説明

画像形成装置

【課題】画像形成装置に異常が起きた際に第2操作部を自動的に収納する画像形成装置を提供する。
【解決手段】本発明の画像形成装置100は、画像形成装置100の操作をするための第1操作部130と、ユーザの入力操作を受け付けるキーボード142を有し、キーボード142が画像形成装置100の外部に突出する突出位置とキーボード142が画像形成装置100の内部に収納する収納位置との間で変位可能な第2操作部140と、第2操作部140を突出位置または収納位置に変位させるCPU160と、画像形成装置100の異常および異常解除を検出する検出部200と、を備える。CPU160は、検出部200が異常を検出した際に第2操作部140が収納位置に位置していない場合に、第2操作部140を収納位置へと変位させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キーボードを有する操作部を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通常の画像形成装置では、画像形成装置本体を制御するための入力キーを含む第1操作部が、操作性向上のために画像形成装置本体の上部に配置されることが多い。また、近年、画像形成装置の多機能化に伴う入力キー数の増加および操作性向上のための入力キーの大型化の要求が高く、第1操作部を大型化する必要が生じている。
【0003】
そこで、ユーザの入力操作を受け付けるためのキーボードを備えて入力キーの大型化に対応した第2操作部を備える画像形成装置であって、未使用時には装置内に第2操作部が格納されており、使用時には装置内から手前側へ第2操作部を引き出す画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−279692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の画像形成装置において、第2操作部が引き出された状態のときに装置本体に異常が発生すると、ユーザは、第2操作部を収納せずに装置本体の復帰作業を行うことがあった。この際、ユーザが引き出されたままの第2操作部にぶつかって第2操作部が破損する問題があった。
【0006】
そこで本発明の目的は、上記課題に鑑み、画像形成装置に異常が起きた際に第2操作部を自動的に収納する画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の画像形成装置は、画像形成装置本体の操作をするための第1操作部と、ユーザの入力操作を受け付けるキーボードを有し、前記キーボードが前記画像形成装置本体の外部に突出する突出位置と前記キーボードが前記画像形成装置本体の内部に収納する収納位置との間で変位可能な第2操作部と、前記第2操作部を前記突出位置または前記収納位置に変位させる制御部と、前記画像形成装置本体の異常および異常解除を検出する検出部と、を備える。前記制御部は、前記検出部が前記異常を検出した際に前記第2操作部が前記収納位置に位置していない場合に、前記第2操作部を前記収納位置へと変位させる。
【0008】
この構成では、第2操作部が収納位置に位置していないときに検出部においてジャム等の異常が検出されると、第2操作部を自動的に画像形成装置本体に収納する。したがって、ユーザが画像形成装置の復帰作業を行う際に第2操作部が邪魔になることがない。
【0009】
前記制御部は、前記検出部が前記異常を検出した際に前記第2操作部が前記突出位置に位置していた場合において、前記検出部が前記異常解除を検出すると、前記第2操作部を前記収納位置から前記突出位置へと変位させてもよい。
【0010】
この構成では、第2操作部のキーボードを使って文字入力操作を行っているときに検出部において異常が検出されると、一旦第2操作部は収納位置へと変位する。そして検出部において異常解除が検出されると、再び第2操作部を突出位置に変位することにより、ユーザが迅速に文字入力操作を再開することができる。
【0011】
前記検出部が前記異常解除を検出した後の時間を計測する計測部をさらに備え、前記制御部は、前記検出部が前記異常を検出した際に前記第2操作部が前記突出位置に位置していた場合において、前記計測部による計測時間が一定時間以上となると、前記第2操作部を前記収納位置から前記突出位置へと変位させてもよい。
【0012】
この構成では、第2操作部のキーボードを使って文字入力操作を行っているときに検出部において異常が検出されると、一旦第2操作部は収納位置へと変位する。そして検出部において異常解除が検出されて一定時間経過後に第2操作部を突出位置に変位することにより、ユーザが突出位置へ変位中の第2操作部にぶつかることを防止できるとともに、ユーザが文字入力操作を再開することができる。
【0013】
前記検出部が前記異常解除を検出した後で前記制御部が前記第2操作部を前記収納位置から前記突出位置へと変位させる前に予め前記第2操作部が前記収納位置から前記突出位置へと変位する旨を通知する通知部をさらに備えると好ましい。
【0014】
この構成では、第2操作部を突出位置へ変位させる場合は、予めその旨のメッセージを第1操作部の表示画面等に表示させることにより、ユーザが誤って突出位置へ変位中の第2操作部にぶつかることを防止できる。
【0015】
前記検出部は、用紙のジャムの発生の有無を検出するジャム検出部を有すると好ましい。
【0016】
この構成では、ユーザが第2操作部のキーボードを使用しているとき、または第2操作部が突出位置で放置されているときに、画像形成装置にジャムが発生した場合でも、ユーザは、引き出されたままの第2操作部にぶつかることなく容易にジャムの解除作業を行うことができる。
【0017】
前記検出部は、トナー残量を検出するトナー残量検出部を有すると好ましい。
【0018】
この構成では、ユーザが第2操作部のキーボードを使用しているとき、または第2操作部が突出位置で放置されているときに、トナー残量が少なくなった場合でも、ユーザは、引き出されたままの第2操作部にぶつかることなく容易にトナーの補給やトナーボトルの交換等の作業を行うことができる。
【0019】
前記検出部は、用紙残量を検出する用紙残量検出部を有すると好ましい。
【0020】
この構成では、ユーザが第2操作部のキーボードを使用しているとき、または第2操作部が突出位置で放置されているときに、用紙残量が少なくなった場合でも、ユーザは、引き出されたままの第2操作部にぶつかることなく容易に用紙の補給作業を行うことができる。
【0021】
前記検出部は、前記画像形成装置本体の扉の開閉を検出する開閉検出部を有すると好ましい。
【0022】
この構成では、ユーザが画像形成装置の扉を開いて作業を行う際に、引き出されたままの第2操作部に誤ってぶつかることを防止することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明における画像形成装置は、画像形成装置に異常が起きた際に第2操作部を自動的に収納する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の第2操作部の構成を示す図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の第2操作部の構成を示す図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の第2操作部を変位する際に働く各部の構成を示す図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の第2操作部を手動で変位したときのフローチャートである。
【図7】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の第2操作部を駆動する駆動モータの回路の一部を示す図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の主要な構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の検出部の構成を示す図である。
【図10】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置に異常が起きた際の制御部の制御内容を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の第2操作部が突出位置に位置している図である。
【図12】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の第2操作部が収納位置に位置している図である。
【図13】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の表示部において設定部の設定内容が表示されている図である。
【図14】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の表示部において通知部による通知がされていることを示す図である。
【図15】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置に異常が起きた際の制御部の制御内容を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の最良の実施形態に係る画像形成装置を、図面を参照にしつつ詳細に説明する。
【0026】
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。
【0027】
画像形成装置100は、外部から伝達された画像データに応じて、所定のシート(記録用紙)に対して多色および単色の画像を形成するもので、装置本体110と、自動原稿処理装置120とにより構成されている。装置本体110は、露光ユニット1、現像器2、感光体ドラム3、クリーナユニット4、帯電器5、中間転写ベルトユニット6、定着ユニット7、給紙カセット81および排紙トレイ91を有して構成されている。
【0028】
装置本体110の上部には、画像読取装置に該当するものであり、原稿が載置される透明ガラスからなる原稿載置台92が設けられ、原稿載置台92の上側には自動原稿処理装置120が取り付けられている。自動原稿処理装置120は、原稿載置台92の上に自動で原稿を搬送する。また、自動原稿処理装置120は、矢印M方向に回動自在に構成され、原稿載置台92の上を開放することにより原稿を手置きで置くことができるようになっている。
【0029】
画像形成装置100において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたものである。したがって、現像器2、感光体ドラム3、帯電器5およびクリーナユニット4は、各色に応じた4種類の潜像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、それぞれブラック、シアン、マゼンタ、イエローに設定され、これらによって4つの画像ステーションが構成されている。
【0030】
帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、図1に示すようなチャージャ型の他、接触型のローラ型やブラシ型の帯電器が用いられることもある。
【0031】
露光ユニット1は、レーザ射出部および反射ミラー等を備えたレーザスキャニングユニット(LSU)として構成される。露光ユニット1は、レーザビームを走査するポリゴンミラーと、ポリゴンミラーによって反射されたレーザ光を感光体ドラム3に導くためのレンズやミラー等の光学要素が配置されている。露光ユニット1としては、この他発光素子をアレイ状に並べた例えばELやLED書き込みヘッドを用いる手法も採用できる。
【0032】
露光ユニット1は、帯電された感光体ドラム3を入力された画像データに応じて露光することにより、その表面に、画像データに応じた静電潜像を形成する機能を有する。現像器2は、それぞれの感光体ドラム3上に形成された静電潜像を4色(YMCK)のトナーにより顕像化するものである。また、クリーナユニット4は、現像・画像転写後における感光体ドラム3上の表面に残留したトナーを除去・回収する。
【0033】
感光体ドラム3の上方に配置されている中間転写ベルトユニット6は、中間転写ベルト61、中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、中間転写ローラ64および中間転写ベルトクリーニングユニット65を備えている。中間転写ローラ64は、YMCK用の各色に対応して4本設けられている。
【0034】
中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63および中間転写ローラ64は、中間転写ベルト61を張架して回転駆動させる。また、各中間転写ローラ64は、感光体ドラム3のトナー像を、中間転写ベルト61上に転写するための転写バイアスを与える。
【0035】
中間転写ベルト61は、各感光体ドラム3に接触するように設けられている。そして、感光体ドラム3に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト61に順次的に重ねて転写することによって、中間転写ベルト61上にカラーのトナー像(多色トナー像)を形成する機能を有している。中間転写ベルト61は、例えば厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端状に形成されている。
【0036】
感光体ドラム3から中間転写ベルト61へのトナー像の転写は、中間転写ベルト61の裏側に接触している中間転写ローラ64によって行われる。中間転写ローラ64には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。中間転写ローラ64は、直径8mm〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面が導電性の弾性材(例えばEPDM、発泡ウレタン等)により覆われているローラである。この導電性の弾性材により、中間転写ベルト61に対して均一に高電圧を印加することができる。本実施形態では転写電極としてローラ形状を使用しているが、それ以外にブラシなども用いることが可能である。
【0037】
上述のように各感光体ドラム3上で各色相に応じて顕像化された静電像は中間転写ベルト61で積層される。このように、積層された画像情報は中間転写ベルト61の回転によって、用紙と中間転写ベルト61との接触位置に配置される転写ローラ10によって用紙上に転写される。
【0038】
このとき、中間転写ベルト61と転写ローラ10は所定ニップで圧接されるとともに、転写ローラ10にはトナーを用紙に転写させるための電圧が印加される(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)。さらに、転写ローラ10は上記ニップを定常的に得るために、転写ローラ10もしくは中間転写ベルト駆動ローラ62のいずれか一方を硬質材料(金属等)とし、他方を弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラまたは発泡性樹脂ローラ等)としている。
【0039】
また、上記のように、感光体ドラム3に接触することにより中間転写ベルト61に付着したトナーもしくは転写ローラ10によって用紙上に転写が行われず中間転写ベルト61上に残存したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となるため、中間転写ベルトクリーニングユニット65によって除去・回収されるように設定されている。中間転写ベルトクリーニングユニット65には、中間転写ベルト61に接触する例えばクリーニング部材としてクリーニングブレードが備えられており、クリーニングブレードが接触する中間転写ベルト61は、裏側から中間転写ベルト従動ローラ63で支持されている。
【0040】
給紙カセット81は、画像形成に使用するシート(記録用紙)を蓄積しておくためのトレイであり、装置本体110の露光ユニット1の下側に設けられている。また、手差し給紙カセット82にも画像形成に使用するシートを置くことができる。さらに、装置本体110の上方に設けられている排紙トレイ91は、印刷済みのシートをフェイスダウンで集積するためのトレイである。
【0041】
装置本体110には、給紙カセット81および手差し給紙カセット82のシートを転写ローラ10や定着ユニット7を経由させて排紙トレイ91に送るための、略垂直形状の用紙搬送路Sが設けられている。給紙カセット81ないし手差し給紙カセット82から排紙トレイ91までの用紙搬送路Sの近傍には、ピックアップローラ11a,11b、複数の搬送ローラ12a〜12d,レジストローラ13、転写ローラ10および定着ユニット7が配置されている。
【0042】
搬送ローラ12a〜12dは、シートの搬送を促進・補助するための小型のローラであり、用紙搬送路Sに沿って複数設けられている。ピックアップローラ11aは、給紙カセット81の端部近傍に備えられ、給紙カセット81からシートを1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。同様にピックアップローラ11bは、手差し給紙カセット82の端部近傍に設けられ、手差し給紙カセット82からシートを1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。
【0043】
また、レジストローラ13は、用紙搬送路Sを搬送されているシートを一旦保持するものである。そして、感光体ドラム3上のトナー像の先端とシートの先端を合わせるタイミングでシートを転写ローラ10に搬送する機能を有している。
【0044】
定着ユニット7は、ヒートローラ71および加圧ローラ72を備えており、ヒートローラ71および加圧ローラ72は、シートを挟んで回転するようになっている。またヒートローラ71は、図示しない温度検出器からの信号に基づいて制御部によって所定の定着温度となるように設定されており、加圧ローラ72とともにトナーをシートに熱圧着することにより、シートに転写された多色トナー像を溶融・混合・圧接し、シートに対して熱定着させる機能を有している。またヒートローラ71を外部から加熱するための外部加熱ベルト73が設けられている。
【0045】
次にシート搬送経路を詳細に説明する。上述のように、画像形成装置には予めシートを収納する給紙カセット81および手差し給紙カセット82が設けられている。これら給紙カセット81,82からシートを給紙するために、各々ピックアップローラ11a,11bが配置され、シートを1枚ずつ搬送路Sに導くようになっている。
【0046】
各給紙カセット81,82から搬送されるシートは用紙搬送路Sの搬送ローラ12aによってレジストローラ13まで搬送され、シートの先端と中間転写ベルト61上の画像情報の先端を整合するタイミングで転写ローラ10に搬送され、シート上に画像情報が書き込まれる。その後、シートは定着ユニット7を通過することによってシート上の未定着トナーが熱で溶融・固着され、その後に配された搬送ローラ12bを経て排紙トレイ91上に排出される。
【0047】
上記の搬送経路は、シートに対する片面印字要求のときのものであるが、これに対して両面印字要求のときは、上記のように片面印字が終了し定着ユニット7を通過したシートの後端が最終の搬送ローラ12bで把持されたときに、搬送ローラ12bが逆回転することによってシートを搬送ローラ12c,12dに導く。そしてその後レジストローラ13を経てシート裏面に印字が行われた後にシートが排紙トレイ91に排出される。
【0048】
図2は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の斜視図である。
【0049】
画像形成装置100は、画像形成装置100の状態と処理内容とが表示されるタッチパネル式の表示部131、スタートキーやクリアキーなどの複数のキー134および第2操作部140を自動的に変位するための開閉スイッチ180を有する第1操作部130ならびにユーザの入力操作を受け付けるキーボード142を有する第2操作部140を備える。また、画像形成装置100は、画像形成装置100で読み取ったデータを保存するためのUSBメモリー150が着脱可能となっている。
【0050】
第1操作部130は、画像形成装置100の操作をするためのものであり、画像形成装置100の上面に固定的に配置されている。第2操作部140は、軸X方向においてキーボード142が画像形成装置100の外部に突出する突出位置とキーボード142が画像形成装置100の内部に収納する収納位置との間で変位可能である。第2操作部140は、第1操作部130に設けられた開閉スイッチ180が押下されることによって自動的に変位する。図2では、第2操作部140が突出位置に位置する様子を示している。
【0051】
第2操作部140は、突出位置において表示部131の装置手前側に位置する。したがって、入力した文字列を表示部131で確認しながらキーボード142で文字を入力することができるため、容易に文字入力ができる。
【0052】
図3、図4は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の第2操作部の構成を示す図である。
【0053】
図3、図4は、第2操作部140の構成の概略を示す。また、図3、図4は、各部の構成がわかりやすいように変位中の第2操作部140を示す。図3は、第2操作部140を上面から見た図で、図4は、第2操作部140を水平方向から見た図である。
【0054】
キーボード142は、樹脂製あるいは板金のキーボードトレイ141に固定されている。キーボードトレイ141は、その両端が画像形成装置100に設けられたスライドレールに固定され、スライドレールの伸縮によりキーボード142を含むキーボードトレイ141が変位可能となる。
【0055】
キーボードトレイ141の変位方向における幅方向の一端には、ラックギア145が設けられている。ラックギア145は、画像形成装置100に設けられた駆動モータ143の回転軸に嵌挿されたピニオンギア144と噛合している。駆動モータ143は、正逆両回転が可能である。したがって、キーボードトレイ141は、ラックピニオン駆動方式で可動し、突出位置と収納位置との間で変位する。
【0056】
キーボードトレイ141の変位方向における幅方向の他端には、軸受部148A,148Bが設けられている。軸受部148A,148Bは、キーボードトレイ141の変位方向と平行に孔が開いており、画像形成装置100に固定配置された軸146がその孔を貫通して係合している。
【0057】
軸146の一端にはストッパ147Aが、他端にはストッパ147Bが設けられている。ストッパ147A,147Bは、キーボードトレイ141の可動範囲を規制するための部材である。軸受部148A,148Bは、軸146を摺動するが、キーボード142の突出方向においては軸受部148Aがストッパ147Aに当接するまで、キーボード142の収納方向においては軸受部148Bがストッパ147Bに当接するまでの範囲でキーボードトレイ141が可動する。
【0058】
また、ストッパ147Aには突出検知センサ181が、ストッパ147Bには収納検知センサ182が設けられている。突出検知センサ181は、第2操作部140が突出位置に位置したときに軸受部148Aと接触する。収納検知センサ182は、第2操作部140が収納位置に位置したときに軸受部148Bと接触する。したがって、画像形成装置100における制御部は、突出検知センサ181および収納検知センサ182からの情報に基づいて、第2操作部140が突出位置に位置しているのか収納位置に位置しているのかを判断することができる。
【0059】
図5は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の第2操作部を変位する際に働く各部の構成を示す図である。
【0060】
CPU160は、突出検知センサ181、収納検知センサ182、開閉スイッチ180および駆動モータ143と接続する。CPU160は、本発明の制御部に相当する。
【0061】
突出検知センサ181は、接触検知型のセンサであり、軸受部148Aが接触する状態で第2操作部140が突出位置に位置している。このとき、突出検知センサ181は、軸受部148Aが接触している(ONしている)という情報をCPU160に伝達する。収納検知センサ182は、接触検知型のセンサであり、軸受部148Bが接触する状態で第2操作部140が収納位置に位置している。このとき、収納検知センサ182は、軸受部148Bが接触している(ONしている)という情報をCPU160に伝達する。
【0062】
第2操作部140は、開閉スイッチ180が押下されることでCPU160が駆動モータ143を駆動させて位置を変位することができる。具体的には、突出検知センサ181が軸受部148Aと接触しているときには突出位置から収納位置へ、収納検知センサ182が軸受部148Bと接触しているときには収納位置から突出位置へ、と自動で変位可能となっている。
【0063】
図6は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の第2操作部を手動で変位したときのフローチャートである。
【0064】
本実施形態では、開閉スイッチ180を押下して自動で第2操作部を変位する以外に、手動で第2操作部を変位することもできる。
【0065】
図6(A)は、第2操作部140が突出位置にある場合に手動で第2操作部140を変位したときのフローチャートである。
【0066】
第2操作部140が突出位置にある場合は、軸受部148Aが突出検知センサ181に接触しており、突出検知センサ181がONしている状態である。突出検知センサ181がONしているという情報はCPU160に伝達されている。
【0067】
CPU160は、突出検知センサ181がONしている場合には待機状態にある(S10のY)。CPU160は、ユーザが第2操作部140を手動で変位させて突出検知センサ181がOFFした情報を受け取ると(S10のN)、第2操作部140を収納位置に変位させるために駆動モータ143を駆動させる(S20)。CPU160は、収納検知センサ182がONするまで駆動モータ143を駆動させる(S30のN)。CPU160は、収納検知センサ182がONした情報を受け取ると(S30のY)、駆動モータ143を停止させる(S40)。
【0068】
図6(B)は、第2操作部140が収納位置にある場合に手動で第2操作部140を変位したときのフローチャートである。
【0069】
第2操作部140が収納位置にある場合は、軸受部148Bが収納検知センサ182に接触しており、収納検知センサ182がONしている状態である。収納検知センサ182がONしているという情報はCPU160に伝達されている。
【0070】
CPU160は、収納検知センサ182がONしている場合には待機状態にある(S50のY)。CPU160は、ユーザが第2操作部140を手動で変位させて収納検知センサ182がOFFした情報を受け取ると(S50のN)、第2操作部140を突出位置に変位させるために駆動モータ143を駆動させる(S60)。CPU160は、突出検知センサ181がONするまで駆動モータ143を駆動させる(S70のN)。CPU160は、突出検知センサ181がONした情報を受け取ると(S70のY)、駆動モータ143を停止させる(S80)。
【0071】
上記のように、手動で第2操作部140を検知センサがOFFするまで変位させたら、CPU160が駆動モータ143を駆動させて第2操作部140が自動で変位する。
【0072】
図7は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の第2操作部を駆動する駆動モータの回路の一部を示す図である。
【0073】
手動で第2操作部140を変位すると、駆動モータ143のピニオンギア144が回転するとともに駆動モータ143の回転軸が回転する。このとき、駆動モータ143のコイル210の両端には逆起電力が発生する。そこで、手動で第2操作部140を変位できる本実施形態では、駆動モータ143のコイル210の両端に発生する逆起電力を逃がす機構が必要となる。
【0074】
図7(A)では、コイル210の両端においてショットキーダイオード212を接続している。この構成では、コイル210の両端に発生する逆起電力をコイル210で熱として逃がすことができる。
【0075】
図7(B)では、コイル210の両端においてショットキーダイオード212と抵抗214とを接続している。この構成では、コイル210の両端に発生する逆起電力を抵抗214で熱として逃がすことができる。
【0076】
図7(C)では、コイル210の両端においてショットキーダイオード212とツェナーダイオード216とを接続している。この構成では、コイル210の両端に発生する逆起電力をツェナーダイオード216のツェナー電圧で逃がすことができる。
【0077】
図8は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の主要な構成を示すブロック図である。
【0078】
CPU160は、第1操作部130、駆動モータ143、メモリー161、HDD162、LCDコントローラ163、突出検知センサ181、収納検知センサ182、計測部195、通知部196および検出部200に接続し、各部を総括的に制御する。また、LCDコントローラ163は、ユーザの入力操作を受け付けるキーボード142を有し、キーボード142が画像形成装置100の外部に突出する突出位置とキーボード142が画像形成装置100の内部に収納する収納位置との間で変位可能な第2操作部140と接続している。さらに、駆動モータ143は、第2操作部140を変位可能な位置に配置されている。
【0079】
第1操作部130には、画像形成装置100の状態と処理内容とが表示されるタッチパネル式の表示部131、画像形成装置100の異常が検出部200で検出され、後に異常解除が検出部200で検出されてから計測部195で異常解除後の経過時間を計測するかどうかを設定する設定部132、スタートキーやクリアキーなどの複数のキー134および第2操作部140を自動的に変位するための開閉スイッチ180を有する。
【0080】
メモリー161は、CPU160による画像形成装置100の制御に必要なデータを記憶している。HDD162は、画像形成装置100によって読み取られた画像等のデータを格納する。CPU160は、HDD162に格納されたデータを読み出して印刷等の処理を行う。
【0081】
CPU160は、収納検知センサ182がONしている場合に開閉スイッチ180が押下されると、駆動モータ143を駆動させて第2操作部140を収納位置から突出位置へと変位させる。するとユーザは、キーボード142を使って文字入力をすることが可能となる。キーボード142で入力された文字は、LCDコントローラ163を介して表示部131に表示される。CPU160は、文字入力が終わって開閉スイッチ180が押下されると、駆動モータ143を駆動させて第2操作部140を突出位置から収納位置へと変位させる。文字入力が必要なときにだけ第2操作部140を突出させ、文字入力が終わると第2操作部140を収納させることにより、文字入力を快適に行うことができ、かつ、文字入力後に第2操作部140がユーザの邪魔になることがない。
【0082】
検出部200は、ジャム検出部210、トナー残量検出部220、用紙残量検出部230および開閉検出部240を有する。ジャム検出部210、トナー残量検出部220、用紙残量検出部230および開閉検出部240は、画像形成装置100の異常および異常解除を検出する。
【0083】
計測部195は、検出部200において異常解除が検出された後、第2操作部140が突出位置へ変位開始するまでの時間を計測する。CPU160は、計測開始から一定時間が経過すると、第2操作部140を突出位置へ変位させる。なお、計測部195に異常解除後の時間を計測させるかどうかは、設定部132で予め設定できる。
【0084】
通知部196は、検出部200において異常解除が検出された後、第2操作部140が突出位置へ変位する旨の通知をする。この通知方法としては、表示部131においてその旨の表示をしたり、また、音を発することでその旨を通知する方法が挙げられる。本実施形態では、表示部131において第2操作部140が突出位置へ変位する旨の表示を行うことにする。
【0085】
図9は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の検出部の構成を示す図である。
【0086】
図9(A)は、ジャム検出部210の構成を示す図である。ジャム検出部210は、画像形成装置の各部に配置可能であるが、ここでは、定着ユニット7でのジャムを検出するジャム検出部について説明する。ジャム検出部210は、用紙検出センサ211,212およびタイマから構成される。ジャム検出部210は、用紙検出センサ211,212およびタイマにより、用紙到達時間および用紙通過時間を見張っており、CPU160にその情報を伝達している。CPU160は、ジャム検出部210から用紙到達時間または用紙通過時間の異常値が伝達されると、定着ユニット7においてジャムが発生したと判断し、画像形成装置100の動作を停止させる。その後、ユーザがジャム処理を行って用紙検出センサ211,212が用紙を検出しない場合には、CPU160は、ジャム処理が完了したと判断して画像形成装置100の動作を開始させる。
【0087】
図9(B)は、トナー残量検出部220の構成を示す図である。トナー残量検出部220は、接触式センサ221および支持部材222,223から構成される。接触式センサ221および支持部材222,223は、画像形成装置100においてトナー容器20が配置される場所の底面に配置される。接触式センサ221は、CPU160と接続しており、トナー容器20が接触したか否かをCPU160に伝達する。支持部材222,223は、トナー容器20内に十分な量のトナーが入っていれば、トナー容器20の底面が接触式センサ221に接触する程度の弾性力をもつ。
【0088】
ここで、トナー容器20内に十分な量のトナーが入っていれば、その重量で支持部材222,223が縮み、トナー容器20の底面が接触式センサ221と接触する。このときの接触式センサ221の情報を受け取ったCPU160は、トナー残量が十分量あると判断する。逆に、トナー容器20内に少量のトナーしか入っていなければ、支持部材222,223は、トナー容器20が接触式センサ221に接触しない程度に支持することが可能である。このときの接触式センサ221の情報を受け取ったCPU160は、トナー残量が少ないと判断し、表示部131にその旨を表示してユーザにトナーの補給を促す。
【0089】
図9(C)は、用紙残量検出部230の構成を示す図である。用紙残量検出部230は、反射鏡231、発光センサ232および受光センサ233から構成される。反射鏡231は、給紙カセット81の先端に配置される。発光センサ232は、反射鏡231から所定距離離れた位置に配置される。受光センサ233は、用紙残量が少ないときに発光センサ232からの光を受光できる位置に配置される。受光センサ233は、CPU160と接続しており、発光センサ232からの光を受光したか否かをCPU160に伝達する。通常、給紙カセット81の周囲には壁があるため、ここでは反射鏡231と発光センサ232および受光センサ233との間には透過口234が設けられている。給紙カセット81の底面には支持部材235が配置されており、給紙カセット81内の用紙残量に応じて反射鏡231の位置が変位するようになっている。
【0090】
ここで、給紙カセット81内に十分な量の用紙がセットされていれば、その重量で支持部材235が縮み、反射鏡231が発光センサ232からの光が当たらない位置まで変位するため、受光センサ233が受光することがない。このときの受光センサ233からの情報を受け取ったCPU160は、用紙残量が十分量あると判断する。逆に、給紙カセット81内に少量の用紙しかセットされていなければ、支持部材235によって給紙カセット81が持ち上げられ、反射鏡231が発光センサ232からの光が当たる位置まで変位する。すると、発光センサ232からの光を反射鏡231が反射し、受光センサ233がその光を受光する。このときの受光センサ233からの情報を受け取ったCPU160は、用紙残量が少ないと判断し、表示部131にその旨を表示してユーザに用紙の補給を促す。
【0091】
図9(D)は、開閉検出部240の構成を示す図である。また、図9(D)は、扉243が開放状態であり、扉244が閉鎖状態であることを示す。開閉検出部240は、磁気検知センサ241、磁石242から構成される。磁石242は、扉243の内側に設けられている。磁気検知センサ241は、扉243が閉鎖状態のときに磁石242と対向する位置に設けられている。磁気検知センサ241は、CPU160と接続しており、磁気を検知したか否かをCPU160に伝達する。扉244には磁石245が破線で示されているが、磁石245に対向する位置に磁気検知センサが設けられている。
【0092】
ここで、扉243が扉244のように閉鎖状態であれば、磁石242が磁気検知センサ241に近接し、磁気検知センサ241が磁気を検知する。このときの磁気検知センサ241からの情報を受け取ったCPU160は、扉243が閉鎖状態であると判断する。逆に、図9(D)のように扉243が開放状態であれば、磁気検知センサ241は磁気を検知することがない。このときの磁気検知センサ241からの情報を受け取ったCPU160は、扉243が開放状態であると判断し、画像形成装置100の動作を停止させる。
【0093】
図10は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置に異常が起きた際の制御部の制御内容を示すフローチャートである。図11は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の第2操作部が突出位置に位置している図である。図12は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の第2操作部が収納位置に位置している図である。図13は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の表示部において設定部の設定内容が表示されている図である。図14は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の表示部において通知部による通知がされていることを示す図である。
【0094】
CPU160は、ジャム検出部210がジャムを検出するまで待機する(S110のN)。CPU160は、用紙が図9(A)のようにヒートローラ71に巻きつき、ジャム検出部210から用紙到達時間または用紙通過時間の異常値が伝達されると(S110のY)、第2操作部140が突出位置に位置しているか否かを判断する(S120)。
【0095】
図11に示すように、第2操作部140が突出位置に位置している場合は、突出検知センサ181が軸受部148Aに接触しており、その情報がCPU160に伝達されるので、CPU160は、第2操作部140が突出位置に位置していると判断する。また、図12に示すように、第2操作部140が収納位置に位置している場合は、突出検知センサ181が軸受部148Aに接触しておらず、その情報がCPU160に伝達されるので、CPU160は、第2操作部140が突出位置に位置していないと判断する。
【0096】
CPU160は、第2操作部140が突出位置に位置していないと判断した場合は(S120のN)、本実施形態の制御を終了する。CPU160は、第2操作部140が突出位置に位置していると判断した場合は(S120のY)、第2操作部140を収納位置へ変位させるために駆動モータ143を駆動させる(S130)。CPU160は、図12に示すように、第2操作部140が収納位置に位置して収納検知センサ182が軸受部148Bに接触し、その情報がCPU160に伝達されるまで駆動モータ143を駆動させ続ける(S140のN)。CPU160は、収納検知センサ182が軸受部148Bに接触したという情報が収納検知センサ182から伝達されると、第2操作部140が収納位置に位置したと判断し(S140のY)、駆動モータ143の駆動を停止させる(S150)。
【0097】
その後、CPU160は、ジャムが解除されるまで待機する(S160のN)。CPU160は、ジャムが解除されたと判断した場合に(S160のY)、図13に示す設定画面で、ジャム解除後にすぐに第2操作部140を突出位置に位置させるように予め設定されていたときは(S170のN)、図14(A)に示すように、すぐに第2操作部140が突出位置に突出する旨の通知を通知部196に通知させる(S180)。
【0098】
また、CPU160は、ジャムが解除されたと判断した場合に(S160のY)、図13に示す設定画面で、ジャム解除後一定時間経過後に第2操作部140を突出位置に位置させるように予め設定されていたときは(S170のY)、図14(B)に示すように、第2操作部140が突出位置に突出するまでの時間を通知部196に通知させる(S190)。なお、S190で表示される時間をカウントダウンさせて表示してもよい。
【0099】
S190の後、CPU160は、計測部195に時間の計測を開始させる(S200)。CPU160は、計測部195の計測時間が予め設定部132で設定した時間を経過するまで待機する(S210のN)。CPU160は、計測部195の計測時間が前記時間を経過すると(S210のY)、計測部195による時間の計測を終了させる(S220)。その後、CPU160は、計測部195で計測された時間をリセットする(S230)。
【0100】
S180またはS230の後、CPU160は、第2操作部140を突出位置へ変位させるために駆動モータ143を駆動させる(S240)。CPU160は、図11に示すように、第2操作部140が突出位置に位置して突出検知センサ181が軸受部148Aに接触し、その情報がCPU160に伝達されるまで駆動モータ143を駆動させ続ける(S250のN)。CPU160は、突出検知センサ181が軸受部148Aに接触したという情報が突出検知センサ181から伝達されると、第2操作部140が突出位置に位置したと判断し(S250のY)、駆動モータ143の駆動を停止させる(S260)。
【0101】
CPU160が図10のフローを実行することにより、ジャム検出時に第2操作部140が突出位置に位置している場合でも、自動的に第2操作部140を収納させるため、ジャム処理時に第2操作部140がユーザの邪魔になることがない。また、ジャム検出時に第2操作部140が突出位置に位置していた場合に、ジャム処理後に自動的に第2操作部140を突出させるため、ジャム処理前のキーボード142での入力操作を迅速に再開することができる。
【0102】
図10のフローチャートでは、ジャム検出部210がジャムを検出した場合のCPU160の制御内容を示しているが、トナー残量検出部220がトナー残量が少ないことを検出した場合、用紙残量検出部230が用紙残量が少ないことを検出した場合および開閉検出部240が扉の開放を検出した場合にも適用できる。具体的には、各検出部が異常を検出したかどうかの判断をS110に、各検出部が異常解除を検出したかどうかの判断をS160に、それぞれ当てはめればよい。
【0103】
また、図13では、設定部132においてジャム解除後に計測部195で時間を計測させるか否かの設定を行っているが、表示部131には他の異常解除後に計測部195で時間を計測させるか否かの設定画面に移行させるためのキー219,229,239,249が表示されている。したがって、異常の種類に応じて第2操作部140が突出位置に位置するまでの時間を設定できる。
【0104】
図15は、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置に異常が起きた際の制御部の制御内容を示すフローチャートである。
【0105】
第1実施形態では、図6において説明したように、第2操作部140を手動で変位させたとしても駆動モータ143によって突出位置または収納位置まで変位するため、第2操作部140は、突出位置および収納位置以外の位置は取りえない。したがって、第1実施形態ではこれに即して説明している。しかし、本発明は、第2操作部140を手動で変位させたときに駆動モータ143が駆動せず、そのために第2操作部140が突出位置および収納位置以外の位置を取りうる構成においても適用できる。本実施形態では、このような構成においてのCPU160の制御内容について説明する。
【0106】
CPU160は、ジャム検出部210がジャムを検出するまで待機する(S110のN)。CPU160は、用紙が図9(A)のようにヒートローラ71に巻きつき、ジャム検出部210から用紙到達時間または用紙通過時間の異常値が伝達されると(S110のY)、第2操作部140が突出位置に位置しているか否かを判断する(S120)。
【0107】
CPU160は、第2操作部140が突出位置に位置していると判断した場合は(S120のY)、第2操作部140を収納位置へ変位させるために駆動モータ143を駆動させる(S130)。これ以降のCPU160の制御内容は、第1実施形態と同様である。
【0108】
CPU160は、第2操作部140が突出位置に位置していないと判断した場合は(S120のN)、収納位置に位置しているか否かを判断する(S125)。CPU160は、第2操作部140が収納位置に位置していると判断した場合は(S125のY)、本実施形態の制御を終了する。
【0109】
CPU160は、第2操作部140が収納位置に位置していないと判断した場合は(S125のN)、第2操作部140を収納位置へ変位させるために駆動モータ143を駆動させる(S130)。CPU160は、図12に示すように、第2操作部140が収納位置に位置して収納検知センサ182が軸受部148Bに接触し、その情報がCPU160に伝達されるまで駆動モータ143を駆動させ続ける(S140のN)。CPU160は、収納検知センサ182が軸受部148Bに接触したという情報が収納検知センサ182から伝達されると、第2操作部140が収納位置に位置したと判断し(S140のY)、駆動モータ143の駆動を停止させる(S150)。
【0110】
S150の後、CPU160は、S120で第2操作部140が突出位置に位置していたか否かを判断する(S155)。CPU160は、S120で第2操作部140が突出位置に位置していたと判断した場合は(S155のY)、ジャムが解除されるまで待機する(S160のN)。これ以降のCPU160の制御内容は、第1実施形態と同様である。CPU160は、S120で第2操作部140が突出位置に位置していなかったと判断した場合は(S155のN)、本実施形態の制御を終了する。
【0111】
CPU160が図15のフローを実行することにより、第2操作部140が突出位置と収納位置のどちらでもない位置を取りうる構成のときにも、本発明の効果を奏することができる。ジャム検出時に第2操作部140が収納位置に位置していない場合には自動的に第2操作部140を収納させるため、ジャム処理時に第2操作部140がユーザの邪魔になることがない。また、ジャム検出時に第2操作部140が突出位置にも収納位置にも位置していない場合は、第2操作部140の閉め忘れだとみなして自動的に収納位置に位置させ、ジャム処理後に不必要に第2操作部140を突出させることがない。
【0112】
最後に、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0113】
100−画像形成装置
130−第1操作部
140−第2操作部
142−キーボード
160−CPU
195−計測部
196−通知部
200−検出部
210−ジャム検出部
220−トナー残量検出部
230−用紙残量検出部
240−開閉検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置本体の操作をするための第1操作部と、
ユーザの入力操作を受け付けるキーボードを有し、前記キーボードが前記画像形成装置本体の外部に突出する突出位置と前記キーボードが前記画像形成装置本体の内部に収納する収納位置との間で変位可能な第2操作部と、
前記第2操作部を前記突出位置または前記収納位置に変位させる制御部と、
前記画像形成装置本体の異常および異常解除を検出する検出部と、
を備え、
前記制御部は、前記検出部が前記異常を検出した際に前記第2操作部が前記収納位置に位置していない場合に、前記第2操作部を前記収納位置へと変位させる画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記検出部が前記異常を検出した際に前記第2操作部が前記突出位置に位置していた場合において、前記検出部が前記異常解除を検出すると、前記第2操作部を前記収納位置から前記突出位置へと変位させる請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記検出部が前記異常解除を検出した後の時間を計測する計測部をさらに備え、
前記制御部は、前記検出部が前記異常を検出した際に前記第2操作部が前記突出位置に位置していた場合において、前記計測部による計測時間が一定時間以上となると、前記第2操作部を前記収納位置から前記突出位置へと変位させる請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記検出部が前記異常解除を検出した後で前記制御部が前記第2操作部を前記収納位置から前記突出位置へと変位させる前に予め前記第2操作部が前記収納位置から前記突出位置へと変位する旨を通知する通知部をさらに備える請求項2または3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記検出部は、用紙のジャムの発生の有無を検出するジャム検出部を有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記検出部は、トナー残量を検出するトナー残量検出部を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記検出部は、用紙残量を検出する用紙残量検出部を有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記検出部は、前記画像形成装置本体の扉の開閉を検出する開閉検出部を有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−160337(P2010−160337A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−2657(P2009−2657)
【出願日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】