説明

画像形成装置

【課題】 取得した画像データに機密情報が含まれていた場合に,機密情報が記載されている旨をユーザに示唆するような画像形成を行うことにより,機密情報の漏洩を抑制することを図った画像形成装置を提供すること。
【解決手段】 画像読取部2がユーザにより載置された原稿から画像を読み取る。データ変換機能部151が,画像読取部2により取得された画像を文字認識パターン記憶部141に記憶されている文字認識パターンと照合することにより,文字列を抽出する。情報比較部152が,抽出された文字列をキーワード記憶部142に記憶されているキーワードと比較することにより,機密情報の有無を判断する。情報比較部152により機密情報が含まれていると判断された場合に,画像形成部1は,取得された画像の一部の色を変更して画像形成を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,画像形成装置に関する。さらに詳細には,取得した画像データに機密情報が含まれていた場合に,機密情報が記載されている旨をユーザに示唆するような画像形成を行って機密情報の漏洩を抑制することを図った画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年,環境問題への高まりやコスト低減などの観点から,画像形成装置に裏紙を使用することが多くなってきている。このように片面のみでなく両面に印字することにより,資源の再利用を促進し,コストの削減がなされてきている。
【0003】
しかし,機密情報の記載されている用紙を裏紙として使用した場合には,その用紙が第三者に渡ることにより,機密情報が漏洩することがある。これを防止するため,特許文献1には,裏紙の機密情報を判読できないようにする画像形成装置が開示されている。特許文献1によれば,ローラにサンドペーパーを巻き付けた画像消去ユニットを裏紙の機密情報記載面に接触させることより,裏紙に記載された機密情報を判読不可能にするとしている。
【0004】
また,特許文献2には,イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の各色の画像形成部に加えて1以上の特殊色の画像形成部を備える画像形成装置が開示されている。特許文献2によれば,特殊色を適宜変更することにより,画質の向上を図ること,もしくはセキュリティ情報を付加することができるとしている。そのセキュリティ情報の付加は,不可視画像を付加して画像形成を行うことによりなされるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−154055号公報
【特許文献2】特開2006−267706号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし,特許文献1に記載の画像形成装置では,機密情報が確実に判読不可能となる保証はない。画像消去ユニットを用紙に軽く接触させると,画像の少なくとも一部は消去されずに残るためである(特許文献1の図4(b)参照)。一方,機密情報を確実に消去すべく画像消去ユニットを用紙に強く押し当てると,その用紙が破れてしまうおそれがある。
【0007】
また,特許文献2に記載の画像形成装置は,不可視画像によりセキュリティ情報を記すものであるとしている。そのため,ユーザが機密情報の記載されている裏紙であることを一見して判断するのは困難である。したがって,機密情報の記載された用紙をユーザが誤って裏紙として使用することにより,機密情報が漏洩するおそれがある。
【0008】
本発明は,前記した従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,取得した画像データに機密情報が含まれていた場合に,機密情報が記載されている旨をユーザに示唆するような画像形成を行うことにより,機密情報の漏洩を抑制することを図った画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題の解決を目的としてなされた本発明の画像形成装置は,画像データを取得する画像取得部と,画像取得部により取得された画像データに基づいて被印刷部材にカラーの画像を形成する画像形成部とを有する画像形成装置において,登録情報を記憶する登録情報記憶部と,画像データを登録情報記憶部により記憶された登録情報と比較して,画像データが登録情報のうちのいずれかを含むか否かを判断する情報比較部とを有し,画像形成部は,情報比較部により,画像データが登録情報のうちのいずれかを含むと判断された場合に,画像取得部により取得された画像データの少なくとも一部の画像部分の色を変更して画像形成を行い(以下,「色変更画像形成」という),情報比較部により,画像データが登録情報のうちのいずれをも含まないと判断された場合に,画像取得部により取得された画像データを変更しないで画像形成を行うものである。かかる画像形成装置は,画像データに機密情報を示唆する登録情報が含まれていた場合に,色変更画像形成を行うことができる。これにより,被印刷部材に機密情報が記載されている旨をユーザに示唆することができる。
【0010】
上記に記載の画像形成装置において,文字認識パターンを記憶する文字認識パターン記憶部と,画像取得部により取得された画像データを,文字認識パターン記憶部に記憶された文字認識パターンと照合することにより文字データに変換するデータ変換機能部とを有し,登録情報記憶部は,登録情報としてキーワードを記憶するものであり,画像形成部は,情報比較部により,データ変換機能部により抽出された文字データが登録情報記憶部に記憶されたキーワードのうちのいずれかを含むと判断された場合に,色変更画像形成を行うものであるとよい。画像データに機密情報が含まれていた場合に,色変更画像形成を行うことができるからである。
【0011】
上記に記載の画像形成装置において,画像形成部は,色変更画像形成を行う際に,画像取得部により取得された画像データのうちキーワードに該当する画像部分の色を変更して画像形成を行うものであってもよい。キーワードに該当する画像部分の色が変更されて印字されることにより,被印刷部材に機密情報が記載されている旨をユーザに示唆することができるからである。
【0012】
上記に記載の画像形成装置において,画像形成部は,色変更画像形成を行う際に,画像取得部により取得された画像全体の色を変更して画像形成を行うものであってもよい。画像全体の色が変更されて印字されることにより,被印刷部材に機密情報が記載されている旨をユーザに示唆することができるからである。
【0013】
上記に記載の画像形成装置において,色変更画像形成を行う際に適用される配色パターンを複数記憶する配色パターン記憶部と,登録情報記憶部により記憶されたそれぞれの登録情報と配色パターン記憶部により記憶された複数の配色パターンのうちの一つの配色パターンとの対応関係を記憶する対応関係記憶部とを有するものであるとよい。登録情報毎に,異なる配色パターンを適用して色変更画像形成を行うことができるためである。
【0014】
上記に記載の画像形成装置において,各種設定情報を表示するとともに,各種設定情報のユーザによる入力を受け付ける設定表示入力部を有し,設定表示入力部は,情報比較部により,画像データが登録情報のうちのいずれかを含むと判断された場合に,その画像データに基づく画像形成の開始に先立って,その画像データに含まれている登録情報を表示するとともに,その画像データに基づく色変更画像形成を実行するか否かについて,ユーザによる指示を受け付ける指示画面を表示するものであるとよい。色変更画像形成の実行について,ユーザの意向がより反映されることとなるからである。
【0015】
上記に記載の画像形成装置において,設定表示入力部は,指示画面に色変更画像形成を実行する指示がなされた場合に,色変更画像形成の開始に先立って,色変更画像形成を行う際に適用する配色パターンを変更するか否かについてユーザによる指示を受け付ける配色パターン変更画面を表示し,配色パターン変更画面に配色パターンを変更する指示がなされた場合に,ユーザによる配色パターンの選択を受け付ける配色パターン選択画面を表示するものであり,画像形成部は,配色パターン選択画面に配色パターンの選択がなされた場合に,その選択された配色パターンを適用して色変更画像形成を行い,配色パターン変更画面に配色パターンを変更しない指示がなされた場合に,元の配色パターンを適用して色変更画像形成を行うものであるとよい。配色パターンの選択について,ユーザの意向がより反映されることとなるからである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば,取得した画像データに機密情報が含まれていた場合に,機密情報が記載されている旨をユーザに示唆するような画像形成を行うことにより,機密情報の漏洩を抑制することを図った画像形成装置が提供されている。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る画像形成装置において読み取った原稿に機密情報が記載されていた場合に印字がなされた用紙の例を示すための図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置を説明するための概略構成図である。
【図3】本発明に係る画像形成装置における指示系統を説明するためのブロック図である。
【図4】本発明の画像形成装置の操作部表示パネルの表示例を示す図である。
【図5】本発明の画像形成装置の行う画像形成のフローを説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明の画像形成装置においてキーワードを追加する場合を説明するための図で(その1)ある。
【図7】本発明の画像形成装置においてキーワードを追加する場合を説明するための図で(その2)ある。
【図8】本発明の画像形成装置においてキーワードを削除する場合を説明するための図である。
【図9】本発明の画像形成装置における配色パターンを説明するための図(その1)である。
【図10】本発明の画像形成装置における配色パターンを説明するための図(その2)である。
【図11】本発明の画像形成装置において配色パターンを変更する場合を説明するための図(その1)である。
【図12】本発明の画像形成装置において配色パターンを変更する場合を説明するための図(その2)である。
【図13】本発明の画像形成装置において配色パターンを変更する場合を説明するための図(その3)である。
【図14】本発明の画像形成装置の行う画像形成の別のフローを説明するためのフローチャートである。
【図15】本発明に係る画像形成装置において読み取った原稿に機密情報が記載されていた場合に印字がなされた用紙の別の例を示すための図(その1)である。
【図16】本発明に係る画像形成装置において読み取った原稿に機密情報が記載されていた場合に印字がなされた用紙の別の例を示すための図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下,本発明を具体化した実施の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,画像形成装置について,本発明を具体化したものである。
【0019】
本形態の画像形成装置は,ユーザにより載置された原稿に機密情報が記載されていた場合に次のような画像形成を行うものである。すなわち,原稿から読み取った画像の形状はそのままで,画像の一部の色を変更して画像形成を行うのである。
【0020】
ここで,具体例として,本形態の画像形成装置で原稿をコピーする場合について説明する。元の原稿は,機密情報を示唆する「極秘情報」の文字と,その他の文字が印字されたものである。元の原稿は,文字部分が黒色で印字されたモノクロ画像が形成されたものである。以下,特に説明のない限り,元の原稿は黒色のみで印字がなされているものとする。
【0021】
このような原稿を,本形態の画像形成装置でコピーした後の用紙を,図1に示す。図1は,「極秘情報」の文字に該当する画像部分が赤色で印字されており,その他の画像部分は元の原稿の色と同じ黒色で印字されていることを示している。このため,「極秘情報」の部分が他の部分に比較して目立っている。したがって,ユーザは,図1に示す用紙に機密情報が記載されている旨を容易に認識することができる。
【0022】
原稿に機密情報が記載されているか否かの判断は次のようになされる。すなわち,画像を読み取って取得した画像データを文字データに変換し,その文字データ中に予め登録されたキーワードが含まれるか否かを判断基準とするのである。その詳細については後述する。
【0023】
1.画像形成装置
本形態の画像形成装置100は,図2にその概略構成を示すように,中間転写ベルト101を有する,いわゆるタンデム方式のカラーコピー機である。中間転写ベルト101は,無端状ベルト部材であり,その図中両端部がローラ102,103によって支持され,図中矢印Aの向きに回転するようになっている。中間転写ベルト101の図中下部に沿って,イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の各色の画像形成部1Y,1M,1C,1Kが配置されている。
【0024】
各色の画像形成部1Y,1M,1C,1Kはいずれも同様の構成である。それぞれ,感光体ユニット20と,露光装置30と,現像ユニット10とを有している。感光体ユニット20は,静電潜像を担持する感光体ドラム21を有している。露光装置30は,感光体ドラム21に静電潜像を描きこむためのものである。現像ユニット10は,感光体ドラム21の静電潜像にトナーを付与して現像するためのものである。また,中間転写ベルト101を挟んで感光体ドラム21に対向する位置に,1次転写ローラ111が配置されている。図2中では画像形成部1Yによって代表してこれらの各装置の符号を示している。
【0025】
図2中で下方に配置されているのは,用紙Pを収容する給紙装置112である。給紙装置112の上部には,用紙Pを送り出す給紙ローラ113が設けられている。用紙Pは,給紙装置112から用紙搬送経路114に沿って上方へ送られる。用紙搬送経路114を挟んで,ローラ103と対面する位置に,2次転写ローラ115が配置されている。さらにその下流側(図中上方)には,定着装置130が配置されている。定着装置130は,加圧ローラ131,加熱ローラ132のローラ対を有している。
【0026】
定着装置130より用紙搬送経路114のさらに下流側には,排紙ローラ116および排紙トレイ117が配置されている。排紙ローラ116のさらに上方には,折り返し用ローラ119および折り返し用トレイ120が配置されている。そして,折り返し用ローラ119は,用紙搬送経路114の他に用紙搬送経路118ともつながっている。用紙搬送経路118は,両面印刷を行う場合に用いられる搬送経路である。
【0027】
折り返し用トレイ120の上方には,画像読取部2が配置されている。画像読取部2は,ユーザにより載置された原稿の画像データを読み取るための画像取得部である。また,画像形成装置100は,操作部表示パネル3を有している。操作部表示パネル3は,各種設定情報を表示するとともに,ユーザによる指示を受け付けるためのものである。
【0028】
画像形成装置100は,図2に示すように,前述したものの他に制御部150と,メモリ140とを有している。制御部150は,図3のブロック図に示すように,データ変換機能部151と,情報比較部152と,通常制御部153とを有している。メモリ140は,文字認識パターン記憶部141と,キーワード記憶部142と,配色パターン記憶部143と,その他の記憶部144とを有している。
【0029】
データ変換機能部151は,画像読取部2により読み取られた画像データを,文字認識パターン記憶部141に予め記憶された文字認識パターンと照合して文字データに変換するOCR(Optical Character Reader)機能を備えるものである。情報比較部152は,データ変換機能部151により抽出された文字データを,キーワード記憶部142に予め記録されたキーワードと比較し,読み込んだ画像データにキーワードが含まれているかを判断するためのものである。通常制御部153は,画像形成及びその他の制御を行うためのものである。
【0030】
文字認識パターン記憶部141は,データ変換機能部151により文字列を抽出される際の照合に用いられる文字認識パターンを予め記録しておくための画像認識パターン記憶部である。キーワード記憶部142は,画像に機密情報が記載されているか否かの判断基準となるキーワードを記憶するための登録情報記憶部である。キーワード記憶部142には,機密情報を示唆する標準的なキーワードが工場出荷時に予め記憶されている。そして後述するように,ユーザにより適宜キーワードが追加され,もしくは削除された場合に,キーワード記憶部142は,その内容を反映されるようになっている。
【0031】
配色パターン記憶部143は,複数の配色パターンを記憶するためのものである。また,配色パターン記憶部143は,それぞれのキーワードとユーザにより選択された配色パターンとの対応関係を記憶するための対応関係記憶部を兼ねている。対応関係記憶部は,独立して存在してもよい。また,他の記憶部が対応関係記憶部を兼ねているものとしてもよい。その他の記憶部144は,画像形成を行う他,その他の処理に必要な情報を記憶しておくためのものである。
【0032】
操作部表示パネル3は,図4に示すように操作部4と,タッチパネル5とを有するものである。操作部4は,テンキーその他のハードキーを有する設定入力部である。タッチパネル5は,各種設定情報をカラーで表示するものである。また,タッチパネル5は,ユーザに触れられることで入力を受け付けるソフトキーをカラーで表示し,ユーザに触れられることにより入力を受け付けるものでもある。すなわち,タッチパネル5は,設定表示入力部である。操作部表示パネル3は,ユーザによる入力により,キーワードの更新や配色パターンの設定の変更を受け付ける他,その他の設定の変更を受け付けるためのものである。
【0033】
次に,本形態の画像形成装置100の基本的な動作を簡単に説明する。画像形成装置100は,ユーザによって載置された原稿を画像読取部2により読み取る。そして後述するように,原稿に機密情報が記載されているか否かの判断をする。その結果により,画像形成の指示を受けると,その画像信号から各色の画像データを生成する。生成された各色の画像データは,対応する画像形成部1Y,1M,1C,1Kにそれぞれ送出される。各色の画像形成部1Y,1M,1C,1Kは,画像データに基づいて,静電潜像を形成する。さらに,形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する。
【0034】
形成されたトナー像は,順次,1次転写ローラ111によって中間転写ベルト101に転写され,重ね合わせられる。中間転写ベルト101に重ね合わせられたトナー像は,2次転写ローラ115によって用紙Pに転写される。トナー像を担持した用紙Pは,さらに搬送されて定着装置130に至り,定着装置130によって加熱されるとともに加圧される。これによりトナー像が用紙Pに定着される。トナー像が定着された用紙Pは,排紙ローラ116によって排紙トレイ117に排出される。以上が,画像形成装置100の基本的な動作である。
【0035】
2.機密情報の有無の判断方法
本形態の画像形成装置100は,前述したように,読み取り原稿における機密情報の有無を判断して画像形成を行うものである。その判断は,機密情報を示唆するキーワードが読み取り原稿に存在するか否かによりなされる。よって以下に,読み取り原稿にキーワードが記載されているか否かを判断する具体的な方法について図3のブロック図により説明する。
【0036】
まず,画像読取部2は,ユーザにより載置された原稿の画像を読み取って画像データを取得する。そして,データ変換機能部151は,画像読取部2により読み取られた画像データと,文字認識パターン記憶部141に記憶された文字認識パターンとを照合する。これにより,文字認識パターンと合致した文字が文字データとして抽出される。
【0037】
そして,制御部150は,キーワード記憶部142から登録されたキーワードを読み出す。情報比較部152は,画像から抽出された文字データと,キーワードとを比較する。その際,登録されているキーワードの全てに対して比較を行う。抽出された文字データの中にいずれかのキーワードが含まれていた場合に,情報比較部152は,読み取った原稿に機密情報が含まれていると判断する。抽出された文字データの中にいずれのキーワードも含まれていなかった場合に,情報比較部152は,読み取った原稿に機密情報が含まれていないと判断する。
【0038】
情報比較部152が,読み取った原稿に機密情報が含まれていると判断した場合に,制御部150は操作部表示パネル3のタッチパネル5にその文字データに含まれていたキーワードを表示させる。該当するキーワードが複数存在した場合には,それらの全てをタッチパネル5に表示させる。図4には,それらがタッチパネル5に表示されたときの状態が示されている。もちろん,一度に表示しきれない場合には,複数のページに分けて表示させるようにしてもよい。
【0039】
3.画像形成におけるフロー
本形態の画像形成装置100が読み取った原稿をコピーする場合について図5により説明する。図5は,機密情報の有無に応じて画像形成色を変更するフローを説明するためのフローチャートである。
【0040】
まず,画像読取部2がユーザにより載置された原稿から画像を読み取って画像データを取得する(S101)。次に,データ変換機能部151が,取得された画像データから文字データを抽出する(S102)。文字列の抽出は,前述したように,データ変換機能部151が画像データを文字認識パターン記憶部141に記憶された文字認識パターンと照合することによりなされる。次に,情報比較部152が,抽出された文字データをキーワードと照合する(S103)。そしてS104に進む。
【0041】
S104では,抽出された文字列にいずれかのキーワードが含まれていた場合(S104:Yes),S105に進む。抽出された文字列にキーワードがいずれも含まれていなかった場合(S104:No),S106に進む。
【0042】
S105では,キーワードに該当する画像部分の色を変更して画像形成を行う。すなわち,取得した画像データの少なくとも一部の画像部分の色を変更して画像形成を行うのである。
【0043】
S106では,通常の画像形成を行う。読み取った画像の形状および色をそのままにして画像形成を行うのである。すなわち,読み取った原稿を再現するように画像形成を行うのである。
【0044】
以上に説明したように,画像形成装置100は,登録されたキーワードを含む原稿をコピーする場合に,画像の一部の色を自動的に変更して画像形成を行うものである。一方,登録されたキーワードを含まない原稿をコピーする場合に,読み取った原稿を再現するように画像形成を行うのである。
【0045】
4.キーワードの追加および削除
工場出荷時に初期設定としてキーワード記憶部142に記憶されているキーワードは,標準的なものである。本形態の画像形成装置100は,ユーザの指示により適宜キーワードを更新することができるようになっている。機密情報を示唆する表記が企業等により異なっている場合に対応できるようにするためである。
【0046】
画像形成装置100は,ユーザによりキーワードを新たに追加することができるようになっているものである。また,キーワードを削除することができるようになっているものである。これらのキーワードの追加もしくは削除は,キーワード記憶部142の内容に反映されることとなる。以下に,キーワードの更新方法について説明する。
【0047】
画像形成装置100に新たなキーワードを追加する場合について説明する。まず,図4に示したタッチパネル5の表示画面から「メニュー選択」のソフトキーがユーザにより押される。そして,ユーザによるいくつかのメニュー選択を経た後,図6に示す表示がタッチパネル5になされる。図6には,タッチパネル5に,「キーワード追加」,「キーワード削除」,「配色パターン」の各文字列が表示されたソフトキーが並んで表示されている。ユーザは,各文字列が表示されたソフトキーにタッチすることにより,各種設定の変更を行うことができるようになっている。
【0048】
次に,ユーザにより「キーワード追加」のソフトキーが押されると,操作部表示パネル3には図7に示すような表示がなされる。50音に相当するソフトキーを示す入力画面がタッチパネル5に表示される。ユーザがキーワードを入力できるようにするためである。ユーザは当該ソフトキーから50音を入力する。一つのソフトキーが押された場合,それに相当する文字がタッチパネル5の「入力キーワード表示部」の位置に表示される。ユーザは,その表示を確認しながら漢字変換等をしつつ,キーワードを入力する。「決定」パネルがユーザにより押されることにより,新たなキーワードがキーワード記憶部142に記憶されることとなる。なお,その際,入力内容を確認する確認画面を表示するようにしてもよい。
【0049】
続いて,登録されたキーワードを削除する場合について説明する。図6において「キーワード削除」のソフトキーが押されたときの,タッチパネル5の表示を図8に示す。操作部表示パネル3のタッチパネル5には,登録されているキーワードのソフトキーが順に並んで表示されている。全てのキーワードを表示しきれない場合には,複数のページに分けて表示すればよい。図8では,キーワードの一部が表示されている場合を示す。図8中の「次ページ」のソフトキーが押される度に,次のページのキーワードのリストが表示される。一方,「前ページ」のソフトキーが押される度に,その前のページのキーワードのリストが表示される。
【0050】
そしてユーザは,表示されたキーワードのソフトキーの中から一つあるいは複数のソフトキーを押す。押されたキーワードのソフトキーは,図8に示すように太枠で囲われた状態となっている。選択済みであることをユーザに視認させるためである。選択されたキーワードを太枠で囲う代わりに,反転表示等で表示するようにしてもよい。削除しようとするキーワードとしてユーザにより選択されたものと,選択されていないものとが区別できるようになっていればよい。
【0051】
ユーザは,削除しようとするキーワードを選択し終えた後,「削除」のソフトキーを押す。これにより,制御部150はキーワード記憶部142から選択されたキーワードに係る情報を削除する。その際に,確認画面を表示させるとよい。ユーザが誤ってキーワードを削除することを防止するためである。
【0052】
5.配色パターンのバリエーションとその変更
本形態の画像形成装置100は,前述したように,抽出された文字列にキーワードが含まれていた場合に,読み取った画像の少なくとも一部の画像部分の色を変更して画像形成を行うものである。すなわち,キーワードに該当する画像部分の色を変更して画像形成するのである。そして,そのキーワードに該当する画像部分は,予め設定された色により画像形成されるものである。
【0053】
図1においては,「極秘情報」の文字を赤色で画像形成したものを示した。しかし,それ以外の単一色,もしくは複数の色を用いた配色パターンを適用して画像形成を行ってもよい。このように,キーワードに該当する画像部分を画像形成する際に適用する配色パターンのバリエーションについて説明する。なお,図1に示した配色も,配色パターンのうちの一つである。また,元の原稿における白黒のモノクロで印字された配色も,ここでいう配色パターンのうちの一つに含まれることとする。
【0054】
図9に,その配色パターンの一例を示す。ここでは,「極秘資料」の文字が登録されたキーワードであったとする。操作部表示パネル3のタッチパネル5には,「極秘資料」の文字が表示されている。そして,「極」の文字は赤色で表示されている。また,「秘」,「資」,「料」の文字はそれぞれ,青色,緑色,黄色で表示されている。当該配色パターンは,5文字目以降について以下,赤色,青色,緑色,黄色,の順で順次繰り返して印字する配色パターンである。
【0055】
図9では,それらの色の区別のために,「赤」,「青」,「緑」,「黄」の文字が記されている。しかし,実際にはこのような表示は必要ない。ただし,タッチパネルがモノクロである画像形成装置においては,図9に示すように,「赤」等の文字を付して示すようにするとよい。
【0056】
ここで,別の配色パターンの例について図10により説明する。図10に示す操作部表示パネル3のタッチパネル5には,「上」の文字が表示されている。ただし,「上」の文字は配色パターンの一例を例示するためのものであって,「キーワード」として登録されているものではない。
【0057】
図10において「上」の文字は,図中に傾斜して配置された小さいブロック形状の集合体として構成されている。図10中において塗りつぶされたブロックは,実際には赤色で表示されている。そして,白抜きされたブロックは,実際には青色で表示されている。つまり,図10に示す配色パターンは,これらのブロックに赤色と青色とを交互に着色して配置したパターンである。これにより,抽出された文字列のうちキーワードに該当する文字に該当する画像部分が,ストライプ状に印字されることとなるのである。なお,赤色,青色に限る必要はない。また,3色以上を用いた配色パターンであっても構わない。
【0058】
このように,キーワードに該当する画像部分は,ユーザにより載置された原稿と異なる配色パターンに基づいて画像形成が行われる。ただし,設定されている配色パターンと,ユーザにより載置された原稿のキーワードに該当する画像部分の配色パターンとが,偶然にも最初から同一であった場合には,同一の配色パターンに基づいて画像形成が行われることとなる。そのため,普通に用いられることはないような配色パターンを設定しておくことが好ましい。
【0059】
ここで,配色パターンの変更方向について説明する。配色パターンは,予め工場出荷時に「デフォルト設定」が設定されている。例えば,この「デフォルト設定」として,図1に示したものが設定されている。画像形成装置100においては,ユーザがキーワード毎に「配色パターン」を設定することができるようになっている。また全てのキーワードについて「デフォルト設定」に戻すことができるようになっている。
【0060】
まず,図6に示した操作部表示パネル3の状態から,ユーザにより「配色パターン」のソフトキーが押される。すると,図11に示すように,タッチパネル5に「デフォルト設定」及び「キーワード毎設定」及び「一律設定」の文字列からなるソフトキーが表示される。そして,「デフォルト設定」もしくは「キーワード毎設定」もしくは「一律設定」のいずれかのソフトキーがユーザにより押される。
【0061】
ユーザが図11中の「キーワード毎設定」を押した場合について説明する。その場合,制御部150は,図12に示すように,登録されているキーワードのリストをタッチパネル5に表示させる。配色パターンの設定を変更するキーワードをユーザに選択させるためである。その際,一つのキーワードを選択してもよいし,複数のキーワードを選択してもよい。
【0062】
ユーザにより「機密」および「極秘」のソフトキーが押されたとする。そうすると,図12に示すように,押された「機密」および「極秘」のソフトキーが太枠で囲まれて表示される。なお,太枠で囲う代わりに,反転表示や異なる色を用いて表示するようにしてもよい。
【0063】
これらのキーワードが選択されてユーザにより「決定」のソフトキーが押されると,図13に示すような配色パターンのリストが表示される。図13に示す操作部表示パネル3のタッチパネル5には,「赤色」,「4色」,「ストライプ」の配色パターンが並んで表示されている。「赤色」,「4色」,「ストライプ」はそれぞれ,図1,図9,図10に示した配色パターンである。
【0064】
配色パターンが全て表示しきれない場合には,複数のページに分けて表示することは,キーワードを選択した場合と同様である。ここで,ユーザにより「ストライプ」のソフトキーが押された後「決定」のソフトキーが押されたとする。すると,「機密」および「極秘」のキーワードに対して,図10に示した「ストライプ」の配色パターンが設定される。ここで設定された内容は,配色パターン記憶部143の内容に反映される。
【0065】
図11中の「一律設定」のソフトキーがユーザにより押された場合について説明する。この場合,図13に示した配色パターンのリストがタッチパネル5に表示される。ここで,ユーザにより「4色」のソフトキーが押された後,「決定」のソフトキーが押されたとする。そうすると,キーワードのうち,対応する配色パターンがデフォルト設定のままとなっているキーワードに対して,図9に示した「4色」の配色パターンが設定される。
【0066】
例えば,「機密」および「極秘」のキーワードに対して,図10に示した「ストライプ」の配色パターンが「キーワード毎設定」により設定されていたものとする。そうすると,前述した「一律設定」を行うことにより,「機密」および「極秘」のキーワードを除くキーワード(例えば,図12に示した「経費」,「売上」,「秘密」等)に対して,図9に示した「4色」の配色パターンが設定されるのである。
【0067】
一方,図11の状態において,ユーザにより「デフォルト設定」のソフトキーが押された場合には,制御部150は,全てのキーワードに対する配色パターンについて,工場出荷時に設定された初期設定に戻す。つまり,既に配色パターンが「キーワード毎設定」または「一律設定」により設定されていたキーワードついても,工場出荷時に設定されていた配色パターンが再び設定されることとなるのである。
【0068】
6.変形例
本形態の変形例について説明する。本形態の画像形成装置100は,ユーザにより載置された原稿に機密情報が記載されていると判断した場合に,自動的にキーワードに該当する画像部分の色を変更して画像形成を行うものである。しかし,画像形成前,もしくは画像形成の途中で,ユーザによる配色パターンの変更を受け付けるようにしてもよい。図14は,読み取った原稿に機密情報がある場合に,ユーザによる配色パターンの変更を受け付けるフローを説明するためのフローチャートである。
【0069】
まず,画像読取部2が画像形成装置100に載置された原稿から画像を読み取って画像データを取得する(S201)。次に,データ変換機能部151が,取得した画像データから文字データを抽出する(S202)。この抽出は,前述したように,データ変換機能部151が画像データを文字認識パターン記憶部141に記憶された文字認識パターンと照合することによりなされる。次に,情報比較部152が,抽出された文字データをキーワードと照合する(S203)。そしてS204に進む。
【0070】
S204では,抽出された文字データにいずれかのキーワードが含まれていた場合(S204:Yes),S205に進む。抽出された文字データにキーワードが含まれていなかった場合(S204:No),S212に進む。
【0071】
S205では,抽出された文字データがキーワードのいずれかを含んでいた場合に,そのキーワードを操作部表示パネル3のタッチパネル5に表示する。複数のキーワードを含んでいた場合には,それらの全てのキーワードを表示する。そしてS206に進む。
【0072】
S206では,配色パターンを変更する設定を解除するか否かのユーザによる判断を受け付ける。その際に,配色パターンを変更して画像形成を実行するか否かについてユーザによる指示を受け付ける指示画面をタッチパネル5に表示する。配色パターンを変更する設定を解除する指示がユーザによりなされた場合には(S206:Yes),S212に進む。配色パターンを変更する設定を解除しない指示がユーザによりなされた場合には(S206:No),S207に進む。
【0073】
S207では,配色パターンを変更した状態でテストパターンを1枚プリントアウトする。そのため,テストパターンはユーザにより視認されるはずである。S208では,テストパターンがユーザにより確認されたものとして,再び配色パターンを変更する設定を解除するか否かのユーザによる判断を受け付ける。その際に,配色パターンを変更して画像形成を実行するか否かについてユーザによる指示を受け付ける指示画面をタッチパネル5に表示する。配色パターンを変更する設定を解除する指示がユーザによりなされた場合には(S208:Yes),S212に進む。配色パターンを変更する設定を解除しない指示がユーザによりなされた場合には(S208:No),S209に進む。
【0074】
S209では,テストプリントを行った配色パターンと異なる配色パターンに変更するか否かのユーザによる指示を受け付ける。その際に,配色パターンを変更するか否かについてユーザによる指示を受け付ける配色パターン変更画面をタッチパネル5に表示する。配色パターンを変更する指示がユーザによりなされた場合には(S209:Yes),S210に進む。配色パターンを変更しない指示がユーザによりなされた場合には(S209:No),S211に進む。S210では,ユーザが配色パターンを選択する。その際に,配色パターンの選択についてユーザによる指示を受け付ける配色パターン選択画面をタッチパネル5に表示する。そして,ユーザにより選択された配色パターンを配色パターン記憶部143に反映させて,S211に進む。
【0075】
S211では,キーワードに該当する画像部分の色を変更して画像形成を行う。すなわち,取得した画像データの少なくとも一部の画像部分の色を変更して画像形成を行うのである。
【0076】
このように,キーワードに該当する画像部分について,ユーザにより載置された原稿と異なる配色パターンに基づいて画像形成が行われる。ただし,設定されている配色パターンと,ユーザにより載置された元の原稿の配色パターンとが,偶然にも最初から同一であった場合には,同一の配色パターンに基づいて画像形成が行われることとなる。
【0077】
S212では,通常の画像形成を行う。読み取った画像の形状および色をそのままにして画像形成を行うのである。つまり,読み取った原稿を再現するように画像形成を行うのである。
【0078】
ここで,別の変形例について説明する。本形態では,読み取った画像をコピーする場合を例に挙げて説明した。しかし,パソコン等で作成した文書等をプリントアウトする場合に適用してもよい。すなわち,作成した文書等に機密情報を示唆するキーワードがあった場合に,その一部の色を変更して印字を行うようにしてもよい。その場合,プリンタにおける受信部や外部メモリの差込ポート,FAXモデム等が画像取得部としての役割を担うこととなる。
【0079】
別の変形例について説明する。本形態では,キーワードに相当する画像部分に,予め定めた配色パターンにより画像形成を行うこととした。しかし,キーワード以外の画像部分についても,予め定めた配色パターンを適用して画像形成を行うようにしてもよい。
【0080】
図15は,画像形成する際に,画像の一部分のみについて配色パターンを変更して画像形成する場合を示したものである。この場合,キーワードを含む画像領域について色を変更して画像形成を行ってもよい。また,キーワードに相当する画像部分とは関係なく,予め定めた領域に配色パターンを適用して画像形成を行ってもよい。また,画像形成するページ全体に当該配色パターンを適用するようにしてもよい。その場合の具体例を図16に示す。画像領域の全てについて,ストライプ状に色を変更して画像形成を行うのである。
【0081】
別の変形例について説明する。本形態では,機密情報の有無の判断を,取得した画像データを変換した文字データと登録されたキーワードとの比較により行うこととした。しかし,機密情報の有無を,文字の代わりにマーク(例えば,「秘」の文字を丸で囲んだもの等)により判断してもよい。その場合メモリ140は,キーワード記憶部142の代わりにマーク記憶部を有していればよい。つまり,文字データ化を行うのでなく,画像データのままで機密情報の有無を判断するのである。マーク記憶部は,登録情報としてマークを記憶する登録情報記憶部である。
【0082】
マーク記憶部には,登録すべきマークの画像情報をドット情報もしくはそれを圧縮した情報として記憶されている。データ変換機能部151は,取得した画像と,マーク記憶部に登録された画像認識パターンとのマッチングを行い,画像に含まれるマークを抽出するのである。なお,ユーザによる新たなマークの登録は,画像読取部2から読み込ませることにより行われることとすればよい。
【0083】
なお,機密情報の有無を,文字とマークの両方により判断するようにしてもよい。その場合,メモリ140は,キーワード記憶部142と,マーク記憶部とを有していることとなる。
【0084】
別の変形例について説明する。S206では,配色パターンを変更する設定を解除するか否かについて,ユーザによる判断を受け付けることとした。しかし,コピーそのものを行うかどうかについて,ユーザによる判断を受け付けるようにしてもよい。その場合,機密情報を含む原稿についてコピーを行う場合には,ユーザによる確認が行われて初めて画像形成が行われることとなる。つまり,ユーザの指示によりコピーそのものをやめるケースがあるのである。
【0085】
7.まとめ
以上,詳細に説明したように,本実施の形態に係る画像形成装置100は,予め登録したキーワードを含む原稿をコピーする場合に,当該キーワードに相当する画像部分を予め定めた配色パターンで印字するものである。そのため,ユーザが機密情報の記載された用紙である旨を容易に認識することができるようになった。これにより,ユーザが機密情報の記載された用紙を誤って裏紙として使用することを防止し,機密情報の漏洩を未然に防ぐことのできる画像形成装置100が実現されている。
【0086】
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。例えば,コピー機に限らない。プリンタ,FAX,その他の画像を形成する装置に適用することができる。また,現像剤の種類によらない。さらには,トナーでなくインクを用いる方式のものであってもよい。
【符号の説明】
【0087】
1Y,1M,1C,1K…画像形成部
2…画像読取部
3…操作部表示パネル
4…入力部
5…タッチパネル
10…現像ユニット
20…感光体ユニット
21…感光体ドラム
30…露光装置
100…画像形成装置
140…メモリ
141…文字認識パターン記憶部
142…キーワード記憶部
143…配色パターン記憶部
144…その他の記憶部
150…制御部
151…データ変換機能部
152…情報比較部
153…通常制御部
P…用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを取得する画像取得部と,
前記画像取得部により取得された画像データに基づいて被印刷部材にカラーの画像を形成する画像形成部とを有する画像形成装置において,
登録情報を記憶する登録情報記憶部と,
画像データを前記登録情報記憶部により記憶された登録情報と比較して,画像データが登録情報のうちのいずれかを含むか否かを判断する情報比較部とを有し,
前記画像形成部は,
前記情報比較部により,画像データが登録情報のうちのいずれかを含むと判断された場合に,前記画像取得部により取得された画像データの少なくとも一部の画像部分の色を変更して画像形成を行い(以下,「色変更画像形成」という),
前記情報比較部により,画像データが登録情報のうちのいずれをも含まないと判断された場合に,前記画像取得部により取得された画像データを変更しないで画像形成を行うものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において,
文字認識パターンを記憶する文字認識パターン記憶部と,
前記画像取得部により取得された画像データを,前記文字認識パターン記憶部に記憶された文字認識パターンと照合することにより文字データに変換するデータ変換機能部とを有し,
前記登録情報記憶部は,
登録情報としてキーワードを記憶するものであり,
前記画像形成部は,
前記情報比較部により,前記データ変換機能部により抽出された文字データが前記登録情報記憶部に記憶されたキーワードのうちのいずれかを含むと判断された場合に,前記色変更画像形成を行うものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像形成装置において,
前記画像形成部は,
前記色変更画像形成を行う際に,前記画像取得部により取得された画像データのうちキーワードに該当する画像部分の色を変更して画像形成を行うものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の画像形成装置において,
前記画像形成部は,
前記色変更画像形成を行う際に,前記画像取得部により取得された画像全体の色を変更して画像形成を行うものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれかに記載の画像形成装置において,
前記色変更画像形成を行う際に適用される配色パターンを複数記憶する配色パターン記憶部と,
前記登録情報記憶部により記憶されたそれぞれの登録情報と前記配色パターン記憶部により記憶された複数の配色パターンのうちの一つの配色パターンとの対応関係を記憶する対応関係記憶部とを有するものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項5に記載の画像形成装置において,
各種設定情報を表示するとともに,各種設定情報のユーザによる入力を受け付ける設定表示入力部を有し,
前記設定表示入力部は,
前記情報比較部により,画像データが登録情報のうちのいずれかを含むと判断された場合に,その画像データに基づく画像形成の開始に先立って,
その画像データに含まれている登録情報を表示するとともに,
その画像データに基づく前記色変更画像形成を実行するか否かについて,ユーザによる指示を受け付ける指示画面を表示するものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項6に記載の画像形成装置において,
前記設定表示入力部は,
前記指示画面に前記色変更画像形成を実行する指示がなされた場合に,前記色変更画像形成の開始に先立って,前記色変更画像形成を行う際に適用する配色パターンを変更するか否かについてユーザによる指示を受け付ける配色パターン変更画面を表示し,
前記配色パターン変更画面に配色パターンを変更する指示がなされた場合に,ユーザによる配色パターンの選択を受け付ける配色パターン選択画面を表示するものであり,
前記画像形成部は,
前記配色パターン選択画面に配色パターンの選択がなされた場合に,その選択された配色パターンを適用して前記色変更画像形成を行い,
前記配色パターン変更画面に配色パターンを変更しない指示がなされた場合に,元の配色パターンを適用して前記色変更画像形成を行うものであることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−4028(P2011−4028A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−143914(P2009−143914)
【出願日】平成21年6月17日(2009.6.17)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】