説明

画像形成装置

【課題】長期間削除されない画像ファイルの削除を、前記画像ファイルを保存した使用者に促す警告を出し、且つ、警告無視の使用者による画像ファイルの保存を制限する画像形成装置を提供すること。
【解決手段】画像ファイルと使用者名とを保存する電子ファイルを備える画像形成装置であって、前記画像ファイルが電子ファイルに保存されている保存時間を計時する計時手段と、計時値が設定値に到達する毎に、前記画像ファイルの保存を指示した使用者名を登録する第1の記憶手段と、登録回数を使用者名毎に記憶する第2の記憶手段と、前記登録回数が設定値に到達した使用者名を記憶する第3の記憶手段と、前記第3の記憶手段に記憶されている使用者が新たな画像ファイルを保存する指示操作を行った時に、警告メッセージを表示手段に出力する警告手段とを有することを特徴とする画像形成装置の提供。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像情報を記憶する電子ファイルを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータをはじめとする情報処理装置から送られた画像情報、又は原稿読み取り手段で読み取った画像情報を画像ファイルとして一時的に記憶する電子ファイルを備えた画像形成装置が一般に使用されている。
【0003】
この様な画像形成装置は、複数の使用者によって共同使用されることが多いことから、画像品質の維持管理と共に、電子ファイルの使用状態も管理される必要がある。この電子ファイルの管理の中で最も重要なものの一つに、不要な画像ファイルの削除処理があり、その管理の目的は、不要な画像ファイルが長期にわたり保存され、これらが蓄積されることにより、新たな画像ファイルを保存するメモリ領域が狭められてしまうという弊害を防止することにある。
【0004】
このような管理が必要とされながらも、一般的には、保存されている画像ファイルが、ある時点で不要なものであるか否かは、その画像ファイルを保存した使用者でなければ判らないことが多いことから、画像形成装置の管理者といえども保存されている画像ファイルを勝手に削除できないこともある。
【0005】
このような状況に対応するために、保存したファイルの保存期間をあらかじめ設定して、保存期間を過ぎたものは自動的消去するようにしたり、あるいは保存したファイルの使用頻度により保存期間を調節する提案がある(例えば、特許文献1参照。)。また、新たに保存しようとするファイルのサイズが、電子ファイルに残されている使用可能領域のサイズよりも大きい場合には、既に保存されているファイルに圧縮処理を施して、使用可能領域を広げるという提案もある(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
しかしながら、上述したように、保存されている画像ファイルが、ある時点で不要なものであるか否かは、基本的には、その画像ファイルを保存した使用者でなければ判らないことが多く、且つ、その画像ファイルを保存した使用者は画像ファイルの削除を忘れやすいという問題は、例に挙げたような提案では十分に解決されないことが多い。
【特許文献1】特開平8−214021号公報
【特許文献2】特開平8−335951号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述したような状況に鑑みてなされたもので、その目的は、長期間削除されない画像ファイルの削除を、前記画像ファイルを保存した使用者に促す警告を出し、且つ、警告無視の使用者による画像ファイルの保存を制限する画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は、以下の発明を実現することにより達成される。
1.使用者の指示操作によって、画像ファイルと使用者名とを保存する電子ファイルを備える画像形成装置であって、
前記画像ファイルが電子ファイルに保存されている保存時間を計時する計時手段と、
前記計時手段による計時値が予め設定する設定値に到達する毎に、前記画像ファイルの保存を指示した使用者名を登録する第1の記憶手段と、
前記第1の記憶手段に登録された登録回数を使用者名毎に記憶する第2の記憶手段と、
前記登録回数が予め設定する設定値に到達した使用者名を記憶する第3の記憶手段と、
前記第3の記憶手段に記憶されている使用者が新たな画像ファイルを保存する指示操作を行った時に、警告メッセージを表示手段に出力する警告手段と
を有することを特徴とする画像形成装置。
2.前記第3の記憶手段に記憶された使用者による新たな画像ファイル保存の指示操作が行われた場合、前記警告メッセージを、新たな画像ファイル保存は既に保存されている画像ファイルが消去された後に受け付けられるものであるとするか、または、前記画像ファイルが消去されなくても受け付けられるものとするか、を選択する選択手段を有することを特徴とする1項に記載の画像形成装置。
3.前記警告メッセージの出力後に、前記第3の記憶手段に記憶された使用者が新たな画像ファイルを保存したときに、前記第3の記憶手段に記憶された使用者名を記憶する第4の記憶手段と、
画像ファイルを保存しようとする使用者が、前記第4の記憶手段に記憶されている使用者であると判定されたときに、前記使用者の指示操作を受け付けないようにする受付禁止手段を有することを特徴とする1項に記載の画像形成装置。
4.前記第4の記憶手段に記憶された使用者名を、表示手段に出力する、又は指定されている情報処理装置に送る管理情報出力手段を有することを特徴とする3項に記載の画像形成装置。
5.管理者の指示操作により、前記第2の記憶手段に記憶されている使用者名と登録回数、又は前記第4の記憶手段に記憶されている使用者名を消去する登録解除手段を有することを特徴とする1〜4項のいずれか1項に記載の画像形成装置。
6.前記計時手段による計時値が予め設定する設定値に到達した画像ファイルが消去されたときに、前記第2の記憶手段に記憶されている使用者の登録回数から、消去した画像ファイルが予め設定する設定値を超えた回数を減じ、登録回数がゼロとなったときに、前記第2の記憶手段から前記使用者名を削除する登録使用者名削除手段を有することを特徴とする1〜5項のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、電子ファイルに保存された不要な画像ファイルの消去を促す警告が、該画像ファイルを保存した使用者に出されることにより、使用者の消去忘れが防止され、また、警告を無視する使用者の画像ファイルの保存が禁止されることから、特定の使用者により引き起こされる電子ファイルの使用領域の減少が防止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の実施の形態を、以下、図面に基づいて説明する。
【0011】
図1は、画像形成システムの構成例を示す概念図である。
【0012】
図1の画像形成システムは、電子写真技術による画像形成装置10、自動原稿送り装置20、第1後処理装置30、第2後処理装置40、給紙装置50から構成される。
【0013】
自動原稿送り装置20は、原稿載置台21から原稿を、1枚ずつプラテンローラ27の下部の原稿読み取り位置に搬送して、画像形成装置10の原稿読み取り手段19により画像読み取りがなされた原稿を原稿排紙台23に排紙する。
【0014】
画像形成装置10においては、前記原稿読み取り手段19にて読み取った画像情報を、制御手段CのメモリMに記憶する。また、使用者が操作表示手段100から入力する指示情報により、前記読み取られた画像情報から画像ファイルを生成して電子ファイルである磁気ディスク200に保存することができる。なお、通信手段T1により接続される情報処理装置から送られる画像情報にも、前記原稿読み取り手段19にて読み取った画像情報と同様な処理がなされる。
【0015】
前記メモリM又は磁気ディスク200に記憶された画像情報は読み出されて、画像書き込み手段17のレーザビームによる感光体11の表面への走査露光によって、感光体11上に潜像が形成される。
【0016】
画像形成手段12は、感光体11に対し、帯電、露光、現像を行い、感光体11上の潜像からトナー画像を形成する。前記トナー画像は、用紙収納トレイ13、あるいは給紙装置50から給送されてきた用紙Pに転写される。
【0017】
トナー画像を担持した用紙Pは定着器15によりトナー画像の定着が行われ、片面出力の場合には、第1後処理装置30に送られ、両面出力の場合には、反転給紙部14にて反転された後、再度、画像形成部12に給送され、裏面への画像形成に供される。
【0018】
第1後処理装置30は、画像形成装置10から給送された、定着処理済みの用紙Pにファイリング用の穴開けを行った後に、Z折りをする機能を有するもので、その機能を使用するか否かはユーザにより適宜に選択される。
【0019】
第2後処理装置40は、第1後処理装置から送られた用紙Pを複数枚蓄積し、整頓してステイプラにて1部ずつ綴じるステイプル機能を有するもので、その機能を使用しない場合には、用紙Pは排紙皿60に排紙され、機能を使用した場合には排紙台61に綴じられた用紙Pが順次積載される。
【0020】
給紙装置50は、多量の用紙Pを収容し、画像形成装置に用紙Pを1枚ずつ供給する公知の大容量給紙装置である。
【0021】
図2は、画像形成装置10の制御関係を示すブロック図である。
【0022】
制御手段CはCPU、メモリMを始め、図に記されてはいないが演算ユニット、I/Oポート、通信用インターフェイス、駆動回路等を有するコンピュータシステムであり、図示の各手段、又は装置とは対応するI/Oポート、通信用インターフェイス、駆動回路にて接続されている。
【0023】
制御手段Cによる制御は、メモリMに格納されている所定のプログラムが実行されることによりなされる。
【0024】
前記制御手段Cは、通信手段T1を介してパーソナルコンピュータ等の複数の情報処理装置との情報交換を行うことができる。
【0025】
また、前記制御手段Cには、大容量記憶手段である磁気ディスク200が接続されている。この磁気ディスク200は、複数の画像ファイルを保存する電子ファイルとして使用される。
【0026】
なお、本図では、本実施の形態の説明に直接関係しないブロックの記載が省略されている。
【0027】
上述したように、本実施の形態の画像形成システムに用いられる画像形成装置は、情報処理装置により作られた画像ファイル、又は読み取り装置19にて読み取った画像情報から作られた画像ファイルを電子ファイルとして使用する磁気ディスクに保存することができる。この保存は、情報処理装置の操作表示手段(不図示)、又は画像形成装置10の操作表示手段100を用いた予め定められた指示操作により入力された指示情報に基づいて行われる。
【0028】
前記指示情報は、保存指示情報と、保存する画像ファイル名と、保存を指示する使用者を特定する使用者名を含んでいる。
【0029】
使用者が、画像ファイルを保存すると、その画像ファイルを保存した時を起点とする計時を行うタイマーTMが起動して、前記タイマーが予め設けた設定値に到達したときに、前記画像ファイルは所定の保存期間を超えたものとして、前記画像ファイルに付属する保存を指示した使用者名を、メモリMに設けたファイル消し忘れ使用者登録テーブルTB1(第1の記憶手段)に登録する。
【0030】
図3は、画像ファイルの保存期間を計時して、使用者名を登録する流れを示すフローチャートである。
【0031】
保存することを指示された画像ファイルが磁気ディスク200(電子ファイル)に保存されると(ステップS1:Y)、前記画像ファイルにタイマーTと超過回数カウンタCMが割り付けられ、初期値(ゼロ)がセットされる(ステップS2)。
【0032】
タイマーTMが計時を開始して、予め設けた設定値TOUT(例えば、48時間)を超えた場合(ステップS:Y)、前記画像ファイルの保存を指示した使用者名をファイル消し忘れ使用者登録テーブルTB1に登録する(ステップS5)。ファイル消し忘れ使用者テーブルTB1への登録が終了すると、前記画像ファイルの保存時間が設定値TOUTを何回超えたかをカウントする超過回数カウンタCMの値CCに1を加え(ステップS6)、タイマーTMの値をリセットして(ステップS7)、再度計時を開始する(ステップS3)。
【0033】
図3で示す処理は、画像ファイルが保存される毎にこの処理が開始され、保存された画像ファイルが削除されるときに行われるタイマーTM及び超過回数カウンタCMの割付解除処理が行われるまで継続される。
【0034】
ファイル消し忘れ使用者テーブルTB1に使用者名が登録されると、登録された使用者名は、使用者名毎に前記ファイル消し忘れ使用者テーブルTB1に登録された回数を記録する登録回数テーブルTB2(第2の記憶手段)に登録され、登録された回数NNが予め設けた設定値NOUTを超えると、当該の使用者名はファイル消し忘れ常習者リストTB3(第3の記憶手段)に登録される。
【0035】
図4は、ファイル消し忘れ常習者リストTB3への登録処理の流れを示すフローチャートである。
【0036】
ファイル消し忘れ使用者テーブルTB1に、使用者名が登録されると(ステップS11:Y)、登録された使用者名が既に登録回数テーブルTB2に登録されている使用者名であるか否かが判定され(ステップS12)、もし登録されていない使用者名であれば(ステップS12:N)、その使用者名が登録回数テーブルTB2に登録される(ステップS13)。なお、登録回数テーブルTB2には、登録された使用者名毎に設けた登録回数カウンタCNが設けられている。
【0037】
新たな登録が完了すると(ステップS13)、又は、既に使用者名が登録済みであった場合には(ステップS12:Y)、当該の使用者名に対応する登録回数カウンタCNの値NNに1が加えられる(ステップS14)。その結果、もし、登録回数カウンタCNの値NNが予め設けた設定値NOUTを超えたならば(ステップS15:Y)、対応する使用者名をファイル消し忘れ常習者リストTB3に登録してルーチンを出る。また、登録回数カウンタCNの値が予め設けた設定値NOUT以下であった場合には(ステップS15:N)、そのままルーチンから出る。
【0038】
ファイル消し忘れ常習者リストTB3に登録された使用者が、新たな画像ファイルを保存しようとしたときには警告が出される。
【0039】
図5は、警告出力処理の流れを示すフローチャートである。
【0040】
画像ファイルの保存が指示されると(ステップS21:Y)、その画像ファイルの保存を指示した使用者名を取得する(ステップS22)。次いで、取得した使用者名がファイル消し忘れ常習者リストTB3に登録されている使用者名であるか否かを確認する(ステップS23)。
【0041】
もし、取得した使用者名がファイル消し忘れ常習者リストTB3に登録されていなかった場合には(ステップS23:N)、そのままルーチンを出て、もし、登録されていた場合には(ステップS23:Y)、前記画像ファイルの保存の指示操作を行った情報処理装置の表示部(不図示)、または画像形成装置10の操作表示手段100に、電子ファイル中の不要なファイルの削除を促す警告メッセージを出力してルーチンを出る(ステップS24)。
【0042】
上述したような警告メッセージを出力しても、警告を無視する使用者により保存が実行される場合があるが、本実施の形態では、このような使用者名を管理者に知らせると共に、該使用者の以降の画像ファイル保存指示を受付ないようにしている。
【0043】
図6は、警告無視使用者処理の流れを示す図である。
【0044】
画像ファイルの保存指示が出されると(ステップS31:Y)、その保存指示が警告を無視して出されたものであるか否かが判定され(ステップS32)、もし、無視したものであれば(ステップS32:Y)、該使用者が既に警告無視使用者リストに登録されている使用者であるか否かが判定される(ステップS33)。
【0045】
もし登録されていない使用者であれば(ステップS33:N)、次回の該使用者の保存指示を拒否するために、該使用者名を警告無視使用者リストTB4に登録する(ステップS34)。前記保存指示拒否使用者リストTB4に登録された使用者名は、画像形成装置10に接続される管理者の情報処理装置に送られる共に、管理者が画像形成装置の操作表示手段100に呼び出せるように処理される(ステップS35)。
【0046】
もし、既に、その使用者名が警告無視使用者リストTB4に登録されていた場合には(ステップS33:Y)、該使用者による保存指示の受付は拒否される(ステップS36)。
【0047】
通常、使用者は、警告メッセージを受け取る前、あるいは受け取った後に、自分が保存した画像ファイルのうち不要なものを削除する。削除された前記画像ファイルの保存期間が図3で示すタイマーTMの設定時間TOUTを超えていた場合には、図4にて説明した登録回数カウンタCNに記録された値NNから、削除された画像ファイルに対応する超過回数カウンタに記録されていた値MMが引かれる。登録回数カウンタCNに記録された値NNが0(ゼロ)になったときには、登録回数テーブルTBL2、ファイル消し忘れ常習者リストTB3、警告無視使用者リストTB4から当該の使用者名が削除される。
【0048】
図7は、消し忘れファイル削除処理の流れを示すフローチャートである。
【0049】
電子ファイルに保存されている画像ファイルの削除が行われると(ステップS41)、削除された画像ファイルの超過回数カウンタCMの値MMが読み出され(ステップS42)、MMが0(ゼロ)であれば(ステップS43)、消し忘れファイルではないので、直ちに処理ルーチンから出る。
【0050】
もし、MMが0(ゼロ)でないならば、その画像ファイルの保存を指示した使用者の名と、その使用者が保存を指示した一つの、あるいは複数の画像ファイルが、予め設けた設定時間TOUTを超えた回数とを記録している登録回数テーブルTB2の中の登録回数カウンタCNの値NNを読み出して(ステップS44)、NN−MMの値が0になったか否かを判定する(ステップS45)。
【0051】
NN−MMの値が0(ゼロ)でないならば(ステップS45:N)、削除された画像ファイル以外に該使用者により保存され、且つ、予め設けた設定時間TOUTを超えた画像ファイルが残っていることから、消し忘れ回数カウンタの値NNをNN−MMに置きかえ(ステップS47)、削除された画像ファイルに割り付けられていたタイマーTと超過回数カウンタCMの割付を解除して(ステップS48)、ルーチンを出る。
【0052】
NN−MMの値が0(ゼロ)となった場合には、前記削除された画像ファイルの保存を指示した使用者により保存され、且つ、予め設けた設定時間TOUTを超える画像ファイルは電子ファイル中に存在しないことから、ファイル消し忘れテーブルTB2に登録されていた、また、場合によってはファイル消し忘れ常習者リストTB3、又は警告無視使用者リストTB4に登録されていた前記削除された画像ファイルに対応する使用者名を削除して(ステップS46)、消し忘れ回数カウンタの値NNを0とした後(ステップS47)、削除された画像ファイルに割り付けられていたタイマーTと超過回数カウンタCMの割付を解除して(ステップS48)、ルーチンを出る。
【0053】
図1〜7を基に説明した処理は、長期に保存されているファイルは使用者の消し忘れによるものであるという前提であるが、実際には、繰り返し使用するために長期に保存され無ければならないファイルもある。従って、管理者が消し忘れ回数テーブルTB2、及び消し忘れ常習者リストTB3に記録されている使用者名、又は消し忘れカウンタの値NNをクリアすることによって、ファイル消し忘れ常習者リストTB3への登録を防止することが望ましい。このような処理は、消し忘れ回数テーブルTB2ファイル、及び消し忘れ常習者リストTB3の中の所定の項目の内容を削除、又はリセットするプログラムである登録解除手段の実行により行われる。なお、プログラムである前記登録解除手段は適宜に設計される公知の技術手段である。
【0054】
また、消し忘れの常習者への警報と保存受付拒否に代わり、消し忘れの常習者と通常の使用者との使用上の制限条件に差をつけて、消し忘れを防止するようにしても良い。例えば、消し忘れ回数テーブルTB2に登録されている使用者が保存できる画像ファイルのサイズを、登録されていない使用者が保存できる画像ファイルのサイズよりも小さくなるように制限する保存画像ファイルサイズ制限手段を設けても良い。
【0055】
以上説明したような画像形成装置により、画像形成装置の備える電子ファイルに画像ファイルの保存を指示した使用者が、前記画像ファイルを消し忘れることが防止され、その結果、ファイル消し忘れにより電子ファイルの使用領域の減少が防止される。また、管理者は、長期保存が必要な画像ファイルに対しては、長期保存を可能にする処理をすることができるので、実際の使用環境に適合した画像形成装置の管理が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】画像形成システムの構成例を示す概念図である。
【図2】画像形成装置の制御関係を示すブロック図である。
【図3】画像ファイルの保存期間を計時して、使用者名を登録する流れを示すフローチャートである。
【図4】ファイル消し忘れ常習者リストへの登録処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】警告出力処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】警告無視処理の流れを示す図である。
【図7】消し忘れファイル消去処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0057】
10 画像形成装置
100 操作表示手段
200 磁気ディスク(電子ファイル)
C 制御手段
M メモリ
T1〜5 信手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の指示操作によって、画像ファイルと使用者名とを保存する電子ファイルを備える画像形成装置であって、
前記画像ファイルが電子ファイルに保存されている保存時間を計時する計時手段と、
前記計時手段による計時値が予め設定する設定値に到達する毎に、前記画像ファイルの保存を指示した使用者名を登録する第1の記憶手段と、
前記第1の記憶手段に登録された登録回数を使用者名毎に記憶する第2の記憶手段と、
前記登録回数が予め設定する設定値に到達した使用者名を記憶する第3の記憶手段と、
前記第3の記憶手段に記憶されている使用者が新たな画像ファイルを保存する指示操作を行った時に、警告メッセージを表示手段に出力する警告手段と
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第3の記憶手段に記憶された使用者による新たな画像ファイル保存の指示操作が行われた場合、前記警告メッセージを、新たな画像ファイル保存は既に保存されている画像ファイルが消去された後に受け付けられるものであるとするか、または、前記画像ファイルが消去されなくても受け付けられるものとするか、を選択する選択手段を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記警告メッセージの出力後に、前記第3の記憶手段に記憶された使用者が新たな画像ファイルを保存したときに、前記第3の記憶手段に記憶された使用者名を記憶する第4の記憶手段と、
画像ファイルを保存しようとする使用者が、前記第4の記憶手段に記憶されている使用者であると判定されたときに、前記使用者の指示操作を受け付けないようにする受付禁止手段を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第4の記憶手段に記憶された使用者名を、表示手段に出力する、又は指定されている情報処理装置に送る管理情報出力手段を有することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
管理者の指示操作により、前記第2の記憶手段に記憶されている使用者名と登録回数、又は前記第4の記憶手段に記憶されている使用者名を消去する登録解除手段を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記計時手段による計時値が予め設定する設定値に到達した画像ファイルが消去されたときに、前記第2の記憶手段に記憶されている使用者の登録回数から、消去した画像ファイルが予め設定する設定値を超えた回数を減じ、登録回数がゼロとなったときに、前記第2の記憶手段から前記使用者名を削除する登録使用者名削除手段を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−22313(P2008−22313A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−192611(P2006−192611)
【出願日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】