説明

画像形成装置及びプログラム

【課題】記録媒体の属性の設定及び後処理手段の設定に基づいてユーザが意図しない出力を回避することができる画像形成装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】画像形成装置1は、用紙の属性の設定及び後処理部50の設定を関連づけて管理する管理部82と、印刷ジョブの内容を解析する解析部83と、記録媒体の属性の設定及び後処理部50の設定に基づいて、印刷ジョブの内容に従った印刷ができるか否かを判断する判断部84とを備え、判断部84が、印刷ジョブの要求に従った印刷ができないと判断した場合に、UI画面61に警告を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
用紙を収容するカセットの属性として3つの用紙種類を規定し、各用紙の「表(おもて)」を定義する画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この画像形成装置は、用紙の種類毎に印刷面が印刷条件を満たすか否かを判定し、印刷面が印刷条件を満たさない場合には、用紙の反転を試みる。
【0003】
また、用紙の種類(例えば、印刷済み用紙又は穴あき用紙等)に応じて印刷すべき画像を回転する画像形成装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−235973号公報
【0005】
【特許文献2】特開2001−326810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、記録媒体の属性の設定及び後処理手段の設定に基づいてユーザが意図しない出力を回避することができる画像形成装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1の画像形成装置は、記録媒体を収容する収容手段と、前記記録媒体に後処理を実行する後処理手段と、前記記録媒体の属性の設定及び前記後処理手段の設定を管理する管理手段と、ジョブを取得し、後処理の内容を含む前記ジョブの内容を解析する解析手段と、前記管理手段により管理された前記記録媒体の属性の設定及び前記後処理手段の設定に基づいて、前記解析手段により解析された前記ジョブの内容に従った印刷ができるか否かを判断する判断手段と、前記判断手段が、前記ジョブの要求に従った印刷ができないと判断した場合に、警告を表示する表示手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2の画像形成装置は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記記録媒体の属性の設定及び前記後処理手段の設定を入力する設定手段を備え、前記画像形成装置は前記収容手段を複数有し、前記記録媒体の属性の設定及び前記後処理手段の設定は前記複数の収容手段の各々に対して決定されることを特徴とする。
【0009】
請求項3の画像形成装置は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記記録媒体の属性の設定は、前記記録媒体の表面の向き、前記記録媒体の既存印刷面のヘッダ部分の向き、前記記録媒体のサイズ及び前記記録媒体の種類を含み、前記後処理手段の設定は、ステイプル、穴あけ、合紙の挿入又は製本に関する設定であることを特徴とする。
【0010】
請求項4の画像形成装置は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記警告は、前記ジョブの内容に合致する前記記録媒体の属性の設定及び前記後処理手段の設定の少なくとも一方を示すことを特徴とする。
【0011】
請求項5の画像形成装置は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記警告は、前記収容手段に収容された記録媒体の属性の設定又は前記後処理手段の設定の確認又は変更を促すことを特徴とする。
【0012】
請求項6のプログラムは、コンピュータを、記録媒体を収容する収容手段、前記記録媒体に後処理を実行する後処理手段、前記記録媒体の属性の設定及び前記後処理手段の設定を管理する管理手段、ジョブを取得し、後処理の設定を含む前記ジョブの内容を解析する解析手段、前記管理手段により管理された前記記録媒体の属性の設定及び前記後処理手段の設定に基づいて、前記解析手段により解析されたジョブの内容に従った印刷ができるか否かを判断する判断手段、及び前記判断手段が、前記ジョブの要求の内容に従った印刷ができないと判断した場合に、警告を表示する表示手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、記録媒体の属性の設定及び後処理手段の設定に基づいてユーザが意図しない出力を回避することができる。
【0014】
請求項2の発明によれば、収容手段毎に、記録媒体の属性の設定及び後処理手段の設定を決めることができる。
【0015】
請求項3の発明によれば、記録媒体の表面の向き、記録媒体の既存印刷面のヘッダ部分の向き、記録媒体のサイズ及び記録媒体の種類の設定と、ステイプル、穴あけ、合紙の挿入又は製本に関する設定とに基づいて、ユーザが意図しない出力を回避することができる。
【0016】
請求項4の発明によれば、ユーザは、意図した出力を得るための方法を確認することができる。
【0017】
請求項5の発明によれば、意図しない出力が得られることをユーザに知らせることができる。
【0018】
請求項6の発明によれば、記録媒体の属性の設定及び後処理手段の設定に基づいてユーザが意図しない出力を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施の形態に係る画像形成装置1の構成図である。
【図2】制御部27の構成図である。
【図3】制御プログラムに設定可能な用紙Pの属性を示す図である。
【図4】(A)は、用紙Pの既存印刷面のヘッド部分の向きを示す図である。(B)は、用紙Pの表(おもて)面の向きを示す図である。
【図5】用紙Pの属性を設定するためのUI画面の一例を示す図である。
【図6】(A)は、後処理部50の機能情報の一例を示す図である。(B)は、カセット10A〜10C及びトレイ33に設定された用紙の属性の一例を示す図である。
【図7】画像形成装置1の機能ブロック図である。
【図8】画像形成装置1で実行される処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
【0021】
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置1の構成図である。
【0022】
画像形成装置1は、例えば、コピー機又は複合機である。画像形成装置1は、用紙Pが収容される複数のカセット10A〜10C(収容手段)と、カセット10Aの上に設けられ、カセット10A〜10Cから供給される用紙Pに画像形成を行う画像形成部20と、画像形成部20の上に設けられ、原稿Gを読み取る原稿読取部40と、印刷後の用紙Pに後処理(ステイプル、パンチ、又は製本等)を行う後処理部50(後処理手段)とを備えている。後処理部50はいわゆるフィニッシャーである。
【0023】
各カセット10A〜10Cには、用紙Pを画像形成装置1内に設けられた搬送路21に送り出す送り出しロール11が設けられている。また、搬送路21における送り出しロール11よりも下流側には、用紙Pを一枚ずつ搬送する一対の搬送ロール12が設けられている。なお、搬送路21は、図1の下側を上流側、及び図1の上側を下流側として画像形成装置1内に設けられている。
【0024】
画像形成部20は、筐体20Aと、筐体20A内で搬送路21と対向配置され、用紙P上にトナー画像(現像剤像)を形成する現像ユニット22と、現像ユニット22の感光体23に静電潜像を形成する露光ユニット24(露光装置)と、トナー画像を用紙P上に定着する定着ユニット25と、現像ユニット22に供給される黒色のトナーを収容したトナーカートリッジ26と、画像形成装置1の各部の動作を制御する制御部27とを備えている。
【0025】
搬送路21の上流側には、用紙Pを一旦停止させるとともに、決められたタイミングで用紙Pを感光体23と転写ロール30との間へ送り出す一対の位置合せロール28が設けられている。また、搬送路21の下流側には、トナー画像が定着された用紙Pを排出する複数の排出ロール29が設けられている。
【0026】
また、搬送路21を挟んで感光体23の外周面と対向する位置には、トナーの極性(例えばマイナス)と逆極性の電圧が印加される転写ロール30が設けられている。ここで、感光体23の内側は接地されており、転写ロール30にトナーの極性(例えばマイナス)と逆極性の電圧が印加されるので、感光体23の外周面と転写ロール30との間に電位差が生じる。この電位差(電界)によって、現像後の感光体23の外周面に存在するトナー画像が用紙P上に転写される。
【0027】
定着ユニット25は、内部にヒータを備えた加熱ロール31と、加熱ロール31の外周面と対向配置され用紙Pを加熱ロール31に向けて加圧する加圧ロール32とを有している。そして、定着ユニット25では、加熱ロール31及び加圧ロール32で用紙Pを挟むことで用紙Pを加熱及び加圧して、用紙P上にトナー画像を定着させる。
【0028】
また、画像形成装置1は、用紙Pを手差しで供給するトレイ33(収容手段)及び用紙Pを一枚ずつ搬送する一対の搬送ロール34を備えている。
【0029】
原稿読取部40は、原稿置台41上に載せられた原稿Gを1枚ずつ自動で搬送する原稿搬送装置42と、原稿搬送装置42の下側に配置され1枚の原稿Gが載せられるプラテンガラス43と、プラテンガラス43の下側で移動可能に設けられ、プラテンガラス43上の原稿Gを読み取る原稿読取装置44とを備えている。
【0030】
原稿搬送装置42は、原稿Gを1枚ずつ送り出す送り出しロール45と、一対の搬送ロール46が複数配置された自動搬送路47とを有しており、自動搬送路47の一部は原稿Gがプラテンガラス43上を通るように配置されている。また、原稿読取装置44は、プラテンガラス43の左端部の下側で静止した状態で原稿搬送装置42によって搬送される原稿Gを読み取り、又は右方向に移動しながらプラテンガラス43上の原稿Gを読み取る。
【0031】
後処理部50は、印刷済みの用紙Pの間に合紙を挿入する又は表紙を給紙するためのインタポーザ51、後処理(例えば、ステイプル処理、穴あけ処理又は製本処理等)後の用紙Pを積載するトレイ52A〜52C、複数の搬送ローラ54、搬送路55A〜55D、複数の印刷済みの用紙Pを綴じるステイプル部56、印刷済みの用紙Pに穴を開けるパンチ部57、複数の印刷済みの用紙Pを製本する製本部58、及び搬送路を切り替える切り替え機構59を備えている。ここでいうインタポーザは、例えば、合紙として、印刷が行われていない色紙や用紙を格納する。
【0032】
印刷済みの用紙Pは排出ロール29を介して後処理部50に入力される。後処理部50に入力された印刷済みの用紙Pは、設定された後処理の内容に応じて、切り替え機構59を介して搬送路55B〜55Dのいずれかに送られる。切り替え機構59は、制御部27と接続されており、制御部27からの切り替え信号に応じて搬送路を切り替える。
【0033】
予め設定された後処理がない場合には、印刷済みの用紙Pは、搬送路55A及び55Bを介して、トレイ52Aに排出される。また、印刷済みの用紙Pの間に合紙を挿入する処理のみの場合には、印刷済みの用紙Pは、搬送路55A及び55Bを介して、トレイ52Aに排出され、合紙はインタポーザ51から搬送路55A及び55Bを介してトレイ52Aに排出される。予め設定された後処理がステイプル処理又は穴あけ処理の場合には、印刷済みの用紙Pは搬送路55A及び55Cを介してステイプル部56又はパンチ部57に送られ、ステイプル処理又は穴あけ処理の終了後に、トレイ52Bに排出される。予め設定された後処理が製本処理の場合には、印刷済みの用紙Pは搬送路55A及び55Cを介して製本部56に送られ、製本処理の終了後に、トレイ52Cに排出される。製本処理の場合には、表紙がインタポーザ51から製本部56に搬送されてもよい。
【0034】
図2は、制御部27の構成図である。
【0035】
制御部27は、画像形成装置1の動作を制御する制御プログラムを格納する不揮発性ROM271と、ワーキングスペースとして機能するRAM272と、制御プログラムを読み出して実行するCPU273と、ネットワーク73を介して情報処理装置2と通信する通信部274と、ユーザインターフェース(UI)を制御するUI制御部275とを備えている。
【0036】
UI制御部275は、バス71を介して表示/コマンド入力部60に接続されている。表示/コマンド入力部60は、ユーザインターフェースとしてのUI画面61(表示手段)を備え、UI画面61上に情報や警告を表示したり、UI画面61から入力されたコマンドを受け付ける。
【0037】
制御部27は、現像ユニット22、露光ユニット24、定着ユニット25及び切り替え機構59とバス72を介して接続されている。制御部27は、現像ユニット22、露光ユニット24、定着ユニット25及び切り替え機構59の動作を制御する。
【0038】
印刷ジョブは、情報処理装置2からネットワーク73及び通信部274を介してCPU273に入力される、又は表示/コマンド入力部60のUI画面61からバス71及びUI制御部275を介してCPU273に入力される。CPU273は、入力した印刷ジョブに応じて、現像ユニット22、露光ユニット24、定着ユニット25及び切り替え機構59の動作を制御し、印刷ジョブに対応する画像を用紙P上に形成する。
【0039】
図3は、制御プログラムに設定可能な用紙Pの属性を示す図である。図4(A)は、用紙Pの既存印刷面のヘッド部分の向きを示す図である。図4(B)は、用紙Pの表(おもて)面の向きを示す図である。図5は、用紙Pの属性を設定するためのUI画面の一例を示す図である。ここでいう、既存印刷面とは、たとえば、レターヘッド等の何らかのフォーマットが予め印刷されている面を指す。
【0040】
図3に示すように、制御プログラムには、用紙Pの属性が設定される。ユーザは、表示/コマンド入力部60のUI画面61又は情報処理装置2及びネットワーク73を介して用紙Pの属性を入力する。入力された用紙Pの属性は、CPU273により制御プログラムに設定される。この設定された用紙Pの属性は、情報処理装置2又はUI画面61から変更可能である。
【0041】
用紙Pの属性は、カセット10A〜10C又はトレイ33毎に設定される(図5参照)。また、図3及び図5に示すように、用紙Pの属性は、表面の向き、既存印刷面の向き、用紙サイズ及び用紙種類を含む。表面の向きとは、レターヘッドやプレプリントのような意味のある印刷が既に行われている用紙の印刷面側を示す。意味のある印刷が用紙の両面になされている場合は、表面は、最終出力として表面になって欲しい方の印刷面を示す。表面の向きの設定値は、「上」又は「下」である。例えば、図4(B)は、表面の設定値が「上」である例を示す。
【0042】
既存印刷面の向きは、レターヘッドやプレプリントのような意味のある印刷が既に行われている用紙のヘッダ部分が向いている方向を示す。既存印刷面の向きの設定値は、「指定しない」、「手前」、「奥」、「左」又は「右」のいずれかである。例えば、図4(A)では、既存印刷面の向きの設定値は、「奥」である。用紙サイズは、各カセットにセットされている用紙Pの大きさを示す。用紙サイズの設定値は、「自動検知」、「A4」、「A3」、「B4」などである。用紙種類は、各カセットにセットされている用紙Pの種類を指す。用紙種類の設定値は、「指定しない」「普通紙」又は「厚紙」などである。
【0043】
図6(A)は、後処理部50の機能情報の一例を示す図である。図6(B)は、カセット10A〜10C及びトレイ33に設定された用紙の属性の一例を示す図である。
【0044】
図6(A)の後処理部50の機能情報は、インタポーザ51、ステイプル部56、パンチ部57、及び製本部58の機能に関する情報である。図6(A)によれば、ステイプル部56は、普通紙100枚以下又は厚紙20枚以下の場合にホチキス止めする。パンチ部57は、用紙の左右上下の端から例えば50mm近辺の位置までに穴を開けることができる。インタポーザ51は、正常に合紙を用紙P間に挿入する場合、合紙のヘッダ部分の向きを用紙の既存印刷面の向きと同じ設定にする必要がある。また、インタポーザ51は、用紙PがFace Downで出力される場合には、合紙の表面の向きを「上」に設定する必要がある。同様に、インタポーザ51は、用紙PがFace Upで出力される場合には、合紙の表面の向きを「下」に設定する必要がある。製本部58は、用紙PがFace Downで出力される場合には、表紙の表面の向きを「下」に設定する必要がある。同様に、インタポーザ51は、用紙PがFace Upで出力される場合には、表紙の表面の向きを「上」に設定する必要がある。また、製本部58は、例えば、普通紙100枚以下又は厚紙20枚以下の場合に製本が可能である。後処理部50の機能情報は予め制御プログラムに設定されている。
【0045】
図6(B)は、設定された用紙Pの属性(即ち、表面の向き、既存印刷面の向き、用紙サイズ及び用紙種類)に加えて用紙Pの出力状態(Face Down又はFace Up)も含む。
【0046】
ユーザは、表示/コマンド入力部60のUI画面61又は情報処理装置2及びネットワーク73を介して実行すべき後処理部50の設定を入力する。入力された後処理部50の設定は、CPU273により制御プログラムに設定される。また、上述したように、用紙Pの属性は、CPU273により制御プログラムに設定される。ここで、CPU273は、後処理部50の設定及び用紙Pの属性の設定を関連づけて制御プログラムに設定する。これにより、CPU273は、印刷ジョブの内容を後処理部50の設定及び用紙Pの属性の設定と比較し、印刷ジョブの内容に従った印刷ができるか否かを判断する。
【0047】
例えば、インターポーザ51にセットされた合紙のヘッダ部分の向きが「奥」であり、且つ合紙の表面の向きが「下」であり、印刷ジョブがカセット10A(即ち、Face Downの出力)を指定しているとする。この場合、合紙の表面の向きが「下」であるので、用紙PがFace Upで出力される必要があるが、印刷ジョブの要求はFace Downの出力である。この場合、意図した向きと逆の向きで合紙が挿入されるので、CPU273は、印刷ジョブの要求に従った印刷ができないと判断する。
【0048】
例えば、インターポーザ51にセットされた合紙のヘッダ部分の向きが「奥」であり、且つ合紙の表面の向きが「下」であり、印刷ジョブがカセット10B(即ち、Face Upの出力)を指定しているとする。この場合、合紙の表面の向きが「下」であるので、用紙PがFace Upで出力される必要があり、印刷ジョブの要求はFace Upの出力である。この場合、意図した向きと同じ向きで合紙が挿入されるので、CPU273は、印刷ジョブの要求に従った印刷ができると判断する。
【0049】
尚、印刷ジョブは、出力すべき用紙の属性(表面の向き、既存印刷面の向き、用紙サイズ及び用紙種類のうち少なくとも1つ)、Face Down又はFace Upの出力状態、及び実行すべき後処理の設定を含む。
【0050】
図7は、画像形成装置1の機能ブロック図である。
【0051】
画像形成装置1は、トレイ33又はカセット10A〜10Cにセットされる用紙の属性の設定及び後処理部50の設定を入力する設定部81(設定手段)と、用紙の属性の設定及び後処理部50の設定を関連づけて管理する管理部82(管理手段)と、印刷ジョブの内容を解析する解析部83(解析手段)と、管理部82で管理される用紙の属性の設定及び後処理部50の設定に基づいて、印刷ジョブの要求に従った印刷ができるか否かを判断する判断部84(判断手段)とを備えている。判断部84は、印刷ジョブの要求に従った印刷ができないと判断した場合には、UI画面61に警告を表示すると共に、用紙の属性の設定及び後処理部50の設定の少なくとも一方が設定部81により変更されたか否かを判断する。
【0052】
設定部81は、UI画面61又は情報処理装置2により実現される。管理部82、解析部83及び判断部84は、制御プログラムを実行するCPU273により実現される。
【0053】
図8は、画像形成装置1で実行される処理を示すフローチャートである。
【0054】
まず、解析部83がUI画面61又は情報処理装置2から入力された印刷ジョブの内容を解析する(ステップS1)。具体的には、解析部83は、印刷ジョブに含まれる、出力すべき用紙の属性、Face Down又はFace Upの出力状態、及び実行すべき後処理の設定を特定する。
【0055】
次に、判断部84が、管理部82で管理される用紙の属性の設定及び後処理部50の設定に基づいて、印刷ジョブの内容に従った印刷ができるか否かを判断する(ステップS2)。ステップS2でYESの場合には、印刷ジョブの処理が続行される。具体的には、画像形成部20が、印刷ジョブに基づいて用紙Pに画像を形成する。一方、ステップS2でNOの場合には、判断部84は、印刷ジョブの内容に合致する用紙の属性の設定及び後処理部50の設定の少なくとも一方を示す警告をUI画面61に表示する(ステップS3)。尚、表示内容は、ユーザにトレイ33やカセット10A〜10Cにセットされた用紙の属性の設定の確認又は変更を促す警告でもよいし、若しくは後処理部50の設定(例えば、用紙の枚数、パンチの位置、合紙のヘッダ部分の向き、合紙の表面の向き、又は表紙の表面の向きなど)の確認又は変更を促す警告でもよい。
【0056】
次に、判断部84は、用紙の属性の設定及び後処理部50の設定の少なくとも一方が設定部81により変更されたか否かを判断する(ステップS4)。ステップS4でYESの場合には、手順はステップS2に戻る。これは、判断部84が、変更後の用紙の属性の設定及び後処理部50の設定に基づいて、印刷ジョブの内容に従った印刷ができるか否かを判断するためである。一方、ステップS4でNOの場合には、ユーザが意図しない印刷結果が出力されるため、判断部84は印刷ジョブの実行を中止する。
【0057】
以上説明したように、本実施の形態によれば、管理部82が用紙の属性の設定及び後処理部50の設定を関連づけて管理し、解析部83が印刷ジョブの内容を解析し、判断部84が記録媒体の属性の設定及び後処理部50の設定に基づいて、印刷ジョブの内容に従った印刷ができるか否かを判断する。判断部84が、印刷ジョブの要求に従った印刷ができないと判断した場合に、UI画面61に警告を表示する。従って、用紙の属性の設定及び後処理部50の設定が印刷ジョブの内容を満たさない場合には、警告が表示される。よって、用紙の属性の設定及び後処理部50の設定に基づいてユーザが意図しない出力が回避される。
【0058】
上記実施の形態では、カセット10A〜10C及びトレイ33に設定される対象は、用紙Pであるが、用紙だけでなく、OHP(overhead projector)シート、ハガキ、又は封筒などでもよい。
【0059】
画像形成装置1の機能を実現するためのソフトウェアのプログラムが記録されている記憶媒体を、画像形成装置1に供給し、CPU273が記憶媒体に格納されたプログラムを読み出し実行することによっても、上記実施の形態と同様の効果を奏する。プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えば、CD−ROM、DVD、又はSDカードなどがある。また、CPU273が、画像形成装置1の機能を実現するためのソフトウェアのプログラムを実行することによっても、上記実施の形態と同様の効果を奏する。
【0060】
尚、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0061】
1 画像形成装置
10A〜10C カセット
20 画像形成部
22 現像ユニット
23 感光体
24 露光ユニット
25 定着ユニット
27 制御部
40 原稿読取部
50 後処理部
81 設定部
82 管理部
83 解析部
84 判断部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体を収容する収容手段と、
前記記録媒体に後処理を実行する後処理手段と、
前記記録媒体の属性の設定及び前記後処理手段の設定を管理する管理手段と、
ジョブを取得し、後処理の設定を含む前記ジョブの内容を解析する解析手段と、
前記管理手段により管理された前記記録媒体の属性の設定及び前記後処理手段の設定に基づいて、前記解析手段により解析されたジョブの内容に従った印刷ができるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段が、前記ジョブの要求の内容に従った印刷ができないと判断した場合に、警告を表示する表示手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記記録媒体の属性の設定及び前記後処理手段の設定を入力する設定手段を備え、
前記画像形成装置は前記収容手段を複数有し、前記記録媒体の属性の設定及び前記後処理手段の設定は前記複数の収容手段の各々に対して決定されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記記録媒体の属性の設定は、前記記録媒体の表面の向き、前記記録媒体の既存印刷面のヘッダ部分の向き、前記記録媒体のサイズ及び前記記録媒体の種類を含み、
前記後処理手段の設定は、ステイプル、穴あけ、合紙の挿入又は製本に関する設定であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記警告は、前記ジョブの内容に合致する前記記録媒体の属性の設定及び前記後処理手段の設定の少なくとも一方を示すことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記警告は、前記収容手段に収容された記録媒体の属性の設定又は前記後処理手段の設定の確認又は変更を促すことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
コンピュータを、
記録媒体を収容する収容手段、
前記記録媒体に後処理を実行する後処理手段、
前記記録媒体の属性の設定及び前記後処理手段の設定を管理する管理手段、
ジョブを取得し、後処理の設定を含む前記ジョブの内容を解析する解析手段、
前記管理手段により管理された前記記録媒体の属性の設定及び前記後処理手段の設定に基づいて、前記解析手段により解析されたジョブの内容に従った印刷ができるか否かを判断する判断手段、及び
前記判断手段が、前記ジョブの要求の内容に従った印刷ができないと判断した場合に、警告を表示する表示手段
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−28051(P2013−28051A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−165147(P2011−165147)
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】