説明

画像形成装置の障害対処システムおよび方法

【課題】
画像形成装置の使用状況から、画像形成装置に発生する障害を予測してその有効な対処情報をユーザに提示するようにした画像形成装置の障害対処システムおよび方法を提供する。
【解決手段】
画像形成装置30−1は、サーバ20に画像形成装置30−1の使用状況および障害の発生を通知し、サーバ20は、通知を受けた画像形成装置の30−1の使用状況および障害情報を蓄積管理し、該蓄積管理している画像形成装置30−1の使用状況および障害情報に基づき画像形成装置30−1で発生する障害を予測し、予測できる障害があれば、サーバ20内に蓄積している障害の対処情報を画像形成装置30−1に通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置の障害対処システムおよび方法に関し、特に、画像形成装置の使用状況から、画像形成装置に発生する障害を予測してその有効な対処情報をユーザに提示するようにした画像形成装置の障害対処システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置で構成するシステムにおいて、画像形成装置で発生した障害をホストコンピュータ等に通知して、通知先より、発生した障害の対処方法を入手することができる、画像形成装置の障害対処システムが存在した。
【0003】
特許文献1には、ユーザが対処できない画像形成装置の異常に対して、回答が得られるようにする技術が提案されており、また、特許文献2には、画像形成装置と接続されたホストコンピュータが画像形成装置で発生した障害内容を判断して、サービスマンによる保守の必要な障害であれば、サービス拠点コンピュータに障害内容を問い合わせ、また、ユーザで対処可能な障害であれば、対処方法をお客様コンピュータに問い合わせてホストコンピュータに対処方法を表示する技術が提案されている。
【特許文献1】特開平11−314437号公報
【特許文献2】特開2000−215018号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、従来技術では、画像形成装置で発生した障害内容に応じて、自動的に、サービスセンタに問い合わせを行うことや、ユーザに対処方法を通知することができたが、画像形成装置で障害が発生する前に、ユーザに発生が予測される障害とその対処方法を通知する、予防的な処理は行われていなかった。
【0005】
また、画像形成装置の使用状況は、個々の画像形成装置で頻繁に使用される機能が異なることがあり、画像形成装置の使用状況によっては、同じモデルでも最善の対処方法が異なることもある。
【0006】
そこで、この発明は、画像形成装置の使用状況から、画像形成装置に発生する障害を予測してその有効な対処情報をユーザに提示するようにした画像形成装置の障害対処システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、少なくとも1台の画像形成装置と該画像形成装置を管理するサーバとを具備し、前記画像形成装置で発生した各種障害に対する対処処理を行う画像形成装置の障害対処システムにおいて、前記画像形成装置は、該画像形成装置の使用状況を前記サーバに通知する使用状況通知手段と、該画像形成装置で障害が発生した場合に該障害の発生を前記サーバに通知する障害通知手段とを具備し、前記サーバは、前記使用状況通知手段より通知された前記画像形成装置の使用状況を蓄積管理する使用状況蓄積手段と、前記障害通知手段より通知された前記画像形成装置で発生した障害に関する障害情報を蓄積管理する障害情報蓄積手段と、前記画像形成装置における障害の対処情報を蓄積する障害対処情報蓄積手段と、前記使用状況蓄積手段に蓄積した使用状況および前記障害情報蓄積手段に蓄積した障害情報に基づき前記画像形成装置で発生した障害を予測する障害予測手段と、前記障害予測手段で予測した障害から該障害の対処情報を前記障害対処情報蓄積手段に蓄積された対処情報から検索する対処情報検索手段と、前記対処情報検索手段で検索した対処情報を前記画像形成装置に通知する対処情報通知手段とを具備することを特徴とする。
【0008】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記サーバは、前記対処情報検索手段で検索された対処情報が複数ある場合は、前記使用状況蓄積手段に蓄積した使用状況および前記障害情報蓄積手段に蓄積した障害情報に基づき該複数の対処情報の優先順位を決定する優先順位決定手段を更に具備し、前記対処情報通知手段は、前記優先順位決定手段で決定された優先順位を付して前記対処情報を前記画像形成装置に通知することを特徴とする。
【0009】
また、請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記画像形成装置は、前記対処情報通知手段で通知された対処情報の中の所望の対処情報を選択する選択手段と、前記選択手段で選択した対処情報の内で前記障害通知手段で通知した障害に有効であった対処情報を前記サーバに通知する有効対処情報通知手段とを更に具備することを特徴とする。
【0010】
また、請求項4の発明は、請求項1の発明において、前記対処情報検索手段で検索した対処情報を前記画像形成装置に通知するか否かを判別する判別手段と、前記判別手段により前記画像形成装置に通知しないと判別された場合は、前記対処情報通知手段による通知に代えて前記対処情報検索手段で検索した対処情報を前記画像形成装置の保守を管理するサービスセンタに通知する通知先変更手段とを更に具備することを特徴とする。
【0011】
また、請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記障害対処情報蓄積手段は、前記対処情報に対応して前記画像形成装置に通知するか否かを示す識別情報を蓄積し、前記判別手段は、前記識別情報に基づき前記対処情報検索手段で検索した対処情報を前記画像形成装置に通知するか否かを判別することを特徴とする。
【0012】
また、請求項6の発明は、少なくとも1台の画像形成装置と該画像形成装置を管理するサーバとを具備し、前記画像形成装置で発生した各種障害に対する対処処理を行う画像形成装置の障害対処システムの制御方法において、前記画像形成装置は、該画像形成装置の使用状況を使用状況通知手段により前記サーバに通知するとともに、該画像形成装置で障害が発生した場合に該障害の発生を障害通知手段により前記サーバに通知し、前記サーバは、前記画像形成装置における障害の対処情報を予め障害対処情報蓄積手段に蓄積し、前記使用状況通知手段より通知された前記画像形成装置の使用状況を使用状況蓄積手段により蓄積管理するとともに、前記障害通知手段より通知された前記画像形成装置で発生した障害に関する障害情報を障害情報蓄積手段により蓄積管理し、前記使用状況蓄積手段に蓄積した使用状況および前記障害情報蓄積手段に蓄積した障害情報に基づき前記画像形成装置で発生した障害を障害予測手段により予測し、前記障害予測手段で予測した障害から該障害の対処情報を対処情報検索手段により前記障害対処情報蓄積手段に蓄積された対処情報から検索し、前記対処情報検索手段で検索した対処情報を対処情報通知手段により前記画像形成装置に通知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の画像形成装置の障害対処システムおよび方法によれば、画像形成装置は、画像形成装置の使用状況をサーバに通知する使用状況通知手段と、画像形成装置で障害が発生した場合に障害の発生をサーバに通知する障害通知手段とを具備し、サーバは、使用状況通知手段より通知された画像形成装置の使用状況を蓄積管理する使用状況蓄積手段と、障害通知手段より通知された画像形成装置で発生した障害に関する障害情報を蓄積管理する障害情報蓄積手段と、画像形成装置における障害の対処情報を蓄積する障害対処情報蓄積手段と、使用状況蓄積手段に蓄積した使用状況および障害情報蓄積手段に蓄積した障害情報に基づき画像形成装置で発生した障害を予測する障害予測手段と、障害予測手段で予測した障害から障害の対処情報を障害対処情報蓄積手段に蓄積された対処情報から検索する対処情報検索手段と、対処情報検索手段で検索した対処情報を画像形成装置に通知する対処情報通知手段とを具備するように構成したので、画像形成装置の使用状況から、画像形成装置に発生する障害を予測してその有効な対処情報をユーザに提示するようにすることが出来るという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明に係わる画像形成装置の障害対処システムおよび方法の実施例について添付図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0015】
図1は、本発明に係わる画像形成装置の障害対処システムの概略を示すシステム構成図である。
【0016】
図1において、この障害対処システム100は、サーバ20、画像形成装置30−1、30−2、・・・30−N、サービスセンタコンピュータ40−1、40−2、・・・40−Mがネットワーク10に接続されて構成される。
【0017】
サーバ20と画像形成装置30−1、30−2、・・・30−Nが設置されている場所とサービスセンタコンピュータ40−1、40−2、・・・40−Mが設置されている場所は別の建物というように地理的に離れていてもよく、ネットワーク10はインターネットを通じて情報の授受ができる状態でもよい。
【0018】
さらに、サービスセンタコンピュータ40−1、40−2、・・・40−Mもそれぞれ別の建物内に配置された構成でも良い。
【0019】
次に、画像形成装置30−1、30−2、・・・30−N(総称して画像形成装置30と称する)の構成の概略について図2を参照して説明する。
【0020】
図2は、画像形成装置30の構成の一例を示すブロック図である。
【0021】
画像形成装置30は、印刷を実行する実行デバイス部202、ユーザに障害の対処方法等を表示する表示部203、ネットワークインタフェース部204、対処方法の有効性等の入力を行う入力部205、障害対処方法を保存する対処方法保存部206、画像形成装置の使用状況等をサーバ20に通知する通知部207、各構成部と接続されて各構成部を制御し、障害発生の検知等を行う制御部201とで構成される。
【0022】
次に、サーバ20の構成の概略について図3を参照して説明する。
【0023】
図3(a)は、サーバ20の詳細構成の一例を示すブロック図である。
【0024】
サーバ20は、画像形成装置30で発生した障害情報等を蓄積するデータ蓄積部301、データ蓄積部301に蓄積した障害情報の更新等を行うデータ更新部302、画像形成装置30から受け取った障害情報がユーザで対処可能かどうかの判断等を行う判断部303、障害対処方法を画像形成装置30に送信する等の処理を行う通知部304、画像形成装置30で発生する障害の対処方法を蓄積する対処部350、ネットワーク50と接続されておりネットワーク50を通して情報の授受を行うネットワークインタフェース部306、サーバ20内の各構成部と接続されており各構成部の制御等を行う制御部307で構成されている。
【0025】
図3(b)は、データ蓄積部301の構成を示すブロック図である。
【0026】
データ蓄積部301は、それぞれの画像形成装置30−1、30−2、・・・30−Nに発生した障害情報等を蓄積する画像形成装置1用データ蓄積部301−1、画像形成装置2用データ蓄積部301−2、・・・画像形成装置N用データ蓄積部301−Nを備えている。
【0027】
なお、データ蓄積部301は、上述のように、個々の画像形成装置毎に蓄積部を備える構成ではなく、画像形成装置の機種毎に蓄積部を備える構成でもよい。
【0028】
図3(c)は、対処部350の構成を示すブロック図である。
【0029】
対処部350は、それぞれの画像形成装置30−1、30−2、・・・30−Nの画像形成装置に適する対処法の優先順位を蓄積する画像形成装置1用優先順位蓄積部350−1、画像形成装置2用優先順位蓄積部350−2、・・・画像形成装置N用優先順位蓄積部350−Nと、障害を予測するためにデータ蓄積部301を走査し、また、障害情報の対処方法と該対処方法の優先順位を検索する走査/検索部351と、障害情報の対処方法を蓄積する対処方法蓄積部352を備えている。
【0030】
次に、障害対処システム100で、画像形成装置30に障害が発生しない通常の動作時において、障害の予防処理が行われる際の、データの流れについて図4を参照して説明を行う。
【0031】
図4は、障害対処システム100で、通常の動作時に、障害の予防処理が行われる際のデータの流れを示す図である。
【0032】
説明する画像形成装置は例として30−1を挙げ、画像形成装置30−1とサーバ20とのデータの流れについて説明する。
【0033】
画像形成装置30−1において、通常の動作時に、印刷等の処理で実行デバイス部202が使用されると、使用状況が制御部201に記憶される。
【0034】
あらかじめ設定された回数だけ実行デバイス部202が使用され使用状況が制御部201に記憶されると、通知部207は、制御部201に記憶された画像形成装置30−1の使用状況をネットワークインタフェース部204を通してサーバ20に送信する(矢印1)。
【0035】
サーバ20は、ネットワークインタフェース部306を通して画像形成装置30−1の使用状況を受信し、データ蓄積部301内の画像形成装置1用データ蓄積部301−1に、受信した使用状況を蓄積する。
【0036】
対処部350内の走査/検索部351は、あらかじめ設定された回数だけ画像形成装置1用データ蓄積部301−1に使用状況が蓄積されると、画像形成装置1用データ蓄積部301−1に蓄積されている使用状況と、同じく画像形成装置1用データ蓄積部301−1に蓄積されている画像形成装置30−1で発生した障害情報を走査する。
【0037】
画像形成装置1用データ蓄積部301−1に蓄積されている障害情報は、画像形成装置30−1で障害が発生した時に画像形成装置30−1より送られて蓄積される。
【0038】
走査/検索部351は、走査した結果、画像形成装置30−1で障害が発生するのを予測すると、対処部350内の対処方法蓄積部352に蓄積している対処方法から、予測した障害に対する適切な対処方法を一つ以上検索し、検索した対処方法と該対処方法の優先順位を通知部304に送る。
【0039】
対処方法と該対処方法の優先順位を受け取った通知部304は、ネットワークインタフェース部306を通して画像形成装置30−1に対して、対処方法と該対処方法の優先順位を送信する(矢印2)。
【0040】
画像形成装置30−1は、ネットワークインタフェース部204で対処方法と該対処方法の優先順位を受け取り、受け取った対処方法と該対処方法の優先順位は対処方法保存部206に保存される。
【0041】
なお、画像形成装置30−1から使用状況を送信する場合について説明したが、画像形成装置30−Nから使用状況が送信されれば、画像形成装置1用データ蓄積部301−1の替わりに画像形成装置N用データ蓄積部301−Nが使用されるのはいうまでもない。
【0042】
次に、障害対処システム100で、画像形成装置30に障害が発生した場合に、障害の対処処理が行われる際の、データの流れ等について図5を参照して説明を行う。
【0043】
図5は、障害対処システム100で、画像形成装置30に障害発生時に、障害の予防処理が行われる際のデータの流れや保安要員の派遣を示す図である。
【0044】
例として画像形成装置30−1で障害が発生し、サービスセンタコンピュータに連絡が行く場合は、サービスセンタコンピュータ40−1、40−2、・・・40−Mのうちサービスセンタコンピュータ40−1に連絡が行く場合を説明する。
【0045】
画像形成装置30−1で障害が発生すると、制御部201が、障害発生を検知し、対処方法保存部206に該障害の対処方法が保存されているか確認する処理を行う。
【0046】
対処方法保存部206に、発生した障害の対処方法が保存されていれば、制御部201は、保存されていた対処方法を同じく対処方法保存部206に保存されている該対処方法の優先順位で重み付けをして、表示部203に表示させる。
【0047】
また、対処方法保存部206に、発生した障害の対処方法が保存されていなければ、制御部201は、発生した障害内容が記載された障害情報を作成して、通知部207に送る。
【0048】
通知部207は、受け取った障害情報と画像形成装置30−1に固有のシリアル番号等の機器データとユーザ情報をネットワークインタフェース部204を通してサーバ20に送信する(矢印3)。
【0049】
サーバ20は、ネットワークインタフェース部306で画像形成装置30−1から送られた障害情報と機器データとユーザ情報を受信する。
【0050】
ネットワークインタフェース部306で受信した障害情報と機器データとユーザ情報は、判断部303に送られ、判断部303が画像形成装置1用データ蓄積部301−1に蓄積された障害情報と照らし合わせ、画像形成装置30−1から受信した障害情報が画像形成装置1用データ蓄積部301−1に蓄積された障害情報と一致する障害情報かどうかを調べる。
【0051】
画像形成装置1用データ蓄積部301−1に蓄積された障害情報と一致すれば、既知の障害であると判断し、同じく判断部303が、画像形成装置1用データ蓄積部301−1に蓄積された障害情報の中身を調べ、該中身に記載されている、ユーザによって対処可能か不可能かの情報を読み取る。
【0052】
ユーザによって対処可能と記載されていれば、判断部303は画像形成装置30−1から受信した障害情報を対処部350に送り、対処部350内の走査/検索部351は、対処方法蓄積部352に蓄積している対処方法の中から画像形成装置30−1で発生した障害の対処方法を一つ以上検索し、検索した対処方法と該対処方法の優先順位を通知部304に送る。
【0053】
対処方法と該対処方法の優先順位を受け取った通知部304は、ネットワークインタフェース部306を通して画像形成装置30−1に対して、対処方法と該対処方法の優先順位を送信する(点線矢印4)。
【0054】
サーバ20から、対処方法と該対処方法の優先順位を受信した画像形成装置30−1は、表示部203に、受信した対処方法を、同じく受信した対処方法の優先順位で重み付けをして表示させ、ユーザに確認させる。
【0055】
また、判断部303が、画像形成装置1用データ蓄積部301−1に蓄積されている障害情報であって画像形成装置30−1で発生した障害と同じ障害情報の中身を調べ、該中身にユーザによっては対処不可能と記載されていた場合や、判断部303が画像形成装置30−1から受信した障害情報が画像形成装置1用データ蓄積部301−1に蓄積された障害情報と一致する障害情報かどうかを調べた結果、画像形成装置1用データ蓄積部301−1に蓄積されておらず、画像形成装置30−1で発生した障害が未知の障害であると判明した場合は、対処方法を画像形成装置30−1に通知しないと判断され、判断部303は通知部に対して、障害情報と機器データとユーザ情報を送り、サービスセンタコンピュータに連絡するように命令する。
【0056】
判断部303から命令を受けた通知部304は、画像形成装置1用データ蓄積部301−1を参照して、受信した機器データから連絡するサービスセンタコンピュータを決定し、決定したサービスセンタコンピュータ40−1に対して、画像形成装置30−1で発生した障害の障害情報と機器データとユーザ情報を送信して(点線矢印5)保安要員を画像形成装置30−1に派遣するように連絡する処理を行う。
【0057】
連絡を受けたサービスセンタコンピュータ40−1は、直ちに保安要員を画像形成装置30−1に派遣するように手配を行い、保安要員が画像形成装置30−1に派遣される(点線矢印6)。
【0058】
このようにして、画像形成装置30−1で発生した障害の対処方法が画像形成装置30−1の表示部203に表示されるか、該障害に対処するために保安要員が画像形成装置30−1に派遣される。
【0059】
ユーザが、画像形成装置30−1の表示部203に表示された対処方法に従って対処した結果、障害が回復しない場合には、ユーザは、入力部205より保安要員の要請を入力して、保安要員の要請をサーバ20に送信する。
【0060】
保安要員の要請を受けたサーバ20では、通知部304が連絡するサービスセンタコンピュータを決定して、保安要員を画像形成装置30−1に派遣するように、決定したサービスセンタコンピュータ40−1に連絡する。
【0061】
また、ユーザが、画像形成装置30−1の表示部203に表示された対処方法に従って対処した結果、障害が回復した場合や、サービスセンタコンピュータ40−1から派遣された保安要員によって、障害が回復した場合は、ユーザもしくは、保安要員によって、実行した対処方法と、実行した対処方法の有効性の有無と、発生した障害情報と、機器データと、ユーザ情報との障害回復情報が入力部205より入力されて、障害回復情報が通知部207よりネットワークインタフェース部204を通してサーバ20に送信される(矢印7)。
【0062】
また、障害回復情報のサーバ20への通知は、保安要員によってサービスセンタコンピュータ40−1から行われても良い。
【0063】
障害回復情報を受信したサーバ20は、データ更新部302が、受け取った障害回復情報を画像形成装置1用データ蓄積部301−1と対処部350に反映させる。
【0064】
すなわち、データ更新部302が画像形成装置1用データ蓄積部301−1の情報を検索して障害回復情報として受け取った障害情報が未知の障害のものであれば、障害情報を画像形成装置1用データ蓄積部301−1に蓄積して、対処部350内の対処方法蓄積部352に該障害情報に記載されている障害に対して有効だった対処方法を蓄積する。
【0065】
また、障害情報が既知の障害のものであれば実行した対処方法の有効性を、対処部350内の画像形成装置1用優先順位蓄積部350−1に蓄積されている対処方法の優先順位に反映させる。
【0066】
表示部203に表示された対処方法の優先順位は、ユーザが守らなくても良く、ユーザが任意の順番で対処方法を実行してもよい。
【0067】
なお、画像形成装置30−1で障害が発生した場合について説明したが、画像形成装置30−Nで障害が発生すれば、画像形成装置1用データ蓄積部301−1の替わりに画像形成装置N用データ蓄積部301−Nが使用され、画像形成装置1用優先順位蓄積部350−1の替わりに画像形成装置N用優先順位蓄積部350−Nが使用されるのはいうまでもない。
【0068】
次に、画像形成装置30において、通常の動作時に、障害の予防処理が行われる処理について図6を参照して説明する。
【0069】
図6は、画像形成装置30において、通常の動作時に、障害の予防処理が行われる処理を示したフローチャートである。
【0070】
画像形成装置30に電源が入れられ(ステップ601)、実行デバイス部202が使用されると(ステップ603でYES)、制御部201に使用状況が記憶される(ステップ604)。
【0071】
そして、あらかじめ設定された回数(本フローチャートではN回)だけ実行デバイス部202が使用され使用状況が制御部201に記憶されると(ステップ605でYES)、制御部201に記憶された画像形成装置30の使用状況をサーバ20に送信する(ステップ606)。
【0072】
なお、使用状況をサーバ20に送信するタイミングは、回数で設定するのではなく、時間で設定してもよい。
【0073】
使用状況をサーバ20に通知した後に、サーバ20から、画像形成装置30で発生が予想される障害と該障害の対処方法を受信すると(ステップ607)、対処方法保存部206に受信した予想される障害の対処方法を保存する(ステップ608)。
【0074】
対処方法保存部206に予想される障害の対処方法が保存されると、対処方法保存部206から制御部201に、予想される障害の対処方法を新たに対処方法保存部206に保存したことを通知する(ステップ609)。
【0075】
制御部201は、通知を受けると、表示部203に、発生が予想される障害と該障害の対処方法を表示する(ステップ610)。
【0076】
そして、画像形成装置30の電源が切られると(ステップ602)、画像形成装置30の処理が終了する。
【0077】
次に、画像形成装置30において、画像形成装置30に障害が発生した場合に、行われる処理について図7を参照して説明する。
【0078】
図7は、画像形成装置30に障害が発生した場合に、画像形成装置30で行われる処理について示したフローチャートである。
【0079】
画像形成装置30において、障害が発生すると、制御部201が障害を検知して(ステップ701)対処方法保存部206に、発生した障害に対する対処方法が保存されているかどうか確認する(ステップ702)。
【0080】
対処方法保存部206に対処方法が保存されている場合は、表示部203に、発生した障害に対する対処方法を表示する(ステップ703)。
【0081】
発生した障害に対する対処方法が対処方法保存部206に保存されていなければ、通知部207より、サーバ20に対して、発生した障害内容と、画像形成装置30の機器データとユーザ情報を送信する(ステップ704)。
【0082】
そして、サーバ20より対処方法と該対処方法の優先順位を受信すると(ステップ705)、表示部203に受信した対処方法を優先順位で重み付けして表示する(ステップ703)。
【0083】
サーバ20から対処方法と該対処方法の優先順位を受信せずに、保安要員が到着すると(ステップ706)、保安要員が障害に対処して、障害の回復が行われる(ステップ707)。
【0084】
表示部203に障害に対する対処方法が表示されると(ステップ703)、ユーザが表示された対処方法を実行する(ステップ708)。
【0085】
ユーザが対処方法を実行して障害が回復しなかった場合は(ステップ709でNO)、ユーザは入力部205より保安要員の派遣要請を入力して、保安要員の要請をサーバ20に行う(ステップ710)。
【0086】
保安要員の要請をした後に、保安要員が到着すると(ステップ711でYES)、到着した保安要員によって、障害の回復が行われる(ステップ707)。
【0087】
ユーザが表示部203に表示された対処方法によって障害を回復した(ステップ709でYES)、もしくは、保安要員によって障害が回復されると(ステップ707)、ユーザもしくは保安要員によって、入力部205より、実行した対処方法と、実行した対処方法の有効性の有無と、発生した障害情報と、機器データと、ユーザ情報との障害回復情報が入力されて(ステップ712)、通知部207より、該障害回復情報がサーバ20に送信される(ステップ713)。
【0088】
次に、サーバ20において、通常の動作時に、障害の予防処理が行われる処理について図8を参照して説明する。
【0089】
図8は、サーバ20において、通常の動作時に、障害の予防処理が行われる処理を示したフローチャートである。
【0090】
画像形成装置30−1より、画像形成装置30−1の使用状況を受信すると(ステップ801)、受信した使用状況を画像形成装置1用データ蓄積部301−1に蓄積する(ステップ802)。
【0091】
そして、画像形成装置1用データ蓄積部301−1に使用状況をあらかじめ設定された回数のN回だけ蓄積すると(ステップ803でYES)、対処部350内の走査/検索部351が、画像形成装置1用データ蓄積部301−1に蓄積された使用状況と画像形成装置30−1で発生した障害情報を走査する(ステップ804)。
【0092】
なお、走査/検索部351が使用状況と障害情報を走査するタイミングは、上述のように回数で設定するのではなく、時間で設定してもよい。
【0093】
走査/検索部351が走査した結果、画像形成装置30−1で障害が発生するのを予測すると(ステップ805でYES)、対処部350内の対処方法蓄積部352に蓄積している対処方法から、予測した障害に対する適切な対処方法を一つ以上検索し、検索した対処方法と該対処方法の優先順位を通知部304に送り、通知部304から画像形成装置30−1に対して、対処方法と該対処方法の優先順位を送信する(ステップ806)。
【0094】
なお、画像形成装置30−1から使用状況を受信した場合について説明したが、画像形成装置30−Nから使用状況を受信すれば、画像形成装置1用データ蓄積部301−1の替わりに画像形成装置N用データ蓄積部301−Nが使用されるのはいうまでもない。
【0095】
次に、サーバ20において、画像形成装置30−1に障害が発生した場合に、行われる処理について図9を参照して説明する。
【0096】
図9は、画像形成装置30−1に障害が発生した場合に、サーバ20で行われる処理について示したフローチャートである。
【0097】
ネットワークインタフェース部306で、画像形成装置30−1で発生した障害情報と機器データとユーザ情報を受信すると(ステップ901)、判断部303は画像形成装置1用データ蓄積部301−1を調べて、画像形成装置30−1で発生した障害は既知の障害であるか未知の障害であるかを判断する(ステップ902)。
【0098】
判断部303が判断した結果、既知の障害である場合には、さらに、画像形成装置1用データ蓄積部301−1に蓄積されている障害情報であって、画像形成装置30−1で発生した障害と同じ障害情報の中身を調べ、該中身にユーザで対処可能と記載されているかどうかを調べる(ステップ903)。
【0099】
判断部303が画像形成装置1用データ蓄積部301−1を調べた結果、ユーザで対処可能と記載されていれば、画像形成装置30−1で発生した障害はユーザで対処可能と判断し(ステップ903でYES)、対処部350内の走査/検索部351が、対処方法蓄積部352に蓄積している対処方法の中から画像形成装置30−1で発生した障害の対処方法を一つ以上検索し、通知部304より、検索した対処方法と該対処方法の優先順位を画像形成装置30−1に送信する(ステップ904)。
【0100】
また、ステップ902で、画像形成装置30−1で発生した障害は未知の障害と判断した場合(ステップ902でNO)や、ステップ903で、ユーザで対処不可能な障害と判断した場合(ステップ903でNO)は、通知部304が画像形成装置1用データ蓄積部301−1を調べ、連絡するサービスセンタコンピュータを決定し(ステップ905)、画像形成装置30−1で発生した障害の障害情報と機器データとユーザ情報を、ステップ905で決定したサービスセンタコンピュータに送信して(ステップ906)、画像形成装置30−1に保守要員を派遣するよう要請する。
【0101】
また、ステップ904で画像形成装置30−1に対処方法等を送信した後に、画像形成装置30−1から保守要員の要請を受信した場合(ステップ907でYES)にも、連絡するサービスセンタコンピュータを決定して(ステップ905)、画像形成装置30−1への保守要員の派遣を、該サービスセンタコンピュータに要請する(ステップ906)。
【0102】
このようにして、サーバ20は、画像形成装置30−1に対して、発生した障害の対処方法等を送信する(ステップ904)か、保守要員を派遣するように手続きを取る(ステップ906)。
【0103】
そして、画像形成装置30−1もしくは派遣要請したサービスセンタコンピュータから障害回復情報を受信すると(ステップ908もしくはステップ909でYES)、データ更新部302が、受信した障害回復情報を、画像形成装置1用データ蓄積部301−1と対処部350に反映させる(ステップ910)。
【0104】
すなわち、データ更新部302が画像形成装置1用データ蓄積部301−1の情報を検索して障害回復情報として受け取った障害情報が未知の障害のものであれば、障害情報を画像形成装置1用データ蓄積部301−1に蓄積して、対処部350内の対処方法蓄積部352に有効だった対処方法を蓄積する。
【0105】
また、障害情報が既知の障害ものであれば実行した対処方法の有効性を、対処部350内の画像形成装置1用優先順位蓄積部350−1に蓄積されている対処方法の優先順位に反映させる。
【0106】
なお、画像形成装置30−1で障害が発生した場合について説明したが、画像形成装置30−Nで障害が発生すれば、画像形成装置1用データ蓄積部301−1の替わりに画像形成装置N用データ蓄積部301−Nが使用され、画像形成装置1用優先順位蓄積部350−1の替わりに画像形成装置N用優先順位蓄積部350−Nが使用されるのはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0107】
この発明は、画像形成装置と、画像形成装置に発生した障害内容から、対処するための情報を画像形成装置に通知するサーバを備えたシステムにおいて利用可能である。
【0108】
この発明によれば、画像形成装置の使用状況から、画像形成装置に発生する障害を予測してその有効な対処情報をユーザに提示するようにすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】障害対処システム100の概略を示すシステム構成図である。
【図2】画像形成装置30の詳細構成の一例を示すブロック図である。
【図3】サーバ20の詳細構成の一例を示すブロック図である。
【図4】障害対処システム100で、通常の動作時に、障害の予防処理が行われる際のデータの流れを示す図。
【図5】障害対処システム100で、画像形成装置30に障害発生時に、障害の予防処理が行われる際のデータの流れや保安要員の派遣を示す図。
【図6】画像形成装置30において、通常の動作時に、障害の予防処理が行われる処理を示したフローチャート。
【図7】画像形成装置30に障害が発生した場合に、画像形成装置30で行われる処理について示したフローチャート。
【図8】サーバ20において、通常の動作時に、障害の予防処理が行われる処理を示したフローチャート。
【図9】画像形成装置30−1に障害が発生した場合に、サーバ20で行われる処理について示したフローチャート。
【符号の説明】
【0110】
10 ネットワーク
20 サーバ
30、30−1、30−2、・・・30−N 画像形成装置
40、40−1、40−2、・・・40−M サービスセンタコンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1台の画像形成装置と該画像形成装置を管理するサーバとを具備し、前記画像形成装置で発生した各種障害に対する対処処理を行う画像形成装置の障害対処システムにおいて、
前記画像形成装置は、
該画像形成装置の使用状況を前記サーバに通知する使用状況通知手段と、
該画像形成装置で障害が発生した場合に該障害の発生を前記サーバに通知する障害通知手段と
を具備し、
前記サーバは、
前記使用状況通知手段より通知された前記画像形成装置の使用状況を蓄積管理する使用状況蓄積手段と、
前記障害通知手段より通知された前記画像形成装置で発生した障害に関する障害情報を蓄積管理する障害情報蓄積手段と、
前記画像形成装置における障害の対処情報を蓄積する障害対処情報蓄積手段と、
前記使用状況蓄積手段に蓄積した使用状況および前記障害情報蓄積手段に蓄積した障害情報に基づき前記画像形成装置で発生する障害を予測する障害予測手段と、
前記障害予測手段で予測した障害から該障害の対処情報を前記障害対処情報蓄積手段に蓄積された対処情報から検索する対処情報検索手段と、
前記対処情報検索手段で検索した対処情報を前記画像形成装置に通知する対処情報通知手段と
を具備することを特徴とする画像形成装置の障害対処システム。
【請求項2】
前記サーバは、
前記対処情報検索手段で検索された対処情報が複数ある場合は、前記使用状況蓄積手段に蓄積した使用状況および前記障害情報蓄積手段に蓄積した障害情報に基づき該複数の対処情報の優先順位を決定する優先順位決定手段
を更に具備し、
前記対処情報通知手段は、
前記優先順位決定手段で決定された優先順位を付して前記対処情報を前記画像形成装置に通知する
ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置の障害対処システム。
【請求項3】
前記画像形成装置は、
前記対処情報通知手段で通知された対処情報の中の所望の対処情報を選択する選択手段と、
前記選択手段で選択した対処情報の内で前記障害通知手段で通知した障害に有効であった対処情報を前記サーバに通知する有効対処情報通知手段と
を更に具備することを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置の障害対処システム。
【請求項4】
前記対処情報検索手段で検索した対処情報を前記画像形成装置に通知するか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により前記画像形成装置に通知しないと判別された場合は、前記対処情報通知手段による通知に代えて前記対処情報検索手段で検索した対処情報を前記画像形成装置の保守を管理するサービスセンタに通知する通知先変更手段と
を更に具備することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置の障害対処システム。
【請求項5】
前記障害対処情報蓄積手段は、
前記対処情報に対応して前記画像形成装置に通知するか否かを示す識別情報を蓄積し、
前記判別手段は、
前記識別情報に基づき前記対処情報検索手段で検索した対処情報を前記画像形成装置に通知するか否かを判別する
ことを特徴とする請求項4記載の画像形成装置の障害対処システム。
【請求項6】
少なくとも1台の画像形成装置と該画像形成装置を管理するサーバとを具備し、前記画像形成装置で発生した各種障害に対する対処処理を行う画像形成装置の障害対処システムの制御方法において、
前記画像形成装置は、該画像形成装置の使用状況を使用状況通知手段により前記サーバに通知するとともに、
該画像形成装置で障害が発生した場合に該障害の発生を障害通知手段により前記サーバに通知し、
前記サーバは、前記画像形成装置における障害の対処情報を予め障害対処情報蓄積手段に蓄積し、
前記使用状況通知手段より通知された前記画像形成装置の使用状況を使用状況蓄積手段により蓄積管理するとともに、
前記障害通知手段より通知された前記画像形成装置で発生した障害に関する障害情報を障害情報蓄積手段により蓄積管理し、
前記使用状況蓄積手段に蓄積した使用状況および前記障害情報蓄積手段に蓄積した障害情報に基づき前記画像形成装置で発生した障害を障害予測手段により予測し、
前記障害予測手段で予測した障害から該障害の対処情報を対処情報検索手段により前記障害対処情報蓄積手段に蓄積された対処情報から検索し、
前記対処情報検索手段で検索した対処情報を対処情報通知手段により前記画像形成装置に通知する
ことを特徴とする画像形成装置の障害対処システムの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−92183(P2006−92183A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−275797(P2004−275797)
【出願日】平成16年9月22日(2004.9.22)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】