説明

画像形成装置

【課題】安定して紙厚の検知を行うこと。
【解決手段】媒体(S)を搬送する搬送路(SH1)と、搬送路(SH1)に配置されて媒体(SH1)を搬送する媒体搬送部材(14〜21,61〜67,81〜84)と、搬送路(SH1)を搬送される媒体(S)の厚さを検出する媒体厚検出装置(72)と、搬送路(SH1)を挟んで対向する第1の案内部材(7,33)と、第2の案内部材(7,33)と、を有し、搬送路(SH1)に媒体(SH1)を搬送可能な搬送位置と搬送路(SH1)が開放される開放位置との間で第1の案内部材(7,33)と第2の案内部材(7,33)とが相対移動可能な案内部材(7,33)と、第1の案内部材(7,33)と第2の案内部材(7,33)との間に配置されて、案内部材(7,33)に生じる振動を抑制する制振部材(92)と、を備えたことを特徴とする画像形成装置(U)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置において、搬送路を搬送される媒体の重送を検知する構成に関して、下記の特許文献1〜6に記載の技術が知られている。
特許文献1としての特開2009−234698号公報、特許文献2としての特開2009−227397号公報、および、特許文献3としての特開2009−227404号公報には、駆動源からギアを介して駆動が伝達される駆動ロールと、駆動源に従動する受動ロールと、検出軸を中心にして上下方向に傾動するレバーの先端が受動ロールの回転軸に接触するアクチュエータとを有する紙厚センサを備えた画像形成装置が記載されている。
特許文献1〜3に記載の技術では、駆動ロールと受動ロールとの間に記録用紙が搬送されると、用紙厚に応じて変位するアクチュエータが受動ロールの回転軸の移動に追従して、用紙厚を検出して、記録用紙の重送を検知する。
【0003】
特許文献4としての特開2009−249074号公報と、特許文献5としての特開2009−249075号公報には、駆動モータ(76)により駆動される駆動ロール(38a)と、駆動ロール(38a)に従動回転する従動ロール(38b)と、従動ロール(38b)を支持するロールシャフト(70b)と、ロールシャフト(70b)に支持されたベアリング(68)と、ベアリング(68)に支持されたホルダ(80)と、ホルダ(80)に接触するセンサアクチュエータ(74)を有する変動値検出センサ(64)とを備えた画像形成装置(10)が記載されている。
特許文献4、5に記載の技術では、駆動ロール(38a)と従動ロール(38b)との間に用紙が搬送されると、用紙厚に応じたホルダ(80)の紙厚方向の移動に対し、センサアクチュエータ(74)が追従して、用紙厚を検出し、用紙の重送を検知する。
【0004】
特許文献6としての特開2009−249145号公報には、駆動源(700)に連結された搬送ロール(648)と、搬送ロール(648)に従動する従動ロール(564)と、従動ロール(564)を搬送ロール(648)に押し付ける付勢部材(568)と、従動ロール(564)の軸部(566)に設けられた移動部材(562)と、移動部材(562)に接触する接触部材(30)を回転可能に支持する位置検出装置(10)とを有する用紙厚さ検出装置(560)を備えた画像形成装置(500)が記載されている。
特許文献6に記載の技術では、搬送ロール(648)と従動ロール(564)との間を用紙(P)が通過する際に、用紙(P)の厚さに応じた移動部材(562)の移動に、接触部材(30)が追従して、用紙(P)の厚さを検出し、重送を検知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−234698号公報(「0038」〜「0042」、「0057」、「0059」、図2)
【特許文献2】特開2009−227397号公報(「0057」〜「0060」、図3、図4)
【特許文献3】特開2009−227404号公報(「0053」〜「0056」、「0058」、図3、図4)
【特許文献4】特開2009−249074号公報(「0026」〜「0030」、図2、図3)
【特許文献5】特開2009−249075号公報(「0024」〜「0028」、図3、図4)
【特許文献6】特開2009−249145号公報(「0093」〜「0095」、「0099」、図26)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、安定して紙厚の検知を行うことを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記技術的課題を解決するために、請求項1に記載の画像形成装置は、
媒体を搬送する搬送路と、
前記搬送路に配置されて媒体を搬送する媒体搬送部材と、
前記搬送路を搬送される媒体の厚さを検出する媒体厚検出装置と、
前記搬送路を挟んで対向する第1の案内部材と、第2の案内部材と、を有し、前記搬送路に媒体を搬送可能な搬送位置と前記搬送路が開放される開放位置との間で前記第1の案内部材と前記第2の案内部材とが相対移動可能な案内部材と、
前記第1の案内部材と前記第2の案内部材との間に配置されて、前記案内部材に生じる振動を抑制する制振部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記搬送路を挟み対向して配置された一対の前記媒体搬送部材本体を有し、一対の媒体搬送部材本体どうしが媒体を挟んで媒体を搬送可能な搬送可能位置と、一対の媒体搬送部材本体どうしが離間する離間位置と、の間を移動可能に構成された前記媒体搬送部材、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、
前記一対の媒体搬送部材本体の一方が媒体厚さ方向に移動不能に支持されると共に、前記一対の媒体搬送部材本体の他方が媒体厚さ方向に移動可能に支持された前記一対の媒体搬送部材本体と、
前記他方の媒体搬送部材本体に接触し且つ前記他方の媒体搬送部材本体の媒体厚さ方向の移動に連動して回転中心を中心として回転可能に支持された腕部と、前記腕部の回転に基づいて媒体の厚さを検出する媒体厚検出手段と、を有する前記媒体厚検出装置と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、制振部材を有しない場合と比べて、安定して搬送路を搬送される媒体の紙厚の検知を行うことができる。
請求項2に記載の発明によれば、制振部材を有しない場合と比べて、搬送可能位置と離間位置との間を媒体搬送部材本体が移動する際に振動が発生しても、安定して紙厚の検知を行うことができる。
請求項3に記載の発明によれば、媒体搬送部材本体の移動に連動する腕部の回転から媒体の厚さを検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は本発明の実施例1のプリンタの全体説明図である。
【図2】図2は本発明の実施例1のプリンタの画像形成装置本体の説明図である。
【図3】図3は本発明の実施例1のプリンタのインターフェースモジュール及びスタッカ装置の説明図である。
【図4】図4は画像形成装置本体の要部拡大説明図であり、可視像形成装置とベルトモジュールの説明図である。
【図5】図5は本発明の実施例1の重送検知装置の全体説明図である。
【図6】図6は本発明の実施例1の重送検知装置の被支持部が開放位置に移動した状態の説明図である。
【図7】図7は本発明の実施例1の紙厚検知装置の要部拡大説明図である。
【図8】図8は図5の矢印VIII方向からみた図である。
【図9】図9は図5のIX−IX線断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(実施例)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0013】
(実施例1のプリンタUの説明)
図1は本発明の実施例1のプリンタの全体説明図である。
図2は本発明の実施例1のプリンタの画像形成装置本体の説明図である。
図3は本発明の実施例1のプリンタのインターフェースモジュール及びスタッカ装置の説明図である。
図1〜図3において、画像形成装置の一例としてのプリンタUは、画像形成装置本体U1と、湾曲除去装置の一例として、画像形成装置本体U1の媒体排出方向下流側に配置され、プリンタUを操作するための操作部UIを有するインターフェースモジュールU2と、媒体排出積載装置の一例として、前記インターフェースモジュールU2の媒体排出方向下流側に配置されたスタッカ装置U3と、を有する。
【0014】
(実施例1の画像形成装置本体U1の説明)
図2において、前記画像形成装置本体U1は、画像記録部U1aと、定着反転部U1bとを有し、画像形成装置本体U1の制御を行う本体側制御部C1や、外部の情報送信装置COMからインターフェースモジュールU2を介して送信された画像情報を受信する図示しない情報送受信装置、および前記本体側制御部C1により制御される潜像形成装置駆動回路D、電源回路E等を有する。
本体側制御部C1により作動を制御される画像記録部U1aの潜像形成装置駆動回路Dは、前記インターフェースモジュールU2を介して送信された画像情報に基づいて、G:グリーン、O:オレンジ、Y:イエロー、M:マゼンタ、C:シアン、K:黒の画像情報を作成し、それらに応じた駆動信号を予め設定された時期に各色G〜Kの潜像形成装置ROSg,ROSo,ROSy,ROSm,ROSc,ROSkに出力する。
【0015】
図4は画像形成装置本体の要部拡大説明図であり、可視像形成装置とベルトモジュールの説明図である。
図2、図4において、前記各色G〜Kの潜像形成装置ROSg〜ROSkの下方には、各色G〜Kの像保持体ユニットUG,UO,UY,UM,UC,UKと、現像装置の一例としての各色G〜Kの現像器GG,GO,GY,GM,GC,GKとが着脱可能に装着される。
黒Kの像保持体ユニットUKは、像保持体の一例としての感光体Pk、帯電器CCkおよび像保持体用清掃器の一例としての感光体クリーナCLkを有する。また、前記感光体Pkの右方には、黒Kの現像器GKの現像部材の一例としての現像ロールR0kが隣接して配置される。
【0016】
そして、他の各色G〜Cの像保持体ユニットUG〜UCも、感光体Pg,Po,Py,Pm,Pc、帯電器CCg,CCo,CCy,CCm,CCc、感光体クリーナCLg,CLo,CLy,CLm,CLcを有する。また、前記他の各色G〜Cの感光体Pg〜Pcの右方には、他の各色G〜Cの現像器GG〜GCの現像部材の一例としての現像ロールR0g,R0o,R0y,R0m,R0cが、それぞれ隣接して配置される。
なお、実施例1では、使用頻度の高く表面の磨耗が多いK色の感光体Pkは、他の色の感光体Pg〜Pcに比べて大径に構成され、高速回転対応および長寿命化が図られている。
前記各像保持体ユニットUG〜UKと前記各現像器GG〜GKとにより、可視像形成装置(UG+GG),(UO+GO),(UY+GY),(UM+GM),(UC+GC),(UK+GK)が構成される。
【0017】
図2、図4において、前記感光体Pg〜Pkは、それぞれ帯電器CCg〜CCkにより一様に帯電された後、前記潜像形成装置ROSg〜ROSkの出力する潜像書込光の一例としてのレーザビームLg,Lo,Ly,Lm,Lc,Lkにより、その表面に静電潜像が形成される。前記感光体Pg〜Pk表面の静電潜像は、現像器GG〜GK内の現像剤により、G:グリーン、O:オレンジ、Y:イエロー、M:マゼンタ、C:シアン、K:黒の画像、可視像の一例としてのトナー像に現像される。
なお、現像により現像器Gg〜Gk内の現像剤が消費されると、画像形成装置本体U1の上部に設けられた現像剤補給装置U1cから現像剤が現像器Gg〜Gkに補給される。前記現像剤補給装置U1aには、現像剤補給容器の一例としてのトナーカートリッジTg,To,Ty,Tm,Tc,Tkが着脱、交換可能に支持されている。
【0018】
図2、図4において、感光体Pg〜Pk表面上のトナー像は、1次転写領域Q3g,Q3o,Q3y,Q3m,Q3c,Q3kにおいて、1次転写部材の一例としての1次転写ロールT1g,T1o,T1y,T1m,T1c,T1kにより、中間転写体の一例としての中間転写ベルトB上に順次重ねて転写され、中間転写ベルトB上に多色画像、いわゆる、カラー画像が形成される。中間転写ベルトB上に形成されたカラー画像は、2次転写領域Q4に搬送される。
なお、黒画像データのみの場合は黒Kの感光体Pkおよび現像器GKのみが使用され、黒Kのトナー像のみが形成される。また、Y,M,C,Kの4色印刷や、使用者の設定等に応じた2色、3色印刷等が行われる場合には、該当する感光体Pg〜Pkおよび現像器GG〜GKが使用される。
1次転写後、感光体Pg〜Pk表面の残留トナーは感光体用の各感光体クリーナCLg〜CLkによりクリーニングされ、帯電器CCg〜CCkで再帯電される。
【0019】
図1、図2、図4において、各感光体Pg〜Pkの下方には、中間転写装置の一例としてのベルトモジュールBMが、前記各感光体Pg〜Pkの下面に接触する上昇位置と前記下面から下方に離れた下降位置との間で昇降可能に支持されている。
前記ベルトモジュールBMは、前記中間転写ベルトBを有している。前記中間転写ベルトBは、中間転写ベルトBを裏面から支持する中間転写体駆動部材の一例としてのベルト駆動ロールRdにより矢印Ya方向に回転駆動され、張力付与部材の一例としてのテンションロールRtにより張力が付与されて張架される。また、前記中間転写ベルトBは、前記中間転写ベルトBの蛇行を防止する蛇行防止部材の一例としてのウォーキングロールRwや、従動部材の一例としての複数のアイドラロールRf、2次転写対向部材の一例としてのバックアップロールT2aにより裏面側が支持される。
【0020】
また、図4において、実施例1では、G色の1次転写ロールT1gの矢印Ya方向上流側には、矢印Ya方向に対して垂直な方向であって前記感光体Pgに対して前記中間転写ベルトBを接触・離隔させる方向である接離方向に移動可能に支持された接離用中間転写体支持部材の一例としての第1リトラクトロールR1が配置されている。また、O色の各1次転写ロールT1oの矢印Ya方向下流側且つY色の各1次転写ロールT1yの矢印Ya方向上流側には、前記第1リトラクトロールR1と同様に構成された接離用中間転写体支持部材の一例としての第2リトラクトロールR2および第3リトラクトロールR3が並んで配置されている。また、C色の各1次転写ロールT1cの矢印Ya方向下流側且つK色の各1次転写ロールT1kの矢印Ya方向上流側には、前記第1リトラクトロールR1と同様に構成された前記接離用中間転写体支持部材の一例としての第4リトラクトロールR4が配置されている。さらに、K色の各1次転写ロールT1kの矢印Ya方向下流側には、前記第1リトラクトロールR1と同様に構成された前記接離用中間転写体支持部材の一例としての第5のリトラクトロールR5が配置されている。
【0021】
また、図4において、前記各1次転写ロールT1g〜T1kの矢印Ya方向下流側には、前記中間転写ベルトB裏面の電荷を除電する除電部材の一例としての平板状の除電板金JBが配置されている。なお、実施例1の前記除電板金JBは、前記中間転写ロールBとは非接触で配置されており、例えば、前記中間転写ロールBの裏面から2mm離れた位置に配置できる。
前記各ロールRd,Rt,Rw,Rf,T2a,R1〜R5により、前記中間転写ベルトBを裏面から回転可能に支持する中間転写体支持部材の一例としてのベルト支持ロールRd,Rt,Rw,Rf,T2a,R1〜R5が構成される。
また、前記中間転写ベルトB、前記ベルト支持ロールRd,Rt,Rw,Rf,T2a,R1〜R5、前記各1次転写ロールT1g〜T1k、前記除電板金JB等により、実施例1の前記ベルトモジュールBMが構成される。
【0022】
前記バックアップロールT2aの下方には、2次転写ユニットUtが配置されている。2次転写ユニットUtには、2次転写部材の一例としての2次転写ロールT2bが設けられている。前記2次転写ロールT2bは、中間転写ベルトBを挟んでバックアップロールT2aに接触、離隔可能に配置されており、前記2次転写ロールT2bが中間転写ベルトBと圧接する領域により2次転写領域Q4が形成されている。また、前記バックアップロールT2aには、接触導通部材の一例としてのコンタクトロールT2cが当接している。前記コンタクトロールT2cには、本体側制御部C1により制御される電源回路Eから予め設定された時期に現像剤の帯電極性と同極性の2次転写電圧が印加される。
前記バックアップロールT2a、2次転写ロールT2b、コンタクトロールT2cにより、実施例1の2次転写器T2が構成される。前記1次転写ロールT1g〜T1k、中間転写ベルトB、2次転写器T2により、実施例1の転写装置T1g〜T1k+T2+Bが構成される。
【0023】
前記中間転写ベルトBの下方には、媒体の一例としての記録シートSが収容される媒体収容部の一例として給紙トレイTR1,TR2が設けられている。前記給紙トレイTR1,TR2に収容された記録シートSは、媒体取出部材の一例としてのピックアップロールRpにより給紙トレイTR1,TR2から取り出され、捌き部材の一例としての捌きロールRsで一枚ずつ分離されて、搬送路の一例としての媒体供給路SH1に搬送される。
前記媒体供給路SH1に搬送された記録シートSは、搬送部材の一例としての搬送ロールRaにより、媒体不要部除去装置の一例としてのバリ取り装置Btに搬送される。前記バリ取り装置Btは、加圧部材の一例としての加圧ロールBt1と、対向部材の一例として、前記加圧ロールBt1に加圧されて接触する対向ロールBt2とを有する。前記加圧ロールBt1と対向ロールBt2とによって、記録シートSは、加圧されて挟まれて搬送され、記録シートS端部の不要部の除去、いわゆる、記録シートSのバリ取りが行われる。
【0024】
バリ取りされた記録シートSは、重送検知装置Jkに搬送される。前記重送検知装置Jkは、記録シートSについて、前記捌きロールRsにより捌ききれずに搬送され、複数枚の記録シートSが重なって搬送されているか否か、すなわち、重送か否かを検知する。
そして、重送か否かが検知された記録シートSは、傾斜姿勢補正装置の一例としてのスキュー補正装置Shに搬送される。前記スキュー補正装置Shは、斜行ロールの一例としてのクロストロールRcを有し、前記クロストロールRcによって、記録シートSを、図示しない端部揃え部材に接触させて、記録シートSの傾斜姿勢、いわゆる、スキューを補正する。
スキューが補正された記録シートSは、搬送時期調整部材の一例としてのレジロールRrに搬送される。
【0025】
前記レジロールRrに搬送された記録シートSは、中間転写ベルトB上の多色画像または単色画像が2次転写領域Q4に搬送される時期に合わせて、転写前媒体案内部材SG1を通って、2次転写領域Q4に搬送される。
前記中間転写ベルトB上の多色画像は、前記2次転写領域Q4を通過する際に前記2次転写器T2により前記記録シートSに転写される。なお、多色画像の場合は中間転写ベルトB表面に重ねて1次転写されたトナー像が一括して記録シートSに2次転写される。2次転写後の前記中間転写ベルトBは、中間転写体清掃器の一例としてのベルトクリーナCLbにより清掃される。
【0026】
図1〜図3において、未定着可視像が2次転写された記録シートSは、転写後媒体案内部材SG2を通って、定着前媒体搬送部材の一例としての搬送ベルトHBによって、定着反転部U1bに設けられた定着装置Fに搬送される。
図3において、前記定着装置Fは、加熱定着部材の一例としての加熱ロールFhと、加圧定着部材の一例としての加圧ロールFpとを有する。前記記録シートSは、一対の定着部材Fh,Fpが、圧力が作用した状態で接触する定着領域Q5に搬送される。前記記録シートS上の未定着可視像は定着領域Q5を通過する際に定着装置Fにより加熱定着される。
【0027】
図2において、加熱定着された記録シートSは、冷却装置Coに搬送される。前記冷却装置Coは、無端帯状の上側搬送部材の一例として、回転可能に張架された上側搬送ベルトCo1と、無端帯状の下側搬送部材の一例として、前記上側搬送ベルトCo1に対向して回転可能に張架された下側搬送ベルトCo2とを有する。前記上側搬送ベルトCo1の内側には、放熱部材の一例としてのヒートシンクCo3が配置されており、上側搬送ベルトCo1の熱が奪われて、図示しない送風部材により外部に放出される。
これにより、定着装置Fによって加熱された記録シートSが、一対の搬送ベルトCo1,Co2に挟まれて搬送されると、記録シートSの熱が、搬送ベルトCo1,Co2によって奪われて、前記記録シートSが冷却される。
【0028】
冷却された記録シートSは、本体側の湾曲除去装置の一例としての本体デカール装置Hdに搬送される。前記本体デカール装置Hdは、第1湾曲除去部材の一例として、大径で上側の軟性円筒部材と小径で下側の硬性円筒部材とによって記録シートSを挟み、記録シートSの湾曲、いわゆる、カールを除去するロール型デカール部材Hd1を有する。前記ロール型デカール部材Hd1の媒体搬送方向下流側には、第2湾曲除去部材の一例として、張架された無端帯状部材と前記無端帯状部材に上側から接触する円筒部材とによって記録シートSを挟み、カールを除去するベルト型デカール部材Hd2が配置されている。
本体デカール装置Hdでは、ロール型デカール部材Hd1、ベルト型デカール部材Hd2によって、カールが除去された後に、排出部材Hd3によって、記録シートSが本体デカール装置Hdから排出される。
【0029】
前記本体デカール装置Hdの媒体搬送方向下流側には、搬送路切替部材GT1が設けられている。前記搬送路切替部材GT1は、媒体搬送路の一例としての本体処理路SH2を搬送された記録シートSの搬送先を、本体排出路SH3または媒体反転路SH4のいずれかに選択的に切り替える。
前記本体排出路SH3に搬送された記録シートSは、本体排出部材の一例としての本体排出ロールRhにより、画像の記録された画像記録面が上向きの状態のまま、いわゆる、フェイスアップの状態で、インターフェースモジュールU2に搬送される。
【0030】
記録シートSの画像記録面を上向きの状態から下向きの状態に反転して、いわゆる、フェイスダウンの状態でインターフェースモジュールU2に搬送する場合、本体処理路SH2から搬送された記録シートSは、前記搬送路切替部材GT1によって媒体反転路SH4に案内される。そして、前記記録シートSの媒体搬送方向後端が、媒体反転路SH4の分岐部に設けられた搬送路切替部材GT2を通過すると、反転搬送部材の一例としての正逆回転可能な反転ロールRbによって、記録シートSが逆搬送されて、いわゆる、スイッチバックする。そして、スイッチバックした記録シートSは、前記搬送路切替部材GT2によって本体排出路SH3に案内されて、記録シートSの画像記録面が上向きの状態から下向きの状態に反転されて、インターフェースモジュールU2に搬送される。
【0031】
記録シートSの両面に画像が記録される場合、本体処理路SH2から搬送された片面に画像が記録済みの記録シートSは、搬送路切替部材GT1によって、媒体反転路SH4に案内される。そして、前記記録シートSは、媒体反転路SH4の反転ロールRbによって、媒体循環路SH5に搬送され、両面記録反転路SH6に向けて搬送される。前記記録シートSの媒体搬送方向後端が、媒体循環路SH5と両面記録反転路SH6の接続部に設けられた搬送路切替部材GT3を通過すると、記録シートSがスイッチバックされる。スイッチバックした記録シートSは、前記搬送路切替部材GT3によって媒体供給路SH1側に案内され、媒体供給路SH1に再送される。
これにより、片面に画像が記録された記録シートSは、表裏が反転した状態で、媒体供給路SH1を搬送されて2次転写領域Q4に再送され、画像の記録されていないもう一方の面にも画像が記録される。
【0032】
(実施例1のインターフェースモジュールU2の説明)
図3において、インターフェースモジュールU2の操作部UIは、情報を表示する表示部UI1やプリンタUの各種設定を行うための入力釦UI2を有する。また、インターフェースモジュールU2は、外部の情報送信装置COMから送信された画像情報を受信して、各種処理およびプリンタUの制御を行う主制御部C2を有する。
前記インターフェースモジュールU2の内部には、湾曲除去装置の搬送路の一例としてのカール除去路SH21が設けられている。前記カール除去路SH21には、画像形成装置本体U1の本体排出路SH3から記録シートSが搬送される。前記カール除去路SH21に搬送された記録シートSは、搬送ロールMRaによって、湾曲除去装置本体の一例としてのモジュールデカール装置Mdに搬送される。前記記録シートSは、前記モジュールデカール装置Mdによって、カールが除去され、排出ロールMRhによって、カール除去路SH21からスタッカ装置U3に排出される。なお、前記モジュールデカール装置Mdは、従来公知であり、例えば、特開2006−520333号公報に記載されている構成と同様の構成を採用可能であるため、その詳細な説明は省略する。
【0033】
(実施例1のスタッカ装置U3の説明)
図3において、実施例1のスタッカ装置U3は、媒体排出積載装置の搬送路の一例として、前記インターフェースモジュールU2のカール除去路SH21に接続されたスタッカ排出路SH31を有する。前記スタッカ排出路SH31の媒体搬送方向下流側には、媒体排出積載装置の媒体排出部材の一例としてのスタッカ排出ロールSRhが配置されている。前記スタッカ排出ロールSRhによって、下方に配置された積載容器の一例としてのスタッカ容器TRhに、記録シートSが排出、積載される。前記スタッカ容器TRh内には、積載部材の一例として、上面に記録シートSが積載される底板TRh1が配置されている。前記底板TRh1は、記録シートSの積載量に応じて自動的に昇降する。
【0034】
(実施例1の重送検知装置Jkの説明)
図5は本発明の実施例1の重送検知装置の全体説明図である。
図6は本発明の実施例1の重送検知装置の被支持部が開放位置に移動した状態の説明図である。
図5、図6において、実施例1の重送検知装置Jkは、第1の支持部の一例として、前記媒体供給路SH1の下側に配置されたベース部1を有する。
図6において、ベース部1は、前後一対の前壁2および後壁3を有する。前壁2および後壁3の右端は、板状の連結板4により連結されており、上端は第1の案内部材の一例、あるいは、第2の搬送部材の一例として、媒体供給路SH1に沿って延びる板状の下ガイドプレート6により接続されている。
【0035】
下ガイドプレート6は、検知案内部の一例として、媒体供給路SH1の媒体搬送方向上流側に配置され且つ左下方向から右上方向に弧状に湾曲する湾曲ガイド部7と、下流案内部の一例として、湾曲ガイド部7の媒体搬送方向下流側に連続して形成された平板状の平面ガイド部8を有する。
図7は本発明の実施例1の紙厚検知装置の要部拡大説明図である。
図7において、湾曲ガイド部7の媒体搬送方向中央部には、案内通過口の一例として、前後方向に予め設定された間隔をあけて2つの湾曲ガイド口9が形成されている。
また、前記平面ガイド部8の媒体搬送方向上流側には、案内通過口の一例として、前後方向に予め設定された間隔をあけて2つの上流側ガイド口11が形成され、上流側ガイド口11の媒体搬送方向下流側には、下流側ガイド口12が形成されている。
【0036】
図8は図5の矢印VIII方向からみた図である。
図8において、前記前壁2上端の平面ガイド部8の媒体搬送方向上流端と下流端との両端に対応する位置には、固定部の一例として、前方に突出する一対の固定片13が形成されている。
図5、図7において、前壁2および前記後壁3には、前記湾曲ガイド7の湾曲ガイド口9に対応する位置に、前後方向に延びる駆動軸14が回転可能に支持されており、駆動軸14には、駆動側の媒体搬送部材本体の一例として、湾曲ガイド口9を通過して上部が媒体供給路SH1内に露出する2つの駆動ロール16が支持されている。
【0037】
同様に、前壁2および後壁3には、前記平面ガイド部8の上流側ガイド口11および下流側ガイド口12に対応する位置に、前後方向に延びる上流側駆動軸17および下流側駆動軸19がそれぞれ回転可能に支持されており、各駆動軸17,19には、媒体搬送部材本体の一例として、各ガイド口11,12を通過して上部が媒体供給路SH1内に露出する上流側駆動ロール18および下流側駆動ロール21が支持されている。
前記後壁3には、駆動源収容部の一例としてのモータフレーム24が支持されている。モータフレーム24の内部には、図示しない駆動源の一例としてのモータと、モータから各駆動軸14,17,19へ駆動を伝達する伝達部材の一例としてのギアG1等が収容されている。
【0038】
モータフレーム24の上面の左右両端には、取り付け腕部の一例として、上方に延びる一対の取り付けアーム26が形成されている。各取り付けアーム26には、制動部材の一例としてのトルクダンパ27を介して、被支持部の一例としての上ガイド28が、回転制限軸29を中心として回転可能に支持されている。上ガイド28は、図5に示す前記ベース部1に上ガイド28が対向して記録シートSが搬送可能な搬送位置と、図6に示すベース部1から上ガイド28が離間して媒体供給路SH1が開放される開放位置との間で回転可能に支持されている。
【0039】
なお、実施例1のトルクダンパ27は、上ガイド28の回転速度、回転力が、設定回転速度、設定回転力以上となると、制動をかけて速度を低下させる市販の装置を使用可能である。
したがって、上ガイド28が図6に示す開放位置から図5に示す搬送位置に向かう際に、上ガイド28が自重で高速回転して事故が発生することを低減するために、設定回転速度、設定回転力以上になると、搬送位置に回転移動する移動速度が抑制される。そして、実施例1では、設定回転速度は、重力によって上ガイド28が回転する自然回転速度よりも小さな値に設定されている。
【0040】
図5、図6において、上ガイド28は、前後一対の上前壁30および上後壁31と、を有する。上前壁30および上後壁31は、第1の案内部材の一例、あるいは、第2の案内部材の一例として、媒体供給路SH1を挟んで下ガイドプレート6に対向する板状の上ガイドプレート32によって連結されている。なお、下ガイドプレート6と上ガイドプレート32とにより、案内部材6,32が構成されている。
上ガイドプレート32は、検知支持案内部の一例として、湾曲ガイド部7に対向する上側湾曲ガイド部33と、上側下流案内部の一例として、平面ガイド部8に対向する平板状の上側平面ガイド部34とを有する。
【0041】
図7において、上側湾曲ガイド部33の媒体搬送方向中央部には、上側案内通過口の一例として、前記湾曲ガイド口9に対応して2つの上側湾曲ガイド口36が形成されている。
図5、図6、図8において、上側平面ガイド部34の前記上流側ガイド口11および前記下流側ガイド口12に対応する位置には、上側案内通過口の一例として、2つの上側上流ガイド口37および上側下流ガイド口38が形成されている。
【0042】
上前壁30の左右方向中央部には、操作支持部の一例として、前方に突出する板状のハンドル支持部41が形成されている。ハンドル支持部41の左右方向中央部には、上下方向に貫通する開口41aが形成されている。ハンドル支持部41の前端には、操作部の一例としてのハンドル42が支持されている。また、ハンドル支持部41の左右方向両端には、上方に延びる軸受部43が支持されている。軸受部43の左右外側には、上前壁30の前面から前方に延びる軸受部材の一例としての軸支持ブラケット44が上前壁30に支持されている。
【0043】
軸受部43および軸支持ブラケット44には、閉塞保持軸の一例として、左右方向に延びるロック軸46が回転可能に支持されている。ロック軸46の左右両側端部には、閉塞保持部材の一例としてのラッチ47の基端部47aが支持されている。図6において、ラッチ47は、基端部47aを回転中心として、ロック軸46と一体的に回転可能に支持されており、基端部47aから固定片13に向けて延びる先端部47bには、閉塞保持部の一例として、後方に突出して固定片13の下面に引っ掛け可能な鉤爪状の引っ掛け部47cが形成されている。
【0044】
ロック軸46の左右方向中央部には、閉塞解除部材の一例としてのラッチ解除レバー48が支持されている。ラッチ解除レバー48は、解除操作部の一例として、前記開口41aを貫通して下方に延びるレバーグリップ49を有する。
また、ロック軸46の左右方向中央部には、付勢部材の一例として、線材が弦巻き状に巻かれて形成されたねじりバネ51が装着されている。ねじりバネ51の一端は、前記ハンドル支持部41に支持され、他端はラッチ解除レバー48によって支持されている。
実施例1のねじりバネ51は、いわゆる、トーションバネで構成されており、ラッチ解除レバー48のレバーグリップ49を常時下方に付勢している。
【0045】
よって、作業者が作業していない状態では、ねじりバネ51の付勢力でレバーグリップ49が下方に付勢され、ロック軸46を介して、ラッチ47が一体的に回転する。したがって、図5に示すように引っ掛け部47cが固定片13に掛かる閉塞位置にラッチ47が保持される。
そして、媒体供給路SH1で紙詰まり等が発生して、媒体供給路SH1を開放する場合、作業者がレバーグリップ49とハンドル42を握ると、レバーグリップ49が上方に移動し、ねじりバネ51の付勢に抗して、ロック軸46を介し、ラッチ47が上方に向けて回転して、引っ掛け部47cが固定片13から外れる解除位置に移動する。よって、ラッチ47によるロックが解除されて、上ガイド28がベース部1に対して回転可能となる。したがって、上ガイド28が上方に回転して、前記開放位置に移動可能となり、媒体供給路SH1が開放可能となる。
【0046】
図5、図7において、前記上側湾曲ガイド部33には、前記上側湾曲ガイド口36に対して前後両側の位置に、検知支持部材の一例としての検知ロール支持部材61が支持されている。検知ロール支持部材61は、前後方向両端に形成された上側が開口したU字状の従動軸受部61aを有する。従動軸受部61aの前後方向外側には、付勢支持部の一例として、左右一対のバネ支持部61bが形成されている。
従動軸受部61aの間には、前後方向に延びる従動軸62が配置されている。従動軸62の前後方向両側端には、回転支持部材の一例として、従動軸62の両端部に従動軸62に対して相対的に回転可能な前端キャップ63および後端キャップ64が支持されている。
前後端キャップ63,64は、従動軸受部61aに対して、従動軸62が前記駆動軸14に接近または離間する方向に移動可能に構成されている。従動軸62には、従動側の媒体搬送部材本体の一例として、上側湾曲ガイド口36を通過して下部が媒体供給路SH1内に露出し、前記駆動ロール16に対向する2つの従動ロール66が支持されている。
【0047】
左右のバネ支持部61bの間には、付勢部材の一例として、前後端キャップ63,64の外周面を囲むアーチ状に湾曲し且つ従動ロール66を駆動ロール16に対して、予め設定された接触圧で接触させる押し付けバネ67が支持されている。実施例1の押し付けバネ67は、線材が弦巻き状に巻かれて形成されたコイルバネにより構成されている。
また、後端キャップ64の後端部には、連動接続部の一例として、上方に延びるアクチュエータ接続部64aが形成されている。アクチュエータ接続部64aの内部には、接続室の一例として、前後方向に貫通するアクチュエータ接続空間64bが形成されている。
後側の検知ロール支持部材61の後方には、検知本体支持部の一例として、センサ支持ブラケット71が配置されている。センサ支持ブラケット71は、上方に延びる立壁71aを有し、立壁71aの上下方向中央部には、腕部貫通口の一例として、長方形状のアクチュエータ貫通口71bが形成されている。
【0048】
図9は図5のIX−IX線断面図である。
図8、図9において、センサ支持ブラケット71には、媒体厚検知装置の一例としての厚さ検知センサ72が支持されている。図9において、厚さ検知センサ72は、連動部の一例として、回転中心73aを中心として回転可能に支持されたアクチュエータ73を有する。アクチュエータ73は、腕部の一例として、回転中心73aから後端キャップ64側に延び、アクチュエータ貫通口71bを貫通して先端がアクチュエータ接続空間64b内に収容されるアーム部73bを有する。
また、アクチュエータ73は、回転中心73aから厚さ検知センサ72内部に延びる被検知部73cを有する。アクチュエータ73の後方には、検知装置本体の一例としての光センサ74が配置されている。光センサ74は、発光部74aと、発光部74aに対向する受光部74bを有し、発光部74aからの光を受光部74bで受光する。
【0049】
実施例1では、前記駆動ロール16と従動ロール66との間を通過する記録シートSの厚さに応じて、従動ロール66が駆動ロール16に対して離れる方向に移動し、従動ロール66の移動に伴って移動する後端キャップ64に連動して、アクチュエータ73が回転する。そして、アクチュエータ73の回転に伴って、発光部74aと受光部74bとの間に進入する被検知部73cが移動し、発光部74aからの光量の遮られる量が変化する。このときの受光部74bの受光量に応じ、前記本体側制御部C1の媒体厚検出手段C1Aにより記録シートSの厚さが演算、算出される。検出された記録シートSの厚さと、基準媒体厚記憶手段C1Bに記憶された重送を判別する基準の厚さと、を重送判別手段C1Cが比較して重送を判別する。
なお、このような厚さ検知センサ72は、例えば、特開2009−249145号公報等に記載されており、従来公知である。また、厚さ検知センサ72として、実施例に例示した構成に限定されず従来公知の任意の構成を採用可能である。
【0050】
図5、図6において、前記上側平面ガイド部34には、前記上側上流ガイド口37および上側下流ガイド口38に対応する位置に、前記各駆動軸17,19に対応する上側従動軸81,82が配置され、上側従動軸81,82には、媒体搬送部材本体の一例として、前記各駆動ロール18,21に対応する上側従動ロール83,84が支持されている。なお、符号81〜84を付した部材およびその支持構造は、前端キャップ63および後端キャップ64が省略されている以外は、前記符号61〜67を付した部材等と同様に構成されている。そして、符号14〜21,61〜67,81〜84を付した部材等により実施例1の媒体搬送部材14〜21,61〜67,81〜84が構成されている。
【0051】
前記上側平面ガイド部34の左端部には、上側平面ガイド部34から左方に突出し且つ前後方向に延びる接離装置支持板86が支持されている。上側平面ガイド部34と接離装置支持板86との後部には、搬送部材接離装置の一例として、従動ロール接離装置87が支持されている。従動ロール接離装置87は、各上側従動軸81,82の左側に平行に配置された接離軸88,89を有する。接離軸88,89の前後方向中央部には、接離部材の一例として、各上側従動軸81,82に接触、離間可能な持ち上げ爪91が支持されている。
従動ロール接離装置87内には、接離軸88,89を正逆回転させる図示しない駆動源が配置されており、接離軸88,89が正回転すると、持ち上げ爪91が上側従動軸81,82を上方に持ち上げ、各上側従動ロール83,84と各駆動ロール18,21とが離間する離間位置に上側従動軸81,82が移動する。そして、接離軸88,89が逆回転すると、押し付けバネの付勢力により、図5に示す各上側従動ロール83,84と各駆動ロール18,21とが接触する搬送可能位置に上側従動軸81,82が移動する。
【0052】
図8において、前記上側湾曲ガイド部33の下面には、制振部材の一例として、弾性部材によって形成されたクッション材92が固定支持されており、前記上ガイド28が前記搬送位置に移動すると、クッション材92が、上側湾曲ガイド部33と前記湾曲ガイド部7の上面との間に挟まれる。
【0053】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1の画像形成装置Uでは、画像形成動作の一例としてのジョブが実行されると、供給トレイTR1,TR2等から供給された記録シートSや、両面記録反転路SH6から再送された記録シートSが媒体供給路SH1の媒体搬送方向下流側の重送検知装置Jkに搬入される。
実施例1の重送検知装置Jkでは、上側湾曲ガイド部33に支持された従動ロール66と駆動ロール16との間に記録シートSが搬送されると、上側湾曲ガイド部33に支持された厚さセンサ72が、記録シートSの厚さに応じた従動ロール66の駆動ロール16から離れる方向の移動量を検知する。そして、検知された記録シートSの厚さと、予め記憶された記憶シートSの種類に対応した重送を判別する基準の厚さとが比較され、搬送された記録シートSが重送か否かの判別が行われる。
【0054】
重送か否かの判別が行われた記録シートSは、駆動ロール16と従動ロール66とで下流側に搬送され、上側従動ロール83,84と、各駆動ロール18,21が記録シートSを媒体供給路SH1の媒体搬送方向下流側に搬送する。
実施例1では、記録シートSの前端がスキュー補正装置ShのクロストロールRcに到達すると、従動ロール接離装置87が作動して、上側従動ロール83,84が離間位置に移動し、スキュー補正装置Shで記録シートSの傾斜、いわゆるスキューが補正される。
記録シートSの後端が重送検知装置Jkから抜けると、次の記録シートSが上側従動ロール83,84に到達する前に従動ロール接離装置87が作動して、上側従動ロール83,84が搬送可能位置に移動する。
【0055】
ここで、前記上側従動ロール83,84が上下方向に移動する際に、上側従動ロール83,84を支持する上側平面ガイド部34に振動が発生することがある。
上側平面ガイド部34に振動が発生すると、上側平面ガイド部34と連続して形成された上側湾曲ガイド部33に振動が伝達され、従動ロール66、アクチュエータ73および厚さセンサ72が振動することがある。
また、従動ロール66や、アクチュエータ73等が振動すると、厚さセンサ72で検出される紙厚の検知の結果に誤差が含まれ、重送の検知の精度が低下する問題がある。
【0056】
これに対して、実施例1の重送検知装置Jkでは、上側湾曲ガイド部33の下面と前記湾曲ガイド部7の上面との間にクッション材92が挟まれており、上側平面ガイド部34に発生した振動がクッション材92の弾性変形で吸収され、減衰される。
よって、下ガイドプレート6と上ガイドプレート32との間にクッション材を挟まない構成に比べて、実施例1では、上ガイドプレート32の振動が抑制される。したがって、従動ロール66や、アクチュエータ73等に対する振動の悪影響が低減され、記録シートSの厚さの検知の誤差が低減されて、重送の検知の精度が向上する。
【0057】
したがって、クッション材92を有しない従来の構成では、振動の影響を受ける恐れのある上側従動ロール83,84の近傍に、厚さセンサ72を配置することが困難であったが、実施例1では、振動の悪影響が低減されており、厚さセンサ72を配置することが可能になっている。すなわち、厚さセンサ72を設置する自由度が従来の構成に比べて向上している。
また、実施例1では、クッション材92が開閉される上側の上側湾曲ガイド部33に支持される。ここで仮に、クッション材92が下側の湾曲ガイド部7に支持されている場合には、紙詰まり発生時に、上側湾曲ガイド部33を開放した状態でクッション材92が、下側の湾曲ガイド部7に残っており、詰まった紙を湾曲ガイド部7から除去する際に、邪魔になったり、紙が接触してクッション材92が脱落したりする恐れがある。
これに対し、実施例1では、上側の上側湾曲ガイド部33にクッション材92が支持されており、詰まった紙の除去時の妨げになったり、クッション材92が脱落する恐れが低減されている。
【0058】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H05)を下記に例示する。
(H01)前記各実施例において、画像形成装置の一例としてプリンタUを例示したが、これに限定されず、複写機、FAX、あるいはこれら複数の機能を備えた複合機等に適用可能である。また、電子写真方式の画像形成装置に限定されず、インクジェット記録方式やサーマルヘッド方式などをはじめリソグラフ等の印刷機等任意の画像形成方式の画像形成装置に適用可能である。また、多色現像の画像形成装置に限定されず、単色、いわゆるモノクロの画像形成装置により構成することも可能であり、いわゆるタンデム式の画像形成装置に限定されず、ロータリ式等の画像形成装置にも適用可能である。
【0059】
(H02)前記各実施例において、上側湾曲ガイド部33の下面にクッション材92が固定支持する構成を例示したが、これに限定されず、下ガイドプレート6の上面に設けたり、下ガイドプレート6と上ガイドプレート32の両方に設ける構成も可能である。また、クッション材92の大きさ、幅、取り付ける位置も任意に変更可能である。
(H03)前記各実施例において、取り付けアーム26の回転制限軸29を回転中心として、搬送位置と開放位置との間で上ガイド28を移動させて、ベース部1の媒体供給路SH1の上方を開閉する構成について例示したが、これに限定されず、例えば、上ガイド28全体が平行な状態で昇降する構成も可能である。また、上ガイド28に対して、下側のベース部1が移動し、媒体供給路SH1の下方が開閉される構成も可能である。
【0060】
(H04)前記各実施例において、スポンジやバネ、ゴム等の弾性部材によって形成されたクッション材92で振動を吸収し、減衰させる構成を例示したが、これに限定されず、例えば、上ガイドプレート32と下ガイドプレート6とを剛体に近い制限部材で連結、固定して一体化することで、固有振動数を変え、全体として振動しにくくする構成も可能である。
(H05)前記各実施例において、上側平面ガイド部34と上側湾曲ガイド部33とを一体的に形成した構成を例示したが、別体とすることも可能である。
【符号の説明】
【0061】
6,32…第1の案内部材、第2の案内部材、
14〜21,61〜67,81〜84…媒体搬送部材、
16,18,21,66,83,84…媒体搬送部材本体、
72…媒体厚検出装置、
73a…回転中心、
73b…腕部、
92…制振部材、
C1A…媒体厚検出手段、
S…媒体、
SH1…搬送路、
U…画像形成装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体を搬送する搬送路と、
前記搬送路に配置されて媒体を搬送する媒体搬送部材と、
前記搬送路を搬送される媒体の厚さを検出する媒体厚検出装置と、
前記搬送路を挟んで対向する第1の案内部材と、第2の案内部材と、を有し、前記搬送路に媒体を搬送可能な搬送位置と前記搬送路が開放される開放位置との間で前記第1の案内部材と前記第2の案内部材とが相対移動可能な案内部材と、
前記第1の案内部材と前記第2の案内部材との間に配置されて、前記案内部材に生じる振動を抑制する制振部材と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記搬送路を挟み対向して配置された一対の前記媒体搬送部材本体を有し、一対の媒体搬送部材本体どうしが媒体を挟んで媒体を搬送可能な搬送可能位置と、一対の媒体搬送部材本体どうしが離間する離間位置と、の間を移動可能に構成された前記媒体搬送部材、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記一対の媒体搬送部材本体の一方が媒体厚さ方向に移動不能に支持されると共に、前記一対の媒体搬送部材本体の他方が媒体厚さ方向に移動可能に支持された前記一対の媒体搬送部材本体と、
前記他方の媒体搬送部材本体に接触し且つ前記他方の媒体搬送部材本体の媒体厚さ方向の移動に連動して回転中心を中心として回転可能に支持された腕部と、前記腕部の回転に基づいて媒体の厚さを検出する媒体厚検出手段と、を有する前記媒体厚検出装置と、
を備えたことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−121782(P2011−121782A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−283424(P2009−283424)
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】