して画像形成の制御を行う画像形成制御手段
として機能させる画像形成制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−81191(P2010−81191A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−245855(P2008−245855)
【出願日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】