画像形成装置及び画像形成方法
【課題】2次転写ニップ部における画像ずれの発生を極力防止でき、画質が向上する画像形成装置を提供する。
【解決手段】本発明の画像形成装置は、弾性層40bを有し、像を担持する転写ベルト40と、前記転写ベルト40を巻き掛けるバックアップローラー44と、前記転写ベルト40を介して前記バックアップローラー44と圧接して形成される圧力ニップ、及び前記バックアップローラー44に巻き掛けられていない前記転写ベルト40に接触して形成される接触ニップを含む転写ニップで前記像担持体に担持された前記像を転写材に転写する2次転写ローラー61と、前記転写ニップで転写される前記転写材の種別に係る情報を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶される前記情報に基づいて前記接触ニップの前記転写材の移動方向の長さを調整する調整部と、を有することを特徴とする。
【解決手段】本発明の画像形成装置は、弾性層40bを有し、像を担持する転写ベルト40と、前記転写ベルト40を巻き掛けるバックアップローラー44と、前記転写ベルト40を介して前記バックアップローラー44と圧接して形成される圧力ニップ、及び前記バックアップローラー44に巻き掛けられていない前記転写ベルト40に接触して形成される接触ニップを含む転写ニップで前記像担持体に担持された前記像を転写材に転写する2次転写ローラー61と、前記転写ニップで転写される前記転写材の種別に係る情報を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶される前記情報に基づいて前記接触ニップの前記転写材の移動方向の長さを調整する調整部と、を有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光体上に形成した潜像をトナーによって現像し、現像トナー像を転写ベルト上に転写し、さらに転写ベルト上のトナー像を記録紙などの媒体に転写し、転写された媒体上のトナー像を融着し定着して画像形成する画像形成装置及び画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液体溶媒中に固体成分からなるトナー粒子を分散させた高粘度の液体現像剤を用いて潜像を現像し、静電潜像を可視化する湿式画像形成装置が種々提案されている。この湿式画像形成装置に用いられる現像剤は、シリコーンオイルや鉱物油、食用油等からなる電気絶縁性を有し高粘度の有機溶剤(キャリア液)中に固形分(トナー粒子)を懸濁させたものであり、このトナー粒子は、粒子径が1μm前後と極めて微細である。このような微細なトナー粒子を使用することにより、湿式画像形成装置では、粒子径が7μm程度の粉体トナー粒子を使用する乾式画像形成装置に比べて高画質化が可能である。
【0003】
ところで、液体現像剤を用いた画像形成装置においては、液体現像剤を用いる印刷方式において、特に中間転写ベルト上に複数色を重ねてから一度に用紙(転写材)に転写する方式では、用紙への転写(2次転写)効率の低下が問題になる。
【0004】
そこで、このような問題に対処するために、例えば、特許文献1(特開2001−166611号公報)の記載の発明では、二次転写ローラー81に転写ベルトを巻きかけることで、圧力ニップに加え接触ニップを形成し、2次転写部におけるニップ長さをある程度かせいでやり、転写材と転写ベルト上の顕像との間の圧接力および転写電界が作用する時間を長くすることで転写率を高める方式が提案されている。
【特許文献1】特開2001−166611号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、二次転写ローラーに転写ベルトを巻きかけることによって圧力ニップと共に接触ニップを設ける従来の方式においては、転写時に転写材上の画像を引きずったような画像ずれが発生するおそれがある、という問題があった。
【0006】
このような画像ずれの原因は、ニップ部でのベルト表面速度の変化が考えられる。転写ベルトがバックアップローラー(ベルト内側のローラー73、72)に巻きかかる部分(圧力ニップ部)では、転写ベルト表面が伸張するが、二次転写ローラ(ベルト外側のローラ81)に巻きかかる部分(接触ニップ部)では逆に転写ベルト表面が圧縮される。これにより、転写ベルト表面速度が変化する。
【0007】
特に、従来例に用いられるような、弾性体中に非弾性心線を設けることでベルトの伸びを防ぐ構造ではなく、伸び防止のための基材層上に弾性層を設けたベルトでは、基材層により決まるベルト走行速度に対して、ベルト屈曲方向によってベルト表面速度が上下するため、屈曲変化によるベルト表面の速度変化が大きくなり、これにより画像ずれが顕著になりやすい。
【0008】
このように転写効率を向上させるために、二次転写ローラーに転写ベルトを巻きかけ、圧力ニップと共に接触ニップを設ける方式においては、圧力ニップにおける転写ベルト表面速度と、接触ニップにおける転写ベルト表面速度とが変化することにより、画像ずれが
生じ、画質が悪化するおそれがあるという問題を内包していた。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記のような問題を解決するために、本発明に係る画像形成装置は、弾性層を有し、像を担持する像担持体ベルトと、前記像担持体ベルトを巻き掛けるローラーと、前記像担持体ベルトを介して前記ローラーと圧接して形成される圧力ニップ、及び前記ローラーに巻き掛けられていない前記像担持体ベルトに接触して形成される接触ニップを含む転写ニップで前記像担持体ベルトに担持された前記像を転写材に転写する転写ローラーと、前記転写ニップで転写される前記転写材の種別に係る情報を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶される前記情報に基づいて前記接触ニップの前記転写材の移動方向の長さを調整する調整部と、を有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記調整部で調整される前記接触ニップの前記転写材の移動方向の長さは前記圧力ニップの前記転写材の移動方向の長さより短い。
【0011】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記転写ローラーの外径は前記ローラーの外径より大きい。
【0012】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記転写ローラーは弾性層を有し、前記転写ローラーの弾性層の厚さは、前記接触ニップの前記転写材の移動方向の長さより大きい。
【0013】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記像担持体ベルトの弾性層の厚さは、前記接触ニップの前記転写材の移動方向の長さより小さい。
【0014】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記転写ローラーは周面に凹部を有するとともに、前記凹部に前記転写材を把持する転写材把持部材を有する。
【0015】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記転写ローラーは、空気の流動により前記転写材の吸着または剥離を行うノズル孔を有する。
【0016】
また、本発明に係る画像形成方法は、記憶部に記憶された転写材の銃別に係る情報に基づいて、弾性層を有する像担持体ベルトを介して前記像担持体ベルトを巻き掛けたローラーと転写ローラーとが圧接して形成された圧力ニップ、及び前記ローラーに巻き掛けられていない前記像担持体ベルトに前記転写ローラーが接触して形成された接触ニップを含む転写ニップのうちの前記接触ニップの前記転写材の移動方向の長さを調整し、前記像担持体ベルトに像を担持し、前記像担持体に担持された前記像を前記転写ニップで前記転写材に転写することを特徴とする。
【0017】
以上、本発明の画像形成装置及び画像形成方法によれば、転写ローラー側に弾性層を設け、バックアップローラーが像担持体ベルト及び転写材を介して転写ローラー側に食い込むように圧力ニップを形成し、それに続いて像担持体ベルトがバックアップローラーとは接触せず、転写ローラーに巻きかかる形で接触ニップを形成することで、良好な転写性が得られることに加え、調整部によって、接触ニップの長さを適切に制御することで、画像ずれの発生を極力防止でき、画質が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置を構成する主要構成要素を示した図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置の制御に関連するブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る画像形成装置における接触ニップ調整機構の動作例を示す図である。
【図4】接触ニップ調整機構によって圧力ニップのみが形成された様子を示す図である。
【図5】接触ニップ調整機構によって圧力ニップに加え所定長の接触ニップが形成された様子を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る画像形成装置における接触ニップ調整機構の構成例を示す図である。
【図7】接触ニップ調整機構で用いられる偏心穴付き円筒部材を示す図である。
【図8】本発明の他の実施形態に係る画像形成装置における接触ニップ調整機構の構成例を示す図である。
【図9】他の実施形態における接触ニップ調整機構で用いられる偏心穴付き偏心突状部付き円筒部材を示す図である。
【図10】他の実施形態における接触ニップ調整機構の動作を説明する図である。
【図11】本発明の他の実施形態に係る画像形成装置における2次転写ニップ部の構成を示す図である。
【図12】転写材把持機構を備える他の実施形態に係る画像形成装置における2次転写ローラーの構成を示す図である。
【図13】本発明の他の実施形態に係る画像形成装置で用いる2次転写ローラー61の断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施の形態に係る画像形成装置を構成する主要構成要素を示した図である。画像形成装置の中央部に配置された各色の画像形成部に対し、現像装置30Y、30M、30C、30Kは、画像形成装置の下方部に配置され、転写ベルト40、2次転写部(2次転写ユニット)60、定着ユニット90などの構成は画像形成装置の上方部に配置されている。本実施形態においては、2次転写ユニット60で2次転写を経た用紙などの転写材Sは、定着ユニット90へと搬送される構成となっている。
【0020】
現像装置30Y、30M、30C、30Kは、トナーによる画像を形成するために、感光体10Y、10M、10C、10K、コロナ帯電器11Y、11M、11C、11K、LEDアレイなどの露光ユニット12Y、12M、12C、12K等を備えている。コロナ帯電器11Y、11M、11C、11Kにより、感光体10Y、10M、10C、10Kを一様に帯電させ、露光ユニット12Y、12M、12C、12Kにより、入力された画像信号に基づいて露光を行い、帯電された感光体10Y、10M、10C、10K上に静電潜像を形成する。
【0021】
現像装置30Y、30M、30C、30Kは、概略、現像ローラー20Y、20M、20C、20K、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)からなる各色の液体現像剤を貯蔵する現像剤容器(リザーバ)31Y、31M、31C、31K、これら各色の液体現像剤を現像剤容器31Y、31M、31C、31Kから現像ローラー20Y、20M、20C、20Kに塗布する塗布ローラーであるアニロックスローラー32Y、32M、32C、32K等を備え、各色の液体現像剤により感光体10Y、10M、10C、10K上に形成された静電潜像を現像する。
【0022】
転写ベルト40(「像担持体ベルト」ともいう)は、エンドレスのベルトであり、転写ベルト40を駆動するバックアップローラー44、ベルト張架ローラー41、42、テンションローラー52に張架され、1次転写部50Y、50M、50C、50Kで感光体10Y、10M、10C、10Kと当接しながら回転駆動される。バックアップローラー44は不図示のモーターなどの駆動部を持つ駆動ローラーであり、このバックアップローラ
ー44が回転することによって、転写ベルト40を回転駆動している。
【0023】
1次転写部50Y、50M、50C、50Kは、感光体10Y、10M、10C、10Kと転写ベルト40を挟んで1次転写ローラー51Y、51M、51C、51Kが対向配置され、感光体10Y、10M、10C、10Kとの当接位置を転写位置として、現像された感光体10Y、10M、10C、10K上の各色のトナー像を転写ベルト40上に順次重ねて転写し、フルカラーのトナー像を形成する。
【0024】
本発明に係る画像形成装置においては、転写ベルト40を駆動するバックアップローラー44が現像装置30Kの直下流に設けられることにより、現像装置30Y、30M、30C、30Kで現像されたトナー像は、転写ベルト40に安定的に1次転写することができるようになっている。また、ベルト張架ローラー41の直下流にはテンションローラー52でベルト張架ローラー41などの変位に伴う変動を吸収することにより、1次転写部や各現像装置に当該変動が伝達しないようにしている。
【0025】
2次転写部においては、2次転写ローラー61が転写ベルト40を挟んでバックアップローラー44と対向配置され、さらに2次転写ローラークリーニングブレード62からなるクリーニング装置が配置される。そして、2次転写ローラー61を配置した転写位置において、転写ベルト40上に形成された単色のトナー像やフルカラーのトナー像を転写材搬送経路Lにて搬送される用紙、フィルム、布等の転写材に転写する。なお、2次転写ユニット60は、転写ベルト40と2次転写ローラー61との間で形成されるニップにおいて、転写ベルト40上に形成されたトナー像を転写材に転写するために必要な構成の全てを内包するものである。すなわち、2次転写ユニット60には、2次転写ローラー61とベルト張架ローラー41との間に電位差を与え、トナー像の移動を促す不図示のバイアス印加手段なども含まれるものである。
【0026】
本発明に係る画像形成装置においては、2次転写ローラー61とバックアップローラー44との間を通過する転写ベルト40及び転写材Sに、これら2つのローラー間の圧力を印加することが可能な圧力ニップを構成する領域(Np)と、2次転写ローラー61に転写ベルト40を巻きかけることで、接触ニップを形成する領域(Nc)とを有しており、特許文献1記載のように転写効率を高めることができるようになっている。また、本発明に係る画像形成装置においては、接触ニップを形成する領域(Nc)の長さ(ローラー周面方向の距離。以下、ニップの長さに関してはこの定義にならうものとする。)を、転写材Sの種別に応じて調整する調整部を有している。このような調整部によって、接触ニップ(Nc)の長さは、ゼロから所定長まで変化するが、接触ニップ(Nc)の長さは、必ず圧力ニップ(Np)より短くなるように設定されている。接触ニップ(Nc)の長さの調整部に関する具体的な構成については後述する。
【0027】
2次転写ローラー61は、ローラー胴部61aの周囲に所定の厚さの弾性層61bが配された構造となっている。すなわち、2次転写ローラー61の弾性層61bを設け、さらに、バックアップローラー44が転写ベルト40及び転写材Sを介して2次転写ローラー61側に食い込むように圧力ニップ(Np)を形成し、それに続いて転写ベルト40がバックアップローラー44とは接触せず、2次転写ローラー61に巻きかかる形で接触ニップ(Nc)を形成することで、良好な転写性が得られる
上記のような2次転写ユニット60で2次転写を経た用紙などの転写材は、定着ユニット90に搬送するようになっており、定着ユニット90では、用紙等の転写材上に転写された単色のトナー像やフルカラーのトナー像を用紙等の転写材に融着させ定着させる。
【0028】
転写ベルト40がベルト張架ローラー42に張架されている箇所で、転写ベルト40をクリーニングする転写ベルトクリーニングブレード49からなるクリーニング装置が当接
・配置され、転写ベルト40上の残りトナー、キャリアをクリーニングするようになっている。
【0029】
画像形成装置に対する転写材Sの供給は給紙装置(不図示)によって行われる。このような給紙装置にセットされた転写材Sは、所定のタイミングにて一枚ごとに転写材搬送経路Lに送り出されるようになっている。転写材搬送経路Lでは、ゲートローラー101、101’によって転写材Sを2次転写位置まで搬送し、転写ベルト40上に形成された単色のトナー現像像やフルカラーのトナー現像像を転写材に転写する。2次転写された転写材は、定着ユニット90に搬送される。定着ユニット90は、加熱ローラー91と、この加熱ローラー91側に所定の圧力で付勢された加圧ローラー92とから構成されており、これらのニップ間に転写材を挿通させ、転写材上に転写された単色のトナー像やフルカラーのトナー像を用紙等の転写材に融着し定着させる。
【0030】
ここで、現像装置について説明するが、各色の画像形成部及び現像装置の構成は同様であるので、以下、イエロー(Y)の画像形成部及び現像装置に基づいて説明する。
【0031】
画像形成部は、感光体10Yの外周の回転方向に沿って、感光体クリーニングブレード18Y、コロナ帯電器11Y、露光ユニット12Y、現像装置30Yの現像ローラー20Y、第1感光体スクイーズローラー13Y、第2感光体スクイーズローラー13Y’が配置されている。
【0032】
感光体10Yと当接している感光体クリーニングブレード18Yは、感光体10Y上の1次転写部において転写されずに残留した液体現像剤をクリーニングする。
【0033】
現像装置30Yにおける現像ローラー20Yの外周には、クリーニングブレード21Y、アニロックスローラー32Y、コンパクションコロナ発生器22Yが配置されている。アニロックスローラー32Yには、現像ローラー20Yへ供給する液体現像剤の量を調整する規制ブレード33Yが当接している。液体現像剤容器31Yの中にはオーガ34Yが収容されている。また、感光体10Yと対向する位置には、転写ベルト40を挟むようにして、1次転写部の1次転写ローラー51Yが配置されている。
【0034】
感光体10Yは、外周面にアモルファスシリコン感光体などの感光層が形成された円筒状の部材からなる感光体ドラムであり、時計回りの方向に回転する。
【0035】
コロナ帯電器11Yは、感光体10Yと現像ローラー20Yとのニップ部より感光体10Yの回転方向の上流側に配置され、図示しない電源装置から電圧が印加され、感光体10Yをコロナ帯電させる。露光ユニット12Yは、コロナ帯電器11Yより感光体10Yの回転方向の下流側で、かつ、感光体10Yと現像ローラー20Yと当接部の上流において、コロナ帯電器11Yによって帯電された感光体10Y上に光を照射し、感光体10Y上に潜像を形成する。なお、画像形成プロセスの始めから終わりまでで、より前段に配置されるローラーなどの構成は、後段に配置されるローラーなどの構成より上流にあるものと定義する。
【0036】
現像装置30Yは、コンパクション作用を施すコンパクションコロナ発生器22Y、キャリア内にトナーを概略重量比20%程度に分散した状態の液体現像剤を貯蔵する現像剤容器31Yを有する。
【0037】
また現像装置30Yは、前記の液体現像剤を担持する現像ローラー20Y、液体現像剤を現像ローラー20Yに塗布するための塗布ローラーであるアニロックスローラー32Yと、現像ローラー20Yに塗布する液体現像剤量を規制する規制ブレード33Yと、液体
現像剤を攪拌、搬送しつつアニロックローラー32Yに供給するオーガ34Y、現像ローラー20Yに担持された液体現像剤をコンパクション状態にするコンパクションコロナ発生器22Y、現像ローラー20Yのクリーニングを行う現像ローラークリーニングブレード21Yを有する。
【0038】
現像剤容器31Yに収容されている液体現像剤は、従来一般的に使用されているIsopar(商標:エクソン)をキャリアとした低濃度(1〜3wt%程度)かつ低粘度の、常温で揮発性を有する揮発性液体現像剤ではなく、高濃度かつ高粘度の、常温で不揮発性を有する不揮発性液体現像剤である。すなわち、本発明における液体現像剤は、熱可塑性樹脂中へ顔料等の着色剤を分散させた平均粒径1μmの固形粒子を、有機溶媒、シリコーンオイル、鉱物油又は食用油等の液体溶媒中へ分散剤とともに添加し、トナー固形分濃度を約15〜25%とした高粘度(HAAKE RheoStress RS600を用いて、25℃の時のせん断速度が1000(1/s)のときの粘弾性が30〜300mPa・s程度)の液体現像剤である。
【0039】
アニロックスローラー32Yは、現像ローラー20Yに対して液体現像剤を供給し、塗布する塗布ローラーとして機能するものである。このアニロックスローラー32Yは、円筒状の部材であり、表面に現像剤を担持し易いように表面に微細且つ一様に螺旋状に彫刻された溝による凹凸面が形成されたローラーである。このアニロックスローラー32Yにより、現像剤容器31Yから現像ローラー20Yへと液体現像剤が供給される。装置動作時においては、図1に示すように、オーガ34Yが反時計回り回転し、アニロックローラー32Yに液体現像剤を供給し、アニロックローラー32Yは反時計回りに回転して、現像ローラー20Yに液体現像剤を塗布する。
【0040】
規制ブレード33Yは、厚さ200μm程度の金属ブレードであり、アニロックスローラー32Yの表面に当接し、アニロックスローラー32Yによって坦持搬送されてきた液体現像剤の膜厚、量を規制し、現像ローラー20Yに供給する液体現像剤の量を調整する。そして、アニロックスローラー32Yによって担持搬送されてきた液体現像剤の膜厚、量を規制、調整し、現像ローラー20Yに供給する液体現像剤の量を調整する。
【0041】
現像ローラークリーニングブレード21Yは、現像ローラー20Yの表面に当接するゴム等で構成され、現像ローラー20Yが感光体10Yと当接する現像ニップ部より現像ローラー20Yの回転方向の下流側に配置されて、現像ローラー20Yに残存する液体現像剤を掻き落として除去するものである。
【0042】
コンパクションコロナ発生器22Yは、現像ローラー20Y表面の帯電バイアスを増加させる電界印加手段であり、コンパクションコロナ発生器22Yによって、コンパクション部位でコンパクションコロナ発生器22Y側から現像ローラー20Yに向かって電界が印加される。なお、このコンパクションのための電界印加手段は、図1に示すコロナ放電器のコロナ放電に代えて、コンパクションローラーなどを用いても良い。
【0043】
現像ローラー20Yに担持されてコンパクションされた現像剤は、現像ローラー20Yが感光体10Yに当接する現像ニップ部において、所定の電界印加によって、感光体10Yの潜像に対応して現像される。
【0044】
現像残りの現像剤は、現像ローラークリーニングブレード21Yによって掻き落として除去され現像剤容器31Y内の回収部に滴下して再利用される。
【0045】
1次転写の上流側に配置される感光体スクイーズ装置は、感光体10Yに対向して現像ローラー20Yの下流側に配置して感光体10Yに現像されたトナー像の余剰キャリアを
回収するものである。この感光体スクイーズ装置は、感光体10Yに摺接して回転する弾性ローラー部材から成る第1感光体スクイーズローラー13Y、第2感光体スクイーズローラー13Y’とから構成され、感光体10Y上に現像されたトナー像から余剰なキャリア及び本来不要なカブリトナーを回収し、顕像(トナー像)内のトナー粒子比率を上げる機能を有する。なお、感光体スクイーズローラー13Y、13Y’には、所定のバイアス電圧が印加されている。
【0046】
上記の第1感光体スクイーズローラー13Y、第2感光体スクイーズローラー13Y’からなるスクイーズ装置を経た感光体10Y表面は、1次転写部50Yに進入する。
【0047】
1次転写部50Yでは、感光体10Yに現像された現像剤像を1次転写ローラー51Yにより転写ベルト40へ転写する。この1次転写部においては、1次転写バックアップローラー51に印加される転写バイアスの作用によって、感光体10上のトナー像は転写ベルト40側に転写される。ここで、感光体10Yと転写ベルト40は等速度で移動する構成であり、回転及び移動の駆動負荷を軽減するとともに、感光体10Yの顕像トナー像への外乱作用を抑制している。
【0048】
上記現像装置30Yの現像プロセスと同様のプロセスによって、現像装置30M、30C、30Kにおいても、それぞれの感光体10M、10C、10K上にマゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナー像が各々形成される。そして、転写ベルト40はイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)各色の1次転写部50のニップを通過し、各色の感光体上の現像剤(現像像)が転写され、色重ねされて2次転写ユニット60のニップ部に進入する。
【0049】
2次転写ユニット60を経た転写ベルト40は、再び1次転写部50で転写像を受けるために周回するが、1次転写部50が実行される上流側において転写ベルト40は、転写ベルトクリーニングブレード49などによってクリーニングが実施される。
【0050】
転写ベルト40は、例えばポリイミド樹脂等の可撓性の基材層40aと、この基材層40aの表面に形成されたゴム層等の弾性層40bと、から構成されてなるものである。また、弾性層40bの表面には、適宜PFAなどの表層を形成することが好ましい。このような転写ベルト40では、ポリイミドなどから形成される基材層40a側において、バックアップローラー44、ベルト張架ローラー41などで張架され、PFAなどの表層側においてトナー像が転写されるようにして用いられる。
【0051】
次に、以上のように構成される本発明に係る画像形成装置の制御について説明する。本発明の実施形態に係る画像形成装置の制御に関連するブロック図である。図2において、200は画像形成コントローラー部、210は転写材種別情報記憶部、230は主制御部、250は接触ニップ調整機構制御部をそれぞれ示している。
【0052】
主制御部230は本発明に係る画像形成装置の各制御を行うためのメインコントローラである。このような主制御部150としては、CPUやRAM、ROM等を備える汎用の情報処理装置を用い、入力された所定情報に基づいて所定ブロックへの命令を出力する動作を前記CPUに実行させるプログラムを予め前記ROMに記憶させることによって実現することが可能である。
【0053】
転写材種別情報記憶部210は、画像形成装置で画像形成する転写材の種別に係るデータを一時的に記憶する記憶手段である。このような転写材種別情報記憶部210は、例えば、画像形成装置内に設けられる転写材の種別を判定する判定センサからの情報、画像形成装置に対して画像形成実行命令を出力する上位装置からの情報、或いは、画像形成装置
に対して転写材を供給する給紙装置からの情報、或いは、画像形成装置の筐体部に設けられユーザーが入力操作を行うコントロールパネルからの情報を取得して、その情報を格納するように構成される。このような転写材種別情報記憶部210は、圧力ニップ(Np)、接触ニップ(Nc)にどのような転写材Sを挿通させて2次転写を行うかを記憶するものである。転写材種別情報記憶部210に記憶される転写材種別データは、主制御部150における制御のために適宜利用される。
【0054】
画像形成コントローラー部200は、画像形成装置に入力された画像信号に基づいて、作像のためのデータを生成した上で、主制御部150側に対して生成データを適宜出力する。
【0055】
接触ニップ調整機構制御部250は、転写ベルト40がバックアップローラー44とは接触せず、2次転写ローラー61に巻きかかる形で形成される接触ニップ(Nc)の長さを調整する機構を制御するものである。本実施形態に係る画像形成装置においては転写材種別情報記憶部210に記憶されている転写材Sに係るデータに基づいて、接触ニップ調整機構制御部250が、接触ニップ(Nc)の長さ調整機構を制御することで、転写材Sに応じた適切な接触ニップ(Nc)長さを最低限確保し、転写効率を向上させると同時に、画像ずれの発生を極力防止し、画質を向上させるようにするものである。
【0056】
ところで、転写材種別情報記憶部210に記憶させる転写材Sの種別に係るデータを前記コントロールパネルから入力する場合のパターンについて説明する。例えば、コントロールパネルから、転写材Sの種別として、コート紙又は非コート紙の選択する方法としては、ユーザーがコントロールパネルから予めメモリに内蔵されている紙種または製品名を選択する方法が考えられる。この場合、後述するように、製品名ごとにコート紙/非コート紙のどちらに対応するかメモリに記録されている。
【0057】
また、転写材Sの種別に係るデータを入力する方法としては、ユーザーがコントロールパネルから、コート紙/非コート紙のいずれかを直接選択する方法が考えられる。
【0058】
また、転写材Sの種別に係るデータとして、転写材Sの微小凹凸を入力する場合には、コントロールパネルからユーザーが紙種または製品名を選択するように構成することが考えられる。このとき、製品名ごとの凹凸の大きさをメモリに記録するように構成する。
【0059】
また、転写材Sの微小凹凸を入力する方法としては、ユーザーがコントロールパネルから、凹凸の大きさの値(例えばRz)を入力する方法が考えられる。
【0060】
また、転写材Sの種別に係るデータを選択するのではなく、ユーザーがコントロールパネルから直接設定したい接触ニップ(Nc)長さを入力してもよい。
【0061】
以上のようにコントロールパネルで設定された転写材S種別、接触ニップ(Nc)長を具体的にどのように、本実施形態において活用するかは後に説明する。
【0062】
上記のような接触ニップ調整機構制御部250によって制御される接触ニップ調整機構の動作の一例について説明する。図3は本発明の実施形態に係る画像形成装置における接触ニップ調整機構の動作例を示す図である。また、図4は接触ニップ調整機構によって圧力ニップのみが形成された様子を示す図であり、図5は接触ニップ調整機構によって圧力ニップに加え所定長の接触ニップが形成された様子を示す図である。図3は画像形成装置の2次転写部近傍の構成を抜き出して示す模式図であり、図4及び図5はいずれも2次転写ニップ部の拡大図である。
【0063】
図3に示す接触ニップ調整機構の動作例では、ベルト張架ローラー41が変位することによって接触ニップ(Nc)の長さを調整するようにしている。ベルト張架ローラー41は、実線で示す位置と、点線で示す位置との間の任意の位置をとることができ、実線で示す位置では、接触ニップ(Nc)の長さがゼロとなり、圧力ニップ(Np)のみが形成される状態(図4に示す状態)となり、点線で示す位置では、圧力ニップ(Np)に加えて、最大長さの接触ニップ(Nc)が形成される状態(図5に示す状態)となる。
【0064】
転写材Sとしては、表面に所定のコーティングが施されたコート紙、又は、これが施されていない非コート紙などの種類があるが、これらを画像形成装置で印刷する場合、コート紙は表面に微小な凹凸が少なく2次転写部における転写効率は比較的よく、非コート紙はコート紙の転写効率に比べると劣るものとなる。
【0065】
そこで、本発明に係る画像形成装置においては、転写材Sとしてコート紙が用いられた場合には、接触ニップ(Nc)の長さを短くするか、或いは全くなくしてしまい、主として圧力ニップ(Np)で2次転写を行うようにする。この場合、接触ニップ(Nc)は比較的短いものとなるため、画像ずれが生じることがごくわずかであり、画質の悪化を招くことがほとんどない。また、コート紙を用いる場合、圧力ニップ(Np)主体のニップ構成でも、所定以上の転写効率を期待することができる。
【0066】
一方、転写材Sとして非コート紙が用いられた場合には、ある程度の長さの接触ニップ(Nc)をとり、これと圧力ニップ(Np)とを併用して2次転写を行うようにする。この場合、接触ニップ(Nc)は必要最低限の長さを確保するように設定されるため、生じる画像ずれはわずかなものとなり、画質の悪化を招くことがほとんどない。また、非コート紙を用いる場合、圧力ニップ(Np)と共に接触ニップ(Nc)が設けられたニップ構成でも、転写効率も良好なものとなる。
【0067】
圧力ニップ(Np)に加え接触ニップ(Nc)が設けられたニップ構成で、転写効率が向上するメカニズムは次のように想定される。すなわち、圧力ニップ(Np)では圧接荷重により転写ベルト40の弾性層40bが変形することで、転写ベルト40の表面が転写材Sの表面の微視的な凹凸に追従する。これにより、転写ベルト40に担持されたトナー像と転写材Sとの密着性が高くなる。そして、トナー像と転写材Sとの密着性が高くなった状態で、圧力ニップ(Np)において二次転写バイアスにより電界が形成されることで、転写ベルト40に担持されたトナー像が、微視的な凹凸を有する転写材Sの表面に効果的に転写される
ここで、コート紙及び非コート紙の具体例について説明する。本実施形態で利用し得るコート紙としては、例えば、SA金藤+、OK金藤+、OKトップコート+、OKコートNグリーン100、OKトップコートマットN、OKコートL(以上、(株)王子製紙製)、オーロラコート、アルティマグロス、MIグロス、ペガサス、ユーライト、シルバーダイヤ、アルティマックス、ユーライトL、オーロラLWXマット、ピレデラ、エナジーS、ペガサスマット、しらおいマット、ネプチューン、アルティマシルク、オーロラL、MIシルク、オーロラS、ペガサスダル(以上、(株)日本製紙)などがある。
【0068】
また、本実施形態で利用し得る非コート紙としては、OKプリンス上質、OKプリンス上質エコG100、OKエバーライト、OKスターライト、NEWやまゆりR、ホワイトやまゆりDX、ライラック(以上、(株)王子製紙製)、npi上質、しらおい、npi上質バルキー、ハイランド、ジャストランド、アルプス、ホワイトランド、アンデス、アンデスタフ、ハイランドタフ、リーフバルキーホワイト、ピレーヌタフ、クリームロッキータフ、ホワイトロッキータフ、ハイパーピレーヌタフ、オペラクリーム、アルトクリーム(以上、(株)日本製紙)などがある。
【0069】
ところで、圧力ニップ(Np)のみからなる二次転写ニップ構成により、転写ベルト40に担持されたトナー像が転写材Sの表面に転写される場合は、転写材Sの表面の凸部に付着したトナーは比較的容易に転写ベルト40から剥離し易いが、転写材Sの表面の凹部に付着したトナーは、転写材Sの凸部に付着したトナーに比べて転写ベルト40から剥離し難い。この理由は、次のように考えられる。接触ニップ(Nc)が形成されない場合、圧力ニップ(Np)の出口(圧力ニップ(Np)の転写材Sの移動方向終了端)で、転写材Sが転写ベルト40から剥離される。このとき、転写ベルト40とトナーとの間、および転写材とトナーとの間には、圧力ニップ(Np)で付与された圧力により比較的大きな物理的付着力が存在している。圧力ニップ(Np)の出口付近では圧力が急激に解放されて、転写ベルト40の弾性層40bの変形が回復する。すると、転写材Sの凹部では、転写材Sの凹部と転写ベルト40との間に微小な空隙が発生する傾向となるため、転写材Sの凹部に位置するトナーどうしの凝集力が小さくなる。一方、圧力ニップ(Np)の出口付近では転写ベルト40とトナーとの間には、大きな物理的付着力が存在しているため、トナーどうしの凝集力が転写ベルト40とトナーとの間の物理的付着力に負けて、トナー膜が膜中で分断される。その結果、転写材Sの凹部に位置するトナーの一部が転写材Sに付着するが、トナーの残部が転写ベルト40に付着したままとなり、トナーの転写残りが発生すると考えられる。
【0070】
本実施形態のような二次転写部では、圧力ニップ(Np)に続いて接触ニップ(Nc)が形成されることで、二次転写ニップ構成が転写ロングニップとされる。この接触ニップ(Nc)では、転写ベルト40を介するバックアップローラー44と二次転写ローラー61との圧接が解消する。したがって、転写材Sが接触ニップ(Nc)を通過中では、転写材Sと転写ベルト40とに挟まれたトナーに圧力はほとんどかからない。このため、転写ベルト40と転写ベルト40に担持されたトナー像との物理的付着力が緩和される。また、圧力ニップ(Np)では二次転写バイアスにより転写電流が生じるが、この転写電流により転写ベルト40および転写材Sが帯電されるため、これにより接触ニップ(Nc)でも電界が存在している。すなわち、転写材Sの接触ニップ(Nc)通過中では、転写ベルト40とトナーとの物理的付着力が緩和された状態で、トナーに電界が作用する。その結果、転写ベルト40と転写材Sとが剥離する際、転写材Sの表面の凹部に付着するトナーは、電界の作用と、この凹部に隣接する凸部に付着するトナーとの凝集力とにより、転写ベルト40から剥離しやすくなる。このように圧力ニップ(Np)に続いて形成される接触ニップ(Nc)により、転写材Sの凹部に付着するトナーも転写ベルト40から比較的容易に剥離するので、転写効率が良好になるものと考えられる
さて、先の例においては、転写材Sがコート紙であるか、非コート紙であるかに応じて、接触ニップ調整機構によって、接触ニップ(Nc)の長さを調整するようにしていたが、このような基準によらず、他の基準によって、接触ニップ(Nc)の長さを調整するように構成することもできる。
【0071】
例えば、転写材Sの表面の粗さ、微視的凹凸の大きさの値を規定するパラメーターとしてRzがあるが、このRzが所定値以下であれば、表面に微小な凹凸が少なく2次転写部における転写効率は比較的よく、該Rzが所定値より大きければ、凹凸が多く2次転写部における転写効率が比較的よくない。
【0072】
そこで、転写材Sとして、所定値以下のRzのものが用いられた場合には、接触ニップ(Nc)の長さを短くするか、或いは全くなくしてしまい、主として圧力ニップ(Np)で2次転写を行うようにする。この場合、接触ニップ(Nc)は比較的短いものとなるため、画像ずれが生じることがごくわずかであり、画質の悪化を招くことがほとんどない。また、コート紙を用いる場合、圧力ニップ(Np)主体のニップ構成でも、所定以上の転写効率を期待することができる。
【0073】
一方、転写材Sとして、所定値より大きいRzのものが用いられた場合には、ある程度の長さの接触ニップ(Nc)をとり、これと圧力ニップ(Np)とを併用して2次転写を行うようにする。この場合、接触ニップ(Nc)は必要最低限の長さを確保するように設定されるため、生じる画像ずれはわずかなものとなり、画質の悪化を招くことがほとんどない。また、非コート紙を用いる場合、圧力ニップ(Np)と共に接触ニップ(Nc)が設けられたニップ構成でも、転写効率も良好なものとなる。
【0074】
次に、接触ニップ(Nc)長さ、及び、圧力ニップ(Np)長さの関連性について説明する。本実施形態に係る画像形成装置においては、接触ニップ(Nc)の長さが最大となるように接触ニップ調整機構によって調整したとしても、接触ニップ(Nc)の長さが圧力ニップ(Np)の長さよりも短くなるように設定することが好ましい。このように設定することで、2次転写ローラー61に巻き掛けられる転写ベルト40の巻掛け量が少なくなることから、転写ベルト40は2次転写ローラー61の外周面に沿って圧縮される方向にほとんど屈曲しない。したがって、2次転写ニップ構成で転写ベルト40の表面の屈曲方向がほとんど変化しないため、圧力ニップ(Np)と接触ニップ(Nc)とで転写ベルト40の表面速度の変化が抑制される。その結果、転写時に、転写材に転写された画像のずれを抑制することが可能となるのである。
【0075】
また、接触ニップ(Nc)の長さが最小となるように接触ニップ調整機構によって調整した場合、その長さがゼロとなるように設定すること好ましい。すなわち、本実施形態における画像形成装置においては圧力ニップ(Np)のみの2次転写ニップを構成することが可能となるように設定することが好ましい。このように、表面の微視的凹凸が少なくもともと2次転写効率が高い転写材Sに対しては、接触ニップ(Nc)を設けることなく転写することで、転写ベルト40の表面速度の変化に伴う画像ずれをなくすことが可能となる。
【0076】
次に、2次転写ニップ部を構成する2次転写ローラー61、バックアップローラー44の好ましい構成について説明する。本実施形態においては、2次転写ローラー61の径がバックアップローラー44の径より大きいものとなるように構成することが好ましい。このように構成することで、転写ベルト40を圧力ニップ(Np)の終了端からバックアップローラー44側にガイドしやすくなる。これにより、接触ニップ(Nc)の接触ニップ幅(ローラー周方向長さ)を小さくでき、2次転写ローラー61の外周面に沿う転写ベルト40の表面の圧縮方向の屈曲を更に効果的に抑制することが可能となる
また、本実施形態に係る画像形成装置においては、2次転写ローラー61の弾性層61bの厚さは、接触ニップ(Nc)の2次転写ローラー61周面の距離より大きくなるように構成することが好ましい。このように構成することで、ベルト張架ローラー41が転写ベルト40を圧力ニップ(Np)の終了端からバックアップローラー44側にガイドしやすくなる。これにより、接触ニップ(Nc)幅(ローラー周方向長さ)を小さくでき、2次転写ローラー61の外周面に沿う転写ベルト40の表面の圧縮方向の屈曲を更に効果的に抑制することが可能となる。
【0077】
また、本実施形態に係る画像形成装置においては、転写ベルト40の弾性層40bの厚さは、接触ニップ(Nc)の2次転写ローラー61周面の距離より小さくなるように構成することが好ましい。このように構成することで、ベルト張架ローラー41が転写ベルト40を圧力ニップ(Np)の終了端からバックアップローラー44側にガイドしやすくなる。これにより、接触ニップ(Nc)幅(ローラー周方向長さ)を小さくでき、2次転写ローラー61の外周面に沿う転写ベルト40の表面の圧縮方向の屈曲を更に効果的に抑制することが可能となる
次に、接触ニップ(Nc)の長さを調整するために用いる接触ニップ調整機構について説明する。図6は本発明の実施形態に係る画像形成装置における接触ニップ調整機構の構
成例を示す図であり、図7は接触ニップ調整機構で用いられる偏心穴付き円筒部材140を示す図である。
【0078】
転写ベルトユニットフレーム110は、画像形成装置筐体(不図示)内で、転写ベルト40を張架する、バックアップローラー44やベルト張架ローラー41などの各ローラーを回動自在に両端部から挟持する2つのフレームである。図6には示されていないが、この転写ベルトユニットフレーム110は各ローラーの軸方向の両端部に設けられるようになっている。
【0079】
この転写ベルトユニットフレーム110に対して、2次転写ユニットフレーム120が2次転写ユニットフレーム回動中心部122を中心として回動自在となるように取り付けられている。この2次転写ユニットフレーム120は、2次転写ローラー回動中心部123を中心として、2次転写ローラー61を回動自在に取り付けているものであり、やはり2次転写ローラー61を挟むようにして、その両端部に一枚ずつ配されるようになっている。
【0080】
また、2次転写ユニットフレーム120の付勢部材端固定部121には、バネなどの付勢部材130の一端が取り付けられている。さらに、当該付勢部材130の他端が、転写ベルトユニットフレーム110に設けられた付勢部材端固定部111に取り付けられている。これにより、2次転写ユニットフレーム120に取り付けられている2次転写ローラー61は、転写ベルト40を介してバックアップローラー44を常に押圧するようになっている。これにより、2次転写ニップにおける転写荷重を確保し、転写ベルト40上のトナー粒子を2次転写ニップで効率的に転写材S側に転写するようになっている。
【0081】
転写ベルトユニットフレーム110には穴部112が設けられており、この穴部112には偏心穴付き円筒部材140の外周面が嵌り込むようになっている。この偏心穴付き円筒部材140には、その中心軸Ocから、偏心した位置に中心軸Orを有する偏心穴141が設けられている。この偏心穴141には、ベルト張架ローラー41の軸端部が回動自在に取り付けられている。
【0082】
また、穴部112に取り付けられた偏心穴付き円筒部材140は中心軸Ocを中心として回動するので、中心軸Orは中心軸Ocを中心として公転するようになっている。接触ニップ調整機構制御部250は偏心穴付き円筒部材140の回転を制御することで、ベルト張架ローラー41のローラー軸が変位し、接触ニップ(Nc)の長さを調整することができるようになっている。
【0083】
図6において、接触ニップ調整機構制御部250が偏心穴付き円筒部材140を(a)の方向に回動すると、接触ニップ(Nc)の長さを増やすこととなり、(b)の方向に回動すると、接触ニップ(Nc)の長さを減らすこととなる。
【0084】
以上のように構成される本発明の画像形成装置によれば、2次転写ローラー61側に弾性層61bを設け、バックアップローラー44が転写ベルト40及び転写材を介して2次転写ローラー61側に食い込むように圧力ニップ(Np)を形成し、それに続いて転写ベルト40がバックアップローラー44とは接触せず、2次転写ローラー61に巻きかかる形で接触ニップ(Nc)を形成することで、良好な転写性が得られることに加え、接触ニップ調整機構を調整する調整部によって、接触ニップ(Nc)の長さを適切に制御することで、画像ずれの発生を極力防止でき、画質が向上する。
【0085】
次に、接触ニップ(Nc)の長さを調整するために用いる接触ニップ調整機構の他の実施形態について説明する。図8は本発明の他の実施形態に係る画像形成装置における接触
ニップ調整機構の構成例を示す図であり、図9は他の実施形態における接触ニップ調整機構で用いられる偏心穴付き偏心突状部付き円筒部材145を示す図である。
【0086】
他の実施形態においても、転写ベルトユニットフレーム110は、画像形成装置筐体(不図示)内で、転写ベルト40を張架する、バックアップローラー44やベルト張架ローラー41などの各ローラーを回動自在に両端部から挟持する2つのフレームである。図6には示されていないが、この転写ベルトユニットフレーム110は各ローラーの軸方向の両端部に設けられるようになっている。
【0087】
この転写ベルトユニットフレーム110には、転写ベルトユニットフレーム穴部115が設けられており、この穴部115に偏心突状部付き円筒部材145の突状部147が嵌合するようになっている。この偏心突状部付き円筒部材145には、本体部146の中心軸Ocから、偏心した位置に中心軸Orを有する円筒状の突状部147が設けられている。
【0088】
2次転写ローラー回動中心部123を中心として、2次転写ローラー61を回動自在に取り付けている2次転写ユニットフレーム120には、2次転写ユニットフレーム穴部125が設けられており、偏心突状部付き円筒部材145の本体部146の外周面が当該穴部125に嵌められるように配される。なお、偏心突状部付き円筒部材145に関連した動作については後述する。
【0089】
他の実施形態においても、2次転写ユニットフレーム120の付勢部材端固定部121には、バネなどの付勢部材130の一端が取り付けられており、さらに、当該付勢部材130の他端が、転写ベルトユニットフレーム110に設けられた付勢部材端固定部111に取り付けられている。これにより、2次転写ユニットフレーム120に取り付けられている2次転写ローラー61は、転写ベルト40を介してバックアップローラー44を常に押圧するようになっている。
【0090】
次に、以上のように構成される接触ニップ調整機構の動作について説明する。図10は他の実施形態における接触ニップ調整機構の動作を説明する図である。接触ニップ調整機構制御部250は偏心突状部付き円筒部材145の回転を制御することできるように構成されている。
【0091】
偏心突状部付き円筒部材145の突状部147が不動の転写ベルトユニットフレーム110に取り付けられているのに対して、本体部146は可動する2次転写ユニットフレーム120に取り付けられている関係上、偏心突状部付き円筒部材145が回転されると、突状部147の中心軸Orを中心として、本体部146の中心軸Ocが公転するようになっている。したがい、接触ニップ調整機構制御部250が偏心突状部付き円筒部材145を回転すると、突状部147を中心に偏心突状部付き円筒部材145の本体部146が回転して、図10(A)や図10(B)に示すような状態となる。そして、接触ニップ調整機構制御部250が接触ニップ調整機構を図10(A)のようなポジションとすると、接触ニップ(Nc)の長さを減らすこととなり、図10(B)のようなポジションとすると、接触ニップ(Nc)の長さを増やすこととなる。
【0092】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。図11は本発明の他の実施形態に係る画像形成装置における2次転写ニップ部の構成を示す図である。
【0093】
これまでの実施形態においては、2次転写ローラー61の周囲に所定の厚さの弾性層61bが配された構造について説明したが、本実施形態においては、2次転写ローラー61の周囲には弾性層を設けず、バックアップローラー44側に弾性層44bを設けるように
した。すなわち、本実施形態では、バックアップローラー44は、ローラー胴部44aの周囲に所定の厚さの弾性層44bが配された構造となっている。このような構造によっても、2次転写ローラー61が、転写ベルト40及び転写材Sを介してバックアップローラー44側に食い込むように圧力ニップ(Np)を形成し、それに続いて転写ベルト40がバックアップローラー44とは接触せず、2次転写ローラー61に巻きかかる形で接触ニップ(Nc)を形成することで、良好な転写性が得られるようになり、さらに接触ニップ(Nc)の長さをこれまで説明した方法によって調整することで画像のずれを抑制することが可能となる。
【0094】
なお、他の実施形態においては、バックアップローラー44側に弾性層44bを設けるようにしたが、2次転写ローラー61およびバックアップローラー44の両方に弾性層を設けるようにしてもよい。
【0095】
次に本発明の他の実施形態について説明する。他の実施形態においては、2次転写ローラー61のローラー胴部601には、転写材把持機構が設けられたものが利用される。図12は転写材把持機構を備える他の実施形態に係る画像形成装置における2次転写ローラー61の構成を示す図である。
【0096】
2次転写ローラー61のローラー胴部601の両端部にはローラー軸部602が設けられており、このローラー軸部602を中心としてローラー胴部601が回動自在となるように2次転写ユニットフレーム120側に取り付けられるようになっている。また、ローラー胴部601には、軸方向にわたる開口凹部605が設けられており、開口凹部605の一方の第1開口縁613から他方の第2開口縁614の中には転写材把持機構610が設けられている。
【0097】
転写材把持機構610は転写材Sを把持したり、解放したりするための機構である。転写材把持機構610は、概略、ローラー軸方向にわたって離散的に設けられる転写材把持爪611及び爪座部612とからなる複数のペアとから構成されている。転写材把持爪611は、把持爪回動中心615を回転中心として動作することにより、転写材把持爪611と爪座部612との間で転写材の縁部を把持したり、把持した転写材を解放したりすることができるようになっている。
【0098】
以上のような転写材把持機構610を有する2次転写ローラー61によっても、接触ニップ(Nc)の長さをこれまで説明した方法によって調整することで画像のずれを抑制することが可能となる。
【0099】
なお、図12に示す実施形態においても、バックアップローラー44側に弾性層を設けるようにしてもよいし、2次転写ローラー61およびバックアップローラー44の両方に弾性層を設けるようにしてもよい。
【0100】
次に本発明の他の実施形態について説明する。図12に関連する実施形態においては、2次転写ローラー61に開口凹部605を設け、この開口凹部605に転写材把持機構610を配し、転写材Sを把持するようにしていた。これに対して、本実施形態においては、空気の吸引力によって転写材Sを把持する構成となっている。
【0101】
図13は本発明の他の実施形態に係る画像形成装置で用いる2次転写ローラー61の断面を示す図である。
【0102】
本実施形態の画像形成装置では、二次転写ローラー61のローラー胴部61aが円筒状に形成されている。この円筒状のローラー胴部61aの一端側は回転軸61dを有する円
板状の端壁61a1により閉塞されている。また、ローラー胴部61aの他端側は回転軸
61eを有する円環状の端壁61a2により部分的に閉塞されている。そして、他端側の
回転軸61eは円筒状に形成されているとともに、端壁61a2および回転軸61eを貫
通する軸方向の空気吸引部接続孔61fが配設されている。この吸引部接続孔61fは、図示しないが、空気ポンプや空気ブロワー等の空気送給部および空気吸引部に切換弁を介して選択的に接続される。
【0103】
更に、二次転写ローラー61には、ローラー胴部61aの円筒状部と弾性層61bとを貫通する所定数の空気流動ノズル孔61gが配設されている。これらの空気流動ノズル孔61gは、二次転写ローラー61の軸方向に沿って配設されている。その場合、各空気流動ノズル孔61gは二次転写ローラー61の軸方向に沿って1列に配列されている。なお、各空気流動ノズル孔61gはこれに限定されることはなく、周方向に複数列を二次転写ローラー61の軸方向に沿って配列することもできる。このように空気流動ノズル孔61gを周方向に複数列設ける場合には、千鳥状に配列することもできる。
【0104】
このように構成された画像形成装置においては、各空気流動ノズル孔61gが二次転写ニップ11cに到達する直前に、空気吸引部が空気吸引部接続孔61fに接続されるように切換弁が設定されるとともに、空気吸引部が作動される。これにより、ローラー胴部61aの内部の空気が空気吸引部接続孔61fを通して吸引され、ローラー胴部61aの内部が負圧となる。すると、二次転写ローラー61の空気流動ノズル孔61g形成部分における外部近傍の空気が各空気流動ノズル孔61gを通してローラー胴部61aの内部に吸引される。この状態で、ゲートローラー16から転写材Sが給送されて、転写材Sの先端部15aが二次転写ローラー61の空気流動ノズル孔61g形成部分に到達すると、転写材Sの先端部15aは各空気流動ノズル孔61gによって吸引されて二次転写ローラー61の弾性層61bに吸着される。
【0105】
そして、各空気流動ノズル孔61gによって転写材Sの先端部が吸着された状態で、二次転写ニップ部において転写ベルト40に担持されたトナー像が転写材Sに転写される。更に、二次転写ニップを通過した転写材Sは、各空気流動ノズル孔61gによって転写材Sの先端部15aが吸着されることで転写ベルト40から確実に剥離する。その後、空気吸引部の作動が停止されて転写材Sの先端部の吸引が終了する。そして、転写材Sの先端部が二次転写ローラー61から剥離される剥離位置に到達すると、空気供給部が作動されるとともに、切換弁が切り換えられて空気送給部が空気吸引部接続孔61fに接続される。すると、ローラー胴部61aの内部に正圧の空気が送給されとともに、正圧の空気がノズル孔61gからローラー胴部61aの外部に流出する。流出した空気により、転写材Sが二次転写ローラー61から容易に剥離される。
【0106】
以上のような転写材把持・剥離機構を有する2次転写ローラー61によっても、接触ニップ(Nc)の長さをこれまで説明した方法によって調整することで画像のずれを抑制することが可能となる。このような実施形態によれば、各空気流動ノズル孔61gにより転写材Sの先端部を吸引した状態で、転写ベルト40に担持されたトナー像を転写材Sに転写するので、転写後に転写材Sを転写ベルト40から確実に剥離することが可能となる。また、転写後に各空気流動ノズル孔61gによる転写材Sの吸引が終了するので、転写材Sを二次転写ローラー61の弾性層61bの外周面から容易に剥離することが可能となる。
【0107】
なお、図13に示す実施形態においても、バックアップローラー44側に弾性層を設けるようにしてもよいし、2次転写ローラー61およびバックアップローラー44の両方に弾性層を設けるようにしてもよい。
【0108】
以上、本発明の画像形成装置及び画像形成方法によれば、転写ローラー側に弾性層を設け、バックアップローラーが像担持体ベルト及び転写材を介して転写ローラー側に食い込むように圧力ニップを形成し、それに続いて像担持体ベルトがバックアップローラーとは接触せず、転写ローラーに巻きかかる形で接触ニップを形成することで、良好な転写性が得られることに加え、調整部によって、接触ニップの長さを適切に制御することで、画像ずれの発生を極力防止でき、画質が向上する。
【符号の説明】
【0109】
10Y、10M、10C、10K・・・感光体、11Y、11M、11C、11K・・・コロナ帯電器、12Y、12M、12C、12K・・・露光ユニット、13Y、13M、13C、13K・・・第1感光体スクイーズローラー、13Y’、13M’、13C’、13K’・・・第2感光体スクイーズローラー、14Y、14Y’、14M、14M’、14C、14C’、14K、14K’、・・・感光体スクイーズローラークリーニングブレード、18Y、18M、18C、18K・・・感光体クリーニングブレード、20Y、20M、20C、20K・・・現像ローラー、21Y、21M、21C、21K・・・現像ローラークリーニングブレード、22Y、22M、22C、22K・・・コンパクションコロナ発生器、30Y、30M、30C、30K・・・現像装置、31Y、31M、31C、31K・・・現像剤容器、32Y、32M、32C、32K・・・アニロックスローラー、31Y、31M、31C、31K・・・現像剤容器、33Y、33M、33C、33K・・・規制ブレード、34Y、34M、34C、34K・・・オーガ(供給ローラー)、40・・・転写ベルト、40a・・・基材層、40b・・・弾性層、41・・・ベルト張架ローラー、41c・・・(ベルト張架ローラー)軸、42・・・ベルト張架ローラー、44・・・バックアップローラー、44a・・・ローラー胴部、44b・・・弾性層、45・・・現像剤回収部、46・・・転写ベルトクリーニングローラー、47・・転写ベルトクリーニングローラークリーニングブレード、49・・・転写ベルトクリーニングブレード、50Y、50M、50C、50K・・・1次転写部、51Y、51M、51C、51K・・・1次転写バックアップローラー、52・・・テンションローラー、60・・・2次転写ユニット、61・・・2次転写ローラー、61a・・・ローラー胴部、61b・・・弾性層、62・・・2次転写ローラークリーニングブレード、74・・・(クリーニング)ブレード保持部材、85・・・2次転写ユニット回収貯留部、90・・・定着ユニット、91・・・加熱ローラー、92・・・加圧ローラー、95・・・第1転写ローラー、96・・・第2転写ローラー、101、101’・・・ゲートローラー、110・・・転写ベルトユニットフレーム、111・・・付勢部材端固定部、112・・・穴部、115・・・転写ベルトユニットフレーム穴部、120・・・2次転写ユニットフレーム、121・・・付勢部材端固定部、122・・・2次転写ユニットフレーム回動中心部、123・・・2次転写ローラー回動中心部、125・・・2次転写ユニットフレーム穴部、130・・・付勢部材、140・・・偏心穴付き円筒部材、141・・・偏心穴、145・・・偏心突状部付き円筒部材、146・・・本体部、147・・・突状部、200・・・画像形成コントローラー部、210・・・転写材種別情報記憶部、230・・・主制御部、250・・・接触ニップ調整機構制御部、601・・・ローラー胴部、602・・・ローラー軸部、605・・・開口凹部、610・・・転写材把持機構、611・・・転写材把持爪、612・・・爪座部、613・・・第1開口縁、614・・・第2開口縁、615・・・把持爪回動中心
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光体上に形成した潜像をトナーによって現像し、現像トナー像を転写ベルト上に転写し、さらに転写ベルト上のトナー像を記録紙などの媒体に転写し、転写された媒体上のトナー像を融着し定着して画像形成する画像形成装置及び画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液体溶媒中に固体成分からなるトナー粒子を分散させた高粘度の液体現像剤を用いて潜像を現像し、静電潜像を可視化する湿式画像形成装置が種々提案されている。この湿式画像形成装置に用いられる現像剤は、シリコーンオイルや鉱物油、食用油等からなる電気絶縁性を有し高粘度の有機溶剤(キャリア液)中に固形分(トナー粒子)を懸濁させたものであり、このトナー粒子は、粒子径が1μm前後と極めて微細である。このような微細なトナー粒子を使用することにより、湿式画像形成装置では、粒子径が7μm程度の粉体トナー粒子を使用する乾式画像形成装置に比べて高画質化が可能である。
【0003】
ところで、液体現像剤を用いた画像形成装置においては、液体現像剤を用いる印刷方式において、特に中間転写ベルト上に複数色を重ねてから一度に用紙(転写材)に転写する方式では、用紙への転写(2次転写)効率の低下が問題になる。
【0004】
そこで、このような問題に対処するために、例えば、特許文献1(特開2001−166611号公報)の記載の発明では、二次転写ローラー81に転写ベルトを巻きかけることで、圧力ニップに加え接触ニップを形成し、2次転写部におけるニップ長さをある程度かせいでやり、転写材と転写ベルト上の顕像との間の圧接力および転写電界が作用する時間を長くすることで転写率を高める方式が提案されている。
【特許文献1】特開2001−166611号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、二次転写ローラーに転写ベルトを巻きかけることによって圧力ニップと共に接触ニップを設ける従来の方式においては、転写時に転写材上の画像を引きずったような画像ずれが発生するおそれがある、という問題があった。
【0006】
このような画像ずれの原因は、ニップ部でのベルト表面速度の変化が考えられる。転写ベルトがバックアップローラー(ベルト内側のローラー73、72)に巻きかかる部分(圧力ニップ部)では、転写ベルト表面が伸張するが、二次転写ローラ(ベルト外側のローラ81)に巻きかかる部分(接触ニップ部)では逆に転写ベルト表面が圧縮される。これにより、転写ベルト表面速度が変化する。
【0007】
特に、従来例に用いられるような、弾性体中に非弾性心線を設けることでベルトの伸びを防ぐ構造ではなく、伸び防止のための基材層上に弾性層を設けたベルトでは、基材層により決まるベルト走行速度に対して、ベルト屈曲方向によってベルト表面速度が上下するため、屈曲変化によるベルト表面の速度変化が大きくなり、これにより画像ずれが顕著になりやすい。
【0008】
このように転写効率を向上させるために、二次転写ローラーに転写ベルトを巻きかけ、圧力ニップと共に接触ニップを設ける方式においては、圧力ニップにおける転写ベルト表面速度と、接触ニップにおける転写ベルト表面速度とが変化することにより、画像ずれが
生じ、画質が悪化するおそれがあるという問題を内包していた。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記のような問題を解決するために、本発明に係る画像形成装置は、弾性層を有し、像を担持する像担持体ベルトと、前記像担持体ベルトを巻き掛けるローラーと、前記像担持体ベルトを介して前記ローラーと圧接して形成される圧力ニップ、及び前記ローラーに巻き掛けられていない前記像担持体ベルトに接触して形成される接触ニップを含む転写ニップで前記像担持体ベルトに担持された前記像を転写材に転写する転写ローラーと、前記転写ニップで転写される前記転写材の種別に係る情報を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶される前記情報に基づいて前記接触ニップの前記転写材の移動方向の長さを調整する調整部と、を有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記調整部で調整される前記接触ニップの前記転写材の移動方向の長さは前記圧力ニップの前記転写材の移動方向の長さより短い。
【0011】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記転写ローラーの外径は前記ローラーの外径より大きい。
【0012】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記転写ローラーは弾性層を有し、前記転写ローラーの弾性層の厚さは、前記接触ニップの前記転写材の移動方向の長さより大きい。
【0013】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記像担持体ベルトの弾性層の厚さは、前記接触ニップの前記転写材の移動方向の長さより小さい。
【0014】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記転写ローラーは周面に凹部を有するとともに、前記凹部に前記転写材を把持する転写材把持部材を有する。
【0015】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記転写ローラーは、空気の流動により前記転写材の吸着または剥離を行うノズル孔を有する。
【0016】
また、本発明に係る画像形成方法は、記憶部に記憶された転写材の銃別に係る情報に基づいて、弾性層を有する像担持体ベルトを介して前記像担持体ベルトを巻き掛けたローラーと転写ローラーとが圧接して形成された圧力ニップ、及び前記ローラーに巻き掛けられていない前記像担持体ベルトに前記転写ローラーが接触して形成された接触ニップを含む転写ニップのうちの前記接触ニップの前記転写材の移動方向の長さを調整し、前記像担持体ベルトに像を担持し、前記像担持体に担持された前記像を前記転写ニップで前記転写材に転写することを特徴とする。
【0017】
以上、本発明の画像形成装置及び画像形成方法によれば、転写ローラー側に弾性層を設け、バックアップローラーが像担持体ベルト及び転写材を介して転写ローラー側に食い込むように圧力ニップを形成し、それに続いて像担持体ベルトがバックアップローラーとは接触せず、転写ローラーに巻きかかる形で接触ニップを形成することで、良好な転写性が得られることに加え、調整部によって、接触ニップの長さを適切に制御することで、画像ずれの発生を極力防止でき、画質が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置を構成する主要構成要素を示した図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置の制御に関連するブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る画像形成装置における接触ニップ調整機構の動作例を示す図である。
【図4】接触ニップ調整機構によって圧力ニップのみが形成された様子を示す図である。
【図5】接触ニップ調整機構によって圧力ニップに加え所定長の接触ニップが形成された様子を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る画像形成装置における接触ニップ調整機構の構成例を示す図である。
【図7】接触ニップ調整機構で用いられる偏心穴付き円筒部材を示す図である。
【図8】本発明の他の実施形態に係る画像形成装置における接触ニップ調整機構の構成例を示す図である。
【図9】他の実施形態における接触ニップ調整機構で用いられる偏心穴付き偏心突状部付き円筒部材を示す図である。
【図10】他の実施形態における接触ニップ調整機構の動作を説明する図である。
【図11】本発明の他の実施形態に係る画像形成装置における2次転写ニップ部の構成を示す図である。
【図12】転写材把持機構を備える他の実施形態に係る画像形成装置における2次転写ローラーの構成を示す図である。
【図13】本発明の他の実施形態に係る画像形成装置で用いる2次転写ローラー61の断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施の形態に係る画像形成装置を構成する主要構成要素を示した図である。画像形成装置の中央部に配置された各色の画像形成部に対し、現像装置30Y、30M、30C、30Kは、画像形成装置の下方部に配置され、転写ベルト40、2次転写部(2次転写ユニット)60、定着ユニット90などの構成は画像形成装置の上方部に配置されている。本実施形態においては、2次転写ユニット60で2次転写を経た用紙などの転写材Sは、定着ユニット90へと搬送される構成となっている。
【0020】
現像装置30Y、30M、30C、30Kは、トナーによる画像を形成するために、感光体10Y、10M、10C、10K、コロナ帯電器11Y、11M、11C、11K、LEDアレイなどの露光ユニット12Y、12M、12C、12K等を備えている。コロナ帯電器11Y、11M、11C、11Kにより、感光体10Y、10M、10C、10Kを一様に帯電させ、露光ユニット12Y、12M、12C、12Kにより、入力された画像信号に基づいて露光を行い、帯電された感光体10Y、10M、10C、10K上に静電潜像を形成する。
【0021】
現像装置30Y、30M、30C、30Kは、概略、現像ローラー20Y、20M、20C、20K、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)からなる各色の液体現像剤を貯蔵する現像剤容器(リザーバ)31Y、31M、31C、31K、これら各色の液体現像剤を現像剤容器31Y、31M、31C、31Kから現像ローラー20Y、20M、20C、20Kに塗布する塗布ローラーであるアニロックスローラー32Y、32M、32C、32K等を備え、各色の液体現像剤により感光体10Y、10M、10C、10K上に形成された静電潜像を現像する。
【0022】
転写ベルト40(「像担持体ベルト」ともいう)は、エンドレスのベルトであり、転写ベルト40を駆動するバックアップローラー44、ベルト張架ローラー41、42、テンションローラー52に張架され、1次転写部50Y、50M、50C、50Kで感光体10Y、10M、10C、10Kと当接しながら回転駆動される。バックアップローラー44は不図示のモーターなどの駆動部を持つ駆動ローラーであり、このバックアップローラ
ー44が回転することによって、転写ベルト40を回転駆動している。
【0023】
1次転写部50Y、50M、50C、50Kは、感光体10Y、10M、10C、10Kと転写ベルト40を挟んで1次転写ローラー51Y、51M、51C、51Kが対向配置され、感光体10Y、10M、10C、10Kとの当接位置を転写位置として、現像された感光体10Y、10M、10C、10K上の各色のトナー像を転写ベルト40上に順次重ねて転写し、フルカラーのトナー像を形成する。
【0024】
本発明に係る画像形成装置においては、転写ベルト40を駆動するバックアップローラー44が現像装置30Kの直下流に設けられることにより、現像装置30Y、30M、30C、30Kで現像されたトナー像は、転写ベルト40に安定的に1次転写することができるようになっている。また、ベルト張架ローラー41の直下流にはテンションローラー52でベルト張架ローラー41などの変位に伴う変動を吸収することにより、1次転写部や各現像装置に当該変動が伝達しないようにしている。
【0025】
2次転写部においては、2次転写ローラー61が転写ベルト40を挟んでバックアップローラー44と対向配置され、さらに2次転写ローラークリーニングブレード62からなるクリーニング装置が配置される。そして、2次転写ローラー61を配置した転写位置において、転写ベルト40上に形成された単色のトナー像やフルカラーのトナー像を転写材搬送経路Lにて搬送される用紙、フィルム、布等の転写材に転写する。なお、2次転写ユニット60は、転写ベルト40と2次転写ローラー61との間で形成されるニップにおいて、転写ベルト40上に形成されたトナー像を転写材に転写するために必要な構成の全てを内包するものである。すなわち、2次転写ユニット60には、2次転写ローラー61とベルト張架ローラー41との間に電位差を与え、トナー像の移動を促す不図示のバイアス印加手段なども含まれるものである。
【0026】
本発明に係る画像形成装置においては、2次転写ローラー61とバックアップローラー44との間を通過する転写ベルト40及び転写材Sに、これら2つのローラー間の圧力を印加することが可能な圧力ニップを構成する領域(Np)と、2次転写ローラー61に転写ベルト40を巻きかけることで、接触ニップを形成する領域(Nc)とを有しており、特許文献1記載のように転写効率を高めることができるようになっている。また、本発明に係る画像形成装置においては、接触ニップを形成する領域(Nc)の長さ(ローラー周面方向の距離。以下、ニップの長さに関してはこの定義にならうものとする。)を、転写材Sの種別に応じて調整する調整部を有している。このような調整部によって、接触ニップ(Nc)の長さは、ゼロから所定長まで変化するが、接触ニップ(Nc)の長さは、必ず圧力ニップ(Np)より短くなるように設定されている。接触ニップ(Nc)の長さの調整部に関する具体的な構成については後述する。
【0027】
2次転写ローラー61は、ローラー胴部61aの周囲に所定の厚さの弾性層61bが配された構造となっている。すなわち、2次転写ローラー61の弾性層61bを設け、さらに、バックアップローラー44が転写ベルト40及び転写材Sを介して2次転写ローラー61側に食い込むように圧力ニップ(Np)を形成し、それに続いて転写ベルト40がバックアップローラー44とは接触せず、2次転写ローラー61に巻きかかる形で接触ニップ(Nc)を形成することで、良好な転写性が得られる
上記のような2次転写ユニット60で2次転写を経た用紙などの転写材は、定着ユニット90に搬送するようになっており、定着ユニット90では、用紙等の転写材上に転写された単色のトナー像やフルカラーのトナー像を用紙等の転写材に融着させ定着させる。
【0028】
転写ベルト40がベルト張架ローラー42に張架されている箇所で、転写ベルト40をクリーニングする転写ベルトクリーニングブレード49からなるクリーニング装置が当接
・配置され、転写ベルト40上の残りトナー、キャリアをクリーニングするようになっている。
【0029】
画像形成装置に対する転写材Sの供給は給紙装置(不図示)によって行われる。このような給紙装置にセットされた転写材Sは、所定のタイミングにて一枚ごとに転写材搬送経路Lに送り出されるようになっている。転写材搬送経路Lでは、ゲートローラー101、101’によって転写材Sを2次転写位置まで搬送し、転写ベルト40上に形成された単色のトナー現像像やフルカラーのトナー現像像を転写材に転写する。2次転写された転写材は、定着ユニット90に搬送される。定着ユニット90は、加熱ローラー91と、この加熱ローラー91側に所定の圧力で付勢された加圧ローラー92とから構成されており、これらのニップ間に転写材を挿通させ、転写材上に転写された単色のトナー像やフルカラーのトナー像を用紙等の転写材に融着し定着させる。
【0030】
ここで、現像装置について説明するが、各色の画像形成部及び現像装置の構成は同様であるので、以下、イエロー(Y)の画像形成部及び現像装置に基づいて説明する。
【0031】
画像形成部は、感光体10Yの外周の回転方向に沿って、感光体クリーニングブレード18Y、コロナ帯電器11Y、露光ユニット12Y、現像装置30Yの現像ローラー20Y、第1感光体スクイーズローラー13Y、第2感光体スクイーズローラー13Y’が配置されている。
【0032】
感光体10Yと当接している感光体クリーニングブレード18Yは、感光体10Y上の1次転写部において転写されずに残留した液体現像剤をクリーニングする。
【0033】
現像装置30Yにおける現像ローラー20Yの外周には、クリーニングブレード21Y、アニロックスローラー32Y、コンパクションコロナ発生器22Yが配置されている。アニロックスローラー32Yには、現像ローラー20Yへ供給する液体現像剤の量を調整する規制ブレード33Yが当接している。液体現像剤容器31Yの中にはオーガ34Yが収容されている。また、感光体10Yと対向する位置には、転写ベルト40を挟むようにして、1次転写部の1次転写ローラー51Yが配置されている。
【0034】
感光体10Yは、外周面にアモルファスシリコン感光体などの感光層が形成された円筒状の部材からなる感光体ドラムであり、時計回りの方向に回転する。
【0035】
コロナ帯電器11Yは、感光体10Yと現像ローラー20Yとのニップ部より感光体10Yの回転方向の上流側に配置され、図示しない電源装置から電圧が印加され、感光体10Yをコロナ帯電させる。露光ユニット12Yは、コロナ帯電器11Yより感光体10Yの回転方向の下流側で、かつ、感光体10Yと現像ローラー20Yと当接部の上流において、コロナ帯電器11Yによって帯電された感光体10Y上に光を照射し、感光体10Y上に潜像を形成する。なお、画像形成プロセスの始めから終わりまでで、より前段に配置されるローラーなどの構成は、後段に配置されるローラーなどの構成より上流にあるものと定義する。
【0036】
現像装置30Yは、コンパクション作用を施すコンパクションコロナ発生器22Y、キャリア内にトナーを概略重量比20%程度に分散した状態の液体現像剤を貯蔵する現像剤容器31Yを有する。
【0037】
また現像装置30Yは、前記の液体現像剤を担持する現像ローラー20Y、液体現像剤を現像ローラー20Yに塗布するための塗布ローラーであるアニロックスローラー32Yと、現像ローラー20Yに塗布する液体現像剤量を規制する規制ブレード33Yと、液体
現像剤を攪拌、搬送しつつアニロックローラー32Yに供給するオーガ34Y、現像ローラー20Yに担持された液体現像剤をコンパクション状態にするコンパクションコロナ発生器22Y、現像ローラー20Yのクリーニングを行う現像ローラークリーニングブレード21Yを有する。
【0038】
現像剤容器31Yに収容されている液体現像剤は、従来一般的に使用されているIsopar(商標:エクソン)をキャリアとした低濃度(1〜3wt%程度)かつ低粘度の、常温で揮発性を有する揮発性液体現像剤ではなく、高濃度かつ高粘度の、常温で不揮発性を有する不揮発性液体現像剤である。すなわち、本発明における液体現像剤は、熱可塑性樹脂中へ顔料等の着色剤を分散させた平均粒径1μmの固形粒子を、有機溶媒、シリコーンオイル、鉱物油又は食用油等の液体溶媒中へ分散剤とともに添加し、トナー固形分濃度を約15〜25%とした高粘度(HAAKE RheoStress RS600を用いて、25℃の時のせん断速度が1000(1/s)のときの粘弾性が30〜300mPa・s程度)の液体現像剤である。
【0039】
アニロックスローラー32Yは、現像ローラー20Yに対して液体現像剤を供給し、塗布する塗布ローラーとして機能するものである。このアニロックスローラー32Yは、円筒状の部材であり、表面に現像剤を担持し易いように表面に微細且つ一様に螺旋状に彫刻された溝による凹凸面が形成されたローラーである。このアニロックスローラー32Yにより、現像剤容器31Yから現像ローラー20Yへと液体現像剤が供給される。装置動作時においては、図1に示すように、オーガ34Yが反時計回り回転し、アニロックローラー32Yに液体現像剤を供給し、アニロックローラー32Yは反時計回りに回転して、現像ローラー20Yに液体現像剤を塗布する。
【0040】
規制ブレード33Yは、厚さ200μm程度の金属ブレードであり、アニロックスローラー32Yの表面に当接し、アニロックスローラー32Yによって坦持搬送されてきた液体現像剤の膜厚、量を規制し、現像ローラー20Yに供給する液体現像剤の量を調整する。そして、アニロックスローラー32Yによって担持搬送されてきた液体現像剤の膜厚、量を規制、調整し、現像ローラー20Yに供給する液体現像剤の量を調整する。
【0041】
現像ローラークリーニングブレード21Yは、現像ローラー20Yの表面に当接するゴム等で構成され、現像ローラー20Yが感光体10Yと当接する現像ニップ部より現像ローラー20Yの回転方向の下流側に配置されて、現像ローラー20Yに残存する液体現像剤を掻き落として除去するものである。
【0042】
コンパクションコロナ発生器22Yは、現像ローラー20Y表面の帯電バイアスを増加させる電界印加手段であり、コンパクションコロナ発生器22Yによって、コンパクション部位でコンパクションコロナ発生器22Y側から現像ローラー20Yに向かって電界が印加される。なお、このコンパクションのための電界印加手段は、図1に示すコロナ放電器のコロナ放電に代えて、コンパクションローラーなどを用いても良い。
【0043】
現像ローラー20Yに担持されてコンパクションされた現像剤は、現像ローラー20Yが感光体10Yに当接する現像ニップ部において、所定の電界印加によって、感光体10Yの潜像に対応して現像される。
【0044】
現像残りの現像剤は、現像ローラークリーニングブレード21Yによって掻き落として除去され現像剤容器31Y内の回収部に滴下して再利用される。
【0045】
1次転写の上流側に配置される感光体スクイーズ装置は、感光体10Yに対向して現像ローラー20Yの下流側に配置して感光体10Yに現像されたトナー像の余剰キャリアを
回収するものである。この感光体スクイーズ装置は、感光体10Yに摺接して回転する弾性ローラー部材から成る第1感光体スクイーズローラー13Y、第2感光体スクイーズローラー13Y’とから構成され、感光体10Y上に現像されたトナー像から余剰なキャリア及び本来不要なカブリトナーを回収し、顕像(トナー像)内のトナー粒子比率を上げる機能を有する。なお、感光体スクイーズローラー13Y、13Y’には、所定のバイアス電圧が印加されている。
【0046】
上記の第1感光体スクイーズローラー13Y、第2感光体スクイーズローラー13Y’からなるスクイーズ装置を経た感光体10Y表面は、1次転写部50Yに進入する。
【0047】
1次転写部50Yでは、感光体10Yに現像された現像剤像を1次転写ローラー51Yにより転写ベルト40へ転写する。この1次転写部においては、1次転写バックアップローラー51に印加される転写バイアスの作用によって、感光体10上のトナー像は転写ベルト40側に転写される。ここで、感光体10Yと転写ベルト40は等速度で移動する構成であり、回転及び移動の駆動負荷を軽減するとともに、感光体10Yの顕像トナー像への外乱作用を抑制している。
【0048】
上記現像装置30Yの現像プロセスと同様のプロセスによって、現像装置30M、30C、30Kにおいても、それぞれの感光体10M、10C、10K上にマゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナー像が各々形成される。そして、転写ベルト40はイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)各色の1次転写部50のニップを通過し、各色の感光体上の現像剤(現像像)が転写され、色重ねされて2次転写ユニット60のニップ部に進入する。
【0049】
2次転写ユニット60を経た転写ベルト40は、再び1次転写部50で転写像を受けるために周回するが、1次転写部50が実行される上流側において転写ベルト40は、転写ベルトクリーニングブレード49などによってクリーニングが実施される。
【0050】
転写ベルト40は、例えばポリイミド樹脂等の可撓性の基材層40aと、この基材層40aの表面に形成されたゴム層等の弾性層40bと、から構成されてなるものである。また、弾性層40bの表面には、適宜PFAなどの表層を形成することが好ましい。このような転写ベルト40では、ポリイミドなどから形成される基材層40a側において、バックアップローラー44、ベルト張架ローラー41などで張架され、PFAなどの表層側においてトナー像が転写されるようにして用いられる。
【0051】
次に、以上のように構成される本発明に係る画像形成装置の制御について説明する。本発明の実施形態に係る画像形成装置の制御に関連するブロック図である。図2において、200は画像形成コントローラー部、210は転写材種別情報記憶部、230は主制御部、250は接触ニップ調整機構制御部をそれぞれ示している。
【0052】
主制御部230は本発明に係る画像形成装置の各制御を行うためのメインコントローラである。このような主制御部150としては、CPUやRAM、ROM等を備える汎用の情報処理装置を用い、入力された所定情報に基づいて所定ブロックへの命令を出力する動作を前記CPUに実行させるプログラムを予め前記ROMに記憶させることによって実現することが可能である。
【0053】
転写材種別情報記憶部210は、画像形成装置で画像形成する転写材の種別に係るデータを一時的に記憶する記憶手段である。このような転写材種別情報記憶部210は、例えば、画像形成装置内に設けられる転写材の種別を判定する判定センサからの情報、画像形成装置に対して画像形成実行命令を出力する上位装置からの情報、或いは、画像形成装置
に対して転写材を供給する給紙装置からの情報、或いは、画像形成装置の筐体部に設けられユーザーが入力操作を行うコントロールパネルからの情報を取得して、その情報を格納するように構成される。このような転写材種別情報記憶部210は、圧力ニップ(Np)、接触ニップ(Nc)にどのような転写材Sを挿通させて2次転写を行うかを記憶するものである。転写材種別情報記憶部210に記憶される転写材種別データは、主制御部150における制御のために適宜利用される。
【0054】
画像形成コントローラー部200は、画像形成装置に入力された画像信号に基づいて、作像のためのデータを生成した上で、主制御部150側に対して生成データを適宜出力する。
【0055】
接触ニップ調整機構制御部250は、転写ベルト40がバックアップローラー44とは接触せず、2次転写ローラー61に巻きかかる形で形成される接触ニップ(Nc)の長さを調整する機構を制御するものである。本実施形態に係る画像形成装置においては転写材種別情報記憶部210に記憶されている転写材Sに係るデータに基づいて、接触ニップ調整機構制御部250が、接触ニップ(Nc)の長さ調整機構を制御することで、転写材Sに応じた適切な接触ニップ(Nc)長さを最低限確保し、転写効率を向上させると同時に、画像ずれの発生を極力防止し、画質を向上させるようにするものである。
【0056】
ところで、転写材種別情報記憶部210に記憶させる転写材Sの種別に係るデータを前記コントロールパネルから入力する場合のパターンについて説明する。例えば、コントロールパネルから、転写材Sの種別として、コート紙又は非コート紙の選択する方法としては、ユーザーがコントロールパネルから予めメモリに内蔵されている紙種または製品名を選択する方法が考えられる。この場合、後述するように、製品名ごとにコート紙/非コート紙のどちらに対応するかメモリに記録されている。
【0057】
また、転写材Sの種別に係るデータを入力する方法としては、ユーザーがコントロールパネルから、コート紙/非コート紙のいずれかを直接選択する方法が考えられる。
【0058】
また、転写材Sの種別に係るデータとして、転写材Sの微小凹凸を入力する場合には、コントロールパネルからユーザーが紙種または製品名を選択するように構成することが考えられる。このとき、製品名ごとの凹凸の大きさをメモリに記録するように構成する。
【0059】
また、転写材Sの微小凹凸を入力する方法としては、ユーザーがコントロールパネルから、凹凸の大きさの値(例えばRz)を入力する方法が考えられる。
【0060】
また、転写材Sの種別に係るデータを選択するのではなく、ユーザーがコントロールパネルから直接設定したい接触ニップ(Nc)長さを入力してもよい。
【0061】
以上のようにコントロールパネルで設定された転写材S種別、接触ニップ(Nc)長を具体的にどのように、本実施形態において活用するかは後に説明する。
【0062】
上記のような接触ニップ調整機構制御部250によって制御される接触ニップ調整機構の動作の一例について説明する。図3は本発明の実施形態に係る画像形成装置における接触ニップ調整機構の動作例を示す図である。また、図4は接触ニップ調整機構によって圧力ニップのみが形成された様子を示す図であり、図5は接触ニップ調整機構によって圧力ニップに加え所定長の接触ニップが形成された様子を示す図である。図3は画像形成装置の2次転写部近傍の構成を抜き出して示す模式図であり、図4及び図5はいずれも2次転写ニップ部の拡大図である。
【0063】
図3に示す接触ニップ調整機構の動作例では、ベルト張架ローラー41が変位することによって接触ニップ(Nc)の長さを調整するようにしている。ベルト張架ローラー41は、実線で示す位置と、点線で示す位置との間の任意の位置をとることができ、実線で示す位置では、接触ニップ(Nc)の長さがゼロとなり、圧力ニップ(Np)のみが形成される状態(図4に示す状態)となり、点線で示す位置では、圧力ニップ(Np)に加えて、最大長さの接触ニップ(Nc)が形成される状態(図5に示す状態)となる。
【0064】
転写材Sとしては、表面に所定のコーティングが施されたコート紙、又は、これが施されていない非コート紙などの種類があるが、これらを画像形成装置で印刷する場合、コート紙は表面に微小な凹凸が少なく2次転写部における転写効率は比較的よく、非コート紙はコート紙の転写効率に比べると劣るものとなる。
【0065】
そこで、本発明に係る画像形成装置においては、転写材Sとしてコート紙が用いられた場合には、接触ニップ(Nc)の長さを短くするか、或いは全くなくしてしまい、主として圧力ニップ(Np)で2次転写を行うようにする。この場合、接触ニップ(Nc)は比較的短いものとなるため、画像ずれが生じることがごくわずかであり、画質の悪化を招くことがほとんどない。また、コート紙を用いる場合、圧力ニップ(Np)主体のニップ構成でも、所定以上の転写効率を期待することができる。
【0066】
一方、転写材Sとして非コート紙が用いられた場合には、ある程度の長さの接触ニップ(Nc)をとり、これと圧力ニップ(Np)とを併用して2次転写を行うようにする。この場合、接触ニップ(Nc)は必要最低限の長さを確保するように設定されるため、生じる画像ずれはわずかなものとなり、画質の悪化を招くことがほとんどない。また、非コート紙を用いる場合、圧力ニップ(Np)と共に接触ニップ(Nc)が設けられたニップ構成でも、転写効率も良好なものとなる。
【0067】
圧力ニップ(Np)に加え接触ニップ(Nc)が設けられたニップ構成で、転写効率が向上するメカニズムは次のように想定される。すなわち、圧力ニップ(Np)では圧接荷重により転写ベルト40の弾性層40bが変形することで、転写ベルト40の表面が転写材Sの表面の微視的な凹凸に追従する。これにより、転写ベルト40に担持されたトナー像と転写材Sとの密着性が高くなる。そして、トナー像と転写材Sとの密着性が高くなった状態で、圧力ニップ(Np)において二次転写バイアスにより電界が形成されることで、転写ベルト40に担持されたトナー像が、微視的な凹凸を有する転写材Sの表面に効果的に転写される
ここで、コート紙及び非コート紙の具体例について説明する。本実施形態で利用し得るコート紙としては、例えば、SA金藤+、OK金藤+、OKトップコート+、OKコートNグリーン100、OKトップコートマットN、OKコートL(以上、(株)王子製紙製)、オーロラコート、アルティマグロス、MIグロス、ペガサス、ユーライト、シルバーダイヤ、アルティマックス、ユーライトL、オーロラLWXマット、ピレデラ、エナジーS、ペガサスマット、しらおいマット、ネプチューン、アルティマシルク、オーロラL、MIシルク、オーロラS、ペガサスダル(以上、(株)日本製紙)などがある。
【0068】
また、本実施形態で利用し得る非コート紙としては、OKプリンス上質、OKプリンス上質エコG100、OKエバーライト、OKスターライト、NEWやまゆりR、ホワイトやまゆりDX、ライラック(以上、(株)王子製紙製)、npi上質、しらおい、npi上質バルキー、ハイランド、ジャストランド、アルプス、ホワイトランド、アンデス、アンデスタフ、ハイランドタフ、リーフバルキーホワイト、ピレーヌタフ、クリームロッキータフ、ホワイトロッキータフ、ハイパーピレーヌタフ、オペラクリーム、アルトクリーム(以上、(株)日本製紙)などがある。
【0069】
ところで、圧力ニップ(Np)のみからなる二次転写ニップ構成により、転写ベルト40に担持されたトナー像が転写材Sの表面に転写される場合は、転写材Sの表面の凸部に付着したトナーは比較的容易に転写ベルト40から剥離し易いが、転写材Sの表面の凹部に付着したトナーは、転写材Sの凸部に付着したトナーに比べて転写ベルト40から剥離し難い。この理由は、次のように考えられる。接触ニップ(Nc)が形成されない場合、圧力ニップ(Np)の出口(圧力ニップ(Np)の転写材Sの移動方向終了端)で、転写材Sが転写ベルト40から剥離される。このとき、転写ベルト40とトナーとの間、および転写材とトナーとの間には、圧力ニップ(Np)で付与された圧力により比較的大きな物理的付着力が存在している。圧力ニップ(Np)の出口付近では圧力が急激に解放されて、転写ベルト40の弾性層40bの変形が回復する。すると、転写材Sの凹部では、転写材Sの凹部と転写ベルト40との間に微小な空隙が発生する傾向となるため、転写材Sの凹部に位置するトナーどうしの凝集力が小さくなる。一方、圧力ニップ(Np)の出口付近では転写ベルト40とトナーとの間には、大きな物理的付着力が存在しているため、トナーどうしの凝集力が転写ベルト40とトナーとの間の物理的付着力に負けて、トナー膜が膜中で分断される。その結果、転写材Sの凹部に位置するトナーの一部が転写材Sに付着するが、トナーの残部が転写ベルト40に付着したままとなり、トナーの転写残りが発生すると考えられる。
【0070】
本実施形態のような二次転写部では、圧力ニップ(Np)に続いて接触ニップ(Nc)が形成されることで、二次転写ニップ構成が転写ロングニップとされる。この接触ニップ(Nc)では、転写ベルト40を介するバックアップローラー44と二次転写ローラー61との圧接が解消する。したがって、転写材Sが接触ニップ(Nc)を通過中では、転写材Sと転写ベルト40とに挟まれたトナーに圧力はほとんどかからない。このため、転写ベルト40と転写ベルト40に担持されたトナー像との物理的付着力が緩和される。また、圧力ニップ(Np)では二次転写バイアスにより転写電流が生じるが、この転写電流により転写ベルト40および転写材Sが帯電されるため、これにより接触ニップ(Nc)でも電界が存在している。すなわち、転写材Sの接触ニップ(Nc)通過中では、転写ベルト40とトナーとの物理的付着力が緩和された状態で、トナーに電界が作用する。その結果、転写ベルト40と転写材Sとが剥離する際、転写材Sの表面の凹部に付着するトナーは、電界の作用と、この凹部に隣接する凸部に付着するトナーとの凝集力とにより、転写ベルト40から剥離しやすくなる。このように圧力ニップ(Np)に続いて形成される接触ニップ(Nc)により、転写材Sの凹部に付着するトナーも転写ベルト40から比較的容易に剥離するので、転写効率が良好になるものと考えられる
さて、先の例においては、転写材Sがコート紙であるか、非コート紙であるかに応じて、接触ニップ調整機構によって、接触ニップ(Nc)の長さを調整するようにしていたが、このような基準によらず、他の基準によって、接触ニップ(Nc)の長さを調整するように構成することもできる。
【0071】
例えば、転写材Sの表面の粗さ、微視的凹凸の大きさの値を規定するパラメーターとしてRzがあるが、このRzが所定値以下であれば、表面に微小な凹凸が少なく2次転写部における転写効率は比較的よく、該Rzが所定値より大きければ、凹凸が多く2次転写部における転写効率が比較的よくない。
【0072】
そこで、転写材Sとして、所定値以下のRzのものが用いられた場合には、接触ニップ(Nc)の長さを短くするか、或いは全くなくしてしまい、主として圧力ニップ(Np)で2次転写を行うようにする。この場合、接触ニップ(Nc)は比較的短いものとなるため、画像ずれが生じることがごくわずかであり、画質の悪化を招くことがほとんどない。また、コート紙を用いる場合、圧力ニップ(Np)主体のニップ構成でも、所定以上の転写効率を期待することができる。
【0073】
一方、転写材Sとして、所定値より大きいRzのものが用いられた場合には、ある程度の長さの接触ニップ(Nc)をとり、これと圧力ニップ(Np)とを併用して2次転写を行うようにする。この場合、接触ニップ(Nc)は必要最低限の長さを確保するように設定されるため、生じる画像ずれはわずかなものとなり、画質の悪化を招くことがほとんどない。また、非コート紙を用いる場合、圧力ニップ(Np)と共に接触ニップ(Nc)が設けられたニップ構成でも、転写効率も良好なものとなる。
【0074】
次に、接触ニップ(Nc)長さ、及び、圧力ニップ(Np)長さの関連性について説明する。本実施形態に係る画像形成装置においては、接触ニップ(Nc)の長さが最大となるように接触ニップ調整機構によって調整したとしても、接触ニップ(Nc)の長さが圧力ニップ(Np)の長さよりも短くなるように設定することが好ましい。このように設定することで、2次転写ローラー61に巻き掛けられる転写ベルト40の巻掛け量が少なくなることから、転写ベルト40は2次転写ローラー61の外周面に沿って圧縮される方向にほとんど屈曲しない。したがって、2次転写ニップ構成で転写ベルト40の表面の屈曲方向がほとんど変化しないため、圧力ニップ(Np)と接触ニップ(Nc)とで転写ベルト40の表面速度の変化が抑制される。その結果、転写時に、転写材に転写された画像のずれを抑制することが可能となるのである。
【0075】
また、接触ニップ(Nc)の長さが最小となるように接触ニップ調整機構によって調整した場合、その長さがゼロとなるように設定すること好ましい。すなわち、本実施形態における画像形成装置においては圧力ニップ(Np)のみの2次転写ニップを構成することが可能となるように設定することが好ましい。このように、表面の微視的凹凸が少なくもともと2次転写効率が高い転写材Sに対しては、接触ニップ(Nc)を設けることなく転写することで、転写ベルト40の表面速度の変化に伴う画像ずれをなくすことが可能となる。
【0076】
次に、2次転写ニップ部を構成する2次転写ローラー61、バックアップローラー44の好ましい構成について説明する。本実施形態においては、2次転写ローラー61の径がバックアップローラー44の径より大きいものとなるように構成することが好ましい。このように構成することで、転写ベルト40を圧力ニップ(Np)の終了端からバックアップローラー44側にガイドしやすくなる。これにより、接触ニップ(Nc)の接触ニップ幅(ローラー周方向長さ)を小さくでき、2次転写ローラー61の外周面に沿う転写ベルト40の表面の圧縮方向の屈曲を更に効果的に抑制することが可能となる
また、本実施形態に係る画像形成装置においては、2次転写ローラー61の弾性層61bの厚さは、接触ニップ(Nc)の2次転写ローラー61周面の距離より大きくなるように構成することが好ましい。このように構成することで、ベルト張架ローラー41が転写ベルト40を圧力ニップ(Np)の終了端からバックアップローラー44側にガイドしやすくなる。これにより、接触ニップ(Nc)幅(ローラー周方向長さ)を小さくでき、2次転写ローラー61の外周面に沿う転写ベルト40の表面の圧縮方向の屈曲を更に効果的に抑制することが可能となる。
【0077】
また、本実施形態に係る画像形成装置においては、転写ベルト40の弾性層40bの厚さは、接触ニップ(Nc)の2次転写ローラー61周面の距離より小さくなるように構成することが好ましい。このように構成することで、ベルト張架ローラー41が転写ベルト40を圧力ニップ(Np)の終了端からバックアップローラー44側にガイドしやすくなる。これにより、接触ニップ(Nc)幅(ローラー周方向長さ)を小さくでき、2次転写ローラー61の外周面に沿う転写ベルト40の表面の圧縮方向の屈曲を更に効果的に抑制することが可能となる
次に、接触ニップ(Nc)の長さを調整するために用いる接触ニップ調整機構について説明する。図6は本発明の実施形態に係る画像形成装置における接触ニップ調整機構の構
成例を示す図であり、図7は接触ニップ調整機構で用いられる偏心穴付き円筒部材140を示す図である。
【0078】
転写ベルトユニットフレーム110は、画像形成装置筐体(不図示)内で、転写ベルト40を張架する、バックアップローラー44やベルト張架ローラー41などの各ローラーを回動自在に両端部から挟持する2つのフレームである。図6には示されていないが、この転写ベルトユニットフレーム110は各ローラーの軸方向の両端部に設けられるようになっている。
【0079】
この転写ベルトユニットフレーム110に対して、2次転写ユニットフレーム120が2次転写ユニットフレーム回動中心部122を中心として回動自在となるように取り付けられている。この2次転写ユニットフレーム120は、2次転写ローラー回動中心部123を中心として、2次転写ローラー61を回動自在に取り付けているものであり、やはり2次転写ローラー61を挟むようにして、その両端部に一枚ずつ配されるようになっている。
【0080】
また、2次転写ユニットフレーム120の付勢部材端固定部121には、バネなどの付勢部材130の一端が取り付けられている。さらに、当該付勢部材130の他端が、転写ベルトユニットフレーム110に設けられた付勢部材端固定部111に取り付けられている。これにより、2次転写ユニットフレーム120に取り付けられている2次転写ローラー61は、転写ベルト40を介してバックアップローラー44を常に押圧するようになっている。これにより、2次転写ニップにおける転写荷重を確保し、転写ベルト40上のトナー粒子を2次転写ニップで効率的に転写材S側に転写するようになっている。
【0081】
転写ベルトユニットフレーム110には穴部112が設けられており、この穴部112には偏心穴付き円筒部材140の外周面が嵌り込むようになっている。この偏心穴付き円筒部材140には、その中心軸Ocから、偏心した位置に中心軸Orを有する偏心穴141が設けられている。この偏心穴141には、ベルト張架ローラー41の軸端部が回動自在に取り付けられている。
【0082】
また、穴部112に取り付けられた偏心穴付き円筒部材140は中心軸Ocを中心として回動するので、中心軸Orは中心軸Ocを中心として公転するようになっている。接触ニップ調整機構制御部250は偏心穴付き円筒部材140の回転を制御することで、ベルト張架ローラー41のローラー軸が変位し、接触ニップ(Nc)の長さを調整することができるようになっている。
【0083】
図6において、接触ニップ調整機構制御部250が偏心穴付き円筒部材140を(a)の方向に回動すると、接触ニップ(Nc)の長さを増やすこととなり、(b)の方向に回動すると、接触ニップ(Nc)の長さを減らすこととなる。
【0084】
以上のように構成される本発明の画像形成装置によれば、2次転写ローラー61側に弾性層61bを設け、バックアップローラー44が転写ベルト40及び転写材を介して2次転写ローラー61側に食い込むように圧力ニップ(Np)を形成し、それに続いて転写ベルト40がバックアップローラー44とは接触せず、2次転写ローラー61に巻きかかる形で接触ニップ(Nc)を形成することで、良好な転写性が得られることに加え、接触ニップ調整機構を調整する調整部によって、接触ニップ(Nc)の長さを適切に制御することで、画像ずれの発生を極力防止でき、画質が向上する。
【0085】
次に、接触ニップ(Nc)の長さを調整するために用いる接触ニップ調整機構の他の実施形態について説明する。図8は本発明の他の実施形態に係る画像形成装置における接触
ニップ調整機構の構成例を示す図であり、図9は他の実施形態における接触ニップ調整機構で用いられる偏心穴付き偏心突状部付き円筒部材145を示す図である。
【0086】
他の実施形態においても、転写ベルトユニットフレーム110は、画像形成装置筐体(不図示)内で、転写ベルト40を張架する、バックアップローラー44やベルト張架ローラー41などの各ローラーを回動自在に両端部から挟持する2つのフレームである。図6には示されていないが、この転写ベルトユニットフレーム110は各ローラーの軸方向の両端部に設けられるようになっている。
【0087】
この転写ベルトユニットフレーム110には、転写ベルトユニットフレーム穴部115が設けられており、この穴部115に偏心突状部付き円筒部材145の突状部147が嵌合するようになっている。この偏心突状部付き円筒部材145には、本体部146の中心軸Ocから、偏心した位置に中心軸Orを有する円筒状の突状部147が設けられている。
【0088】
2次転写ローラー回動中心部123を中心として、2次転写ローラー61を回動自在に取り付けている2次転写ユニットフレーム120には、2次転写ユニットフレーム穴部125が設けられており、偏心突状部付き円筒部材145の本体部146の外周面が当該穴部125に嵌められるように配される。なお、偏心突状部付き円筒部材145に関連した動作については後述する。
【0089】
他の実施形態においても、2次転写ユニットフレーム120の付勢部材端固定部121には、バネなどの付勢部材130の一端が取り付けられており、さらに、当該付勢部材130の他端が、転写ベルトユニットフレーム110に設けられた付勢部材端固定部111に取り付けられている。これにより、2次転写ユニットフレーム120に取り付けられている2次転写ローラー61は、転写ベルト40を介してバックアップローラー44を常に押圧するようになっている。
【0090】
次に、以上のように構成される接触ニップ調整機構の動作について説明する。図10は他の実施形態における接触ニップ調整機構の動作を説明する図である。接触ニップ調整機構制御部250は偏心突状部付き円筒部材145の回転を制御することできるように構成されている。
【0091】
偏心突状部付き円筒部材145の突状部147が不動の転写ベルトユニットフレーム110に取り付けられているのに対して、本体部146は可動する2次転写ユニットフレーム120に取り付けられている関係上、偏心突状部付き円筒部材145が回転されると、突状部147の中心軸Orを中心として、本体部146の中心軸Ocが公転するようになっている。したがい、接触ニップ調整機構制御部250が偏心突状部付き円筒部材145を回転すると、突状部147を中心に偏心突状部付き円筒部材145の本体部146が回転して、図10(A)や図10(B)に示すような状態となる。そして、接触ニップ調整機構制御部250が接触ニップ調整機構を図10(A)のようなポジションとすると、接触ニップ(Nc)の長さを減らすこととなり、図10(B)のようなポジションとすると、接触ニップ(Nc)の長さを増やすこととなる。
【0092】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。図11は本発明の他の実施形態に係る画像形成装置における2次転写ニップ部の構成を示す図である。
【0093】
これまでの実施形態においては、2次転写ローラー61の周囲に所定の厚さの弾性層61bが配された構造について説明したが、本実施形態においては、2次転写ローラー61の周囲には弾性層を設けず、バックアップローラー44側に弾性層44bを設けるように
した。すなわち、本実施形態では、バックアップローラー44は、ローラー胴部44aの周囲に所定の厚さの弾性層44bが配された構造となっている。このような構造によっても、2次転写ローラー61が、転写ベルト40及び転写材Sを介してバックアップローラー44側に食い込むように圧力ニップ(Np)を形成し、それに続いて転写ベルト40がバックアップローラー44とは接触せず、2次転写ローラー61に巻きかかる形で接触ニップ(Nc)を形成することで、良好な転写性が得られるようになり、さらに接触ニップ(Nc)の長さをこれまで説明した方法によって調整することで画像のずれを抑制することが可能となる。
【0094】
なお、他の実施形態においては、バックアップローラー44側に弾性層44bを設けるようにしたが、2次転写ローラー61およびバックアップローラー44の両方に弾性層を設けるようにしてもよい。
【0095】
次に本発明の他の実施形態について説明する。他の実施形態においては、2次転写ローラー61のローラー胴部601には、転写材把持機構が設けられたものが利用される。図12は転写材把持機構を備える他の実施形態に係る画像形成装置における2次転写ローラー61の構成を示す図である。
【0096】
2次転写ローラー61のローラー胴部601の両端部にはローラー軸部602が設けられており、このローラー軸部602を中心としてローラー胴部601が回動自在となるように2次転写ユニットフレーム120側に取り付けられるようになっている。また、ローラー胴部601には、軸方向にわたる開口凹部605が設けられており、開口凹部605の一方の第1開口縁613から他方の第2開口縁614の中には転写材把持機構610が設けられている。
【0097】
転写材把持機構610は転写材Sを把持したり、解放したりするための機構である。転写材把持機構610は、概略、ローラー軸方向にわたって離散的に設けられる転写材把持爪611及び爪座部612とからなる複数のペアとから構成されている。転写材把持爪611は、把持爪回動中心615を回転中心として動作することにより、転写材把持爪611と爪座部612との間で転写材の縁部を把持したり、把持した転写材を解放したりすることができるようになっている。
【0098】
以上のような転写材把持機構610を有する2次転写ローラー61によっても、接触ニップ(Nc)の長さをこれまで説明した方法によって調整することで画像のずれを抑制することが可能となる。
【0099】
なお、図12に示す実施形態においても、バックアップローラー44側に弾性層を設けるようにしてもよいし、2次転写ローラー61およびバックアップローラー44の両方に弾性層を設けるようにしてもよい。
【0100】
次に本発明の他の実施形態について説明する。図12に関連する実施形態においては、2次転写ローラー61に開口凹部605を設け、この開口凹部605に転写材把持機構610を配し、転写材Sを把持するようにしていた。これに対して、本実施形態においては、空気の吸引力によって転写材Sを把持する構成となっている。
【0101】
図13は本発明の他の実施形態に係る画像形成装置で用いる2次転写ローラー61の断面を示す図である。
【0102】
本実施形態の画像形成装置では、二次転写ローラー61のローラー胴部61aが円筒状に形成されている。この円筒状のローラー胴部61aの一端側は回転軸61dを有する円
板状の端壁61a1により閉塞されている。また、ローラー胴部61aの他端側は回転軸
61eを有する円環状の端壁61a2により部分的に閉塞されている。そして、他端側の
回転軸61eは円筒状に形成されているとともに、端壁61a2および回転軸61eを貫
通する軸方向の空気吸引部接続孔61fが配設されている。この吸引部接続孔61fは、図示しないが、空気ポンプや空気ブロワー等の空気送給部および空気吸引部に切換弁を介して選択的に接続される。
【0103】
更に、二次転写ローラー61には、ローラー胴部61aの円筒状部と弾性層61bとを貫通する所定数の空気流動ノズル孔61gが配設されている。これらの空気流動ノズル孔61gは、二次転写ローラー61の軸方向に沿って配設されている。その場合、各空気流動ノズル孔61gは二次転写ローラー61の軸方向に沿って1列に配列されている。なお、各空気流動ノズル孔61gはこれに限定されることはなく、周方向に複数列を二次転写ローラー61の軸方向に沿って配列することもできる。このように空気流動ノズル孔61gを周方向に複数列設ける場合には、千鳥状に配列することもできる。
【0104】
このように構成された画像形成装置においては、各空気流動ノズル孔61gが二次転写ニップ11cに到達する直前に、空気吸引部が空気吸引部接続孔61fに接続されるように切換弁が設定されるとともに、空気吸引部が作動される。これにより、ローラー胴部61aの内部の空気が空気吸引部接続孔61fを通して吸引され、ローラー胴部61aの内部が負圧となる。すると、二次転写ローラー61の空気流動ノズル孔61g形成部分における外部近傍の空気が各空気流動ノズル孔61gを通してローラー胴部61aの内部に吸引される。この状態で、ゲートローラー16から転写材Sが給送されて、転写材Sの先端部15aが二次転写ローラー61の空気流動ノズル孔61g形成部分に到達すると、転写材Sの先端部15aは各空気流動ノズル孔61gによって吸引されて二次転写ローラー61の弾性層61bに吸着される。
【0105】
そして、各空気流動ノズル孔61gによって転写材Sの先端部が吸着された状態で、二次転写ニップ部において転写ベルト40に担持されたトナー像が転写材Sに転写される。更に、二次転写ニップを通過した転写材Sは、各空気流動ノズル孔61gによって転写材Sの先端部15aが吸着されることで転写ベルト40から確実に剥離する。その後、空気吸引部の作動が停止されて転写材Sの先端部の吸引が終了する。そして、転写材Sの先端部が二次転写ローラー61から剥離される剥離位置に到達すると、空気供給部が作動されるとともに、切換弁が切り換えられて空気送給部が空気吸引部接続孔61fに接続される。すると、ローラー胴部61aの内部に正圧の空気が送給されとともに、正圧の空気がノズル孔61gからローラー胴部61aの外部に流出する。流出した空気により、転写材Sが二次転写ローラー61から容易に剥離される。
【0106】
以上のような転写材把持・剥離機構を有する2次転写ローラー61によっても、接触ニップ(Nc)の長さをこれまで説明した方法によって調整することで画像のずれを抑制することが可能となる。このような実施形態によれば、各空気流動ノズル孔61gにより転写材Sの先端部を吸引した状態で、転写ベルト40に担持されたトナー像を転写材Sに転写するので、転写後に転写材Sを転写ベルト40から確実に剥離することが可能となる。また、転写後に各空気流動ノズル孔61gによる転写材Sの吸引が終了するので、転写材Sを二次転写ローラー61の弾性層61bの外周面から容易に剥離することが可能となる。
【0107】
なお、図13に示す実施形態においても、バックアップローラー44側に弾性層を設けるようにしてもよいし、2次転写ローラー61およびバックアップローラー44の両方に弾性層を設けるようにしてもよい。
【0108】
以上、本発明の画像形成装置及び画像形成方法によれば、転写ローラー側に弾性層を設け、バックアップローラーが像担持体ベルト及び転写材を介して転写ローラー側に食い込むように圧力ニップを形成し、それに続いて像担持体ベルトがバックアップローラーとは接触せず、転写ローラーに巻きかかる形で接触ニップを形成することで、良好な転写性が得られることに加え、調整部によって、接触ニップの長さを適切に制御することで、画像ずれの発生を極力防止でき、画質が向上する。
【符号の説明】
【0109】
10Y、10M、10C、10K・・・感光体、11Y、11M、11C、11K・・・コロナ帯電器、12Y、12M、12C、12K・・・露光ユニット、13Y、13M、13C、13K・・・第1感光体スクイーズローラー、13Y’、13M’、13C’、13K’・・・第2感光体スクイーズローラー、14Y、14Y’、14M、14M’、14C、14C’、14K、14K’、・・・感光体スクイーズローラークリーニングブレード、18Y、18M、18C、18K・・・感光体クリーニングブレード、20Y、20M、20C、20K・・・現像ローラー、21Y、21M、21C、21K・・・現像ローラークリーニングブレード、22Y、22M、22C、22K・・・コンパクションコロナ発生器、30Y、30M、30C、30K・・・現像装置、31Y、31M、31C、31K・・・現像剤容器、32Y、32M、32C、32K・・・アニロックスローラー、31Y、31M、31C、31K・・・現像剤容器、33Y、33M、33C、33K・・・規制ブレード、34Y、34M、34C、34K・・・オーガ(供給ローラー)、40・・・転写ベルト、40a・・・基材層、40b・・・弾性層、41・・・ベルト張架ローラー、41c・・・(ベルト張架ローラー)軸、42・・・ベルト張架ローラー、44・・・バックアップローラー、44a・・・ローラー胴部、44b・・・弾性層、45・・・現像剤回収部、46・・・転写ベルトクリーニングローラー、47・・転写ベルトクリーニングローラークリーニングブレード、49・・・転写ベルトクリーニングブレード、50Y、50M、50C、50K・・・1次転写部、51Y、51M、51C、51K・・・1次転写バックアップローラー、52・・・テンションローラー、60・・・2次転写ユニット、61・・・2次転写ローラー、61a・・・ローラー胴部、61b・・・弾性層、62・・・2次転写ローラークリーニングブレード、74・・・(クリーニング)ブレード保持部材、85・・・2次転写ユニット回収貯留部、90・・・定着ユニット、91・・・加熱ローラー、92・・・加圧ローラー、95・・・第1転写ローラー、96・・・第2転写ローラー、101、101’・・・ゲートローラー、110・・・転写ベルトユニットフレーム、111・・・付勢部材端固定部、112・・・穴部、115・・・転写ベルトユニットフレーム穴部、120・・・2次転写ユニットフレーム、121・・・付勢部材端固定部、122・・・2次転写ユニットフレーム回動中心部、123・・・2次転写ローラー回動中心部、125・・・2次転写ユニットフレーム穴部、130・・・付勢部材、140・・・偏心穴付き円筒部材、141・・・偏心穴、145・・・偏心突状部付き円筒部材、146・・・本体部、147・・・突状部、200・・・画像形成コントローラー部、210・・・転写材種別情報記憶部、230・・・主制御部、250・・・接触ニップ調整機構制御部、601・・・ローラー胴部、602・・・ローラー軸部、605・・・開口凹部、610・・・転写材把持機構、611・・・転写材把持爪、612・・・爪座部、613・・・第1開口縁、614・・・第2開口縁、615・・・把持爪回動中心
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性層を有し、像を担持する像担持体ベルトと、
前記像担持体ベルトを巻き掛けるローラーと、
前記像担持体ベルトを介して前記ローラーと圧接して形成される圧力ニップ、及び前記ローラーに巻き掛けられていない前記像担持体ベルトに接触して形成される接触ニップを含む転写ニップで前記像担持体ベルトに担持された前記像を転写材に転写する転写ローラーと、
前記転写ニップで転写される前記転写材の種別に係る情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶される前記情報に基づいて前記接触ニップの前記転写材の移動方向の長さを調整する調整部と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記調整部で調整される前記接触ニップの前記転写材の移動方向の長さは前記圧力ニップの前記転写材の移動方向の長さより短い請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記転写ローラーの外径は前記ローラーの外径より大きい請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記転写ローラーは弾性層を有し、
前記転写ローラーの弾性層の厚さは、前記接触ニップの前記転写材の移動方向の長さより大きい請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記像担持体ベルトの弾性層の厚さは、前記接触ニップの前記転写材の移動方向の長さより小さい請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記転写ローラーは周面に凹部を有するとともに、前記凹部に前記転写材を把持する転写材把持部材を有する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記転写ローラーは、空気の流動により前記転写材の吸着または剥離を行うノズル孔を有する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
記憶部に記憶された転写材の銃別に係る情報に基づいて、弾性層を有する像担持体ベルトを介して前記像担持体ベルトを巻き掛けたローラーと転写ローラーとが圧接して形成された圧力ニップ、及び前記ローラーに巻き掛けられていない前記像担持体ベルトに前記転写ローラーが接触して形成された接触ニップを含む転写ニップのうちの前記接触ニップの前記転写材の移動方向の長さを調整し、
前記像担持体ベルトに像を担持し、
前記像担持体に担持された前記像を前記転写ニップで前記転写材に転写することを特徴とする画像形成方法。
【請求項1】
弾性層を有し、像を担持する像担持体ベルトと、
前記像担持体ベルトを巻き掛けるローラーと、
前記像担持体ベルトを介して前記ローラーと圧接して形成される圧力ニップ、及び前記ローラーに巻き掛けられていない前記像担持体ベルトに接触して形成される接触ニップを含む転写ニップで前記像担持体ベルトに担持された前記像を転写材に転写する転写ローラーと、
前記転写ニップで転写される前記転写材の種別に係る情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶される前記情報に基づいて前記接触ニップの前記転写材の移動方向の長さを調整する調整部と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記調整部で調整される前記接触ニップの前記転写材の移動方向の長さは前記圧力ニップの前記転写材の移動方向の長さより短い請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記転写ローラーの外径は前記ローラーの外径より大きい請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記転写ローラーは弾性層を有し、
前記転写ローラーの弾性層の厚さは、前記接触ニップの前記転写材の移動方向の長さより大きい請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記像担持体ベルトの弾性層の厚さは、前記接触ニップの前記転写材の移動方向の長さより小さい請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記転写ローラーは周面に凹部を有するとともに、前記凹部に前記転写材を把持する転写材把持部材を有する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記転写ローラーは、空気の流動により前記転写材の吸着または剥離を行うノズル孔を有する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
記憶部に記憶された転写材の銃別に係る情報に基づいて、弾性層を有する像担持体ベルトを介して前記像担持体ベルトを巻き掛けたローラーと転写ローラーとが圧接して形成された圧力ニップ、及び前記ローラーに巻き掛けられていない前記像担持体ベルトに前記転写ローラーが接触して形成された接触ニップを含む転写ニップのうちの前記接触ニップの前記転写材の移動方向の長さを調整し、
前記像担持体ベルトに像を担持し、
前記像担持体に担持された前記像を前記転写ニップで前記転写材に転写することを特徴とする画像形成方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−108203(P2012−108203A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−255082(P2010−255082)
【出願日】平成22年11月15日(2010.11.15)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月15日(2010.11.15)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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