説明

画像形成装置及び画像形成方法並びに記憶媒体

【課題】試し印刷で1部の印刷が終了した中断状態でモード変更の有無を判別し、それに応じて置数を自動的に変更可能とする画像形成装置、画像形成方法及び記憶媒体の提供。
【解決手段】画像を入力する画像入力手段と、入力された画像を記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶された画像を読み出して画像を形成する画像形成手段とを具備する画像形成装置で、画像印刷時に設定されたモードに応じて前記画像形成手段を制御することが可能な制御手段を具備する画像形成装置において、画像形成時、試し印字モード設定ができ、この試し印字モード設定が有効な間は、1部の印字を行った後、画像形成動作を一時中断し、再度モード設定変更が可能な機能を有し、前記試し印字モードが解除された後の印字操作の際に、印字直前の中断状態でのモード変更に応じて置数を所定の値に設定可能とすることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル複写機等の画像形成装置及び画像形成方法並びに記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタル複写機が開発され、普及している。
【0003】
デジタル複写機は、画像をCCDで読取り、デジタル信号化し、それに様々な処理を施した後、レーザー信号に変換して電子写真技術で記録媒体上に記録する。
【0004】
またこの画像信号をハードディスクなどの画像メモリに一度貯えてこれを読み出すことで画像形成を行うものも開発されている0これによればスキャナーから画像を一度だけ読み込むだけで複数回繰り返して画像形成ができるため電子ソートなどの機能の実現に有効である。
【0005】
またさらにこの画像メモリを備えたことで、1部だけ画像を形成しユーザーがその仕上がりを確認したのち画像形成の継続、または設定モードの変更を行って画像形成を行う試し印刷機能も考案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながらこの試し印刷機能においては、従来試し印刷を終了して最終的な画像の印字を行うときに何部の印刷を行うかがユーザーの意図に基づく考慮がなされていなかった。
【0007】
例えば1部試し印刷を行った後、ユーザーがそれを良しとして縦続して残りの印刷を行う場合は、試しコピー分も正規な印刷分と考え、残りの継続印刷は設定された置数から試し印刷分の1部を引いた分だけ印刷すればよいはずである。
【0008】
また試し印刷後、何らかのモード変更がなされた場合、試し印刷分はユーザーが所望しない画像形成と判断できるため、継続プリント時には当初設定された置数分だけ画像形成を行う必要がある。
【0009】
然しながら従来ではここまで試し印刷時に置数について制御したものがないため、ユーザーは状況に応じて一々置数変更をしなければならないという不具合があった。
【0010】
本発明は、上述の事情に鑑みて成されたもので、試し印刷で1部の印刷が終了した中断状態で、モード変更の有無を判別し、それに応じて置数を自動的に変更可能とする画像形成装置及び画像形成方法並びに記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、下記構成を備えることにより上記課題を解決できるものである。
【0012】
(1)画像を入力する画像入力手段と、入力された画像を記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶された画像を読み出して画像を形成する画像形成手段とを具備すると共に、画像印刷時に設定されたモードに応じて前記画像形成手段を制御することが可能な制御手段を具備する画像形成装置において、画像形成時、試し印字モード設定ができ、この試し印字モード設定が有効な間は、1部の印字を行った後、画像形成動作を一時中断し、再度モード設定変更が可能な機能を有し、前記試し印字モードが解除された後の印字操作の際に、印字直前の中断状態でのモード変更に応じて置数を所定の値に設定可能とすることを特徴とする画像形成装置。
【0013】
(2)前記試し印字モードが解除された後の印字操作において、印字直前の中断状態で置数が変更された場合は、その置数分だけ印字を行うことを特徴とする前項(1)記載の画像形成装置。
【0014】
(3)前記試し印字モードが解除された後の印字操作において、印字直前の中断状態で置数以外のモードが変更された場合は、それ以前に設定された置数分だけ印字を行うことを特徴とする前項(1)記載の画像形成装置。
【0015】
(4)前記試し印字モードが解除された後の印字操作において、印字直前の中断状態でモードが変更されなかった場合は、それ以前に設定された置数から1を減算した分の置数を設定し、その置数分だけ印字を行うことを特徴とする前項(1)記載の画像形成装置。
【0016】
(5)前記試し印字モードにより、試し印字が行われた場合には、常に1部だけ印字を行い、設定された置数については変更しないことを特徴とする前項(1)記載の画像形成装置。
【0017】
(6)画像を入力するステップと、入力された画像を記憶するステップと、記憶された画像を読み出して画像を形成するステップとを有し、且つ画像印刷時に設定されたモードに応じて前記画像形成方法を制御するステップを具備する画像形成方法において、画像形成時、試し印字モード設定ができ、この試し印字モード設定が有効な間は、1部の印字を行った後、画像形成動作を一時中断し、再度、モード設定変更が可能であり、前記試し印字モードが解除された後の印字操作の際に、印字直前の中断状態でのモード変更に応じて置数を所定の値に設定ができるステップとを含むことを特徴とする画像形成方法。
【0018】
(7)前項(6)に記載の画像形成方法を実現する為のプログラムを格納したことを特徴とする記憶媒体。
【発明の効果】
【0019】
本発明では、上述の状況に鑑み、試し印刷で部数1部の印刷が終了した中断状態でモード変更の有無を判別し、それに応じて置数を自動的に変更するようにしたものである。
【0020】
すなわち試し印刷での上記中断状態で置数変更がされた場合には、その直後の試し印刷解除後の縦続プリントではその置数分だけ残り分の印字を行い、置数以外のモード変更がされた場合は設定されている置数分だけ残り分の印字を行い、モード変更が一切されなかった場合は、設定されている置数から1を減算した分だけの置数に基づいて残り分の印字を行い、さらに試し印刷が設定されている間の試し印刷は常に1部のみとするが、設定されている置数はそのまま保持するようにしたことで、ユーザーが望む置数分だけの印字結果を特に置数設定の変更なしに提供することができ、その効果は大きいと思料する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係るデジタル複写機としての画像形成装置の要部構成側断面図
【図2】リーダ部の信号処理回路及び主要部の構成例を示すブロック図
【図3】操作部123の詳細説明図
【図4】画像の読み出し方法の例を示す説明図
【図5】画像の記憶方法の例を示す説明図
【図6】操作部123の制御タスクに関するフローチャート
【図7】操作部123のアイドル状態における制御のうち、試しコピーに関するフローチャート
【図8】コピーシーケンスタスクでの制御における本発明に係るフローチャート
【図9】試しコピー中間状態制御動作を示すフローチャート
【図10】アイドル状態におけるコピーモード設定画面
【図11】試しコピーモードON表示画面
【図12】試しコピー中表示画面
【図13】設定変更選択画面
【図14】再設定画面
【図15】再設定後の試しコピー表示画面
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に本発明の一実施の形態を説明する。
【0023】
図1は、本発明に係るデジタル複写機としての画像形成装置の要部構成側断面図、図2は、リーダ部の信号処理回路及び主要部の構成例を示すブロック図、図3は、操作部123の詳細説明図、図4は、画像の読み出し方法の例を示す説明図、図5は、画像の記憶方法の例を示す説明図、図6は、操作部123の制御タスクに関するフローチャート、図7は、操作部123のアイドル状態における制御のうち、試しコピーに関するフローチャート、図8は、コピーシーケンスタスクでの制御における本発明に係るフローチャート、図9は、試しコピー中間状態制御動作を示すフローチャート、図10は、試しコピー選択表示画面、図11は、試しコピーモードON表示画面、図12は、試しコピー中表示画面、図13は、設定変更選択画面、図14は、再設定画面、図15は、再設定後の試しコピー表示画面である。
【0024】
以下、図面を参照して説明する。
【0025】
図1は、リーダ部1およびプリンタ部2の構成を主として示す断面図である。構成および動作について説明する。
【0026】
原稿給送装置101上に積載された原稿は、1枚ずつ順次原稿台ガラス面102上に搬送される。原稿が原稿台ガラス面102の所定位置へ搬送されると、スキャナー部のランプ103が点灯、且つスキャナー・ユニット104が移動して原稿を照射する。原稿からの反射光は、ミラー105、106、107、及びレンズ108を介してCCDイメージ・センサー部109(以下CCDと称する)に入力される。
【0027】
図2は、上記のリーダ部1の信号処理構成を示す回路ブロック図であり、以下、構成および動作について説明する。
【0028】
図2において、CCD109に照射された原稿の反射光は、ここで光電変換され、レッド、グリーン、ブルー(R、G、B)の各色の電気信号に変換される。CCD109からのカラー情報は、次の増幅器110R,110G,110BでA/D変換器111の入力信号レベルに合わせて増幅される。A/D変換器111からの出力信号は、シェーディング回路112に入力され、ここでランプ103の配光ムラや、CCD109の感度ムラが補正される。シェーディング回路112からの信号は、Y信号生成・色検出回路113及び外部I/F切り替え回路に入力される。
【0029】
Y信号生成・色検出回路113は、シェーディング回路112からの信号を下記の式で演算を行い、Y信号を得る。
Y=0.3R+0.6G+0.1B
さらに、R、G、Bの信号から7つの色に分離し、各色に対する信号を出力する色検出回路を有する。Y信号生成・色検出回路113からの出力信号は、変倍・リピート回路114に入力される。スキャナー・ユニット104の走査スピードにより副走査方向の変倍を、変倍・リピート回路114により主走査方向の変倍を行う。また変倍・リピート回路114により複数の同一画像を出力することが可能である。輪郭・エッジ強調回路115は、変倍・リピート回路114からの信号の高周波成分を強調することによりエッジ強調および輪郭情報を得る。輪郭・エッジ強調回路115からの信号は、マーカエリア判定・輪郭生成回路116とパターン化・太らせ・マスキング・トリミング回路117に入力される。
【0030】
マーカエリア判定・輪郭生成回路116は、原稿上の指定された色のマーカペンで書かれた部分を読みとりマーカの輪郭情報を生成し、次のパターン化・太らせ・マスキング・トリミング回路117で、この輪郭情報から太らせやマスキングやトリミングを行う。また、Y信号生成・色検出回路113からの色検出信号によりパターン化を行う。
【0031】
パターン化・太らせ・マスキング・トリミング回路117からの出力信号は、プリンタ部2に出力する場合は、後述する画像データセレクタ回路118により選択され、レーザードライバ119に入力され、処理された信号をレーザー駆動するための信号に変換する。レーザードライバ119の出力信号は、プリンタ部2に入力され可視像として画像形成が行われる。
【0032】
<画像メモリ120の説明>
図2において、画像メモリ120は、画像データセレクタ回路118により送られた画像データをCPU122の指示により画像メモリ120の指定位置に後述する方法で、記憶及び読み出しを行い、回転処理し、画像をメモリ上で合成する機能を有している。
【0033】
CPU122はリーダ部1を制御するもので、制御プログラム、エラー処理プログラムなどを記憶するROM124と各種プログラムのワークエリアなどのために利用されるRAM125と各種タイマー制御部等から構成される。操作部123は、リーダ部1の画像処理に対する画像編集内容、コピー枚数等の画像動作を指示する各種キー群と、操作時の内容を表示する表示部等を有している。
【0034】
図3は、本実施例の操作部123の詳細を示したものである。この操作部123には、各種キーと、液晶表示装置からなるドットマトリックスで構成される液晶表示部301とが配置されている。
【0035】
液晶表示部301は、装置の状態、コピー枚数、倍率、選択用紙及び各種操作画面を表示し、コントロールキーにより操作される。
【0036】
また、スタートキー303は、コピーをスタートする為のキーであり、復帰キー(リセットキー)304は設定モードを標準状態に復帰するためのキーである。 またキー群305は、コピー枚数、ズーム倍率等を入力させる0〜9までのテンキーとその入力をクリアするためのクリアキーである。濃度キー306は濃度をアップダウンするためのキーであり、これにより調整される濃度は、表示部307に表示される。キー308は自動濃度調整機能をON/OFFするためのキーとその表示部であり、キー309は給紙段及びオート用紙選択を選択するキーで、この選択状態は、前記液晶表示部301に表示される。キー311は等倍、定形縮小/拡大を設定するキーである。またキー310はオート変倍モードを設定する為のキーで、この選択状態は液晶表示部301にも表示される。
【0037】
図4、図5を用いて画像の記憶方法、読み出し方法について説明する。
【0038】
図4の(1)は、画像メモリの1つの記憶容量を示したもので、本実施例では、A3サイズの記憶ができるもので、縦4661×横6596ビットで構成される。この記憶領域が図5に示すように画像レイアウト領域1つと画像記憶領域として、100枚分の画像が記憶できるように構成されている。続いて図4(2)を用いて原稿画像を画像メモリに記憶する場合の例を示したものである。(2)aのように置かれた原稿は、図に示すように矢印の方向に順次読み込まれ、先ず、1ライン目が読み込まれると、(2)bに示されるように(0、0)アドレスをスタート位置にX方向のカウントアップ、Y方向のカウントアップに指定して、先ず1ライン目が読み込まれるとY方向のカウンタが(0、4661)方向に順に書き込まれる。次に2ライン目が読み込まれると、X方向のカウンタがアップされ(1、0)アドレスから(1、4661)アドレス方向に順に書き込まれる。次に3ライン目が読み込まれると、X方向のカウンタがアップされ(2、0)アドレスから(2、4661)アドレスまで書き込まれる。このように読み込み、書き込みを繰り返して(3297、4661)まで書き込まれる。
【0039】
次に(2)を用いてメモリに書き込まれた画像データを読み出す処理を(3)、(4)を用いて説明する。(3)で記憶されたデータは、(3)aに示すように、先ず、1ライン目は、(3271、0)アドレスをスタート位置に、Xカウンタを順にカウントダウン、Y方向のカウンタをアップに指定して(0、0)方向にXカウンタを順にダウンしながら読み出す。次にYカウンタをアップさせ、2ライン目の読み出しが行われ、(3297、1)アドレスから(0、1)の方向に読み出し、順次このように読み出すことにより(3)bの画像を得ることが出来る。
【0040】
(4)では記憶されたデータは、(4)bに示すように先ず1ライン目は(0、0)のアドレスをスタート位置にし、X方向のカウンタをアップ、Y方向のカウンタをダウンに指定して(0、4661)の方向にYカウンタを順次アップしながら読み出す。
【0041】
次に、Xカウンタをアップさせ、2ライン目の読み出しが行われ、(1、0)アドレスから(1、4661)方向に読み出し、順次このように読み出すことにより、(4)bの画像読み出しを行うことが出来る。
【0042】
従って、(2)aに示すA4幅の原稿を(3)の方向で読み出すことで画像を回転しないで読み出すことができる。
【0043】
次に画像レイアウトメモリについて説明する。前述したように(5)a、(5)bのような個々に記憶された画像を読み出し、画像レイアウトメモリの所望の位置に画像を書き込むことにより、(5)cに示すように別々の原稿画像をメモリ上で合成することができる。
【0044】
<プリンタ部2の説明>
図1を参照しながらプリンタ部2の構成および動作について説明する。
【0045】
プリンタ部2に入力された画像信号は、露光制御部201にて変調された光信号に変換されて感光体211を照射する。照射光によって感光体211上に作られた潜像は現像器212によって現像される。上記現像画像の先端とタイミングを併せて転写紙積載部214、または、215より転写紙が搬送され、転写部216において、上記現像された画像が転写される。転写された画像は定着部217にて転写紙に定着された後、排紙部218より装置外部に排出される.排紙部218から出力された転写紙は、パンチユニット250を通り、パンチ機能が働いている場合は、パンチされ、ソータ230に渡され、ソータ230でソート機能が働いている場合には、各ビンに、また、ソート機能が働いていない場合には、ソータの最上位のビンに排出される。
【0046】
続いて、順次読み込む画像を1枚の出力用紙の両面に出力する方法について説明する。
【0047】
定着部217で定着された出力用紙を、一度、排紙部218まで搬送後、用紙の搬送向きを反転して搬送方向切り替え部219を介して再給紙用被転写紙積載部221に搬送する。次の原稿が準備されると、上記プロセスと同様にして原稿画像が読みとられるが、転写紙については再給紙用被転写紙積載部221より給紙されるので、結局、同一出力紙の表面、裏面に2枚の原稿画像を出力することができる。
【0048】
次に本実施例に最も関係する試しコピーの動作を図6〜9のフローチャート、及び図10〜15を用いて説明する。
【実施例1】
【0049】
図6は操作部123、液晶表示部301の制御タスクに関するフローチャートである。
【0050】
この制御部分は電源立ち上げ時から起動され、常にランニング状態になっている。
【0051】
ステップS601ではアイドル状態か否かを判別する。アイドル状態とはコピージョブ他実行されているジョブが何もない状態を言う。ここでYESと判別された場合は、ステップS602へ進み、アイドル状態での制御を行う。NOと判別された場合は、ステップS603へ進み、動作中か否かの判別を行う。ここでコピー動作が実行されている場合は、YESと判別され、ステップS604へ進み、動作中の処理を行う。NOと判別された場合は、ステップS605へ進み、試しコピーの中間状態にあるか否かを判別する。試しコピーの中間状態とは、部数一部の試し出力が終わったのち一度ジョブが中断状態になり、その間ユーザーによる操作を認める状態である。これについては後程詳細に説明する。
【0052】
ステップS605でYESと判別された時は、ステップS606へ進み、試しコピー中間状態の制御を行う。NOと判別された場合は、ステップS601へ戻る。
【0053】
なおこの他にも、紙なし中断中、ジャム処理中などの例外処理状態においてはまた個別の処理が行われるが、特に本発明に関わる部分ではないので省略する。
【0054】
次いで、図7のフローチャートを用いて、上述のステップS602で実行される操作部123のアイドル状態における制御のうち、特に本発明に関わる試しコピーに関する部分について説明する。アイドル状態においては図10のような画面が表示されている。この状態でユーザーは置数、用紙選択、ソート等のコピーモードを設定することができる。図10において、500は試しコピーを設定する試しコピーキーである。通常このキーは表示されておらずモードの設定状態に応じて表示される。これについては以下の図7の説明のなかで述べる。
【0055】
図7のステップS701では、キー群205のテンキーにより置数の設定があったか否かを判別し、YESと判別された場合は、ステップS702で置数の設定を行う。この置数はユーザーによるクリア、再設定が無い限り保持される。この後、ステップS703へ進む。
【0056】
ステップS702でNOと判別された場合は、直接ステップS703へ進む。ここでは置数以外のモード、例えば用紙選択、ソート、両面などのモードが入力されたか否かを判別し、NOならばステップS705へ進む。YESならばステップS704へ進み、入力されたモードを設定した後、ステップS705へ進む。
【0057】
ステップS705、S706では置数が1以上か、またはソート系のモードが設定されているか等を判別する。両方の条件がYESならば、ステップS707へ進み、前述した図10の試しコピーキー500を表示する。これはノンソート系、又は置数1のコピーについては、試しコピーの実行に意味がないため敢えて表示させない措置である。そしてステップS708で試しコピーキーがONにされたか否かを判別する。ONの場合はステップS710において試しコピーモードをONに設定する。この時図11に示すように試しコピーキーは黒反転する。ステップS708で試しコピーキーがONになっていないと判別された場合、及び先のステップS705、S706の判別の何れかでNOと判別された場合は、ステップS709へ進み、試しコピーモードをOFFにする。
【0058】
続いてステップS711でスタートキー203が押下されたか否かを判別する。NOと判別された場合はステップS701へ戻り、アイドル中の処理を繰り返すことになる。YESと判別された場合は、ステップS712へ進み、コピーシーケンス制御タスクを起動する。このときに先ほど設定された置数、試しコピーモード設定、その他のモード設定等のデータが操作部制御タスクからコピーシーケンスタスクに渡される。
【0059】
この後ステップS713へ進み、コピーシーケンスが動作中になるのを待ってからアイドル状態を終了する。
【0060】
次に図8のフローチャートを用いてコピーシーケンスタスクでの制御の中で特に本発明に関わる部分について説明する。
【0061】
前述したようにコピーシーケンスタスクが起動されると、まずステップS801で試しコピーモードが設定されているか否かを判別する。ここでYESと判別された場合はステップS802へ進み、置数を1に設定する。これはユーザーがセットした置数とは別の内部的な処理に使う仮置数であり、試しコピーモード中は部数一部印刷したのち一度中間状態に入る為の措置である。次にステップS803へ進み操作部制御タスクに試しコピーの動作に入ったことを通知する。この通知を受けて操作部制御タスクは、前述のステップS604の動作に入り、この中の制御によって図12のような画面に表示を切り替える。
【0062】
次にステップS804へ進みコピー動作を開始する。ここでは原稿を読込み、画像メモリ120に蓄積しつつ部数1部の印刷を行う。動作が終了した後にステップS806へ進み、試しコピーの中間状態へと移行する。この情報は操作部制御タスクに送られた結果、前述のステップS606の試しコピー中間状態における処理が実行される。
【0063】
この中間状態における処理については図9のフローチャート及び図13、14、15を用いて説明する。
【0064】
中間状態では図13の画面表示が行われる。図13で601は設定変更キー、602は中止キー、603はプリント開始キーである。
【0065】
図9のステップS901では中止キー602が押下されたか否かを判別する。ここでYESと判別された時はステップS916へ進み、コピーシーケンスタスクに中止要求を出す。そしてステップS917でコピーシーケンスがアイドル状態になった事を判別した後、試しコピー中間状態制御を終了する。
【0066】
ステップS901でNOと判別された場合は、ステップS902へ進み、設定変更キー601が押下され、設定変更の要求がなされたか否かを判別する。ここでYESと判別された場合は、ステップS911へ進むが、この時操作部表示は図14のような再設定画面に切り替わる。ステップS911ではキー群205のテンキーの何れかが押下され、置数変更が為されたか否かを判別する。YESの場合は、設定された置数をステップS912で新たに設定し直す。このS912の処理の後、またはステップS911でNOと判別された場合は、ステップS913へ進む。
【0067】
再設定画面においては、用紙選択キー701、ソート設定キー702、綴じ代設定キー703、濃度設定キー704、両面コピー設定キー705が表示され、置数以外にこれらのモード変更を許可している。ステップS913ではこの中の何れかのモードが変更されたか否かを判別し、変更されている場合はステップS914へ進み、モードを再設定する。
【0068】
ステップS914の処理の後、またはステップS913でNOと判別された場合は、ステップS915へ進み、図14の閉じるキー706が押下され、ユーザーが設定変更を終えたか否かを判別し、NOの場合は再びステップS911へ戻る。
【0069】
ステップS915でYESと判別された場合、または前述のステップS902でNOと判別された場合は、ステップS903へ進む。ここで、ステップS911〜S915において何らかの設定変更が為されたと判別した場合は、ステップS904へ進む。この時図15に示すように試しコピーキー801が表示される。これを押下することで、ユーザーは設定変更したモードに基づいて再度試しコピーを行うことが出来る。
【0070】
ステップS904で、この試しコピーキー801が押下されたか否かを判別する。YESと判別した場合は、ステップS909へ進み、コピーシーケンスに再スタートを要求する。ここでは変更されたモード、及びそれ以外の最初に設定されたモードデータが操作部制御タスクからコピーシーケンスタスクに渡される。
【0071】
ステップS904でNOと判別された場合は、ステップS905へ進む。ここではプリント開始キー603が押下されたか否かを判別する。このプリント開始キー603の押下によって、ユーザーはこれまで設定されたモード、又は再設定されたモードに基づいて以下に説明する所定の置数分コピープリントを行ったのちコピージョブを終了できる。
【0072】
ステップS905でNOと判別された場合は、ステップS901へ戻り、中間状態での処理を繰り返すことになる。
【0073】
ステップS905でYESと判別された場合は、ステップS906へ進む。
【0074】
ここで、この中間状態で設定変更がなされたか否かを判別する。NOと判別された場合は、ステップS907へ進み、これまで設定された置数から1を減算して新たな置数として設定する。YESと判別された場合は、この処理が行われず、この中間状態で再設定された置数乃至はそれ以前に設定されていた置数がそのまま保持される。
【0075】
ステップS907の処理の後、またはステップS906でYESと判別された場合は、ステップS908へ進み、試しコピーモードが解除される。これにより次に実行されるコピープリントは前述の手法で決定された置数分印字の後、終了することになる。
【0076】
この処理の後、ステップS909へ進みコピーシーケンスタスクに対して再スター卜要求を出す。そしてステップS910でコピーシーケンスが動作中になったのを確認した後、試しコピー中間状態制御を終了する。
【0077】
ここで再び図8に戻り、中間状態からのコピーシーケンスタスクの動作について説明する。
【0078】
中間状態においてステップS807で操作部制御タスクから再スタート要求が来たか否かを判別する。ここでNOと判別されたらステップS809へ進み、中止要求が来たか否かを判別する。NOならば再びステップS807へ戻り、中間状態での処理を繰り返す。ステップS809でYESと判別されたらステップS810へ進み、中断状態にあるコピーシーケンスを中止させる。その後ステップS813へ進む。ステップS813以降については後程説明する。
【0079】
ステップS807でYESと判別された場合は、ステップS808へ進む。ここでは、まだ試しコピーモードが設定されているか否かを判別する。YESと判別された場合は、ステップS802へ戻り、再び試しコピー動作を行う。ステップS808でNOと判別された場合は、ステップS811へ進み、操作部制御タスクにコピープリント動作を開始したことを通知する。そしてステップS812で再スタート時に再設定されたモード、置数データに基づいてコピープリント動作を開始する。
【0080】
そして動作終了後ステップS813へ進み、操作部制御タスクにコピー動作が終了しアイドル状態に戻ったことを通知した後、コピーシーケンスタスクを終了させる。
【0081】
なお中間状態からの再度の試しコピープリント、試しコピーを解除してのコピープリント時には原稿の読込みは行わず、最初に画像メモリ120に蓄積した原稿画像データを読み出し、これにその時設定されているモードの処理を施すことでプリントを行う。
【0082】
以上の制御により試しコピーは次のように動作することになる。
【0083】
まず試しコピーが設定されている場合は常に一部分のコピープリントが行われた後、再設定可能な中間状態に移行する。中間状態で再度試しコピーを行った場合は上述と同じ動作を行う。
【0084】
プリント開始キー603によるプリント、即ち、試しコピーモードを解除してのコピープリントで置数は次のように処理される。
【0085】
まず、その中間状態でモードが変更されたならば、置数は先に設定されたものをそのまま使い、置数分だけプリントを行う。これはモード変更後の印字分がユーザーが得ようとする印字結果であり、それ以前に出力された試しコピー分は考慮しないであろうという主旨によるものである。
【0086】
モードが中間状態で変更されなかった場合は、ユーザーは先に出力した試しコピーを良しとして、このまま縦続してプリントを行おうとする意志に基づくものであることが推測できる。この場合は、先にプリントした試しコピー分も有効と考え、その1部の分だけ置数を減らして残りのコピープリントを行うことでユーザーが得ようとした置数分の印字を提供できることになる。
【0087】
また試しコピーモードが設定されて試し印刷が行われている間は常に印字は1部とするが、当初設定された置数は変更されない。
【0088】
すなわちユーザーが試しコピーを行う場合に、モード変更時、常に置数変更を行うことを意識することなく最終的にユーザーが望む置数分だけのプリントを提供でき極めて有効である。
【0089】
さらに、前述の実施例では本発明をコピーに応用したが、本発明はこれに限定されない。
【0090】
例えば、デジタル複写機においては近年、ボックス機能なるものが考案されている。
【0091】
これはスキャナー、乃至は外部機器から転送されてくる画像データを画像メモリ内に永続的に保存しておき、それを印字しようとするときに随時印字できるように提供したものである。このボックスからの印字でも試しプリントが適用でき、また本発明の応用も有効である。
【0092】
またFAXデータを受信し、それをメモリに一旦保存し、ユーザーの操作によって読み出してプリントする場合にも、試しプリントが適用でき、本発明の応用も有効になってくる。
【0093】
このように本発明はメモリに貯えられた画像を読み出して印字を行い、読み出す毎に所定のモード変更が可能な機器全てに対しての応用が可能である。
【符号の説明】
【0094】
1 画像読取り部
2 画像記録部
22 画像処理部
101 原稿給送装置
102 原稿台ガラス面
103 ランプ
104 スキャナー・ユニット
105〜107 ミラー
108 レンズ
109 CCD
110R、110G、110B 増幅器
111 A/D変換器
112 シェーディング回路
113 Y信号生成・色検出回路
114 変倍・リピート回路
115 輪郭・エッジ強調回路
116 マーカエリア判定・輪郭生成回路
117 パターン化・太らせ・マスキング・トリミング回路
118 画像データセレクタ回路
119 レーザードライバ
120 画像メモリ
121 コネクタ
122 CPU
123 操作部
124 ROM
125 RAM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を入力する画像入力手段と、入力された画像を記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶された画像を読み出して画像を形成する画像形成手段とを具備すると共に、画像印刷時に設定されたモードに応じて前記画像形成手段を制御することが可能な制御手段を具備する画像形成装置において、画像形成時、試し印字モード設定ができ、この試し印字モード設定が有効な間は、1部の印字を行った後、画像形成動作を一時中断し、再度モード設定変更が可能な機能を有し、前記試し印字モードが解除された後の印字操作の際に、印字直前の中断状態でのモード変更に応じて置数を所定の値に設定可能とすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記試し印字モードが解除された後の印字操作において、印字直前の中断状態で置数が変更された場合は、その置数分だけ印字を行うことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記試し印字モードが解除された後の印字操作において、印字直前の中断状態で置数以外のモードが変更された場合は、それ以前に設定された置数分だけ印字を行うことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記試し印字モードが解除された後の印字操作において、印字直前の中断状態でモードが変更されなかった場合は、それ以前に設定された置数から1を減算した分の置数を設定し、その置数分だけ印字を行うことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記試し印字モードにより、試し印字が行われた場合には、常に1部だけ印字を行い、設定された置数については変更しないことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項6】
画像を入力するステップと、入力された画像を記憶するステップと、記憶された画像を読み出して画像を形成するステップとを有し、且つ画像印刷時に設定されたモードに応じて前記画像形成方法を制御するステップを具備する画像形成方法において、画像形成時、試し印字モード設定ができ、この試し印字モード設定が有効な間は、1部の印字を行った後、画像形成動作を一時中断し、再度、モード設定変更が可能であり、前記試し印字モードが解除された後の印字操作の際に、印字直前の中断状態でのモード変更に応じて置数を所定の値に設定ができるステップとを含むことを特徴とする画像形成方法。
【請求項7】
請求項6に記載の画像形成方法を実現する為のプログラムを格納したことを特徴とする記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−6081(P2010−6081A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−236581(P2009−236581)
【出願日】平成21年10月13日(2009.10.13)
【分割の表示】特願2000−161857(P2000−161857)の分割
【原出願日】平成12年5月31日(2000.5.31)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】