説明

画像形成装置

【課題】駆動源40から像担持体13に動力伝達する動力伝達系に配置される制振部材を、像担持体13への振動伝播抑制に効果が高いものにする。
【解決手段】本願発明の画像形成装置1は、駆動源40の動力にて回転駆動する像担持体13と、前記駆動源40から前記像担持体13に動力伝達する動力伝達系とを備える。前記動力伝達系には、振動減衰用の制振部材として、内部に粘性流体55を封入したカップリング部材44を有する。前記粘性流体55が前記像担持体13の回転に対して抵抗を付与する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は画像形成装置に関するものである。画像形成装置には、複写機、プリンタ、ファクシミリ及びこれらの機能を複合的に備えた複合機といった各種のものが含まれる。
【背景技術】
【0002】
従来から、電子写真方式を採用した画像形成装置では、回転駆動する感光体の表面に形成された静電潜像を現像器にてトナー像として顕像化し、当該トナー像を静電的に記録材に転写して画像を得ている。この種の画像形成装置の一例として特許文献1には、駆動モータの動力にて回転駆動する感光体と、駆動モータから感光体に動力伝達するギヤ列とを備え、ギヤ列中のギヤ間に、感光体への振動伝播を抑制する制振部材として防振ゴムを介在させることが開示されている。この構成によると、各ギヤ間の噛み合いによる送り誤差に起因した周期的な振動(回転振動)を減衰して、感光体の回転速度ムラ発生を抑制できるという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2002−174932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載のように、感光体への振動伝播抑制のために防振ゴムを採用した場合は、経年劣化にて防振ゴムの耐久性が低下することが懸念される。また、防振ゴムの弾性率は温度依存性が大きいため、外気温や連続使用による熱で、感光体への振動伝播抑制効果にムラが生ずることも懸念される。
【0005】
本願発明はこのような現状に鑑み成されたものであり、より改善された振動減衰用の制振部材を提供することを技術的課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明者らは、従来技術を改良すべく研究を重ね、本願発明を完成させるに至った。本願発明は多面的な広がりを持っている。
【0007】
第1発明(請求項1の発明)は最も上位概念を成すものであり、第1発明に係る画像形成装置は、駆動源の動力にて回転駆動する像担持体と、前記駆動源から前記像担持体に動力伝達する動力伝達系とを備えている。そして、前記動力伝達系には、振動減衰用の制振部材として、内部に粘性流体を封入したカップリング部材を有しており、前記粘性流体が前記像担持体の回転に対して抵抗を付与する。
【0008】
第2発明(請求項2の発明)は第1発明を具体化したものである。第2発明では、前記カップリング部材が互いに嵌り合う雄型嵌合体及び雌型嵌合体を備えている。前記両嵌合体は、嵌合方向に貫通する前記像担持体の回転軸に回転可能に軸支されている。そして、前記雄型嵌合体に形成された凹部と前記雌型嵌合体の内底面とで囲まれる収容空間には、前記回転軸と一体回転する回転抵抗体が前記粘性流体と共に収容されている。
【0009】
第3発明(請求項3の発明)も第1発明を具体化したものである。第3発明では、前記カップリング部材の内部に形成された収容空間に、前記回転軸と一体回転する回転抵抗体が前記粘性流体と共に収容されている。そして、前記カップリング部材の内周部と前記回転抵抗体とは、互いに噛み合わせ可能となるように、それぞれ断面櫛歯状に形成されている。
【発明の効果】
【0010】
本願の請求項に記載された発明によると、駆動源から像担持体に動力伝達する動力伝達系に、振動減衰用の制振部材として、内部に粘性流体を封入したカップリング部材を有し、前記粘性流体が前記像担持体の回転に対して抵抗を付与するから、例えば前記駆動源の回転速度ムラに起因した振動を前記粘性流体にて減衰でき、振動を減衰させた状態の動力にて前記像担持体を回転駆動させることになる。その結果、前記像担持体における回転速度ムラの発生を大幅に抑制して、画像ブレ(バンディング)を防止でき、画像品質の向上を実現できる。前記カップリング部材の存在が、画像形成動作に対する前記像担持体の回転速度ムラの影響を広範囲の周波数帯域で抑制し、高品質な画像の提供が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】プリンタの概略説明図である。
【図2】作像部の動力伝達系統の概略説明図である。
【図3】第1実施形態における作像部の動力伝達系統の斜視図である。
【図4】図3の断面説明図である。
【図5】カップリング部材の相違が感光体の負荷変動率に与える影響を示すグラフである。
【図6】第2実施形態におけるカップリング部材の側面断面図である。
【図7】第3実施形態におけるカップリング部材の側面断面図である。
【図8】第4実施形態におけるカップリング部材の側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本願発明を画像形成装置の一例であるタンデム方式のカラーデジタルプリンタ(以下、プリンタと称する)に適用した実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば「左右」「上下」等)を用いる場合は、図1において紙面に直交した方向を正面視とし、これを基準にしている。これらの用語は説明の便宜のために用いたものであり、本願発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0013】
(1).プリンタの概要
まず、図1を参照しながら、プリンタ1の概要について説明する。図1に示すように、プリンタ1は、その筐体2内に、画像プロセス装置3、給紙装置4、及び定着装置5等を備えている。詳細は図示していないが、プリンタ1は、例えばLANといったネットワークに接続されていて、外部端末(図示省略)からの印刷指令を受け付けると、当該指令に基づいて印刷を実行するように構成されている。
【0014】
筺体2内の下部に位置する給紙装置4は、記録材Pを収容する給紙カセット21、給紙カセット21内の記録材Pを最上層から繰り出すピックアップローラ22、繰り出された記録材Pを1枚ずつに分離する一対の分離ローラ23、及び、1枚に分離された記録材Pを所定のタイミングにて画像プロセス装置3に搬送する一対のタイミングローラ24等を備えている。各給紙カセット21内の記録材Pは、ピックアップローラ22及び分離ローラ23の回転にて、最上層のものから1枚ずつ搬送経路30に送り出される。搬送経路30は、給紙装置4の給紙カセット21から、タイミングローラ対24のニップ部、画像プロセス装置3の二次転写ニップ部11、及び定着装置5の定着ニップ部を経て、筐体2上部にある排出ローラ対26に至る。
【0015】
給紙カセット21内の記録材Pは、その通紙幅(搬送方向Sと直交する幅寸法)の中央を基準にして、搬送経路30に向けて矢印S方向に搬送するセンター基準にセットされる。実施形態では、給紙カセット21内に、給紙前の記録材Pをセンター基準に幅寄せするための一対の側部規制板25を備えている。一対の側部規制板25は、通紙幅方向(搬送方向Sと直交する方向)に互いに連動して遠近移動するように構成されている。給紙カセット21内の記録材Pを一対の側部規制板25にて通紙幅方向両側から挟持することによって、給紙カセット21内の記録材Pがその規格に拘らずセンター基準にセットされる。従って、画像プロセス装置3での転写処理や、定着装置5での定着処理もセンター基準で実行される。
【0016】
給紙装置4の上方に位置する画像プロセス装置3は、像担持体の一例である感光体13上に形成されたトナー像を記録材Pに転写する役割を担うものであり、中間転写ベルト6、及びイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各色に対応する計4つの作像部7等を備えている。中間転写ベルト6も像担持体の一例であり、筐体2内の中央部右側に位置する駆動ローラ8と、同じく中央部左側に位置する従動ローラ9とに巻き掛けられている。中間転写ベルト6のうち駆動ローラ8に巻き掛けられた部分の外側に二次転写ローラ10が配置されている。中間転写ベルト6と二次転写ローラ10との当接部分は二次転写領域である二次転写ニップ部11になっている。中間転写ベルト6のうち従動ローラ9に巻き掛けられた部分の外側には、中間転写ベルト6上の未転写トナーを除去する転写ベルトクリーナ12が配置されている。筐体2内部のうち画像プロセス装置3と給紙装置4との間には、プリンタ1の制御全般を司る制御部28が配置されている。制御部28には、各種演算処理、記憶及び制御を実行するコントローラ(図示省略)が内蔵されている。
【0017】
4つの作像部7は、中間転写ベルト6の下方において、図1の左からイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の順に、中間転写ベルト6に沿って並べて配置されている。なお、図1では説明の便宜上、各作像部7に、再現色に応じて符号Y,M,C,Bを添えている。各作像部7は感光体13を備えている。感光体13の周囲には、図1における時計回りの回転方向に沿って順に、帯電器14、露光部19、現像器15、一次転写ローラ16、及び感光体クリーナ17が配置されている。
【0018】
各作像部7において、帯電器14にて帯電される感光体13に、露光部19からレーザービームが投射されると、静電潜像が形成される。静電潜像は、現像器15から供給されるトナーにて反転現像されて各色のトナー像となり、一次転写ニップ部において、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順で、感光体13から中間転写ベルト6の外周面に一次転写されて重ねられる。感光体13に残った未転写トナーは感光体クリーナ17にて掻き取られ、感光体13上から取り除かれる。そして、記録材Pが二次転写ニップ部11を通過する際に、重ね合わされた4色のトナー像が記録材Pに一括して二次転写される。中間転写ベルト6に残った未転写トナーは転写ベルトクリーナ12にて掻き取られ、中間転写ベルト6上から取り除かれる。
【0019】
画像プロセス装置3における二次転写ローラ10の上方に位置する定着装置5は、ハロゲンランプヒータ等の熱源を内蔵した定着ローラ31と、定着ローラ31に対峙する加圧ローラ32とを備えている。定着ローラ31と加圧ローラ32との当接部分が定着領域である定着ニップ部になっている。二次転写ニップ部11を通過して未定着トナー像を載せた記録材Pは、定着ローラ31と加圧ローラ32との間の定着ニップ部を通過する際に加熱・加圧され、記録材P上に未定着トナー像を定着される。その後、記録材Pは、一対の排出ローラ26の回転にて排紙トレイ27上に排出される。
【0020】
例えば各作像部7の現像器15、中間転写ベルト6及び転写ベルトクリーナ12等は、画像形成動作の繰り返しによって消耗する消耗部品に相当するものである。これら各消耗部品は筐体2に交換可能(着脱可能)に装着されている。例えば各作像部7(感光体13、帯電器14、露光部19、現像器15、及び感光体クリーナ17)は、ハウジング20内に収容してカートリッジ化(一体構造化)されていて、いわゆるプロセスカートリッジとして筐体2に交換可能に装着されている。
【0021】
(2).作像部の動力伝達構造
次に、図2〜図5を参照しながら、作像部7の動力伝達構造について説明する。プリンタ1の筐体2側には、動力を発生する駆動源としての駆動モータ40が配置されている。駆動モータ40の動力は一旦、動力伝達系の構成要素である入力ギヤ41に伝達される。感光体13の回転軸13aのうち感光体13から外向きに突出した端部側には、振動減衰用の制振部材としてのカップリング部材44が動力伝達可能に連結されている。カップリング部材44(後述する雄型嵌合体47)の外周側に形成された外歯に、入力ギヤ41が噛み合っている。回転軸13aのうちカップリング部材44と感光体13との間には、駆動モータ40からの動力を分岐させる出力ギヤ42が、感光体13と一体回転するように設けられている。出力ギヤ42には出力中継ギヤ43が噛み合っている。出力ギヤ42から出力中継ギヤ43を経由した動力は例えば現像器15に伝達されることになる。
【0022】
すなわち、駆動モータ40の動力の一部は、入力ギヤ41、カップリング部材44及び出力ギヤ42を介して感光体13に伝達される。残りの動力は、出力ギヤ42から出力中継ギヤ43を介して例えば現像器15に伝達される。なお、出力ギヤ42と出力中継ギヤ43とは出力ギヤ列45を構成している。
【0023】
図3及び図4に示すように、感光体13の回転軸13aのうちカップリング部材44と出力ギヤ42との間には、弾性体としての連動バネ46が被嵌されている。連動バネ46の一端側は出力ギヤ42に係合させ、他端側はカップリング部材44(後述する雌型嵌合体48)に係合させている。従って、カップリング部材44は、連動バネ46の弾性復原力を利用して、出力ギヤ42に回転動力を伝達することになる。
【0024】
図3及び図4にはカップリング部材44の第1実施形態を示している。第1実施形態のカップリング部材44は、互いに嵌り合う雄型嵌合体47及び雌型嵌合体48を備えている。両嵌合体47,48は、互いの嵌合方向に貫通する感光体13の回転軸13aに軸受体49,50を介して回転可能に軸支されている。雄型嵌合体47の嵌合側には凹部51が凹み形成されている。両嵌合体47,48は例えば圧入等によって外れ難い状態で嵌合している。両嵌合体47,48を嵌合させた状態では、雄型嵌合体47側の凹部51と雌型嵌合体48の内底面52とによって、カップリング部材44の内部に中空の収容空間53が形成される。カップリング部材44内の収容空間53には、感光体13の回転軸13aと一体回転する回転抵抗体54が粘性流体55と共に収容されている。
【0025】
粘性流体55は、回転抵抗体54を感光体13の回転軸13aと一体回転させる際に、回転抵抗体54に粘性抵抗(回転抵抗)を付与して、回転抵抗体54とカップリング部材44との間に、相対回転(回転抵抗体54の回転遅れ)を生じさせるものである。ここでの粘性抵抗は、粘性流体55のせん断抵抗や撹拌抵抗に起因して得られる。粘性流体55の種類は特に限定されないが、例えばシリコーンオイル等の高粘性流体やグリースが用いられる。
【0026】
第1実施形態のカップリング部材44では、回転抵抗体54が一端開口の円筒状に形成されている。雄型嵌合体47側の凹部51内には、回転抵抗体54の一端開口部に嵌る円筒突部56が形成されている。回転抵抗体54は、雄型嵌合体47における凹部51内の円筒突部56に被さって配置されている。円筒突部56の外周面と回転抵抗体54の内周面との間に、若干の隙間が空いている。また同様に、回転抵抗体54の外周面と雄型嵌合体47の凹部51内周面との間にも、若干の隙間が空いている。これらの隙間に粘性流体55が封入されている。なお、雄型嵌合体47の円筒突起部56において回転軸13aが貫通する部分、及び、雌型嵌合体48の内底面52において回転軸13aが貫通する部分には、内部の粘性流体55の漏れを防止するオイルシール57,58が設けられている。
【0027】
以上の構成によると、駆動モータ41から入力ギヤ41を経由した動力はまず、カップリング部材44(雄型嵌合体47)に伝達される。カップリング部材44内の回転抵抗体54は、粘性流体55にて粘性抵抗を受けながら、カップリング部材44と共に回転しようとするため、回転抵抗体54とカップリング部材44との間に、相対回転(回転抵抗体54の回転遅れ)を生じさせる。ここで、例えば駆動モータ40の回転速度ムラに起因した振動は粘性流体55が減衰させることになる。そして、回転抵抗体54と一体回転する回転軸13aを介して、振動を減衰させた状態の動力が感光体13に伝達され、感光体13を回転駆動させる。その結果、感光体13における回転速度ムラの発生を大幅に抑制して、画像ブレ(バンディング)を防止でき、画像品質の向上を実現できる。特に、作像部7はいわゆるプロセスカートリッジとして筐体2に交換可能に装着される構造であるから、動力伝達系の簡素化及び小型軽量化も併せて達成できるのである。
【0028】
ここで、図5に、制振部材の相違が感光体13の負荷変動率(回転速度ムラ)に与える影響について調べた実験結果を示す。図5のグラフでは、横軸に周波数を、縦軸に負荷変動率を採っている。図5中の◆は制振部材として樹脂材を用いた場合、■は制振部材として防振ゴムを用いた場合、○は制振部材としてカップリング部材44を用いた場合を示している。図5に示すように、制振部材としてカップリング部材44を使用した場合(○の場合)は、他の例に比べて、広範囲の周波数帯域で負荷変動率を格段に低減できていることが分かる。これらの点からも、カップリング部材44の存在が、画像形成動作に対する感光体13の回転速度ムラの影響を広範囲の周波数帯域で抑制し、高品質な画像の提供を可能にしていることが見て取れる。
【0029】
(3).カップリング部材の第2実施形態
次に、図6を参照して、カップリング部材の第2実施形態を説明する。ここで、以下の実施形態において構成及び作用が第1実施形態と変わらないものは、同じ符号を付して詳細な説明を省略する。第2実施形態のカップリング部材44では、回転抵抗体54に、回転軸13a方向から見て同心円状に広がる複数の環状突部62(凹凸とも言える)が形成されている。また、雄型嵌合体47側の凹部51内には、回転抵抗体54の環状突部62に回転軸13a方向に沿って噛み合う複数の環状突部61が形成されている。すなわち、カップリング部材44の内周部(凹部51)と回転抵抗体54とが、互いに噛み合わせ可能となるようにそれぞれ断面櫛歯状になっている。雄型嵌合体47側の環状突部61と回転抵抗体54側の環状突部62とは、若干の隙間を有する状態で嵌り合っている(遊嵌している)。これらの隙間に粘性流体55が封入されている。
【0030】
このように構成した場合、カップリング部材44の内周部(凹部51)及び回転抵抗体54において、粘性流体55との接触面積を広く取れることになる。このため、粘性流体55によって感光体13の回転に粘性抵抗を付与する機能を向上でき、感光体13における回転速度ムラ発生の更なる抑制が可能になる。その結果、画像ブレ(バンディング)を防止して、画像品質をより一層向上できる。
【0031】
(4).カップリング部材の第3実施形態
次に、図7を参照しながら、カップリング部材の第3実施形態について説明する。第3実施形態では、カップリング部材64内の収容空間65に、感光体13の回転軸13a方向に並ぶ複数の仕切室66が設けられている。回転軸13aはカップリング部材64に回転可能に軸支されている。回転軸13aのうち各仕切室66の箇所には、円盤状の回転抵抗体67が回転軸13aと一体回転するように設けられている。各仕切室66内には粘性流体55が封入されている。隣接する仕切室66同士は粘性流体55が流通し得るように構成されている。なお、カップリング部材64は回転軸13aを中心として二つ割り状に形成されている。カップリング部材64の外周側に外歯が形成され、当該外歯に入力ギヤ41を噛み合わせているのは言うまでもない。
【0032】
第3実施形態も、第2実施形態と同様に、カップリング部材64の内周部(仕切室66)と回転抵抗体67とが互いに噛み合わせ可能となるようにそれぞれ断面櫛歯状に形成された例である。この場合も、カップリング部材64の内周部及び回転抵抗体67において、粘性流体55との接触面積を広く取れるため、粘性流体55によって感光体13の回転に粘性抵抗を付与する機能を向上できる。
【0033】
(5).カップリング部材の第4実施形態
次に、図8を参照しながら、カップリング部材の第4実施形態について説明する。第4実施形態では、カップリング部材74内の収容空間75に、感光体13の回転軸13a方向に並ぶ複数の固定リング板76が設けられている。回転軸13aはカップリング部材74に回転可能に軸支されている。回転軸13aには、円盤状の回転抵抗体77が回転軸13aと一体回転するように適当な間隔で設けられている。固定リング板76と回転抵抗体77とは交互に並べられている。収容空間75の空所に粘性流体が封入されている。なお、カップリング部材74は回転軸13aを中心として二つ割り状に形成されている。カップリング部材74の外周側に外歯が形成され、当該外歯に入力ギヤ41を噛み合わせているのは言うまでもない。
【0034】
第4実施形態も、第2及び第3実施形態と同様に、カップリング部材74の内周部(固定リング板76)と回転抵抗体77とが互いに噛み合わせ可能となるようにそれぞれ断面櫛歯状に形成された例である。この場合も、カップリング部材74の内周部及び回転抵抗体77において、粘性流体55との接触面積を広く取れるため、粘性流体55によって感光体13の回転に粘性抵抗を付与する機能を向上できる。
【0035】
(6).その他
本願発明は、前述の実施形態に限らず、様々な態様に具体化できる。例えば、画像形成装置としてプリンタを例に説明したが、これに限らず、複写機、ファクシミリ又はこれらの機能を複合的に備えた複合機等でもよい。その他、各部の構成は図示の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
【符号の説明】
【0036】
1 プリンタ
7 作像部
13 感光体
13a 回転軸
40 駆動モータ
41 入力ギヤ
44 カップリング部材
47 雄型嵌合体
48 雌型嵌合体
53 収容空間
54、67,77 回転抵抗体
55 粘性流体
61,62 環状突部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源の動力にて回転駆動する像担持体と、前記駆動源から前記像担持体に動力伝達する動力伝達系とを備えており、前記動力伝達系には、振動減衰用の制振部材として、内部に粘性流体を封入したカップリング部材を有しており、前記粘性流体が前記像担持体の回転に対して抵抗を付与する、
画像形成装置。
【請求項2】
前記カップリング部材は、互いに嵌り合う雄型嵌合体及び雌型嵌合体を備えており、前記両嵌合体は、嵌合方向に貫通する前記像担持体の回転軸に回転可能に軸支されており、前記雄型嵌合体に形成された凹部と前記雌型嵌合体の内底面とで囲まれる収容空間には、前記回転軸と一体回転する回転抵抗体が前記粘性流体と共に収容されている、
請求項1に記載した画像形成装置。
【請求項3】
前記カップリング部材の内部に形成された収容空間に、前記回転軸と一体回転する回転抵抗体が前記粘性流体と共に収容されており、前記カップリング部材の内周部と前記回転抵抗体とは、互いに噛み合わせ可能となるように、それぞれ断面櫛歯状に形成されている、
請求項1に記載した画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−128108(P2012−128108A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−278415(P2010−278415)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】