説明

画像形成装置

【課題】縦搬送路の距離を短縮して小型化を図ることができる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】感光体を備えた感光体ドラムユニット(感光体ユニット)20と、感光体から転写された記録材上のトナー像を定着する定着ユニット19と、感光体ドラムユニット20と定着ユニット19間において記録材を上方に搬送する縦搬送路と、を有する画像形成装置において、前記感光体ドラムユニット20を長手方向に着脱自在にガイドするレール(ガイド部材)22−a,22−bを前記定着ユニット19に設ける。又、前記レール22−a,22−bを前記感光体ドラムユニット20に向かう熱を遮蔽する樹脂部材にて構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式を採用した複写機、プリンタ、ファクシミリ、これらの機能を複数備えた複合機等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、特許文献1,2に記載のように、縦用紙搬送方式と呼ばれる給紙装置を装置下部に配置し、用紙が下から上方向に搬送されて排紙される方式を採用した画像形成装置が多く生産されるようになってきた。
【0003】
この種の画像形成装置は、デジタル化の進化に伴い、図8に示すように、原稿を読み取るイメージスキャナである原稿画像読取装置1と画像形成プロセス手段である画像形成部2を光学的に分離することが可能となったために実現したものである。斯かる画像形成装置においては、原稿画像読取装置1で読み込まれた光学情報は、光電気変換手段であるCCD(図示せず)等によって電気信号に変換されて画像形成部2に送られ、この電気信号は、任意の位置で光信号に変換されて画像情報が感光体ドラム11に照射され、感光体ドラム11上に潜像が形成される。
【0004】
このように、妥当な位置に照射位置を設けることが可能になった感光体ドラム11に対する書き込み位置の自由度の増大に対応して、書き込み手段としてレーザビーム12を用いることによって、従来の水平用紙搬送方式で行っていた画像形成プロセスを縦用紙搬送方式の画像形成プロセスでも可能とすることができる。
【0005】
又、現像装置13やトナー補給装置14等の画像形成手段においても、上方向に配備された感光体ドラム11にトナー補給が下方向から行われるが、現像剤やトナーの収納部よりも高い位置に配備された現像スリーブ17にトナーを供給する汲み上げ現像方式の技術的進歩や、クリーニング手段においては開口部を下方向とし、開口部を感光体ドラム11に向けて合致当接させつつクリーニングを確実に行う下向きクリーニング手段の技術的進歩もあり、縦用紙搬送方式の画像形成プロセスが可能となった。
【0006】
そして、縦用紙搬送方式が可能となったため、画像形成装置のレイアウトにおいては、下部方向から用紙カセットを含む給紙装置3、レジスト手段4、感光体ドラム11、現像装置13、クリーニング手段を含む画像形成手段を配備し、その上部方向に用紙搬送部18、定着装置19を配備するとともに、その上部近傍に排紙手段5と排紙口21を設けるショートパス構成を採用することが可能となり、この構成において給紙手段3から排紙手段5までの搬送距離を極端に屈曲させることなく達成できるため、搬送距離が短くなる他、構成部品点数を削減することができる。
【0007】
又、縦方向に用紙の搬送パスが比較的ストレートに通るために装置全体に対する搬送パスのスペースが減少し、小型化と低コスト化及び通紙時間の短縮化を図ることができ、レイアウトの自由度が増えることによって、高密度化及び省スペース化を達成することができ、画像形成装置全体の小型化を図ることができる。
【0008】
【特許文献1】特開平09−297440号公報
【特許文献2】特開平2004−151568号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来は、感光体ドラムユニット20の着脱をガイドするレール22−a,22−bを装置本体の枠体に設けているため、感光体ドラムユニット20と定着装置19間の用紙縦搬送パスを短くすることができず、用紙縦搬送パスを更に短くすることによる装置の更なる小型化を図ることは困難であった。
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、縦搬送路の距離を短縮して小型化を図ることができる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、感光体を備えた感光体ユニットと、感光体から転写された記録材上のトナー像を定着する定着ユニットと、感光体ユニットと定着ユニット間において記録材を上方に搬送する縦搬送路と、を有する画像形成装置において、前記感光体ユニットを長手方向に着脱自在にガイドするガイド部材を前記定着ユニットに設けたことを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記ガイド部材を前記感光体ユニットに向かう熱を遮蔽する樹脂部材にて構成したことを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記感光体ユニットを長手方向に着脱自在にガイドする別のガイド部材を感光体ユニットの重心を通る鉛直線に対して前記定着ユニットのガイド部材とは反対側の位置に設けたことを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記別のガイド部材を画像形成装置本体に設けたことを特徴とする。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れかに記載の発明において、前記定着ユニットを長手方向と略直交する方向に着脱自在に構成したことを特徴とする。
【0015】
請求項6記載の発明は、請求項1〜5の何れかに記載の発明において、前記感光体を画像露光する露光ユニットと、前記感光体上の静電像を現像する現像ユニットと、前記感光体を光除電する光除電ユニットと、を有し、前記露光ユニット、前記現像ユニット、前記光除電ユニットを前記感光体ユニットの側部、下部、上部に隣接して設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、感光体ユニットを脱着するためのガイド部材の1つを定着ユニットが保持することによって、ガイド部材を本体枠体に設ける従来の構成に対して、感光体ユニットと定着ユニットの距離を縮めることができ、その結果、縦搬送路の距離を短縮して画像形成装置の小型化を図ることができる。
【0017】
又、ガイド部材を前記感光体ユニットに向かう熱を遮蔽する樹脂部材にて構成することによって、感光体ユニットに向かう熱を遮蔽する熱遮蔽部材を新たに設ける必要がないため、省スペース化や低コスト化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。尚、本発明の技術思想の範囲内において以下に説明する実施の形態の各種構成を適宜周知の構成に変更することは可能である。
【0019】
図1は本発明に係る画像形成装置の全体構成断面図、図2は同画像形成装置の感光体ドラムユニット周りの構成を示す断面図、図3は同感光体ドラムユニットの構成を示す断面図、図4は感光体ドラムユニット着脱用レールの構成を示す断面図である。
【0020】
図1及び図2において、帯電ローラ33によって一様に帯電された感光体ドラム11の表面にレーザースキャナ5からの画像情報に対応するレーザー光が走査されると、感光体ドラム11の表面には静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像ユニット13によりトナーが付着されてトナー像として現像される。そして、このトナー像は、レジストローラ4によって感光体ドラム11の回転に同期して搬送されたシートに、転写ローラ25の作用によって転写される。
【0021】
又、感光体ドラム11へのトナーの補給については、トナー補給装置14から供給されたトナーは、現像ユニット13に到達し、内部で攪拌されながら現像スリーブ30に至る。そして、現像スリーブ30から感光体ドラム11にトナーが供給され、このトナーによって感光体ドラム11上の静電潜像がトナー像として現像される。尚、トナー像のシートへの転写後に感光体ドラム11に残留したトナーは、図3に示すように感光体ドラム11に当接するクリーニング部材23によって除去され、搬送スクリュー24によって廃トナー容器(図示せず)に収容される。そして、残留トナーが除去されてクリーニングされた感光体ドラム11は、前露光ユニット29の露光を受けることによって、その表面に残留した帯電ムラが消去される。そして、帯電ムラが消去された感光体ドラム11は、帯電ローラ33によって一様に帯電され、次の潜像形成に備えられる。
【0022】
又、紙等のシートは、給紙装置3から搬送され、感光体ドラム11と転写ローラ25との転写ニップ26(図2参照)に搬送され、感光体ドラム11に形成されたトナー像がシートに転写される。そして、トナー像が転写されたシートは、定着ユニット19を通過し、定着ユニット19によって加熱及び加圧されることによってトナー像がその表面に定着され、トナー像が定着されたシートは、排出口21を通過して胴内排出口27に排出される。
【0023】
次に、本発明の特徴部分である感光体ドラムユニット20を図1〜図4に基づいて説明する。
【0024】
本実施の形態のような縦搬送路を有する画像形成装置においては、図4に示すように、感光体ドラムユニット20及びその周囲の作像に関わるユニットの配置については、転写部のニップ線Sに対して感光体ドラム11とは逆側に紙搬送路があるため、これの感光体ドラムユニット20やその周囲のユニットをニップ線Sに対して感光体ドラム11とは逆側に配置することができない。このため、転写部のニップ線Sに対して感光体ドラム11と同じ側に感光体ドラムユニット20やその周囲のユニットを配置する必要がある。又、前述のように、シートにトナー像を転写した後、感光体ドラム11は、クリーニング部材23による残留トナーの清掃→前露光ユニット29による前露光L1による残留帯電ムラの消去→帯電ローラ33による帯電→レーザービームL2による静電潜像の形成→現像スリーブ30からのトナー供給によるトナー像の作像というサイクルを、転写部のニップ線Sに対して感光体ドラム11と同じ側で行う必要がある。
【0025】
又、本実施の形態においては、図1に示すように、レーザースキャナ5は、低コスト化のために地面に対して略水平に配置され、レーザービームL2を折り返しミラーを経ることなく感光体ドラム11に直接照射できるように構成されている。このため、感光体ドラム11に書き込みされる高さ方向の位置は、感光体ドラム11中心の高さ方向の位置とほぼ一致する。従って、感光体ドラム11の外周に、反時計回りに転写部のニップ線SからレーザービームL2までの間に、クリーニング部材23と搬送スクリュー24を有するクリーニングユニット35と、前露光ユニット29と、帯電ローラユニット36を配置する必要がある。
【0026】
更に、残留トナーの清掃を行うクリーニングユニット35は、感光体ドラム11に当接するクリーニング部材23を感光体ドラム11の回転方向に対してカウンター方向に当接させることにより清掃を行うが、清掃能力の確保及び感光体ドラム11に対するダメージ防止の点で、当接位置での接線とクリーニング部材23との角度βとクリーニング部材23の感光体ドラム11への当接圧が重要となる。本実施の形態では、角度βを約30°程度に設定している。又、クリーニング部材23の当接圧については、該クリーニング部材23の弾性力を用いて設定しており、クリーニング部材23には所定の長さが必要である。
【0027】
ところで、クリーニング部材23によって感光体ドラム11上から除去された廃トナーは、搬送スクリュー24によって本体手前側にある廃トナーボックス(図示せず)に送られる前に、搬送スクリュー24が配された空間に溜まるが、この空間のスペースは、クリーニング部材23に対して感光体ドラム11の回転方向とは逆方向側に設ける必要があり、又、廃トナーの送り性能等を考慮すると、搬送スクリュー24としては直径φ14mm程度のものが必要であり、この搬送スクリュー24は、クリーニング部材23の近傍に配置される。
【0028】
クリーニングユニット35の位置を図4の位置から左側に変更しようと考えた場合(右側は縦搬送路があるため不可能)、例えば図4の左側に移動させようとすると、クリーニング部材23の感光体ドラム11への当接位置での接線とクリーニング部材23との当接角βを保持する必要性から、移動に伴ってクリーニング部材23の水平面に対する角度αがより小さくなるため、結果として水平方向のスペースがより必要となってしまう。又、クリーニング部材23の当接位置を右側に移動させようとしても、前述のように、搬送スクリュー24の性能上、その直径としてφ14mm程度が必要である以上、スペース上移動させることはできない。
【0029】
そのため、本実施の形態の構成では、省スペース化を考慮し、図4に示すように、クリーニングユニット35は、感光体ドラムユニット20の縦搬送路近傍から始まる半時計回りのスペースが必要となる。
【0030】
又、帯電ローラユニット36は、帯電ローラ33と、感光体ドラム11への加圧機構(図示せず)を有しており、帯電ローラ33の直径としては、本実施の形態における直径φ30mmの感光体ドラム11に対する性能上、φ16mmが必要であり、図4に示すようなスペースが必要となる。
【0031】
そして、前露光L1は、クリーニング部材23と帯電ローラ33との間から感光体ドラム11に照射される必要があるため、そのスペースがクリーニングユニット35と帯電ローラユニット36の間に必要となる。
【0032】
以上の理由により、ニップ線SからレーザービームL2までの間に、クリーニングユニット35、前露光L1用スペース、帯電ローラユニット36がほぼ隙間なく配置されている。
【0033】
又、現像ユニット13の現像スリーブ30は、静電潜像が感光体ドラム11上に形成された後に感光体ドラム11にトナーを供給するため、レーザービームL2の書き込み照射位置よりも感光体ドラム11の回転方向下流側で、且つ、紙搬送路(レジストローラ4〜転写ニップ26間)よりも感光体ドラム11の回転方向上流側に位置する。
【0034】
次に、各ユニットの画像形成装置本体からの着脱方向を図5及び図6に基づいて説明する。
【0035】
図5は感光体ドラムユニット20及び定着ユニット19の着脱方向を説明する斜視図、図6は現像ユニット13、感光体ドラムユニット20及び定着ユニット19の着脱方向を説明する斜視図である。
【0036】
感光体ドラムユニット20、現像ユニット13及び定着ユニット19は、画像形成装置本体の寿命よりも短い場合が多く、寿命毎にサービスマン又はユーザーによって定期的に交換される場合が多いため、本実施の形態ではこれらは次のように画像形成装置本体から着脱される。
【0037】
感光体ドラムユニット20は、本体前側板38にビス止めされているが、ビスを外して図5及び図6(a)に示すように2本のレール22−a,22−bに沿って感光体ドラム11の長手方向(本体手前側)に引き出される。
【0038】
又、現像ユニット13は本体前側板38にビス止めされているが、ビスを外し、図6(b)に示すように、不図示のレールに沿って感光体ドラム11の長手方向(本体手前側)に引き出される。
【0039】
更に、定着ユニット19は、図6(a)に示すように、感光体ドラム11の母線に垂直、且つ、地面に対して水平方向に引き出される。
【0040】
尚、前露光ユニット29は交換の必要がないため、本体前側板38及び本体後側板39に固定されている。
【0041】
次に、本発明の特徴部分である感光体ドラムユニット20の着脱用レール22−a,22−bの配置を図7に基づいて説明する。
【0042】
本実施の形態に係る感光ドラムユニット20は、図6(a)に示すように、本体手前側に、感光体ドラム11の母線に平行に引き出されることによって画像形成装置本体から取り外される。このような構成の場合、レール22−a,22−bを、感光体ドラムユニット20の重心の水平方向の位置G1に対して左右にそれぞれ1本ずつ配置することによって重量バランスを保つことが必要である。又、理想的には、それぞれのレール22−a,22−bの重心からの距離については、ほぼ同程度であることが望ましい。
【0043】
もし、図5及び図6(a)に示すレール22−a,22−bの位置が適当でない場合、感光体ドラムユニット20の脱着時の感光体ドラム11の位置が安定しない。又、画像形成装置の小型化により、感光体ドラムユニット20の脱着時の進入路の近傍には、様々な部材(図示せず)が配置されているため、感光体ドラムユニット20の脱着時の感光体ドラム1 1 の位置が安定せず、該感光体ドラム11がそれらの部材に接触して傷が付き、画像不良が発生する等の問題が生じる。又、感光体ドラムユニット20の脱着時に、レールを1本にした場合、水平方向の重心の位置G1に精度良く設ける必要があるが、その位置精度が厳しく、位置精度が出せたとしても、感光体ドラムユニット20の脱着時に、感光体ドラムユニット20の重心から離れた場所に力が加わった場合に大きな回転力が発生するため、脱着時の感光体ドラム11の位置が安定しない。
【0044】
従って、2本のレール22−a,22−bが必要であり、感光体ドラムユニット20の水平方向の重心位置G1に対して左右に1本ずつ配置することが理想的である。又、垂直方向の位置G2は、垂直方向には重力が働いているためにさほど問題にはならない。
【0045】
次に、感光体ドラムユニット20の重心の水平方向位置G1よりも縦搬送路側に位置するレール22−aの配置を図7に基づいて説明する。
【0046】
レール22−aの配置に関して、重心線G1よりも右側で、且つ、重心線G1下側のスペースは、前述のように現像スリーブ30から感光体ドラム11にトナーを供給するスペース及び紙搬送路のスペースであるため、感光体ドラムユニット20において、そのスペースは、感光体ドラム11が露出している箇所であり、この箇所にレール22−aを配置することは不可能である。
【0047】
従って、レール22−aを配置することができるスペースは、重心線G1よりも右側で、且つ、重心線G2よりも上側のスペースとなる。感光体ドラムユニット20において、該スペースには、前述のように(図4参照)クリーニングユニット35が配置されているため、クリーニングユニット35の上部にレール22−aを受ける面37−a,37−bを配置することは可能である。
【0048】
しかし、縦搬送路の短縮化により装置の小型化を図っている本実施の形態の構成では、そのスペースには定着ユニット19が存在するため、レール22−aを従来のように本体枠(前側板38と後側板39に装着)に配置しようとすると、必要な断面積が確保できず、強度が低く、レール22−aは本来の機能が果たせず、縦搬送路の短縮化による画像形成装置の小型化の足かせとなってしまう。そのため、本実施の形態では、定着ニップ32にシートを案内する不図示の搬送ガイド(入り口上ガイド)を延長することによりレール22−aにその本来の機能を持たせている。この構成の場合、レール22−aの本来の機能を果たす部分の断面積は小さいが、その部材としての強度は、定着ユニット19内で保っているため、レールとして使用可能なスペースが小さく、その部分の断面積が小さくても、レールとしての機能を果たすことができる。
【0049】
次に、感光体ドラムユニット20の重心の水平方向位置G1よりも縦搬送路側と逆側(図7では左側)に位置するレール部材22−bについて図7を用いて説明する。
【0050】
重心線G1よりも水平方向において縦搬送路と逆側(図7では左側)で、且つ、重心線G2よりも垂直方向上側には、前述のように、クリーニングユニット35及び前露光ユニット29の上側にスペースがあり、それらのスペースにレール22−bを配置することによって、右側のレール22−aと合わせて感光体ドラムユニット20の脱着時の感光体ドラム11の位置の安定性を保つことができ、装置の小型化によって感光体ドラムユニット20の近傍に配置されている部品と感光体ドラム11の衝突に起因する画像不良の発生を防ぐことができるとともに、縦搬送路を短縮することが可能となり、画像形成装置の小型化が可能となる。
【0051】
しかし、本実施の形態では、更に、前露光ユニット29は、前述のように感光体ドラム11に隣接し、重心線G1よりも左側にあり、感光体ドラムユニット20と別ユニットとして本体枠体(前側板38、後側板39)に固定されている。そのため、この前露光ユニット29の外装部にレール機能を持たせることによって、前露光ユニット29と感光体ドラムユニット20との位置が出易くなることや、従来のように新たにレール部材を設ける必要がないという効果が得られる。
【0052】
又、先に述べた右側のレール部材22−aと合わせると、感光体ドラムユニット20の脱着時の感光体ドラム11の位置の安定性を保つことができ、装置の小型化によって感光体ドラムユニット20の近傍に配置されている部品と感光体ドラム11との衝突に起因する画像不良の発生を防ぐことができ、又、感光体ドラムユニット20と前露光ユニット29との位置を出し易くすることができるとともに、縦搬送路を短縮することが可能となり、画像形成装置の小型化が可能となる。
【0053】
尚、他の実施の形態としては、定着ユニット19が有するレール22−aを、定着ユニット19からの熱を感光体ドラム11に対して遮蔽する樹脂部材と兼ねることで、定着ユニット19と感光体ドラム11の距離が近づいたことにより必要となった感光体ドラム11への熱遮蔽部材を新たに設ける必要がないため、省スペース化や低コスト化を図ることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明に係る画像形成装置の全体構成を示す断面図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置の感光体ドラムユニット周りの断面図である。
【図3】本発明に係る画像形成装置の感光体ドラムユニットの断面図である。
【図4】本発明に係る画像形成装置の感光体ドラムユニット着脱用レールの構成を示す断面図である。
【図5】本発明に係る画像形成装置の感光体ドラムユニットの着脱方向を示す斜視図である。
【図6】本発明に係る画像形成装置の現像ユニット、定着ユニット及び感光体ドラムユニットの着脱方向を示す斜視図である。
【図7】本発明に係る感光体ドラムユニット着脱用レールの配置を説明する図である。
【図8】従来の画像形成装置の断面図である。
【符号の説明】
【0055】
3 給紙装置
4 レジストローラ
5 レーザースキャナ(露光ユニット)
11 感光体ドラム(感光体)
13 現像ユニット
14 トナー補給装置
19 定着ユニット
20 感光体ドラムユニット(感光体ユニット)
22−a 感光体ドラムユニット着脱用レール(ガイド部材)
22−b 感光体ドラムユニット着脱用レール(ガイド部材)
23 クリーニング部材
24 搬送スクリュー
25 転写ローラ
26 転写ニップ
27 胴内排出口
29 前露光ユニット(光除電ユニット)
30 現像スリーブ
32 定着ニップ
33 帯電ローラ
35 クリーニングユニット
36 帯電ローラユニット
37−a レール受け面
37−b レール受け面
38 本体前側板
39 本体後側板
α クリーニング部材の感光体ドラムへの当接位置での接線とクリーニング部材との当接角
β クリーニング部材の感光体ドラムへの当接位置での接線と水平面との角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体を備えた感光体ユニットと、感光体から転写された記録材上のトナー像を定着する定着ユニットと、感光体ユニットと定着ユニット間において記録材を上方に搬送する縦搬送路と、を有する画像形成装置において、
前記感光体ユニットを長手方向に着脱自在にガイドするガイド部材を前記定着ユニットに設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記ガイド部材を前記感光体ユニットに向かう熱を遮蔽する樹脂部材にて構成したことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記感光体ユニットを長手方向に着脱自在にガイドする別のガイド部材を感光体ユニットの重心を通る鉛直線に対して前記定着ユニットのガイド部材とは反対側の位置に設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記別のガイド部材を画像形成装置本体に設けたことを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記定着ユニットを長手方向と略直交する方向に着脱自在に構成したことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記感光体を画像露光する露光ユニットと、前記感光体上の静電像を現像する現像ユニットと、前記感光体を光除電する光除電ユニットと、を有し、前記露光ユニット、前記現像ユニット、前記光除電ユニットを前記感光体ユニットの側部、下部、上部に隣接して設けたことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−78575(P2006−78575A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−259904(P2004−259904)
【出願日】平成16年9月7日(2004.9.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】