説明

画像形成装置

【課題】 装置全体の小型化が容易で、プロセスユニットに関するメンテナンス性も優れた画像形成装置の提供。
【解決手段】 本実施の形態のカラーレーザプリンタでは、スキャナユニット21及びプロセスカートリッジ31を交互に配設し、かつ、それらを上端が正面方向に倒れる方向に傾斜して配設している。このため、装置の高さを抑えて、小型化することができる。また、プロセスカートリッジ31は、上記のように正面方向に傾斜した方向に沿って着脱可能とされているため、その着脱が容易となる。更に、ベルト16は正面側が高くなるように傾斜して配設されているので、装置を一層小型化することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被記録媒体に画像を形成する画像形成装置に関し、詳しくは、スキャナユニットとプロセスユニットの組を複数備え、更に、現像剤像の担持または被記録媒体の搬送を行う画像形成用ベルトを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、現像剤像の担持または被記録媒体の搬送を行う画像形成用ベルトと、該画像形成用ベルトに対向して色毎に設けられた複数の感光体ドラムと、該各感光体ドラム毎に設けられ、その感光体ドラム表面を露光走査する複数のスキャナユニットと、それぞれが上記感光体ドラムのいずれかを備え、その感光体ドラム表面に上記露光走査によって形成された静電潜像を、上記対応する色の現像剤を付着させることによって現像する複数のプロセスユニットと、該各プロセスユニットによって上記各感光体ドラム表面に形成された現像剤像を上記画像形成用ベルトまたはその画像形成用ベルトによって搬送される上記被記録媒体に転写する転写手段と、を備えた画像形成装置が考えられている。
【0003】
例えば、上記画像形成用ベルトが現像剤を担持するためのいわゆる中間転写ベルトである場合は、次のようにして画像形成がなされる。画像データに応じて各色のスキャナユニットが感光体ドラムを露光走査すると、その露光走査によって形成された静電潜像を、プロセスユニットが対応する色の現像剤を付着させることによって現像する。この現像剤像は、1次転写ローラ等の転写手段によって中間転写ベルトに転写され、例えば4色の現像剤像が重ねられた上で、その現像剤像は被記録媒体に転写される(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、上記画像形成用ベルトが被記録媒体の搬送を行ういわゆる搬送用ベルトである場合は、その搬送用ベルトによって被記録媒体を搬送することにより、上記中間転写ベルトに例えば4色の現像剤像を重ねて行ったのと同様に被記録媒体上に直接現像剤像を重ねて行き、その被記録媒体に画像を形成する(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2003−173066号公報
【特許文献2】特開平7−234622号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記各特許文献の装置では、画像形成用ベルト上にプロセスユニットを垂直に立てて、奥行き方向(給紙カセットの着脱方向)に並べて配置している。このため、装置の高さが高くなり、小型化が困難であった。また、プロセスユニットの全体または一部を交換する場合は、そのプロセスユニットの全体または一部を垂直方向に引き抜いて着脱していたため、交換が困難であり、メンテナンス性も十分ではなかった。
【0006】
そこで、本発明は、装置全体の小型化が容易で、プロセスユニットに関するメンテナンス性も優れた画像形成装置の提供を目的としてなされた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達するためになされた本発明は、現像剤像の担持または被記録媒体の搬送を行う画像形成用ベルトと、該画像形成用ベルトに対向して色毎に設けられた複数の感光体ドラムと、該各感光体ドラム毎に設けられ、その感光体ドラム表面を露光走査する複数のスキャナユニットと、それぞれが上記感光体ドラムのいずれかを備え、その感光体ドラム表面に上記露光走査によって形成された静電潜像を、上記対応する色の現像剤を付着させることによって現像する複数のプロセスユニットと、該各プロセスユニットによって上記各感光体ドラム表面に形成された現像剤像を上記画像形成用ベルトまたはその画像形成用ベルトによって搬送される上記被記録媒体に転写する転写手段と、を備えた画像形成装置において、上記各スキャナユニット及び上記各プロセスユニットが交互に配設されると共に、上記各スキャナユニット及び上記各プロセスユニットが鉛直方向に対して斜めに傾斜して配設され、上記各プロセスユニットの少なくとも一部が上記斜めに傾斜した方向に沿って着脱可能であることを特徴としている。
【0008】
このように構成された本発明では、色毎に設けられたスキャナユニット及びプロセスユニットを斜めに配置しているので、装置の高さを抑えることができる。また、装置の奥行きは、被記録媒体の搬送系等を設ける必要上、スキャナユニット及びプロセスユニットを鉛直に並べた奥行きより大きく取る必要がある。このため、スキャナユニット及びプロセスユニットを斜めに配設してもそれ程奥行きが大きくなることはない。
【0009】
従って、本発明では、装置を良好に小型化することができる。また、本発明では、プロセスユニットの少なくとも一部が斜めに着脱できるので、その着脱が容易になり、感光体ドラムの交換若しくは現像剤の補充等に関わるメンテナンス性が向上する。
【0010】
なお、本発明では、上記スキャナユニット及びプロセスユニットの傾斜方向は特に限定していないが、上記画像形成用ベルトの下方に、上記被記録媒体を保持するカセットを引き出し可能に備え、上記各スキャナユニット及び上記各プロセスユニットが、上記カセットの引き出し方向に傾斜している場合、次のような更なる効果が生じる。
【0011】
すなわち、この種の画像形成装置では、カセットを引き出して被記録媒体の補充等が行われるが、感光体ドラムの交換若しくは現像剤の補充等も同一方向から行うことができるため、メンテナンス性が一層向上する。
【0012】
また、上記各プロセスユニットを上方から開閉可能に覆うカバーが、上記各プロセスユニット毎に独立して設けられた場合、次のような更なる効果が生じる。この場合、メンテナンスの必要なプロセスユニットに対応するカバーのみを開閉すればよいので、全てのプロセスユニットを覆う大きなカバーを開閉する場合に比べて作業が容易になり、メンテナンス性が一層向上する。
【0013】
また、上記画像形成用ベルトは水平に配設されていてもよいが、上記画像形成用ベルトが、上記カセットの引き出し方向に向かって高くなるように傾斜して配設された場合、次のような更なる効果が生じる。この場合、画像形成用ベルトを傾斜して配設することにより装置の奥行きを短くすることができ、更に、画像形成用ベルトを傾けることによってその上下に形成された空間に被記録媒体の搬送系等を設けることで、装置を一層小型化することができる。
【0014】
そして、この場合、上記画像形成用ベルトが上記被記録媒体の搬送を行うものであって、上記カセットの引き出し方向に向かって高くなるように傾斜して配設された場合、特に次のような効果が生じる。この場合、画像形成用ベルトの上流側が高い位置に配置され、その下に大きな空間ができるので、その空間に被記録媒体を画像形成用ベルトまで搬送するための搬送系(ピックアップローラ等)を設けることができ、装置を一層良好に小型化することができる。
【0015】
また、上記のように画像形成用ベルトを傾斜して配設した場合において、上記各スキャナユニットの上部と上記各プロセスユニットの上部とが、上記画像形成用ベルトの傾斜方向にほぼ平行に配設された場合、次のような更なる効果が生じる。この場合、スキャナユニットの高さとプロセスユニットの高さとを揃えることができ、装置を一層小型化することができる。なお、ここで「ほぼ平行」とは、スキャナユニットやプロセスユニットのデザイン的な制約からそれらの「上部」の幾何学的な位置を一意に定義付けることが困難な場合を想定して幅を持たせたもので、例えば、スキャナユニット及びプロセスユニットの上端面において適宜選択した点を結ぶ線分が画像形成用ベルトの傾斜方向と平行であればよい。
【0016】
また、上記のように画像形成用ベルトを傾斜して配設した場合において、上記各スキャナユニット及び上記各プロセスユニットの上方に、画像形成後の被記録媒体を排出するためのトレイが配設され、かつ、該トレイが、上記画像形成用ベルトと同様の方向に傾斜した場合、次のような更なる効果が生じる。この場合、スキャナユニット及びプロセスユニットの上端をトレイに沿って配置し、トレイの裏面に一定幅の空間を確保することができる。このため、プロセスユニット上端近傍の通気性を確保しつつ装置を良好に小型化することができる。
【0017】
また、本発明において、上記各プロセスユニットの下端近傍に、上記各感光体ドラムが回転可能に配設され、上記スキャナユニットが、そのスキャナユニットの上端近傍から上記感光体ドラムを露光走査する構成を採用した場合、次のような更なる効果が生じる。この場合、スキャナユニットの上端近傍からプロセスユニットの下端近傍の感光体ドラムに向けて露光走査がなされるため、露光走査の光路が長くなり、レンズを小型化することによってスキャナユニットを小型化することが可能となる。また、感光体ドラムから離れた位置から露光走査がなされるため、光学要素が現像剤等によって汚れるのも防止できる。従って、装置を一層小型化すると共に、一層鮮明な画像を形成することが可能となる。
【0018】
また、本発明において、上記各スキャナユニットの、上記各プロセスユニットと交互に配設される方向の幅が、上記各スキャナユニットの上端近傍で狭くなるように構成され、上記各プロセスユニットの上記方向の幅が、上記各プロセスユニットの上端近傍で上記スキャナユニットの狭幅部に向けて広がるように構成された場合、次のような更なる効果が生じる。この場合、プロセスユニットに収容可能な現像剤の量を増やして、現像剤の補充頻度を減らし、延いてはメンテナンス性を一層向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に、本発明の実施の形態を図面と共に説明する。図1は、本発明の実施の形態としてのカラーレーザプリンタの、全体構成を表す縦断面図である。図1に示すように、本実施の形態のカラーレーザプリンタは、筐体としての本体フレーム1の下方に、着脱自在に挿入される給紙カセット3を備えている。すなわち、給紙カセット3は、図1に実線で示す格納位置から2点鎖線で示す引き出し位置に向かって引き出し可能とされており、その状態で記録紙Pを適宜補充することができる。
【0020】
給紙カセット3の内部には、図示しないバネにより上方に付勢された支持板5が設けられ、その支持板5の更に上方には、支持板5の上に積層状に保持された記録紙Pを一枚ずつ分離して後述の画像形成部7M,7Y,7C,7B方向へ供給する一対の給紙ローラ8,9が配設されている。図示左側の給紙ローラ8は、最上部の記録紙Pを給紙ローラ9に向けて搬送するもので、図示右側の給紙ローラ9は、分離パッド10を圧接されて記録紙Pを1枚ずつ分離して搬送するいわゆるピックアップローラである。
【0021】
なお、給紙ローラ8,9を始めとする各ローラは本体フレーム1の所定位置に回転可能に設けられ、画像形成部7M,7Y,7C,7Bと共通の駆動源によって駆動される。一方、分離パッド10は、バネ11を介して給紙カセット3に設けられ、給紙カセット3を所定位置まで挿入したとき、バネ11の弾発力によって給紙ローラ9に圧接される。
【0022】
本体フレーム1の中央より若干上方には、マゼンタ,イエロー,シアン,ブラックの各色に対応する画像を形成するための画像形成部7M,7Y,7C,7B(以後、色を特定する必要がある場合以外はM,Y,C,Bの添え字を省略する)が配設されている。給紙ローラ9から画像形成部7へ到る記録紙Pの搬送経路には、記録紙Pを搬送する1対の搬送ローラ13と、画像形成部7による画像形成動作の前に一旦停止し、記録紙Pの先端を係止することによってその記録紙Pの斜行を補正した上で画像形成部7に送るレジストローラ15とが順次配設されている。
【0023】
上記4つの画像形成部7との対向部には、レジストローラ15を通過した記録紙Pを搬送するベルト16が配置され、このベルト16によって搬送される間に、記録紙Pは、上記各画像形成部7によって上記各色によるトナー画像を形成される。また、給紙カセット3の引き出し側(以下、正面側という)の本体フレーム1下方には、記録紙Pを手差しで給紙するための給紙口17が設けられている。ここから給紙された記録紙Pは、手差し用給紙ローラ18によってレジストローラ15のニップ部まで搬送され、続いて上記と同様に、ベルト16によって搬送される間に画像を形成される。
【0024】
次に、各画像形成部7は、それぞれ、スキャナユニット21とプロセスカートリッジ31とを備えている。スキャナユニット21は、図示しないレーザダイオードが発生したレーザ光Lを所定面に沿って順次方向を変えるように反射するポリゴンミラー22と、そのポリゴンミラー22に反射されたレーザ光Lをプロセスカートリッジ31の感光体ドラム33に向けて折り返す折返しミラー23と、そのレーザ光Lの光路に設けられたfθレンズ24とを、筐体26に収納して構成されている。
【0025】
なお、筐体26は、上記折り返されたレーザ光Lが感光体ドラム33に到達するように、プロセスカートリッジ31側に露光開口部26aを備えている。また、折返しミラー23は、プロセスカートリッジ31の上端近傍に設けられ、折り返される前のレーザ光Lと折返し後のレーザ光Lとがなす角度が約15°となるように折り返して露光開口部26aから出射する。
【0026】
このため、スキャナユニット21とプロセスカートリッジ31とを近接配置して装置全体を小型化することができる。また、レーザ光Lがスキャナユニット21の上端近傍から感光体ドラム33に向けて露光走査されるため、その光路を十分に確保することができ、fθレンズ24等を小型化して一層の装置の小型化が可能となる。更に、レーザ光Lがスキャナユニット21の上端近傍から露光走査されるため、露光開口部26aもスキャナユニット21の中央より上方に配設され、露光開口部26aを覆う保護ガラス等の光学要素がトナーによって汚れるのも防止することができる。
【0027】
また、プロセスカートリッジ31は、表面に感光層を有する感光体ドラム33を回転可能に備え、更に、その感光体ドラム33の表面を一様に帯電させるスコロトロン帯電器34を備えている。感光体ドラム33の上方には、トナーボックス35が設けら、そのトナーボックス35の下方に設けられた供給ローラ37と、現像ローラ38との動作により、感光体ドラム33の表面にトナーが供給される。
【0028】
この構成によって、感光体ドラム33の表面には、スキャナユニット21からのレーザ光Lによって静電潜像が形成され、続いて、現像ローラ38が感光体ドラム33の表面へトナーを供給することにより、上記静電潜像が現像される。また、感光体ドラム33は、ベルト16を挟んで転写ローラ39と対向している。このため、上記のように感光体ドラム33上で静電潜像を現像したトナーは、転写ローラ39から加わるバイアス電圧を受けて、ベルト16上を搬送される記録紙Pに転写される。これによって、その記録紙Pに、マゼンタ,イエロー,シアン,ブラックの各色の画像が順次形成される。
【0029】
各画像形成部7を通過した記録紙Pは、定着部41へ供給される。この定着部41では、記録紙Pに形成されたトナー画像が加熱ローラ43と押圧ローラ45とに挟まれて熱定着される。画像が定着された記録紙Pは、1対の排紙ローラ51によって更に搬送され、本体フレーム1の上面に設けた排紙トレイ52に排出される。また、ベルト16の下面にはクリーニングローラ53が当接し、感光体ドラム33からの飛散等によってベルト16の表面に乗ってしまったトナーを回収している。
【0030】
次に、排紙トレイ52は、排紙ローラ51の下方に設けたヒンジ52aを中心に全体が開閉可能に構成され、この排紙トレイ52を上方に回動させて開けることにより、図2に示すようにプロセスカートリッジ31を感光体ドラム33と一体に着脱することが可能となる。なお、図2では、支持板5等を省略した。
【0031】
ここで、本実施の形態のカラーレーザプリンタでは、スキャナユニット21及びプロセスカートリッジ31を交互に配設し、かつ、それらを上端が正面方向に倒れるように傾斜して配設している。このため、装置の高さを抑えて、小型化することができる。なお、カラーレーザプリンタの奥行き(給紙カセット3の着脱方向の長さ)は、前述のように各種ローラ等を配設する必要上、スキャナユニット21及びプロセスカートリッジ31を鉛直に並べた奥行きよりも大きく取る必要がある。このため、スキャナユニット21及びプロセスカートリッジ31を前述のように斜めに配設しても、それ程奥行きが大きくなることはない。
【0032】
また、プロセスカートリッジ31は、上記のように正面方向に傾斜した方向(図2に矢印Aで示す方向)に沿って着脱可能とされているため、その着脱が容易となる。しかも、本実施の形態では、給紙カセット3への記録紙Pの補充や、排紙トレイ52からの記録紙Pの取り出しも、プロセスカートリッジ31の着脱と同様に正面側からの操作によって行えるので、操作性が極めて向上する。
【0033】
しかも、本実施の形態では、ベルト16は正面側が高くなるように(すなわち、トナーの転写方向下流側が下方に下がるように)傾斜して配設されている。このため、ベルト16の正面側下方には広い空間が形成され、そこに前述のように給紙ローラ8,9等を配設することができる。また、ベルト16を斜めに傾斜して配設すること自体も、装置の奥行きを短くすることに寄与する。従って、本実施の形態では、装置を一層小型化することができる。また、ベルト16の傾斜方向も、プロセスカートリッジ31の傾斜方向も、いずれも感光体ドラム33の下流側に空間を形成する方向に傾斜している。このため、装置を大型化することなく、比較的大きなスコロトロン帯電器34も容易に配設することができる。
【0034】
更に、本実施の形態では、スキャナユニット21の高さとプロセスカートリッジ31の高さとを揃えることによって装置を一層小型化することができ、排紙トレイ52もベルト16と略平行に配設したことにより、装置を一層小型化すると共に、プロセスカートリッジ31の上部に一定幅のエアフローを形成することができる。このため、排熱も良好に行うことができる。
【0035】
また、本実施の形態では、スキャナユニット21の上端近傍に折返しミラー23を設けたことにより、前述のように光路長を確保してスキャナユニット21自身を小型化している。しかも、この構成により、スキャナユニット21の上端近傍が奥行き方向に狭くなるように筐体26を構成し、トナーボックス35をその分スキャナユニット21側に広がらせている。このため、装置を大型化することなくトナーボックス35に収納可能なトナーを増やし、その交換回数を減らしてメンテナンス性を一層向上させることができる。従って、本実施の形態のカラーレーザプリンタでは、良好に装置を小型化すると共にメンテナンス性も向上させることができる。
【0036】
なお、上記実施の形態において、トナーが現像剤に、記録紙Pが被記録媒体に、ベルト16が画像形成用ベルトに、プロセスカートリッジ31がプロセスユニットに、転写ローラ39が転写手段に、給紙カセット3がカセットに、排紙トレイ52がトレイ及びカバーに、それぞれ相当する。
【0037】
また、本発明は上記実施の形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。例えば、上記実施の形態では、排紙トレイ52が画像形成部7M〜7Bの全体を覆うように開閉可能に設けてられているが、図3に示す排紙トレイ152のように、画像形成部7M〜7B毎に独立して設けられ、個々にヒンジ152aを中心に開閉するようにしてもよい。この場合、メンテナンスの必要なプロセスカートリッジ31に対応する排紙トレイ152のみを開閉すればよいので、前述のように大きな排紙トレイ52を開閉する場合に比べて作業が容易になり、メンテナンス性が向上する。
【0038】
また、上記各実施の形態では、ベルト16によって搬送される記録紙Pに感光体ドラム33から直接トナーを転写しているが、ベルト16をいわゆる中間転写ベルトとして、その上に一旦転写したトナーを記録紙Pに転写するように構成してもよい。また、この場合、記録紙Pの搬送経路も変化するが、その搬送系路に関わらず、ベルト16は手前側が高くなるように傾斜させた方が好ましい。また更に、上記各実施の形態では、マゼンタ,イエロー,シアン,ブラックの4色のトナーを転写する例を挙げたが、マゼンタ,イエロー,シアンの3色であってもよく、単なる2色印刷であってもよい。また、上記各実施の形態では、感光体ドラム33とトナーボックス35とを一体のプロセスカートリッジと31として交換しているが、トナーボックス35のみ交換可能であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明が適用されたカラーレーザプリンタの全体構成を表す縦断面図である。
【図2】そのカラーレーザプリンタにおけるプロセスカートリッジの交換を表す説明図である。
【図3】そのカラーレーザプリンタの変形例の全体構成を表す縦断面図である。
【符号の説明】
【0040】
1…本体フレーム 3…給紙カセット 7…画像形成部
8,9…給紙ローラ 16…ベルト 21…スキャナユニット
22…ポリゴンミラー 23…折返しミラー 24…fθレンズ
26…筐体 26a…露光開口部 31…プロセスカートリッジ 33…感光体ドラム 39…転写ローラ 52…排紙トレイ
L…レーザ光 P…記録紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤像の担持または被記録媒体の搬送を行う画像形成用ベルトと、
該画像形成用ベルトに対向して色毎に設けられた複数の感光体ドラムと、
該各感光体ドラム毎に設けられ、その感光体ドラム表面を露光走査する複数のスキャナユニットと、
それぞれが上記感光体ドラムのいずれかを備え、その感光体ドラム表面に上記露光走査によって形成された静電潜像を、上記対応する色の現像剤を付着させることによって現像する複数のプロセスユニットと、
該各プロセスユニットによって上記各感光体ドラム表面に形成された現像剤像を上記画像形成用ベルトまたはその画像形成用ベルトによって搬送される上記被記録媒体に転写する転写手段と、
を備えた画像形成装置において、
上記各スキャナユニット及び上記各プロセスユニットが交互に配設されると共に、上記各スキャナユニット及び上記各プロセスユニットが鉛直方向に対して斜めに傾斜して配設され、上記各プロセスユニットの少なくとも一部が上記斜めに傾斜した方向に沿って着脱可能であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
上記画像形成用ベルトの下方に、上記被記録媒体を保持するカセットを引き出し可能に備え、
上記各スキャナユニット及び上記各プロセスユニットが、上記カセットの引き出し方向に傾斜したことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
上記各プロセスユニットを上方から開閉可能に覆うカバーが、上記各プロセスユニット毎に独立して設けられたことを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
【請求項4】
上記画像形成用ベルトが、上記カセットの引き出し方向に向かって高くなるように傾斜して配設されたことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項5】
上記画像形成用ベルトが上記被記録媒体の搬送を行うものであって、その搬送方向下流側が下方に下がるように傾斜して配設されたことを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
上記各スキャナユニットの上部と上記各プロセスユニットの上部とが、上記画像形成用ベルトの傾斜方向にほぼ平行に配設されたことを特徴とする請求項4または5記載の画像形成装置。
【請求項7】
上記各スキャナユニット及び上記各プロセスユニットの上方に、画像形成後の被記録媒体を排出するためのトレイが配設され、かつ、該トレイが、上記画像形成用ベルトと同様の方向に傾斜したことを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
上記各プロセスユニットの下端近傍に、上記各感光体ドラムが回転可能に配設され、上記スキャナユニットが、そのスキャナユニットの上端近傍から上記感光体ドラムを露光走査することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
上記各スキャナユニットの、上記各プロセスユニットと交互に配設される方向の幅が、上記各スキャナユニットの上端近傍で狭くなるように構成され、上記各プロセスユニットの上記方向の幅が、上記各プロセスユニットの上端近傍で上記スキャナユニットの狭幅部に向けて広がるように構成されたことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−10769(P2006−10769A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−183862(P2004−183862)
【出願日】平成16年6月22日(2004.6.22)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】