説明

画像形成装置

【課題】 通常の画像形成動作に使用される有効なトナーを消費することなく、帯電装置の接触帯電部材に付着する不要物を可能な限り取り除いて、その接触帯電部材の帯電能力を保持し、帯電不良に起因した画質障害が発生しない画像形成を行なうことができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 現像装置に存在する逆極性に帯電したトナー(Tb)を、像担持体(1)側に転移させて帯電装置(2)まで搬送することでその接触帯電部材(2a9側に転移させた後、再びその接触帯電部材(2a)から像担持体(19側に戻すように転移させて最後に清掃装置(6)で取り除く、接触帯電部材(2a)の清掃動作を実行するための制御を行う制御手段(20)を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、像担持体の担持面を接触式の帯電装置により帯電させる構成を採用するプリンタ、複写機、ファクシミリ、複合機等に代表される画像形成装置に係り、特に、その帯電装置における接触帯電部材を清掃する動作が実行される画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
接触式の帯電装置を使用する画像形成装置においては、その帯電装置におけるロール形態等の接触帯電部材が回転する感光体等の像担持体の担持面に接触した状態で帯電を行うため、画像形成動作を繰り返している間に、像担持体側にあるトナー外添剤(コロイダルシリカ、酸化チタン、アルミナ等の微粉末)等の不要物が接触帯電部材の表面に転移して付着するようになる。この結果、接触帯電部材の帯電能力が低下したり、帯電むらが起こる等の帯電不良が発生していた。たとえば、その帯電むらが起こることにより、最終的に得られる画像中に縦筋等の画質障害が引き起こすことがあった。
【0003】
このような問題を解消するため、本出願人も、像担持体にトナーを静電的に付着させ、そのトナーを帯電装置の接触帯電部材に対して通過接触させるという清掃動作を行なうように構成した画像形成装置等を提案している(特許文献1)。
【特許文献1】特開2002−196569号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この提案した画像形成装置においても次のような問題があった。
【0005】
すなわち、接触帯電部材の清掃に際して像担持体上のトナーを接触帯電部材に単に通過接触させるだけでは、その接触帯電部材に付着するトナーの外添剤等を取り除くことが難しいことがあり、その清掃能力が十分なものであるとは言い難かった。
【0006】
また、その清掃工程において像担持体上に付着させるトナーとしては、原則、現像装置内に収容されて通常の画像形成動作に使用されるトナーを用いるため、現像装置内のトナーが本来の使用目的(画像形成動作)以外の場面で消費されることになり、その分、画像形成動作に使用される有効なトナーの量が減り、ランニングコストを悪化させる一要因にもなっていた。
【0007】
本発明は、このような問題点があることに鑑みてなされたものであり、通常の画像形成動作に使用される有効なトナーを消費することなく、帯電装置の接触帯電部材に付着する不要物を可能な限り取り除いて、その接触帯電部材の帯電能力を保持し、帯電不良に起因した画質障害が発生しない画像形成を行なうことができる画像形成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の画像形成装置は、像を担持する担持面を有し、回転する像担持体と、この像担持体の担持面に接触してその担持面を帯電させる接触帯電部材を有する帯電装置と、この帯電装置で帯電された像担持体に静電潜像を形成する潜像形成装置と、この潜像形成装置で形成された静電潜像を所定の極性に帯電されるトナーにより現像する現像装置と、この現像装置の現像により形成されたトナー像を像担持体から記録媒体または中間転写体に転写する転写装置と、像担持体の担持面に接離可能に接触してその担持面上の付着物を取り除いて清掃する清掃装置と、前記現像装置に存在する逆極性に帯電したトナーを、前記像担持体側に転移させて前記帯電装置まで搬送することでその接触帯電部材側に転移させた後、再びその接触帯電部材から像担持体側に戻すように転移させて最後に前記清掃装置で取り除く接触帯電部材の清掃動作を実行するための制御を行う制御手段とを備えていることを特徴とするものである。
【0009】
ここで、上記像担持体としては、潜像およびトナー像をそれぞれ担持し得る担持面を有するものであればよく、たとえば、感光ドラム、感光ベルト等である。上記帯電装置の接触帯電部材は、通常、回転するロール形態のものであるが、これ以外にも、たとえば回転するブラシロール、回転しないブラシ等の部材であってもよい。接触帯電部材には、帯電用の電圧(交流を重畳した直流電圧など)が電源装置から印加される。
【0010】
上記現像装置は、所定の極性(マイナス極性等)に帯電されるトナーを像担持体と対向して回転する現像ロール等の現像剤担持体を介して像担持体の潜像部分にむけて供給する。トナーは、通常は二成分現像剤におけるトナー成分であるが、一成分現像剤であってもよい。また、現像剤担持体には、現像用のバイアス電圧が電源装置から印加される。上記転写装置は、通常、像担持体に形成されるトナー像を記録媒体(記録用紙、OHPシート等)または中間転写体(ベルト形態またはドラム形態など)に静電的に転写させるためのものである。清掃装置は、像担持体の担持面に付着する不要物(未転写トナー、紙粉等)を除去するためのものであり、その方式等については特に限定されるものではなく、少なくとも像担持体に対して接触および離間させることができるように支持されているものであればよい。
【0011】
上記制御手段は、前記したような現像装置に存在する逆極性(正規の帯電極性とは逆の極性)に帯電したトナー(以下、単に「逆帯電トナー」ともいう)を利用して接触帯電部材の清掃動作を行うために必要となる制御対象を制御するものであればよい。この清掃動作は、大別すると、逆帯電トナーを現像装置から像担持体側へ転移させた後に接触帯電部材側に転移させるまでの「第1工程」と、その接触帯電部材にある逆帯電トナーを像担持体側に転移させた後に清掃装置により除去するまでの「第2工程」がある。この第1工程では、像担持体上にある逆帯電トナーを清掃装置で除去しないようにその清掃装置を像担持体から離間させておく制御が必要であり、また、この第2工程では、像担持体上にある逆帯電トナーを清掃装置で除去するようにするため、その清掃装置を像担持体に接触させる制御が必要である。ちなみに、逆帯電トナーは、通常、現像装置4内に少ない割合であるが自然に存在している。
【0012】
上記制御手段は、通常、接触帯電部材の清掃動作を実行する際に、逆帯電トナーを現像装置および接触帯電部材と像担持体との間でそれぞれ所定の側に転移させるために帯電装置の接触帯電部材に印加する電圧の条件を制御するとともに、その逆帯電トナーを像担持体上で通過させるかまたは取り除くために清掃装置の接離動作を制御するように構成することができる。
【0013】
接触帯電部材に印加する電圧の条件を制御した場合には、接触帯電部材自体の表面電位が調整されることはもとより像担持体の担持面の表面電位が調整される。これにより、像担持体と現像装置との間の電位関係および像担持体と接触帯電部材との間の電位関係を、逆帯電トナーの転移に適した電位関係にすることが可能になる。
【0014】
このように接触帯電部材への印加電圧条件等を制御する制御装置については、逆帯電トナーを現像装置から像担持体側に転移させるときおよび像担持体から接触帯電部材側に転移させるときに、接触帯電部材に印加する電圧を通常の帯電時印加電圧よりも高い電圧に変更する制御を行うように構成することができる。この制御は、前記した第1の工程のときに必要な制御動作の1つとなる。
【0015】
この接触帯電部材への印加電圧を高い電圧に変更する場合の制御手段については、たとえば、接触帯電部材に、通常の帯電時印加電圧よりも高い直流電圧のみを印加する制御を行うように構成することができる。
【0016】
この他にも、その高い電圧に変更する場合の制御手段については、接触帯電部材に、通常の帯電時印加電圧よりも高い直流電圧を通常の帯電時印加電圧と同じ交流電圧を重畳して印加する制御を行うように構成することもできる。
【0017】
この交流電圧を重畳した直流電圧を印加する場合の制御手段は、像担持体上の逆帯電トナーが接触帯電部材に到達する前またはその接触帯電部材を通過する際に、その接触帯電部材に印加している直流電圧をさらに高い電圧に変更する制御を行うように構成することができる。つまり、この交流電圧を重畳した直流電圧を印加する場合には、前記直流電圧のみを印加した場合と異なり、像担持体にある逆帯電トナーを接触帯電部材側に転移させるときには、その直流電圧を変更する制御を行う必要となる。
【0018】
さらに、これらの制御装置は、逆帯電トナーを接触帯電部材から像担持体側に転移させるときに、接触帯電部材に印加する電圧を接地電位に変更する制御を行うように構成するとよい。
【0019】
以上のような画像形成装置においては、接触帯電部材が回転する帯電用ロールであり、かつ、制御手段は、逆帯電トナーをその帯電用ロールの少なくとも1回転分に相当する量を像担持体に転移させるように制御するとよい。なお、本発明は、上記した構成要素を最低限備えた画像形成装置であれば、その形式については特に制約がなく同様に適用できるものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明の画像形成装置によれば、制御手段の制御により接触帯電部材の清掃動作が行われると、現像装置内にある逆帯電トナーが像担持体を経由して接触帯電部材に転移して付着する。これにより、その転移付着したトナーが接触帯電部材に付着しているトナー外添剤等の不要物と混じり合い、また、その混じり合いにより不要物がトナーに付着する。次いで、この接触帯電部材上の逆帯電トナーが像担持体に戻されるように転移し、最後に像担持体に接触する清掃装置により取り除かれる。
【0021】
このようにして帯電装置の接触帯電部材に付着する外添剤等の不要物が可能な限り取り除かれ、その接触帯電部材が清掃されることで、その帯電能力が保持されるようになる。この結果、帯電不良に起因した画質障害が発生しない画像形成を行なうことが可能になる。この清掃動作による不要物を取り除く清掃能力は、従来例のようにトナーを単に接触通過させる清掃動作に比べて高いものとなる。また、この清掃動作に際しては、画像形成に使用には適切でない逆帯電トナーを使用するため、通常の画像形成動作に使用される有効な(正規帯電)トナーが消費されることがなくなりランニングコストの悪化を招く要因を排除できるようになることに加え、現像装置内にある逆極性に帯電して不要とされるトナーを排除することができるようになる。
【0022】
その制御手段について、帯電装置の接触帯電部材に印加する電圧の条件を制御するとともに清掃装置の接離動作を制御するように構成した場合には、簡易な制御動作によって接触帯電部材に付着する不要物の除去を行なうことができる。
【0023】
また、その制御手段について、接触帯電部材に印加する電圧を通常の帯電時印加電圧よりも高い電圧に変更する制御を行うように構成した場合には、その接触帯電部材により像担持体の担持面が通常時よりも高い表面電位となり、これにより逆帯電トナーを現像装置から像担持体にかつ像担持体から接触帯電部材にそれぞれ静電的に容易に転移させることができる。
【0024】
この場合、さらに制御手段について、接触帯電部材に通常の帯電時印加電圧よりも高い直流電圧のみを印加する制御を行なうように構成した場合には、その印加する直流電圧を高めるという1回の制御動作のみで上記逆帯電トナーの静電的な転移を容易に実現することができる。
【0025】
また、この場合、制御手段について、接触帯電部材に通常の帯電時印加電圧よりも高い直流電圧を通常の帯電時印加電圧と同じ交流電圧を重畳して印加する制御を行なうように構成した場合には、直流電圧のみを印加した場合に比べて、交流電圧の交番電界による静電作用が追加されるため、逆帯電トナーの静電的な転移が均一になされるようになるとともにその逆帯電トナーによる接触帯電部材からの不要物の除去も均一になされるようになり、この結果、全体を通して清掃むらのない清掃動作が可能になる。
【0026】
交流電圧を重畳して印加する場合、その制御手段について、像担持体上の逆帯電トナーが接触帯電部材に到達する前またはその接触帯電部材を通過する際に、その接触帯電部材に印加している直流電圧をさらに高い電圧に変更する場合には、直流電圧のみを印加した場合に比べて、直流電圧を高める制御動作が1回多くなるが、逆帯電トナーの像担持体から接触帯電部材への静電的な転移を任意の時期に行なうことが可能となる。
【0027】
一方、以上の各制御手段について、逆帯電トナーを接触帯電部材から像担持体側に転移させるときに、接触帯電部材に印加する電圧を接地電位に変更する制御を行なうように構成した場合には、接触帯電部材と像担持体の間の電位差を容易に大きい状態にすることができ、接触帯電部材にある逆帯電トナーを像担持体側に静電的に容易に転移させることができる。なお、この接触帯電部材にある逆帯電トナーを像担持体側に静電的に転移させるには、その接触帯電部材の表面電位を像担持体の表面電位よりも小さい電位または反対極性(逆帯電トナーとは同極性)の電位にすることで対応することもできるが、その場合には新たな帯電用の電源が必要となり、構成が煩雑になってしまう。
【0028】
以上の画像形成装置において、接触帯電部材を回転する帯電用ロールとし、かつ、制御手段について、逆帯電トナーをその帯電用ロールの少なくとも1回転分に相当する量を像担持体に転移させるように制御する構成にした場合には、比較的少ない逆帯電トナーの供給で接触帯電部材における不要物の除去を行なうことが可能になる。また、帯電用ロールの表面に所望の表面層を容易に形成することが可能となり、たとえば、トナーの外添剤等が付着しにくい特性をもつ材料からなる表面層を形成すれば、その表面層によりトナーの外添剤等の付着を抑制することも可能となり、また、それでも付着したものを清掃動作により確実に除去することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の要部を示す説明図である。
【0030】
<画像形成装置の基本的な構成について>
この画像形成装置は、矢印方向に回転するドラム状の感光体1を有し、その感光体1の周囲に、その感光体の担持面(感光層が形成されるドラム周面)に接触して回転する帯電用ロール2aによりその担持面を一様に帯電させる接触式の帯電装置2と、帯電された感光体1に画像情報に応じた光(H)を露光して静電潜像を形成する潜像形成装置3と、静電潜像をトナーにより現像する現像装置4と、現像により感光体1上に形成されるトナー像を記録用紙等の記録媒体Pに転写させる転写装置5と、感光体1に付着するトナー、紙粉等の付着物を除去して清掃するクリーニング装置6とを主に配置している。また、この画像形成装置は、記録媒体に転写されたトナー像を定着するための図示されていない定着装置を備えている。
【0031】
また、この画像形成装置は、中間転写方式を利用したものでもよく、その場合は感光体1と転写装置5の間には記録媒体Pに代わってトナー像を一時的に担持して搬送するベルト状の中間転写体7が通過する構成になる。また、その転写装置5を通過したベルト状の中間転写体7の途上には、中間転写体7上のトナー像を記録媒体Pに最終的に転写するための(二次)転写装置が設置されることになる。
【0032】
感光体1の周囲に設置される構成部品のうち、帯電装置2は、その帯電用ロール2aに所定の帯電電圧(この例では、交流を重畳した直流の電圧)を電源装置2bから印加している。帯電用ロール2aは、導電性ロール基体の周面に導電性のゴム層を形成したものであり、感光体1との接触により従動回転するように支持している。潜像形成装置3は、半導体レーザ、発光ダイオード等の光源を利用して構成されている。現像装置4は、トナーとキャリアを含む二成分現像剤を使用するものであり、そのトナーがキャリアとの間で摩擦帯電して所定の極性(この例ではマイナス極性)に帯電された後、感光体1に対向して回転する現像ロール2aによりトナーを含む現像剤を感光体1と対向する現像領域まで搬送して供給する。現像ロール2aには、所定の現像バイアス電圧が電源装置4bから印加されている。
【0033】
また、転写装置5は、感光体1の転写位置で直接または中間転写体を介して接触して回転するように配置される転写用ロール5aと、その転写用ロール5aに所定の転写電圧(通常はトナーの帯電極性とは逆極性の直流の電圧)を印加する電源装置5bとで構成されている。クリーニング装置6は、感光体1の担持面に接触して清掃を行なうクリーニングブレード等の清掃部材6aを備えており、その清掃部材6aを感光体1に接触させたりあるいは離間させるように変位させる移動装置6bにより接離可能に支持されている。
【0034】
この画像形成装置による画像形成は、基本的に次のようにして行われる。
【0035】
まず、矢印方向に回転する感光体1の担持面が帯電装置2の帯電ロール2aによって一様の背景電位(VH)に帯電された後、その帯電された感光体1の担持面に潜像形成装置3によって画像情報に応じた静電潜像が形成される。この例における静電潜像は、光(H)の照射により感光体1の表面電位が所定の量だけ下げられた潜像電位(VL)からなるものである。
【0036】
続いて、その静電潜像が現像装置4から供給される帯電したトナーによって現像されてトナー像となる。この際、マイナス極性に帯電した正規帯電トナーは、現像ロール4aに印加される現像バイアスの電位(Vd:背景電位VHと潜像電位VLの間の電位)にて形成される現像電界により感光体1の潜像部分に移行して付着する。続いて、そのトナー像が転写装置5の転写用ロール5aによって形成される転写電界により記録媒体P又は中間転写体7に静電的に転写される。
【0037】
最後に、記録媒体Pに転写されたトナー像は、不図示の定着装置に送られて定着処理される。これにより、記録媒体P上に所望の画像が形成される。一方、上記転写後の感光体1はクリーニング装置6によって清掃される。
【0038】
<帯電用ロールの清掃動作に関する構成について>
また、この画像形成装置では、制御装置により帯電装置2の帯電用ロール2aを清掃(主にトナー外添剤等の不要物の除去)するための清掃動作が実行されるようになっている。図2は、この清掃動作を実行するために関係する制御系の構成を示すものである。
【0039】
図2において符号20は、システム制御装置であり、演算処理装置、記憶装置等からなるマイクロコンピュータにて構成されている。この制御装置20には、感光ドラム1及び現像装置4の現像ロール4a等を回転駆動させる駆動装置11の動作を制御する回転駆動制御回路21と、帯電ロール2aに帯電電圧を印加する電源装置2bの動作を制御する電源制御回路22と、現像装置4の現像ロール4aに現像バイアス電圧を印加する電源装置4bの動作を制御する電源制御回路23と、転写ロール5aに転写バイアス電圧を印加する電源装置5bの動作を制御する電源制御回路24と、クリーニング装置6を感光ドラム1に対して接離させる移動装置6bの動作を制御する接離動作制御部25とが接続されている。一方、このシステム制御部20には、制御動作に必要な制御信号(検知信号も含む)CSが入力されるようになっている。
【0040】
この制御装置20により実行される清掃動作は、その実行時期が到来すると、基本的に、現像装置4内にある正規帯電トナーTaの極性(この例ではマイナス極性)とは逆の極性(この例ではプラス極性)に帯電した逆帯電トナーTbを感光体1に転移させてから帯電用ロール2aに一時的に付着させ、しかる後、その逆帯電トナーTbを帯電用ロール2aから再び感光体1に転移させてからクリーニング装置6により除去するものである。この清掃動作を実行するための制御プログラムは、制御装置20の記憶装置に格納されている。
【0041】
清掃動作の実行時期としては、電源投入時、画像形成の一連の動作の完了時、連続した画像形成動作の途中の段階(ページ間など)のような時期が予め設定されている。この時期が到来したか否かは、制御装置20に入力される各種情報から判断される。
【0042】
図3は、この帯電用ロールの清掃動作における制御動作タイミングおよび逆帯電トナーの状態を示す説明図である。なお、この図3は、図4等に示すように便宜上、帯電ロール2a、現像ロール4a、転写ロール5aおよびクリーニングブレード6aを感光体1の周囲に90°ごとの間隔で配置したモデルをもとに図示している。
【0043】
まず、この清掃動作を説明する前に、通常の画像形成動作について図4を参照しながら簡単に説明すると、以下のとおりである。
【0044】
前述したように画像形成時においては、帯電電圧Vcとして交流電圧ACを重畳した直流電圧DCが印加される帯電用ロール2aにより感光体1が所定の背面電位(VH)に帯電される。ここでは、たとえば帯電電圧の直流電圧Vc-dcとして−700Vを印加して帯電を行った結果、感光体1の担持面がVH =−700Vの背面電位に帯電されたものと想定する(帯電電圧として交流電圧を重畳した直流電圧を印加した場合、感光体はその直流電圧の値と同電位となる)。この帯電された感光体1に潜像形成装置3から露光(H)がなされると、その感光体1の表面電位が所定の量だけ下げられた潜像電位(VL)となる。ここではVL=−250Vの潜像が形成されたものとする。
【0045】
次いで、この潜像は、たとえば現像バイアス電圧VdとしてVd=−600Vが印加されている現像ロール4aを通過する際に、その現像ロール4aに担持されて搬送されるマイナス極性の正規帯電トナーTaが現像バイアスVdを超えて潜像電位VL=−250Vからなる潜像部分に移行して静電的に付着する。この正規帯電トナーTaからなるトナー像は、たとえばプラス極性の転写バイアス電圧(たとえば+1000V)が印加された転写ロール5aを通過する際に、記録媒体P(または中間転写ベルト7)に静電的に転写される。一方、この転写時に転写されなかった未転写トナーTcは、クリーニング装置6においてクリーニングブレード6a等により取り除かれる。
【0046】
さて、この画像形成が可能な通常時においては、図4に示すように、帯電ロール2aには交流電圧ACを重畳した直流電圧DCが帯電電圧Vcとして印加されており、回転する感光体1がVH =−700Vの背面電位に帯電された状態にある。この際、現像ロール4aには通常時と同じ現像バイアスが印加された状態におかれているが、転写ロール5aには転写バイアスが印加されていない(図3の通常時の状態を参照)。また、クリーニング装置6は感光体1に接触して清掃する状態にある。
【0047】
<清掃動作について>
そして、図3に示すように清掃動作の実行時期が到来すると、まず、制御装置20は、電源制御部22を通して電源装置2bから帯電用ロール2aに印加されている帯電電圧Vdのうち交流電圧ACの給電を停止し、その直流電圧DCを通常時の−700Vから−1450Vの電圧値に上げる。これにより、感光体1の担持面の表面電位VHが−700Vから−900Vの表面電位VH´に引き上げられる。直流電圧のみの帯電電圧Vc-dcを印加した帯電では、その印加電圧から帯電開始電圧(ここでは約−550V)を差し引いた値(−1450−(1550)=−900)が感光体1の表面電位となる。
【0048】
このとき、感光体1に対して潜像形成装置3による露光が行なわれないと、感光体1はその引き上げられた表面電位VH´のままの状態に保持されている。そして、この状態にある感光体1が通常時の現像バイアス電圧Vdが印加されて回転する現像ロール4aを通過すると、図5に示すように、現像装置4内に存在する逆帯電トナーTbが、現像バイアス電位を基準にしてマイナス側の電位が通常時よりも200Vも強い電界の静電引力を受けて感光体1側に現像されるかのように転移する。以上までの工程が清掃動作における逆帯電トナーを感光体側に転移させる「第1ステップ」である(図3中の「清掃時(1)」)。
【0049】
この現像ロール4aから感光体1に転移した逆帯電トナーTbは、感光体1の回転に伴って搬送されることで転写用ロール5aを通過することになるが、この通過する時期を予測して制御装置20が電源制御部24を通して電源装置5bから通常時のプラス極性の転写電圧を転写用ロール5aに印加するので、その転写用ロール5aに転移することなく通過することになる。続いて、感光体1上の逆帯電トナーTbは、転写ロール5aの下流側にあるクリーニング装置6を通過することになるが、この通過する時期を予測して制御装置20が接離駆動制御部25を通して移動装置6bを駆動してクリーニング装置6(実際にはその清掃部材としてのクリーニングブレード6a)を感光体1から離間させて退避した状態にするため(図5)、そのクリーニングブレード6aにより取り除かれることなく通過することになる。
【0050】
次いで、感光体1上の逆帯電トナーTbは、帯電用ロール2aに到達するが、ここで感光体1の表面電位がVH´=−900Vであるのに対して帯電用ロール2aが印加されている帯電電圧Vc-dcにより−1450Vの電位状態にあるため、この電位関係により帯電用ロール2a側に転移することになる(図5)。この間においても、現像装置4では逆帯電トナーTbの感光体1側への転移が続行されている。以上までの工程が清掃動作における逆帯電トナーを帯電用ロール側に転移させる「第2ステップ」である(図3中の「清掃時(2)」)。
【0051】
このようにして帯電用ロール2aに転移した逆帯電トナーTbは、図5に示すように、その帯電用ロール2aの表面に付着しているトナーの外添剤等の不要物Qと交じり合う。このとき逆帯電トナーTbは、帯電用ロール2aに静電的に引き付けられつつ不要物Qと物理的に接触し合うようになる。また、逆帯電トナーTbは、帯電用ロール2aのロール径が感光体1の外径よりも小さい場合には、その帯電用ロール2aと感光体1の間(当接部)を不要物Qとともに複数回通過することにもなる。
【0052】
逆帯電トナーTbが帯電用ロール2aに所定量転移された段階(図3の例では感光体1が1回転した段階)で、制御装置20が電源制御部22を通して電源装置2bから帯電用ロール2aに印加する電圧Vdを感光体1の表面電位VH´よりも低い電位にする。
【0053】
この例では、感光体1の表面電位VH´よりも低い電位の電圧を帯電用ロール2aに印加するには新たな電源が必要となって煩雑になることから、電源装置2bを介して帯電用ロール2aを接地した状態にした(図3)。これにより、帯電用ロール2aの表面電位が接地状態(G=0V)にあるのに対し、感光体1が先の表面電位VH´=−900Vにほぼ保たれている関係にある(厳密には、その表面電位は感光層の暗減衰特性によりある程度は低下している)。この電位関係により、帯電用ロール2aにある逆帯電トナーTbは、図6に示すように、マイナス極性側の電位状態にある感光体1側に静電的に転移する。この際、帯電用ロール2aに付着していた不要物Qのほとんどのものが逆帯電トナーTbに付着したような状態で一緒に感光体1側に転移する(図6)。
【0054】
この帯電用ロール2aから感光体1に転移した逆帯電トナーTbは、感光体1の回転に伴って搬送されることで最初に現像ロール4aを通過することになるが、現像ロール4aには先の現像バイアスが同様に印加され続けているため、現像ロール4a側に転移することなく通過する。続いて、感光体1上の逆帯電トナーTbは、転写用ロール5aを通過することになるが、この際も転写用ロール5aには先のプラス極性の転写電圧が同様に印加され続けているため、その転写用ロール5aに転移することなく通過することになる。
【0055】
さらに続いて、感光体1上の逆帯電トナーTbは、クリーニング装置6に到達することになるが、この到達する時期を予測して制御装置20が接離駆動制御部25を通して移動装置6bを駆動してクリーニング装置6(クリーニングブレード6a)を感光体1に接触させた状態にするため、そのクリーニングブレード6aにより取り除かれることになる(図6)。これにより、帯電用ロール2aに付着していたトナー外添剤等の不要物Qが逆帯電トナーTbとともにクリーニング装置6によって最終的に除去される。以上までの工程が清掃動作における逆帯電トナーを感光体側に転移させて最終的に除去する「第3ステップ」である(図3中の「清掃時(3)」)。
【0056】
このような清掃動作により、帯電用ロール2aの表面からトナー外添剤等の不要物Qがほぼ取り除かれて清掃されるため、帯電用ロール2aによる帯電能力がその初期段階と同程度に保持されるようになる。この結果、この帯電用ロール2aによる帯電不良が発生しにくくなるため、最終的に得られる画像も縦筋等の画質障害が発生しない良質なものになる。
【0057】
以上の清掃動作において、クリーニング装置6は、図3に示すように、制御装置20の制御動作により帯電用ロール2aに転移させるに必要な量の逆帯電トナーTbを通過させるべき時期(この例では感光体1の1回転分だけ)だけ感光体1から離間(退避)した状態におかれる一方で、それ以外の時期は感光体1に接触した状態に置かれる。このため、特にその逆帯電トナーTbを通過させた後においては、クリーニング装置6は、現像ロール4aから感光体1に転移された逆帯電トナーTbと帯電用ロール2aから感光体1に転移された逆帯電トナーTbとの一方および双方を除去することになる。
【0058】
また、転写ロール5aに印加される転写バイアスについては、逆帯電トナーが転写ロール5a側に付着するのを防止する必要があるため、清掃時の第3ステップが終了した後の段階(図3中の「清掃終了時」)においてその印加が停止される。
【0059】
さらに、この例では、帯電用ロール2aに転移させる逆帯電トナーTbの量を感光体1が1回転する間に搬送される量に設定した場合を示したが、その帯電用ロール2aの清掃効果(不要物Qの除去)が少ないと判断する場合には、清掃動作における前記第1ステップおよび第2ステップの時間(サイクル)を延長する設定を行なうことで対応することができる。なお、図3に示す「清掃時(1):第1ステップ」および「清掃時(2):第2ステップ」を合わせてものが前述した清掃動作の「第1工程」に相当する。また、その「清掃時(3):第3ステップ」が前述した清掃動作の「第2工程」に相当する。
【0060】
<清掃動作の変形例について>
図7は、「清掃時(1):第1ステップ」および「清掃時(2):第2ステップ」において帯電用ロール2aに交流電圧ACを重畳した直流電圧DCを印加するように変更した例を示すものである。それ以外の構成については図3に示す例と同じ構成からなるものである。
【0061】
この例では、清掃動作の実行時期が到来すると、図7に示すように、制御装置20は、電源制御部22を通して電源装置2bから帯電用ロール2aに印加されている帯電電圧Vdのうち交流電圧ACを同じ条件で給電するとともに、その直流電圧DCを通常時の−700Vから−900Vの電圧値に上げる。これにより、感光体1の担持面の表面電位VHが−700Vから−900Vの表面電位VH´に引き上げられる。この交流電圧を重畳した直流電圧を帯電電圧Vcとして印加した帯電では、その直流電圧の値に相応する値が感光体1の表面電位となる。
【0062】
次いで、この引き上げられた表面電位VH´の状態にある感光体1が通常時の現像バイアス電圧Vdが印加されて回転する現像ロール4aを通過すると、前述した例(図3)の場合と同様に、現像装置4内に存在する逆帯電トナーTbが感光体1側に現像されるかのように転移する(図5)。以上までの工程が、この清掃動作の例における逆帯電トナーを感光体側に転移させる「第1ステップ」となる(図7中の「清掃時(1)」)。
【0063】
この現像ロール4aから感光体1に転移した逆帯電トナーTbは、やはり前述した例(図3)の場合と同様に、制御装置20による転写用ロール5aへの印加電圧の制御とクリーニング装置6の接離動作の制御が行なわれることにより、感光体1の回転に伴って搬送される際に転写用ロール5aとその下流側にあるクリーニング装置6とをそのまま通過する。
【0064】
次いで、感光体1上の逆帯電トナーTbは、帯電用ロール2aに到達することになる。しかし、ここで感光体1の表面電位がVH´=−900Vであるのに対して帯電用ロール2aもその印加されている先の帯電電圧Vcにより同じ−900Vの電位状態にあるため、このままでは逆帯電トナーTbが帯電用ロール2a側に静電的に転移できない。そこで、制御装置20は、その逆帯電トナーTbが帯電用ロール2aに到達する前の所定の時期(たとえばクリーニング装置6の通過後)にその逆帯電トナーTbを帯電用ロール2a側に静電的に転移させる電界を形成するため、帯電用ロール2aに印加する直流電圧の値を−900Vから−1200Vに引き上げる(図7)。
【0065】
これにより、感光体1の表面電位がVH´=−900Vであるのに対して帯電用ロール2aが−1200Vの電位状態になるため、この電位関係により、感光体1上の逆帯電トナーTbが帯電用ロール2a側に静電的に転移することになる(図5)。この際、帯電用ロール2aには交流電圧も印加されているため、感光体1上の逆帯電トナーTbが交番電界により振動された状態に置かれて、帯電用ロール2a側に良好に転移するようになる。この結果、逆帯電トナーTbは均一に帯電用ロール2a側に移行するようになる。また、この間においても、現像装置4では電位差の幅が変わるものの電位関係は同じであるため逆帯電トナーTbの感光体1側への転移が続行されている。以上までの工程が、この清掃動作の例における逆帯電トナーを帯電用ロール側に転移させる「第2ステップ」となる(図7中の「清掃時(2)」)。
【0066】
このようにして帯電用ロール2aに転移した逆帯電トナーTbは、前述した例(図3)の場合と同様に、図5に示すごとく帯電用ロール2aの表面に付着しているトナーの外添剤等の不要物Qと交じり合う。このとき逆帯電トナーTbは、前述した例(図3)の場合と同様に、帯電用ロール2aに静電的に引き付けられつつ不要物Qと物理的に接触し合うようになることに加え、帯電用ロール2aに交流電圧も印加されていることによりそのロール2a上で振動するような状態におかれて不要物Qと接触し合うようにもなる。また、逆帯電トナーTbは、帯電用ロール2aのロール径が感光体1の外径よりも小さい場合には、その帯電用ロール2aと感光体1の間(当接部)を不要物Qとともに複数回通過することにもなる。
【0067】
これ以降は、前述した例(図3)の場合と同様に、逆帯電トナーTbが帯電用ロール2aに所定量転移された段階(図3の例では感光体1が1回転した段階)で、制御装置20が電源制御部22を通して電源装置2bにより帯電用ロール2aを接地した状態にする(図7)。これにより、帯電用ロール2aの表面電位が接地状態(G=0V)にあるのに対して感光体1が先の表面電位VH´=−1200Vにほぼ保たれている関係になるので、図6に示すように、帯電用ロール2aにある逆帯電トナーTbはマイナス極性側の電位状態にある感光体1側に静電的に転移する。この際、帯電用ロール2aに付着していた不要物Qのほとんどのものが逆帯電トナーTbに付着したような状態で一緒に感光体1側に転移する(図6)。
【0068】
また、この帯電用ロール2aから感光体1に転移した逆帯電トナーTbは、前述した例(図3)の場合と同様に、感光体1の回転に伴って搬送されることで現像ロール4aと転写用ロール5aを通過した後、制御装置20により感光体1に接触して状態にされているクリーニング装置6(クリーニングブレード6a)によって取り除かれることになる(図6)。これにより、帯電用ロール2aに付着していたトナー外添剤等の不要物Qが逆帯電トナーTbとともにクリーニング装置6によって最終的に除去される。以上までの工程が、この清掃動作の例における逆帯電トナーを感光体側に転移させて最終的に除去する「第3ステップ」となる(図7中の「清掃時(3)」)。
【0069】
<他の変形例>
なお、前記した実施の形態では、帯電装置2の接触帯電部材として帯電用ロール2aを使用する場合を説明したが、その接触帯電部材として、たとえば回転するブラシロールを使用してもよい。この場合には、その回転ブラシロールは、感光体1に対して周速差をもって回転するように支持し、これによりブラシロール(のブラシ毛)に付着しているトナー外添剤等の不要物Qが逆帯電トナーTbと混合されて接触する機会が多くなるため、その逆帯電トナーTbに付着(捕獲)される不要物Qの量を増やして清掃能力を高めることができる。
【0070】
また、前記した実施の形態において感光体1の表面電位の上げ幅(VH→VH´)については、制御装置20により、装置内の温度湿度に関する検知情報や画像形成量(たとえば記録媒体の枚数など)の検知情報に基づいて適宜調整するように構成してもよい。この場合には、帯電装置2の帯電用ロール2aに印加する電圧がより適切なものとなるため、逆帯電トナーの現像装置から感光体側への転移や感光体から帯電用ロール2a側への転移がより良好かつ確実になされるようになる。
【0071】
さらに、前記した実施の形態では、たとえば、上記清掃動作時において現像装置4内に逆帯電トナーTbやその逆帯電トナーに付着する外添剤等の不要物Qが侵入することなどを防止する観点からすると、その現像装置4(現像ロール4a)を清掃時(3)等において感光体1から離間させて退避させる支持構造を採用することもできる。しかし、この画像形成装置における清掃動作では感光体1の表面電位を通常時の電位よりも高い電位の状態にしているため、その清掃時(3)において現像ロール4aが感光体1に接触した状態にあっても問題とならない。また、これにより、その現像装置4の退避、接触のための機構を使用する必要がなく、その分、構成面の簡易化が図れ、コスト面でも有利となる。
【0072】
この他に、転写ロール5aについても、その逆帯電トナーTb等の付着を防止する観点から、その転写ロール5aを清掃時全般において感光体1から離間させておく支持構造を採用することも可能である。しかし、前記したように転写ロール5aには、逆帯電トナーを静電的に引き付けない極性のバイアス電圧を必要な時期だけ印加すれば、転写ロール5aを感光体1に接触したままの状態にしておくこと対応が可能になる。これにより、その転写ロール5aの退避、接触のための機構を使用する必要が特になく、前記現像装置4の場合と同様に、その分構成面で簡易化が図れ、コスト面でも有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の画像形成装置の全体構成の概要を示す説明図である。
【図2】清掃動作を実行するために関係する主な制御系の構成を示す説明図である。
【図3】帯電用ロールの清掃動作における制御動作タイミングおよび逆帯電トナーの状態の一例を示す説明図である。
【図4】通常の画像形成動作時における動作状態および電位状態の関係を示す説明図である。
【図5】清掃動作の第1ステップおよび第2ステップの主な動作状態を示す説明図である。
【図6】清掃動作の第3ステップの主な動作状態を示す説明図である。
【図7】帯電用ロールの清掃動作における制御動作タイミングおよび逆帯電トナーの状態の他の例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0074】
1…ドラム状の感光体(像担持体)、2…帯電装置、2a…帯電用ロール(接触帯電部材)、3…潜像形成装置、4…現像装置、5…転写装置、6…クリーニング装置、20…制御装置(制御手段)、Ta…正規帯電トナー(所定の極性に帯電されるトナー)、Tb…逆帯電トナー(逆極性に帯電したトナー)、Q…不要物。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像を担持する面を有して回転する像担持体と、
この像担持体の担持面に接触してその担持面を帯電させる接触帯電部材を有する帯電装置と、
この帯電装置で帯電された像担持体に静電潜像を形成する潜像形成装置と、
この潜像形成装置で形成された静電潜像を所定の極性に帯電されるトナーにより現像する現像装置と、
この現像装置の現像により形成されたトナー像を像担持体から記録媒体または中間転写体に転写する転写装置と、
像担持体の担持面に接離可能に接触してその担持面上の付着物を取り除いて清掃する清掃装置と、
前記現像装置に存在する逆極性に帯電したトナーを、前記像担持体側に転移させて前記帯電装置まで搬送することでその接触帯電部材側に転移させた後、再びその接触帯電部材から像担持体側に戻すように転移させて最後に前記清掃装置で取り除く接触帯電部材の清掃動作を実行するための制御を行う制御手段と
を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
制御手段は、接触帯電部材の清掃動作を実行する際に、逆極性に帯電したトナーを現像装置および接触帯電部材と像担持体との間でそれぞれ所定の側に転移させるために帯電装置の接触帯電部材に印加する電圧の条件を制御するとともに、その逆極性に帯電したトナーを像担持体上で通過させるかまたは取り除くために清掃装置の接離動作を制御する画像形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像形成装置において、
制御手段は、逆極性に帯電したトナーを現像装置から像担持体側に転移させるときおよび像担持体から接触帯電部材側に転移させるときに、接触帯電部材に印加する電圧を通常の帯電時印加電圧よりも高い電圧に変更する画像形成装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像形成装置において、
制御手段は、接触帯電部材に、通常の帯電時印加電圧よりも高い直流電圧のみを印加する画像形成装置。
【請求項5】
請求項3に記載の画像形成装置において、
制御手段は、接触帯電部材に、通常の帯電時印加電圧よりも高い直流電圧を通常の帯電時印加電圧と同じ交流電圧を重畳して印加する画像形成装置。
【請求項6】
請求項5に記載の画像形成装置において、
制御手段は、像担持体上の逆極性に帯電したトナーが接触帯電部材に到達する前またはその接触帯電部材を通過する際に、その接触帯電部材に印加している直流電圧をさらに高い電圧に変更する画像形成装置。
【請求項7】
請求項2に記載の画像形成装置において、
制御手段は、逆極性に帯電したトナーを接触帯電部材から像担持体側に転移させるときに、接触帯電部材に印加する電圧を接地電位に変更する画像形成装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置において、
接触帯電部材が回転する帯電用ロールであり、かつ、制御手段は、逆極性に帯電したトナーをその帯電用ロールの少なくとも1回転分に相当する量を像担持体に転移させるように制御する画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−259422(P2006−259422A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−78454(P2005−78454)
【出願日】平成17年3月18日(2005.3.18)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】