説明

画像形成装置及び画像形成システム

【課題】メンテナンスに掛かるコストを低減することができる画像形成装置及び画像形成システムを提供すること。
【解決手段】時間情報取得部は、評価受付部により画質評価情報の入力を受け付けた時間に関する受付時間情報を取得する。評価受付部は、画像形成部により用紙の表面に形成された画像における画質評価に関する画質評価情報の入力を受け付ける。そして、判定部は、評価情報記憶部に記憶された画質評価情報に基づいて、画像形成部におけるメンテナンスが必要であるか否かを判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画質の評価を行うことができる画像形成装置及び画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、被画像形成媒体(用紙)の表面に画像を形成(印刷)するための装置として、コピー機、プリンタ、ファクシミリ又はこれらの複合機等の画像形成装置が知られている。このような画像形成装置は、使用を続けるに従って、画像形成装置を構成する各種部品の劣化や、トナーの残量低下等の画像形成部の状態が変化し、形成される画像の画質が劣化する。そのため、画像形成装置は、画像形成部の点検や補修等のメンテナンスを定期的に行い、画質を維持することが必要となる。
【0003】
画像形成装置により形成される画像の画質を維持するためには、形成される画像の画質を評価する必要がある。画像形成装置により形成される画像の画質を評価する技術としては、例えば特許文献1から3に挙げられるようなものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−243245号公報
【特許文献2】特開2006−270197号公報
【特許文献3】特開2007−129652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、定期的にメンテナンスを行う時期は、画像形成部の個体差、使用環境の差、ユーザの使用頻度のばらつき等を考慮して、常に一定水準の画質を維持することができる期間に設定される。そのため、ユーザにとって必要以上の頻度でメンテナンスが行われ、メンテナンスに掛かるコストが増大して、ユーザ及びメンテナンスを行う業者の双方にとって負担となっていた。
【0006】
従って、本発明は、メンテナンスに掛かるコストを低減することができる画像形成装置及び画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、被画像形成媒体の表面に画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部により被画像形成媒体の表面に形成された画像における画質評価に関する画質評価情報の入力を受け付ける評価受付部と、前記評価受付部により画質評価情報の入力を受け付けた時間に関する受付時間情報を取得する時間情報取得部と、前記評価受付部により受け付けられた画質評価情報を前記時間情報取得部により取得された受付時間情報と関連付けて記憶する評価情報記憶部と、前記評価情報記憶部に記憶された画質評価情報に基づいて、前記画像形成部におけるメンテナンスが必要であるか否かを判定する判定部とを備える画像形成装置に関する。
【0008】
また、前記判定部は、前記評価受付部により入力を受け付けた時間が新しい画質評価情報から順に起算した所定数の画質評価情報のうち、所定評価基準を下回る評価の画質評価情報が第1評価数以上含まれている場合、前記画像形成部におけるメンテナンスが必要であると判定することが好ましい。
【0009】
また、前記評価情報記憶部は、前記評価受付部により入力された画質評価情報を複数のユーザ識別情報それぞれに関連付けて記憶し、前記画像形成装置は、前記評価情報記憶部に記憶された画質評価情報を前記複数のユーザ識別情報ごとに集計する集計部を更に備え、前記判定部は、前記集計部によりユーザ識別情報ごとに集計された複数の画質評価情報により特定される評価が所定の評価基準を下回るユーザ識別情報が所定数以上である場合、当該画質評価情報により特定される評価により前記画像形成部におけるメンテナンスが必要であると判定することが好ましい。
【0010】
また、前記評価情報記憶部は、前記評価受付部により入力された画質評価情報を複数のユーザ識別情報それぞれに関連付けて記憶し、前記画像形成装置は、前記評価情報記憶部に記憶された画質評価情報を前記複数のユーザ識別情報ごとに集計する集計部を更に備え、前記判定部は、前記集計部によりユーザ識別情報ごとに集計された複数の画質評価情報により特定される評価が所定の条件を満たすユーザ識別情報と関連付けられる画質評価情報を除外して、前記画像形成部におけるメンテナンスが必要であるか否かを判定することが好ましい。
【0011】
また、前記画像形成装置は、前記判定部により前記画像形成部におけるメンテナンスが必要であると判定された場合には、前記画像形成部におけるメンテナンスが必要であることを示すメンテナンス情報を外部機器に通知する通知部を更に備えることが好ましい。
【0012】
また、前記画像形成装置は、画質を評価するための基準となる基準画質評価情報を記憶する基準画質評価情報記憶部と、前記評価情報記憶部に記憶された画質評価情報を集計する集計部と、前記基準画質評価情報記憶部に記憶される前記基準画質評価情報と、前記集計部により集計された画質評価情報とを比較する比較部と、前記比較部により比較された結果に基づいて、メンテナンスが必要となるまでの時間であるメンテナンス時間情報を作成する時間情報作成部とを更に備えることが好ましい。
【0013】
また、前記時間情報作成部により前記メンテナンス時間情報が作成された場合には、当該メンテナンス時間情報を外部機器に通知する通知部を更に備えることが好ましい。
【0014】
また、本発明は、画像形成装置と、前記画像形成装置と通信可能に接続される外部機器とを有する画像形成システムであって、前記画像形成装置は、被画像形成媒体の表面に画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部により被画像形成媒体の表面に形成された画像における画質評価に関する画質評価情報の入力を受け付ける評価受付部と、前記評価受付部により画質評価情報の入力を受け付けた時間に関する受付時間情報を取得する時間情報取得部と、前記評価受付部により受け付けられた画質評価情報を前記時間情報取得部により取得された受付時間情報と関連付けて記憶する評価情報記憶部と、前記評価情報記憶部に記憶された評価情報に基づいて、前記画像形成部におけるメンテナンスが必要であるか否かを判定する判定部と、前記判定部により前記画像形成部におけるメンテナンスが必要であると判定された場合には、前記画像形成部におけるメンテナンスが必要であること示すメンテナンス情報を前記外部機器に送信する送信部とを備え、前記外部機器は、前記送信部により送信されたメンテナンス情報を受信する受信部と、前記受信部により受信されたメンテナンス情報に基づいて前記画像形成部におけるメンテナンスが必要であること報知する報知部を備える画像形成システムに関する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、画像形成装置本体のメンテナンスに掛かるコストを低減することができる画像形成装置及び画像形成システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の画像形成装置の第1実施形態に係る画像形成システム200の全体構成を説明するための図である。
【図2】第1実施形態に係るコピー機1の全体構成を説明するための図である。
【図3】第1実施形態に係るコピー機1の機能構成を示すブロック図である。
【図4】第1実施形態に係る情報処理装置150の機能構成を示すブロック図である。
【図5】評価用画像の具体的な態様の一例を示す図である。
【図6】第1実施形態に係る画像形成システム200において、メンテナンスが必要であるか否かを判定する処理について示すフローチャートである。
【図7】第2実施形態に係るコピー機1の機能構成を示すブロック図である。
【図8】第2実施形態に係る画像形成システム200において、メンテナンスが必要であるか否かを判定する処理について示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<第1実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の画像形成装置の一実施形態に係る画像形成システム200について説明する。図1は、本発明の画像形成装置の第1実施形態に係る画像形成システム200の全体構成を説明するための図である。
【0018】
画像形成システム200は、コピー機1と、外部機器としての情報処理装置150とを備える。
情報処理装置150は、パーソナルコンピュータ(Personal Computer)等で構成される。情報処理装置150は、通信ケーブルCを介して、LAN(Local Area Network)等によりコピー機1と通信可能に接続される。なお、本実施形態では、コピー機1と情報処理装置150とは通信ケーブルCを介して有線により通信可能に接続されているが、無線LAN等を用いて、無線により通信可能に接続されていてもよい。
【0019】
次に、コピー機1の全体構成について説明する。図2は、画像形成装置の第1実施形態に係るコピー機1の全体構成を説明するための図である。
【0020】
コピー機1は、原稿搬送部10と、原稿読取部20と、用紙搬送部30と、画像形成部40と、転写部50と、定着部60とを備える。
原稿搬送部10は、ADF(Auto Document Feeder)であり、原稿載置部11と、第1送りローラ12と、ガイド13と、タイミングローラ対14と、原稿排出部15とを備える。第1送りローラ12は、原稿載置部11に載置された原稿Gを1枚ずつ順にタイミングローラ対14に供給する。タイミングローラ対14は、原稿読取部20が原稿Gを読み取るタイミングと、原稿Gが原稿読取部20によって読み取られる位置(ガイド13が配置されている位置)に原稿Gを供給するタイミングとを合わせるために、原稿Gの搬送又は原稿Gの搬送停止を行う。ガイド13は、搬送された原稿Gを後述する第1読取面21aに導く。原稿排出部15は、原稿読取部20によって読み取られた(ガイド13を通過した)原稿Gをコピー機本体2の外部に排出する。
原稿排出部15におけるコピー機本体2の外側には、原稿集積部16が形成される。原稿集積部16には、原稿排出部15から排出された原稿Gが積層して集積される。
【0021】
原稿読取部20は、第1読取面21aと、第2読取面22aとを備える。第1読取面21aは、ガイド13に対向して配置された第1コンタクトガラス21の上面に沿って形成され、原稿Gを読み取る面となる。第2読取面22aは、第1読取面21aに隣接して(図2に示す場合では、第1読取面21aの右側の大部分に亘って)配置される。第2読取面22aは、原稿搬送部10を用いずに原稿Gを読み取る場合に用いられる。第2読取面22aは、原稿Gが載置される第2コンタクトガラス22の上面に沿って形成され、原稿Gを読み取る面となる。
【0022】
また、原稿読取部20は、照明部23と、第1ミラー24と、第2ミラー25と、第3ミラー26と、結像レンズ27と、撮像部28とをコピー機本体2の内部に備える。照明部23と第1ミラー24とは、それぞれ副走査方向Xに移動する。第2ミラー25と第3ミラー26とは、図2において照明部23及び第1ミラー24の左側に配置される。更に、第2ミラー25及び第3ミラー26は、第1ミラー24と、第2ミラー25と、第3ミラー26と、結像レンズ27とを介した第1読取面21a又は第2読取面22aから撮像部28までの距離(光路長)を一定に保ちつつ、それぞれ副走査方向Xに移動する。
【0023】
照明部23は、原稿Gに光を照射する光源である。第1ミラー24、第2ミラー25及び第3ミラー26は、光路長を一定に保ちつつ、原稿Gによって反射された光を結像レンズ27に導くためのミラーである。結像レンズ27は、第3ミラー26から入射した光を撮像部28に結像させる。撮像部28は、主走査方向(副走査方向Xに直交する方向)に沿って並べられた複数の撮像素子を備える。撮像素子は、入射された光を電気信号に変換することにより、結像された光像に基づいて画像データを得るための素子であり、例えば、電荷結合素子(CCD:Charge Coupled Device)等である。
【0024】
用紙搬送部30は、第2送りローラ31と、第3送りローラ32と、レジストローラ対33と、用紙排出部34とを備える。第2送りローラ31は、給紙カセット36に収容される用紙T(被画像形成媒体)を転写部50に供給する。第3送りローラ32は、手差しトレイ37に載置される用紙T(被画像形成媒体)を転写部50に供給する。レジストローラ対33は、転写部50にトナー画像が形成されるタイミングと、転写部50に用紙Tを供給するタイミングとを合わせるために、用紙Tの搬送又は用紙Tの搬送停止を行う。また、レジストローラ対33は、用紙Tのスキュー(斜め給紙)補正を行う。用紙排出部34は、トナー画像が定着された用紙Tをコピー機本体2の外部に排出する。
用紙排出部34におけるコピー機本体2の外側には、排紙集積部35が形成される。排紙集積部35には、用紙排出部34から排出された用紙Tが積層して集積される。
【0025】
画像形成部40は、感光体ドラム41と、帯電部42と、レーザスキャナユニット43と、現像器44と、クリーニング部45と、トナーカートリッジ46と、1次転写ローラ47と、中間転写ベルト48と、対向ローラ49とを備える。
感光体ドラム41(41a,41b,41c,41d)は、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエローそれぞれのトナー画像を形成するために、感光体又は像担持体として機能する。各感光体ドラム41a,41b,41c,41dの周囲には、感光体ドラム41の回転方向に沿って上流側から下流側へ順に、帯電部42と、レーザスキャナユニット43と、現像器44と、クリーニング部45とが配置される。
【0026】
帯電部42は、感光体ドラム41の表面を帯電させる。レーザスキャナユニット43は、感光体ドラム41の表面から離れて配置され、原稿読取部20によって読み取られた原稿Gに関する画像データに基づいて感光体ドラム41の表面を走査露光する。これにより、感光体ドラム41の表面には、露光された部分の電荷が除去されて静電潜像が形成される。現像器44は、感光体ドラム41の表面に形成された静電潜像にトナーを付着させてトナー画像を形成する。クリーニング部45は、除電器(図示せず)によって感光体ドラム41の表面が除電された後のその表面に残るトナー等を除去する。
トナーカートリッジ46は、現像器44に供給される各色のトナーを収容する。トナーカートリッジ46と現像器44とは、トナー供給路(図示せず)により接続されている。
【0027】
1次転写ローラ47(47a,47b,47c,47d)は、中間転写ベルト48における各感光体ドラム41a,41b,41c,41dとは反対側にそれぞれ配置される。中間転写ベルト48は、画像形成部40及び転写部50を通過するベルトである。中間転写ベルト48の一部分は、各感光体ドラム41a,41b,41c,41dと各1次転写ローラ47a,47b,47c,47dとの間に挟み込まれ、各感光体ドラム41a,41b,41c,41dの表面に形成されたトナー画像が1次転写される。対向ローラ49は、環状形状の中間転写ベルト48の内側に配置され、中間転写ベルト48を図2に示す矢印A方向に進行させるための駆動ローラである。
【0028】
転写部50は、2次転写ローラ51を備える。2次転写ローラ51は、中間転写ベルト48における対向ローラ49とは反対側に配置され、中間転写ベルト48の一部分を対向ローラ49との間に挟みこむ。更に、2次転写ローラ51は、中間転写ベルト48に1次転写されたトナー画像を用紙Tに2次転写させる。
【0029】
定着部60は、加熱回転体61と、加圧回転体62とを備える。加熱回転体61と加圧回転体62とは、トナー画像が2次転写された用紙Tを挟み込んで、トナーを溶融及び加圧し、そのトナーを用紙Tに定着させる。
【0030】
次に、コピー機1の機能構成について説明する。図3は、第1実施形態に係るコピー機1の機能構成を示すブロック図である。
コピー機1は、上述した構成要素(原稿搬送部10、原稿読取部20、用紙搬送部30、画像形成部40、転写部50及び定着部60)を備える。用紙搬送部30、画像形成部40、転写部50及び定着部60によりエンジン部3が構成される。なお、図2を用いて説明した構成要素については、その説明を省略する。更に、コピー機1は、上述した機能構成に加えて、操作部70と、記憶部80と、制御部90と、通信I/F(インターフェース)部100と、表示部110とを備える。
【0031】
操作部70は、テンキー(図示せず)、タッチパネル(図示せず)及びスタートキー(図示せず)等を備える。テンキーは、印刷部数等の数字を入力するために操作される。タッチパネルは、種々の機能(一例として、印刷倍率の設定機能や、複数のページを1枚の用紙Tに割り付ける機能(2in1等))が割り当てられた複数のキー等を表示する。タッチパネルに表示されたキーは、種々の機能のうちのいずれかをコピー機1に実行させるために操作(タッチ)される。スタートキーは、印刷を実行させるために操作される。操作部70は、いずれかのキーが操作されることにより、このキーが操作されたことを表す信号を制御部90に供給する。
【0032】
記憶部80は、ハードディスク、半導体メモリ等から構成される。記憶部80は、原稿読取部20によって読み取られた原稿Gに基づく画像データを記憶する。また、記憶部80は、コピー機1において利用される制御プログラム、及びこの制御プログラムによって利用されるデータ等を記憶する。
【0033】
制御部90は、各種の制御プログラム等を記憶するROM(Read Only Memory)、一時的にデータを記憶するRAM(Random Access Memory)、制御プログラム等をROMから読み出して実行するCPU(Central Processing Unit)等から構成される。また、制御部90にはタイマが内蔵される。
制御部90は、原稿搬送部10と、原稿読取部20と、エンジン部3と、操作部70と、記憶部80と、通信I/F部100と、表示部110と、を制御する。
【0034】
原稿載置部11に載置された原稿Gをコピーする場合を示して、制御部90の機能(動作)の一例を説明する。まず、制御部90は、操作部70を構成する上記のスタートキーが操作されたことを示す信号が供給されることにより、スタートキーが操作されたことを検知する。次に、制御部90は、原稿搬送部10の第1送りローラ12を駆動させて原稿Gを第1読取面21aに供給する。制御部90は、原稿読取部20により第1読取面21aに供給された原稿Gに基づく画像データを生成させ、その画像データを記憶部80に一時記憶する。
【0035】
制御部90は、記憶部80に一時記憶された画像データに基づいて用紙Tにトナー画像を形成するために、エンジン部3を構成する用紙搬送部30と、画像形成部40と、転写部50と、定着部60とをそれぞれ制御する。すなわち、制御部90は、第2送りローラ31又は第3送りローラ32を駆動させて、用紙Tを転写部50に搬送させる。また、制御部90は、画像データに基づいて色ごとに生成された色画像データをそれぞれレーザスキャナユニット43に供給し、レーザスキャナユニット43から照射されるレーザ光により感光体ドラム41に静電潜像を形成させる。制御部90は、現像器44により感光体ドラム41にトナー画像を形成させ、このトナー画像を中間転写ベルト48に1次転写させる。制御部90は、中間転写ベルト48に1次転写されたトナー画像を2次転写ローラ51によって用紙Tに2次転写させる。制御部90は、加熱回転体61が所定の温度に加熱されるよう制御して、その加熱回転体61により用紙Tに2次転写されたトナー画像のトナーを溶融させると共に、加熱回転体61に圧接される加圧回転体62よりトナーを用紙Tに定着させる。更に、制御部90は、トナー画像が定着された用紙Tを用紙搬送部30により用紙排出部34から排出させる。
【0036】
通信I/F部100は、ネットワークインターフェース等で構成され、通信ケーブルCを介して情報処理装置150とデータの送受信を行う。通信I/F部100は、例えば、情報処理装置150から送信された画像データを受信し、制御部90に供給する。
表示部110は、上述したタッチパネル及び/又はタッチパネルとは別に設けられた液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ等で構成される。表示部110は、制御部90の制御に従い、各種のデータを表示する。
【0037】
次に、本実施形態に係る情報処理装置150の機能構成について説明する。図4は、第1実施形態に係る情報処理装置150の機能構成を示すブロック図である。
図4に示すように、情報処理装置150は、操作部151と、記憶部152と、制御部153と、通信I/F部154と、表示部155と、を備える。
【0038】
操作部151は、キーボード、マウス等から構成される。操作部151は、例えば、ユーザからの画像データを印刷するための操作を受け付ける。
記憶部152は、ハードディスク、半導体メモリ等から構成される。記憶部152は、コピー機1から送信された各種情報を記憶する。
【0039】
制御部153は、各種の制御プログラム等を記憶するROM、一時的にデータを記憶するRAM、制御プログラム等をROMから読み出して実行するCPU等から構成される。
【0040】
通信I/F部154は、ネットワークインターフェース等で構成され、通信ケーブルCを介してコピー機1とデータの送受信を行う。
表示部155は、液晶ディスプレイ(LCD)、有機ELディスプレイ等から構成される。
【0041】
以下、図3、図4及び図5を参照して、本実施形態に係るコピー機1の特徴部分の機能構成について説明する。図5は、評価用画像の具体的な態様の一例を示す図である。
図3に示すように、記憶部80は、評価情報記憶部81を備える。
また、制御部90は、表示制御部91と、評価受付部92と、時間情報取得部93と、判定部94と、集計部95と、通知部96と、を備える。
【0042】
表示制御部91は、画像形成部40により用紙Tに1つの画像形成データ(ジョブデータ)に関する画像を形成した場合に、複数の評価用画像を表示部110に表示させる。
具体的には、表示制御部91は、図5に示すように、評価用画像として画像F1,F2,F3を、表示部110を構成するタッチパネルに表示させる。又は、表示制御部91は、評価用画像として画像F1,F2,F3を、タッチパネルとは別に設けられた液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等に表示させてもよい。
【0043】
画像F1は、画像形成部40により用紙Tに画像を形成した場合に、形成された画像の画質が良いことを示す画質評価情報である。画像F2は、画像形成部40により用紙Tに画像を形成した場合に、形成された画像の画質が普通であることを示す画質評価情報である。画像F3は、画像形成部40により用紙Tに画像を形成した場合に、形成された画像の画質が悪いことを示す画質評価情報である。
画像形成部40により用紙Tに画像を形成した場合に、タッチパネル上に表示される画像F1,F2,F3のいずれかを操作することで、ユーザは、画像における画質の評価をコピー機1に対して入力する。
【0044】
評価受付部92は、タッチパネル上に表示される画像F1,F2,F3のいずれかが操作されることにより、画像形成部40により用紙Tの表面に形成された画像における画質評価に関する画質評価情報の入力を受け付ける。
【0045】
時間情報取得部93は、評価受付部92により画質評価情報の入力を受け付けた時間に関する受付時間情報を、制御部90に内蔵されるタイマから取得する。
そして、時間情報取得部93は、評価受付部92により受け付けられた画質評価情報をタイマから取得した受付時間情報と関連付けて評価情報記憶部81に記憶させる。
【0046】
例えば、時間情報取得部93は、画像形成部40により用紙Tに画像を形成した後に、ユーザにより画像F3が操作され、画像における画質の評価「画質が悪い」を含む画質評価情報を、タイマから取得した受付時間情報(例えば、画質評価情報の入力を受け付けた時間である2010年2月10日、14時20分)と関連付けて評価情報記憶部81に記憶させる。
【0047】
このように、時間情報取得部93は、1つの画像形成データ(ジョブデータ)に関する画像を形成するごとに、画質評価情報をタイマから取得した受付時間情報と関連付けて評価情報記憶部81に記憶させる。従って、評価情報記憶部81には、画像形成部40のメンテナンスが終了した時点を起点として時間が経過するにしたがって、画質評価情報が順次蓄積される。
【0048】
判定部94は、評価情報記憶部81に記憶された画質評価情報に基づいて、画像形成部40におけるメンテナンスが必要であるか否かを判定する。
【0049】
具体的には、判定部94は、評価受付部92により入力を受け付けた時間が新しい画質評価情報から順に起算した所定数の画質評価情報のうち、所定評価基準を下回る評価の画質評価情報が第1評価数以上含まれている場合、画像形成部40におけるメンテナンスが必要であると判定する。
【0050】
例えば、判定部94は、評価受付部92により入力を受け付けた時間が新しい画質評価情報から順に起算した10個の画質評価情報のうち、画質が悪いことを示す評価情報が7個以上含まれている場合、画像形成部40におけるメンテナンスが必要であると判定する。
【0051】
また、判定部94は、画質を評価するユーザごとに画質評価情報を集計した結果を用いて画像形成部40におけるメンテナンスが必要であるか否かを判定してもよい。
【0052】
すなわち、評価情報記憶部81は、評価受付部92により入力された画質評価情報を複数のユーザ識別情報それぞれに関連付けて記憶する。なお、ユーザ識別情報は、予め記憶部80に記憶(登録)されているものとする。
【0053】
集計部95は、評価情報記憶部81に記憶された画質評価情報を複数のユーザ識別情報ごとに集計する。
【0054】
そして、判定部94は、集計部95によりユーザ識別情報ごとに集計された複数の画質評価情報により特定される評価が所定の評価基準を下回るユーザ識別情報が所定数以上である場合、この画質評価情報により特定される評価により、画像形成部40におけるメンテナンスが必要であると判定する。
【0055】
例えば、判定部94は、ユーザ識別情報ごとに集計された画質評価情報において「画質が悪い」を示す評価が一定数(例えば、5回)以上存在する場合には、画質の評価が普通である(画質が悪くない)という評価基準を下回ると判定する。そして、判定部94は、この評価基準を下回る、すなわち、画質評価情報において「画質が悪い」を示す評価により特定されるユーザ識別情報が所定数(例えば、5個)以上である場合、「画質が悪い」を示す評価により、画像形成部40におけるメンテナンスが必要であると判定する。
【0056】
また、判定部94は、特定のユーザによる画質評価情報を除外して、画像形成部40におけるメンテナンスが必要であるか否かを判定してもよい。
すなわち、判定部94は、集計部95によりユーザ識別情報ごとに集計された複数の画質評価情報により特定される評価が所定の条件を満たすユーザ識別情報と関連付けられる画質評価情報を除外して、画像形成部40におけるメンテナンスが必要であるか否かを判定する。
【0057】
例えば、ユーザ識別情報ごとに集計された画質評価情報において、あるユーザ識別情報における「画質が悪い」を示す評価が、他のユーザ識別情報における「画質が悪い」を示す評価よりも極端に多い(例えば、他のユーザ識別情報よりも「画質が悪い」の評価が10回以上多い)場合、所定の条件を満たすとして、極端に「画質が悪い」を示す評価と関連付けられるユーザ識別情報を除外して、画像形成部40におけるメンテナンスが必要であるか否かを判定する。
【0058】
通知部96は、判定部94により画像形成部40におけるメンテナンスが必要であると判定された場合には、画像形成部40におけるメンテナンスが必要であることを示すメンテナンス情報を、通信I/F部100を介して情報処理装置150に通知(送信)する。
【0059】
ここで、メンテナンス情報の形式としては、電子メール、ファックス、データ通信等が挙げられる。更に、メンテナンス情報の形式としては、メンテナンスを行う業者の構成員が有する携帯端末に電子メール等で通知を行ってもよい。
【0060】
また、通知部96がメンテナンス情報を情報処理装置150に通知(送信)するタイミングとしては、判定部94により画像形成部40におけるメンテナンスが必要であると判定された直後であってもよく、又はメンテナンスを行ってから所定期間が経過した後であってもよい。
【0061】
図6は、第1実施形態に係る画像形成システム200において、メンテナンスが必要であるか否かを判定する処理について示すフローチャートである。
ステップST1において、画像形成部40は、画像データに基づいて、用紙Tに画像を形成する。
ステップST2において、表示制御部91は、複数の評価用画像を表示部110に表示させる。
【0062】
ステップST3において、評価受付部92は、用紙Tの表面に形成された画像における画質評価に関する画質評価情報の入力を受け付ける。
ステップST4において、時間情報取得部93は、評価受付部92により画質評価情報の入力を受け付けた時間に関する受付時間情報を、制御部90に内蔵されるタイマから取得する。
【0063】
ステップST5において、時間情報取得部93は、評価受付部92により受け付けられた画質評価情報をタイマから取得した受付時間情報と関連付けて評価情報記憶部81に記憶させる。
ステップST6において、集計部95は、評価情報記憶部81に記憶された画質評価情報を複数のユーザ識別情報ごとに集計する。
【0064】
ステップST7において、判定部94は、集計部95によりユーザ識別情報ごとに集計された複数の画質評価情報により特定される評価が所定の条件を満たすユーザ識別情報と関連付けられる画質評価情報を除外する。
【0065】
ステップST8において、判定部94は、集計部95によりユーザ識別情報ごとに集計された複数の画質評価情報により特定される評価が所定の評価基準を下回るユーザ識別情報が所定数以上であるか否かを判定する。所定の評価基準を下回るユーザ識別情報が所定数以上である場合(YES)には、ステップST9へ移る。所定の評価基準を下回るユーザ識別情報が所定数未満である場合(NO)には、ステップST10へ移る。
【0066】
ステップST9において、判定部94は、画像形成部40におけるメンテナンスが必要であると判定する。
ステップST10において、判定部94は、画像形成部40におけるメンテナンスが必要ではないと判定する。
【0067】
ステップST11において、通知部96は、画像形成部40におけるメンテナンスが必要であることを示すメンテナンス情報を、通信I/F部100を介して情報処理装置150に送信する。
【0068】
ステップST12において、情報処理装置150の制御部153は、通信I/F部154を介して、メンテナンス情報を受信する。
ステップST13において、制御部153は、受信したメンテナンス情報に基づいて、表示部155にメンテナンスが必要であること情報を表示して、コピー機1が、メンテナンスが必要であることを報知する。これにより、メンテナンスを行う業者は、コピー機1のメンテナンスが必要であることを認識することができる。
【0069】
第1実施形態に係る画像形成システム200によれば、次のような効果が奏される。
第1実施形態においては、時間情報取得部93は、評価受付部92により画質評価情報の入力を受け付けた時間に関する受付時間情報を取得する。評価受付部92は、画像形成部40により用紙Tの表面に形成された画像における画質評価に関する画質評価情報の入力を受け付ける。そして、判定部94は、評価情報記憶部81に記憶された画質評価情報に基づいて、画像形成部40におけるメンテナンスが必要であるか否かを判定する。
【0070】
このように、コピー機1は、ユーザによって入力された画質評価情報を用いて画像形成部40におけるメンテナンスが必要であるか否かを判定するため、ユーザにとって適切な頻度で画像形成部40のメンテナンスが行われる。つまり、ユーザにとって必要以上の頻度でメンテナンスが行われないため、コピー機1は、メンテナンスに掛かるコストを削減することができる。
【0071】
また、第1実施形態においては、判定部94は、評価受付部92により入力を受け付けた時間が新しい画質評価情報から順に起算した所定数の画質評価情報のうち、所定評価基準を下回る評価の画質評価情報が第1評価数以上含まれている場合、画像形成部40におけるメンテナンスが必要であると判定する。
【0072】
そのため、コピー機1は、ユーザによって入力された画質評価情報が第1評価数以上含まれている場合、つまり、多くのユーザによりメンテナンスが必要であると判断された場合にメンテナンスが必要であると判定する。従って、コピー機1は、画像形成部40のメンテナンスを、ユーザにとって適切なタイミングで行うことができる。
【0073】
また、第1実施形態においては、判定部94は、集計部95によりユーザ識別情報ごとに集計された複数の画質評価情報により特定される評価が所定の評価基準を下回るユーザ識別情報が所定数以上である場合、この画質評価情報により特定される評価により、画像形成部40におけるメンテナンスが必要であると判定する。
【0074】
そのため、コピー機1は、ユーザごとに集計した画質評価情報を用いてメンテナンスが必要であるか否かを判定する。従って、コピー機1は、より高い精度でメンテナンスが必要となるタイミングを判定することができる。
【0075】
また、第1実施形態においては、判定部94は、集計部95によりユーザ識別情報ごとに集計された複数の画質評価情報により特定される評価が所定の条件を満たすユーザ識別情報と関連付けられる画質評価情報を除外して、画像形成部40におけるメンテナンスが必要であるか否かを判定する。
【0076】
そのため、コピー機1は、極端な評価を行うユーザによる画質評価情報を除外して、メンテナンスが必要であるか否かを判定する。従って、コピー機1は、より高い精度でメンテナンスが必要となるタイミングを判定することができる。
【0077】
また、第1実施形態においては、通知部96は、判定部94により画像形成部40におけるメンテナンスが必要であると判定された場合には、画像形成部40におけるメンテナンスが必要であることを示すメンテナンス情報を、通信I/F部100を介して情報処理装置150に通知する。従って、コピー機1は、情報処理装置150に対して画像形成部40におけるメンテナンスが必要であることを通知することができる。よって、情報処理装置150を有するメンテナンスの業者は、コピー機1のメンテナンスが必要であることを認識することができる。
【0078】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態については、主として、第1実施形態と異なる点を中心に説明し、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付し、詳しい説明を省略する。第2実施形態において、特に説明しない点は、第1実施形態についての説明が適宜適用される。また、第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が奏される。
【0079】
図7は、第2実施形態に係るコピー機1の機能構成を示すブロック図である。
図7に示すように、記憶部80は、評価情報記憶部81と、基準画質評価情報記憶部82と、を備える。
【0080】
また、制御部90は、表示制御部91と、評価受付部92と、時間情報取得部93と、判定部94と、集計部95と、通知部96と、比較部97と、時間情報作成部98と、を備える。このように第2実施形態に係るコピー機1は、基準画質評価情報記憶部82、比較部97及び時間情報作成部98を更に備える点が第1実施形態に係るコピー機1とは異なる。
【0081】
すなわち、第2実施形態に係るコピー機1は、第1実施形態に係るコピー機1において実行される処理に加えて更に以下に示す処理を実行することができる。
【0082】
基準画質評価情報記憶部82は、画質を評価するための基準となる基準画質評価情報を記憶する。基準画質評価情報としては、例えば、画像形成部40においてメンテナンスが行われてからメンテナンスが必要となるまでの典型的な画質の評価情報や、コピー機1における過去の画質の評価履歴情報を用いることができる。
【0083】
比較部97は、基準画質評価情報記憶部82に記憶される基準画質評価情報と、集計部95により集計された画質評価情報とを比較する。
【0084】
例えば、典型的な画質の評価情報は、メンテナンスが行われた直後から、メンテナンスが必要となるまでの一般化された画質の評価の推移データを含んでいる。
そして、比較部97は、集計部95により集計された画質評価情報と、一般化された画質の評価の推移データとを比較する。
【0085】
又は、過去の画質の評価履歴情報は、過去にコピー機1においてメンテナンスが行われた直後から、メンテナンスが必要となるまでのコピー機1に固有な画質の評価の推移データを含んでいる。
そして、比較部97は、集計部95により集計された画質評価情報と、コピー機1に固有な画質の評価の推移データとを比較する。
【0086】
時間情報作成部98は、比較部97により比較された結果に基づいて、メンテナンスが必要となるまでの時間であるメンテナンス時間情報を作成する。
【0087】
例えば、時間情報作成部98は、集計部95により集計された画質評価情報と、一般化された画質の評価の推移データとを比較部97により比較して、画質評価情報と、一般化された画質の評価の推移データとの差が一定の範囲内である場合には、集計された画質評価情報が一般化された画質の評価の推移データに近似しているとして、一般化された画質の評価の推移データからメンテナンスが必要となるまでの時間であるメンテナンス時間を推定する。そして、時間情報作成部98は、推定したメンテナンス時間を含むメンテナンス時間情報を作成する。
【0088】
又は、時間情報作成部98は、集計部95により集計された画質評価情報と、コピー機1に固有な画質の評価の推移データとを比較部97により比較して、画質評価情報と、コピー機1に固有な画質の評価の推移データとの差が一定の範囲内である場合には、集計された画質評価情報がコピー機1に固有な画質の評価の推移データに近似しているとして、コピー機1に固有な画質の評価の推移データからメンテナンスが必要となるまでの時間であるメンテナンス時間を推定する。そして、時間情報作成部98は、推定したメンテナンス時間を含むメンテナンス時間情報を作成する。
【0089】
通知部96は、時間情報作成部98によりメンテナンス時間情報が作成された場合には、このメンテナンス時間情報を、通信I/F部100を介して外部機器としての情報処理装置150に通知(送信)する。
【0090】
図8は、第2実施形態に係る画像形成システム200において、メンテナンスが必要であるか否かを判定する処理について示すフローチャートである。
なお、ステップST21〜ステップST25までの処理は、図6におけるステップST1〜ステップST5までの処理と同様の処理であるため、説明を省略する。
【0091】
ステップST26において、比較部97は、基準画質評価情報記憶部82に記憶される基準画質評価情報と、集計部95により集計された画質評価情報とを比較する。
【0092】
ステップST27において、時間情報作成部98は、集計部95により集計された画質評価情報と、一般化された画質の評価の推移データとを比較部97により比較して、画質評価情報と、一般化された画質の評価の推移データとの差が一定の範囲内であるか否かを判定する。差が一定の範囲内である場合(YES)には、ステップST28へ移る。差が一定の範囲内でない場合(NO)には、処理を終了する。
【0093】
又は、上記の条件に代えて、時間情報作成部98は、集計部95により集計された画質評価情報と、コピー機1に固有な画質の評価の推移データとを比較部97により比較して、画質評価情報と、コピー機1に固有な画質の評価の推移データとの差が一定の範囲内であるか否かを判定する。差が一定の範囲内である場合(YES)には、ステップST28へ移る。差が一定の範囲内でない場合(NO)には、処理を終了する。
【0094】
ステップST28において、時間情報作成部98は、一般化された画質の評価の推移データ又はコピー機1に固有な画質の評価の推移データからメンテナンスが必要となるまでの時間であるメンテナンス時間を推定し、推定したメンテナンス時間を含むメンテナンス時間情報を作成する。
【0095】
ステップST29において、通知部96は、メンテナンス時間情報を、通信I/F部100を介して外部機器としての情報処理装置150に送信する。
ステップST30において、情報処理装置150の制御部153は、通信I/F部154を介して、メンテナンス時間情報を受信する。
【0096】
ステップST31において、制御部153は、受信したメンテナンス時間情報に基づいて、表示部155にメンテナンスが必要となるまでのメンテナンス時間を表示して、コピー機1が、メンテナンスが必要となる時間を報知する。これにより、メンテナンスを行う業者は、コピー機1のメンテナンスが必要となる時間がいつ頃であるかを把握することができる。
【0097】
第2実施形態に係る画像形成システム200によれば、次のような効果が奏される。
第2実施形態においては、比較部97は、基準画質評価情報記憶部82に記憶される基準画質評価情報と、集計部95により集計された画質評価情報とを比較する。時間情報作成部98は、比較部97により比較された結果に基づいて、メンテナンスが必要となるまでの時間であるメンテナンス時間情報を作成する。
【0098】
このように、コピー機1は、メンテナンスが必要であるか否かの基準となる基準画質評価情報を用いてメンテナンスが必要となるまでの時間であるメンテナンス時間情報を作成するため、メンテナンスが必要となる時期を高い精度で把握することができる。
【0099】
また、第2実施形態においては、通知部96は、時間情報作成部98によりメンテナンス時間情報が作成された場合には、このメンテナンス時間情報を、通信I/F部100を介して外部機器としての情報処理装置150に通知する。そのため、コピー機1は、メンテナンスが必要となるメンテナンス時間を事前に作成するため、メンテナンスを行う業者は、事前にメンテナンスが必要となる時間がいつ頃であるかを把握することができる。
【0100】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
例えば、上述の各実施形態においては、コピー機1において画像形成部40におけるメンテナンスが必要であるか否かを判定したが、本発明はこれに限らない。例えば、コピー機1は、画質評価情報を外部機器としての情報処理装置150に一定期間ごと、又は逐次送信する。そして、情報処理装置150は、受信した画質評価情報に基づいて画像形成部40におけるメンテナンスが必要であるか否かを判定してもよい。
【0101】
また、上述の各実施形態においては、画質評価情報の入力を受け付けるための評価用画像をコピー機1の表示部110を構成するタッチパネルに表示させたが、本発明はこれに限らない。例えば、コピー機1は、評価用画像を情報処理装置150の表示部155に表示させるための評価用画像を情報処理装置150に送信する。そして、情報処理装置150は、操作部151により評価用画像に対する入力を受け付けることで、画質評価情報の入力を受け付けてもよい。この場合、情報処理装置150は、入力を受け付けた画質評価情報をコピー機1に送信し、コピー機1は、受信した画質評価情報に基づいて画像形成部40におけるメンテナンスが必要であるか否かを判定することができる。
【0102】
なお、本実施形態のコピー機1は、カラーコピー機であるが、この形態に限定されることはなく、モノクロコピー機であってもよい。
また、本実施形態のコピー機1は、中間転写ベルト48を介して用紙Tにトナー画像を転写している(間接転写方式)が、この形態に限定されることはなく、感光体ドラムに形成されたトナー画像を直接に用紙Tに転写してもよい(直接転写方式)。
また、本実施形態のコピー機1は、用紙Tの片面を印刷する構成であるが、これに限定されることはなく、用紙の両面を印刷する構成であってもよい。
【0103】
また、本発明の画像形成装置は、上述したコピー機1に限定されることはない。すなわち、本発明の画像形成装置は、コピー機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能及びスキャナ機能を備える複合機であってもよく、ファクシミリやプリンタであってもよい。
また、本発明の画像形成装置によってトナー画像が定着される被転写材は用紙Tに限定されることはなく、例えば、OHP(オーバヘッドプロジェクタ)シート等のフィルムシートであってもよい。
【符号の説明】
【0104】
1…コピー機(画像形成装置)、3…エンジン部、10…原稿搬送部、20…原稿読取部、30…用紙搬送部、40…画像形成部、50…転写部、60…定着部、70…操作部、80…記憶部、90…制御部、91…表示制御部、92…評価受付部、93…時間情報取得部、94…判定部、95…集計部、96…通知部、97…比較部、98…時間情報作成部、100…通信I/F部、110…表示部、150…情報処理装置(外部機器)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被画像形成媒体の表面に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部により被画像形成媒体の表面に形成された画像における画質評価に関する画質評価情報の入力を受け付ける評価受付部と、
前記評価受付部により画質評価情報の入力を受け付けた時間に関する受付時間情報を取得する時間情報取得部と、
前記評価受付部により受け付けられた画質評価情報を前記時間情報取得部により取得された受付時間情報と関連付けて記憶する評価情報記憶部と、
前記評価情報記憶部に記憶された画質評価情報に基づいて、前記画像形成部におけるメンテナンスが必要であるか否かを判定する判定部とを備える
画像形成装置。
【請求項2】
前記判定部は、
前記評価受付部により入力を受け付けた時間が新しい画質評価情報から順に起算した所定数の画質評価情報のうち、所定評価基準を下回る評価の画質評価情報が第1評価数以上含まれている場合、前記画像形成部におけるメンテナンスが必要であると判定する
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記評価情報記憶部は、
前記評価受付部により入力された画質評価情報を複数のユーザ識別情報それぞれに関連付けて記憶し、
前記評価情報記憶部に記憶された画質評価情報を前記複数のユーザ識別情報ごとに集計する集計部を更に備え、
前記判定部は、
前記集計部によりユーザ識別情報ごとに集計された複数の画質評価情報により特定される評価が所定の評価基準を下回るユーザ識別情報が所定数以上である場合、当該画質評価情報により特定される評価により前記画像形成部におけるメンテナンスが必要であると判定する
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記評価情報記憶部は、
前記評価受付部により入力された画質評価情報を複数のユーザ識別情報それぞれに関連付けて記憶し、
前記評価情報記憶部に記憶された画質評価情報を前記複数のユーザ識別情報ごとに集計する集計部を更に備え、
前記判定部は、
前記集計部によりユーザ識別情報ごとに集計された複数の画質評価情報により特定される評価が所定の条件を満たすユーザ識別情報と関連付けられる画質評価情報を除外して、前記画像形成部におけるメンテナンスが必要であるか否かを判定する
請求項2又は3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記判定部により前記画像形成部におけるメンテナンスが必要であると判定された場合には、前記画像形成部におけるメンテナンスが必要であることを示すメンテナンス情報を外部機器に通知する通知部を更に備える
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
画質を評価するための基準となる基準画質評価情報を記憶する基準画質評価情報記憶部と、
前記評価情報記憶部に記憶された画質評価情報を集計する集計部と、
前記基準画質評価情報記憶部に記憶される前記基準画質評価情報と、前記集計部により集計された画質評価情報とを比較する比較部と、
前記比較部により比較された結果に基づいて、メンテナンスが必要となるまでの時間であるメンテナンス時間情報を作成する時間情報作成部とを更に備える
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記時間情報作成部により前記メンテナンス時間情報が作成された場合には、当該メンテナンス時間情報を外部機器に通知する通知部を更に備える
請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
画像形成装置と、前記画像形成装置と通信可能に接続される外部機器とを有する画像形成システムであって、
前記画像形成装置は、
被画像形成媒体の表面に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部により被画像形成媒体の表面に形成された画像における画質評価に関する画質評価情報の入力を受け付ける評価受付部と、
前記評価受付部により画質評価情報の入力を受け付けた時間に関する受付時間情報を取得する時間情報取得部と、
前記評価受付部により受け付けられた画質評価情報を前記時間情報取得部により取得された受付時間情報と関連付けて記憶する評価情報記憶部と、
前記評価情報記憶部に記憶された評価情報に基づいて、前記画像形成部におけるメンテナンスが必要であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記画像形成部におけるメンテナンスが必要であると判定された場合には、前記画像形成部におけるメンテナンスが必要であること示すメンテナンス情報を前記外部機器に送信する送信部とを備え、
前記外部機器は、
前記送信部により送信されたメンテナンス情報を受信する受信部と、
前記受信部により受信されたメンテナンス情報に基づいて前記画像形成部におけるメンテナンスが必要であること報知する報知部を備える
画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−203423(P2011−203423A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−69683(P2010−69683)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】