説明

画像形成装置

【課題】開閉部材を開いて画像形成装置本体に対してユニットの着脱を行う場合に、当該開閉部材に取付けられた中間転写体への損傷を防止することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置本体と、この画像形成装置本体に開閉可能に設けられた第一の開閉部材と、前記第一の開閉部材の内側に設けられ、前記第一の開閉部材が開かれた際に、当該第一の開閉部材側へ開かれる開位置と前記画像形成装置本体側の閉位置とを移動可能に設けられた構造体と、前記画像形成装置本体の上方に開閉可能に設けられた第二の開閉部材と、前記第二の開閉部材に設けられ、帯状の中間転写体を備えた中間転写装置と、を有し、前記中間転写装置は、前記第一の開閉部材が開かれて且つ前記構造体が閉じられた状態にあって、前記第二の開閉部材が開かれた状態から閉じられる場合に、前記構造体と接触する突起部を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、像担持体の周囲に現像手段や帯電手段が並べて配置された画像形成ユニットが複数配置された画像形成装置において、中間転写部材が像担持体の上部に配置され、本体奥側に回動中心を有する中間転写部材を上面方向に開くことで、上面から画像形成ユニットが露出する状態となり、この画像形成ユニットを上面から画像形成装置の前方方向へ着脱可能な構成を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−139108号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、開閉部材を開いて画像形成装置本体に対してユニットの着脱を行う場合に、当該開閉部材に取付けられた中間転写体への損傷を防止することができる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1に係る本発明は、画像形成装置本体と、この画像形成装置本体に開閉可能に設けられた第一の開閉部材と、前記第一の開閉部材の内側に設けられ、前記第一の開閉部材が開かれた際に、当該第一の開閉部材側へ開かれる開位置と前記画像形成装置本体側の閉位置とを移動可能に設けられた構造体と、前記画像形成装置本体の上方に開閉可能に設けられた第二の開閉部材と、前記第二の開閉部材に設けられ、帯状の中間転写体を備えた中間転写装置と、を有し、前記中間転写装置は、前記第一の開閉部材が開かれて且つ前記構造体が閉じられた状態にあって、前記第二の開閉部材が開かれた状態から閉じられる場合に、前記構造体と接触する突起部を有する画像形成装置である。
【0006】
請求項2に係る本発明は、前記中間転写装置は、前記構造体が閉じられて且つ前記第一の開閉部材が閉じられた状態にあって、前記第二の開閉部材が開かれた状態から閉じられる場合に、前記第一の開閉部材と前記中間転写体とが接触する請求項1記載の画像形成装置である。
【0007】
請求項3に係る本発明は、前記第一の開閉部材が閉じられた状態にあって、前記第二の開閉部材が開かれた状態から閉じられる場合に、前記第一の開閉部材と前記中間転写体は線接触する請求項2記載の画像形成装置である。
【0008】
請求項4に係る本発明は、前記中間転写装置は、対向して配置された一対の側板と、前記側板に支持される複数の回転部材と、前記複数の回転部材に支持された帯状の中間転写体と、を有し、前記突起部は前記側板の下面からそれぞれ突出して形成される請求項1乃至3いずれか記載の画像形成装置である。
【0009】
請求項5に係る本発明は、前記中間転写装置は、前記第一の開閉部材が接触する可能性のある部分には、前記回転部材が配置されない請求項4記載の画像形成装置である。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る本発明によれば、開閉部材を開いて画像形成装置本体に対してユニットの着脱を行う場合に、構造体と中間転写体は接触せず、ユニットの着脱を行う際の中間転写体への損傷を防止することができる画像形成装置を提供することができる。
【0011】
請求項2に係る本発明によれば、請求項1に係る本発明が奏する効果に加えて、本構成を有しない場合と比較して、ユニットの着脱を容易に行うことができる。
【0012】
請求項3に係る本発明によれば、請求項2に係る本発明が奏する効果に加えて、本構成を有しない場合と比較して、ユニットの着脱を行う際の各開閉部材の開閉の順番を誤っても、中間転写体への損傷を防止することができる。
【0013】
請求項4に係る本発明によれば、請求項1乃至3いずれかに係る本発明が奏する効果に加えて、本構成を有しない場合と比較して、簡易な構成で、中間転写体への損傷を防止することができる。
【0014】
請求項5に係る本発明によれば、請求項4に係る本発明が奏する効果に加えて、本構成を有しない場合と比較して、簡易な構成で、中間転写体への損傷を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置を示す断面図である。
【図2】図1に示す画像形成装置の本体に対して前方側開閉部と上方側開閉部が開閉される様子と、該本体内に構造体が収納される様子とを示す側面図である。
【図3】図1に示す画像形成装置が有する中間転写ベルトユニットを示す第1の斜視図である。
【図4】図3に示す中間転写ベルトユニットを示す第2の斜視図である。
【図5】図2に示す画像形成装置の本体に対して、構造体が収納され、上方側開閉部が閉じられる場合の動作を説明する図である。
【図6】図5に示す構造体と中間転写ベルトユニットの接触部周辺を拡大した図である。
【図7】図2に示す画像形成装置の本体に対して、前方側開閉部が閉じられ、上方側開閉部が閉じられる場合の動作を説明する図である。
【図8】図7に示す前方側開閉部と中間転写ベルトの接触部周辺を拡大した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明を実施するための形態を、図面を参照して説明する。
図1には、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置10が示されている。図1に示されるように、画像形成装置10は画像形成装置本体16を有する。
【0017】
画像形成装置本体16には、第一の開閉部材である前方側開閉部18がヒンジ20を用いて画像形成装置本体16に対して前方に開閉することができるように取り付けられている。
【0018】
また、画像形成装置本体16には、第二の開閉部材である上方側開閉部26がヒンジ28を用いて画像形成装置本体16に対して上方に開閉することができるように取り付けられている。
【0019】
前方側開閉部18には、供給用開閉部22が開閉できるように取り付けられている。供給用開閉部22は、通常は図1に示すように前方側開閉部18に対して閉じられている。後述するシート供給装置510に収納されたシートとは異なるシートを用いる際に、供給用開閉部22は前方側開閉部18に対して開かれる。
【0020】
上方側開閉部26は、通常は画像形成装置本体16に対して閉じられている。後述する感光体ユニット200Y、200M、200C、200Bを画像形成装置本体16内に着脱する際に上方側開閉部26は開かれる。上方側開閉部26を開くことに先立ち、前方側開閉部18及び後述する構造体19がヒンジ21を用いて画像形成装置本体16に対して開かれる。
【0021】
前方側開閉部18を画像形成装置本体16に対して閉じる際には、前方側開閉部18を閉じることに先立って、上方側開閉部26が画像形成装置本体16に対して閉じられる。上方側開閉部26は、上側の面が画像の形成されたシートが排出される排出部として用いられる。
【0022】
上方側開閉部26には、副開閉部30が上方側開閉部26に対して開閉することができるように取り付けられている。副開閉部30は上方側開閉部26とは独立して開閉することができ、上方側開閉部26が画像形成装置本体16に対して閉じられた状態で、上方側開閉部26に対して開いた状態とすることができる。副開閉部30は、後述するクリーニング装置96の全部又は一部を画像形成装置本体16内に着脱する際に開かれる。
【0023】
画像形成装置本体16内には、シートに画像を形成する画像形成部40が設けられている。画像形成部40は、例えば4個の感光体ユニット200Y、200M、200C、200Kを有する。
【0024】
感光体ユニット200Y、200M、200C、200Kは、それぞれが像形成構造体として用いられていて、感光体ドラム210Y、210M、210C、210Kをそれぞれが有し、それぞれが画像形成装置本体16内に着脱することができる。感光体ユニット200Y、200M、200C、200Kは、画像形成装置本体16の後側(図1における右側)から順に、感光体ユニット200Y、200M、200C、200Kの順に並べられている。
【0025】
感光体ドラム210Y、210M、210C、210Kは、それぞれが像を保持する像保持体として用いられている。
【0026】
また、画像形成部40は、潜像形成装置として用いられる光書き込み装置44を有する。光書き込み装置44は、感光体ドラム210Y、210M、210C、210Kのそれぞれに対して光を照射して、感光体ドラム210Y、210M、210C、210Kのぞれぞれの表面に潜像を形成する。
【0027】
また、画像形成部40は、現像装置46Y、46M、46C、46Kを有する。現像装置46Yは、収納するイエローのトナーを用いて感光体ドラム210Yに形成された潜像を現像する。現像装置46Mは、収納するマゼンタのトナーを用いて感光体ドラム210Mに形成された潜像を現像する。現像装置46Cは、収納するシアンのトナーを用いて感光体ドラム210Cに形成された潜像を現像する。現像装置46Kは、収納する黒のトナーを用いて感光体ドラム210Kに形成された潜像を現像する。
【0028】
また、画像形成部40は転写装置58を有し、転写装置58は、中間転写装置である中間転写ベルトユニット60及び2次転写装置84を有し、中間転写ベルトユニット60は中間転写体である中間転写ベルト62を有する。
【0029】
中間転写ベルト62は、感光体ドラム210Y、210M、210C、210Kから像(トナー像)が転写される転写体として用いられている。また、中間転写ベルト62は、帯状であって、回転部材である支持ロール64、66、68、70、72に、図1に矢印で示す方向に回転することができるように掛けわたされている。支持ロール70には、後述するギア92を介して後述するモータ90(図3参照)からの駆動が伝達され、モータ90からの駆動の伝達を受けて回転することで、支持ロール70は中間転写ベルト62に駆動を伝達する。
【0030】
また、中間転写ベルトユニット60は、1次転写装置として用いられる1次転写ロール80Y、80M、80C、80Kを有する。1次転写ロール80Y、80M、80C、80Kは、感光体ドラム210Y、210M、210C、210Kの表面にそれぞれが形成されたイエロートナー像、マゼンタのトナー像、シアンのトナー像、黒のトナー像を、中間転写ベルト62に転写する。中間転写ベルトユニット60については、後に説明を加える。
【0031】
2次転写装置84は、2次転写ロール86を有する。2次転写ロール86は、中間転写ベルト62に転写されたイエローのトナー像、マゼンタのトナー像、シアンのトナー像、及び黒のトナー像を、シートに対してさらに転写する。
【0032】
また、転写装置58は、クリーニング装置96を有し、クリーニング装置96は掻き落とし部材98を有する。掻き落とし部材98は、2次転写ロール86でシートに対して各色のトナー像が転写された後に、中間転写ベルト62の表面に残留する各色のトナーを掻き落とす。クリーニング装置96の本体内には、掻き落とし部材98によって掻き落とされたトナーが回収される。クリーニング装置96は、副開閉部30を開くことによって形成される開口部を介して画像形成装置本体16内に着脱することができるようになっている。
【0033】
転写装置58を構成する部材のうち、中間転写ベルトユニット60と、クリーニング装置96とは上方側開閉部26に設けられている。転写装置58のうち、2次転写ロール86は画像形成装置本体16に設けられている。
【0034】
また、画像形成装置本体16内の前方側であって、前方側開閉部18の内側には、2次転写ロール86によってシートに転写されたトナー像をシートに定着する定着装置50を有する構造体19(図2参照)が設けられ、一体として収納されている。また、構造体19は、後述する反転搬送路534を有し、前方側開閉部18をヒンジ20を回転軸として開くことで、反転搬送路534が開放されて、シートのジャムを除去することができる。
【0035】
また、画像形成装置本体16内には、回収容器300が設けられている。回収容器300には、現像装置46Y、46M、46C、46Kから排出された余剰現像剤が回収される。回収容器300は、例えば感光体ユニット200Kと一体となっている。
【0036】
また、画像形成装置本体16内には、画像形成部40にシートを供給するシート供給装置510が装着されている。シート供給装置510は、画像形成装置本体16の前側(図1における左側)に引き出すことができるようになっていて、シート供給装置510を画像形成装置本体16から引き出した状態でシートが補充される。
【0037】
シート供給装置510は、例えば普通紙等のシートを積層した状態で収納するシート収納容器512を有する。また、シート供給装置510は、シート収納容器512に収納された最上位のシートを抽出し、抽出したシートを画像形成部40へ向けて搬送する搬送ロール514を有する。また、シート供給装置510は、シートを捌き、画像形成部40に複数枚のシートが重なった状態で搬送されることを防止するために用いられるリタードロール516を有する。
【0038】
また、画像形成装置本体16内には、シートの搬送に用いられる搬送路530が形成されている。搬送路530は、主搬送路532と、反転搬送路534と、副搬送路536とを有する。
【0039】
主搬送路532は、シート供給装置510から供給されたシートを画像形成部40に搬送し、画像が形成されたシートを画像形成装置本体16外に排出するために用いられる。主搬送路532に沿って、シートが搬送される方向における上流側から順に、先述の搬送ロール514及びリタードロール516と、レジストロール542と、先述の2次転写ロール86と、先述の定着装置50と、排出ロール544とが配置されている。
【0040】
レジストロール542は、シート供給装置510側から搬送されてきたシートの先端部を一時的に停止させ、中間転写ベルト62に各色のトナー像が転写されるタイミングと合致するようにシートを2次転写ロール86に向けて送り出す。
【0041】
排出ロール544は、定着装置50によって各色のトナーが定着されたシートを画像形成装置本体16外に排出する。
【0042】
反転搬送路534は、一方の面にトナー像が定着されたシートを反転させつつ再び画像形成部40に向けて供給するために用いられる搬送路である。反転搬送路534に沿って、例えば2つの反転搬送ロール548、548が配置されている。反転搬送路534には、シートの後端部を挟みこんだ状態で排出ロール544が逆回転することでシートが後端部側から供給され、供給されたシートが反転搬送ロール548、548によって、レジストロール542の上流の位置へと搬送される。
【0043】
副搬送路536は、シート供給装置510に収納されたシートとは異なるシートを画像形成部40に供給するための搬送路である。副搬送路536には、供給用開閉部22を開いた状態で画像形成装置本体16の前側からシートが供給される。副搬送路536に沿って、搬送ロール552とリタードロール554とが設けられている。搬送ロール552は、副搬送路536に供給されシートを画像形成部40に向けて搬送する。リタードロール554は、副搬送路536に供給されたシートを捌き、複数枚のシートが重なった状態でシートが画像形成部40に搬送されることを防止するために用いられる。
【0044】
図2には、前方側開閉部18と上方側開閉部26が画像形成装置本体16に対して開閉される様子と、画像形成装置本体16内の構造体19が収納される様子とが示されている。
図2に示されるように、前方側開閉部18は、ヒンジ20を回転軸として開くことで、搬送路530が開放されて、シートのジャムを除去することができる。また、前方側開閉部18は、構造体19を覆う定着装置カバーでもあり、前方側開閉部18を開くと、定着装置50を内包した構造体19が前方側開閉部18と同方向、すなわち、画像形成装置本体16に対して前方に移動可能に収納されている。
そして、画像形成装置本体16に対して上方側開閉部26を開くと、中間転写ベルトユニット60及びクリーニング装置96が上方側開閉部26とともに移動する。すなわち、中間転写ベルトユニット60及びクリーニング装置96は、画像形成装置本体16に対して上方側開閉部26と一体として開閉される。
【0045】
前方側開閉部18が開かれ、構造体19が前方側開閉部18側へ移動され、上方側開閉部26、中間転写ベルトユニット60及びクリーニング装置96が一体として画像形成装置本体16に対して開かれると、画像形成装置本体16に開口部36が形成される。そして、開口部36を介して、画像形成装置本体16内から感光体ユニット200Y、200M、200C、200Kがそれぞれ着脱される。回収容器300は、先述のように感光体ユニット200Yと一体とされている。このため、回収容器300は、感光体ユニット200と一体して画像形成装置本体16内に着脱される。
尚、前方側開閉部18が開かれるに際しては、上述のヒンジ20を回転軸として開かれるが、前方側開閉部18が開かれた状態でロック機構を用いて固定させることはしない。これは、シートのジャムを除去する際や、感光体ユニット200Y、200M、200C、200Kがそれぞれ着脱させる際、操作者が前方側開閉部18側から操作することがある為、操作性を良くするためである。すなわち、前方側開閉部18が開かれた状態で固定されていると、前方側開閉部18が邪魔になり、シートやユニットまでの距離が遠くなるので、感光体ユニットなど重量があるものを、ある程度腕を伸ばして着脱することとなる。一方、前方側開閉部18が開かれた状態でも固定されていなければ、画像形成装置本体16に寄り近づこうと思って前方側開閉部18に接すると、前方側開閉部18がある程度元に方向へ戻り、より肱を曲げて着脱することができる。特に、一番遠い感光体ユニットなどのユニットを着脱する際や、体の小さい操作者や力が弱い操作者が着脱する際などに、より容易に着脱することができる。
【0046】
図3及び4には、中間転写ベルトユニット60が示されている。
中間転写ベルトユニット60は、右側板102と、右側板102と対向して配置された左側板104と、右側板102及び左側板104を連結する連結部材106とを有する。右側板102、左側板104、及び連結部材106は、中間転写体として用いられる中間転写ベルト62を支持する転写体支持部として用いられている。すなわち、右側板102及び左側板104には、先述の回転部材としての支持ロール64、66、68、70、72(図1参照)が装着されていて、支持ロール64、66、68、70、72を介して、右側板102及び左側板104が中間転写ベルト62を支持している。
【0047】
また、右側板102及び左側板104の下面には、それぞれ鉛直方向下方に突出した突起部105が形成されている。
【0048】
また、右側板102及び左側板104は、先述の1次転写ロール80Y、80M、80C、80K(図1参照)を支持している。
【0049】
また、中間転写ベルトユニット60は、支持ロール70(図1参照)の軸に装着されたギア92を有する。ギア92には駆動源として用いられるモータ90から駆動が伝達され、ギア92に駆動が伝達されることで、支持ロール70が回転し、中間転写ベルト62に駆動が伝達される。
【0050】
また、中間転写ベルトユニット60には、装着部材122Y、122M、122C、122Kを用いて、導光部材120Y、120M、120C、120Kが取り付けられている。導光部材120Y、120M、120C、120Kは、それぞれが、不図示の発光部140、140、140、140から発せされた光を感光体ドラム210Y、210M、210C、210Kに導く。
【0051】
図5は、画像形成装置の本体16に対して、構造体19が収納され、上方側開閉部26が閉じられる場合の動作を説明する図であり、図6は、図5に示す構造体19と中間転写ベルト62の接触部周辺を拡大した図である。
図5及び図6に示されるように、構造体19が収納されてから上方側開閉部26が閉じられると、上方側開閉部26に設けられた中間転写ベルトユニット60の突起部105が構造体19と接触する。すなわち、中間転写ベルト62は定着装置50を内包する構造体19に干渉(接触)せず、中間転写ベルト62に傷をつけたり、定着装置50からの熱により中間転写ベルト62を傷めることが防止される。
【0052】
図7は、画像形成装置の本体16に対して、前方側開閉部18が閉じられてから上方側開閉部26が閉じられる場合の動作を説明する図であり、図8は、図7に示す前方側開閉部18と中間転写ベルト62の接触部周辺を拡大した図である。
図7及び図8に示されるように、前方側開閉部18が閉じられてから上方側開閉部材26が閉じられると、前方側開閉部18と上方側開閉部26に設けられた中間転写ベルトユニット60の中間転写ベルト62が線接触する。すなわち、前方側開閉部18と中間転写ベルト62は線接触をしているため、中間転写ベルト62に対する単位面積当たりの接触圧力が低くなり、傷はつきにくくなり、付いても画質不良になるレベルの傷にはならない。
【0053】
本実施形態においては、図5乃至図8に示されるように、上方側開閉部26を閉じる前に構造体19が収納された場合に、構造体19と中間転写ベルトユニット60の突起部105が接触するため、中間転写ベルト62が構造体19と接触しない。また、さらに前方側開閉部18が閉じられた場合や、前方側開閉部18を閉じられてから上方側開閉部26が閉じられた場合にも、前方側開閉部18と中間転写ベルト62とは線接触し、中間転写ベルト62へ開閉部材が干渉して損傷されるのが防止される。
特に、前述の如く、前方側開閉部18が開かれた状態で当該前方側開閉部18を固定させず、画像形成装置本体16に寄り近づいて前方側開閉部18に接すると、前方側開閉部18がある程度元の方向へ戻る形態の画像形成装置の場合、操作性を良好に保つことと、中間転写ベルト62が損傷されるのを防止することとを、両立した画像形成装置を提供できる。
【0054】
なお、本実施形態においては、中間転写ベルトユニット60の両側板102、104の下面に突起部105を設けた例を説明したが、これに限定されることなく、他の部材に設けてもよい。
【0055】
以上で説明をしたように、本発明は、例えば複写機、プリンタ、ファクシミリ装置等の画像形成装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0056】
10・・・画像形成装置
16・・・画像形成装置本体
18・・・前方側開閉部材(第一の開閉部材)
19・・・構造体
26・・・上方側開閉部材(第二の開閉部材)
50・・・定着装置
60・・・中間転写ベルトユニット
62・・・中間転写ベルト(中間転写体)
64,66,68,70,72・・・支持ロール(回転部材)
102・・・右側板
104・・・左側板
105・・・突起部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置本体と、
この画像形成装置本体に開閉可能に設けられた第一の開閉部材と、
前記第一の開閉部材の内側に設けられ、前記第一の開閉部材が開かれた際に、当該第一の開閉部材側へ開かれる開位置と前記画像形成装置本体側の閉位置とを移動可能に設けられた構造体と、
前記画像形成装置本体の上方に開閉可能に設けられた第二の開閉部材と、
前記第二の開閉部材に設けられ、帯状の中間転写体を備えた中間転写装置と、を有し、
前記中間転写装置は、前記第一の開閉部材が開かれて且つ前記構造体が閉じられた状態にあって、前記第二の開閉部材が開かれた状態から閉じられる場合に、前記構造体と接触する突起部を有する画像形成装置。
【請求項2】
前記中間転写装置は、前記構造体が閉じられて且つ前記第一の開閉部材が閉じられた状態にあって、前記第二の開閉部材が開かれた状態から閉じられる場合に、前記第一の開閉部材と前記中間転写体とが接触する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第一の開閉部材が閉じられた状態にあって、前記第二の開閉部材が開かれた状態から閉じられる場合に、前記第一の開閉部材と前記中間転写体は線接触する請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記中間転写装置は、対向して配置された一対の側板と、前記側板に支持される複数の回転部材と、前記複数の回転部材に支持された帯状の中間転写体と、を有し、前記突起部は前記側板の下面からそれぞれ突出して形成される請求項1乃至3いずれか記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記中間転写装置は、前記第一の開閉部材が接触する可能性のある部分には、前記回転部材が配置されない請求項4記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−191397(P2011−191397A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−55943(P2010−55943)
【出願日】平成22年3月12日(2010.3.12)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】