説明

画像形成装置及び画像形成方法

【課題】RFID読み込み/書きこみ機能を搭載した画像形成装置において、用紙引き込み機能を持たない場合であっても、RFIDタグの読み取り不可を検出した後に、既に印刷された箇所に対して、該箇所に表された情報内容に応じた形での再印刷が可能となる画像形成装置を提供する。
【解決手段】記録紙に設けられたRFIDタグへの読み取り/書き込みを行うRFID読み取り/書き込み装置を具備した画像形成装置は、RFID読み取り/書き込み装置による読み取りの可否を判定する判定手段と、記録紙を搬送する搬送手段と、搬送手段の搬送方向と垂直な方向にスキャンして記録紙を印刷する印刷手段と、記録紙の印刷状態を検出する検出手段と、を有し、印刷手段は、判定手段による判定結果及び検出手段による検出結果に基づいて、記録紙に対して特定パターン画像の印刷を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び画像形成方法に関し、特に、非接触でデータを読み出しあるいは書き込みをすることができるRFID読み込み/書き込み装置を備えた画像形成装置に好ましく適用される技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電波を利用した認証技術として、RFID(Radio Frequency Identification)が注目されている。このRFIDでは、タグやラベル状に加工されたアンテナ付IC(Integrated Circuit)チップを物や人に付与し、そこに記憶された情報を読み出し/書き込み装置で読み取ることで、物体認識や個人認証等を行うことができる。
【0003】
このようなRFIDの技術を利用して、記録紙に埋め込まれたICチップを読み込みあるいは書き込みし、読み込んだあるいは書き込んだ情報に基づいて記録紙に画像形成を行うことも行われている。これは、現在普及途上段階であるRFIDを現在主流のバーコードと平行して利用するために、1つのタグにバーコードの印刷とRFIDの書き込みを行うことや、規格外の印刷用紙や使用期限を経過した印刷用紙への印刷を防止するために、読み込んだ情報によりプリントしたりプリントを禁止したりすることで用いられる。
【0004】
前者を行う手段として、例えば特許文献1では、RFID読み込み/書き込み装置を内蔵し、RFIDの書き込みのエラー検出を行うことができるRFID読み込み/書き込み装置付きプリンタが開示されている。当該プリンタは、RFID読み込み/書き込み装置で読み取られたRFIDタグのデータに基づいてラベルに印刷を行うものである。また、同文献では、RFIDの読み込みが不可となった場合に、印刷用紙に印刷データを印字しないで特定パターンを印字して排出する技術も開示されている。
【0005】
また、後者を行う手段として、例えば特許文献2では、不適正な印刷用紙による印刷を防止するとともに、印刷に対する新たな課金処理方法を提供する印刷装置が開示されている。当該印刷装置は、印刷用紙に埋め込まれた記憶素子を読み込み、読み込んだ所定の識別情報が適正な情報であるときにだけ印刷処理を実行し、所定の識別情報を読み込むことができないときや読み込んだ所定の識別情報が適正な情報でないときには印刷用紙を排出して印刷用紙は実行しない。
【特許文献1】特開2001−96814号公報
【特許文献2】特開2004−142188号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1で開示されたRFID読み込み/書き込み装置付きプリンタは、特定パターンの印字に際し、印刷用紙を一旦引き戻して既に印刷した部分を特定パターンで上書きして塗りつぶすものである。このため、用紙を引き戻す機構として、ギアやクラッチ等のメカ的な追加機構が必要であり、その分プリンタのサイズアップ、価格アップが発生することになる。特許文献2で開示された印刷装置は、印刷処理の前に印刷用紙に埋め込まれた記憶素子の識別情報を判定するもので、既に印刷してしまった後に不適正な識別情報や読み込み不可を検出した場合の対応については開示されていない。つまり、特許文献1や特許文献2による発明では、コンパクトサイズで低価格なプリンタである、用紙引き込み機能を持たないプリンタは、読み込み不可を検出したとき、既に印刷されてしまった箇所への対応ができない。仮に、当該箇所に機密性の高い情報が印刷されていた場合にはセキュリティ管理の点から問題がある。
【0007】
本発明は、上述したような事情に鑑み、RFID読み込み/書きこみ機能を搭載した画像形成装置において、用紙引き込み機能を持たない場合であっても、RFIDタグの読み取り不可を検出した後に、既に印刷された箇所に対して、該箇所に表された情報内容に応じた形での再印刷が可能となる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成するために、本発明は、記録紙に設けられたRFIDタグへの読み取り/書き込みを行うRFID読み取り/書き込み装置を具備した画像形成装置において、RFID読み取り/書き込み装置による読み取りの可否を判定する判定手段と、記録紙を搬送する搬送手段と、搬送手段の搬送方向と垂直な方向にスキャンして記録紙を印刷する印刷手段と、記録紙の印刷状態を検出する検出手段と、を有し、印刷手段は、判定手段による判定結果及び検出手段による検出結果に基づいて、記録紙に対して特定パターン画像の印刷を行うことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上記の画像形成装置において、印刷手段は、判定結果が読み取り不可で、かつ、検出結果が印刷領域ありの場合に、記録紙に対して特定パターン画像の印刷を行うことを特徴とするものであってもよい。
【0010】
また、本発明は、上記の画像形成装置において、判定手段は、あらかじめ印刷データ中に設定されたセキュリティ対象画像領域への印刷が終了するまでに読み取りの可否を判定することを特徴とするものであってもよい。
【0011】
また、本発明は、上記の画像形成装置において、判定手段は、セキュリティ対象画像領域への印刷が1スキャン終了した後に読み取りの可否を判定することを特徴とするものであってもよい。
【0012】
また、本発明は、上記の画像形成装置において、搬送手段は、セキュリティ対象画像領域への印刷が1スキャン終了した後に記録紙の搬送を停止し、印刷手段は、判定結果が読み取り不可で、かつ、検出結果が印刷領域ありの場合に、搬送手段により停止された印刷位置で、記録紙の1スキャン分印刷された画像領域に対して特定パターン画像の上書き印刷を行うことを特徴とするものであってもよい。
【0013】
また、本発明は、上記の画像形成装置において、印刷手段は、セキュリティ対象画像領域のセキュリティレベルに基づいて、1スキャン分印刷された画像領域に対して特定パターン画像の上書き印刷を行うことを特徴とするものであってもよい。
【0014】
また、本発明は、上記の画像形成装置において、印刷手段は、セキュリティレベルに基づいて、1スキャン分印刷された画像領域以降の画像領域に対して特定パターン画像の印刷を行うことを特徴とするものであってもよい。
【0015】
また、本発明は、上記の画像形成装置において、印刷手段は、判定結果が読み取り不可で、かつ、検出結果が印刷領域なしの場合に、記録紙に対して特定パターン画像の印刷を行わないことを特徴とするものであってもよい。
【0016】
また、本発明は、上記の画像形成装置において、印刷手段は、特定パターン画像の印刷として、べた印刷、模様印刷、文字印刷のいずれか、又はこれらを組み合わせた印刷を行うことを特徴とするものであってもよい。
【0017】
また、本発明は、上記の画像形成装置において、印刷手段は、セキュリティレベルに基づいて、特定パターン画像を選択して印刷することを特徴とするものであってもよい。
【0018】
また、本発明は、上記の画像形成装置において、印刷手段は、記録紙の文字及びオブジェクトが印刷された画像領域に対してべた印刷又は模様印刷を行い、印刷されていない画像領域に対してはべた印刷又は模様印刷を行わないことを特徴とするものであってもよい。
【0019】
他の態様として、本発明は、記録紙に設けられたRFIDタグへの読み取り/書き込みを行うRFID読み取り/書き込み装置を具備した画像形成装置が行う画像形成方法において、RFID読み取り/書き込み装置による読み取りの可否を判定する判定ステップと、記録紙を搬送する搬送ステップと、搬送ステップによる搬送方向と垂直な方向にスキャンして記録紙を印刷する印刷ステップと、記録紙の印刷状態を検出する検出ステップと、を有し、印刷ステップは、判定ステップによる判定結果及び検出ステップによる検出結果に基づいて、記録紙に対して特定パターン画像の印刷を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、RFID読み込み/書きこみ機能を搭載した画像形成装置において、用紙引き込み機能を持たない場合であっても、RFIDタグの読み取り不可を検出した後に、既に印刷された箇所に対して、該箇所に表された情報内容に応じた形での再印刷が可能となる画像形成装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
【0022】
図1は、本実施形態の画像形成装置のハード構成を示したブロック図である。画像形成装置100は、プリンタコントローラ101、認識ユニット102、RFタグリーダライタ103、制御ユニット104、操作ボード105、周辺機器接続ユニット106、メモリ107、バッファ108、ドライバ109、印刷ヘッド110、モータドライバ111、ヘッド移動モータ112、及び用紙搬送モータ113から構成される。
【0023】
プリンタコントローラ101は、制御ユニット104、周辺機器接続ユニット106、メモリ107、バッファ108と画像データや制御データのやり取りを行う。認識ユニット102は、RFタグリーダライタ103が読み取ったデータを受け取ってその内容を認識し、あるいはRFタグリーダライタ103へ書き込むデータを送出する。RFタグリーダライタは、RFIDタグ(以下、RFタグという)に対してデータの読み込み/書き込みを行う。
【0024】
制御ユニット104は、認識ユニット102、操作ボード105、プリンタコントローラ101とデータのやり取りを行うとともに、画像形成装置100全体の動作を制御する。操作ボード105は、ユーザが操作内容を入力するための入力装置である。周辺機器接続ユニット106は、USB(Universal Serial Bus)やLAN(Local Area Network)等を介して外部機器と接続するためのインタフェースから構成される。メモリ107は、外部装置から受信した画像データを記憶する。
【0025】
バッファ108は、プリンタコントローラ101から受け取った印刷対象の画像データを一時的に保持し、ドライバ109へ送出する。ドライバ109は、バッファ108からの画像データに基づいてヘッド動作の制御データを印刷ヘッド110へ送出する。印刷ヘッド110は、ドライバ109からの制御データに基づきインクを吐出して記録紙へ画像記録を行う。
【0026】
モータドライバ111は、制御ユニット104から受け取った操作内容データに基づいてのモータ動作の制御データをヘッド移動モータ112及び用紙搬送モータ113に送出する。ヘッド移動モータ112は及び用紙搬送モータ113は、モータドライバ111からの制御データに基づいて、ヘッドを移動させるためのモータや用紙を搬送するためのモータを駆動させる。
【0027】
画像記録動作及びRFタグ読み込み/書き込み動作について説明する。周辺機器接続ユニット106から入力された原稿画像がプリンタコントローラ101を介してメモリ107に記憶される。メモリ107から読み出された記録画像データは、プリンタコントローラ101より、バッファ108及びヘッドドライバ109を経て、印刷ヘッド110に入力される。こうして、記録画像データに応じてヘッド駆動が行われ、インクを記録用紙に吐出することで、同時に、モータドライバ111からの命令で、印刷ヘッド110の位置を移動させるヘッド移動モータ112の駆動及び用紙搬送モータ113の駆動を実施することで、原稿画像の印刷が実現される。
【0028】
また、オペレータからの指示情報は、画像形成装置100の上面に配置された操作ボード105のキー入力操作によって入力される。制御ユニット104は、操作ボード105上の各種表示板の表示を制御するとともに、操作ボード105から入力されるキー入力情報を読み取って、印刷条件及びプリンタの動作条件を取得し、プリンタコントローラ101の各部に指示する。
【0029】
また、制御ユニット104は、認識ユニット102からの認識結果を受信して、画像形成装置100の印刷制御も行う。認識ユニット102には、RFタグリーダライタ103が接続されている。RFタグリーダライタ103は、原稿画像を記録する記録用紙にあらかじめ設けられている非接触型記憶媒体内の情報を読み取り、または書き込み可能な装置である。この記憶媒体は、本実施形態では、非接触型で説明しているが、接触型でもよい。認識ユニット104は、これらの情報を入手し、これら情報から得た認識結果を制御ユニット104に送信する。
【0030】
図2は、本実施形態の画像形成装置の概略構成を示した側面図である。なお、当該画像形成装置は、インク液滴をインクヘッドから吐出して記録用紙に着弾させることで画像記録を行うインクジェット記録方式を採用したものである。
【0031】
画像形成装置100は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材であるガイドロッド1とガイドレール2とで可動体であるキャリッジ3を主走査方向に摺動自在に保持し、主走査モータ4(図1のヘッド移動モータ112に対応)で駆動プーリ(不図示)と従動プーリ(不図示)間に架け渡したタイミングベルト5を介して主走査方向に移動変位させる。キャリッジ3には、例えば、それぞれイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)のインク滴を吐出する液滴吐出ヘッドからなる4個の記録ヘッド7(図1の印刷ヘッド110に対応)を、複数のインク吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
【0032】
記録ヘッド7を構成する液滴吐出ヘッドとしては、圧電素子等の圧電アクチュエータ、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータといった、インクを吐出するためのエネルギー発生手段として備えたものを使用することができる。なお、異なる色を吐出する複数のノズル列を備えた1つ又は複数の液滴吐出ヘッドで記録ヘッドを構成することもできる。
【0033】
キャリッジ3には、記録ヘッド7に各色のインクを供給するための各色のサブタンク8を搭載している。このサブタンク8には、インク供給チューブ9を介して図示しないメインタンク(インクカートリッジ)からインクが補充供給される。なお、インク滴を吐出する記録ヘッド7以外に、記録液(インク)と反応することでインクの定着性を高める定着用処理液(定着用インク)を吐出する記録ヘッドを備えることもできる。さらに、キャリッジ3にはキャリッジ3の加速度を検出する加速度検出手段である加速度センサ(不図示)を備えている。
【0034】
一方、給紙カセット10等の記録用紙積載部(圧板)11上に積載した記録用紙12を給紙するための給紙部として、記録用紙積載部11から記録用紙12を1枚ずつ分離給送する半月コロ13(以下、給紙ローラ13という)及び給紙ローラ13に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド14を備え、この分離パッド14は給紙ローラ13側に付勢されている。
【0035】
そして、この給紙部から給紙された記録用紙12を記録ヘッド7の下方側で搬送するための搬送部として、記録用紙12を静電吸着して搬送するための搬送ベルト21と、給紙部からガイド15を介して送られる記録用紙12を搬送ベルト21との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ22と、略鉛直上方に送られる記録用紙12を略90°方向転換させて搬送ベルト21上に倣わせるための搬送ガイド23と、押さえ部材24で搬送ベルト21側に付勢された先端加圧コロ25とを備えている。また、搬送ベルト21表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ26を備えている。
【0036】
搬送ベルト21は、無端状ベルトであり、搬送ローラ27とテンションローラ28との間に掛け渡されて、副走査モータ31(図1の用紙搬送モータ113に対応)からタイミングベルト32及びタイミングローラ33を介して搬送ローラ27が回転されることで、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。なお、搬送ベルト21の裏面側には記録ヘッド7による画像形成領域に対応してガイド部材29を配置している。また、帯電ローラ26は、搬送ベルト21の表層に接触し、搬送ベルト21の回動に従動して回転するように配置され、軸の両端に加圧力をかけている。
【0037】
また、搬送ローラ27の軸には、スリット円板34を取り付け、このスリット円板34のスリットを検知するセンサ(不図示)を設けて、これらのスリット円板34及びセンサによってエンコーダを構成している。また、キャリッジ3の前方側には、スリットを形成したエンコーダスケール42を設け、キャリッジ3の前面側にはエンコーダスケール42のスリットを検出する透過型フォトセンサからなるエンコーダセンサ43を設け、これらによって、キャリッジ3の速度及び主走査方向位置を検知するためのエンコーダ44を構成している。
【0038】
さらに、記録ヘッド7で記録された記録用紙12を排紙するための排紙部として、搬送ベルト21から記録用紙12を分離するための分離部と、排紙ローラ52及び排紙コロ53と、排紙される記録用紙12をストックする排紙トレイ54とを備えている。また、背部には両面給紙ユニット61が着脱自在に装着されている。この両面給紙ユニット61は搬送ベルト21の逆方向回転で戻される記録用紙12を取り込んで反転させて再度カウンタローラ22と搬送ベルト21との間に給紙する。
【0039】
このように構成した画像形成装置においては、給紙部から記録用紙12が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された記録用紙12はガイド15で案内され、搬送ベルト21とカウンタローラ22との間に挟まれて搬送され、さらに先端を搬送ガイド23で案内されて先端加圧コロ25で搬送ベルト21に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
【0040】
このとき、図示しない制御回路によって高圧電源から帯電ローラ26に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト21が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト21上に記録用紙12が給送されると、記録用紙12が搬送ベルト21に静電力で吸着され、搬送ベルト21の周回移動によって記録用紙12が副走査方向に搬送される。
【0041】
そこで、キャリッジ3を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド7を駆動することにより、停止している記録用紙12にインク滴を吐出して1行分を記録し、記録用紙12を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は記録用紙12の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、記録用紙12を排紙トレイ54に排紙する。
【0042】
なお、画像形成装置100は、コンパクトで低価格な画像形成装置であり、用紙の引き込み機能を持たない。また、RFタグリーダライタ80(図1のRFタグリーダライタ103に対応)は、記録用紙12の搬送路の搬送方向において、記録ヘッド7の前段に設置されている。RFタグリーダライタ80の設置位置は、記録ヘッド7の後段にあってもよいが、印刷ヘッドより先にRFタグの読み取りを実施したほうがよいことから前段に設ける方が好ましく、本実施形態でも図1に示すとおり記録ヘッド7の前段に設置している。
【0043】
ユーザが記録用紙積載部11に設置する記録用紙12の向きによって、記録用紙12の四隅に設置されているRFタグが、用紙搬送方向に対して、先頭に来る場合と、後尾に来る場合がある。先頭に来る場合は、記録用紙12が印刷ヘッドに到達する前に、RFタグリーダライタ80に到達するため、記録ヘッド7の印刷開始より先に、RFタグの読み取りが実施できる。しかし、後尾に来る場合は、記録ヘッド7の印刷開始より後に、記録用紙12のRFタグがRFタグリーダライタ80に到達する。
【0044】
RFタグの読み取りは電波で行うため、RFタグリーダライタ80はRFタグとの距離が若干あっても、読み取りは実施できる。しかし、微弱な電波であることから、距離に制限があり、例えばRFタグが用紙搬送方向に対して後尾に来る場合には、RFタグの読み取りが完了するまでの間に、記録ヘッド7によって若干の印刷が行われてしまう。本実施形態では、このようなケースにおいても、後述するように、画像形成装置100は、柔軟に、そしてセキュリティ上問題なく対応することが可能である。
【0045】
次に、本実施形態の画像形成装置が行う、RFタグ読み取り不可判明時の印刷済み画像領域に対する動作について説明する。図3は、本実施形態における印刷済み画像領域に対する対応動作の流れを示したフローチャートである。
【0046】
まず、ユーザは、PC上のアプリケーションを用いて、印刷情報(原稿)を作成する。本実施形態では、画像形成装置に、作成作業において、該印刷情報の印刷命令を出す前に、印刷ページ内における所望の箇所について、セキュリティ領域の設定及びセキュリティレベルの設定をすることが可能となっている。これは、ページの最初でもよく、また、ページ全体をまとめてセキュリティ領域としての設定することも可能である。
【0047】
ユーザによりセキュリティ箇所を設定された印刷情報(原稿)は、該アプリケーション上から画像形成装置に印刷要求される。印刷情報は、印刷要求とともに、図1の周辺機器接続ユニット106に入力される。この状態は、図3のフローチャートにおいては、「スタート」に入ったことを示す。その後、画像形成装置は、RFタグを具備した白紙の記録用紙を給紙トレイから印刷ヘッド(図1)へ搬送開始する(ステップS1)。そして、画像形成装置は、搬送開始とともにRFタグリーダライタを作動させ、記録用紙におけるRFタグの読み取りを開始する(ステップS2)。RFタグリーダライタは微弱な電波を発生し、RFタグに記憶されたデータの読み取り/書き込みを実現する。
【0048】
続いて、印刷ヘッドによる記録用紙への画像記録(印刷動作)が開始する(ステップS3)。印刷動作とは、印刷ヘッドが記録用紙の搬送速度と同期させられて駆動され、インク液滴を吐出することで、記録用紙上に印刷情報(原稿画像)を形成していくことで実現される。印刷動作を実行中において、ユーザがあらかじめ設定した原稿内におけるセキュリティ領域の1スキャン分の印刷が終了する(ステップS4)と、画像形成装置は、その時点で記録用紙の搬送及び印刷ヘッドの駆動を停止する(ステップS5)。同時にRFタグリーダライタは、この時点まで、RFタグの読み取り動作を行って読み取りの可否を判定する(ステップS6)。
【0049】
RFタグの読み取り可否が読み取り可と判定された場合(ステップS7/YES)は、画像形成装置は、印刷を続行と判断して印刷動作を再開する(ステップS8)。そして、ページ末端まで印刷動作を実施することで、印刷情報(原稿)の記録用紙への画像記録を完了させる。
【0050】
他方、RFタグの読み取り可否が読み取り不可と判定された場合(ステップS7/NO)は、画像形成装置はこの時点までに、記録用紙に対する印刷状況について、白紙(空白)か白紙でない(印刷済)かを、印刷ヘッドへ転送した印刷情報の履歴より判定する(ステップS9)。判定結果が白紙(空白)であった場合(ステップS9/YES)は、画像形成装置は、記録用紙へのその後の印刷動作を行わず白紙として排紙する(ステップS10)ことで、一連の印刷動作を完了させる(第1のパス)。
【0051】
記録用紙に対する印刷状況の判定結果が白紙(空白)でない(=印刷済)であった場合(ステップS9/NO)は、セキュリティ箇所である1スキャン分の印刷済エリアを上書きするか、あるいは上書きしないかを判定する(ステップS11)。この判定は、ユーザがあらかじめ印刷情報(原稿)に対して設定したセキュリティレベル、及び画像形成装置に設定されたセキュリティレベルごとの印刷処理設定に基づいて行われる。なお、画像形成装置に設定されたセキュリティレベルごとの印刷処理設定は、図1の操作ボード105及び周辺機器接続ユニット106を介してPC上のアプリケーションから事前に画像形成装置に対して設定されるもので、ユーザによる変更が可能である。
【0052】
これら設定に基づいて、上書き印刷と判定された場合(ステップS11/YES)は、第2のパスあるいは第4のパスによるフローとなる。上書き印刷と判定された場合、画像形成装置は、用紙搬送を止めた状態で、印刷ヘッドのみを駆動させることで、セキュリティ箇所である1スキャン分の印刷済みエリアに対して、特定パターンの上書き印刷を行う(ステップS12)。
【0053】
セキュリティ箇所の1スキャン分の印刷済みエリアに対する上書き印刷が実施された後(ステップS12)、該印刷済みエリアより後にスキャンされるエリアについてさらに印刷を行うかが判定され(ステップS14)、印刷実行が判定されたとき(ステップS14/YES)は、該後にスキャンされるエリアに対して特定パターンの印刷が行われ(ステップS15)、一連の印刷動作が完了となる(第2のパス)。逆に、印刷実行しないと判定されたとき(ステップS14/NO)は、該後にスキャンされるエリアに対して特定パターンの印刷を行わず(ステップS16)、一連の印刷動作を完了する(第4のパス)。
【0054】
セキュリティレベル設定やセキュリティレベルごとの印刷処理設定により、上書き印刷をしないと判定された場合(ステップS11/NO)は、第3のパスあるいは第5のパスによるフローとなる。上書き印刷をしないと判定された場合、画像形成装置は、印刷ヘッドの駆動を止めたまま、用紙搬送のみを動作することで、印刷ヘッドを記録用紙上の次スキャン位置まで移動させる(ステップS13)。上書き印刷をしないと判定されるケースとしては、セキュリティ箇所に設定されていたセキュリティレベルが最高レベルでないケースや、セキュリティ箇所の面積に対して印刷ヘッドの面積が小さいため1スキャン分の印刷では情報の内容が判断できないケース等が考えられる。これらケースでは、インクの消費量を押さえることを考慮してユーザがアプリケーション上設定を行い、該設定に基づいて上書き印刷をしないと判定される。
【0055】
セキュリティ箇所の1スキャン分の印刷済みエリアに対する上書き印刷を行わずに用紙搬送が実施された後(ステップS13)、該印刷済みエリアより後にスキャンされるエリアについて印刷を行うかが判定され(ステップS14)、印刷実行が判定されたとき(ステップS14/YES)は、該後にスキャンされるエリアに対して特定パターンの印刷が行われ(ステップS15)、一連の印刷動作が完了となる(第3のパス)。逆に、印刷実行しないと判定されたとき(ステップS14/NO)は、該後にスキャンされるエリアに対して特定パターンの印刷を行わず(ステップS16)、一連の印刷動作を完了する(第5のパス)。
【0056】
特定パターンの印刷としては、べた印刷、模様印刷、文字印刷等を行うことができる。これらを単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。また、ユーザの設定したセキュリティレベルに応じて切り換えることも可能である。また、べた印刷及び模様印刷は印字済み画像情報の文字やオブジェクトについて実行し、用紙の余白には実行しないといったように印刷領域を適宜指定することもできる。
【0057】
本実施形態では、一連の印刷時間を短縮するために、例えば特開2002−337414で開示されたような最短印字制御を用いることもユーザにとって有効である。また、本実施形態における上記フローが適用可能な印字制御として、クロス制御が挙げられる。クロス制御とは、記録ヘッドを搭載したキャリッジの主走査方向の駆動と、記録用紙の搬送における副走査方向の駆動において、協調的に両駆動をオーバラップさせる制御をいう。印字処理を高速化させるために、理想的には、副走査(LF)完了前に主走査(CR)の駆動を開始し、CRが記録領域に達した瞬間にちょうどLFが停止するように駆動のタイミングを管理するものである。このような時間管理を行わないと、LFが動作している最中にCRが記録領域に達してしまい、斜行記録を引き起こしたり、逆に、LF駆動と重ならずに記録も行わない無駄なCRの空走区間が生じたりしてしまう。
【0058】
なお、上述する実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
【0059】
すなわち、上記した実施形態における画像形成装置は、プログラムの命令によりコンピュータで実行される処理、手段、機能によって動作する。当該プログラムは、コンピュータの各構成要素に指令を送り、先に述べたような所定の処理や機能、例えば、制御ユニット104により、認識ユニット102からのRFタグ読み取り結果や、プリンタコントローラ101からの印刷情報の履歴(印刷ヘッド110へ伝送した印刷情報の履歴)及び画像ごとのセキュリティレベル設定等に基づいて、特定パターンの上書き印刷を実行するか否かを判定し、ドライバ109やモータドライバ111へ制御データを送出して印刷ヘッド110やヘッド移動モータ112、用紙搬送モータ113を駆動制御する処理を行う。このように、上記実施形態における各処理や手段は、プログラムとコンピュータとが協働した具体的手段によって実現されるものである。
【0060】
そして、上記実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、すなわち記憶メディアを介して、例えば画像形成装置のコンピュータ(CPU)が記憶メディアに格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、本発明の目的は達成される。また、プログラムは、記録メディアを介さず、通信回線を通じて直接にコンピュータにロードし実行することもでき、これによっても同様に本発明の目的は達成される。
【0061】
この場合、記憶メディアから読み出された又は通信回線を通じてロードし実行されたプログラムコード自体が前述の実施形態の機能を実現することになる。そして、そのプログラムコードを記憶した記憶メディアは本発明を構成する。
【0062】
また、プログラムコードを供給するための記憶メディアとしては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、不揮発性のメモリカード、ROM、磁気テープ等を用いることができる。
【0063】
RFタグ付用紙のRFタグ読み取りの実情として、多量の用紙をセットされた場合、用紙のRFタグに機能的問題がないにもかかわらず、複数枚の用紙において、RFタグ読み取りNGが発生している。この場合、NGであった用紙だけを再度セットし、読み取りを実施すると読み取りが可能である。他方で、用紙の引き込み機能のない画像形成装置において、RFタグの読取が不可であった場合、従来は、不正印刷の抑制を目的に、特定パターンの印刷を行っていた。これら装置は、不可と判断した瞬間の用紙の印刷状況が空白であっても、特定パターンの印刷を実施していたため、本来用紙として再利用可能な物でも、破棄の対象となっていた。上記の実施形態では、用紙への印刷済エリアの印刷状態を把握することで、このような状況においても、用紙の再利用が可能となっている。
【0064】
RFタグの読み取り時間は、長いほど、読み取りリトライを実施する回数が増え、読み取り成功の頻度が上がる。前述したとおり、機能的に問題がないRFタグの読取NGは、読み取りリトライ回数を増やすことで、NGと判断される用紙の枚数低減が図れる。結果、用紙のコスト削減及び、印刷時間の短縮化が図れる。上記の実施形態では、セキュリティレベルの高い箇所の印刷までの間、RFタグの読み取り時間として使用できるため、NGと判断される用紙の枚数削減が図れる。また、セキュリティレベルの高い印刷箇所は、ユーザが任意に設定することが可能なので、様々なオフィス環境における要求に柔軟に対応することが可能である。
【0065】
上述したとおり、用紙引き込み機能のないコンパクトで安価な画像形成装置において、RFタグの読取成功率を上げるために、読み取り時間をぎりぎりまで延ばすことが可能である半面、RFタグ付用紙のセット方法によっては、RFタグの読取完了前に、印刷が始まっているケースもあり、難点も持ち合わせている。例えば、ユーザが用紙の搬送方向対して、用紙の後尾にRFタグが位置するように、用紙を設定した場合等がそうである。上記の実施形態では、対策として、原稿内の重要部分に着眼し、重要部分(セキュリティの高い箇所)の印刷が1スキャン分印刷完了したところで、印刷ヘッドと用紙搬送を止めることが、第1の特徴である。その後、RFタグの読み取り結果がNGであった場合、用紙搬送は止めたまま、印刷ヘッドだけ駆動して、1スキャン分の印刷済エリアを上書きすることができる点が第2の特徴である。これら特徴を持ち合わせることで、RFタグの読み取り時間を増加することができ、且つ読み取りがNGであった場合の不正印刷の抑止も可能としている。
【0066】
また、本実施形態では、RFタグ読み取りがNGであった際の印字済みエリアの処理方法として、特定パターンの上書き印刷の実行、上書き印刷の不実行の2種を用意しており、この2種選択は、印刷済エリアの印刷状態、及び、前述したユーザが任意に設定可能であるセキュリティレベルをもとに、処理方法を選択できるようになっている。このような、仕組みを具備することで、環境の異なる様々なユーザの要求に柔軟に対応できる画像形成装置を提供することが可能となる。
【0067】
また、本実施形態では、RFタグ読み取りがNGであった際の、印字済みエリア以降のエリアに対する印刷処理として、特定パターンの印刷の実行、上書き印刷の不実行の2種を用意しており、この2種選択は、印刷済エリアの印刷状態、及び、前述したユーザが任意に設定可能であるセキュリティレベルをもとに、処理方法を選択できるようになっている。このような、仕組みを具備することで、環境の異なる様々なユーザの要求に柔軟に対応できる画像形成装置を提供することが可能となる。
【0068】
また、RFタグ読み取りがNGと判断されたとき、印刷済エリアが空白であった場合、従来特定パターン印刷では、用紙は破棄対象となっていたが、上記の実施形態では、用紙の再利用を目的として、白紙として排紙することができる。白紙として排紙された用紙は、RFタグが機能的に問題なければ、RFタグ付用紙として再利用可能であり、RFタグが機能的に問題あったとしても、RFタグなしの用紙として再利用することが可能である。
【0069】
上記の実施形態では、特定パターンの印刷として、べた印刷、模様印刷、文字印刷を用いることができる。特定パターン印刷でべた印刷を用いる場合、印刷済エリアも含め、RFタグ読み取り不可の印刷済用紙から印刷情報を可視することができなくなる。また、特定パターン印刷で模様印刷を用いる場合、印刷済エリアも含め、RFタグ読み取り不可の印刷済用紙から印刷情報を可視することが困難となる。印刷情報が、模様印刷による模様に近似したオブジェクトや文字であった場合には印刷情報を可視することはより困難となる。また、べた印刷と比較してインクの消費量を低減することが可能である。また、模様の一例として、模様のデザインをRFタグの読み取り不可を示すマークとし、このマークを配列したデザインにした場合、印刷情報の可視を困難なものとするとともに、ユーザに対して、該用紙がRFタグの読み取り不可であった旨を、伝達することも可能となる。
【0070】
そして、特定パターン印刷で文字印刷を用いる場合、印刷済エリアも含め、RFタグ読み取り不可の印刷済用紙から印刷情報を可視することが困難となる。そして、文字印刷の文字を、RFタグの読み取り不可を表す文言とすることで、ユーザに対して、該用紙がRFタグの読み取り不可であった旨を伝達することが可能となる。また、前記文言によっては、模様印刷の場合と比較して、インク消費量を低減することも可能である。
【0071】
また、上記の実施形態では、特定パターン印刷として、べた印刷、模様印刷、文字印刷の3種を持ち、ユーザの設定したセキュリティレベルに応じて切り換える可能とすることで、適切なセキュリティを保持しつつ、インクの消費量をユーザが支配することが可能となる。また、必要に応じて、ユーザに対して、NG理由の伝達等、画像形成装置の状況を知らしめることが可能となる。
【0072】
また、本実施形態では、特定パターンの上書き印刷としてのべた印刷及び模様印刷は印刷済印刷情報の文字やオブジェクトのみに実施し、用紙に設定されている余白等は実施しないようにすることによって、オブジェクトのシルエットが浮き上がり、シルエットより情報が漏洩する可能性がある場合、オブジェクトのみに施すべた印刷や模様印刷の形状を指定し、シルエットが浮き上がらないようにすることができ、ユーザにとって有益である。また、べた印刷や模様印刷を文字やオブジェクトのみと限定することでインクの消費量低減が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置のハード構成を示したブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示した側面図である。
【図3】本発明の実施形態における印刷済み画像領域に対する対応動作の流れを示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0074】
3 キャリッジ
4 主走査モータ
7 記録ヘッド
8 サブタンク
9 インク供給チューブ
10 給紙カセット
11 記録用紙積載部(圧板)
12 記録用紙
13 半月コロ(給紙ローラ)
21 搬送ベルト
27 搬送ローラ
28 テンションローラ
29 ガイド部材
31 副走査モータ
52 排紙ローラ
53 排紙コロ
54 排紙トレイ
100 画像形成装置
101 プリンタコントローラ
102 認識ユニット
80,103 RFタグリーダライタ
104 制御ユニット
105 操作ボード
106 周辺機器接続ユニット
107 メモリ
108 バッファ
109 ドライバ
110 印刷ヘッド
111 モータドライバ
112 ヘッド移動モータ
113 用紙搬送モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録紙に設けられたRFIDタグへの読み取り/書き込みを行うRFID読み取り/書き込み装置を具備した画像形成装置において、
前記RFID読み取り/書き込み装置による読み取りの可否を判定する判定手段と、
前記記録紙を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段の搬送方向と垂直な方向にスキャンして前記記録紙を印刷する印刷手段と、
前記記録紙の印刷状態を検出する検出手段と、を有し、
前記印刷手段は、前記判定手段による判定結果及び前記検出手段による検出結果に基づいて、前記記録紙に対して特定パターン画像の印刷を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記印刷手段は、前記判定結果が読み取り不可で、かつ、前記検出結果が印刷領域ありの場合に、前記記録紙に対して前記特定パターン画像の印刷を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記判定手段は、あらかじめ印刷データ中に設定されたセキュリティ対象画像領域への印刷が終了するまでに前記読み取りの可否を判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記判定手段は、前記セキュリティ対象画像領域への印刷が1スキャン終了した後に前記読み取りの可否を判定することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記搬送手段は、前記セキュリティ対象画像領域への印刷が1スキャン終了した後に前記記録紙の搬送を停止し、
前記印刷手段は、前記判定結果が読み取り不可で、かつ、前記検出結果が印刷領域ありの場合に、前記搬送手段により停止された印刷位置で、前記記録紙の1スキャン分印刷された画像領域に対して前記特定パターン画像の上書き印刷を行うことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記印刷手段は、前記セキュリティ対象画像領域のセキュリティレベルに基づいて、前記1スキャン分印刷された画像領域に対して前記特定パターン画像の上書き印刷を行うことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記印刷手段は、前記セキュリティレベルに基づいて、前記1スキャン分印刷された画像領域以降の画像領域に対して前記特定パターン画像の印刷を行うことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記印刷手段は、前記判定結果が読み取り不可で、かつ、前記検出結果が印刷領域なしの場合に、前記記録紙に対して前記特定パターン画像の印刷を行わないことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記印刷手段は、前記特定パターン画像の印刷として、べた印刷、模様印刷、文字印刷のいずれか、又はこれらを組み合わせた印刷を行うことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記印刷手段は、前記セキュリティレベルに基づいて、前記特定パターン画像を選択して印刷することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記印刷手段は、前記記録紙の文字及びオブジェクトが印刷された画像領域に対して前記べた印刷又は前記模様印刷を行い、印刷されていない画像領域に対しては前記べた印刷又は前記模様印刷を行わないことを特徴とする請求項9又は10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
記録紙に設けられたRFIDタグへの読み取り/書き込みを行うRFID読み取り/書き込み装置を具備した画像形成装置が行う画像形成方法において、
前記RFID読み取り/書き込み装置による読み取りの可否を判定する判定ステップと、
前記記録紙を搬送する搬送ステップと、
前記搬送ステップによる搬送方向と垂直な方向にスキャンして前記記録紙を印刷する印刷ステップと、
前記記録紙の印刷状態を検出する検出ステップと、を有し、
前記印刷ステップは、前記判定ステップによる判定結果及び前記検出ステップによる検出結果に基づいて、前記記録紙に対して特定パターン画像の印刷を行うことを特徴とする画像形成方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2008−307752(P2008−307752A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−156551(P2007−156551)
【出願日】平成19年6月13日(2007.6.13)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】