説明

画像形成装置

【課題】 画像の処理幅がLetter幅までしかサポートされていないA4機対応のASICをA3機に利用可能とするとともに、このA3機での印刷パフォーマンスを最大限に引き出すことを可能とする。
【解決手段】 画像データを複数のバンドで分けたバンドデータとして保持する複数のバンドバッファ8−1〜8−4を有するメモリバッファ8と、画像データに対して特定の処理を実行するデータ処理部21と、画像データにもとづいて印刷処理を実行する出力処理部7と、データ処理部21にて特定の処理が実行された後の画像データを記憶して出力処理部7へ送る記憶手段9とを備え、この記憶手段9は、画像データを複数ページ分記憶可能な記憶領域を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿から読み取った画像データにもとづき印刷処理を実行する画像形成装置に関し、特に、搭載されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの専用回路により画像処理を実行する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタやコピー機、複合機などに代表される画像形成装置においては、通常、該画像形成装置が対応する原稿のサイズに応じたASICが作成され搭載される。
例えば、A4以下の原稿を給紙可能な画像形成装置(A4機)には、画像の処理幅としてLetter幅までサポートされたASICが作成されていた。また、A3の原稿を給紙可能な画像形成装置(A3機)には、A3幅までの処理が可能なASICが作成されていた。
このように、画像形成装置が対応する原稿のサイズごとにASICを作成することで、ASICの規模などを考慮した場合に、それぞれに最適なコストを出すことが可能となる。
【0003】
また、画像形成装置は、原稿をスキャンして読み取った画像データを出力する際に、中間調処理を実行してハーフトーン画像を生成し、ディザ法あるいは誤差拡散法などの面積階調法でコピー出力の濃度を調整している。そのディザ法などを用いたハーフトーン処理は、比較的単調なアルゴリズムで実行されるため、ASICにより実現されている。
なお、ハーフトーン処理に関する改良技術については、従来から種々提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−74445号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、A4機やA3機など、様々な機種の開発を同時に進めていく上で、モジュールの共通利用という考え方は、ソフトウエアだけでなく、ハードウエアにおいても推進されるべきものである。特に、スペックが同レベルのASICに関しては、A4機とA3機の両方で利用可能とし、かつ、コストも抑えることが要望されてきている。このため、A4機スペックのハードウエアをA3機で利用するソフトウエア制御手法が求められてきた。
【0006】
ここで、A4機用として作成されたASICを、A3機に用いた場合、下記のような不具合が生じることがあった。
例えば、従来のA4機でのハーフトーン処理は、図11に示す構成により実現されている。
すなわち、従来の画像形成装置100において、画像回転部110で回転処理された後の画像データは、CMYKの色ごとのバンドデータとして、4チャンネルのバンドバッファ120−1〜120−4のそれぞれに保持されていた。
ハーフトーン処理部130は、4チャンネルのバンドデータを同時に処理可能な能力を有しており、4チャンネルのバンドバッファ120−1〜120−4のそれぞれに保持されている色ごとのバンドデータを取り込んで、ハーフトーン処理を実行していた。
そして、ハーフトーン処理が実行された後の画像データは、CMYKの色ごとのバンドデータとして、4チャンネルのバンドバッファ140−1〜140−4のそれぞれに保持され、印刷エンジン制御部150へ送られて印字出力されていた。
【0007】
このような構成のA4機対応のASICをそのままA3機に実装すると、次のような不具合が生じていた。
すなわち、A4機対応のASICモジュールのうち、ハーフトーン処理を実行するモジュールは、主走査制御幅が、ASICの回路規模制限により、5120ドット(≒216.7mm)までしかサポートされていなかった。このため、そのままでは、A3幅(297mm)の画像データを処理することができなかった。
よって、A4機対応のASICをそのままA3機に実装すると、A3原稿を印刷できないという問題があった。
【0008】
本発明は、上記の事情にかんがみなされたものであり、画像の処理幅がLetter幅までしかサポートされていないA4機対応のASICをA3機に利用可能とするとともに、このA3機での印刷パフォーマンスを最大限に引き出すことを可能とする画像形成装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、画像データを複数のバンドで分けたバンドデータとして保持する複数のバンドバッファを有するメモリバッファと、画像データに対して特定の処理を実行するデータ処理部と、画像データにもとづいて印刷処理を実行する出力処理部と、データ処理部にて特定の処理が実行された後の画像データを記憶して出力処理部へ送る記憶手段とを備え、この記憶手段は、画像データを複数ページ分記憶可能な記憶領域を有する構成としてある。
【発明の効果】
【0010】
本発明の画像形成装置によれば、記憶手段が、データ処理部で特定の処理が実行された後の画像データを複数ページ分記憶できる。このことから、メモリバッファが、画像データをバンドデータとして色ごとに順番に(または、複数の色ごとに)複数のバンドバッファに保持するとともに、データ処理部が、そのメモリバッファに保持された順番で色ごとのバンドデータに対し特定の処理を実行するようにすれば、処理後のバンドデータのすべてを記憶手段が記憶できるので、画像の処理幅がLetter幅までしかサポートされていないA4機対応のASICをA3機に利用することができる。
また、記憶手段が、一または複数ページ分の原稿の画像データを記憶可能とすれば、印刷エンジンにおける一のページの印刷処理の完了を待たずに、次のページの画像データに対する特定の処理を実行できることから、一のページの印刷完了から次のページの印刷開始までの時間を短縮でき、A3機での印刷パフォーマンスを最大限に引き出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態における画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】画像形成装置のうち、画像回転部から印刷エンジン制御部までの構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示す構成において、YとCの各色に対して処理を実行する手順を示すブロック図である。
【図4】図2に示す構成において、MとKの各色に対して処理を実行する手順を示すブロック図である。
【図5】図2に示す構成において、ページバッファに保持された画像データを印字出力する手順を示すブロック図である。
【図6】図2に示す構成において、Y、C、M、Kの各色に対して同時に処理を実行する手順を示すブロック図である。
【図7】1ページモードの処理手順を示す説明図である。
【図8】2ページモードの処理手順を示す説明図である。
【図9】モノクロ印刷モードの処理手順を示す説明図である。
【図10】モード設定の条件を示す図表である。
【図11】従来の画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る画像形成装置の好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
なお、以下の実施形態における画像形成装置が実行する処理は、プログラムに制御されたコンピュータにより実行することができる。プログラムは、例えば、記録媒体により提供される。記録媒体としては、たとえば、磁気ディスク,光ディスク,半導体メモリ,その他コンピュータで読み取り可能な任意の手段を使用することができる。
また、記録媒体に記録されたプログラムは、記録媒体を直接コンピュータに装着して当該コンピュータに読み込ませることができ、また、通信回線を介してコンピュータに読み込ませるようにしても良い。
【0013】
さらに、本実施形態においては、次の項目について、順次説明する。
(1)画像形成装置の構成
(2)ハーフトーン処理に関する構成
(3)ハーフトーン処理の動作手順
(4)モード設定
【0014】
(1)画像形成装置の構成
まず、本発明の画像形成装置の構成について、図1を参照して説明する。
同図は、本実施形態の画像形成装置の構成を示すブロック図である。
なお、本実施形態の画像形成装置には、プリンタ,コピー機(複写機),ファクシミリ,デジタル複合装置を含む。
また、本実施形態のプリンタには、インクジェットプリンタ,昇華型熱転写方式プリンタ,ドットインパクトプリンタ,インクジェット式プリンタ,レーザプリンタ,溶融型熱転写方式プリンタなど、各種のプリンタ方式を備えたプリンタが含まれる。
【0015】
図1に示すように、画像形成装置Aは、メインコントローラ1と、操作パネル2と、スキャナ3と、RAM4と、ハードディスクドライブ(HDD)5と、印刷エンジン制御部6と、印刷エンジン(出力処理部)7と、データ処理手段10とを有している。
【0016】
メインコントローラ1は、操作パネル2に対するユーザ操作にもとづいて、スキャナ3などを制御するとともに、データ処理手段10へ指令を供給する。
このメインコントローラ1は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを有するコンピュータであり、ROMなどに記憶されているプログラムにしたがって指令を出力したり、データ処理を実行したりする。
【0017】
操作パネル2は、例えばタッチパネルなどで構成されており、画像形成装置Aにおける設定内容や操作可能な項目などを表示するとともに、ユーザが該操作パネル2の表示画面に触れることで、特定の項目を選択できる機能を備えている。
スキャナ3は、原稿の片面または両面の画像を光学的に読み取り、その画像読み取りにより得られる画像データをバンドデータとして順次出力する装置である。
【0018】
RAM4は、データ処理手段10による処理においてバンドデータを一時的に記憶するメモリである。RAM4としては、例えば、1または複数のDRAMなどを使用することができる。
RAM4の記憶領域は、バンドバッファ(後述)として使用される。各バンドバッファは、バンドデータを保持可能なサイズのバンドデータ領域を有する。バンドバッファは、例えば、後述するように、画像回転部19からハーフトーン処理部21へバンドデータを供給するために使用される。
【0019】
HDD5は、RAM4より大容量で低速なデータ格納装置である。HDD5は、1ページ分のバンドデータからなるページデータを保持するページバッファ(後述)として使用される。本実施形態では、圧縮されたバンドデータが1ページ分ずつHDD5に記憶される。
印刷エンジン制御部6は、印刷エンジン7へ画像データを供給するととともに、印刷エンジン7を制御して印刷を実行させる制御装置である。
印刷エンジン7は、印刷エンジン制御部6から供給されてきた画像データにもとづいて用紙に印刷をする出力処理装置である。
【0020】
データ処理手段10は、スキャナ3などからの画像データを、バンド単位又はページ単位で処理し、メインコントローラ1、HDD5、印刷エンジン制御部6などへ出力するプロセッサーである。
なお、スキャナ3からは、画像データとその画像データに対応する属性データが出力されるため、データ処理手段10は、両方に対して特定の処理を実行する。属性データは、画像処理において色処理、階調処理などの設定に使用される。また、画像データ及び属性データは、1ページ単位のページデータ、または1ページを分割した複数のバンドの1つに対応するバンドデータとして取り扱われる。なお、画像データの場合は、CMYKの4プレーンを有する。
【0021】
データ処理手段10は、インタフェース11と、データフローコントローラ12と、メモリインタフェース13と、HDDコントローラ14と、データ取得部15と、画像処理部16と、JPEGコーデック部17と、RLEコーデック部18と、画像回転部19と、ラスタ処理部20と、ハーフトーン処理部21と、データ出力部22とを有している。
【0022】
インタフェース11は、メインコントローラ1とデータフローコントローラ12との間のデータおよび指令を送受する。
データフローコントローラ12は、メインコントローラ1からの指令にしたがって、データ取得部15、画像処理部16、JPEGコーデック部17、およびRLEコーデック部18のDMAC(ダイレクトメモリアクセスコントローラ)を制御し、動作させる。
【0023】
メモリインタフェース13は、RAM4と内部信号線との間のデータ及び指令を送受する。内部信号線は、メモリインタフェース13、HDDコントローラ14、および各処理部15〜22を接続する信号線である。
HDDコントローラ14は、HDD5との間のデータを送受する。
【0024】
データ取得部15は、スキャナ3から画像データ及び属性データをバンドデータとして順番に取得し、RAM4に記憶する。
画像処理部16は、画像データ及び属性データのバンドデータをRAM4から読み出し、それらのバンドデータに対して画像処理(画像拡大、画像縮小、色変換など)を実行し、処理後のバンドデータをRAM4に記憶する。
【0025】
JPEGコーデック部17は、RAM4に保持されている画像データのバンドデータを読み出して、そのバンドデータをJPEG(Joint Photographic Experts Group)方式で符号化して圧縮し、HDD5へ記憶するとともに、HDD5に記憶されている画像データのページデータからバンドデータを読み出して、そのバンドデータをJPEG方式で復号して伸張し、RAM4へ記憶する。
【0026】
RLEコーデック部18は、RAM4に記憶されている属性データのバンドデータを読み出して、そのバンドデータをRLE(Run Length Encoding)方式で符号化して圧縮し、HDD5へ記憶するとともに、HDD5に記憶されている属性データのページデータからバンドデータを読み出して、そのバンドデータをRLE方式で復号して伸張し、RAM4へ記憶する。
【0027】
画像回転部19は、1ページの画像データによる画像を90度または270度を回転させた画像の画像データを生成する。
ラスタ処理部20は、画像データ(および属性データ)のバンドデータをRAM4から読み出し、それらのバンドデータに対してラスタライズを実行し、ラスタデータを生成する。ラスタデータは、バンドごとに、RLEコーデック部18により圧縮された後、HDD5に記憶される。その後、RLEコーデック部18により、バンドごとに、圧縮されたラスタデータが読み出されて伸張され、ラスタデータがRAM4に記憶される。
【0028】
ハーフトーン処理部21は、バンドごとにラスタデータをRAM4から読み出し、ハーフトーン処理を実行し、ハーフトーン処理後のデータをHDD5に記憶する。なお、ハーフトーン処理部21は、画像データに対して特定の処理を実行することから、「データ処理部」に相当する。
データ出力部22は、ハーフトーン処理後のデータをHDD5から読み出し、印刷エンジン制御部6へ供給する。
なお、これらの各処理部11〜22は、それぞれASIC(Application Specific Integrated Circuit)として実現される。
【0029】
(2)ハーフトーン処理に関する構成
次に、ハーフトーン処理に関する構成について、図2を参照して説明する。
画像形成装置Aにおいては、印刷エンジン7にて印字出力される前の画像データに対してハーフトーン処理が実行される。
ここでは、画像回転部19での回転処理から、画像データが印刷エンジン制御部6へ送られるまでの間の構成について説明する。
【0030】
画像回転部19で回転処理された画像データは、メモリバッファ8に転送される。
メモリバッファ8は、画像回転部19から転送された画像データを保持する。メモリバッファ8は、画像データをバンド単位で保持する4つのバンドバッファ8−1〜8−4を有している。バンドとは、1ページの印刷データを回転ドラムの走査方向に特定のドット数で区切った画像処理を実行するための単位である。
バンドバッファ8−1〜8−4は、具体的には、RAM4の記憶領域の一部に割り当てられている。バンドバッファ8−1〜8−4は、あるサイズ(たとえば、A4)の原稿1ページ分の画像データのうちの1バンド分のバンドデータをそれぞれ保持可能な記憶領域を有している。
【0031】
ハーフトーン処理部21でハーフトーン処理が実行された後の画像データは、ページバッファ9に転送される。
ページバッファ9は、ハーフトーン処理部21から転送された画像データを保持する。ページバッファ9は、ハーフトーン処理後の原稿1ページ分の画像データに相当するページデータを保持可能な4つのページバッファ9−1〜9−4を有している。HDD5の記憶領域に、4ページ分の画像データを記憶可能なページバッファ9の記憶領域が割り当てられている。ページバッファ9の記憶領域に、A4原稿1ページ分のページデータを保持可能なページバッファ9−1〜9−4の記憶領域が割り当てられている。
このため、例えば、原稿がA4サイズのときは、CMYKの各色のページデータをすべて記憶させることができる。また、原稿がA3サイズのときは、後述するように、ページバッファ9−1〜9−4のそれぞれが、CMYKの色ごとにページデータを保持することができる。
【0032】
ページバッファ9に保持されているページデータは、データ出力部22によって、印刷エンジン制御部6の内部クロックに同期して、印刷エンジン制御部6へ転送される。ページバッファ9を利用することで、印刷エンジン制御部6へのページデータ転送の遅れによる印刷エンジン制御部6のアンダーランエラーを防止することができる。
さらに、ページバッファ9を設けることにより、ハーフトーン処理部21が印刷エンジン制御部6と非同期で作動することができる。このため、ハーフトーン処理部21の処理能力に余裕がある場合に、スキャン画像の転送等の他の機能におけるハーフトーン処理を実行することが可能になる。
なお、ページバッファ9を備えるHDD5は、データ処理部(ハーフトーン処理部21)にて特定の処理(ハーフトーン処理)が実行された後のページデータを複数ページ分記憶して出力処理部(印刷エンジン制御部6、印刷エンジン7)へ送ることから、「記憶手段」に相当する。
【0033】
(3)ハーフトーン処理の動作手順
次に、ハーフトーン処理の動作手順について、図3〜図9を参照して説明する。
ここでは、次の項目について、順次説明する。
(3−1)1ページ分の画像データに対する処理
(3-11)ハーフトーン2回処理
(3-12)ハーフトーン1回処理
(3−2)複数ページ分の画像データに対する処理
(3-21)1ページモード
(3-22)2ページモード
(3-23)モノクロ印刷モード
【0034】
(3−1)1ページ分の画像データに対する処理
(3-11)ハーフトーン2回処理
ハーフトーン2回処理とは、1ページ分の画像データに対しハーフトーン処理を2回に分けて実行する処理をいう。このハーフトーン2回処理を実行する場合とは、例えば、ハーフトーン処理部21が、5120ドット(≒216.7mm)まで主走査制御幅しかサポートされていないときに、A3幅(297mm)の画像データを処理するような場合である。
このハーフトーン2回処理の動作手順について、図3〜図5を参照して説明する。
図3は、ハーフトーン2回処理の動作手順のうちYとCの画像データに対する処理の手順を示すブロック図、図4は、ハーフトーン2回処理の動作手順のうちMとKの画像データに対する処理の手順を示すブロック図、図5は、各色のハーフトーン処理が終了し出力するまでの手順を示すブロック図である。
【0035】
図3に示すように、画像回転部19で画像データに対し回転処理が実行されると、その画像データのうち、一の色(図3においてはY)のバンドデータが、メモリバッファ8における2チャンネルのバンドバッファ8−1、8−2に転送され、他の色(図3においてはC)のバンドデータが、他の2チャンネルのバンドバッファ8−3、8−4に転送される。
ハーフトーン処理部21は、バンドバッファ8−1、8−2に保持されたバンドデータ(Yのバンドデータ)と、バンドバッファ8−3、8−4に保持されたバンドデータ(Cのバンドデータ)とを取得して、これらバンドデータに対してハーフトーン処理を実行する。そして、処理後のYのバンドデータを一のページバッファ9−1に転送するとともに、処理後のCのバンドデータを他の一のページバッファ9−2に転送する。
【0036】
次いで、図4に示すように、メモリバッファ8においては、画像回転部19にて回転処理が実行された画像データのうち、他の一の色(図4においてはM)のバンドデータが、2チャンネルのバンドバッファ8−1、8−2に転送され、さらに他の色(図4においてはK)のバンドデータが、他の2チャンネルのバンドバッファ8−3、8−4に転送される。
ハーフトーン処理部21は、バンドバッファ8−1、8−2に保持されたバンドデータ(Mのバンドデータ)と、バンドバッファ8−3、8−4に保持されたバンドデータ(Kのバンドデータ)とを取得して、これらバンドデータに対してハーフトーン処理を実行する。そして、処理後のMのバンドデータを一のページバッファ9−3に転送するとともに、処理後のKのバンドデータを他の一のページバッファ9−4に転送する。
【0037】
そして、図5に示すように、原稿1ページ分の画像データに相当するページデータがページバッファ9−1〜9−4に保持されると、それらページデータが印刷エンジン制御部6を介して印刷エンジン7へ送られて印字出力される。
【0038】
このように、例えばA3幅(297mm)の画像データを処理する場合に、4チャンネルあるバンドバッファ8−1〜8−4を2チャンネルずつ同時に利用し、2色分同時にハーフトーン処理を実行し、これを2回繰り返すことで、4色すべての処理が可能となる。
【0039】
(3-12)ハーフトーン1回処理
ハーフトーン1回処理とは、1ページ分の画像データに対しハーフトーン処理を1回で実行する処理をいう。このハーフトーン1回処理を実行する場合とは、例えば、ハーフトーン処理部21が、5120ドット(≒216.7mm)まで主走査制御幅しかサポートされていないときに、A4幅の画像データを処理するような場合である。
このハーフトーン1回処理の動作手順について、図6を参照して説明する。
同図は、ハーフトーン1回処理の実行により、各色の画像データがバンドバッファやページバッファに保持される状態を示すブロック図である。
【0040】
同図に示すように、画像回転部19で画像データに対し回転処理が実行されると、その画像データがバンドデータとしてメモリバッファ8で保持され、ハーフトーン処理部21がその画像データに対しハーフトーン処理を実行する。
ここで、メモリバッファ8においては、回転処理が実行された画像データのうち、一の色(同図においてはY)のバンドデータが1チャンネルのバンドバッファ8−1に転送され、他の色(同図においてはC)のバンドデータが他の1チャンネルのバンドバッファ8−2に転送される。さらに、他の色(同図においてはM)のバンドデータがさらに他の1チャンネルのバンドバッファ8−3に転送され、その他の色(同図においてはK)のバンドデータがその他の1チャンネルのバンドバッファ8−4に転送される。
【0041】
ハーフトーン処理部21は、バンドバッファ8−1に保持されたバンドデータ(Yのバンドデータ)と、バンドバッファ8−2に保持されたバンドデータ(Cのバンドデータ)と、バンドバッファ8−3に保持されたバンドデータ(Mのバンドデータ)と、バンドバッファ8−4に保持されたバンドデータ(Kのバンドデータ)とを取得すると、これらバンドデータに対してハーフトーン処理を実行する。そして、ハーフトーン処理部21は、処理後の一の色(同図においてはY)のバンドデータをページバッファ9−1に転送し、処理後の他の色(同図においてはC)のバンドデータをページバッファ9−2に転送し、処理後のさらに他の色(同図においてはM)のバンドデータをページバッファ9−3に転送し、処理後のその他の色(同図においてはK)のバンドデータをページバッファ9−1に転送する。
そして、原稿1ページ分の画像データに相当するページデータがページバッファ9−1〜9−4に保持されると、それらページデータが印刷エンジン制御部6を介して印刷エンジン7へ送られて印字出力される。
【0042】
(3−2)複数ページ分の画像データに対する処理
(3-21)1ページモード
1ページモードとは、複数ページ分の画像データを処理する場合に、ページバッファに保持されるページデータを1ページごととするモードをいう。
この1ページモードによる処理の手順について、図7を参照して説明する。
なお、この1ページモードは、ハーフトーン2回処理(図3〜図5)を実行することを前提とする。
【0043】
図7に示すように、まず、1ページ目の原稿の画像データのうちYのバンドデータとCのバンドデータがバンドバッファ8−1〜8−4に保持される(同図(i))。
次いで、それらバンドバッファ8−1〜8−4に保持されたYのバンドデータとCのバンドデータが、ハーフトーン処理部21でハーフトーン処理され、Yのバンドデータがページバッファ9−1に転送され、Cのバンドデータがページバッファ9−2に転送される(同図(ii))。
続いて、1ページ目の原稿の画像データのうちMのバンドデータとKのバンドデータがバンドバッファ8−1〜8−4に保持される(同図(iii))。
そして、そのバンドバッファ8−1〜8−4に保持されたMのバンドデータとKのバンドデータが、ハーフトーン処理部21でハーフトーン処理され、Mのバンドデータがページバッファ9−3に転送され、Kのバンドデータがページバッファ9−4に転送される(同図(iv))。
【0044】
YCMKすべてについて、1ページ分の画像データに相当するページデータがページバッファ9−1〜9−4に保持されると、それらページデータが印刷エンジン制御部6を介し印刷エンジン7へ送られて印字出力される(同図(v)〜(viii))。
印刷エンジン7にて、YとCの印刷処理が実行され、完了すると、バンドバッファ8−1〜8−4は、2ページ目の画像データのうちYのバンドデータとCのバンドデータとを保持する(同図(ix))。
それらバンドバッファ8−1〜8−4に保持されたYのバンドデータとCのバンドデータが、ハーフトーン処理部21でハーフトーン処理され、Yのバンドデータがページバッファ9−1に転送され、Cの画像データがページバッファ9−2に転送される(同図(x))。
【0045】
印刷エンジン7にて、MとKの印刷処理が実行され、完了すると、バンドバッファ8−1〜8−4は、2ページ目の画像データのうちMのバンドデータとKのバンドデータとを保持する(同図(xi))。
それらバンドバッファ8−1〜8−4に保持されたMのバンドデータとKのバンドデータが、ハーフトーン処理部21でハーフトーン処理され、Mのバンドデータがページバッファ9−3に転送され、Kのバンドデータがページバッファ9−4に転送される(同図(xii))。
(xii)以降は、前述した1ページ目の画像データに対する処理(同図(iv)〜(viii))と同様である。
【0046】
この1ページモードの場合、メモリバッファ8における2ページ目の画像データの保持が、1ページ目の画像データのうちのYとCの印刷処理が実行された後に開始される。このため、複数ページの原稿を印刷する場合の印刷速度は、従来とほとんど変わらない。
これに対し、次に説明する2ページモードでは、印刷速度を速めることができる(パフォーマンスを向上させることができる)。
【0047】
(3-22)2ページモード
2ページモードとは、複数ページ分の画像データを処理する場合に、ページバッファに保持されるページデータを2ページごととするモードをいう。
この2ページモードによる処理の手順について、図8を参照して説明する。
なお、この2ページモードは、1ページモードと同様、ハーフトーン2回処理(図3〜図5)を実行することを前提とする。
【0048】
図8に示す(i)から(viii)までの処理は、図7に示す(i)から(viii)までの処理と同様である。
バンドバッファ8−1〜8−4は、1ページ目の原稿の画像データのうち保持していたMのバンドデータとKのバンドデータがハーフトーン処理部21に送られると(図8の(iii)〜(iv))、引き続いて、2ページ目の原稿の画像データのうちYのバンドデータとCのバンドデータを保持する(同図の(ix))。
次いで、それらバンドバッファ8−1〜8−4に保持されたYのバンドデータとCのバンドデータが、ハーフトーン処理部21でハーフトーン処理され、Yのバンドデータがページバッファ9−1に転送され、Cの画像データがページバッファ9−2に転送される(同図の(x))。
続いて、2ページ目の原稿の画像データのうちMのバンドデータとKのバンドデータがバンドバッファ8−1〜8−4に保持される(同図の(xi))。
そして、そのバンドバッファ8−1〜8−4に保持されたMのバンドデータとKのバンドデータが、ハーフトーン処理部21でハーフトーン処理され、Mのバンドデータがページバッファ9−3に転送され、Kのバンドデータがページバッファ9−4に転送される(同図の(xii))。
【0049】
印刷エンジン7にて、1ページ目の原稿の画像データのうちYとCの印刷処理が実行されると(同図の(v)、(vi))、バンドバッファ8−1〜8−4は、3ページ目の画像データのうちYのバンドデータとCのバンドデータとを保持する(同図の(xiii))。
次いで、それらバンドバッファ8−1〜8−4に保持されたYのバンドデータとCのバンドデータが、ハーフトーン処理部21でハーフトーン処理され、Yのバンドデータがページバッファ9−1に転送され、Cのバンドデータがページバッファ9−2に転送される(同図の(xiv))。
【0050】
印刷エンジン7にて、1ページ目の原稿の画像データのうちYとCとMの印刷処理が実行されると(同図の(v)、(vi)、(vii))、2ページ目の印刷処理が開始される(同図の(xv)〜(xviii))。
また、1ページ目の印刷処理が完了すると、バンドバッファ8−1〜8−4は、3ページ目の画像データのうちMのバンドデータとKのバンドデータとを保持する(同図の(xix))。
3ページ目に関する以降の処理は、2ページ目に関する処理(xi)〜(xviii)と同様である。
【0051】
この2ページモードでは、ページバッファ9が2ページ分の画像データに相当するページデータを保持可能とし、1ページ目のページデータの保持が完了すると、引き続いて2ページ目のページデータを保持する。つまり、印刷エンジン7における1ページ目の印刷処理に並行して、2ページ目のページデータがページバッファ9に保持される。これにより、1ページ目の印刷処理が完了する前に、既に2ページ目のページデータがページバッファ9に保持されることから、1ページ目の印刷が完了するまでに2ページ目の印刷を開始することができる。このように、2ページモードは、1ページモードのときよりも、2ページ目の印刷開始のタイミングを早めることができることから、原稿が複数ページの場合の印刷速度を速めることができる(パフォーマンスを向上させることができる)。
【0052】
(3-23)モノクロ印刷モード
前述した「(3-31)1ページモード」と「(3-32)2ページモード」は、いずれもカラー原稿をカラーで印刷する場合に選択されるモードである。これに対し、原稿がモノクロの場合は、通常、モノクロ印刷が選択される。このモノクロ印刷においても、2ページモードと同様の処理を実行することができる。
このモノクロ印刷モードによる処理の手順について、図9を参照して説明する。
なお、このモノクロ印刷モードは、ハーフトーン1回処理(図6)を実行することを前提とする。
【0053】
図9に示すように、まず、1ページ目の原稿の画像データ(Kの画像データ)がバンドデータとしてバンドバッファ8−1〜8−4に保持される(同図(i))。
次いで、それらバンドバッファ8−1〜8−4に保持されたバンドデータが、ハーフトーン処理部21でハーフトーン処理され、ページバッファ9に転送される(同図(ii))。
そして、その画像データが印刷エンジン7へ送られて印字出力される(同図(iii))。
【0054】
バンドバッファ8−1〜8−4は、1ページ目の原稿の画像データがハーフトーン処理部21に送られると、引き続いて、2ページ目の原稿の画像データをバンドデータとして保持する(同図の(iv))。
次いで、それらバンドバッファ8−1〜8−4に保持されたバンドデータが、ハーフトーン処理部21でハーフトーン処理され、ページバッファ9に転送される(同図の(v))。
【0055】
印刷エンジン7にて、1ページ目の印刷処理が完了すると(同図の(iii))、バンドバッファ8−1〜8−4は、3ページ目の画像データをバンドデータとして保持する(同図の(vi))。
次いで、それらバンドバッファ8−1〜8−4に保持されたバンドデータが、ハーフトーン処理部21でハーフトーン処理され、ページバッファ9に転送される(同図の(vii))。
印刷エンジン7にて、1ページ目の印刷処理が完了すると(同図の(iii))、2ページ目の印刷処理が開始される(同図の(viii))。また、2ページ目の印刷処理が完了すると(同図の(viii))、3ページ目の印刷処理が開始される(同図の(ix))。
【0056】
このモノクロ印刷モードでは、ページバッファ9が2ページ分の画像データに相当するページデータを保持可能とし、1ページ目のページデータの保持が完了すると、引き続いて2ページ目のページデータを保持する。つまり、1ページ目の印刷処理に並行して2ページ目のページデータが保持される。これにより、1ページ目の印刷処理が完了する前に、ページバッファ9では2ページ目のページデータの保持が完了することから、1ページ目の印刷完了のすぐ後に2ページ目の印刷処理を開始することができる。よって、モノクロ印刷モードにおいても、原稿が複数ページの場合の印刷速度を速めることができる(パフォーマンスを向上させることができる)。
【0057】
(4)モード設定
前述した「(3)ハーフトーン処理の動作手順」においては、1ページ分の画像データに対してハーフトーン処理を1回実行する「ハーフトーン1回処理」と、1ページ分の画像データに対してハーフトーン処理を2回実行する「ハーフトーン2回処理」について説明した。これら「ハーフトーン1回処理」と「ハーフトーン2回処理」は、原稿の色やサイズに応じていずれか一方を選択し、設定することができる。
例えば、図10に示すように、モードを選択する条件として、「色」、「幅」、「高さ」を設けることができる。
「色」は、原稿に表わされた像の色である。この「色」には、モノクロを示す「K」と、カラーを示す「CMYK」がある。
「幅」及び「高さ」は、原稿のサイズを表している。ここでは、A4の入力画像の主走査方向の画素数である「5120」と、副走査方向の画素数である「7040」とを閾値として、モードを選択することとしている。
【0058】
また、選択されるモードには、「保持ページ数モード」と、「ハーフトーン処理」がある。
「保持ページ数モード」は、ページバッファ9の記憶領域をA3サイズの1ページ分としたときに、このページバッファ9に保持されるページデータを、2ページ分とするか、1ページ分とするかを設定するモードである。なお、この「保持ページ数モード」は、前述した2ページモードや1ページモードとは異なり、ハーフトーン1回処理を実行した場合にも設定されるモードである。
「ハーフトーン処理」は、ハーフトーン1回処理とハーフトーン2回処理のいずれかを設定するモードである。
【0059】
例えば、原稿に表わされた像の色が黒(K)であり、幅が5120ドット以下、高さが7040ドット以下の場合は、「保持ページ数モード」は2ページモードが選択され、「ハーフトーン処理」はハーフトーン1回処理が選択される。
また、原稿に表わされた像の色がカラー(CMYK)であり、幅が5120ドット超過、高さが7040ドット超過の場合は、「保持ページ数モード」は1ページモードが選択され、「ハーフトーン処理」はハーフトーン2回処理が選択される。
【0060】
このモードの選択は、例えば、データ処理手段10やメインコントローラ1が自動的に行うことができる。この場合、データ処理手段10又はメインコントローラ1は、「モード選択手段」に相当する。
このように、原稿の色やサイズに応じて「保持ページ数モード」や「ハーフトーン処理」を選択可能とすることで、同じA4機対応のASICを用いてLetterサイズを超過した原稿の印刷が可能となる。
【0061】
以上説明したように、本実施形態の画像形成装置によれば、ハーフトーン処理部でハーフトーン処理が実行された後のバンドデータを複数ページ分保持可能なページバッファを備えるとともに、メモリバッファが原稿から読み取られた色ごとの画像データをバンドデータとして色ごとに順番に保持し、かつ、ハーフトーン処理部がそのメモリバッファに保持された色ごとのバンドデータに対して一又は二以上の色ごとに順番にハーフトーン処理を実行するようにしたので、ハーフトーン処理後のバンドデータのすべてをページバッファに保持することができる。よって、画像の処理幅がLetter幅までしかサポートされていないA4機対応のASICをA3機に利用することができる。
【0062】
また、ページバッファが、一または複数ページ分の原稿の画像データに相当するページデータを保持可能とすることで、印刷エンジンにおける一のページの印刷処理の完了を待たずに、画像データに対するハーフトーン処理を次々実行できる。これにより、一のページの印刷完了から次のページの印刷開始までの時間を短縮でき、A3機での印刷パフォーマンスを最大限に引き出すことができる。
さらに、ページバッファの記憶領域をA3サイズの1ページ分とすることで、HDDのコスト削減を図ることができる。そして、ページバッファのメモリサイズを大きくすれば、大きなサイズについてもパフォーマンスを向上させることができる。よって、オプションメモリの増設により、割り振りメモリを増やして、すべてのサイズのパフォーマンスを向上させることも可能となる。
【0063】
以上、本発明の画像形成装置の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る画像形成装置は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した画像形成装置に、オプションメモリを増設することで、機能、パフォーマンスの拡張を実現できる。
また、上述した実施形態では、A4機対応のASICをA3機に搭載した場合について説明したが、これに限るものではなく、例えば、A4機対応のASICをA2機やA1機に搭載した場合にも本発明を適用できる。
【0064】
さらに、図3〜図5に示すハーフトーン2回処理では、二つのバンドバッファが一の色のバンドデータを保持することとしたが、これに限るものではなく、原稿サイズによっては、三つ又は四つのバンドバッファが一の色のバンドデータを保持するようにすることもできる。この場合、バンドバッファは、原稿一ページにおける色ごとの画像データを順番に保持し、ハーフトーン処理部は、それらバンドバッファに保持されたバンドデータに対して順番にハーフトーン処理を実行し、ページバッファは、そのハーフトーン処理部で処理された後のバンドデータを順次保持する。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、ASICにより画像処理を実行する画像形成装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0066】
A 画像形成装置
10 データ処理手段
21 ハーフトーン処理部
6 印刷エンジン制御部
7 印刷エンジン
8 メモリバッファ
8−1〜8−4 バンドバッファ
9(9−1〜9−4) ページバッファ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを複数のバンドで分けたバンドデータとして保持する複数のバンドバッファを有するメモリバッファと、
前記画像データに対して特定の処理を実行するデータ処理部と、
前記画像データにもとづいて印刷処理を実行する出力処理部と、
前記データ処理部にて前記特定の処理が実行された後の画像データを記憶して前記出力処理部へ送る記憶手段とを備え、
この記憶手段は、前記画像データを複数ページ分記憶可能な記憶領域を有する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記メモリバッファは、一の色の前記バンドデータを二以上の前記バンドバッファで保持する保持処理を、一又は二以上の色ごとに順番に実行し、
前記データ処理部は、一又は二以上の色ごとに順番に、前記バンドバッファに保持された前記バンドデータを入力して前記特定の処理を実行し、
前記記憶手段は、一又は二以上の色ごとに順番に、前記データ処理部で前記特定の処理が実行された後のバンドデータを記憶する記憶処理を実行し、
前記記憶手段が、原稿一ページにおけるすべての色のバンドデータを記憶すると、前記出力処理部は、前記記憶手段から送られてきた前記原稿一ページ分のバンドデータにもとづいて印刷処理を実行する
ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記原稿の一のページにおけるすべての色に対して、前記保持処理、前記特定の処理、及び前記記憶処理が完了すると、その直後に、前記原稿の次のページに対して、前記保持処理、前記特定の処理、及び前記記憶処理を実行する
ことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記データ処理部が前記原稿一ページに対して前記特定の処理を複数回実行するモードを、複数回モードとし、
前記データ処理部が前記原稿一ページに対して前記特定の処理を一回実行するモードを、一回モードとし、
前記原稿の色又はサイズに応じて、前記複数回モードと前記一回モードのいずれかを選択するモード選択手段を備える
ことを特徴とする請求項2又は3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記記憶手段が、原稿一ページ分の画像データに相当するページデータを保持可能なページバッファを複数備える
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記複数のページバッファは、複数の色のページデータを前記色ごとに保持する
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記メモリバッファのバンドバッファは、A4原稿一ページにおける一の色の画像データをバンドデータとして保持可能な記憶領域を有する
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記データ処理部が、中間調処理を実行してハーフトーン画像を生成するハーフトーン処理部からなる
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−143991(P2012−143991A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−5112(P2011−5112)
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】