説明

画像形成装置及び画像形成システム

【課題】 印刷不許可とするデータを印刷する場合や閲覧不許可のデータを閲覧する場合の、ユーザが所有者に対して許可を得るための手順が確立できるようにする。
【解決手段】 画像形成装置が、印刷許可/不許可属性と閲覧許可/不許可属性とデータ購入先URL情報を有するデータの印刷ジョブを受信した際、閲覧許可である場合には、クライアントPCの表示部に前記データを表示させ、印刷が不許可である場合には、クライアントPCへ前記データ購入先URL情報を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、著作権付きのデジタルデータの利用手続きに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、所望のデータベースを利用するためには、データを管理している情報提供会社と契約して、パスワード等の交付を受けて、センター登録が完了した後、通信回線を介してそのデータの利用を行っていた。しかし、利用料金を情報提供者に支払うといった一連の手続きが必要となり、一般の人にとってはその利用が困難であり、また同時に、著作物に対する法律等の規定により、著作物が設定された著作をコピーしたいとき、その権利に関するデータベースを検索して、その規定に従いコピーするということは、事実上不可能であった。
【0003】
これを解決するものとして、特許文献1に示すシステムがある。
【特許文献1】特開平7-129270号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特開平7-129270号公報では、元となるデータがアナログであり、デジタルである場合については言及されていない。そのため、PCに保存されている著作権付きのデジタルデータを、ネットワークを介してプリンタで印刷する場合などには、このシステムを適用することができない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、請求項1の発明では、ネットワークに接続されたクライアントPCと画像形成装置とデータ管理サーバからなる画像形成システムにおいて、前記画像形成装置が、前記クライアントPCから印刷許可/不許可属性と閲覧許可/不許可属性とデータ購入先URL情報を有するデータの印刷ジョブを受信した際、前記データを記憶する手段と、前記データが印刷許可/不許可であるかおよび閲覧許可/不許可であるか否かを判断する手段と、閲覧許可である場合には、前記クライアントPCの表示部に前記データを表示させる手段と、印刷が不許可である場合には前記クライアントPCへ前記データ購入先URL情報を送信する手段と、前記クライアントPCが前記URLで指定されたホームページに接続し、前記クライアントPCの表示部に表示させる手段と、ユーザが前記ホームページの指示に従って前記データの印刷権利を購入する手段と、前記データ管理サーバから印刷許可が指示されると印刷を実行する手段を有することを特徴とする画像形成装置及び画像形成システムである。
【0006】
上記課題を解決するために、請求項2の発明では、前記画像形成システムにおいて、ユーザがクライアントPCからネットワークを介して前記画像形成装置に記憶された前記データの閲覧を行う際、前記データが閲覧許可/不許可であるかを判断する手段と、前記データが閲覧不許可属性の場合には、前記クライアントPCへ前記データ購入先URL情報を送信する手段と、前記クライアントPCが前記URLで指定されたホームページに接続し、前記クライアントPCの表示部に表示させる手段と、ユーザが前記ホームページの指示に従って前記データの閲覧権利を購入する手段と、前記データ管理サーバから閲覧許可が指示されるとクライアントPCの表示部に前記データを表示する手段を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置及び画像形成システムである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の画像形成装置及び画像形成システムによって、ユーザは著作権付きデータの印刷または閲覧のための手続きを、一連の作業としてスムーズに行うことができる。また、著作権データの提供者は、確実にデータ利用料金を徴収することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
(実施例1)
図1は本発明に係る、システム構成図の1例である。クライアントPC101とWebサーバ機能を有するプリンタ103とデータ管理サーバ104がネットワーク102を介して繋がっている。
【0009】
図2は、プリンタ103の構成を示す。メインCPU201は、全体の制御を行う中央制御ユニットでる。ネットワーク制御部202は、クライアントPC101と接続し、クライアントPC101からのプリント要求やプリントデータ、保存要求や保存データを受信し、保存データを他の機器に送信し、またプリンタ103の状態情報、例えば、紙詰まりによるエラー情報などを、クライアントPC101に対して送信する送受信を制御するユニットである。周辺制御部203は、メインCPU201に接続している、全体の制御を行うユニットである。メモリ204は、プリントデータなどを一時的に保存する揮発性の記憶手段である。ROM205は、プリンタ103自身の起動などの制御を含めた、プログラムを保存する読み込み専用のメモリである。ここに、プリンタハードディスクユニット206は、プリントデータや保存データなどを一時的あるいは恒久的に保存を行う、あるいは、メモリ204の容量を超える場合などの対処に用いる磁気媒体、すなわち、不揮発性の記憶手段である。パネル207は、プリンタ103の状態を表示するモニタである。キー208は、プリンタ103本体への制御リクエストやパネル207への表示切替を受け付ける入力デバイスである。エンジン制御部209は、プリンタエンジン210の駆動や出力データ転送などの制御を行う制御部である。プリンタエンジン210は、最終的な出力画像を出力するプリンタである。
【0010】
図3に、データ構成の1例を示す。301は印刷属性、302は閲覧属性、303はデータ購入先URL情報、304は実データ部分となる。
【0011】
図4のフローチャートを用いて、本発明の印刷時におけるフローについて説明する。スッテプ401において、ユーザは、クライアントPC101から、データ305の印刷を実行し、データ305がプリンタ103へ送信される。ステップ402において、プリンタ103がデータ305を受信し、メモリ204へ一時的に保存する。
【0012】
スッテプ403において、メモリ204に保存されたデータの印刷許可/不許可属性301から、プリンタ103はデータが印刷可能であるか否かを判断する。印刷可能の場合は、印刷を実行し(スッテップ411)、終了となる(ステップ412)。印刷不許可の場合は、ステップ404に進み、メモリ204に保存されたデータの閲覧許可/不許可属性302から、プリンタ103はデータが閲覧可能であるか否かを判断する。閲覧可能の場合には、ステップ405において、クライアントPC101の表示部にデータを表示させる。
【0013】
ステップ406において、プリンタ103がクライアントPC101へデータ購入先URL情報303を送信する。前記URL情報を受信したクライアントPC101は、ステップ407において、前記URLで指定されたホームページに自動的に接続し、表示部に表示させる。表示部には、例えば、データの印刷権利を購入するか否かを選択する画面(図5)が表示される。ステップ408において、ユーザがデータの印刷権利を購入する場合は、ステップ409に進み、前記ホームページに従って購入申し込みを行う(図6)。購入申し込みが完了すると、ステップ410において、データ管理サーバ104からプリンタ103へ印刷を許可する指示、例えば暗号化されていたデータ305を復号化するためのキーがプリンタに送信され、ステップ411において、印刷が実行され、終了となる(ステップ412)。
【0014】
(実施例2)
図8のフローチャートを用いて、画像形成装置に既に保存されているデータ閲覧時のフローについて説明する。スッテプ801において、ユーザがクライアントPC101から、メモリ204またはハードディスクユニット206に記憶されたデータの閲覧を試みる。スッテプ802において、メモリ204またはハードディスクユニット206に記憶されたデータの閲覧許可/不許可属性302から、プリンタ103はデータが閲覧可能であるか否かを判断する。閲覧可能である場合は、クライアントPC101の表示部にデータが表示され(ステップ808)、終了となる(ステップ809)。
【0015】
閲覧不可能である場合は、ステップ803において、プリンタ103がクライアントPC101へデータ管理先アドレス情報(データ購入先URL)303を送信する。前記URL情報を受信したクライアントPC101は、ステップ804において、前記URLで指定されたホームページに自動的に接続し、表示部に表示させる。表示部には、例えば、データの閲覧権利を購入するか否かを選択する画面(図7)が表示される。ステップ805において、ユーザがデータの閲覧権利を購入する場合は、ステップ806において、前記ホームページに従って購入申し込みを行う。購入申し込みが完了すると、ステップ807において、データ管理サーバ104からプリンタ103へ閲覧を許可する指示、例えば暗号化されていたデータ305を復号化するためのキーがプリンタに送信され、ステップ808において、クライアントPCの表示部にデータが表示され、終了となる(ステップ809)。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】システム構成図。
【図2】プリンタ構成図。
【図3】データ構成の例。
【図4】本発明の印刷時におけるフローを説明する図。
【図5】データ管理サーバのホームページ(印刷実行するか否かの選択画面)。
【図6】データ管理サーバのホームページ(購入申し込み画面)。
【図7】データ管理サーバのホームページ(閲覧実行するか否かの選択画面)。
【図8】本発明の閲覧時におけるフローを説明する図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続されたクライアントPCと画像形成装置とデータ管理サーバからなる画像形成システムにおいて、前記画像形成装置が、前記クライアントPCから印刷許可/不許可属性と閲覧許可/不許可属性とデータ購入先URL情報を有するデータの印刷ジョブを受信した際、前記データを記憶する手段と、前記データが印刷許可/不許可であるか否かおよび閲覧許可/不許可であるか否かを判断する手段と、閲覧許可である場合には、前記クライアントPCの表示部に前記データを表示させる手段と、印刷が不許可である場合には前記クライアントPCへ前記データ購入先URL情報を送信する手段と、前記クライアントPCが前記URLで指定されたホームページに接続し、前記クライアントPCの表示部に表示させる手段と、ユーザが前記ホームページの指示に従って前記データの印刷権利を購入する手段と、前記データ管理サーバから印刷許可が指示されると印刷を実行する手段を有することを特徴とする画像形成装置及び画像形成システム。
【請求項2】
前記画像形成システムにおいて、ユーザが前記クライアントPCからネットワークを介して前記画像形成装置に記憶された前記データの閲覧を行う際、前記データが閲覧許可/不許可であるか否かを判断する手段と、前記データが閲覧不許可属性の場合には、前記クライアントPCへ前記データ購入先URL情報を送信する手段と、前記クライアントPCが前記URLで指定されたホームページに接続し、前記クライアントPCの表示部に表示させる手段と、ユーザが前記ホームページの指示に従って前記データの閲覧権利を購入する手段と、前記データ管理サーバから閲覧許可が指示されるとクライアントPCの表示部に前記データを表示する手段を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置及び画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−4060(P2006−4060A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−178192(P2004−178192)
【出願日】平成16年6月16日(2004.6.16)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】