説明

画像形成装置

【課題】 Webサイトの更新情報を常時利用できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 特定部71は、認証情報読取部65によって読み取られた生体認証情報と、画像形成装置1の操作部62によって入力されたIDおよびパスワードと、情報処理装置から送信されたIDおよびパスワードと、のいずれか1つ以上によって、各使用者を特定する。更新情報取得部72は、RSSリーダ機能を実現する要素であり、使用者と関連付けられたWebサイトに接続し、そのWebサイトの更新情報をRSS形式のデータとして取得する。判断部73は、更新情報取得部72によって取得された更新情報に基づいて、指定されたWebサイトの更新の有無を判断する。これにより、使用者は、自己と関連付けられたWebサイトの更新情報を、常時電源からの電力供給を受けた画像形成装置1を使用することによって取得できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、RSS(Rich Site Summary)リーダ機能を有するコンピュータからの要求に応じて、ファクシミリ通信等の通信履歴をRSS形式のデータに変換し、変換後の通信履歴を要求元のコンピュータに送信する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、Webサイトの中に更新されたWebページがある場合において、更新内容を外部に通知する技術についても、従来より知られている(例えば、特許文献2)。
【0004】
【特許文献1】特開2006−054732号公報
【特許文献2】特開2005−284334号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、RSSとは、指定されたWebサイトに含まれる各Webページについて、このWebページのタイトル、URL(Uniform Resource Locator)、要約、および更新日時等のメタデータを構造化して記述したXML(Extensible Markup Language)ベースのデータ形式を言う。RSSは、例えばWebサイトの更新情報を外部に公開するために使用される。
【0006】
また、RSSリーダとは、指定されたWebサイトを巡回するとともに、このWebによって生成されたRSS形式の更新情報を受信する。さらに、RSSリーダは、受信した更新情報に基づいて、例えば、各WebページのURL一覧を表示させることができる。
【0007】
したがって、RSSリーダ機能を有するパーソナルコンピュータによって、このRSS形式の更新情報が取得されることにより、使用者は、各Webページの更新状況を把握することが可能となる。
【0008】
ところで、パーソナルコンピュータが使用されないとき、このコンピュータの使用者は、通常コンピュータへの電力供給を遮断し、コンピュータの動作を停止させる。そのため、コンピュータの動作が停止している間、コンピュータの使用者は、RSSリーダ機能を使用して指定されたWebサイトの更新情報を取得することができない。一方、ファクシミリ送信処理、コピー処理、および記録処理等を実現可能とされた複合機(画像形成装置)は、使用者の利用状況に関わらず常時電力供給されている場合が多い。
【0009】
そこで、本発明では、Webサイトの更新情報を常時利用できる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、記録媒体に可視的に記録する記録部と、指定されたWebサイトに含まれる各ページの更新情報を取得する取得部と、前記更新情報に基づいて前記指定されたWebサイトの更新の有無を判断する判断部と、認証情報に基づいて、各使用者を特定する特定部と、前記特定部により特定された使用者と関連付けられた第1Webサイトについて、前記第1Webサイトの更新情報に基づいた第1記録情報を前記記録部に記録させる第1出力処理部と、前記使用者の指示に基づいて、前記記録部に第2記録情報を記録させる第2出力処理部とを備え、前記第1出力処理部は、前記第2出力処理部によって前記第2記録情報が記録される場合において、前記判断部により更新されていると判断されるときに、前記第1Webサイトの更新情報に基づいた前記第1記録情報を記録させることを特徴とする。
【0011】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記第2出力処理部は、前記特定された使用者により操作部を介して行われた第2出力指示に応じて、前記第2記録情報を記録させることを特徴とする。
【0012】
また、請求項3の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、ネットワークを介して外部の情報処理装置と接続するためのネットワーク接続部、をさらに備え、前記第2出力処理部は、前記特定された使用者が前記ネットワーク接続部によって接続された外部の情報処理装置を用いることにより行った第2出力指示に応じて、前記第2記録情報を記録させることを特徴とする。
【0013】
また、請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の画像形成装置において、使用者に対する記録要否の問い合わせが必要であるか否かを示す記録確認要否情報が格納された記録確認要否情報記憶部、をさらに有し、前記第1出力処理部は、前記記録確認要否情報記憶部に格納された前記記録確認要否情報に基づいて、記録確認が必要と判断される場合に、使用者に記録の要否を問い合わせ、前記記録確認要否情報に基づき記録確認が不要と判断される場合、使用者に記録の要否を問い合わせることなく前記第1記録情報を記録させることを特徴とする。
【0014】
また、請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の画像形成装置において、前記更新情報がある旨のメッセージを使用者に報知するとともに、前記第1記録情報の記録処理を実行するか否かを使用者に問い合わせる報知部、をさらに備え、前記第1出力処理部は、前記問い合わせに対して使用者により記録が必要な旨の入力があった場合に、前記第1記録情報を記録させることを特徴とする。
【0015】
また、請求項6の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の画像形成装置において、前記第1記録情報は、前記更新情報に含まれている更新されたページの要約であることを特徴とする。
【0016】
また、請求項7の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の画像形成装置において、前記第1記録情報は、前記更新情報に含まれているURLによって指定される情報であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1、および請求項3ないし請求項7に記載の発明によれば、各使用者は、自己と関連付けられた第1Webサイトの更新情報を、画像形成装置を使用することによって取得できる。また、使用者は、第1Webサイトが更新されている場合、更新情報に基づいた第1記録情報を画像形成装置に記録させることができる。
【0018】
また、請求項1、および請求項3ないし請求項7に記載の発明によれば、第2出力処理部によって第2記録情報が記録されるときに、あわせて、第1Webサイトの更新情報に基づいた第1記録情報を記録させることができる。すなわち、一連の動作によって第1および第2記録情報のそれぞれを記録させることができ、記録部の起動回数を低減させることができる。そのため、画像形成装置の消費電力を低減させることができる。また、更新情報に基づいた第1記録情報が記録される場合において、使用者は記録指示をする必要がない。そのため、使用者の手間を低減させることができる。
【0019】
また、請求項2、および請求項4ないし請求項7に記載の発明によれば、自己と関連付けられた第1Webサイトの更新情報を、画像形成装置を使用することによって取得できる。また、使用者は、第1Webサイトが更新されている場合、操作部からの第1出力指示に応じて、更新情報に基づいた第1記録情報を記録させることができる。
【0020】
特に、請求項4に記載の発明によれば、予め設定された記録確認要否に基づいて、更新情報に関連した記録処理の実行前における記録確認の有無を切り替えることができる。
【0021】
特に、請求項5に記載の発明によれば、更新情報に関連する記録処理を実行する前に、使用者に更新情報がある旨を報知するとともに、更新情報に関連する記録処理を実行するか否かの問い合わせをすることができる。これにより、特定された使用者により入力された記録要否情報に基づいて、第1記録情報を記録することができる。そのため、不必要な記録処理が実行されることを防止できる。
【0022】
特に、請求項6に記載の発明によれば、使用者は、第1Webサイトに含まれている更新されたページの要約を容易に取得することができる。
【0023】
特に、請求項7に記載の発明によれば、使用者は、更新情報に含まれているURLによって指定される情報を容易に把握することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0025】
<1.画像形成システムの構成>
図1は、画像形成装置1を使用した画像形成システム800の全体構成を説明するための図である。図1に示すように、画像形成システム800は、主として、画像形成装置1と、情報処理装置100、200と、を備えている。また、図1に示すように、装置1、100、200は、それぞれネットワーク500を介してデータ通信可能に接続されている。
【0026】
画像形成装置1は、スキャナ(画像読取)、プリンタ、複写、ファクシミリ、またはこれらの機能を複合させた複合機である。また、本実施の形態の画像形成装置1は、RSSリーダ機能を有しており、画像形成装置1や情報処理装置200の使用者の要求に応じて、指定されたWebサイトの更新に関する情報を記録紙に記録する(プリントする)ことができる。なお、画像形成装置1の詳細については、後述する。
【0027】
情報処理装置100は、いわゆるパーソナルコンピュータやワークステーションによって構成されている。本実施の形態において、情報処理装置100は、ネットワーク500を通じて接続されたWebブラウザなどのクライアントソフトウェアの要求に応じて、Webサイトの情報を送信する機能を実現する。また、Webサイトに含まれる各Webページについて、これらWebページの更新情報を送信する機能も実現する。図1に示すように、情報処理装置100は、主として、Webページ記憶部171と、更新情報送信部172と、を備えている。
【0028】
Webページ記憶部171は、メモリやハードディスクドライブ等によって構成された記憶部である。Webページ記憶部171には、Webサイトを構成するWebページと、各Webページの更新状況(例えば、各Webページの更新日)や更新されたページの要約等を含むRSS形式のデータ(以下、単に、「RSSデータ」と呼ぶ)と、が格納されている。
【0029】
更新情報送信部172は、RSSリーダ機能を有する装置(例えば、画像形成装置1)からの要求に応じ、Webページ記憶部171に格納されている各Webページの更新情報としてRSSデータを要求元の装置に送信する。
【0030】
情報処理装置200は、情報処理装置100と同様に、いわゆるパーソナルコンピュータやワークステーションによって構成されている。本実施の形態において、情報処理装置200は、画像形成装置1に対して、ファクシミリ送信処理や、記録データを記録紙に記録する処理等を実行させることができる。図1に示すように、情報処理装置200は、主として、表示部261と、操作部262と、を備えている。
【0031】
表示部261は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイや、液晶ディスプレイによって構成されており、画面に文字や図形等の情報を表示することができる。また、操作部262、例えばキーボードやマウス等の入力デバイスによって構成された入力部であり、使用者によって操作される。これにより、情報処理装置200の使用者は、表示部261の表示内容に基づいた入力作業を実行することができる。例えば、情報処理装置200の使用者は、画像形成装置1に対して、指定されたWebサイトの更新に関する情報を記録させる指示や、操作部262によって指定されたデータ(第2記録情報)をプリントさせる指示を実行できる。
【0032】
<2.画像形成装置の構成>
図2は、本発明の実施の形態における画像形成装置1の全体構成の一例を示す図である。ここで、画像形成装置1は、スキャナ(画像読取)、プリンタ、複写機、ファクシミリ、またはこれらの機能を複合させた複合機である。この画像形成装置1は、通常、電源から常時電力供給受けている。図1に示すように、画像形成装置1は、主として、モデム22と、スキャナ部41と、記録部51と、表示部61と、操作部62と、特定部71と、更新情報取得部72と、判断部73と、を備えている。
【0033】
モデム22は、デジタルデータを送信用の音声信号に変換したり、画像形成装置1の外部から送信されて画像形成装置1にて受信された音声信号をデジタルデータに変換する。また、NCU21は、公衆電話交換回線網に画像形成装置1を接続する際に必要となる機器であり、発着信やダイヤル制御を行う。さらに、ネットワーク接続部25は、ネットワークを介して接続された情報処理装置(図示省略)等との間でデータ通信を実行するLAN(Local Area Network)インタフェースである。
【0034】
したがって、画像形成装置1の使用者(以下、単に、「使用者」とも呼ぶ)は、NCU21およびモデム22を動作させることによって、自己の操作に基づいたファクシミリ通信処理を実行させることができる。
【0035】
CODEC31は、ファクシミリ通信で送信される画像の可逆圧縮処理に使用される。CODEC31は、例えば、スキャナ部41によって原稿から読み取られて2値化された画像を符号化する。符号化された画像は画像メモリ16に記憶される。また、CODEC31は、他の画像形成装置から送信されたファクシミリデータ(2値データ)を復号する。そして、復号された2値データは記録部51に供給され、記録処理が実行される。
【0036】
なお、CODEC31によって2値データが符号化される場合には、MH(Modified Huffman)、MR(Modified Read)、MMR(Modified Modified Read)、および、JBIG(Joint Bi-level Image experts Group)のいずれかの方式が採用される。また、CODEC31によって多値データが符号化される場合には。例えばJPEG方式が採用される。
【0037】
スキャナ部41は、いわゆるスキャナ部であり、原稿から画像を読み取る。そして、スキャナ部41で読み取られた画像データは、例えば、CODEC31によってJPEG方式にて圧縮され、画像メモリ16に記憶される。
【0038】
記録部51は、電子写真方式により、静電潜像に基づいたトナー画像を記録媒体(例えば、記録紙)に可視的に記録する画像形成部である。例えば、記録部51は、読み取られた画像データに基づいたトナー画像を感光体ドラム(図示省略)に形成し、このトナー画像を記録紙に転写する。
【0039】
これにより、記録部51は、例えば、情報処理装置200からの記録指示(第1出力指示)に応じて、情報処理装置100のWebページ記憶部171に格納された各Webページの内容を記録紙に記録することができる。また、記録部51は、操作部62を介して行われたコピー指示(第2出力指示)に応じて、コピー原稿を記録紙に記録することができる。
【0040】
表示部61は、例えば液晶ディスプレイによって構成されており、画面に文字や図形等の情報を表示することができる。例えば、表示部61には、更新情報がある旨のメッセージを使用者に表示(報知)するとともに、Webサイトの更新情報に基づいたデータの記録処理を実行するか否かを使用者に問い合わせるダイアログが表示され、報知部として使用される。
【0041】
また、表示部61は、指や専用のペンで画面に触れることによって画面上の位置を指定できる「タッチパネル」としての機能を有している。したがって、使用者は、表示部61に表示された内容に基づき、表示部61の「タッチパネル」機能を使用した指示を行うことによって、画像形成装置1に対して所定の動作を実行させることができる。このように、表示部61は入力部としても使用される。
【0042】
操作部62は、いわゆるキーパッドによって構成される入力部であり、使用者によって操作される。使用者は、表示部61の表示内容に基づいた入力作業を行うことができる。例えば、使用者は、使用者個人を特定する処理に使用可能なIDおよびパスワードを、画像形成装置1に入力することができる。
【0043】
認証情報読取部65は、使用者を一意に特定することができる生体認証情報(例えば、指紋、顔、虹彩、掌形、および静脈(血管)パターン、声紋)を読取可能とされている。
【0044】
特定部71は、認証情報読取部65によって読み取られた生体認証情報と、画像形成装置1の操作部62によって入力されたIDおよびパスワードと、情報処理装置200から送信されたIDおよびパスワードと、のいずれか1つ以上によって、各使用者を特定する。すなわち、特定部71は、入力されたIDおよびパスワードと、登録されているIDおよびパスワードとの照合を行って、使用者を特定する。
【0045】
更新情報取得部72は、RSSリーダ機能を実現する。更新情報取得部72は、指定されたWebサイトに接続し、そのWebサイトの更新情報をRSSデータとして取得する。例えば、更新情報取得部72は、情報処理装置100(Webサイト)に対して、更新情報の送信要求を行う。送信要求を受けた更新情報送信部172(図1参照)は、画像形成装置1に向けてWebページ記憶部171に格納された各Webページの更新情報を送信する。
【0046】
判断部73は、更新情報取得部72によって取得された更新情報に基づいて、指定されたWebサイトの更新の有無を判断する。判断部73は、例えば、前回取得されてRAM12に記憶されている更新情報と、今回取得された更新情報と、について、各更新情報に含まれる更新日時を比較することにより、Webサイトに含まれる各Webページの更新の有無を判断する。
【0047】
RAM(Random Access Memory )12および画像メモリ16は、読み書き自在のメモリ(記憶部)である。また、RAM12には、図2に示すように、指定サイト格納テーブル12aと、記録確認テーブル12b(記録確認要否情報記憶部)と、が記憶可能とされている。
【0048】
図3は、指定サイト格納テーブル12aのデータ構造の一例を示す図である。図4は、記録確認テーブル12bのデータ構造の一例を示す図である。ここでは、まず、指定サイト格納テーブル12aについて説明する。
【0049】
指定サイト格納テーブル12aは、各使用者によって指定されたWebサイトに関する情報が格納されている。図3に示すように、指定サイト格納テーブル12aは、主として、「登録ID」、「使用者名」、「WebサイトURL」、「更新フラグ」、および「確認間隔」の各フィールド(列)を有している。
【0050】
「登録ID」フィールドには、指定サイト格納テーブル12aに含まれる各レコード(各行)を一意に特定するための値が格納されている。また、「使用者名」フィールドには、画像形成装置1を操作可能な使用者の氏名が格納されている。また、「WebサイトURL」フィールドには、各使用者によって指定されたWebサイトのURLが格納されている。
【0051】
また、「更新フラグ」フィールドには、各使用者によって指定されたWebサイトの更新状況に関するデータが格納されている。本実施の形態において、判断部73によって指定されたWebサイトが更新されていると判断された場合、「更新フラグ」フィールドには、「True」が格納される。一方、更新されたWebサイトに関する情報が記録部によって出力された場合、「更新フラグ」フィールドには、「False」が格納される。
【0052】
さらに、「確認間隔」フィールドには、指定されたWebサイトの更新状況を更新情報取得部72によって確認する間隔が格納されている。例えば、「登録ID」=「1001」で指定されるレコードの場合、指定されたWebサイトの更新確認が12時間毎に実行される。
【0053】
次に、記録確認テーブル12bについて説明する。ここで、本実施の形態の画像形成装置1では、使用者が画像形成装置1の複写機能(コピー機能)やプリンタ機能のように、記録部51による記録処理を実行させるときに、併せて指定されたWebサイトの更新に関する情報を記録させることができる。記録確認テーブル12bには、この更新に関する情報を記録させることについて、使用者に記録要否の問い合わせが必要であるか否かを示す記録確認要否情報が格納されている。図4に示すように、記録確認テーブル12bは、主として、「確認ID」、「使用者名」、および「確認要否フラグ」の各フィールドを有している。
【0054】
「確認ID」フィールドには、記録確認テーブル12bに含まれる各レコードを一意に特定するための値が格納されている。また、「使用者名」フィールドには、画像形成装置1を操作可能な使用者の氏名が格納されている。さらに、「確認要否」フィールドには、指定されたWebサイトの更新に関する情報を記録させることについて、使用者に記録要否の問い合わせが必要であるか否かを示す値が格納されている。
【0055】
なお、本実施の形態において、記録要否の問い合わせが必要な場合、「確認要否フラグ」フィールドには、「True」が格納される。一方、記録要否の問い合わせが不要名場合、「確認要否フラグ」フィールドには、「False」が格納される。
【0056】
ROM(Read Only Memory)13は、読出し専用メモリーである。MPU(Micro Processing Unit)11は、ROM13に格納されたプログラムに従った制御を実行する。また、MPU11、RAM12、ROM13、記録部51、特定部71、更新情報取得部72、および判断部73等のそれぞれは、信号線15を介して電気的に接続されている。したがって、MPU11は、例えば、記録部51による記録処理等を所定のタイミングで実行させることができる。
【0057】
ここで、本実施の形態のMPU11は、ROM13に格納されたプログラム13aに基づいて、通常記録処理部11aおよび更新情報記録処理部11bとして動作する。
【0058】
通常記録処理部11a(第2出力処理部)は、操作部62に対する実行指示により、スキャナ部41に原稿(第2記録情報)を読み取らせてプリントさせるコピージョブや、使用者が情報処理装置200の操作部262によって指定されたデータ(第2記録情報)のプリントジョブを実行させる。
【0059】
更新情報記録処理部11b(第1出力処理部)は、使用者と関連付けられたWebサイト(第1Webサイト)が判断部73により更新されていると判断される場合に、コピープリントと一連の処理として(すなわち、コピープリントに引き続いて)、このWebサイトの更新情報に基づいたデータ(第1記録情報)を記録部51に記録させる。
【0060】
一方、使用者によってコピー指示がされた場合において、使用者と関連付けられたWebサイトがあっても、前回プリント時(一度もプリントしていないサイトの場合は登録時)以降に更新がなければ、更新情報記録処理部11bは、このWebサイトの更新情報に基づいたデータを記録部51に記録させない。
【0061】
<3.指定されたWebサイトの更新有無の確認手順>
図5は、指定されたWebサイトの更新有無の確認手順を説明するためのフローチャートである。本手順において、まず、使用者によって指定されたWebサイト(例えば、情報処理装置100)の更新情報が、更新情報取得部72によって所定の確認間隔で取得される(S101)。例えば、指定サイト格納テーブル12aの「登録ID」=「1002」で指定されるWebサイト(「http://www.××.co.jp」)の場合、更新情報取得部72は、このWebサイトから24時間毎に更新情報を取得する。
【0062】
次に、ステップS101において今回取得された更新情報と、前回取得されてRAM12に記憶されている更新情報と、が判断部73によって比較されることにより、Webサイトの更新の有無が判断される。例えば、今回取得された更新情報に含まれる更新日時が、前回取得した更新日時よりも新しい場合、判断部73は、指定されたWebが更新されていると判断する(S102)。
【0063】
そして、ステップS102において更新ありと判断された場合、指定サイト格納テーブル12aの対応するレコードの「更新フラグ」の値が「False」から「True」に変更されて(S103)、確認手順が終了する。
【0064】
<4.更新情報に基づいた記録処理の手順>
図6は、更新情報に基づいた記録処理の手順を説明するためのフローチャートである。ここでは、コピー指示にともない、指定されたWebサイトの更新に関する情報を記録する手順について説明する。
【0065】
本手順では、まず、生体認証情報やパスワード等の認証情報に基づいて、各使用者が画像形成装置1を使用可能な者であるか否かを特定する処理が実行される(S201)。次に、特定された使用者によるコピー指示状況が監視される(S202)。
【0066】
ステップS202においてコピー指示がされたと判断される場合、指定サイト格納テーブル12a(図3参照)が参照される。そして、ステップS201で特定された使用者と関連付けられたWebサイトが更新されているか否かについて確認される(S203)。更新されていないと判断される場合には、本手順が終了する。一方、使用者と関連付けられたWebサイトが更新されていると判断される場合には、記録確認テーブル12bが参照される。そして、Webサイトの更新に関する情報を記録するにあたり、特定された使用者に毎に、確認処理が必要か否かの判断が行われる(S204)。
【0067】
特定された使用者に対応するレコードの「確認要否フラグ」の値が「False」の場合、使用者に記録要否の問い合わせをすることが不要であるため、続いてステップS207、S208の処理が実行されて、本手順が終了する。一方、「確認要否フラグ」の値が「True」の場合、使用者に記録要否の問い合わせをすることが必要であるため、表示部61に問い合わせ画面が表示される(S205)。そして、更新情報がある旨のメッセージを報知し、記録要否を使用者に問い合わせる。
【0068】
そして、表示部61に表示された問い合わせ画面にしたがい入力された記録要否情報が、更新情報に関連する記録処理を実行しない旨の指示である場合(S206)には、本手順が終了する。一方、記録要否情報が記録処理を実行する旨の指示である場合には、ステップS207、S208の処理が実行されて、本手順が終了する。このように、画像形成装置1では、使用者により入力された記録要否情報に基づいて、指定されたWebサイトの更新に関するデータ(第1記録情報)を記録することができる。そのため、不必要な記録処理が実行されることを防止できる。
【0069】
ここで、ステップS207では、S202において使用者から指示されたコピー指示について、このコピーに伴う記録処理が完了したか否かの確認が実行される。そして、この記録処理が完了した後に、更新情報に関連した記録処理が実行される(S208)。
【0070】
なお、ステップS208で記録されるデータ(第1記録情報)は、指定されたWebサイトの更新有無の確認手順(図5参照)により取得された更新情報ついて、この更新情報に含まれている各ページの更新概要(すなわち、更新情報に含まれている更新されたページの要約)であってもよい。これにより、使用者は、指定されたWebサイトに含まれる各ページの更新概要を容易に取得することができる。
【0071】
また、ステップS208で記録されるデータは、更新情報に含まれている更新されたページのURLによって指定される情報(例えば、HTML(HyperText Markup Language)で記述された文書)であってもよい。これにより、使用者は、Webサイトに含まれるページのうち更新されたページの内容を容易に把握することができる。
【0072】
<5.本実施の形態の画像形成装置の利点>
以上のように、各使用者は、自己と関連付けられたWebサイトの更新情報を、常時電源からの電力供給を受けた画像形成装置1を使用することによって取得できる。また、使用者は、Webサイトが更新されている場合、更新情報に基づいたデータを画像形成装置1に記録させることができる。そのため、使用者は、指定されたWebサイトの更新に関する情報について、常に最新の情報を取得することが可能となる。
【0073】
また、本実施の形態の画像形成装置1では、通常記録処理部11aによるデータが記録部51によって記録されるときに、あわせて指定されたWebサイトの更新情報に関する情報を記録することができる。すなわち、一連の動作によって、通常記録処理部11aおよび更新情報記録処理部11bによる記録処理を実行することができ、記録部51の起動回数を低減させることができる。そのため、画像形成装置1の消費電力を低減させることができる。
【0074】
<6.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
【0075】
(1)本実施の形態では、コピー指示にともない、指定されたWebサイトの更新に関する情報が記録される場合に、各使用者について記録確認が必要であるか否かの判断が行われているが(図6のステップS204参照)、この記録確認処理は、これに限定されるものでない。
【0076】
例えば、更新に関する情報の記録指示が、他の指示をともなわず、操作部62を介して行われる場合(第1出力指示)や、情報処理装置200を用いることによって行われる場合(第2出力指示)においても、この記録確認処理が実行されてもよい。この場合において、情報処理装置200を用いることによって行われる場合には表示部261に、操作部62を介して行われる場合には表示部61に、それぞれ問い合わせ画面が表示される。
【0077】
(2)また、本実施の形態において、通常記録処理部11aおよび更新情報記録処理部11bによる機能は、プログラムによって実現されるものとして説明したが、ハードウェア(例えば電子回路)によって実現されてもよい。
【0078】
(3)さらに、本実施の形態において、画像形成装置1の動作を制御するプログラムは、読出し専用のROM13に格納されているものとして説明したが、これに限定されるものでない。例えば、読み書き自在の不揮発性メモリであるフラッシュメモリにプログラムを格納してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の実施の形態における画像形成システムの構成の一例を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態のおける画像形成装置の構成の一例を示す図である。
【図3】指定サイト格納テーブルのデータ構造を説明するための図である。
【図4】記録確認テーブルのデータ構造を説明するための図である。
【図5】指定されたWebサイトの更新有無の確認手順を説明するためのフローチャートである。
【図6】更新情報に基づいた記録処理の手順を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0080】
1 画像形成装置
11 MPU
11a 通常記録処理部(第2出力処理部)
11b 更新情報記録処理部(第1出力処理部)
12 RAM
12a 指定サイト格納テーブル
12b 記録確認テーブル(記録確認要否情報記憶部)
13 ROM
13a プログラム
51 記録部
61、261 表示部
62、262 操作部
71 特定部
72 更新情報取得部
73 判断部
100、200 情報処理装置
171 Webページ記憶部
172 更新情報送信部
500 ネットワーク
800 画像形成システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に可視的に記録する記録部と、
指定されたWebサイトに含まれる各ページの更新情報を取得する取得部と、
前記更新情報に基づいて前記指定されたWebサイトの更新の有無を判断する判断部と、
認証情報に基づいて、各使用者を特定する特定部と、
前記特定部により特定された使用者と関連付けられた第1Webサイトについて、前記第1Webサイトの更新情報に基づいた第1記録情報を前記記録部に記録させる第1出力処理部と、
前記使用者の指示に基づいて、前記記録部に第2記録情報を記録させる第2出力処理部と、
を備え、
前記第1出力処理部は、前記第2出力処理部によって前記第2記録情報が記録される場合において、前記判断部により更新されていると判断されるときに、前記第1Webサイトの更新情報に基づいた前記第1記録情報を記録させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記第2出力処理部は、前記特定された使用者により操作部を介して行われた第2出力指示に応じて、前記第2記録情報を記録させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像形成装置において、
ネットワークを介して外部の情報処理装置と接続するためのネットワーク接続部、
をさらに備え、
前記第2出力処理部は、前記特定された使用者が前記ネットワーク接続部によって接続された外部の情報処理装置を用いることにより行った第2出力指示に応じて、前記第2記録情報を記録させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の画像形成装置において、
使用者に対する記録要否の問い合わせが必要であるか否かを示す記録確認要否情報が格納された記録確認要否情報記憶部、
をさらに有し、
前記第1出力処理部は、前記記録確認要否情報記憶部に格納された前記記録確認要否情報に基づいて、記録確認が必要と判断される場合に、使用者に記録の要否を問い合わせ、
前記記録確認要否情報に基づき記録確認が不要と判断される場合、使用者に記録の要否を問い合わせることなく前記第1記録情報を記録させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記更新情報がある旨のメッセージを使用者に報知するとともに、前記第1記録情報の記録処理を実行するか否かを使用者に問い合わせる報知部、
をさらに備え、
前記第1出力処理部は、前記問い合わせに対して使用者により記録が必要な旨の入力があった場合に、前記第1記録情報を記録させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記第1記録情報は、前記更新情報に含まれている更新されたページの要約であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記第1記録情報は、前記更新情報に含まれているURLによって指定される情報であることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−262346(P2008−262346A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−103964(P2007−103964)
【出願日】平成19年4月11日(2007.4.11)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】