説明

画像形成装置

【課題】 発明が解決しようとする課題は、上記の問題に鑑み、用紙排出部、中継搬送ユニット及び用紙後処理装置を備える画像形成装置であって、中継搬送ユニットで発生する紙詰まり用紙を容易に取除くことのできる画像形成装置を提供するものである。
【解決手段】 前記用紙中継搬送手段は、内部空間を有する第1搬送ユニットと、前記第1搬送ユニットに対峙して前記内部空間内に配置され、前記第1搬送ユニットとの間で前記画像形成済用紙を搬送する搬送経路を形成する第2搬送ユニットを備えている。前記第2搬送ユニットは、前記内部空間内において前記第1搬送ユニットに対して平行移動され、この平行移動に伴って、前記内部空間内から前記装置本体外側に引出されることを可能としたことを特徴とする画像形成装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式の複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関し、詳しくは、画像形成済の用紙を排出する用紙排出部と、画像形成済用紙に後処理を施す用紙後処理装置と、用紙排出部から排出された画像形成済用紙を用紙後処理装置へ搬送する中継搬送ユニットを備えている画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、電子写真方式の複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置においては、小型化の要請があり、画像形成部による画像形成済用紙を用紙排出部から装置内部の用紙排出トレイに排出するものがある。
また、画像形成装置では、上記小型化の要請と同時に、画像形成済用紙の後処理(ソート、ステープル機能等)の要請もある。画像形成装置の後処理の要請を満たすため、画像形成装置外部に用紙後処理装置を付設する方式のものがある。この方式では、用紙排出部から排出される画像形成済用紙を用紙後処理装置へ搬送する中継搬送ユニットを要する。
【0003】
この画像形成装置は、画像形成部による画像形成済用紙を用紙排出部から用紙排出トレイに排出、又は中継搬送ユニットに排出する。用紙排出部、中継搬送ユニットは、画像形成済用紙を搬送する搬送ローラ対等を有しており、搬送ローラ対の回転により画像形成済用紙を排出、又は搬送する。
【0004】
この中継搬送ユニットは、内部に搬送ローラ対を有しているため、画像形成済用紙の搬送途中等で紙詰まりが発生する場合がある。画像形成装置の運転効率を考えると、紙詰まり用紙を容易に取除く処理を行なうことが必要となる。
【0005】
特許文献1は、中継搬送ユニットにおける紙詰まり用紙の取除きに関する技術を開示している。特許文献1に開示された画像形成装置は、排紙部から画像形成済用紙を排出する排出空間を有し、該排出空間内に排出される画像形成済用紙を受入れる排紙トレイを設置している。用紙後処理装置に画像形成済用紙を搬送する中継搬送ユニットは、排紙トレイの下方側に設けられている。
【0006】
この中継搬送ユニットは、紙詰まり用紙を取除くための開閉カバーを備えている。開閉カバーは、中継搬送ユニットの上側一部を構成しており、支持部材(複数のヒンジ)により排紙トレイ側に回転自在にされている。
この特許文献1の開示技術は、開閉カバーを開いて、中継搬送ユニットの上方側一部を開放することで、中継搬送ユニット内の紙詰まり用紙を取除くものである。
【0007】
しかし、特許文献1に開示する技術では、開閉カバーを回転して中継搬送ユニットの内部から外部の排出空間に移動する。続いて、開閉カバーを排出空間において中継搬送ユニットに対して平行移動等している。
そのため、中継搬送ユニットから開閉カバーを移動させるためには、中継搬送ユニットの外部に多くの空間が必要となる。
【0008】
また、中継搬送ユニットの上方に排出トレイを配置する画像形成装置においては、開閉カバーを開閉移動するための空間は限られてくる。
そのため、開閉カバーを十分に開放することができず、中継搬送ユニット内の紙詰まり用紙の視認性が悪く覗き込む必要がある。また、紙詰まり用紙を取除く際に作業者の手が中継搬送ユニット内の画像形成済用紙にとどかない。
従って、特許文献1の開示技術では、画像形成装置の小型化が困難であり、更に紙詰まりした画像形成済用紙を容易に取除く処理ができず、画像形成装置の運転率等も低下するという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2000−153934号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明が解決しようとする課題は、上記の問題に鑑み、用紙排出部、中継搬送ユニット及び用紙後処理装置を備える画像形成装置において、中継搬送ユニットで発生する紙詰まり用紙を容易に取除くことのできる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に係る発明は、装置本体と、前記装置本体に配置され、画像形成手段による画像形成済用紙を排出する用紙排出手段と、前記装置本体に配置され、前記用紙排出手段から排出された画像形成済用紙を搬送する用紙中継搬送手段と、前記装置本体に付設され、前記用紙中継搬送手段から搬送される画像形成済用紙に後処理を施す用紙後処理手段を備えてなる画像形成装置において、前記用紙中継搬送手段は、内部空間を有する第1搬送ユニットと、前記第1搬送ユニットに対峙して前記内部空間内に配置され、前記第1搬送ユニットとの間で前記画像形成済用紙を搬送する搬送経路を形成する第2搬送ユニットを備え、
前記第2搬送ユニットは、前記内部空間内において前記第1搬送ユニットに対して平行移動され、この平行移動に伴って、前記内部空間内から前記装置本体の外側に引出されることを可能としたことを特徴とする画像形成装置に関する。
【0012】
請求項2に係る発明は、前記用紙中継搬送手段は、前記内部空間内において前記第2搬送ユニットの平行移動を案内するガイド手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置に関する。
【0013】
請求項3に係る発明は、前記装置本体は、前記用紙排出手段から排出される前記用紙を受入れる用紙受入手段を備え、前記用紙中継搬送手段は、前記第2搬送ユニットが前記用紙受入手段に対峙して配置されており、前記第2搬送ユニットは、前記第1搬送ユニットから取外し可能にされているとともに、前記第1搬送ユニットは、前記第2搬送ユニットの取外しにより、前記内部空間を前記用紙受入手段に開放することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置に関する。
【0014】
請求項4に係る発明は、前記用紙中継搬送手段は、前記内部空間内にある前記第2搬送ユニットの移動を規制する規制手段を備え、前記規制手段は、前記第2搬送ユニットに設けられ、前記第1搬送ユニットに対して取外し可能に接続される取手部材を有するとともに、前記第2搬送ユニットは、前記取手部材の取外しにより規制が解除されて、前記第1搬送ユニットと所定隙間を有する解除位置まで移動されるとともに、続く前記取手部材の引張りにより前記内部空間から前記引出位置まで引出されることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の画像形成装置に関する。
【0015】
請求項5に係る発明は、前記第2搬送ユニットは、前記内部空間から前記引出位置の移動に伴って、前記搬送経路に存する紙詰まり用紙を捕捉する用紙捕捉手段を有することを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の画像形成装置に関する。
【0016】
請求項6に係る発明は、前記用紙中継搬送手段は、前記用紙の搬送経路に配置され、駆動ローラ及び従動ローラで構成される複数の搬送ローラ対を有し、前記各搬送ローラ対の前記駆動ローラは、前記第1搬送ユニットに回転自在に配置され、前記各搬送ローラ対の前記従動ローラは、前記第2搬送ユニットに回転自在に配置されているとともに、前記第2搬送ユニットは、前記取手部材の取外しにより規制が解除されて、前記各搬送ローラ対の駆動ローラと従動ローラ間に所定隙間を有するニップ解除位置まで移動されるとともに、続く前記取手部材の引張りにより前記第1搬送ユニットに対する平行移動によって前記内部空間から前記引出位置まで引出されることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の画像形成装置に関する。
【0017】
請求項7に係る発明は、前記装置本体は、前記第1搬送ユニットの上方側に前記画像形成済の用紙を搬送できる搬送空間を有し、前記用紙排出手段は、前記用紙中継搬送手段に画像形成済の用紙を搬送する後処理用排出経路と、前記搬送空間に画像形成済用紙を一時的に退避させるスイッチバック経路を含んでなることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置に関する。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に係る発明によれば、用紙中継搬送手段は、内部空間を有する第1搬送ユニットと、前記第1搬送ユニットに対峙して前記内部空間内に配置され、前記第1搬送ユニットとの間で前記画像形成済用紙を搬送する搬送経路を形成する第2搬送ユニットを備え、前記第2搬送ユニットは、前記内部空間内において前記第1搬送ユニットに対して平行移動され、この平行移動に伴って、前記内部空間内から前記装置本体の外側に引出されることを可能としたので、第1に、第2搬送ユニットを用紙中継搬送手段の有する内部空間(第1搬送ユニットの内部空間内)で平行移動させて、紙詰まり画像形成済用紙を取除くことができる。
従って、紙詰まり用紙を取除くために必要とされる第2搬送ユニットを移動させる空間を最小にすることが可能となる。
第2に、第2搬送ユニットを装置本体外側の引出位置まで引出して、紙詰まり用紙を取除くことができるため、紙詰まり用紙の取除き処理を容易に行なうことが可能となる。
【0019】
請求項2に係る発明によれば、前記用紙中継搬送手段は、前記内部空間内において前記第2搬送ユニットの平行移動を案内するガイド手段を備えているので、第2搬送ユニットを内部空間内で確実に平行移動させることができる。
【0020】
請求項3に係る発明によれば、前記装置本体は、前記用紙排出手段から排出される前記用紙を受入れる用紙受入手段を備え、前記用紙中継搬送手段は、前記第2搬送ユニットを前記用紙受入手段に対峙して配置されており、前記第2搬送ユニットは、前記第1搬送ユニットから取外し可能にされているとともに、前記第1搬送ユニットは、前記第2搬送ユニットの取外しにより、前記内部空間を前記用紙受入手段に開放するようにしたので、用紙中継搬送手段、又は用紙後処理手段に故障が生じても、第2搬送ユニットを取外すことにより、用紙排出手段から排出される画像形成済用紙を内部空間内を通して、用紙受入手段に排出することができる。
【0021】
請求項4に係る発明によれば、前記用紙中継搬送手段は、前記内部空間内にある前記第2搬送ユニットの移動を規制する規制手段を備え、前記規制手段は、前記第2搬送ユニットに設けられ、前記第1搬送ユニットに対して取外し可能に接続される取手部材を有するとともに、前記第2搬送ユニットは、前記取手部材の取外しにより規制が解除されて、前記第1搬送ユニットと所定隙間を有する解除位置まで移動されるとともに、続く前記取手部材の引張りにより前記内部空間から前記引出位置まで引出されるので、用紙中継搬送手段にある紙詰まり用紙を取除くとき、第2搬送ユニット自体を引張ることなく、取手部材を引張ることにより容易に第2搬送ユニットを内部空間内から引出位置まで引出すことができる。
【0022】
請求項5に係る発明によれば、前記第2搬送ユニットは、前記内部空間から前記引出位置の移動に伴って、前記搬送経路に存する紙詰まり用紙を捕捉する用紙捕捉手段を有するので、第2搬送ユニットを内部空間から引出位置まで引出すとき、紙詰まり用紙を用紙捕捉手段で捕捉できるので、確実に用紙中継搬送ユニットから紙詰まり用紙を取除くことができる。
【0023】
請求項6に係る発明によれば、記用紙中継搬送手段は、前記用紙の搬送経路に配置され、駆動ローラ及び従動ローラで構成される複数の搬送ローラ対を有し、前記各搬送ローラ対の前記駆動ローラは、前記第1搬送ユニットに回転自在に配置され、前記各搬送ローラ対の前記従動ローラは、前記第2搬送ユニットに回転自在に配置されているとともに、前記第2搬送ユニットは、前記取手部材の取外しにより規制が解除されて、前記各搬送ローラ対の駆動ローラと従動ローラ間に所定隙間を有するニップ解除位置まで移動されるとともに、続く前記取手部材の引張りにより前記第1搬送ユニットに対する平行移動によって前記内部空間から前記引出位置まで引出されるので、紙詰まり用紙を取除くのに最小の隙間を形成して、第2搬送ユニットを内部空間内から引出位置まで引出すことができる。
【0024】
請求項7に係る発明によれば、前記装置本体は、前記第1搬送ユニットの上方側に前記画像形成済の用紙を搬送できる搬送空間を有し、前記用紙排出手段は、前記用紙中継搬送手段に画像形成済の用紙を搬送する後処理用排出経路と、前記搬送空間に画像形成済用紙を一時的に退避させるスイッチバック経路を含んでいるので、用紙中継搬送手段、用紙後処理手段が故障等しても、画像形成済用紙をスイッチバック経路に一時的に退避させることができる。
また、用紙の両面に画像形成するときに、スイッチバック搬送経路を介して画像形成手段に搬送できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る画像形成装置の概略図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置の用紙中継搬送手段の斜視図である。
【図3】本発明に係る画像形成装置の用紙中継搬送手段の斜視図であって、第2搬送ユニットが第1搬送ユニットの一部に対峙しない引出位置の状態を示す図である。
【図4】図2における用紙中継搬送手段のD−D断面図である。
【図5】本発明に係る画像形成装置の用紙中継搬送手段の側面図である。
【図6】図2における用紙中継搬送手段のE−E断面図である。
【図7】本発明に係る画像形成装置の用紙中継搬送手段から第2搬送ユニットを取外した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係る画像形成装置について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る画像形成装置の概略図である。図2は本発明に係る画像形成装置の用紙中継搬送手段の斜視図である。図3は本発明に係る画像形成装置の用紙中継搬送手段の斜視図であって、第2搬送ユニットが第1搬送ユニットの一部に対峙しない引出位置の状態を示す図である。図4は図2における用紙中継搬送手段のD−D断面図である。図5は本発明に係る画像形成装置の用紙中継搬送手段の側面図である。図6は図2における用紙中継搬送手段のE−E断面図である。図7は本発明に係る画像形成装置の用紙中継搬送手段から第2搬送ユニットを取外した状態を示す図である。
【0027】
先ず、本発明に係る画像形成装置の全体構成を図1に基づいて説明する。
【0028】
図1において、画像形成装置(1)は、装置本体(2)と、画像読取手段(3)と、用紙受入手段(4)と、画像形成手段(5)と、給紙手段(6)と、定着手段(7)と、用紙排出手段(8)と、用紙中継搬送手段(9)と、用紙後処理手段(10)を備えている。
画像読取手段(3)は、装置本体(2)の最上部に設けられ、照明ランプ、反射ミラー及びレンズ等で構成されている。
用紙受入手段(4)は、画像読取手段(3)の下方側に配置されている。この用紙受入手段(4)は、画像読取手段(3)との間で搬送空間(H)を形成しており、排出される画像形成済用紙を装置本体(2)内部に排出する用紙受入トレイとして機能する。
【0029】
画像形成手段(5)は、図1に示すように、感光体(33)等を有し、給紙手段(6)から搬送される用紙に画像を転写する。
【0030】
給紙手段(6)は、第1給紙カセット(11)と、第2給紙カセット(12)を有しており、各給紙カセット(11)、(12)の収納空間には用紙が収納されている。なお、各給紙カセット(11)、(12)内に収納する用紙は、同一サイズの用紙(例:A4サイズ)であっても良く、異なるサイズの用紙(例:A4サイズ、A3サイズ)であっても良い。
また、給紙手段(6)は、給紙カセット(11)、(12)から用紙を取り出す給紙部(13)、(14)を有している。
給紙部(13)、(14)から供給される用紙は、搬送経路(15)に搬出され、該搬送経路(15)に配置されるレジストローラ対(16)により画像形成手段(5)に搬送される。
【0031】
図1に示すように、定着手段(7)は、画像形成手段(5)より下流側の搬送経路(15)に配置され、画像形成手段(5)により用紙に転写した画像を永久画像として定着させる。画像が定着された用紙(画像形成済用紙)は、定着手段(7)のローラ対により搬送経路(15)の下流側に搬出される。
【0032】
用紙排出手段(8)は、図1に示すように、定着手段(7)より下流側に配置されており、スイッチバック搬送経路(17)及び後処理用搬送経路(18)を有している。
このスイッチバック搬送経路(17)は、定着手段(7)から搬出された画像形成済用紙を、一時的に退避又は装置本体(2)内部の搬送空間(H)まで搬送して排出する経路である。このスイッチバック搬送経路(17)は、用紙中継搬送手段(9)、用紙後処理手段(10)に故障等が発生した場合、搬送経路(15)からの画像形成済用紙を後処理用搬送経路(18)に排出することなく、一時的に退避する。
また、後処理用搬送経路(18)は、画像形成済用紙を用紙中継搬送手段(9)まで搬送する経路である。
また、用紙排出手段(8)は、経路切換部材(19)を備えており、この経路切換部材(19)は、搬送経路(15)とスイッチバック搬送経路(17)、又は搬送経路(15)と後処理用搬送経路(18)を接続するように搬送経路を切換える。なお、各搬送経路(17)、(18)には複数の搬送ローラ対が配置されている。
更に、用紙排出手段(8)は、図1に示すように、スイッチバック搬送経路(17)から分岐するループ搬送経路(20)を有している。このループ搬送経路(20)は、搬送経路(15)の上流側(画像形成手段(5)側)に向かって形成され、画像形成手段(5)よりも上流側の位置で搬送経路(15)に接続されている。
【0033】
また、スイッチバック搬送経路(17)には、搬送空間(H)に近接する位置にスイッチバックローラ対(21)が配置されている。
このスイッチバックローラ対(21)は、定着手段(7)から搬出された画像形成済用紙の一部を搬送空間(H)内に排出した状態で退避する。そして、スイッチバックローラ対(21)の駆動ローラを逆回転することで、ループ搬送経路(20)に搬出する。
スイッチバックローラ対(21)は、スイッチバック搬送経路(17)から画像形成済用紙を搬送空間(H)に排出するとともに、用紙両面に画像転写する際にループ搬送経路(20)に画像形成済用紙(片面のみ画像形成済)を搬出する。
ループ搬送経路(20)に搬出された片面画像形成済用紙は、ループ搬送経路(20)の複数の搬送ローラ対により画像形成手段(5)まで搬送される。
【0034】
図1に示すように、用紙中継搬送手段(9)は、用紙中継搬送ユニットであって、用紙排出手段(8)よりも下流側に位置して、搬送空間(H)内に配置されている。この用紙中継搬送手段(9)は、搬送空間(H)の用紙受入手段(4)から上方側に所定距離だけ離されて装置本体(2)に固定されている。また、用紙中継搬送手段(9)は、用紙排出手段(8)のスイッチバック搬送経路(17)よりも下方側に位置されており、スイッチバック搬送経路(17)から排出される画像形成済用紙を受ける排出トレイとしても機能している。
また、用紙中継搬送手段(9)は、第1搬送ユニット(9A)と第2搬送ユニット(9B)で構成されており、これら搬送ユニット(9A)、(9B)間に中継用搬送経路(22)を形成している。
【0035】
中継用搬送経路(22)には、搬送手段(23)が配置されており、この搬送手段(23)は、搬送ローラ対(24)等を備える複数の搬送ローラ構造体(25)、(26)、(27)、(28)を有している。複数の搬送ローラ構造体(25)、(26)、(27)、(28)は、中継用搬送経路(22)の搬送方向(A)に間隔を隔てて順々に配置されている。
また、搬送ローラ対(24)は、駆動ローラ(29)と従動ローラ(30)とで構成され、この駆動ローラ(29)は、第1搬送ユニット(9A)に回転自在に配置され、従動ローラ(30)は第2搬送ユニット(9B)に回転自在に配置されている。
搬送ローラ対(24)の駆動ローラ(29)は、駆動手段(図示せず)により回転される。駆動手段は、駆動モータ(29)等により構成されている。
これにより、用紙中継搬送手段(9)は、駆動手段(図示せず)により複数の搬送ローラ対(24)の駆動ローラを回転することで、用紙排出手段(8)の後処理用排出経路(18)から排出される画像形成済用紙を用紙後処理手段(10)へ搬送する。
【0036】
用紙後処理手段(10)は、図1に示すように、用紙中継搬送手段(9)の中継用搬送経路(22)の下流側であって、装置本体(2)外部に付設されている。
この用紙後処理手段(10)は、用紙中継搬送手段(9)から搬送された画像形成済用紙に対して、ソート、ステープル等の後処理を実行する。
【0037】
次に、本発明に係る画像形成装置(1)の用紙中継搬送手段(9)の詳細構成について説明する。
【0038】
<用紙中継搬送手段(9)の基本構成>
図1乃至図6において、用紙中継搬送手段(9)は、第1搬送ユニット(9A)と、第2搬送ユニット(9B)を含んで構成されている。第1搬送ユニット(9A)は、用紙中継搬送手段(9)の上側搬送ユニットを構成し、第2搬送ユニット(9B)は用紙中継搬送手段(9)の下側搬送ユニットを構成している(図1参照)。
【0039】
図2及び図3において、第1搬送ユニット(9A)は、第2搬送ユニット(9B)を配置するための内部空間(100)を備えている。この内部空間(100)は、画像形成済用紙の搬送方向(A)に所定幅寸法を有して、搬送方向(A)に直交する方向(前後方向:F)の前端に開口している。また、内部空間(100)は、前端開口から前後方向(F)の後端側まで延設されており、下端側に開口している。
【0040】
第2搬送ユニット(9B)は、図1に示すように、第1搬送ユニット(9A)の下方側に位置している。この第2搬送ユニット(9B)は、図2及び図3に示すように、第1搬送ユニット(9A)の前端開口から内部空間(100)内に配置されている。
また、第2搬送ユニット(9B)は、内部空間(100)内において、第1搬送ユニット(9A)に対峙しており、該第1搬送ユニット(9A)との間に中継用搬送経路(22)を形成している。
【0041】
また、用紙中継搬送手段(9)は、図1に示すように、中継用搬送経路(22)に複数の搬送ローラ構造体(25)、(26)、(27)、(28)を備えており、各搬送ローラ構造体(25)、(26)、(27)、(28)は搬送方向(A)に間隔を隔てて順々に配置されている。
【0042】
搬送ローラ構造体(25)は、図5に示すように、複数の搬送ローラ対(24)を有しており、各搬送ローラ対(24)は駆動ローラ(29)と従動ローラ(30)で構成される。搬送ローラ構造体(25)の駆動ローラ(30)は、第1搬送ユニット(9A)に配置されており、該搬送ユニット(9A)の駆動回転軸(31)に設けられている。この駆動回転軸(31)は、図5に示すように、第1搬送ユニット(9A)の前後方向(F)の両端側で回転自在に軸支されている。また、駆動回転軸(31)は、駆動モータ等(図示せず)により回転される。一方、従動ローラ(30)は、第2搬送ユニット(9B)に配置されており、該搬送ユニット(9B)の従動回転軸(32)に設けられている。また、従動回転軸(32)は、図5に示すように、第2搬送ユニット(9B)の前後方向(F)の両側で回転自在に軸支されている。
なお、他の搬送ローラ構造体(26)、(27)、(28)は、図5に示す搬送ローラ構造体(25)と同一構成を有するので説明を省略する。
【0043】
以上の基本構成を備える用紙中継搬送手段(9)は、駆動モータの駆動により、各搬送ローラ対(24)の駆動ローラ(29)を回転することができる。
これにより、用紙中継搬送手段(9)は、図1に示す用紙排出手段(8)から排出される画像形成済用紙を、各搬送ローラ対(24)により中継用搬送経路(22)に沿って用紙後処理装置(10)まで搬送する。
【0044】
<用紙中継搬送手段(9)の水平移動構成>
用紙中継搬送手段(9)は、第2搬送ユニット(9B)を第1搬送ユニット(9A)と
平行状態を保ちつつ、該搬送ユニット(9A)に対して相対的に移動可能にしている。
また、用紙中継搬送手段(9)は、図3及び図6に示すように、第2搬送ユニット(9B)の移動経路(図示せず)として、搬送位置(f)、離間位置(s)及び引出位置(t)を通る経路を有している。
【0045】
このユニット移動経路(図示せず)の搬送位置(初期位置:(f))は、図1及び図6(a)に示すように、第1搬送ユニット(9A)と第2搬送ユニット(9B)の間に中継用搬送経路(22)を形成する位置である。また、搬送位置(f)は、第2搬送ユニット(9B)が第1搬送ユニット(9A)の内部空間(100)に完全に収容されており、複数の搬送ローラ対(24)の従動ローラ(30)が駆動ローラ(29)に当接している位置(ニップ位置)でもある。
【0046】
離間位置(下降位置:(s))は、図6(b)に示すように、第1搬送ユニット(9A)の内部空間(100)に位置している。また、離間位置(s)は、第1搬送ユニット(9A)と第2搬送ユニット(9B)間に所定隙間を有する位置である。この離間位置(s)は、第2搬送ユニット(9B)が第1搬送ユニット(9A)から下方側へ移動する隙間を有する位置である。最良の離間位置(s)は、各搬送ローラ対(24)の駆動ローラ(29)と従動ローラ(30)の間に隙間を有する位置(ニップ解除位置)である。
【0047】
引出位置(t)は、図3に示すように、第1搬送ユニット(9A)の内部空間(100)の外側であって装置本体(2)外側に位置している。また、引出位置(t)は、図3に示すように、第2搬送ユニット(9B)が第1搬送ユニットの一部分と対峙しない位置である。即ち、第2搬送ユニット(9B)は、図3に示すように、第1搬送ユニット(9A)に対して一部分(前後方向Fの前方側)が対峙しておらず、他の一部分(前後方向Fの後端側)が第1搬送ユニット(9A)に対峙している(向き合っている)。
【0048】
図3において、用紙中継搬送手段(9)は、離間位置(s)と引出位置(t)の移動経路(図示せず)の間において、第2搬送ユニット(9B)を案内するガイド手段(51)を備えている。
【0049】
図3において、ガイド手段(51)は、一対の移動ガイド部材(55)、(55)とガイド溝(56)、(56)で構成されている。
各移動ガイド部材(55)、(55)は、図3に示すように、第2搬送ユニット(9B)に設けられている。これら各移動ガイド部材(55)、(55)は、図3に示すように、画像形成済用紙の搬送方向(A)に所定間隔を隔てて配置されており、前後方向(F)にわたって直線的に延設されている。
ガイド溝(56)、(56)は、図3に示すように、内部空間(H)内に開口して第1搬送ユニット(9A)に形成されている。また、ガイド溝(56)、(56)は、図3に示すように、搬送方向(A)に所定間隔を隔てて位置しており、前後方向(F)にわたって直線的に延設されている。なお、各ガイド溝(56)、(56)は、移動ガイド部材(55)より大きい幅寸法を有している。
【0050】
用紙中継搬送手段(9)は、図3に示すように、各移動ガイド部材(55)、(55)を各ガイド溝(56)、(56)内に挿入することで、第2搬送ユニット(9B)を第1搬送ユニット(9A)により保持する。なお、第1搬送ユニット(9A)は、図1に示すように、装置本体(2)に固定(片持支持)されている。
第2搬送ユニット(9B)は、図3に示すように、離間位置(s)と引出位置(t)の間において、ガイド手段(51)により案内されながら移動可能にされている。
ガイド手段(51)の移動ガイド部材(55)、(55)とガイド溝(56)、(56)は前後方向(F)に直線的に配置されているので、第2搬送ユニット(9B)は、離間位置(s)と引出位置(t)の間において、第1搬送ユニット(9A)に対して所定隙間を隔てた状態で平行移動することができる。
【0051】
図2、図3及び図6において、用紙中継搬送手段(9)は、第2搬送ユニット(9B)の移動を規制する規制手段(53)を有している。この規制手段(53)は、図3及び図6に示すように、取手部材(59)と、複数の規制回転ローラ(60)、(60)と、一対の昇降ガイド部材(65)、(65)と、複数のガイド回転ローラ(66)、(66)を備えている。
【0052】
取手部材(59)は、図3及び図6に示すように、第2搬送ユニット(9B)の前後方向(F)の前端部に設けられている。この取手部材(59)の下端部は、図3及び図6に示すように、第2搬送ユニット(9B)及び昇降ガイド部材(65)、(65)に回転自在に取り付けられている。
また、取手部材(59)の上端部(59A)、(59A)は、図6(a)に示すように、第1搬送ユニット(9A)の規制空間(K)に挿入される。この規制空間(K)は、図3及び図6に示すように、第1搬送ユニット(9A)の前端に開口している。
【0053】
規制回転ローラ(60)、(60)は、図6に示すように、第1搬送ユニット(9A)の規制空間(K)内に回転自在に設けられている。この各規制回転ローラ(60)、(60)は、図6(a)に示すように、規制空間(K)内に挿入される取手部材(59)の上端部(59A)、(59A)と当接して、第2搬送ユニット(9B)の第1搬送ユニット(9A)に対する下降移動を規制する。
【0054】
一対の昇降ガイド部材(65)、(65)は、図3、図4及び図6に示すように、第2搬送ユニット(9B)内に設けられている。各昇降ガイド部材(65)、(65)は、図6に示すように、第2搬送ユニット(9B)の前後方向(F)の前端から後端側まで延設されており、各昇降ガイド部材(65)、(65)の前端部は、取手部材(59)に回転自在に設けられている。
また、各昇降ガイド部材(65)、(65)の後端部は、図6に示すように、傾斜形状(67)、(67)に形成されており、この傾斜形状(67)、(67)は前後方向(F)の後端側に行くに連れて昇降ガイド部材(65)、(65)の上下幅が小さくなるように形成されている。
【0055】
複数のガイド回転ローラ(66)、(66)は、図6に示すように、第1搬送ユニット(9A)内に回転自在に設けられている。各ガイド回転ローラ(66)、(66)は、図6(a)に示すように、第1搬送ユニット(9A)の前後方向(F)の後端部に位置して、各昇降ガイド部材(65)、(65)の下端面(65a)に当接されている。
【0056】
以上の移動構成により、用紙中継搬送手段(9)は、以下の動作を行なうことができる。
この規制手段(53)は、図6(a)に示す状態において、取手部材(59)の上端部(59A)、(59A)を規制空間(K)内の規制回転ローラ(60)、(60)から取外して、図6(b)に示すように、取手部材(59)を第1搬送ユニット(9A)から離間するように回転(傾斜)させると、第2搬送ユニット(9B)の下降移動の規制が解除される。
【0057】
この取手部材(59)の取外し動作に連動して、第1搬送ユニット(9B)は、各昇降ガイド部材(65)、(65)の傾斜形状(67)、(67)が各ガイド回転ローラ(66)、(66)によりガイドされながら、図6に示すように、搬送位置(f)から離間位置(s)まで下降される。
続いて、取手部材(59)を前後方向(F)の前方側へ引張ることにより、図3に示すように、第2搬送ユニット(9B)は内部空間(100)内の離間位置(s)から引出位置(t)まで引出される。
【0058】
図3に示す引出位置(t)にある第2搬送ユニット(9B)は、前後方向(F)の後端側(内部空間100側)への押し込みにより引出位置(t)から離間位置(s)まで移動され、第1搬送ユニット(9A)の内部空間100内に収納される(図2及び図6参照)。
第2搬送ユニット(9B)を、図6(b)に示すように、第1搬送ユニット(9A)の内部空間100内に収納した後、規制手段(53)の取手部材(59)を上方側へ向けて回転し、図6(a)に示すように、取手部材(59)の上端部(59A)、(59A)を規制回転ローラ(60)、(60)に当接して取付けることで、第2搬送ユニット(9B)の下降移動が規制される。
【0059】
この規制手段(59)の規制動作に連動して、取手部材(59)と回転自在に連結された昇降ガイド部材(65)、(65)は、図6に示すように、傾斜形状(67)、(67)をガイド回転ローラ(66)、(66)で案内されながら、第2搬送ユニット(9B)を離間位置(s)から搬送位置(f)まで移動させる。
これにより、第2搬送ユニット(9B)は、第1搬送ユニット(9A)の間で中継用搬送経路(22)を形成するとともに、該第1搬送ユニット(9A)に一体化される。
【0060】
次に、本発明に係る画像形成装置(1)において、紙詰まり用紙の取除き処理を図1〜図6を参照して説明する。
【0061】
図1において、画像形成装置(1)の制御装置(図示せず)は、用紙中継搬送手段(9)で紙詰まりが発生したと判断すると、画像形成装置(1)の利用者等に紙詰まり異常を報知する。この報知に基づいて、利用者等は紙詰まりが用紙中継搬送手段(9)で発生していることを認識する。
【0062】
利用者等は、図6に示すように、規制手段(53)の取手部材(59)を第2搬送ユニット(9B)側に回転して、第2搬送ユニット(9B)の移動規制を解除することで、第2搬送ユニット(9B)を搬送位置(f)から離間位置(s)まで移動させる。続いて、利用者等は、図3及び図6(b)に示すように、取手部材(59)を搬送位置(f)から引出位置(t)に向けて引張る。
これにより、第2搬送ユニット(9B)は、搬送位置(f)、離間位置(s)及び引出位置(t)の順に移動されて、図3に示すように、引出位置(t)において第1搬送ユニット(9A)の一部分と対峙しない状態にされる。
即ち、第2搬送ユニット(9B)は、図3に示すように、第1搬送ユニット(9A)に対して一部分(前後方向Fの前方側)が対峙しておらず、他の一部分(前後方向Fの後端側)が第1搬送ユニット(9A)に対峙している(向き合っている)。
この第2搬送ユニット(9B)の移動は、ガイド手段(51)により案内されるので、第1搬送ユニット(9A)に対して平行移動される。
この状態では、図3に示すように、第2搬送ユニット(9B)がほとんど第1搬送ユニット(9A)から引出されているので、利用者等は、第2搬送ユニット(9B)にある紙詰まり用紙を取除くことができる。
【0063】
紙詰まり用紙を取除いた後、利用者等は、第2搬送ユニット(9B)を引出位置(t)から離間位置(s)に向けて押すと、第2搬送ユニット(9B)は、引出位置(t)から離間位置(s)に至る。続いて、利用者等は、図6に示すように、規制手段(53)の取手部材(59)の上端部(59A)、(59A)を規制ローラ(60)、(60)に当接して取付けると、第2搬送ユニット(9B)は、その移動が規制される。
この規制手段(53)の規制動作に連動して、第2搬送ユニット(9B)は、図6に示すように、昇降ガイド部材(65)、(65)の傾斜形状(67)、(67)とガイド回転ローラ(66)、(66)により案内されながら、離間位置(s)から搬送位置(f)まで上昇されて、第1搬送ユニット(9A)に一体化される。
このとき、第2搬送ユニット(9B)の従動ローラ(30)は、図5に示すように、第1搬送ユニット(9A)の駆動ローラ(29)に当接されて、該第1搬送ユニット(9A)間に中継用搬送経路(22)を形成する。
【0064】
次に、用紙中継搬送手段(9)又は用紙後処理手段(10)に故障が発生した場合における画像形成済用紙の排出方法について説明する。
【0065】
用紙中継搬送手段(9)、又は用紙後処理手段(10)が故障すると、用紙排出手段(8)の後処理用搬送経路(18)から装置本体(2)内部等に画像形成済用紙を排出できなくなる。
【0066】
図1において、画像形成装置(1)の用紙中継搬送手段(9)、用紙後処理手段(10)に故障が発生すると、用紙排出手段(8)からの画像形成済用紙の排出部を確保する必要がある。図3において、用紙中継搬送手段(9)の第2搬送ユニット(9B)は、第1搬送ユニット(9A)から取外し可能にされている。
【0067】
用紙中継搬送手段(9)、又は用紙後処理手段(10)に故障が発生しても、上記で説明した紙詰まり用紙を取除く処理と同一の手順に基づいて、第2搬送ユニット(9B)を第1搬送ユニット(9A)の内部空間(100)から取外す。そうすると、用紙中継搬送手段(9)は、第1搬送ユニット(9A)のみとなり、図7に示すように、中継用搬送経路(22)及び内部空間(100)は、用紙受入手段(4)側で開放される状態となる。
これにより、用紙中継搬送手段(9)から第2搬送ユニット(9B)を取外すと、用紙排出手段(8)の後処理用排出経路(18)からの画像形成済用紙は、用紙中継搬送手段(9)の内部空間(100)から用紙受入手段(4)上に排出される。
従って、用紙中継搬送手段(9)、又は用紙後処理手段(10)に故障が発生しても、第1搬送ユニット(9A)の内部空間(100)から画像形成済用紙を用紙受入手段(4)に排出することができる。
【0068】
次に、本発明に係る画像形成装置(1)の他の実施形態を説明する。
図4において、第2搬送ユニット(9B)は、用紙捕捉手段(54)を備えている。用紙捕捉手段(54)は、図4に示すように、複数のガイド壁(54A)、(54A)で構成され、各ガイド壁(54A)、(54A)は第2搬送ユニット(9B)に設けられている。この各ガイド壁(54A)、(54A)は、前後方向(F)の搬送される用紙の最大幅より後側に配置されている。また、各ガイド壁(54A)、(54A)は、図4に示すように、中継用搬送経路(22)の上方側へ突出する許容空間(22A)、(22B)内に突出している。
これにより、各ガイド壁(54A)、(54A)上側の先端位置は、図4に示すように、第2搬送ユニット(9B)を第1搬送ユニット(9A)内に対峙させた位置(図2参照)においても中継用搬送経路(22)よりも上方に位置(許容空間(22A)、(22B)内に食い込んでいる)ので、第1搬送ユニット(9B)を引出した時に画像形成済用紙を確実に手前に引出すことができる。
これにより、紙詰まり用紙を、中継用搬送経路(22)から確実に取除くことが可能になる。
また、図6に示すように、取手部材(59)を第2搬送ユニット(9B)側に回転して、第2搬送ユニット(9B)の移動規制を解除することで、第2搬送ユニット(9B)を搬送位置(f)から離間位置(s)まで移動させても、各ガイド壁(54A)、(54A)上側の先端位置は、図4に示す中継用搬送ユニット(22)の上方側に位置(許容空間(22A)、(22B)内に存在)する。
これにより、第2搬送ユニット(9B)を第1搬送ユニット(9A)から引出しても、各ガイド壁(54A)、(54A)により紙詰まり画像形成済用紙を確実に引出すことができる。
【0069】
本発明に係る画像形成装置(1)において、第2搬送ユニット(9B)を引出位置(t)まで引出されても、それ以上の引出を規制する手段を設けても良い。尚、第2搬送ユニット(9B)を取外すときは、規制する手段による規制を解除するように構成する。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、用紙排出手段から排出される画像形成済用紙を用紙後処理手段に搬送する用紙中継搬送手段を備えた複写機、プリンタ、FAX等の電子写真方式の画像形成装置やその他の印刷機等に対して好適に利用されるものである。
【符号の説明】
【0071】
1 画像形成装置
2 装置本体
4 用紙受入手段
5 画像形成手段
8 用紙排出手段
9 用紙中継搬送手段
9A 第1搬送ユニット(上側搬送ユニット)
9B 第2搬送ユニット(下側搬送ユニット)
10 用紙後処理手段
17 スイッチバック搬送経路
18 後処理用搬送経路
22 中継用搬送経路
24 搬送ローラ対
29 駆動ローラ
30 従動ローラ
51 第1ガイド手段
52 第2ガイド手段
53 規制手段
54 用紙捕捉手段
54A ガイド壁
59 取手部材
100 内部空間
H 搬送空間
f 搬送位置
s 離間位置
t 引出位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と、前記装置本体に配置され、画像形成手段による画像形成済用紙を排出する用紙排出手段と、前記装置本体に配置され、前記用紙排出手段から排出された画像形成済用紙を搬送する用紙中継搬送手段と、前記装置本体に付設され、前記用紙中継搬送手段から搬送される画像形成済用紙に後処理を施す用紙後処理手段を備えてなる画像形成装置において、
前記用紙中継搬送手段は、
内部空間を有する第1搬送ユニットと、前記第1搬送ユニットに対峙して前記内部空間内に配置され、前記第1搬送ユニットとの間で前記画像形成済用紙を搬送する搬送経路を形成する第2搬送ユニットを備え、
前記第2搬送ユニットは、
前記内部空間内において前記第1搬送ユニットに対して平行移動され、この平行移動に伴って、前記内部空間内から前記装置本体外側に引出されることを可能としたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記用紙中継搬送手段は、前記内部空間内において前記第2搬送ユニットの平行移動を案内するガイド手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記装置本体は、前記用紙排出手段から排出される前記用紙を受入れる用紙受入手段を備え、
前記用紙中継搬送手段は、前記第2搬送ユニットが前記用紙受入手段に対峙して配置されており、
前記第2搬送ユニットは、前記第1搬送ユニットから取外し可能にされているとともに、
前記第1搬送ユニットは、前記第2搬送ユニットの取外しにより、前記内部空間を前記用紙受入手段に開放することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記用紙中継搬送手段は、
前記内部空間内にある前記第2搬送ユニットの移動を規制する規制手段を備え、
前記規制手段は、
前記第2搬送ユニットに設けられ、前記第1搬送ユニットに対して取外し可能に接続される取手部材を有するとともに、
前記第2搬送ユニットは、
前記取手部材の取外しにより規制が解除されて、前記第1搬送ユニットと所定隙間を有する解除位置まで移動されるとともに、続く前記取手部材の引張りにより前記内部空間から前記引出位置まで引出されることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第2搬送ユニットは、
前記内部空間から前記引出位置の移動に伴って、前記搬送経路に存する紙詰まり用紙を捕捉する用紙捕捉手段を有することを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記用紙中継搬送手段は、
前記用紙の搬送経路に配置され、駆動ローラ及び従動ローラで構成される複数の搬送ローラ対を有し、
前記各搬送ローラ対の前記駆動ローラは、前記第1搬送ユニットに回転自在に配置され、前記各搬送ローラ対の前記従動ローラは、前記第2搬送ユニットに回転自在に配置されているとともに、
前記第2搬送ユニットは、
前記取手部材の取外しにより規制が解除されて、前記各搬送ローラ対の駆動ローラと従動ローラ間に所定隙間を有するニップ解除位置まで移動されるとともに、続く前記取手部材の引張りにより前記第1搬送ユニットに対する平行移動によって前記内部空間から前記引出位置まで引出されることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記装置本体は、前記第1搬送ユニットの上方側に前記画像形成済の用紙を搬送できる搬送空間を有し、
前記用紙排出手段は、前記用紙中継搬送手段に画像形成済の用紙を搬送する後処理用排出経路と、前記搬送空間に画像形成済用紙を一時的に退避させるスイッチバック経路を含んでなることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−164495(P2011−164495A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−29548(P2010−29548)
【出願日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】