画像形成装置
【課題】 画像形成装置において、ユーザの利便性を損なうことなく、禁則処理を実行する。
【解決手段】 複合機1は、筐体表面に設けられ設定画面を表示装置21に表示する操作パネル部14と、設定画面の画面データを操作パネル部14に送信するコントローラ17とを備える。そして、コントローラ17は、画面データとともに禁則処理プログラムを操作パネル部14に送信する。一方、操作パネル部14は、コントローラ17から画面データを禁則処理プログラムとともに受信する通信制御部31と、受信された画面データに基づいて表示装置に設定画面を表示させる表示処理部32と、受信された禁則処理プログラムに従って設定画面における設定に対する禁則処理を行うUI禁則処理部33とを備える。
【解決手段】 複合機1は、筐体表面に設けられ設定画面を表示装置21に表示する操作パネル部14と、設定画面の画面データを操作パネル部14に送信するコントローラ17とを備える。そして、コントローラ17は、画面データとともに禁則処理プログラムを操作パネル部14に送信する。一方、操作パネル部14は、コントローラ17から画面データを禁則処理プログラムとともに受信する通信制御部31と、受信された画面データに基づいて表示装置に設定画面を表示させる表示処理部32と、受信された禁則処理プログラムに従って設定画面における設定に対する禁則処理を行うUI禁則処理部33とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複合機などの画像形成装置が提供する機能に関する複数の設定項目(例えば画像読取における解像度、生成データのファイル形式など)には、適用できない設定値の組み合わせが存在することがある。ユーザの利便性を考慮して、そのような適用できない設定値の組み合わせが選択された時点で直ちに警告メッセージ等を表示させるか、あるいは、そのような適用できない設定値の組み合わせは予め選択できないようにすることが一般的に行われている(例えば特許文献1参照)。このような適用できない設定値の組み合わせが検出された場合、それに応じて警告メッセージを表示させたり、適用可能な組み合わせになるように設定値を変更させたりする対応処理が行われる。
【0003】
このように、設定値の組み合わせが適用できるか否かの判定および設定値の組み合わせが適用できないときの対応処理を禁則処理という。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−78726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ある画像形成装置では、操作パネル部とコントローラとを別々のコンピュータシステムで構成し、画面表示処理は主に操作パネルのシステムが行い、スキャナエンジン、プリンタエンジンなどの内部装置の制御は主にコントローラが行う。
【0006】
図14は、操作パネル部とコントローラとが別々のコンピュータシステムで構成される画像形成装置の構成例を示すブロック図である。図14に示す複合機101は、プリンタ111、スキャナ112、ファクシミリ装置113、操作パネル部114、外部装置と通信するためのインタフェース115、フラッシュメモリなどの記憶装置116、およびコントローラ117を有する。操作パネル部114とコントローラ117とは別々のコンピュータシステムで構成されており、操作パネル部114の通信回路114aおよびコントローラ117の通信回路117aで互いにデータ通信可能となっている。操作部114は、ユーザ操作を検出する入力装置121、設定画面を表示する表示装置122、およびいわゆるコンピュータである演算処理装置123を有する。したがって、操作パネル部114では、演算処理装置123が所定のプログラムに従って動作する。また、コントローラ117も、所定のプログラムに従って動作する。
【0007】
図15は、図14に示す画像形成装置による禁則処理を説明するシーケンス図である。操作パネル部114において、ユーザ操作により画面遷移要求が発生すると(ステップS101)、演算処理装置123は、所定のプログラムに従って、次画面の画面データの送信要求をコントローラ117へ送信する(ステップS102)。コントローラ117は、その要求を受信すると、その要求で指定された画面データを選択し(ステップS103)、操作パネル部114へ送信する(ステップS104)。この画面データには、複数の設定項目についての値としてデフォルト値が記述されている。操作パネル部114は、その画面データを受信すると、その画面データに基づいて次の画面を表示装置121に表示させる(ステップS105)。
【0008】
このようにして設定画面が表示された後、ユーザ操作により設定画面における複数の設定項目のいずれかの値が変更されると、演算処理装置123は、値変更後の複数の設定項目の値の組み合わせを設定変更情報としてコントローラ117へ送信する。コントローラ117は、設定変更情報を受信すると、設定変更情報に基づき、ユーザ操作による変更後の設定値の組み合わせを特定し、その組み合わせが禁則に違反するか否かを判定する(ステップS108)。
【0009】
その組み合わせが禁則に違反しない場合には、コントローラ117は、変更後の設定値が選択された状態の画面データを操作パネル部114に送信し(ステップS109)、操作パネル部114の演算処理装置123は、その画面データで画面を更新する(ステップS110)。
【0010】
一方、その組み合わせが禁則に違反する場合には、コントローラ117は、禁則違反の警告メッセージ、および違反の原因となった設定値を通知する通知データを操作パネル部114に送信し(ステップS109)、操作パネル部114の演算処理装置123は、その警告メッセージおよび通知データを表示装置121の画面上に表示させる(ステップS110)。
【0011】
禁則処理には、内部装置(プリンタ111、スキャナ112など)の機器の能力情報(解像度の設定可能範囲、生成可能なファイル形式など)が必要であるため、禁則処理は、このようにコントローラ117側で通常行われる。
【0012】
しかしながら、近年、画像形成装置が提供する機能が多様化かつ複雑化しており、このため、設定値の組み合わせの数は非常に多くなっており、選択された組み合わせが適用不可の組み合わせであるか否かを判定するのに時間がかかってしまい、ユーザの利便性を損なう可能性がある。
【0013】
特に、デフォルトのアプリケーション以外に追加アプリケーションが追加インストールされている場合、追加アプリケーションは、デフォルトのアプリケーションより複雑な処理を行うため、設定画面も多く使用される傾向にあり、多くの設定項目に関連した禁則が課せられることが多い。このため、追加アプリケーションに関する禁則処理については、上記の問題がさらに顕著になるとともに、追加アプリケーションはコントローラで動作するため、コントローラの負荷が大きくなってしまう。
【0014】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、ユーザの利便性を損なうことなく、禁則処理を実行する画像形成装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の課題を解決するために、本発明では以下のようにした。
【0016】
本発明に係る画像形成装置は、設定画面を表示装置に表示する操作パネル部と、設定画面の画面データを操作パネル部に送信するコントローラとを備えた画像形成装置である。そして、コントローラは、画面データとともに設定画面における禁則処理を記述した禁則処理プログラムを操作パネル部に送信する。一方、操作パネル部は、コントローラから画面データを禁則処理プログラムとともに受信する通信制御部と、受信された画面データに基づいて表示装置に設定画面を表示させる表示処理部と、禁則処理プログラムに従って設定画面における設定に対する禁則処理を行う禁則処理部とを備える。
【0017】
これにより、禁則処理のための操作パネル部とコントローラとの間の通信が減るとともに比較的負荷の軽い操作パネル部で禁則処理を行うため、禁則処理を短時間で行うことができる。このため、ユーザの利便性を損なうことなく、禁則処理を実行することができる。
【0018】
また、本発明に係る画像形成装置は、上記の画像形成装置に加え、次のようにしてもよい。この場合、画像形成装置は、画面データのテンプレートデータと禁則処理プログラムとを記憶している記憶装置を備える。そして、操作パネル部の通信制御部は、画面データの要求をコントローラへ送信する。一方、コントローラは、要求により指定された画面データの設定画面における設定項目についての現在の設定値および/または設定範囲情報を取得する変動データ収集部と、要求により指定された画面データのテンプレートデータに現在の設定値および設定範囲情報を適用して画面データを生成する送信データ生成部と、生成された画面データとその画面データに対応する禁則処理プログラムとを送信する通信制御部とを備える。
【0019】
これにより、装置の仕様変更などがあってもテンプレートデータをそのまま使用して画面データを生成することできる。
【0020】
また、本発明に係る画像形成装置は、上記の画像形成装置のいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、禁則処理プログラムは、禁則処理のプログラムコード、および禁則処理部からそのコードを呼び出すためのエントリーポイントの記述を有する。
【0021】
これにより、同一画面において、異なるエントリーポイントの複数のプログラムコードを禁則処理に使用することができる。
【0022】
また、本発明に係る画像形成装置は、上記の画像形成装置のいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、禁則処理プログラムは、禁則処理が二値型および調停型のいずれかであるかを示す型指定情報を有する。
【0023】
これにより、画面ごとあるいは設定項目ごとに、禁則処理の型を変更することができる。
【0024】
また、本発明に係る画像形成装置は、上記の画像形成装置のいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、コントローラは、追加インストールされた追加アプリケーションプログラムを実行し、追加アプリケーションプログラムで使用される設定画面の禁則処理プログラムは、追加アプリケーションプログラムとともにインストールされたものである。
【0025】
これにより、デフォルトで既知のアプリケーション以外の、追加インストールされるアプリケーションについても、同様に禁則処理を行うことができる。
【0026】
また、本発明に係る画像形成装置は、上記の画像形成装置のいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、禁則処理部は、設定画面に含まれる1または複数の設定項目の値がユーザにより変更されるたびに、その値の変更が禁則に違反するか否かを禁則処理プログラムに従って判定し、その値の変更が禁則に違反する場合、禁則違反を通知するためのメッセージを表示装置に表示させる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、画像形成装置において、ユーザの利便性を損なうことなく、禁則処理を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、図1における記憶装置に記憶されているデータおよびプログラムの例を示すブロック図である。
【図3】図3は、図2における禁則処理テーブルの例を示す図である。
【図4】図4は、図1における複合機に適用される二値型の禁則の例を示す図である。
【図5】図5は、図1における複合機に適用される調停型の禁則の例を示す図である。
【図6】図6は、図2における禁則処理プログラムの詳細な構成の例を示すブロック図である。
【図7】図7は、図6におけるヘッダ部の一例を示す図である。
【図8】図8は、図6における現状データ部の一例を示す図である。
【図9】図9は、図6における参照データ部の一例を示す図である。
【図10】図10は、図1に示す複合機における操作パネル部の設定画面に関する処理について説明するシーケンス図である。
【図11】図11は、図10における設定入力処理の詳細について説明するフローチャートである。
【図12】図12は、図1におけるスキャナの動作パラメータの設定画面の一例を示す図である。
【図13】図13は、図11に示す設定入力処理において禁則違反が検出された際に表示される警告メッセージの一例を示す図である。
【図14】図14は、操作パネル部とコントローラとが別々のコンピュータシステムで構成される画像形成装置の構成例を示すブロック図である。
【図15】図15は、図14に示す画像形成装置による禁則処理を説明するシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0030】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【0031】
複合機1は、画像形成装置の一例であり、プリンタ11と、スキャナ12と、FAX装置13と、操作パネル部14と、インタフェース15と、記憶装置16と、コントローラ17とを備える。操作パネル部14とコントローラ17とは別々のコンピュータシステムで構成されており、操作パネル部14の通信回路14aおよびコントローラ17の通信回路17aで互いにデータ通信可能となっている。
【0032】
プリンタ11は、印刷データに基づいて文書画像を印刷する内部装置である。スキャナ12は、文書から文書画像を光学的に読み取り、文書画像の画像データを生成する内部装置である。ファクシミリ装置13は、送信すべき文書データからファクシミリ信号を生成し送信するとともに、ファクシミリ信号を受信し文書データに変換する内部装置である。
【0033】
また、操作パネル部14は、複合機1の筐体表面に配置されユーザに対して設定画面を表示する表示装置21と、設定画面に対するユーザ操作を検出する入力装置22と、演算処理装置23とを有する。表示装置としては例えば液晶ディスプレイが使用される。入力装置としては、キースイッチ、タッチパネルなどが使用される。演算処理装置23は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを有するコンピュータであり、ROMなどからRAMへプログラムをロードし、そのプログラムをCPUで実行することにより、各種処理部を実現する。この実施の形態では、演算処理装置23において、通信制御部31、表示処理部32、およびUI禁則処理部33が実現される。
【0034】
通信制御部31は、通信回路14aを制御して、コントローラ17との間でデータ通信を行う処理部である。通信制御部31は、コントローラ17から画面データを禁則処理プログラムとともに受信する。
【0035】
表示処理部32は、通信制御部31により受信された画面データに基づいて表示装置21に設定画面を表示させる処理部である。また、表示処理部32は、入力装置22によりユーザ操作が検出されると、そのユーザ操作に従って各種要求を発行する。その要求は、通信制御部31によりコントローラ17へ送信される。
【0036】
UI禁則処理部33は、通信制御部31により受信された禁則処理プログラムに従って設定画面における設定に対する禁則処理を行う処理部である。
【0037】
また、インタフェース15は、USBメモリ、メモリカードなどの可搬性のある記録媒体、ホスト装置などを接続可能な回路である。インタフェース15としては、例えば、USBインタフェース、メモリカードリーダなどが使用される。メモリカードとしては、SDカード、CFカードなどがある。
【0038】
また、記憶装置16は、各種プログラムおよび各種データを格納可能な装置である。記憶装置16としては、ハードディスクドライブ、不揮発性メモリなどの不揮発性の記憶媒体が使用される。図2は、図1における記憶装置16に記憶されているデータおよびプログラムの例を示すブロック図である。図1における記憶装置16には、テンプレートデータ51、禁則処理テーブル52、禁則処理プログラム53、追加アプリケーションプログラム54などが記憶されている。なお、追加アプリケーションプログラム54がインストールされるときに、追加アプリケーションプログラム54に従って操作パネル部14に表示される設定画面についてのテンプレートデータ51および禁則処理プログラム53は、追加アプリケーションプログラム54とともにインストールされ、その設定画面の画面データURLとともに、そのテンプレートデータ51および禁則処理プログラム53が禁則処理テーブル52に登録される。この追加アプリケーションプログラム54などのインストール処理は、例えば、インタフェース15を介して受信されたインストールパッケージを使用してコントローラ17により実行される。
【0039】
テンプレートデータ51は、画面データのテンプレートである。この実施の形態では、画面データは、XHTML(Extensible Hypertext Markup Language)などのHTMLで記述される。このため、テンプレートデータ51も、HTMLデータとされる。テンプレートデータ51は、画面データ内の設定項目の選択肢(つまり、装置の種別や設定状態に依存する部分)を空欄とし、選択肢以外の部分を画面データと同一としたデータである。
【0040】
禁則処理テーブル52は、設定画面の画面データと、その画面データのテンプレートデータ51と、その画面データに対応する禁則処理プログラム53とを関連付けるデータを有する。図3は、図2における禁則処理テーブル52の例を示す図である。図3(A)は、1つの設定画面について1つの禁則処理プログラムのみが使用される場合の禁則処理テーブル52の例を示し、図3(B)は、1つの設定画面について1または複数の禁則処理プログラムが使用される場合の禁則処理テーブル52の例を示す。
【0041】
図3に示す禁則処理テーブル52では、画面データのURL(Uniform Resource Locator)に、テンプレートデータ51のファイル名(パスを含む)および禁則処理プログラム53のファイル名(パスを含む)が関連付けられている。また、図3(B)に示すように、1つの設定画面について複数の禁則処理プログラムが使用される場合、画面データのURLに、さらに、別の禁則処理プログラム53があるか否かを示すフラグが設けられており、フラグの値「Yes」は、テーブル52の次のレコードにおいて別の禁則処理プログラム53のファイル名が指定されることを示す。フラグの値「No」は、以前のレコードで既に指定されている禁則処理プログラム53以外の禁則処理プログラム53はないことを示す。このテーブル52を参照することにより、操作パネル部14からの要求により指定される画面データのURLに対応するテンプレートデータ51および禁則処理プログラム53が特定される。なお、ここでは、画面データのURLが画面データのIDに使用されているが、別のIDを使用するようにしてもよい。
【0042】
図2に戻り、禁則処理プログラム53は、操作パネル部14により実行されるプログラムであって、設定画面における禁則処理を記述したプログラムである。禁則処理プログラム53による禁則処理は、二値型と調停型がある。
【0043】
二値型では、設定値の組み合わせごとに、その組み合わせを許可するか否かを示す値が禁則として設けられる。図4は、後述の図12に示す設定画面に対する、図1における複合機1に適用される二値型の禁則の例を示す図である。図4(A)は、色モードがフルカラーである場合の例を示し、図4(B)は、色モードがモノクロである場合の例を示す。図4の場合、設定項目に色モード、ファイル形式および解像度が存在する。そして、この場合、色モード、ファイル形式および解像度の組み合わせとして、例えば、フルカラー、PDFおよび600が選択されると、その組み合わせが許可されることを示す値「TRUE」が設定されているため、この組み合わせは許可される。一方、この場合、色モード、ファイル形式および解像度の組み合わせとして、例えば、モノクロ、TIFFおよび2400が選択されると、その組み合わせが禁止されることを示す値「FALSE」が設定されているため、この組み合わせは禁止される。つまり、このような組み合わせを選択する操作は拒否される。
【0044】
調停型では、設定値の組み合わせのうち、組み合わせを許可しない場合の動作を示す値が禁則として設けられる。その組み合わせを許可しない場合に、その組み合わせにおけるいずれかの設定値の変更を示す値が禁則に設定される。図5は、後述の図12に示す設定画面に対する、図1における複合機1に適用される調停型の禁則の例を示す図である。図5(A)は、色モードがフルカラーである場合の例を示し、図5(B)は、色モードがモノクロである場合の例を示す。図5の場合、設定項目に色モード、ファイル形式および解像度が存在する。そして、この場合、色モード、ファイル形式および解像度の組み合わせとして、例えば、フルカラー、PDFおよび600が選択されると、その組み合わせはそのまま許可される。一方、この場合、色モード、ファイル形式および解像度の組み合わせとして、例えば、モノクロ、JPEGおよび2400が選択されると、その組み合わせは禁止されるため、色モードの設定値をモノクロからフルカラーへ自動的に変換する動作が指定される。
【0045】
各禁則処理プログラム53が有するプログラムコードには、二値型の禁則処理か、調停型の禁則処理が記述される。二値型の禁則処理では、ユーザが選択した組み合わせに禁則違反があるか否か判定および禁則違反時のメッセージ表示が行われる。また、調停型の禁則処理では、ユーザが選択した組み合わせに対して設定値の変換動作が指定されているか否かを判定し、変換動作が指定されている場合には、その変換動作が実行される。
【0046】
次に、禁則処理プログラム53の詳細な構成について説明する。図6は、図2における禁則処理プログラム53の詳細な構成の例を示すブロック図である。
【0047】
禁則処理プログラム53は、ヘッダ部61、コード部62、固有データ部63、現状データ部64および参照データ部65を有する。なお、固有データ部63は存在しなくてもよい。例えば、ヘッダ部61、固有データ部63、現状データ部64および参照データ部65は、XML(Extensible Markup Language)で記述され、コード部62がJavaScript、PHP、Pythonなどのスクリプト言語で記述される場合、禁則処理プログラム53は、1つのXMLファイルとしてもよい。また、例えば、ヘッダ部61、固有データ部63、現状データ部64および参照データ部65は、XMLで記述され、コード部62がバイナリコード(オブジェクトコード)とされる場合、ヘッダ部61、コード部62、固有データ部63、現状データ部64および参照データ部65は、それぞれ独立したファイルとして記述され、禁則処理プログラム53は、それらのファイルを圧縮したZIPファイルなどの1つのパッケージファイルとされるようにしてもよい。
【0048】
ヘッダ部61は、当該禁則処理プログラム53固有の識別情報、コード部62のエントリポイント(API)の指定、および禁則処理の型の指定(二値型か調停型か)を有する。図7は、図6におけるヘッダ部61の一例を示す図である。識別情報は、「constrainHeader」タグの「id」パラメータで指定されている。コード部62のエントリポイント(API)は、「entrypoint」要素で指定されており、禁則処理の型は、「entrypoint」タグの「type」パラメータで指定されている。「type」パラメータの値が「boolean」である場合、二値型が指定され、「type」パラメータの値が「arbitrate」である場合、禁則処理の型が調停型に指定される。
【0049】
コード部62は、禁則処理のプログラムコードである。二値型の場合、このプログラムコードは、選択された設定値の組み合わせが禁則に違反するか否かを示す値を返す。調停型の場合、選択された設定値の組み合わせが禁則に違反すると、可能であれば、予め設定された変換ルールに従っていずれかの設定値を変更する。したがって、調停型の場合、このプログラムコードは、例えば、選択された組み合わせを許可されることを示す値Suceed(=0)、選択された組み合わせにおいてユーザが変更した設定値以外の他の設定値が変更されたことを示す値Arbitrate(=1)、および選択された組み合わせにおいてユーザが変更した設定値は設定できない(つまり、他の設定値を変更しても、許可される組み合わせとならない)ことを示す値Prohibited(−1)のいずれかを返す。
【0050】
固有データ部63は、コード部62により参照されるデータであって、必要に応じて禁則処理プログラム53に挿入されるデータである。なお、コード部62がバイナリコード(オブジェクトコード)である場合には、固有データ部63は、コード部62内に含められる。
【0051】
現状データ部64は、コード部62による禁則処理の対象になる設定項目の現在値を示すデータである。この現在値は、変動データ収集部44により内部装置から収集されるデータである。図8は、図6における現状データ部64の一例を示す図である。この現状データ部64は、XMLで記述されている。現状データ部64は、「currentSettings」要素として記述されている。図8に示す現状データ部64では、設定項目「解像度」の現在の設定値が「resolution」要素で示され、設定項目「色モード」の現在の設定値が「colormode」要素で示され、設定項目「ファイル形式」の現在の設定値が「format」要素で示されている。
【0052】
参照データ部65は、コード部62による禁則処理に必要となる他の設定項目の現在値(つまり、現状データ部64の設定項目以外で必要な設定項目の現在値)を示すデータである。この現在値は、変動データ収集部44により内部装置から収集されるデータである。図9は、図6における参照データ部65の一例を示す図である。この参照データ部65は、XMLで記述されている。参照データ部65は、「references」要素として記述されている。図9に示す参照データ部65では、設定項目「両面スキャン」の現在の設定値が「duplex」要素で示されている。
【0053】
現状データ部64および参照データ部65は、禁則処理時にコード部62のプログラムに従ってUI禁則処理部33により参照される。これらは、例えば、ユーザ操作により変更が行われた設定を特定するに使用される。
【0054】
図2に戻り、追加アプリケーションプログラム54は、デフォルトでインストールされているアプリケーションプログラムに追加してインストールされるもので、後述の追加アプリケーション47bの処理が記述されたプログラムである。例えば、コントローラ17がJAVA(登録商標)の実行環境を有する場合、追加アプリケーションプログラム54としてJAVAアプリケーションがインストールされる。
【0055】
図1に戻り、コントローラ17は、プリンタ11、スキャナ12およびファクシミリ装置13といった内部装置を制御する装置である。また、コントローラ17は、操作パネル部14とデータ通信を行い、ユーザインタフェースとしての操作パネル部14に設定画面を表示させたり、その設定画面に対して入力された設定情報を取得して、その設定情報に従って内部装置を動作させる。さらに、コントローラ17は、設定画面の画面データとともにその設定画面における禁則処理を記述した禁則処理プログラムを操作パネル部14に送信する。このコントローラ17は、CPU、ROM、RAMなどを有するコンピュータであり、ROM、記憶装置16などからRAMへプログラムをロードし、そのプログラムをCPUで実行することにより、各種処理部を実現する。この実施の形態では、コントローラ17において、通信制御部41、送信データ生成部42、固定データ管理部43、変動データ収集部44、禁則処理プログラム構成部45、アプリケーション47a、追加アプリケーション47b、メイン禁則処理部48およびコントローラ49が実現される。
【0056】
通信制御部41は、通信回路17aを制御して、操作パネル部14との間でデータ通信を行う処理部である。通信制御部41は、送信データ生成部42により生成または選択された画面データおよび禁則処理プログラムを操作パネル部14へ送信する。
【0057】
送信データ生成部42は、操作パネル部14から要求された要求された画面データのテンプレートデータ51に、その画面データの設定画面における設定項目についての現在の設定値および設定範囲情報を適用して画面データを生成する処理部である。また、送信データ生成部42は、記憶装置16における禁則処理プログラム53から、生成された画面データに対応する禁則処理プログラム53を選択する。
【0058】
固定データ管理部43は、テンプレートデータ51を管理する処理部である。
【0059】
変動データ収集部44は、例えばデバイス制御部49を使用して、要求された画面データの設定画面における設定項目についての現在の設定値および設定範囲情報を複合機1の内部装置(プリンタ11、スキャナ12など)から取得する処理部である。
【0060】
プログラム構成部45は、変動データ収集部44により得られた現在の設定値および設定範囲情報(つまり、設定可能な範囲を示す、選択肢群、上限値および下限値の組など)を、禁則処理プログラム53に反映して、送信用の禁則処理プログラム53を生成する処理部である。なお、禁則処理プログラム53がZIPファイル(つまり圧縮ファイル)である場合、そのZIPファイルを解凍して得られたファイルのうち、現在の設定値および設定範囲情報を現状データ部64および/または参照データ部65に書き込んだ後、それらのファイルをZIPファイルに再度圧縮するようにしてもよい。また、禁則処理プログラム53を構成するファイルを圧縮せずに同一フォルダ内で管理しておき、現在の設定値および設定範囲情報を書き込んだ後に、それらのファイルをZIPファイルに圧縮するようにしてもよい。また、禁則処理プログラム53がXMLファイル(つまりテキストファイル)である場合には、現在の設定値および設定範囲情報を現状データ部64および/または参照データ部65にただちに書き込めばよい。
【0061】
なお、通信制御部41、送信データ生成部42、固定データ管理部43、変動データ収集部44およびプログラム構成部45により、操作パネル部14に関連する処理を実行するパネル処理部46が構成される。
【0062】
アプリケーション47aは、コントローラ17によりアプリケーションプログラムが実行されて形成される処理部である。アプリケーション47aは、ユーザによる操作パネル部14へのユーザ操作に基づいて機能実行要求の発生を検出すると、コントローラAPIなどを介して、その機能実行要求により指定されるアプリケーション47a固有の動作をデバイス制御部49に実行させる。これにより、デバイス制御部49が、プリンタ11、スキャナ12およびファクシミリ装置13を制御して、機能実行要求により指定される動作を実行させる。
【0063】
追加アプリケーション47bは、追加インストールされた追加アプリケーションプログラム54がコントローラ17により実行されて形成される処理部である。追加アプリケーション47bは、ユーザによる操作パネル部14へのユーザ操作に基づいて機能実行要求の発生を検出すると、コントローラAPIなどを介して、その機能実行要求により指定される追加アプリケーション47b固有の動作をデバイス制御部49に実行させる。これにより、デバイス制御部49が、プリンタ11、スキャナ12およびファクシミリ装置13を制御して、機能実行要求により指定される動作を実行させる。
【0064】
メイン禁則処理部48は、設定画面などの操作パネル部14による画面上の禁則処理以外の禁則処理を行う処理部である。例えば、各種カウンタ値に基づく内部装置の使用制限などは、メイン禁則処理部48により実行される。
【0065】
デバイス制御部49は、プリンタ11、スキャナ12およびファクシミリ装置13を制御するとともに、それらとの間でデータ入出力を行う処理部である。なお、デバイス制御部49を使用するために、コントローラAPI(Application Program Interface)が実装されている。コントローラAPIは、プリンタ11、スキャナ12、ファクシミリ装置13および操作パネル14の機能を実行させたり、それらとの間でデータ入出力を実行させたりする際に、アプリケーション47aまたは追加アプリケーション47bからの指令に従って、デバイス制御部49を動作させる。
【0066】
次に、上記複合機1の動作について説明する。
【0067】
図10は、図1に示す複合機1における操作パネル部14の設定画面に関する処理について説明するシーケンス図である。
【0068】
まず、アプリケーション47aまたは追加アプリケーション47bは、起動すると、所定の画面データをパネル処理部46に生成させ、操作パネル部14にその画面データに基づく画面を表示させる。
【0069】
その後、操作パネル部14において、入力装置22がユーザ操作を検出し、現在の画面から設定画面へ遷移する要求が発生すると(ステップS1)、表示処理部32は、その設定画面の画面データをコントローラ17へ要求する(ステップS2)。このとき、要求、および要求する画面データのURLが、通信制御部31により、コントローラ17へ送信される。その際、物理層では、通信回路14a,17aがその要求およびURLの送受のためのデータ通信を行う(以下、同様)。
【0070】
コントローラ17では、その要求およびURLが通信制御部41により受信すると、アプリケーション47aまたは追加アプリケーション47bに通知され、アプリケーション47aまたは追加アプリケーション47bは、その要求についての処理を次のようにパネル処理部46に実行させる。まず、送信データ生成部42は、そのURLから、禁則処理テーブル52を参照して、要求された画面データに対応するテンプレートデータ51および禁則処理プログラム53を特定する。そして、変動データ収集部44は、テンプレートデータ51および禁則処理プログラム53に必要な設定項目の現在の値および設定範囲情報を内部装置から取得する。そして、送信データ生成部42は、その現在の値および設定範囲情報をテンプレートデータ51に反映して画面データを生成し、プログラム構成部45は、その現在の値および設定範囲情報を、禁則処理プログラム53に反映する(ステップS4)。その後、送信データ生成部42は、通信制御部41で、その画面データおよび禁則処理プログラム53を操作パネル部14へ送信する(ステップS5)。
【0071】
操作パネル部14において、通信制御部31が、その画面データおよび禁則処理プログラム53を受信すると、表示処理部32は、その画面データに基づいて設定画面を表示装置21に表示させる(ステップS6)。これにより、画面遷移が完了する。なお、このとき受信された禁則処理プログラム53は、操作パネル部14内の図示せぬ記憶装置、演算処理装置23内のRAMなどに、その画面データとともに保存される。
【0072】
その後、その設定画面が表示されている間において、入力装置22がユーザ操作を検出するたびに設定入力処理が行われる(ステップS7)。図11は、図10における設定入力処理(ステップS7)の詳細について説明するフローチャートである。また、図12は、スキャナ12の動作パラメータの設定画面の一例を示す図である。図12(A)は、設定画面の表示例を示し、図12(B)は、設定画面の画面データの一例を示す。
【0073】
図12(B)に示すような画面データが受信され、図12(A)に示すような設定画面が表示されている間、表示処理部32は、入力装置22により、現在の設定値のいずれかを変更するためのユーザ操作(例えば図12(A)におけるプルダウンメニューによる他の選択肢の選択)、または設定終了のためのユーザ操作(図12(A)におけるOKボタンの押下)の有無を監視する(ステップS11,S12)。
【0074】
そして、表示処理部32は、現在の設定値のいずれかを変更するためのユーザ操作が検出されると、UI禁則処理部33に禁則処理を実行させる。UI禁則処理部33は、その設定画面の画面データとともに受信された禁則処理プログラム53を特定し、その禁則処理プログラム53において指定されたエントリポイントで、コード部62のプログラムコードを呼び出して演算処理装置23に実行させる。その際、UI禁則処理部33は、禁則処理プログラム53で指定されている禁則処理の型を特定し、その型に対応する形式の戻り値をプログラムコードから受け取り、その戻り値に応じた処理を行う。ここでは、禁則処理プログラム53に二値型のプログラムコードが含まれる場合を仮定する。
【0075】
演算処理装置23は、コード部62のプログラムコードに従って、禁則処理を実行し、UI禁則処理部33は、そのプログラムコードの戻り値から、現在の設定値の組み合わせにおける、いずれかの設定値が変更された場合に禁則違反が生じるか否かを判定する(ステップS13)。
【0076】
そして、禁則違反が生じない場合、UI禁則処理部33は、設定値の変更を承認し、表示処理部32は、設定値が変更された状態の設定画面を表示装置21に表示させる(ステップS14)。一方、禁則違反が生じる場合には、UI禁則処理部33は、警告メッセージを表示装置21に表示させ、設定値の変更を拒否する(ステップS15)。図13は、図11に示す設定入力処理において禁則違反が検出された際に表示される警告メッセージの一例を示す図である。図13に示すように設定画面上に警告メッセージを含むダイアログが表示され、そのダイアログのOKボタンが押下されるまで、表示され続ける。その後、そのOKボタンが押下されると、そのダイアログが消去され、設定値の変更操作前の設定画面が表示される。なお、図13に示すダイアログでは、警告メッセージのみが表示されるが、禁則違反の原因となった設定値変更を示すメッセージ(例えば、「現在の設定では解像度を600から2400へ変更できません。」など)を併せて通知するようにしてもよい。また、ここでは、警告メッセージを含むダイアログを設定画面に重畳させて表示させているが、その代わりに、警告メッセージなどを表示するメッセージフィールドを設定画面内に予め設けておき、そのフィールドに警告メッセージを表示するようにしてもよい。
【0077】
このようにして、操作パネル部14において、ユーザ操作に応じて、設定値が、禁則に違反しないようにして変更される。
【0078】
そして、設定終了のためのユーザ操作(図12(A)におけるOKボタンの押下)が検出されると、設定入力処理が終了し、表示処理部32は、その時点の設定値の組み合わせを設定データとしてコントローラ17へ送信する(ステップS8)。
【0079】
コントローラ17では、その設定データが通信処理部41により受信されると、その設定画面を操作パネル部14に表示させたアプリケーション47aまたは追加アプリケーション47bにその設定データが供給され、アプリケーション47aまたは追加アプリケーション47bは、その設定データの値を、デバイス制御部49を使用して内部装置に設定する。
【0080】
以上のように、上記実施の形態によれば、複合機1は、設定画面を表示装置21に表示する操作パネル部14と、設定画面の画面データを操作パネル部14に送信するコントローラ17とを備える。そして、コントローラ17は、画面データとともに禁則処理プログラム53を操作パネル部14に送信する。一方、操作パネル部14は、コントローラ17から画面データを禁則処理プログラム53とともに受信する通信制御部31と、受信された画面データに基づいて表示装置21に設定画面を表示させる表示処理部32と、受信された禁則処理プログラム53に従って設定画面における設定に対する禁則処理を行うUI禁則処理部33とを備える。
【0081】
これにより、ユーザ操作により設定値が変更されるときの禁則処理のための操作パネル部14とコントローラ17との間の通信が減るとともに比較的負荷の軽い操作パネル部14で禁則処理を行うため、禁則処理を短時間で行うことができる。このため、ユーザの利便性を損なうことなく、禁則処理を実行することができる。また、操作パネル部14とコントローラ17のロードバランスも最適なものに近づく。
【0082】
また、このように画面データと禁則処理プログラムとを分離することで、画面設計時において、設計者が、まず、禁則処理を意識せずに画面設計を行い、画面設計完了後に禁則処理を設計すればよいため、画面データの設計と禁則処理プログラムの設計とを分離させることができ、設計作業を簡素化することができる。
【0083】
なお、上述の実施の形態は、本発明の好適な例であるが、本発明は、これらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、変更が可能である。
【0084】
例えば、上記実施の形態において、追加アプリケーション47bについての禁則処理のために、デフォルトでインストールされている禁則処理プログラム53を使用してもよい。また、汎用の禁則処理プログラム53を予めインストールしておき、アプリケーション47aおよび追加アプリケーション47bが、その汎用の禁則処理プログラム53を使用するようにしてもよい。また、禁則処理プログラム53のコード部62は、ライブラリ・プラグインなどとして提供するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明は、例えば、スキャナ機、コピー機、プリンタ、複合機などに適用可能である。
【符号の説明】
【0086】
1 複合機(画像形成装置の一例)
14 操作パネル部
16 記憶装置
17 コントローラ
21 表示装置
31,41 通信制御部
32 表示処理部
33 UI禁則処理部(禁則処理部の一例)
42 送信データ生成部
44 変動データ収集部
51 テンプレートデータ
53 禁則処理プログラム
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複合機などの画像形成装置が提供する機能に関する複数の設定項目(例えば画像読取における解像度、生成データのファイル形式など)には、適用できない設定値の組み合わせが存在することがある。ユーザの利便性を考慮して、そのような適用できない設定値の組み合わせが選択された時点で直ちに警告メッセージ等を表示させるか、あるいは、そのような適用できない設定値の組み合わせは予め選択できないようにすることが一般的に行われている(例えば特許文献1参照)。このような適用できない設定値の組み合わせが検出された場合、それに応じて警告メッセージを表示させたり、適用可能な組み合わせになるように設定値を変更させたりする対応処理が行われる。
【0003】
このように、設定値の組み合わせが適用できるか否かの判定および設定値の組み合わせが適用できないときの対応処理を禁則処理という。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−78726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ある画像形成装置では、操作パネル部とコントローラとを別々のコンピュータシステムで構成し、画面表示処理は主に操作パネルのシステムが行い、スキャナエンジン、プリンタエンジンなどの内部装置の制御は主にコントローラが行う。
【0006】
図14は、操作パネル部とコントローラとが別々のコンピュータシステムで構成される画像形成装置の構成例を示すブロック図である。図14に示す複合機101は、プリンタ111、スキャナ112、ファクシミリ装置113、操作パネル部114、外部装置と通信するためのインタフェース115、フラッシュメモリなどの記憶装置116、およびコントローラ117を有する。操作パネル部114とコントローラ117とは別々のコンピュータシステムで構成されており、操作パネル部114の通信回路114aおよびコントローラ117の通信回路117aで互いにデータ通信可能となっている。操作部114は、ユーザ操作を検出する入力装置121、設定画面を表示する表示装置122、およびいわゆるコンピュータである演算処理装置123を有する。したがって、操作パネル部114では、演算処理装置123が所定のプログラムに従って動作する。また、コントローラ117も、所定のプログラムに従って動作する。
【0007】
図15は、図14に示す画像形成装置による禁則処理を説明するシーケンス図である。操作パネル部114において、ユーザ操作により画面遷移要求が発生すると(ステップS101)、演算処理装置123は、所定のプログラムに従って、次画面の画面データの送信要求をコントローラ117へ送信する(ステップS102)。コントローラ117は、その要求を受信すると、その要求で指定された画面データを選択し(ステップS103)、操作パネル部114へ送信する(ステップS104)。この画面データには、複数の設定項目についての値としてデフォルト値が記述されている。操作パネル部114は、その画面データを受信すると、その画面データに基づいて次の画面を表示装置121に表示させる(ステップS105)。
【0008】
このようにして設定画面が表示された後、ユーザ操作により設定画面における複数の設定項目のいずれかの値が変更されると、演算処理装置123は、値変更後の複数の設定項目の値の組み合わせを設定変更情報としてコントローラ117へ送信する。コントローラ117は、設定変更情報を受信すると、設定変更情報に基づき、ユーザ操作による変更後の設定値の組み合わせを特定し、その組み合わせが禁則に違反するか否かを判定する(ステップS108)。
【0009】
その組み合わせが禁則に違反しない場合には、コントローラ117は、変更後の設定値が選択された状態の画面データを操作パネル部114に送信し(ステップS109)、操作パネル部114の演算処理装置123は、その画面データで画面を更新する(ステップS110)。
【0010】
一方、その組み合わせが禁則に違反する場合には、コントローラ117は、禁則違反の警告メッセージ、および違反の原因となった設定値を通知する通知データを操作パネル部114に送信し(ステップS109)、操作パネル部114の演算処理装置123は、その警告メッセージおよび通知データを表示装置121の画面上に表示させる(ステップS110)。
【0011】
禁則処理には、内部装置(プリンタ111、スキャナ112など)の機器の能力情報(解像度の設定可能範囲、生成可能なファイル形式など)が必要であるため、禁則処理は、このようにコントローラ117側で通常行われる。
【0012】
しかしながら、近年、画像形成装置が提供する機能が多様化かつ複雑化しており、このため、設定値の組み合わせの数は非常に多くなっており、選択された組み合わせが適用不可の組み合わせであるか否かを判定するのに時間がかかってしまい、ユーザの利便性を損なう可能性がある。
【0013】
特に、デフォルトのアプリケーション以外に追加アプリケーションが追加インストールされている場合、追加アプリケーションは、デフォルトのアプリケーションより複雑な処理を行うため、設定画面も多く使用される傾向にあり、多くの設定項目に関連した禁則が課せられることが多い。このため、追加アプリケーションに関する禁則処理については、上記の問題がさらに顕著になるとともに、追加アプリケーションはコントローラで動作するため、コントローラの負荷が大きくなってしまう。
【0014】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、ユーザの利便性を損なうことなく、禁則処理を実行する画像形成装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の課題を解決するために、本発明では以下のようにした。
【0016】
本発明に係る画像形成装置は、設定画面を表示装置に表示する操作パネル部と、設定画面の画面データを操作パネル部に送信するコントローラとを備えた画像形成装置である。そして、コントローラは、画面データとともに設定画面における禁則処理を記述した禁則処理プログラムを操作パネル部に送信する。一方、操作パネル部は、コントローラから画面データを禁則処理プログラムとともに受信する通信制御部と、受信された画面データに基づいて表示装置に設定画面を表示させる表示処理部と、禁則処理プログラムに従って設定画面における設定に対する禁則処理を行う禁則処理部とを備える。
【0017】
これにより、禁則処理のための操作パネル部とコントローラとの間の通信が減るとともに比較的負荷の軽い操作パネル部で禁則処理を行うため、禁則処理を短時間で行うことができる。このため、ユーザの利便性を損なうことなく、禁則処理を実行することができる。
【0018】
また、本発明に係る画像形成装置は、上記の画像形成装置に加え、次のようにしてもよい。この場合、画像形成装置は、画面データのテンプレートデータと禁則処理プログラムとを記憶している記憶装置を備える。そして、操作パネル部の通信制御部は、画面データの要求をコントローラへ送信する。一方、コントローラは、要求により指定された画面データの設定画面における設定項目についての現在の設定値および/または設定範囲情報を取得する変動データ収集部と、要求により指定された画面データのテンプレートデータに現在の設定値および設定範囲情報を適用して画面データを生成する送信データ生成部と、生成された画面データとその画面データに対応する禁則処理プログラムとを送信する通信制御部とを備える。
【0019】
これにより、装置の仕様変更などがあってもテンプレートデータをそのまま使用して画面データを生成することできる。
【0020】
また、本発明に係る画像形成装置は、上記の画像形成装置のいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、禁則処理プログラムは、禁則処理のプログラムコード、および禁則処理部からそのコードを呼び出すためのエントリーポイントの記述を有する。
【0021】
これにより、同一画面において、異なるエントリーポイントの複数のプログラムコードを禁則処理に使用することができる。
【0022】
また、本発明に係る画像形成装置は、上記の画像形成装置のいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、禁則処理プログラムは、禁則処理が二値型および調停型のいずれかであるかを示す型指定情報を有する。
【0023】
これにより、画面ごとあるいは設定項目ごとに、禁則処理の型を変更することができる。
【0024】
また、本発明に係る画像形成装置は、上記の画像形成装置のいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、コントローラは、追加インストールされた追加アプリケーションプログラムを実行し、追加アプリケーションプログラムで使用される設定画面の禁則処理プログラムは、追加アプリケーションプログラムとともにインストールされたものである。
【0025】
これにより、デフォルトで既知のアプリケーション以外の、追加インストールされるアプリケーションについても、同様に禁則処理を行うことができる。
【0026】
また、本発明に係る画像形成装置は、上記の画像形成装置のいずれかに加え、次のようにしてもよい。この場合、禁則処理部は、設定画面に含まれる1または複数の設定項目の値がユーザにより変更されるたびに、その値の変更が禁則に違反するか否かを禁則処理プログラムに従って判定し、その値の変更が禁則に違反する場合、禁則違反を通知するためのメッセージを表示装置に表示させる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、画像形成装置において、ユーザの利便性を損なうことなく、禁則処理を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、図1における記憶装置に記憶されているデータおよびプログラムの例を示すブロック図である。
【図3】図3は、図2における禁則処理テーブルの例を示す図である。
【図4】図4は、図1における複合機に適用される二値型の禁則の例を示す図である。
【図5】図5は、図1における複合機に適用される調停型の禁則の例を示す図である。
【図6】図6は、図2における禁則処理プログラムの詳細な構成の例を示すブロック図である。
【図7】図7は、図6におけるヘッダ部の一例を示す図である。
【図8】図8は、図6における現状データ部の一例を示す図である。
【図9】図9は、図6における参照データ部の一例を示す図である。
【図10】図10は、図1に示す複合機における操作パネル部の設定画面に関する処理について説明するシーケンス図である。
【図11】図11は、図10における設定入力処理の詳細について説明するフローチャートである。
【図12】図12は、図1におけるスキャナの動作パラメータの設定画面の一例を示す図である。
【図13】図13は、図11に示す設定入力処理において禁則違反が検出された際に表示される警告メッセージの一例を示す図である。
【図14】図14は、操作パネル部とコントローラとが別々のコンピュータシステムで構成される画像形成装置の構成例を示すブロック図である。
【図15】図15は、図14に示す画像形成装置による禁則処理を説明するシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0030】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【0031】
複合機1は、画像形成装置の一例であり、プリンタ11と、スキャナ12と、FAX装置13と、操作パネル部14と、インタフェース15と、記憶装置16と、コントローラ17とを備える。操作パネル部14とコントローラ17とは別々のコンピュータシステムで構成されており、操作パネル部14の通信回路14aおよびコントローラ17の通信回路17aで互いにデータ通信可能となっている。
【0032】
プリンタ11は、印刷データに基づいて文書画像を印刷する内部装置である。スキャナ12は、文書から文書画像を光学的に読み取り、文書画像の画像データを生成する内部装置である。ファクシミリ装置13は、送信すべき文書データからファクシミリ信号を生成し送信するとともに、ファクシミリ信号を受信し文書データに変換する内部装置である。
【0033】
また、操作パネル部14は、複合機1の筐体表面に配置されユーザに対して設定画面を表示する表示装置21と、設定画面に対するユーザ操作を検出する入力装置22と、演算処理装置23とを有する。表示装置としては例えば液晶ディスプレイが使用される。入力装置としては、キースイッチ、タッチパネルなどが使用される。演算処理装置23は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを有するコンピュータであり、ROMなどからRAMへプログラムをロードし、そのプログラムをCPUで実行することにより、各種処理部を実現する。この実施の形態では、演算処理装置23において、通信制御部31、表示処理部32、およびUI禁則処理部33が実現される。
【0034】
通信制御部31は、通信回路14aを制御して、コントローラ17との間でデータ通信を行う処理部である。通信制御部31は、コントローラ17から画面データを禁則処理プログラムとともに受信する。
【0035】
表示処理部32は、通信制御部31により受信された画面データに基づいて表示装置21に設定画面を表示させる処理部である。また、表示処理部32は、入力装置22によりユーザ操作が検出されると、そのユーザ操作に従って各種要求を発行する。その要求は、通信制御部31によりコントローラ17へ送信される。
【0036】
UI禁則処理部33は、通信制御部31により受信された禁則処理プログラムに従って設定画面における設定に対する禁則処理を行う処理部である。
【0037】
また、インタフェース15は、USBメモリ、メモリカードなどの可搬性のある記録媒体、ホスト装置などを接続可能な回路である。インタフェース15としては、例えば、USBインタフェース、メモリカードリーダなどが使用される。メモリカードとしては、SDカード、CFカードなどがある。
【0038】
また、記憶装置16は、各種プログラムおよび各種データを格納可能な装置である。記憶装置16としては、ハードディスクドライブ、不揮発性メモリなどの不揮発性の記憶媒体が使用される。図2は、図1における記憶装置16に記憶されているデータおよびプログラムの例を示すブロック図である。図1における記憶装置16には、テンプレートデータ51、禁則処理テーブル52、禁則処理プログラム53、追加アプリケーションプログラム54などが記憶されている。なお、追加アプリケーションプログラム54がインストールされるときに、追加アプリケーションプログラム54に従って操作パネル部14に表示される設定画面についてのテンプレートデータ51および禁則処理プログラム53は、追加アプリケーションプログラム54とともにインストールされ、その設定画面の画面データURLとともに、そのテンプレートデータ51および禁則処理プログラム53が禁則処理テーブル52に登録される。この追加アプリケーションプログラム54などのインストール処理は、例えば、インタフェース15を介して受信されたインストールパッケージを使用してコントローラ17により実行される。
【0039】
テンプレートデータ51は、画面データのテンプレートである。この実施の形態では、画面データは、XHTML(Extensible Hypertext Markup Language)などのHTMLで記述される。このため、テンプレートデータ51も、HTMLデータとされる。テンプレートデータ51は、画面データ内の設定項目の選択肢(つまり、装置の種別や設定状態に依存する部分)を空欄とし、選択肢以外の部分を画面データと同一としたデータである。
【0040】
禁則処理テーブル52は、設定画面の画面データと、その画面データのテンプレートデータ51と、その画面データに対応する禁則処理プログラム53とを関連付けるデータを有する。図3は、図2における禁則処理テーブル52の例を示す図である。図3(A)は、1つの設定画面について1つの禁則処理プログラムのみが使用される場合の禁則処理テーブル52の例を示し、図3(B)は、1つの設定画面について1または複数の禁則処理プログラムが使用される場合の禁則処理テーブル52の例を示す。
【0041】
図3に示す禁則処理テーブル52では、画面データのURL(Uniform Resource Locator)に、テンプレートデータ51のファイル名(パスを含む)および禁則処理プログラム53のファイル名(パスを含む)が関連付けられている。また、図3(B)に示すように、1つの設定画面について複数の禁則処理プログラムが使用される場合、画面データのURLに、さらに、別の禁則処理プログラム53があるか否かを示すフラグが設けられており、フラグの値「Yes」は、テーブル52の次のレコードにおいて別の禁則処理プログラム53のファイル名が指定されることを示す。フラグの値「No」は、以前のレコードで既に指定されている禁則処理プログラム53以外の禁則処理プログラム53はないことを示す。このテーブル52を参照することにより、操作パネル部14からの要求により指定される画面データのURLに対応するテンプレートデータ51および禁則処理プログラム53が特定される。なお、ここでは、画面データのURLが画面データのIDに使用されているが、別のIDを使用するようにしてもよい。
【0042】
図2に戻り、禁則処理プログラム53は、操作パネル部14により実行されるプログラムであって、設定画面における禁則処理を記述したプログラムである。禁則処理プログラム53による禁則処理は、二値型と調停型がある。
【0043】
二値型では、設定値の組み合わせごとに、その組み合わせを許可するか否かを示す値が禁則として設けられる。図4は、後述の図12に示す設定画面に対する、図1における複合機1に適用される二値型の禁則の例を示す図である。図4(A)は、色モードがフルカラーである場合の例を示し、図4(B)は、色モードがモノクロである場合の例を示す。図4の場合、設定項目に色モード、ファイル形式および解像度が存在する。そして、この場合、色モード、ファイル形式および解像度の組み合わせとして、例えば、フルカラー、PDFおよび600が選択されると、その組み合わせが許可されることを示す値「TRUE」が設定されているため、この組み合わせは許可される。一方、この場合、色モード、ファイル形式および解像度の組み合わせとして、例えば、モノクロ、TIFFおよび2400が選択されると、その組み合わせが禁止されることを示す値「FALSE」が設定されているため、この組み合わせは禁止される。つまり、このような組み合わせを選択する操作は拒否される。
【0044】
調停型では、設定値の組み合わせのうち、組み合わせを許可しない場合の動作を示す値が禁則として設けられる。その組み合わせを許可しない場合に、その組み合わせにおけるいずれかの設定値の変更を示す値が禁則に設定される。図5は、後述の図12に示す設定画面に対する、図1における複合機1に適用される調停型の禁則の例を示す図である。図5(A)は、色モードがフルカラーである場合の例を示し、図5(B)は、色モードがモノクロである場合の例を示す。図5の場合、設定項目に色モード、ファイル形式および解像度が存在する。そして、この場合、色モード、ファイル形式および解像度の組み合わせとして、例えば、フルカラー、PDFおよび600が選択されると、その組み合わせはそのまま許可される。一方、この場合、色モード、ファイル形式および解像度の組み合わせとして、例えば、モノクロ、JPEGおよび2400が選択されると、その組み合わせは禁止されるため、色モードの設定値をモノクロからフルカラーへ自動的に変換する動作が指定される。
【0045】
各禁則処理プログラム53が有するプログラムコードには、二値型の禁則処理か、調停型の禁則処理が記述される。二値型の禁則処理では、ユーザが選択した組み合わせに禁則違反があるか否か判定および禁則違反時のメッセージ表示が行われる。また、調停型の禁則処理では、ユーザが選択した組み合わせに対して設定値の変換動作が指定されているか否かを判定し、変換動作が指定されている場合には、その変換動作が実行される。
【0046】
次に、禁則処理プログラム53の詳細な構成について説明する。図6は、図2における禁則処理プログラム53の詳細な構成の例を示すブロック図である。
【0047】
禁則処理プログラム53は、ヘッダ部61、コード部62、固有データ部63、現状データ部64および参照データ部65を有する。なお、固有データ部63は存在しなくてもよい。例えば、ヘッダ部61、固有データ部63、現状データ部64および参照データ部65は、XML(Extensible Markup Language)で記述され、コード部62がJavaScript、PHP、Pythonなどのスクリプト言語で記述される場合、禁則処理プログラム53は、1つのXMLファイルとしてもよい。また、例えば、ヘッダ部61、固有データ部63、現状データ部64および参照データ部65は、XMLで記述され、コード部62がバイナリコード(オブジェクトコード)とされる場合、ヘッダ部61、コード部62、固有データ部63、現状データ部64および参照データ部65は、それぞれ独立したファイルとして記述され、禁則処理プログラム53は、それらのファイルを圧縮したZIPファイルなどの1つのパッケージファイルとされるようにしてもよい。
【0048】
ヘッダ部61は、当該禁則処理プログラム53固有の識別情報、コード部62のエントリポイント(API)の指定、および禁則処理の型の指定(二値型か調停型か)を有する。図7は、図6におけるヘッダ部61の一例を示す図である。識別情報は、「constrainHeader」タグの「id」パラメータで指定されている。コード部62のエントリポイント(API)は、「entrypoint」要素で指定されており、禁則処理の型は、「entrypoint」タグの「type」パラメータで指定されている。「type」パラメータの値が「boolean」である場合、二値型が指定され、「type」パラメータの値が「arbitrate」である場合、禁則処理の型が調停型に指定される。
【0049】
コード部62は、禁則処理のプログラムコードである。二値型の場合、このプログラムコードは、選択された設定値の組み合わせが禁則に違反するか否かを示す値を返す。調停型の場合、選択された設定値の組み合わせが禁則に違反すると、可能であれば、予め設定された変換ルールに従っていずれかの設定値を変更する。したがって、調停型の場合、このプログラムコードは、例えば、選択された組み合わせを許可されることを示す値Suceed(=0)、選択された組み合わせにおいてユーザが変更した設定値以外の他の設定値が変更されたことを示す値Arbitrate(=1)、および選択された組み合わせにおいてユーザが変更した設定値は設定できない(つまり、他の設定値を変更しても、許可される組み合わせとならない)ことを示す値Prohibited(−1)のいずれかを返す。
【0050】
固有データ部63は、コード部62により参照されるデータであって、必要に応じて禁則処理プログラム53に挿入されるデータである。なお、コード部62がバイナリコード(オブジェクトコード)である場合には、固有データ部63は、コード部62内に含められる。
【0051】
現状データ部64は、コード部62による禁則処理の対象になる設定項目の現在値を示すデータである。この現在値は、変動データ収集部44により内部装置から収集されるデータである。図8は、図6における現状データ部64の一例を示す図である。この現状データ部64は、XMLで記述されている。現状データ部64は、「currentSettings」要素として記述されている。図8に示す現状データ部64では、設定項目「解像度」の現在の設定値が「resolution」要素で示され、設定項目「色モード」の現在の設定値が「colormode」要素で示され、設定項目「ファイル形式」の現在の設定値が「format」要素で示されている。
【0052】
参照データ部65は、コード部62による禁則処理に必要となる他の設定項目の現在値(つまり、現状データ部64の設定項目以外で必要な設定項目の現在値)を示すデータである。この現在値は、変動データ収集部44により内部装置から収集されるデータである。図9は、図6における参照データ部65の一例を示す図である。この参照データ部65は、XMLで記述されている。参照データ部65は、「references」要素として記述されている。図9に示す参照データ部65では、設定項目「両面スキャン」の現在の設定値が「duplex」要素で示されている。
【0053】
現状データ部64および参照データ部65は、禁則処理時にコード部62のプログラムに従ってUI禁則処理部33により参照される。これらは、例えば、ユーザ操作により変更が行われた設定を特定するに使用される。
【0054】
図2に戻り、追加アプリケーションプログラム54は、デフォルトでインストールされているアプリケーションプログラムに追加してインストールされるもので、後述の追加アプリケーション47bの処理が記述されたプログラムである。例えば、コントローラ17がJAVA(登録商標)の実行環境を有する場合、追加アプリケーションプログラム54としてJAVAアプリケーションがインストールされる。
【0055】
図1に戻り、コントローラ17は、プリンタ11、スキャナ12およびファクシミリ装置13といった内部装置を制御する装置である。また、コントローラ17は、操作パネル部14とデータ通信を行い、ユーザインタフェースとしての操作パネル部14に設定画面を表示させたり、その設定画面に対して入力された設定情報を取得して、その設定情報に従って内部装置を動作させる。さらに、コントローラ17は、設定画面の画面データとともにその設定画面における禁則処理を記述した禁則処理プログラムを操作パネル部14に送信する。このコントローラ17は、CPU、ROM、RAMなどを有するコンピュータであり、ROM、記憶装置16などからRAMへプログラムをロードし、そのプログラムをCPUで実行することにより、各種処理部を実現する。この実施の形態では、コントローラ17において、通信制御部41、送信データ生成部42、固定データ管理部43、変動データ収集部44、禁則処理プログラム構成部45、アプリケーション47a、追加アプリケーション47b、メイン禁則処理部48およびコントローラ49が実現される。
【0056】
通信制御部41は、通信回路17aを制御して、操作パネル部14との間でデータ通信を行う処理部である。通信制御部41は、送信データ生成部42により生成または選択された画面データおよび禁則処理プログラムを操作パネル部14へ送信する。
【0057】
送信データ生成部42は、操作パネル部14から要求された要求された画面データのテンプレートデータ51に、その画面データの設定画面における設定項目についての現在の設定値および設定範囲情報を適用して画面データを生成する処理部である。また、送信データ生成部42は、記憶装置16における禁則処理プログラム53から、生成された画面データに対応する禁則処理プログラム53を選択する。
【0058】
固定データ管理部43は、テンプレートデータ51を管理する処理部である。
【0059】
変動データ収集部44は、例えばデバイス制御部49を使用して、要求された画面データの設定画面における設定項目についての現在の設定値および設定範囲情報を複合機1の内部装置(プリンタ11、スキャナ12など)から取得する処理部である。
【0060】
プログラム構成部45は、変動データ収集部44により得られた現在の設定値および設定範囲情報(つまり、設定可能な範囲を示す、選択肢群、上限値および下限値の組など)を、禁則処理プログラム53に反映して、送信用の禁則処理プログラム53を生成する処理部である。なお、禁則処理プログラム53がZIPファイル(つまり圧縮ファイル)である場合、そのZIPファイルを解凍して得られたファイルのうち、現在の設定値および設定範囲情報を現状データ部64および/または参照データ部65に書き込んだ後、それらのファイルをZIPファイルに再度圧縮するようにしてもよい。また、禁則処理プログラム53を構成するファイルを圧縮せずに同一フォルダ内で管理しておき、現在の設定値および設定範囲情報を書き込んだ後に、それらのファイルをZIPファイルに圧縮するようにしてもよい。また、禁則処理プログラム53がXMLファイル(つまりテキストファイル)である場合には、現在の設定値および設定範囲情報を現状データ部64および/または参照データ部65にただちに書き込めばよい。
【0061】
なお、通信制御部41、送信データ生成部42、固定データ管理部43、変動データ収集部44およびプログラム構成部45により、操作パネル部14に関連する処理を実行するパネル処理部46が構成される。
【0062】
アプリケーション47aは、コントローラ17によりアプリケーションプログラムが実行されて形成される処理部である。アプリケーション47aは、ユーザによる操作パネル部14へのユーザ操作に基づいて機能実行要求の発生を検出すると、コントローラAPIなどを介して、その機能実行要求により指定されるアプリケーション47a固有の動作をデバイス制御部49に実行させる。これにより、デバイス制御部49が、プリンタ11、スキャナ12およびファクシミリ装置13を制御して、機能実行要求により指定される動作を実行させる。
【0063】
追加アプリケーション47bは、追加インストールされた追加アプリケーションプログラム54がコントローラ17により実行されて形成される処理部である。追加アプリケーション47bは、ユーザによる操作パネル部14へのユーザ操作に基づいて機能実行要求の発生を検出すると、コントローラAPIなどを介して、その機能実行要求により指定される追加アプリケーション47b固有の動作をデバイス制御部49に実行させる。これにより、デバイス制御部49が、プリンタ11、スキャナ12およびファクシミリ装置13を制御して、機能実行要求により指定される動作を実行させる。
【0064】
メイン禁則処理部48は、設定画面などの操作パネル部14による画面上の禁則処理以外の禁則処理を行う処理部である。例えば、各種カウンタ値に基づく内部装置の使用制限などは、メイン禁則処理部48により実行される。
【0065】
デバイス制御部49は、プリンタ11、スキャナ12およびファクシミリ装置13を制御するとともに、それらとの間でデータ入出力を行う処理部である。なお、デバイス制御部49を使用するために、コントローラAPI(Application Program Interface)が実装されている。コントローラAPIは、プリンタ11、スキャナ12、ファクシミリ装置13および操作パネル14の機能を実行させたり、それらとの間でデータ入出力を実行させたりする際に、アプリケーション47aまたは追加アプリケーション47bからの指令に従って、デバイス制御部49を動作させる。
【0066】
次に、上記複合機1の動作について説明する。
【0067】
図10は、図1に示す複合機1における操作パネル部14の設定画面に関する処理について説明するシーケンス図である。
【0068】
まず、アプリケーション47aまたは追加アプリケーション47bは、起動すると、所定の画面データをパネル処理部46に生成させ、操作パネル部14にその画面データに基づく画面を表示させる。
【0069】
その後、操作パネル部14において、入力装置22がユーザ操作を検出し、現在の画面から設定画面へ遷移する要求が発生すると(ステップS1)、表示処理部32は、その設定画面の画面データをコントローラ17へ要求する(ステップS2)。このとき、要求、および要求する画面データのURLが、通信制御部31により、コントローラ17へ送信される。その際、物理層では、通信回路14a,17aがその要求およびURLの送受のためのデータ通信を行う(以下、同様)。
【0070】
コントローラ17では、その要求およびURLが通信制御部41により受信すると、アプリケーション47aまたは追加アプリケーション47bに通知され、アプリケーション47aまたは追加アプリケーション47bは、その要求についての処理を次のようにパネル処理部46に実行させる。まず、送信データ生成部42は、そのURLから、禁則処理テーブル52を参照して、要求された画面データに対応するテンプレートデータ51および禁則処理プログラム53を特定する。そして、変動データ収集部44は、テンプレートデータ51および禁則処理プログラム53に必要な設定項目の現在の値および設定範囲情報を内部装置から取得する。そして、送信データ生成部42は、その現在の値および設定範囲情報をテンプレートデータ51に反映して画面データを生成し、プログラム構成部45は、その現在の値および設定範囲情報を、禁則処理プログラム53に反映する(ステップS4)。その後、送信データ生成部42は、通信制御部41で、その画面データおよび禁則処理プログラム53を操作パネル部14へ送信する(ステップS5)。
【0071】
操作パネル部14において、通信制御部31が、その画面データおよび禁則処理プログラム53を受信すると、表示処理部32は、その画面データに基づいて設定画面を表示装置21に表示させる(ステップS6)。これにより、画面遷移が完了する。なお、このとき受信された禁則処理プログラム53は、操作パネル部14内の図示せぬ記憶装置、演算処理装置23内のRAMなどに、その画面データとともに保存される。
【0072】
その後、その設定画面が表示されている間において、入力装置22がユーザ操作を検出するたびに設定入力処理が行われる(ステップS7)。図11は、図10における設定入力処理(ステップS7)の詳細について説明するフローチャートである。また、図12は、スキャナ12の動作パラメータの設定画面の一例を示す図である。図12(A)は、設定画面の表示例を示し、図12(B)は、設定画面の画面データの一例を示す。
【0073】
図12(B)に示すような画面データが受信され、図12(A)に示すような設定画面が表示されている間、表示処理部32は、入力装置22により、現在の設定値のいずれかを変更するためのユーザ操作(例えば図12(A)におけるプルダウンメニューによる他の選択肢の選択)、または設定終了のためのユーザ操作(図12(A)におけるOKボタンの押下)の有無を監視する(ステップS11,S12)。
【0074】
そして、表示処理部32は、現在の設定値のいずれかを変更するためのユーザ操作が検出されると、UI禁則処理部33に禁則処理を実行させる。UI禁則処理部33は、その設定画面の画面データとともに受信された禁則処理プログラム53を特定し、その禁則処理プログラム53において指定されたエントリポイントで、コード部62のプログラムコードを呼び出して演算処理装置23に実行させる。その際、UI禁則処理部33は、禁則処理プログラム53で指定されている禁則処理の型を特定し、その型に対応する形式の戻り値をプログラムコードから受け取り、その戻り値に応じた処理を行う。ここでは、禁則処理プログラム53に二値型のプログラムコードが含まれる場合を仮定する。
【0075】
演算処理装置23は、コード部62のプログラムコードに従って、禁則処理を実行し、UI禁則処理部33は、そのプログラムコードの戻り値から、現在の設定値の組み合わせにおける、いずれかの設定値が変更された場合に禁則違反が生じるか否かを判定する(ステップS13)。
【0076】
そして、禁則違反が生じない場合、UI禁則処理部33は、設定値の変更を承認し、表示処理部32は、設定値が変更された状態の設定画面を表示装置21に表示させる(ステップS14)。一方、禁則違反が生じる場合には、UI禁則処理部33は、警告メッセージを表示装置21に表示させ、設定値の変更を拒否する(ステップS15)。図13は、図11に示す設定入力処理において禁則違反が検出された際に表示される警告メッセージの一例を示す図である。図13に示すように設定画面上に警告メッセージを含むダイアログが表示され、そのダイアログのOKボタンが押下されるまで、表示され続ける。その後、そのOKボタンが押下されると、そのダイアログが消去され、設定値の変更操作前の設定画面が表示される。なお、図13に示すダイアログでは、警告メッセージのみが表示されるが、禁則違反の原因となった設定値変更を示すメッセージ(例えば、「現在の設定では解像度を600から2400へ変更できません。」など)を併せて通知するようにしてもよい。また、ここでは、警告メッセージを含むダイアログを設定画面に重畳させて表示させているが、その代わりに、警告メッセージなどを表示するメッセージフィールドを設定画面内に予め設けておき、そのフィールドに警告メッセージを表示するようにしてもよい。
【0077】
このようにして、操作パネル部14において、ユーザ操作に応じて、設定値が、禁則に違反しないようにして変更される。
【0078】
そして、設定終了のためのユーザ操作(図12(A)におけるOKボタンの押下)が検出されると、設定入力処理が終了し、表示処理部32は、その時点の設定値の組み合わせを設定データとしてコントローラ17へ送信する(ステップS8)。
【0079】
コントローラ17では、その設定データが通信処理部41により受信されると、その設定画面を操作パネル部14に表示させたアプリケーション47aまたは追加アプリケーション47bにその設定データが供給され、アプリケーション47aまたは追加アプリケーション47bは、その設定データの値を、デバイス制御部49を使用して内部装置に設定する。
【0080】
以上のように、上記実施の形態によれば、複合機1は、設定画面を表示装置21に表示する操作パネル部14と、設定画面の画面データを操作パネル部14に送信するコントローラ17とを備える。そして、コントローラ17は、画面データとともに禁則処理プログラム53を操作パネル部14に送信する。一方、操作パネル部14は、コントローラ17から画面データを禁則処理プログラム53とともに受信する通信制御部31と、受信された画面データに基づいて表示装置21に設定画面を表示させる表示処理部32と、受信された禁則処理プログラム53に従って設定画面における設定に対する禁則処理を行うUI禁則処理部33とを備える。
【0081】
これにより、ユーザ操作により設定値が変更されるときの禁則処理のための操作パネル部14とコントローラ17との間の通信が減るとともに比較的負荷の軽い操作パネル部14で禁則処理を行うため、禁則処理を短時間で行うことができる。このため、ユーザの利便性を損なうことなく、禁則処理を実行することができる。また、操作パネル部14とコントローラ17のロードバランスも最適なものに近づく。
【0082】
また、このように画面データと禁則処理プログラムとを分離することで、画面設計時において、設計者が、まず、禁則処理を意識せずに画面設計を行い、画面設計完了後に禁則処理を設計すればよいため、画面データの設計と禁則処理プログラムの設計とを分離させることができ、設計作業を簡素化することができる。
【0083】
なお、上述の実施の形態は、本発明の好適な例であるが、本発明は、これらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、変更が可能である。
【0084】
例えば、上記実施の形態において、追加アプリケーション47bについての禁則処理のために、デフォルトでインストールされている禁則処理プログラム53を使用してもよい。また、汎用の禁則処理プログラム53を予めインストールしておき、アプリケーション47aおよび追加アプリケーション47bが、その汎用の禁則処理プログラム53を使用するようにしてもよい。また、禁則処理プログラム53のコード部62は、ライブラリ・プラグインなどとして提供するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明は、例えば、スキャナ機、コピー機、プリンタ、複合機などに適用可能である。
【符号の説明】
【0086】
1 複合機(画像形成装置の一例)
14 操作パネル部
16 記憶装置
17 コントローラ
21 表示装置
31,41 通信制御部
32 表示処理部
33 UI禁則処理部(禁則処理部の一例)
42 送信データ生成部
44 変動データ収集部
51 テンプレートデータ
53 禁則処理プログラム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設定画面を表示装置に表示する操作パネル部と、前記設定画面の画面データを前記操作パネル部に送信するコントローラとを備えた画像形成装置であって、
前記コントローラは、前記画面データとともに前記設定画面における禁則処理を記述した禁則処理プログラムを前記操作パネル部に送信し、
前記操作パネル部は、
前記コントローラから前記画面データを前記禁則処理プログラムとともに受信する通信制御部と、
受信された前記画面データに基づいて前記表示装置に前記設定画面を表示させる表示処理部と、
前記禁則処理プログラムに従って前記設定画面における設定に対する禁則処理を行う禁則処理部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記画面データのテンプレートデータと前記禁則処理プログラムとを記憶している記憶装置を備え、
前記操作パネル部の前記通信制御部は、前記画面データの要求を前記コントローラへ送信し、
前記コントローラは、前記要求により指定された前記画面データの前記設定画面における設定項目についての現在の設定値および/または設定範囲情報を取得する変動データ収集部と、前記要求により指定された前記画面データのテンプレートデータに前記現在の設定値および前記設定範囲情報を適用して前記画面データを生成する送信データ生成部と、生成された前記画面データと前記画面データに対応する前記禁則処理プログラムとを送信する通信制御部とを備えること、
を特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記禁則処理プログラムは、前記禁則処理のプログラムコード、および前記禁則処理部からそのコードを呼び出すためのエントリーポイントの記述を有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記禁則処理プログラムは、前記禁則処理が二値型および調停型のいずれかであるかを示す型指定情報を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記コントローラは、追加インストールされた追加アプリケーションプログラムを実行し、
前記追加アプリケーションプログラムで使用される設定画面の前記禁則処理プログラムは、前記追加アプリケーションプログラムとともにインストールされたものであること、
を特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記禁則処理部は、前記設定画面に含まれる1または複数の設定項目の値がユーザにより変更されるたびに、その値の変更が禁則に違反するか否かを前記禁則処理プログラムに従って判定し、その値の変更が禁則に違反する場合、禁則違反を通知するためのメッセージを前記表示装置に表示させることを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項1】
設定画面を表示装置に表示する操作パネル部と、前記設定画面の画面データを前記操作パネル部に送信するコントローラとを備えた画像形成装置であって、
前記コントローラは、前記画面データとともに前記設定画面における禁則処理を記述した禁則処理プログラムを前記操作パネル部に送信し、
前記操作パネル部は、
前記コントローラから前記画面データを前記禁則処理プログラムとともに受信する通信制御部と、
受信された前記画面データに基づいて前記表示装置に前記設定画面を表示させる表示処理部と、
前記禁則処理プログラムに従って前記設定画面における設定に対する禁則処理を行う禁則処理部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記画面データのテンプレートデータと前記禁則処理プログラムとを記憶している記憶装置を備え、
前記操作パネル部の前記通信制御部は、前記画面データの要求を前記コントローラへ送信し、
前記コントローラは、前記要求により指定された前記画面データの前記設定画面における設定項目についての現在の設定値および/または設定範囲情報を取得する変動データ収集部と、前記要求により指定された前記画面データのテンプレートデータに前記現在の設定値および前記設定範囲情報を適用して前記画面データを生成する送信データ生成部と、生成された前記画面データと前記画面データに対応する前記禁則処理プログラムとを送信する通信制御部とを備えること、
を特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記禁則処理プログラムは、前記禁則処理のプログラムコード、および前記禁則処理部からそのコードを呼び出すためのエントリーポイントの記述を有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記禁則処理プログラムは、前記禁則処理が二値型および調停型のいずれかであるかを示す型指定情報を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記コントローラは、追加インストールされた追加アプリケーションプログラムを実行し、
前記追加アプリケーションプログラムで使用される設定画面の前記禁則処理プログラムは、前記追加アプリケーションプログラムとともにインストールされたものであること、
を特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記禁則処理部は、前記設定画面に含まれる1または複数の設定項目の値がユーザにより変更されるたびに、その値の変更が禁則に違反するか否かを前記禁則処理プログラムに従って判定し、その値の変更が禁則に違反する場合、禁則違反を通知するためのメッセージを前記表示装置に表示させることを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−129967(P2011−129967A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−283547(P2009−283547)
【出願日】平成21年12月15日(2009.12.15)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月15日(2009.12.15)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
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