説明

画像形成装置

【課題】複数枚の用紙に形成されたカラーパッチにより画像データの濃度補正を行う際、適切な濃度補正を実現可能とすることである。
【解決手段】複数枚の用紙にカラーパッチを形成し、当該形成されたカラーパッチに基づいて、ジョブデータに含まれる画像データの濃度補正を実行する画像形成装置1において、用紙を給紙するための給紙トレイと、画像形成処理の実行時に使用している給紙トレイ内の用紙の残量枚数を検知し、当該検知された残量枚数がカラーパッチの形成に必要な枚数以下であるか否かを判別し、残量枚数がカラーパッチの形成に必要な枚数以下であると判別された場合は、カラーパッチを用紙に形成させないCPU11と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複写機やプリンタ等の画像形成装置では、用紙への画像形成を一定レベルに保つため、パッチ画像を形成し、当該形成されたパッチ画像をセンサで検出して、画像データの階調の補正を行うものがある。
【0003】
例えば、用紙上にカラー画像を形成する画像形成装置では、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の単色のパッチ画像であるカラーパッチやCMY混色のパッチ画像であるカラーパッチを形成し、そのカラーパッチをセンサで検出し、検出された結果に基づいて画像データの階調補正、すなわち濃度補正を行っている。
【0004】
カラーパッチを用いて画像データの濃度補正を行う技術としては、濃度補正を実行中に、所定のエラーが発生するとエラー処理を行い、再度濃度補正を再開する際に、所定のエラーの発生前に検知を終了したカラーパッチについてはカラーパッチの形成及び検知を行わずに、濃度補正を再開する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−132049号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のようにカラーパッチを用いて画像データの濃度補正を行う場合、複数の用紙にカラーパッチを形成させるときがある。このとき、カラーパッチの形成の途中で給紙トレイ内の用紙がなくなってしまうことも考えられる。この場合、カラーパッチの形成動作を一旦停止し、ユーザにより用紙が給紙トレイに補給された後に、補給された用紙に再度カラーパッチの続きを形成させるといった処理が行われる。
また、その他の手法として、カラーパッチの形成の途中で給紙トレイ内の用紙がなくなると、種類が同一条件の用紙が格納されている別の給紙トレイへの切り替え処理を行い、切り替えられた給紙トレイから給紙された用紙に再度カラーパッチの続きを形成させる場合もある。
【0007】
用紙を補給して再度カラーパッチを形成させる場合、又は切り替えられた給紙トレイにより給紙された用紙に再度カラーパッチを形成させる場合のいずれの場合においても、用紙がなくなる前又は給紙トレイの切り替えが行われる前に給紙されていた用紙とはロット、すなわち用紙の製造単位が異なる用紙となる。用紙はロットが異なると、多少の色の違いが生じる場合がある。このため、ロットが異なる用紙に跨ってカラーパッチの形成が行われると、多少の色の違いがある用紙にカラーパッチが形成され得る。そうすると、高い精度で一定レベルの画像形成処理が要求されるプロダクション・プリンティング(商用印刷や企業内での大量印刷)向けの画像形成装置においては、画像濃度を一定レベルに保つための補正を実現することが難しくなる。すなわち、適切な濃度補正を実現することができなくなる。
【0008】
また、上述の特許文献1の技術においては、ロットの異なる用紙に跨ってカラーパッチが形成されることにより、適切な濃度補正を実現できないことに対する対策はなされていない。
【0009】
本発明の課題は、複数枚の用紙に形成されたカラーパッチにより画像データの濃度補正を行う際、適切な濃度補正を実現可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の画像形成装置は、
複数枚の用紙にカラーパッチを形成し、当該形成されたカラーパッチに基づいて、ジョブデータに含まれる画像データの濃度補正を実行する画像形成装置において、
用紙を給紙するための給紙トレイと、
画像形成処理の実行時に使用している前記給紙トレイ内の用紙の残量枚数を検知し、当該検知された残量枚数が前記カラーパッチの形成に必要な枚数以下であるか否かを判別し、前記残量枚数が前記カラーパッチの形成に必要な枚数以下であると判別された場合は、前記カラーパッチを用紙に形成させない制御部と、を備える。
【0011】
請求項2に記載の発明の画像形成装置は、
複数枚の用紙にカラーパッチを形成し、当該形成されたカラーパッチに基づいて、ジョブデータに含まれる画像データの濃度補正を実行する画像形成装置において、
用紙を給紙するための給紙トレイと、
画像形成処理の実行時に使用している前記給紙トレイ内の用紙の残量枚数を検知し、当該検知された残量枚数が前記濃度補正を実行するために最低必要な最低枚数以下であるか否かを判別し、前記残量枚数が前記最低枚数以下であると判別された場合は、前記カラーパッチを用紙に形成させない制御部と、を備える。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、
前記最低枚数は、
ユーザにより予め設定された用紙枚数である。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記制御部は、
前記残量枚数が前記カラーパッチの作成に必要な用紙の枚数以下であると判別された場合、又は前記残量枚数が前記最低枚数以下であると判別された場合、用紙を前記給紙トレイに補給する内容の警告を出力する。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記制御部は、
前記残量枚数が前記カラーパッチの作成に必要な用紙の枚数以下であると判別された場合、又は前記残量枚数が前記最低枚数以下であると判別された場合、前記画像データに基づく画像を用紙に形成させる。
【0015】
請求項6に記載の発明の画像形成装置は、
複数枚の用紙にカラーパッチを形成し、当該形成されたカラーパッチに基づいて、ジョブデータに含まれる画像データの濃度補正を実行する画像形成装置において、
用紙を給紙するための給紙トレイと、
画像形成処理の実行時に使用している前記給紙トレイ内に用紙が無くなった場合、自動的に前記給紙トレイを切り替える切り替え処理を行う制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記画像形成処理の実行時に使用している前記給紙トレイ内の用紙の残量枚数を検知し、当該検知された用紙の残量枚数が前記カラーパッチの形成に必要な用紙の枚数以下であるか否かを判別し、前記残量枚数が前記カラーパッチの形成に必要な用紙の枚数以下であると判別された場合は、前記カラーパッチを用紙に形成させずに前記画像データに基づく画像を用紙に形成させ、前記切り替え処理を行った後、切り替えられた前記給紙トレイから給紙される用紙に前記カラーパッチを形成させる。
【0016】
請求項7に記載の発明の画像形成装置は、
複数枚の用紙にカラーパッチを形成し、当該形成されたカラーパッチに基づいて、ジョブデータに含まれる画像データの濃度補正を行う画像形成装置において、
用紙を給紙するための給紙トレイと、
画像形成処理の実行中に使用している前記給紙トレイ内に用紙が無くなった場合に、自動的に前記給紙部を切り替える切り替え処理を行う制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記画像形成処理の実行時に使用している前記給紙トレイ内の用紙の残量枚数を検知し、当該検知された残量枚数が前記濃度補正を実行するために最低必要な最低枚数以下であるか否かを判別し、前記残量枚数が前記最低枚数以下であると判別された場合は、前記カラーパッチを用紙に形成させずに前記画像データに基づく画像を用紙に作成させ、前記切り替え処理を行った後、切り替えられた前記給紙トレイから給紙される用紙に前記カラーパッチを形成させる。
【0017】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の画像形成装置において、
前記最低枚数は、
ユーザにより予め設定された用紙枚数である。
【0018】
請求項9に記載の発明の画像形成装置は、
複数枚の用紙上にカラーパッチを形成し、当該形成されたカラーパッチに基づいて、ジョブデータに含まれる画像データの濃度補正を行う画像形成装置において、
前記用紙を給紙するための給紙トレイと、
画像形成処理の実行時に使用している前記給紙トレイ内に用紙が無くなった場合に、自動的に前記給紙トレイを切り替える切り替え処理を行う制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記カラーパッチの形成時に使用している前記給紙トレイ内に用紙が無くなった場合、前記切り替え処理の後、切り替えられた前記給紙トレイから給紙される用紙に前記カラーパッチを1枚目から再形成させる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、複数枚の用紙に形成されたカラーパッチにより画像データの濃度補正を行う際、適切な濃度補正を実現可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。
【図2】画像形成装置の内部構成を示す図である。
【図3】用紙に形成されたカラーパッチを示す図である。
【図4】画像濃度センサによるカラーパッチの読み取りを模式的に示した図である。
【図5】画像濃度センサの構成を示す図である。
【図6】ジョブの実行途中でカラーパッチを形成する場合における用紙の出力順序の一例について説明した図である。
【図7】第1の処理を示すフローチャートである。
【図8】第1の処理のステップS3の処理内容を詳細に示したフローチャートである。
【図9】パッチの必要枚数算出処理を示すフローチャートである。
【図10】パッチパターン読み込み、濃度補正実施処理を示すフローチャートである。
【図11】出力紙濃度調整設定画面を示す図である。
【図12】調整最低枚数設定画面を示す図である。
【図13】警告表示画面を示す図である。
【図14】第1の処理のステップS11の動作について説明した図である。
【図15】第2の処理を示すフローチャートである。
【図16】第3の処理を示すフローチャートである。
【図17】第3の処理の一連の流れを説明した図である。
【図18】第4の処理を示すフローチャートである。
【図19】第4の処理の一連の流れを説明した図である。
【図20】第5の処理を示すフローチャートである。
【図21】第6処理を示すフローチャートである。
【図22】第6の処理の一連の流れを説明した図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0022】
先ず、図1を参照して画像形成装置1の概略断面構成図を説明する。画像形成装置1は、原稿から画像を読み取り、読み取った画像を用紙Pに画像形成して出力するコピー機能や、外部装置等から画像データを含むページデータや各画像データの画像形成条件等を含むジョブのジョブデータを受信し、受信したジョブデータに基づいて画像を用紙P上に形成して出力するプリント機能等を備えている。
【0023】
図1に示すように、画像形成装置1は、画像形成本体部10と、中継装置50と、を備えて構成される。画像形成本体部10は、操作表示部15と、画像読取部20と、プリント部40と、を備えて構成される。
【0024】
操作表示部15は、LCD(Liquid Crystal Display)、当該LCDを覆うように設けられたタッチパネル、その他図示しない操作キー群から構成される。具体的には、操作表示部15は、ユーザからの指示を受け付けその操作信号をCPU11(図2参照)に出力する。また、操作表示部15は、CPU11から入力される表示信号に従って、各種操作指示や設定情報を入力するための各種設定画面や各種処理結果等を表示する。
【0025】
画像読取部20は、ADF(Auto Document Feeder)と称される自動原稿送り部21と読取部22とを備える。自動原稿送り部21の原稿トレイT1に載置された原稿dは、読取個所であるコンタクトガラスに搬送され、光学系により原稿dの片面又は両面の画像が読み取られ、CCD(Charge Coupled Device)22aにより原稿dの画像が読み取られる。ここで、画像とは、図形や写真等のイメージデータに限らず、文字や記号等のテキストデータ等も含む。
【0026】
画像読取部20により読み取られた画像(アナログ画像信号)は、後述するCPU11に出力され、A/D変換等の各種画像処理が施された後、プリント部40に出力される。
【0027】
プリント部40は、入力されたプリントデータに基づいて、電子写真方式の画像形成処理を行うものであり、給紙部41、給紙搬送部42、画像形成部43、一次定着部44、搬出部45を備えて構成される。
【0028】
給紙部41は、複数の給紙トレイ41a、41b、41c、給紙手段41d、手差しトレイT2等を備える。給紙トレイ41a,41b,41cは、給紙トレイ毎に用紙の斤量やサイズ等に基づいて識別された規格用紙やタブ紙や断裁用紙等の特殊用紙などの用紙Pが予め設定された種類毎に格納されており、給紙手段41dによって用紙Pを最上部から一枚ずつ給紙搬送部42に向けて搬送する。手差しトレイT2は、ユーザのニーズに合わせて様々な種類の用紙Pを積載可能な給紙トレイであり、給紙ローラによって積載された用紙Pを最上部から一枚ずつ給紙搬送部42に向けて搬送する。
【0029】
給紙搬送部42は、給紙トレイ41a、41b、41c又は手差しトレイT2から搬送された用紙Pを、複数の中間ローラ、レジストローラ42a等を経て二次転写ローラ42bへと搬送する。また、給紙搬送部42は、搬送路切換板により、片面画像形成処理済みの用紙Pを両面搬送路に搬送し、再び中間ローラ、レジストローラ42aを経て二次転写ローラ42bへと搬送する。この二次転写ローラ42bにより、後述する中間転写ベルト43bに転写されたトナー画像が用紙P上に一括転写される。
【0030】
画像形成部43は、最大4色(イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K))の画像を形成する際に、夫々異なる色のトナーを充填可能な色毎の画像形成部43Y、43M、43C、43Kと、クリーニング部43aと、中間転写ベルト43bと、トナー濃度センサ43cとを備える。
【0031】
例えば、画像形成部43Yは、感光体ドラムの周囲に配置された帯電装置、露光装置、現像装置、一次転写ローラ、クリーニング装置を備え、イエロー(Y)の画像を形成する。
【0032】
具体的には、帯電装置により帯電された感光体ドラムに、露光装置からイエロー(Y)の画像データに応じた光を照射して静電潜像を形成する。そして、現像装置は、静電潜像が形成された感光体ドラムの表面に帯電したイエロー(Y)のトナーを付着させて静電潜像を現像する。現像装置によりトナーが付着された感光体ドラムは、一次転写ローラが配置された転写位置へ一定速度で回転されながら後述する中間転写ベルト43bに転写される。中間転写ベルト43bにトナーが転写された後、クリーニング装置が、感光体ドラムの表面の残留電荷や残留トナー等を除去する。
【0033】
画像形成部43M、43C、43Kは、画像形成部43Yと同様の構成を備え、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の画像をそれぞれ形成する。
【0034】
また、画像形成部43は、カラーパッチ(図3参照)を用紙Pに形成する機能を有する。カラーパッチとは、ジョブデータに含まれる画像データの濃度補正を行うための画像のことをいう。本実施の形態におけるカラーパッチは、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の単色階調画像とする。
【0035】
中間転写ベルト43bは、複数のローラに懸架され回転可能に支持された半導電性エンドレスベルトであり、ローラの回転に伴って回転駆動される。
この中間転写ベルト43bは、各画像形成部43Y、43M、43C、43Kの一次転写ローラによりそれぞれの感光体ドラムに圧着される。これにより各感光体ドラムの表面に現像された各トナーは、各一次転写ローラによる転写位置で中間転写ベルト43bに転写され、二次転写ローラ42bによる転写位置で用紙Pにイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナーが順次重ねて転写される。そして、中間転写ベルト43bは、二次転写ローラ42bにより用紙Pにトナー画像を転写した後、用紙Pを曲率及び静電的に分離して、クリーニング部43aにより残留トナーが除去される。
【0036】
一次定着部44は、熱源を有する回転定着部材44aと、当該回転定着部材44aに圧接してニップ部Nを形成する加圧ローラ44bとを備え、用紙Pに転写されたトナー像を熱定着する。回転定着部材44aとしては、加熱ローラ、加熱ベルト等を挙げることができる。
【0037】
トナー像が定着された用紙Pは、搬出部45の排紙ローラに挟持されて搬出口から中継装置50へ搬出される。
【0038】
中継装置50は、二次定着部51と、画像濃度センサ52とを備えて構成される。中継装置50を通過した用紙Pは排紙トレイT3へ排紙される。
【0039】
二次定着部51は、一次定着部44によりトナー像が熱定着された用紙Pに対して二次定着を行う。二次定着部51の構成は、一次定着部44の構成と同様であるので、説明を省略する。
【0040】
なお、上述の定着処理(一次定着処理及び二次定着処理)は、ジョブデータに基づいて実行される。例えば、用紙Pが薄紙である場合は、ジョブデータには一次定着部44による一次定着処理のみを実行する旨が設定条件として含まれる。この場合、一次定着処理のみが実行される。また、用紙Pが厚紙である場合は、ジョブデータには一次定着部44による一次定着処理及び二次定着部51による二次定着処理を実行する旨が設定条件として含まれる。この場合、一次定着処理及び二次定着処理が実行される。また、本実施の形態においては、1つのジョブでは、一次定着のみを行う用紙(例えば薄紙)と、一次定着及び二次定着を行う用紙(例えば厚紙)とが混在することはないものとする。
【0041】
次に、図2を参照して、画像形成装置1の制御ブロック図について説明する。図2に示すように、画像形成装置1は、制御部としてのCPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、画像読取部20と、操作表示部15と、画像形成部43と、画像濃度センサ52と、一次定着部44と、二次定着部51と、給紙部41と、を備えて構成される。以下、図1と異なる部分を主として説明する。
【0042】
CPU11は、ROM13に格納されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムを読み出してRAM12に展開し、RAM12に展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行し、画像形成装置1の各部を集中制御する。
【0043】
また、CPU11は、カラーパッチに基づいて、画像データの濃度補正量を算出し、当該算出された濃度補正量を記憶する補正テーブルを生成する機能を有する。さらに、CPU11は、生成された補正テーブルに記憶された濃度補正量に基づいて、ジョブデータに含まれる画像データの濃度補正を実行する機能を有する。
【0044】
ROM12は、CPU11により実行される各種プログラムを記憶する。RAM13は、揮発性のメモリであって、CPU11により実行される各種プログラムやこれら各種プログラムに係るデータ等を格納するワークエリアを有し、その情報を一時的に記憶する。
【0045】
画像濃度センサ52は、用紙上に形成されたパッチ画像を読み取る。ここで、図3〜図5を参照して、画像濃度センサ52がカラーパッチを読み取る動作について説明する。
【0046】
図3は、用紙上に形成されたパッチ画像を示す図である。図3の例では、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色において数種類の濃度を有するカラーパッチが1枚の用紙に形成される例を示している。
本実施の形態では、各色において、32種類の濃度を有するカラーパッチに基づいて、画像データの濃度補正を実行するものとする。例えば、8種類の濃度を有するカラーパッチが1枚の用紙に形成される場合は、合計4枚の用紙にカラーパッチが形成されることとなる。
【0047】
図4は、画像濃度センサ52によるカラーパッチの読み取りを模式的に示した図である。用紙Pは、紙面上側へ向かって搬送されるものとする。図4に示すように、画像濃度センサ52は、用紙P上に形成されたカラーパッチを、搬送速度に合わせて順次読み取っていく。
【0048】
図5は、画像濃度センサ52の構成の一例を示した図である。図5に示すように、画像濃度センサ52は、LED(Light Emitting Diode)52aと、受光素子部52bとを備えて構成される。
【0049】
LED52aは、各色の発光スペクトルを発光するLEDである。また、LED52aは、白色の発光スペクトルを発光し、各色の分光透過率を有するフィルタを付加したものとしてもよい。LED52aから発光された光は、カラーパッチに対して照射される。
【0050】
受光素子部52bは、LED52aから照射された光の反射光を受光するフォトダイオードであり、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の受光素子を有する。赤色の受光素子は、シアン(C)のパッチ画像、ブラック(B)のパッチ画像からの反射光を受光する受光素子である。緑色の受光素子は、マゼンタ(M)のパッチ画像からの反射光を受光する受光素子である。青色の受光素子は、イエロー(Y)のパッチ画像からの反射光を受光する受光素子である。
【0051】
次に、図6を参照して、ジョブの実行途中でカラーパッチを形成する場合における用紙の出力順序の一例について説明する。図6に示す用紙は、ジョブデータに基づいて、用紙Pに画像形成をする画像形成処理が実行され、当該画像形成処理により画像形成された用紙の一例を示している。出力順序は、画像形成された用紙が出力される順番を示している。図6に示す用紙のうち、JOB(ジョブ)98枚目、ジョブ99枚目、ジョブ100枚目、ジョブ101枚目、ジョブ102枚目と記された用紙には、ジョブデータに含まれる画像データに基づく画像、すなわちジョブの画像が形成される。また、その他の用紙にはカラーパッチが形成される。当該カラーパッチが画像濃度センサ52により検知され、検知された結果に基づいて、濃度補正量が算出される。そして、算出された濃度補正量に基づいて、ジョブ101枚目、102枚目のジョブの画像の画像データの濃度補正が実行される。
【0052】
次に、図7〜図20を参照して、画像形成装置1の動作を説明する。
先ず、図7〜図10を参照して、画像形成装置1で実行される第1の処理について説明する。第1の処理は、画像形成処理の実行時に使用している給紙トレイの用紙の残量枚数を検知し、当該検知された残量枚数がカラーパッチの形成に必要な用紙の枚数以下であると判別された場合、カラーパッチを用紙に形成させない処理である。
【0053】
以下、画像形成処理の実行時に使用する給紙トレイは、給紙トレイ41aであるものとして説明する。また、各色において、32種類の濃度を有するカラーパッチに基づいて、画像データの濃度補正を実行するものとし、カラーパッチは、用紙3枚又は4枚に渡って形成されるものとする。さらに、予め、図11及び図12に示す表示画面において、ユーザによる設定操作により各種設定が実行されており、当該設定された設定情報がジョブデータに含まれているものとする。
【0054】
図7を説明する前に、図11及び図12に示す表示画面について説明する。先ず、図11を参照して、操作表示部15に表示される出力紙濃度調整設定画面111について説明する。図11に示すように、出力紙濃度調整設定画面111は、出力紙濃度調整設定部111Aと、自動調整設定部111Bと、調整間隔設定部111Cと、ジョブ中の調整(実行可否)設定部111Dと、調整最低枚数設定部111Eと、キャンセルボタン111Fと、OKボタン111Gと、を有する。
【0055】
出力紙濃度調整設定部111Aは、カラーパッチに基づいて、画像データの濃度補正を実行するか否かを設定するための設定部である。自動調整設定部111Bは、濃度補正を自動的に実行するか否かを設定するための設定部である。調整間隔設定部111Cは、濃度補正を実行する間隔を設定するための設定部である。ジョブ中の実行可否設定部111Dは、ジョブの実行中に、濃度補正を実行するか否かを設定するための設定部である。
【0056】
調整最低枚数設定部111Eは、調整最低枚数を設定するための設定部である。調整最低枚数とは、濃度補正を実行するための用紙残量の最低枚数、すなわち、濃度補正を実行するために最低必要な最低枚数のことをいう。給紙トレイ41aの残量枚数が調整最低枚数よりも多い場合は、濃度補正が実行される。給紙トレイ41aの残量枚数が調整最低枚数以下の場合は、濃度補正は実行されない。また、調整枚数設定部111Fの変更ボタンが押下されると、調整最低枚数設定画面121(図12参照)が操作表示部15に表示される。キャンセルボタン111Fは、設定された各種情報をキャンセルする場合に押下されるボタンである。OKボタン111Gは、設定された各種情報を確定する場合に押下されるボタンである。
【0057】
次に、図12を参照して、調整最低枚数設定画面121について説明する。図12に示すように、調整最低枚数設定画面121は、調整最低枚数変更部121Aと、キャンセルボタン121Bと、OKボタン121Cと、を有する。
調整最低枚数変更部121Aは、調整最低枚数を変更するための設定部である。調整最低枚数変更部121Aの各数値が押下されることにより、調整最低枚数が設定変更される。
【0058】
図7に戻り、第1の処理について説明する。
例えば、画像形成装置1において、画像形成処理の実行を開始する旨の入力操作の受け付け、又は外部装置から画像形成処理の実行を開始する旨の指令が受信されたことをトリガとして第1の処理が実行される。
【0059】
先ず、出力が開始される(ステップS1)。ここで、出力とは、ジョブデータに基づいて、用紙に画像形成処理を行うことをいう。
【0060】
ステップS1の実行後、給紙トレイの残量枚数が検出される(ステップS2)。給紙トレイの残量枚数とは、画像形成処理の実行時に使用している給紙トレイ41a内に格納されている用紙の残量枚数のことをいう。例えば、給紙トレイ41aに格納されている用紙の重さ情報や枚数情報に基づいて、給紙トレイ41の残量枚数が検出される。
【0061】
ステップS2の実行後、パッチ出力を実行するか否かが判別される(ステップS3)。パッチ出力とは、カラーパッチを用紙に形成することをいう。例えば、図11に示す調整間隔設定部111Cにおいて、調整間隔が「100枚毎」と設定されており、カウンタ(図示省略)により画像形成を実行する用紙の枚数が「100枚目」とカウントされた場合、本ステップではYESと判別される。
【0062】
ここで、図8を参照して、ステップS3において実行される、パッチ出力を実行するか否かの判別の詳細な処理内容について説明する。
【0063】
先ず、出力紙濃度調整ありか否かが判別される(ステップS21)。出力紙濃度調整とは、図11に示す出力紙濃度調整設定部111Aにより設定された情報のことをいう。例えば、出力紙濃度調整設定部111Aにおいて出力紙濃度調整を「する」との設定がされていた場合、本ステップではYESと判別される。
【0064】
ステップS21において、出力紙濃度調整をなしと判別された場合(ステップS21;NO)、ステップS3;NOの処理が実行される。ステップS21において、出力紙濃度調整ありと判別された場合(ステップS21;YES)、調整用枚数カウント=調整間隔設定枚数であるか否かが判別される(ステップS22)。調整用枚数カウントとは、カウンタによってカウントされた用紙の枚数値のことをいう。また、設定間隔設定枚数とは、図11に示す調整間隔設定部111Cにより設定された調整間隔値のことをいう。
【0065】
ステップS22において、調整用枚数カウント=調整間隔設定枚数でないと判別された場合(ステップS22;NO)、調整用枚数がカウントアップされる(ステップS23)。
すなわち、カウンタにより調整用枚数のカウント値がカウントアップされる。ステップS23の実行後、ステップS3;NOの処理が実行される。
【0066】
ステップS22において、調整用枚数カウント=調整間隔設定枚数であると判別された場合(ステップS22;YES)、調整用枚数のカウントがクリアされる(ステップS24)。ステップS24の実行後、ステップS3;YESの処理が実行される。
【0067】
図7に戻り、ステップS3において、パッチ出力を実行しないと判別された場合(ステップS3;NO)、ジョブの画像が出力される(ステップS4)。
【0068】
ステップS4の実行後、最後まで印刷されたか否か、又は用紙なしか否かが判別される(ステップS5)。最後まで印刷されたか否かの判別は、ジョブデータにおいて設定された設定枚数分、ジョブの画像が出力されたか否かを判別することにより実行される。また、用紙なしか否かの判別は、給紙トレイ41aに格納されている用紙の残量枚数が0枚であるか否かを判別することにより実行される。
【0069】
ステップS5において、最後まで印刷されていない、かつ用紙があると判別された場合(ステップS5;NO)、ステップS2に移行される。ステップS5において、最後まで印刷され、または用紙がないと判別された場合(ステップS5;YES)、後述するステップS11に移行される。
【0070】
ステップ3において、パッチ出力を実行すると判別された場合(ステップS3;YES)、パッチの必要枚数が算出される(ステップS6)。パッチの必要枚数とは、カラーパッチを形成するために必要な用紙Pの枚数のことをいう。
【0071】
ここで、図9を参照して、ステップS6において、パッチの必要枚数を算出する詳細な処理内容について説明する。
先ず、パッチを出力する用紙である転写紙の紙長さ情報が取得される(ステップ31)。転写紙の紙長さ情報とは、用紙Pの搬送方向の長さ情報のことをいう。例えば、用紙がA4サイズであった場合、転写紙の紙長さ情報は210mmとなる。
【0072】
ステップS31の実行後、紙長さ情報≧所定の長さであるか否かが判別される(ステップS32)。所定の長さは、1枚の用紙に形成可能なカラーパッチの濃度の種類数により決まる値である。
【0073】
ステップS32において、紙長さ情報≧所定の長さでないと判別された場合(ステップS32;NO)、パッチの出力枚数は4枚に設定される(ステップS33)。ステップS33の実行後、第1の処理のステップS7に移行される。
【0074】
ステップS32において、紙長さ情報≧所定の長さであると判別された場合(ステップS32;YES)、パッチの出力枚数は3枚に設定される(ステップS34)。ステップS34の実行後、第1の処理のステップS7に移行される。
【0075】
図7に戻り、ステップS6の実行後、給紙トレイ残量情報が取得され、給紙トレイ残量とステップS6で取得されたパッチ必要枚数との比較が実行される(ステップS7)。
【0076】
ステップS7において、給紙トレイ残量>パッチ必要枚数であると判別された場合(ステップS7;給紙トレイ残量>パッチ必要枚数)、パッチパターンが出力される(ステップS8)。すなわち、カラーパッチが用紙Pに形成される。
【0077】
ステップS8の実行後、パッチパターン読み込み、濃度補正処理が実施される(ステップS9)。
【0078】
ここで、図10を参照して、ステップS9における、パッチパターン読み込み、濃度補正処理の詳細な処理内容について説明する。
先ず、画像濃度センサにてパッチパターンの読み込みが実行される(ステップS41)。ステップS41の実行後、パッチパターンの最終紙であるか否かが判別される(ステップS42)。例えば、ステップS6において、パッチの必要枚数が4枚であると算出された場合、現時点でカラーパッチが形成されている用紙が4枚目であるか否かが判別される。
【0079】
ステップS42において、パッチパターンの最終紙でないと判別された場合(ステップS42;NO)、ステップS41に移行される。ステップS42において、パッチパターンの最終紙であると判別された場合(ステップS42;YES)、濃度センサにて読み込んだデータを基に濃度補正が実施される(ステップS43)。すなわち、画像濃度センサ52にて読み込まれたデータに基づいて、濃度補正量が算出され、算出された濃度補正量に基づいて、画像データの濃度補正が実行される。ステップS43の実行後、第1の処理のステップS2に移行される。
【0080】
図7に戻り、ステップS7において、給紙トレイ残量≦パッチ必要枚数であると判別された場合(ステップS7;給紙トレイ残量≦パッチ必要枚数)、用紙補給警告が画面上に表示される(ステップS10)。用紙補給警告とは、用紙Pを給紙トレイ41aに補給する旨を示す警告のことである。例えば、図13に示すように、「トレイに用紙をセットしてください」との用紙補給警告を含む警告表示画面131が操作表示部15に表示される。
【0081】
ステップS10の実行後、出力が停止される(ステップS11)。ここで、図14を参照して、ステップS11の動作について説明する。例えば、ジョブの画像が100枚目の用紙まで形成され、且つ、給紙トレイ41には、パッチ必要枚数以下の残量しか残っていなかったとする。この場合、図14に示すように、101枚目の用紙にはカラーパッチは形成されず、給紙トレイ41aには、用紙Pが1〜4枚残したままの状態で出力が停止される。ステップS11の実行後、第1の処理は終了される。
【0082】
次に、図15を参照して、画像形成装置1で実行される第2の処理について説明する。第2の処理は、画像形成処理の実行時に使用している給紙トレイ41a内の用紙の残量枚数を検知し、当該検知された残量枚数が所定枚数以下である場合、カラーパッチを用紙に形成させない処理である。以下、第1の処理と異なる部分を主として説明する。
【0083】
ステップS51〜S55は、第1の処理のステップS1〜S5とそれぞれ同様である。
ステップS53において、パッチ出力を実行すると判別された場合(ステップS53;YES)、給紙トレイ残量は所定枚数以下であるか否かが判別される(ステップS56)。所定枚数とは、濃度補正を実行するための用紙残量の最低枚数であって、図12に示す調整最低枚数設定部121により設定された枚数のことである。具体的には、カラーパッチを形成する際、用紙Pの残量枚数を検出し、用紙Pの残量枚数が所定枚数を超えていればカラーパッチを形成し、用紙Pの残量枚数が所定枚数以下であればカラーパッチを形成しない。このため、所定枚数はカラーパッチを形成するために必要な用紙枚数よりも多い枚数となる。例えば、所定枚数が10枚に設定され、カラーパッチを形成する際の残量枚数が11枚であれば、カラーパッチを形成させる。結果4枚にカラーパッチが形成、残り7枚に濃度補正が実施される。また、所定枚数が10枚に設定され、カラーパッチを形成する際の残量枚数が10枚であれば、カラーパッチを形成させない。
【0084】
ステップS56において、給紙トレイ残量は所定枚数より多いと判別された場合(ステップS56;給紙トレイ残量>所定枚数)、ステップS57に移行される。ステップS56において、給紙トレイ残量は所定枚数以下であると判別された場合(ステップS56;給紙トレイ残量≦所定枚数)、ステップS59に移行される。
【0085】
ステップS57〜S59は、第1の処理のステップS8〜S11と同様である。
【0086】
次に、図16を参照して、画像形成装置1で実行される第3の処理について説明する。第3の処理は、残量枚数が前記カラーパッチの作成に必要な用紙の枚数以下である場合、ジョブの画像を用紙Pに形成させる処理である。以下、第1の処理と異なる部分を主として説明する。
【0087】
ステップS61〜S63は、第1の処理のステップS1〜S3とそれぞれ同様である。ステップS64,S65は、第1の処理のステップS6,S7とそれぞれ同様である。また、ステップS66,S67は、第1の処理のステップS8,S9とそれぞれ同様である。
【0088】
ステップS65において、給紙トレイ残量≦パッチ必要枚数であると判別された場合(ステップS65;給紙トレイ残量≦パッチ必要枚数)、ジョブの画像が出力される(ステップS66)。
【0089】
ステップS69,S70は、第1の処理のステップS5,S11とそれぞれ同様である。
【0090】
次に、図17を参照して、図16で説明した第3の処理の一連の流れを説明する。
例えば、ジョブの画像が形成された用紙Pが100枚目の時点で、給紙トレイ41aの用紙残量が2枚であったとする。この場合、ステップS65において、給紙トレイ残量≦パッチ必要枚数と判別される。このため、図17に示すように、用紙Pの101枚目及び102枚目には、カラーパッチは形成されず、ジョブの画像が出力、すなわちジョブの画像が用紙Pに形成される。そして、用紙Pの101枚目、102枚目に対してジョブの画像が形成されると、給紙トレイ41aには用紙Pがなくなるので、ステップS69;YESとなり、ステップS70で出力が停止される。
【0091】
次に、図18を参照して、画像形成装置1で実行される第4の処理について説明する。第4の処理は、画像形成処理の実行時に使用している給紙トレイ41a内の用紙Pの残量枚数を検知し、当該検知された用紙Pの残量枚数がカラーパッチの形成に必要な枚数以下である場合、カラーパッチを用紙Pに形成させずにジョブの画像を用紙Pに形成させ、給紙トレイの切り替え処理を行った後、切り替えられた給紙トレイ41bから給紙される用紙Pにカラーパッチを形成させる処理である。以下、第1の処理と異なる部分を主として説明する。また、給紙トレイ41aから給紙トレイ41bに給紙トレイの切り替え処理が行われるものとして説明する。
【0092】
ステップS71,S72は、第1の処理のステップS1,S2とそれぞれ同様である。ステップS72の実行後、給紙トレイの用紙残量はなしか(紙なしか)否かが判別される(ステップS73)。
【0093】
ステップS73において、給紙トレイの用紙残量ありと判別された場合(ステップS73;NO)、後述するステップS77に移行される。ステップS73において、給紙トレイの用紙残量なしと判別された場合(ステップS73;NO)、トレイスイッチ可能か否かが判別される(ステップS74)。トレイスイッチとは、用紙を給紙する給紙トレイを自動的に切り替える処理のことをいう。具体的には、各給紙トレイに格納されている用紙情報(用紙のサイズ、種類、秤量等の情報)が取得され、用紙がなくなった給紙トレイ41aの用紙情報と一致する用紙情報を有する給紙トレイがあるか否かの判別が実行される。
【0094】
ステップS74において、トレイスイッチ可能でないと判別された場合(ステップS74;NO)、後述するステップS85に移行される。ステップS74において、トレイスイッチ可能であると判別された場合(ステップS74;YES)、トレイスイッチが実行される(ステップS75)。
【0095】
ステップS75の実行後、トレイスイッチ後のパッチ出力フラグがONであるか否かが判別される(ステップS76)。パッチ出力フラグとは、トレイスイッチ後に、パッチ出力を実行するか否かを示すための識別情報のことをいう。パッチフラグの初期設定はOFFであるものとする。すなわち、第4の処理が実行開始された後の最初の本ステップにおいては、パッチ出力フラグはOFFと判別される。そして、後述するステップS82においてパッチ出力フラグがONされ、その後、ステップS84;NOを経由して本ステップに移行された場合、本ステップにおいてパッチフラグはONと判別される。
【0096】
ステップS76において、トレイスイッチ後のパッチ出力フラグONであると判別された場合(ステップS76;YES)、後述するステップS78に移行される。ステップS76において、トレイスイッチ後のパッチ出力フラグONでないと判別された場合(ステップS76;NO)、ステップS77に移行される。
【0097】
ステップS77は、第1の処理のステップS3と同様である。また、ステップS78〜S81は、第1の処理のステップS6〜S9とそれぞれ同様である。
【0098】
ステップS79において、給紙トレイ残量≦パッチ必要枚数と判別された場合(ステップS79;給紙トレイ残量≦パッチ必要枚数)、トレイスイッチ後のパッチフラグがONに設定される(ステップS82)。
【0099】
ステップS82の実行後、ジョブの画像が出力される(ステップS83)。ステップS83,84は、第1の処理のステップS4,S5と同様であり、ステップS85は第1の処理のステップS11と同様である。
【0100】
ここで、図19を参照して、図18で説明した第4の処理の一連の流れを説明する。
例えば、ジョブの画像が形成された用紙Pが100枚目の時点で、給紙トレイ41aの用紙残量が2枚であったとする。この場合、ステップS79において、給紙トレイ残量≦パッチ必要枚数となるので、ステップS83に示すように、パッチ画像は用紙に形成されず、ジョブの画像が用紙に形成される。そして、用紙Pの101枚目、102枚目にジョブの画像が形成されると、ステップS84;NO→ステップS72を経由して、ステップS73;YESとなる。
【0101】
そして、給紙トレイ41aから給紙トレイ41bへトレイスイッチが可能である場合は、ステップS74;YESとなり、給紙トレイ41bへトレイスイッチが実行され、給紙トレイ41bから給紙される。そして、ステップS79において、給紙トレイ残量>パッチ必要枚数との条件を満たす場合は、ステップS80において用紙Pにパッチパターン(カラーパッチ)が出力される。そして、再度、ステップS72に戻り、ステップS72以下の処理が実行され、用紙103枚目、104枚目にジョブの画像が出力される。
【0102】
次に、図20を参照して、画像形成装置1で実行される第5の処理について説明する。第5の処理は、画像形成処理の実行時に使用している給紙トレイ41a内の用紙Pの残量枚数を検知し、当該検知された残量枚数が濃度補正を実行するために必要とされる必要枚数以下である場合、カラーパッチを用紙に形成させずにジョブの画像を用紙Pに作成させ、切り替え処理を行った後、切り替えられた給紙トレイ41bから給紙される用紙Pにカラーパッチを形成させる処理である。以下、第4の処理と異なる部分を主として説明する。
【0103】
ステップS91〜S98は、第4の処理のステップS71〜S78とそれぞれ同様である。ステップS98の実行後、給紙トレイ残量は所定枚数以下であるか否かが判別される(ステップS99)。ステップS99において、給紙トレイ残量は所定枚数以下であると判別された場合(ステップS99;給紙トレイ残量≦所定枚数)、後述するステップS102に移行される。ステップS99において、給紙トレイ残量は所定枚数より多いと判別された場合(ステップS99;給紙トレイ残量>所定枚数)、後述するステップS100に移行される。
【0104】
ステップS100〜S105は、第4の処理のステップS80〜S85とそれぞれ同様である。
【0105】
次に、図21を参照して、第6の処理について説明する。第6の処理は、カラーパッチの形成時に使用している給紙トレイ41a内に用紙Pが無くなった場合、切り替え処理の後、切り替えられた給紙トレイ41bから給紙される用紙Pにカラーパッチを形成させる処理である。以下、第4の処理と異なる部分を主として説明する。
【0106】
ステップS111は、第4の処理のステップS71と同様である。ステップS112〜ステップS115は、第4の処理のステップS73〜S76と同様である。
【0107】
ステップS115において、トレイスイッチ後のパッチフラグONと判別された場合(ステップS115;YES)、パッチパターンが出力される(ステップS116)。
【0108】
ステップS116の実行後、給紙トレイは紙なしか否かが判別される(ステップS117)。すなわち、現在、用紙を給紙している給紙トレイ41aに格納されている用紙が無くなったか否かが判別される。
【0109】
ステップS117において、給紙トレイ紙なしと判別された場合(ステップS117;YES)、トレイスイッチ後のパッチ出力フラグがONされる(ステップS118)。ステップS118の実行後、ステップS112に移行される。
【0110】
ステップS117において、給紙トレイ紙ありと判別された場合(ステップS117;NO)、パッチパターン読み込み、濃度補正処理が実施される(ステップS119)。ステップS119の実行後、ステップS112に移行される。
【0111】
ステップS115において、トレイスイッチ後のパッチフラグONでないと判別された場合(ステップS115;NO)、パッチ出力を実行するか否かが判別される(ステップS120)。
【0112】
ステップS120において、パッチ出力を実行すると判別された場合(ステップS120;YES)、ステップS116に移行される。ステップS120において、パッチ出力を実行しないと判別された場合(ステップS120;NO)、ステップS121に移行される。ステップS121〜S123は、第4の処理のステップS83〜S85と同様である。
【0113】
次に、図22を参照して、図21で説明した第6の処理の一連の流れを説明する。
例えば、ジョブの画像が形成された用紙が100枚の時点で、給紙トレイ41aの用紙残量が2枚であったとする。この場合、ジョブの画像が100枚目までに形成されると、用紙残量は2枚あるので、ステップS112;NO→ステップS120;YESを経由して、ステップS116においてパッチパターンが出力される。そして、ステップS117;YESを経由して、パッチ出力フラグがONされる。すなわち、図22の上段に示すカラーパッチ2枚についてはパッチパターン読み込み、濃度補正処理は実施されない。
【0114】
そして、給紙トレイ41aには紙なしとなり、給紙トレイ41aから給紙トレイ41bにトレイスイッチが可能であるとすると、ステップS112;YES→ステップS113;YES→ステップS114→ステップS115;YES→ステップS116を経由する。このとき、給紙トレイ41bから給紙される用紙Pに1枚目のカラーパッチから再度形成される。具体的には、図22の下段に示すように、4枚分のカラーパッチが形成される。
【0115】
そして、ステップS117;NOを経由して、ステップS119が実行される。すなわち、図22の下段に示す4枚のカラーパッチに対して、パッチパターン読みこみ、濃度補正処理が実施される。そして、再度、ステップS112に戻り、ステップS112以下の処理が実行され、用紙101枚目、102枚目にジョブの画像が出力される。
【0116】
以上、本実施の形態によれば、残量枚数がカラーパッチの形成に必要な用紙の枚数以下である場合は、カラーパッチを用紙に形成させないので、ロットの異なる用紙に跨ってカラーパッチが形成されることはない。このため、ロットが異なることによる用紙の色違いの発生を防ぐことができるので、画像濃度を一定レベルに保つための濃度補正が可能となり、適切な濃度補正を実現することができる。
【0117】
また、残量枚数が所定枚数以下である場合は、カラーパッチを用紙に形成させない。このとき、所定枚数はカラーパッチが形成される枚数よりも多い枚数であるので、ロットの異なる用紙に跨ってカラーパッチが形成されることはない。このため、ロットが異なることによる用紙の色違いの発生を防ぐことができるので、画像濃度を一定レベルに保つための濃度補正が可能となり、適切な濃度補正を実現することができる。
また、例えば、残量枚数が10枚であった場合、カラーパッチを用紙4枚に形成させても、濃度補正の効果は残り6枚の用紙に形成されるジョブ画像に対してしか発揮されない。すなわち、カラーパッチを形成しても効果的に活用されない。このような場合、第2の処理に示すように、残量枚数が所定枚数以下の場合はカラーパッチを形成させないことで、効果的に活用されないカラーパッチが形成されることを防ぐことができ、効率的な用紙の活用が可能となる。
【0118】
また、ユーザは、所定の枚数を任意の値に設定することができる。
【0119】
また、ユーザは、用紙を給紙トレイ41aに補給する内容の警告を参照することで、用紙を補給するタイミングを把握することができる。
【0120】
また、カラーパッチを用紙に形成させる代わりに、画像データに基づく画像、すなわちジョブ画像を用紙に形成させる。このため、白紙となる用紙が発生することはないので、効率的な用紙の活用が可能となる。
【0121】
また、残量枚数がカラーパッチの形成に必要な用紙の枚数以下である場合は、カラーパッチを用紙に形成させずジョブ画像を形成させ、自動トレイ切り替え処理、すなわちトレイスイッチを行った後に、切り替えられた給紙トレイから給紙された用紙にカラーパッチを形成させる。すなわち、トレイスイッチを行った後に、カラーパッチを形成させるので、異なる給紙トレイから給紙される用紙に跨ってカラーパッチが形成されることはない。このため、ロットが異なることによる用紙の色違いの発生を防ぐことができるので、画像濃度を一定レベルに保つための補正が可能となり、適切な濃度補正を実現することができる。
【0122】
また、残量枚数が所定枚数以下である場合は、カラーパッチを用紙に形成させず画像ジョブ画像を形成させ、トレイスイッチを行った後に、切り替えられた給紙トレイから給紙された用紙にカラーパッチを形成させる。このため、ロットが異なることによる用紙の色違いの発生を防ぐことができるので、画像濃度を一定レベルに保つための補正が可能となり、適切な濃度補正を実現することができる。また、効果的に活用されないカラーパッチが形成されることを防ぐことができ、効率的な用紙の活用が可能となる。
【0123】
また、カラーパッチの形成時に使用している給紙トレイ内に用紙がなくなった場合、トレイスイッチの後に、切り替えられた給紙トレイから給紙された用紙にカラーパッチを形成させるので、ロットの異なる用紙に跨ってカラーパッチが形成されることはない。このため、ロットが異なることによる用紙の色違いの発生を防ぐことができるので、画像濃度を一定レベルに保つための補正が可能となり、適切な濃度補正を実現することができる。
【0124】
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係る画像形成装置の一例であり、これに限定されるものではない。
【0125】
例えば、第2の処理のステップS56において、給紙トレイ残量は所定枚数以下であると判別された場合(ステップS56;給紙トレイ残量≦所定枚数)、第1の処理のステップS10と同様に用紙補給警告を操作表示部15に表示することとしてもよい。
同じく、第2の処理のステップS56において、給紙トレイ残量は所定枚数以下であると判別された場合(ステップS56;給紙トレイ残量≦所定枚数)、第3の処理のステップS54、S55と同様に、ジョブの画像を出力し、最後まで印刷したか又は紙なしか否かを判別することとしてもよい。
【0126】
その他、本実施の形態における、画像形成装置の細部構造及び詳細動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0127】
1 画像形成装置
10 画像形成本体部
11 CPU
12 ROM
13 RAM
15 操作表示部
20 画像読取部
21 自動原稿送り部部
22 読取部
40 プリント部
41 給紙部
41a,41b,41c 給紙トレイ
41d 給紙手段
42 給紙搬送部
42a レジストローラ
42b 二次転写ローラ
43 画像形成部
43a クリーニング部
43b 中間転写ベルト
43c トナー濃度センサ
44 一次定着部
44a 回転定着部材
44b 加圧ローラ
45 搬出部
50 中継装置
51 二次定着部
52 画像濃度センサ
52b 受光素子部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚の用紙にカラーパッチを形成し、当該形成されたカラーパッチに基づいて、ジョブデータに含まれる画像データの濃度補正を実行する画像形成装置において、
用紙を給紙するための給紙トレイと、
画像形成処理の実行時に使用している前記給紙トレイ内の用紙の残量枚数を検知し、当該検知された残量枚数が前記カラーパッチの形成に必要な枚数以下であるか否かを判別し、前記残量枚数が前記カラーパッチの形成に必要な枚数以下であると判別された場合は、前記カラーパッチを用紙に形成させない制御部と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
複数枚の用紙にカラーパッチを形成し、当該形成されたカラーパッチに基づいて、ジョブデータに含まれる画像データの濃度補正を実行する画像形成装置において、
用紙を給紙するための給紙トレイと、
画像形成処理の実行時に使用している前記給紙トレイ内の用紙の残量枚数を検知し、当該検知された残量枚数が前記濃度補正を実行するために最低必要な最低枚数以下であるか否かを判別し、前記残量枚数が前記最低枚数以下であると判別された場合は、前記カラーパッチを用紙に形成させない制御部と、
を備える画像形成装置。
【請求項3】
前記最低枚数は、
ユーザにより予め設定された用紙枚数である請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記残量枚数が前記カラーパッチの作成に必要な用紙の枚数以下であると判別された場合、又は前記残量枚数が前記最低枚数以下であると判別された場合、用紙を前記給紙トレイに補給する内容の警告を出力する請求項1から3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記残量枚数が前記カラーパッチの作成に必要な用紙の枚数以下であると判別された場合、又は前記残量枚数が前記最低枚数以下であると判別された場合、前記画像データに基づく画像を用紙に形成させる請求項1から3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
複数枚の用紙にカラーパッチを形成し、当該形成されたカラーパッチに基づいて、ジョブデータに含まれる画像データの濃度補正を実行する画像形成装置において、
用紙を給紙するための給紙トレイと、
画像形成処理の実行時に使用している前記給紙トレイ内に用紙が無くなった場合、自動的に前記給紙トレイを切り替える切り替え処理を行う制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記画像形成処理の実行時に使用している前記給紙トレイ内の用紙の残量枚数を検知し、当該検知された用紙の残量枚数が前記カラーパッチの形成に必要な用紙の枚数以下であるか否かを判別し、前記残量枚数が前記カラーパッチの形成に必要な用紙の枚数以下であると判別された場合は、前記カラーパッチを用紙に形成させずに前記画像データに基づく画像を用紙に形成させ、前記切り替え処理を行った後、切り替えられた前記給紙トレイから給紙される用紙に前記カラーパッチを形成させる画像形成装置。
【請求項7】
複数枚の用紙にカラーパッチを形成し、当該形成されたカラーパッチに基づいて、ジョブデータに含まれる画像データの濃度補正を行う画像形成装置において、
用紙を給紙するための給紙トレイと、
画像形成処理の実行中に使用している前記給紙トレイ内に用紙が無くなった場合に、自動的に前記給紙部を切り替える切り替え処理を行う制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記画像形成処理の実行時に使用している前記給紙トレイ内の用紙の残量枚数を検知し、当該検知された残量枚数が前記濃度補正を実行するために最低必要な最低枚数以下であるか否かを判別し、前記残量枚数が前記最低枚数以下であると判別された場合は、前記カラーパッチを用紙に形成させずに前記画像データに基づく画像を用紙に作成させ、前記切り替え処理を行った後、切り替えられた前記給紙トレイから給紙される用紙に前記カラーパッチを形成させる画像形成装置。
【請求項8】
前記最低枚数は、
ユーザにより予め設定された用紙枚数である請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
複数枚の用紙上にカラーパッチを形成し、当該形成されたカラーパッチに基づいて、ジョブデータに含まれる画像データの濃度補正を行う画像形成装置において、
前記用紙を給紙するための給紙トレイと、
画像形成処理の実行時に使用している前記給紙トレイ内に用紙が無くなった場合に、自動的に前記給紙トレイを切り替える切り替え処理を行う制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記カラーパッチの形成時に使用している前記給紙トレイ内に用紙が無くなった場合、前記切り替え処理の後、切り替えられた前記給紙トレイから給紙される用紙に前記カラーパッチを1枚目から再形成させる画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2011−227325(P2011−227325A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−97650(P2010−97650)
【出願日】平成22年4月21日(2010.4.21)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】