説明

画像形成装置

【課題】認証プリントジョブの実行において機密性を確保しつつ利便性をより向上することが可能な画像形成装置を提供すること。
【解決手段】外部端末からネットワークを介して送られて来る認証プリントジョブのデータを受信する画像形成装置において、認証プリントジョブのデータ受信中に、当該認証プリントジョブに対するユーザ認証が成功すると、あと何秒でデータ受信が完了して当該認証プリントジョブが実行されるかを示す残り時間を表示する部分230を含む受信中画面203を操作パネルに表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機やプリンタなどの画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置などの画像形成装置では、機密文書を印刷する方法が従来から提案されている。
機密文書を印刷する方法として特許文献1には、認証プリントジョブを用いる方法が開示されている。すなわち、外部端末と画像形成装置とがネットワークを介して接続されており、ユーザの指示により外部端末から画像形成装置に対して認証プリントジョブが送られると、画像形成装置では、受け付けた認証プリントジョブを直ぐには実行せず(プリント出力せず)、認証プリントジョブのデータをハードディスクなどの記憶部に保存しておき、外部端末から画像形成装置まで移動して来た当該ユーザにより画像形成装置の操作部からユーザIDとパスワードの入力などによるユーザ認証を行い、ユーザ認証が成功すれば、当該認証プリントジョブのデータを記憶部から読み出して当該認証プリントジョブを実行(プリント出力)するというものである。
【0003】
認証プリントジョブを用いれば、画像形成装置においてユーザ認証されないとプリント出力が実行されないので、例えば、画像形成装置から離れた位置に設置されている外部端末を利用するユーザが画像形成装置に対してプリントを要求した場合に、そのユーザが画像形成装置からプリントされた出力物を取りに行くために画像形成装置に向かって移動している間に勝手にプリント出力されてしまい、他人に出力物を見られてしまうことが防止されて、機密性を確保することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−3006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
認証プリントジョブを用いる場合、ユーザが画像形成装置の操作部に対してユーザIDなどの認証のための入力操作を行っている時点で、画像形成装置が認証プリントジョブのデータを既に受信していれば、認証の成功後、当該ジョブが実行されることになる。
ところが、ネットワークの混雑や認証プリントジョブのデータ量が大量であるなど、ユーザが認証のための入力操作を行っている時点で、まだ認証プリントジョブのデータを受信中である場合もあり得る。
【0006】
このようにユーザが認証のための入力操作を行っている時点で認証プリントジョブのデータが画像形成装置において受信中である場合、ユーザは、認証プリントジョブのデータ受信が完了してプリント出力されるまでの間、画像形成装置の前で待つ必要が生じる。
しかしながら、特許文献1の構成では、ユーザは、認証プリントジョブのデータ受信が完了するのにどれだけ画像形成装置の前で待てば良いのか判らない。
【0007】
認証プリントジョブのデータ受信の完了までにかかる時間は、ジョブ毎にそのデータ量などにより変わり、長時間に及ぶ場合でも、ユーザはその待ち時間がどの程度がわからないまま画像形成装置の前で待ち続けることになる。ユーザにとっては、待ち時間が長くなることが判ればその待ち時間に別の作業を行うことができるなど、その待たされる時間が無駄になって利便性が低下するという問題が生じる。
【0008】
また、認証プリントジョブは、ジョブ単位で、画像形成装置におけるユーザによる認証のための操作が成功したときにプリント出力を行うものであるため、例えば同一のユーザが発行した2つの認証プリントジョブAとBについて、認証プリントジョブAが画像形成装置で実行中に、別の認証プリントジョブBのデータが受信される場合、認証プリントジョブBについては、認証プリントジョブAの終了後に、別途、認証のための入力操作を行わねばならず、ユーザにとっては面倒である。
【0009】
これに対して、例えばユーザによる1回の入力操作で複数の認証プリントジョブA、Bに対するプリント出力を順に行うことが考えられるが、ネットワークの混雑などによっては複数の認証プリントジョブが連続して画像形成装置に送られて来るとは限らず、認証プリントジョブAに対して認証プリントジョブBのデータ受信が遅れる場合もあり得る。
認証プリントジョブBのデータ受信が遅れると、それだけ認証プリントジョブBを実行する時期が遅くなることになり、機密性の観点から他人に見られないようにするには、認証プリントジョブAとBを発行したユーザは、認証プリントジョブBによるプリント出力まで画像形成装置の前で待たなければならない。
【0010】
認証プリントジョブAとBを発行したユーザが画像形成装置の前で待っている時間が長くなると、それだけ他のユーザにとっては自己の認証のための入力操作を画像形成装置の操作部において行うことができない時間が長くなって利便性が低下することになる。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、認証プリントジョブの実行において機密性を確保しつつ利便性をより向上することが可能な画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明に係る画像形成装置は、ネットワーク接続された外部端末から認証プリントジョブのデータを受信し、当該認証プリントジョブを実行するためのユーザによる認証要求を受け付け、ユーザの認証が成功すると当該認証プリントジョブを実行する画像形成装置であって、表示手段と、認証プリントジョブのデータ受信が完了するまでに前記ユーザの認証が成功すると、当該認証プリントジョブの実行までに要すると予測される時間の長さを指標する情報を前記表示手段に表示させる表示制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
また、前記認証プリントジョブのデータには、当該ジョブの総ページ数を示す情報とプリントすべき画像を示すプリントデータとが含まれており、前記表示制御手段は、1ページ分のプリントデータを受信するのに要する時間を示す情報を取得し、取得した時間と前記総ページ数に基づいて前記時間の長さを求めることを特徴する。
さらに、前記認証プリントジョブのデータ受信中に、当該認証プリントジョブの実行を禁止させるための指示をユーザから受け付ける禁止受付手段と、前記禁止受付手段により前記指示が受け付けられると、前記ユーザ認証が成功していても前記認証プリントジョブの実行を禁止するジョブ制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0013】
また、前記認証プリントジョブのデータ受信中に、自装置において認証プリントジョブが実行できない所定の状態になるトラブルが発生したことを判断する判断手段と、前記判断手段により判断されたトラブルの発生後、当該トラブルの解消により当該認証プリントジョブが実行可能な状態に戻っても、前記データ受信中の認証プリントジョブの実行を禁止するジョブ制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0014】
さらに、前記ユーザ認証を解除するための指示をユーザから受け付ける解除受付手段を備え、前記ジョブ制御手段は、前記解除受付手段により前記指示が受け付けられると、前記ユーザ認証を解除して、新たな認証要求により認証が成功すると、前記禁止を解除して前記認証プリントジョブを実行することを特徴とする。
また、前記表示手段は、ディスプレイを含み、前記表示制御手段は、前記情報を示す画面を前記ディスプレイに表示させ、前記認証プリントジョブの実行が禁止されると、前記情報を示す画面に代えて前記認証プリントジョブとは異なる他のジョブの実行指示をユーザから受け付けるための画面に切り替えることを特徴とする。
【0015】
さらに、認証プリントジョブを実行してから所定時間が経過するまでの間に別の認証プリントジョブのデータ受信を開始すれば、前記ユーザ認証を当該別の認証プリントジョブにも適用して当該別の認証プリントジョブを実行し、前記所定時間が経過した以降に別の認証プリントジョブのデータ受信を開始すれば、前記ユーザ認証を当該別の認証プリントジョブには適用せず、ユーザからの当該別の認証プリントジョブを実行するための別の認証要求に基づくユーザ認証が成功すると当該別の認証プリントジョブを実行することを特徴とする。
【0016】
ここで、前記所定時間が経過するまでの間に別の認証プリントジョブのデータ受信を開始しなければ、前記ユーザ認証を解除して認証要求を受け付ける状態に戻ることを特徴とする。
また、前記情報は、前記認証プリントジョブの実行が開始されるまでに要するであろう予測時間を示す情報、または前記認証プリントジョブの実行を開始する予定時刻を示す情報であることを特徴とする。
【0017】
ここで、前記表示制御手段は、前記情報が前記予測時間である場合に、当該時間をカウントダウン表示させることを特徴とする。
さらに、前記ユーザによる認証要求を受け付けた時点で、認証プリントジョブのデータを受信していないときには、認証を成功させずに認証要求を受け付ける状態に戻ることを特徴とする。
【0018】
また、前記表示手段は、ディスプレイを含み、前記表示制御手段は、前記情報を示す画面を前記ディスプレイに表示させることを特徴とする。
本発明に係る画像形成装置は、ネットワーク接続された外部端末から認証プリントジョブのデータを受信し、当該認証プリントジョブを実行するためのユーザによる認証要求を受け付け、ユーザの認証が成功すると当該認証プリントジョブを実行する画像形成装置であって、認証プリントジョブを実行してから所定時間が経過するまでの間に別の認証プリントジョブのデータ受信を開始すれば、前記ユーザ認証を当該別の認証プリントジョブにも適用して当該別の認証プリントジョブを実行し、前記所定時間が経過した以降に別の認証プリントジョブのデータ受信を開始すれば、前記ユーザ認証を当該別の認証プリントジョブには適用せず、ユーザからの当該別の認証プリントジョブを実行するための別の認証要求に基づくユーザ認証が成功すると当該別の認証プリントジョブを実行するジョブ制御手段を備えることを特徴とする。
【0019】
ここで、前記ジョブ制御手段は、前記所定時間が経過するまでの間に別の認証プリントジョブのデータ受信を開始しなければ、前記ユーザ認証を解除して認証要求を受け付ける状態に戻ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
このように認証プリントジョブの実行までに要すると予測される時間の長さを指標する情報が表示されるので、ユーザはこの情報を見ることにより、認証プリントジョブが実行されるまでの時間を確認することができる。これによりユーザは、例えば画像形成装置の前でジョブが実行されるまで待つか、一時的に画像形成装置から離れて別の作業を行った後に、認証プリントジョブの実行の直前に画像形成装置に戻るといった動作を行えるなど、ユーザにとって選択肢が増え、無駄な待ち時間を減らせるようになり、機密性を確保しつつ利便性をより向上することが可能になる。
【0021】
また、認証プリントジョブを実行してから所定時間が経過するまでの間に別の認証プリントジョブのデータ受信が開始されたか否かによって、当該別の認証プリントジョブをユーザが別の認証要求をせずとも実行するか、ユーザが別の認証要求を行ってのみ実行するかが切り替えられるようになる。
これにより、ユーザは、別の認証プリントジョブのデータ受信が所定時間の経過前に開始された場合に新たな認証要求のための操作を行わなくて済み、操作性が向上する。別の認証プリントジョブのデータ受信が所定時間の経過以降であれば、ユーザによる別の認証要求がされければ別の認証プリントジョブが実行されないので、ユーザは、所定時間の経過直後に画像形成装置から離れたい場合には、この別の認証要求をしなければ良く、機密性を確保するために別の認証プリントジョブが実行されるまでの間、画像形成装置の前で待つ必要がなくなり、ユーザにとって待ち時間が短くて済む。
【0022】
所定時間の経過後にそのユーザが画像形成装置から離れれば、他のユーザが画像形成装置において、例えば認証のための操作を行うなど利用が可能になり、長時間に亘って1人のユーザが画像形成装置を利用し続けることを防止して、機密性を確保しつつ利便性をより向上することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】複合機の全体の構成を示す概略図である。
【図2】複合機に設けられる制御部の概略構成を表すブロック図である。
【図3】認証プリントジョブのデータ構造の例を模式的に示す図である。
【図4】制御部のハードディスクにBOXが設けられている例を示す図である。
【図5】ログイン画面の表示例を示す図である。
【図6】印刷中画面の表示例を示す図である。
【図7】受信中画面の表示例を示す図である。
【図8】警告画面の表示例を示す図である。
【図9】認証プリントジョブを受信した場合に制御部が実行する処理の内容を示すフローチャートの一部を示す図である。
【図10】認証プリントジョブを受信した場合に制御部が実行する処理の内容を示すフローチャートの残りの部分を示す図である。
【図11】受信中画面表示処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図12】認証プリントジョブのデータの受信した場合の制御部におけるコマンドシーケンスの例を示す図である。
【図13】認証プリントジョブのデータの受信した場合の制御部におけるコマンドシーケンスの別の例を示す図である。
【図14】認証プリントジョブのデータの受信した場合の制御部におけるコマンドシーケンスのさらに別の例を示す図である。
【図15】認証プリントジョブのデータの受信した場合の制御部におけるコマンドシーケンスのさらに別の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る画像形成装置の実施の形態を、タンデム型カラーデジタル複合機(以下、単に「複合機」という。)を例にして説明する。
(1)複合機の全体構成
図1は、複合機1の全体の構成を示す概略図である。
同図に示すように、複合機1は、スキャナ部2と、プリンタ部3と、制御部4とを備え、原稿画像を読み取ってその画像データに基づいて記録シートに画像を形成するコピージョブ、外部端末71からネットワーク61を介して送られてきた認証プリントジョブのデータを受信して、受信したデータに基づいて記録シートに画像を形成してプリント出力する認証プリントジョブなどの各種ジョブを実行可能な、いわゆる多機能複合機(MFP:Multiple Function Peripheral)と呼ばれるものである。
【0025】
スキャナ部2は、セットされた原稿の画像を読み取って画像データを得る公知の画像読取装置である。
プリンタ部3は、電子写真方式等により画像を形成するものであり、ここでは画像プロセス部5と、記録シートの給送部6と、定着部7などを備えている。
画像プロセス部5は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の各再現色それぞれに対応する作像ユニット9Y、9M、9C、9Kと、露光部10と、中間転写ユニット30等を備える。
【0026】
中間転写ユニット30は、駆動ローラ31、従動ローラ32、テンションローラ33、中間転写ベルト38、クリーニングブレード35、1次転写ローラ36、および2次転写位置48において中間転写ベルト38を挟んで駆動ローラ31に圧接される2次転写ローラ37等を備える。
中間転写ベルト38は、駆動ローラ31と、従動ローラ32と、テンションローラ33に張架されており、同図の矢印Bで示す方向に循環駆動される。
【0027】
1次転写ローラ36は、中間転写ベルト38を挟んで作像ユニット9Y〜9Kに備えられる感光体ドラム21と対向する位置にそれぞれ配置されている。
作像ユニット9Y〜9Kは、中間転写ベルト38に対向してベルト走行方向上流側から下流側に沿って所定間隔で直列に配置されている。
作像ユニット9Yは、矢印Aで示す方向に回転する像担持体としての感光体ドラム21と、感光体ドラム21の周囲であり感光体ドラム21の回転方向に沿って配設された帯電部22、現像部23、クリーナ25等を備えている。この構成は、他の作像ユニット9M、9C、9Kについても同様であり、同図では符号が省略されている。各感光体ドラム21上にその対応する色のトナー像が作像される。
【0028】
給送部6は、記録シートSを収容する給紙カセット41、42、給紙カセット41、42内の記録シートSを1枚ずつ繰り出す繰り出しローラ43、44、繰り出された記録シートSを搬送する搬送ローラ対45、2次転写位置48に記録シートSを送り出すタイミングをとるためのタイミングローラ対46等を備えている。
定着部7は、ヒータ(不図示)を備え、所定の定着温度に維持される。
【0029】
制御部4は、露光部10を駆動させるための駆動信号を生成して、その駆動信号により露光部10を駆動させる。これにより露光部10から各色用の光ビームが出射され、作像ユニット9Y〜9Kのそれぞれの感光体ドラム21が露光走査される。
この露光走査を受ける前に作像ユニット9Y〜9Kのそれぞれに、感光体ドラム21が帯電部22により一様に帯電されており、光ビームの露光により感光体ドラム21上に静電潜像が形成され、その静電潜像が現像部23内のトナーを含む現像剤で現像されて、感光体ドラム21上にトナー像が形成される。各感光体ドラム21上に形成されたトナー像は、一次転写ローラ36により中間転写ベルト38上に一次転写される。この際、各色の作像動作は、そのトナー像が中間転写ベルト38上の同じ位置に重ね合わせて転写されるようにタイミングをずらして実行される。
【0030】
上記の作像動作のタイミングに合わせて、給送部6からは、タイミングローラ対46を介して記録シートSが給送されて来ており、この記録シートSは、循環駆動される中間転写ベルト38と二次転写ローラ37の間に挟まれて搬送され、中間転写ベルト38上の各色トナー像が二次転写ローラ37により記録シートS上に二次転写される。
二次転写が終了した記録シートSは、定着部7に搬送され、ここでトナー像が加熱、加圧されて記録シートSに定着された後、排出ローラ対51を介して排出され、収容トレイ52に収容される。なお、2次転写位置48においてトナー像が記録シートSに転写された後に中間転写ベルト38上に残存している転写残トナーは、クリーニングブレード35により清掃される。
【0031】
上記では、フルカラー(Y〜Kの4色)の画像形成を実行する場合を説明したが、いずれか1色、例えばK色のモノクロの画像形成を選択的に実行することもできる。モノクロの画像形成の場合には、再現色に対応する作像ユニットだけが駆動される。例えば、K色であれば、K色用の作像ユニット9Kだけが駆動され、作像ユニット9KによりK色のトナー像が中間転写ベルト38上に転写され、中間転写ベルト38上のK色のトナー像が記録シートSに二次転写されるようになっている。
【0032】
スキャナ部2の前面の、ユーザにより操作しやすい位置には、操作パネル8が設けられている。操作パネル8には、ユーザにより操作されるキー群、例えばジョブの選択を受け付けるためのキー、ユーザ認証用のユーザIDやパスワード、コピージョブにおけるコピー枚数等を入力するためのテンキー、コピー開始を指示するためのコピースタートキー、コピー倍率や用紙サイズの選択などを受け付けるためのキー、カラーやモノクロなど画像形成モードを選択するためのキーなどに加えて、各種メッセージを含む画面を表示させると共にユーザによるタッチ入力を受け付けるタッチパネル式の液晶表示部81(図2)が設けられている。操作パネル8において入力された情報は、制御部4に送られる。
(2)制御部4の構成
図2は、制御部4の概略構成を表すブロック図である。
【0033】
同図に示すように、制御部4は、主な構成要素として通信インターフェース(I/F)部101と、CPU102と、ROM103と、RAM104と、ハードディスク(HD)105と、認証部106と、スキャナ制御部107と、エンジン制御部108と、操作パネル制御部109と、HD管理部110と、ジョブ管理部111およびタイマー112などを備え、各部は相互に信号やデータのやりとりを行えるようになっている。
【0034】
CPU102は、ROM103から必要なプログラムを読み出し、コピージョブや認証プリントジョブなどの各種ジョブを円滑に実行させる。
ROM103には、各種ジョブを実行するための原稿画像の読取動作や画像形成動作に関する制御プログラムなどが記憶されている。RAM104は、CPU102のワークエリアとして用いられる。
【0035】
ハードディスク105は、スキャナ部2で読み取られた画像データや認証プリントジョブのデータなどを格納する。なお、データを格納する機能を有していれば良く、ハードディスクに限られず、他のメモリなどを用いるとしても良い。
HD管理部110は、ハードディスク105へのデータの書き込み(格納)と読み出し、およびハードディスク105内に格納されているデータ(ファイル)の管理を行う。
【0036】
スキャナ制御部107は、スキャナ部2の動作を制御し、エンジン制御部108は、プリンタ部3の動作を制御する。
通信I/F部101は、ネットワーク61、ここではLANと接続するためのLANカード、LANボードといったインターフェースであり、パーソナルコンピュータ(PC)などの外部端末71から送信される認証プリントジョブのデータをネットワーク61を介して受信する。
【0037】
図3は、認証プリントジョブのデータ構造の例を模式的に示す図である。
同図に示すように、認証プリントジョブのデータは、ヘッダ部と印刷データ部とに分けられている。
ヘッダ部には、当該ジョブの種類(認証プリントジョブであることを示す情報)、当該ジョブを他のジョブと識別するための一意の識別子からなるジョブID、当該ジョブを発行したユーザのユーザIDとパスワードに加えて、当該ジョブの総データ量(例えば、○○メガバイトなど)、当該ジョブの実行条件、具体的には印刷物の総ページ数、部数、用紙サイズ、文字、図形、写真などの画像処理モードの種別、カラーとモノクロのプリントモードの種別などが含まれている。
【0038】
印刷データ部には、プリント(印刷)すべき画像を示すデータ(プリントデータ)がページ単位で含まれるようになっている。プリントデータは、PDL(ページ記述言語)で形成されたデータである。本実施の形態では、ヘッダ部、印刷データ部の順にデータが受信され、認証プリントジョブの全データの受信を完了する前に、ヘッダ部に含まれる情報を参照して、当該ジョブが認証プリントジョブであること、総データ量、当該ジョブの実行条件、例えば何ページ分のプリントデータが含まれるのか、カラーとモノクロのいずれのモードでプリントするのかなどを判定することが可能になっている。
【0039】
通信I/F部101は、認証プリントジョブのデータをジョブ管理部111に送る。その際、PDL形式のプリントデータについては、ジョブ管理部111に送る前に、通信I/F部101に設けられているプリントコントローラ部(不図示)において印刷に適した形式、例えばラスターデータに変換される。
ジョブ管理部111は、通信I/F部101から送られて来る認証プリントジョブのデータを一時的に内部のメモリ(不図示:DRAMなど)に格納して、認証プリントジョブのデータの受信が完了すると、その旨をHD管理部110に知らせると共に、格納されている認証プリントジョブのデータをハードディスク105に格納させるための指示をHD管理部110に対して行う。
【0040】
ハードディスク105には、図4に示すように、複合機1を利用するユーザ毎にそれぞれ当該ユーザ専用のデータ格納領域(以下、「BOX」という。)が個別に予め設けられている。BOX1、2・・のそれぞれには、利用するユーザを判別するためのユーザIDとパスワードが予め付与されている。
ジョブ管理部111は、HD管理部110に対して、認証プリントジョブのデータのヘッダ部に含まれるユーザIDおよびパスワードと同じユーザIDおよびパスワードが付与されているBOXに、当該認証プリントジョブのデータ(ヘッダ部のデータと印刷データ部のデータ(ラスターデータ)とを対応付けたもの。)を格納させる。
【0041】
ハードディスク105内のBOXに格納された認証プリントジョブのデータは、後述のようにユーザ認証が成功すると、そのBOXから読み出されて、認証プリントジョブの実行に供される。
ジョブ管理部111は、コピージョブや認証プリントジョブなどの各種ジョブを1つずつ順番に印刷キュー(不図示)に登録し、印刷キューにジョブが登録された時点でそのジョブの実行をエンジン制御部108に指示する。
【0042】
印刷キューへの登録は、コピージョブについては操作パネル8上のコピースタートキーが押下された時点で行われ、認証プリントジョブについては、後述のようにユーザの認証が成功した後、操作パネル制御部109からジョブ投入指示があった時点で行われるようになっている。
エンジン制御部108は、実行を指示されたジョブがコピージョブの場合には、スキャナ制御部107に対して原稿画像の読取を指示してスキャナ部3から原稿の画像データを取得し、取得した画像データに基づく画像形成をプリンタ部3に実行させる。
【0043】
また、実行を指示されたジョブが認証プリントジョブの場合には、当該ジョブのデータをハードディスク105内に設けられたBOX(当該ジョブを発行したユーザのIDに対応するBOX)から読み出して、読み出したデータのヘッダ部に含まれる情報と印刷データ部に含まれるプリントデータとに基づく画像形成をプリンタ部3に実行させる。
認証部106は、自装置(複合機1)を利用しようとするユーザの認証を行う機能を有する。具体的には、認証部106は、予め自装置の利用が許可されている全てのユーザに対してユーザ毎に認証のためのユーザIDとパスワードの組を示す認証情報を保持しており、自装置を利用しようとするユーザが操作パネル8の液晶表示部81に表示されるログイン画面(後述:図5)201から入力したユーザIDとパスワードが、予め保持している認証情報に含まれるユーザIDとパスワードの組のいずれかと一致すると、そのユーザが許可ユーザであるとして認証が成功し、いずれとも一致しなければ許可ユーザではないとして認証が失敗したことを認定するものである。
【0044】
また、認証プリントジョブを実行するためのユーザ認証を行う機能も有している。すなわち、外部端末71から送られて来た認証プリントジョブのヘッダ部に含まれるユーザIDとパスワードと、操作パネル8の液晶表示部81に表示されるログイン画面201から入力されたユーザIDとパスワードとが、ユーザID同士およびパスワード同士がそれぞれ一致しているか否かを判断し、一致を判断するとユーザの認証が成功し、不一致を判断すると認証が失敗したことを認定する。
【0045】
なお、ユーザ認証の方法は、上記に限られない。例えば、ユーザが自己のユーザID等を手動入力する方法に代えて、ICカード認証装置、指紋や指静脈認証装置などのいずれかの認証装置を設け、この認証装置に対してユーザが所定の入力操作を行うことにより認証を行う方法などをとることもできる。このことは、認証プリントジョブについても同様であり、外部端末71において認証プリントジョブを発行したユーザと、認証プリントジョブを受信した画像形成装置においてそのジョブを実行するためのユーザ認証を要求するユーザとが同一人であることを認定することができる方法であれば良い。
【0046】
操作パネル制御部109は、操作パネル8に設けられたキーのユーザによる操作(押下、タッチ入力)を受け付けて、受け付けたキーによる入力情報をCPU102に知らせる。これにより、CPU102は、ユーザにより操作されたキーに対応する処理の実行、例えばコピースタートキーであればコピー開始などをスキャナ制御部107やエンジン制御部108などの各部に指示することできる。
【0047】
また、操作パネル制御部109は、後述のように認証プリントジョブに対するユーザ認証がなされたことと、その認証プリントジョブのデータがハードディスク105に格納されていることのそれぞれの条件が満たされると、ジョブ管理部111に対してその認証プリントジョブの印刷キューへの投入指示を行う。
さらに、操作パネル制御部109は、操作パネル8の液晶表示部81に表示される画面の表示制御を行う。表示画面には、例えば図5に示すログイン画面201、図6に示す印刷中画面202、図7に示す受信中画面203、図8に示す警告画面204などがある。
【0048】
ログイン画面201は、自装置を利用しようとするユーザの認証を行うための画面であり、図5に示すようにユーザIDの入力欄221、パスワードの入力欄222が設けられており、ユーザは、入力したい欄の表示部分をタッチすることにより入力欄を選択して、操作パネル8上のテンキーなどを用いることにより、選択した欄にユーザIDやパスワードを手動で入力することができるようになっている。
【0049】
ユーザによりユーザIDとパスワードが入力操作された後、OKキー223がタッチ入力されると、認証部106によりユーザ認証が行われる。ユーザ認証が成功するとログインする。なお、ログイン後、ユーザによる所定の操作が行われるとログアウトする。
操作パネル制御部109は、電源オン、ジョブ終了、ユーザによる入力操作が何も行われなかった時間が所定時間継続したこと、ログアウトしたことなどの所定の条件を満たすと、元々表示されていた画面からログイン画面201に画面表示を切り替える。
【0050】
図6に示す印刷中画面202は、プリンタ部3による画像形成が実行されているときに表示される画面である。
図7に示す受信中画面203は、認証プリントジョブのデータの受信中にユーザ認証が行われ、その認証が成功したときに表示される画面であり、第1メッセージ表示欄231、第2メッセージ表示欄232、「後で印刷」キー233などが設けられている。
【0051】
第1メッセージ表示欄231には、認証されたユーザに対する認証プリントジョブのデータを受信中である旨、および、あと約何秒で受信が完了してジョブが実行される旨のメッセージが表示される。この約何秒とは、現時点からジョブ実行までに要すると予測される時間、すなわちユーザの待ち時間に相当し、この秒数の表示部分230には、後述する残り時間の予測処理により得られた時間(秒)を示す数値が最初に表示され、その数値の表示からタイマー112の計時により1秒単位でカウントダウンした値が1秒毎に切り替わるようにして表示されるようになっている。
【0052】
認証ユーザは、この秒数の表示部分230を見ることにより、あとどの程度待てば自己の認証プリントジョブが実行されるのかを知ることができ、例えば、待ち時間が短いと思えば複合機1の前でジョブ実行まで待つこと、及び、待ち時間が長いと思えば一旦、複合機1から離れて、別の作業を行い、その待ち時間が経過する直前に複合機1の前まで戻るなどの動作を選択することが可能になる。
【0053】
従来では、他人に出力物を見られたくない(機密性を確保したい)と考えるユーザにとっては、待ち時間が判らないために、結果的に待ち時間が長くなっても短くなっても、いずれにせよ複合機1の前から離れることができなかったが、本実施の形態のように秒数表示を行うことにより、ユーザが待ち時間の見当をつけて複合機1の前で待つか、一旦離れるかを選択することが可能になるので、機密性を確保しつつユーザにとって選択肢が増えて利便性を向上することができるようになる。
【0054】
第2メッセージ表示欄232は、認証ユーザに対して認証プリントジョブのデータの受信直後にジョブを実行したくない場合に「後で印刷」キー233をタッチ入力することを促す旨のメッセージが表示される。
「後で印刷」キー233は、認証プリントジョブのデータの受信が完了した直後に当該ジョブを実行するのを禁止させるためのキーである。基本的には、認証プリントジョブのデータの受信中にユーザ認証が成功した場合には、上記の秒数表示の秒数が経過すると当該ジョブが実行されるが、例外的に「後で印刷」キー233がタッチ入力されると、ログアウトした後、別途、新たなログインするまで当該ジョブの実行を禁止するものである。
【0055】
例えば、ユーザが上記の待ち時間の表示を見た結果、待ち時間が長いために待つのを止めてログアウトした後、複合機1から離れ、待ち時間が経過する時点でも複合機1に戻らないような行動をとろうとする場合に、「後で印刷」キー233をタッチ入力しておけば、複合機1から離れた後、複合機1の前まで戻らなくても、認証プリントジョブのデータ完了直後には当該ジョブが実行されないので、機密性を確保することができる。
【0056】
なお、実行が禁止されたジョブは、ハードディスク105のBOX内に保存されたままになり(印刷キューには登録されないので)、後述のようにユーザが複合機1において一度、ログアウトした後、別途、ログインすることにより実行される。
図8に示す警告画面204には、警告表示欄241と、手順説明キー242が設けられている。
【0057】
警告表示欄241には、複合機1に設けられている、開閉可能な外装カバー、例えば前カバーや側面カバーなどが開いている状態、複合機1の装置内で紙詰まり(ジャム)が発生した場合、現像部23におけるトナーなどの現像剤の交換や補充の時期が到達した場合など、画像形成(ジョブ)を実行できないトラブルが発生した場合に、その旨をユーザに通知するためのメッセージが表示される。
【0058】
手順説明キー242は、発生したトラブルを解消するための手順を説明するための絵表示などを示す手順説明画面(不図示)に切り替えるためのキーであり、ユーザにより手順説明キー242がタッチ入力されると、この手順説明画面に切り替える。ユーザは、複合機1に発生しているトラブルと、このトラブルの解消方法とを知ることができる。なお、トラブル発生と解消の検出は、カバー開閉を検出するためのセンサや、詰まった用紙を検出するためのセンサなどの検出部が設けられることにより行われる。
【0059】
警告画面204は、上記のトラブル発生時に、それまでの画面表示に代えて液晶表示部81に切り替え表示される画面であり、発生していたトラブルが解消されると、別の画面、例えば認証プリントジョブとの別のジョブに対する実行指示等のユーザからの入力操作を受け付けるためのトップ画面(不図示)に切り替えられる。
なお、上記では認証部106、スキャナ制御部107、エンジン制御部108、操作パネル制御部109、HD管理部110、ジョブ管理部111をCPU102とは別の構成としたが、これに限られず、例えば1つのCPUが認証部106〜ジョブ管理部111の各機能を実行するモジュールを内蔵する構成であっても構わない。
【0060】
図9〜図11は、認証プリントジョブを受信した場合に制御部4が実行する処理の内容を示すフローチャートであり、図12〜図15は、認証プリントジョブを受信した場合における制御部4内でのコマンドシーケンスの例を示す図である。
まず、図9〜図11に示すフローチャートの内容を説明し、続いて図12〜図15におけるコマンドシーケンスの例を説明する。
【0061】
図9に示すように、操作パネル8の液晶表示部81にログイン画面201(図5)を表示させ(ステップS1)、ログイン画面201においてユーザによるユーザIDとパスワードの入力(ユーザによる認証要求)を受け付ける(ステップS2)。
入力されたユーザIDとパスワードに基づきユーザ認証を行う(ステップS3)。このユーザ認証は、認証部106により上記の方法で行われる。
【0062】
ユーザ認証が失敗したことを判断すると(ステップS3で「NO」)、ステップS1に戻り、再度、ユーザID等の入力を受け付けるためにログイン画面201を表示させる。
一方、ユーザ認証が成功したことを判断すると(ステップS3で「YES」)、ログインして(ステップS4)、当該ユーザが外部端末71から発行した認証プリントジョブのデータがハードディスク105に格納されているか否かを判断する(ステップS5)。
【0063】
この判断は、ハードディスク105に設けられたBOXのうち、ユーザ認証のために入力されたユーザIDおよびパスワードと同じユーザIDおよびパスワードが付与されているBOX(以下、「認証BOX」という。)を特定し、特定した認証BOX内に、認証プリントジョブであり、当該同じユーザIDおよびパスワードをヘッダ部に含む認証プリントジョブのデータが格納済みであるか否かを確認することにより行われる。なお、認証BOXは当該ユーザ専用のBOXであることから、例えば認証BOXに認証プリントジョブが格納されていれば、そのヘッダ部のユーザIDとパスワードを確認せずに、当該ユーザが発行した認証プリントジョブが格納されていると判断する方法をとっても良い。
【0064】
認証プリントジョブのデータが認証BOX内に格納されていることを判断すると(ステップS5で「YES」)、認証BOX内に格納されている認証プリントジョブをリストアップする(ステップS6)。認証プリントジョブをリストアップするとは、認証プリントジョブのデータのヘッダ部に含まれているジョブIDを読み出して、認証プリントジョブを特定することをいう。なお、現時点で認証プリントジョブが複数、格納されている場合は、全てのジョブのジョブIDがリストアップされる。
【0065】
リストアップされた認証プリントジョブ(複数の場合は、そのうちの1つだけ)を印刷キューに登録して(ステップS7)、登録された認証プリントジョブの実行を指示する(ステップS8)。ここでは、エンジン制御部108がプリンタ部3に対して、実行を指示された認証プリントジョブのデータを認証BOX内から読み出して、読み出したデータをプリンタ部3に送ると共に、そのデータに基づくジョブ実行を指示する。これにより、プリンタ部3において当該認証プリントジョブが実行される。
【0066】
認証プリントジョブの実行指示に同期して、タイマー112による5秒タイマーの計時を開始する(ステップS9)。
リストアップされた全ての認証プリントジョブの実行指示が完了したか否かを判断する(ステップS10)。この判断は、リストアップされた認証プリントジョブのうち、印刷キューに登録されていないジョブが残っているか否かを判断することにより行われる。
【0067】
リストアップされた認証プリントジョブが1つだけであった場合には、全ての認証プリントジョブの実行指示が終了したと判断して(ステップS10で「YES」)、5秒タイマーの計時が行われている状態でステップS12に移る。
一方、複数の認証プリントジョブがリストアップされていた場合で、これら全ての認証プリントジョブの実行指示がまだ完了していないことを判断すると(ステップS10で「NO」)、5秒タイマーをリセットして(ゼロに戻し)(ステップS11)、ステップS7に戻る。
【0068】
ステップS10から戻って再度ステップS7の処理を行う場合には、次の認証プリントジョブの印刷キューへの登録(上書き)を、エンジン制御部108から次の認証プリントジョブの実行が可能な状態になった旨を示す信号が出力されたときに行う。
本実施の形態では、複数の認証プリントジョブを順次実行する場合、エンジン制御部108がプリンタ部3における先行の認証プリントジョブの実行状況をモニターして、当該先行の認証プリントジョブの終了間近になって次の認証プリントジョブの実行が可能な状態になると、上記の信号が出力され、この信号が出力されると、リストアップされた認証プリントジョブのうち、まだ印刷キューに登録されていない認証プリントジョブの1つが印刷キューに登録されるようになっている。
【0069】
ここで、次の認証プリントジョブの実行が可能な状態になるとは、例えばプリンタ部3において先行のジョブに対する感光体ドラム21への作像動作が全て終了した時点、先行のジョブで給紙されるべき全ての用紙Sの給紙が終了した時点などが考えられる。
次の1つの認証プリントジョブの印刷キューへの登録を行うと(ステップS7)、当該次の認証プリントジョブの実行を指示して(ステップS8)、タイマー112による5秒タイマーの計時を開始する(ステップS9)。
【0070】
全ての認証プリントジョブの実行指示が終了したことを判断するまで、ステップS7〜S11の処理を繰り返し実行する。これにより、複数の認証プリントジョブがリストアップされた場合に、先のジョブに続いて次のジョブが実行可能な状態になると、次の1つのジョブが印刷キューに上書き(更新)される動作が繰り返され、ジョブが1つずつ順番に実行されることになる。
【0071】
全ての認証プリントジョブの実行指示が終了したことを判断すると(ステップS10で「YES」)、ステップS9による5秒タイマーの計時を行っている状態でステップS12に移る。
ステップS12では、現時点でデータ受信中の認証プリントジョブが存在するか否かを判断する。
【0072】
データ受信中の認証プリントジョブが存在することを判断すると(ステップS12で「YES」)、5秒タイマーをリセットして(ステップS26)、ステップS18に移る。このステップS18の処理内容については、後述する。
一方、データ受信中の認証プリントジョブが存在しないことを判断すると(ステップS12で「NO」)、5秒タイマーの計時開始からの経過時間が5秒に達する(5秒タイマーがアップする)まで待ち、アップすると5秒タイマーをリセットして(ステップS13)、現時点で認証BOX内に、上記とは別の認証プリントジョブのデータが格納されているか否かを判断する(ステップS14)。
【0073】
現時点で認証BOX内に別の認証プリントジョブのデータが格納されている場合とは、ステップS6〜S14までの処理中に、別の認証プリントジョブのデータが受信されて認証BOXに格納された場合になる。この場合には(ステップS14で「YES」)、ステップS6に戻る。別の認証プリントジョブに対して、ステップS6〜S14の処理を行う。これにより、別の認証プリントジョブが実行される。
【0074】
一方、認証BOX内に別の認証プリントジョブのデータが格納されていない場合には(ステップS14で「NO」)、現時点で上記とは別に、データ受信中の認証プリントジョブが存在するか否かを判断する(ステップS15)。上記とは別に、データ受信中の認証プリントジョブが存在するとは、ステップS6〜S14までの処理中であり、5秒タイマーがアップするまでの間に、別の認証プリントジョブのデータ受信が開始され、そのデータ受信が現時点で継続している場合になる。
【0075】
データ受信中の認証プリントジョブが存在しないことを判断すると(ステップS15で「NO」)、ログアウトして(ステップS16)、ステップS1に戻る。
この場合、現時点で実行すべき認証プリントジョブが存在しないことになるので、認証プリントジョブのために行われたログインを解除(ログアウト)して、液晶表示部81の画面表示をログイン画面201に切り替えて(ステップS1)、各ユーザからログインを受け付ける状態に戻ることになる。
【0076】
ログアウトするので、ステップS15で「NO」と判断された時点、すなわち5秒タイマーの経過時点で、データ受信中の認証プリントジョブがなければ、これ以降にデータ受信が開始される認証プリントジョブについては、再度のログイン(ユーザ認証の成功)によってのみプリント出力されることになる。このことは、5秒タイマーの経過より後にデータ受信が開始される認証プリントジョブは、ログアウト後、新たなログインまでの間は、その実行が禁止されることを意味する。
【0077】
データ受信中の認証プリントジョブが存在することを判断すると(ステップS15で「YES)、ステップS18に移る。ステップS18の処理内容については、後述する。
ステップS5において、認証プリントジョブのデータが認証BOX内に存在していないことを判断すると(ステップS5で「NO」)、図10に示すステップS17に移る。
ステップS17では、データ受信中の認証プリントジョブが存在するか否かを判断する。外部端末71から認証プリントジョブのデータの受信を開始すると、上記のようにI/F部101を介してジョブ管理部111がその受信データを格納していき、全てのデータが格納されると、その格納されたデータをHD管理部110がハードディスク105の認証BOX内に格納させる処理が実行される。
【0078】
データ受信中の認証プリントジョブが存在しないことを判断すると(ステップS17で「NO」)、ステップS1に戻る。認証プリントジョブのデータが認証BOX内に存在せず(ステップS5で「NO」)、かつ、データ受信中の認証プリントジョブも存在しない(ステップS17で「NO」)ということは、複合機1において認証プリントジョブそのものが存在しないことになるので、認証を成功させずにログイン画面201に戻って、各ユーザからのログインを受け付ける状態に戻るものである。
【0079】
この意味で、制御部4と操作パネル8などは、ステップS5で「NO」、S17で「NO」の処理を実行する際に、ユーザによる認証要求を受け付けた時点で、認証プリントジョブのデータを受信していないときには、認証を成功させずに認証要求を受け付ける状態に戻る機能を有するものといえる。
データ受信中の認証プリントジョブが存在することを判断すると(ステップS17で「YES」)、ステップS18の受信中画面表示処理を実行する。
【0080】
図11は、受信中画面表示処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
同図に示すように、当該データ受信中の認証プリントジョブのヘッダ部に含まれるデータを参照して、当該ジョブの総ページ数Pと総データ量Qを示す情報を読み出す(取得する)(ステップS51)。上記のように認証プリントジョブのデータ受信は、ヘッダ部、印刷データ部の順に行われるので、全てのデータの受信を完了する前に、ヘッダ部に含まれる総ページ数Pと総データ量Qを示す情報を取得することができる。
【0081】
印刷データに含まれる第1ページ〜Pページのプリントデータのうち、現時点から最初に受信するページ(例えば、現時点が第1ページの受信前であれば第1ページ)のプリントデータ(1ページ分のデータ)を受信するのに要する時間、すなわち受信開始から受信終了までにかかった受信時間T1を計測する(ステップS52)。時間T1の計測は、タイマー112を用いても良いし、他の内部タイマー(不図示)などを用いても良い。
【0082】
そして、現時点でまだ受信していないプリントデータのページ数、例えば現時点で2ページ目を含みこれ以降のページを未受信であれば(P−2)で示されるページ数に、上記で計測された受信時間T1を乗算した時間R1を、現時点から全データの受信を完了するまでに要すると予測される時間として算出する(ステップS53)。このようにして算出するのは、ページ毎に1ページ分のデータ量がそれほど大きく変わらず、1ページ分のデータ受信に要する時間も各ページで略同じとみなしたことによるものである。
【0083】
続いて、総データ量Qに、単位データ量(例えば、1Mバイト)当たりのハードディスク105のBOXへの格納(蓄積)に要する時間として予め求められている時間T2を乗算した値を、BOXへの格納に要する予測時間R2として算出する(ステップS54)。例えば、総データ量Qが10Mバイト、時間T2が1(秒/Mバイト)であれば、R2は10秒になる。
【0084】
そして、時間R1とR2を足し合わせた値Rを、データ受信(格納時間を含む)の残り時間として、カウントダウン表示する部分230(図7)を含む受信中画面203の表示用データを生成し、生成した表示用データに基づき受信中画面203を操作パネル8の液晶表示部81に表示させて(ステップS55)、メインルーチンにリターンする。
時間Rをカウントダウン表示するとは、例えばR=20(秒)であれば、20、19、18・・2、1、0の順に1秒単位で減算した時間を表示することをいい、表示部分230がカウントダウン表示されるように、表示用データに基づく表示制御が行われる。
【0085】
時間Rの経過時点が認証プリントジョブのデータの認証BOXへの格納が終了する時点になり、この時点を契機に、後述のように当該認証プリントジョブのリストアップ、印刷キューへの登録が行われて、ジョブ実行が指示されることになる。リストアップや登録、指示といった処理は、制御部4内において極めて短い時間内(例えば、数ミリ秒など)に実行されるため、実質、時間Rの経過時点がジョブ実行を指示する時点とみなすことができる。従って、時間Rを表示するとは、認証プリントジョブの実行までに要すると予測される時間の長さを指標する情報を表示することといえる。
【0086】
なお、当該情報としての時間Rのカウントダウン表示は、1秒単位に限られず、所定単位、例えば5秒単位(20、15、10、5、0)などとすることもできる。
また、当該情報が秒数表示に限られない。ユーザが残り時間の見当を付けることができれば良い。例えば、残り時間Rの長さを示す棒グラフの棒の長さを所定単位、例えば1秒単位でその単位に相当する長さ分だけ短くしていく方法をとることが考えられる。
【0087】
また、残り時間をカウントダウンする方法に限られず、例えば現在時刻から時間Rの経過後の時刻を表示させる方法、具体的には現在時刻が10時10分0秒であり、時間Rが60秒であれば、経過後の時刻として10時11分を表示する方法をとることもできる。
さらに、残り時間Rを最初に所定時間(例えば、数秒間)だけ表示させた後、表示を止める(消灯させる)ことでも、ユーザはその最初の表示を見ることで残り時間の見当を付けることができる。また、残り時間Rの表示をそのまま継続させるとしても良い。
【0088】
図10に戻って、ステップS19では、認証プリントジョブのデータの受信中に、「後で印刷」キー233がタッチ入力されたか否かを判断する。
ここで、当該キー233がタッチ入力されていないことを判断すると(ステップS19で「NO」)、自装置(複合機1)において何らかのトラブルが発生しているか否かを判断する(ステップS20)。トラブルとは、上記の外装カバーが開状態になっている場合などである。
【0089】
トラブルが発生していないことを判断すると(ステップS20で「NO」)、認証プリントジョブのデータ受信が終了し、ハードディスク105の認証BOX内への受信データの格納が完了したか否かを判断する(ステップS21)。この判断は、HD管理部110が行う。認証BOX内への受信データの格納が完了していない、すなわち未だ受信中であることを判断すると(ステップS21で「NO」)、ステップS19に戻る。
【0090】
認証BOX内への受信データの格納完了が判断されるまで、ステップS19、S20、S21の処理が順に繰り返し実行される。
認証BOX内への受信データの格納完了が判断されると(ステップS21で「YES」)、図9に示すステップS6に移る。
ステップS6では、上記のように現時点で認証BOX内に格納されている認証プリントジョブがリストアップされる。現時点で認証BOX内に格納されている認証プリントジョブとは、ステップS17においてデータ受信中の認証プリントジョブが存在すると判断された当該認証プリントジョブになる。
【0091】
この認証プリントジョブは、ステップS7で印刷キューに登録され、ステップS8でその実行が指示されることにより、当該認証プリントジョブが実行されることになる。
図10に戻り、ステップS19において、認証プリントジョブのデータ受信中に認証ユーザにより「後で印刷」キー233がタッチ入力されたことを判断すると(ステップS19で「YES」)、画面表示をトップ画面に切り替え表示させる(ステップS24)。この場合、データ受信中の認証プリントジョブは、そのデータ受信が終了して認証BOX内に格納されても、それだけでは実行されない(禁止される)。これは、次の理由による。
【0092】
すなわち、認証ユーザにより「後で印刷」キー233がタッチ入力されたということは、一旦ログアウトした後、新たにログインしたときに認証プリントジョブを実行したいという、認証ユーザの指示があったことを意味するからである。従って、「後で印刷」キー233がタッチ入力された場合には、上記のようにタッチ入力されなかった場合に(ステップS19で「NO」)、ステップS20、S21を経てS6に移り、S7で印刷キューに登録するという処理手順をとらないようになっている。
【0093】
この意味で、制御部4と操作パネル8などは、ステップS19を実行する際に、認証プリントジョブのデータ受信中に当該ジョブの実行を禁止させるための指示をユーザから受け付ける禁止受付手段として機能し、制御部4などは、ステップS19で「YES」のときにS24に移るが、ステップS20、S21、S6を介してS7には移行しないことは、当該指示が受け付けられると、ユーザ認証が成功していても当該ジョブの実行を禁止するジョブ制御手段として機能するものといえる。
【0094】
トップ画面では認証ユーザによる操作入力、例えば他のジョブの実行指示などを受け付け(ステップS25)、他のジョブの実行指示等を受け付けると、その指示に基づく動作を実行する。ログアウトの指示を受け付けるまで、トップ画面において認証ユーザによる操作入力を受け付け、ログアウトの指示があると(ステップS26で「YES」)、ログアウトして、図9に示すステップS1に戻る。
【0095】
この場合、新たにログインをすることができ、ログインすると(ステップS4)、その時点で認証BOX内には、上記の「後で印刷」キー233がタッチ入力されたことにより(ステップS19で「YES」)、未実行になっていた認証プリントジョブが存在し(ステップS5で「YES」)、ステップS6を介してS7の印刷キューへの登録が行われて、当該未実行になっていた認証プリントジョブが実行されることになる。
【0096】
この意味で、制御部4と操作パネル8などは、ステップS26のログアウトの指示を受け付ける処理を、ユーザ認証を解除するための指示をユーザから受け付ける解除受付手段として機能し、制御部4などは、ステップS26でログアウトした後、ステップS1〜S7において新たなユーザ認証により認証プリントジョブを実行することを、当該指示が受け付けられると、ユーザ認証を解除して、新たな認証要求により認証が成功すると、当該ジョブの実行禁止を解除して当該ジョブを実行する機能を有するものといえる。
【0097】
また、認証プリントジョブのデータ受信中に、ステップS20においてトラブルが発生したことを判断すると(ステップS20で「YES」)、表示画面を警告画面204(図8)に切り替える(ステップS22)。そして、当該トラブルが解消されると(ステップS23)、ステップS24でトップ画面に切り替え、ステップS25を経てS26でログアウトを判断すると、ステップS1に戻ることになる。
【0098】
この場合も、上記の「後で印刷」キー233がタッチ入力された場合と同様に、ステップS21を経てS6に移り、S7で印刷キューに登録するという処理手順がとられず、データ受信が終了して認証BOX内に格納されても、それだけでは認証プリントジョブが実行されない(禁止される)。このようにしたのは、次の理由による。
すなわち、認証プリントジョブのデータ受信中に、何らかのトラブルが発生した場合、これが解消されてからといって、発生したトラブルの内容によっては稀にとはいえトラブル発生前よりも画質が低下している等の状態が発生していることがあり得るので、データ格納後に直ぐに認証プリントジョブを実行することを避けたものである。本実施の形態では、発生したトラブルが解消された後にログアウトすると、形成画像の画質を長期的に亘って一定に維持するための、いわゆるレジスト補正や階調補正などの画像安定化制御を行うようになっている。このため、一旦、ログアウトした後、この画像安定化制御によって画質低下が防止され、この画像安定化制御の後に新たにログインすれば、画質が低下していない状態で当該認証プリントジョブを実行することができるようになる。
【0099】
この意味で、制御部4などは、ステップS20を実行する際に、認証プリントジョブのデータ受信中に、自装置において認証プリントジョブが実行できない所定の状態になるトラブルが発生したことを判断する判断手段として機能し、ステップS20で「YES」のときにS22に移り、ステップS20、S21、S6を介してS7に移行しないことは、トラブルの発生後、当該トラブルの解消により認証プリントジョブが実行可能な状態に戻ってもデータ受信中の認証プリントジョブの実行を禁止するジョブ制御手段として機能し、ステップS24を実行する際に、認証プリントジョブの実行が禁止されると、上記の情報を示す画面に代えて当該ジョブとは異なる他のジョブの実行指示をユーザから受け付けるための画面に切り替える機能を有するといえる。
【0100】
図9のステップS12とS15のそれぞれでは、データ受信中の認証プリントジョブが存在することを判断すると、ステップS18の受信中画面表示処理に移る。これにより、印刷キューへの登録など認証プリントジョブを実行している間に、新たな別の認証プリントジョブが受け付けられてそのデータの受信中になった場合には、この別の認証プリントジョブに対しても受信中画面203が表示され、ジョブ実行までの待ち時間に相当する時間Rをユーザに知らせることができる。
【0101】
そして、別の認証プリントジョブに対する処理がステップS18〜S21、S6、S7を介してS8に移れば、別の認証プリントジョブは先に受け付けられた認証プリントジョブの次に続いて実行されることになり、1回のユーザ認証で複数の認証プリントジョブを連続実行することができ、認証ユーザにとっては、認証のための入力操作が簡易化する。
このようにすれば認証ユーザにとって操作性が向上するが、他のユーザにとっては使い勝手が悪くなる場合があり得る。すなわち、認証プリントジョブに対するユーザによる認証をその後に受信された別の認証プリントジョブに対してもそのまま継続して(別途の認証を行わずに)、その後の認証プリントジョブを連続して実行すること(連続実行)を、先の認証プリントジョブに対する実行指示から長時間に亘って認めると、認証ユーザが複合機1の前でプリント物が出力されるのを待つ時間が長くなる。このため、他のユーザにとっては、その間、複合機1において自己の認証プリントジョブに対する認証のための入力操作ができなくなって操作性が低下するおそれが生じるというものである。
【0102】
そこで、本実施の形態では、管理テーブル121に登録されている最後の認証プリントジョブが印刷キューへの登録によりジョブ実行が指示されてから、所定時間として5秒を計時するタイマー(5秒タイマー)を起動して、その5秒間に別の認証プリントジョブのデータを受信した場合には(ステップS12で「YES」またはS15で「YES」)、連続実行を認めるが、5秒に達した時点でデータ受信中の認証プリントジョブがなければ(ステップS15で「NO」)、連続実行を認めずにログアウトするようにしている(ステップS16)。
【0103】
この構成によれば、例えば3つの認証プリントジョブA、B、Cが存在する場合を想定すると、認証プリントジョブAの実行が指示されてから5秒以内に認証プリントジョブBのデータが受信され、認証プリントジョブBの実行が指示されてから5秒以内に認証プリントジョブCのデータが受信された場合、認証プリントジョブAに対するユーザ認証のための最初の入力操作による認証により、3つの認証プリントジョブA、B、Cが1セットにされたように連続実行されることになる。
【0104】
これにより、認証ユーザにとっては上記の5秒間に別の認証プリントジョブのデータが受信された場合には、別の認証プリントジョブに対するユーザ認証のための入力操作を行わなくて済み、また5秒経過後に受信された場合には、別途、新たな認証のための入力操作を行う必要が生じるが、その新たな認証のための入力操作が行われるまでの間、その別の認証プリントジョブの実行が禁止されるので、機密性を確保しつつ、ネットワークの混雑などにより、いつデータ受信が始まってプリント物が出力されるのかを気にしながら複合機1の前で長時間待つ必要がなくなる。
【0105】
このように認証ユーザが複合機1の前で長時間待つことが防止されるので、他のユーザにとっては、自己の認証のための入力操作などを行い易くなって利便性が向上する。なお、上記の所定時間としての5秒が一例であることはいうまでもなく、所定時間は次の認証プリントジョブを受信するまでのユーザの待ち時間(認証ユーザだけでなく他のユーザのことも考慮した待ち時間)として適した時間、例えば10秒や15秒などが予め決められて、その決められた時間を計時するタイマーが起動されるように構成される。
【0106】
この意味で、制御部4などは、ステップS12とS15で「YES」からS18に移る処理を実行する際に、認証プリントジョブを実行してから所定時間(ここでは5秒)が経過するまでの間に、別の認証プリントジョブのデータ受信を開始すれば、ユーザ認証を当該別の認証プリントジョブにも適用して当該別の認証プリントジョブを実行し、ステップS15で「NO」からS1に移り、S1〜S8の処理を実行する際に、所定時間が経過した以降に別の認証プリントジョブのデータ受信を開始すれば、前記ユーザ認証を当該別の認証プリントジョブには適用せず、ユーザからの当該別の認証プリントジョブを実行するための別の認証要求に基づくユーザ認証が成功すると当該別の認証プリントジョブを実行する機能を実行するものといえる。また、ステップS15で「NO」からS1に移ることは、ユーザ認証を自動的に解除(ログアウト)して、認証要求(ログイン)を受け付ける状態に戻る機能を実行するものである。
【0107】
なお、上記では、所定時間の5秒経過後にデータ受信済みの認証プリントジョブが存在せず、データ受信中の認証プリントジョブも存在しなければ、5秒の経過と共に自動的にログアウトするとしたが、これに限られない。例えば、5秒の経過後に認証ユーザによるログアウトの手動の指示があると、この指示に基づきログアウトする構成としても良い。
図12は、認証プリントジョブのデータの受信が完了した後に、ユーザ認証が行われた場合のコマンドシーケンスの例を示す図である。
【0108】
同図に示すように、ジョブ管理部111は、I/F部101から認証プリントジョブのデータの受信指示を受け付けると(A)、当該データをヘッダ部と印刷データ部の順に受信して内部メモリに保持する(B)。データ受信が終了すると、HD管理部110に対して、受信完了を知らせると共に(C)、ハードディスク105内のBOXのうち、当該データのヘッダ部に含まれるユーザIDとパスワードに対応するBOXを指定して、そのBOXに認証プリントジョブのデータを格納させるための指示を行う。
【0109】
HD管理部110は、当該指示を受け付けると、認証プリントジョブのデータを、指定されたBOXに格納させる(E)。これにより認証プリントジョブのデータは、ジョブ管理部111からハードディスク105内のBOXに転送されることになる(D)。
HD管理部110は、認証プリントジョブのデータのBOXへの格納が終了すると、その旨をジョブ管理部111に知らせる(F)。
【0110】
操作パネル制御部109は、ログイン画面201においてユーザからのユーザIDとパスワードの入力を受け付ける(G)(上記のステップS2に相当)。
入力されたユーザIDとパスワードに基づき認証部106で認証が行われ、認証が成功すると(H)(ステップS3で「YES」に相当)、操作パネル制御部109は、ログインして(K)(ステップS4に相当)、ハードディスク105内のBOXのうち、当該ユーザのユーザIDとパスワードに対応するBOX(認証BOX)を指定して、その認証BOXに格納されている認証プリントジョブのリスト(ジョブリスト)の送信をHD管理部110に要求する(L)。
【0111】
HD管理部110は、操作パネル制御部109からジョブリストの送信要求を受け付けると、指定された認証BOX内に現に格納されている認証プリントジョブのデータのヘッダ部に含まれているジョブIDを読み出して、読み出したジョブIDを示す情報をジョブリストとして操作パネル制御部109に送信する(M)(ステップS5、S6に相当)。なお、複数の認証プリントジョブが格納されている場合には、全てのジョブのジョブIDがジョブリストに含められる。
【0112】
操作パネル制御部109は、受信したジョブリストをジョブ投入指示としてジョブ管理部111に送る(N)。
ジョブ管理部111は、受信したジョブリストに含まれるジョブIDから、実行すべき認証プリントジョブを特定し、特定した認証プリントジョブを印刷キューに登録し(ステップS7に相当)、プリンタ部3に対してジョブ実行指示を行う(P)(ステップS8に相当)。これにより、認証プリントジョブに基づくプリント動作が実行される。複数の認証プリントジョブが存在する場合には、上記のように1つずつが印刷キューに登録されて、認証プリントジョブが1ずつ順次実行される(ステップS7〜S11に相当)
操作パネル制御部109は、ユーザからログアウトの指示を受け付けるとログアウトを行って(Y)(ステップS16に相当)、ログイン画面201に画面表示を切り替える(Z)(ステップS1に相当)。
【0113】
上記の図12では、認証プリントジョブのデータがハードディスク105に格納済みの状態で、ユーザが複合機1において認証されることにより当該認証プリントジョブが実行される場合の例を説明したが、図13では、認証プリントジョブのデータを受信中に、ユーザ認証が行われた場合の例を示している。なお、図13以降では、図12と同じコマンドシーケンスを示す部分については同じ符号(A、B・・Z)を付して、その説明を省略することとする。また、図13以降では、図12に示すログイン画面からユーザID等を受け付ける処理(G)とユーザ認証の成功(H)についてその図示を省略している。
【0114】
図13に示すように、操作パネル制御部109は、ログイン後(K)、認証BOX内のジョブリストの送信を要求する(L)。この送信要求を行った時点では、認証プリントジョブのデータが受信中であり(B)、認証BOX内には未だ認証プリントジョブが格納されていない状態になっているので(ステップS5で「NO」に相当)、HD管理部110は、ジョブリストに代えて、ジョブが存在しない旨を示す信号を操作パネル制御部109に送信する(Q)。
【0115】
操作パネル制御部109は、この信号を受信すると、次にジョブ管理部111に対して、データ受信中の認証プリントジョブが存在することの確認要求を送信する(R)。
ジョブ管理部111は、データ受信中の認証プリントジョブが存在すれば(ステップS17で「YES」に相当)、データ受信中の認証プリントジョブが存在する旨を示す信号を操作パネル制御部109に送信する(S)。
【0116】
操作パネル制御部109は、この信号を受信すると受信中画面203に画面表示を切り替える(T)(ステップS18に相当)。認証ユーザは、受信中画面203を見ることにより、ジョブ実行までの待ち時間を知ることができ、どの程度待てば良いのかの見当を付けることができる。
データ受信中の認証プリントジョブのデータ受信が終了して、そのデータのハードディスク105内のBOXへの格納が完了すると(C〜F)(ステップS21で「YES」に相当)、ジョブ管理部111は、印刷可能状態を示す通知を操作パネル制御部109に送る(U)。
【0117】
操作パネル制御部109は、この通知を受け付けると、ハードディスク105内の認証BOXを指定して、その認証BOXに格納されている認証プリントジョブのジョブリストの送信をHD管理部110に要求し(L)、HD管理部110からジョブリストを受信すると(M)、受信したジョブリストをジョブ投入指示としてジョブ管理部111に送る(N)(ステップS6に相当)。
【0118】
このように認証プリントジョブのデータ受信中にユーザ認証が行われた場合、認証プリントジョブのデータ受信が完了すると、自動的に当該認証プリントジョブが実行されるので、ユーザは、認証プリントジョブのデータ受信が完了するのを待ってから再度、認証のための操作を行う必要がなく、例えばデータ受信完了後に再度、認証のための操作を行うことに比べて操作性が向上する。
【0119】
上記の図13では、1つの認証プリントジョブのデータ受信中にユーザ認証が行われた場合の例を説明したが、図14では、1つの認証プリントジョブのデータ受信に続いて、別の認証プリントジョブのデータが受信された場合の例を示している。なお、図14では、データ受信(B)〜ジョブ投入指示(N)までの一部について図示を省略している。
図14に示すように、ここでは2つの認証プリントジョブ1、2のデータが順次、受信される場合を示し、ジョブ管理部111が認証プリントジョブ1の実行を指示してから(P1)、5秒以内に認証プリントジョブ2のデータ受信を受け付けると(A2)(ステップS12で「YES」に相当)、認証プリントジョブ2についても、認証プリントジョブ1と同じコマンドシーケンスを経て実行指示(P2)されるようになっている(ステップS18〜S21、S6〜S8に相当)。この場合、認証プリントジョブ1と2が1つにセット化されたようになって、1回の認証操作(ログイン(K))で各ジョブが順次、実行されることになり、認証ユーザにとっては操作が簡素化されて操作性が向上する。
【0120】
なお、5秒を超えてから認証プリントジョブ2のデータ受信が受け付けられた場合には(ステップS15で「NO」に相当)、上記のようにログアウトされるまでには認証プリントジョブ2の実行が指示されず、ハードディスク105の認証BOXに認証プリントジョブ2のデータが格納されたままの状態になる。この状態で一旦、ログアウトした後に(ステップS16に相当)、ユーザ認証が行われると、認証プリントジョブ2が実行されることになる(ステップS1〜S8に相当)。
【0121】
図15は、認証プリントジョブのデータがハードディスク105のBOXに格納されるまでの間に自装置(複合機1)にトラブルが発生した場合のコマンドシーケンスの例を示す図である。図15では、データ受信(B)の一部について図示を省略している。
同図に示すように、認証プリントジョブのデータがハードディスク105のBOXに格納されている途中でトラブルが発生すると(a)(ステップS20で「YES」に相当)、操作パネル制御部109は警告画面204に画面表示を切り替え(b)(ステップS22に相当)、ジョブ管理部111から印刷可能状態を示す通知を受け付けても(U)、HD管理部110に対してジョブリストの送信を要求せず、ジョブ管理部111に対してジョブ投入指示も行わない。そして、操作パネル制御部109は、トラブルが解消されると(c)、トップ画面に画面表示を切り替えて(d)、ユーザからのログアウトの指示によりログアウトを行う(Y)(ステップS23〜S26に相当)。
【0122】
これにより認証プリントジョブは、ログアウトまでの間には実行が指示されず、ハードディスク105の認証BOX内に格納されたままになり、ログアウトの後に再度のユーザ認証により実行されることになる。このことは、図14において5秒経過後に認証プリントジョブ2のデータが受け付けられた場合の当該認証プリントジョブ2と同じである。
以上、説明したように、本実施の形態では、認証プリントジョブのデータ受信中にユーザ認証が行われた場合に、操作パネル8の液晶表示部81に受信中画面203が表示され、受信中画面203には、ジョブ実行までに要する予測時間を指標する時間Rが表示されるので、認証ユーザはこの時間Rを目視することにより、自己の認証プリントジョブが実行されるまでの自己の待ち時間の見当を付けることができる。これにより、認証ユーザが例えば待ち時間が短いと思ったならば、そのまま複合機1の前でジョブ実行まで待つことや、逆に待ち時間が長いと思ったならば、複合機1から一旦離れて別の作業をした後、時間Rが経過する直前に複合機1の前まで戻ることなどを選択して行うことができ、認証ユーザにとって使い勝手が良くなり、利便性が向上する。
【0123】
なお、本発明は、画像形成装置に限られず、認証プリントジョブを実行する画像形成方法であるとしてもよい。また、その方法をコンピュータが実行するプログラムであるとしてもよい。また、本発明に係るプログラムは、例えば磁気テープ、フレキシブルディスク等の磁気ディスク、DVD−ROM、DVD−RAM、CD−ROM、CD−R、MO、PDなどの光記録媒体、フラッシュメモリ系記録媒体等、コンピュータ読み取り可能な各種記録媒体に記録することが可能であり、当該記録媒体の形態で生産、譲渡等がなされる場合もあるし、プログラムの形態でインターネットを含む有線、無線の各種ネットワーク、放送、電気通信回線、衛星通信等を介して伝送、供給される場合もある。
【0124】
また、本発明に係るプログラムは、上記に説明した処理をコンピュータに実行させるための全てのモジュールを含んでいる必要はなく、例えば通信プログラムやオペレーティングシステム(OS)に含まれるプログラムなど、別途情報処理装置にインストールすることができる各種汎用的なプログラムを利用して、本発明の各処理をコンピュータに実行させるようにしても良い。従って、上記した本発明の記録媒体に必ずしも上記全てのモジュールを記録している必要はないし、また必ずしも全てのモジュールを伝送する必要もない。さらに所定の処理を専用ハードウェアを利用して実行させるようにすることができる場合もある。
【0125】
(変形例)
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施の形態では、外部端末71からネットワーク61を介してI/F部101が受信した認証プリントジョブのデータをジョブ管理部111で一時的に内部メモリ(記憶部)に格納した後、そのデータをハードディスク105に転送してハードディスク105の認証BOXに格納させるとしたが、これに限られることはない。例えば、I/F部101で受信したデータを直接、ハードディスク105に送って格納させる方法をとることもできる。また、データを格納させる格納手段がハードディスク105に限られることはなく、これに代えて、例えば上記の内部メモリ(記憶部)や、これとは別のSRAMやDRAMなどの記憶部であっても良い。
【0126】
このようにハードディスク105にデータを格納しない構成をとる場合、受信中画面表示処理においてハードディスク105へのデータ転送と格納に要すると予測される時間R2を算出する必要がなくなり、内部メモリやSRAMなどにデータを格納するのに要する時間が無視できる程度の極めて短い時間であれば、時間R=R1とすることができる。
認証プリントジョブのデータ受信の開始をI/F部101で当該データの受信を開始したとき、受信の完了を当該データがプリントの際に読み出されるべき格納領域(ハードディスク、内部メモリ、SRAMなど)に格納されたときとすることができる。
【0127】
また、上記では、I/F部101で受信した認証プリントジョブのデータ(PDL)をラスターデータに変換した後、ハードディスク105に格納するとしたが、データ形式やデータ変換が上記のものに限られないことはいうまでもなく、例えば外部端末71から受信したままの形式のデータで格納(保存)して、プリントの際にプリンタ部3でプリントするのに必要なデータ形式に変換する方法をとるとしても構わない。
【0128】
(2)上記実施の形態では、残り時間Rをカウントダウンする表示部分230を含む受信中画面203を表示させる表示処理と、1つの認証プリントジョブの実行指示から5秒以内に別の認証プリントジョブのデータが受信されると、これら2つの認証プリントジョブを1セットにしたようにして順次実行させる実行処理の両方を行う構成としたが、表示処理と実行処理とは独立して実行可能であるので、例えばいずれか一方のみを行う構成をとるとしても良い。表示処理のみの構成は、図9のフローチャートにおいてステップS8の次にステップS16を行う(S9〜S15を削除する)ことにより実現可能であり、実行処理のみの構成は、受信中画面表示(S18)を行わないことにより実現可能である。
【0129】
(3)上記では、認証プリントジョブの実行までに要すると予測される時間の長さを指標する情報の一例としての残り時間Rをカウントダウン表示するための受信中画面203などを表示する表示手段として、液晶表示部(液晶ディスプレイ)81を用いる例を説明したが、当該情報を表示することができるものであれば、液晶ディスプレイに限られず、また、液晶を用いたものでなくても良く、他の表示手段を用いることもできる。
【0130】
(4)上記実施の形態では、本発明に係る画像形成装置をタンデム型カラーデジタルプリンタに適用した場合の例を説明したが、これに限られない。カラーやモノクロの画像形成に関わらず、外部端末からネットワークを介して受信した認証プリントジョブを、当該認証プリントジョブを発行したユーザの認証が成功すると実行する認証プリントジョブの機能を有する画像形成装置であれば、例えば複写機、プリンタ、FAX(ファクシミリ装置)等に適用できる。
【0131】
また、上記実施の形態及び上記変形例の内容をそれぞれ組み合わせるとしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0132】
本発明は、認証プリントジョブを実行する機能を有する画像形成装置に広く適用することができる。
【符号の説明】
【0133】
1 複合機
3 プリンタ部
4 制御部
8 操作パネル
61 ネットワーク
71 外部端末
81 液晶表示部
101 インターフェース部
105 ハードディスク
106 認証部
107 スキャナ制御部
108 エンジン制御部
109 操作パネル制御部
110 HD管理部
111 ジョブ管理部
112 タイマー
203 受信中画面
204 警告画面
230 残り時間Rを表示する部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク接続された外部端末から認証プリントジョブのデータを受信し、当該認証プリントジョブを実行するためのユーザによる認証要求を受け付け、ユーザの認証が成功すると当該認証プリントジョブを実行する画像形成装置であって、
表示手段と、
認証プリントジョブのデータ受信が完了するまでに前記ユーザの認証が成功すると、当該認証プリントジョブの実行までに要すると予測される時間の長さを指標する情報を前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記認証プリントジョブのデータには、当該ジョブの総ページ数を示す情報とプリントすべき画像を示すプリントデータとが含まれており、
前記表示制御手段は、
1ページ分のプリントデータを受信するのに要する時間を示す情報を取得し、
取得した時間と前記総ページ数に基づいて前記時間の長さを求めることを特徴する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記認証プリントジョブのデータ受信中に、当該認証プリントジョブの実行を禁止させるための指示をユーザから受け付ける禁止受付手段と、
前記禁止受付手段により前記指示が受け付けられると、前記ユーザ認証が成功していても前記認証プリントジョブの実行を禁止するジョブ制御手段と、
を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記認証プリントジョブのデータ受信中に、自装置において認証プリントジョブが実行できない所定の状態になるトラブルが発生したことを判断する判断手段と、
前記判断手段により判断されたトラブルの発生後、当該トラブルの解消により当該認証プリントジョブが実行可能な状態に戻っても、前記データ受信中の認証プリントジョブの実行を禁止するジョブ制御手段と、
を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ユーザ認証を解除するための指示をユーザから受け付ける解除受付手段を備え、
前記ジョブ制御手段は、
前記解除受付手段により前記指示が受け付けられると、前記ユーザ認証を解除して、新たな認証要求により認証が成功すると、前記禁止を解除して前記認証プリントジョブを実行することを特徴とする請求項3または4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記表示手段は、ディスプレイを含み、
前記表示制御手段は、
前記情報を示す画面を前記ディスプレイに表示させ、
前記認証プリントジョブの実行が禁止されると、前記情報を示す画面に代えて前記認証プリントジョブとは異なる他のジョブの実行指示をユーザから受け付けるための画面に切り替えることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
認証プリントジョブを実行してから所定時間が経過するまでの間に別の認証プリントジョブのデータ受信を開始すれば、前記ユーザ認証を当該別の認証プリントジョブにも適用して当該別の認証プリントジョブを実行し、前記所定時間が経過した以降に別の認証プリントジョブのデータ受信を開始すれば、前記ユーザ認証を当該別の認証プリントジョブには適用せず、ユーザからの当該別の認証プリントジョブを実行するための別の認証要求に基づくユーザ認証が成功すると当該別の認証プリントジョブを実行することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記所定時間が経過するまでの間に別の認証プリントジョブのデータ受信を開始しなければ、前記ユーザ認証を解除して認証要求を受け付ける状態に戻ることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記情報は、
前記認証プリントジョブの実行が開始されるまでに要するであろう予測時間を示す情報、または前記認証プリントジョブの実行を開始する予定時刻を示す情報であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記表示制御手段は、
前記情報が前記予測時間である場合に、当該時間をカウントダウン表示させることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記ユーザによる認証要求を受け付けた時点で、認証プリントジョブのデータを受信していないときには、認証を成功させずに認証要求を受け付ける状態に戻ることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記表示手段は、ディスプレイを含み、
前記表示制御手段は、
前記情報を示す画面を前記ディスプレイに表示させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項13】
ネットワーク接続された外部端末から認証プリントジョブのデータを受信し、当該認証プリントジョブを実行するためのユーザによる認証要求を受け付け、ユーザの認証が成功すると当該認証プリントジョブを実行する画像形成装置であって、
認証プリントジョブを実行してから所定時間が経過するまでの間に別の認証プリントジョブのデータ受信を開始すれば、前記ユーザ認証を当該別の認証プリントジョブにも適用して当該別の認証プリントジョブを実行し、前記所定時間が経過した以降に別の認証プリントジョブのデータ受信を開始すれば、前記ユーザ認証を当該別の認証プリントジョブには適用せず、ユーザからの当該別の認証プリントジョブを実行するための別の認証要求に基づくユーザ認証が成功すると当該別の認証プリントジョブを実行するジョブ制御手段を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
前記ジョブ制御手段は、
前記所定時間が経過するまでの間に別の認証プリントジョブのデータ受信を開始しなければ、前記ユーザ認証を解除して認証要求を受け付ける状態に戻ることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−132984(P2012−132984A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−282848(P2010−282848)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】