説明

画像形成装置及び画像形成システム

【課題】 利用者に応じて容易に言語が切り替えられる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 メッセージ情報を表示可能なメッセージ表示手段を有する画像形成装置であって、上記メッセージ表示手段に表示させる設定の言語のメッセージを記憶するメッセージ記憶手段と、メッセージの言語を指定する言語指定手段とを有し、指定言語が上記メッセージ記憶手段に記憶されている設定言語と異なると、指定言語のメッセージが予め登録された外部装置から変更言語のメッセージを取得するメッセージ取得手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メッセージ情報を表示可能な画像形成装置及び画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ等の画像形成装置は、設置する地域に応じた言語のメッセージ情報がROMに予め組み込まれており、オペレータの操作を円滑にするために、表示部にガイダンス情報、装置情報をメッセージ情報として表示させている。
【0003】
従来、画像形成装置の表示部に表示させるガイダンス情報、装置情報の初期設定以外の言語への切り替えは、接続されたパーソナルコンピュータ(以下PC)から行われていた。
その方法は、初期設定と異なる指定言語のメッセージを全て画像形成装置に転送し、画像形成装置内のメッセージを初期設定の言語から指定の言語に置き換えることで実現させてきた。
【0004】
また、下記の特許文献1には、情報処理装置が印刷データとコマンドとをプリンタ等の画像形成装置に送信して、画像形成装置の言語変更を行う画像形成システムが開示されている。
【特許文献1】特開2007−090757号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のシステムでは、PCからの言語切り替えの指示により、切り替えた言語全てのメッセージの情報を画像形成装置に送信するので、送信時間を要し、画像形成装置の表示部に指定された言語によるメッセージが表示されるまでに時間がかかった。
また、特許文献1のシステムでは、PCからメッセージ情報を送信する必要は無いが、画像形成装置のROMに予め組み込まれている言語のメッセージ情報を一斉に切り替えるのに、従来の方法同様に時間がかかる。しかも多くの言語のメッセージ情報を予めROMに記憶させておく必要があるので画像形成装置のROMを大容量にする必要があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以上の問題を解決するために、次の構成を具備する。
【0007】
本発明は、メッセージ情報を表示可能なメッセージ表示手段を有する画像形成装置であって、上記メッセージ表示手段に表示させる設定の言語のメッセージを記憶するメッセージ記憶手段と、メッセージの言語を指定する言語指定手段とを有し、指定言語が上記メッセージ記憶手段に記憶されている設定言語と異なると、指定言語のメッセージが予め登録された外部装置から変更言語のメッセージを取得するメッセージ取得手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
第2の発明は、メッセージ情報を表示可能なメッセージ表示手段を有する画像形成装置と、複数言語のメッセージが予め登録された外部装置と、該画像形成装置に表示させる言語の変更要求を送信する画像処理装置とを備えた画像形成システムであって、上記画像形成装置は、上記メッセージ表示手段に表示させる設定の言語のメッセージを記憶するメッセージ記憶手段と、メッセージの言語を指定する言語指定手段と、指定言語が上記メッセージ記憶手段に記憶されている設定言語と異なると、指定言語のメッセージが予め登録された外部装置から変更言語のメッセージを取得するメッセージ取得手段とを有し、上記外部装置は、上記画像形成装置の上記メッセージ記憶手段に記憶されている設定言語とは異なる言語のメッセージを記憶する他言語メッセージ記憶手段と、上記他言語メッセージ記憶手段に記憶されているメッセージを上記画像形成装置に送信するメッセージ送信手段と、
を有し、上記画像処理装置は、上記画像形成装置に対して言語の変更要求を送信する言語要求手段とを有し、上記画像形成装置は、上記言語指定手段から設定と異なる言語への変更要求を受信すると、上記メッセージ取得手段が上記外部装置に指定されたメッセージを要求することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画像形成装置は指定言語のメッセージを必要になる度に必要なだけ外部装置から取得することにより、画像形成装置が、画像処理装置から指定された言語で表示部にメッセージを表示させるまでの時間がかからない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。本発明では、画像形成システムとして印刷システムを適用し、画像形成装置としてプリンタを適用し、外部装置としてサーバを適用し、画像処理装置としてコンピュータを適用して説明する。
【実施例1】
【0011】
図1は、実施例1に係る印刷システムのブロック図である。
図に示すように、印刷システム1は、コンピュータ100、プリンタ101及びサーバ102で構成される。
【0012】
コンピュータ100は、プリンタドライバ103と印刷データ送信部106とを有する。
プリンタドライバ103は、印刷ジョブデータ作成部104と言語情報合成部105を有する。
印刷ジョブデータ作成部104は、コンピュータ100内にインストールされているアプリケーション上で作成された図形、文書等の印刷要求により、印刷ジョブデータを作成する部分である。
【0013】
言語情報合成部105は、ユーザがプリンタ101の表示部に表示させる言語を指定することにより生成された言語指定情報を先述の印刷ジョブデータに付加させた印刷データを生成する部分である。言語指定情報は、例えば代表的な70言語を指定可能なように、7bit長の言語を指定するデータを含む。
印刷データ送信部106は、生成した印刷データをプリンタ101に送信する部分である。
【0014】
ここで、言語指定情報を生成するためのプリンタドライバ設定画面について説明する。
図2は、実施例1のプリンタドライバ設定画面の説明図である。
図に示すプリントダイアログが、プリンタ101への印刷要求の際に、コンピュータ100の画面に表示される。ユーザは、図に示すプルダウンメニュー200において、予めサーバ102に格納されている各国の言語、例えば代表的な70言語から指定することができる。
【0015】
ここで、図1の説明に戻る。プリンタ101は、受信部109、言語指定部110、印刷部111、メッセージ取得部112、メッセージ表示部113、デフォルトメッセージ格納領域114及びメッセージ格納領域115を有する。
受信部109は、コンピュータ100の印刷データ送信部106より印刷データを受信する部分である。
【0016】
言語指定部110は、受信部109が受信した印刷データを展開して生成された言語指定情報を読み込みプリンタ101の言語を指定する部分である。
【0017】
印刷部111は、受信部109が受信した印刷データを展開して生成された印刷ジョブデータを読み込み、ラスタデータに変換して印刷を行う部分である。また、印刷部111は、プリンタ101の状態情報を後述するメッセージ取得部112に通知する。
【0018】
メッセージ取得部112は、言語指定部110により指定された言語を取得し、印刷部111からプリンタ101の状態情報を取得することにより後述するメッセージテーブルに格納されているメッセージを示すメッセージコード300を判断し、言語に応じたメッセージを抽出する。メッセージ取得部112は、抽出されたメッセージがプリンタ101の初期設定の言語であれば、後述するデフォルトメッセージ格納領域114からメッセージコード300を通知してメッセージを入手し、後述するメッセージ表示部113に伝達する。ここで、メッセージ取得部112は、メッセージが必要になる度に必要なメッセージのみを要求して、取得する。一方、抽出されたメッセージがプリンタ101の初期設定の言語でなければ、メッセージ取得部112は、後述するサーバ102に指定された言語のメッセージコード300を要求する。メッセージ取得部112は、サーバ102から要求したメッセージコード300に応じたメッセージを入手すると、メッセージ格納領域115にそのメッセージコード300及びメッセージを格納し、更にメッセージ表示部113に表示すべきメッセージを伝達する。
【0019】
メッセージ表示部113は、メッセージ取得部112から入手したメッセージをプリンタ101の図示しない表示部に表示させる部分である。
【0020】
デフォルトメッセージ格納領域114は、プリンタ101が有する初期設定の言語の全メッセージを格納している部分である。デフォルトメッセージ格納領域114は、プリンタ101の不揮発性メモリに確保されている領域なので、プリンタ101の電源が切断されても格納されたデータは、消去されることはない。
【0021】
メッセージ格納領域115は、メッセージ取得部112がサーバ102から取得した初期設定以外の言語のメッセージを格納する部分である。メッセージ格納領域115は、プリンタ101の揮発性メモリに確保されている領域なので、プリンタ101の電源が切断されれば格納されたデータは、消去される。
【0022】
ここで、本発明のデフォルトメッセージ格納領域、メッセージ格納領域に格納されているメッセージテーブルについて説明する。
図3は、実施例1のデフォルトメッセージ格納領域に格納されるデフォルトメッセージテーブルの説明図である。
【0023】
例えばプリンタ101の初期設定の言語が英語であれば、図に示すように英語のメッセージテーブルが、メッセージコード300に応じて設定されている。メッセージコード300の1には、言語名を示す「English」がメッセージテーブルに設定されており、以下メッセージコード300の2には「Processing」がメッセージテーブルに設定されている。
【0024】
図4は、実施例1のメッセージ格納領域に格納されるメッセージテーブルの説明図である。
例えばプリンタ101の初期設定の言語が英語であり、ユーザが日本語を使用する場合には、予め後述するサーバ102に格納されている日本語のメッセージテーブルを使用する。メッセージコード300の1には、言語名を示す「日本語」がメッセージテーブルに設定されており、以下メッセージコード300の2には「処理中」がメッセージテーブルに設定されている。
【0025】
ここで、再び、図1の印刷システムのブロック図の説明に戻る。サーバ102は、各国メッセージ格納領域107とメッセージ送信部108とを有する。
【0026】
各国メッセージ格納領域107は、プリンタ101がサポートする全ての言語、例えば、代表的な70言語のメッセージテーブルを格納している。
メッセージ送信部108は、プリンタ101のメッセージ取得部112が要求する言語とメッセージコード300に対応するメッセージを各国メッセージ格納領域107から取得し、要求先であるメッセージ取得部112に送信する。
【0027】
図5は、実施例1の各国メッセージテーブルの説明図である。
図に示すように、プリンタ101がサポートする全ての言語の各種のメッセージを予め定義されている。
【0028】
次に、コンピュータ100が、プリンタ101に送信する言語指定情報が付加された印刷ジョブデータについて説明する。
図6は、実施例1の言語指定情報が付加された印刷ジョブデータの説明図である。
【0029】
図に示すように言語指定情報である言語指定コマンド600と、印刷ジョブデータ601により印刷データが生成され、コンピュータ100の印刷データ送信部106からプリンタ101の受信部109に送信される。言語指定コマンド600は、先述のとおり例えば代表的な70言語を指定可能なように、7bit長の言語を指定するデータを含む構成とする。
【0030】
次に、コンピュータ100からプリンタ101に印刷データを送信する動作について説明する。
図7は、実施例1の印刷データ送信処理の流れを示すフローチャートである。
以下に実施例1のコンピュータ100が印刷データを送信する動作についてステップS10からステップS12までをステップ順に図1、図2を併用しながら説明する。
【0031】
(ステップS10)
プリンタドライバ103は、印刷要求によりコンピュータ100の画面上に図2に示すプリンタドライバ設定画面を表示させる。ユーザによりプリンタドライバ設定画面のプルダウンメニュー200で言語が指定されるとプリンタドライバ103は、プリンタドライバ設定画面を閉じる。プルダウンメニュー200に表示される言語は、サーバ102の各国メッセージ格納領域107に格納されるメッセージコード300に列記される言語と一致する。本実施例では、言語は初期設定の英語ではなく日本語が指定される例について説明する。
【0032】
(ステップS11)
印刷ジョブデータ作成部104は、印刷ジョブデータを生成する。一方、言語情報合成部105は、プリンタドライバ設定画面で指定された「日本語」を示す言語指定コマンドを生成して、印刷ジョブデータに付加させる。
【0033】
(ステップS12)
印刷データ送信部106は、言語情報合成部105により言語指定コマンドが付加された印刷ジョブデータをプリンタ101の受信部109に送信する。
【0034】
次に、プリンタ101における言語指定処理について説明する。
図8は、実施例1のプリンタの言語変更処理全体の流れを示すフローチャートである。
以下に実施例1のプリンタ101が印刷データを受信し、初期設定の言語である英語から指定された日本語に切り替える動作についてステップS20からステップS22までをステップ順に図1を併用しながら説明する。
【0035】
(ステップS20)
受信部109は、コンピュータ100の印刷データ送信部106から印刷データを受信する。
【0036】
(ステップS21)
言語指定部110は、受信部109が受信した印刷データを展開して生成された言語指定情報から指定された言語「日本語」を取得する。次に言語指定部110は、取得した言語「日本語」をメッセージ取得部112に通知する。メッセージ取得部112は、印刷部111からプリンタ状態を入手し、状態に合致するメッセージを判断してメッセージコード300を選択し、言語「日本語」に応じたメッセージコード300をサーバ102のメッセージ送信部108に要求する。メッセージ送信部108は、要求された言語「日本語」のメッセージコード300に該当するメッセージを折りかえしメッセージ取得部112に送信する。メッセージ取得部112は、要求したメッセージを受信すると、メッセージ格納領域115にメッセージコード300及びメッセージを格納し、且つ、メッセージ表示部113にメッセージを伝達する。メッセ−ジ表示部113は、メッセージを入手するとプリンタ101の表示部に表示させる。
【0037】
(ステップS22)
一方、プリンタ101の印刷部111は、受信部109が受信した印刷データから展開して生成された印刷ジョブデータを受信し、印刷ジョブデータをラスタデータに変換する。
【0038】
続いて、図8のフローチャートのステップS21で説明したプリンタ101の言語指定処理について詳細に説明する。
図9は、プリンタの言語指定処理の流れを示すフローチャートである。
以下にステップS210、ステップS211について図1を併用しながら説明する。
【0039】
(ステップS210)
言語指定部110は、受信部109が受信した印刷データを展開して生成された言語以後指定情報から指定された言語「日本語」を取得する。次に言語指定部110は、指定された言語「日本語」をメッセージ取得部112に通知する。
【0040】
(ステップS211)
メッセージ取得部112は、印刷部111からプリンタ状態を入手し状態に合致したメッセージコード300を判定し、先に通知を受けた言語「日本語」に応じたメッセージコード300をサーバ102のメッセージ送信部108に要求する。メッセージ送信部108は、要求された言語「日本語」のメッセージコード300に合致したメッセージを各国メッセージ格納領域107から入手し、メッセージ取得部112に送信する。メッセージ取得部112は、要求した言語のメッセージを受信すると、メッセージコード300及び受信したメッセージをメッセージ格納領域115に格納する。
【0041】
続いて、図8のフローチャートのステップS22で説明したプリンタ101の印刷ジョブデータの処理について詳細に説明する。
図10は、実施例1の印刷ジョブデータの処理の流れを示すフローチャートである。
以下にステップS220からステップS223までをステップ順に図1を併用しながら説明する。
【0042】
(ステップS220)
印刷部111は、受信部109で受信した印刷データから展開して生成された印刷ジョブデータを入手するとラスタデータに変換し、変換が完了すれば印刷を開始する。
【0043】
(ステップS221)
印刷部111は、印刷処理を実行しながらメッセージ取得部112にプリンタ101の状態情報を通知する。例えば、処理中、もしくは印刷中等の状態情報を通知する。
通知を受けたメッセージ取得部112は、言語「日本語」とプリンタ101の状態情報に合致するメッセージを示すメッセージコード300をサーバ102のメッセージ送信部に送信し、折り返しメッセージを入手する。
【0044】
(ステップS222)
メッセージ取得部112は、サーバ102からメッセージを入手すると、メッセージ表示部113にそのメッセージを伝達する。通知を受けたメッセージ表示部113は、図示しないプリンタ101の表示部にメッセージを表示させる。
【0045】
(ステップS223)
メッセージ取得部112は、印刷部111において印刷が完了したかどうかを監視する。
印刷が完了すれば処理を終了し、印刷が完了していなければステップS220に戻る。
【0046】
次に、図10のフローチャートのステップS222のプリンタ101のメッセージ表示処理について詳細に説明する。
図11は、実施例1のメッセージ表示処理の流れを示すフローチャートである。
以下にステップS2220からステップS2228までをステップ順に図1を併用しながら説明する。
【0047】
(ステップS2220)
メッセージ取得部112は、例えば、印刷部111が印刷ジョブデータをラスタデータに変換している途中であれば、印刷部111からプリンタ101の状態情報としてメッセージコード300の2が示すメッセージ(日本語であれば処理中)を入手する。
【0048】
(ステップS2221)
メッセージ取得部112は、言語指定部110から指定された言語の通知を受ける。
【0049】
(ステップS2222)
次に、メッセージ取得部112は、デフォルトメッセージ格納領域114に格納されている言語と、言語指定部110から通知を受けた言語が同じであるかどうかを判断する。
同じであればステップS2223に進み、同じでなければステップS2224に進む。
【0050】
(ステップS2223)
指定された言語がデフォルトメッセージ格納領域114に格納されている言語であれば、
メッセージ取得部112は、印刷部111から入手したプリンタの状態情報に合致したメッセージコード300を抽出し、デフォルトメッセージ格納領域114からメッセージを入手する。メッセージ取得部112は、その入手したメッセージをメッセージ表示部113に伝達する。
【0051】
(ステップS2224)
指定された言語がデフォルトメッセージ格納領域114に格納されていない言語であれば、メッセージ取得部112は、印刷部111から入手したプリンタ101の状態情報に合致したメッセージコード300を抽出し、既にメッセージ格納領域115に格納されていないかどうかを確認する。既にメッセージ格納領域115に格納されていればステップS2227に進み、格納されていなければステップS2225に進む。
【0052】
(ステップS2225)
指定された言語のメッセージコード300のメッセージがメッセージ格納領域115に格納されていなければ、メッセージ取得部112は、指定した言語によるメッセージコード300をサーバ102のメッセージ送信部108に要求する。
【0053】
(ステップS2226)
メッセージの要求を受けたサーバ102のメッセージ送信部108は、各国メッセージ格納領域107から指定を受けた言語のメッセージコード300を入手して、メッセージを抽出し、折り返しプリンタ101のメッセージ取得部112に送信する。メッセージを入手したメッセージ取得部112は、入手したメッセージ及び要求したメッセージコード300をメッセージ格納領域115に格納する。
【0054】
(ステップS2227)
メッセージ取得部112は、サーバ102から入手したメッセージをメッセージ表示部113に伝達する。
【0055】
(ステップS2228)
メッセージ表示部113は、入手したメッセージをプリンタ101の表示部に表示させる。
【0056】
次に、図11のフローチャートのステップS2225で説明したプリンタ101からサーバ102に対するメッセージ要求処理について詳細に説明する。
図12は、実施例1のメッセージ要求処理の流れを示すフローチャートである。
以下にステップS30からステップS32までをステップ順に図1を併用しながら説明する。
【0057】
(ステップS30)
サーバ102のメッセージ送信部108は、プリンタ101のメッセージ取得部112から指定された言語とメッセージコード300を受信する。例えば、言語は「日本語」、メッセージコード300の2を受信する。
【0058】
(ステップS31)
メッセージ送信部108は、言語「日本語」、メッセージコード300の2「処理中」のメッセージを各国メッセージ格納領域107から取得する。
【0059】
(ステップS32)
メッセージ送信部108は、取得したメッセージ「処理中」をプリンタ101のメッセージ取得部112に送信する。
【0060】
次に、実施例1の言語変更処理全体の遷移に関してコンピュータ100、プリンタ101及びサーバ102の各動作を併せて説明する。
図13は、実施例1の言語変更処理全体の遷移を示すシーケンスチャートである。
ここでは、コンピュータ100からプリンタ101に初期設定の「英語」ではなく、「日本語」を指定する印刷データを送信し、プリンタ101とサーバ102とで所望のデータを授受する動作について、以下にステップS40からステップS47までステップ順に説明する。
【0061】
(ステップS40)
コンピュータ100の印刷データ送信部106は印刷データをプリンタ101に送信する。印刷データは、印刷ジョブデータと言語指定情報「日本語」からなる。
【0062】
(ステップS41)
プリンタ101の受信部109は、印刷データを受信すると印刷データを展開する。言語指定部110は、展開された印刷データから言語指定情報を入手し、その言語指定情報をメッセージ取得部112に通知する。
【0063】
(ステップS42)
次に、印刷部111は、受信部109で展開された印刷データから印刷ジョブデータを
入手すると、印刷ジョブデータをラスタデータに変換する。一方、変換作業と同時に印刷部111は、メッセージ取得部112にプリンタ101の状態情報が「処理中」であることを通知する。メッセージ取得部112は、言語が「日本語」で、メッセージが「処理中」を示すメッセージコード300の2をサーバ102に要求する。ここで、メッセージ取得部112は、メッセージが必要となり、必要なメッセージ「処理中」のみを要求している。
【0064】
(ステップS43)
サーバ102のメッセージ送信部108は、各国メッセージ格納領域107から要求された日本語のメッセージコード300の2を示す「処理中」のメッセージを入手し、プリンタ101のメッセージ取得部112に送信する。
【0065】
(ステップS44)
メッセージを入手したメッセージ取得部112は、メッセージをメッセージ格納領域115に格納し、且つメッセージ表示部113に伝達する。伝達されたメッセージ表示部113は、「処理中」のメッセージをプリンタ101の表示部に表示させる。
【0066】
(ステップS45)
印刷部111は、印刷ジョブデータをラスタデータに変換が完了すると、印刷を開始する。印刷部111はプリンタ101に状態情報が「処理中」から「印刷中」に遷移するので、メッセージ取得部112に「印刷中」であることを通知する。メッセージ取得部112は、サーバ102に言語は日本語で、メッセージが「印刷中」を示すメッセージコード300の3をサーバ102に要求する。
【0067】
(ステップS46)
サーバ102のメッセージ送信部108は、各国メッセージ格納領域107から要求の日本語でメッセージコード300の3を示す「印刷中」のメッセージを入手し、プリンタ101のメッセージ取得部112に送信する。
【0068】
(ステップS47)
メッセージを入手したメッセージ取得部112は、メッセージをメッセージ格納領域115に格納し、且つメッセージ表示部113に伝達する。伝達されたメッセージ表示部113はメッセージである「印刷中」をプリンタ101の表示部に表示させる。
【0069】
なお、実施例1では、プリンタ101への印刷要求に伴ってプリンタ側で「処理中」「印刷中」のメッセージを指定の言語で表示させる例を説明してきたが、例えば、サーバ102の各国メッセージ格納領域107にプリンタ101の状態に対応付けたガイド情報を格納しておき、プリンタ101には、ガイド情報を表示させるガイドボタンを設け、ガイド情報のメッセージが表示されている場合に、ガイドボタンが押下されると、印刷データから得た指定言語でガイド情報のメッセージを表示させても構わない。その場合、プリンタ101で紙詰まり等が発生し、修理に関するガイド情報を表示させる場合に、修理方法並びに交換キットの情報が指定された言語で表示されるので、直ちに復帰対応できる。
【0070】
以上のように、実施例1によればプリンタの表示部に使用される言語を切り換える場合に、必要になる度に必要なだけの指定言語のメッセージのみを取得するようにしたので、取得に要する時間が掛からないで済む。
【実施例2】
【0071】
実施例1では、印刷完了後に言語が指定された印刷要求が送信されてくるまでは、前回指定された言語が継続されているが、実施例2では、印刷が正常に完了すると指定された言語から初期設定の言語に戻すようにする。
【0072】
以下、実施例2の実施形態について図面を用いて説明する。印刷システムの構成は実施例1同様で、コンピュータ、プリンタ及びサーバで構成されるが、プリンタ内の構成に差異がある。
【0073】
図14は、実施例2に係る印刷システムのブロック図である。
図に示すように、印刷システム2は、コンピュータ100、プリンタ201及びサーバ102で構成される。以下に実施例1と異なる部分についてのみ説明する。
【0074】
プリンタ201は、受信部109、言語指定部110、印刷部111、メッセージ取得部112、メッセージ表示部113、デフォルトメッセージ格納領域114、メッセージ格納領域115及びステータス監視部202を有する。
【0075】
ステータス監視部202は、メッセージ表示部113がメッセージ取得部112からメッセージを入手したときに、印刷が正常に完了したことを示すメッセージを取得したかどうかを監視し、正常完了を示すメッセージを取得した場合にはデフォルトメッセージ格納領域114から初期設定の言語を取得し、言語指定部110にその初期設定の言語の指定を行う部分である。
【0076】
次に、実施例2の印刷ジョブの処理の流れについて説明する。
図15は、実施例2の印刷ジョブの処理の流れを示すフローチャートである。
以下にステップ順に実施例2の動作について図14を併用しながら説明する。なお、ステップS220からステップS223までは、実施例1の図10のフローチャートと同様につき説明を省略し、ステップS224からステップS227までについて説明する。
【0077】
(ステップS224)
ステップS223でステータス監視部202は、メッセージ表示部113において印刷が完了したことを示すメッセージを入手する。続いてステータス監視部202は、印刷が正常に完了したのかどうかを判断するために、メッセージ表示部113から次のメッセージを入手し、メッセージがエラー状態を示すメッセージかどうかを判断する。エラー状態であればステップS220に戻り、エラー状態でなければステップS225に進む。
【0078】
(ステップS225)
印刷は正常に完了したので、プリンタ201の言語を初期設定に戻すためにステータス監視部202は、デフォルトメッセージ格納領域114からデフォルトの言語を取得する。
【0079】
(ステップS226)
ステータス監視部202は、言語指定部110にデフォルトの言語を指定する。
【0080】
(ステップS227)
メッセージ取得部112は、言語指定部110から初期設定の言語指定の通知を受ける。また、メッセージ取得部112は、印刷部111からプリンタ201の状態情報を入手し、メッセ−ジをデフォルトメッセージ格納領域114から入手する。その後、メッセージをメッセージ表示部113に伝達しプリンタ201の表示部に表示させる。
【0081】
以上のように、実施例2によればプリンタの表示部に使用される言語を印刷完了後に初期設定の言語に戻すので、言語が切り替わったままであることを防止できる。
【産業上の利用可能性】
【0082】
なお、実施例1、2では画像形成装置としてプリンタを適用した場合について説明してきたが、本発明の趣旨からすれば、ファクシミリ装置、MFP装置、複写装置にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】実施例1の印刷システムのブロック図である。
【図2】実施例1のプリンタドライバ設定画面の説明図である。
【図3】実施例1のデフォルトメッセージテーブルの説明図である。
【図4】実施例1のメッセージテーブルの説明図である。
【図5】実施例1の各国メッセージテーブルの説明図である。
【図6】実施例1の言語指定情報が付加された印刷ジョブデータの説明図である。
【図7】実施例1の印刷データ送信処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】実施例1のプリンタの言語変更処理全体の流れを示すフローチャートである。
【図9】実施例1の言語指定処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】実施例1の印刷ジョブデータの処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】実施例1のメッセージ表示処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】実施例1のメッセージ要求処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】実施例1の言語変更処理全体の遷移を示すシーケンスチャートである。
【図14】実施例2の印刷システムのブロック図である。
【図15】実施例2の印刷ジョブデータの処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0084】
1、2 印刷システム
100 コンピュータ
101、201 プリンタ
102 サーバ
105 言語情報合成部
110 言語指定部
112 メッセージ取得部
113 メッセージ表示部
114 デフォルトメッセージ格納領域
115 メッセージ格納領域
107 各国メッセージ格納領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メッセージ情報を表示可能なメッセージ表示手段を有する画像形成装置であって、
前記メッセージ表示手段に表示させる設定の言語のメッセージを記憶するメッセージ記憶手段と、
メッセージの言語を指定する言語指定手段と、
を有し、
指定言語が前記メッセージ記憶手段に記憶されている設定言語と異なると、指定言語のメッセージが予め登録された外部装置から変更言語のメッセージを取得するメッセージ取得手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記メッセージ記憶手段に記憶されている設定言語とは異なる変更言語が設定され印刷が完了すると、前記メッセージ記憶手段に記憶されている設定の言語に戻すことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記外部装置は、サーバであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記変更言語のメッセージの取得は、前記メッセージ表示手段に表示させる度に行われることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
メッセージ情報を表示可能なメッセージ表示手段を有する画像形成装置と、複数言語のメッセージが予め登録された外部装置と、該画像形成装置に表示させる言語の変更要求を送信する画像処理装置とを備えた画像形成システムであって、
前記画像形成装置は、
前記メッセージ表示手段に表示させる設定の言語のメッセージを記憶するメッセージ記憶手段と、
メッセージの言語を指定する言語指定手段と、
指定言語が前記メッセージ記憶手段に記憶されている設定言語と異なると、指定言語のメッセージが予め登録された外部装置から変更言語のメッセージを取得するメッセージ取得手段と、
を有し、
前記外部装置は、
前記画像形成装置の前記メッセージ記憶手段に記憶されている設定言語とは異なる言語のメッセージを記憶する他言語メッセージ記憶手段と、
前記他言語メッセージ記憶手段に記憶されているメッセージを前記画像形成装置に送信するメッセージ送信手段と、
を有し、
前記画像処理装置は、
前記画像形成装置に対して言語の変更要求を送信する言語要求手段と、
を有し、
前記言語指定手段は、前記画像処理装置から設定と異なる言語への変更要求を受信すると、前記メッセージ取得手段が前記外部装置に指定されたメッセージを要求することを特徴とする画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−82923(P2010−82923A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−253351(P2008−253351)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【出願人】(594202361)株式会社沖データシステムズ (259)
【Fターム(参考)】