説明

画像形成装置

【課題】 個人毎に設定を機器内に保存する事ができ、個人が操作する時になんらアクションをせずとも、自動的に過去に設定してある状態に機器を制御する事ができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 一般的な画像入力装置及び画像出力装置を有する画像複写装置と、Network機能を持つ汎用コンピュータにおいて、前記画像複写装置が自分自身の操作者を特定するための個人ID特定手段、前記汎用コンピュータ上に前記画像処理装置の設定データを記録する記録手段、前記画像処理装置が前記汎用コンピュータから個人IDを獲得するID獲得手段、前記画像処理装置上に前記汎用コンピュータが記録している前記設定データを関連付けるリンク手段、を有する事を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置においてはユーザモードと呼ばれるユーザの好みに応じて設定を変更する事が出来る機能があった。
【特許文献1】特開2000−98812号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、画像形成装置はその特徴上、使用者が一つを所有するわけではなく、一般的に多くの人がシェアしている場合が多い。したがって、ユーザが自分の好みに応じて設定できる機能があるが、自分の好みに切り替えたとしても、他のユーザによって勝手に切り替えられてしまう事があった。
【0004】
また、例えばアドレス帳のデータ等の個人が持つ情報を画像形成装置上に蓄積保存していくうちに膨大なデータとなり検索するのに時間がかかる場合があった。
【0005】
本発明は、上述の問題点に着目してなされたものであって、個人毎に設定を機器内に保存する事ができ、個人が操作する時になんらアクションをせずとも、自動的に過去に設定してある状態に機器を制御する事ができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明では、個人が所有するPC及びPDA装置を画像形成装置の操作できるストレージメモリとする事で、個人が記録すべきデータに関しては個人が管理する事を可能とするものである。
【0007】
操作者が画像形成装置に対してログインすることにより、前記PC及びPDA装置から前記画像形成装置の内部にデータをロードし、その振る舞いを変えることで、複数のユーザが自分だけの設定・データを保持する事が可能となり、機器を快適に使用する事ができる。
【0008】
すなわち本発明は、一般的な画像入力装置及び画像出力装置を有する画像複写装置と、Network機能を持つ汎用コンピュータにおいて、
前記画像複写装置が自分自身の操作者を特定するための個人ID特定手段、
前記汎用コンピュータ上に前記画像処理装置の設定データを記録する記録手段、
前記画像処理装置が前記汎用コンピュータから個人IDを獲得するID獲得手段、
前記画像処理装置上に前記汎用コンピュータが記録している前記設定データを関連付けるリンク手段、
前記画像処理装置が前記リンク手段を用いて前記汎用コンピュータから前記設定データを読み出すデータ読み込み手段、
前記画像処理装置が前記リンク手段を用いて前記汎用コンピュータから前記設定データを書き出すデータ書き込み手段、
前記読み込み手段のデータにより前記画像処理装置が機器設定を切り替える設定更新手段、
を有する事を特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0009】
本発明を用いる事で、個人毎に設定を機器内に保存する事が可能となり、個人が操作する時になんらアクションをせずとも、自動的に過去に設定してある状態に機器を制御する事が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下本発明を実施するための最良の形態を、実施例により詳しく説明する。
【実施例】
【0011】
図1〜図4は本発明の実施例である画像形成装置の構成を表す図面である。それらに基づき基本的な構成を説明する。
【0012】
カラースキャナ部の構成
図3は画像形成装置の全体構成を示すものである。
【0013】
まず、380の破線内に示されるカラースキャナ部の構成について説明する。
【0014】
(装置の名称の説明)
101はCCD、311はCCD101の実装された基板、300はスキャナ装置全体を制御するスキャナCPU、312はCCD基盤311から送られるアナログ画像信号をデジタル化したあとデジタル画像処理を行う画像処理部が含まれるIP基盤、301は原稿台ガラス、302は原稿給紙装置(DF)(なお、この原稿給紙装置302の代わりに非図示の圧板を装着する構成もある)、303及び304は原稿を照明する光源(ハロゲンランプ又は蛍光灯等)、305及び306は光源303・304の光を原稿に集光する反射傘、307〜309はプラテン上にセットされた原稿を光学的に101CCDに導く為のミラー、310は前記ミラーの投影光をCCD101上に集光するレンズ、314はハロゲンランプ303・304と反射傘305・306とミラー307を収容する第1ミラー台(キャリッジ)、315はミラー308・309を収容する第2ミラー台、316は第1ミラー台314と第2ミラー台315を副走査方向(図中における左右方向)に駆動するステッピングモータ駆動部である。
【0015】
313は他のデバイスとの外部インターフェイスである。この外部インターフェイスには本実施例では図示しないが、ネットワークに接続する為のLANインターフェイス装置、パソコン等と接続する為のSCSIインターフェイス装置、FAXとして動作させる為のFAX装置等、本スキャナ画像を用いることが要求されるデバイスを接続することが可能であり、本インターフェイスを介して、スキャナCPU300と外部装置のCPUが通信を行い、取り決められたタイミングで、取り決められた画像データを概外部インターフェイス313から出力することができる。
【0016】
353は画像複写装置として本スキャナを用いる際に、画像出力を担当するプリンタと画像と命令をやりとりする為の専用のインターフェイスである。
【0017】
(原稿の読み方の説明)
302のDFもしくは、ユーザにより301の原稿台ガラス上に置かれた原稿は、非図示のコピーボタン押下等の原稿読み込みイベントにより、スキャナCPU300が画像読み取りを行う為の指示を各所に与える。具体的には、303、304の光源を点灯させ、CCD基盤311を動作可能状態にし、画像処理基盤312に画像処理パラメータを設定する。各準備が整うと、ステッピングモータ駆動部316を動作させ、第1ミラー台を副走査方向に等速駆動し、原稿の全面を順に照射していく。この時、第2ミラー台315は第1ミラー台314の1/2に駆動するようにメカ的に光学設計されており的確に101のCCDに原稿を光学照射する。CCD101は主走査方向(図中の手前−奥方向)に受光センサが並んだものであり、一定周期に受光センサに対応したレジスタより、光量に比例したアナログ電圧を順々に取り込む事が可能である。この主走査方向の連続した取り込みと副走査方向に駆動する移動の繰り返しにより、原稿全面を2次元のイメージで取り込むことが可能である(2次元の画像データは時間軸に1次元の配列をとる)。この画像データはCCD基盤311から画像処理基盤312に転送され、適切な画像処理をかけた後に外部インターフェイス313もしくは、プリンタインターフェイス353のいずれかを介して、スキャナ外に画像を出力する。
【0018】
(画像の処理の説明)
次に画像処理基盤312内のデジタル画像処理部312の詳細な説明を行う。図1はデジタル画像処理部312の詳細な構成を示すブロック図である。画像複写装置として動作する場合について以下に述べる。
【0019】
原稿台ガラス上の原稿はCCD101に導かれて電気信号に変換される(CCD101はカラーセンサの場合、RGBのカラーフィルタが1ラインCCD上にRGB順にインラインに乗ったものでも、3ラインCCDで、それぞれRフィルタ・Gフィルタ・BフィルタをそれぞれのCCDごとに並べたものでも構わないし、フィルタがオンチップ化又は、フィルタがCCDと別構成になったものでも構わない)。そして、その電気信号(アナログ画像信号)は画像処理部312に入力され、クランプ&Amp.&S/H&A/D部102でサンプルホールド(S/H)され、アナログ画像信号のダークレベルを基準電位にクランプし、所定量に増幅され(上記処理順番は表記順とは限らない)、A/D変換されて、例えばRGB各8ビットのデジタル信号に変換される。そして、RGB信号はシェーディング部103で、シェーディング補正及び黒補正が施された後、つなぎ&MTF補正補正&原稿検知部104で、CCD101が3ラインCCDの場合、つなぎ処理はライン間の読取位置が異なるため、読取速度に応じてライン毎の遅延量を調整し、3ラインの読取位置が同じになるように信号タイミングを補正し、MTF補正は読取速度や変倍率によって読取のMTFが変るため、その変化を補正し、原稿検知は原稿台ガラス上の原稿を走査することにより原稿サイズを認識する。読取位置タイミングが補正されたデジタル信号は入力マスキング部105によって、CCD101の分光特性及び光源303・304及び反射傘305・306の分光特性を補正する。入力マスキング部105の出力は外部I/F信号との切り替え可能なセレクタ106に入力される。セレクタ106から出力された信号は色空間圧縮&下地除去&LOG変換部107と下地除去部115に入力される。下地除去部115に入力された信号は下地除去された後、原稿中の原稿の黒い文字かどうかを判定する黒文字判定部116に入力され、原稿から黒文字信号を生成する。また、もう一つのセレクタ106の出力が入力された色空間圧縮&下地除去&LOG変換部107では、色空間圧縮は読み取った画像信号がプリンタで再現できる範囲に入っているかどうか判断し、入っている場合はそのまま、入っていない場合は画像信号をプリンタで再現できる範囲に入るように補正する。そして、下地除去処理を行い、LOG変換でRGB信号からCMY信号に変換する。そして、黒文字判定部116で生成された信号とタイミングを補正するため色空間圧縮&下地除去&LOG変換部107の出力信号は遅延108でタイミングを調整される。この2種類の信号はモワレ除去部109でモワレが除去され、110で、主走査方向に変倍処理される。111はUCR&マスキング&黒文字反映部で、変倍処理部で処理された信号はCMY信号はUCR処理でCMYK信号が生成され、マスキング処理部でプリンタの出力にあった信号に補正されると共に黒文字判定部116で生成された判定信号がCMYK信号にフィードバックされる。UCR&マスキング&黒文字反映部111で処理された信号はγ補正部112で濃度調整された後フィルタ部113でスムージング又はエッジ処理される。以上処理された信号は117の2値変換部で8ビットの多値信号から2値信号に変換される。(変換方法はディザ法・誤差拡散法・誤差拡散の改良したものいずれでもかまわない。)これらの処理を経て、プリンタインターフェイス353もしくは、外部インターフェイス313からプリンタ又は、その他のデバイスに画像が送られる。
【0020】
(画像信号の構成)
図4−1はスキャナ内部で流れる画像信号のタイミング図を示すものである。
【0021】
401は副走査方向の有効画像区間を表すV−ENBLである。402は主走査方向の同期信号であるH−SYNCである。403は主走査方向の1画素の同期信号であるV−CLKである。404はCCDから読み出されAD変換された画像信号(一つしか記述していないが、Data−R、Data−G、Data−Bが存在する)である。422は全体を記述しきれないため、特徴的な部分以外を省略する為のものである。
【0022】
図4−2は読み取り原稿のイメージと画像信号の対応を表した図である。この図における主走査方向はY方向であり、副走査方向はX方向となる。つまり、101のCCDはY方向に画素を有し、この図においては左方向から右方向に移動しながら画像を取り込む。
【0023】
401のV−ENBLは画像の有効領域を示す。314の第一ミラー台を等速で駆動し、図4−2の原稿の読み取り開始点に来たときに、401のV−ENBLは有効レベルとなり、画像データの先頭と有効な領域を示す。つまり、314の第一ミラー台が101のCCDに投射している画像は図4−2の411〜414の主走査方向の1ライン目の画像となる。
【0024】
この時、402のH−SYNCは主走査方向の同期信号の有効エッジをトリガに403のV−CLKに同期して101のCCDからの画像が読み出していく、読み出された101のCCDの画像は、312の画像処理部の102の回路によりデジタルデータに変換され、各411、412、413・・・414の画像データとして変換される。
【0025】
H−SYNCの1H分の時間に対し、314の第一ミラー台は次の取り込みラインまで移動する様に正確に制御され、第1ラインの取り込み終了後は、同様に第2ラインの415〜417を取り込む。この動作を逐次連続して繰り返し、最終ラインの418〜420まで取り込む。主走査方向の取り込みが終了した為、V−ENBLはOFFとされ、画像データが無効になったことを表す。この図4−2の421は有効画像外の画像データである。
【0026】
この様に読み取り原稿を2次元の画像データとして取り込む事が可能となる。
【0027】
(プリンタ部の構成)
続いて、図3の破線381内に示されるプリンタ部の構成について説明する。
【0028】
383はリーダインターフェイスであり、画像複写装置としてプリンタを用いる際にスキャナデバイスを接続する為のインターフェイスとなる。
【0029】
382は外部インターフェイスである。この外部インターフェイスには本実施例では図示しないが、ネットワークに接続する為のLANインターフェイス装置、パソコン等と接続する為のSCSIインターフェイス装置等、本プリンタに画像を出力する事が要求されるデバイスが接続することが可能であり、本インターフェイスを介して、プリンタCPU384と外部装置のCPUが通信を行い、取り決められたタイミングで、取り決められた画像データを概外部インターフェイス382から入力することができる。
【0030】
317はM画像形成部、318はC画像形成部、319はM画像形成部、320はK画像形成部である。317〜320までの各画像形成部の構成は全て同一なので以下ではM画像形成部317を詳細に説明し、他の画像形成部の説明は省略する。
【0031】
M画像形成部317において、342は感光ドラムで、LEDアレー210からの光によって、その表面に潜像が形成される。321は一次帯電気で、感光ドラム342の表面を所定の電位に帯電させ、潜像形成の準備をする。322は現像器で、感光ドラム342上の潜像を現像して、トナー画像を形成する。なお、現像器322には、現像バイアスを印加して現像するためのスリーブ345が含まれている。323は転写帯電気で、転写ベルト333の背面から放電を行い、感光ドラム342上のトナー画像を、転写ベルト333上の記録紙などへ転写する。本実施例は転写効率がよいため、クリーナ部が配置されていない(クリーナ部を装着しても問題ないことは言うまでもない。)。
【0032】
(プリンタ画像処理系の説明)
前記LEDアレーの制御法について、スキャナ380の画像処理系である図1に対応した図を図2に示し、以下に説明を行う。
【0033】
図3のスキャナ380のプリンタインターフェイス353から出力された画像は、プリンタ381のスキャナインターフェイス383に入力される。これは、図2中の383からスキャナ画像が入力されることを意味する。383から入力された画像データは201の大容量メモリ(メモリは半導体メモリでも固定記憶装置でも、その組み合わせでも、画像を記憶する為のメモリであれば構わない)に格納される。また格納と同時もしくは格納した後、例えば紙先端センサ347からの紙先端信号などの画像出力要求に対して、大容量メモリ201から画像データは読み出され、それぞれ遅延部202〜205におくられ、各色の所定の遅延分だけよって紙先端センサとそれぞれの画像形成部との距離の違いを調整し、4色を所定の位置に印字することが可能となる。LED駆動206〜209はLED210〜213を駆動するための信号を生成する。
【0034】
(画像形成法)
次に、記録紙などの上へ画像を形成する手順を説明する。カセット340・341に格納された記録紙等はピックアップローラ339・338により1枚毎給紙ローラ336・337で転写ベルト333上に供給される。給紙された記録紙は、吸着帯電器346で帯電させられる。348は転写ベルトローラで、転写ベルト333を駆動し、かつ、吸着帯電器346と対になって記録紙等を帯電させ、転写ベルト333に記録紙等を吸着させる。347は紙先端センサで、転写ベルト333上の記録紙等の先端を検知する。なお、紙先端センサの検出信号はプリンタ部からスキャナ部へ送られて、スキャナ部からプリンタ部にビデオ信号を送る際の副走査同期信号として用いられる。
【0035】
この後、記録紙等は、転写ベルト333によって搬送され、画像形成部317〜320においてMCYKの順にその表面にトナー画像が形成される。K画像形成部320を通過した記録紙等は、転写ベルト333からの分離を容易にするため、除電帯電器349で除電された後、転写ベルト333から分離される。350は剥離帯電器で、記録紙等が転写ベルト333から分離する際の剥離放電による画像乱れを防止するものである。分離された記録紙等は、トナーの吸着力を補って画像乱れを防止するために、定着前帯電器351・352で帯電された後、定着器334でトナー画像が熱定着された後、335の排紙トレイに排紙される。
【0036】
(画像複写動作)
非図示の画像複写装置としての操作部上に配置されるコピーボタンが押下されると、スキャナ380はプリンタ381に対して画像の出力要求を出す。そして、プリンタより画像の読み取り要求がスキャナに与えられ、前記説明により画像の読み取りを開始する。これと同時、もしくは画像の読み取り終了後に381のプリンタは、前記説明によりスキャナから入力された画像を排紙トレイ335に排出することができ、これにより複写動作が可能となる構成になっている。
【0037】
(本方式の説明)
<携帯情報装置の構成と、個人IDの認識手段>
図7の3307に相当する携帯情報装置の詳細を以下に示す。
【0038】
図8は携帯情報機器のブロック図である。
【0039】
本実施例では以下の構成を例に記載するが、本発明は情報通信を行うことが可能な機器に関して適用可能なものであり、特にこの図の通りに機能を限定するものではない。また、現在多く普及されている磁気記録方法のIDカード等でも同様の効果が得られる。よって、個人IDを記録する媒体は限定しない。
【0040】
3401は外部と情報のやり取りを行う為のアンテナ、3402は3401アンテナに対して情報を送信する送信部、3403は3401アンテナから情報を受信する受信部、3404は操作者及び周辺の音を電気信号に変換するマイク、2005は操作者及び周辺に対し電気信号を音に変換して出力するスピーカ、3406は操作者が本携帯情報機器に対して指令を与えるための操作部、3407は本携帯情報機器全体を制御するCPU、3408は3407CPUが動作する上で必要な揮発性メモリ及び、通信先等の電源OFFにおいてもデータが消去されないためのEEPROM等の不揮発性のメモリを統括しているメモリ、3409は操作者及び周辺に対して機器の状態及びメッセージを通知する表示部となる。
【0041】
また、3408メモリには所有者の個人情報をもっており、これはユニークなものである。本発明は認証の詳細については深く触れないが、この個人情報(以降「個人ID」と記載)により既知の認証手段によって個人を特定する事が出来る。
【0042】
<携帯情報装置の機能(通話方法)説明>
図8における携帯情報装置の機能について説明する。
【0043】
本実施例においては、今後図8に示す携帯情報装置が一般的な携帯電話であった場合を想定し、一般的な機能の説明を行う。
【0044】
前記携帯電話から通話を開始する場合。操作者は3406操作部より、電話番号を入力する。その番号は3407CPUによって、3409操作部にエコーバック表示される。操作者が3406操作部内の非図示の通話開始ボタンを押すことにより、3402通信部、3401アンテナを介して最寄りの電話局に通話要求が発生し、通話相手と回線が接続される。回線接続後は、操作が3404マイクに対して話した言葉は3402送信部で信号変換され、3401アンテナを介して通信相手に伝わる。また、通信相手が話した言葉は3401アンテナから3403受信部に入り、アナログ信号に変換され3405スピーカを介して操作者に伝わる事になる。
【0045】
次にデジタル情報をやり取りする場合について述べる。
【0046】
伝送するための情報は、3408メモリから3407CPU、3402送信部を介して3401アンテナに伝送され発信される。受信側は3401アンテナから3403の受信部、3407CPUを介して3408メモリに蓄積される。
【0047】
3409表示部は一般的にLCDが使われる。非図示のVRAMに対して3407CPUがビットマップパターンを書き込むことにより画像を表示する事が可能であり多彩な表現を行う事が可能である。
【0048】
これらの技術は公知であるため、詳細な説明は省略する。
【0049】
<本発明の構成の概略図の説明>
図7に本発明の実施例で用いる概略の図を示す。
【0050】
3301は先に説明した画像形成装置である。3302はNetworkである。3303はコンピュータである。3304は前記コンピュータを操作するユーザである。3305は前記コンピュータと前記画像形成装置間で張られるリンクである。3306は前記画像形成装置の近傍に位置して前記画像形成装置を操作するユーザである。3307は前記3306ユーザが携帯している携帯情報装置である。3308は前記携帯情報装置と前記画像形成装置間で張られるリンクである。
【0051】
前記画像形成装置及び前記コンピュータは前記Networkで接続されている。故に3304ユーザは3303のコンピュータを使用して3301にJOBを投入し、印刷物を生成する事が可能である。この際に前記コンピュータは既知のログイン手段により個人が特定されており、プリンタドライバはこの個人IDをJOBと同時に送信する事ができる。これにより、3301の画像形成装置は指示されたプリントJOBが3304のユーザのものであるという事を認識する事が可能である。
【0052】
また、3306ユーザは3301画像形成装置の付近に位置し、操作パネルを操作する事でコピー操作を行う事が可能である。3306ユーザが携帯している前記携帯情報装置は同様に個人IDをメモリに有しており、既知の無線通信手段を用いて3301の画像形成装置に対して個人IDを送信する事ができる。3301の画像形成装置は指示されたコピーJOBが3304のユーザのものであるという事を認識する事が可能である。
【0053】
<ユーザモードの画面の説明>
図5に画像複写装置におけるLCD操作部の画面を図示する。この画面はユーザが機器固有の設定を行う時に開く画面である。3102は共通仕様設定であり、機能に分類されない設定がカテゴライズされている。3103はコピー機能設定であり、CopyFunctionにおける設定がカテゴライズされている。3104はタイマー設定であり、タイマー関連の設定がカテゴライズされている。3105はNetwork設定であり、Network関連の設定がカテゴライズされている。3106は部門管理設定であり、部門毎に機器の使用情報を獲得する機能における設定がカテゴライズされている。3107はアドレス帳設定であり、画像形成装置がよくやり取りを行う宛先を登録する事ができる。3108はプリンタ機能設定であり、PrinterFunctionに関する設定がカテゴライズされている。
【0054】
ユーザはこのLCD画面上から所望の文字が書かれているボタンを押下することで、そのカテゴライズされた画面に遷移し、詳細な機器の設定を変更・設定する事が可能である。
【0055】
<本方式におけるデータ構造>
図6に本方式におけるデータ構造(Tree)を図示する。
【0056】
このデータベースは3301の画像複写装置内の不揮発メモリに保存される。
【0057】
3201は本発明におけるデータ構造のトップである。3202〜3204が図7における3308及び3305等のユーザIDが格納されているレイヤーである。つまり、例えば3203は特定のユーザ一人に対する設定セットのデータ構造のトップであり、この下に繋がっているデータは全て3203のユーザが自分の設定として設定した値を記憶している事を意味する。(本説明は3203のユーザが持つデータ構造について説明するものであり、項目・機能を限定するものではない)。
【0058】
同様に、他の特定のユーザの一人は3203と同格のレイヤー、例えば3202・3204以下に構築されることになる。
【0059】
3102〜3107は図5におけるユーザモードのカテゴリに対応するデータを意味する。3240〜3262は3102〜3108の各々下にカテゴライズされているデータである。これらの設定の種類はさらにTree構造を持つ場合もあり、膨大な数となる。本実施例では説明の都合上一部に絞って記載することにする。
【0060】
3240はキークリック音のON/OFFであり、ユーザが操作を行った時に入力音を鳴らすか否かを記憶している。3241はアラームが発生した際にその音を鳴らすか否かを記憶している。3242は操作部上に表示する言語が何であるかを記憶している。3253は3103のCopyFunctionに対する圧板原稿検知を行うか否かを記憶している。3254は3103のCopyFunctionに対する印刷中に用紙無しになった時に同サイズの用紙が入っているカセットを検索して貴下変えるか否かを記憶している。3255は3103のCopyFunctionに対する排紙トレイ先を記憶している。3256は3103のCopyFunctionに対する色味の調整値を記憶している。3257は3103のCopyFunctionの時に操作部上によく使う機能を一発で指定するためのショートカットボタンを記憶している。3260は3108PrinterFunctionのエミュレーション機能であり、PostScriptをインタープリットするか否かを記憶している。3261は3108PrinterFunctionの排紙トレイを記憶している。3262は3108PrinterFunctionの色調整値を記憶している。
【0061】
3271〜3272は3107AddresBookが記憶しているユーザである。3273〜3275は3271のユーザの各々の情報を記憶している。
【0062】
前記記憶しているデータは3203のユーザIDに対するものであり、3204のユーザには同じレベルのデータを記憶する事ができ、ユーザID毎に設定値を記憶する為に必要なデータ構造である。
【0063】
<NetworkFileSystem>
情報をファイルとして管理する一般的な方法にFileSystemという物がある。FileSystemはFileNameを定義しそのFileNameをキーに情報の保存/読み込みを行う事ができる。これは揮発/不揮発性メモリやHDD等に一般的に使用し、一時的/恒久的に情報を管理/保存する為に用いられる。
【0064】
非接触型の通信や有線におけるNetworkには仮想的にNetworkFileSystem(以後NFS)という既知の技術がある。これは、Networkを介してFileSystemをMountする事で、あたかもNetworkの先にあるFileSystemが自分の機器内のFileSystemの様に扱える機能である。
【0065】
本実施例ではNetworkFileSystemのプロトコルについては問わないが、例えばMountした時に前記携帯情報端末上から前記画像複写装置に一括で設定セットをバッファに読み込んでしまう方法でも構わない、また、読み込み要求が発生したものに関してのみバッファに読み込む事でも問題は無い。書き込みに関しても同様である。
【0066】
<個人データのマウント・アンマウント>
図7で示した本実施例におけるマウントについて述べる。
【0067】
3301の画像形成装置は自分の設定の為のプロトコルを持つ(以降FDSPと呼ぶ)。
【0068】
(本実施例はプロトコルに関するものでは無く、また一般的な通信プロトコルと差異があるわけではないため、詳細に関しては省略する。)
本方式の特徴的な部分であるところの、3307の携帯情報装置上に3301が使用するデータベースを接続する手段について述べる。処理フローは図10に示す。
【0069】
図10−1はデータベースのマウントを開始する時のフローである。
【0070】
以下、ステップは図面上はSと示す。
【0071】
ステップ3611でユーザの検出待ちを行う。ユーザを検出するとステップ3612でネットワークを介して所定のプロトコルネゴシエーションを行う。ステップ3613で先のネゴシエーションで得られたユーザIDに応じたファイルシステムをマウントする。
【0072】
例えば3202はまだデータベースがマウントされていない状態であり、3203のTreeの下に存在するデータベースは先におけるNetworkFileSystemにおけるマウント機能によりNetworkの先のFileSystemが参照されている事になる。これでマウントは完了である。
【0073】
3307の携帯情報装置は内部にFileSystemを持つ。このFileSystemをFDSPプロトコルがマウントできるようにExport設定を行う必要がある。これは現在の技術における一般的な方法では3307の携帯情報装置にFDSP用のドライバをインストールして、ドライバ内からExportするサイズを指定するという方法がある。このドライバはFDSPのプロトコルのネゴシエーション機能を持っており、3301画像形成装置と3307携帯情報装置及び3304PCとの間でセキュリティを考慮したNetwork経路を確立する事が出来る。
【0074】
図10−2はデータベースのアンマウントを行う時のフローである。
【0075】
ステップ3622でユーザを検出できなくなった、もしくは、非図示のユーザのLogout処理が明示的に指示された場合、ステップ3623に処理が移りFileSystemがアンマウントされる。このとき、3203のユーザIDはそれ以降のTreeが消えた状態になり、個人データのアクセスは拒否される事になる。
【0076】
<本方式の処理1フロー>
図11において、3306ユーザが3301の画像複写装置の近傍に立った場合3702で示すようにFDSPプロトコルのネゴシエーションにより3308の個人IDが特定される。すると前記FileSystemのマウントシーケンスが動作する。ユーザが特定した旨のイベントが発生し、先に述べた個人データのマウント作業を行う。具体的には、図6の3203のTree以下に接続されているデータは、3203のユーザID専用のデータであるため、3203のレイヤーでNetworkFileSystemによるMount作業を行う(これは3701のデータベースが3703の経路を経て3704の矢印のように3710のデータベースに接続される事を意味する)。
【0077】
次に各所が設定データの再更新作業を行う。具体的には図5の3101LCD部は操作部の操作に必要なデータである、3240、3241、3242の情報を図6のデータベース部に対して問い合わせをかける。このフローを図9−2に示す。
【0078】
ステップ3521で3308の個人IDに対応したユーザIDを判断する。ステップ3522で特定されたユーザIDに対応したTreeから設定データを取り出し、ステップ3523でその値を返す。このフローの繰り返しで、画像複写装置全体が3306の個人設定通りの設定へと更新される。
【0079】
次に、3306ユーザが3101のユーザモード画面を開き、設定の変更を行ったとする。すると、図9−1のフローに元づきユーザ設定が変更される。つまり、ステップ3511は指示を待っている時である。指示があるとステップ3512でユーザのIDが判断され3203のTreeが選択される。ステップ3513でDB中の中が検索され、ステップ3514で所定の場所のデータにアクセスが行われる(これは3705のデータのやり取りが行われる事を意味する)。
【0080】
この効果の具体的な例を示すと、3306の操作者の好みが3240キークリック音がON、3241アラーム音がOFF、3242言語が英語という設定をしていた場合、3307の個人IDを持っているデバイスを身につけて3301の画像複写装置の近郷に立った時点で、操作部画面は英語に切り替わり、操作した時のクリック音が鳴り、アラームONが鳴らない設定となる。
【0081】
3306ユーザが3301の画像複写装置の近傍から離れた場合、前記FileSystemのアンマウントのシーケンスが動作し、データベースを切り離す動作を行う。その後3301の画像処理装置はデフォルトの設定に自機の設定を変更して初期状態に戻る。
【0082】
これらの3705のデータへのアクセスは先に述べたNetworkを介して3306の所有物である3307PDA上のストレージに対して3706のNetworkアクセスが発生する事になる。つまり本方式により、自分の個人設定を自分の所有物である3307PDA装置に保存し持ち歩く事が可能となる。これは例えば通常オフィスで自分が使用している画像複写装置に対して行った設定が同じプロトコルを持った違う場所の画像複写装置においても適用できる事を意味する。特に有効とされる具体的な効果としては、自分が通常設定して使用しているアドレス帳・言語等の各種設定データが、初めて訪れた会議室の画像複写装置に前で操作する際にも自動的に適用される事を意味する。
【0083】
以上の様な手法により、一つの画像複写装置における設定を個人毎に管理することができ、また該設定に従って本体の状態を更新させることが可能である。
【0084】
<本方式の処理2>
操作者3306が3304のPCを操作している場合について述べる。
【0085】
本実施例では詳細に記載しないが3304のPCにも個人のIDを記録する手段がある場合、Networkで接続されている限り先に述べた説明通りの動作を行う事が可能である。例えばユーザがPrinterとして3301の画像複写装置を使用する際に、3305の個人IDが送信される。これにより、前記と同様の手段により、3108のPrinter機能設定の各項目が反映され、ユーザの好みの動作に設定を切り替えて動作する事が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】スキャナの画像処理部のブロック図
【図2】プリンタの画像処理部のブロック図
【図3】画像形成装置の全体構成を示す図
【図4】スキャナの画像信号の図
【図5】画像複写装置の操作部画面(ユーザモード)を示す図
【図6】本発明におけるデータ構造を示す図
【図7】本発明の構成の概略図
【図8】携帯情報装置を示す図
【図9】フローチャート
【図10】フローチャート
【図11】本発明の実施例の概略図
【符号の説明】
【0087】
3301 画像形成装置
3302 Network
3303 コンピュータ
3304 ユーザ
3305 リンク
3306 ユーザ
3307 携帯情報装置
3308 リンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般的な画像入力装置及び画像出力装置を有する画像複写装置と、Network機能を持つ汎用コンピュータにおいて、
前記画像複写装置が自分自身の操作者を特定するための個人ID特定手段、
前記汎用コンピュータ上に前記画像処理装置の設定データを記録する記録手段、
前記画像処理装置が前記汎用コンピュータから個人IDを獲得するID獲得手段、
前記画像処理装置上に前記汎用コンピュータが記録している前記設定データを関連付けるリンク手段、
前記画像処理装置が前記リンク手段を用いて前記汎用コンピュータから前記設定データを読み出すデータ読み込み手段、
前記画像処理装置が前記リンク手段を用いて前記汎用コンピュータから前記設定データを書き出すデータ書き込み手段、
前記読み込み手段のデータにより前記画像処理装置が機器設定を切り替える設定更新手段、
を有する事を特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の設定データが、表示言語である事を特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1に記載の設定データが、アドレス帳である事を特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1に記載の設定データが、コピーの機能設定である事を特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1に記載の設定データが、キークリック音のOff/Onの機能設定である事を特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1に記載の設定データが、表示言語、アドレス帳、コピー機能設定のいずれかである事を特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1に記載のデータ選択手段が、表示言語、アドレス帳、コピー機能設定のいずれかである事を特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1に記載の汎用コンピュータが携帯情報装置、Network機能が無線である事を特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−196983(P2006−196983A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−3903(P2005−3903)
【出願日】平成17年1月11日(2005.1.11)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】