説明

画像形成装置用ブレード

【課題】交換時期を把握することが可能な画像形成装置用ブレードを提供する。
【解決手段】長尺形状のプレート上に、被接触体に当接される弾性部材を、該プレートの長手方向に沿って配設してなる画像形成装置用ブレードであって、弾性部材に埋設され、該弾性部材の摩耗に伴って露出して弾性部材の摩耗状態の指標となるインジケータ部材を備えることを特徴とする画像形成装置用ブレードである。ここで、インジケータ部材は、プレートに切り込みを入れて折り曲げ部を形成し、該折り曲げ部を折り曲げて形成することが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に用いられるブレードに関し、特に、薄肉のプレートの片面上に弾性部材を配設してなる画像形成装置用ブレードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式または静電記録方式を採用した画像形成装置においては、現像ブレード、クリーニングブレード、転写ブレード等の種々のブレードが用いられている。
【0003】
具体的には、感光ドラム上に形成した静電潜像に対して現像ローラを介してトナーを付着させて静電潜像を可視化した後、可視化した像(トナー像)を感光ドラムから紙等の記録媒体に転写して画像を形成する従来の画像形成装置において、現像ブレードは、現像ローラの表面に供給されたトナーを均一な厚さに規制すると共に該トナーを摩擦帯電させるために用いられている。また、クリーニングブレードは、トナー像を紙等の記録媒体に転写した後に感光ドラム上に残存した余分なトナーを掻き取るために用いられている。更に、転写ブレードは、感光ドラム上のトナー像を紙等の記録媒体に転写するために用いられている。
【0004】
ここで、従来、現像ブレード、クリーニングブレード、転写ブレード等の画像形成装置用ブレードとしては、長尺形状の金属製薄肉プレートの片面上にゴム等の弾性部材をプレートの長手方向に沿って配設したものが用いられている(例えば、特許文献1参照)。なお、プレート上に配設される弾性部材は、ブレードの用途等に応じて所望の性能を発揮し得る形状および硬さに調製されている。
【0005】
そして、従来の画像形成装置では、上述した画像形成装置用ブレードの弾性部材が現像ローラ、感光ドラム、記録媒体などに接触することで、トナーの厚さ規制および摩擦帯電、余分なトナーの掻き取り、並びに、トナー像の転写などが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−216275号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、上記従来の画像形成装置では、画像形成装置用ブレードの弾性部材と現像ローラ等の被接触体とが接触した状態で被接触体を駆動するため、画像形成装置用ブレードの弾性部材が経時的に摩耗することは避けられない。
【0008】
そして、上記画像形成装置では、画像形成装置用ブレードの弾性部材の摩耗が許容限界を超えて進行すると、画像形成装置用ブレードが所期の性能を発揮し得なくなる。即ち、画像形成装置用ブレードの弾性部材が許容限界を超えて摩耗すると、画像形成装置用ブレードのトナーに対する摩擦帯電付与機能やトナーの掻き取り機能などが低下して、そのブレードを採用している画像形成装置が十分な性能を発揮し得なくなる。そのため、画像形成装置用ブレードは、弾性部材が許容限界を超えて摩耗する前に交換する必要がある。
【0009】
そこで、画像形成装置用ブレードの交換時期を把握する手法を確立することが求められていた。また、このような画像形成装置用ブレードの交換時期を把握する手法の確立は、弾性部材の許容限界を超えた摩耗が発生し易い場合、例えば、画像形成装置用ブレードを長期に亘って使用する場合や、使用済の画像形成装置用ブレードの摩耗した弾性部材を新しい弾性部材に張り替えることで金属製薄肉プレートをリサイクルして使用する場合等において特に求められていた。
【0010】
しかしながら、画像形成装置用ブレードの交換時期を把握する有効な手法は未だに確立されていなかった。そこで、本発明は、交換時期を把握することが可能な画像形成装置用ブレードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の画像形成装置用ブレードは、長尺形状のプレート上に、被接触体に当接される弾性部材を、該プレートの長手方向に沿って配設してなる画像形成装置用ブレードであって、前記弾性部材に埋設され、該弾性部材の摩耗に伴って露出して弾性部材の摩耗状態の指標となるインジケータ部材を備えることを特徴とする。このように、弾性部材の摩耗に伴って露出するインジケータ部材を設ければ、弾性部材の摩耗状態を目視等により把握することができるので、画像形成装置用ブレードの交換時期を把握することができる。また、インジケータ部材を弾性部材の内部に埋設すれば、インジケータ部材を弾性部材の外部に配設する場合と異なり、インジケータ部材と弾性部材との間にトナー溜まりが発生するのを防止することができる。
【0012】
ここで、本発明の画像形成装置用ブレードは、前記インジケータ部材が、前記弾性部材よりも硬い材料からなることが好ましい。インジケータ部材を弾性部材よりも硬くすれば、画像形成装置の使用に伴って弾性部材が摩耗し、インジケータ部材が露出した際に、画像形成装置で形成された画像が乱れるので、形成された画像を確認することにより画像形成装置用ブレードの交換時期を容易に把握することができるからである。なお、インジケータ部材は弾性部材に埋設されているので、本発明の画像形成装置用ブレードは、画像形成装置への取り付け時などに他の部材と接触しても、硬いインジケータ部材が他の部材を傷つけることがない。
【0013】
また、本発明の画像形成装置用ブレードは、前記インジケータ部材が、前記プレートに切り込みを入れて折り曲げ部を形成し、該折り曲げ部を折り曲げて形成されていることが好ましい。プレートに切り込みを入れて形成した折り曲げ部を折り曲げてインジケータ部材を形成すれば、部品点数を増やすことなく、画像形成装置用ブレードを容易に作製することができるからである。
【0014】
更に、本発明の画像形成装置用ブレードは、前記インジケータ部材が、前記弾性部材の長手方向の一部に埋設されていることが好ましい。インジケータ部材が硬い材料からなる場合や、プレートを折り曲げて形成されている場合に、弾性部材の長手方向の一部のみにインジケータ部材を設ければ、画像形成装置用ブレードの長手方向への曲げ剛性が高くなるのを抑制して、ブレードを製造する際の金型からのブレードの離型性が悪化するのを抑制することができるからである。
【0015】
そして、本発明の画像形成装置用ブレードは、前記インジケータ部材が、前記弾性部材の長手方向の端部に埋設されていることが好ましい。インジケータ部材を弾性部材の長手方向の端部にのみ埋設すれば、インジケータ部材が硬い材料からなる場合や、プレートを折り曲げて形成されている場合であっても、インジケータ部材が露出した際に発生する画像の乱れの影響を最小限に抑えることができるからである。即ち、インジケータ部材が露出した際に画像の乱れ(弾性部材の摩耗を示すサイン)が画像の端部のみに発生し、画像の中心部への画像の乱れの影響を少なくすることができるからである。
【発明の効果】
【0016】
本発明の画像形成装置用ブレードによれば、インジケータ部材を用いて弾性部材の摩耗状態を把握することにより、画像形成装置用ブレードの交換時期を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】(a)は、本発明に従う代表的な画像形成装置用ブレードの概略構成を示す斜視図であり、(b)は、図1(a)に示す画像形成装置用ブレードのI−I線に沿う断面図である。
【図2】図1に示す画像形成装置用ブレードを適用した画像形成装置の一部の構成を示す説明図である。
【図3】図1に示す画像形成装置用ブレードの弾性部材が摩耗した状態を図1(b)と同じ位置の断面で示す図である。
【図4】(a)〜(d)は、本発明に従う画像形成装置用ブレードの変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。本発明の画像形成装置用ブレードは、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置において現像ブレード、クリーニングブレード、転写ブレード等として用いることができる。
【0019】
そして、本発明の画像形成装置用ブレードは、長尺形状のプレートと、該プレートの長手方向に沿って配設され、被接触体に当接される弾性部材と、該弾性部材に埋設され、弾性部材の摩耗に伴って露出して弾性部材の摩耗状態の指標となるインジケータ部材とを備えることを特徴とする。なお、本発明の画像形成装置用ブレードの弾性部材が当接する被接触体はブレードの用途によって異なり、例えば、本発明の画像形成装置用ブレードを現像ブレードとして使用する場合には被接触体は現像ローラであり、クリーニングブレードとして使用する場合には被接触体は感光ドラムであり、転写ブレードとして使用する場合には被接触体は紙等の記録媒体である。また、以下では、本発明の画像形成装置用ブレードの一例を現像ブレードとして用いた場合について説明するが、本発明の画像形成装置用ブレードは、クリーニングブレードや転写ブレード等として用いた場合にも同様の効果を得ることができる。
【0020】
ここで、図1(a),(b)に、本発明の画像形成装置用ブレードの一例としての現像ブレード10を示す。なお、図1(a)中では、部材の内部を透視して破線で示した。
【0021】
この現像ブレード10は、図1(a)に示すように、長尺形状のプレート1の一方の表面上に、被接触体としての現像ローラに当接される半円柱形状の弾性部材2をプレート1の長手方向(図1(a)に矢印Xで示す方向)に沿って配設してなる。また、図1(b)に図1(a)のI−I線に沿う断面を示すように、現像ブレード10の弾性部材2の内部には、プレート1の一部を折り曲げて形成した突起状のインジケータ部材3が埋設されている。そして、現像ブレード10は、画像形成用装置において、現像ローラの表面に供給されたトナーを均一な厚さに規制すると共に該トナーを摩擦帯電させるために用いられる。
【0022】
ここで、プレート1は、厚さが例えば0.08〜0.15mmで、平面視形状が長方形の薄肉の金属板からなる。そして、後に詳細に説明するように、プレート1の一部は、折り曲げられてインジケータ部材3を構成している。なお、プレート1は、ステンレス鋼(SUS)やリン青銅などの金属材料を用いて既知の方法で形成することができる。
【0023】
弾性部材2は、回転する現像ローラに当接して現像ローラの表面に供給されたトナーを均一な厚さに規制すると共に該トナーを摩擦帯電させる部材である。そして、弾性部材2は、例えば2液硬化性ポリウレタン、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ミラブルシリコーン、液状シリコーンゴムなどの熱硬化性のゴム材や、ポリウレタン系熱可塑性ゴムや、ポリスチレン系熱可塑性ゴムからなる。また、弾性部材2は、プレート1の一方の表面上であって、プレート1の幅方向(図1(a)に矢印Yで示す方向)中央よりも幅方向一方の端縁1a側に寄せて配設されている。なお、本発明の画像形成装置用ブレードでは、弾性部材の形状、寸法および材質は、ブレードに要求される性能に応じて適宜変更することができる。
【0024】
インジケータ部材3は、プレート1の表面から突出する突起状部材からなり、回転する現像ローラ(被接触体)との接触により弾性部材2が一定量以上摩耗した際に、弾性部材2の外部に露出することで弾性部材2の摩耗状態の指標となる部材である。
【0025】
従って、図1(b)に示すように、現像ブレード10が未使用の状態では、インジケータ部材3は、幅方向(Y方向)断面が略円形状の弾性部材2の内部に完全に埋設されている。即ち、弾性部材2が摩耗する前の状態において、プレート1の一方の表面(図1(b)では上側の表面)から測定した高さは、弾性部材2の方がインジケータ部材3よりも高くされている。一方、回転する現像ローラとの接触により弾性部材2が摩耗し、弾性部材2が所期の機能(トナー厚さ規制機能および摩擦帯電付与機能)を発揮し得なくなる程度まで摩耗した際には、図3に図1(b)と同じ位置の断面を示すように、インジケータ部材3は弾性部材2から露出する。即ち、インジケータ部材3の高さは、弾性部材2が所期の機能を発揮し得なくなる程度まで摩耗した際に(換言すれば、現像ブレード10の交換が必要になった際に)、インジケータ部材3の頂部3aが弾性部材2の外表面から露出する高さとされている。因みに、インジケータ部材3の高さは、実験または計算により定めることができ、例えば、弾性部材の高さが1.5mmの場合に、インジケータ部材の高さは1.4mmとすることができる。
【0026】
なお、この現像ブレード10では、インジケータ部材3は、弾性部材2の長手方向略全体に亘って設けられており、且つ、プレート1の長手方向(即ち、弾性部材2の長手方向)に沿って延在している。
【0027】
ここで、この現像ブレード10のインジケータ部材3は、図1(a),(b)に示すように、プレート1の一部を折り曲げて形成されている。具体的には、インジケータ部材3は、プレート1に平面視コ字状(即ち、一辺が開口した矩形状)の切り込みを入れ、該切り込みで囲まれる部分である折り曲げ部を形成した後、プレート1の弾性部材2を形成する表面側に向かって該折り曲げ部を折り曲げて立ち上げることにより形成されている。即ち、現像ブレード10のインジケータ部材3は、プレート1と同じ金属からなり、ゴム材からなる弾性部材2よりも硬い。因みに、本発明の画像形成装置用ブレードでは、プレートに切り込みを入れる方向およびプレートを折り曲げる方向は図1(a),(b)に示す方向に限定されることはない。従って、本発明の画像形成装置用ブレードでは、図1(a),(b)とは逆の方向に切り込みを入れ、図1(a),(b)とは逆向きにプレートを折り曲げてインジケータ部材を形成しても良い。
【0028】
なお、上述のようにしてプレート1の一部を折り曲げてインジケータ部材3を形成した現像ブレード10では、図1(a),(b)に示すように、折り曲げられてインジケータ部材3となった部分(即ち、折り曲げ部が位置していた部分)に開口4が形成される。しかし、この開口4は、図1(b)に示すように、インジケータ部材3を形成したプレート1の表面上に弾性部材2を配設して弾性部材2の内部にインジケータ部材3を埋設する際に、弾性部材2により埋められる。従って、現像ブレード10では、この開口4からトナー等の現像剤が漏れ出すことはない。因みに、インジケータ部材3を形成したプレート1の表面に対する弾性部材2の配設は、LIM成形(Liquid Injection Molding)等の既知の手法を用いて行うことができる。
【0029】
そして、上述したような構成を有する現像ブレード10は、図2に示すように、画像形成装置の一部を構成する現像ユニット50で用いられる。なお、図2に一部の構成のみを示す画像形成装置は、既知の手法で感光ドラム60上に形成した静電潜像に対して現像ユニット50を介してトナーを付着させて静電潜像を可視化した後、可視化した像(トナー像)を紙等の記録媒体(図示せず)に転写して画像を形成する装置である。
【0030】
ここで、図2に示す現像ユニット50は、現像剤としてのトナー51を収容するトナーボックス52と、トナーボックス52内のトナー51を撹拌する撹拌機53と、トナーボックス52内のトナー51を現像ローラ55の表面に供給するトナー搬送ローラ54と、現像ローラ55に当接するように常時付勢された現像ブレード10とをハウジング56内に収容してなる。
【0031】
そして、この現像ユニット50では、トナー搬送ローラ54を介してトナーボックス52から現像ローラ55へと供給されたトナー51が、現像ローラ55に当接する現像ブレード10の弾性部材2により、均一な厚さに規制されると共に摩擦帯電させられる。なお、現像ローラ55上で所定の層厚に規制され、且つ、摩擦帯電されたトナーは、現像ローラ55の回転に伴って感光ドラム60へと搬送され、感光ドラム60の表面に形成された静電潜像上に付着する。
【0032】
ところで、現像ユニット50では、現像ブレード10が現像ローラ55に向かって常時付勢されているので、現像ブレード10の弾性部材2は、回転する現像ローラ55に対して所定の圧力で常時押し付けられる。従って、画像形成装置の使用に伴い、現像ブレード10の弾性部材2は経時的に摩耗する。
【0033】
そして、この現像ユニット50では、弾性部材2の摩耗が許容限界を超えて進行すると、現像ブレード10の弾性部材2が所期の機能(トナー厚さ規制機能および摩擦帯電付与機能)を発揮できなくなるので、現像ブレード10を交換する必要がある。
【0034】
ここで、上述したように、現像ユニット50で用いられている現像ブレード10の弾性部材2の内部には、弾性部材2の摩耗状態の指標となるインジケータ部材3が埋設されている。また、インジケータ部材3は、弾性部材2よりも硬い金属からなる。そのため、この現像ブレード10を用いた画像形成装置では、弾性部材2が許容限界を超えて摩耗すると、図3に示すようにインジケータ部材3の頂部3aが弾性部材2の外表面から露出し、画像形成装置で形成される画像が乱れる。即ち、現像ブレード10を用いた画像形成装置では、弾性部材2の摩耗に伴って弾性部材2とは材質が異なり且つ弾性部材2よりも硬いインジケータ部材3が露出し、該露出したインジケータ部材3が現像ローラ55に接触すると、現像ローラ55上のトナーの厚みやトナーに付与される電荷に変化が生じて形成される画像が乱れる。
【0035】
従って、この現像ブレード10を用いれば、画像の乱れの発生により現像ブレード10の交換時期を容易に把握することができる。なお、現像ブレード10では、弾性部材2の表面へのインジケータ部材3の露出の有無を目視で確認することにより弾性部材2の摩耗状態および現像ブレード10の交換の要否を確認しても良いが、より容易に現像ブレード10の交換時期を把握する観点からは、上述のように画像の乱れの発生を利用することが好ましい。
【0036】
なお、上述した現像ブレード10では、インジケータ部材3が弾性部材2の内部に埋設されているので、インジケータ部材3を弾性部材2の外部に配設したような場合とは異なり、弾性部材2とインジケータ部材3との間にトナーが溜まってトナー溜まりが発生することがない。
【0037】
また、現像ブレード10では、インジケータ部材3が弾性部材2の内部に埋設されているので、現像ブレード10をハウジング56に取り付ける際などに、金属製のインジケータ部材3が例えば現像ローラ55などの他の部材に直接接触することがない。従って、インジケータ部材3の接触による他の部材の損傷発生を防止することができる。
【0038】
更に、現像ブレード10では、弾性部材2の内部に埋設されたインジケータ部材3が支承として機能し得るので、弾性部材2に適度な剛性を持たせることができる。
【0039】
また、現像ブレード10のインジケータ部材3はプレート1の表面の一部に切り込みを入れて形成した折り曲げ部を折り曲げて形成されているので、この現像ブレード10は、部品点数を増やすことなく作製することができる。なお、この現像ブレード10では、プレート1に形成した折り曲げ部を折り曲げた際に該折り曲げ部が位置していた部分(インジケータ部材3とプレート1の幅方向一方側に位置する端縁1bとの間の一部)に開口4が形成されるが、この開口4は、図1(b)に示すように弾性部材2により埋められている。従って、現像ブレード10では、現像ローラ55の表面に供給されたトナーを均一厚さに規制すると共に摩擦帯電させる際に、開口4からトナー51が漏れ出すことがない。
【0040】
更に、現像ブレード10では、プレート1の端縁1aから離間した位置に切り込みを入れてインジケータ部材3を形成しているので、開口4とプレート1の端縁1aとの間にはプレート1の表面が存在している。即ち、長手方向を向いてプレート1を見た際に、プレート1とインジケータ部材3とがT字を形成している。従って、LIM成形などにより弾性部材2をプレート1の表面上に配設する際に、プレート1の両端縁1a,1bを金型で挟んで保持することができるので、弾性部材2を成形するための材料を金型内に高圧で充填しても、金型内で薄肉のプレート1が暴れるのを抑制することができ、弾性部材2を容易に配設することができる。
【0041】
また、現像ブレード10では、インジケータ部材3が弾性部材2の長手方向略全体に亘って設けられているので、支承としても機能するインジケータ部材3により弾性部材2に剛性を均一に付与することができ、弾性部材2の偏摩耗を防止することができる。
【0042】
以上、図面を参照して本発明の画像形成装置用ブレードの一例としての現像ブレード10について説明したが、本発明の画像形成装置用ブレードは、上記一例に限定されることは無く、本発明の画像形成装置用ブレードには、適宜変更を加えることができる。
【0043】
具体的には、本発明の画像形成装置用ブレードは、例えば図4(a)〜(d)に示すような構成にすることができる。なお、図4(a)〜(d)では、図1に示す現像ブレード10と同様の構成を有する部分には同一の符号を付している。
【0044】
ここで、図4(a)に示す画像形成装置用ブレード10Aは、弾性部材2の長手方向中央部にのみインジケータ部材3が配設されている点以外は、先の一例の現像ブレード10と同様の構成を有している。そして、このような画像形成装置用ブレード10Aによれば、インジケータ部材3が弾性部材2の長手方向中央部にのみ設けられているので、インジケータ部材を弾性部材の長手方向全長に亘って設けた場合と比較して、画像形成装置用ブレード10Aの長手方向への曲げ剛性が高くなるのを抑制し得る。従って、LIM成形などによりプレート1の上に弾性部材2を配設して画像形成装置用ブレード10Aを製造する際に、金型から画像形成装置用ブレード10Aを容易に取り出すことができる。即ち、薄肉長尺形状のプレートを長手方向端部からめくり上げて金型から取り外す場合等に、離型剤や表面処理を用いることなく容易に脱型し得る。
【0045】
また、図4(b)に示す画像形成装置用ブレード10Bは、弾性部材2の長手方向に沿って複数個(図4(b)では3個)のインジケータ部材3が配設されている点以外は、先の一例の現像ブレード10と同様の構成を有している。そして、このような画像形成装置用ブレード10Bによれば、インジケータ部材3が露出した際に画像の乱れが複数箇所で発生するので、画像形成装置用ブレード10Bの交換時期をより確実に把握することができる。
【0046】
更に、図4(c)に示す画像形成装置用ブレード10Cは、2個のインジケータ部材3が弾性部材2の長手方向両端部に配設されている点以外は、先の一例の現像ブレード10と同様の構成を有している。そして、このような画像形成装置用ブレード10Cによれば、インジケータ部材3が露出した際に画像の端部のみで乱れが発生するので、画像へ与える影響を最小限に抑制しつつ画像形成装置用ブレード10Cの交換時期をより確実に把握することができる。即ち、画像形成装置で形成した画像の中心部への画像の乱れの影響を最小限に抑制しつつ、画像形成装置用ブレード10Cの交換時期をより確実に把握することができる。
【0047】
また、図4(d)に示す画像形成装置用ブレード10Dは、インジケータ部材3’が当初からプレート1の表面上に配設されており、プレートを折り曲げてインジケータ部材を形成していない点以外は、先の一例の現像ブレード10と同様の構成を有している。そして、このような画像形成装置用ブレード10Dによれば、少ない加工工程で画像形成装置用ブレード10Dを製造することができる。また、プレートの一部を折り曲げてインジケータ部材を形成する場合と比較して、プレートの強度を確実に確保することができる。なお、プレート1へのインジケータ部材3’の配設は、例えばスポット溶接を用いれば、低コストかつ高精度で行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明の画像形成装置用ブレードによれば、インジケータ部材を用いて弾性部材の摩耗状態を把握することにより、画像形成装置用ブレードの交換時期を把握することができる。
【符号の説明】
【0049】
1 プレート
1a 端縁
1b 端縁
2 弾性部材
3,3’ インジケータ部材
4 開口
10 現像ブレード
10A,10B,10C,10D 画像形成装置用ブレード
50 現像ユニット
51 トナー
52 トナーボックス
53 撹拌機
54 トナー搬送ローラ
55 現像ローラ
56 ハウジング
60 感光ドラム


【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺形状のプレート上に、被接触体に当接される弾性部材を、該プレートの長手方向に沿って配設してなる画像形成装置用ブレードであって、
前記弾性部材に埋設され、該弾性部材の摩耗に伴って露出して弾性部材の摩耗状態の指標となるインジケータ部材を備えることを特徴とする、画像形成装置用ブレード。
【請求項2】
前記インジケータ部材が、前記弾性部材よりも硬い材料からなることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置用ブレード。
【請求項3】
前記インジケータ部材が、前記プレートに切り込みを入れて折り曲げ部を形成し、該折り曲げ部を折り曲げて形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の画像形成装置用ブレード。
【請求項4】
前記インジケータ部材が、前記弾性部材の長手方向の一部に埋設されていることを特徴とする、請求項2または3に記載の画像形成装置用ブレード。
【請求項5】
前記インジケータ部材が、前記弾性部材の長手方向の端部に埋設されていることを特徴とする、請求項2〜4の何れかに記載の画像形成装置用ブレード。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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