画像形成装置
【課題】 現像剤担持体の表面で微粉トナーの比率を効率的に低減させて、初期設置時のスリーブゴーストを抑制する。
【解決手段】 感光体ドラム1と、感光体ドラム1の表面を帯電する帯電装置2と、帯電した感光体ドラム1の表面に静電像を形成する露光装置3と、現像剤を担持する現像スリーブ41を有して現像剤で静電像を現像する現像装置4と、現像装置4の駆動を制御するコントローラ400と、を備える画像形成装置において、コントローラ400は、画像形成装置を新たに設置したとき、或は現像装置を交換したときにハーフトーン画像によって現像剤を消費するように、帯電装置2、露光装置3及び現像装置4の駆動を制御する画像形成装置100を構成した。
【解決手段】 感光体ドラム1と、感光体ドラム1の表面を帯電する帯電装置2と、帯電した感光体ドラム1の表面に静電像を形成する露光装置3と、現像剤を担持する現像スリーブ41を有して現像剤で静電像を現像する現像装置4と、現像装置4の駆動を制御するコントローラ400と、を備える画像形成装置において、コントローラ400は、画像形成装置を新たに設置したとき、或は現像装置を交換したときにハーフトーン画像によって現像剤を消費するように、帯電装置2、露光装置3及び現像装置4の駆動を制御する画像形成装置100を構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ等の電子写真方式を用いた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式の画像形成装置に使用される現像装置の現像スリーブには、ステンレスやアルミ等の金属製のものや、金属スリーブの表面にCrメッキ、NiPメッキ、NiBWメッキ等を被覆させたものが主流であった。こうした現像スリーブでは、スリーブゴーストという現象が生じる場合がある。スリーブゴーストとは、例えば、一度画像濃度の高いベタ画像が現像された位置が、現像スリーブの次の回転時に現像位置に来てハーフトーン画像を現像すると、画像上にベタ画像の跡が現れるといった現象である。スリーブゴーストは、トナー中の比較的粒子径の小さい微粉トナーの摩擦帯電量が大きくなり、微粉トナーが強い鏡映力により現像スリーブ表面に付着して微粉トナー層を形成するために発生すると考えられている。
【0003】
図13は、スリーブゴーストの現れ方を示す説明図である。図13(a)は、上部の白地部に“○”の黒字部があり、下部の白地部に一様なハーフトーン部がある画像を示す転写材の平面図である。図13(b)は、上部の“○”の黒字部が下部のハーフトーン部にスリーブの回転間隔で薄く形成される転写材の平面図である。図13(c)は、上部の“○”の黒字部が下部のハーフトーン部にスリーブの回転間隔で濃く形成される転写材の平面図である。図13(a)に示されるような画像が、従来の金属スリーブ又はメッキが施された金属スリーブ又は帯電能力が高いカーボンコートスリーブにより低湿環境下で出力される場合を想定する。このような場合に、図13(b)に示されるように、上部の“○”の黒字部が下部のハーフトーン部にスリーブの回転間隔で薄く形成される。これをいわゆるネガゴーストという。また、低湿環境下でのネガゴーストの防止のために最適なカーボンコートスリーブが用いられてても、高温高湿環境下では、図13(c)に示されるように、上部の“○”の黒字部が下部のハーフトーン部にスリーブの回転間隔で濃く形成される。これをいわゆるポジゴーストという。さらに、高温高湿環境下でのポジゴーストは画像形成が繰り返されることで低減するが、この現象は、特に画像形成装置が新たに設置されるときや現像装置のみが新たに交換される初期設定時の現像剤設置工程(『現像剤設置モード』ともいう)の直後に顕著に生じる。この現像剤設置モードにより、現像装置にトナーが補給及び充填される場合にトナーは十分に摩擦帯電されていないために、現像スリーブとの鏡映力により相対的に帯電量が高い微粉トナーが現像スリーブの下層に選択的にコートし易い。
【0004】
また、最近では高画質化のためにトナーの小粒径化が進んでおり、このようなトナーは平均的な粒径のトナーに比べて径が小さい。こうした微粉トナーは平均的なトナーに比べて摩擦帯電電荷が高くなり易く、このような微粉トナーを多く含むトナーが用いられた場合に、スリーブゴーストが発生し易い。
【0005】
前述したようなスリーブゴーストの低減や濃度の安定性の向上のために、近年では、金属スリーブにカーボン等を含む樹脂で被覆されたコートスリーブが用いられている。また、現像スリーブの表面にトナー層が薄く形成され、トナー層が感光体ドラムと対向する現像部に搬送されて、非接触状態で感光体ドラムにトナーが現像されるジャンピング現像がある。こうしたジャンピング現像では、カーボンコートスリーブが使用されることにより、スリーブゴーストが著しく低減される。このようなスリーブゴーストを低減する発明として、特許文献1に記載の発明がある。特許文献1に記載の発明は、金属スリーブ表面に導電性カーボン及びグラファイトを含有させたフェノール樹脂の被膜が形成されることにより、トナーの摩擦帯電電荷の分布がシャープになり、スリーブゴーストの発生が抑制される構成を有する。
【0006】
また、微粉トナーが現像スリーブの表面にコートし易いために、現像剤設置モード直後の現像スリーブの表面のトナーは、現像容器の内部に供給されたトナーよりも微粉率の高い状態となってしまう。現像スリーブの1周目でトナーを消費した部分とトナーを消費しなかった部分では、2周目以降に微粉率の違いから現像性が異なってしまうため、スリーブゴーストが発生し易い。この初期設置直後のスリーブゴーストの改善には現像スリーブの表面のトナーの微粉率の低減が必要となる。このようなスリープゴーストを低減する発明として、特許文献2に記載の発明がある。特許文献2に記載の発明は、初期設定時の現像剤設置モードにおいて、現像スリーブの表面のトナー状態を改善するために、黒帯形成工程を有する技術である。なお、図20は、黒帯形成工程を示す概略図である。特許文献2に記載の技術では、現像剤設置モードが開始される(S51)と、トナーが補給されつつ現像装置の部材が空回転される(S52)。そして、現像装置の部材のみが空回転した(S53)後に、感光体ドラムにベタ黒画像でトナーが黒帯形成され(S54)、現像剤設置モードは終了する(S55)。
【0007】
【特許文献1】特開平3−12676号公報
【特許文献2】特開2002−258593号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1に記載の発明では、スリーブゴーストの低減効果の向上に現像剤の種類に応じて最適な被膜成形が必要だが、現実には量産性の観点から1種類の成形方法によるカーボンコートスリーブに対して複数種類の現像剤が使用される場合がある。また、現像剤の特性があらゆる環境下でも、また、経時的変化後にも一定に保たれるようにすることは不可能であり、現像剤及びカーボンスリーブの最適なマッチング状態を常に維持することは非常に困難である。
【0009】
また、特許文献2に記載の発明では、黒帯形成工程では、現像スリーブから感光体ドラムへ最大の電界強度でトナーが消費されることから、消費されるトナーの総量が多く、平均的なトナーが多量に消費され、微粉トナーが選択的に多量に消費されることはない。そのために、現像剤設置モード時の黒帯形成工程では十分な微粉トナーの比率の低減は期待できない。また、トナーの消費後に現像スリーブにコートされるトナーにも微粉トナーが含まれる。そのために、多量のトナーを消費するだけでは現像スリーブの表面の微粉トナーの比率は低減されない。さらに、黒帯形成工程では、転写材への出力がないために、一度に大量のトナーが消費されるとクリーニング装置に負荷がかかったり、装置の内部でトナーが飛散したりする場合もある。
【0010】
これらのことから、現像剤設置モード時において、現像スリーブの表面の微粉トナーの比率が低減され、選択的に微粉トナーが消費される工程が望ましい。
【0011】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、現像剤担持体の表面で微粉トナーの比率を効率的に低減させて、初期設置時のスリーブゴーストを抑制することができる画像形成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の画像形成装置は、像担持体と、現像剤を担持する現像剤担持体を備え、前記像担持体に形成された静電像を現像剤で現像する現像装置と、を有する画像形成装置において、前記像担持体にハーフトーンのトナー像を形成し、該トナー像を転写材に転写することなく強制的に消費するモードを実行させる信号を入力可能な入力部と、前記入力部から入力される信号に基いて前記モードを実行するコントローラと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、画像形成装置を新たに設置したとき、或は現像装置を交換したとき、或は現像剤担持体を交換したときに、ハーフトーン画像によって現像剤を消費するモードを実行可能とすることができる。その結果、現像剤担持体の表面に担持される微粉トナーが効率良く低減されると共に、画像形成装置又は現像装置の初期設置時に微粉トナーに基づいたスリーブゴーストが抑制される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に図面を参照して、本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載される構成部品の寸法、材質、形状及び相対位置並びに実験数値等は、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるから、特に特定的な記載が無い限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【実施例1】
【0015】
図1は、本発明の実施例1に係る画像形成装置100の概略構成を示す断面図である。図1に示されるように、画像形成装置100は、リーダー部200と接続されているか、一体化されている。リーダー部200は、外部情報を画像信号に変える装置であり、外部の画像原稿を読み取る画像装置やパソコン等である。例えば画像装置に読み取られた原稿画像の輝度信号や、パソコン等から転送された画像信号が、画像形成を実施する画像形成装置100に送信される。
【0016】
画像形成装置100は、リーダー部200が転写材Pから画像情報を読み取る工程から画像情報に基づいて感光体ドラム1上に現像剤にて現像像(トナー像)を形成する工程までの画像形成工程を実施する。すなわち、後述するが、画像形成装置100は、『帯電工程』、『潜像形成工程』、『現像工程』、『転写工程』、『定着工程』によって転写材Pに画像形成する。
【0017】
こうした画像形成にあたって、画像形成装置100は、『帯電工程』にて、帯電バイアスを印加して感光体ドラム1の表面を所定の電位に一様に帯電する帯電装置2を備える。画像形成装置100は、『潜像形成工程』にて、リーダー部200からの画像情報に応じてレーザー光Lを照射する露光装置3を備える。この露光装置3は、レーザー書き込みユニットとして機能する。画像形成装置100は、『潜像形成工程』である『露光工程』にて、帯電装置2によって一様に所定電位に帯電された感光体ドラム1を、レーザー光Lを照射することによって、照射部分の感光体ドラム1の表面電位を変更し、静電像を形成する。画像形成装置100は、現像剤(トナー)を内包した現像装置4を有し、現像ローラ40の現像スリーブ41によって感光体ドラム1上に形成された潜像部分に現像剤を転移させて、感光体ドラム1にトナー像を形成する。
【0018】
画像形成装置100は、『転写工程』にて、現像装置4によって感光体ドラム1の表面に顕在化されたトナー像を、転写帯電装置5によって転写材P(紙や透明フィルムなど)に転写する。トナー像が形成された転写材Pは分離帯電装置6で感光体ドラム1の表面から分離される。画像形成装置100は、『定着工程』にて、転写材Pの表面のトナー像を定着装置7によって定着する。その他では、画像形成装置100は、『クリーニング工程』にて、感光体ドラム1上に残留したトナー等をクリーニング装置8によって除去する。画像形成装置100は、『電荷除去工程』にて、前露光器9により表面に残った電荷を除去する。この後に、画像形成装置100は次の画像形成を実施する。
【0019】
前述した感光体ドラム1、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写帯電装置5、分離帯電装置6、定着装置7、クリーニング装置8の一部又は全部を含んで『画像形成部』が構成される。こうした感光体ドラム1、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写帯電装置5、分離帯電装置6、定着装置7、クリーニング装置8の構成及び使用状況について以下に詳述する。
【0020】
『像担持体』である感光体ドラム1には、例えば、直径108mmのa−Si感光体ドラムが用いられる。この感光体ドラム1は、アルミニウム等の導電性ドラム基体、及び、その外周面に形成した感光層(光導電層)で構成され、正帯電極性の感光体(ポジ感光体)である。そして、感光体ドラム1は、図1中の矢印の方向に例えば600mm/secのプロセススピード(周速)で回転駆動される。
【0021】
帯電装置2は、感光体ドラム1の表面を帯電する装置である。帯電装置2には、例えば、は2本の放電ワイヤーとグリッド線から構成されるコロナ帯電器が用いられる。帯電装置2によって、不図示の電源により放電ワイヤーに所定の電圧が印加されると放電動作が行われ、感光体ドラム1の外周面が+0〜+600V程度の範囲で均一に帯電される。ここでは、感光体ドラム1の表面電位である帯電電位は+500Vに設定される。この帯電電位は、現像装置4の上流側に取り付けられた『電位センサ』である濃度検知センサ10によって計測され、所望の電位に制御される。詳細は後述する。
【0022】
露光装置3は、帯電した感光体ドラム1の表面に静電像を形成する装置である。露光装置3は、レーザー光Lで感光体ドラム1の表面を露光する。画像情報は、リーダー部200において、原稿の画像を画像読み取り装置によって読み取ったものか、または、パソコン等から転送されたものである。これらの画像情報を基に、リーダー部200に設置された画像処理部によって所定の画像処理を施した画像データが生成される。リーダー部200における画像読み取り装置の読み取り動作に同期して、露光装置3に転送されるようになっている。
【0023】
露光装置3から発光されるレーザー光Lによって、感光体ドラム1の表面電位は、例えば、+50〜+500V程度の範囲に露光される。つまり、レーザー光Lによって、感光体ドラム1の表面電位は+500Vから下がり、負帯電性(ネガ)トナーを用いた場合は、正規現像方式で潜像が形成される。このように露光される感光体ドラム1の表面電位は、濃度検知センサ10によって計測され、所望の電位に制御される。詳細は後述する。
【0024】
現像装置4は、現像剤を担持する現像スリーブ41を有し、現像剤で感光体ドラム1の表面の静電像を現像する装置である。現像装置4は現像ローラ40を有し、現像装置4には負帯電性の現像剤が内包される。トナーは、磁性1成分のネガトナーで、重量平均粒径は6.8μm程度であり、4μm以下の微粉を17%程度含んでいる。樹脂は、少なくともスチレンアクリル樹脂またはポリエステル樹脂のいずれか一方から成り、磁性体を75重量部程度入れており、比透磁率が1.5〜2.0程度となっている。また、外添剤として、0.5〜1.5%(重量%)程度のSiO2を含有している。
【0025】
前述の現像ローラ40は、固定マグネットローラ44を内包した『現像剤担持体』である現像スリーブ41を有する。現像装置4では、感光体ドラム1及び現像スリーブ41の間隔が一定に保たれ、現像スリーブ41は矢印の方向に回転しながら現像剤が拘束される。不図示の現像バイアスによって、感光体ドラム1の表面に現像剤が移動し、所望の濃度の画像が形成される。
【0026】
現像スリーブ41は、それぞれ非磁性部材である直径32mmのAl表面にフェノール樹脂と結晶性グラファイトおよびカーボンをある重量比割合で混合して、190℃環境で硬化させた膜を用いた。膜の厚さは安定かつ均一な膜を形成するために、20μm程度とした。Bを樹脂の重量、Pを樹脂以外のものの重量(結晶性グラファイト+カーボン)とすると、この場合はP/B比は1/2.25とした。また、現像スリーブ41の帯電特性をトナーに対して最適にするために4級アンモニウム塩を25部程度含有するフェノール樹脂を用いた。第4級アンモニウム塩化合物は、添加されるとフェノール樹脂中に均一に分散され、更に、加熱硬化して被覆を形成する際にフェノール樹脂組成物自身が負帯電性を有する物質へと変化する。従って、このような材料を用いて形成された被覆層を有する現像スリーブ41を用いれば、現像剤の帯電特性を所望の状態にすることが可能となる。
【0027】
また、画像形成装置100は、コントローラ500を備える。コントローラ500は、コントローラ400及びコントローラ300を備える。コントローラ400は、感光体ドラム1、帯電装置2、露光装置3、濃度検知センサ10、濃度検知センサ11の駆動を制御する。コントローラ300は、トナーボトル48、ホッパー47、バッファ46の内部の部材の駆動を制御する。後述するが、このコントローラ500は、操作部(入力部)から入力される入力信号によって、ハーフトーン画像によって現像剤を消費できるように、帯電装置2、露光装置3、及び、現像装置4の駆動を制御する。
【0028】
転写帯電装置5には、例えば、放電ワイヤーとグリッド線から構成されるコロナ帯電器が用いられる。不図示の電源により放電ワイヤーに所定の電圧が印加されると放電動作が行われ、転写帯電装置5にトナー像と逆極性(本実施例ではプラス)の転写バイアスが印加されることにより、感光体ドラム1の表面のトナー像は、転写材Pの上に静電的に転写される。
【0029】
分離帯電装置6には、転写帯電装置5と同様に、例えば、コロナ帯電器が用いられる。不図示の電源により放電ワイヤーに所定の電圧が印加されると放電動作が行われ、分離帯電装置6に分離バイアスが印加されることにより、トナーが感光体ドラム1の表面から分離される。
【0030】
定着装置7は、定着ローラ71及び加圧ローラ72を備える。トナー像が転写された転写材Pは、定着装置7に搬送される。転写材P上のトナー像は、定着ローラ71及び加圧ローラ72間の定着ニップ部にて転写材Pに加熱及び加圧して熱定着される。その後、トナー像が定着された転写材Pは外部に排出され、一連の画像形成が終了する。
【0031】
クリーニング装置8は、クリーニングマグローラ81およびクリーニングブレード82を備える。トナー像が転写された感光体ドラム1の表面に残留している転写残トナーは、クリーニングマグローラ81及びクリーニングブレード82によって除去されて回収される。
【0032】
図2は、画像形成装置100に使用される現像装置4の構成を示す図1の一部拡大断面図である。図2に示されるように、現像容器4Aの上部には、現像容器4Aの内部に補給するトナーを収納した『トナー補給容器』であるバッファ46が設けられる。また、バッファ46の上部には、バッファ46にトナーを供給する『トナー貯蔵容器』であるホッパー47が設けられる。ホッパー47の上部には、適宜交換可能なトナーボトル48が投入できるようになっている。
【0033】
なお、現像容器4A及びバッファ46は、一体的に形成され、メンテナンスや交換時には容易に着脱される。また、ホッパー47及びバッファ46の接続部には不図示のシャッターが設けられており、一体化した現像容器4A及びバッファ46を取り外すときは、シャッターが閉まるようになっている。前述のバッファ46、ホッパー47、トナーボトル48の一部又は全部を含んで『現像剤供給手段』が構成される。
【0034】
現像時に現像容器4Aの内部のトナーの量が所定量より減少したことを『トナー量検知センサ』である現像センサ43Aで検知した場合には、バッファ46の内部のトナーが現像容器4Aの内部に補給される。トナー補給は、バッファ46の補給口に設けられたマグネットローラ46Aをコントローラ300からの制御信号によって回転させることによって行われる。現像容器4Aの内部へトナーが補給されると、トナー撹拌部材42A及びトナー撹拌部材42Bによって新旧トナーが混合撹拌される。
【0035】
また、バッファ46の内部のトナーが所定量より減少したことを『トナー量検知センサ』であるバッファセンサ43Bで検知した場合には、ホッパー47の内部のトナーがバッファ46に補給され、トナー攪拌部材46Bによって搬送及び攪拌される。
【0036】
また、ホッパー47の内部のトナーの量が所定量より減少したことを『トナー量検知センサ』であるホッパーセンサ43Cが検知した場合には、トナーボトル48の内部のトナーがホッパー47に補給される。そして、現像剤は、トナー攪拌部材47B及び47Cで搬送及び攪拌される。
【0037】
現像スリーブ41は、感光体ドラム1の回転速度(プロセススピード)に対して100〜200%の速度で回転し、現像位置では現像スリーブ41及び感光体ドラム1の間のギャップは150〜300μmに設定される。固定マグネットローラ44の磁力によって現像スリーブ41上に担持されるトナーは、層厚規制ブレード45でコート厚が規制される。なお、現像スリーブ41及び層厚規制ブレード45の間のギャップは150〜250μmである。
【0038】
現像スリーブ41には、不図示の現像バイアス電源からDCバイアスとACバイアス(Vpp1〜2kV、周波数1〜4kHz程度)を重畳した現像バイアスが印加される。これにより、トナーを感光体ドラム1の側に飛翔させて静電像を非接触現像する。また、現像装置4の下流側に設置された『濃度検知手段』である濃度検知センサ11(図1参照)によって、感光体ドラム1の表面に形成されたトナーの濃度を検知して制御する。詳細は後述する。
【0039】
画像形成装置100は、以上に図1及び図2を参照して説明した画像形成部を使用した画像形成工程に従って画像を形成する。このような電子写真方式の画像形成装置100は、周囲の環境、使用状況等によって、その特性が変化し易く、固定の画像形成条件では、安定した画像を出力することは難しい。『画像形成部』が各々の『画像形成工程』を実施する画像形成条件は、感光体ドラム1の表面に形成されたトナー像の濃度の情報に基づいて、コントローラ400が定める。画像形成条件としては、例えば帯電量、露光量、現像バイアス等が挙げられ、コントローラ400は、帯電量、露光量、現像バイアス等の画像形成条件を適宜変更することになる。
【0040】
図3は、『濃度検知手段』である濃度検知センサ11の構成を示す断面図である。図3に示されるように、濃度検知センサ11は、感光体ドラム1の表面から6mmの間隙を有して対向配置される。濃度検知センサ11は、『照射部』であるLED11A及び『受光部』であるPD11Bを備える。濃度検知センサ11では、LED11Aから波長880nmの近赤外光が照射され、感光体ドラム1の表面のトナー像の反射光がPD11Bに入射するようになっている。濃度検知センサ11は、その入射光の強度(電圧値:最大5V)に応じて、感光体ドラム1の表面のトナー像の濃度を検知する。また、濃度検知センサ11として使用される光学センサのスポット径は、例えば6mmほどである。
【0041】
図4は、露光電位、及び、現像バイアスの直流成分に基づく画像制御を示す概念図である。図1を参照して前述したように、コントローラ400は、現像装置4に取り付けられる濃度検知センサ10で感光体ドラム1の表面の電位を計測する。また、コントローラ400は、帯電装置2のグリッドバイアスVgridを設定し、図4に示すドラム帯電電位Vdを500Vにする。さらに、コントローラ400は、露光量を露光量レベルLPW1〜LPW5の5段階に変化させ、上記と同様の方法で感光体ドラム1の表面の露光電位Vl1〜Vl5を計測する。そして、コントローラ400は、現像バイアスの直流成分電位Vdc及び露光電位Vlの差(いわゆる『かぶり除去コントラストVback』)が150Vで一定となるように露光量レベルLPWを決定(LPW1〜LPW5)する。これにより現像バイアスの直流成分電位(以下『直流成分電位』という)Vdcが調整される。
【0042】
図5は、各パッチの現像コントラストVcont=(ドラム帯電電位Vd−直流成分電位Vdc)及び露光電位Vlに対する感光体ドラム1の表面のトナー載り量(ただし、実際のパッチ検知センサの出力値は電圧)示すグラフである。図5に示されるように、コントローラ400は、5つの条件でパッチを形成し、濃度検知センサ10で画像濃度を検知し、その画像濃度値に基づいて所望の最大濃度が得られる画像形成条件を決定する。本実施の形態では、0.65mg/cm2をターゲットとしており、図4の検出結果から上記0.65mg/cm2となる現像コントラストVcontを導き出す。ターゲットを挟む2点の現像コントラストVcont及びトナー載り量の関係を導き、その点を直線(線形)補完で結ぶ。そして0.65mg/cm2になる現像コントラストVcont(及び直流成分電位Vdc)を導けばよい。図5のエンジン状態であれば、現像コントラストVcontは230V(つまり直流成分電位Vdcが270V)が適正であり、トナー載り量を0.65mg/cm2とすることができる。また、決定された現像コントラストVcontに対してかぶり除去コントラストVbackが150Vとなる露光電位Vlがわかり、所望の露光電位Vlになる露光量レベルLPWが決定される。
【0043】
図6は、濃度制御のフローチャートである。コントローラ400が、画像形成装置100に関し、朝一などの電源投入時、放置後の前多回転時、作像終了後の後回転時に、図6のフローチャートに従って前述の最大濃度制御を実行することで、常に濃度変動がない画像が提供される。すなわち、コントローラ400は、濃度制御を開始する(S1)。コントローラ400は、ドラム帯電電位Vd=500Vになるように電位を制御して、グリッドバイアスVgridを決定する(S2)。コントローラ400は、露光量を5段階に変化させたパッチ電位を検出し、5組の露光量レベルLPW及び直流成分電位Vdcを決定する(S3)。コントローラ400は、5組の露光量レベルLPW及び直流成分電位Vdcに基づいてパッチを形成し、濃度を検出し、0.65mg/cm2となる露光量レベルLPW及び直流成分電位Vdcを決定する(S4)。コントローラ400は、通常の画像形成モードへ移行させる(S5)。
【0044】
図7は、本発明のトナー設置モード開始ボタン51を示す概略図である。操作部(入力部)としてのトナー設置モード開始ボタン51からコントローラ500に入力信号が入力可能となっている。画像形成装置100は、図7に示されるようなトナー設置モード開始ボタン51を備える。図7中では、最初のトナーの補給をする意味から、「INITIAL TONER REPLENISHMENT」の語が表示される。画像形成装置100を新たに設置するときや、現像装置4のみを新たに交換するときは、サービス員やユーザが図示しない操作部(入力部)としての図19のトナー設置モード開始ボタン51を押す。
【0045】
図8は、コントローラ400の制御工程を示すフローチャートである。画像形成装置100では、前述のトナー設置モード開始ボタン51が押されると、トナー設置モードが規定される。図8に示されるように、コントローラ400は、現像剤設置モードを開始する(S11)。コントローラ400は、ホッパー撹拌モータをONにし(S12)、ホッパーセンサがホッパー47の内部にトナーが有るか否かを判断する(S13)。コントローラ400は、YESの場合には、バッファモータ及び現像剤撹拌モータをONにし(S14)、NOの場合には、トナーボトル48からホッパー47へトナーを補給する(S15)。
【0046】
バッファモータ及び現像剤撹拌モータがONされた場合(S14)には、コントローラ400は、『トナー量検知センサ』であるバッファセンサ43Bがバッファ46の内部にトナーが有るか否かを判断する(S16)。YESの場合には、現像スリーブモータをONにして現像スリーブ41を回転し始め、バッファ46から現像装置4へとトナーの補給を開始し(S17)、NOの場合には、ホッパー47からバッファ46へトナーを補給する(S18)。
【0047】
こうして、トナーボトル48からホッパー47へ、ホッパー47からバッファ46へと上流から順にトナーが補給されていく。ちなみに、本実施例では、現像装置4及びバッファ46は一体化しており、交換時にはこの部分の装置のみが交換され、現像剤が充填されていない現像容器4Aが設置される。ただし、この現像剤設置モードは現像剤があらかじめ充填されている現像容器4Aを設置する形態においても実行可能である。
【0048】
現像スリーブモータがONされた場合(S17)には、コントローラ400は『トナー量検知センサ』である現像センサ43Aが現像装置4の内部にトナーが有るか否かを判断する(S19)。YESの場合には、『強制ハーフトーン消費工程』が実行され(S20)、NOの場合には、バッファ46から現像装置4へとトナーが補給される(S21)。
【0049】
図9は、白帯形成工程を行う画像形成条件を表した概念図である。バッファ46から現像装置4へトナーが補給される間には、現像スリーブ41には正規トナーが消費されないように、図9に示されるように、直流成分電位Vdc=600Vが印加されると共に、ドラム帯電電位Vd=0Vが印加される。現像センサ43Aが検知した現像装置4の内部のトナーの検知結果に基づいて、コントローラ400は、強制ハーフトーン消費工程を実行する(図8のS20)。
【0050】
図10は、強制ハーフトーン消費工程を行う画像形成条件を表した概念図である。コントローラ400は、操作部(入力部)からトナー設置モードを実行するための信号が入力されると、ハーフトーン画像によってトナーを消費するように、帯電装置2、露光装置3、現像装置4の駆動を制御する(これを『強制ハーフトーン消費工程』という)。図10に示されるように、強制ハーフトーン消費工程では、帯電装置2によりドラム帯電電位が調節され、露光装置3により露光電位が調節され、現像スリーブ41で現像バイアスの直流成分電位が調節される。そして、トナーは現像スリーブ41から感光体ドラム1に消費される。そして、転写材Pにはトナーが転写されず、現像スリーブ41から感光体ドラム1へと現像されたトナーがクリーニング装置8へと送られる。強制ハーフトーン消費工程では、感光体ドラム1の表面に形成されるハーフトーン画像幅は、感光体ドラム1の回転軸方向に330mm程度であり、回転方向の長さは可変とする。
【0051】
図11は、ハーフトーン画像及び網点の原理を表した図である。図11(a)は、網点を拡大して示すハーフトーン画像の拡大図であり、図11(b)は、網点を縮小して示すハーフトーン画像の全体図である。ハーフトーン画像とは、例えば図11(a)に示されるように、グレー階調の網点であり、基本的に白い背景の上に黒い小さな点のパターンを並べたものである。十分な距離からこれを見ると、図11(b)に示されるように、点が非常に小さいため、人間の眼ではその点を識別できず、灰色であるかのように見え、黒い点と白い背景の面積の割合(網点面積率)によってその部分の明るさが決まる。多数の黒い点や大きめの黒い点がある場合、暗い灰色に見え、黒い点が少ない場合や小さめの点だった場合には明るい灰色に見える。網点スクリーンの解像度はスクリーン線数(lpi)で表される。これは1インチ当たりのドットで描かれる線の数であり、解像度が高ければ、細部まで再現可能である。
【0052】
また、ハーフトーン画像には網点のようにドットが規則的に配列されたもの以外に、ランダムに配列されたものもあり、代表的なものとして誤差拡散法を用いたランダムパターンが挙げられる。さらに、上述のようなデジタルハーフトーンに対し、アナログ的なハーフトーンもある。このアナログハーフトーンは、ベタ黒と同様に感光体ドラムを一様に帯電するが、現像のコントラストである現像コントラストVcontを弱めることで中間調を表現しようとするものである。
【0053】
図12は、網点面積率等に基づく実験結果を示すグラフである。図12に示されるように、実施例1では、1200dpiの141線の網点デジタルハーフトーンを用いて、網点面積率100%のいわゆる「ベタ黒」と網点面積率50%の「ハーフトーン」を用いて比較実験を行った。各実験では、トナーが充填されていない現像容器4Aを入れ、現像剤設置モードをフローチャートに従って実行した。
【0054】
また、実験0として、現像剤設置モードにおいて現像容器4Aにトナーが充填された時点、つまり、強制ハーフトーン消費工程を実施せずにデータをとった。実験1−1〜3では網点面積率を50%でハーフトーン消費時間を30秒、60秒、180秒と変えて行った。実験1−4〜6も網点面積率100%のベタ黒で同様に消費時間を変えて行った。実験では、強制ハーフトーン消費工程後の現像スリーブ41の表面のトナーを採取し、微粉率を測定した。なお、ゴースト目視レベルで、×は悪い、○は良い、△はその中間である。
【0055】
図13は、スリーブゴーストを評価したチャートおよびスリーブゴーストの原理を表す図である。また、図13(a)のチャートを用いてスリーブゴーストの目視レベルおよび、ゴースト部と通常部の反射濃度差をまとめた。トナーの微粉率は、ベックマン・コールター社製コールターカウンターを用いて測定し、4μm以下の成分の比率を表している。反射濃度は、X−Rite社製反射分光濃度計を用いて測定されている。
【0056】
図12に示されるように、まず強制ハーフトーン消費工程を実施していない実験0では、スリーブゴーストが発生し、そのときのゴースト部の反射濃度差は0.36であった。それに対し、50%のハーフトーンで強制ハーフトーン消費工程で実施した実験1−1〜3では、スリーブゴーストは存在するものの、ゴースト部の反射濃度差は0.1以下と目視レベルでは気にならない程度だった。一方、ベタ黒で消費した実験1−4〜1−6では、スリーブゴーストの目視レベルおよびゴースト部の反射濃度差において良化は見られるものの、実験1−1〜1−3の50%ハーフトーンで消費したものの方が改善効果は高いという結果が得られた。
【0057】
さらに、現像スリーブ41の表面のトナーの微粉率を測定したところ、ゴーストレベルと関係があることがわかった。現像スリーブ41の表面のトナーの微粉率が実験0の40%から減少していくに連れてスリーブゴーストのレベルは良化している。目視レベルで気にならないレベルである反射濃度差で0.1以下に達するには現像スリーブ41の表面のトナーの微粉率を27%以下にする必要があることもわかった。
【0058】
現像装置4の内部のトナーの微粉率が17%程度であるのに対し、現像スリーブ41の表面トナーの微粉率が高過ぎる場合を想定する。この場合に、消費して再コートされる(微粉率が下がる)部分と、消費しないで連れまわる(微粉率が高いままの)部分で現像性に差が生じるためである。すなわち、スリーブゴーストが発生し易くなるからである。よって、現像剤設置モードの直後のスリーブゴーストを良化させるためには、現像スリーブ41の表面のトナーの微粉率を減少させなければならない。
【0059】
図14は、トナーの消費時間に対する現像スリーブ41の表面のトナーの微粉率の推移を表した図である。図14は、ベタ黒と50%ハーフトーンの画像によって消費工程の時間ごとに現像スリーブ41の表面のトナーの微粉率を測定し、プロットしたものである。これをみるとベタ黒では180秒の消費を行っても微粉率は27%以下に達しない。一方、50%のハーフトーンでは約30秒の消費で27%以下に達する。つまり、現像剤設置モード直後に微粉率を減少せしめる画像としては、ベタ黒は不十分であり、ハーフトーン画像が適していると言うことできる。以上のことから、現像剤設置モードにおいて強制ハーフトーン消費工程を行うことにより、現像剤設置モード直後のスリーブゴーストを改善することが可能となる。また、網点ディザパターン以外のハーフトーン(誤差拡散パターンやアナログのハーフトーン)を用いても構わない。
【0060】
尚、本実施例では、現像剤設置モードは、操作部であるトナー設置モード開始ボタン51を押すことで実行されたが、例えば、現像容器4Aの内部のトナーが空であるかどうか検知する現像センサ43Aの検知信号に基いて実行してもよい。この場合、現像センサ43Aの検知信号から現像容器4Aの内部のトナーが空である場合は、設置時もしくは現像容器4Aの交換時と判断し、現像容器4Aにトナー補給した後に上記現像剤設置モードを自動的に実行するように構成してもよい。
【実施例2】
【0061】
次に、実施例2に係る画像形成装置に関して図15乃至図17を参照して説明する。実施例2の画像形成装置の構成のうち実施例1の画像形成装置100と同一の構成及び効果を示すものに関しては、同一の符号を用いて説明を適宜省略する。実施例2においても、実施例1と同様の画像形成装置100に適用することができるため、画像形成装置の説明は省略する。実施例2の画像形成装置は、実施例1の画像形成装置100と比べると、ハーフトーン画像が用いられる点は同じである。実施例2の画像形成装置は、実施例1の画像形成装置100と比べると、コントローラが現像剤設置モード時に現像剤を強制的に消費するハーフトーン画像の条件が規定される点で、何ら規定されない実施例1の画像形成装置100と異なる。そして、実施例2の画像形成装置では、より好適なハーフトーン画像の条件が規定される。
【0062】
図15は、網点面積率等のハーフトーン画像の条件に基づくスリーブゴーストの実験結果を示す表である。実施例2の画像形成装置を使用した各実験では、トナーが充填されていない現像装置4が画像形成装置に組み込まれ、現像剤設置モードがフローチャートに従って実行され、強制ハーフトーン消費工程で用いるハーフトーン画像の網点面積率が変えられた。実験2−1〜2−4では、実験者は、ハーフトーン消費時間を60秒とし、トナーを消費した後の現像スリーブ41の表面のトナーの微粉率、スリーブゴーストの目視レベル、ゴースト部の反射濃度差を測定した。また、実験者は、各網点面積率において消費されるトナーの微粉率を測定した。この測定は、感光体ドラム1からトナーを採取しつつ行われた。図15に示されるように、スリーブゴーストの目視レベルが最も良かったのは、実験2−3の50%ハーフトーンを用いた場合であった。
【0063】
図16は、現像スリーブ41に担持されるトナーの微粉率及びハーフトーンの網点面積率の関係を示すグラフである。図16に示されるように、やはり、網点面積率50%付近のハーフトーン画像が現像されると、現像スリーブ上のトナーの微粉率が最低値を示す。網点面積率30%乃至73%のハーフトーン画像が現像されると、現像スリーブ41の表面のトナーの微粉率は27%以下の値を示す。つまり、ハーフトーン画像は、画像の網点が画像の単位面積に占める比率を網点面積率k[%]とした場合に、30≦k≦73の関係を満たす。
【0064】
図17は、消費されるトナーの微粉率及びハーフトーンの網点面積率の関係を示すグラフである。図17に示されるように、ベタ黒画像に比べると、ハーフトーン画像が用いられた場合の方が、消費されるトナーの微粉率が高いことが分かる。これは、最大の電界強度でトナーを消費するベタ黒画像に対し、ハーフトーンではマクロ的には電界強度が弱くなるため、高い電荷をもつ微粉トナーが選択的に消費されることになるからである。そのため、ハーフトーンの網点面積率k[%]が低いほど微粉が消費されやすくなっている。
【0065】
どの程度の網点面積率のハーフトーンが良いかという点については以下のようになる。すなわち、強制消費を行わないと40%もの微粉トナーが現像スリーブ41の表面に担持されるため、その80%程度の32%以上を消費するような画像条件でないと、一定時間で現像スリーブ41の表面の微粉トナーの存在確率を低減できない。よって、強制ハーフトーン消費工程で用いるハーフトーンは、現像スリーブ41の表面のトナーの微粉率に対して8割以上を消費する条件とするのが良い。即ち、コントローラ400は、現像スリーブ41から感光体ドラム1へと消費されるトナーの微粉率をα[%]とし、現像スリーブ41に担持されるトナーの微粉率をβ[%]とした場合に、α≧β×0.8の条件を満たす様に、ハーフトーン画像でトナーを消費する。そして、そのためには、ハーフトーン画像は、画像の網点が画像の単位面積に占める比率を網点面積率k[%]とした場合に、k≦70の関係を満たす。ただし、ハーフトーンの網点面積率k[%]が低過ぎるとトナーの消費量自体が少なくなってしまうので、時間がかかってしまうことも考慮する必要がある。それを踏まえると実施例2においては、ハーフトーンの網点面積率が50%程度のハーフトーンを用いるのが良い。
【0066】
ハーフトーン消費時間については、現像剤設置モード直後の現像スリーブ41の表面のトナーの微粉率を27%以下となるまで行うのが良い。実施例2において現像装置4に補給及び供給されるトナーの微粉率は17%であり、現像スリーブ41の上トナーの微粉率をその差が10%以下になるまで低減すれば、スリーブゴーストを抑制する効果が得られるということになる。従って、コントローラ400は、現像スリーブ41に担持されるトナーの微粉率をβ[%]とし、現像剤供給手段から現像スリーブ41に供給されるトナーの微粉率をγ[%]とした場合に、β≦γ+10の条件を満たすように、ハーフトーン画像でトナーを消費する。このため、強制ハーフトーン消費工程では、現像スリーブ41の表面のトナーの微粉率に対して8割以上を消費するハーフトーンを用い、現像スリーブ41の表面のトナーの微粉率が現像容器4Aに補給されるトナーの微粉率との差が10%以下になるまで消費する。
【実施例3】
【0067】
次に、実施例3に係る画像形成装置に関して図18乃至図19を参照して説明する。実施例3の画像形成装置の構成のうち実施例1及び実施例2の画像形成装置と同一の構成及び効果を示すものに関しては、同一の符号を用いて説明を適宜省略する。実施例3においても、実施例2と同様の画像形成装置に適用することができるため、画像形成装置の説明は省略する。実施例3の画像形成装置は、実施例2の画像形成装置と比べると、ハーフトーン画像が用いられる点、及び、ハーフトーン画像の条件が規定される点で同じである。実施例3の画像形成装置は、実施例2の画像形成装置と比べると、ハーフトーン画像が用いられた後に、トナーが使用されない白帯画像が形成される点で、何ら白帯画像が形成されない実施例2の画像形成装置と異なる。特に、実施例3の画像形成装置では、現像剤設置モード時の現像剤が強制的に消費する工程の後に白帯画像が形成される。
【0068】
実施例1や実施例2では現像剤設置モード時の強制ハーフトーン消費工程を行って現像スリーブ41の表面のトナーの微粉率が低減されることで、初期設置直後のスリーブゴーストが改善された。ところが、微粉トナーが平均的なトナーに比べて単位質量当たりの電荷量が多いため、現像スリーブ41の表面のトナーの微粉トナーを選択的が消費すると、十分電荷が立ち上がっていない初期の高温高湿下では現像性が低下することがある。
【0069】
図18は、実施例3に関し、強制ハーフトーンでトナーが処理される時間に対して現像スリーブ41に担持されるトナーの単位質量当たりの電荷量の推移を示すグラフである。実施例3では、実験者は、網点面積率50%のハーフトーン画像で強制ハーフトーン消費工程が行われた際の単位質量当たりの電荷量Q/Mの推移をプロットした。
【0070】
図19は、画像形成装置の制御工程を示すフローチャートである。図19に示されるように、強制ハーフトーン消費工程の後に白帯形成工程が行われる(図19)。すなわち、コントローラ400は、ハーフトーン画像によって『現像剤』であるトナーを消費した後に、白帯状の画像によって現像剤を消費するように、帯電装置2、露光装置3及び現像装置4の駆動を制御する(白帯形成工程)。更に詳しくは、白帯形成工程とは、前述した図8のような画像形成条件にて、画像形成を行うことをいう。
【0071】
即ち、図9のような画像形成条件にて、現像スリーブ41を回転させて現像スリーブ41の表面のトナーを現像させる。これにより、現像スリーブ41やトナー撹拌部材42A、42Bの撹拌動作による摩擦帯電効果に加え、反転トナーが消費される電界がかかっているため、反転トナーが消費されるため、単位質量当たりの電荷量Q/Mが高められる。これにより、高温高湿下でも現像性を犠牲にすることなく、初期設置直後のスリーブゴーストが改善される。
【0072】
実施例1乃至3の画像形成装置によれば、操作部(入力部)から入力された信号に基き、ハーフトーン画像によって現像剤を消費する現像剤設置モードを実行するように、帯電装置2、露光装置3及び現像装置4の駆動が制御可能となっている。従って、画像形成装置を新たに設置したときや現像装置4を交換したときや現像ローラ40(又は現像スリーブ41)を交換したときに、以下の効果が得られる。すなわち、現像剤設置モードを実行することで現像スリーブ41の表面に担持される微粉トナーが効率良く低減されると共に、画像形成装置又は現像装置4の初期設置時に微粉トナーに基づいたスリーブゴーストが抑制される。
【0073】
実施例2及び3の画像形成装置によれば、現像剤設置モードにおいてトナーが消費されないと、現像スリーブ41に担持されるトナーの中には40%程度の微粉トナーが含まれてしまう。現像スリーブ41から感光体ドラム1へと消費されるトナーの微粉率をαとし、現像スリーブ41に担持されるトナーの微粉率をβとした場合に、α≧β×0.8の条件でトナーが消費されると、現像スリーブ41に担持される微粉トナーは低減される。
【0074】
実施例2及び3の画像形成装置によれば、網点面積率k[%]が30≦k≦73の関係を満たすと、現像スリーブ41に担持される現像スリーブ41トナーの微粉率は27%以下に抑制される。
【0075】
実施例2及び3の画像形成装置によれば、網点面積率k[%]がk≦70の関係を満たすと、微粉トナーの消費効率は32%以上に設定される。
【0076】
実施例1乃至3の画像形成装置では、現像スリーブ41に担持されるトナーの微粉率をβとし、現像剤供給手段から現像スリーブ41に供給されるトナーの微粉率をγとした場合、β≦γ+10の条件でトナーが消費されると、スリーブゴーストの抑制力は向上する。
【0077】
実施例3の画像形成装置では、ハーフトーン画像で現像剤を消費した後に白帯画像が形成されると、反転トナーが消費される電界がかかるので、反転トナーの単位質量当たりの電荷量は低減される。
【0078】
なお、前述の実施例1乃至3では、現像剤は磁性1成分のネガトナーであったが、現像剤は、トナーのみの1成分の他、トナー及びキャリアの2成分でも良い。
【0079】
前述の実施例1乃至3では、ハーフトーン画像は網点ディザパターンであったが、ハーフトーン画像は、誤差拡散を含むランダムディザパターン、又は、アナログハーフトーンパターンであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の実施例1に係る画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
【図2】画像形成装置に使用される現像装置の構成を示す図1の一部拡大断面図である。
【図3】濃度検知手段の構成を示す断面図である。
【図4】露光電位、及び、現像バイアスの直流成分に基づく画像制御を示す概念図である。
【図5】各パッチの現像コントラストVcont及び露光電位Vlに対するトナー載り量の関係を示すグラフである。
【図6】濃度制御のフローチャートである。
【図7】トナー設置モード開始ボタンを示す概略図である。
【図8】コントローラの制御工程を示すフローチャートである。
【図9】白帯形成工程を行う画像形成条件を表した概念図である。
【図10】強制ハーフトーン消費工程を行う画像形成条件を表した概念図である。
【図11】ハーフトーン画像及び網点の原理を表した図である。
【図12】網点面積率等に基づく実験結果を示すグラフである。
【図13】スリーブゴーストを評価したチャートおよびスリーブゴーストの原理を表す図である。
【図14】トナーの消費時間に対する現像スリーブの表面のトナーの微粉率の推移を表した図である。
【図15】実施例2に関し、網点面積率等のハーフトーン画像の条件に基づくスリーブゴーストの実験結果を示す表である。
【図16】現像スリーブに担持されるトナーの微粉率及びハーフトーンの網点面積率の関係を示すグラフである。
【図17】消費されるトナーの微粉率及びハーフトーンの網点面積率の関係を示すグラフである。
【図18】実施例3に関し、強制ハーフトーンでトナーが消費される時間に対して現像スリーブに担持されるトナーの単位質量当たりの電荷量の推移を示すグラフである。
【図19】画像形成装置の制御工程を示すフローチャートである。
【図20】従来例に関し、黒帯形成工程を示す概略図である。
【符号の説明】
【0081】
1 感光体ドラム(像担持体)
2 帯電装置
3 露光装置
4 現像装置
41 現像スリーブ(現像剤担持体)
46 バッファ(トナー補給容器)(現像剤供給手段)
47 ホッパー(トナー貯蔵容器)(現像剤供給手段)
48 トナーボトル(現像剤供給手段)
51 トナー設置開始ボタン(操作部)(入力部)
400 コントローラ
P 転写材
k 網点面積率
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ等の電子写真方式を用いた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式の画像形成装置に使用される現像装置の現像スリーブには、ステンレスやアルミ等の金属製のものや、金属スリーブの表面にCrメッキ、NiPメッキ、NiBWメッキ等を被覆させたものが主流であった。こうした現像スリーブでは、スリーブゴーストという現象が生じる場合がある。スリーブゴーストとは、例えば、一度画像濃度の高いベタ画像が現像された位置が、現像スリーブの次の回転時に現像位置に来てハーフトーン画像を現像すると、画像上にベタ画像の跡が現れるといった現象である。スリーブゴーストは、トナー中の比較的粒子径の小さい微粉トナーの摩擦帯電量が大きくなり、微粉トナーが強い鏡映力により現像スリーブ表面に付着して微粉トナー層を形成するために発生すると考えられている。
【0003】
図13は、スリーブゴーストの現れ方を示す説明図である。図13(a)は、上部の白地部に“○”の黒字部があり、下部の白地部に一様なハーフトーン部がある画像を示す転写材の平面図である。図13(b)は、上部の“○”の黒字部が下部のハーフトーン部にスリーブの回転間隔で薄く形成される転写材の平面図である。図13(c)は、上部の“○”の黒字部が下部のハーフトーン部にスリーブの回転間隔で濃く形成される転写材の平面図である。図13(a)に示されるような画像が、従来の金属スリーブ又はメッキが施された金属スリーブ又は帯電能力が高いカーボンコートスリーブにより低湿環境下で出力される場合を想定する。このような場合に、図13(b)に示されるように、上部の“○”の黒字部が下部のハーフトーン部にスリーブの回転間隔で薄く形成される。これをいわゆるネガゴーストという。また、低湿環境下でのネガゴーストの防止のために最適なカーボンコートスリーブが用いられてても、高温高湿環境下では、図13(c)に示されるように、上部の“○”の黒字部が下部のハーフトーン部にスリーブの回転間隔で濃く形成される。これをいわゆるポジゴーストという。さらに、高温高湿環境下でのポジゴーストは画像形成が繰り返されることで低減するが、この現象は、特に画像形成装置が新たに設置されるときや現像装置のみが新たに交換される初期設定時の現像剤設置工程(『現像剤設置モード』ともいう)の直後に顕著に生じる。この現像剤設置モードにより、現像装置にトナーが補給及び充填される場合にトナーは十分に摩擦帯電されていないために、現像スリーブとの鏡映力により相対的に帯電量が高い微粉トナーが現像スリーブの下層に選択的にコートし易い。
【0004】
また、最近では高画質化のためにトナーの小粒径化が進んでおり、このようなトナーは平均的な粒径のトナーに比べて径が小さい。こうした微粉トナーは平均的なトナーに比べて摩擦帯電電荷が高くなり易く、このような微粉トナーを多く含むトナーが用いられた場合に、スリーブゴーストが発生し易い。
【0005】
前述したようなスリーブゴーストの低減や濃度の安定性の向上のために、近年では、金属スリーブにカーボン等を含む樹脂で被覆されたコートスリーブが用いられている。また、現像スリーブの表面にトナー層が薄く形成され、トナー層が感光体ドラムと対向する現像部に搬送されて、非接触状態で感光体ドラムにトナーが現像されるジャンピング現像がある。こうしたジャンピング現像では、カーボンコートスリーブが使用されることにより、スリーブゴーストが著しく低減される。このようなスリーブゴーストを低減する発明として、特許文献1に記載の発明がある。特許文献1に記載の発明は、金属スリーブ表面に導電性カーボン及びグラファイトを含有させたフェノール樹脂の被膜が形成されることにより、トナーの摩擦帯電電荷の分布がシャープになり、スリーブゴーストの発生が抑制される構成を有する。
【0006】
また、微粉トナーが現像スリーブの表面にコートし易いために、現像剤設置モード直後の現像スリーブの表面のトナーは、現像容器の内部に供給されたトナーよりも微粉率の高い状態となってしまう。現像スリーブの1周目でトナーを消費した部分とトナーを消費しなかった部分では、2周目以降に微粉率の違いから現像性が異なってしまうため、スリーブゴーストが発生し易い。この初期設置直後のスリーブゴーストの改善には現像スリーブの表面のトナーの微粉率の低減が必要となる。このようなスリープゴーストを低減する発明として、特許文献2に記載の発明がある。特許文献2に記載の発明は、初期設定時の現像剤設置モードにおいて、現像スリーブの表面のトナー状態を改善するために、黒帯形成工程を有する技術である。なお、図20は、黒帯形成工程を示す概略図である。特許文献2に記載の技術では、現像剤設置モードが開始される(S51)と、トナーが補給されつつ現像装置の部材が空回転される(S52)。そして、現像装置の部材のみが空回転した(S53)後に、感光体ドラムにベタ黒画像でトナーが黒帯形成され(S54)、現像剤設置モードは終了する(S55)。
【0007】
【特許文献1】特開平3−12676号公報
【特許文献2】特開2002−258593号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1に記載の発明では、スリーブゴーストの低減効果の向上に現像剤の種類に応じて最適な被膜成形が必要だが、現実には量産性の観点から1種類の成形方法によるカーボンコートスリーブに対して複数種類の現像剤が使用される場合がある。また、現像剤の特性があらゆる環境下でも、また、経時的変化後にも一定に保たれるようにすることは不可能であり、現像剤及びカーボンスリーブの最適なマッチング状態を常に維持することは非常に困難である。
【0009】
また、特許文献2に記載の発明では、黒帯形成工程では、現像スリーブから感光体ドラムへ最大の電界強度でトナーが消費されることから、消費されるトナーの総量が多く、平均的なトナーが多量に消費され、微粉トナーが選択的に多量に消費されることはない。そのために、現像剤設置モード時の黒帯形成工程では十分な微粉トナーの比率の低減は期待できない。また、トナーの消費後に現像スリーブにコートされるトナーにも微粉トナーが含まれる。そのために、多量のトナーを消費するだけでは現像スリーブの表面の微粉トナーの比率は低減されない。さらに、黒帯形成工程では、転写材への出力がないために、一度に大量のトナーが消費されるとクリーニング装置に負荷がかかったり、装置の内部でトナーが飛散したりする場合もある。
【0010】
これらのことから、現像剤設置モード時において、現像スリーブの表面の微粉トナーの比率が低減され、選択的に微粉トナーが消費される工程が望ましい。
【0011】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、現像剤担持体の表面で微粉トナーの比率を効率的に低減させて、初期設置時のスリーブゴーストを抑制することができる画像形成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の画像形成装置は、像担持体と、現像剤を担持する現像剤担持体を備え、前記像担持体に形成された静電像を現像剤で現像する現像装置と、を有する画像形成装置において、前記像担持体にハーフトーンのトナー像を形成し、該トナー像を転写材に転写することなく強制的に消費するモードを実行させる信号を入力可能な入力部と、前記入力部から入力される信号に基いて前記モードを実行するコントローラと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、画像形成装置を新たに設置したとき、或は現像装置を交換したとき、或は現像剤担持体を交換したときに、ハーフトーン画像によって現像剤を消費するモードを実行可能とすることができる。その結果、現像剤担持体の表面に担持される微粉トナーが効率良く低減されると共に、画像形成装置又は現像装置の初期設置時に微粉トナーに基づいたスリーブゴーストが抑制される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に図面を参照して、本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載される構成部品の寸法、材質、形状及び相対位置並びに実験数値等は、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるから、特に特定的な記載が無い限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【実施例1】
【0015】
図1は、本発明の実施例1に係る画像形成装置100の概略構成を示す断面図である。図1に示されるように、画像形成装置100は、リーダー部200と接続されているか、一体化されている。リーダー部200は、外部情報を画像信号に変える装置であり、外部の画像原稿を読み取る画像装置やパソコン等である。例えば画像装置に読み取られた原稿画像の輝度信号や、パソコン等から転送された画像信号が、画像形成を実施する画像形成装置100に送信される。
【0016】
画像形成装置100は、リーダー部200が転写材Pから画像情報を読み取る工程から画像情報に基づいて感光体ドラム1上に現像剤にて現像像(トナー像)を形成する工程までの画像形成工程を実施する。すなわち、後述するが、画像形成装置100は、『帯電工程』、『潜像形成工程』、『現像工程』、『転写工程』、『定着工程』によって転写材Pに画像形成する。
【0017】
こうした画像形成にあたって、画像形成装置100は、『帯電工程』にて、帯電バイアスを印加して感光体ドラム1の表面を所定の電位に一様に帯電する帯電装置2を備える。画像形成装置100は、『潜像形成工程』にて、リーダー部200からの画像情報に応じてレーザー光Lを照射する露光装置3を備える。この露光装置3は、レーザー書き込みユニットとして機能する。画像形成装置100は、『潜像形成工程』である『露光工程』にて、帯電装置2によって一様に所定電位に帯電された感光体ドラム1を、レーザー光Lを照射することによって、照射部分の感光体ドラム1の表面電位を変更し、静電像を形成する。画像形成装置100は、現像剤(トナー)を内包した現像装置4を有し、現像ローラ40の現像スリーブ41によって感光体ドラム1上に形成された潜像部分に現像剤を転移させて、感光体ドラム1にトナー像を形成する。
【0018】
画像形成装置100は、『転写工程』にて、現像装置4によって感光体ドラム1の表面に顕在化されたトナー像を、転写帯電装置5によって転写材P(紙や透明フィルムなど)に転写する。トナー像が形成された転写材Pは分離帯電装置6で感光体ドラム1の表面から分離される。画像形成装置100は、『定着工程』にて、転写材Pの表面のトナー像を定着装置7によって定着する。その他では、画像形成装置100は、『クリーニング工程』にて、感光体ドラム1上に残留したトナー等をクリーニング装置8によって除去する。画像形成装置100は、『電荷除去工程』にて、前露光器9により表面に残った電荷を除去する。この後に、画像形成装置100は次の画像形成を実施する。
【0019】
前述した感光体ドラム1、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写帯電装置5、分離帯電装置6、定着装置7、クリーニング装置8の一部又は全部を含んで『画像形成部』が構成される。こうした感光体ドラム1、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写帯電装置5、分離帯電装置6、定着装置7、クリーニング装置8の構成及び使用状況について以下に詳述する。
【0020】
『像担持体』である感光体ドラム1には、例えば、直径108mmのa−Si感光体ドラムが用いられる。この感光体ドラム1は、アルミニウム等の導電性ドラム基体、及び、その外周面に形成した感光層(光導電層)で構成され、正帯電極性の感光体(ポジ感光体)である。そして、感光体ドラム1は、図1中の矢印の方向に例えば600mm/secのプロセススピード(周速)で回転駆動される。
【0021】
帯電装置2は、感光体ドラム1の表面を帯電する装置である。帯電装置2には、例えば、は2本の放電ワイヤーとグリッド線から構成されるコロナ帯電器が用いられる。帯電装置2によって、不図示の電源により放電ワイヤーに所定の電圧が印加されると放電動作が行われ、感光体ドラム1の外周面が+0〜+600V程度の範囲で均一に帯電される。ここでは、感光体ドラム1の表面電位である帯電電位は+500Vに設定される。この帯電電位は、現像装置4の上流側に取り付けられた『電位センサ』である濃度検知センサ10によって計測され、所望の電位に制御される。詳細は後述する。
【0022】
露光装置3は、帯電した感光体ドラム1の表面に静電像を形成する装置である。露光装置3は、レーザー光Lで感光体ドラム1の表面を露光する。画像情報は、リーダー部200において、原稿の画像を画像読み取り装置によって読み取ったものか、または、パソコン等から転送されたものである。これらの画像情報を基に、リーダー部200に設置された画像処理部によって所定の画像処理を施した画像データが生成される。リーダー部200における画像読み取り装置の読み取り動作に同期して、露光装置3に転送されるようになっている。
【0023】
露光装置3から発光されるレーザー光Lによって、感光体ドラム1の表面電位は、例えば、+50〜+500V程度の範囲に露光される。つまり、レーザー光Lによって、感光体ドラム1の表面電位は+500Vから下がり、負帯電性(ネガ)トナーを用いた場合は、正規現像方式で潜像が形成される。このように露光される感光体ドラム1の表面電位は、濃度検知センサ10によって計測され、所望の電位に制御される。詳細は後述する。
【0024】
現像装置4は、現像剤を担持する現像スリーブ41を有し、現像剤で感光体ドラム1の表面の静電像を現像する装置である。現像装置4は現像ローラ40を有し、現像装置4には負帯電性の現像剤が内包される。トナーは、磁性1成分のネガトナーで、重量平均粒径は6.8μm程度であり、4μm以下の微粉を17%程度含んでいる。樹脂は、少なくともスチレンアクリル樹脂またはポリエステル樹脂のいずれか一方から成り、磁性体を75重量部程度入れており、比透磁率が1.5〜2.0程度となっている。また、外添剤として、0.5〜1.5%(重量%)程度のSiO2を含有している。
【0025】
前述の現像ローラ40は、固定マグネットローラ44を内包した『現像剤担持体』である現像スリーブ41を有する。現像装置4では、感光体ドラム1及び現像スリーブ41の間隔が一定に保たれ、現像スリーブ41は矢印の方向に回転しながら現像剤が拘束される。不図示の現像バイアスによって、感光体ドラム1の表面に現像剤が移動し、所望の濃度の画像が形成される。
【0026】
現像スリーブ41は、それぞれ非磁性部材である直径32mmのAl表面にフェノール樹脂と結晶性グラファイトおよびカーボンをある重量比割合で混合して、190℃環境で硬化させた膜を用いた。膜の厚さは安定かつ均一な膜を形成するために、20μm程度とした。Bを樹脂の重量、Pを樹脂以外のものの重量(結晶性グラファイト+カーボン)とすると、この場合はP/B比は1/2.25とした。また、現像スリーブ41の帯電特性をトナーに対して最適にするために4級アンモニウム塩を25部程度含有するフェノール樹脂を用いた。第4級アンモニウム塩化合物は、添加されるとフェノール樹脂中に均一に分散され、更に、加熱硬化して被覆を形成する際にフェノール樹脂組成物自身が負帯電性を有する物質へと変化する。従って、このような材料を用いて形成された被覆層を有する現像スリーブ41を用いれば、現像剤の帯電特性を所望の状態にすることが可能となる。
【0027】
また、画像形成装置100は、コントローラ500を備える。コントローラ500は、コントローラ400及びコントローラ300を備える。コントローラ400は、感光体ドラム1、帯電装置2、露光装置3、濃度検知センサ10、濃度検知センサ11の駆動を制御する。コントローラ300は、トナーボトル48、ホッパー47、バッファ46の内部の部材の駆動を制御する。後述するが、このコントローラ500は、操作部(入力部)から入力される入力信号によって、ハーフトーン画像によって現像剤を消費できるように、帯電装置2、露光装置3、及び、現像装置4の駆動を制御する。
【0028】
転写帯電装置5には、例えば、放電ワイヤーとグリッド線から構成されるコロナ帯電器が用いられる。不図示の電源により放電ワイヤーに所定の電圧が印加されると放電動作が行われ、転写帯電装置5にトナー像と逆極性(本実施例ではプラス)の転写バイアスが印加されることにより、感光体ドラム1の表面のトナー像は、転写材Pの上に静電的に転写される。
【0029】
分離帯電装置6には、転写帯電装置5と同様に、例えば、コロナ帯電器が用いられる。不図示の電源により放電ワイヤーに所定の電圧が印加されると放電動作が行われ、分離帯電装置6に分離バイアスが印加されることにより、トナーが感光体ドラム1の表面から分離される。
【0030】
定着装置7は、定着ローラ71及び加圧ローラ72を備える。トナー像が転写された転写材Pは、定着装置7に搬送される。転写材P上のトナー像は、定着ローラ71及び加圧ローラ72間の定着ニップ部にて転写材Pに加熱及び加圧して熱定着される。その後、トナー像が定着された転写材Pは外部に排出され、一連の画像形成が終了する。
【0031】
クリーニング装置8は、クリーニングマグローラ81およびクリーニングブレード82を備える。トナー像が転写された感光体ドラム1の表面に残留している転写残トナーは、クリーニングマグローラ81及びクリーニングブレード82によって除去されて回収される。
【0032】
図2は、画像形成装置100に使用される現像装置4の構成を示す図1の一部拡大断面図である。図2に示されるように、現像容器4Aの上部には、現像容器4Aの内部に補給するトナーを収納した『トナー補給容器』であるバッファ46が設けられる。また、バッファ46の上部には、バッファ46にトナーを供給する『トナー貯蔵容器』であるホッパー47が設けられる。ホッパー47の上部には、適宜交換可能なトナーボトル48が投入できるようになっている。
【0033】
なお、現像容器4A及びバッファ46は、一体的に形成され、メンテナンスや交換時には容易に着脱される。また、ホッパー47及びバッファ46の接続部には不図示のシャッターが設けられており、一体化した現像容器4A及びバッファ46を取り外すときは、シャッターが閉まるようになっている。前述のバッファ46、ホッパー47、トナーボトル48の一部又は全部を含んで『現像剤供給手段』が構成される。
【0034】
現像時に現像容器4Aの内部のトナーの量が所定量より減少したことを『トナー量検知センサ』である現像センサ43Aで検知した場合には、バッファ46の内部のトナーが現像容器4Aの内部に補給される。トナー補給は、バッファ46の補給口に設けられたマグネットローラ46Aをコントローラ300からの制御信号によって回転させることによって行われる。現像容器4Aの内部へトナーが補給されると、トナー撹拌部材42A及びトナー撹拌部材42Bによって新旧トナーが混合撹拌される。
【0035】
また、バッファ46の内部のトナーが所定量より減少したことを『トナー量検知センサ』であるバッファセンサ43Bで検知した場合には、ホッパー47の内部のトナーがバッファ46に補給され、トナー攪拌部材46Bによって搬送及び攪拌される。
【0036】
また、ホッパー47の内部のトナーの量が所定量より減少したことを『トナー量検知センサ』であるホッパーセンサ43Cが検知した場合には、トナーボトル48の内部のトナーがホッパー47に補給される。そして、現像剤は、トナー攪拌部材47B及び47Cで搬送及び攪拌される。
【0037】
現像スリーブ41は、感光体ドラム1の回転速度(プロセススピード)に対して100〜200%の速度で回転し、現像位置では現像スリーブ41及び感光体ドラム1の間のギャップは150〜300μmに設定される。固定マグネットローラ44の磁力によって現像スリーブ41上に担持されるトナーは、層厚規制ブレード45でコート厚が規制される。なお、現像スリーブ41及び層厚規制ブレード45の間のギャップは150〜250μmである。
【0038】
現像スリーブ41には、不図示の現像バイアス電源からDCバイアスとACバイアス(Vpp1〜2kV、周波数1〜4kHz程度)を重畳した現像バイアスが印加される。これにより、トナーを感光体ドラム1の側に飛翔させて静電像を非接触現像する。また、現像装置4の下流側に設置された『濃度検知手段』である濃度検知センサ11(図1参照)によって、感光体ドラム1の表面に形成されたトナーの濃度を検知して制御する。詳細は後述する。
【0039】
画像形成装置100は、以上に図1及び図2を参照して説明した画像形成部を使用した画像形成工程に従って画像を形成する。このような電子写真方式の画像形成装置100は、周囲の環境、使用状況等によって、その特性が変化し易く、固定の画像形成条件では、安定した画像を出力することは難しい。『画像形成部』が各々の『画像形成工程』を実施する画像形成条件は、感光体ドラム1の表面に形成されたトナー像の濃度の情報に基づいて、コントローラ400が定める。画像形成条件としては、例えば帯電量、露光量、現像バイアス等が挙げられ、コントローラ400は、帯電量、露光量、現像バイアス等の画像形成条件を適宜変更することになる。
【0040】
図3は、『濃度検知手段』である濃度検知センサ11の構成を示す断面図である。図3に示されるように、濃度検知センサ11は、感光体ドラム1の表面から6mmの間隙を有して対向配置される。濃度検知センサ11は、『照射部』であるLED11A及び『受光部』であるPD11Bを備える。濃度検知センサ11では、LED11Aから波長880nmの近赤外光が照射され、感光体ドラム1の表面のトナー像の反射光がPD11Bに入射するようになっている。濃度検知センサ11は、その入射光の強度(電圧値:最大5V)に応じて、感光体ドラム1の表面のトナー像の濃度を検知する。また、濃度検知センサ11として使用される光学センサのスポット径は、例えば6mmほどである。
【0041】
図4は、露光電位、及び、現像バイアスの直流成分に基づく画像制御を示す概念図である。図1を参照して前述したように、コントローラ400は、現像装置4に取り付けられる濃度検知センサ10で感光体ドラム1の表面の電位を計測する。また、コントローラ400は、帯電装置2のグリッドバイアスVgridを設定し、図4に示すドラム帯電電位Vdを500Vにする。さらに、コントローラ400は、露光量を露光量レベルLPW1〜LPW5の5段階に変化させ、上記と同様の方法で感光体ドラム1の表面の露光電位Vl1〜Vl5を計測する。そして、コントローラ400は、現像バイアスの直流成分電位Vdc及び露光電位Vlの差(いわゆる『かぶり除去コントラストVback』)が150Vで一定となるように露光量レベルLPWを決定(LPW1〜LPW5)する。これにより現像バイアスの直流成分電位(以下『直流成分電位』という)Vdcが調整される。
【0042】
図5は、各パッチの現像コントラストVcont=(ドラム帯電電位Vd−直流成分電位Vdc)及び露光電位Vlに対する感光体ドラム1の表面のトナー載り量(ただし、実際のパッチ検知センサの出力値は電圧)示すグラフである。図5に示されるように、コントローラ400は、5つの条件でパッチを形成し、濃度検知センサ10で画像濃度を検知し、その画像濃度値に基づいて所望の最大濃度が得られる画像形成条件を決定する。本実施の形態では、0.65mg/cm2をターゲットとしており、図4の検出結果から上記0.65mg/cm2となる現像コントラストVcontを導き出す。ターゲットを挟む2点の現像コントラストVcont及びトナー載り量の関係を導き、その点を直線(線形)補完で結ぶ。そして0.65mg/cm2になる現像コントラストVcont(及び直流成分電位Vdc)を導けばよい。図5のエンジン状態であれば、現像コントラストVcontは230V(つまり直流成分電位Vdcが270V)が適正であり、トナー載り量を0.65mg/cm2とすることができる。また、決定された現像コントラストVcontに対してかぶり除去コントラストVbackが150Vとなる露光電位Vlがわかり、所望の露光電位Vlになる露光量レベルLPWが決定される。
【0043】
図6は、濃度制御のフローチャートである。コントローラ400が、画像形成装置100に関し、朝一などの電源投入時、放置後の前多回転時、作像終了後の後回転時に、図6のフローチャートに従って前述の最大濃度制御を実行することで、常に濃度変動がない画像が提供される。すなわち、コントローラ400は、濃度制御を開始する(S1)。コントローラ400は、ドラム帯電電位Vd=500Vになるように電位を制御して、グリッドバイアスVgridを決定する(S2)。コントローラ400は、露光量を5段階に変化させたパッチ電位を検出し、5組の露光量レベルLPW及び直流成分電位Vdcを決定する(S3)。コントローラ400は、5組の露光量レベルLPW及び直流成分電位Vdcに基づいてパッチを形成し、濃度を検出し、0.65mg/cm2となる露光量レベルLPW及び直流成分電位Vdcを決定する(S4)。コントローラ400は、通常の画像形成モードへ移行させる(S5)。
【0044】
図7は、本発明のトナー設置モード開始ボタン51を示す概略図である。操作部(入力部)としてのトナー設置モード開始ボタン51からコントローラ500に入力信号が入力可能となっている。画像形成装置100は、図7に示されるようなトナー設置モード開始ボタン51を備える。図7中では、最初のトナーの補給をする意味から、「INITIAL TONER REPLENISHMENT」の語が表示される。画像形成装置100を新たに設置するときや、現像装置4のみを新たに交換するときは、サービス員やユーザが図示しない操作部(入力部)としての図19のトナー設置モード開始ボタン51を押す。
【0045】
図8は、コントローラ400の制御工程を示すフローチャートである。画像形成装置100では、前述のトナー設置モード開始ボタン51が押されると、トナー設置モードが規定される。図8に示されるように、コントローラ400は、現像剤設置モードを開始する(S11)。コントローラ400は、ホッパー撹拌モータをONにし(S12)、ホッパーセンサがホッパー47の内部にトナーが有るか否かを判断する(S13)。コントローラ400は、YESの場合には、バッファモータ及び現像剤撹拌モータをONにし(S14)、NOの場合には、トナーボトル48からホッパー47へトナーを補給する(S15)。
【0046】
バッファモータ及び現像剤撹拌モータがONされた場合(S14)には、コントローラ400は、『トナー量検知センサ』であるバッファセンサ43Bがバッファ46の内部にトナーが有るか否かを判断する(S16)。YESの場合には、現像スリーブモータをONにして現像スリーブ41を回転し始め、バッファ46から現像装置4へとトナーの補給を開始し(S17)、NOの場合には、ホッパー47からバッファ46へトナーを補給する(S18)。
【0047】
こうして、トナーボトル48からホッパー47へ、ホッパー47からバッファ46へと上流から順にトナーが補給されていく。ちなみに、本実施例では、現像装置4及びバッファ46は一体化しており、交換時にはこの部分の装置のみが交換され、現像剤が充填されていない現像容器4Aが設置される。ただし、この現像剤設置モードは現像剤があらかじめ充填されている現像容器4Aを設置する形態においても実行可能である。
【0048】
現像スリーブモータがONされた場合(S17)には、コントローラ400は『トナー量検知センサ』である現像センサ43Aが現像装置4の内部にトナーが有るか否かを判断する(S19)。YESの場合には、『強制ハーフトーン消費工程』が実行され(S20)、NOの場合には、バッファ46から現像装置4へとトナーが補給される(S21)。
【0049】
図9は、白帯形成工程を行う画像形成条件を表した概念図である。バッファ46から現像装置4へトナーが補給される間には、現像スリーブ41には正規トナーが消費されないように、図9に示されるように、直流成分電位Vdc=600Vが印加されると共に、ドラム帯電電位Vd=0Vが印加される。現像センサ43Aが検知した現像装置4の内部のトナーの検知結果に基づいて、コントローラ400は、強制ハーフトーン消費工程を実行する(図8のS20)。
【0050】
図10は、強制ハーフトーン消費工程を行う画像形成条件を表した概念図である。コントローラ400は、操作部(入力部)からトナー設置モードを実行するための信号が入力されると、ハーフトーン画像によってトナーを消費するように、帯電装置2、露光装置3、現像装置4の駆動を制御する(これを『強制ハーフトーン消費工程』という)。図10に示されるように、強制ハーフトーン消費工程では、帯電装置2によりドラム帯電電位が調節され、露光装置3により露光電位が調節され、現像スリーブ41で現像バイアスの直流成分電位が調節される。そして、トナーは現像スリーブ41から感光体ドラム1に消費される。そして、転写材Pにはトナーが転写されず、現像スリーブ41から感光体ドラム1へと現像されたトナーがクリーニング装置8へと送られる。強制ハーフトーン消費工程では、感光体ドラム1の表面に形成されるハーフトーン画像幅は、感光体ドラム1の回転軸方向に330mm程度であり、回転方向の長さは可変とする。
【0051】
図11は、ハーフトーン画像及び網点の原理を表した図である。図11(a)は、網点を拡大して示すハーフトーン画像の拡大図であり、図11(b)は、網点を縮小して示すハーフトーン画像の全体図である。ハーフトーン画像とは、例えば図11(a)に示されるように、グレー階調の網点であり、基本的に白い背景の上に黒い小さな点のパターンを並べたものである。十分な距離からこれを見ると、図11(b)に示されるように、点が非常に小さいため、人間の眼ではその点を識別できず、灰色であるかのように見え、黒い点と白い背景の面積の割合(網点面積率)によってその部分の明るさが決まる。多数の黒い点や大きめの黒い点がある場合、暗い灰色に見え、黒い点が少ない場合や小さめの点だった場合には明るい灰色に見える。網点スクリーンの解像度はスクリーン線数(lpi)で表される。これは1インチ当たりのドットで描かれる線の数であり、解像度が高ければ、細部まで再現可能である。
【0052】
また、ハーフトーン画像には網点のようにドットが規則的に配列されたもの以外に、ランダムに配列されたものもあり、代表的なものとして誤差拡散法を用いたランダムパターンが挙げられる。さらに、上述のようなデジタルハーフトーンに対し、アナログ的なハーフトーンもある。このアナログハーフトーンは、ベタ黒と同様に感光体ドラムを一様に帯電するが、現像のコントラストである現像コントラストVcontを弱めることで中間調を表現しようとするものである。
【0053】
図12は、網点面積率等に基づく実験結果を示すグラフである。図12に示されるように、実施例1では、1200dpiの141線の網点デジタルハーフトーンを用いて、網点面積率100%のいわゆる「ベタ黒」と網点面積率50%の「ハーフトーン」を用いて比較実験を行った。各実験では、トナーが充填されていない現像容器4Aを入れ、現像剤設置モードをフローチャートに従って実行した。
【0054】
また、実験0として、現像剤設置モードにおいて現像容器4Aにトナーが充填された時点、つまり、強制ハーフトーン消費工程を実施せずにデータをとった。実験1−1〜3では網点面積率を50%でハーフトーン消費時間を30秒、60秒、180秒と変えて行った。実験1−4〜6も網点面積率100%のベタ黒で同様に消費時間を変えて行った。実験では、強制ハーフトーン消費工程後の現像スリーブ41の表面のトナーを採取し、微粉率を測定した。なお、ゴースト目視レベルで、×は悪い、○は良い、△はその中間である。
【0055】
図13は、スリーブゴーストを評価したチャートおよびスリーブゴーストの原理を表す図である。また、図13(a)のチャートを用いてスリーブゴーストの目視レベルおよび、ゴースト部と通常部の反射濃度差をまとめた。トナーの微粉率は、ベックマン・コールター社製コールターカウンターを用いて測定し、4μm以下の成分の比率を表している。反射濃度は、X−Rite社製反射分光濃度計を用いて測定されている。
【0056】
図12に示されるように、まず強制ハーフトーン消費工程を実施していない実験0では、スリーブゴーストが発生し、そのときのゴースト部の反射濃度差は0.36であった。それに対し、50%のハーフトーンで強制ハーフトーン消費工程で実施した実験1−1〜3では、スリーブゴーストは存在するものの、ゴースト部の反射濃度差は0.1以下と目視レベルでは気にならない程度だった。一方、ベタ黒で消費した実験1−4〜1−6では、スリーブゴーストの目視レベルおよびゴースト部の反射濃度差において良化は見られるものの、実験1−1〜1−3の50%ハーフトーンで消費したものの方が改善効果は高いという結果が得られた。
【0057】
さらに、現像スリーブ41の表面のトナーの微粉率を測定したところ、ゴーストレベルと関係があることがわかった。現像スリーブ41の表面のトナーの微粉率が実験0の40%から減少していくに連れてスリーブゴーストのレベルは良化している。目視レベルで気にならないレベルである反射濃度差で0.1以下に達するには現像スリーブ41の表面のトナーの微粉率を27%以下にする必要があることもわかった。
【0058】
現像装置4の内部のトナーの微粉率が17%程度であるのに対し、現像スリーブ41の表面トナーの微粉率が高過ぎる場合を想定する。この場合に、消費して再コートされる(微粉率が下がる)部分と、消費しないで連れまわる(微粉率が高いままの)部分で現像性に差が生じるためである。すなわち、スリーブゴーストが発生し易くなるからである。よって、現像剤設置モードの直後のスリーブゴーストを良化させるためには、現像スリーブ41の表面のトナーの微粉率を減少させなければならない。
【0059】
図14は、トナーの消費時間に対する現像スリーブ41の表面のトナーの微粉率の推移を表した図である。図14は、ベタ黒と50%ハーフトーンの画像によって消費工程の時間ごとに現像スリーブ41の表面のトナーの微粉率を測定し、プロットしたものである。これをみるとベタ黒では180秒の消費を行っても微粉率は27%以下に達しない。一方、50%のハーフトーンでは約30秒の消費で27%以下に達する。つまり、現像剤設置モード直後に微粉率を減少せしめる画像としては、ベタ黒は不十分であり、ハーフトーン画像が適していると言うことできる。以上のことから、現像剤設置モードにおいて強制ハーフトーン消費工程を行うことにより、現像剤設置モード直後のスリーブゴーストを改善することが可能となる。また、網点ディザパターン以外のハーフトーン(誤差拡散パターンやアナログのハーフトーン)を用いても構わない。
【0060】
尚、本実施例では、現像剤設置モードは、操作部であるトナー設置モード開始ボタン51を押すことで実行されたが、例えば、現像容器4Aの内部のトナーが空であるかどうか検知する現像センサ43Aの検知信号に基いて実行してもよい。この場合、現像センサ43Aの検知信号から現像容器4Aの内部のトナーが空である場合は、設置時もしくは現像容器4Aの交換時と判断し、現像容器4Aにトナー補給した後に上記現像剤設置モードを自動的に実行するように構成してもよい。
【実施例2】
【0061】
次に、実施例2に係る画像形成装置に関して図15乃至図17を参照して説明する。実施例2の画像形成装置の構成のうち実施例1の画像形成装置100と同一の構成及び効果を示すものに関しては、同一の符号を用いて説明を適宜省略する。実施例2においても、実施例1と同様の画像形成装置100に適用することができるため、画像形成装置の説明は省略する。実施例2の画像形成装置は、実施例1の画像形成装置100と比べると、ハーフトーン画像が用いられる点は同じである。実施例2の画像形成装置は、実施例1の画像形成装置100と比べると、コントローラが現像剤設置モード時に現像剤を強制的に消費するハーフトーン画像の条件が規定される点で、何ら規定されない実施例1の画像形成装置100と異なる。そして、実施例2の画像形成装置では、より好適なハーフトーン画像の条件が規定される。
【0062】
図15は、網点面積率等のハーフトーン画像の条件に基づくスリーブゴーストの実験結果を示す表である。実施例2の画像形成装置を使用した各実験では、トナーが充填されていない現像装置4が画像形成装置に組み込まれ、現像剤設置モードがフローチャートに従って実行され、強制ハーフトーン消費工程で用いるハーフトーン画像の網点面積率が変えられた。実験2−1〜2−4では、実験者は、ハーフトーン消費時間を60秒とし、トナーを消費した後の現像スリーブ41の表面のトナーの微粉率、スリーブゴーストの目視レベル、ゴースト部の反射濃度差を測定した。また、実験者は、各網点面積率において消費されるトナーの微粉率を測定した。この測定は、感光体ドラム1からトナーを採取しつつ行われた。図15に示されるように、スリーブゴーストの目視レベルが最も良かったのは、実験2−3の50%ハーフトーンを用いた場合であった。
【0063】
図16は、現像スリーブ41に担持されるトナーの微粉率及びハーフトーンの網点面積率の関係を示すグラフである。図16に示されるように、やはり、網点面積率50%付近のハーフトーン画像が現像されると、現像スリーブ上のトナーの微粉率が最低値を示す。網点面積率30%乃至73%のハーフトーン画像が現像されると、現像スリーブ41の表面のトナーの微粉率は27%以下の値を示す。つまり、ハーフトーン画像は、画像の網点が画像の単位面積に占める比率を網点面積率k[%]とした場合に、30≦k≦73の関係を満たす。
【0064】
図17は、消費されるトナーの微粉率及びハーフトーンの網点面積率の関係を示すグラフである。図17に示されるように、ベタ黒画像に比べると、ハーフトーン画像が用いられた場合の方が、消費されるトナーの微粉率が高いことが分かる。これは、最大の電界強度でトナーを消費するベタ黒画像に対し、ハーフトーンではマクロ的には電界強度が弱くなるため、高い電荷をもつ微粉トナーが選択的に消費されることになるからである。そのため、ハーフトーンの網点面積率k[%]が低いほど微粉が消費されやすくなっている。
【0065】
どの程度の網点面積率のハーフトーンが良いかという点については以下のようになる。すなわち、強制消費を行わないと40%もの微粉トナーが現像スリーブ41の表面に担持されるため、その80%程度の32%以上を消費するような画像条件でないと、一定時間で現像スリーブ41の表面の微粉トナーの存在確率を低減できない。よって、強制ハーフトーン消費工程で用いるハーフトーンは、現像スリーブ41の表面のトナーの微粉率に対して8割以上を消費する条件とするのが良い。即ち、コントローラ400は、現像スリーブ41から感光体ドラム1へと消費されるトナーの微粉率をα[%]とし、現像スリーブ41に担持されるトナーの微粉率をβ[%]とした場合に、α≧β×0.8の条件を満たす様に、ハーフトーン画像でトナーを消費する。そして、そのためには、ハーフトーン画像は、画像の網点が画像の単位面積に占める比率を網点面積率k[%]とした場合に、k≦70の関係を満たす。ただし、ハーフトーンの網点面積率k[%]が低過ぎるとトナーの消費量自体が少なくなってしまうので、時間がかかってしまうことも考慮する必要がある。それを踏まえると実施例2においては、ハーフトーンの網点面積率が50%程度のハーフトーンを用いるのが良い。
【0066】
ハーフトーン消費時間については、現像剤設置モード直後の現像スリーブ41の表面のトナーの微粉率を27%以下となるまで行うのが良い。実施例2において現像装置4に補給及び供給されるトナーの微粉率は17%であり、現像スリーブ41の上トナーの微粉率をその差が10%以下になるまで低減すれば、スリーブゴーストを抑制する効果が得られるということになる。従って、コントローラ400は、現像スリーブ41に担持されるトナーの微粉率をβ[%]とし、現像剤供給手段から現像スリーブ41に供給されるトナーの微粉率をγ[%]とした場合に、β≦γ+10の条件を満たすように、ハーフトーン画像でトナーを消費する。このため、強制ハーフトーン消費工程では、現像スリーブ41の表面のトナーの微粉率に対して8割以上を消費するハーフトーンを用い、現像スリーブ41の表面のトナーの微粉率が現像容器4Aに補給されるトナーの微粉率との差が10%以下になるまで消費する。
【実施例3】
【0067】
次に、実施例3に係る画像形成装置に関して図18乃至図19を参照して説明する。実施例3の画像形成装置の構成のうち実施例1及び実施例2の画像形成装置と同一の構成及び効果を示すものに関しては、同一の符号を用いて説明を適宜省略する。実施例3においても、実施例2と同様の画像形成装置に適用することができるため、画像形成装置の説明は省略する。実施例3の画像形成装置は、実施例2の画像形成装置と比べると、ハーフトーン画像が用いられる点、及び、ハーフトーン画像の条件が規定される点で同じである。実施例3の画像形成装置は、実施例2の画像形成装置と比べると、ハーフトーン画像が用いられた後に、トナーが使用されない白帯画像が形成される点で、何ら白帯画像が形成されない実施例2の画像形成装置と異なる。特に、実施例3の画像形成装置では、現像剤設置モード時の現像剤が強制的に消費する工程の後に白帯画像が形成される。
【0068】
実施例1や実施例2では現像剤設置モード時の強制ハーフトーン消費工程を行って現像スリーブ41の表面のトナーの微粉率が低減されることで、初期設置直後のスリーブゴーストが改善された。ところが、微粉トナーが平均的なトナーに比べて単位質量当たりの電荷量が多いため、現像スリーブ41の表面のトナーの微粉トナーを選択的が消費すると、十分電荷が立ち上がっていない初期の高温高湿下では現像性が低下することがある。
【0069】
図18は、実施例3に関し、強制ハーフトーンでトナーが処理される時間に対して現像スリーブ41に担持されるトナーの単位質量当たりの電荷量の推移を示すグラフである。実施例3では、実験者は、網点面積率50%のハーフトーン画像で強制ハーフトーン消費工程が行われた際の単位質量当たりの電荷量Q/Mの推移をプロットした。
【0070】
図19は、画像形成装置の制御工程を示すフローチャートである。図19に示されるように、強制ハーフトーン消費工程の後に白帯形成工程が行われる(図19)。すなわち、コントローラ400は、ハーフトーン画像によって『現像剤』であるトナーを消費した後に、白帯状の画像によって現像剤を消費するように、帯電装置2、露光装置3及び現像装置4の駆動を制御する(白帯形成工程)。更に詳しくは、白帯形成工程とは、前述した図8のような画像形成条件にて、画像形成を行うことをいう。
【0071】
即ち、図9のような画像形成条件にて、現像スリーブ41を回転させて現像スリーブ41の表面のトナーを現像させる。これにより、現像スリーブ41やトナー撹拌部材42A、42Bの撹拌動作による摩擦帯電効果に加え、反転トナーが消費される電界がかかっているため、反転トナーが消費されるため、単位質量当たりの電荷量Q/Mが高められる。これにより、高温高湿下でも現像性を犠牲にすることなく、初期設置直後のスリーブゴーストが改善される。
【0072】
実施例1乃至3の画像形成装置によれば、操作部(入力部)から入力された信号に基き、ハーフトーン画像によって現像剤を消費する現像剤設置モードを実行するように、帯電装置2、露光装置3及び現像装置4の駆動が制御可能となっている。従って、画像形成装置を新たに設置したときや現像装置4を交換したときや現像ローラ40(又は現像スリーブ41)を交換したときに、以下の効果が得られる。すなわち、現像剤設置モードを実行することで現像スリーブ41の表面に担持される微粉トナーが効率良く低減されると共に、画像形成装置又は現像装置4の初期設置時に微粉トナーに基づいたスリーブゴーストが抑制される。
【0073】
実施例2及び3の画像形成装置によれば、現像剤設置モードにおいてトナーが消費されないと、現像スリーブ41に担持されるトナーの中には40%程度の微粉トナーが含まれてしまう。現像スリーブ41から感光体ドラム1へと消費されるトナーの微粉率をαとし、現像スリーブ41に担持されるトナーの微粉率をβとした場合に、α≧β×0.8の条件でトナーが消費されると、現像スリーブ41に担持される微粉トナーは低減される。
【0074】
実施例2及び3の画像形成装置によれば、網点面積率k[%]が30≦k≦73の関係を満たすと、現像スリーブ41に担持される現像スリーブ41トナーの微粉率は27%以下に抑制される。
【0075】
実施例2及び3の画像形成装置によれば、網点面積率k[%]がk≦70の関係を満たすと、微粉トナーの消費効率は32%以上に設定される。
【0076】
実施例1乃至3の画像形成装置では、現像スリーブ41に担持されるトナーの微粉率をβとし、現像剤供給手段から現像スリーブ41に供給されるトナーの微粉率をγとした場合、β≦γ+10の条件でトナーが消費されると、スリーブゴーストの抑制力は向上する。
【0077】
実施例3の画像形成装置では、ハーフトーン画像で現像剤を消費した後に白帯画像が形成されると、反転トナーが消費される電界がかかるので、反転トナーの単位質量当たりの電荷量は低減される。
【0078】
なお、前述の実施例1乃至3では、現像剤は磁性1成分のネガトナーであったが、現像剤は、トナーのみの1成分の他、トナー及びキャリアの2成分でも良い。
【0079】
前述の実施例1乃至3では、ハーフトーン画像は網点ディザパターンであったが、ハーフトーン画像は、誤差拡散を含むランダムディザパターン、又は、アナログハーフトーンパターンであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の実施例1に係る画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
【図2】画像形成装置に使用される現像装置の構成を示す図1の一部拡大断面図である。
【図3】濃度検知手段の構成を示す断面図である。
【図4】露光電位、及び、現像バイアスの直流成分に基づく画像制御を示す概念図である。
【図5】各パッチの現像コントラストVcont及び露光電位Vlに対するトナー載り量の関係を示すグラフである。
【図6】濃度制御のフローチャートである。
【図7】トナー設置モード開始ボタンを示す概略図である。
【図8】コントローラの制御工程を示すフローチャートである。
【図9】白帯形成工程を行う画像形成条件を表した概念図である。
【図10】強制ハーフトーン消費工程を行う画像形成条件を表した概念図である。
【図11】ハーフトーン画像及び網点の原理を表した図である。
【図12】網点面積率等に基づく実験結果を示すグラフである。
【図13】スリーブゴーストを評価したチャートおよびスリーブゴーストの原理を表す図である。
【図14】トナーの消費時間に対する現像スリーブの表面のトナーの微粉率の推移を表した図である。
【図15】実施例2に関し、網点面積率等のハーフトーン画像の条件に基づくスリーブゴーストの実験結果を示す表である。
【図16】現像スリーブに担持されるトナーの微粉率及びハーフトーンの網点面積率の関係を示すグラフである。
【図17】消費されるトナーの微粉率及びハーフトーンの網点面積率の関係を示すグラフである。
【図18】実施例3に関し、強制ハーフトーンでトナーが消費される時間に対して現像スリーブに担持されるトナーの単位質量当たりの電荷量の推移を示すグラフである。
【図19】画像形成装置の制御工程を示すフローチャートである。
【図20】従来例に関し、黒帯形成工程を示す概略図である。
【符号の説明】
【0081】
1 感光体ドラム(像担持体)
2 帯電装置
3 露光装置
4 現像装置
41 現像スリーブ(現像剤担持体)
46 バッファ(トナー補給容器)(現像剤供給手段)
47 ホッパー(トナー貯蔵容器)(現像剤供給手段)
48 トナーボトル(現像剤供給手段)
51 トナー設置開始ボタン(操作部)(入力部)
400 コントローラ
P 転写材
k 網点面積率
【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体と、現像剤を担持する現像剤担持体を備え、前記像担持体に形成された静電像を現像剤で現像する現像装置と、を有する画像形成装置において、
前記像担持体にハーフトーンのトナー像を形成し、該トナー像を転写材に転写することなく強制的に消費するモードを実行させる信号を入力可能な入力部と、
前記入力部から入力される信号に基いて前記モードを実行するコントローラと、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記現像剤は、トナー及びキャリア、又は、トナーであり、
前記コントローラは、前記現像剤担持体から前記像担持体へと消費されるトナーの微粉率をαとし、前記現像剤担持体に担持されるトナーの微粉率をβとした場合に、α≧β×0.8の条件を満たすように、ハーフトーン画像によってトナーを消費することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記現像装置に現像剤を供給する現像剤供給手段を備え、
前記現像剤は、トナー及びキャリア、又は、トナーであり、
前記コントローラは、前記現像剤担持体に担持されるトナーの微粉率をβとし、前記現像剤供給手段から前記現像剤担持体に供給されるトナーの微粉率をγとした場合に、β≦γ+10の条件を満たすように、ハーフトーン画像によってトナーを消費することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記コントローラは、ハーフトーン画像によって現像剤を消費した後に、白帯状の画像によって現像剤を消費するように、帯電装置、露光装置及び前記現像装置の駆動を制御することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ハーフトーン画像は、網点ディザパターン、誤差拡散を含むランダムディザパターン、又は、アナログハーフトーンパターンのいずれ1つのパターンの画像であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記ハーフトーン画像は、画像の網点が画像の単位面積に占める比率を網点面積率kとした場合に、30≦k≦73の関係を満たすことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記ハーフトーン画像は、画像の網点が画像の単位面積に占める比率を網点面積率kとした場合に、k≦70の関係を満たすことを特徴とする請求項1乃至請求項4、請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項1】
像担持体と、現像剤を担持する現像剤担持体を備え、前記像担持体に形成された静電像を現像剤で現像する現像装置と、を有する画像形成装置において、
前記像担持体にハーフトーンのトナー像を形成し、該トナー像を転写材に転写することなく強制的に消費するモードを実行させる信号を入力可能な入力部と、
前記入力部から入力される信号に基いて前記モードを実行するコントローラと、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記現像剤は、トナー及びキャリア、又は、トナーであり、
前記コントローラは、前記現像剤担持体から前記像担持体へと消費されるトナーの微粉率をαとし、前記現像剤担持体に担持されるトナーの微粉率をβとした場合に、α≧β×0.8の条件を満たすように、ハーフトーン画像によってトナーを消費することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記現像装置に現像剤を供給する現像剤供給手段を備え、
前記現像剤は、トナー及びキャリア、又は、トナーであり、
前記コントローラは、前記現像剤担持体に担持されるトナーの微粉率をβとし、前記現像剤供給手段から前記現像剤担持体に供給されるトナーの微粉率をγとした場合に、β≦γ+10の条件を満たすように、ハーフトーン画像によってトナーを消費することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記コントローラは、ハーフトーン画像によって現像剤を消費した後に、白帯状の画像によって現像剤を消費するように、帯電装置、露光装置及び前記現像装置の駆動を制御することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ハーフトーン画像は、網点ディザパターン、誤差拡散を含むランダムディザパターン、又は、アナログハーフトーンパターンのいずれ1つのパターンの画像であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記ハーフトーン画像は、画像の網点が画像の単位面積に占める比率を網点面積率kとした場合に、30≦k≦73の関係を満たすことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記ハーフトーン画像は、画像の網点が画像の単位面積に占める比率を網点面積率kとした場合に、k≦70の関係を満たすことを特徴とする請求項1乃至請求項4、請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
【図10】
【図12】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図4】
【図7】
【図11】
【図13】
【図2】
【図3】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
【図10】
【図12】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図4】
【図7】
【図11】
【図13】
【公開番号】特開2010−175960(P2010−175960A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−20099(P2009−20099)
【出願日】平成21年1月30日(2009.1.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月30日(2009.1.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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