説明

画像形成装置と画像形成システム

【課題】情報処理装置と画像形成装置とがネットワークを介して接続されている画像形成システムにおいて、同一印刷データを複数の配信先に供給し印刷させる場合には、ネットワーク回線の利用効率を向上させる。
【解決手段】印刷データの配信元となる配信元ユーザ端末及び印刷データの利用が許可される1以上の配信先ユーザ端末がネットワークを介して接続されている画像形成装置において、配信元ユーザ端末から配信先ユーザ端末を示すユーザ情報の付加された印刷データを受信すると、印刷データを印刷データ保存部に格納し、ユーザ情報が示す配信先ユーザ端末に対し、印刷データの存在及び印刷データに基づく印刷の要否を示す通知をネットワークを介して行い、配信先ユーザ端末からネットワークを介して印刷要求を受けると印刷データを取り込み、印刷データの印刷を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ端末と画像形成装置とがネットワークで接続された画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、ネットワークが普及したことにより、電子メールシステムが活用されている。この電子メールシステムでは、同様の文書を、多数の配信先へ一斉に供給することが可能である。即ち、電子メールに画像ファイル等を添付して複数の配信先に送信すれば、各配信先が自己の端末画面を参照し、後に印刷することが可能なので、配信元の印刷等の負担は軽減される。しかし、複数の配信先へ添付ファイルを含む電子メールを送信すると、ネットワーク回線が同一データの転送に繰り返し利用されるため、ネットワーク回線の利用量(トラフィック)が増え、ネットワーク回線上の転送速度の低下に繋がる。そこで、下記特許文献1には、回線の利用効率を高め、電子メールを印刷するための電子メールシステムが提案されている。
【0003】
この特許文献で示すシステムでは、複数のメールクライアントとメールサーバ及び画像形成装置が接続されたネットワークにおいて、複数の配信先に送信される添付ファイルを含んだ電子メールをメールサーバが受信すると、その電子メールの添付ファイルを画像形成装置に保存し、電子メールから添付ファイルを消去する。そして、メールサーバは、添付ファイルが保存された画像形成装置のメールアドレスを電子メールに付加して、該メールを各配信先に配信する。従って、配信先は、メールアドレスが割り当てられた画像形成装置に印刷依頼をすることで、添付ファイルの印刷が可能になる。この電子メールシステムであれば、添付ファイルを消去した上で、電子メールを各配信先に送信するので、ネットワーク回線の利用量(トラフィック)が減り、回線上のデータの転送速度の低下を防止できる。
【特許文献1】特開2003−67292号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の電子メールシステムでは、メールサーバと画像形成装置に多くの機能を持たせる必要がある上に、又、メールサーバを有するのは特定の企業や団体に限られているため、システムの導入に制限を受ける。又、画像形成装置とメールサーバとの間で複雑な制御を行う必要があるため対応する特別なソフトウエアが必要になる。
【0005】
本発明の目的は、このような従来の問題を解決するために、ユーザ端末と画像形成装置とがネットワークで接続されている画像形成システムにおいて、トラフィックを増やさず、しかも、システムの構築が容易な電子ファイルを印刷するための画像形成装置及び画像形成システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以上の問題を解決する為に、次の構成を具備する。
<構成1>
本発明は、印刷データの配信元となる配信元ユーザ端末及び上記印刷データの利用が許可される1以上の配信先ユーザ端末がネットワークを介して接続されている画像形成装置において、上記配信元ユーザ端末から上記配信先ユーザ端末を示すユーザ情報の付加された印刷データを受信すると、該印刷データを印刷データ保存部に格納する格納制御手段と、上記ユーザ情報が示す上記配信先ユーザ端末に対し、上記印刷データの存在及び該印刷データに基づく印刷の要否を示す通知を上記ネットワークを介して行う配信先通知手段と、上記配信先ユーザ端末から上記ネットワークを介して印刷要求を受けると上記印刷データ保存部から前記印刷データを取り込み、該印刷データの印刷を実行させるべく印刷処理部に供給する印刷要否判定手段とを含むことを特徴とする。
【0007】
<構成2>
他の発明は、印刷データの配信元となる配信元ユーザ端末及び上記印刷データの利用が許可される1以上の配信先ユーザ端末と画像形成装置とがネットワークを介して接続されている画像形成システムにおいて、上記配信元ユーザ端末は、上記配信先ユーザ端末に対し上記画像形成装置に上記印刷データが存在し、且つ印刷要求が可能であることを示す通知を上記ネットワークを介して行う配信先通知手段を有し、上記画像形成装置は、上記配信元ユーザ端末から上記配信先ユーザ端末を示すユーザ情報の付加された印刷データを受信すると、該印刷データを印刷データ保存部に格納する格納制御手段と、上記配信先ユーザ端末から上記ネットワークを介して印刷要求を受けると上記印刷データ保存部から上記印刷データを取り込み、該印刷データの印刷を実行させるべく印刷処理部に供給する印刷要否判定手段とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザ端末と画像形成装置とがネットワークで接続されている画像形成システムにおいて、画像形成装置に配信先を示す情報と印刷データを保管させ、画像形成装置から配信先に印刷データが有ることを示し且つ印刷実行可能な通知が配信されるので、配信元が直接印刷データを配信先に送る必要が無く、従ってネットワーク上のトラフィックを増やさず、しかも、メールサーバも不要であるからシステムの構築も容易な電子ファイルを印刷するための画像形成システムが提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0010】
図1は、本発明の画像形成システムの構成の説明図である。
図で示すように、本発明の画像形成システムは、ビルのフロアA105では、画像形成装置104とユーザ端末101、102、103がネットワーク112を介して接続されている。ビルのフロアB110では、画像形成装置109とユーザ端末106、107、108がネットワーク113を介して接続されている。更に、ネットワーク112とネットワーク113とは、ネットワーク111を介して接続されている。ネットワーク111、112、113は、例えば社内LANであり、接続されている各ユーザ端末と各画像形成装置には、それぞれメールアドレス、IPアドレスが設定されている。
【0011】
各ユーザ端末の使用可能な画像形成装置は、予め設定されている。例えばフロアA105に設置されている画像形成装置104は、ユーザ端末101から103の使用が設定されており、フロアB110の画像形成装置109はユーザ端末106から108の使用が設定されている。ユーザ端末101(配信元)は、配信先であるユーザ端末102、103、106、107、108が使用する可能性のある印刷データを有している。
【0012】
次に各機器の構成について説明する。先ず、ユーザ端末について説明する。
図2は、実施例1のユーザ端末の構成図である。
図で示すように、ユーザ端末101は、ハードウエア構成として表示装置212、ネットワークポート209を有し、ソフトウエア構成としてOS上に、各種アプリケーション、ドライバ等を有している。
【0013】
OS202は、ユーザ端末101を操作するための基本的な機能を提供する基本ソフトウエアである。ユーザ端末101にインストールされるアプリケーションには、ファイルを開き、画面に表示するなどの共通の動作がある。OS202は、それぞれのアプリケーションにこのような共通部分の処理を提供している。
【0014】
OS202の環境下で、図に示すアプリケーション203、プリンタドライバ204、スプーラ205、ポートモニタ206、ポートドライバ207、ネットワークドライバ208、Webブラウザ211、メールアプリケーション210が動作する。
【0015】
アプリケーション203は、OS202上で動作する汎用のアプリケーションである。
例えば、文書作成ソフトウエア、図形作成ソフトウエア、表計算ソフトウエア、データベースソフトウエア等である。
【0016】
プリンタドライバ204は、OS202上で動作し、アプリケーション203で生成された印刷データを画像形成装置が処理できる形式の印刷データに変換を行うソフトウエアである。又、本発明のプリンタドライバ204は、印刷データを複数の配信先で印刷させる場合には、印刷データを画像形成装置に保存させるための印刷データ保存要求と、複数の配信先を示す情報からなるユーザ情報とを生成する。
【0017】
スプーラ205は、OS202上で動作し、上記アプリケーション203を使用しながら、同時にプリンタドライバ204から供給されてくる印刷データ等を画像形成装置へ送信する為のソフトウエアである。
【0018】
ポートモニタ206は、OS202上で動作し、画像形成装置と通信を行うネットワークポート209の監視を行うソフトウエアである。ポートドライバ207は、OS202上で動作し、画像形成装置と接続を行うネットワークポート209の接続制御を行うソフトウエアである。ネットワークドライバ208は、OS202上で動作し、画像形成装置と接続を行うネットワークポート209のプロトコル及び物理的通信制御を行うソフトウエアである。ネットワークポート209は、画像形成装置と接続を行うためのインターフェース部分である。
【0019】
メールアプリケーション210は、OS202上で動作する汎用的なメールアプリケーションである。Webブラウザ211は、OS202上で動作する汎用的なWebデータ処理を行うブラウザプリケーションである。例えば、インターネットエクスプロラなどがあげられる。表示装置212は、ユーザ端末101に接続されているOS202及びOS202上で動作するアプリケーションの指示に従い文字や図形等の表示を行う表示装置である。
なお、配信先のユーザ端末102、103、106、107、108も同一構成を有している。
【0020】
続いて、画像形成装置104について説明する。
図3は、実施例1の画像形成装置の構成図である。
図で示すように、画像形成装置104は、データ受信部302と、受信データ解析部303と、印刷データ編集部304と、印刷制御部305と、情報格納部306と、印刷データ保存管理部307と、保存データ印刷処理部308と、印刷データ保存部309と、メール配信制御部310と、Webデータ処理部311と、画像形成装置間通信部312と、通信デバイス313とを備える。
【0021】
データ受信部302は、ユーザ端末101より送信されてくるデータの受信を行う部分である。
受信データ解析部303は、データ受信部302から供給される受信データを解析する部分である。受信データ解析部303は、受信データが印刷データのみであれば、直ちに印刷データを印刷データ編集部304に供給する。一方、受信データ解析部303は、印刷データに、ユーザ情報と保存要求が付加されていた場合には、印刷データ保存管理部307にユーザ情報を供給し、印刷データを管理させる。受信データ解析部303は、ユーザ情報と印刷データを印刷データ編集部304に供給する。
【0022】
印刷データ編集部304は、受信データ解析部303から供給された印刷データを印刷可能なデータ形式に変換し、印刷制御部305に供給する部分である。又、印刷データ編集部304は、ユーザ情報と印刷データが供給された場合には、ユーザ情報と印刷データを印刷データ保存部309に格納する。印刷データ保存部309は、画像形成装置に装備されたHDD(ハードディスクドライブ)やフラッシュメモリ等の物理記憶デバイスである。印刷データ編集部304は、ユーザ情報と印刷データの格納が完了すると、印刷データ保存管理部307に格納が完了したことを通知し、印刷データ、ユーザ情報の印刷データ保存部309における格納場所を示す情報を生成し、この格納場所を示す情報を印刷データ保存管理部307に供給する。
【0023】
印刷制御部305は、印刷データ編集部304で印刷可能なデータ形式に変換された印刷データを印刷する部分である。情報格納部306には、ユーザ端末と画像形成装置を対応させた使用設定情報及び画像形成装置毎のIPアドレスが格納されている。
【0024】
図4は、実施例1の情報格納部に格納されている使用設定情報及び画像形成装置毎のアドレス情報の説明図である。
図4(a)に示す使用設定情報401は、ユーザ毎の登録名、メールアドレス、各ユーザに使用設定された画像形成装置名とを含む。図4(b)に示す画像形成装置のアドレス情報402は、画像形成装置名と、設置場所とIPアドレスとを含む。なお、使用設定情報401、画像形成装置のアドレス情報402を画像形成装置に登録する手段は、一般的な既存技術で行うことが可能なため説明を省略する。
【0025】
図3の説明に戻って、印刷データ保存管理部307は、保存要求の付加された印刷データ、ユーザ情報を管理する部分であり、受信データ解析部303から印刷データ、ユーザ情報の管理要求を受けると、印刷データ編集部304からの、ユーザ情報、印刷データの格納完了通知を待つ。印刷データ保存管理部307は、この通知を受けると印刷データ編集部304が生成した印刷データ、ユーザ情報の印刷データ保存部309における格納場所を示す情報を受信して保持する。そして、印刷データ保存管理部307は、図4(a)に示す使用設定情報を参照し、供給されたユーザ情報に記載されたユーザの中に自己の画像形成装置104に使用設定されていないユーザ端末が存在すれば、画像形成装置間通信部312を介してそのユーザ端末の使用設定されている画像形成装置109に、図4(b)で示すIPアドレスを参照し、配信先のユーザ情報、印刷データを転送する。印刷データ保存管理部307は、印刷データの格納が完了し、又、転送が完了すると、メール配信制御部310に印刷データの格納完了を通知する。
【0026】
メール配信制御部310は、印刷データ保存管理部307の指示でユーザ情報に記載された各ユーザ端末に、印刷データが格納された自己の画像形成装置を示すIPアドレスとその印刷実行を示すURLを記載したメールを生成し配信する部分である。次に上述のメールについて説明する。
【0027】
図11は、実施例1のユーザ端末に配信されるメール表示画面の説明図である。
図に示すように、メールの内容は、画像形成装置が印刷データを保存していることを通知し、「印刷を実行しますか?」と問いかける文面である。画面下部には、印刷を実行するためのURL403が記載されている。
【0028】
図3の説明に戻って、印刷データ保存管理部307は、メール配信先のユーザ端末102、103からの印刷実行等の要求を、Webデータ処理部311を介して受信すると、
該ユーザ端末に対応する印刷データ保存部309の格納情報を保存データ印刷処理部308に通知する。保存データ印刷処理部308は、印刷データ保存部309から、この格納情報を用いて、ユーザ端末に対応する印刷データを取り込み、この印刷データを印刷データ編集部304に供給する。
【0029】
画像形成装置間通信部312は、印刷データ保存管理部307の指示に従って上記したように印刷データ及びユーザ情報を他の画像形成装置109に送信する部分である。又、他の画像形成装置109から転送されてきた印刷データとユーザ情報を印刷データ保存管理部307に通知する部分でもある。通信デバイス313は、他の装置と回線で繋がれるインターフェース部分である。
【0030】
次に図1で示すユーザ端末101が有する印刷データを、ユーザ端末102〜103、106〜108が印刷実行する概要について説明する。
図5は、実施例1の装置間の各情報の流れの説明図である。
各情報とは、印刷データ、保存要求、ユーザ情報、印刷要求等である。以下に各情報の流れについて説明する。
【0031】
情報の流れ(1)
ユーザ端末101(配信元)は、ユーザ端末102〜103、106〜108を配信先としたユーザ情報と保存要求が付加された印刷データを画像形成装置104に送信する。
【0032】
情報の流れ(2)
画像形成装置104は、印刷データを格納し、ユーザ情報を図4に基づいて検証する。
ユーザ情報に画像形成装置109に使用設定されたユーザ端末106〜108が含まれていることを検出すると、ユーザ情報と印刷データとを画像形成装置109に送信する。
なお、画像形成装置104から画像形成装置109に送信されるユーザ情報は、ユーザ端末106〜108のみである。
【0033】
情報の流れ(3)
画像形成装置104は、印刷を実行するためのURLが記載されているメールをユーザ端末102、103に送信する。同様に、画像形成装置109も、印刷を実行するためのURLが記載されているメールをユーザ端末106〜108に送信する。
【0034】
情報の流れ(4)
ユーザ端末102〜103、106〜108は、受信したメールにより、Webブラウザを起動して印刷の実行の指示を画像形成装置に送信する。その際、ユーザ端末102〜103は、画像形成装置104に印刷の実行の指示を送信し、ユーザ端末106〜108は、画像形成装置109に印刷の実行の指示を送信する。画像形成装置104、109は、印刷実行の指示に対応して印刷を開始する。
【0035】
次に、実施例1の各装置の各部の動作について、フローチャートを用いて説明する。
図6は、実施例1のユーザ端末のプリンタドライバの動作フローチャートである。
図6に示すフローチャートを図2を併用しながらステップS601からステップS604の順に説明する。
【0036】
(ステップS601)
プリンタドライバ204は、アプリケーション203で生成された印刷データを解析する。
(ステップS602)
プリンタドライバ204は、印刷データが印刷データのみか、保存要求が付加された印刷データかどうかを判断する。保存要求が付加された印刷データの場合にはステップS603に進み、印刷データのみの場合にはステップS604に進む。
【0037】
(ステップS603)
プリンタドライバ204は、配信元のユーザが配信先ユーザを指示入力することでユーザ端末102〜103、106〜108とを示すユーザ情報を生成する。
【0038】
(ステップS604)
プリンタドライバ204は、印刷データのみの場合には印刷可能な印刷データに変換してスプーラ205に送信する。一方、印刷データに保存要求が付加されていた場合には、先ず、保存要求と生成されたユーザ情報を、スプーラ205に供給し、次に印刷データを印刷可能な印刷データに変換しスプーラ205に供給する。
【0039】
このように、画像形成装置104は、配信元であるユーザ端末101からユーザ端末102〜103、106〜108を示すユーザ情報と保存要求が付加された印刷データを受信すると、ユーザ端末102〜103が印刷指示可能となるように印刷データを格納し、又、印刷データを他の画像形成装置109に送信する。
【0040】
続いて、ユーザ端末102〜103、106〜108を示すユーザ情報と保存要求が付加された印刷データを受信した画像形成装置104について説明する。
図7は、実施例1の画像形成装置の印刷データの処理についての動作フローチャートである。
図7に示すフローチャートに従って、図3を併用しながらステップS701からステップS708までをステップ順に説明する。
【0041】
(ステップS701)
画像形成装置104のデータ受信部302は、印刷データを受信すると、解析のために印刷データを受信データ解析部303に供給する。
【0042】
(ステップS702)
受信データ解析部303は、印刷データが印刷データのみか、ユーザ端末102〜103、106〜108を示すユーザ情報と保存要求が付加された印刷データかどうかを判断する。ユーザ端末102〜103、106〜108を示すユーザ情報と保存要求が付加された印刷データの場合にはステップS703に進み、印刷データのみの場合にはステップS708に進む。
【0043】
(ステップS703)
受信データ解析部303は、印刷データ保存管理部307にユーザ情報を供給する。そして、受信データ解析部303は、ユーザ情報と印刷データを格納するために印刷データ編集部304に供給する。印刷データ編集部304は、ユーザ情報、印刷データを印刷データ保存部309に格納する。印刷データ編集部304は格納が完了すると、印刷データ保存管理部307に格納が完了したことを通知する。
【0044】
(ステップS704)
印刷データ保存管理部307は、供給されたユーザ情報から画像形成装置104以外の使用設定者が存在するかを、情報格納部306の図4(a)に示す使用設定情報から検出する。
【0045】
(ステップS705)
供給されたユーザ情報に他の画像形成装置109の使用設定者であるユーザ端末106〜108が存在すればステップS706に進み、存在しなければステップS707に進む。
【0046】
(ステップS706)
印刷データ保存管理部307は、図4(a)に示す使用設定情報を参照し、供給されたユーザ情報に記載されたユーザの中に自己の画像形成装置104に使用設定されていないユーザ端末106〜108が存在するので、情報格納部306の図4(b)で示すIPアドレスを参照し、画像形成装置109のアドレスを確認する。印刷データ保存管理部307は、画像形成装置間通信部312を介してそのユーザ端末106〜108の使用設定されている画像形成装置109に配信先ユーザを示す情報、印刷データを転送する。
【0047】
(ステップS707)
印刷データ保存管理部307は、印刷データ編集部304が生成した印刷データ、ユーザ情報の印刷データ保存部309における格納場所を示す情報を印刷データ編集部304から受信すると、メール配信制御部310にユーザ情報(ユーザ端末102、103)とともに供給する。メール配信制御部310は、ユーザ情報に記載された各ユーザ端末102〜103に、印刷データの格納場所を示す情報と印刷実行を示すURLを記載したメールを配信する。
【0048】
(ステップS708)
印刷データ編集部304は、印刷データのみの場合は印刷可能な印刷データに変換し、印刷制御部305に供給し、印刷制御部305は、印刷を実行する。
【0049】
なお、フローチャートでは説明しなかったが配信先のユーザを示す情報、印刷データを転送された画像形成装置109も、画像形成装置104同様に配信先のユーザ情報に基づいてユーザ端末106〜108に印刷データの格納場所を示す情報と印刷実行を示すURLを記載したメールを配信する。
【0050】
続いて、実施例1の画像形成装置104のWebデータ処理部311について説明する。
図12は、実施例1のユーザ端末に表示される画像形成装置の状態情報の説明図である。
【0051】
図12(a)は、ユーザ端末102(又は103)が、図11で示すURL403をクリックした時に表示されるWebブラウザの画面である。画面には、印刷を開始したことを告げるメッセージと、画像形成装置の印刷の処理状況を要求するための「更新」アイコン404と、このままユーザがWebブラウザの画面を閉じる目的の「画面を閉じる」アイコン405とが表示される。
【0052】
図12(b)は、ユーザが図12(a)の「更新」アイコン404を押下したことを受けて、表示されるWebブラウザの画面である。画面には、画像形成装置104が印刷を完了したことを告げるメッセージと、ユーザがWebブラウザの画面を閉じる目的の「画面を閉じる」アイコン405とが表示される。
【0053】
図12(c)は、ユーザが図12(a)の「更新」アイコン404を押下したことを受けて、表示されるWebブラウザの画面である。画面には、画像形成装置104が印刷できなかったことを告げる「印刷が開始できません。印刷装置の状態を確認してください。」のメッセージと、再度印刷を実行するための「印刷」アイコン406と、ユーザが画面を閉じる目的の「画面を閉じる」アイコン405とが表示される。
【0054】
図12(d)は、ユーザが図11で示すURL403をクリックした時に表示されるWebブラウザの画面である。画面には、印刷データが既に保存期限を過ぎたので削除されたことを告げるメッセージと、ユーザが画面を閉じる目的の「画面を閉じる」アイコン405とが表示される。
【0055】
次に、実施例1の画像形成装置のWebデータ処理について説明する。
画像形成装置104において、印刷データの格納が完了し、又、画像形成装置109への転送が完了すると、メール配信制御部310は配信先のユーザ端末102、103に格納された印刷データの格納場所及び印刷実行を示す上述のURLを記載したメールを配信する。各ユーザ端末は、Webブラウザ211の起動で印刷実行を示すURLをクリックすることで、画像形成装置104のWebデータ処理部311には、印刷指示を示すWebデータが返信されてくる。画像形成装置は、ユーザ端末から印刷実行を受けると、ユーザ端末に状態情報をWebデータ処理部311を介して返信する。この状態情報には図12で示した「印刷開始」「印刷完了」「印刷失敗」「データ削除」等がある。ユーザ端末102、103は、この情報に基づいて画像形成装置に「更新」「画面を閉じる」等のデータを返信する。このユーザ端末から返信されてくるWebデータの処理について下記に説明する。
【0056】
図8は、実施例1の画像形成装置のWebデータ処理の動作フローチャートである
図8に示すフローチャートに従って図2、図3、図11、図12を併用しながらステップS801からステップS806までをステップ順に説明する。
【0057】
(ステップS801)
画像形成装置104のWebデータ処理部311は、例えばユーザ端末102のWebブラウザ211から受信したWebデータを解析する。
【0058】
(ステップS802)
Webデータ処理部311は、ユーザ端末102から受信したWebデータの要求によって、処理分岐する。図11に示す印刷実行の要求の場合にはステップS803に進み、図12(a)に示す状態更新の要求の場合にはステップS804に進む。但し、図12に示す画面を閉じるの要求の場合には、ユーザ端末のWebブラウザ211は、画面を閉じ終了する。
【0059】
(ステップS803)
Webデータ処理部311は、ユーザ端末102から印刷実行の要求を受信した場合には、印刷データ保存管理部307に印刷要求を通知する。
【0060】
(ステップS804)
Webデータ処理部311は、ユーザ端末102から状態更新の要求を受信した場合には、印刷データ保存管理部307に装置状態の確認要求を通知する。
【0061】
(ステップS805)
印刷データ保存管理部307は、画像形成装置104の状態を確認し、Webデータ処理部311に状態情報を供給する。Webデータ処理部311は、現在の状態を示すWebページデータを生成しユーザ端末102に送信する。図12の(a)から(d)に「印刷開始」「印刷完了」「印刷失敗」「データ削除」の画像形成装置の状態情報の例を示す。
【0062】
次に、実施例1の画像形成装置104内の印刷データの格納及び管理について説明する。
画像形成装置に格納される印刷データには予め保存期限が設定されており、この期限がくると、格納されている印刷データを削除する。これにより、画像形成装置のメモリは有効活用される。なお、この保存期限の設定方法は、予め画像形成装置で設定されていても良いが、配信元が印刷データの送信の際に設定されるものでも構わない。
【0063】
図9は、実施例1の画像形成装置における印刷データの格納及び管理についての動作フローチャートである。
図に示すフローチャートに従って、図3を併用しながらステップS901からステップS909までをステップ順に説明する。なお、本フローチャートでは他の画像形成装置109への印刷データの転送処理は割愛する。
【0064】
(ステップS901)
画像形成装置104のデータ受信部302が、印刷データを受信する。受信した印刷データは、受信データ解析部303に供給され、受信データ解析部303が、印刷データを格納する必要があるのかどうかを解析する。
【0065】
(ステップS902)
受信データ解析部303は、受信した印刷データに保存要求が付加されているかを確認する。付加されていればステップS903に進む。一方、付加されていなければステップS905に進む。
【0066】
(ステップS903)
受信した印刷データに保存要求が付加されているので、印刷データを格納するために、受信データ解析部303は、ユーザ情報と保存要求が付加された印刷データを印刷データ編集部304に供給する。又、受信データ解析部303は、ユーザ情報を印刷データ保存管理部307に供給する。その後、印刷データ編集部304は、各データを印刷データ保存部309に格納する。印刷データ編集部304は、格納が完了すると印刷データ保存管理部307に完了の通知を出す。
【0067】
(ステップS904)
印刷データ保存管理部307は、印刷データ編集部304からの格納完了通知を受けると、ユーザ情報から使用設定情報(図4)を参照し、配信すべきユーザ端末の情報と、格納された印刷データの格納場所を示す情報をメール配信制御部310に供給する。なお、メール配信制御部310の上記以降の処理については図7に示すフローチャートのステップS707に記載してあるので省略し、ステップS905以降のフローチャートでは、画像形成装置104に格納されている印刷データの管理について説明する。
【0068】
(ステップS905)
印刷データ保存管理部307は、以前、格納した印刷データが有るかどうかを確認する。
印刷データが格納されていればステップS906に進む。一方、格納されていなければ終了とする。
【0069】
(ステップS906)
印刷データ保存管理部307は、格納されている印刷データの保存期限を確認する。
ここで、保存期限について説明する。印刷データ保存部309に格納される印刷データには予め保存期限が設定されており、この期限がくると、格納されている印刷データを削除する。なお、この保存期限の設定方法は、予め画像形成装置で設定されていても良いが、配信元が保存要求を付加した印刷データを送信の際に設定されるものでも構わない。
【0070】
(ステップS907)
保存期限が切れている印刷データがあればステップS908に進み、そうでなければ終了する。
【0071】
(ステップS908)
印刷データ保存管理部307は、印刷データの保存期限が切れているので、その印刷データを削除する。
【0072】
次に、実施例1の画像形成装置104から画像形成装置109への各情報の転送について説明する。
図10は、実施例1の画像形成装置間通信についての動作フローチャートである。
図に示すフローチャートに従って、図3を併用しながらステップS1001からステップS1005までをステップ順に説明する。
【0073】
(ステップS1001)
画像形成装置109の画像形成装置間通信部312は、画像形成装置104からユーザ端末を示すユーザ情報と保存要求が付加された印刷データが転送されてきたかを確認する。
【0074】
(ステップS1002)
画像形成装置104から画像形成装置109に配信先を示すユーザ情報と保存要求が付加された印刷データが転送されてきた場合にステップS1003に進む。一方、転送されてこなければ終了となる。
【0075】
(ステップS1003)
画像形成装置109の画像形成装置間通信部312は、画像形成装置104から転送されたユーザ端末106〜108を示すユーザ情報と保存要求が付加された印刷データを印刷データ保存部309に格納する。画像形成装置109の画像形成装置間通信部312は、格納が完了したことを画像形成装置109の印刷データ保存管理部307に通知する。更に、画像形成装置109の画像形成装置間通信部312は、印刷データの格納場所とユーザ端末106〜108を示すユーザ情報を印刷データ保存管理部307に供給する。
【0076】
(ステップS1004)
画像形成装置109の印刷データ保存管理部307は格納完了の通知及び印刷データの格納場所の情報を受けると、画像形成装置109のメール配信制御部310に印刷データの格納場所を示す情報とユーザ端末106〜108を示すユーザ情報を供給する。画像形成装置109のメール配信制御部310は、印刷データの格納場所を示す情報とユーザ端末106〜108を示すユーザ情報から印刷実行を示すURLを記載したメールを生成する。
【0077】
(ステップS1005)
画像形成装置109のメール配信制御部310は、上述のメールをユーザ情報が示すユーザ端末106〜108に配信する。
【0078】
以上のように実施例1では、ユーザ端末と画像形成装置とがネットワークで接続されている画像形成システムにおいて、画像形成装置に配信先を示すユーザ情報と印刷データを保管させ、その画像形成装置から配信元の印刷データが有ることを示し且つ印刷実行可能な通知が配信先に配信されるので、配信元は直接、印刷データを配信先に送る必要が無い。
これにより、配信元は、配信先に印刷データをネットワーク上で直接送信する必要がないので、インターネットや社内LANなどのトラフィックを増やさない。しかも、メールサーバを有する必要が無いので特別なソフトウエアも必要なく、画像形成装置とユーザ端末のみで構成されるので構築が簡単である。
【実施例2】
【0079】
本実施例では、構成は実施例1と同様であるが、画像形成装置から配信先のユーザ端末に送信されるメールに、印刷実行のためのURLを記載するだけではなく、印刷不要を送信可能とするURLも付加することとした。
【0080】
図13は、実施例2の画像形成装置からユーザ端末に配信されるメール表示画面の説明図である。
図に示すように、メール表示画面には、画像形成装置が印刷データを保存していることを通知する「印刷を実行しますか?」というメッセージが表示され、他に印刷を実行する場合のURL403と印刷が不要の場合のURL407が表示される。
【0081】
次に実施例2の「印刷不要」の動作を含めたWebデータ処理について説明する。
これらのWebデータ処理についてフローチャートを用いて説明する。
図14は、実施例2の画像形成装置のWebデータ処理についての動作フローチャートである。
図に示すフローチャートに従って、ステップS1401からステップS1407までをステップ順に説明する。なお、ステップS1401、ステップS1404からステップS1407までは、実施例1の図8のステップS801、ステップS802からステップS805までと同様なので説明を省略する。
【0082】
(ステップS1402)
画像形成装置104のWebデータ処理部311は、例えばユーザ端末102のWebブラウザ211から受信したWebデータを解析する。解析した結果、印刷不要の要求を受信した場合にはステップS1403に進み、そうでなければステップS1404に進む。
【0083】
(ステップS1403)
Webデータ処理部311は、ユーザ端末から受信した「印刷不要」の要求を受けて、印刷データ保存管理部307に配信先のユーザ名、印刷不要の要求を通知する。
【0084】
これにより、実施例2では、画像形成装置が、格納された印刷データをユーザ端末が必要としているのかどうかが判断できるので、次に示すように保存期限が来る前に格納されている印刷データを削除することが可能になる。
【0085】
次に、実施例2の「印刷不要」の動作を含めた画像形成装置の印刷データの格納及び管理について説明する。
図15は、実施例2の画像形成装置の印刷データの格納及び管理についての動作フローチャートである。
図に示すフローチャートに従って、図3を併用しながらステップS1501からステップS1509までをステップ順に説明する。なお、ステップS1501からステップS1505までは、実施例1のステップS901からステップS905までと同様なので説明を省略する。
【0086】
(ステップS1506)
印刷データが格納されている場合に印刷データ保存管理部307は、格納されている印刷データの印刷実行もしくは印刷不要の要求が、配信先のユーザ端末から返信されているかどうかを確認する。
(ステップS1507)
印刷データ保存管理部307は、格納されている印刷データの保存期限が切れていないかを確認する。
【0087】
(ステップS1508)
格納されている印刷データに対する配信先の全ユーザ端末から「印刷不要」もしくは「印刷実行」の要求を受信しているか、又は、保存期限が切れていればステップS1509に進む。一方、保存期限が切れておらず、配信先の全ユーザ端末から「印刷不要」「印刷実行」の何れかの通知が届いていなければ終了となる。
【0088】
(ステップS1509)
印刷データ保存管理部307は、配信先の全ユーザ端末から「印刷不要」もしくは「印刷実行」の要求を受信し、又は、保存期限が切れていると、該当する印刷データを削除する。
【0089】
以上のように実施例2では、画像形成装置から配信先のユーザ端末に送信されるメールに、印刷実行のためのURLを記載するだけではなく、印刷不要のためのURLも記載している。これにより、実施例1の効果に加えて、画像形成装置に格納された印刷データを早期に削除することが可能になるので、画像形成装置のメモリを有効活用できる。
【実施例3】
【0090】
本実施例では、構成は実施例1と同様であるが、以下の点で異なる。画像形成装置104は、配信元のユーザ端末101からユーザ端末102〜103、106〜108を示すユーザ情報と保存要求が付加された印刷データを受信すると、ユーザ情報、印刷データを格納する。ここまでは実施例1、2と同様であるが、実施例3では、画像形成装置104は、ユーザ情報を検証して他の画像形成装置109の使用設定者が存在する場合に印刷データ等の転送前にメールを配信する。即ち、画像形成装置104は、ユーザ情報から得たユーザ端末102〜103だけでなく、他のユーザ端末106〜108に、印刷指示を示すURLを記載したメールを配信する。そして、このメールを受信したユーザ端末106〜108の何れかから印刷実行の応答が画像形成装置104に返信されてくると、この時点で画像形成装置109への印刷データ等の転送処理を行う。この場合、画像形成装置104は、ユーザ端末106〜108を示すユーザ情報と保存要求の付加された印刷データだけでなく、更に印刷実行の要求を転送するので画像形成装置109は、受信した各データを格納し、印刷処理を開始する。
【0091】
なお、実施例3で、印刷データ保存管理部307は、格納されている印刷データの保存期限以外に印刷データの転送有無を管理しており、他装置ユーザ端末から一度印刷要求がくると管理情報に転送済みフラグを記録し、他装置ユーザ端末から二度目の印刷要求がきた時には、管理情報を参照し、既に印刷データを送信していることが管理情報から確認できるので、印刷データは送信せずに印刷データの格納場所を示す情報と印刷要求を送信する。
【0092】
次に、図1で示すユーザ端末101が有する印刷データを、ユーザ端末102〜103、106〜108が印刷実行するまでの動作について説明する。
図16は、実施例3の装置間の各情報の流れの説明図である。
各情報とは、印刷データ、保存要求、ユーザ情報、印刷要求等である。以下に図に示す各情報の流れについて説明する。
【0093】
情報の流れ(11)
ユーザ端末101(配信元)は、ユーザ端末102〜103、106〜108を配信先としたユーザ情報と保存要求が付加された印刷データを画像形成装置104に送信する。
【0094】
情報の流れ(12)
画像形成装置104は、印刷データの格納が完了すると、格納された印刷データの格納場所及び印刷実行を示すURLを記載したメールを全ユーザ端末102〜103、106〜108に配信する。
【0095】
情報の流れ(13)
ユーザ端末102〜103、106〜108は、受信したメールにより、Webブラウザを起動して印刷の実行等の指示を画像形成装置104に送信する。画像形成装置104は、印刷の実行等の指示を送信したユーザ端末を図4(a)の使用設定情報を参照して確認し、ユーザ端末102〜103からの受信であれば、直ちに印刷実行等の処理を行う。
これに対し、印刷の実行等の指示をユーザ端末106〜108から受信すると、情報の流れ(14)に示す動作を行う。
【0096】
情報の流れ(14)
画像形成装置104は、印刷の実行等の指示がユーザ端末106〜108からの場合には、画像形成装置109にユーザ端末106〜108を示すユーザ情報と保存要求の付加された印刷データ及び印刷実行の要求を転送する。画像形成装置109は、上述の各データを受信すると、各データを格納し、印刷実行等の処理を行った上で、画像形成装置104に、印刷データの格納場所を示す情報を返信する。
【0097】
次に、ユーザ端末102〜103、106〜108の何れかから印刷の要求の指示を送信した場合についてフローチャートを用いて説明する。
図17は、実施例3のユーザ端末からの印刷要求の処理についての動作フローチャートである。
図17に示すフローチャートに従って図3、図4、図16を併用しながらステップS1701からステップS1707までをステップ順に説明する。
【0098】
(ステップS1701)
画像形成装置104は、ユーザ端末102〜103、106〜108の何れかから画像形成装置104に印刷の要求の指示が送信されてくると、画像形成装置104のWebデータ処理部311は、印刷データ保存管理部307にユーザ端末を示す情報と、印刷の要求の指示を供給する。印刷データ保存管理部307は、印刷要求を送信してきたユーザ端末が、どの画像形成装置の使用が設定されているかを判別するために、情報格納部306から使用設定情報401を読み込む。
【0099】
(ステップS1702)
印刷データ保存管理部307は、印刷要求を送信してきたユーザ端末の使用が設定されている画像形成装置が画像形成装置104なのか、画像形成装置109なのかを図4に示す使用設定情報401から判別する。画像形成装置104に印刷要求を送信してきたユーザ端末がユーザ端末102、103の何れかであれば、ステップS1706に進む。画像形成装置104に印刷要求を送信してきたユーザ端末がユーザ端末106〜108の何れかであればステップS1703に進む。
【0100】
(ステップS1703)
画像形成装置104に印刷要求を送信してきたユーザ端末は、ユーザ端末106〜108の何れかなので、ユーザ端末106〜108の使用が設定されている画像形成装置109で印刷を行う必要がある。印刷データ保存管理部307は、格納されている印刷データの保存期限と転送有無を管理している。印刷データ保存管理部307は、配信先から印刷要求等の指示があると画像形成装置109に印刷データを転送しているかどうかを管理情報で確認する。
画像形成装置109に印刷データを転送していなければステップS1704に進み、既に、転送済みであればステップS1705に進む。
【0101】
(ステップS1704)
印刷データが、画像形成装置109に転送されていないので、印刷データ保存管理部307は、画像形成装置間通信部312を介して、ユーザ端末106〜108を示すユーザ情報と保存要求の付加された印刷データ及び印刷実行の要求を、画像形成装置109に転送する。画像形成装置109は、各データを格納し、完了すると印刷を開始する。
【0102】
(ステップS1705)
印刷データが、既に画像形成装置109に転送されているので、画像形成装置104の印刷データ保存管理部307は、画像形成装置109から受信していた印刷データの格納場所を示す情報と印刷要求を画像形成装置109に送信する。画像形成装置109の保存データ印刷処理部308は、印刷を開始する。
【0103】
(ステップS1706)
画像形成装置104に印刷要求を送信してきたユーザ端末がユーザ端末102、103の何れかなので、画像形成装置104の保存データ印刷処理部308は、既に格納されている印刷要求のあった印刷データの印刷を開始する。
(ステップS1707)
ユーザ端末に印刷処理の結果を報告するためにWebデータ処理部311は、Webデータを生成し、ユーザ端末に送信する。
【0104】
次に、実施例3の画像形成装置104のメール配信について説明する。
図18は、実施例3の画像形成装置のメール配信の動作フローチャートである。
図に示すフローチャートに従って図3を併用しながらステップS1801からステップS1804までをステップ順に説明する。
【0105】
(ステップS1801)
画像形成装置104が、配信元のユーザ端末101から配信先のユーザ端末102〜103、106〜108を示すユーザ情報と保存要求が付加された印刷データを受信すると、画像形成装置104の印刷データ編集部304が各データを印刷データ保存部309に格納する。印刷データ編集部304は、格納が完了すると印刷データ保存管理部307に格納完了の通知を送る。
【0106】
(ステップS1802)
印刷データ保存管理部307は、印刷データの格納完了の通知を待つ。通知があればステップS1803に進み、通知が無ければステップS1801に戻り、あらためて格納完了の通知を待つ。
(ステップS1803)
印刷データの格納完了の通知を受けると、印刷データ保存管理部307は、メール配信制御部310に、配信先のユーザ情報と格納された印刷データの格納場所の情報を供給する。その情報に基づき、メール配信制御部310は、画像形成装置104に格納された印刷データの格納場所及び印刷実行を示すURLを記載したメールを生成する。
【0107】
(ステップS1804)
生成されたメールをメール配信制御部310は、配信先のユーザ端末102〜103、106〜108に配信する。
【0108】
次に、画像形成装置109における配信先のユーザ端末106〜108を示すユーザ情報と保存要求が付加された印刷データと印刷実行の要求の受信確認の動作について説明する。
図19は、実施例3の画像形成装置間通信についての動作フローチャートである。
図に示すフローチャートに従ってステップS1901からステップS1905までをステップ順に説明する。
【0109】
(ステップS1901)
画像形成装置109の画像形成装置間通信部312は、画像形成装置104のデータ受信を待機する。
【0110】
(ステップS1902)
画像形成装置104からデータが転送されてきた場合にステップS1903に進み、転送されてこなければ終了となる。
【0111】
(ステップS1903)
画像形成装置間通信部312は、転送されてきたデータを解析する。転送されたデータが印刷データの格納場所を示す情報と印刷要求であれば既に印刷データを受信していることからステップS1904に進み、ユーザ端末106〜108を示すユーザ情報と保存要求が付加された印刷データと印刷要求が転送された場合にはステップS1905に進む。
【0112】
(ステップS1904)
画像形成装置109の画像形成装置間通信部312は、印刷データ保存管理部307に
印刷データの格納場所を示す情報と印刷要求を受信したことを通知する。印刷データ保存管理部307は、印刷データの格納場所を示す情報に基づいて印刷データ保存部309から印刷データを取り込み、保存データ印刷処理部308に印刷データを供給する。
これにより保存データ印刷処理部308は、印刷を開始する。
【0113】
(ステップS1905)
画像形成装置109の画像形成装置間通信部312は、画像形成装置104から転送されたユーザ端末106〜108を示すユーザ情報と保存要求が付加された印刷データを印刷データ保存部309に格納する。格納が完了すると、画像形成装置間通信部312は、印刷データの格納場所とユーザ端末106〜108を示すユーザ情報を印刷データ保存管理部307に通知する。その後、保存データ印刷処理部308は、格納された印刷データの印刷を開始する。
【0114】
以上のように実施例3では、画像形成装置間の印刷データの転送は、印刷要求がくるまで行わない。これにより、実施例2同様に画像形成装置のメモリを有効活用できる。
【実施例4】
【0115】
実施例1から3では画像形成装置が、配信先のユーザ端末に「印刷実行」等を可能にするメールを送信しているが、本実施例では、配信元のユーザ端末が、直接、配信先のユーザ端末に「印刷実行」等を可能とするメールを送信する。かかる目的を達成するために本実施例のユーザ端末は以下のように構成される。
【0116】
図20は、実施例4のユーザ端末の構成図である。
図で示すように、ユーザ端末501はハードウエア構成として表示装置212、ネットワークポート209を有し、ソフトウエア構成としてOS上に、各種アプリケーション、ドライバ等を有している。以下に、実施例1と異なる部分のみについて詳細に説明する。実施例1と同様の部分については実施例1と同一の符号を付して説明を省略する。
【0117】
図に示すように、実施例1のOS202には、印刷データ管理アプリケーション213が追加されている。
【0118】
印刷データ管理アプリケーション213は、OS202上で動作するアプリケーションであり、画像形成装置に格納された印刷データの格納状況を監視するアプリケーションである。この印刷データ管理アプリケーション213は、状態監視部214、メール配信処理部215、ネットワーク制御部216で構成される。
【0119】
状態監視部214は、画像形成装置が印刷データの格納が完了したかどうかを監視する部分である。状態監視部214は、ネットワーク制御部216を介して画像形成装置に印刷データの格納状況の通知依頼を送信する。通知依頼を受けた画像形成装置は、印刷データの格納が完了すると、配信元のユーザ端末の状態監視部214に格納完了の通知と印刷データの格納場所を示す情報を送る。格納完了の通知を受けて、状態監視部214は、印刷データの格納場所を示す情報をメール配信処理部215に供給する。
【0120】
メール配信処理部215は、状態監視部214から供給された印刷データの格納場所を示す情報を用いて、印刷指示を示すURLを記載したメールを生成し、そのメールを配信先のユーザ端末にネットワーク制御部216を介して配信する。
【0121】
続いて、実施例4の画像形成装置504について説明する。
図21は、実施例4の画像形成装置の構成図である。
図に示すように、実施例4の画像形成装置504は、実施例1の画像形成装置104の構成から、メール配信制御部310が削除されている。更に、データ受信部302に代えてデータ送受信部314が設けられている。データ送受信部314は、配信元のユーザ端末に印刷データの格納完了を通知する。
【0122】
本構成により、実施例4では、以下のように動作する。画像形成装置504の印刷データ編集部304は、配信元のユーザ端末501から配信先のユーザ端末502〜503、506〜508を示すユーザ情報と保存要求が付加された印刷データとを受信すると、印刷データを印刷データ保存部309に格納する。印刷データ編集部304の格納完了を受けて、印刷データ保存管理部307は、印刷データ編集部304が生成した印刷データ、ユーザ情報の印刷データ保存部309における格納場所を示す情報を受信して保持する。
又、印刷データ保存管理部307は、配信先のユーザ端末502〜503、506〜508を示すユーザ情報を検証する。印刷データ保存管理部307は、図4(a)に示す使用設定情報と図4(b)で示すIPアドレスを参照し、他の画像形成装置509が設定されたユーザ端末106〜108を検出すると、画像形成装置間通信部312を介して画像形成装置509にユーザ情報及び保存要求が付加された印刷データとを転送する。
【0123】
画像形成装置509は、転送されてきた保存要求が付加された印刷データを格納すると、画像形成装置504に画像形成装置間通信部312を介して印刷データの格納場所を示す情報を送信する。画像形成装置504の印刷データ保存管理部307は、保存要求が付加された印刷データの格納と転送が完了すると、データ送受信部314は、ユーザ端末501に、格納完了の通知と、ユーザ端末502〜503向けの印刷データの格納場所を示す情報と、ユーザ端末506〜508向けの印刷データの格納場所を示す情報を送信する。
【0124】
通知を受けた配信元のユーザ端末501は、配信先のユーザ端末502〜503、506〜508に、格納された印刷データの格納場所及び印刷指示を示すURLを記載したメールを配信する。画像形成装置504及び画像形成装置509は、メール配信先のユーザ端末から印刷実行の要求を受けると印刷を行う。
【0125】
続いて、実施例4で、ユーザ端末501が有する印刷データを、ユーザ端末502〜503、506〜508が印刷要求する動作について説明する。
図22は、実施例4の装置間の各情報の流れの説明図である。
各情報とは、印刷データ、保存要求、ユーザ情報、印刷要求等である。図で示すように2台の画像形成装置504、509と6台のユーザ端末501〜503と506〜508がネットワークで接続されている。以下に各情報の流れについて説明する。
【0126】
情報の流れ(21)
ユーザ端末501(配信元)は、配信先のユーザ端末502〜503、506〜508を示すユーザ情報と保存要求が付加された印刷データを、画像形成装置504に送信する。
画像形成装置504は、ユーザ端末502〜503、506〜508を示すユーザ情報から、図4(a)に示す使用設定情報と図4(b)で示すIPアドレスを参照し、画像形成装置509の使用が設定されているユーザ端末506〜508が配信先であること検出すると、保存要求が付加された印刷データを、画像形成装置509に転送する。
【0127】
情報の流れ(22)
画像形成装置504は、保存要求が付加された印刷データを格納し、格納が完了すると印刷データの格納場所を示す情報を生成する。又、画像形成装置509も保存要求が付加された印刷データを格納し、格納が完了すると、画像形成装置504に画像形成装置間通信部312を介して印刷データの格納場所を示す情報を送信する。各ユーザ向けの印刷データの格納場所を示す情報が揃った時点で、画像形成装置504は、ユーザ端末501に格納完了の通知と、格納された印刷データの格納場所の情報を送信する。
【0128】
情報の流れ(23)
画像形成装置504から、格納された印刷データの格納場所を示す情報を受信したユーザ端末501は、配信先のユーザ端末502〜503、506〜508に、格納された印刷データの格納場所及び印刷指示を示すURLを記載したメールを配信する。
【0129】
情報の流れ(24)
ユーザ端末502〜503、506〜508は、各端末のWebブラウザ211を起動する。ユーザ端末502〜503は、画像形成装置504に印刷実行の指示を送信する。ユーザ端末506〜508は、画像形成装置509に印刷実行の指示を送信する。各画像形成装置は、ユーザ端末の指示に応じて印刷を開始する。
【0130】
次に、実施例4のユーザ端末501のプリンタドライバの動作について説明する。
図23は、実施例4のユーザ端末のプリンタドライバの動作フローチャートである。
図23に示すフローチャートに従って、図20を併用しながらステップS2301からステップS2305までをステップ順に説明する。
【0131】
(ステップS2301)
プリンタドライバ204は、アプリケーション203で生成された印刷データを解析する。
(ステップS2302)
プリンタドライバ204は、印刷データが印刷データのみか、保存要求が付加された印刷データかどうかを判断する。保存要求が付加された印刷データの場合にはステップS2303に進み、印刷データのみの場合にはステップS2305に進む。
【0132】
(ステップS2303)
プリンタドライバ204は、配信元のユーザが配信先を指示入力することでユーザ端末502〜503、506〜508を示すユーザ情報を生成する。
【0133】
(ステップS2304)
プリンタドライバ204は、状態監視部214に、配信先のユーザ端末502〜503と506〜508を示すユーザ情報と保存要求が付加された印刷データが生成されたことを通知する。さらに、プリンタドライバ204は、メール配信処理部215に配信先(ユーザ端末502〜503と506〜508)を通知する。
【0134】
(ステップS2305)
プリンタドライバ204は、印刷データのみの場合には印刷可能な印刷データに変換してスプーラ205に送信する。一方、保存要求が付加された印刷データの場合には、先ず、ユーザ情報と保存要求を、スプーラ205に供給し、次に印刷データを印刷可能な印刷データに変換しスプーラ205に供給する。
【0135】
次に、実施例4のユーザ端末501の印刷データ管理アプリケーションの動作について説明する。
図24は、実施例4のユーザ端末の印刷データ管理アプリケーションの動作フローチャートである。
図24に示すフローチャートに従って、図20を併用しながらステップS2401からステップS2407までをステップ順に説明する。
【0136】
(ステップS2401)
プリンタドライバ204は、アプリケーション203で生成された印刷データを解析する。プリンタドライバ204は、印刷データが印刷データのみか、保存要求が付加された印刷データかどうかを判断する。
【0137】
(ステップS2402)
状態監視部214は、プリンタドライバ204から印刷データが印刷データのみか、保存要求が付加された印刷データかどうかの通知を受ける。保存要求が付加された印刷データの通知であれば、ステップS2403に進み、印刷データのみの通知であれば終了となる。
【0138】
(ステップS2403)
保存要求が付加された印刷データの通知であれば、状態監視部214は、画像形成装置504に格納状況の通知依頼をネットワーク制御部216を介して送信し、画像形成装置から印刷データの格納完了の通知を待つ。
【0139】
(ステップS2404)
格納が完了した場合にはステップS2405に進み、一定時間待っても、完了しなければ、ステップS2407に進む。
【0140】
(ステップS2405)
状態監視部214は、画像形成装置504から保存要求が付加された印刷データの格納が完了したとの通知と、配信先に応じて格納された印刷データの格納場所を示す情報を受けると、メール配信処理部215に供給する。
【0141】
(ステップS2406)
状態監視部214から配信先に応じて格納された印刷データの格納場所を示す情報を受信したメール配信処理部215は、その情報に基づき、画像形成装置に格納された印刷データの印刷を可能にするURLを記載したメールを生成し、配信先のユーザ端末502〜503と506〜508にメールを配信する。
【0142】
(ステップS2407)
状態監視部214は、画像形成装置504から格納完了が一定時間待っても通知を受けないことから、電源OFF等でキャンセルされたとし、監視を停止する。
【0143】
図25は、実施例4の配信元からの受信データの処理についての動作フローチャートである。
図に示すフローチャートに従って、図21を併用しながらステップS2501からステップS2506までをステップ順に説明する。なお、ここで受信するデータは、配信先ユーザ端末502〜503と506〜508を示すユーザ情報と保存要求が付加された印刷データの場合と、実施例4における配信元のユーザ端末501が、画像形成装置504に送信する格納状況通知依頼の場合で説明する。
【0144】
(ステップS2501)
画像形成装置504のデータ送受信部314は、配信元であるユーザ端末501からのデータを受信すると、解析するためにデータを受信データ解析部303に供給する。
【0145】
(ステップS2502)
受信データ解析部303は、受信データが配信先を示すユーザ情報と保存要求が付加された印刷データか、格納状況の通知依頼かどうかを判定する。印刷データであれば、ステップS2503に進み、ユーザ端末501からの格納状況の通知依頼であればステップS2507に進む。
【0146】
(ステップS2503)
受信データ解析部303は、受信データが、配信先を示すユーザ情報と保存要求が付加された印刷データのため、印刷データ編集部304に各データを供給する。又、受信データ解析部303は、印刷データ保存管理部307にユーザ情報を供給する。印刷データ編集部304は、各データを印刷データ保存部309に格納する。印刷データ編集部304は格納が完了すると、印刷データ保存管理部307に格納が完了したことを通知する。
【0147】
(ステップS2504)
印刷データ保存管理部307は、供給されたユーザ情報から画像形成装置504以外の使用設定者が存在するかを、情報格納部306の図4(a)に示す使用設定情報から検出する。
【0148】
(ステップS2505)
印刷データ保存管理部307は、情報格納部306の使用設定情報を参照し、供給されたユーザ情報の中に自己の画像形成装置104に使用設定されていないユーザ端末506〜508が存在するので、画像形成装置間通信部312を介してそのユーザ端末106〜108の使用設定されている画像形成装置509に、情報格納部306の画像形成装置のIPアドレスを参照し、配信先のユーザ情報及び印刷データを転送する。
【0149】
(ステップS2506)
一方、受信データ解析部303は、受信データが格納状況の通知依頼であると、印刷データ保存管理部307に格納状況を確認する。印刷データ保存管理部307は、現在、印刷データを格納している途中なのか、それとも格納完了しているかを、受信データ解析部303に供給する。受信データ解析部303は、その情報をデータ送受信部314に供給し、ユーザ端末に送信する。
【0150】
以上のように実施例4は、実施例1の効果に加えて、画像形成装置にメールを配信するメール配信制御部を設ける必要が無くなるので、画像形成装置はシンプルな構成で実現できる。
【実施例5】
【0151】
図26は、実施例5の装置間の各情報の流れの説明図である。
図で示すように、実施例5では、配信先のユーザ端末502〜503、506〜508は、画像形成装置504に印刷要求を送信することとし、画像形成装置504は、印刷要求を送信したユーザ端末が、ユーザ端末506〜508であれば、保存要求が付加された印刷データと印刷要求を、画像形成装置509に転送する。保存要求が付加された印刷データと印刷要求を受信した画像形成装置509は、印刷を開始する。
【0152】
以上のように実施例5は、実施例4同様に画像形成装置内にメールを配信するメール配信制御部を設ける必要が無くなり、画像形成装置はシンプルな構成で実現できるために、システムの構築が容易となる。更に実施例3と同様で、画像形成装置間の印刷データの転送は、印刷要求がくるまで行わない。これにより、印刷しない画像形成装置には印刷データは転送されないので、画像形成装置のメモリを有効活用できる。
【図面の簡単な説明】
【0153】
【図1】本発明の画像形成システムの構成の説明図である。
【図2】実施例1のユーザ端末の構成図である。
【図3】実施例1の画像形成装置の構成図である。
【図4】実施例1の情報格納部に格納されている使用設定情報と画像形成装置のアドレス情報の説明図である。
【図5】実施例1の装置間の各情報の流れの説明図である。
【図6】実施例1のユーザ端末のプリンタドライバの動作フローチャートである。
【図7】実施例1の画像形成装置の印刷データの処理についての動作フローチャートである。
【図8】実施例1の画像形成装置のWebデータ処理の動作フローチャートである。
【図9】実施例1の画像形成装置における印刷データの格納及び管理についての動作フローチャートである。
【図10】実施例1の画像形成装置間通信についての動作フローチャートである。である。
【図11】実施例1のユーザ端末に配信されるメール表示画面の説明図である。
【図12】実施例1のユ−ザ端末に表示される画像形成装置の状態情報の説明図である。
【図13】実施例2の画像形成装置からユーザ端末に配信されるメール表示画面の説明図である。
【図14】実施例2の画像形成装置のWebデータ処理についての動作フローチャートである。
【図15】実施例2の画像形成装置の印刷データの格納及び管理についての動作フローチャートである。
【図16】実施例3の装置間の各情報の流れの説明図である。
【図17】実施例3のユーザ端末からの印刷要求の処置についての動作フローチャートである。
【図18】実施例3の画像形成装置のメール配信の動作フローチャートである。
【図19】実施例3の画像形成装置間通信についての動作フローチャートである。である。
【図20】実施例4のユーザ端末の構成図である。
【図21】実施例4の画像形成装置の構成図である。
【図22】実施例4の装置間の各情報の流れの説明図である。
【図23】実施例4のユーザ端末のプリンタドライバの動作フローチャートである。
【図24】実施例4のユーザ端末の印刷データ管理アプリケーションの動作フローチャートである。
【図25】実施例4の配信元からの受信データの処理についての動作フローチャートである。
【図26】実施例5の装置間の各情報の流れの説明図である。
【符号の説明】
【0154】
101、102、103、106、107、108、501、502、503、506、507、508 ユーザ端末
104、110、504、510 画像形成装置
105 フロアA
110 フロアB
202 OS
203 アプリケーション
204 プリンタドライバ
205 スプーラ
206 ポートモニタ
207 ポートドライバ
208 ネットワークドライバ
209 ネットワークポート
210 メールアプリケーション
211 Webブラウザ
212 表示装置
213 印刷データ管理アプリケーション
214 状態監視部
215 メール配信制御部
216 ネットワーク制御部
302 データ受信部
303 受信データ解析部
304 印刷データ編集部
305 印刷制御部
306 情報格納部
307 印刷データ保存管理部
308 保存データ印刷処理部
309 印刷データ保存部
310 メール配信制御部
311 Webデータ処理部
312 画像形成装置間通信部
313 通信デバイス
314 データ送受信部
401 使用設定情報
402 アドレス情報
403、407 URL
404 「更新」アイコン
405 「画面を閉じる」アイコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷データの配信元となる配信元ユーザ端末及び前記印刷データの利用が許可される1以上の配信先ユーザ端末がネットワークを介して接続されている画像形成装置において、
前記配信元ユーザ端末から前記配信先ユーザ端末を示すユーザ情報の付加された印刷データを受信すると、該印刷データを印刷データ保存部に格納する格納制御手段と、
前記ユーザ情報が示す前記配信先ユーザ端末に対し、前記印刷データの存在及び該印刷データに基づく印刷の要否を示す通知を前記ネットワークを介して行う配信先通知手段と、
前記配信先ユーザ端末から前記ネットワークを介して印刷要求を受けると前記印刷データ保存部から前記印刷データを取り込み、該印刷データの印刷を実行させるべく印刷処理部に供給する印刷要否判定手段と、
を含むことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
他の画像形成装置に対応させて使用設定されているユーザ端末を示す使用設定情報が格納されている記憶部と、
前記使用設定情報を参照して前記ユーザ情報が示す配信先ユーザ端末が前記使用設定されているユーザ端末に該当するか否かを判定する端末判定手段と、
前記ユーザ端末に該当すると判定されると前記ユーザ情報の付加された印刷データを前記他の画像形成装置に送信する送信制御手段と、
を更に含むことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記送信制御手段は、前記使用設定されているユーザ端末から印刷要求を受けると前記ユーザ情報の付加された印刷データを送信することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
印刷データの配信元となる配信元ユーザ端末及び前記印刷データの利用が許可される1以上の配信先ユーザ端末と画像形成装置とがネットワークを介して接続されている画像形成システムにおいて、
前記配信元ユーザ端末は、前記配信先ユーザ端末に対し前記画像形成装置に前記印刷データが存在し、且つ印刷要求が可能であることを示す通知を前記ネットワークを介して行う配信先通知手段を有し、
前記画像形成装置は、前記配信元ユーザ端末から前記配信先ユーザ端末を示すユーザ情報の付加された印刷データを受信すると、該印刷データを印刷データ保存部に格納する格納制御手段と、
前記配信先ユーザ端末から前記ネットワークを介して印刷要求を受けると前記印刷データ保存部から前記印刷データを取り込み、該印刷データの印刷を実行させるべく印刷処理部に供給する印刷要否判定手段と、
を含むことを特徴とする画像形成システム。
【請求項5】
前記画像形成装置は、他の画像形成装置に対応させて使用設定されているユーザ端末を示す使用設定情報が格納されている記憶部と、
前記使用設定情報を参照して前記ユーザ情報が示す配信先ユーザ端末が前記使用設定されているユーザ端末に該当するか否かを判定する端末判定手段と、
前記ユーザ端末に該当すると判定されると前記ユーザ情報の付加された印刷データを前記他の画像形成装置に送信する送信制御手段と、
を更に含むことを特徴とする請求項4記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記送信制御手段は、前記使用設定されているユーザ端末から印刷要求を受けると前記ユーザ情報の付加された印刷データを送信することを特徴とする請求項5記載の画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2009−160750(P2009−160750A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−339672(P2007−339672)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【出願人】(594202361)株式会社沖データシステムズ (259)
【Fターム(参考)】