説明

画像形成装置

【課題】湿度の影響を受け易い現像剤、感光体表面を稼動時と非稼動時或は異なる湿度環境下での使用に対して効果的に調湿することができるとともに、調湿材による装置全体の大型化を防ぐことができる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】少なくとも像担持体と、像担持体への現像手段を備え、前記像担持体と現像手段を含んだ略閉空間の温度及び湿度が装置稼動時と非稼動時において異なる画像形成装置において、周囲温度と湿度により吸水量が異なることで、装置稼動時には放湿、非稼動時には吸湿を行う調湿材を像担持体表面付近或は現像位置付近の一部分に配置することで、常に前記略閉空間内の稼動時の湿度を80%以下に保つようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、レーザービームプリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関するものであり、特にフルカラー画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の複写機、プリンタ等の画像形成装置は、周囲環境により様々な画像不具合が発生する場合があった。
【0003】
具体的には、画像形成装置内での画像形成プロセスに対して、装置内環境が影響して濃度変動等の画像不具合を引き起こす場合がある。これは、トナー像を紙に転写の際の剥離放電、転写電圧、転写材と感光体(感光ドラム)の水分量差等の影響と思われる潜像コントラスト電位変動が発生するためである。
【0004】
この感光体表面の潜像コントラスト電位が変化する現象は、画像形成装置の寿命までの劣化変動と異なり、一過性の変動であるために、或る程度時間が経過すると回復するためにその対応が難しい。
【0005】
従来、上述した感光体上の潜像コントラスト電位変動に対する対策手段として、例えば画像形成装置内の温度や湿度等の環境を検知する環境検知手段、感光体上の電位検知を検知する電位検知手段、濃度を検知する濃度検知手段を備え、これらの環境検知手段、電位検知手段、濃度検知手段で、それぞれ環境検知、感光体上の電位検知、濃度検知を行って、出力画像の濃度を補正制御して安定した出力画像を得る手法等が提案されている。
【0006】
又、環境変動以外にも高湿環境下で長時間、装置を非稼動状態にした場合、直前の稼動時に帯電手段により発生したオゾン或はNOxが感光体表面に吸着し、水分を含むことによって、露光手段より照射されたビームが結像位置周辺に散乱することで先鋭な画像が得られないという状態(通称、画像流れ)も発生する。
【0007】
画像流れに対しては一般的に感光体表面温度を上昇させ、気化熱によって水分を取り除くヒータ手段が多く用いられている。
【0008】
しかし、ヒータ手段を用いた場合、装置非稼動時に電力を供給し続ける必要があるとともに、稼動中においては現像剤の攪拌或は現像剤とブレードの摺擦及び感光体と感光体クリーニング手段との摺擦による自己昇温が起こり、ヒータ手段の応答性、感光体の熱容量によっては過昇温となることで現像剤が融着する懸念もある。
【0009】
そこで、感光体内壁面に吸湿材を貼付し、感光体の回転によって風流を発生させ吸湿材への接触空気量を増やすことで装置内の湿度の低減を図ったものが提案されている(例えば、特許文献1)。
【0010】
又、装置内の必要部分を吸湿部材、或は吸放湿を繰り返す調湿材で完全に被ったものが提案されている(例えば、参考文献2)。
【0011】
【特許文献1】特開平7−271240号公報
【特許文献2】特開平6−110272号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上述の技術においては以下のような問題がある。
【0013】
即ち、濃度制御を行う場合、制御対象が多岐に渡るため、特に現像剤の湿度変動が大きいと十分に濃度安定化が図れない場合がある。
【0014】
又、感光体内壁に吸湿材を配設し、感光体の回転によって湿度低減を図るようにした場合、感光体が非回転状態となる装置非稼動時においては効果的な除湿を行うことができない。よって、高湿環境下での装置稼動直後の画像流れを防止することは困難となる。
【0015】
更に、一般的な吸湿材は放湿能力が非常に低く、低湿環境下に長時間放置するか或は気化エネルギーを与える必要がある。又、前記手段を採っても性能が完全に復元しないものもある。よって、吸水量が飽和した後はそれ以上の吸水効果が得られず、頻繁な交換が必要となる。
【0016】
吸湿材或は調湿材を湿度変動の影響を受け易い部分を囲むように設ける構成としたとき、それが装置全体であった場合には多量の吸湿材(調湿材)を必要とする。更に、近傍の温度が上昇(湿度が低下)することによって放湿する調湿材においては、装置外壁付近に配設することで外気温の影響を受け易くなることで外部環境の変化がない場合には吸放湿効果が期待できない。更に、調湿材の吸放湿速度が遅い場合には、短時間での環境変動に対しても同様に吸放湿効果が期待できない。
【0017】
調湿材の吸放湿作用を繰り返して高湿度環境下での装置内部の温度変化による現像剤の湿度変動量を緩和することを目的とした場合、現像手段の現像剤を格納している空間に配置することが最も効果が高く、現像剤を調湿するために現像装置外周を被っても現像剤の調湿効果は低い。
【0018】
又、単位体積当たりの吸水量(以下、便宜的に「吸水量」と呼ぶ)が少なく、所定の空間内の湿度変動を緩和させるためには調湿材で湿度の影響を受け易い部分全体を囲む程の量を必要とする。更に、高湿環境下での画像形成装置内部の調湿を目的とした場合、吸放湿速度も遅いことから稼動、非稼動の繰り返しによる画像形成部近傍の温度変動による湿度変化には対応し切れず、十分な効果が発揮できないという問題もあった。
【0019】
低湿度時にも高湿度時に近い吸水量を有する調湿材(例えば、ゼオライト)を使用した場合、異なる湿度環境下で使用される装置内部の湿度は高湿度下においては下がる傾向にあるものの、低湿度下の放湿量が少なく、湿度の安定化は図れない。
【0020】
そこで、本発明は、湿度の影響を受け易い現像剤、感光体表面を稼動時と非稼動時或は異なる湿度環境下での使用に対して効果的に調湿することができるとともに、調湿材による装置全体の大型化を防ぐことができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記目的を達成するため、本発明は、少なくとも像担持体と、像担持体への現像手段を備え、前記像担持体と現像手段を含んだ略閉空間の温度及び湿度が装置稼動時と非稼動時において異なる画像形成装置において、周囲温度と湿度により吸水量が異なることで、装置稼動時には放湿、非稼動時には吸湿を行う調湿材を像担持体表面付近或は現像位置付近の一部分に配置することで、常に前記略閉空間内の稼動時の湿度を80%以下に保つようにしたことを特徴とする。
【0022】
又、本発明は、少なくとも像担持体と、像担持体への現像手段を備えた画像形成装置において、周囲温度と湿度により吸水量が異なることで、高湿度環境下では放湿、低湿度環境時には吸湿を行う調湿材を前記像担持体と現像手段を含んだ略閉空間の現像位置付近の一部分或は現像手段を形成しているハウジングの内壁の一部分に配置することで周囲湿度の変動に関わらず該現像手段内部の湿度変動を10%以下に保つようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、感光ドラムと現像手段を含む略閉空間の内部であり、更に感光ドラム表面付近或は現像位置付近に湿度90%R.H.での1cm当たりの吸水量が0.4cc以上であるとともに、湿度50%R.H.での1cm当たりの吸水量が0.25cc以下であるシート状調湿材を配置することで、特に調湿剤を配置するための特別な空間を必要とすることなく、又、密閉度を向上させる構成を施すこともなく感光ドラム表面付近を高湿環境下での画像形成装置稼動直後の画像流れを発生させない湿度に保つことができる。
【0024】
又、前記特性に加え、湿度20%R.H.以下での1cm当たりの吸水量が0.1cc以下であるシート状調湿材を現像位置付近に配置することでトナーの湿度変動を緩和させることができ、画像濃度の安定化を図ることができる。現像剤が収納されている現像手段の内部に該シート状調湿剤を配置することでトナーの湿度をより一定に保つことができ、画像濃度の更なる安定化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0026】
<実施の形態1>
図1は本発明の画像形成装置の中のプロセスカートリッジを示す概略断面図である。
【0027】
図1において、プロセスカートリッジ5は図示矢印a方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される像担持体としての感光ドラム1、コロナ帯電方式である帯電器2、現像装置3、クリーニング装置4をハウジング5a内にまとめて構成され、不図示の画像形成装置本体に対して着脱可能とされる。
【0028】
プロセスカートリッジにおいて画像形成は次のように行われる。
【0029】
即ち、先ず感光ドラム1を回転させながら帯電器2で一様に帯電させ、例えばレーザーを用いた不図示の露光手段によって画像情報信号Lを露光して静電潜像を形成し、現像装置3で現像して可視像化する。ここで、露光手段による露光部6は開口されている。しかし、幅が狭く略閉空間を損ねるものではない。又、カートリッジ内部に埃が入るのを防ぐため、防塵用ガラスを開口部6に設けているものもある。
【0030】
次に、不図示の搬送手段によって搬送された転写材P上に感光ドラム1上の可視像を転写手段7によって転写する。可視像が転写された転写材Pは、不図示の定着装置によって溶融定着され、装置外に排出される。又、転写後に感光ドラム1上に残された転写残トナーは、クリーニング装置4によって除去される。
【0031】
静電潜像を可視像化する現像装置3は、感光ドラム1と対向するように配置されており、感光ドラムと対向して現像スリーブ3aが回転自在に配置されているとともに、現像スリーブに供給されるトナーTを収容する現像室3bや現像スリーブの表面にその先端が当接するようにして配置されたブレード3cから現像装置が構成されている。現像スリーブ3aは、その表面にトナーTを担持させながら所定方向に回転して感光ドラム方向にトナーを供給できるようになっている。
【0032】
ここで、プロセスカートリッジ内部であって現像装置の側面外壁に調湿材8を取り付ける。本実施の形態の調湿材としては古河電工のドライキーパーを用いた。これは高分子ポリマーにアクリル製ゴムを配合したもので吸湿層を作り、バックアップ手段としてポリエチレンフィルムを貼付したものである。この調湿材のバックアップ部材側と現像装置の側面外壁を粘着テープにて貼付した。
【0033】
更に、ドラム表面への水分吸着防止を第1の目的とし、トナーの調湿効果も得ようとしたため、ドラムと現像スリーブの対向する部分に近い部分に配置した。
【0034】
フルカラー画像形成装置の場合は、プロセスカートリッジが転写材搬送方向或は中間転写手段搬送方向に複数配置される形態となる。
【0035】
図2及び図3にこの調湿材の特性を示す。
【0036】
図2は吸水特性を示したものであり、比較した他のゼオライト(調湿材)やシリカゲルType−A(吸湿材)に比べて高湿度環境下での湿度差に対する吸水量の差が大きく、又、高湿度と低湿度での吸水量の差が大きい。図2中の(1)は本実施の形態の調湿材、(2)はゼオライト、(3)はシリカゲルを示したものである(他の図中の数字も同じ)。
【0037】
図3は吸水速度を示したものであり、ゼオライトやシリカゲルType−Aと比較して吸水速度が非常に速い。本実施のの形態の調湿材の吸水量0から12時間後の吸水量が吸水量飽和時の約1/2に達しているのに対し、ゼオライト、シリカゲルは1/3未満となっている。
【0038】
本実施の形態の画像形成装置は、A3サイズの転写材に画像形成可能であり、プロセスカートリッジは、装置本体の大型化を防ぐためにコンパクトに形成されている。ここで、プロセスカートリッジ内部の空間は現像装置、クリーニング装置を含めて10×10cmとなる。既存のスペースに貼付できる調湿材の大きさとして幅30mm、奥行き250mm、厚さ2mmのものを使用した。
【0039】
図4は調湿材を使用した場合と使用しなかった場合のプロセスカートリッジ内部の温度と湿度を示したグラフであり、30℃、90%R.H.の外部環境の中で装置を稼動した場合のものである。
【0040】
調湿材を使用しなかった場合、装置非稼動時のプロセスカートリッジ内部の湿度は、外部環境とほぼ同等の90%R.H.となっている。装置が稼動し、画像形成プロセスを繰り返すと、トナー攪拌による自己昇温やブレードを抜ける際の摺擦熱によって現像装置の温度が上昇する。又、感光ドラムとクリーニングブレードの摺擦によってもプロセスカートリッジ内部の温度が上昇する。連続的に画像形成がなされた場合、プロセスカートリッジの内部は35〜40℃となり、外部環境に比べて5〜10℃温度上昇する。このとき、プロセスカートリッジ内部の湿度は50〜60%R.H.となっている。
【0041】
画像形成中の帯電器によるコロナ放電によってオゾン、NOxが発生し、画像形成終了に伴い感光ドラムの回転が停止することで帯電器付近に滞留しているオゾン、NOxが感光ドラム表面に吸着する。
【0042】
画像形成終了後、長時間非稼動の状態が続くとプロセスカートリッジ内部の温度が下がる(周辺温度と平衡状態となる)ことで湿度は90%R.H.に戻り、水分がオゾン、NOxに引かれて感光ドラム上に吸着し、稼動開始したときに画像流れが発生する。この現象は特に装置の耐久が進むほど顕著に現れる。
【0043】
本実施の形態の調湿材を使用して上記同等の外部環境下で装置を稼動した場合、画像形成終了後、例えば一晩(約12〜15時間)放置した時の装置非稼動時或はその後の装置稼動直後のプロセスカートリッジ内部の湿度は70%R.H.程度となる。装置が稼動し、画像形成プロセスを繰り返すとプロセスカートリッジ内部の湿度は60%R.H.程度となる。
【0044】
ここで、稼動直後の画像流れは認められない。又、装置稼動、非稼動時の湿度変動も緩和されている。
【0045】
又、シート材にゼオライトを本実施の形態の調湿材とほぼ同容量担持した調湿材を使用した場合とシリカゲルをほぼ同容量使用した場合も同様に示す。ゼオライトは吸水特性、吸水速度の違いから大きな効果は認められなかった。又、シリカゲルは90%R.H.時の効果は認められたが、稼動時との湿度差は本実施の形態の調湿材に比べて大きい。更に、シリカゲルは経時的に吸湿性能が低下するため全体的に湿度上昇が進み、画像流れに対する効果も低減する。
【0046】
ここで、本実施の形態の調湿材においては画像流れに対して大きな効果を発揮したが、温度30℃、湿度90%R.H.での1cm当たりの吸水量が0.4cc、温度40℃、湿度50%R.H.での1cm当たりの吸水量が0.25ccである調湿材であり、更に12時間放置、12時間稼動を繰り返す場合には12時間で飽和吸水量の約1/2の吸水量を得ることのできる調湿材を使用することで(4)のような湿度変動を繰り返すこととなり、装置稼動直後に画像流れを発生させない湿度80%R.H.以内を実現することができる。
【0047】
次に、外部環境を30℃、90%R.H.と23℃、5%R.H.に24時間おきに変動させた場合の結果を図5に示す。
【0048】
調湿材を使用しなかった場合、装置内部昇温による湿度低下のみが認められる。
【0049】
本実施の形態の調湿材を使用した場合、高湿時においては60%R.H.、低湿時には30%R.H.となり、調湿材の無い場合に対して湿度変動が大きく緩和されている。
【0050】
シリカゲルを使用した場合は、その吸湿性能より高湿度環境下での湿度低下は認められるが、低温環境下では放湿性能の低さから調湿材を使用しない場合と差が認められない。
【0051】
ゼオライトを使用した場合は吸湿側速度が本実施の形態の調湿材に比べ遅いため、緩和される量としては非常に小さい。
【0052】
ここで本実施の形態の調湿材においては濃度変動に対して大きな効果を発揮したが、温度30℃、湿度90%R.H.での1cm3
当たりの吸水量が0.4ccであり、更に温度23℃、湿度5%R.H.での1cm3 当たりの吸水量が0.1ccである調湿材においては(4)のような湿度変動を繰り返すことになり、画像濃度安定化を図ることができる。
【0053】
本実施の形態では、調湿材は壁面に貼付した形態を説明したが、それ以外にも不織布の袋に入っているものもあり、調湿材或は袋に引っ掛け用の穴を形成しているものもあるので、現像装置外壁にフックを形成して引っ掛けても良い。更には、スリット或はメッシュを形成した蓋を設けて現像装置外壁との隙間に収めるようにしても良い。
【0054】
又、図6に示すように、帯電の方式がブレード2a或はローラ帯電であったとき、オゾン、NOxの発生が殆ど無いことから、トナーの調湿を第1の目的とした場合には特に高湿度環境下と低湿度環境下での吸水量の差の大きい調湿剤8’を現像装置内壁に配置しても良い。
【0055】
図7に現像装置内に前述同等の大きさの調湿材を配置した場合の湿度変動を示す。プロセスカートリッジ内に比べ現像装置内はその容積が更に小さく、密閉度が高い。又、直接調湿可能なことからプロセスカートリッジ内に配置するよりも更に現像剤の湿度変動を緩和することができ、湿度変動量を10%以内に収めることができる。よって、濃度制御のための制御量が殆ど変化しないまま濃度の安定化を図ることができる
<実施の形態2>
図8は本発明の実施の形態2の一例を示す画像形成装置の中の画像形成部を示す概略断面図である。
【0056】
この実施の形態の中で画像形成プロセスは実施の形態1と同じであるため、各部の作用については説明を省略する。
【0057】
感光ドラム1’は引き出された支持体51の上に仮に載せられた状態で画像形成装置内部に挿入されると、装置に配設されている感光ドラム位置決め軸の外形と感光ドラムの前後に取付けてあるドラムフランジとの嵌合によって装置の所定位置に位置決めされる。帯電器2’は、支持体51の前側に形成されている側板と感光ドラム位置決め軸を取付けてある装置本体の側板によって位置決めされ、感光ドラム表面との間隔が保証されている。現像装置3’及びクリーニング装置4’は、帯電器2’と同様に支持体の前側に形成されている側板と装置本体の側板によって位置決めされているか、或は感光ドラムフランジに対して位置決めする手段を有しており、感光ドラム表面との間隔が保証されている。
【0058】
支持体51の上部には露光手段9を有しており、防塵ガラス91を有した露光手段支持部材52が配置されている。
【0059】
フルカラー画像形成装置の場合は画像形成部が転写材搬送方向或は中間転写手段の搬送方向に複数配置される形態となる。
【0060】
本構成により、支持体51と露光手段支持部材52で囲まれた略閉空間が形成されるため、現像装置の外壁或は内壁に調湿材を配置することで実施の形態1と同様の効果を得ることができる(図8は外壁に配置した場合を示す)。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の画像形成装置の中のプロセスカートリッジを示す概略断面図である。
【図2】調湿材の特性を示す図である。
【図3】調湿材の特性を示す図である。
【図4】調湿材を使用した場合と使用しなかった場合のプロセスカートリッジ内部の温度と湿度を示したグラフである。
【図5】外部環境を30℃、90%R.H.と23℃、5%R.H.に24時間おきに変動させた場合の結果を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態1の一例を示す画像形成装置の中の画像形成部を示す概略断面図である。
【図7】現像装置内に前述同等の大きさの調湿材を配置した場合の湿度変動を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態2の一例を示す画像形成装置の中の画像形成部を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0062】
1 感光ドラム
2 帯電器
3 現像装置
4 クリーニング装置
5 プロセスカートリッジ
6 露光部
7 転写手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも像担持体と、像担持体への現像手段を備え、前記像担持体と現像手段を含んだ略閉空間の温度及び湿度が装置稼動時と非稼動時において異なる画像形成装置において、
周囲温度と湿度により吸水量が異なることで、装置稼動時には放湿、非稼動時には吸湿を行う調湿材を像担持体表面付近或は現像位置付近の一部分に配置することで、常に前記略閉空間内の稼動時の湿度を80%以下に保つようにしたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記調湿材は、温度30℃、湿度90%R.H.での1cm当たりの吸水量が0.4cc以上であるとともに、温度40℃、湿度50%R.H.での1cm当たりの吸水量が0.25cc以下であるシート状調湿材であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記シート状調湿材は、吸水量0の状態から開始した場合の12時間後の吸水量の変化が所定の湿度環境下での飽和時の1cm当たりの吸水量の1/2以上であるとともに、温度30℃、湿度90%R.H.から温度40℃、湿度50%R.H.を繰り返したときの時間当たりの吸放湿量が略同量となることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
少なくとも像担持体と、像担持体への現像手段を備えた画像形成装置において、
周囲温度と湿度により吸水量が異なることで、高湿度環境下では放湿、低湿度環境時には吸湿を行う調湿材を前記像担持体と現像手段を含んだ略閉空間の現像位置付近の一部分或は現像手段を形成しているハウジングの内壁の一部分に配置することで周囲湿度の変動に関わらず該現像手段内部の湿度変動を10%以下に保つようにしたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
前記調湿材は、温度30℃、湿度90%R.H.での1cm当たりの吸水量が0.4cc以上であるとともに、温度23℃、湿度5%R.H.での1cm当たりの吸水量が0.1cc以下であるシート状調湿材であることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−220990(P2006−220990A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−35239(P2005−35239)
【出願日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】