説明

画像形成装置

【課題】低コスト化や小型化を図ることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】回転可能に複数のローラ部材に張架された中間転写ベルトのおもて面に対向して配設された第一の像担持体上から中間転写ベルト上に一次転写された画像を記録媒体上に二次転写し、二次転写位置よりも記録媒体搬送方向上流側または下流側に設けられた第二の像担持体上に担持された画像を記録媒体上に直接転写する直接転写位置と二次転写位置とを通過するように、回転可能に複数のローラ部材で張架された記録媒体搬送ベルトによって記録媒体を担持搬送する画像形成装置において、中間転写ベルトの駆動源と記録媒体搬送ベルトの駆動源とが同一である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、ファクシミリ、複写機などの画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、黒色を含む複数色の画像をそれぞれの色に対応した像担持体上に形成する複数の画像形成部が設けられた画像形成装置が知られている(特許文献1など)。
【0003】
特許文献1に記載の画像形成装置には、黒色の画像形成部で形成した黒色画像を記録媒体上に直接転写する直接転写位置と、残りの他色の画像形成部から中間転写ベルト上に一次転写された他色画像を中間転写ベルト上から記録媒体上に二次転写する二次転写位置とがある。この二次転写位置は前記直接転写位置よりも記録媒体搬送方向上流側に位置している。中間転写ベルトは複数のローラ部材によって回転可能に張架されており、前記複数のローラ部材の1つである駆動ローラによって中間転写ベルトを回転させる。また、前記二次転写位置と前記直接転写位置とを通過するように記録媒体を担持して搬送する、回転可能に複数のローラ部材で張架された記録媒体搬送ベルトが設けられている。特許文献1に記載の画像形成装置では、前記記録媒体搬送ベルトによって記録媒体を前記二次転写位置と前記直接転写位置とを通過させて、前記二次転写位置から記録媒体上に転写された他色画像と前記直接転写位置から記録媒体上に転写された黒色画像とを記録媒体上で重ね合わせて記録媒体上にフルカラー画像を形成する。また、前記記録媒体搬送ベルトによって記録媒体を担持搬送することで、前記二次転写位置と前記直接転写位置との間の記録媒体搬送経路の変動が抑えられ、前記二次転写位置と前記直接転写位置との間で記録媒体を安定して搬送することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の画像形成装置においては、複数の像担持体、中間転写ベルト、及び、記録媒体搬送ベルトを、駆動源たるモータで駆動するようになっている。かかる構成において、全ての駆動対象をそれぞれ異なるモータで駆動するようにすると、相当数のモータが必要になってコスト高や画像形成装置の大型化を招いてしまうといった問題が生じる。
【0005】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、低コスト化や小型化を図ることができる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、回転可能に複数のローラ部材に張架された中間転写ベルトと、該中間転写ベルトのおもて面に対向して配設された第一の像担持体と、該第一の像担持体上に画像を形成する第一の画像形成手段と、該第一の像担持体上に形成された画像を該中間転写ベルト上に一次転写する一次転写手段と、該中間転写ベルト上に転写された画像を記録媒体上に二次転写する二次転写手段と、該中間転写ベルト上から記録媒体上に画像が二次転写される二次転写位置よりも記録媒体搬送方向上流側または下流側に設けられた第二の像担持体と、該第二の像担持体上に画像を形成する第二の画像形成手段と、該第二の像担持体上に形成された画像を記録媒体上に直接転写する直接転写手段と、前記第二の像担持体上から記録媒体上に画像が直接転写される直接転写位置と前記二次転写位置とを通過するように記録媒体を担持して搬送する、回転可能に複数のローラ部材で張架された記録媒体搬送ベルトと、を備えた画像形成装置において、前記中間転写ベルトの駆動源と前記記録媒体搬送ベルトの駆動源とが同一であることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記中間転写ベルトを張架する複数のローラ部材の1つであり上記駆動源から駆動が伝達され該中間転写ベルトを回転駆動させる中間転写ベルト駆動ローラと、前記中間転写ベルトを張架する複数のローラ部材の1つであり前記中間転写ベルトの回転に従動回転する中間転写ベルト従動ローラと、前記中間転写ベルト従動ローラに設けられ前記中間転写ベルトの回転速度を検出する中間転写ベルト速度検出手段と、前記中間転写ベルト速度検出手段によって検出された検出結果を用いて前記駆動源に対しフィードバック制御するフィードバック制御手段とを有しており、記録媒体搬送ベルト回転方向における前記直接転写位置と前記二次転写位置との間隔が、前記中間転写ベルト駆動ローラの円周長の自然数倍であり、前記中間転写ベルト従動ローラの円周長の自然数倍であることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の画像形成装置において、回転可能に軸支され上記駆動源から上記中間転写ベルト駆動ローラに駆動力を伝達する駆動力伝達部材を有し、記録媒体搬送ベルト回転方向における前記直接転写位置と前記二次転写位置との間隔が、前記駆動力伝達部材の1回転周期の自然数倍であることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記記録媒体搬送ベルトを張架する複数のローラ部材の1つであり上記駆動源から駆動が伝達され該記録媒体搬送ベルトを回転駆動させる記録媒体搬送ベルト駆動ローラと、前記記録媒体搬送ベルトを張架する複数のローラ部材の1つであり該記録媒体搬送ベルトの回転に従動回転する記録媒体搬送ベルト従動ローラと、前記記録媒体搬送ベルト従動ローラに設けられ前記記録媒体搬送ベルトの回転速度を検出する記録媒体搬送ベルト速度検出手段と、前記記録媒体搬送ベルト速度検出手段によって検出された検出結果を用いて前記駆動源に対しフィードバック制御するフィードバック制御手段とを有しており、中間転写ベルト回転方向における上記第一の像担持体上から前記中間転写ベルト上に画像が一次転写される一次転写位置と上記二次転写位置との間隔が、前記記録媒体搬送ベルト駆動ローラの円周長の自然数倍であり、前記記録媒体搬送ベルト従動ローラの円周長の自然数倍であることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の画像形成装置において、回転可能に軸支され上記駆動源から上記記録媒体搬送ベルト駆動ローラに駆動力を伝達する駆動力伝達部材を有し、中間転写ベルト回転方向における上記一次転写位置と上記二次転写位置との間隔が、前記駆動伝達部材の1回転周囲の自然数倍であることを特徴とするものである。
【0007】
本発明においては、中間転写ベルトの駆動源と記録媒体搬送ベルトの駆動源とが同一であることで、中間転写ベルトと記録媒体搬送ベルトそれぞれに対して別個に駆動源を設ける場合よりも画像形成装置内に設けられる駆動源の数を減らすことができる。よって、その分、画像形成装置の低コスト化や小型化を図ることができる。
【発明の効果】
【0008】
以上、本発明によれば、画像形成装置の低コスト化や小型化を図ることができるという
優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】作像断面における駆動配列を示す図。
【図2】実施形態に係るプリンタを示す概略構成図。
【図3】画像形成部分のみを拡大した断面図。
【図4】駆動系のみを取り出した図。
【図5】感光体を駆動するギヤ部の詳細図。
【図6】中間転写ベルト駆動の制御に関して説明図。
【図7】中間転写ユニットにおける回転駆動制御装置の概略構成の一例を示すブロック図。
【図8】(a)中間転写ベルト上における各画像の位置ずれの説明に用いる波形図。(b)記録紙搬送ベルト上における各画像の位置ずれの説明に用いる波形図。(c)Kのトナー像とカラー(Y,M,C)のトナー像との位置ずれの説明に用いる波形図。
【図9】K用の直接転写ニップを二次転写ニップよりも記録紙搬送方向下流側に配置した場合のプリンタの概略構成図。
【図10】感光体11Y,11M,11Cを中間転写ベルトの下方に配置した場合のプリンタの概略構成図。
【図11】中間転写ベルトに対向した画像形成ユニットが単数の場合のプリンタの概略構成図。
【図12】画像形成部分のみを拡大した断面図。
【図13】作像断面における駆動配列を示す図。
【図14】駆動系のみを取り出した図。
【図15】直接転写ユニットにおける回転駆動制御装置の概略構成の一例を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を電子写真方式の画像形成装置であるカラーレーザプリンタ(以下、単にプリンタという)に適用した第1の実施形態について説明する。
【0011】
図2は、実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。図3は、プリンタの画像形成部分の構成を拡大した断面である。
【0012】
プリンタ部は、イエロー,マゼンタ,シアン,黒(以下、Y,M,C,Kと記す)のトナー像を形成するための4つの画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kを有している。また、プリンタ部の中間転写ユニット6は、ベルトループ内側に配設された駆動ローラ8、テンションローラ15、エンコーダローラ201及び、3つの一次転写ローラ26Y,26M,26Cによって水平方向に延在する姿勢で張架された中間転写ベルト12を有している。テンションローラ15は揺動可能に軸支されており、中間転写ベルト内側から外側に向かってスプリング61により付勢されることで中間転写ベルト12に張力を与えている。像担持体としての中間転写ベルト12は、駆動ローラ8の回転駆動によって図中反時計回り方向に無端移動せしめられる。3つの画像形成ユニット1Y,1M,1Cは、中間転写ベルト12の張架面に沿って並ぶように配設されている。
【0013】
画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、ドラム状の感光体11Y,11M,11C,11K、帯電装置(図示省略)、現像装置(図示省略)、及び、ドラムクリーニング装置(図示省略)を1つのユニットとして共通の保持体で保持した状態で、プリンタ部の筐体に対してそれらが一体的に着脱されるようになっている。上記帯電装置は、図示しない駆動手段によって回転駆動される感光体11Y,11M,11C,11Kの周面を、暗中にて、トナーの帯電極性とは逆極性に一様帯電せしめるものである。
【0014】
画像形成ユニット1Y,1M,1Cの上方や画像形成ユニット1Kの左側方には、光書込ユニット2Y,2M,2C,2Kが配設されている。図示しない外部のパーソナルコンピュータから送られてくるカラー画像情報は、図示しない画像処理部でY,M,C,Kの情報に分解された後、プリンタ部内で処理される。光書込ユニット2は、Y,M,C,Kの色分解画像情報に基づいて、周知の技術によって図示しないY,M,C,K用の光源を駆動して、Y,M,C,K用の書込光を生成する。そして、上記帯電装置によって一様帯電せしめられた感光体11Y,11M,11C,11Kの周面を、Y,M,C,K用の書込光で走査する。これにより、感光体11Y,11M,11C,11Kの周面には、Y,M,C,K用の静電潜像が形成される。書込光の光源としては、レーザーダイオードやLEDなどを例示することができる。
感光体11Y,11M,11C,11Kの周面に形成された静電潜像は、トナーとキャリアとからなる2成分現像剤を用いる周知の2成分現像方式を採用した現像装置によって現像されてY,M,C,Kトナー像となる。なお、現像装置として、トナーからなる1成分現像剤を用いる周知の1成分現像方式を採用したものを用いてもよい。
【0015】
4つの感光体のうち、Y,M,C用の感光体11Y,11M,11Cは、中間転写ベルト12に当接してY,M,C用の一次転写ニップを形成している。また、中間転写ベルト12のループ内側には、中間転写ベルト12をY,M,C用の感光体11Y,11M,11Cに向けて押圧する一次転写ローラ26Y,26M,26Cが配設されている。一次転写ローラ26Y,26M,26Cには、それぞれ一次転写バイアスが印加されており、これにより、Y,M,C用の一次転写ニップ内に転写電界が形成される。感光体11Y,11M,11Cの周面に形成されたY,M,Cトナー像は、転写電界やニップ圧の作用によってY,M,C用の一次転写ニップで中間転写ベルト12のおもて面(ループ外側面)に重ね合わせて転写される。これにより、中間転写ベルト12のおもて面には、3色重ね合わせトナー像が形成される。
【0016】
中間転写ベルト12の図中右側方には、直接転写ユニット7が配設されている。この直接転写ユニット7は、無端状の記録紙搬送ベルト13を有している。記録紙搬送ベルト13は、二次転写ローラ9、駆動ローラ14、テンションローラ16、及び、K用の転写ローラ36Kによって縦長の姿勢で張架されながら、駆動ローラ14の回転駆動によって図中時計回り方向に無端移動せしめられる。テンションローラ16は揺動可能に軸支されており、直接転写ベルト内側から外側に向かってスプリング62により付勢されることで記録紙搬送ベルト13に張力を与えている。また、記録紙搬送ベルト13の二次転写ローラ9に対する掛け回し箇所を、中間転写ベルト12における駆動ローラ8に対する駆け回り箇所に当接させて二次転写ニップを形成している。二次転写ローラ9には、二次転写バイアスが印加されており、これにより二次転写ニップ内に転写電界が形成される。また、記録紙搬送ベルト13のK用の転写ローラ36Kに対する掛け回し箇所をK用の感光体11Kに当接させて、K用の直接転写ニップも形成している。転写ローラ36Kにも一次転写ローラ26Y,26M,26Cと同様に転写バイアスが印加されており、これによりK用の直接転写ニップ内に転写電界が形成される。
【0017】
プリンタ部の筺体の下部には、第1給紙カセット3と第2給紙カセット4とが鉛直方向に重なるように配設されている。これら給紙カセットは、内部に収容している記録紙Pを紙搬送路に送り出す。送り出された記録紙Pは、プリンタ部内を鉛直方向に沿って延びる紙搬送路内に配設されたレジストローラ対111に突き当たってスキューが補正された後、レジストローラ対111のローラ間に挟み込まれる。そして、レジストローラ対111により、所定のタイミングで更に上方に向けて送り出される。
【0018】
レジストローラ対111から送り出された記録紙Pは、紙搬送路内に形成された、上述のK用の直接転写ニップとY,M,C用の二次転写ニップとを順次通過する。K用の直接転写ニップを記録紙Pが通過する際に、感光体11Kの周面上のKトナー像が転写電界やニップ圧の作用を受けて記録紙P上に転写せしめられる。更に、その後、記録紙Pが二次転写ニップを通過する際に、記録紙P上に転写されたKトナー像の上に対して、中間転写ベルト12上の3色(Y,M,C)重ね合わせトナー像が転写電界やニップ圧の作用を受けて一括二次転写される。これにより、記録紙Pの表面には、Y,M,C,Kの4色重ね合わせトナー像であるフルカラー画像が形成される。
【0019】
Y,M,C用の一次転写ニップやK用の直接転写ニップを通過した後の感光体11Y,11M,11C,11Kの表面に付着している転写残トナーは、上記ドラムクリーニング装置によって除去される。なお、Y,M,C,K用のドラムクリーニング装置としては、クリーニングブレードによってトナーを掻き取る方式のものでもよいし、ファーブラシローラによってトナーを掻き取る方式や、磁気ブラシクリーニング方式などのものを用いてもよい。
二次転写ニップの上方には、加熱ローラと加圧ローラとの当接によって定着ニップを形成している定着装置10が配設されている。二次転写ニップを通過した記録紙Pは、定着装置10内の定着ニップに送られて、熱と圧力により記録紙P上にフルカラー画像を定着させる定着処理が施される。この後、記録紙Pは排紙路を通り排紙ローラ対30を経由して、プリンタ部筺体の上面に設けられた排紙トレイ31に排出されてスタックされる。
【0020】
本プリンタにおいて、モノクロ画像を形成するモノクロモードでは、図示しない外部のパーソナルコンピュータなどから送られてくるモノクロの画像データに基づいて、光書込ユニット2KによってK用の感光体11Kが光走査され、これによって形成されたK用の静電潜像がK用の現像装置によってKトナー像に現像される。このKトナー像は、K用の直接転写ニップで記録紙P上に直接転写された後、定着装置10で記録紙Pに定着される。
【0021】
モノクロモードにおいては、記録紙搬送ベルト13のループ内の二次転写ローラ9を中間転写ベルト12から遠ざける方向に移動させて、記録紙搬送ベルト13を中間転写ベルト12から離間させる。そして、Y,M,C用の画像形成ユニット1Y,1M,1C及び中間転写ベルト12の駆動を停止させた状態で、モノクロ画像を形成することで、無駄な駆動による、Y,M,C用の画像形成ユニット1Y,1M,1Cや中間転写ベルト12などの消耗を回避し長寿命化を図ることができる。
【0022】
また、中間転写ベルト12を支持する駆動ローラ8を図示しない手段によって変位させ、中間転写ベルト12を記録紙搬送ベルト13に対して接離させる構成としてもよい。この場合、記録紙Pの搬送姿勢を変化させることがないので、記録紙搬送ベルト13と定着装置10との間における記録紙Pの挙動を安定化させることができる。このため、定着装置10から排出された後の記録紙Pにシワや画像の乱れが発生するのを抑制することができる。
【0023】
モノクロモードにおいては、レジストローラ対111からK用の直接転写ニップに送り込まれた記録紙Pに画像形成ユニット1KからKトナー像を直接転写するので、画像形成ユニット1Y,1M,1Cに加えて画像形成ユニット1Kも、中間転写ベルト12の張架面に沿って並ぶように配設され、中間転写ベルト12を介してKトナー像が二次転写ニップで記録紙P上に転写されるような構成よりも、高速プリントを実現することができる。
【0024】
ところで、上記の如く構成されるプリンタでは運搬・設置時の衝撃や、画像形成・紙搬送時の振動、あるいは機内の温度変化など様々な要因によりプリンタの感光体11や光書込ユニット2の光学素子に位置的な変動が生じ、画像の位置ずれが引き起こされる。また感光体11や中間転写ベルト12や記録紙搬送ベルト13などの回転部品の偏心や回転駆動速度変動によっても画像の位置ずれが引き起こされる。
【0025】
画像形成ユニット1を複数備えたプリンタにおいては、各色の画像の相対的な位置ずれは色ずれとなり画像品質の劣化が避けられない。
【0026】
そこで、本実施形態においては、色合わせ調整用のパターン画像をパターン画像検知手段である光学センサ130によって検知して上記色ずれを検出する色ずれ検出制御を所定のタイミングで行う。光学センサ130は、直接転写ニップ及び2次転写ニップよりも直接転写ベルト回転方向下流側に、記録紙搬送ベルト13のおもて面に対向して配置されている。また、記録紙搬送ベルト13を挟んで光学センサ130と対向する光学センサ対向ローラ239が記録紙搬送ベルト13の回転に従動するように設けられている。所定のタイミングとしては、画像形成ユニット交換時などといった速度変動パターンを変化させる操作がなされたとき、高画質プリントモードが選択されている状態でプリント命令がなされたとき、通紙枚数をカウントし所定枚数、例えば200枚カラー通紙されたとき、温度センサを備え所定の温度変化、例えば5deg変化したとき、タイマーを備え前回調整時間から所定時間、例えば6時間経過したとき、などが挙げられる。
【0027】
色ずれ検出制御では、各感光体11Y,11M,11C,11Kをそれぞれ回転させる図示しない各駆動モータを一定速度で回転駆動させ、各感光体11Y,11M,11C,11K上にパターン画像を形成する。そして、感光体11Y,11M,11C,11K上に形成されたY,M,C,Kのパターン画像を、最終的に記録紙搬送ベルト13上に各パターン画像を重ね合わせないで転写する。
【0028】
色合わせ調整用のパターン画像は、各色のパターン画像が記録紙搬送ベルト回転方向(副走査方向)に沿って所定ピッチで並ぶように記録紙搬送ベルト13上に転写される。また、パターン画像として、記録紙搬送ベルト回転方向と直交する水平方向パターン画像と、記録紙搬送ベルト回転方向と45度で交わる斜めパターン画像と、を用いることで、記録紙搬送ベルト回転方向(副走査方向)及び記録紙搬送ベルト回転方向と直交する方向(主走査方向)の検知が可能となる。
【0029】
さらに、記録紙搬送ベルト回転方向(副走査方向)にパターン画像を複数形成することで、記録紙搬送ベルト回転方向(副走査方向)の各色の副走査倍率ずれも検知可能となる。また、記録紙搬送ベルト回転方向と直交する方向(主走査方向)にパターン画像を複数形成することで、記録紙搬送ベルト回転方向と直交する方向(主走査方向)の各色の主走査倍率ずれや曲がり、スキューずれも検知可能となる。さらに、パターン画像検知を複数回繰り返し行い、検知結果を平均することで色合わせ調整精度を向上させるも可能である。
【0030】
ここで、理論的には記録紙搬送ベルト13上にパターン画像を記録紙搬送ベルト回転方向に所定ピッチで並ぶように形成するが、上述の色ずれの要因により、実際の各パターン画像の配設ピッチはその変動に応じた誤差が出てくる。
【0031】
色合わせ調整用のパターン画像は、記録紙搬送ベルト13の回転に伴って光学センサ130の直下を通過する際、光学センサ130によってそれぞれ画像位置が検知される。これにより、各色の色合わせ調整用のパターン画像の検知時間のピッチ誤差が検知される。検知したピッチ誤差から、感光体11に潜像を書込む書込みタイミングを調整することで副走査方向および主走査方向のレジストずれ補正、感光体11を回転駆動させる駆動モータの駆動クロックを調整することで副走査方向のレジストずれ補正、光書込ユニット2内の折り返しミラーを調整することでスキューずれ補正、書込み速度を調整することで主走査方向倍率補正等々を行えばよい。
【0032】
次に、図1や図4などを用いて、中間転写ベルト12及び記録紙搬送ベルト13の駆動系について説明する。
【0033】
図4は作像駆動部の概略構成図である。図1は、図3と図4とを重ね合わせ作像断面における駆動配列を示す図である。
【0034】
上述したように中間転写ベルト12は駆動ローラ8やテンションローラ15などによって張架されており、記録紙搬送ベルト13は二次転写ローラ9、駆動ローラ14及びテンションローラ16などによって張架されている。
【0035】
駆動ローラ8はプリンタ本体に設けられた駆動モータ80を駆動源として、モータ出力軸81からギヤ82に駆動が伝達され、ギヤ82から駆動ローラ8と同軸上の中間転写ベルト駆動ギヤであるギヤ83に駆動が伝達され、ギヤ83から駆動ローラ8に図示しないカップリングによって駆動が伝達される。
【0036】
駆動ローラ14はプリンタ本体に設けられ駆動ローラ8と共用の駆動モータ80を駆動源として、モータ出力軸81から駆動ローラ14と同軸上の記録紙搬送ベルト駆動ギヤであるギヤ84に駆動伝達され、ギヤ84から駆動ローラ14に図示しないカップリングによって駆動が伝達される。
【0037】
二次転写ローラ9及びテンションローラ16は、駆動ローラ14によって回転駆動される記録紙搬送ベルト13の回転に従動して回転する。また、記録紙搬送ベルト13を介してテンションローラ16の対向位置には、図示しない電源から所定電圧が印加され記録紙Pを記録紙搬送ベルト13上に静電的な力によって吸着させる紙吸着ローラ17が配設されている。この紙吸着ローラ17は記録紙搬送ベルト13のおもて面(ループ外側面)に接触しており、記録紙搬送ベルト13の回転に従動して紙吸着ローラ17も回転する。
【0038】
本実施形態のように、中間転写ベルト12を回転駆動させる駆動ローラ8の駆動源と、記録紙搬送ベルト13を回転駆動させる駆動ローラ14の駆動源とが、同一の駆動モータ80であることで、駆動ローラ8と駆動ローラ14それぞれに対して別個に駆動源となる駆動モータを設ける場合よりも、プリンタ内に設けられる駆動モータの数を減らすことができ、その分、プリンタの低コスト化や小型化を図ることができる。
【0039】
次に感光体の駆動系について説明する。図5は、感光体を駆動するギヤ部の詳細図である。
【0040】
感光体11Kは、駆動モータ250を駆動源として、モータ出力軸251から感光体11Kと同軸上のギヤ82Kに駆動が伝達される。ギヤ82Kの先端には、図5(a)に示すようなジョイント部121が形成されており、図示しない感光体11K側ジョイントと嵌合し駆動が伝達される。
【0041】
感光体11Y,11M,11Cは、駆動モータ95を駆動源として、モータ出力軸96から感光体11Cと同軸上のギヤ82Cや感光体11Mと同軸上のギヤ82Mに駆動が伝達される。ギヤ82Cやギヤ82Mの先端には、図5(a)に示すようなジョイント部121が形成されており、それぞれ図示しない感光体11C側ジョイントや感光体11Mジョイントと嵌合し駆動が伝達される。
【0042】
また、ギヤ82Mにはアイドラギヤ99が嵌合しており、アイドラギヤ99から感光体11Yと同軸上のギヤ82Yに駆動が伝達される。ギヤ82Yの先端には、図5(a)に示すようなジョイント部121が形成されており、そのジョイント部121を介してギヤ82Yと図示しない感光体11Y側ジョイントとが嵌合してギヤ82Yから感光体11Yに駆動が伝達される。
【0043】
図5(b)に示すように、感光体11Y,11M,11C,11Kと同軸上のギヤ82Y,82M,82C,82Kには、感光体11Y,11M,11C,11Kの基準位置となるフィラー92があり、フィラー92はギヤ82Y,82M,82C,82Kの半周分だけ、言い換えれば、感光体11Y,11M,11C,11Kの半周分だけ凸形状で形成されている。また、そのフィラー92を検出する位相センサ97が設けられており、駆動時に感光体11の回転方向の位相情報を得ている。なお、位相センサ97としては、所定間隔を空けて対向するように設けられた発光素子と受光素子とからなる光学センサを用いて、発光素子から受光素子に照射された光が、ギヤ82Y,82M,82C,82Kの回転によって発光素子と受光素子との間を通過し得るフィラー92によって遮断されているか否かを検知して、感光体11Y,11M,11C,11Kの回転方向の位相情報を得る構成を採用することができる。
【0044】
次に、中間転写ベルト12の駆動の制御に関して説明する。図6に示すようにエンコーダローラ201の同軸上には、エンコーダローラ201の回転角変位または回転角速度を検出する検出手段であるエンコーダ208が設けられている。なお、エンコーダ208をエンコーダローラ201の同軸上に設けず、エンコーダローラ201と同じく中間転写ベルト12の回転に従動する一次転写ローラ26Y,26M,26Cやテンションローラ15のいずれかの同軸上に設けてもよい。ただ、エンコーダローラ201などと同じく中間転写ベルト12の回転に従動するテンションローラ15は、スプリングによって付勢された状態で揺動可能に軸支されているため付加変動を受け易く、エンコーダ208によるテンションローラ15の回転角変位または回転角速度の測定精度が、一次転写ローラ26Y,26M,26Cなどの他の従動ローラの同軸上にエンコーダを設けた場合よりも低下する。そのため、後述するフィードバック制御を適切に行えない虞があるのでエンコーダ208をテンションローラ15の同軸上に設けるのは好ましくない。
【0045】
図7には中間転写ユニット6における回転駆動制御装置の概略構成の一例を示すブロック図である。フィードバック制御部210は、変位量計測手段であるエンコーダ208からの出力に基づいて得たエンコーダローラ201の回転角変位または回転角速度の検知結果を、駆動ローラ8を回転駆動させる駆動モータ80の回転速度にフィードバックする。具体的には、エンコーダローラ201の回転角変位または回転角速度が予め実験などによって求めておいた制御目標値よりも小さい場合には、偏差演算部209で算出された、エンコーダ208によって検知された回転角変位または回転角速度と前記制御目標値との偏差に応じて駆動モータ80をフィードバック制御部210によってフィードバック制御(加速制御)し駆動モータ80の回転速度を速め、ひいては、駆動ローラ8の回転速度を速める。この一方で、エンコーダローラ201の回転角変位または回転角速度が前記制御目標値よりも大きい場合には、偏差演算部209で算出された前記偏差に応じて駆動モータ80をフィードバック制御部210によってフィードバック制御(減速制御)し駆動モータ80の回転速度を遅め、ひいては、駆動ローラ8の回転速度を遅める。
【0046】
このように、本実施形態では、エンコーダローラ201の同軸上に設けたエンコーダ208からの検出信号に基づいて、エンコーダローラ201の回転角変位または回転角速度が一定に保持されるように駆動ローラ8をフィードバック制御しつつ回転駆動させる。このフィードバック制御により、駆動ローラ8の偏心などによって中間転写ベルト12に発生する駆動ローラ8の1回転周期の速度変動などを抑制することができ、その分、駆動ローラ8によって回転せしめられる中間転写ベルト12の回転速度の安定化を図ることができる。
【0047】
しかしながら、制御上、前記フィードバック制御によって中間転写ベルト12に発生する駆動ローラ8の1回転周期の速度変動は抑制されるが、エンコーダ208が設けられたエンコーダローラ201の偏心などにより中間転写ベルト12に発生するエンコーダローラ201の1回転周期の速度変動は前記フィードバック制御によって抑制されない。すなわち、エンコーダ208が取り付けられたエンコーダローラ201に偏心があると、そのエンコーダローラ201の偏心による速度変動成分が駆動ローラ8の回転速度ひいては中間転写ベルト12の回転速度にフィードバックされて中間転写ベルト12にエンコーダローラ201の偏心による速度変動が生じてしまう。そのため、中間転写ベルト12の回転速度は、エンコーダローラ201の1回転周期の速度変動をもっている。中間転写ベルト12の狙いの速度をV0としエンコーダローラ201の半径をR1とすると(2πR1)/V0周期で速度変動を起こす。それに伴い、同一駆動源である記録紙搬送ベルト13に関しても、(2πR1)/V0周期で速度変動を起こしてしまう。
【0048】
エンコーダローラ201に偏心があったりエンコーダ208の取り付け偏心があったりする場合には、中間転写ベルト12上の3色の画像に理想位置からエンコーダ20の1回転周期の位置ずれが図8(a)に示すように発生する。
【0049】
ここで、本実施形態においては、図3に示した隣り合う感光体11間の距離であるステーションピッチwと、エンコーダローラ201の半径R1との関係が、数1の関係を満たすように設定されている。すなわち、ステーションピッチwがエンコーダローラ201の1回転周期(円周長)の自然数倍に設定されているため、Y,M,C用の一次転写ニップそれぞれにおける中間転写ベルト12の速度変動は、常時同位相での速度変動となる。これにより、中間転写ベルト12に一次転写されたY,M,Cのトナー像に色ずれが発生するのを抑制することができる。
【0050】
【数1】

【0051】
また、本実施形態においては、図3に示したC用の一次転写ニップから中間転写ベルト回転方向下流側に中間転写ベルト12に沿った経路における二次転写ニップまでの距離yと、エンコーダローラ201の半径R1との関係が、数2の関係を満たすように設定されている。
【0052】
【数2】

【0053】
これにより、C用の一次転写ニップと二次転写ニップとの中間転写ベルト12の速度は、常時同位相での速度変動となるため、C用の一次転写ニップと二次転写ニップとでCのトナー像に画像の伸縮が発生するのを抑制することができる。言い換えれば、数2の関係を満たすことで、中間転写ベルト12上でのエンコーダローラ201の1回転周期の位置ずれ成分をスリップトランスファーの作用により、二次転写時にキャンセルすることができる。
【0054】
また、数1と数2との関係を満たすことで、感光体11M,11Yから中間転写ベルト12上に転写されたM,Yのトナー像に関しても、スリップトランスファーのー作用により、エンコーダローラ201の1回転周期の位置ずれ成分を二次転写時にキャンセルすることができる(図8(b)参照)。
【0055】
ここで、記録紙搬送ベルト13の駆動源が中間転写ベルト12の駆動源と同一であるため、エンコーダローラ201の1回転周期の速度変動が記録紙搬送ベルト13の回転速度に生じてしまう。
【0056】
そのため、本実施形態においては、図3に示したK用の直接転写ニップから二次転写ニップまでの距離xと、エンコーダローラ201の半径R1との関係が、数3の関係を満たすように設定されている。
【0057】
【数3】

【0058】
このように、K用の直接転写ニップから二次転写ニップまでの距離xがエンコーダローラ201の円周長の自然数倍に設定されていることで、直接転写ニップにおける記録紙搬送ベルト13の速度変動の位相と二次転写ニップにおける記録紙搬送ベルト13の速度変動の位相とを合わせることができる。これにより、図8(c)に示すように記録紙搬送ベルト13上では、Kのトナー像とカラー(Y,M,C)のトナー像との位置ずれ波形の位相が合い、エンコーダローラ201の1回転周期の速度変動に起因して、Kのトナー像ととカラー(Y,M,C)のトナー像との間に色ずれが生じるのを抑制することができる。
【0059】
また、上述したような駆動ローラ8の1回転周期の速度変動を打ち消すように駆動モータ80に対してフィードバック制御を行うと、駆動ローラ8と駆動源が同一の駆動ローラ14に駆動ローラ8の1回転周期の速度変動が生じ、ひいては、記録紙搬送ベルト13に駆動ローラ8の1回転周期の速度変動が生じる。
【0060】
そのため、本実施形態では、K用の直接転写ニップから二次転写ニップまでの距離xと、駆動ローラ8の半径R2との関係が、数4の関係を満たすように設定されている。
【0061】
【数4】

【0062】
このように、K用の直接転写ニップから二次転写ニップまでの距離xが駆動ローラ8の円周長の自然数倍に設定されていることで、直接転写ニップにおける記録紙搬送ベルト13の速度変動の位相と二次転写ニップにおける記録紙搬送ベルト13の速度変動の位相とを合わせることができる。これにより、記録紙搬送ベルト13上では、Kのトナー像とカラー(Y,M,C)のトナー像との位置ずれ波形の位相が合い、駆動ローラ8の1回転周期の速度変動に起因して、Kのトナー像とカラー(Y,M,C)のトナー像との間に色ずれが生じるのを抑制することができる。
【0063】
また、同様に、上述したようなフィードバック制御をすると、記録紙搬送ベルト13にギヤ82やギヤ83の1回転周期の位置ずれが発生する虞がある。本実施形態においては、K用の直接転写ニップから二次転写ニップまでの距離xと、ギヤ82やギヤ83の1回転分成分が記録紙搬送ベルト13に与える周期R3との関係が、数5の関係を満たすように設定されている。
【0064】
【数5】

【0065】
これにより、記録紙搬送ベルト13上では、Kのトナー像とカラー(Y,M,C)のトナー像との位置ずれ波形の位相が合い、ギヤ82やギヤ83の1回転周期で、Kのトナー像とカラー(Y,M,C)のトナー像との間に色ずれが生じるのを抑制することができる。
【0066】
また、図9に示すようにB用の画像形成ユニット1K、言い換えれば、K用の直接転写ニップを二次転写ニップよりも記録紙搬送方向下流側に配置しても、上述したのと同様に色ずれや画像伸縮などを抑制することができる。
【0067】
本実施形態においては、直接転写ニップと二次転写ニップとを通過するように記録紙Pを記録紙搬送ベルト13によって担持搬送する。これにより、二次転写ニップに対し、直接転写ニップが記録紙搬送方向上流側または下流側のどちらに位置していても、記録紙Pを記録紙搬送ベルト13によって直接転写ニップと二次転写ニップとを通過させることができる。よって、例えば二次転写ニップよりも記録紙搬送方向下流側に直接転写ニップを位置させなければならないといった、プリンタ内のレイアウトの自由度の低下が生じない。
【0068】
また、本実施形態に係るプリンタにおいては、感光体11Y,11M,11Cが中間転写ベルト12よりも上方に位置していたが、図10に示すように感光体11Y,11M,11Cを中間転写ベルト12の下方に位置させてもよい。
【0069】
また、図11に示すように中間転写ベルト12に対向した画像形成ユニット1(感光体11)は単数であっても良い。図7においては、レッド(R)のトナーを用いてトナー像を形成する画像形成ユニット1Rを中間転写ベルト12に対向して配設している。このような構成の場合、ステーションピッチwの項目はなくなるので、上記数1は無視できる。
【0070】
[実施形態2]
以下、本発明を電子写真方式の画像形成装置であるカラーレーザプリンタ(以下、単にプリンタという)に適用した第2の実施形態について説明する。なお、本実施形態に係るプリンタの基本的な構成は、実施形態1に係る画像形成装置と略同じであるので、その説明は省略する。
【0071】
図12に本実施形態に係るプリンタの画像形成部分を拡大した断面図を示す。本実施形態と実施形態1との違いは、フィードバック制御する対象が中間転写ベルト12を回転駆動する駆動ローラ8ではなく記録紙搬送ベルト13を回転駆動させる駆動ローラ14にした点である。
【0072】
図14は作像駆動部の概略構成図であり、図13は作像断面における駆動配列を示す図である。
【0073】
駆動ローラ14はプリンタ本体に設けられた駆動モータ240を駆動源として、モータ出力軸241からギヤ242に駆動が伝達され、ギヤ242から駆動ローラ14と同軸上の記録紙搬送ベルト駆動ギヤであるギヤ243に駆動が伝達され、ギヤ243から駆動ローラ14に図示しないカップリングによって駆動が伝達される。
【0074】
二次転写ローラ9及びテンションローラ16は、駆動ローラ14によって回転駆動される記録紙搬送ベルト13の回転に従動して回転する。また、記録紙搬送ベルト13を介してテンションローラ16の対向位置には、図示しない電源から所定電圧が印加され記録紙Pを記録紙搬送ベルト13上に静電的な力によって吸着させる紙吸着ローラ17が配設されている。この紙吸着ローラ17は記録紙搬送ベルト13のおもて面(ループ外側面)に接触しており、記録紙搬送ベルト13の回転に従動して紙吸着ローラ17も回転する。
【0075】
駆動ローラ8はプリンタ本体に設けられ駆動ローラ14と共用の駆動モータ80を駆動源として、モータ出力軸241から駆動ローラ8と同軸上の中間転写ベルト駆動ギヤであるギヤ244に駆動が伝達され、ギヤ244と駆動ローラ8に図示しないカップリングによって駆動が伝達される。
【0076】
本実施形態のように、中間転写ベルト12を回転駆動させる駆動ローラ8の駆動源と、記録紙搬送ベルト13を回転駆動させる駆動ローラ14の駆動源とが、同一の駆動モータ240であることで、駆動ローラ8と駆動ローラ14それぞれに対して別個に駆動源となる駆動モータを設ける場合よりも、プリンタ内に設けられる駆動モータの数を減らすことができ、その分、プリンタの低コスト化や小型化を図ることができる。
【0077】
次に、記録紙搬送ベルト13の駆動の制御に関して説明する。エンコーダローラ219の同軸上には、エンコーダローラ219の回転角変位または回転角速度を検出する検出手段であるエンコーダ245(図15参照)が設けられている。なお、前記エンコーダをエンコーダローラ219の同軸上に設けず、エンコーダローラ219と同じく記録紙搬送ベルト13の回転に従動する転写ローラ36Kやテンションローラ16や光学センサ対向ローラ239のいずれかの同軸上に設けてもよい。ただ、エンコーダローラ219などと同じく記録紙搬送ベルト13の回転に従動するテンションローラ16は、スプリングによって付勢された状態で揺動可能に軸支されているため付加変動を受け易く、前記エンコーダによるテンションローラ16の回転角変位または回転角速度の測定精度が、転写ローラ36Kなどの他の従動ローラの同軸上にエンコーダを設けた場合よりも低下する。そのため、後述するフィードバック制御を適切に行えない虞があるので前記エンコーダをテンションローラ16の同軸上に設けるのは好ましくない。
【0078】
図15は直接転写ユニット7における回転駆動制御装置の概略構成の一例を示すブロック図である。フィードバック制御部247は、変位量計測手段であるエンコーダ245からの出力に基づいて得たエンコーダローラ219の回転角変位または回転角速度の検知結果を、駆動ローラ14を回転駆動させる駆動モータ240の回転速度にフィードバックする。具体的には、エンコーダローラ219の回転角変位または回転角速度が予め実験などによって求めておいた制御目標値よりも小さい場合には、偏差演算部246で算出された、エンコーダ245によって検知された回転角変位または回転角速度と前記制御目標値との偏差に応じて駆動モータ240をフィードバック制御部247によってフィードバック制御(加速制御)し駆動モータ240の回転速度を速め、ひいては、駆動ローラ14の回転速度を速める。この一方で、エンコーダローラ219の回転角変位または回転角速度が前記制御目標値よりも大きい場合には、偏差演算部246で算出された前記偏差に応じて駆動モータ240をフィードバック制御部247によってフィードバック制御(減速制御)し駆動モータ240の回転速度を遅め、ひいては、駆動ローラ14の回転速度を遅める。
【0079】
このように、本実施形態では、エンコーダローラ219の同軸上に設けたエンコーダ245からの検出信号に基づいて、エンコーダローラ219の回転角変位または回転角速度が一定に保持されるように駆動ローラ14をフィードバック制御しつつ回転駆動させる。このフィードバック制御により、駆動ローラ14の偏心などによって記録紙搬送ベルト13に発生する駆動ローラ14の1回転周期の速度変動などを抑制することができ、その分、駆動ローラ14によって回転せしめられる記録紙搬送ベルト13の回転速度の安定化を図ることができる。
【0080】
しかしながら、制御上、前記フィードバック制御によって記録紙搬送ベルト13に発生する駆動ローラ14の1回転周期の速度変動は抑制されるが、エンコーダ245が設けられたエンコーダローラ219の偏心などにより記録紙搬送ベルト13に発生するエンコーダローラ219の1回転周期の速度変動は前記フィードバック制御によって抑制されない。すなわち、エンコーダ245が取り付けられたエンコーダローラ219に偏心があると、そのエンコーダローラ219の偏心による速度変動成分が駆動ローラ14の回転速度ひいては記録紙搬送ベルト13の回転速度にフィードバックされて、記録紙搬送ベルト13にエンコーダローラ219の偏心による速度変動が生じてしまう。そのため、記録紙搬送ベルト13の回転速度は、エンコーダローラ219の1回転周期の速度変動をもっている。記録紙搬送ベルト13の狙いの速度をV0とし、エンコーダローラ219の半径をR5とすると、(2πR5)/V0周期で速度変動を起こす。それに伴い、同一駆動源である中間転写ベルトに関しても、(2πR5)/V0周期で速度変動を起こしてしまう。よって、記録紙搬送ベルト13のエンコーダローラ219に偏心があったり、エンコーダ245の取り付け偏心があったりする場合には、中間転写ベルト12上にエンコーダローラ219の1回転周期の位置ずれが発生する。
【0081】
ここで、本実施形態においては、図13に示したK用の直接転写ニップから二次転写ニップまでの距離xと、エンコーダローラ219の半径R5との関係が、数6の関係を満たすように設定されている。
【0082】
【数6】

【0083】
このように、K用の直接転写ニップから二次転写ニップまでの距離xがエンコーダローラ219の円周長の自然数倍に設定されていることで、直接転写ニップにおける記録紙搬送ベルト13の速度変動の位相と二次転写ニップにおける記録紙搬送ベルト13の速度変動の位相とを合わせることができる。これにより、記録紙搬送ベルト13上では、Kのトナー像とカラー(Y,M,C)のトナー像との位置ずれ波形の位相が合い、エンコーダローラ219の1回転周期の速度変動に起因して、Kのトナー像とカラー(Y,M,C)のトナー像との間に色ずれが生じるのを抑制することができる。
【0084】
ここで、中間転写ベルト12の駆動源が記録紙搬送ベルト13の駆動源と同一であるため、上述したようなフィードバック制御を行うとエンコーダローラ219の1回転周期の速度変動が中間転写ベルト12の回転速度に生じてしまう。
【0085】
本実施形態においては、図13に示した隣り合う感光体間の距離であるステーションピッチwと、エンコーダローラ219の半径R5との関係が、数7の関係を満たすように設定されている。すなわち、ステーションピッチwがエンコーダローラ201の1回転周期(円周長)の自然数倍に設定されているため、Y,M,C用の一次転写ニップそれぞれにおける中間転写ベルト12の速度変動は、常時同位相での速度変動となる。これにより、中間転写ベルト12に一次転写されたY,M,Cのトナー像に色ずれが発生するのを抑制することができる。
【0086】
【数7】

【0087】
また、本実施形態においては、図13に示したC用の一次転写ニップから中間転写ベルト回転方向下流側に中間転写ベルト12に沿った経路における二次転写ニップまでの距離yと、エンコーダローラ219の半径R5との関係が、数8の関係を満たすように設定されている。
【0088】
【数8】

【0089】
これにより、C用の一次転写ニップと二次転写ニップとの中間転写ベルト12の速度は、常時同位相での速度変動となるため、C用の一次転写ニップと二次転写ニップとでCのトナー像に画像の伸縮が発生するのを抑制することができる。言い換えれば、数8の関係を満たすことで、中間転写ベルト12上でのエンコーダローラ219の1回転周期の位置ずれ成分をスリップトランスファーの作用により、二次転写時にキャンセルすることができる。
【0090】
また、数7と数8との関係を満たすことで、感光体11M,11Yから中間転写ベルト12上に転写されたM,Yのトナー像に関しても、スリップトランスファーのー作用により、エンコーダローラ219の1回転周期の位置ずれ成分を二次転写時にキャンセルすることができる。
【0091】
また、上述したような駆動ローラ14の1回転周期の速度変動を打ち消すように駆動モータ240に対してフィードバック制御を行うと、駆動ローラ14と駆動源が同一である駆動ローラ8に駆動ローラ14の1回転周期の速度変動が生じ、ひいては、中間転写ベルト12に駆動ローラ14の1回転周期の速度変動が生じる。
【0092】
そのため、本実施形態では、C用の一次転写ニップから中間転写ベルト回転方向下流側に中間転写ベルト12に沿った経路における二次転写ニップまでの距離yと、駆動ローラ14の半径R4との関係が、数9の関係を満たすように設定されている。
【0093】
【数9】

【0094】
これにより、C用の一次転写ニップと二次転写ニップとの中間転写ベルト12の速度は、常時同位相での速度変動となるため、C用の一次転写ニップと二次転写ニップとでCのトナー像に画像の伸縮が発生するのを抑制することができる。言い換えれば、数9の関係を満たすことで、中間転写ベルト12上での駆動ローラ14の1回転周期の位置ずれ成分をスリップトランスファーの作用により、二次転写時にキャンセルすることができる。
【0095】
また、同様に、上述したようなフィードバック制御をすると、中間転写ベルト12にギヤ242やギヤ243の1回転周期の位置ずれが発生する虞がある。本実施形態においては、C用の一次転写ニップから中間転写ベルト回転方向下流側に中間転写ベルト12に沿った経路における二次転写ニップまでの距離yと、ギヤ242やギヤ243の1回転分成分が中間転写ベルト12に与える周期R6との関係が、数10の関係を満たすように設定されている。
【0096】
【数10】

【0097】
これにより、中間転写ベルト12に生じたギヤ242やギヤ243の1回周期の速度変動が、C用の一次転写ニップと二次転写ニップとで常時同位相での速度変動となるため、C用の一次転写ニップと二次転写ニップとでCのトナー像に画像の伸縮が発生するのを抑制することができる。言い換えれば、数10の関係を満たすことで、中間転写ベルト12上での駆動ローラ14の1回転周期の位置ずれ成分をスリップトランスファーの作用により、二次転写時にキャンセルすることができる。
【0098】
また、K画像形成ユニット1K、言い換えれば、K用の直接転写ニップを二次転写ニップよりも記録紙搬送方向下流側に配置しても、上述したのと同様に色ずれや画像伸縮などを抑制することができる。
【0099】
本実施形態においては、直接転写ニップと二次転写ニップとを通過するように記録紙Pを記録紙搬送ベルト13によって担持搬送する。これにより、二次転写ニップに対し、直接転写ニップが記録紙搬送方向上流側または下流側のどちらに位置していても、記録紙Pを記録紙搬送ベルト13によって直接転写ニップと二次転写ニップとを通過させることができる。よって、例えば二次転写ニップよりも記録紙搬送方向下流側に直接転写ニップを位置させなければならないといった、プリンタ内のレイアウトの自由度の低下が生じない。
【0100】
また、本実施形態に係るプリンタにおいては、感光体11Y,11M,11Cが中間転写ベルト12よりも上方に位置していたが、感光体11Y,11M,11Cを中間転写ベルト12の下方に位置させてもよい。また、中間転写ベルト12に対向した画像形成ユニット1(感光体11)は単数であっても良い。この場合、ステーションピッチwの項目はなくなるので、上記数7は無視できる。
【0101】
以上、各実施形態においては、回転可能に複数のローラ部材に張架された中間転写ベルト12と、中間転写ベルト12のおもて面に対向して配設された第一の像担持体である感光体11Y,11M,11Cと、感光体11Y,11M,11C上に画像を形成する第一の画像形成手段である画像形成ユニット1Y,1M,1Cと、感光体11Y,11M,11C上に形成された画像を中間転写ベルト12上に一次転写する一次転写手段である一次転写ローラ26Y,26M,26Cと、中間転写ベルト12上に転写された画像を記録媒体である記録紙P上に二次転写する二次転写手段である二次転写ローラ9と、中間転写ベルト12上から記録紙P上に画像が二次転写される二次転写位置よりも記録紙搬送方向上流側または下流側に設けられた第二の像担持体である感光体11Kと、感光体11K上に画像を形成する第二の画像形成手段で画像形成ユニット1Kと、感光体11K上に形成された画像を記録紙P上に直接転写する直接転写手段である転写ローラ36Kと、感光体11K上から記録紙P上に画像が直接転写される直接転写位置と前記二次転写位置とを通過するように記録紙Pを担持して搬送する、回転可能に複数のローラ部材で張架された記録媒体搬送ベルトである記録紙搬送ベルト13と、を備えた画像形成装置において、中間転写ベルト12の駆動源と記録紙搬送ベルト13の駆動源とが同一である。これにより、中間転写ベルト12と記録紙搬送ベルト13それぞれに対して別個に駆動源である駆動モータを設ける場合よりも画像形成装置内に設けられる駆動モータの数を減らすことができる。よって、その分、画像形成装置の低コスト化や小型化を図ることができる。
また、実施形態1によれば、中間転写ベルト12を張架する複数のローラ部材の1つであり上記駆動源である駆動モータ80から駆動が伝達され中間転写ベルト12を回転駆動させる中間転写ベルト駆動ローラである駆動ローラ8と、中間転写ベルト12を張架する複数のローラ部材の1つであり中間転写ベルト12の回転に従動回転する中間転写ベルト従動ローラであるエンコーダローラ201と、エンコーダローラ201に設けられ中間転写ベルト12の回転速度を検出する中間転写ベルト速度検出手段であるエンコーダ208と、エンコーダ208によって検出された検出結果を用いて駆動モータ80に対しフィードバック制御するフィードバック制御手段であるフィードバック制御部210とを有しており、記録紙搬送ベルト回転方向における前記直接転写位置と前記二次転写位置との間隔が、駆動ローラ8の円周長の自然数倍であり、エンコーダローラ201の円周長の自然数倍である。これにより、上述したように駆動ローラ8やエンコーダローラ201の1回転周期に起因する記録紙搬送ベルト13の速度変動の位相を直接転写位置と2次転写位置とで同じにすることができる。したがって、記録紙搬送ベルト13に担持された記録紙P上に転写されたY,M,C,Kトナー像間で、駆動ローラ8やエンコーダローラ201の1回転周期の色ずれが生じるのを抑制することができる。
また、実施形態1によれば、回転可能に軸支され駆動モータ80から駆動ローラ8に駆動力を伝達する駆動力伝達部材であるギヤ82やギヤ83を有し、記録紙搬送ベルト回転方向における前記直接転写位置と前記二次転写位置との間隔が、ギヤ82やギヤ83の1回転周期の自然数倍である。これにより、上述したようにギヤ82やギヤ83の1回転周期で生じる記録紙搬送ベルト13の速度変動の位相を直接転写位置と2次転写位置とで同じにすることができる。したがって、記録紙搬送ベルト13に担持された記録紙P上に転写されたY,M,C,Kトナー像間で、ギヤ82やギヤ83の1回転周期の色ずれが生じるのを抑制することができる。
また、実施形態2によれば、記録紙搬送ベルト13を張架する複数のローラ部材の1つであり上記駆動源である駆動モータ240から駆動が伝達され記録紙搬送ベルト13を回転駆動させる記録媒体搬送ベルト駆動ローラである駆動ローラ14と、記録紙搬送ベルト13を張架する複数のローラ部材の1つであり記録紙搬送ベルト13の回転に従動回転する記録媒体搬送ベルト従動ローラであるエンコーダローラ219と、エンコーダローラ219に設けられ記録紙搬送ベルト13の回転速度を検出する記録媒体搬送ベルト速度検出手段であるエンコーダ245と、エンコーダ245によって検出された検出結果を用いて駆動モータ240に対しフィードバック制御するフィードバック制御手段であるフィードバック制御部247とを有しており、中間転写ベルト回転方向における感光体11Y,11M,11C上から中間転写ベルト12上に画像が一次転写される一次転写位置と前記二次転写位置との間隔が、駆動ローラ14の円周長の自然数倍であり、エンコーダローラ219の円周長の自然数倍である。これにより、上述したように駆動ローラ14やエンコーダローラ219の1回転周期に起因する中間転写ベルト12の速度変動の位相を前記一次転写位置と前記2次転写位置とで同じにすることができる。したがって、駆動ローラ14やエンコーダローラ219の1回転周期に起因する、Y,M,Cそれぞれの一次転写ニップと二次転写ニップとの中間転写ベルト12の速度変動は、常時同位相での速度変動となるため、前記一次転写ニップと前記二次転写ニップとでY,M,Cのトナー像に画像の伸縮が発生するのを抑制することができる。言い換えれば、中間転写ベルト12上での駆動ローラ14やエンコーダローラ219の1回転周期の位置ずれ成分をスリップトランスファーの作用により、二次転写時にキャンセルすることができる。
また、実施形態2によれば、回転可能に軸支され駆動モータ240から駆動ローラ14に駆動力を伝達する駆動力伝達部材であるギヤ242やギヤ243を有し、中間転写ベルト回転方向における前記一次転写位置と前記二次転写位置との間隔が、ギヤ242やギヤ243の1回転周期の自然数倍である。これにより、上述したようにギヤ242やギヤ243の1回転周期で生じる中間転写ベルト12の速度変動の位相を前記一次転写位置と前記2次転写位置とで同じにすることができる。したがって、ギヤ242やギヤ243の1回転周期で生じる、Y,M,Cそれぞれの一次転写ニップと二次転写ニップとの中間転写ベルト12の速度変動は、常時同位相での速度変動となるため、前記一次転写ニップと前記二次転写ニップとでY,M,Cのトナー像に画像の伸縮が発生するのを抑制することができる。言い換えれば、中間転写ベルト12上でのギヤ242やギヤ243の1回転周期の位置ずれ成分をスリップトランスファーの作用により、二次転写時にキャンセルすることができる。
【符号の説明】
【0102】
1 画像形成ユニット
2 光書込ユニット
3 給紙カセット
4 給紙カセット
6 中間転写ユニット
7 直接転写ユニット
8 駆動ローラ
9 二次転写ローラ
10 定着装置
11 感光体
12 中間転写ベルト
13 記録紙搬送ベルト
14 駆動ローラ
15 テンションローラ
16 テンションローラ
17 紙吸着ローラ
26 一次転写ローラ
30 排紙ローラ対
31 排紙トレイ
36K 転写ローラ
61 スプリング
62 スプリング
80 駆動モータ
81 モータ出力軸
82 ギヤ
83 ギヤ
84 ギヤ
92 フィラー
95 駆動モータ
96 モータ出力軸
97 位相センサ
99 アイドラギヤ
111 レジストローラ対
121 ジョイント部
201 エンコーダローラ
208 エンコーダ
209 偏差演算部
210 フィードバック制御部
219 エンコーダローラ
239 光学センサ対向ローラ
240 駆動モータ
241 モータ出力軸
242 ギヤ
243 ギヤ
244 ギヤ
245 エンコーダ
246 偏差演算部
247 フィードバック制御部
250 駆動モータ
251 モータ出力軸
【先行技術文献】
【特許文献】
【0103】
【特許文献1】特開2006−201743号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能に複数のローラ部材に張架された中間転写ベルトと、
該中間転写ベルトのおもて面に対向して配設された第一の像担持体と、
該第一の像担持体上に画像を形成する第一の画像形成手段と、
該第一の像担持体上に形成された画像を該中間転写ベルト上に一次転写する一次転写手段と、
該中間転写ベルト上に転写された画像を記録媒体上に二次転写する二次転写手段と、
該中間転写ベルト上から記録媒体上に画像が二次転写される二次転写位置よりも記録媒体搬送方向上流側または下流側に設けられた第二の像担持体と、
該第二の像担持体上に画像を形成する第二の画像形成手段と、
該第二の像担持体上に形成された画像を記録媒体上に直接転写する直接転写手段と、
前記第二の像担持体上から記録媒体上に画像が直接転写される直接転写位置と前記二次転写位置とを通過するように記録媒体を担持して搬送する、回転可能に複数のローラ部材で張架された記録媒体搬送ベルトと、を備えた画像形成装置において、
前記中間転写ベルトの駆動源と前記記録媒体搬送ベルトの駆動源とが同一であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の画像形成装置において、
上記中間転写ベルトを張架する複数のローラ部材の1つであり上記駆動源から駆動が伝達され該中間転写ベルトを回転駆動させる中間転写ベルト駆動ローラと、
前記中間転写ベルトを張架する複数のローラ部材の1つであり前記中間転写ベルトの回転に従動回転する中間転写ベルト従動ローラと、
前記中間転写ベルト従動ローラに設けられ前記中間転写ベルトの回転速度を検出する中間転写ベルト速度検出手段と、
前記中間転写ベルト速度検出手段によって検出された検出結果を用いて前記駆動源に対しフィードバック制御するフィードバック制御手段とを有しており、
記録媒体搬送ベルト回転方向における前記直接転写位置と前記二次転写位置との間隔が、前記中間転写ベルト駆動ローラの円周長の自然数倍であり、前記中間転写ベルト従動ローラの円周長の自然数倍であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2の画像形成装置において、
回転可能に軸支され上記駆動源から上記中間転写ベルト駆動ローラに駆動力を伝達する駆動力伝達部材を有し、
記録媒体搬送ベルト回転方向における前記直接転写位置と前記二次転写位置との間隔が、前記駆動力伝達部材の1回転周期の自然数倍であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1の画像形成装置において、
上記記録媒体搬送ベルトを張架する複数のローラ部材の1つであり上記駆動源から駆動が伝達され該記録媒体搬送ベルトを回転駆動させる記録媒体搬送ベルト駆動ローラと、
前記記録媒体搬送ベルトを張架する複数のローラ部材の1つであり該記録媒体搬送ベルトの回転に従動回転する記録媒体搬送ベルト従動ローラと、
前記記録媒体搬送ベルト従動ローラに設けられ前記記録媒体搬送ベルトの回転速度を検出する記録媒体搬送ベルト速度検出手段と、
前記記録媒体搬送ベルト速度検出手段によって検出された検出結果を用いて前記駆動源に対しフィードバック制御するフィードバック制御手段とを有しており、
中間転写ベルト回転方向における上記第一の像担持体上から前記中間転写ベルト上に画像が一次転写される一次転写位置と上記二次転写位置との間隔が、前記記録媒体搬送ベルト駆動ローラの円周長の自然数倍であり、前記記録媒体搬送ベルト従動ローラの円周長の自然数倍であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4の画像形成装置において、
回転可能に軸支され上記駆動源から上記記録媒体搬送ベルト駆動ローラに駆動力を伝達する駆動力伝達部材を有し、
中間転写ベルト回転方向における上記一次転写位置と上記二次転写位置との間隔が、前記駆動伝達部材の1回転周期の自然数倍であることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−197068(P2011−197068A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−60782(P2010−60782)
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】