画像形成装置
【課題】銀塩写真のように画像全面に一様な高光沢をもち、長期に亘って安定した画像を確保する。
【解決手段】未定着トナー像を記録材1上に形成する作像エンジン2と、未定着トナー像担持面に接する加熱定着部材4を有し、作像エンジン2の下流側にて記録材1上の未定着トナー像を加熱及び加圧によって定着する定着ユニット3と、作像エンジンの上流側にて記録材1表面の付着物を除去する清掃ユニット5とを備え、定着ユニット3は、加熱定着部材4表面にフルオロカーボンシロキサンを主成分とするゴム層を有し、清掃ユニット5は、記録材1の少なくともトナー像担持面の付着物を清掃する清掃部材6を有し、この清掃部材6には、少なくとも表面にポリジメチルシロキサンを含まず且つJIS−A硬度で40度以下の弾性層6aを具備する。
【解決手段】未定着トナー像を記録材1上に形成する作像エンジン2と、未定着トナー像担持面に接する加熱定着部材4を有し、作像エンジン2の下流側にて記録材1上の未定着トナー像を加熱及び加圧によって定着する定着ユニット3と、作像エンジンの上流側にて記録材1表面の付着物を除去する清掃ユニット5とを備え、定着ユニット3は、加熱定着部材4表面にフルオロカーボンシロキサンを主成分とするゴム層を有し、清掃ユニット5は、記録材1の少なくともトナー像担持面の付着物を清掃する清掃部材6を有し、この清掃部材6には、少なくとも表面にポリジメチルシロキサンを含まず且つJIS−A硬度で40度以下の弾性層6aを具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式、静電記録方式等を用いて記録材上に定着されたトナー像の画像欠陥を低減し、写真画像のような高光沢画像が得られる画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電子写真方式等を利用した複写機やプリンタ等の画像形成装置が知られている。また、近年、デジタルスチルカメラ等のデジタル画像を電子写真方式の画像形成装置を用いて、デジタル写真としてプリントする技術が提示されている(例えば特許文献1,2参照)。
【0003】
これらの技術は、表面に熱可塑性の樹脂層を設けた用紙上にトナー像を転写して、定着時に定着ベルトを用いることで、トナー像と用紙表面の熱可塑性樹脂を加熱加圧すると共に定着ベルトに接触させたまま冷却させるようにし、定着ベルト表面の平滑性を写し取って平滑で高光沢な画像表面を得るようにしたものである。したがって、定着ベルト表面は長期に亘って高平滑な状態を維持する必要がある。
そのためには、トナー樹脂や色材、トナーに含有されているワックス等が定着ベルトに堆積することを防ぐことが重要である。
このような問題に対し、定着ベルト表面にフルオロカーボンシロキサンを主成分とするゴム層を形成することで長期に亘って安定した特性が得られる定着ベルトの提案もなされている(特許文献3参照)。
【0004】
一方、写真画像をプリントする場合は、通常のビジネス文書に比べ用紙内で画像が占めるエリアの比率が大きくなる。また、このような画像エリアでは、用紙に紙粉やほこり等が付着したまま転写が行われると、その付着物のために、その部分で用紙にトナーが転写されずに白点となって現れるようになる。特に、このような白点は、文字もの(ビジネス文書)ではなく、画像エリアが大きい写真もので目立つようになり、写真画像をプリントする場合には、用紙に付着した付着物による白点の発生頻度が高くなる。
また、特に、銀塩写真のような高光沢で平滑な表面を得るためには、基材の表面に熱可塑性樹脂層を塗布した専用用紙を用いることもあり、用紙を断裁する際の相互の摺擦や断裁そのもの等によって用紙表面の樹脂層が紙粉となり易く、普通紙に比べて紙粉の付着量が多く、そのため白点が多く発生することが懸念される。
【0005】
【特許文献1】特開2003−345156号公報(実施例1、図3)
【特許文献2】特開2004−151200号公報(第1の実施形態、図2)
【特許文献3】特開2005−43657号公報(発明を実施するための最良の形態、図5)
【特許文献4】特開平1−136748号公報(実施例、第1図)
【特許文献5】特開2004−224451号公報(発明の実施の形態、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような用紙の紙粉等の付着物を除去する方式としては、粘着性のローラを用紙に接触させて用紙上の紙粉を除去し、同時に粘着性のローラを再生用粘着テープによって再生する方式が知られている(特許文献4参照)。また、用紙表面をゴムローラで摺擦して紙粉を除去し、ゴムローラへの付着物は回転ブラシによって除去する方式も提案されている(特許文献5参照)。
【0007】
しかしながら、このように用紙の紙粉等の付着物を除去するだけでは、写真画像のような高光沢画像を安定して得ることは困難となっていた。
これは、用紙上の付着物を除去しても、長期に亘って定着ベルトを使用していると、定着ベルトそのものに付着物を生じ、これが画像欠陥を生じさせるようになるためと推定された。
【0008】
本発明は、以上の技術的課題を解決するためになされたものであって、銀塩写真のように画像全面に一様な高光沢をもち、長期に亘って安定した画像が得られる画像形成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本件発明者らは、定着ベルトを長期に亘って使用しても、その表面にトナー樹脂、色材又はトナーに含有されているワックス等の堆積を抑制するために、フルオロカーボンシロキサンゴムを主成分とするゴム層の表面層が施された定着ベルトの詳細な検証を行った。その結果、定着ベルトにフルオロカーボンシロキサンゴムを主成分とする表面層を使用しても、定着前の記録材にポリジメチルシロキサンなどが付着していると、定着ベルトにトナー中のワックス成分が付着して堆積し、早期に画像の光沢低下が発生することが分かった。
【0010】
また、この現象は、特に、記録材に付着している紙粉等を除去する材料として、低硬度で粘着性の高い(付着物の除去性が高い)シリコーンゴムを用いたときに発生することから、シリコーンゴム中の主成分であるポリジメチルシロキサンが記録材を経由して定着ベルトに付着し、これを核にワックス成分が堆積する結果、光沢低下に繋がることが判明した。これはシロキサン結合自体の結合エネルギーが小さく、定着ベルト側にもシロキサン結合を有するため、定着ベルト上でシロキサン結合を有する、例えば、ポリジメチルシロキサンが付着し易いことに起因するものと想定された。
そのため、本件発明者らは、画像の光沢維持性に優れるフルオロカーボンシロキサンゴムを主成分とするゴム層を表面に処理した定着ベルトと、定着前に記録材上の付着物を除去する除去部材との最適組合せを検討する中で、本件発明を見出すに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、図1(a)(b)に示すように、未定着トナー像を記録材1上に形成する作像エンジン2と、未定着トナー像担持面に接する加熱定着部材4を有し、作像エンジン2の下流側にて記録材1上の未定着トナー像を加熱及び加圧によって定着する定着ユニット3と、作像エンジンの上流側にて記録材1表面の付着物を除去する清掃ユニット5とを備え、定着ユニット3は、加熱定着部材4表面にフルオロカーボンシロキサンを主成分とするゴム層を有し、清掃ユニット5は、記録材1の少なくともトナー像担持面の付着物を清掃する清掃部材6を有し、この清掃部材6には、少なくとも表面にポリジメチルシロキサンを含まず且つJIS−A硬度で40度以下の弾性層6aを具備することを特徴とするものである。ここで、JIS−A硬度は、JIS K6253に準拠した硬さである。
【0012】
ここで、フルオロカーボンシロキサンは、下記一般式で表示される。
【0013】
【化1】
【0014】
ここで、上式において、R10は非置換又は置換の好ましくは炭素数1〜8の一価炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数2〜3のアルケニル基であり、特にメチル基であることが好ましい。また、a,eは夫々0又は1、b,dは夫々1〜4の整数、cは0〜8の整数である。更に、xは1以上の整数、好ましくは10〜30である。
【0015】
このような技術的手段において、作像エンジン2としては、未定着トナー像を形成できればよく、電子写真方式、静電記録方式等の態様が挙げられる。
また、加熱定着部材4は耐熱性を有するものであればよく、樹脂系、金属系材料が使用されるが、定着時の熱効率を向上させる観点から樹脂系材料が好ましい。
更に、清掃ユニット5は、未定着トナー像が形成される前の記録材1上に付着した紙粉等の付着物を清掃できるものであればよい。清掃部材6としては記録材1上の付着物を清掃できるものであればよく、代表的態様としてはロール状、ベルト状の態様が挙げられる。また、清掃部材6の弾性層6aとしては合成ゴム、エラストマーのいずれであってもよいが、清掃時にある程度の粘着性が必要であることから、例えば硬さの低いブチルゴムやEPDMゴムが好ましい。
そして、本発明とは異なり、仮に、清掃部材6から記録材1上にシロキサンが付着すると、加熱定着部材4に堆積物が形成され、定着後の光沢の低下に繋がるようになる。
【0016】
また、本発明の加熱定着部材4はベルト部材であることが好ましく、ベルト部材の表面平滑性を用いることで写真画像のような高光沢プリントが可能になる。
更に、清掃ユニット5は、清掃部材6と対向配置される押圧部材7を備えることが好ましく、押圧部材7によって記録材1上の付着物を確実に清掃することができるようになる。このとき、押圧部材7は例えば駆動ロールであってもよいし、駆動機能を持たない板状であってもよく、この場合、清掃部材6が記録材1を駆動する機能を有していてもよい。尚、押圧部材7もポリジメチルシロキサンを含まないものであることが好ましい。
【0017】
そして、清掃部材6の弾性層6aとしては、少なくとも記録材1と接する部位の表面粗さがRaで15μm以下であることが好ましく、表面粗さがこれより粗いと、記録材1と接したときに記録材1上の付着物との接触が妨げられ、付着物を弾性層6a側に吸着し難くなる。また、弾性層6aとしてはブチルゴムを主成分とするゴム層とすることが、記録材1の付着物の除去効果並びに除去効果の維持性の観点から好ましい。
【0018】
また、加熱定着部材4をベルト部材とする態様において、ベルト部材表面は、フッ素粒子が分散されたフルオロカーボンシロキサンを主成分とするゴム層で構成されることが好ましく、これによれば、長期に亘ってベルト部材表面の安定した平滑性を保つことができるようになり、写真画像のような高光沢な画像出力が実現できるようになる。
【0019】
更に、本発明による清掃ユニット5は、清掃部材6による記録材1の清掃部位より下流側にて当該清掃部材6に対向して配置され且つ清掃部材6を清掃する補助清掃部材を備えることが好ましく、これによれば、清掃部材6を清掃することで、清掃部材6の清掃能力(記録材1上の付着物の除去能力)を長期に亘って維持することができるようになる。また、補助清掃部材は、所定の粘着力を有する粘着剤が塗布されたシート部材とすることが好ましく、これによれば、清掃部材6を清掃することが容易になり、清掃部材6の清掃能力を維持できるようになる。尚、シート部材は、清掃部材6に対し押圧される方向になっていればよく、接触ニップ域を広くするような態様や裏面から押圧する態様等がある。そして、シート部材としては巻き取り方式であれば常時新鮮面による清掃効果が保たれるようになる。また、所定の粘着力とは、粘着力が小さければ清掃部材6の弾性層6aの清掃能力が不足し、一方、粘着力が大き過ぎると清掃部材6の弾性層6aにシート部材自体が貼り付き易くなり、清掃能力が却って低下するようになる。
更にまた、補助清掃部材は、清掃部位でのシート部材の裏面側にシート部材を清掃部材6に押圧する補助押圧部材を備えることが好ましく、この場合、清掃部材6をシート部材で確実に清掃できるようになる。
【0020】
また、本発明においては、高光沢のプリントを行う観点から、記録材1は少なくともトナー像担持面側の表面に熱可塑性樹脂層を備えていることが好ましい。
更に、定着ユニット3の上流側の記録材搬送経路に設けられる記録材搬送部材はポリジメチルシロキサンを含まないもので構成されることが好ましく、上流側の記録材搬送部材にポリジメチルシロキサンを含まないようにすることで、定着ユニット3の加熱定着部材4での異物堆積を防ぐことができ、光沢の低下を抑制することが効果的になる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、未定着トナー像を記録材上に形成する作像エンジンと、未定着トナー像に接する加熱定着部材を有する定着ユニットと、未定着トナー像が形成される前に記録材表面の付着物を除去する清掃ユニットとを備え、加熱定着部材表面はフルオロカーボンシロキサンを主成分とするゴム層で構成し、清掃ユニットの清掃部材にはポリジメチルシロキサンのようなシロキサン結合を含まず且つ硬度40度以下の弾性層を具備させるようにしたので、長期に亘って画像欠陥のない高光沢画像が得られる画像形成装置を提供することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
◎実施の形態1
図2は、本発明が適用されたカラー画像形成装置の実施の形態1を示す。同図において、本実施の形態の画像形成装置は、例えば電子写真方式を採用したものであって、イエロー(Y色)、マゼンタ(M色)、シアン(C色)及びブラック(K色)の4色トナー像を形成する作像エンジン20と、作像エンジン20に記録材としての用紙を供給する多段の給紙カセット11〜14を引き出し可能に収容し、作像エンジン20の用紙搬送方向下流側に定着器50を配設したものとなっている。
【0023】
本実施の形態の作像エンジン20は、所謂4サイクル方式であり、感光体21上に形成された各色トナー像を中間転写ベルト30上へ多重転写するようになっている。
感光体21の周囲には、感光体21を帯電する帯電ロール等の帯電器22、感光体21上に潜像を形成するレーザスキャナ等の露光器23、感光体21上の潜像を顕像化する現像器24、感光体21上の各色トナー像を中間転写ベルト30上に一次転写する例えば一次転写ロールからなる一次転写器25、感光体21上に残留した残留トナーを清掃する感光体クリーナー26が配設されている。
【0024】
また、中間転写ベルト30は、複数の張架ロールに張架され、例えば張架ロール31を駆動ロール、張架ロール32をテンションロールとして循環搬送するものであり、例えば二次転写ロールからなる二次転写器34が張架ロール33をバックアップロールとして対向配置されている。更に、この中間転写ベルト30の張架ロール31と対向する位置には、中間転写ベルト30上の残留トナーを清掃するベルトクリーナー35が設けられている。
更に、作像エンジン20の上方には、現像器24に各色トナーを補給する4色のトナーボックス36が設けられ、図示外の搬送路を介して現像器24内の夫々の色に対応した位置にトナーを供給するようになっている。
【0025】
本実施の形態における用紙搬送系は、次のようになっている。夫々の給紙カセットから送り出された用紙は、用紙搬送経路15に搬送され、二次転写器34に入る前に用紙の位置決め規制を行うレジストロール16、二次転写器34によって未定着トナー像が転写された用紙を搬送する搬送ベルト17、未定着トナー像を定着する定着器50、定着後の用紙を排出トレイ19へ送り出す排出ロール18等が設けられている。そして、本実施の形態では、給紙カセット11〜14の他に用紙を手差し供給可能な手差しトレイ29が設けられ、用紙搬送経路15への用紙供給を可能にしている。
【0026】
特に、本実施の形態では、用紙搬送経路15の一部で給紙カセット14の近傍には、用紙の表面に付着した異物を除去する清掃器40が設けられている。清掃器40は、図3に示すように、清掃部材としての弾性ロール41と駆動ロール42とが対向配置され、両者のニップ域を用紙が通過することで、弾性ロール41表面に用紙上の異物を吸着することで異物除去がなされるようになっている。
弾性ロール41は、芯金41a上にシロキサン結合を含まない弾性層41bを被覆したものであり、弾性層41bとしてはブチルゴムやEPDMゴムが使用されることが好ましい。また、このとき、弾性層41b表面の表面粗さRaを15μm以下とするようにすれば、用紙の付着物を一層有効に吸着されるようになる。
一方、駆動ロール42は、図示外の駆動手段によって回転駆動されるもので、用紙の搬送速度を一定にし、所定の搬送力を備える必要から、更には、画像形成装置内で発生するオゾン等による変質を少なくするため、芯金42a上に摩擦維持性(耐摩耗性)の優れる、例えば硬度60度程度のウレタンゴムやEPDMゴムからなるゴム層42bを使用することが好ましい。尚、弾性ロール41としては例えばベルト状部材であっても差し支えないし、また、例えば弾性ロール41を図示外の駆動手段で駆動し、駆動ロール42を固定部材にすることも可能である。更に、弾性ロール41と駆動ロール42とで用紙搬送ロールを兼用するようにしても差し支えない。
【0027】
また、本実施の形態の定着器50は図4のように構成されている。同図において、定着器50は、ハロゲンランプ等の加熱源52を内部に有する定着ロール51と、この定着ロール51に対向して配置され且つ内部に加熱源54を有する加圧ロール53と、定着ロール51と加圧ロール53との間に挟持搬送され、定着ロール51と複数のロール部材(剥離ロール56、ステアリングロール57)に張架されて循環する定着ベルト55と、定着ロール51の下流側で定着ベルト55裏面に接して定着ベルト55を冷却する冷却器58とを備えたものとなっている。尚、図中符号59は用紙を定着器50に搬送するための搬送ガイドである。
【0028】
定着ロール51は、熱伝導性の高いアルミニウムやステンレス等の金属製コア51aの周囲に厚さ10〜200μm程度のPFAチューブ等からなる離型層(図示せず)が形成された構成となっており、コア51aの内部に加熱源52が設けられ、この加熱源52は定着ロール51表面が所定の温度になるように加熱制御されている。
一方、加圧ロール53は、熱伝導性の高いアルミニウムやステンレス等の金属製のコア53aの周囲にゴム硬度(JIS−A硬度)30〜70度程度のシリコーンゴム等の弾性層53bが1〜3mm程度に均一に被覆されており、弾性層53bの表面には定着ロール51の離型層と同様の離型層(図示せず)が形成されている。また、本実施の形態では、この加圧ロール53のコア53aの内部にも加熱源54が設けられ、加圧ロール53の表面が定着ロール51の表面と同程度か0〜30℃程度低い所定の温度になるように加熱制御されている。
そのため、定着器50に搬送された用紙は、定着ロール51と加圧ロール53との定着ニップにて、トナー像面が定着ベルト55に接した状態で十分な加熱、加圧がなされるようになる。尚、加圧ロール53は、図示外の支持フレームに支持され、用紙が定着ニップを通過する際、定着ロール51と加圧ロール53との間に所定の荷重を印加するための加圧機構が設けられており、用紙の有無に合わせて加圧ロール53がリトラクトするようになっている。
【0029】
そして、定着ベルト55は、図5に示すように、耐熱性を有する基材層55aの上にフルオロカーボンシロキサンを主成分とするゴム層55bを備えた構造となっている。
基材層55aとしては、耐熱性、機械的強度及び熱特性(熱伝導性や膨張係数等)などの観点から、PET、PBT、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリベンズイミダゾール、サーモトロピック液晶ポリマー等の耐熱性樹脂シートや、ニッケル、アルミニウム、ステンレス等の金属シートを用いることが可能であるが、熱特性を考慮するとポリイミド、ポリベンズイミダゾールからなる耐熱性樹脂シートが好ましい。また、基材層55aとしては、帯電特性を考慮して、上述の耐熱性樹脂に導電性粉体やカーボンブラック等を添加して体積抵抗率を調整するようにしてもよく、その形成方法についても公知の方法であれば特に制限されるものではない。
【0030】
更に、基材層55aの厚みは、定着ベルト55としての機械的強度、熱容量、熱伝導性等の観点から20〜200μmの範囲であることが望ましい。厚みが20μm未満であれば、機械的強度が不足して、定着ベルト55としての取扱性が悪くなり、また、厚みが200μmを超えるようになると定着ベルト55自体の熱容量が大きくなり過ぎ、ウォームアップ時間を長くしなければならなくなったり、それによる消費電力の増大も生じるようになる。
【0031】
また、ゴム層55bとしては、フルオロカーボンシロキサンを主成分とするものであればよく、これにより、フルオロカーボンシロキサンの表面不活性効果によりベルト表面への堆積物の付着を防ぐと共に、機械的強度も良好のため使用時の不要な傷の発生が抑制され、傷等への堆積物の付着を防ぐことも可能になる。更に、例えばフッ素粒子が分散されたフルオロカーボンシロキサンを主成分とするものとすることで、長期に亘って一層安定したベルト表面が維持されるようになる。更に、ゴム層55bの厚みとしては、ゴム層55bとしての機械的強度、熱容量、熱伝導性の機能の観点からすれば10〜200μmの範囲であることが好ましく、厚みが10μm未満の場合にはゴム弾性としての機能が発揮されないばかりか、定着ニップ域における弾性変形や応力による歪によってゴム弾性が失われたり、破損が生じたりするようになる。一方、200μmを超えるとゴム層55b自体の熱容量が大きくなり過ぎ、ウォームアップ時間を長くしなければならなくなったり、それによる消費電力が増大するようにもなる。
【0032】
また、図4に示す定着器50での剥離ロール56は、定着ベルト55の移動に従動して回転し、この剥離ロール56が定着ベルト55を巻き付けながら張架することで、定着ベルト55の移動方向を急激に変化させるようになり、定着ベルト55上の用紙は剥離ロール56の位置で用紙自体の剛性によって自然に定着ベルト55から剥離されるようになる。また、ステアリングロール57は、定着ベルト55自体を常時緊張させるようにしたものであり、定着ベルト55を外方に押圧することで緊張を維持させ、定着ベルト55が循環移動したときに生じる偏りを修正するために設けられている。
【0033】
更に、本実施の形態での冷却器58は、定着ロール51と剥離ロール56との間で、定着ベルト55裏面に接して設けられ、定着ベルト55の熱を吸熱することで定着ベルト55を冷却するようになっている。そのため、定着ベルト55に密着搬送される用紙の冷却が行われるようになる。本実施の形態での冷却器58は、定着ベルト55に沿った面から略直交する方向に延びた多数の放熱フィンが設けられたフィン部材58aと、これを覆うように設けられたカバー58bとで筒状に構成されたものであり、図示外の送風ブロアによって内部に空気を流すことでフィン部材58aの熱を強制的に放熱させるようにしたものである。
【0034】
更にまた、本実施の形態では図2に示す給紙カセット11〜14の内、給紙カセット14に写真画像をプリントするための高光沢専用用紙が収納されている。この専用用紙は、図6に示すように、セルロースで構成される基材L1の表面にはトナー像を埋め込むことができるように、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂層L2が10μm程度の厚さで設けられている。そのため、トナー像がない余白部(非画像部)でも高光沢な表面が得られると共に、画像部ではトナー像面と非画像面とが略同一の高さとなり、写真プリントのような高光沢画像が得られるようになる。
尚、基材L1上に熱可塑性樹脂層L2を持たない一般の普通紙を用いても、本実施の定着器50で定着することで、トナー像部分の光沢を向上させることは可能である。
【0035】
次に、本実施の形態における画像形成装置の作動について、特に、清掃器40及び定着器50での作動を中心に説明する。
図3に示す清掃器40では、用紙(本例では専用用紙)が弾性ロール41によって押圧され、用紙上の付着物は良好に除去されるようになる。このとき、仮に、用紙の付着物が除去されない場合には、図7に示すように、二次転写時にトナー像の欠落が生じ、画像の白点を生じるようになる。
図7は、二次転写時における中間転写ベルト30上のトナー像が用紙上に転写される様子を段階的に示したものであり、用紙に付着物があり、二次転写時に用紙の付着物上にトナー像が位置する場合、二次転写器34とバックアップロール33とのニップ域でトナー像と付着物とが一緒に押圧され、用紙が中間転写ベルト30から剥離されたときには、この一緒に押圧された部位では付着物がトナーと共に中間転写ベルト30側へ移行するようになる。その結果、用紙上ではその部位のトナー付着がなされず白点に至るようになる。
本実施の形態では、清掃器40によって用紙上の付着物を二次転写前に除去しているため、二次転写時にトナー像の白点が発生することを防いでいる。
【0036】
また、定着器50では、図4に示すように、未定着トナー像が担持された用紙は定着器50の定着ニップ域で十分な加熱及び加圧が行われ、用紙の熱可塑性樹脂層中にトナー像が埋め込まれるようになる。そして、トナー像が埋め込まれた状態で定着ベルト55に貼り付いたまま冷却器58の冷却作用により用紙ごと冷却される。そして、少なくともその後の搬送等で画像劣化を生じない程度に冷却された用紙は、剥離ロール56の作用によって定着ベルト55から剥離されるようになる。更に、このとき、定着ベルト55の表面平滑性が写し取られ、トナー像表面も平滑になり、良好な高光沢に仕上がるようになる。
特に、定着ベルト55表面にフルオロカーボンシロキサンを主成分とするゴム層55bを用いたので、トナーの残留付着も大幅に低減されるようになり、長期に亘って安定した高光沢画像を作製することができるようになる。また、上流側で清掃器40を有し、更にはシロキサン結合を持たないことから、例えばシロキサンが定着ベルト55に堆積して画像欠陥を生じることもない。
【0037】
以上のように、本実施の形態では、清掃器40によって用紙上の付着物を除去し、定着ベルトを特殊なものとしたので、長期に亘って、用紙上の付着物が有効に除去され、用紙へのトナー像転写時や、定着時での画像欠陥の発生を抑えることができるようになる。
【0038】
本実施の形態では、清掃器40を給紙カセット14の近傍に設置したが、例えばレジストロール16の上流側近傍に備えるようにしてもよい。ただし、この場合、普通紙表面も清掃するようになり、清掃器40の能力が不足するようにならないように配慮することが必要である。そのため、例えば普通紙と専用用紙とを異なる用紙搬送経路からレジストロール16に導くように構成してもよい。
【0039】
また、本実施の形態では、所謂4サイクル型の画像形成装置を示したが、例えば各色毎の作像ユニットを中間転写ベルトに対向して並列配置させた、所謂タンデム方式においても同様の定着器を備えるようにすれば、写真画像のような高光沢画像が得られるようになる。
【0040】
更に、本実施の形態では、清掃器40として図3に示す態様を示したが、図8に示すように、弾性ロール41表面に吸着された付着物を補助清掃部材としての粘着テープ(粘着剤が塗布されたシート部材)で清掃除去するようにしてもよく、これによれば、弾性ロール41の清掃性能(付着物除去性能)を長期に亘って維持することが可能になる。
同図において、粘着テープ43を巻きだし部材44と巻き取り部材45との間で巻き取り自在に設けると共に、弾性ロール41に対向する位置の粘着テープ43の裏面側(粘着剤が塗布されていない面)に補助押圧部材46を設け、この補助押圧部材46を弾性ロール41側に押圧することで、粘着テープ43の粘着剤層を弾性ロール41に圧接することで、弾性ロール41表面を清掃するようになっている。尚、本例では、巻きだし部材44、巻き取り部材45、補助押圧部材46は一体的に配置されており、そのため、全体として補助押圧部材46が弾性ロール41に対しリトラクトするようになっており、リトラクト動作を適宜行うことで、適切な清掃効果を維持している。
【0041】
このような粘着テープ43を用いる方式では、粘着テープ43の粘着力は選択することが重要で、粘着力が小さすぎると弾性ロール41表面の付着物を除去する能力が不足し、一方、粘着力が大きすぎると弾性ロール41自体と粘着テープ43との粘着力が大きくなりすぎ、弾性ロール41の動作に支障を及ぼすようにもなり、清掃能力は却って低下するようになる。
また、このような粘着テープ43を補助押圧部材46を設けずに直接弾性ロール41側に巻き付けるようにしても差し支えない。
【0042】
◎実施の形態2
図9は、本発明が適用された画像形成装置の実施の形態2を示すものである。本実施の形態は、実施の形態1と略同様に構成されるが、定着器50を装置本体10内ではなく、装置本体10に装着自在なオプションユニット60側に配置した構成となっている。そのため、装置本体10側にも用紙の搬送経路中に通常の加熱加圧方式の定着部70が実装されている。尚、実施の形態1と同様の構成要素には同様の符号を付し、ここではその詳細な説明は省略する。
【0043】
本実施の形態における定着部70は、通常の構成であり、加熱ロール71と加圧ロール72とのニップによって定着が行われるようになっている。尚、本実施の形態では、加熱ロール71及び加圧ロール72共に内部にハロゲンランプ等の加熱源を備えている。
そのため、この定着部70によって用紙上の未定着トナー像は一旦定着が施されるようになる。
【0044】
また、オプションユニット60には、装置本体10側の排出ロール18の近傍に、切替部材61が設けられ、定着部70にて定着された用紙をそのままオプションユニット60の上部に設けられた第1排出トレイ63に向かう方向と、定着部70から更にオプションユニット60の定着器50を経て第2排出トレイ66へ向かう方向とに切り替えるようになっている。
尚、図中、符号62,65は夫々第1排出トレイ63及び第2排出トレイ66へ導く排出ロールであり、符号64は定着器50へ導く搬送ロールである。
【0045】
本実施の形態では、切替部材61を適宜切り替えることで用紙の排出経路を切り替えることができ、例えば普通紙上に通常の文字ものをプリントする場合には、装置本体10側の定着部70で定着を行った後、そのまま第1排出トレイ63側へ排出するようにすれば、画像表面の光沢が抑えられ、視認性の優れた画像表面を得ることができるようになる。
一方、写真画像を専用用紙にプリントする場合には、給紙カセット14からの用紙にトナー像を転写した後、一旦定着部70による定着を行い、切替部材61によって定着器50側へ搬送するようにすればよい。このことで、定着器50によって一旦溶融固化したトナー像が再溶融を行い、定着ベルト55の平滑性によって写真プリントのような高光沢画像を得ることができるようになる。
【0046】
本実施の形態では、このように2種の定着部位(定着部70と定着器50)を設けることで、低光沢なプリントと高光沢なプリントとを選択的に得ることができるようになる。
また、特に本実施の形態においては、定着部70においても加熱ロール71及び加圧ロール72表面はポリジメチルシロキサンのようなシロキサン結合を含まないことは云うまでもない。
そのため、本実施の形態においても、清掃器40や定着器50は実施の形態1と同様に構成されていることから、長期的に安定した高光沢画像が得られるようになる。
【実施例】
【0047】
◎実施例1
本実施例は、実施の形態2の画像形成装置の構成にて、用紙上の付着物を除去するための弾性ロールの材質や硬度を変えたときの紙粉除去性能や画像の光沢性能について評価テストを行ったものである。
【0048】
清掃器並びに使用した用紙(専用用紙)の条件は次の通り。
・弾性ロール/駆動ロールの幅:320mm(ゴム有効長)
・弾性ロール/駆動ロールの外径:25mm
・弾性ロール材料:EPDM、ブチルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴムの4種で硬度を変えたもの
・弾性ロールの表面粗さ:Raが5〜10μm
・駆動ロール材料:EPDMでHs60度
・弾性ロール/駆動ロール間の加圧力:20N/320mm
・通紙速度:200mm/s
・用紙基材厚さ:150μm
・用紙の表面樹脂及び厚さ:ポリエステル樹脂で10μm厚
・用紙サイズ:A4判
【0049】
また、定着器の条件は次の通り。
・定着ベルトの基材/厚さ:ポリイミド樹脂/80μm
・定着ベルト幅:320mm
・定着ロール/加圧ロールの外径及び幅:φ50mm/330mm
・加圧荷重:1800N
・定着ロール設定温度:150℃
・加圧ロール設定温度:120℃
・定着速度:60mm/s
【0050】
評価は、次の項目に依った。
(1)紙粉除去性
全面グレー(Y色、M色、C色各50%)の画像を出力し、装置本体の定着部でのみ定着を行い、定着後の画像上に発生した白点数の平均値を比較した。
更に、紙粉除去の維持性を確認するため、同様の画像を1kPV(Print Volume)出力したときの白点数の平均値を比較した。
このとき、A4サイズで、白点が2.0個以内であれば○印、2個を超え3個以下であれば△印、3個を超える場合には×印とした。
(2)光沢維持性
清掃器40を用いた用紙上に通常の未定着カラー画像を転写して、定着器(定着ベルト使用)でも定着を繰り返すときに、先ず初期にて全面黒(Y色、M色、C色各80%)の画像を出力(定着器も使用)し、更に通常のカラー画像を5000枚(5kpv)プリントした後に、再度全面黒(Y色、M色、C色各80%)の画像をプリントし、これらの初期と5kpv後の全面黒の光沢度変化を評価した。
このとき、光沢度としては、JIS Z8741に基づいてグロス測定器GB−4512(BYK−Gardner社製)を用いて、入射角と反射角を20°としたときに得られる数値とした。
そして、測定数値から、光沢度の変化が20%以上あれば光沢むらとして視認されることから、光沢度変化が20%未満の場合は○印、20%以上であれば×印とした。
【0051】
結果は、図10に示すようになった。清掃器の弾性ロールによる紙粉除去性能は、ゴム材質及びゴム硬度に左右されることが分かる。すなわち、ブチルゴムのHs20〜40、EPDMのHs20,30、シリコーンゴムのHs20,30で良好であることが確認された。一方、光沢維持性に対しては、シリコーンゴム以外は良好であることが確認された。このことから、紙粉除去性能及び光沢維持性能に対して良好なものは、ブチルゴムのHs20〜40、EPDMのHs20,30であった。
このことから、用紙の付着物の清掃能力は、ゴム材質とゴム硬度に大きく依存する一方、光沢維持能力はシロキサン結合がなければよいことが確認され、本件の有効性が理解された。
尚、ゴム硬度は、低い方が紙粉除去性能が大きいように想定されるが、これらのゴムでは、夫々材料自体で実現できる硬度が決まるため、紙粉除去紙性能及び光沢維持性能に足して良好なものは、ブチルゴムのHs40以下、EPDMのHs30以下の範囲になる。
【0052】
ここで、参考のために、ブチルゴム、EPDM、ウレタンゴム、シリコーンゴムの構造式を図11に示す。尚、図中、m,nは1以上の整数を表す。
【0053】
また、図12は紙粉除去性について具体的な白点数評価結果であり、図13は光沢維持性の具体的な光沢度測定結果を示したものである。これらのことからも、ブチルゴムとEPDMの優位さが確認された。
【0054】
◎実施例2
実施例1の結果を得て、ブチルゴムの硬度30度のものと、EPDMの硬度20度のものについて、弾性ロールとしての表面粗さと白点数の関係について実施例1の紙粉除去性と同様の評価を行った。
結果は、図14に示すように、表面粗さがRa15μmを超えるといずれも白点の発生数が急激に増加することが分かった。このことから、Raが15μm以下であれば良好な紙粉除去性能が確保されることが判明した。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明に係る画像形成装置の概要を示す説明図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置の実施の形態1の概要を示す説明図である。
【図3】実施の形態1の清掃器の概要を示す説明図である。
【図4】実施の形態1の定着器の概要を示す説明図である。
【図5】定着器の定着ベルトの構造を示す断面図である。
【図6】高光沢プリントに用いられる用紙の構造を示す断面図である。
【図7】白点発生のメカニズムを示す説明図である。
【図8】清掃器の変形例を示す説明図である。
【図9】本発明に係る画像形成装置の実施の形態2の概要を示す説明図である。
【図10】実施例1の結果を示す表である。
【図11】実施例1で用いられるゴム材料の構造式である。
【図12】実施例1で得られた白点数の結果を示すグラフである。
【図13】実施例1で得られた光沢度の結果を示すグラフである。
【図14】実施例2の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
【0056】
1…記録材,2…作像エンジン,3…定着ユニット,4…加熱定着部材,5…清掃ユニット,6…清掃部材,6a…弾性層,7…押圧部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式、静電記録方式等を用いて記録材上に定着されたトナー像の画像欠陥を低減し、写真画像のような高光沢画像が得られる画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電子写真方式等を利用した複写機やプリンタ等の画像形成装置が知られている。また、近年、デジタルスチルカメラ等のデジタル画像を電子写真方式の画像形成装置を用いて、デジタル写真としてプリントする技術が提示されている(例えば特許文献1,2参照)。
【0003】
これらの技術は、表面に熱可塑性の樹脂層を設けた用紙上にトナー像を転写して、定着時に定着ベルトを用いることで、トナー像と用紙表面の熱可塑性樹脂を加熱加圧すると共に定着ベルトに接触させたまま冷却させるようにし、定着ベルト表面の平滑性を写し取って平滑で高光沢な画像表面を得るようにしたものである。したがって、定着ベルト表面は長期に亘って高平滑な状態を維持する必要がある。
そのためには、トナー樹脂や色材、トナーに含有されているワックス等が定着ベルトに堆積することを防ぐことが重要である。
このような問題に対し、定着ベルト表面にフルオロカーボンシロキサンを主成分とするゴム層を形成することで長期に亘って安定した特性が得られる定着ベルトの提案もなされている(特許文献3参照)。
【0004】
一方、写真画像をプリントする場合は、通常のビジネス文書に比べ用紙内で画像が占めるエリアの比率が大きくなる。また、このような画像エリアでは、用紙に紙粉やほこり等が付着したまま転写が行われると、その付着物のために、その部分で用紙にトナーが転写されずに白点となって現れるようになる。特に、このような白点は、文字もの(ビジネス文書)ではなく、画像エリアが大きい写真もので目立つようになり、写真画像をプリントする場合には、用紙に付着した付着物による白点の発生頻度が高くなる。
また、特に、銀塩写真のような高光沢で平滑な表面を得るためには、基材の表面に熱可塑性樹脂層を塗布した専用用紙を用いることもあり、用紙を断裁する際の相互の摺擦や断裁そのもの等によって用紙表面の樹脂層が紙粉となり易く、普通紙に比べて紙粉の付着量が多く、そのため白点が多く発生することが懸念される。
【0005】
【特許文献1】特開2003−345156号公報(実施例1、図3)
【特許文献2】特開2004−151200号公報(第1の実施形態、図2)
【特許文献3】特開2005−43657号公報(発明を実施するための最良の形態、図5)
【特許文献4】特開平1−136748号公報(実施例、第1図)
【特許文献5】特開2004−224451号公報(発明の実施の形態、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような用紙の紙粉等の付着物を除去する方式としては、粘着性のローラを用紙に接触させて用紙上の紙粉を除去し、同時に粘着性のローラを再生用粘着テープによって再生する方式が知られている(特許文献4参照)。また、用紙表面をゴムローラで摺擦して紙粉を除去し、ゴムローラへの付着物は回転ブラシによって除去する方式も提案されている(特許文献5参照)。
【0007】
しかしながら、このように用紙の紙粉等の付着物を除去するだけでは、写真画像のような高光沢画像を安定して得ることは困難となっていた。
これは、用紙上の付着物を除去しても、長期に亘って定着ベルトを使用していると、定着ベルトそのものに付着物を生じ、これが画像欠陥を生じさせるようになるためと推定された。
【0008】
本発明は、以上の技術的課題を解決するためになされたものであって、銀塩写真のように画像全面に一様な高光沢をもち、長期に亘って安定した画像が得られる画像形成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本件発明者らは、定着ベルトを長期に亘って使用しても、その表面にトナー樹脂、色材又はトナーに含有されているワックス等の堆積を抑制するために、フルオロカーボンシロキサンゴムを主成分とするゴム層の表面層が施された定着ベルトの詳細な検証を行った。その結果、定着ベルトにフルオロカーボンシロキサンゴムを主成分とする表面層を使用しても、定着前の記録材にポリジメチルシロキサンなどが付着していると、定着ベルトにトナー中のワックス成分が付着して堆積し、早期に画像の光沢低下が発生することが分かった。
【0010】
また、この現象は、特に、記録材に付着している紙粉等を除去する材料として、低硬度で粘着性の高い(付着物の除去性が高い)シリコーンゴムを用いたときに発生することから、シリコーンゴム中の主成分であるポリジメチルシロキサンが記録材を経由して定着ベルトに付着し、これを核にワックス成分が堆積する結果、光沢低下に繋がることが判明した。これはシロキサン結合自体の結合エネルギーが小さく、定着ベルト側にもシロキサン結合を有するため、定着ベルト上でシロキサン結合を有する、例えば、ポリジメチルシロキサンが付着し易いことに起因するものと想定された。
そのため、本件発明者らは、画像の光沢維持性に優れるフルオロカーボンシロキサンゴムを主成分とするゴム層を表面に処理した定着ベルトと、定着前に記録材上の付着物を除去する除去部材との最適組合せを検討する中で、本件発明を見出すに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、図1(a)(b)に示すように、未定着トナー像を記録材1上に形成する作像エンジン2と、未定着トナー像担持面に接する加熱定着部材4を有し、作像エンジン2の下流側にて記録材1上の未定着トナー像を加熱及び加圧によって定着する定着ユニット3と、作像エンジンの上流側にて記録材1表面の付着物を除去する清掃ユニット5とを備え、定着ユニット3は、加熱定着部材4表面にフルオロカーボンシロキサンを主成分とするゴム層を有し、清掃ユニット5は、記録材1の少なくともトナー像担持面の付着物を清掃する清掃部材6を有し、この清掃部材6には、少なくとも表面にポリジメチルシロキサンを含まず且つJIS−A硬度で40度以下の弾性層6aを具備することを特徴とするものである。ここで、JIS−A硬度は、JIS K6253に準拠した硬さである。
【0012】
ここで、フルオロカーボンシロキサンは、下記一般式で表示される。
【0013】
【化1】
【0014】
ここで、上式において、R10は非置換又は置換の好ましくは炭素数1〜8の一価炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数2〜3のアルケニル基であり、特にメチル基であることが好ましい。また、a,eは夫々0又は1、b,dは夫々1〜4の整数、cは0〜8の整数である。更に、xは1以上の整数、好ましくは10〜30である。
【0015】
このような技術的手段において、作像エンジン2としては、未定着トナー像を形成できればよく、電子写真方式、静電記録方式等の態様が挙げられる。
また、加熱定着部材4は耐熱性を有するものであればよく、樹脂系、金属系材料が使用されるが、定着時の熱効率を向上させる観点から樹脂系材料が好ましい。
更に、清掃ユニット5は、未定着トナー像が形成される前の記録材1上に付着した紙粉等の付着物を清掃できるものであればよい。清掃部材6としては記録材1上の付着物を清掃できるものであればよく、代表的態様としてはロール状、ベルト状の態様が挙げられる。また、清掃部材6の弾性層6aとしては合成ゴム、エラストマーのいずれであってもよいが、清掃時にある程度の粘着性が必要であることから、例えば硬さの低いブチルゴムやEPDMゴムが好ましい。
そして、本発明とは異なり、仮に、清掃部材6から記録材1上にシロキサンが付着すると、加熱定着部材4に堆積物が形成され、定着後の光沢の低下に繋がるようになる。
【0016】
また、本発明の加熱定着部材4はベルト部材であることが好ましく、ベルト部材の表面平滑性を用いることで写真画像のような高光沢プリントが可能になる。
更に、清掃ユニット5は、清掃部材6と対向配置される押圧部材7を備えることが好ましく、押圧部材7によって記録材1上の付着物を確実に清掃することができるようになる。このとき、押圧部材7は例えば駆動ロールであってもよいし、駆動機能を持たない板状であってもよく、この場合、清掃部材6が記録材1を駆動する機能を有していてもよい。尚、押圧部材7もポリジメチルシロキサンを含まないものであることが好ましい。
【0017】
そして、清掃部材6の弾性層6aとしては、少なくとも記録材1と接する部位の表面粗さがRaで15μm以下であることが好ましく、表面粗さがこれより粗いと、記録材1と接したときに記録材1上の付着物との接触が妨げられ、付着物を弾性層6a側に吸着し難くなる。また、弾性層6aとしてはブチルゴムを主成分とするゴム層とすることが、記録材1の付着物の除去効果並びに除去効果の維持性の観点から好ましい。
【0018】
また、加熱定着部材4をベルト部材とする態様において、ベルト部材表面は、フッ素粒子が分散されたフルオロカーボンシロキサンを主成分とするゴム層で構成されることが好ましく、これによれば、長期に亘ってベルト部材表面の安定した平滑性を保つことができるようになり、写真画像のような高光沢な画像出力が実現できるようになる。
【0019】
更に、本発明による清掃ユニット5は、清掃部材6による記録材1の清掃部位より下流側にて当該清掃部材6に対向して配置され且つ清掃部材6を清掃する補助清掃部材を備えることが好ましく、これによれば、清掃部材6を清掃することで、清掃部材6の清掃能力(記録材1上の付着物の除去能力)を長期に亘って維持することができるようになる。また、補助清掃部材は、所定の粘着力を有する粘着剤が塗布されたシート部材とすることが好ましく、これによれば、清掃部材6を清掃することが容易になり、清掃部材6の清掃能力を維持できるようになる。尚、シート部材は、清掃部材6に対し押圧される方向になっていればよく、接触ニップ域を広くするような態様や裏面から押圧する態様等がある。そして、シート部材としては巻き取り方式であれば常時新鮮面による清掃効果が保たれるようになる。また、所定の粘着力とは、粘着力が小さければ清掃部材6の弾性層6aの清掃能力が不足し、一方、粘着力が大き過ぎると清掃部材6の弾性層6aにシート部材自体が貼り付き易くなり、清掃能力が却って低下するようになる。
更にまた、補助清掃部材は、清掃部位でのシート部材の裏面側にシート部材を清掃部材6に押圧する補助押圧部材を備えることが好ましく、この場合、清掃部材6をシート部材で確実に清掃できるようになる。
【0020】
また、本発明においては、高光沢のプリントを行う観点から、記録材1は少なくともトナー像担持面側の表面に熱可塑性樹脂層を備えていることが好ましい。
更に、定着ユニット3の上流側の記録材搬送経路に設けられる記録材搬送部材はポリジメチルシロキサンを含まないもので構成されることが好ましく、上流側の記録材搬送部材にポリジメチルシロキサンを含まないようにすることで、定着ユニット3の加熱定着部材4での異物堆積を防ぐことができ、光沢の低下を抑制することが効果的になる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、未定着トナー像を記録材上に形成する作像エンジンと、未定着トナー像に接する加熱定着部材を有する定着ユニットと、未定着トナー像が形成される前に記録材表面の付着物を除去する清掃ユニットとを備え、加熱定着部材表面はフルオロカーボンシロキサンを主成分とするゴム層で構成し、清掃ユニットの清掃部材にはポリジメチルシロキサンのようなシロキサン結合を含まず且つ硬度40度以下の弾性層を具備させるようにしたので、長期に亘って画像欠陥のない高光沢画像が得られる画像形成装置を提供することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
◎実施の形態1
図2は、本発明が適用されたカラー画像形成装置の実施の形態1を示す。同図において、本実施の形態の画像形成装置は、例えば電子写真方式を採用したものであって、イエロー(Y色)、マゼンタ(M色)、シアン(C色)及びブラック(K色)の4色トナー像を形成する作像エンジン20と、作像エンジン20に記録材としての用紙を供給する多段の給紙カセット11〜14を引き出し可能に収容し、作像エンジン20の用紙搬送方向下流側に定着器50を配設したものとなっている。
【0023】
本実施の形態の作像エンジン20は、所謂4サイクル方式であり、感光体21上に形成された各色トナー像を中間転写ベルト30上へ多重転写するようになっている。
感光体21の周囲には、感光体21を帯電する帯電ロール等の帯電器22、感光体21上に潜像を形成するレーザスキャナ等の露光器23、感光体21上の潜像を顕像化する現像器24、感光体21上の各色トナー像を中間転写ベルト30上に一次転写する例えば一次転写ロールからなる一次転写器25、感光体21上に残留した残留トナーを清掃する感光体クリーナー26が配設されている。
【0024】
また、中間転写ベルト30は、複数の張架ロールに張架され、例えば張架ロール31を駆動ロール、張架ロール32をテンションロールとして循環搬送するものであり、例えば二次転写ロールからなる二次転写器34が張架ロール33をバックアップロールとして対向配置されている。更に、この中間転写ベルト30の張架ロール31と対向する位置には、中間転写ベルト30上の残留トナーを清掃するベルトクリーナー35が設けられている。
更に、作像エンジン20の上方には、現像器24に各色トナーを補給する4色のトナーボックス36が設けられ、図示外の搬送路を介して現像器24内の夫々の色に対応した位置にトナーを供給するようになっている。
【0025】
本実施の形態における用紙搬送系は、次のようになっている。夫々の給紙カセットから送り出された用紙は、用紙搬送経路15に搬送され、二次転写器34に入る前に用紙の位置決め規制を行うレジストロール16、二次転写器34によって未定着トナー像が転写された用紙を搬送する搬送ベルト17、未定着トナー像を定着する定着器50、定着後の用紙を排出トレイ19へ送り出す排出ロール18等が設けられている。そして、本実施の形態では、給紙カセット11〜14の他に用紙を手差し供給可能な手差しトレイ29が設けられ、用紙搬送経路15への用紙供給を可能にしている。
【0026】
特に、本実施の形態では、用紙搬送経路15の一部で給紙カセット14の近傍には、用紙の表面に付着した異物を除去する清掃器40が設けられている。清掃器40は、図3に示すように、清掃部材としての弾性ロール41と駆動ロール42とが対向配置され、両者のニップ域を用紙が通過することで、弾性ロール41表面に用紙上の異物を吸着することで異物除去がなされるようになっている。
弾性ロール41は、芯金41a上にシロキサン結合を含まない弾性層41bを被覆したものであり、弾性層41bとしてはブチルゴムやEPDMゴムが使用されることが好ましい。また、このとき、弾性層41b表面の表面粗さRaを15μm以下とするようにすれば、用紙の付着物を一層有効に吸着されるようになる。
一方、駆動ロール42は、図示外の駆動手段によって回転駆動されるもので、用紙の搬送速度を一定にし、所定の搬送力を備える必要から、更には、画像形成装置内で発生するオゾン等による変質を少なくするため、芯金42a上に摩擦維持性(耐摩耗性)の優れる、例えば硬度60度程度のウレタンゴムやEPDMゴムからなるゴム層42bを使用することが好ましい。尚、弾性ロール41としては例えばベルト状部材であっても差し支えないし、また、例えば弾性ロール41を図示外の駆動手段で駆動し、駆動ロール42を固定部材にすることも可能である。更に、弾性ロール41と駆動ロール42とで用紙搬送ロールを兼用するようにしても差し支えない。
【0027】
また、本実施の形態の定着器50は図4のように構成されている。同図において、定着器50は、ハロゲンランプ等の加熱源52を内部に有する定着ロール51と、この定着ロール51に対向して配置され且つ内部に加熱源54を有する加圧ロール53と、定着ロール51と加圧ロール53との間に挟持搬送され、定着ロール51と複数のロール部材(剥離ロール56、ステアリングロール57)に張架されて循環する定着ベルト55と、定着ロール51の下流側で定着ベルト55裏面に接して定着ベルト55を冷却する冷却器58とを備えたものとなっている。尚、図中符号59は用紙を定着器50に搬送するための搬送ガイドである。
【0028】
定着ロール51は、熱伝導性の高いアルミニウムやステンレス等の金属製コア51aの周囲に厚さ10〜200μm程度のPFAチューブ等からなる離型層(図示せず)が形成された構成となっており、コア51aの内部に加熱源52が設けられ、この加熱源52は定着ロール51表面が所定の温度になるように加熱制御されている。
一方、加圧ロール53は、熱伝導性の高いアルミニウムやステンレス等の金属製のコア53aの周囲にゴム硬度(JIS−A硬度)30〜70度程度のシリコーンゴム等の弾性層53bが1〜3mm程度に均一に被覆されており、弾性層53bの表面には定着ロール51の離型層と同様の離型層(図示せず)が形成されている。また、本実施の形態では、この加圧ロール53のコア53aの内部にも加熱源54が設けられ、加圧ロール53の表面が定着ロール51の表面と同程度か0〜30℃程度低い所定の温度になるように加熱制御されている。
そのため、定着器50に搬送された用紙は、定着ロール51と加圧ロール53との定着ニップにて、トナー像面が定着ベルト55に接した状態で十分な加熱、加圧がなされるようになる。尚、加圧ロール53は、図示外の支持フレームに支持され、用紙が定着ニップを通過する際、定着ロール51と加圧ロール53との間に所定の荷重を印加するための加圧機構が設けられており、用紙の有無に合わせて加圧ロール53がリトラクトするようになっている。
【0029】
そして、定着ベルト55は、図5に示すように、耐熱性を有する基材層55aの上にフルオロカーボンシロキサンを主成分とするゴム層55bを備えた構造となっている。
基材層55aとしては、耐熱性、機械的強度及び熱特性(熱伝導性や膨張係数等)などの観点から、PET、PBT、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリベンズイミダゾール、サーモトロピック液晶ポリマー等の耐熱性樹脂シートや、ニッケル、アルミニウム、ステンレス等の金属シートを用いることが可能であるが、熱特性を考慮するとポリイミド、ポリベンズイミダゾールからなる耐熱性樹脂シートが好ましい。また、基材層55aとしては、帯電特性を考慮して、上述の耐熱性樹脂に導電性粉体やカーボンブラック等を添加して体積抵抗率を調整するようにしてもよく、その形成方法についても公知の方法であれば特に制限されるものではない。
【0030】
更に、基材層55aの厚みは、定着ベルト55としての機械的強度、熱容量、熱伝導性等の観点から20〜200μmの範囲であることが望ましい。厚みが20μm未満であれば、機械的強度が不足して、定着ベルト55としての取扱性が悪くなり、また、厚みが200μmを超えるようになると定着ベルト55自体の熱容量が大きくなり過ぎ、ウォームアップ時間を長くしなければならなくなったり、それによる消費電力の増大も生じるようになる。
【0031】
また、ゴム層55bとしては、フルオロカーボンシロキサンを主成分とするものであればよく、これにより、フルオロカーボンシロキサンの表面不活性効果によりベルト表面への堆積物の付着を防ぐと共に、機械的強度も良好のため使用時の不要な傷の発生が抑制され、傷等への堆積物の付着を防ぐことも可能になる。更に、例えばフッ素粒子が分散されたフルオロカーボンシロキサンを主成分とするものとすることで、長期に亘って一層安定したベルト表面が維持されるようになる。更に、ゴム層55bの厚みとしては、ゴム層55bとしての機械的強度、熱容量、熱伝導性の機能の観点からすれば10〜200μmの範囲であることが好ましく、厚みが10μm未満の場合にはゴム弾性としての機能が発揮されないばかりか、定着ニップ域における弾性変形や応力による歪によってゴム弾性が失われたり、破損が生じたりするようになる。一方、200μmを超えるとゴム層55b自体の熱容量が大きくなり過ぎ、ウォームアップ時間を長くしなければならなくなったり、それによる消費電力が増大するようにもなる。
【0032】
また、図4に示す定着器50での剥離ロール56は、定着ベルト55の移動に従動して回転し、この剥離ロール56が定着ベルト55を巻き付けながら張架することで、定着ベルト55の移動方向を急激に変化させるようになり、定着ベルト55上の用紙は剥離ロール56の位置で用紙自体の剛性によって自然に定着ベルト55から剥離されるようになる。また、ステアリングロール57は、定着ベルト55自体を常時緊張させるようにしたものであり、定着ベルト55を外方に押圧することで緊張を維持させ、定着ベルト55が循環移動したときに生じる偏りを修正するために設けられている。
【0033】
更に、本実施の形態での冷却器58は、定着ロール51と剥離ロール56との間で、定着ベルト55裏面に接して設けられ、定着ベルト55の熱を吸熱することで定着ベルト55を冷却するようになっている。そのため、定着ベルト55に密着搬送される用紙の冷却が行われるようになる。本実施の形態での冷却器58は、定着ベルト55に沿った面から略直交する方向に延びた多数の放熱フィンが設けられたフィン部材58aと、これを覆うように設けられたカバー58bとで筒状に構成されたものであり、図示外の送風ブロアによって内部に空気を流すことでフィン部材58aの熱を強制的に放熱させるようにしたものである。
【0034】
更にまた、本実施の形態では図2に示す給紙カセット11〜14の内、給紙カセット14に写真画像をプリントするための高光沢専用用紙が収納されている。この専用用紙は、図6に示すように、セルロースで構成される基材L1の表面にはトナー像を埋め込むことができるように、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂層L2が10μm程度の厚さで設けられている。そのため、トナー像がない余白部(非画像部)でも高光沢な表面が得られると共に、画像部ではトナー像面と非画像面とが略同一の高さとなり、写真プリントのような高光沢画像が得られるようになる。
尚、基材L1上に熱可塑性樹脂層L2を持たない一般の普通紙を用いても、本実施の定着器50で定着することで、トナー像部分の光沢を向上させることは可能である。
【0035】
次に、本実施の形態における画像形成装置の作動について、特に、清掃器40及び定着器50での作動を中心に説明する。
図3に示す清掃器40では、用紙(本例では専用用紙)が弾性ロール41によって押圧され、用紙上の付着物は良好に除去されるようになる。このとき、仮に、用紙の付着物が除去されない場合には、図7に示すように、二次転写時にトナー像の欠落が生じ、画像の白点を生じるようになる。
図7は、二次転写時における中間転写ベルト30上のトナー像が用紙上に転写される様子を段階的に示したものであり、用紙に付着物があり、二次転写時に用紙の付着物上にトナー像が位置する場合、二次転写器34とバックアップロール33とのニップ域でトナー像と付着物とが一緒に押圧され、用紙が中間転写ベルト30から剥離されたときには、この一緒に押圧された部位では付着物がトナーと共に中間転写ベルト30側へ移行するようになる。その結果、用紙上ではその部位のトナー付着がなされず白点に至るようになる。
本実施の形態では、清掃器40によって用紙上の付着物を二次転写前に除去しているため、二次転写時にトナー像の白点が発生することを防いでいる。
【0036】
また、定着器50では、図4に示すように、未定着トナー像が担持された用紙は定着器50の定着ニップ域で十分な加熱及び加圧が行われ、用紙の熱可塑性樹脂層中にトナー像が埋め込まれるようになる。そして、トナー像が埋め込まれた状態で定着ベルト55に貼り付いたまま冷却器58の冷却作用により用紙ごと冷却される。そして、少なくともその後の搬送等で画像劣化を生じない程度に冷却された用紙は、剥離ロール56の作用によって定着ベルト55から剥離されるようになる。更に、このとき、定着ベルト55の表面平滑性が写し取られ、トナー像表面も平滑になり、良好な高光沢に仕上がるようになる。
特に、定着ベルト55表面にフルオロカーボンシロキサンを主成分とするゴム層55bを用いたので、トナーの残留付着も大幅に低減されるようになり、長期に亘って安定した高光沢画像を作製することができるようになる。また、上流側で清掃器40を有し、更にはシロキサン結合を持たないことから、例えばシロキサンが定着ベルト55に堆積して画像欠陥を生じることもない。
【0037】
以上のように、本実施の形態では、清掃器40によって用紙上の付着物を除去し、定着ベルトを特殊なものとしたので、長期に亘って、用紙上の付着物が有効に除去され、用紙へのトナー像転写時や、定着時での画像欠陥の発生を抑えることができるようになる。
【0038】
本実施の形態では、清掃器40を給紙カセット14の近傍に設置したが、例えばレジストロール16の上流側近傍に備えるようにしてもよい。ただし、この場合、普通紙表面も清掃するようになり、清掃器40の能力が不足するようにならないように配慮することが必要である。そのため、例えば普通紙と専用用紙とを異なる用紙搬送経路からレジストロール16に導くように構成してもよい。
【0039】
また、本実施の形態では、所謂4サイクル型の画像形成装置を示したが、例えば各色毎の作像ユニットを中間転写ベルトに対向して並列配置させた、所謂タンデム方式においても同様の定着器を備えるようにすれば、写真画像のような高光沢画像が得られるようになる。
【0040】
更に、本実施の形態では、清掃器40として図3に示す態様を示したが、図8に示すように、弾性ロール41表面に吸着された付着物を補助清掃部材としての粘着テープ(粘着剤が塗布されたシート部材)で清掃除去するようにしてもよく、これによれば、弾性ロール41の清掃性能(付着物除去性能)を長期に亘って維持することが可能になる。
同図において、粘着テープ43を巻きだし部材44と巻き取り部材45との間で巻き取り自在に設けると共に、弾性ロール41に対向する位置の粘着テープ43の裏面側(粘着剤が塗布されていない面)に補助押圧部材46を設け、この補助押圧部材46を弾性ロール41側に押圧することで、粘着テープ43の粘着剤層を弾性ロール41に圧接することで、弾性ロール41表面を清掃するようになっている。尚、本例では、巻きだし部材44、巻き取り部材45、補助押圧部材46は一体的に配置されており、そのため、全体として補助押圧部材46が弾性ロール41に対しリトラクトするようになっており、リトラクト動作を適宜行うことで、適切な清掃効果を維持している。
【0041】
このような粘着テープ43を用いる方式では、粘着テープ43の粘着力は選択することが重要で、粘着力が小さすぎると弾性ロール41表面の付着物を除去する能力が不足し、一方、粘着力が大きすぎると弾性ロール41自体と粘着テープ43との粘着力が大きくなりすぎ、弾性ロール41の動作に支障を及ぼすようにもなり、清掃能力は却って低下するようになる。
また、このような粘着テープ43を補助押圧部材46を設けずに直接弾性ロール41側に巻き付けるようにしても差し支えない。
【0042】
◎実施の形態2
図9は、本発明が適用された画像形成装置の実施の形態2を示すものである。本実施の形態は、実施の形態1と略同様に構成されるが、定着器50を装置本体10内ではなく、装置本体10に装着自在なオプションユニット60側に配置した構成となっている。そのため、装置本体10側にも用紙の搬送経路中に通常の加熱加圧方式の定着部70が実装されている。尚、実施の形態1と同様の構成要素には同様の符号を付し、ここではその詳細な説明は省略する。
【0043】
本実施の形態における定着部70は、通常の構成であり、加熱ロール71と加圧ロール72とのニップによって定着が行われるようになっている。尚、本実施の形態では、加熱ロール71及び加圧ロール72共に内部にハロゲンランプ等の加熱源を備えている。
そのため、この定着部70によって用紙上の未定着トナー像は一旦定着が施されるようになる。
【0044】
また、オプションユニット60には、装置本体10側の排出ロール18の近傍に、切替部材61が設けられ、定着部70にて定着された用紙をそのままオプションユニット60の上部に設けられた第1排出トレイ63に向かう方向と、定着部70から更にオプションユニット60の定着器50を経て第2排出トレイ66へ向かう方向とに切り替えるようになっている。
尚、図中、符号62,65は夫々第1排出トレイ63及び第2排出トレイ66へ導く排出ロールであり、符号64は定着器50へ導く搬送ロールである。
【0045】
本実施の形態では、切替部材61を適宜切り替えることで用紙の排出経路を切り替えることができ、例えば普通紙上に通常の文字ものをプリントする場合には、装置本体10側の定着部70で定着を行った後、そのまま第1排出トレイ63側へ排出するようにすれば、画像表面の光沢が抑えられ、視認性の優れた画像表面を得ることができるようになる。
一方、写真画像を専用用紙にプリントする場合には、給紙カセット14からの用紙にトナー像を転写した後、一旦定着部70による定着を行い、切替部材61によって定着器50側へ搬送するようにすればよい。このことで、定着器50によって一旦溶融固化したトナー像が再溶融を行い、定着ベルト55の平滑性によって写真プリントのような高光沢画像を得ることができるようになる。
【0046】
本実施の形態では、このように2種の定着部位(定着部70と定着器50)を設けることで、低光沢なプリントと高光沢なプリントとを選択的に得ることができるようになる。
また、特に本実施の形態においては、定着部70においても加熱ロール71及び加圧ロール72表面はポリジメチルシロキサンのようなシロキサン結合を含まないことは云うまでもない。
そのため、本実施の形態においても、清掃器40や定着器50は実施の形態1と同様に構成されていることから、長期的に安定した高光沢画像が得られるようになる。
【実施例】
【0047】
◎実施例1
本実施例は、実施の形態2の画像形成装置の構成にて、用紙上の付着物を除去するための弾性ロールの材質や硬度を変えたときの紙粉除去性能や画像の光沢性能について評価テストを行ったものである。
【0048】
清掃器並びに使用した用紙(専用用紙)の条件は次の通り。
・弾性ロール/駆動ロールの幅:320mm(ゴム有効長)
・弾性ロール/駆動ロールの外径:25mm
・弾性ロール材料:EPDM、ブチルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴムの4種で硬度を変えたもの
・弾性ロールの表面粗さ:Raが5〜10μm
・駆動ロール材料:EPDMでHs60度
・弾性ロール/駆動ロール間の加圧力:20N/320mm
・通紙速度:200mm/s
・用紙基材厚さ:150μm
・用紙の表面樹脂及び厚さ:ポリエステル樹脂で10μm厚
・用紙サイズ:A4判
【0049】
また、定着器の条件は次の通り。
・定着ベルトの基材/厚さ:ポリイミド樹脂/80μm
・定着ベルト幅:320mm
・定着ロール/加圧ロールの外径及び幅:φ50mm/330mm
・加圧荷重:1800N
・定着ロール設定温度:150℃
・加圧ロール設定温度:120℃
・定着速度:60mm/s
【0050】
評価は、次の項目に依った。
(1)紙粉除去性
全面グレー(Y色、M色、C色各50%)の画像を出力し、装置本体の定着部でのみ定着を行い、定着後の画像上に発生した白点数の平均値を比較した。
更に、紙粉除去の維持性を確認するため、同様の画像を1kPV(Print Volume)出力したときの白点数の平均値を比較した。
このとき、A4サイズで、白点が2.0個以内であれば○印、2個を超え3個以下であれば△印、3個を超える場合には×印とした。
(2)光沢維持性
清掃器40を用いた用紙上に通常の未定着カラー画像を転写して、定着器(定着ベルト使用)でも定着を繰り返すときに、先ず初期にて全面黒(Y色、M色、C色各80%)の画像を出力(定着器も使用)し、更に通常のカラー画像を5000枚(5kpv)プリントした後に、再度全面黒(Y色、M色、C色各80%)の画像をプリントし、これらの初期と5kpv後の全面黒の光沢度変化を評価した。
このとき、光沢度としては、JIS Z8741に基づいてグロス測定器GB−4512(BYK−Gardner社製)を用いて、入射角と反射角を20°としたときに得られる数値とした。
そして、測定数値から、光沢度の変化が20%以上あれば光沢むらとして視認されることから、光沢度変化が20%未満の場合は○印、20%以上であれば×印とした。
【0051】
結果は、図10に示すようになった。清掃器の弾性ロールによる紙粉除去性能は、ゴム材質及びゴム硬度に左右されることが分かる。すなわち、ブチルゴムのHs20〜40、EPDMのHs20,30、シリコーンゴムのHs20,30で良好であることが確認された。一方、光沢維持性に対しては、シリコーンゴム以外は良好であることが確認された。このことから、紙粉除去性能及び光沢維持性能に対して良好なものは、ブチルゴムのHs20〜40、EPDMのHs20,30であった。
このことから、用紙の付着物の清掃能力は、ゴム材質とゴム硬度に大きく依存する一方、光沢維持能力はシロキサン結合がなければよいことが確認され、本件の有効性が理解された。
尚、ゴム硬度は、低い方が紙粉除去性能が大きいように想定されるが、これらのゴムでは、夫々材料自体で実現できる硬度が決まるため、紙粉除去紙性能及び光沢維持性能に足して良好なものは、ブチルゴムのHs40以下、EPDMのHs30以下の範囲になる。
【0052】
ここで、参考のために、ブチルゴム、EPDM、ウレタンゴム、シリコーンゴムの構造式を図11に示す。尚、図中、m,nは1以上の整数を表す。
【0053】
また、図12は紙粉除去性について具体的な白点数評価結果であり、図13は光沢維持性の具体的な光沢度測定結果を示したものである。これらのことからも、ブチルゴムとEPDMの優位さが確認された。
【0054】
◎実施例2
実施例1の結果を得て、ブチルゴムの硬度30度のものと、EPDMの硬度20度のものについて、弾性ロールとしての表面粗さと白点数の関係について実施例1の紙粉除去性と同様の評価を行った。
結果は、図14に示すように、表面粗さがRa15μmを超えるといずれも白点の発生数が急激に増加することが分かった。このことから、Raが15μm以下であれば良好な紙粉除去性能が確保されることが判明した。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明に係る画像形成装置の概要を示す説明図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置の実施の形態1の概要を示す説明図である。
【図3】実施の形態1の清掃器の概要を示す説明図である。
【図4】実施の形態1の定着器の概要を示す説明図である。
【図5】定着器の定着ベルトの構造を示す断面図である。
【図6】高光沢プリントに用いられる用紙の構造を示す断面図である。
【図7】白点発生のメカニズムを示す説明図である。
【図8】清掃器の変形例を示す説明図である。
【図9】本発明に係る画像形成装置の実施の形態2の概要を示す説明図である。
【図10】実施例1の結果を示す表である。
【図11】実施例1で用いられるゴム材料の構造式である。
【図12】実施例1で得られた白点数の結果を示すグラフである。
【図13】実施例1で得られた光沢度の結果を示すグラフである。
【図14】実施例2の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
【0056】
1…記録材,2…作像エンジン,3…定着ユニット,4…加熱定着部材,5…清掃ユニット,6…清掃部材,6a…弾性層,7…押圧部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
未定着トナー像を記録材上に形成する作像エンジンと、
未定着トナー像担持面に接する加熱定着部材を有し、作像エンジンの下流側にて記録材上の未定着トナー像を加熱及び加圧によって定着する定着ユニットと、
作像エンジンの上流側にて記録材表面の付着物を除去する清掃ユニットとを備え、
定着ユニットは、加熱定着部材表面にフルオロカーボンシロキサンを主成分とするゴム層を有し、
清掃ユニットは、記録材の少なくともトナー像担持面の付着物を清掃する清掃部材を有し、この清掃部材には少なくとも表面にポリジメチルシロキサンを含まず且つJIS−A硬度で40度以下の弾性層を具備することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置において、
加熱定着部材はベルト部材であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1記載の画像形成装置において、
清掃ユニットは、清掃部材と対向配置される押圧部材を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1記載の画像形成装置において、
弾性層は、少なくとも記録材と接する部位の表面粗さがRaで15μm以下であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1記載の画像形成装置において、
弾性層は、ブチルゴムを主成分とするゴム層であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項2記載の画像形成装置において、
ベルト部材表面は、フッ素粒子が分散されたフルオロカーボンシロキサンを主成分とするゴム層で構成されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1記載の画像形成装置において、
清掃ユニットは、清掃部材による記録材の清掃部位より下流側にて当該清掃部材に対向して配置され且つ清掃部材を清掃する補助清掃部材を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項7記載の画像形成装置において、
補助清掃部材は、所定の粘着力を有する粘着剤が塗布されたシート部材であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項8記載の画像形成装置において、
補助清掃部材は、清掃部位でのシート部材の裏面側にシート部材を清掃部材に押圧する補助押圧部材を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項1記載の画像形成装置において、
記録材は、少なくともトナー像担持面側の表面に熱可塑性樹脂層を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項1記載の画像形成装置において、
定着ユニットの上流側の記録材搬送経路に設けられる記録材搬送部材はシロキサン結合を含まないもので構成されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
未定着トナー像を記録材上に形成する作像エンジンと、
未定着トナー像担持面に接する加熱定着部材を有し、作像エンジンの下流側にて記録材上の未定着トナー像を加熱及び加圧によって定着する定着ユニットと、
作像エンジンの上流側にて記録材表面の付着物を除去する清掃ユニットとを備え、
定着ユニットは、加熱定着部材表面にフルオロカーボンシロキサンを主成分とするゴム層を有し、
清掃ユニットは、記録材の少なくともトナー像担持面の付着物を清掃する清掃部材を有し、この清掃部材には少なくとも表面にポリジメチルシロキサンを含まず且つJIS−A硬度で40度以下の弾性層を具備することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置において、
加熱定着部材はベルト部材であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1記載の画像形成装置において、
清掃ユニットは、清掃部材と対向配置される押圧部材を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1記載の画像形成装置において、
弾性層は、少なくとも記録材と接する部位の表面粗さがRaで15μm以下であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1記載の画像形成装置において、
弾性層は、ブチルゴムを主成分とするゴム層であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項2記載の画像形成装置において、
ベルト部材表面は、フッ素粒子が分散されたフルオロカーボンシロキサンを主成分とするゴム層で構成されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1記載の画像形成装置において、
清掃ユニットは、清掃部材による記録材の清掃部位より下流側にて当該清掃部材に対向して配置され且つ清掃部材を清掃する補助清掃部材を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項7記載の画像形成装置において、
補助清掃部材は、所定の粘着力を有する粘着剤が塗布されたシート部材であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項8記載の画像形成装置において、
補助清掃部材は、清掃部位でのシート部材の裏面側にシート部材を清掃部材に押圧する補助押圧部材を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項1記載の画像形成装置において、
記録材は、少なくともトナー像担持面側の表面に熱可塑性樹脂層を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項1記載の画像形成装置において、
定着ユニットの上流側の記録材搬送経路に設けられる記録材搬送部材はシロキサン結合を含まないもので構成されることを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−161433(P2007−161433A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−360988(P2005−360988)
【出願日】平成17年12月14日(2005.12.14)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月14日(2005.12.14)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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