説明

画像形成装置

【課題】ユーザの意図を反映した白紙除去を実行可能な画像形成装置を提供すること。
【解決手段】複数枚の原稿を読み取って得られたページ単位の画像データに基づいて用紙の表面と裏面に印刷を行う両面コピーを実行しようとする場合に、画像データに白紙ページが含まれていることを検出し、検出された白紙ページを除去しなければ両面コピー後の印刷物を製本した場合に、製本後における用紙の表面(奇数ページ)にその白紙ページが配置されることになると判断すると(S13で「YES」)、このことをユーザの白紙除去の意図であるとして、その白紙ページの画像データを削除する(S14)。一方、白紙ページが用紙の裏面(偶数ページ)に配置されることになると判断すると(S13で「NO」)、白紙除去を意図しないとして白紙ページの画像データの削除を行わない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ページごとの画像データを含む画像処理ジョブにおける白紙ページの画像データを除去する機能を有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数枚の原稿からなる原稿束の各原稿をページ単位で読み取って、読み取って得られた原稿の画像データに基づき、複数枚の記録シートに印刷して出力するコピージョブを行う複写機などの画像形成装置では、白紙除去機能を備えるものがある。
この白紙除去機能とは、原稿束に白紙原稿が誤って混入されている場合に、出力された印刷物に、白紙原稿の画像データに基づいて印刷された白紙の記録シートが混ざることを防止するため、読み取って得られた画像データから白紙原稿(白紙ページ)の画像データを除去する機能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−229484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の白紙除去機能を用いると、一律に白紙ページが除去される。このため、ユーザが例えば小冊子などの製本を目的にした両面コピーにおいて、製本後における各コピー用紙のうち、第1章における最後の用紙の裏面に白紙ページを挿入し、第2章における最初の用紙の表面に第2章の最初のページ(白紙ではないページ)を配置させたいと思っても、実際の両面コピーでは、挿入すべき白紙ページが除去されてしまい、ユーザの意図に反し、ユーザにとって使い勝手が悪いという問題がある。
【0005】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、ユーザの意図をできるだけ反映した白紙除去を行うことが可能な画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る画像形成装置は、ページごとの画像データを含む画像処理ジョブを実行する画像形成装置であって、画像データの各ページのうち白紙ページを検出する検出手段と、前記検出手段により白紙ページが検出された場合において、白紙除去のための所定の条件を満たせば、前記検出された白紙ページの画像データを除去してから前記画像処理ジョブを実行し、前記所定の条件を満たさなければ、前記検出された白紙ページの画像データを除去せずに前記画像処理ジョブを実行する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
ここで、前記白紙ページとは、現されるべき画像が1ページ内に存在しないページを意味する。
また、前記画像処理ジョブは、複数枚の記録シートを1枚ずつ搬送して、搬送される各記録シートのそれぞれの表面と裏面に印刷を行う両面印刷ジョブであり、前記所定の条件を満たす場合は、前記検出された白紙ページの画像データを除去しないまま前記両面印刷ジョブを実行し、両面印刷後の複数枚の記録シートを製本したとすれば、製本後におけるシートの表面に白紙ページが配置されることになる場合であり、前記所定の条件を満たさない場合は、前記製本後における各シートの裏面に白紙ページが配置されることになる場合であり、前記制御手段は、白紙ページP1の画像データを除去する場合、当該白紙ページP1の次のページP2が白紙ページではないページであればそのページP2を繰り上げて、白紙ページP1が形成される予定であった前記製本後におけるシートの表面に印刷することを特徴とする。
【0008】
ここで、前記製本後におけるシートの表面とは、製本後における1枚のシートの第1面とこれの裏側に当たる第2面のうち、最初に読むべきページが配置されている面をいい、製本後におけるシートの裏面とは、最初に読むべきページが配置されている面の裏側に当たる面をいう。
また、前記両面印刷ジョブは、1枚の記録シートごとに、その表面と裏面のそれぞれに1ページ分の画像を両面印刷するジョブであることを特徴とする。
【0009】
さらに、前記両面印刷ジョブは、1枚の記録シートごとに、その表面と裏面のそれぞれに、n(複数)ページ分の画像を並べて両面印刷するページ集約機能のジョブであり、前記両面印刷は、1枚の記録シートごとに、記録シートを前記nページ分の画像がそれぞれ印刷されるn個のシート部分に分けて、それぞれのシート部分を前記ページ集約機能によって決まる順番に従って1枚ずつ重ねてブック形態とすることにより製本したとすれば、その製本後にページ順が揃うように、複数枚の記録シートの表面と裏面のそれぞれに対して、nページ分の画像データを割り付けることにより行われ、前記製本後におけるシートの表面とは、前記製本後における各シート部分の表面のことであることを特徴とする。
【0010】
また、前記制御手段は、前記ページP2が白紙ページの場合、当該白紙ページP2の画像データを除去して、白紙ページP2の次のページP3が白紙ページではないページであればそのページP3を繰り上げて、白紙ページP1が形成される予定であった前記製本後におけるシートの表面に印刷することを特徴とする。
さらに、前記画像処理ジョブは、搬送される複数枚の原稿のそれぞれについて、その原稿画像をページ単位で読み取って、ページ順に画像データを得るジョブであり、前記所定の条件を満たす場合は、得られた画像データの各ページのうち、検出された白紙ページがn(複数)ページ以上連続する場合であり、前記所定の条件を満たさない場合は、得られた画像データの各ページのうち、検出された白紙ページが前記nページ以上連続しない場合であることを特徴とする。
【0011】
ここで、前記画像処理ジョブは、搬送される複数枚の原稿のそれぞれを、その原稿の片面をページ単位で読み取る片面原稿の読取ジョブであり、前記nの値が2であることを特徴とする。
また、前記画像処理ジョブは、搬送される複数枚の原稿のそれぞれを、その表面と裏面とをページ単位で読み取る両面原稿の読取ジョブであり、前記nの値が4であることを特徴とする。
【0012】
また、実行すべき画像処理ジョブの種類を判別する判別手段を備え、前記所定の条件を満たす場合は、判別された画像処理ジョブの種類が、前記ユーザが白紙除去を意図していることを示す画像処理ジョブの種類として予め決められた第1の種類に属する場合であり、前記所定の条件を満たさない場合は、判別された画像処理ジョブの種類が、前記ユーザの白紙除去の意図に反することを示す画像処理ジョブの種類として予め決められた、前記第1の種類とは異なる第2の種類に属する場合であることを特徴とする。
【0013】
ここで、搬送される記録シートに画像を印刷するジョブを第1のジョブ、原稿画像を読み取って画像データを得るジョブを第2のジョブ、自装置に接続されるネットワークを介して外部の端末装置に画像データを送信するジョブを第3のジョブ、画像データを自装置に設けられている記憶装置に格納するジョブを第4のジョブとすると、第1のジョブを実行可能、かつ、第2、第3、第4のうち少なくとも1つの種類のジョブを実行可能であり、前記第1のジョブが前記第1の種類に属する画像処理ジョブであり、前記第2のジョブ、第3のジョブ、第4のジョブのうち、実行可能な種類のジョブが、前記第2の種類に属する画像処理ジョブであることを特徴とする。
【0014】
また、自装置に接続されている公衆電話回線網を介して外部のファクシミリ装置に画像データをファクシミリ送信する第1のジョブと、自装置に接続されている公衆電話回線網とは別のネットワークを介して外部の端末装置に画像データをファクシミリ通信方式とは別の通信方式で送信する第2のジョブを実行可能であり、前記第1のジョブが前記第1の種類に属する画像処理ジョブであり、前記第2のジョブが前記第2の種類に属する画像処理ジョブであることを特徴とする。
【0015】
さらに、前記ユーザへの画像データの宛先として予め登録されている宛先と一致する宛先に画像データを出力する第1のジョブと、前記予め登録されている宛先とは一致しない宛先に画像データを出力する第2のジョブを実行可能であり、前記第1のジョブが前記第1の種類に属する画像処理ジョブであり、前記第2のジョブが前記第2の種類に属する画像処理ジョブであることを特徴とする。
【0016】
また、実行することにより課金されるジョブと課金されないジョブを実行可能であり、前記課金されるジョブが前記第1の種類に属する画像処理ジョブであり、前記課金されないジョブが前記第2の種類に属する画像処理ジョブであることを特徴とする。
さらに、全ての白紙ページを除去する旨の指示を受け付ける受付手段を備え、前記制御手段は、前記指示が受け付けられると、前記所定の条件を満たすか否かの判断を禁止して、強制的に全ての白紙ページの画像データを除去することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
このようにすれば、実行すべき画像処理ジョブが、白紙除去のための所定の条件を満たすジョブである場合と満たさないジョブである場合とで、白紙ページが除去されるか除去されないかが切り替えられるので、ユーザの意図をより反映した白紙ページの除去を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施の形態1に係る複合機の構成を示すブロック図である。
【図2】白紙除去部が実行する処理の内容を示すフローチャートである。
【図3】白紙除去処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図4】複数枚の片面原稿の中に2枚の白紙原稿が介在している様子と、この複数枚の片面原稿を用紙に両面コピーした場合の出力形態の例を示す模式図である。
【図5】複数枚の片面原稿の中に1枚の白紙原稿が介在している様子と、この複数枚の片面原稿を用紙に両面コピーした場合の出力形態の例を示す模式図である。
【図6】両面原稿両面コピーを行う場合の白紙除去の様子を説明するための模式図である。
【図7】3枚の片面原稿からなる原稿束の各原稿の画像(入力画像1)と、3枚の両面原稿からなる原稿束の各原稿の画像(入力画像2)を、両面コピージョブにおいて1つにまとめてバッチ出力する場合の入力画像と出力形態の例を示す模式図である。
【図8】4枚の片面原稿からなる原稿束の各原稿の画像(入力画像1)と、3枚の両面原稿からなる原稿束の各原稿の画像(入力画像2)を、両面コピージョブにおいて1つにまとめてバッチ出力する場合の入力画像と出力形態の例を示す模式図である。
【図9】実施の形態2に係る白紙除去処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図10】連続する白紙ページWa、Wbを含む片面原稿からなる原稿束の各画像を両面コピーする場合の出力形態の例を示す図である。
【図11】連続する白紙ページWa、Wb、Wc、Wdを含む両面原稿からなる原稿束の各画像を両面コピーする場合の出力形態の例を示す図である。
【図12】実施の形態3に係る白紙除去処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図13】実施の形態4に係る白紙除去処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図14】実施の形態5に係る白紙除去処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図15】実施の形態6に係る白紙除去処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図16】変形例に係る白紙除去部による処理の内容を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る画像形成装置の実施の形態を、複合機を例にして、図面を参照しながら説明する。
<実施の形態1>
(1)複合機の構成
図1は、本実施の形態1に係る複合機1の構成を示すブロック図である。
【0020】
同図に示すように複合機1は、主な構成要素として、スキャナ部2と、プリンタ部3と、操作パネル4と、制御部5を備え、コピー、スキャン、ファクシミリ通信、ネットワーク通信、画像データの格納などの各種の画像処理ジョブを実行する機能に加えて、白紙ページを除去する白紙除去機能を有する多機能複合機(MFP:Multiple Function Peripheral)である。
【0021】
スキャナ部2は、原稿載置台上にセットされた原稿の画像を読み取る原稿読取装置であり、複数枚の原稿からなる原稿束の各原稿を1枚ずつ給紙、搬送して、その原稿の表(おもて)面の画像と裏(うら)面の画像をそれぞれページごとに読み取って、ページごとの表面と裏面の画像データを得ることができる(スキャンジョブ)。
プリンタ部3は、スキャナ部2で読み取って得られた画像データに基づいて記録シートとしての用紙に印刷するプリント装置である(コピージョブ)。例えば、次のような構成がとられる。すなわち、感光体ドラム、プリントヘッド、現像器、定着器等を備え、制御部5のCPU13からの指示によりプリントヘッドから画像データに基づくレーザ光を発し、帯電された感光体ドラム上を露光して静電潜像を作像する。作像された静電潜像を現像器のトナーで現像してトナー像を形成し、形成されたトナー像を、搬送される用紙(その片面)に転写位置で転写して、用紙に転写されたトナー像を、ヒータを有する定着器で加熱、加圧して用紙に定着させる(片面コピー)。
【0022】
また、プリンタ部3は、用紙の両面(表面と裏面のそれぞれ)に印刷する機能も有する。両面印刷を行う場合には、例えば、片面(表面)に印刷された後の用紙を、スイッチバック機構などにより、用紙の表裏を反転させた状態で、再度、転写位置に搬送させると共に、裏面に印刷すべきトナー像を感光体ドラム上に形成し、形成されたトナー像を転写位置において、表裏が反転された用紙の裏面に転写される構成がとられる(両面コピー)。
【0023】
操作部の一例としての操作パネル4は、ユーザからの複写(コピー)枚数等の入力を受け付けるテンキー、コピー開始の指示を受け付けるスタートキー、白紙除去機能を有効にする設定を受け付ける白紙除去設定キー、印刷形態を小冊子の形態とする小冊子機能の設定を受け付けるキー、ユーザが各種ジョブの選択などを行うための各種画面を表示させると共にユーザからのジョブの実行指示などをタッチ入力で受け付けるタッチパネル付きの液晶表示部などを備えている。
【0024】
ここで、小冊子機能とは、用紙1枚の表面と裏面にそれぞれ原稿のn(複数)ページ、例えば2ページ分ずつ(図4(e)参照)を、いわゆるn−in1と呼ばれるページ集約により両面印刷する機能である。小冊子機能では、用紙ごとに、1枚の用紙をnページ分の画像が印刷されるn個の用紙部分に分けて、そのn個の用紙部分のそれぞれをページ集約によって決まる順番に従って1枚ずつ重ねることにより製本したとすれば、その製本における各用紙部分に印刷された原稿画像のページ順が揃うように、用紙の表面と裏面のそれぞれに対して、nページ分の画像データを割り付ける処理を行い、用紙の表面と裏面のそれぞれに対して割り付けられたnページ分の画像データに基づいて両面印刷を行う。
【0025】
各種ジョブとしては、原稿の片面(表面)を読み取る片面原稿スキャン、原稿の両面(表面と裏面)を読み取る両面原稿スキャン、原稿の片面を読み取って得られた画像データに基づき用紙の片面に印刷する片面原稿片面コピー、原稿の両面を読み取って得られた画像データに基づき用紙の片面に印刷する両面原稿片面コピー、原稿の片面を読み取って得られた画像データに基づき用紙の両面に印刷する片面原稿両面コピー、原稿の両面を読み取って得られた画像データに基づき用紙の両面に印刷する両面原稿両面コピー、ファクシミリ通信(送受信)、LAN21を介して外部端末31との間で画像データを電子メールなどで送受信するネットワーク通信、制御部5のハードディスク16に画像データを格納する画像データ格納などのジョブなどがある。
【0026】
テンキーなどの各キーが押下されたことや液晶表示部においてジョブ選択などによりタッチ入力された情報は、制御部5のCPU13に送信される。
(2)制御部の構成
制御部5は、主な構成要素として、通信インターフェース(I/F)部11と、FAX送受信部12と、CPU13と、ROM14と、RAM15と、ハードディスク16と、白紙除去部17などを備えている。
【0027】
通信インターフェース(I/F)部11は、ネットワーク、ここではLAN21と接続するためのLANカードなどであり、LAN21を介して外部端末、ここではパーソナルコンピュータ(PC)31などと通信を行うためのインターフェースである。本実施の形態では、外部端末31との間で電子メールなどによるネットワーク通信が可能である。
FAX送受信部12は、公衆電話回線網(PSTN)22を介して外部のファクシミリ装置32と接続してファクシミリ送受信を行うためのものである。
【0028】
FAX送受信部12は、ファクシミリ送信を行う際には、スキャンジョブなどで得られた画像データをファクシミリ送信のための所定形式の画像データに変換する。ファクシミリ受信では、受信した画像データを印刷のための所定形式の画像データに変換する。変換された画像データは、プリンタ部3に送られ、プリンタ部3で印刷に供される。
ROM14は、スキャナ部2における原稿読取動作およびプリンタ部3における印刷動作に関するプログラム、電子メールやファクシミリ通信などの各通信処理に関するプログラム、白紙除去機能に関するプログラムなどを格納している。
【0029】
CPU13は、ROM14から必要なプログラムを読み出して、原稿の読み取り動作や用紙への印刷動作等をタイミングを取りながら統一的に制御して、円滑なスキャンジョブ、コピージョブを実行させる。また、ファクシミリ装置32に画像データをファクシミリ送信するファクシミリ送信ジョブ、ネットワーク通信の一例として画像データを添付ファイルとした電子メールを外部端末31に送信する電子メール送信ジョブ、画像データをハードディスク16に格納する格納ジョブなどを実行する。さらに、CPU13は、操作パネル4上でユーザのキー押下などにより入力された情報を受信して、受信した情報に基づき、ユーザにより指示されたジョブの実行などを制御する。
【0030】
RAM15は、CPU13におけるプログラム実行時のワークエリアとなる。
ハードディスク16は、スキャンジョブで得られた画像データ、ファクシミリ受信による画像データなどをCPU13の指示により格納し、またCPU13の指示により画像データを読み出す。読み出された画像データは、電子メール送信やファクシミリ送信により送信される。なお、LAN21を介して画像データを送信する機能としては、電子メールに限られず、ネットワークを利用した他の送信方式によるものであっても良い。このことは、後述する他の実施の形態でも同じことである。
【0031】
白紙除去部17は、ページごとの画像データを含む画像処理ジョブにおける白紙ページのうち、所定の条件を満たす白紙ページだけを除去する白紙除去機能を実行する。
(3)白紙除去部が実行する処理の内容
図2は、白紙除去部が実行する処理の内容を示すフローチャートである。
同図に示すように、スキャナ部2において、複数枚の原稿からなる原稿束から1枚ずつ原稿を読み取って得られたページごとの画像データを入力する(ステップS1)。
【0032】
原稿の片面を読み取る片面原稿両面コピーであれば、原稿の1枚目、2枚目・・n枚目の読取順に、1ページ、2ページ・・nページの画像データとされる。この画像データのページ番号は、後述するように白紙除去のための制御用のページ番号を示しており、白紙ページも含まれるが、白紙ページが除去されると、除去された白紙ページの次ページ以降の各ページについてそのページ番号が1つずつ繰り上がるように付与される。
【0033】
両面を読み取る両面原稿両面コピーであれば、原稿の1枚目、2枚目・・n枚目の読取順に、1ページ(1枚目の原稿の表面)、2ページ(1枚目の原稿の裏面)、3ページ(2枚目の原稿の表面)、4ページ(2枚目の原稿の裏面)、・・(2×n−1)ページ(n枚目の原稿の表面)、2×nページ(n枚目の原稿の裏面)の画像データとされる。
そして、白紙除去機能が有効に設定されているか否かを判断する(ステップS2)。この判断は、ユーザが操作パネル4の白紙除去設定キーにより白紙除去機能を有効にする設定を行っているか否かを判断することにより行われる。
【0034】
白紙除去機能を有効にする設定が行われていることを判断すると(ステップS2で「YES」)、入力された画像データの各ページのうち、白紙ページの検出を行う(ステップS3)。この白紙ページの検出は、例えばページごとに、そのページを構成する画像データの全画素の濃度値(値が小さいほど低濃度)を1画素ごとに参照して、濃度値が閾値以上の画素(印刷により現されるべき画像を構成する画素)の数が所定値よりも少ない場合に、白紙ページと判断する方法をとることができる。上記の特許文献1などに詳しく、また他の検出方法をとるとしても構わない。
【0035】
上記の所定値としては、白紙原稿に付着したゴミなどが読み取られ、これが画像を構成する画素としてカウントされたとしても、本来の白紙ページであると判断されるような値が予め実験などにより決められる。検出された白紙ページを、1ページ内に現されるべき画像が存在しないページと捉えることができる。
白紙ページの検出結果から、白紙ページが1ページ以上存在することを判断すると(ステップS4で「YES」)、白紙除去処理を行い(ステップS5)、ステップS6に移る。一方、白紙ページが存在しないことを判断すると(ステップS4で「NO」)、ステップS5の白紙除去処理をスキップして(行わずに)、ステップS6に移る。また、白紙除去機能を有効にする設定が行われていないことを判断すると(ステップS2で「NO」)、ステップS3の白紙除去処理をスキップして、ステップS6に移る。
【0036】
ステップS6では、ステップS5の白紙除去処理を行った後の入力画像データを、またはステップS5の白紙除去処理を行っていない入力画像データをプリンタ部3に出力して、当該処理を終了する。
プリンタ部3では、白紙除去部17からの画像データに基づき用紙への印刷を行う。すなわち、画像データの1ページ、2ページ、・・nページ(制御用ページ)のページ順と、印刷後の各用紙の片面または両面に印刷される1〜nまでのページ順が同じになるように、各用紙の片面または両面にそれぞれ印刷が実行される。なお、両面の場合は、用紙ごとにその表面、裏面の順に印刷が行われる。
(4)白紙除去処理のサブルーチンの内容
図3は、白紙除去処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
【0037】
同図に示すように、実行すべきジョブが両面コピージョブであるか否かを判断する(ステップS10)。両面コピージョブでないことを判断すると(ステップS10で「NO」)、そのままメインルーチンにリターンする。
両面コピージョブであることを判断すると(ステップS10で「YES」)、入力された画像データの各ページに対して制御用のページ番号を付与する(ステップS11)。この制御用のページ番号は、白紙ページであるか否かに関わらず、画像データの各ページにページ順に付与される論理ページを示す番号である。
【0038】
具体的に、片面原稿両面コピーの例を示す図4と図5を用いて説明する。
図4(a)は、1〜8ページの片面原稿の2ページ目と3ページ目の間、6ページ目と7ページ目の間にそれぞれ白紙原稿が1枚介在して、合計で10枚の原稿からなる原稿束の様子を示す模式図である。
この原稿束がスキャナ部2で読み取られた場合、白紙原稿も1ページとみなされるために、読み取って得られた画像データについては、制御用のページ番号として、1ページ目、2ページ目の各原稿に対してP.1、P.2が付与され、白紙原稿(白紙ページ)Waに対してP.3が付与され、3ページ目〜6ページ目の各原稿に対してP.4〜P.7が付与され、白紙原稿(白紙ページ)Wbに対してP.8が付与され、7ページ目、8ページ目の各原稿に対してP.9、P.10が付与される。
【0039】
また、図5(a)は、1〜7ページの片面原稿の3ページ目と4ページ目の間に白紙原稿Wが1枚介在して、合計で8枚の原稿からなる原稿束の様子を示す模式図である。
図5(a)の例に示す原稿束の場合、制御用のページ番号として、白紙原稿の画像データに対してP.4が付与され、4ページ目〜7ページ目の各原稿の画像データに対してP.5〜P.8が付与されることになる。
【0040】
図3に戻り、ステップS12では、上記のステップS3で検出された1以上の白紙ページのうち、最小のページ番号の白紙ページを特定する。図4(a)の例では、P.3の白紙ページが特定され、図5(a)の例では、P.4の白紙ページが特定される。
そして、特定したページ番号の白紙ページがこのまま除去されることなく両面コピーが行われたと仮定した場合に、当該白紙ページが両面コピーによる出力物(印刷物)の表面(ここでは奇数ページ)に配置されることになるか否かを判断する(ステップS13)。
【0041】
本実施の形態では、コピー出力された複数枚の用紙を製本した場合に、その製本後における各用紙の表面(第1面)のページが奇数ページに、裏面(第2面)のページが偶数ページに対応付けされており、製本後における用紙毎に、その用紙の奇数ページと偶数ページのうち、ページ順にみたときに最初に読むべきページが奇数ページになり、次に読むべきページが偶数ページになる関係を有している。
【0042】
図4(a)の例では、10枚の片面原稿からなる原稿束の各原稿を同図に示す順でそのまま両面コピー(小冊子機能が未設定)を行えば、1枚の用紙の表面と裏面にこの順でそれぞれ原稿1ページ分が印刷されるので、P.3の白紙ページWaが2枚目の用紙の表面に配置され、奇数ページになり、図5(a)の例では、P.4の白紙ページWが2枚目の用紙の裏面に配置され、偶数ページになると判断される。
【0043】
一方、小冊子機能、例えば2−in1が設定されていれば(図4(e)、図5(c)参照)、1枚の用紙の表面に原稿画像の2ページ分が印刷され、裏面に原稿画像の2ページ分がそれぞれ印刷される。
ここで、図4(e)において、2−in1による小冊子機能では、印刷後の2枚の用紙S1、S2を、その中央のラインで2つ折りにして製本したときに、1枚目の用紙S1に対してその中央のラインを挟んで表面の右側が1ページ目、その左側が8ページ目、用紙S1の裏面であり、1ページ目の裏側が2ページ目、8ページ目の裏側が7ページ目になり、2枚目の用紙S2に対してその中央のラインを挟んで表面の右側が3ページ目、左側が6ページ目、用紙S2の裏面であり、3ページ目の裏側が4ページ目、6ページ目の裏側が5ページ目になるように、各用紙に対する各ページの割り付けが行われる。
【0044】
この1枚の用紙をその中央で2つ折りにして製本するという方法は、1枚の用紙を2−in1による2ページ分の画像がそれぞれ印刷される2個の用紙部分に分けて、それぞれの用紙部分を、2−in1の集約機能によって決まる順番に従って1枚ずつ重ねてブック形態とする方法に相当する。
この製本の方法でページ割り付けを行う場合、白紙ページを除去せずに出力したとすれば、図4(a)の白紙ページWaは、2枚目の用紙S2の表面でその右側の3ページ目に当たる奇数ページに配置され、図5(a)の白紙ページWは、2枚目の用紙S2の裏面かつ3ページ目の裏側の4ページ目に当たる偶数ページに配置されると判断される。
【0045】
本実施の形態では、白紙除去機能を用いることなく白紙原稿を含む原稿束の各原稿をページごとに読み取って得られた画像データに基づき両面コピーを行うと仮定したときに、両面コピーによる印刷物(小冊子機能による両面印刷の形態に応じて製本した場合を含む)における各用紙のうち、白紙ページが製本後における用紙の表面に配置されることになる場合には、この白紙ページの画像データを除去し、製本後における用紙の裏面に配置されることになる場合には、除去しない制御を行うようになっている。
【0046】
複数枚の用紙を束ねた用紙束からなるブックや資料などでは、通常、製本された状態で、用紙の表面から新たな章や段落が始まり、表面に白紙ページが来ることは想定し難く、表面に白紙ページが配置されることになるようなページ順になっていることは、ユーザによる白紙原稿の誤挿入(ユーザの意図に反すること)であるとみなして、この白紙原稿による白紙ページの画像データを除去するものである。
【0047】
このように新たな章や段落が製本後における用紙の表面から始まるということは、この新たな章や段落の始まりを示す用紙よりも1枚前の用紙の裏面は、新たな章や段落の1つ前の章や段落の最後のページになり、この最後のページが白紙ページになることは十分想定され、白紙原稿の挿入によりその裏面に白紙ページが配置されることになる場合には、これがユーザの意図であるとして白紙ページの画像データを除去しないことにしている。
【0048】
特定された白紙ページが表面(奇数ページ)に配置されることを判断すると(ステップS13で「YES」)、全ページの画像データのうち、その白紙ページに対する画像データを削除する(ステップS14)。図4(a)の例では、制御用ページ番号P.3の白紙ページWaの画像データが削除されるが、図5(a)の例では、制御用ページ番号P.4の白紙ページWの画像データは削除されない。
【0049】
そして、全ページのうち、削除した白紙ページの次ページ以降の各原稿における画像データに対する制御用ページ番号を1つずつ繰り上げて更新して(ステップS15)、ステップS16に移る。図4(a)の例で白紙ページWaの画像データが削除されると、3ページ目の原稿以降の制御用ページ番号P.4〜P.10が、図4(b)に示すようにP.3〜P.9に書き換えられ、制御用ページ番号が更新される。
【0050】
一方、特定した白紙ページが表面(奇数ページ)に配置されない、すなわち裏面(偶数ページ)に配置されることを判断すると(ステップS13で「NO」)、ステップS14とS15をスキップして(実行せずに)、ステップS16に移る。この場合、白紙ページの画像データの削除および制御用ページ番号の更新が行われない。
ステップS16では、上記のステップS3で検出された1以上の白紙ページのうち、現時点で白紙除去判断の対象になっていない白紙ページが残存しているか否かを判断する。
【0051】
図4(a)の例では、制御用ページ番号P.8の白紙ページWbが現時点で白紙除去判断の対象になっていないために、白紙除去判断の対象になっていない白紙ページが残存していると判断される。また、図5(a)の例では、制御用ページ番号P.4の白紙ページWが既に白紙除去判断の対象とされており、別の白紙ページが存在しないので、白紙除去判断の対象になっていない白紙ページが残存していないと判断される。
【0052】
白紙ページが残存していることを判断すると(ステップS16で「YES」)、現時点で残存している1以上の白紙ページのうち、最小のページ番号の白紙ページを特定する(ステップS17)。この特定方法は、上記のステップS12と同じである。図4(b)の例では、制御用ページ番号P.7の白紙ページが特定される。
そして、特定した白紙ページが両面コピーによる出力物の表面(奇数ページ)に配置されることになるか否かを判断する(ステップS18)。この判断方法は、上記のステップS13と同じである。
【0053】
特定した白紙ページが表面(奇数ページ)に配置されることを判断すると(ステップS18で「YES」)、ステップS14に戻って、S14、S15の処理を実行する。これにより、全ページの画像データのうち、当該特定した白紙ページの画像データが削除されると共に、当該白紙ページの次ページ以降の各原稿に対する制御用のページ番号が1つずつ繰り上げられて更新される。図4(b)の例では、制御用ページ番号P.7の白紙ページWbの画像データが削除され、図4(c)に示すように各原稿の画像データに対する制御用ページ番号が更新される。
【0054】
ステップS14、S15の処理の後、ステップS16において、現時点で白紙除去判断の対象になっていない白紙ページが残存しているか否かを判断する。図4(c)の例では、残存していないと判断される。
白紙ページが残存していることを判断すると(ステップS16で「YES」)、ステップS17に進み、上記と同様にS17以降の処理を行う。
【0055】
ステップS18において、特定した白紙ページが表面(奇数ページ)に配置されない、すなわち裏面(偶数ページ)に配置されることを判断すると(ステップS18で「NO」)、ステップS19に移る。
ステップS19では、現時点で白紙除去判断の対象になっていない白紙ページが残存しているか否かを判断する。この判断方法は、上記のステップS16と同じである。
【0056】
白紙ページが残存していることを判断すると(ステップS19で「YES」)、ステップS17に戻る。ステップS17において、残存している白紙ページのうち、最小のページ番号の白紙ページが特定され、ステップS18において、特定された白紙ページが表面(奇数ページ)に配置されることが判断されると、ステップS14に戻って当該白紙ページの画像データが削除され、裏面(偶数ページ)に配置されることが判断されると、当該白紙ページの画像データが削除されることなく、ステップS19に移る。
【0057】
ステップS16で「NO」、S19で「NO」のいずれかが判断されるまで、ステップS14〜S19の処理が繰り返し実行される。ステップS3で検出された1以上の白紙ページのそれぞれに対して、制御用ページ番号の小さいものから大きいものの順に、削除すること、または削除しないことが判断され、削除が判断された白紙ページの画像データを削除すると共に、白紙ページの削除により制御用ページ番号が繰り上げて更新される。
【0058】
このように白紙ページを除去せずに両面コピーを行い、両面コピーの出力物をその印刷形態(小冊子を含む)に応じて製本したとすれば、製本後における用紙の表面に白紙ページが配置することになる場合には、ユーザが白紙除去を意図していることを示す所定の条件を満たすとして、その白紙ページを除去し、製本後における用紙の裏面に白紙ページが配置されることになる場合には、上記の所定の条件を満たさない、すなわちユーザが白紙除去を意図しないことを示すとして、その白紙ページを除去しないとしている。
【0059】
このことは、コピー物をブック形態にしたときに見開きの方向がいわゆる右開き(縦書き系)と左開き(横書き系)のいずれの形態でも同じである。
ステップS16で「NO」、S19で「NO」が判断されると、メインルーチンにリターンする。メインルーチンのステップS6では、白紙除去処理後の各原稿の画像データがプリンタ部3に送られ、プリンタ部3が、受信した画像データに基づく両面コピージョブを実行する。図4の例では、片面原稿1〜8ページには白紙ページが挿入されない状態の各原稿の画像データがプリンタ部3に出力される。
【0060】
この場合、図4(d)に示すように両面コピー(小冊子機能が未設定)により出力された1〜4枚目の用紙S1〜S4のうち、1枚目の用紙S1の表面には1ページ目の原稿の画像が印刷され、裏面には2ページ目の原稿の画像が印刷される。2枚目の用紙S2の表面には3ページ目の原稿の画像が印刷され、裏面には4ページ目の原稿の画像が印刷され、3枚目の用紙の表面S3には5ページ目の原稿の画像が印刷され、裏面には6ページ目の原稿の画像が印刷され、4枚目の用紙S4の表面には7ページ目の原稿の画像が印刷され、裏面には8ページ目の原稿の画像が印刷される。
【0061】
両面コピージョブの画像データのうち、白紙ページWaとWbの画像データが除去されたので、両面コピーの出力物には、白紙ページが存在していない。
図4(e)は、小冊子機能が設定されている場合の例であり、出力された各用紙を束ねて各用紙の中央のラインで山折りにして折り畳んで製本(ブック)の形態にすると、1枚目の用紙S1の表面であり右側のページが奇数ページの第1ページになり、その左側のページが偶数ページの第8ページ(最終ページ)になるようになっている。この製本モードでも白紙ページが除去されたことにより存在していないことが判る。
【0062】
一方、図5の例では、原稿1〜7ページのうち、3ページ目と4ページ目の間に白紙ページが挿入された状態の各原稿の画像データがプリンタ部3に出力される。
この場合、図5(b)に示すように両面コピー(小冊子機能が未設定)により出力された1〜4枚目の用紙のうち、2枚目の用紙の裏面が白紙ページになる。例えば、3ページ目の原稿がある章の終わりのページに相当し、4ページ目の原稿が次章の最初のページに相当するとすれば、ある章の終わりの偶数ページには白紙ページが挿入され、次章の始まりの奇数ページには白紙ページが来ることがなく、ブックなどで章や段落の区別を適切に行うことが可能になり、ユーザにとってより見易くなると共に製本の見栄えが良くなる。
【0063】
また、図5(c)に示す小冊子機能では、2枚目の用紙S2の裏面であり、表面の第3ページの裏側に当たるページには、白紙ページWが挿入されていることが判る。2枚の用紙S1とS2を束ねてその中央のラインで山折りをして製本すると、第3ページが表面で奇数ページ、その裏の白紙ページWが偶数ページになり、第4ページが表面で奇数ページに配置されることになり、製本形態において図5(b)と同様の形態になる。
(5)両面原稿両面コピーを行う場合
図6は、両面原稿両面コピーを行う場合の白紙除去の様子を説明するための模式図であり、図6(a)は、7枚の両面原稿からなる原稿束のうち、3枚目の裏面が白紙ページWaであり、4枚目の表面と裏面が白紙ページWb、Wcであり、6枚目の表面と裏面が白紙ページWd、Weである状態を示している。
【0064】
この両面原稿の例の場合、図3におけるステップS11では、制御用ページ番号として、白紙ページWaにP.6が付与され、白紙ページWbにP.7が付与され、白紙ページWcにP.8が付与され、白紙ページWdにP.11が付与され、白紙ページWdにP.12が付与される。
ステップS12では、最小のページ番号の白紙ページとしてP.6の白紙ページWaが特定される。
【0065】
ステップS13では、特定された白紙ページWaが表面(奇数ページ)に配置されていないと判断され(ステップS13で「NO」)、ステップS16に移行する。この場合、白紙ページWaは、除去されない。
ステップ16では、除去対象の対象になっていない白紙ページが残存するか否かが判断される。ここでは、白紙ページWb〜Weが残存しているので、残存していると判断され(ステップS16で「YES」)、ステップS17では、残存する白紙ページのうち、最小の白紙ページとしてP.7の白紙ページWbが特定される。
【0066】
ステップS18では、特定された白紙ページWbが表面(奇数ページ)に配置されることになると判断され(ステップS18で「YES」)、ステップS14に移行して、ステップS14において白紙ページWbが除去され、ステップS15においてP.7以降のページ番号を1つずつ繰り上げるページ番号の更新を行い、ステップS16に移る。
この更新により、白紙ページWcの制御用ページ番号がP.8からP.7に繰り上がり、6ページ目の原稿の制御用ページ番号がP.9からP.8に繰り上がり、7ページ目の原稿の制御用ページ番号がP.10からP.9に繰り上がり、白紙ページWdの制御用ページ番号がP.11からP.10に繰り上がり、白紙ページWeの制御用ページ番号がP.12からP.11に繰り上がることになる。
【0067】
ステップ16では、現時点で除去対象の対象になっていない白紙ページが残存するか否かが判断される。ここでは、白紙ページWc〜Weが残存しているので、残存していると判断され(ステップS16で「YES」)、ステップS17では、残存する白紙ページのうち、最小の白紙ページとしてP.7の白紙ページWcが特定される。
このP.7の白紙ページWcは、このまま両面印刷するとすれば、既に除去された白紙ページWbが元々印刷される予定であった4枚目の用紙の表面に配置されることになる。
【0068】
従って、ステップS18では、特定された白紙ページWcが表面(奇数ページ)に配置されると判断し(ステップS18で「YES」)、ステップS14に移って、ステップS14において白紙ページWcを除去し、ステップS15においてP.7以降のページ番号を1つずつ繰り上げるページ番号の更新を行って、ステップS16に移る。
この更新により、6ページ目の原稿の制御用ページ番号がP.7に繰り上がり、7ページ目の原稿の制御用ページ番号がP.8に繰り上がり、白紙ページWdの制御用ページ番号がP.10からP.9に繰り上がり、白紙ページWeの制御用ページ番号がP.11からP.10に繰り上がる。
【0069】
ステップ16以降において、上記と同様に白紙ページWd、Weが順次、除去されていき、結果的に図6(b)に示すように、両面原稿の画像データは、3枚目の原稿の裏面に配置される白紙ページWaだけが残った状態になり、この状態の画像データがプリンタ部3に出力されることになる。
図6(c)は、両面コピー(小冊子機能が未設定)による出力形態の例を示しており、1〜5枚目の用紙のうち、3枚目の用紙の裏面に白紙ページWaが配置されていることが判る。また、図6(d)は、小冊子機能を設定した場合の出力形態の例を示しており、3枚目の用紙S3の裏面であり、第5ページの裏側に当たるページ(偶数ページ)に白紙ページWaが挿入されていることが判る。なお、1枚目の用紙S1の表面であり、1ページ目の原稿画像の隣に配置されるページWgと、その裏面であり2ページ目の原稿画像の隣に配置されるページWfは、両方が白紙ページである。
【0070】
このように両面原稿両面コピーでも、見開き方向に関わらず、白紙ページが表面(奇数ページ)に配置せず、裏面(偶数ページ)に配置することにより、ユーザの意図を反映しつつ、出来上がった製本の見栄えを向上することができる。
図7と図8は、複数枚の片面原稿からなる原稿束の各原稿の画像(入力画像1)と、複数枚の両面原稿からなる原稿束の各原稿の画像(入力画像2)を、両面コピージョブにおいて1つにまとめてバッチ出力する場合の入力画像と出力形態の例を示す模式図である。
【0071】
バッチ出力は、例えば入力画像1を、各原稿が自動原稿搬送装置(ADF)で読み取って得られた画像、入力画像2を、ユーザが各原稿を手動でスキャナ部2の読み取り位置にセットしたものをスキャナ部2で読み取って得られた画像として、これらをまとめて1つの両面コピージョブで出力する場合や、外部端末31で文書作成用アプリケーションソフトによりページ単位で作成された文書データ(入力画像1)と、別のイラスト作成用アプリケーションソフトによりページ単位で作成されたイラストデータ(入力画像2)とを複合機1が格納している場合に、これら入力画像1と2を読み出して、1つの両面コピージョブで出力する場合などに利用される。
【0072】
図7(a)では、入力画像2において1枚目の原稿の裏面に白紙ページWaが挿入され、3枚目の原稿の裏面に白紙ページWbが挿入されている。
入力画像1と2をこの順に両面コピーでバッチ出力するということは、両面出力後では入力画像1の3枚目の片面原稿(3ページ目)の次に、入力画像2の1枚目の両面原稿の表面(4ページ目)が続くという形態を意味する。
【0073】
白紙ページWaが除去されないと仮定した場合、両面コピーの出力物では白紙ページWaが3枚目の表面(奇数ページ)に配置されることになるので、図7(b)に示すように白紙ページWaが除去される(上記のステップS13で「YES」、S14)。白紙ページWbについては、白紙ページWaが除去されると、両面コピーの出力物では4枚目の裏面(偶数ページ)に配置されることになるので除去されない(上記ステップS13で「NO」、S16)。
【0074】
図8(a)では、入力画像2については、図7と同じ枚数であり同じ位置に白紙ページWa、Wbが配置されているが、入力画像1の片面原稿の枚数が図7よりも1枚多くなっている。この片面原稿の枚数が1枚多いことにより、図8(b)に示すように両面コピーの出力物では、白紙ページWa、Wbともに用紙の裏面(偶数ページ)に配置されることになるので、白紙ページWa、Wbの両方が削除されない。
【0075】
このようにバッチ出力を行う場合でも、複数の入力画像を1つにまとめる際に、ページ順に従って白紙ページが両面コピーの出力物において表面(奇数ページ)に配置されることになる場合には削除され、裏面(偶数ページ)に配置されることになる場合には、削除されず、ユーザの意図を反映して出力物の見栄えを向上することができる。
なお、上記では小冊子機能としてのn−in1をn=2の例を説明したが、これに限られない。例えば、4−in1の集約であれば、1枚の用紙の表面と裏面のそれぞれに、縦方向と横方向に2等分ずつして区切った4等分の領域に原稿4ページ分が印刷される。
【0076】
4−in1により印刷されたN(複数)枚の用紙を1冊にまとめた状態で半分の大きさになるように折り、再度、半分の大きさになるように折り畳んだ状態で、1ページから8×Nページの順にページが揃うように、用紙に印刷を行う前に、用紙1枚ごとに用紙に対する原稿8ページ分の画像データの割り付け(面付け)が行われる。
この面付けの段階において、ページ番号が最小の白紙ページから順に、製本したとすればその製本後における用紙の表面(奇数ページ)に白紙ページが配置することになる場合にその白紙ページの画像データが削除され(ステップS14)、除去後にページ番号が更新されていく(ステップS15〜S19)。
【0077】
上記では小冊子における製本の方法を、用紙ごとに、1枚の用紙をnページ分の画像が印刷されるn個の用紙部分(領域)に分けたときに、各領域の境界線で折り畳むことにより製本する方法の例を説明したが、製本の方法がこれに限られない。例えば、各領域の境界線で切断してなるn枚の用紙部分を1枚ずつ重ねることにより製本する方法をとることもできる。いずれにしても、1枚の用紙におけるn個の用紙部分を、集約機能によって決まる順番に従って1枚ずつ重ねたブック形態をとったときにそのページ順が揃う方法であれば良い。なお、nの値は、2、4、8などが用いられることが多い。
【0078】
<実施の形態2>
上記実施の形態1では、両面コピーにおいて白紙ページが表面に配置されることになる場合に白紙ページを除去するとしたが、本実施の形態2では、白紙ページの連続ページ数が所定値以上になる場合に白紙ページを除去するとしており、この点が実施の形態1と異なっている。以下、説明の重複を避けるため、実施の形態1と同じ内容についてはその説明を省略し、同じ構成要素については、同符号を付すものとする。
【0079】
図9は、本実施の形態2に係る白紙除去処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートであり、コピージョブにおいて複数枚の原稿を読み取って得られた画像データに含まれる白紙ページの画像データを除去する、または除去しないことを行う処理である。
同図に示すように、読み取られた原稿が片面原稿であるか否かを判断する(ステップS21)。ここでは、片面原稿片面コピーと片面原稿両面コピーのいずれかが選択されていれば片面原稿であると判断され、両面原稿片面コピーと両面原稿両面コピーのいずれかが選択されていれば片面原稿ではない、すなわち両面原稿であると判断される。
【0080】
片面原稿であることを判断すると(ステップS21で「YES」)、読み取って得られた複数枚の片面原稿の画像データに含まれる1以上の白紙ページのうち、2ページ以上連続している白紙ページがあるか否かを判断する(ステップS22)。
図10(a)は、連続する白紙ページWa、Wbを含む片面原稿の例を示す図であり、同図の場合には、2ページ以上連続する白紙ページがあることが判断される。
【0081】
図9に戻って、2ページ以上連続する白紙ページがあることを判断すると(ステップS22で「YES」)、当該2ページ以上連続する白紙ページの画像データを削除して(ステップS23)、メインルーチンにリターンする。図10(b)は、図10(a)に示す白紙ページWa、Wbが除去された後の画像データの様子を示している。
2ページ以上連続する白紙ページがない、すなわち図10(c)に示すように白紙ページWaがあるが、これの前後のページが白紙ページでないことを判断すると(ステップS22で「NO」)、ステップS23をスキップして(白紙ページの画像データの削除を行わずに)、メインルーチンにリターンする。図10(d)は、図10(c)に示す白紙ページWaが除去されていない状態の画像データの様子を示している。
【0082】
片面原稿の場合、ユーザが章の区切りなどで白紙ページを意図的に挿入するのは、通常、1ページ(1枚の白紙原稿)だけであり、2ページ以上が連続することは想定し難く、2ページ以上が連続すること自体がユーザによる誤挿入であるとみなして、白紙ページが2ページ以上連続している場合には、その連続する2ページ以上の白紙ページの画像データを強制的に削除するものである。
【0083】
読み取られた原稿が両面原稿であることを判断すると(ステップS21で「NO」)、読み取って得られた複数枚の両面原稿の画像データに含まれる1以上の白紙ページのうち、4ページ以上連続している白紙ページがあるか否かを判断する(ステップS24)。
図11(a)は、連続する白紙ページWa、Wb、Wc、Wdを含む両面原稿の例を示す図であり、同図の例では4ページ以上連続する白紙ページがあることが判断される。
【0084】
図9に戻って、4ページ以上連続する白紙ページがあることを判断すると(ステップS24で「YES」)、当該4ページ以上連続する白紙ページの画像データを削除して(ステップS25)、メインルーチンにリターンする。図11(b)は、図11(a)に示す白紙ページWa〜Wdが除去された後の画像データの様子を示している。
4ページ以上連続する白紙ページがない、すなわち3ページ以下の白紙ページがあることを判断すると(ステップS24で「NO」)、所定の条件を満たす場合に、その連続ページ数の値から1を差し引いた数の白紙ページを削除して(ステップS26)、メインルーチンにリターンする。
【0085】
この所定の条件とは、連続ページ数が3の場合、図11(c)に示すようにn枚目の原稿の表面と裏面それぞれが白紙ページWa、Wbであり、次の(n+1)枚目の原稿の表面が白紙ページWcの形態の場合である。この場合、n枚目の原稿は白紙の用紙であり、ユーザが意図的に挿入したものとして削除せず、(n+1)枚目の原稿については、表面(奇数ページ)に白紙ページWcが配置されることになるので、この白紙ページWcの画像データを削除するものである。白紙ページWcが除去された場合に、この白紙ページWc以降の各ページが1つずつ繰り上げることは、上記の実施の形態1と同じである。
【0086】
図10(d)のように、n枚目の原稿の裏面が白紙ページWa、次の(n+1)枚目の原稿の表面と裏面それぞれが白紙ページWb、Wcの形態であれば、所定の条件を満たさないとして、白紙ページを除去しない。
連続ページ数が2の場合における所定の条件は、n枚目の原稿の裏面が白紙ページであり、次の(n+1)枚目の原稿の表面が白紙ページの形態の場合である。この場合、連続する2ページの白紙ページのページ番号が偶数、奇数の順になり、(n+1)枚目の原稿の表面(奇数ページ)に白紙ページが配置されることになるので、この白紙ページの画像データだけが削除される。
【0087】
1枚の原稿の表面と裏面のそれぞれが白紙ページの場合には、2ページが連続する白紙ページのページ番号が奇数、偶数の順になり、この場合、1枚の原稿が白紙の用紙であり、ユーザが意図的に章分けなどのために挿入したものとして除去されないように所定の条件から外されている。なお、白紙ページが1ページのみの場合については、図9のフローチャートでは特に示していないが、例えば白紙ページが表面(奇数ページ)に来る場合には削除して、裏面(偶数ページ)に来る場合には削除しないとすることができる。
【0088】
このように片面原稿と両面原稿の原稿の種類別に、白紙ページの連続ページ数の大きさに応じて白紙除去を判断することにより、ユーザの意図をより反映した白紙除去を実行することが可能になる。
<実施の形態3>
上記実施の形態2では、白紙ページの連続ページ数が所定値以上になる場合に白紙ページを除去するとしたが、本実施の形態3では、実行すべきジョブの種類が所定の種類に一致する場合に白紙ページを除去するとしており、この点が実施の形態2と異なっている。
【0089】
図12は、実施の形態3に係る白紙除去処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
同図に示すように、実行すべき画像処理ジョブの種類を確認(判別)する(ステップS31)。画像処理ジョブの種類としては、コピージョブ、スキャンジョブ、電子メール送信ジョブ、画像データ格納ジョブなどがあり、これら種類のジョブを実行可能になっている。ここでは、画像処理ジョブを、用紙に画像を印刷(プリント)する第1種類と、用紙に画像を印刷しない第2種類とに分けており、第1種類の画像処理ジョブの例をコピージョブ、第1種類とは異なる第2種類の画像処理ジョブの例をスキャンジョブ、電子メール送信ジョブ、画像データ格納ジョブとしている。
【0090】
実行すべき画像処理ジョブが第1種類に属するコピージョブの場合には(ステップS32で「YES」)、コピージョブに含まれる各ページの画像データのうち、白紙ページの画像データを削除して(ステップS33)、メインルーチンにリターンする。
画像処理ジョブが第2種類に属するジョブ、ここではスキャンジョブ、電子メール送信ジョブ、画像データ格納ジョブのいずれかである場合には(ステップS32で「NO」)、ステップS33をスキップして(白紙ページの画像データの削除を行わずに)、メインルーチンにリターンする。
【0091】
コピージョブのように用紙に画像をプリントする第1種類に属する画像処理ジョブでは、白紙ページもその白紙の面が1枚の用紙に白紙コピーされることになり、この白紙で出力される用紙を無駄と考えるユーザの意図に合うように、コピージョブの対象である画像データに含まれる白紙ページの画像データを削除するものである。
用紙のプリントを伴わないスキャンジョブなどの第2種類に属する画像処理ジョブについては、用紙が無駄になることがなく、白紙ページがユーザの意図によって挿入された可能性、例えば画像データ上において後で白紙ページに対して編集等の操作を行うとする意図などを考慮して、白紙ページの画像データを削除しないとしている。
【0092】
このように画像処理ジョブの種類、ここでは用紙へのプリントを行うジョブであるか否かによって白紙除去を判断することにより、用紙の無駄が生ぜず、画像データ上で編集を行えるようになるなど、ユーザの意図を反映した白紙除去を行うことができる。
なお、第2種類に属する画像処理ジョブの例をスキャン、電子メール送信、画像データ格納としたが、これらの少なくとも1つを実行することができれば良く、またプリントを伴わないジョブであれば、これらに限られず、他の種類のジョブであっても構わない。
【0093】
<実施の形態4>
上記実施の形態3では、実行すべきジョブの種類が所定の種類に属する場合に白紙ページを除去するとしたが、本実施の形態4では、画像データを送信する際の送信先(宛先)から決まる通信方式が所定のものである場合に白紙ページを除去するとしており、この点が実施の形態3と異なっている。
【0094】
図13は、実施の形態4に係る白紙除去処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。ここでは、ユーザが画像データの送信宛先を、ファクシミリ送信の宛先と、ファクシミリ通信方式とは別の通信方式、例えば電子メールによる宛先とを選択することが可能であり、ユーザにより選択された宛先に、その宛先に対応する通信方式を用いて画像データを送信する構成になっている。
【0095】
同図に示すように、ユーザにより選択された画像データ送信の宛先を確認する(ステップS41)。宛先が相手先のファクシミリ番号であれば、ファクシミリ送信の宛先(FAX宛先)になり、宛先がメールアドレスであれば、電子メールの送信先になる。
宛先がFAX宛先であるか否かを判断する(ステップS42)。
FAX宛先である場合には(ステップS42で「YES」)、実行すべき画像処理ジョブに含まれる各ページの画像データのうち、白紙ページの画像データを削除して(ステップS43)、メインルーチンにリターンする。
【0096】
FAX宛先でない場合には(ステップS42で「NO」)、ステップS43をスキップして(白紙ページの画像データの削除を行わずに)、メインルーチンにリターンする。
宛先がFAX宛先である場合に画像データに白紙ページが挿入されていると、白紙ページを送信するのに電話回線網による通信時間と通信料金がかかり、また相手先のファクシミリ装置において白紙ページをそのまま白紙の用紙で出力すると、その白紙の用紙が無駄になるというユーザの意図を考慮して、白紙ページの画像データを削除するものである。
【0097】
一方で、電子メールでは、通常、定量性が多く、白紙ページの画像データを送信しても通信料金が多くかからないこと、送信先では画像データが電子データで保管されるために用紙が無駄になることが少ないこと、また電子データであるからこそ編集などを行えるようになるというユーザの意図、および白紙ページをユーザの意図で挿入している可能性があることなどを考慮して、白紙ページの画像データを削除しないとしている。
【0098】
このように送信宛先によって決まる通信方式に応じて白紙除去を判断することにより、用紙の無駄や通信料金が高くなることを防止して、画像データ上で編集を行えるようになるなど、ユーザの意図を反映した白紙除去を行うことができる。
なお、画像データの送信宛先が複数あり、ファクシミリ送信の宛先と、ファクシミリ通信方式とは異なる通信方式であり、ネットワークを利用した電子メールなどの通信方式による宛先(ネットワーク宛先)とが含まれている場合には、ネットワーク宛先に白紙ページが除去されていない画像データ(入力したままのもの)を送信した後、その画像データから白紙ページの画像データを削除したものをFAX宛先にファクシミリ送信する方法をとることができる。
【0099】
また、白紙ページが除去されていない画像データと、白紙ページの画像データを削除した後の画像データをそれぞれ管理して、FAX宛先とネットワーク宛先に別々に画像データを送信するとしても良い。
<実施の形態5>
本実施の形態5では、画像データを送信する際の宛先名が、送信ジョブを発行するユーザ自身である場合に白紙ページを除去するとしており、この点が実施の形態3と異なっている。
【0100】
図14は、実施の形態5に係る白紙除去処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
同図に示すように、ユーザにより指定された画像データの送信先(宛先)名を確認する(ステップS51)。ここでは、ユーザ認証などにより当該ユーザ(ジョブを発行するユーザ)を識別する機能と、当該ユーザへの画像データの宛先を予め宛先名で登録する機能と、指定された宛先に画像データを出力する機能と、識別されたユーザの登録宛先とユーザにより指定された画像データの宛先名とが一致しているか否かを判断する機能を有している。
【0101】
ユーザの登録宛先としては、例えばLAN21に接続されている、当該ユーザが利用する外部端末や、複合機1に設けられているハードディスク16内のデータ記憶領域のうち、当該ユーザ専用の部分記憶領域(BOX)などがある。
ユーザの登録宛先に画像データを出力する場合とは、例えばスキャンジョブにより得られた画像データを当該ユーザが利用する外部端末にLAN21を介して電子メールなどで送信する場合(Scan To Me)や、その外部端末に画像データを送信して外部端末の記憶装置に保存させる場合(Scan To Home)、複合機1のハードディスク16内に設けられた当該ユーザ用のBOXに格納させる場合などがある。
【0102】
なお、出力される画像データは、スキャンジョブにより得られたものに限られず、例えばBOXに格納されている画像データや、複合機1に接続可能であり画像データを格納している外部記憶装置(USBメモリなど)から取得した画像データなどであっても良い。
指定された宛先が当該ユーザの登録宛先とは一致しない、例えば他人の端末装置などであることを判断すると(ステップS52で「YES」)、実行すべき画像処理ジョブに含まれる各ページの画像データのうち、白紙ページの画像データを削除して(ステップS53)、メインルーチンにリターンする。
【0103】
指定された宛先が当該ユーザの登録宛先と一致することを判断すると(ステップS52で「NO」)、ステップS53をスキップして(白紙ページの画像データの削除を行わずに)、メインルーチンにリターンする。
指定された宛先が、ジョブを発行するユーザ以外の他人が利用する端末装置などであり、画像データに白紙ページが挿入されている場合には、その他人にとって白紙ページがなぜ挿入されているのかが判らなければ邪魔になるだけであろうという送信側のユーザの意図を考慮して、白紙ページの画像データを削除するものである。
【0104】
一方で、指定された宛先が、ジョブを発行するユーザの登録宛先に一致すれば、画像データに挿入されている白紙ページの利用方法、例えば電子データによる編集をすることなどがユーザ自身であることからこそ判るので、そのユーザの意図を考慮して白紙ページの画像データを削除しないとしている。
このように画像データの宛先によって白紙除去を判断することにより、ユーザの意図を反映した白紙除去を行うことが可能になる。
【0105】
なお、画像データの送信宛先が複数あり、ユーザ自身と他人が含まれている場合には、ユーザ自身を示す宛先に白紙ページが除去されていない画像データ(入力したままのもの)を出力した後、その画像データから白紙ページの画像データを削除したものを他人として示される宛先に出力する方法をとることができる。
また、白紙ページが除去されていない画像データと、白紙ページの画像データを削除した後の画像データをそれぞれ管理して、ユーザ自身を示す宛先と他人を示す宛先に別々に画像データを出力するとしても良い。
【0106】
<実施の形態6>
本実施の形態6では、実行すべき画像処理ジョブが課金対象のジョブである場合に白紙ページを除去するとしており、この点が実施の形態3と異なっている。
図15は、実施の形態6に係る白紙除去処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
【0107】
同図に示すように、ユーザにより選択された画像処理ジョブの種類を確認する(ステップS61)。ここでは、画像処理ジョブの種類ごとに、ジョブ実行による料金を徴収する課金ジョブと、ジョブ実行による料金を徴収しない非課金ジョブとを予め区別して、課金ジョブを実行する際に課金ジョブに応じた料金、例えば1枚当たりの用紙への印刷に○円などを課金する課金機能を有している。
【0108】
課金ジョブには、コピージョブ、ファクシミリ送信ジョブなどがあり、非課金ジョブには、スキャンジョブ、電子メール送信ジョブ、画像データ格納ジョブなどがある。
実行すべき画像処理ジョブが課金ジョブであることを判断すると(ステップS62で「YES」)、画像処理ジョブに含まれる各ページの画像データのうち、白紙ページの画像データを削除して(ステップS63)、メインルーチンにリターンする。
【0109】
課金ジョブではないことを判断すると(ステップS62で「NO」)、ステップS63をスキップして(白紙ページの画像データの削除を行わずに)、メインルーチンにリターンする。
課金ジョブである場合には、白紙ページについても課金されることになり、料金をなるべく抑えたいというユーザの意図を考慮して、白紙ページの画像データを削除する。一方で、非課金ジョブであれば、料金を気にすることがなく、挿入されている白紙ページを利用するなどのユーザの意図を考慮して白紙ページの画像データを削除しない。
【0110】
このように課金ジョブであるか否かによって白紙除去を判断することにより、ユーザの意図を反映した白紙除去を行うことが可能になる。
本発明は、上記の画像形成装置に限られず、白紙除去を実行する方法であるとしてもよい。さらに、その方法をコンピュータが実行するプログラムであるとしてもよい。また、本発明に係るプログラムは、例えば磁気テープ、フレキシブルディスク等の磁気ディスク、DVD−ROM、DVD−RAM、CD−ROM、CD−R、MO、PDなどの光記録媒体、フラッシュメモリ系記録媒体等、コンピュータ読み取り可能な各種記録媒体に記録することが可能であり、当該記録媒体の形態で生産、譲渡等がなされる場合もあるし、プログラムの形態でインターネットを含む有線、無線の各種ネットワーク、放送、電気通信回線、衛星通信等を介して伝送、供給される場合もある。
【0111】
<変形例>
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施の形態では、白紙除去設定がなされている場合に(図2のステップS2で「YES」)、ユーザによる白紙除去を意図することを示す所定の条件(例えば、両面コピーで製本後における用紙の表面に白紙ページが配置される場合など)を満たす場合に白紙除去を行う白紙除去処理(ステップS5)を実行するとしたが、例えばユーザにより全ての白紙を除去する旨の指示(白紙強制除去の指示)がなされた場合には、所定の条件を満たすことの判断をせずに(禁止して)、強制的に全ての白紙を除去する処理を行う構成をとることもできる。ユーザによる全ての白紙ページを除去する旨の指示の受付は、例えば操作パネル4においてユーザの入力等により行われるとすることができ、他の方法であっても良い。
【0112】
図16は、本変形例に係る白紙除去部による処理の内容を示すフローチャートである。
同図に示すように、白紙除去設定がなされており(ステップS2で「YES」)、白紙強制除去が指示されていないことを判断すると(ステップS90で「NO」)、ステップS3に移り、S3以降の処理を行う。この流れは、上記の実施の形態と同じである。
白紙強制除去が指示されていることを判断すると(ステップS90で「YES」)、実行すべき画像処理ジョブの画像データに含まれる全ての白紙ページの画像データを強制的に削除して(ステップS91)、ステップS6に移る。この場合、白紙除去処理(S5)がスキップされることになり実行されない(禁止される)。
【0113】
このように白紙除去を行うとする場合に、上記の所定の条件を満たす場合にだけ白紙除去を行う処理(白紙除去処理)と、この所定の条件を満たすことの判断をせずに強制的に白紙除去を行う処理(白紙強制除去)とをユーザが選択することが可能になり、ユーザにとって選択肢が増え、利便性がより向上する。
(2)上記実施の形態では、本発明に係る画像形成装置を複合機に適用した場合の例を説明したが、これに限られない。カラーやモノクロの印刷に関わらず、画像データに基づく画像処理ジョブ(印刷、スキャン、送信、格納などの少なくとも1つ)を行うことが可能な画像形成装置であれば、例えばスキャナ、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置等に適用できる。また、ネットワークとしてLAN21を例にしたが、これに限られず、WANなどであっても構わない。
【0114】
また、上記実施の形態及び上記変形例の内容をそれぞれ組み合わせるとしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0115】
本発明は、白紙除去機能を有する画像形成装置に広く適用することができる。
【符号の説明】
【0116】
1 複合機
2 スキャナ部
3 プリンタ部
4 操作パネル
5 制御部
11 通信インターフェース部
12 ファクシミリ送受信部
13 CPU
16 ハードディスク
17 白紙除去部
21 ネットワーク
22 公衆電話回線網
31 端末装置
32 ファクシミリ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ページごとの画像データを含む画像処理ジョブを実行する画像形成装置であって、
画像データの各ページのうち白紙ページを検出する検出手段と、
前記検出手段により白紙ページが検出された場合において、白紙除去のための所定の条件を満たせば、前記検出された白紙ページの画像データを除去してから前記画像処理ジョブを実行し、前記所定の条件を満たさなければ、前記検出された白紙ページの画像データを除去せずに前記画像処理ジョブを実行する制御手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記画像処理ジョブは、
複数枚の記録シートを1枚ずつ搬送して、搬送される各記録シートのそれぞれの表面と裏面に印刷を行う両面印刷ジョブであり、
前記所定の条件を満たす場合は、
前記検出された白紙ページの画像データを除去しないまま前記両面印刷ジョブを実行し、両面印刷後の複数枚の記録シートを製本したとすれば、製本後におけるシートの表面に白紙ページが配置されることになる場合であり、
前記所定の条件を満たさない場合は、
前記製本後における各シートの裏面に白紙ページが配置されることになる場合であり、
前記制御手段は、
白紙ページP1の画像データを除去する場合、当該白紙ページP1の次のページP2が白紙ページではないページであればそのページP2を繰り上げて、白紙ページP1が形成される予定であった前記製本後におけるシートの表面に印刷することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記両面印刷ジョブは、
1枚の記録シートごとに、その表面と裏面のそれぞれに1ページ分の画像を両面印刷するジョブであることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記両面印刷ジョブは、
1枚の記録シートごとに、その表面と裏面のそれぞれに、n(複数)ページ分の画像を並べて両面印刷するページ集約機能のジョブであり、
前記両面印刷は、
1枚の記録シートごとに、記録シートを前記nページ分の画像がそれぞれ印刷されるn個のシート部分に分けて、それぞれのシート部分を前記ページ集約機能によって決まる順番に従って1枚ずつ重ねてブック形態とすることにより製本したとすれば、その製本後にページ順が揃うように、複数枚の記録シートの表面と裏面のそれぞれに対して、nページ分の画像データを割り付けることにより行われ、
前記製本後におけるシートの表面とは、
前記製本後における各シート部分の表面のことであることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御手段は、
前記ページP2が白紙ページの場合、当該白紙ページP2の画像データを除去して、白紙ページP2の次のページP3が白紙ページではないページであればそのページP3を繰り上げて、白紙ページP1が形成される予定であった前記製本後におけるシートの表面に印刷することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像処理ジョブは、
搬送される複数枚の原稿のそれぞれについて、その原稿画像をページ単位で読み取って、ページ順に画像データを得るジョブであり、
前記所定の条件を満たす場合は、
得られた画像データの各ページのうち、検出された白紙ページがn(複数)ページ以上連続する場合であり、
前記所定の条件を満たさない場合は、
得られた画像データの各ページのうち、検出された白紙ページが前記nページ以上連続しない場合であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記画像処理ジョブは、搬送される複数枚の原稿のそれぞれを、その原稿の片面をページ単位で読み取る片面原稿の読取ジョブであり、
前記nの値が2であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記画像処理ジョブは、搬送される複数枚の原稿のそれぞれを、その表面と裏面とをページ単位で読み取る両面原稿の読取ジョブであり、
前記nの値が4であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項9】
実行すべき画像処理ジョブの種類を判別する判別手段を備え、
前記所定の条件を満たす場合は、
判別された画像処理ジョブの種類が、前記ユーザが白紙除去を意図していることを示す画像処理ジョブの種類として予め決められた第1の種類に属する場合であり、
前記所定の条件を満たさない場合は、
判別された画像処理ジョブの種類が、前記ユーザの白紙除去の意図に反することを示す画像処理ジョブの種類として予め決められた、前記第1の種類とは異なる第2の種類に属する場合であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項10】
搬送される記録シートに画像を印刷するジョブを第1のジョブ、原稿画像を読み取って画像データを得るジョブを第2のジョブ、自装置に接続されるネットワークを介して外部の端末装置に画像データを送信するジョブを第3のジョブ、画像データを自装置に設けられている記憶装置に格納するジョブを第4のジョブとすると、第1のジョブを実行可能、かつ、第2、第3、第4のうち少なくとも1つの種類のジョブを実行可能であり、
前記第1のジョブが前記第1の種類に属する画像処理ジョブであり、
前記第2のジョブ、第3のジョブ、第4のジョブのうち、実行可能な種類のジョブが、前記第2の種類に属する画像処理ジョブであることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
自装置に接続されている公衆電話回線網を介して外部のファクシミリ装置に画像データをファクシミリ送信する第1のジョブと、自装置に接続されている公衆電話回線網とは別のネットワークを介して外部の端末装置に画像データをファクシミリ通信方式とは別の通信方式で送信する第2のジョブを実行可能であり、
前記第1のジョブが前記第1の種類に属する画像処理ジョブであり、
前記第2のジョブが前記第2の種類に属する画像処理ジョブであることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記ユーザへの画像データの宛先として予め登録されている宛先と一致する宛先に画像データを出力する第1のジョブと、前記予め登録されている宛先とは一致しない宛先に画像データを出力する第2のジョブを実行可能であり、
前記第1のジョブが前記第1の種類に属する画像処理ジョブであり、
前記第2のジョブが前記第2の種類に属する画像処理ジョブであることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項13】
実行することにより課金されるジョブと課金されないジョブを実行可能であり、
前記課金されるジョブが前記第1の種類に属する画像処理ジョブであり、
前記課金されないジョブが前記第2の種類に属する画像処理ジョブであることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項14】
全ての白紙ページを除去する旨の指示を受け付ける受付手段を備え、
前記制御手段は、
前記指示が受け付けられると、前記所定の条件を満たすか否かの判断を禁止して、強制的に全ての白紙ページの画像データを除去することを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−147114(P2012−147114A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−2255(P2011−2255)
【出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】