説明

画像形成装置及び方法、該方法を実行する制御プログラム、該プログラムを記憶した媒体

【課題】 複数の機器によって、1つの機能(例えば重連プリント)を実現するシステムであって、機器間の制御ソフトウェアの組み合わせ不整合により、機能が使用できなくなる可能性を少なくさせる。
【解決手段】 複数機器に連携させることが可能な複合サービスの設定が可能であり、かつ現在使用している制御プログラムとアップデート予定の制御プログラムが格納可能な画像形成装置であって、
前記制御プログラムと他の機器の制御プログラムとが、前記複合サービスが動作する組み合わせであるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段が、前記他の機器について前記複合サービスの動作が可能であると判定した場合に、前記画像形成装置の前記制御プログラムを起動する起動手段を有することを特徴とする画像形成装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコピー機、プリント装置、ファクシミリ記録部などとしても利用される画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術として、スキャナから入力した画像データを、ネットワークを介して接続された複数の画像形成装置のプリンタ部より画像出力する複合サービスとして、重連(クラスタプリント)と呼ばれるサービスが知られている。また、従来から画像形成装置ではこのサービスを設定でき、重連プリントモードが設定可能である。
【0003】
例えば、大量部数の原稿をプリントする際に、重連プリントを可能とする重連プリントモードを選択した後に、設定した部数を複数の画像出力装置に配分させてプリントすることができる。そのため設定した部数を1台でプリントするよりもプリントを終了するまでの時間が短縮され、画像出力の生産性を向上させることが出来る。
【0004】
このような複合サービスとして複数の機器が連携して一つの機能を実現している場合、制御ソフトウェアの組み合わせの不一致により機器間のプロトコルの不整合が発生する可能性がある。そのため、機器間の制御ソフトウェアの組み合わせが適切なものにする必要がある。
【0005】
例えば重連プリントモードにおいては、機器間のプロトコルの不整合によって、色見のずれや相手機との通信が行えないと言う問題が生じる。そのため重連プリントモードを実現する機器間においては制御ソフトウェアの組み合わせを適切なものにする必要がある。
【0006】
一方、現在のコピー機、プリント装置においては、工場出荷後にも制御ソフトウェアをアップデートするために、制御ソフトウェアをフラッシュメモリやハードディスクといった書き換え可能な領域に記憶させることによって、市場のニーズに素早く応えている。
【0007】
更に近年ではインターネットなどのネットワークを経由して、新しい制御ソフトウェアを素早く機器に配り、アップデートを行うケースも増えてきている。このため、設置時には重連プリントが可能な適切な組み合わせであった各制御ソフトウェアが、市場でのアップデートによって不適切な組み合わせになる危険性がある。
【0008】
アップデートによって、制御ソフトウェアが正常動作しない不具合を解決するために特開2002−099418号公報が提案されている。特開2002−099418号公報では機器内に旧バージョンの制御ソフトウェアでしか処理できないデータが残っている場合には、そのデータを処理し終えるまではアップデートしないシステムが提案されている。
【0009】
また、配信サーバからアップデート予定のバージョンの制御ソフトウェアが配信され、ある機器がアップデートすると、そのアップデートした機器とネットワークでつながっている機器もアップデートが完了した機器からアップデートする処理方法が特開2000−298580号公報に記載されている。
【0010】
更に、アップデートファイルの一斉配信方法については特開2003−209510号公報に記載されている。
【特許文献1】特開2002−099418号公報
【特許文献2】特開2000−298580号公報
【特許文献3】特開2003−209510号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特開2002−099418号公報では、自機の都合によってアップデートをするか否かを判断することによって、市場アップデートで制御ソフトウェアが正常動作しない不具合を解消している。しかし、複数機器によって1つの機能(例えば重連プリント)を実現している構成においては、自機だけでは適切なアップデートの可否の判断を行えないといった問題がある。
【0012】
また、特開2000−298580号公報や特開2000−298580号公報のような一斉もしくは逐次的にアップデートする方法は、制御ソフトウェア正常動作しない不具合を解消すると言う点で一見効率的である。しかしインターネット経由で自動的にアップデートされる場合には、サービスマンによる手作業によるアップデートに比べて不具合が発生しやすい。
【0013】
上記の3例は、ある1つの機能(例えば重連プリント)を実現している構成において、ある機器が最新のバージョンにアップデートし、他の機器が旧バージョンのままだった場合には、その機能が動作しなくなる可能性があるという問題においては解決していない。
【0014】
そこで本発明の目的は、ある1つの機能(例えば重連プリント)を実現している構成であって、アップデート予定の機器と他機器で現在使用している制御ソフトウェアを比較することによってその機能が使用出来るかを判断し、制御ソフトウェアが正常動作しない不具合を解消することを目的とする。
【0015】
また本発明のその他の目的は、ある1つの機能(例えば重連プリント)を実現している構成において、他機器にアップデートの候補があるか無いかを判断し、候補があると判断された場合はアップデートしたい機器と他機器のアップデートしたいソフトウェアを比較することによってその機能が使用出来るかを判断し、またもし候補が無いと判断された場合もしくはその機能が使用できないと判断されなかった場合はアップデートしたい機器と他機器にて現在使用しているソフトウェアを比較することによってその機能が使用出来るかを判断し、この判断でも使用できない際には現在使用しているのソフトウェアを使用することによって、制御ソフトが正常動作しない不具合を解消することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するために、
複数機器に連携させることが可能な複合サービスの設定が可能であり、かつ現在使用している制御プログラムとアップデート予定の制御プログラムが格納可能な画像形成装置であって、前記制御プログラムと他の機器の制御プログラムとが、前記複合サービスが動作する組み合わせであるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段が、前記他の機器について前記複合サービスの動作が可能であると判定した場合に、前記画像形成装置の前記制御プログラムを起動する起動手段を有することを特徴とする画像形成装置を提供する。
【0017】
また、複数機器に連携させることが可能な複合サービスの設定が可能であり、かつ現在使用している制御プログラムとアップデート予定の制御プログラムが格納可能な画像形成装置であって、前記画像形成装置の前記制御プログラムと、他の機器の前記制御プログラムとが、前記複合サービスの動作が可能である組み合わせであるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段に基づいて、前記画像形成装置の前記アップデート予定の制御プログラムと前記他の機器の前記アップデート予定の制御プログラムとが、前記複合サービスが動作しない組み合わせであり、かつ前記画像形成装置の前記アップデート予定の制御プログラムと前記他の機器で現在使用している制御プログラムとが、前記複合サービスが動作しない組み合わせであれば、前記画像形成装置で現在使用している制御プログラムを起動する起動手段を有することを特徴とする画像形成装置を提供する。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、上記のバージョンの整合性を比較する方法により、複数の機器によって1つの機能(例えば重連プリント)を実現する画像形成装置において、機器の制御ソフトウェア間の組み合わせ不整合により、機能が使用できないことが少なくなる。
【0019】
また本発明は、複数の制御プログラムが格納可能であるため、ある機器と他機器の制御ソフトウェアのバージョンを比較する方法として、ある機器と他機器のアップデート予定の制御ソフトウェア同士を比較し、アップデート不可と判定された場合はある機器のアップデート予定ソフトウェアと他機器で現在使用している制御ソフトウェアを比較し、更にアップデート不可と判定された場合はアップデートを行わない。これによって機器の制御ソフトウェア間の組み合わせ不整合により、機能が使用できないことが少なくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
(実施例1)
本発明の実施の形態においては、複数の機器によって1つの機能を実現する例として、重連プリントモードを用いて説明する。重連プリントモードとはジョブを複数機器に連携させることが可能な複合サービスの1つであり、設定した部数を複数の機器で連携して出力する機能である。
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明するが、以下の実施の形態では複数の画像形成装置を連携させる例を用いて説明する。ただし、画像形成装置以外であっても連携させる機器は、複合機や複合機の機能の一部を実現する装置(例えば後処理装置)、複写機、印刷機、ファクシミリ、プリンタ(例えばレーザービームプリンタ)でも良い。
【0022】
図1は本発明におけるシステム構成の全体図である。画像形成装置1000と画像形成装置1001はネットワーク1500を介して接続されている。画像形成装置1000と画像形成装置1001は重連プリント(クラスタプリント)が行える。
【0023】
例えば、画像形成装置1000で重連プリント設定を用いて500部をプリントした場合には、同じ画像データを画像形成装置1001に転送し、画像形成装置1000と画像形成装置1001で250部ずつ分担して出力することで、1台でプリントするよりもプリントを終了する時間を短縮できる。
【0024】
この重連機能は画像形成装置1000と画像形成装置1001の連携によって実現している機能であり、どちらかの制御ソフトウェアをアップデートしてしまうと、重連プリント機能が使えなくなる可能性が生じる。
【0025】
画像形成装置1000と画像形成装置1001の制御ソフトウェアのアップデートはネットワーク1500を介してパーソナルコンピュータ(PC)もしくはワークステーション(WS)2000から、新しい制御ソフトウェアを画像形成装置1000と画像形成装置1001に送信することで実現する。
【0026】
図2は本実施形態における画像形成装置1000および画像形成装置1001の画像形成装置制御部15の構成を示すブロック図である。
【0027】
画像形成装置1000および1001の画像形成装置制御部15はネットワーク1500とはネットワークコントローラ50を介して接続されている。画像形成装置制御部15は中央演算装置(Central Processiong Unit,CPU)1、起動用ROM(Read Only Memory)3、RAM(Random Access Memory)4、不揮発性RAM80、ネットワークコントローラ50、スキャナコントローラ10、プリンタコントローラ20、操作部コントローラ60、ハードディスクドライブ400を有しており、それぞれシステムバス2によって接続されている。
【0028】
CPU1は画像形成装置制御部15全体の動作を制御するものであり、起動用ROM3から読み込んだ起動用プログラム31に基づいて動作する。また、ハードディスクドライブ(HDD)400に格納されている図5に対応するプログラムを実行する。RAM4はCPU1が動作するためのワークエリアや、画像データを蓄積するためのエリアとして使用される。不揮発性RAM80は電源を切っても値が保持されるため、電源を切っても値を保持すべき設定内容などの値が記憶されている。
【0029】
ネットワークコントローラ50はネットワークを制御するためのコントローラであり、外部ネットワークと接続されている。外部ネットワークにはPC/WS2000といった外部コンピュータと接続され、画像形成装置150とデータの通信を行う。
【0030】
スキャナコントローラ10はスキャナ部100と接続され、また、システムバス2によってCPU1と接続されている。スキャナコントローラ10はスキャナ部100から受け取った画像を、その後の過程における処理の内容によって、最適な2値化を行ったり、主走査・副走査の変倍処理を行ったりする機能を有している。さらに、スキャナ部100から送られたビデオ制御信号をもとに生成した制御信号を、システムバス2に出力する機能も有する。
【0031】
プリンタコントローラ20はプリンタ部200と接続され、また、システムバス2によってCPU1と接続されており、CPU1から出力された画像データにスムージング処理をして、プリンタ部200へ出力する機能を有する。さらに、プリンタ部200から送られたビデオ制御信号をもとに生成した制御信号を、システムバス2に出力する機能も有する。
【0032】
操作部コントローラ60は、操作部650と接続されている。図3は、本発明における画像形成装置の操作部650の液晶表示部と液晶表示部上に張り付けられたタッチパネル入力装置600である。操作部650はその他にも複数個のハードキーを有する。タッチパネル入力装置600では、主なモード設定、状況表示が行われる。601はタッチパネル入力装置600上のプリンタ選択ボタンであり、このプリンタ選択ボタンを選択することよって重連プリントモードに設定することが出来る。
【0033】
タッチパネル入力装置またはハードキーにより入力された信号は操作部コントローラ60を介してCPU1に伝えられ、液晶表示部は操作部コントローラ60から送られてきた画像データを表示するものである。液晶表示部には、本画像形成装置の操作における機能表示や画像データ等を表示する。
【0034】
図4はプリンタ選択ボタン601に触れたときの画面であり、ここにネットワーク上にて重連可能なプリンタが表示される。ここに表示された画像形成装置のうちから重連モードに設定する装置を1つ選ぶことによって、重連プリントが可能となる。
【0035】
ハードディスクドライブ400は、プログラムや画像データを書き込んだり読み込んだりすることができ、複数の制御ソフトウェアを格納することができる。本実施例では図5に示すフローに対応するプログラムを格納しているものとする。また、機種とバージョンが一致するかどうかを判定する際の管理テーブルも格納することができる。
【0036】
機種とバージョンが一致するかどうかを判定する際の管理テーブルの一例を図11に示す。本実施例では、機種とバージョンが一致するかどうかを判定する際の管理テーブルはバージョンの組み合わせテーブル1101と機種の管理テーブル1102から成っているものとする。
【0037】
例えば、機器Aに機器Bと機器Cが重連プリント選択可能であるとする。機種の管理テーブル1102から機器Aと機器Bは同じ機種であるとわかる。また、バージョンの組み合わせテーブル1101から、機器Aの制御ソフトウェアのバージョンが1.0のとき、機器Bの制御ソフトウェアのバージョンが1.0のときに重連プリントモードが使用出来ると分かる。
【0038】
また、機器Aと機器Cにおいて重連プリントモードを使用する際には、機種の管理テーブル1102から機器Aが機種Xであり、機器Cが機種Yである。そのため、バージョンの組み合わせテーブル1101から、機器Aのバージョンが1.0のとき、機器Cはバージョン3.0である必要がある。
【0039】
管理テーブルが格納されるタイミングは、は画像形成装置1000もしくは画像形成装置1001のハードディスクドライブ400上に外部からアップデート予定の制御ソフトウェアVer1.1(420)が格納される際でも良い。また、管理テーブルのみをサーバからのダウンロードしたり、外部の記憶装置(HDD、CD−ROM、DVD−ROM)から取り込むことも可能である。
【0040】
次に画像形成装置制御部15の起動手順について説明する。
【0041】
まず、画像形成装置制御部15に電源が投入された際に、CPU1は起動用ROM3から起動用プログラム31を読み込み動作する。
【0042】
起動用ROM3は容量に制限があるため、あまり多機能なプログラムを格納することができない。そのため、スキャナコントローラ10、プリンタコントローラ20、ネットワークコントローラ50、操作部コントローラ60の制御はハードディスクドライブ400内に格納されている制御ソフトウェアによって行われる。
【0043】
起動用プログラム31はハードディスクドライブ400内の制御ソフトウェアを起動する処理のみ行うことで、プログラム容量を削減することができる。起動用プログラムは不揮発性RAM80の内容の読み取り処理を行い、制御はハードディスクドライブ400内の制御ソフトウェアが担当する。
【0044】
図4での本実施形態においては、本画像形成装置の制御プログラムである制御ソフトウェア410と420が格納されている。現在使用している制御ソフトウェア410はVer1.0、アップSデート予定の制御ソフトウェア420はVer1.1というバージョンがつけられているとする。
【0045】
以下の実施例では、この制御ソフトウェアVer1.1(420)は制御ソフトウェアVer1.0(410)に比べて新しいバージョンであるとする。また、Ver1.0からVer1.1へとアップデートすることが前提であり、制御ソフトウェアVer1.0とVer1.1の組み合わせでは重連プリント機能が使えないとする。
【0046】
起動用ROM3に格納されている起動用プログラムは不揮発性RAM80内の情報に基づいてハードディスクドライブ400内の制御ソフトウェアを起動する。制御ソフトウェアが複数ある場合は、制御ソフトウェアのうちの1つを選択し、起動する。
【0047】
次に、不揮発性RAM80の内部構造について説明する。不揮発性RAM80内部は複数の制御プログラムの情報が格納可能となっておいる。この内部には重連機能のON/OFF81、他機のIPアドレス(Internet Protocol Address)82、他機で現在使用している制御ソフトウェアのバージョン情報83、他機のアップデート予定の制御ソフトウェアバージョン情報84が記憶されている。ちなみに、他機とは重連プリントモードを設定する相手の機器のことであり、画像形成装置1000の他機は画像形成装置1001、画像形成装置1001に対する他機は画像形成装置1000である。
【0048】
重連機能のON/OFF81は重連機能が有効になっているかを記憶するための領域である。他機のIPアドレス82は、重連機能ON/OFF81で重連機能がON時に通信する他機のIPアドレスを記憶するための領域である。
【0049】
他機で現在使用している制御ソフトウェアのバージョン情報83は、他機のハードディスクドライブ400に格納されている現在使用している制御ソフトウェア410のバージョン情報を記憶するための領域である。更に、他機のアップデート予定の制御ソフトウェアバージョン情報84は他機のハードディスクドライブ400に格納されているアップデート予定の制御ソフトウェア420のバージョンを記憶するための領域である。
【0050】
他機で現在使用している制御ソフトウェアのバージョン情報83、他機のアップデート予定の制御ソフトウェアバージョン情報84は、重連機能が有効な時に、定期的に他機と通信を行う。また、他機のハードディスクドライブ400内の現在使用している制御ソフトウェア410、アップデート予定の制御ソフトウェア420の情報で上書きする。
【0051】
図5は本実施形態における画像形成装置制御部15のCPU1の制御手順を示すフローチャートであり、画像形成装置制御部15に電源が投入された際の動作を説明したものである。
【0052】
ステップS5001において、画像形成装置制御部15は電源投入され、起動する。
【0053】
ステップS5002において、画像形成装置制御部15内のCPU1は起動用ROM3から起動用プログラムを起動する。
【0054】
ステップS5003において、画像形成装置1000の起動用プログラムを動作しているCPU1は、画像形成装置1000のハードディスクドライブ400にアップデート予定の制御ソフトウェアの有無を確認する。すなわち、図4におけるアップデート予定の制御ソフトウェアVer1.1(420)の有無を確認することになる。もしアップデート予定の制御ソフトウェアが存在すると判定された場合にはステップS5006へ、存在しないと判定された場合にはステップS5004へ進む。
【0055】
ステップS5004において、ステップS5003にてアップデート予定の制御ソフトウェアがハードディスクドライブ400内に存在しないと判定されたので、図4における現在使用している制御ソフトウェアVer1.0(410)の起動用プログラムを起動する。
【0056】
ステップS5005において、以降、CPU1は現在使用している制御ソフトウェアを実行する。
【0057】
ステップS5006において、ステップS5003でハードディスクドライブ400内にアップデート予定の制御ソフトウェアがあると判断できたので、次に、不揮発性RAM80上の重連機能ON/OFF81で重連機能が有効になっているかを確認する。重連機能が有効であると判定された場合にはステップS5007へ進む。重連機能が無効であると判定された場合にはステップS5004に進み、起動用プログラムはハードディスクドライブ400上の現在使用している制御ソフトウェア410(図4における現在使用している制御ソフトウェアVer1.0(410))を起動する。
【0058】
ステップS5007において、ステップS5006にて、重連機能が有効であると判定できたので、画像形成装置1001のハードディスクドライブ400にアップデート予定の制御ソフトウェアの有無を確認する。すなわち、図4におけるアップデート予定の制御ソフトウェアVer1.1(420)の有無を確認することになる。もし画像形成装置1001にアップデート予定の制御ソフトウェアが存在すると判定された場合にはステップS5008へ、存在しないと判定された場合にはステップS5013へ進む。
【0059】
ステップS5008において、不揮発性RAM80上の「他機のアップデート予定の制御ソフトウェアバージョン情報84」とハードディスクドライブ400上のアップデート予定の制御ソフトウェアVer1.1(420)の組み合わせで重連動作が可能であるかを判定する。この判定は、後に説明するように、本実施例においては図11のような管理テーブルを使用する。重連動作が可能であると判定されたならばステップS5009に進み、重連動作が不可能であると判定されたならば、ステップS5013に進む。
【0060】
ステップS5009において、ステップS5008で画像形成装置1001のアップデート予定の制御ソフトウェアと画像形成装置1000のハードディスクドライブ400上のアップデート予定の制御ソフトウェアVer1.1(420)とで、重連プリントが可能と判定できた。そのため、画像形成装置1000のハードディスクドライブ400上の現在使用している制御ソフトウェアVer1.0(410)はアップデートの後は使用しなくても重連プリントモードに影響は無いため削除し、ステップS5010へ進む。
【0061】
ステップS5010において、起動用プログラム31は画像形成装置1000のハードディスクドライブ400上のアップデート予定の制御ソフトウェアVer1.1(420)を正常起動し、ステップS5011に進む。その際に図10に示すように操作部上に「重連機能を有効にするには本機器の主電源をOFF/ONして下さい」のように、ユーザに促す表示をしても良い。
【0062】
ステップS5011において、画像形成装置1000だけアップデート予定の制御ソフトウェアで起動し、画像形成装置1001は現在使用している制御ソフトウェア410で起動しているため、このままでは重連プリント機能が使えなくなる可能性がある。そのため、図6に示すように操作部上に「重連機能を有効にするには192.168.0.101の主電源をOFF/ONして下さい」のように、ユーザに促す表示をし、ステップS5012に進む。
【0063】
ステップS5012において、画像形成装置1001の起動用プログラム31はハードディスクドライブ400上のアップデート予定の制御ソフトウェアVer1.1(410)を正常起動する。
【0064】
ステップS5013において、不揮発性RAM80上の「他機の現在使用している制御ソフトウェアのバージョン情報83」とハードディスクドライブ400上のアップデート予定の制御ソフトウェアの組み合わせで重連プリント動作が可能かを判定する。この判定も、後に説明するように、本実施例においては図11のような管理テーブルを使用する。
【0065】
もし組み合わせ上重連プリント動作が可能であるならばステップS5014に進む。組み合わせ上重連プリント動作が不可能であるならばステップS5004に進む。
【0066】
ステップS5014において、ステップS5013で画像形成装置1001の現在使用している制御ソフトウェアと画像形成装置1000のハードディスクドライブ400上のアップデート予定の制御ソフトウェアVer1.1(420)とで、重連プリントが可能と判定できた。そのため、画像形成装置1000のハードディスクドライブ400上の現在使用している制御ソフトウェアVer1.0(410)はアップデートの後は使用しなくても重連プリントモードに影響は無いため削除し、ステップS5015へ進む。
【0067】
ステップS5015において、画像形成装置1001の起動用プログラム31はハードディスクドライブ400上のアップデート予定の制御ソフトウェアVer1.1(420)を起動し、ステップS5016に進み、正常起動する。
【0068】
図6は画像形成装置150の操作部のタッチパネル入力装置600に表示される画面であり、図5のステップS5011において表示する。図6の表示は他機の主電源OFF/ONを行い、他機の制御ソフトウェアのアップデートを早急に行うようユーザに促すためである。ユーザには重連以外の機能は扱えるように、操作部画面の左下にメッセージを表示するのみで、その他のボタンは押下できるユーザインターフェースになっている。
【0069】
図10は図6と同様に、画像形成装置150の操作部のタッチパネル入力装置600に表示される画面であり、図5のステップS5010において表示する。図10の表示は自機の主電源OFF/ONを行うようユーザに促すためである。ユーザには重連以外の機能は扱えるように、操作部画面の左下にメッセージを表示するのみで、その他のボタンは押下できるユーザインターフェースになっている。
【0070】
(実施例2)
実施例2では、実施例1の本実施態様のハードウェア構成においてプログラムを入れ替えたとき、以下のような動作となる。
【0071】
図7と図8は、本実施形態におけるアップデートの動作を説明した図であり、図9は図7と図8のアップデート動作のフローチャートである。
【0072】
図7は、画像形成装置1001に対してPC/WS2000からアップデート予定の制御ソフトウェアVer1.1をハードディスクドライブ400に転送したときの実施例である。これは図9のステップS901に当たる。
【0073】
ステップS901においては、本実施例ではPC/WS2000からアップデート予定の制御ソフトウェアVer1.1を転送している。しかしソフトウェアを供給するための記憶媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
【0074】
ステップS902において、画像形成装置1000は定期的なポーリングで画像形成装置1001のハードディスクドライブ400内にアップデート予定の制御ソフトウェアVer1.1が存在することを検知する。
【0075】
ステップ903において、画像形成装置1000の他機のアップデート予定の制御ソフトウェアのバージョン情報を無しから、Ver1.1に上書きする。また、その際に図10に示すように操作部上に「重連機能を有効にするには本機器の主電源をOFF/ONして下さい」のように、ユーザに促す表示をしても良い。
【0076】
また図7における画像形成装置1000の主電源をOFF/ONした画像形成装置1000の画像形成装置制御部15の動作を、図5のフローチャートを用いて説明する。
【0077】
実施例1と同様にステップS5001、S5002を経て、ステップS5003において、図4におけるアップデート予定の制御ソフトウェアの有無を確認する。図7においては、本実施例では画像形成装置1000にアップデート予定の制御ソフトウェアVer1.1(420)が存在する場合であるとするため、ステップS5006へ進む。ステップS5006では、図7において重連機能が有効であるため、ステップS5007へ進む。
【0078】
ステップS5007では、本実施例では画像形成装置1001にアップデート予定の制御ソフトウェアVer1.1(420)が存在する場合であるとするのため、ステップS5008へ進む。
【0079】
ステップS5008では、重連プリント動作が可能かを判定する。図7においては、他機の現在使用している制御ソフトウェアがVer1.1、ハードディスクドライブ400上のアップデート予定の制御ソフトウェアはVer1.1と組み合わせ上重連プリント動作が可能な組み合わせであるため、ステップS5009に進む。
【0080】
ステップS5009においてハードディスクドライブ400上の現在使用している制御ソフトウェアVer1.0(410)はアップデートの後は使用しなくても重連プリントモードに影響は無いため削除し、ステップS5010へ進む。ステップS5010において、画像形成装置1000の起動用プログラム31はハードディスクドライブ400上のアップデート予定の制御ソフトウェアVer1.1(420)を起動し、ステップS5014に進む。
【0081】
ステップS5014において、画像形成装置1000だけアップデート予定の制御ソフトウェアで起動し、他機は現在使用している制御ソフトウェア410で起動しているため、このままでは重連プリント機能が使えなくなる可能性がある。
【0082】
そのために、図6に示すように操作部上に「重連機能を有効にするには192.168.0.101の主電源をOFF/ONして下さい」と表示し、ユーザに他機の制御ソフトウェアのアップデートを早急に行うよう促し、ステップS5015に進む。
【0083】
画像形成装置1001の起動用プログラム31もハードディスクドライブ400上のアップデート予定の制御ソフトウェアVer1.1(420)を起動し、ステップS5014に進み、正常起動する。
【0084】
図8において、画像形成装置1000、1001の画像形成装置制御部15はハードディスクドライブ400上の現在使用している制御ソフトウェアVer1.0(410)がそれぞれ動作している。制御ソフトウェアはVer1.0(410)同士なので重連動作もこの時点では正常動作している。他機のアップデート予定の制御ソフトウェアは無しとなっていた。
【0085】
図9のステップS901において、画像形成装置1000に対して、PC/WS2000からアップデート予定の制御ソフトウェアVer1.1(420)をハードディスクドライブ400に転送する。
【0086】
ステップS902において、画像形成装置1001は定期的なポーリングで画像形成装置1000のハードディスクドライブ400内にアップデート予定の制御ソフトウェアVer1.1(420)が存在することを検知する。
【0087】
ステップS903において、画像形成装置1001における他機のアップデート予定の制御ソフトウェアのバージョン情報を、無しからVer1.1に上書きする。また、その際に図10に示すように操作部上に「重連機能を有効にするには本機器の主電源をOFF/ONして下さい」のように、ユーザに促す表示をしても良い。
【0088】
図8における、画像形成装置1000の主電源をOFF/ONした際の画像形成装置1000の画像形成装置制御部15の動作を図5のフローチャートを用いて説明する。
【0089】
この場合、実施例1と同様にS5001、S5002と進み、S5003で起動用プログラムを動作しているCPU1はハードディスクドライブ400にアップデート予定の制御ソフトウェアの有無を確認する。図8においては、画像形成装置1000にアップデート予定の制御ソフトウェアVer1.1(420)が存在するので、ステップS5006へ進む。
【0090】
ステップS5006において、図8においては本実施例では重連機能が有効である場合であるので、ステップS5007へ進む。ステップS5007において、図8においては他機(画像形成装置1001)で現在使用している制御ソフトウェアはVer1.0であるので、S5013へ進む。
【0091】
S5013において、図8においては制御ソフトウェアがVer1.1とVer1.0の組み合わせであり、現実施例ではVer1.1とVer1.0の組み合わせは重連プリント動作が不可能である。そのため、ステップS5004を経てステップS5005へ進み正常起動する。図8においては、画像形成装置1000はハードディスクドライブ400上の現在使用している制御ソフトウェアVer1.0(410)を起動する。
【0092】
なお、本実施例ではVer1.1とVer1.0の組み合わせは重連プリント動作が不可能であるとしたが、可能である場合はステップS5013からステップS5014、S5015へと進む。図8においての画像形成装置1000のハードディスクドライブ400上のアップデート予定の制御ソフトウェアVer1.1(420)を起動する。
【0093】
(実施例3)
実施例3では、実施例1の本実施態様のハードウェア構成においてプログラムを入れ替えたとき、以下のような動作となる。
【0094】
図12と図13は、3台以上重連モードの設定が可能な場合のフローチャートを示している。3台以上重連モードの設定が可能な場合は、1台ずつ設定可能かどうかを判定していく。結果、重連モードの設定が可能な機器をアップデートし、正常起動する。
【0095】
この際、アップデートするのは重連モードの設定が可能な機器全てがアップデート可能な場合でも良いし、重連モードの設定が可能な機器と不可能な機器があった場合に可能な機器のみアップデートしても構わない。もちろん重連モードの設定が可能な機器を選択してアップデートすることも可能である。
【0096】
図12は3台以上重連モードの設定が可能な場合かつアップデートするのは重連モードの設定が可能な機器全てがアップデート可能な場合のフローチャートを示している。
【0097】
ステップS1201において、画像形成装置制御部15は電源投入され、起動する。
【0098】
ステップS1202において、画像形成装置制御部15内のCPU1は起動用ROM3から起動用プログラムを起動する。
【0099】
ステップS1203において、図4におけるアップデート予定の制御ソフトウェアの有無を確認する。本実施例である図7においては画像形成装置1000(以下では自機と称する)にアップデート予定の制御ソフトウェアが存在する場合のため、ステップS1206へ進む。ステップS1206では、図7において重連機能が有効であるため、ステップS1207へ進む。
【0100】
ステップS1207では、本実施例である図7においての画像形成装置1001(以下、他機と称す)にアップデート予定の制御ソフトウェアが存在するという前提であるため、ステップS1208へ進む。
【0101】
ステップS1208では、重連プリント動作が可能かを判定する。他機のアップデート予定の制御ソフトウェアと自機のアップデート予定の制御ソフトウェアが、組み合わせ上重連プリント動作が可能な組み合わせであると判定された場合はステップS1217に進む。また、不可能と判定された場合でもS1213において自機のアップデート予定の制御ソフトウェアと他機で現在使用している制御ソフトウェアが組み合わせ上、重連プリント動作が可能な組み合わせであると判定された場合はステップS1218に進む。
【0102】
ステップS1217もしくはステップS1218において、その他に重連可能な機器が無いか判定する。この場合、もし重連可能な機器が無いと判定された場合は、ステップS1217よびステップS1218からステップS1207に進む。もし重連可能な機器が有ると判定された場合は、ステップS1217からステップS1209に、ステップS1218よびステップS1214へ進む。
【0103】
ここでもし重連モードの設定が可能な機器全てがアップデート可能であるときはS1209かS1214へ進むことになるので、アップデート予定の制御ソフトウェアを起動する。対して、S1213において重連可能な機器のうち、1機でも重連プリントが不可能と判定された場合には、S1204に進むことになり、現在使用している制御ソフトウェアを起動する。
【0104】
ステップS1209もしくはステップS1214において、現在使用している制御ソフトウェアはアップデートの後は使用しなくても重連プリントモードに影響は無いため削除し、ステップS1210もしくはステップS1215へ進む。
【0105】
ステップS1210において、画像形成装置1000の起動用プログラムはハードディスク上のアップデート予定の制御ソフトウェアを起動し、ステップS1211に進む。ステップS1215において、画像形成装置1000の起動用プログラムはハードディスク上のアップデート予定の制御ソフトウェアを起動し、ステップS1216に進み、自機のアップデートを完了する。
【0106】
ステップS1210においては、画像形成装置1000だけアップデート予定の制御ソフトウェアで起動し、他機は現在使用している制御ソフトウェアで起動しているため、このままでは重連プリント機能が使えなくなる可能性がある。
【0107】
ステップS1211ではそのために、図6に示すように操作部上に「重連機能を有効にするには192.168.0.101の主電源をOFF/ONして下さい」のように表示し、ユーザに他機の制御ソフトウェアのアップデートを早急に行うよう促し、ステップS1212に進み正常起動する。
【0108】
また、画像形成装置1001の起動用プログラムもハードディスク上のアップデート予定の制御ソフトウェアを起動し、正常起動する。
【0109】
(実施例4)
実施例4では、実施例1の本実施態様のハードウェア構成においてプログラムを入れ替えたとき、以下のような動作となる。
【0110】
図13は、3台以上重連モードの設定が可能な場合かつアップデートするのは重連モードの設定が可能な機器の一部がアップデート可能な場合のフローチャートを示している。
【0111】
ステップS1301において、画像形成装置制御部15は電源投入され、起動する。
【0112】
ステップS1302において、画像形成装置制御部15内のCPU1は起動用ROM3から起動用プログラムを起動する。
【0113】
ステップS1303においてアップデート予定の制御ソフトウェアの有無を確認する。本実施例である図7においては画像形成装置1000(以下、自機と称す)にアップデート予定の制御ソフトウェアが存在する場合のため、ステップS1306へ進む。
【0114】
ステップS1306では、本実施例においては重連機能が有効であるという前提のためステップS1307へ進む。ステップS1307では、本実施例である図7においての画像形成装置1001(以下、他機と称す)にアップデート予定の制御ソフトウェアが存在するという前提であるため、ステップS1308へ進む。
【0115】
ステップS1308では、選択した画像形成装置同士で重連プリント動作が可能かを判定する。他機のアップデート予定の制御ソフトウェアと自機のアップデート予定の制御ソフトウェアが、組み合わせ上重連プリント動作が可能な組み合わせであると判定された場合はステップS1314に進む。また、不可能と判定された場合でもS1313において自機のアップデート予定の制御ソフトウェアと他機で現在使用している制御ソフトウェアが組み合わせ上、重連プリント動作が可能な組み合わせであると判定された場合はステップS1315に進む。
【0116】
ステップS1314もしくはステップS1315においては、その他に重連可能な機器が無いか判定する。この場合、もし重連可能な機器があると判定された場合は、ステップS1314およびステップS1315からステップS1307に進む。もし重連可能な機器が無いと判定された場合は、ステップS1314からはステップS1309へ、またステップS1315からはステップS1316に進み、バージョンアップ予定の制御ソフトを起動する。
【0117】
ステップS1315においても、その他に重連可能な機器が無いか判定する。この場合、もし重連可能な機器があると判定された場合はステップS1307へ進み、無いと判定された場合はステップ1316へ進む。
【0118】
ステップS1319は、ステップS1313において自機のアップデート予定の制御ソフトウェアと他機で現在使用している制御ソフトウェアが重連プリント動作不可能な組み合わせであると判定された場合に、その他に重連可能な機器が無いか判定する。もし重連可能な機器が無いと判定された場合はステップS1320に、あると判定された場合はステップS1307に進む。
【0119】
ステップS1320においては、重連プリント動作が可能な機器が全部で1台しか無いと判定された場合はステップS1304へ進み、2台以上あると判定された場合はステップS1316へと進む。
【0120】
ステップS1309において、現在使用している制御ソフトウェアはアップデートの後は使用しなくても重連プリントモードに影響は無いために削除し、ステップS1310へ進む。ステップS1316において、現在使用している制御ソフトウェアはアップデートの後は使用しなくても重連プリントモードに影響は無いために削除し、ステップS1317へ進む。
【0121】
ステップS1310において、自機の起動用プログラムはハードディスク上のアップデート予定の制御ソフトウェアを起動し、ステップS1311に進む。またステップS1317において、自機の起動用プログラムはハードディスク上のアップデート予定の制御ソフトウェアを起動し、ステップS1318に進み、起動する。
【0122】
ステップS1310で自機だけアップデート予定の制御ソフトウェアで起動し、他機は現在使用している制御ソフトウェアで起動しているため、このままでは重連プリント機能が使えなくなる可能性がある。
【0123】
そのために、ステップS1311において図6に示すように操作部上に「重連機能を有効にするには192.168.0.101の主電源をOFF/ONして下さい」のように表示し、ユーザに他機の制御ソフトウェアのアップデートを早急に行うよう促し、ステップS1312に進む。
【0124】
画像形成装置1001の起動用プログラムもハードディスク上のアップデート予定の制御ソフトウェアを起動し、ステップS1312に進み、正常起動する。
【0125】
(実施例5)
実施例5では、実施例1の変形例であり、本実施態様のハードウェア構成においてプログラムを入れ替えたとき、以下のような動作となる。
【0126】
図14は本実施形態における画像形成装置制御部15のCPU1の制御手順を示すフローチャートであり、画像形成装置制御部15に電源が投入された際の動作を説明したものである。
【0127】
ステップS1401において、画像形成装置制御部15は電源投入され、起動する。また、ステップS1402において、画像形成装置制御部15内のCPU1は起動用ROM3から起動用プログラムを起動する。
【0128】
ステップS1403において、画像形成装置1000(以下、自機と称す)の起動用プログラムを動作しているCPU1は、自機のハードディスクドライブ400にアップデート予定の制御ソフトウェアの有無を確認する。すなわち、図4におけるアップデート予定の制御ソフトウェアVer1.1(420)の有無を確認することになる。もしアップデート予定の制御ソフトウェアが存在すると判定された場合にはステップS1406へ、存在しないと判定された場合にはステップS1404へ進む。
【0129】
ステップS1404において、ステップS1403にてアップデート予定の制御ソフトウェアがハードディスクドライブ400内に存在しなかったので、現在使用している制御ソフトウェアの起動用プログラムを起動する。その後、ステップS1405において、以降、CPU1は現在使用している制御ソフトウェアを実行する。
【0130】
ステップS1406において、ステップS1403でハードディスクドライブ400内にアップデート予定の制御ソフトウェアがあると判定できたので、次に、不揮発性RAM80上の重連機能ON/OFF81で重連機能が有効になっているかを確認する。重連機能が有効であると判定された場合にはステップS1407へ、重連機能が無効であると判定された場合にはステップS1404に進み、起動用プログラムはハードディスクドライブ400上の現在使用している制御ソフトウェアを起動する。
【0131】
ステップS1407においては、実施例5では、画像形成装置1001(以下、他機と称す)のハードディスクドライブ400にアップデート予定の制御ソフトウェアの有無を確認すことなく、不揮発性RAM80上の「他機の現在使用している制御ソフトウェアのバージョン情報83」とハードディスクドライブ400上のアップデート予定の制御ソフトウェアの組み合わせで重連プリント動作が可能かを判定する。この判定は図11のような管理テーブルを使用するとする。重連プリント動作が可能であればステップS1408へ、不可能であればステップS1411へ進む。
【0132】
ステップS1408において、ステップS1407で他機で現在使用している制御ソフトウェアと自機のアップデート予定の制御ソフトウェアとで重連プリントが可能と判定した。そのため、自機のハードディスクドライブ400上の現在使用している制御ソフトウェアはアップデートの後は使用しなくても重連プリントモードに影響は無いため削除し、ステップS1409へ進む。
【0133】
ステップS1409において、他機の起動用プログラム31はハードディスクドライブ400上のアップデート予定の制御ソフトウェア420を起動し、ステップS1410に進み、正常起動する。
【0134】
ステップS1411においては、不揮発性RAM80上の「他機のアップデート予定の制御ソフトウェアバージョン情報84」とハードディスクドライブ400上のアップデート予定の制御ソフトウェアの組み合わせで重連動作が可能であるかを判定する。この判定も図11のような管理テーブルを使用するとする。重連動作が可能であると判定されたならばステップS1409に進み、重連動作が不可能であると判定されたならばステップS1404に進む。まお、他機にアップデート予定の制御ソフトウェアが無いときはステップS1404に進む。
【0135】
ステップS1412において、ステップS1411で他機のアップデート予定の制御ソフトウェアと自機のハードディスクドライブ400上のアップデート予定の制御ソフトウェアとで、重連プリントが可能と判定できた。そのため、現在使用している制御ソフトウェアはアップデートの後は使用しなくても重連プリントモードに影響は無いため削除し、ステップS1413へ進む。
【0136】
ステップS1413において、起動用プログラム31は自機のハードディスクドライブ400上のアップデート予定の制御ソフトウェアを正常起動し、ステップS1414に進む。その際に図10に示すように操作部上に「重連機能を有効にするには本機器の主電源をOFF/ONして下さい」のように、ユーザに促す表示をしても良い。
【0137】
ステップS1414において、自機だけアップデート予定の制御ソフトウェアで起動し、他機は現在使用している制御ソフトウェアで起動しているため、このままでは重連プリント機能が使えなくなる可能性がある。そのため、図6に示すように操作部上に「重連機能を有効にするには192.168.0.101の主電源をOFF/ONして下さい」のように、ユーザに促す表示をする。その後ステップS1415に進む。
【0138】
ステップS1415において、他機の起動用プログラム31はハードディスクドライブ400上のアップデート予定の制御ソフトウェアを正常起動する。
【0139】
(その他の実施例)
なお、本発明は、以下の構成でも達成され得る。
【0140】
前述した実施形態の機能(図5、図12、図13、図14に示すフローチャート)を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(CPUやMPU(Micro Processing Unit))が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても達成され得る。
【0141】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、前述した実施形態の機能(図5、図12、図13、図14に示すフローチャート)を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0142】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
【0143】
また、以上の実施例での説明は1つのジョブを複数の機器で出力する場合であるが、ジョブが複数の場合や、1つの機器からジョブを入力し重連プリントモードが設定された他の機器からプリントすることも可能である。プリントを前提に説明してきたが、コピーでも利用可能であり、また電子データを電子データとしてコピーする際にも用いることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0144】
【図1】本実施形態のシステムの全体構成図である。
【図2】本実施形態の画像形成装置の操作部上のタッチパネル入力装置600に表示する画面を表す図である。
【図3】本実施形態の画像形成装置の操作部上のタッチパネル入力装置600に表示する画面であり、重連モードを設定する機器を選択する画面を表す図である。
【図4】本実施形態の画像形成装置の制御部15の構成を示すブロック図である。
【図5】本実施形態の画像形成装置の画像形成装置制御部15の制御方法のフローを示す起動時のフローチャートである。
【図6】図5のフローチャートS5014時に表示する、本実施形態の画像形成装置の操作部上のタッチパネル入力装置600の画面である。
【図7】本実施形態の画像形成装置のアップデートを示す図である。
【図8】本実施形態の画像形成装置のアップデートを示す図である。
【図9】本実施形態の画像形成装置のアップデートを示すフローチャートである。
【図10】本実施形態の画像形成装置の操作部上のタッチパネル入力装置600に表示する画面の図である。
【図11】アップデート時に重連機能が使用可能であるかどうかを判定する管理テーブルの図である。
【図12】重連モードに設定する機器が複数台選択でき、かつ設定されている機器の全てがアップデート可能でなければアップデートしない時の、本実施形態の画像形成装置の画像形成装置制御部15の制御方法のフローチャートである。
【図13】重連モードに設定する機器が複数台選択でき、かつ設定されている機器の一部がアップデート可能であればアップデートする時の、本実施形態の画像形成装置の画像形成装置制御部15の制御方法のフローチャートである。
【図14】本実施形態の画像形成装置の画像形成装置制御部15の制御方法のうち、図5に示した方法とは異なった制御方法のフローチャートである。
【符号の説明】
【0145】
15 画像形成装置制御部
150 画像形成装置
602 重連モードを設定する機器を選択する選択部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数機器に連携させることが可能な複合サービスの設定が可能であり、かつ現在使用している制御プログラムとアップデート予定の制御プログラムが格納可能な画像形成装置であって、
前記制御プログラムと他の機器の制御プログラムとが、前記複合サービスが動作する組み合わせであるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段が、前記他の機器について前記複合サービスの動作が可能であると判定した場合に、前記画像形成装置の前記制御プログラムを起動する起動手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
複数機器に連携させることが可能な複合サービスの設定が可能であり、かつ現在使用している制御プログラムとアップデート予定の制御プログラムが格納可能な画像形成装置であって、
前記画像形成装置の前記アップデート予定の制御プログラムと他の機器の前記アップデート予定の制御プログラムとが、前記複合サービスが動作する組み合わせであるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段が、前記他の機器について前記複合サービスの動作が可能であると判定した場合に、前記画像形成装置の前記アップデート予定の制御プログラムを起動する起動手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記起動手段は、前記判定手段によって、前記他の機器が前記複合サービスの動作が可能であると判定した場合に、前記他の機器の前記アップデート予定の制御プログラムを起動することを特徴とする、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
複数機器に連携させることが可能な複合サービスの設定が可能であり、かつ現在使用している制御プログラムとアップデート予定の制御プログラムが格納可能な画像形成装置であって、
前記画像形成装置の前記アップデート予定の制御プログラムと他の機器で前記現在使用している制御プログラムとが、前記複合サービスが動作する組み合わせであるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって、前記他の機器について前記複合サービスの動作が可能であると判定された場合に、前記画像形成装置の前記アップデート予定の制御プログラムを起動する起動手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
複数機器に分担させることが可能な複合サービスの設定が可能であり、かつ現在使用している制御プログラムとアップデート予定の制御プログラムが格納可能な画像形成装置であって、
前記画像形成装置の前記アップデート予定の制御プログラムと、他の機器で前記現在使用している制御プログラムとが、前記複合サービスが動作する組み合わせであるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって、前記他の機器について前記複合サービスの動作が可能であると判定された場合に、前記画像形成装置の前記アップデート予定の制御プログラムを起動する起動手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
複数機器に連携させることが可能な複合サービスの設定が可能であり、かつ現在使用している制御プログラムとアップデート予定の制御プログラムが格納可能な画像形成装置であって、
前記画像形成装置の前記制御プログラムと他の機器の前記制御プログラムとが、前記複合サービスの動作が可能である組み合わせであるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段に基づいて、前記画像形成装置の前記アップデート予定の制御プログラムと前記他の機器の前記アップデート予定の制御プログラムとが前記複合サービスが動作しない組み合わせであり、かつ前記画像形成装置の前記アップデート予定の制御プログラムと前記他の機器で現在使用している制御プログラムとが、前記複合サービスが動作しない組み合わせであれば、前記画像形成装置で現在使用している制御プログラムを起動する起動手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
前記判定手段は前記制御プログラムのバージョン情報が含まれたテーブルによって判定することを特徴とした請求項1乃至6の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記判定手段は、前記画像形成装置の前記制御プログラムと前記複合サービスが設定されている他の機器の前記制御プログラムとが、前記複合サービスが動作する組み合わせであるか否かを判定し、
前記判定手段によって前記他の機器のうち1つでも前記複合サービスの動作が可能であると判定された場合は、前記制御プログラムを起動する前記画像形成装置を選択する選択手段を有し、
前記起動手段は、前記選択手段によって選択された前記画像形成装置の前記制御プログラムを起動することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記判定手段は、前記画像形成装置の前記制御プログラムと前記複合サービスが設定されている他の機器の前記制御プログラムとが、前記複合サービスが動作する組み合わせであるか否かを判定し、
前記起動手段は、前記判定手段によって前記他の機器のうち全てが前記複合サービスの動作が可能であると判定された場合に前記画像形成装置の前記制御プログラムを起動することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記判定手段は、前記画像形成装置の前記制御プログラムと、前記複合サービスが設定されている他の機器の前記制御プログラムとが前記複合サービスが動作する組み合わせであるか否かを判定し、
前記起動手段は、前記判定手段によって前記他の機器のうち1つでも前記複合サービスの動作が可能であると判定された場合は前記画像形成装置の前記制御プログラムを起動することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記他の機器は、複数機器に連携させることが可能な複合サービスの設定が可能であり、かつ現在使用している制御プログラムとアップデート予定の制御プログラムが格納可能な画像形成装置であることを特徴とする特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
複数機器に連携させることが可能な複合サービスの設定が可能であり、かつ現在使用している制御プログラムとアップデート予定の制御プログラムが格納可能な画像形成方法であって、
前記制御プログラムと他の機器の制御プログラムとが、前記複合サービスが動作する組み合わせであるか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程が、前記他の画像形成方法について前記複合サービスの動作が可能であると判定した場合に、前記画像形成方法の前記制御プログラムを起動する起動工程を有することを特徴とする画像形成方法。
【請求項13】
請求項12に記載の画像形成方法をコンピュータに実行させるための制御プログラム。
【請求項14】
請求項12に記載の画像形成方法をコンピュータに実行させるための制御プログラムを格納した記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−207091(P2009−207091A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−50129(P2008−50129)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】