説明

画像形成装置

【課題】封筒を印刷する際において、オペレータの所望する使用対応を可能としたフレキシブルな画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】画像記録部3と、記録媒体の供給部(2、4)と、該供給部から上記画像記録部に向かう記録媒体の搬送路100と、供給部にセットされた記録媒体の種類を選択する選択部とを備えた画像形成装置1であって、上記選択部において、記録媒体として封筒200が選択された場合には、該封筒の供給方向のモードを選択する機能(153)を備えていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、或いはこれらにファクシミリ機能を備えた複合機などに採用される画像形成装置に関し、更に詳しくは、封筒に印刷を行うことができる画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、上述のような画像形成装置においては、普通紙の他、封筒、はがき、厚紙、OHPなど様々な記録媒体に対応して良好な印刷が行えるよう種々技術が提案されている。
例えば下記特許文献1には、供給カセットに積載された封筒束における封筒のフラップ(開封口)の封筒面内位置及び、封筒本体に対する上下位置を検知する検知手段と、該検知手段により封筒の表裏及び向きを判断する手段とを備えた給紙制御装置が記載されている。更に該給紙制御装置は、上記手段により判断された封筒の表裏及び向きより記録の可否を判断する手段と、記録不可と判断された場合は記録動作を禁止するとともに、警告する手段とを備えている。
【0003】
これによれば、封筒を供給カセットより供給してプリントを行うにあたって、表裏或いは供給方向の誤セットが検知された場合は、警告がなされるので、ミスプリントを防ぐことができるとされている。また供給方向が間違っていても、表裏が正しくセットされている場合は再セットをすることなく、自動的に封筒に対して正しい方向にプリントが行うことができるとされている。
【0004】
また下記特許文献2には、封筒の綴じ代(フラップ)の長さを登録設定する綴じ代設定手段を備えた画像記録装置が開示されている。該画像記録装置は、封筒印字モードが選択実行された場合には、印字開始センサが封筒の始端を検知した後、上記綴じ代設定手段に設定された綴じ代長さ分を先送りさせて印字を開始させる印字制御手段を備えている。
よって、従来は、封筒に宛名等を印字する場合には、オペレータがパソコン側で封筒のフラップ部分に印字されないように考慮してデータを修正し、印字指令しなければならなかった。しかし、これによれば、登録された綴じ代長さ分を先送り制御するため、オペレータは封筒のフラップを考慮することなく、封筒印字モードを実行することができるとされている。
【特許文献1】特許第3067279号公報
【特許文献2】特開2007−69390号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載のものは、封筒のフラップが開かれた状態で供給された場合は、その記録媒体が封筒である否かの判断ができないものと考えられる。また操作部によって封筒であると設定しても、フラップが開かれた状態で封筒が供給された場合は、サイズエラーの判定がなされ、正しい印刷が行えないものと考えられる。
また上記特許文献2に記載のものは、封筒を印刷する際には、フラップを折らずに紙送りすることを前提としているため、オペレータがフラップを折って閉じた状態でセットした場合は、登録された綴じ代長さ分の先送り制御が無駄な制御となってしまう。
【0006】
更に供給カセット或いは手差しトレイに封筒をセットする際には、封筒のフラップを折って閉じた状態でセットする、若しくは封筒のフラップを開いた状態でセットする場合があり、オペレータによって区々である。そこで、オペレータによる封筒のセット状況に対応してフレキシブルに使用できる画像形成装置が求められている。
【0007】
従来の画像形成装置において、サイズエラー判定は、種々ある封筒の中でも、長形封筒のフラップを閉じた状態で且つ、長形封筒をフラップがある側(前端)から画像記録部へ供給する場合が想定されており、これに基づいて閾値が設定されている。よって記録媒体の搬送路に設けられた記録媒体の長さを検出するセンサによって、フラップがない側(後端)からフラップを開いた状態で画像記録部へ長形封筒を供給すると、フラップ分だけサイズが長いと検知され、サイズエラーが判定されてしまい、正常な印刷動作がなされない。また記録媒体の搬送性の観点からすれば、封筒のフラップを閉じた状態で搬送する場合は、フラップの存在がジャムの原因となりやすいため、フラップを折らず開いた状態で、封筒が画像記録部に供給される方が望ましいといえる。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、封筒を印刷する際において、オペレータの所望する使用対応を可能としたフレキシブルな画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る画像形成装置は、画像記録部と、記録媒体の供給部と、該供給部から上記画像記録部に向かう記録媒体の搬送路と、供給部にセットされた記録媒体の種類を選択する選択部とを備えた画像形成装置であって、上記選択部において、記録媒体として封筒が選択された場合には、該封筒の供給方向のモードを選択する機能を備えていることを特徴とする。ここで封筒とは長形或いは角形からなる封筒をいい、方形の封筒の短い一辺にフラップがあるものをいう。
【0010】
本発明においては、上記搬送路を通過する記録媒体の長さを検出するセンサと、上記供給方向のモード選択によって該センサによるサイズエラー判定の閾値を変更する制御部とを更に備えたものとしてもよい。
またこの場合、上記制御部は、上記封筒を後向きに供給するモードが選択された時には、前向きに供給するモードの場合より上記閾値を大きく設定するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明における画像形成装置の選択部において、記録媒体として封筒が選択された場合には、封筒の供給方向のモードを選択する機能を備えているので、封筒を印刷する際に、オペレータの所望する供給方向で印刷を行うことができる。
従って、使い勝手のよいフレキシブルな画像形成装置とすることができる。
また供給方向のモード選択によって該センサによるサイズエラー判定の閾値を変更する制御部を備えている場合は、誤ったサイズエラー判定がなされることがなく、正常に印刷動作を行うことができる。
更に封筒を後向きに供給するモードが選択された時には、自動的に前向きに供給するモードの場合より上記閾値が大きく設定されるので、封筒を後向きに供給する場合においてフラップの存在により、誤ったサイズエラー判定がなされることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に本発明の最良の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1は本発明の画像形成装置の概略構成を示すブロック図、図2は同画像形成装置における画像記録部を模式的に示した図、図3は同画像形成装置における通常印刷時のサイズエラー検出動作を示すフローチャート、図4は同画像形成装置に備えた手差しトレイの使用状態を示す図、図5は同手差しトレイに供給される封筒の供給方向を模式的に示した図、図6は同画像形成装置における封筒印刷の基本動作を示すフローチャートである。
【0013】
ここでは、画像形成装置1としてファクシミリ機能、複写機能及びプリンタ機能を備えた所謂複合機に本発明が用いられた例を説明するが、カセット部4或いは手差しトレイ2などの供給部を備えた複写機、プリンタといった専用装置にも適用されるものである。
図1に示すように画像形成装置1は、MPU10、モデム11、NCU12、画像メモリ13、手差しトレイ2、画像記録部3、表示操作部14、ROM16、RAM17、コーデック18、画像読取部19を少なくとも備えている。
MPU10はプログラムにしたがって各部を制御する制御部である。該MPU10は、タイマ部101を備えており、画像記録部3に向かう記録媒体の搬送路100に設けられた記録媒体の長さを検出するセンサ32の検出結果に基づいて、サイズエラー判定の閾値を変更する制御も行う。これについては後に詳述する。
モデム11は送受信データの変調及び復調を行い、NCU12は公衆回線120に対する発信或いは着信の網制御を行っており、これらによりファクシミリの送受信を実行している。画像メモリ13はDRAMなどで構成され、後記する画像読取部19で読取った原稿画像や受信画像などの画像データを蓄積するメモリである。
【0014】
表示操作部14は液晶画面(LCD)、入力手段として各種操作キー或いは、テンキーなどで構成されており、様々な選択操作を可能とする選択部15を備えている。表示操作部14の液晶画面には、画像形成装置1の動作状況或いは後記するサイズエラーなどが表示され、液晶画面はタッチパネル操作が可能に構成されている。各種操作キーとしては、スタートキー150、及び選択部15として供給部選択キー151、記録媒体選択キー152、モード選択キー153などがある。スタートキー150は、ファクシミリ送信、コピー動作などを開始させるキーである。供給部選択キー151は、印刷する記録媒体をカセット部4から供給するか或いは手差しトレイ2から供給するかを選択できるキーである。
記録媒体選択キー152は、印刷する記録媒体を選択することができるキーであり、例えば普通紙、封筒、はがき、厚紙、OHP、などから所望する記録媒体を選択することができる。
モード選択キー153は、封筒に印刷を行う際に、画像記録部3に供給する方向のモードを選択するキーであり、これによれば封筒の前端から供給するか(前向き供給モード)、或いは後端から供給するか(後向き供給モード)を選択することができる。これらモードの選択についても後に詳しく説明する。
【0015】
ROM16には画像形成装置1を制御する制御プログラムなどが記憶されており、RAM17には、画像形成装置1の各種設定データ、可変データ、或いは制御状態などの各種情報が一時的に記憶される。
コーデック18は、後記する画像読取部19で読取った画像データをファクシミリ送信するために、MH、MR、MMRなどの方式により符号化する一方、ファクシミリ受信した画像データを印字出力するための復号を行う。
画像読取部19は、ADF部(オートドキュメントフィーダ読取部)190及びFBS部(フラットベットスキャナ部)191を備えている。画像読取部19は、ADF部190或いはFBS部191にセットされた原稿画像の読取り、CCD(撮像素子)で2値化した画像データを画像メモリ13に出力する機能を備えている。
画像形成装置1は更にPCインターフェース(不図示)を備えたものとすることができる。これを備えたものとすれば、PCインターフェースを介して外部の通信端末装置からの印刷指令に基づいて、カセット部4或いは手差しトレイ2にセットされた封筒に印字を行うことができる。
【0016】
手差しトレイ2は、図4に示すように、画像形成装置1本体の側部に開閉自在に設けられており、手差しトレイ2上には、手差しトレイ2の上面に置かれた記録媒体の有無を検知するためのフィラーセンサ20が構成されている。フィラーセンサ20としては、公知のフィラー型光電センサを用いることができる。
画像記録部3は、電子写真方式で構成され、感光体ドラム7、定着器8、現像装置310などを備えた記録部31と、記録媒体の供給に応じて感光体ドラム7など記録部31の各部を制御する画像記録制御部30と、記録媒体の搬送路100を通過する記録媒体の長さを検出するセンサ32とを備えている。
【0017】
次に図2を参照しながら、画像記録部3及び記録媒体の搬送路100について説明する。
画像形成装置1において印刷される記録媒体は、カセット部4或いは手差しトレイ2から供給される。カセット部4は多数枚の記録媒体を堆積した状態で収容するケース42を備え、ケース42内には、多数枚の記録媒体を堆積状態で収納し得、抜差し可能に構成されている。通常は、記録媒体としてカセット部4に普通紙と呼ばれる記録用紙が収容される。図では、1段式のカセット部4を示しているが、多段式のものであってもよい。ケース42の前端部には、セパレートローラ40と分離パッド(不図示)とが設けられており、これらの作用によって記録媒体が最上層部より1枚ずつ分離されて、搬送路100に向け繰出される。図中41は搬送ローラ対である。
【0018】
手差しトレイ2は、主に封筒、はがき、厚紙、OHPなどの特殊な記録媒体を印刷するときに用いられる。手差しトレイ2の前端部には、セパレートローラ21と分離パッド(不図示)とが構成されており、これらの作用によって手差しトレイ2にセットされた記録媒体が1枚ずつ分離されて、搬送路100に向け繰出される。ここで手差しトレイ2に備えたフィラーセンサ20はMPU10に接続されており、記録媒体有りを検知すると、待機状態で省電力モードとなっていた画像形成装置1が印刷の準備を始めるといった制御などを可能としている。
【0019】
画像記録部3の記録部31は、感光体ドラム7の周囲に、プラス(或いはマイナス)帯電方式の帯電器(不図示)、露光ユニット(不図示)、現像装置310、転写ローラ6、クリーニング装置(不図示)をこの順で配したプロセス部を備えている。そして、記録部31は、該プロセス部とその下流側の定着器8とにより構成され、プロセス部の上流側にはレジストローラ対5が設置されている。
【0020】
カセット部4或いは手差しトレイ2から繰出された記録媒体は搬送路100を通じて、センサ32を通過し、レジストローラ対5によりレジストされて、感光体ドラム7と転写ローラ6とのニップ部に導入される。感光体ドラム7は図2の矢印方向に回転しながら帯電器によりその表面が帯電され、画像情報に基づく光学画像が露光ユニットによって感光体ドラム7の表面に照射され、感光体ドラム7の表面には静電潜像が形成される。静電潜像は現像装置310で逐次現像されてトナー画像とされ、このトナー画像は感光体ドラム7の回転に伴い、転写ローラ6とのニップ部に至る。レジストローラ対5は、感光体ドラム7の表面のトナー画像の移動に同期して記録媒体が上記ニップ部に導入されるようレジスト制御されて回転駆動される。転写ローラ6は、感光体ドラム7に接し且つ矢印方向(感光体ドラム7とウイズ方向)に回転駆動されながら記録媒体をニップして搬送し、この間感光体ドラム7の表面のトナー像が記録紙に転写される。トナー像が転写された記録媒体は、定着器8に導入され、永久画像として定着された後、搬送ローラ対9を経て、排出ローラ対33により排出トレイ(不図示)上に排出される。
【0021】
ここで搬送路100中に設けられたセンサ32は、レジストローラ対5、画像記録部3の駆動制御のトリガ信号発信部として機能すると共に、搬送路100を通過する記録媒体の長さを検出するセンサであり、公知のフィラー型光電センサを用いることができる。
MPU10はセンサ32による検出結果と、設定されている閾値とを比較してサイズエラー判定制御を行っている。
次に図3のフローチャート(S100〜S106)基づいて、通常のサイズエラー判定制御について説明する。ここではA4の普通紙を印刷する場合について説明し、閾値はタイマ部101の計時時間Xとする。閾値Xは、センサ32が設けられた地点をA4サイズの普通紙が通過する時間に基づいて設定される。
まず外部の通信端末装置からの印刷指令或いは、画像読取部19によって読取られた画像を印刷する指令があると、カセット部4或いは手差しトレイ2から記録媒体が供給される。記録媒体の先端が搬送路100に設けられたセンサ32を通過するとセンサ32がON状態となり(S100)、MPU10のタイマ部101が起動する(S101)。このとき、画像記録部3では、記録媒体の搬送或いは操作部15におけるスタートキー150の操作をトリガとして印刷処理を開始する。タイマ部101は、設定された所定時間Xを計時開始する。タイマ部101での計時がタイムアップした際に(S102)、センサ32がOFF状態(S103)の場合は、記録媒体がすでにセンサ32が設けられた位置を通過しているので、サイズエラーなしと判定し、印刷処理は継続して行われる(S104)。
一方、タイマ部101での計時がタイムアップした際に(S102)、センサ32がON状態(S103)の場合は、記録媒体がいまだセンサ32が設けられた位置を通過中、であるので、サイズエラーと判定し(S105)、印刷処理を停止する(S106)。
すなわち、所定の計時時間(閾値X)を超えても記録媒体が通過中ということは、A4サイズより長い記録媒体が通過していると判断してサイズエラーがなされるのである。
【0022】
次に図4〜図6に基づいて手差しトレイ2にセットされた封筒の印刷処理について説明する。
まず手差しトレイ2に封筒をセットする際には、画像形成装置1本体の側部に設けられた手差しトレイ2を図4に示すように開状態とする。図中200は封筒、201はフラップ(開封口)である。図4は、封筒200が後端から画像記録部3に供給されるよう封筒がセットされている例を示している。手差しトレイ2には、セットされる封筒200の両サイドに位置するスライド自在な一対のサイドガイド22が設けられ、サイドガイド22は記録媒体の印刷合わせ位置が中央になるよう構成されている(中央揃え)。尚、手差しトレイ2の構成は図例のものに限定されず、印刷合わせ位置を片側合わせとしたものとしてもよい。また図例にものは開状態としたとき、略水平に維持される手差しトレイ2を示しているが、斜めに傾斜して固定支持される手差しトレイ2とすることもできる。
【0023】
表示操作部14に備えた記録媒体選択キー152で「封筒」を選択した場合は、封筒の供給方向のモードを選択することできる。
図5に示す封筒200は、長形4号の封筒であり、白抜矢印は封筒200の供給方向を示している。よって封筒200の前端から供給する前向き供給モードの場合は、フラップ201は閉じられた(折られた)状態で画像記録部3に供給されることになる。また、この場合のサイズエラー判定の閾値は封筒200の長手方向の先端がセンサ32を通過してから後端が通過するまでの時間Yとなる。一方封筒200を後端から供給する後向き供給モードの場合は、フラップ201は閉じずに折り曲げない状態で画像記録部3に供給される。よって、この場合、封筒200の長手方向の先端がセンサ32を通過してから後端が通過するまでの時間が前向き供給モードと比べてフラップ201の長さ分だけ長くなる。そこで、封筒印刷において、後向き供給モードが選択された場合は、MPU10はサイズエラー判定の閾値をフラップ201の長さ分が通過する時間αだけ大きく設定変更する制御を行う。ここでいう封筒は、各種ある封筒のうち、方形の封筒の短い一辺にフラップがある長形或いは角形の封筒を印刷する場合を想定しており、市販の封筒の規格サイズ(長形1号・・・、角形1号・・・)に基づく定形封筒或いは定形外封筒をいう。
図中、封筒200に記載された「ABC」は印字方向を示しており、前向き供給モードの場合は、供給される方向に印字され、後向き供給モードの場合は、供給される方向とは180℃回転させた逆方向に印字がなされることとなる。
【0024】
図6に示すフローチャートに基づいて、同画像形成装置1における封筒印刷の基本動作を説明する。ここでは図5に示す長形4号の封筒を前向き或いは後向きから供給する場合の基本動作を説明する。また設定されるサイズエラー判定の閾値は、タイマ部101の計時時間Yとし、計時時間Yはフラップ201を閉じた状態の封筒200の長手方向先端がセンサ32を通過してから後端が通過するまでの時間に相当する。
手差しトレイ2の上に封筒200がセットされ、フィラーセンサ20がオン状態となり(S200)、表示操作部14の記録媒体選択キー152によって封筒印刷が選択された場合は(S201)、モード選択キー153を表示操作部14に表示する(S202)。ここで封筒印刷の選択は、記録媒体の用紙サイズの定形外(A3、A4、B5など規定の用紙サイズ以外)を意味するものとしてもよい。また、封筒印刷若しくは定形外であることの設定は、表示操作部14においてオペレータが設定するものとしてもよいし、手差しトレイ2にサイズスイッチ(不図示)を設けて、オペレータがダイヤルを調整して「定形外」を選択できるものとしてもよい。またこのとき、サイズエラー判定の閾値は、封筒200のサイズに応じて設定されるものとすることができる。
【0025】
モード選択キー153を選択操作して、前向き供給モードがオペレータによって入力されると(S203、S204)、前向き供給モードで印刷処理を行ってよいかの確認画面が表示操作部14に表示される(S205)。そしてオペレータによってスタートキー150が押下げられると(S206)、印刷処理を開始する(S207)。このときの閾値はYのままである(図5参照)。
一方、モード選択キー153によって後向き供給モードがオペレータによって入力されると、MPU10によって閾値を自動的にYからY+α(図5参照)に変更する。
そして後向き供給モードで印刷処理を行ってよいかの確認画面が表示操作部14に表示される(S209)。オペレータによってスタートキー150が押下げられると(S210)、180℃回転して印刷処理を開始する(S211、図5参照)。
【0026】
以上によれば、手差しトレイ2にセットされた記録媒体として封筒200が選択された場合には、封筒200の供給方向のモードを選択する機能を備えているので、封筒200を印刷する際に、オペレータの所望する供給方向で印刷を行うことができる。
従って、使い勝手のよいフレキシブルな画像形成装置1とすることができる。
また供給方向のモード選択によって該センサ32によるサイズエラー判定の閾値を変更するMPU10を備えているので、誤ったサイズエラー判定がなされることがなく、正常に印刷動作を行うことができる。
すなわち後向き供給モードが選択された時には、自動的に前向き供給モードの場合より上記閾値が大きく設定(例えばYからY+α)されるので、封筒200を後向きに供給する場合においてフラップ201の存在により、誤ったサイズエラー判定がなされることがないのである。
尚、上述の基本動作は一例であり、この動作に限定されるものではない。また図4〜図6では手差しトレイ2から画像記録部3に供給され、印刷される封筒の印刷動作について説明したが、これに限定されずカセット部4から封筒が供給され、印刷される場合にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】同画像形成装置における画像記録部を模式的に示した図である。
【図3】同画像形成装置における通常印刷時のサイズエラー検出動作を示すフローチャートである。
【図4】同画像形成装置に備えた手差しトレイの使用状態を示す図である。
【図5】同手差しトレイに供給される封筒の供給方向を模式的に示した図である。
【図6】同画像形成装置における封筒印刷の基本動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0028】
1 画像形成装置
2 手差しトレイ(供給部)
3 画像記録部
4 カセット部(供給部)
10 MPU(制御部)
15 選択部
32 センサ
100 搬送路
153 モード選択キー
200 封筒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像記録部と、記録媒体の供給部と、該供給部から上記画像記録部に向かう記録媒体の搬送路と、供給部にセットされた記録媒体の種類を選択する選択部とを備えた画像形成装置であって、
上記選択部において、記録媒体として封筒が選択された場合には、該封筒の供給方向のモードを選択する機能を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
上記搬送路を通過する記録媒体の長さを検出するセンサと、上記供給方向のモード選択によって該センサによるサイズエラー判定の閾値を変更する制御部とを更に備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像形成装置において、
上記制御部は、上記封筒を後向きに供給するモードが選択された時には、前向きに供給するモードの場合より上記閾値を大きく設定することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−143682(P2009−143682A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−323017(P2007−323017)
【出願日】平成19年12月14日(2007.12.14)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】