説明

画像形成装置

【課題】反転搬送又はストレート搬送のいずれの搬送にかかわらず再反転汚れを防止できる。
【解決手段】画像形成装置は搬送される記録媒体上に液滴吐出ヘッドから記録液を吐出して画像を形成し画像形成後記録媒体上の画像形成面を反転して搬送する反転搬送機能と反転せずに搬送するストレート搬送機能を有する。画像形成装置は被押圧部材131と押圧部材132とを含んで構成する排紙搬送手段を有している。押圧手段132は画像形成後の記録媒体の画像形成面側から押える部材で被押圧部材131は押圧部材132に対向して設けられ押圧部材132からの押圧を受ける部材である。搬送反転機能又はストレート搬送機能の搬送機能に応じて押圧部材132の押圧面が記録媒体の画像形成面と接触するように排紙搬送切替手段133によって被押圧手段131と押圧手段132の上下位置を切替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、これらの複合機等の画像形成装置として、例えばインク液滴を吐出する記録ヘッドを用いた液体吐出記録方式の画像形成装置(インクジェット記録装置)が知られている。一般的に、インクジェット記録装置は、印字後の記録媒体を排紙トレイまで搬送する搬送機構を有している。この搬送機構の多くは、記録ヘッドが配列している方向に直交する方向に移動する搬送ベルト部を有している。印字後の記録媒体は、搬送ベルト部によって排紙ローラ対を具備する排紙機構まで搬送され、排紙ローラ対によってニップされて排紙トレイに搬送される。この排紙搬送時では印字後の記録媒体上のインクが未乾燥であり、かつ未乾燥のインクが平滑な排紙ローラと接触してしまうとインクが排紙ローラに付着してしまう。そして、排紙ローラに付着したインクが次用紙の画像面に付着して汚れが発生する。この不具合を防止するために、未乾燥のインク部に接触する接触面積が極めて小さい丸ノコ形状の拍車排紙ローラを用いた排紙機構が多く採用されている。
【0003】
上記拍車排紙ローラを用いた排紙機構の従来例として特許文献1がある。この特許文献1は、上述したように接触面積が極めて小さい上記拍車排紙ローラが印字後の記録媒体の印字面に接触して記録媒体の搬送を行うものである。この特許文献1によれば、記録媒体は記録ヘッドと対向して設けられたプラテンによって平坦状態を保持され、当該記録媒体上に印字されて上記拍車排紙ローラによって排紙トレイまで搬送される。
【0004】
一方、画像形成装置における印刷モードの一つとして、記録媒体の印字面を反転させ、印字面を下方にして排紙する反転搬送処理が行なわれている。このような処理をすることで、逆順になることなく記録媒体を印刷順に並べた状態で排紙トレイに積載できるなどの利点がある。
【0005】
なお、本願において、液体吐出方式の「画像形成装置」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味し、また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与すること(単に液滴を媒体に着弾させること)をも意味する。また、「インク」とは、インクと称されるものに限るものではなく、吐出されるときに液体となるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、DNA試料、レジスト、パターン材料なども含まれる。また、「画像」とは平面的なものに限らず、立体的に形成されたものに付与された画像、また立体自体を3次元的に造形して形成された像も含まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1の構成では、印字後に記録媒体の印字面を反転させてから排紙する反転搬送処理を行った場合上記拍車排紙ローラによって記録媒体を印字面の裏側から押えると印字面が上記プラテンに接することになる。これでは、印字が乱れたり、更にはプラテンが汚れて後続の記録媒体を汚すという転写汚れが生じてしまうという課題がある。
【0007】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的はストレート搬送時又は反転搬送時のいずれの搬送時でも転写汚れが防止できる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、用紙搬送手段によって搬送される記録媒体上に液滴吐出ヘッドから記録液を吐出して画像を形成し、画像形成後上記記録媒体上の画像形成面を反転して搬送する反転搬送機能と反転せずに搬送するストレート搬送機能とを有する画像形成装置において、画像形成後の上記記録媒体の画像形成面側から押える押圧部材と、該押圧部材に対向して設けられ、上記押圧部材からの押圧を受ける被押圧部材とを有する排紙搬送手段と、上記搬送反転機能又は上記ストレート搬送機能のいずれかの搬送機能に応じて上記押圧部材の押圧面が上記記録媒体の画像形成面と接触するように上記排紙搬送手段の上下位置を切替える排紙搬送切替手段とを具備することを特徴とする画像形成装置である。
また、請求項2の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、上記排紙搬送手段を1つの上記押圧部材と1つの上記被押圧部材で構成し、上記排紙搬送切替手段は、上記排紙搬送手段の上下位置を回転可動して切替えることを特徴とするものである。
更に、請求項3の発明は、請求項2記載の画像形成装置において、上記排紙搬送手段の回転動作時に上記排紙搬送部の少なくとも一方の部材をクリーニングするクリーニング手段を具備することを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記押圧部材及び上記被押圧部材のいずれか一方または両方は、ローラ形状をなすことを特徴とするものである。
更に、請求項5の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記押圧部材の上記記録媒体との接触面積は、上記被押圧部材の上記記録媒体との接触面積より小さいことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、上記排紙搬送手段は1つの上記被押圧部材を2つの上記押圧部材で狭持して構成され、上記排紙搬送切替手段によって、画像形成後の記録媒体の画像形成面と上記押圧部材とが接触するように上記排紙搬送手段に形成された2つのニップ部の位置を切替えることを特徴とするものである。
更に、請求項7の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、上記排紙搬送手段は2つの上記被押圧部材を1つの上記押圧部材で狭持して構成され、上記排紙搬送切替手段によって、画像形成後の記録媒体の画像形成面と上記押圧部材とが接触するように上記排紙搬送手段に形成された2つのニップ部の位置を切替えることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項6又は7に記載の画像形成装置において、上記排紙搬送手段は2つの上記ニップ部が上下となるように3つの部材を配置し、上記排紙搬送切替手段は2つの上記ニップ部の上下位置を上下可動して切替えることを特徴とするものである。
更に、請求項9の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、上記排紙搬送手段は、1つのローラ状の上記押圧部材の外周に沿って複数のローラ状の上記被押圧部材を設けて構成されていることを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項9記載の画像形成装置において、上記各被押圧部材のそれぞれの中心軸と、上記押圧部材の中心軸を結んだ線の交わる角度が、上記排紙搬送切替手段によって切り替えられた各部材の位置により異なることを特徴とするものである。
更に、請求項11の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、上記排紙搬送手段は、1つのローラ状の上記被押圧部材の外周に沿って複数のローラ状の上記押圧部材を設けて構成されていることを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項11記載の画像形成装置において、上記各押圧部材のそれぞれの中心軸と、上記被押圧部材の中心軸を結んだ線の交わる角度が、上記排紙搬送切替手段によって切り替えられた各部材の位置により異なることを特徴とするものである。
更に、請求項13の発明は、請求項1〜12のいずれか1項に記載の画像形成装置において、ホストからの画像情報によって吐出量を検出し、当該吐出量に基づいて上記排紙搬送切替手段による切替を制御する制御手段を有することを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項1〜13のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記液滴吐出ヘッドは、上記記録媒体の搬送方向に直交する方向にノズルが並べて配置されたラインヘッドであることを特徴とするものである。
更に、請求項15の発明は、請求項1〜14のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記用紙搬送手段は搬送ベルトであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ストレート搬送時又は反転搬送時のいずれの搬送時でも転写汚れが防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るインクジェット記録装置の構成を示す概略全体側面図である。
【図2】図1の排紙ローラユニットの切替え機構の構成を示す図である。
【図3】図1の排紙ローラユニットの切替えの様子を示す図である。
【図4】拍車排紙従動ローラのクリーニング動作の様子を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係るインクジェット記録装置の構成を示す概略全体側面図である。
【図6】図5の排紙ローラユニットの切替え機構の構成を示す図である。
【図7】排紙ローラユニットの切替え機構の動作時の概略側面図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係るインクジェット記録装置の構成を示す概略全体側面図である。
【図9】図8の排紙ローラユニットの切替え機構の構成を示す図である。
【図10】排紙ローラユニットの切替え機構の動作時の概略側面図である。
【図11】画像面非接触ローラの回動機構の動作時の概略側面図である。
【図12】画像面非接触上ローラの回動機構の別の動作時の概略側面図である。
【図13】第3の実施の形態における画像面非接触ローラの回動機構動作を示すフローチャートである。
【図14】第3の実施の形態における画像面非接触ローラの別の回動機構動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は本発明の第1の実施の形態に係るインクジェット記録装置の構成を示す概略全体側面図である。同図に示すインクジェット記録装置100は、用紙搬送方向に対して直交する方向にノズル列が配列されたライン型の記録ヘッドを複数有している。ノズルから液滴を吐出する記録ヘッドが記録媒体のほぼ全幅にわたりライン構成されている。なお、このライン型の記録ヘッドは全幅にわたってノズルが一列で構成されている構成でも、複数の単位ヘッドを千鳥状に配置して全幅にわたってノズルを配置する構成でもよい。
【0012】
このインクジェット記録装置100は、記録媒体101を積載し給紙する給紙トレイ102、印刷された記録媒体101を積載する排紙トレイ103、記録媒体101を給紙トレイ102から排紙トレイ103まで搬送する搬送ユニット104、及び搬送ユニット104で搬送中に記録媒体101に液滴をノズルから吐出し印刷するヘッドユニット105を含んで構成されている。また、装置本体は図示しない前後側板やステーで構成されており、給紙トレイ102上に積載されている記録媒体101は分離コロ106、給紙コロ107において、1枚ずつ搬送ユニット104へ送られる。
【0013】
そして、搬送ユニット104においては、駆動ローラ108と従動ローラ109、110と吸着ベルト111で構成されている。吸着ベルト111は、駆動ローラ108と従動ローラ109、110に掛け渡されている。吸着ベルト111の表面には複数の吸引孔(図示せず)が形成されている。また、吸着ベルト111の下部には記録媒体101を吸引する吸引ファン112、113と、吸引孔が開けられた従動ローラ110から吸引する吸引ファン114とが設けられている。そして、駆動ローラ108が図示しないモータにより回転することにより、従動ローラ108、109が従動回転し記録媒体101を切替爪115を介してストレート搬送、反転搬送に切替えて搬送する。また、切替爪115においては、回転可能であり図示しないソレノイド等によりストレート印刷時は点線で示す位置に可動し、反転や両面印刷時は実線で示す位置に可動する。
【0014】
次に、印刷モード別に概説すると、印刷モードがストレート印刷である場合、吸着ベルト111上に吸引ファン112で吸着された記録媒体101が搬送されてくると、駆動ローラ116と従動ローラ117のローラ対のうち駆動ローラ116が図示しないモータで回転する。これにより従動ローラ117が従動回転し、駆動ローラ116と従動ローラ117によって、記録媒体101は後述する排紙ローラユニット118に搬送される。排紙ローラユニット118は、排紙駆動ローラと拍車排紙従動ローラのローラ対で構成され、排紙駆動ローラが図示しないモータで回転することにより、拍車排紙従動ローラも従動回転し記録媒体101を排紙トレイ103に搬送する。
【0015】
次に、印刷モードが記録媒体片面印刷の反転搬送モードである場合は、吸着ベルト111上に吸引ファンで吸着搬送された記録媒体101を吸引ファン114により従動ローラ110に吸着して屈曲させ、吸引ファン113により吸着されて反転搬送コロ119と反転搬送拍車コロ120に搬送される。この時、切替爪115により搬送路を下方へ切替え、更に切替爪121は記録媒体進入時に排紙側(実線で示す位置)に設定されているため切替爪121の側面を記録媒体101が搬送される。切替爪121は記録媒体101が通過後給紙側(点線で示す位置)に切り替わり、記録媒体101の搬送経路を駆動ローラ122と従動ローラ123のローラ対のある側へと切替える。
【0016】
ここで、反転搬送拍車コロ120は左右動可能であり図示しないソレノイド等により記録媒体101が駆動ローラ122と従動ローラ123のローラ対にニップされるまでは実線で示す反転搬送コロ119とニップした位置にあり、駆動ローラ122と従動ローラ123のローラ対にニップされた後に点線で示す退避した位置に移動する。反転搬送コロ119と反転搬送拍車コロ120は、互いにニップされた状態で、反転搬送コロ119を図示しないモータにより回転することにより、搬送ユニット104から搬送された記録媒体101をガイド板124の間に搬送する。記録媒体101の後端部が切替爪121から抜けた時点で、反転搬送コロ119は逆回転し駆動ローラ122と従動ローラ123のローラ対に記録媒体を搬送する。記録媒体101が反転搬送コロ119と反転搬送拍車コロ120とにニップされた後は、搬送ユニット104の吸引ファン114は駆動を停止し、搬送ユニット104に再度記録媒体が吸引されないようにする。また、反転搬送コロ119と反転搬送拍車コロ120により記録媒体101が送り込まれる径路には、前述の駆動ローラ122と従動ローラ123のローラ対と駆動ローラ125と従動ローラ126とで構成される別のローラ対が設けられている。更に、駆動ローラ122、125が図示しないモータで回転することにより、従動ローラ123、126が従動回転し記録媒体101を排紙ローラユニット118に搬送する。排紙ローラユニット118においては、排紙駆動ローラと排紙従動ローラのローラ対が構成され、排紙駆動ローラが図示しないモータで回転することにより、排紙従動ローラが従動回転し記録媒体101を排紙トレイ103に搬送する。なお、排紙トレイ103は、記録媒体101の幅方向に規制する対のサイドフェンス127と記録媒体101の先端を規制するエンドフェンス128とを具備し、記録媒体101を積載するトレイである。
【0017】
図2は図1の排紙ローラユニットの切替え機構の構成を示す図である。同図の(a)は概略平面図であり、同図の(b)は概略側面図である。図3は排紙ローラユニットの切替え機構の動作時の概略側面図である。図2に示す排紙ローラユニット118の切替え機構130は、排紙駆動ローラ131と拍車排紙従動ローラ132のローラ対を排紙ローラユニット回転駆動側板ギヤ133に取り付けられている。拍車排紙従動ローラ132は図示しないスプリング等により排紙駆動ローラ131に押し付けられ回転自在に保持されている。排紙駆動ローラ131が取り付けられている排紙駆動ローラ軸134の端部には排紙駆動ローラ駆動ギヤ135が取り付けられており、この排紙駆動ローラ駆動ギヤ135は排紙駆動ローラ回転駆動モータ136により回転駆動する。この排紙駆動ローラ回転駆動モータ136は排紙ローラユニット回転駆動側板ギヤ133に取り付けられている。
【0018】
また、排紙ローラユニット回転駆動側板ギヤ133は排紙ローラユニット回転駆動モータ137により回転駆動される。排紙ローラユニット回転駆動モータ137と排紙ローラユニット回転基準位置検知センサ138は図示しない本体側板に取り付けられている。この排紙ローラユニット回転基準位置検知センサ138により基準位置を検知して排紙ローラユニット回転駆動モータ137を駆動することにより、排紙ローラユニット回転駆動側板ギヤ133を回転し、排紙駆動ローラ131と拍車排紙従動ローラ132のローラ対の上下位置を回転可動とする。
【0019】
このような構成を有する本実施の形態における排紙ローラユニットの切替え機構によれば、ストレート印刷時には、図3の(a)に示すように、拍車排紙従動ローラ132が記録媒体搬送路からみて上方になる位置関係へ可動する。また、反転搬送印刷時には、図3の(b)に示すように、拍車排紙従動ローラ132が記録媒体搬送路からみて下方になる位置関係へ可動する。
【0020】
更に、第1の実施の形態において、図4に示すように、クリーニングローラ139と拍車排紙従動ローラ132が互いに当接する位置に排紙駆動ローラ131又は拍車排紙従動ローラ132を可動することで、クリーニングローラ139によりクリーニングができる。また、クリーニングローラ139を図示しないモータで回転することで、強制的にクリーニングすることも可能である。
【0021】
図5は本発明の第2の実施の形態に係るインクジェット記録装置の構成を示す概略全体側面図である。同図において、図1と同じ参照符号は同じ構成要素を示す。同図に示す第2の実施の形態のインクジェット記録装置において、図1に示す第1の実施の形態のインクジェット記録装置と異なる構成は、排紙ローラユニット118の構成、そして当該排紙ローラユニット118の切替え機構140である。
【0022】
図6は図5の排紙ローラユニットの切替え機構の構成を示す図である。同図の(a)は概略平面図であり、同図の(b)は概略側面図である。図7は排紙ローラユニットの切替え機構の動作時の概略側面図である。図6に示す排紙ローラユニット118の切替え機構140は、排紙駆動ローラ131と拍車排紙従動ローラ132a,132bのローラ対を排紙ローラユニット上下駆動側板ギヤ141に取り付けられており、拍車排紙従動ローラ132a,132bは図示しないスプリング等により排紙駆動ローラ131に押し付けられ回転自在に保持されている。排紙駆動ローラ131が取り付けられている排紙駆動ローラ軸134の端部には排紙駆動ローラ駆動プーリ142が取り付けられている。この排紙駆動ローラ駆動プーリ142は駆動ベルト143を介して排紙駆動ローラ回転駆動モータ136により回転駆動する。駆動ベルト143はアイドラ144、145によりテンション調整が行われている。
【0023】
また、排紙ローラユニット上下駆動側板ギヤ141は排紙ローラユニット上下駆動モータ146により回転駆動される。排紙ローラユニット上下駆動モータ146と排紙ローラユニット上下基準位置検知センサ147は図示しない本体側板に取り付けられている。よって、排紙ローラユニット上下基準位置検知センサ147により基準位置を検知して排紙ローラユニット上下駆動モータ146を駆動することにより排紙ローラユニット上下駆動側板ギヤ141を上下駆動させる。そして、排紙駆動ローラ131と拍車排紙従動ローラ132a,132bのローラ対の上下位置を上下可動とする。この場合、排紙駆動ローラ131の回転方向をストレート搬送時または反転搬送時に応じて変えるものとする。
【0024】
このような構成を有する本実施の形態における排紙ローラユニットの切替え機構によれば、ストレート印刷時には図7の(a)に示すような排紙駆動ローラ131が記録媒体搬送路からみて下方になる位置関係へ可動する。また、反転搬送印刷時には図7の(b)に示すような排紙駆動ローラ131が記録搬送路からみて上方になる位置関係へ可動する。なお、本実施の形態では、排紙ローラユニット118を1つの排紙駆動ローラと2つの排紙従動ローラを有する例であったが、2つの排紙駆動ローラと1つの排紙従動ローラを有する例とすることも可能である。この場合も、排紙駆動ローラによって従動回転する排紙従動ローラの回転方向はストレート搬送時と反転搬送時とで逆となる。
【0025】
図8は本発明の第3の実施の形態に係るインクジェット記録装置の構成を示す概略全体側面図である。同図において、図1と同じ参照符号は同じ構成要素を示す。同図に示す第3の実施の形態のインクジェット記録装置300において、図1に示す第1の実施の形態のインクジェット記録装置100及び図5に示す第2の実施の形態のインクジェット記録装置200と異なる構成要素は、排紙ローラユニット118の構成、そして当該排紙ローラユニット118の切替え機構150である。
【0026】
図9は図8の排紙ローラユニットの切替え機構の構成を示す図である。同図の(a)は概略平面図であり、同図の(b)は概略側面図である。図10は排紙ローラユニットの切替え機構の動作時の概略側面図である。
この排紙ローラユニット118の切替え機構150は、画像面接触ローラ151と画像面非接触上ローラ152a,152b、画像面非接触下ローラ152c,152dのローラ対を排紙ローラユニット上下駆動側板ギヤ153に取り付けられ、画像面非接触上ローラ152a,152b、画像面非接触下ローラ152c,152dは図示しないスプリング等により画像面接触ローラ151に押し付けられ回転自在に保持される。画像面接触ローラ151が取り付けられている画像面接触ローラ軸154の端部には画像面接触ローラ駆動プーリ155が取り付けられている。この画像面接触ローラ駆動プーリ155は駆動ベルト156を介して画像面接触ローラ回転駆動モータ157により回転駆動する。駆動ベルト156はアイドラ158、159によりテンション調整が行われている。また、画像面非接触ローラ152a,152b,152c,152dを画像面接触ローラ軸154を中心として回動させる回動機構(162、164)を有している。
【0027】
また、排紙ローラユニット上下駆動側板ギヤ153は排紙ローラユニット上下駆動モータ160により上下駆動される。更に、排紙ローラユニット上下駆動モータ160と排紙ローラユニット上下基準位置検知センサ161は図示しない本体側板に取り付けられている。よって、排紙ローラユニット上下基準位置検知センサ161により基準位置を検知して排紙ローラユニット上下駆動モータ160を駆動することにより排紙ローラユニット上下駆動側板ギヤ153を介して上下動作を行い、画像面接触ローラ151と画像面非接触上ローラ152a,152b、画像面非接触下ローラ152c,152dのローラ対の上下位置を上下可動とする。この上下可動では、上可動時に画像面接触ローラ駆動プーリ155を駆動する駆動ベルト156はアイドラ158によりテンション調整が行われ、下可動時にはアイドラ159によりテンション調整が行われる。
【0028】
このような構成を有する排紙ローラユニットの切替え機構において、ストレート印刷時は、図10の(a)に示すように画像面非接触下ローラ152c,152dと画像面接触ローラ151のニップ部が一点鎖点で示す搬送経路上になる位置関係へ上下可動する。また、反転搬送印刷時は、図10の(b)に示すように画像面非接触上ローラ152a,152bと画像面接触ローラ151のニップ部が搬送経路上になる位置関係へ上下可動する。
【0029】
図11は画像面非接触ローラの回動機構の動作時の概略側面図である。同図に示すように、画像面非接触ローラ回動機構は、主に、画像面接触ローラ軸154に回転可動に取り付けられている画像面非接触ローラ取付けアーム163a,163bを含んで構成されている。この画像面非接触ローラ取付けアーム163a,163bの両端部には画像面非接触上ローラ152a,152b、画像面非接触下ローラ152c,152dが、図示しないスプリング等により画像面接触ローラ151に押し付けられ回転自在となるように取り付けられている。画像面非接触ローラ取付けアーム163a,163bの上端部に画像面非接触ローラ駆動ギヤ軸164が取り付けられており、この画像面非接触ローラ駆動ギヤ軸164は画像面非接触ローラ回転駆動モータ162により駆動される。画像面非接触ローラ基準位置検知センサ161により基準位置を検知して画像面非接触ローラ回転駆動モータ162を駆動することにより画像面非接触ローラ駆動ギヤ軸164を介して画像面非接触ローラ取付けアーム163a,163bの開閉動作を行う。この開閉動作により、画像面接触ローラ151を中心に画像面非接触上ローラ152a,152b、画像面非接触下ローラ152c,152dのローラの位置を回転可動とする。言い換えれば、この動作は、画像面接触ローラ151の中心軸と画像面非接触上ローラ152a,152b中心軸をそれぞれ結んでなす角度、あるいは画像面接触ローラ151の中心軸と画像面非接触下ローラ152c,152dの中心軸をそれぞれ結んでなす角度を調整するものである。よって、画像面接触ローラ151と画像面非接触上ローラ152a,152bとのニップ部の位置、かつ画像面接触ローラ151と画像面非接触下ローラ152c,152dとのニップ部の位置が、ストレート印字時または反転搬送時における記録媒体搬送路と一致する位置に移動できる。
【0030】
以上のような構成及び動作の画像面非接触下ローラの回動機構によれば、記録媒体のカール(この実施の形態では上方に凸となるカール)がある一定以上のカール状態である時は図11の(a)に示す画像面非接触上ローラ152a,152b、画像面非接触下ローラ152c,152dは画像面接触ローラを中心に開いた状態になる位置関係へ回転可動し、記録媒体のカールがある一定未満のカール状態である時は図11の(b)に示す画像面非接触上ローラ152a,152b、画像面非接触下ローラ152c,152dは画像面接触ローラを中心に閉じた状態になる位置関係へ回転可動する。このような動作により、図11の(a)の場合、記録媒体が画像面接触ローラ151と、画像面非接触下ローラ152c,152dとで形成される2つのニップ部を通過することになる。このとき、記録媒体が2つのニップ部でニップされ、この記録媒体の2つのニップ部の間を上方から画像面接触ローラ151が押さえることになる。よって、画像形成面を汚すことなくカール矯正を行うことができる。
【0031】
図12は画像面非接触上ローラの回動機構の別の動作時の概略側面図である。記録媒体に印字することにより、印字面に凸となるカールが発生する。この記録媒体のカールは、ストレート搬送時では上側に凸となるカールが発生するため、搬送経路(搬送ベルト、ガイド板等)でガイドされ、カールによる用紙浮きは発生しにくいためカール矯正は小さくてよい。一方、反転搬送時には下側に凸となるカールが発生するために搬送ベルト、ガイド板に沿わず浮きが発生しやすくなるためカール矯正は強く行う必要がある。そのために、図12に示すように、上部が外側に開いた形状にした画像面非接触ローラ取付けアーム163a,163bとすることで、反転排紙時にはストレート搬送時よりも強力にカール矯正を行うことができる。
【0032】
図13は第3の実施の形態における画像面非接触ローラの回動機構動作を示すフローチャートである。同図において、先ずコントロールパネルから入力により選定されたストレート搬送と反転搬送に伴う記録媒体の搬送方向を検知する(ステップS101)。その搬送方向が反転搬送であるか否かを判断する(ステップS102)。反転搬送であれば、ホストからの画像情報に基づいて画像による記録液の吐出量を検知する(ステップS102;YES、ステップS103)。その吐出量と第1の閾値と比較する。なお、この第1の閾値は、上述したように反転搬送時の記録媒体のカールはストレート搬送時の記録媒体のカールより大きいため、ストレート搬送時に用いる第2の閾値より大きい値とする。そして、比較した結果、吐出量が第1の閾値より大きいときは画像面非接触上ローラ152aと画像面非接触上ローラ152bの間の距離を特大となる第1の位置になるように画像面非接触上ローラ152aと画像面非接触上ローラ152bを開く(ステップS104;YES、ステップS105)。一方、比較した結果、吐出量が第1の閾値より小さいときであって、同じか否かを判断し、同じのときは画像面非接触上ローラ152aと画像面非接触上ローラ152bの間の距離を大となる第2の位置になるように画像面非接触上ローラ152aと画像面非接触上ローラ152bを開く(ステップS104;NO、ステップS106;YES、ステップS107)。そして、ステップS106で吐出量が第1の閾値より小さいときは画像面非接触上ローラ152aと画像面非接触上ローラ152bの間の距離を中となる第3の位置になるように画像面非接触下ローラ152cと画像面非接触下ローラ152dを開く(ステップS106;NO、ステップS108)。
【0033】
そして、ステップS102で反転搬送でないときはストレート搬送であるか否かを判断し、ストレート搬送であれば、ホストからの画像情報に基づいて画像による記録液の吐出量を検知する(ステップS102;NO、ステップS109;YES、ステップS110)。その吐出量と第2の閾値と比較する。なお、この第2の閾値は、上述したように第1の閾値より小さい値とする。そして、比較した結果、吐出量が第2の閾値より大きいときは画像面非接触下ローラ152cと画像面非接触下ローラ152dの間の距離を大となる前述の第2の位置になるように画像面非接触下ローラ152cと画像面非接触下ローラ152dを開く(ステップS111;YES、ステップS112)。一方、比較した結果、吐出量が第2の閾値より小さいときであって、同じか否かを判断し、同じのときは画像面非接触下ローラ152cと画像面非接触下ローラ152dの間の距離を中となる前述の第3の位置になるように画像面非接触下ローラ152cと画像面非接触下ローラ152dを開く(ステップS111;NO、ステップS113;YES、ステップS114)。そして、ステップS113で吐出量が第2の閾値より小さいときは画像面非接触下ローラ152cと画像面非接触下ローラ152dの間の距離を小となる第4の位置になるように画像面非接触下ローラ152cと画像面非接触下ローラ152dを開く(ステップS113;NO、ステップS115)。なお、ここでは画像面非接触ローラの位置を4段階で制御しているが、これに限るものではなく、ストレート搬送、反転搬送の閾値をそれぞれ複数設けてさらなる多段制御を行ってもよい。また、画像面非接触ローラの位置は、ストレート搬送と反転搬送の場合とで個別に制御し、共通の位置をもたなくてもよい。
【0034】
図14は第3の実施の形態における画像面非接触ローラの別の回動機構動作を示すフローチャートである。同図において、先ずコントロールパネルから入力により選定されたストレート搬送と反転搬送に伴う記録媒体の搬送方向を検知する(ステップS201)。その搬送方向が反転搬送であるか否かを判断する(ステップS202)。反転搬送であれば、ホストからの画像情報に基づいて画像による記録液の吐出量を検知する(ステップS202;YES、ステップS203)。そして、吐出量に対応する画像面非接触上ローラ152aと画像面非接触上ローラ152bの間の距離設定値が記憶されているテーブルを参照して、検出した吐出量に対応する画像面非接触上ローラ152aと画像面非接触上ローラ152bの間の距離設定値になるように、画像面非接触上ローラ152aと画像面非接触上ローラ152bを開く(ステップS204、S205)。一方、ステップS202で反転搬送でないときはストレート搬送であるか否かを判断し、ストレート搬送であれば、ホストからの画像情報に基づいて画像による記録液の吐出量を検知する(ステップS202;YES、ステップS206;YES、ステップS207)。そして、吐出量に対応する画像面非接触下ローラ152cと画像面非接触下ローラ152dの間の距離設定値が記憶されているテーブルを参照して、検出した吐出量に対応する画像面非接触下ローラ152cと画像面非接触下ローラ152dの間の距離設定値になるように、画像面非接触下ローラ152cと画像面非接触下ローラ152dを開く(ステップS208、S209)。
【0035】
このように、図13または図14の画像面非接触ローラの回動機構動作を行うことにより、反転搬送時あるいはストレート搬送時のインクの吐出量に伴って変化する記録媒体のカールに対応して画像面非接触下ローラ152cと画像面非接触下ローラ152dの間の距離を調整することができ、記録媒体との接触圧力を可変することができる。
【0036】
以上説明したように、第1の実施の形態によれば、図1に示すような画像形成装置は画像形成後上記記録媒体上の画像形成面を反転して搬送する反転搬送機能と反転せずに搬送するストレート搬送機能を有している。また、用紙搬送手段によって搬送される記録媒体上に液滴吐出ヘッドから液滴を吐出して画像が形成される。そして、本実施の形態の画像形成装置によれば、画像形成後の記録媒体はいずれかの排紙搬送機能に応じて排紙搬送手段によって排紙トレイまで搬送する。この排紙搬送手段は、図2に示すように、記録媒体との接触面積が大きい搬送駆動ローラ131と、記録媒体との接触面積が小さい拍車従動ローラ132とを含んで構成されている。また、排紙搬送切替手段は、上記ストレート搬送機能又は反転搬送機能のいずれかの搬送機能に応じて、記録媒体との接触面積の小さなローラ132が記録媒体の画像形成面と接触するように上記2つのローラの上下位置を切替えるものである。2つのローラの上下位置を切替える構成は、図2に示すように、各ローラを排紙ローラユニット回転駆動側板ギヤ133に取り付けている。そして排紙ローラユニット回転駆動側板ギア133を回転可動させて2つのローラの上下位置を切替えている。よって、ストレート搬送時又は反転搬送時のいずれの搬送時でも画像形成後の画像形成面に接するローラは接触面積の小さな拍車従動ローラ132とし、画像形成面を汚すことを防止している。なお、2つのローラの回転動作時に少なくとも一方のローラをクリーニングするクリーニング手段139を具備し、排紙ローラユニット回転駆動側板ギア133を回転させていずれかのローラとクリーニング手段139とを接触させて当該ローラのローラ面をクリーニングする。また、記録媒体との接触面積の大きな搬送駆動ローラ131は摩擦係数が大きな材料で形成される。
【0037】
また、第2の実施の形態によれば、図6に示すように、排紙搬送手段は記録媒体との接触面積が異なる3つのローラである排紙駆動ローラ131と拍車排紙従動ローラ132a,132bを備えており、拍車排紙従動ローラ132a,132bで排紙駆動ローラ131を挟持して形成される2つのニップ部のいずれかによって上記印字後の記録媒体をニップして排紙トレイに排紙搬送する。排紙搬送切替手段は、画像形成後の記録媒体の画像形成面と、記録媒体との接触面積の小さな2つの拍車排紙従動ローラ132a、132bと接触するように上記ニップ部の位置を切替える。具体的には、排紙搬送手段は、記録媒体との接触面積の小さな2つの拍車排紙従動ローラ132a、132bと当該ローラに比して記録媒体との接触面積の大きな1つの排紙駆動ローラローラ131を有している。接触面積の大きな排紙駆動ローラ131に対して接触面積の小さな2つの拍車排紙従動ローラ132a、132bがそれぞれ当接することで2つのニップ部が形成される。この2つニップ部のいずれかによって上記印字後の記録媒体をニップして排紙トレイに排紙搬送するが、上記排紙搬送切替手段は印字後の記録媒体の画像形成面と接触するローラが記録媒体との接触面積の小さな拍車排紙従動ローラとなるように、上記ニップ部の位置を切替える。また、排紙搬送手段が記録媒体との接触面積の大きな2つの排紙駆動ローラと当該ローラに比して記録媒体との接触面積の小さな拍車排紙従動ローラを含んで構成される例においても同様に、排紙搬送切替手段は印字後の記録媒体の画像形成面と接触するローラが記録媒体との接触面積の小さな拍車排紙従動ローラとなるように、上記ニップ部の位置を切替える。よって、画像形成後の画像形成面に対向するローラは接触面積の小さな拍車排紙従動ローラとし、画像形成面を汚すことを防止している。なお、排紙搬送切替手段は、2つの上記ニップ部の上下位置を上下可動して切替えるものである
【0038】
更に、第3の実施の形態によれば、図9に示すように、排紙搬送手段は記録媒体との接触面積の小さな画像面接触ローラ151の外周に沿って記録媒体との接触面積の大きな複数の画像面非接触ローラ(画像面非接触上ローラ152a,152b、画像面非接触下ローラ152c,152d)を有している。また、画像面接触ローラ151と画像面非接触ローラのそれぞれとによって形成される各ニップ部によって画像形成後の記録媒体を排紙トレイに排紙搬送する。そして、排紙搬送切替手段は、ニップ部において画像面接触ローラ151が画像形成後の記録媒体の画像形成面と接触するように各ニップ部の位置を切替える。また、画像形成後の記録媒体が、画像面接触ローラ151と少なくとも2つの画像面非接触ローラによって形成される2つのニップ部を通過することで記録媒体が画像面接触ローラ151側に押し込まれることになり、画像形成に伴い発生する記録媒体のカールが矯正され。よって、画像形成後の画像形成面に対向するローラは接触面積の小さなローラとし、画像形成面を汚すことを防止し、かつカール矯正も効果的に行うことができる。
【0039】
更に、図11に示すように、2つの上記画像面接触ローラを上記画像面非接触ローラの外周に沿って設け、上記各画像面接触ローラのそれぞれの中心軸と、上記画面非接触ローラの中心軸を結んだ線の交わる角度が、上記排紙搬送切替手段によって切り替えられた各ローラの位置により異なる。よって、画面非接触ローラと記録媒体との接触圧力を可変でき、カール矯正の強度を変えることができる。
【0040】
また、ホストからの画像情報によって吐出量を算出し、当該吐出量に基づいて上記排紙搬送切替手段による切替を制御する制御手段を有する。よって、反転搬送時あるいはストレート搬送時のインクの吐出量に伴って変化する記録媒体のカールに対応して角度を可変して各ローラを移動させる。よって、記録媒体に吐出される吐出量に応じてカール矯正を調整することができる。
【0041】
更に、液滴吐出ヘッドは、記録媒体の搬送方向に対して直交する方向にノズルが並べて配置されたラインヘッドである。このラインヘッドは、高速印刷に優れているためインクの未乾燥での記録媒体を搬送しなければならない。しかし、本実施の形態の構成を用いることで、インクの未乾燥状態の記録媒体も画像形成面を汚すことなく排紙搬送が可能となる。
【0042】
また、用紙搬送手段は搬送ベルトを用いていることで、高速搬送、高速印刷が可能となる。この搬送ベルトの用紙搬送手段を用いて高速搬送を行った場合インクの未乾燥での記録媒体の搬送を行うことになる。しかし、本実施の形態の構成を用いることで、インクの未乾燥状態の記録媒体も画像形成面を汚すことなく用紙搬送が可能となる。
【符号の説明】
【0043】
100,200,300 インクジェット記録装置
118 排紙搬送ユニット
130,140,150 切替え機構
131 排紙駆動ローラ
132,132a,132b 排紙従動ローラ
133 排紙ローラユニット回転駆動側板ギヤ
134 排紙駆動ローラ軸
135 排紙駆動ローラ駆動ギヤ
136 排紙駆動ローラ回転駆動モータ
137 排紙ローラユニット回転駆動モータ
138 排紙ローラユニット回転基準位置検知センサ
139 クリーニングローラ
151 画像面接触ローラ
152a,152b 画像面非接触上ローラ
152c,152d 画像面非接触下ローラ
153 排紙ローラユニット上下駆動側板ギヤ
161 画像面非接触ローラ基準位置検知センサ
163a,163b 画像面非接触ローラ取付けアーム
163 画像面非接触ローラ駆動ギヤ軸
【先行技術文献】
【特許文献】
【0044】
【特許文献1】特開2007−086720号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙搬送手段によって搬送される記録媒体上に液滴吐出ヘッドから記録液を吐出して画像を形成し、画像形成後上記記録媒体上の画像形成面を反転して搬送する反転搬送機能と反転せずに搬送するストレート搬送機能とを有する画像形成装置において、
画像形成後の上記記録媒体の画像形成面側から押える押圧部材と、該押圧部材に対向して設けられ、上記押圧部材からの押圧を受ける被押圧部材とを有する排紙搬送手段と、
上記搬送反転機能又は上記ストレート搬送機能のいずれかの搬送機能に応じて上記押圧部材の押圧面が上記記録媒体の画像形成面と接触するように上記排紙搬送手段の上下位置を切替える排紙搬送切替手段と
を具備することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置において、
上記排紙搬送手段を1つの上記押圧部材と1つの上記被押圧部材で構成し、上記排紙搬送切替手段は、上記排紙搬送手段の上下位置を回転可動して切替えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2記載の画像形成装置において、
上記排紙搬送手段の回転動作時に上記排紙搬送部の少なくとも一方の部材をクリーニングするクリーニング手段を具備することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記押圧部材及び上記被押圧部材のいずれか一方または両方は、ローラ形状をなすことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記押圧部材の上記記録媒体との接触面積は、上記被押圧部材の上記記録媒体との接触面積より小さいことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1記載の画像形成装置において、
上記排紙搬送手段は1つの上記被押圧部材を2つの上記押圧部材で狭持して構成され、上記排紙搬送切替手段によって、画像形成後の記録媒体の画像形成面と上記押圧部材とが接触するように上記排紙搬送手段に形成された2つのニップ部の位置を切替えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1記載の画像形成装置において、
上記排紙搬送手段は2つの上記被押圧部材を1つの上記押圧部材で狭持して構成され、上記排紙搬送切替手段によって、画像形成後の記録媒体の画像形成面と上記押圧部材とが接触するように上記排紙搬送手段に形成された2つのニップ部の位置を切替えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の画像形成装置において、
上記排紙搬送手段は2つの上記ニップ部が上下となるように3つの部材を配置し、上記排紙搬送切替手段は2つの上記ニップ部の上下位置を上下可動して切替えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1記載の画像形成装置において、
上記排紙搬送手段は、1つのローラ状の上記押圧部材の外周に沿って複数のローラ状の上記被押圧部材を設けて構成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項9記載の画像形成装置において、
上記各被押圧部材のそれぞれの中心軸と、上記押圧部材の中心軸を結んだ線の交わる角度が、上記排紙搬送切替手段によって切り替えられた各部材の位置により異なることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項1記載の画像形成装置において、
上記排紙搬送手段は、1つのローラ状の上記被押圧部材の外周に沿って複数のローラ状の上記押圧部材を設けて構成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項11記載の画像形成装置において、
上記各押圧部材のそれぞれの中心軸と、上記被押圧部材の中心軸を結んだ線の交わる角度が、上記排紙搬送切替手段によって切り替えられた各部材の位置により異なることを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
ホストからの画像情報によって吐出量を検出し、当該吐出量に基づいて上記排紙搬送切替手段による切替を制御する制御手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記液滴吐出ヘッドは、上記記録媒体の搬送方向に直交する方向にノズルが並べて配置されたラインヘッドであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記用紙搬送手段は搬送ベルトであることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−190101(P2011−190101A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−60204(P2010−60204)
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】