説明

画像形成装置

【課題】部品点数の増加を抑えて、プロセスカートリッジの主基準部および従基準部ともに、ガタ無く装置本体に位置決めすることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】プロセスカートリッジ30が装置本体に装着されたとき、主基準部としての感光体軸受303が、主基準受け部としての2箇所の直線部102aに突き当る方向にプロセスカートリッジ30を押圧する押圧手段たる押圧機構110を有している。この押圧機構の押圧方向を、感光体軸受303の中心Oから、押圧機構110が、プロセスカートリッジ30を押圧する押圧位置Dとを結んだ線分ODに対して、傾かせた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、ファクシミリ、複写機などの画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
像担持体たるドラム状の感光体と、この感光体の周囲に配置する帯電装置、現像装置、クリーニング装置などのプロセス手段の少なくとも一つとを装置本体に対して脱着可能な筺体に収容したプロセスカートリッジを用いる画像形成装置が知られている。プロセスカートリッジには、位置決めの主基準部と、従基準部とを有している。位置決めの主基準部は、プロセスカートリッジの挿入方向をX軸方向とすると、このX軸方向に直交するY軸方向およびZ軸方向に、プロセスカートリッジを装置本体に対して位置決めするための部分であり、従基準部は、プロセスカートリッジを装置本体に対してX軸方向回りに位置決めする部分である。装置本体の側板には、主基準部が挿入される主基準受け部としての挿入穴と、従基準部が挿入される従基準部受け部としての長穴とが設けられている。長穴は、装置をX軸方向から見たとき、主基準部の中心と従基準部の中心とを結ぶ線分と平行に延びている。主基準部が、挿入穴に挿嵌されることにより、プロセスカートリッジが装置本体に対してY軸方向、Z軸方向に位置決めされ、従基準部が長穴に挿入されることにより、プロセスカートリッジが、装置本体に対してX軸回りに位置決めされる。
【0003】
製造誤差などにより、主基準部が挿入穴に対してガタがある状態で挿嵌されると、駆動時の負荷などにより、主基準部が挿入穴内を移動して、バンディングなどの異常画像が発生するおそれがある。また、カラー画像形成装置において、色毎にプロセスカートリッジを設ける構成の場合は、色ずれが生じるおそれがある。特許文献1には、挿入穴に挿嵌された主基準部を、挿入穴の一方側へ押圧する押圧手段を設けた画像形成装置が記載されている。このように、主基準部を、押圧手段で押圧することにより、主基準部が挿入穴に対してガタがあっても、主基準部が挿入穴内を移動するのを防止することができ、プロセスカートリッジを装置本体に対して精度よくY軸方向、Z軸方向へ位置決めすることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の画像形成装置においては、製造誤差により従基準部が長穴の短手方向の長さに対して短いと、プロセスカートリッジが装置本体に対してX軸方向回りにガタついてしまう。その結果、駆動時の負荷により、プロセスカートリッジがX軸回りにガタついて、バンディングなどの異常画像に繋がるというおそれがあるという課題があった。そこで、主基準部を押圧する押圧手段とは別に、従基準部を長穴の短手方向へ押圧する第2の押圧手段を設けることも考えられる。しかしながら、この場合は、部品点数が増加して、装置のコストアップに繋がるという課題がある。
【0005】
本発明は以上の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、部品点数の増加を抑えて、プロセスカートリッジの主基準部および従基準部ともに、ガタ無く装置本体に位置決めすることができる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、像担持体と、該像担持体に作用する1つ以上のプロセス手段とを備え、画像形成装置本体に対して着脱可能なプロセスカートリッジを有し、上記プロセスカートリッジに設けられた主基準部を受ける主基準部受け部と、上記プロセスカートリッジに設けられた従基準部を受ける従基準受け部と、上記プロセスカートリッジが装置本体に装着されたとき、上記主基準部が、上記主基準受け部に突き当るように上記プロセスカートリッジを押圧する押圧手段とを備えた画像形成装置において、上記プロセスカートリッジ挿入方向から見たとき、上記押圧手段の上記プロセスカートリッジ押圧方向を、上記押圧手段の上記プロセスカートリッジとの当接位置と上記主基準部の中心とを結んだ線分に対して傾かせたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、プロセスカートリッジの挿入方向から見たとき、押圧手段の押圧方向を、押圧手段のプロセスカートリッジとの当接位置と主基準部の中心とを結んだ線分に対して傾かせたので、次のような効果を得ることができる。すなわち、上記のように構成することにより、押圧手段の押圧力を、押圧手段のプロセスカートリッジとの当接位置と主基準部の中心とを結んだ線分の方向と、この線分に対して90°異なる方向とに分解したとき、この線分に対して90°異なる向きにも押圧手段の押圧力が生じる。その結果、プロセスカートリッジには、主基準部を主基準部受け部に押圧する方向の他に、主基準部を中心にして回転する方向にも押圧手段から押圧力を受ける。これにより、従基準部が従基準受け部に突き当る方向に押圧される。その結果、主基準部が主基準部受け部に対してガタつくのを防止でき、かつ、従基準部部が従基準受け部に対してガタつくのを防止することができる。よって、駆動時の負荷のよって、プロセスカートリッジが装置本体内でがたつくのを抑制することができ、良好な画像を得ることができるという効果である。
また、ひとつの押圧手段により、主基準部と従基準部とをそれぞれの受け部へ押圧することができるので、主基準部を主基準部受け部へ押圧する手段と、従基準部を従基準部受け部へ押圧する手段とをそれぞれ設けるものに比べて、部品点数を削減することがき、装置のコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施形態に係る複写機の概略構成図。
【図2】プロセスカートリッジを装置奥側から見た斜視図。
【図3】本体奥側側板にプロセスカートリッジがセットされた状態を、駆動側から見た正面図。
【図4】プロセスカートリッジが装置本体にセットされたときの側断面図。
【図5】押圧機構の概略平面図。
【図6】本体奥側側板にプロセスカートリッジがセットされた状態を、駆動側と反対側から見た正面図。
【図7】変形例の画像形成装置におけるプロセスカートリッジがセットされた状態を、駆動側と反対側から見た正面図。
【図8】主基準部が主基準受け部から浮いた状態でプロセスカートリッジがセットされた状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を適用した画像形成装置の実施形態の一例として、電子写真方式の複写機(以下、単に複写機100という)について説明する。
図1は、実施形態に係る画像形成装置としての複写機100の概略構成図である。
複写機100では、本体の略中央部に画像形成部としてのプリンタ部22が配置され、そのプリンタ部22の直下に2段の給紙装置23が配置されている。また、プリンタ部22の上部には胴内排紙型と呼ばれる排紙部24が設けられており、その上方に原稿読取部としてのスキャナ部25が配置されている。
【0010】
プリンタ部22の上部のスキャナ部25は、原稿が載置される原稿台であるコンタクトガラス25a、原稿を照明する照明光源25bなどを備えている。さらに、原稿からの反射光を反射する第1ミラー25c、第2ミラー25d、第3ミラー25c、原稿からの反射光を結像する結像レンズ25f、その結像位置に配置され原稿画像を読み取るCCD等の読取手段であるイメージセンサ25g等を備えている。
このスキャナ部25の上には、コンタクトガラス25aに載置された原稿を押さえる圧板、コンタクトガラス25aに原稿を自動給紙する図示しない自動原稿給紙装置(ADF)などが設けられる。
【0011】
複写機100の中央部にはプリンタ部22が設けられており、このプリンタ部22には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色の画像を形成するための4つのプロセスカートリッジ30Y,30M,30C,30Kが設けられている。プロセスカートリッジ30Y,30M,30C,30Kの上方には、無端ベルト状の中間転写体である中間転写ベルト37aを有する中間転写ユニット37が配置されており、プロセスカートリッジ30Y,30M,30C,30Kの下側には光書込装置33が設置されている。
【0012】
プロセスカートリッジ30Y,30M,30C,30Kの構成は同じであり、像担持体としての感光体ドラム31Y,31C,31M,31Kをそれぞれ有している。そして、その回りにはそれぞれ各感光体専用の帯電装置32Y,32C,32M,32K、現像装置34Y,34C,34M,34K、一次転写ローラ35Y,35C,35M,35K、クリーニング装置36Y,36C,36M,36Kが配置されている。各プロセスカートリッジ30Y,30M,30C,30Kは、感光体ドラム31Y,31C,31M,31K、帯電装置32Y,32C,32M,32K、現像装置34Y,34C,34M,34K、クリーニング装置36Y,36C,36M,36Kなどの各プロセス手段をそれぞれ備え、装置本体に対して着脱可能に構成されている。
【0013】
光書込装置33は4つのプロセスカートリッジ30Y,30M,30C,30Kに対して配置され、中央に1つの偏向器を有し、4つの光源からの光束を一つの偏向器で4系統に振り分けて偏向走査し、4つの感光体ドラム31Y,31C,31M,31Kに潜像を書込むものである。そして、各色毎に用意されたレーザダイオード(LD)方式の4つの光源と、光源から出射されたレーザ光束をコリメートする光学系と、ポリゴンミラー(回転多面鏡)とポリゴンモータから構成される1つの偏向器(ポリゴンスキャナ)と、各光源の光路に配置されたfθレンズ等の走査・結像用のレンズや補正用レンズ、ミラー等からなる光学系とで構成されている。そして、各色の画像情報に応じてレーザダイオードから射出されたレーザ光はポリゴンスキャナにより偏向走査され、各色の感光体ドラム31Y,31C,31M,31Kに照射される。
【0014】
また、プリンタ部22と排紙部24の間には、各プロセスカートリッジ30Y,30M,30C,30Kの現像装置34Y,34C,34M,34Kにトナーを補給するためのトナーボトル52Y,52C,52M,52Kが設けられている。各トナーボトル52Y,52C,52M,52Kには、図中左からイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)のトナーが充填されている。このトナーボトル52Y,52C,52M,52Kから図示しない搬送経路によって、所定の補給量だけ各色の現像装置34Y,34C,34M,34Kに各色のトナーが補給される。
【0015】
中間転写ユニット37の中間転写ベルト37aは、駆動ローラと従動ローラ及び一次転写ローラに支持されており、図中の矢印の向きに回動される。この中間転写ベルト37aの右側には二次転写ローラ8を備えた二次転写ユニット1が設けられている。また、中間転写ベルト37aの左側には、中間転写ベルトクリーニング装置38が設けられている。
【0016】
複写機100の下部の給紙装置23には、記録体としての転写紙Pが収納された2段の第一給紙カセット23a及び第二給紙カセット23bが設置されている。
いずれか一方の給紙カセットから第一給紙部39aまたは第二給紙部39bにより転写紙Pが給紙され、第一搬送ローラ40aまたは第二搬送ローラ40bを介してレジストローラ41に向けて給紙されるようになっている。また、レジストローラ41に給紙された転写紙Pは、所定のタイミングで二次転写ローラ8に向けて送り出される。
【0017】
二次転写ローラ8を備えた二次転写ユニット1の上方には、定着ユニット90が設置されている。この定着ユニット90内には、例えば定着ローラ90aと加熱ローラ90bに支持された定着ベルト90cと、定着ベルト90cに圧接する加圧ローラ90dが設けられている。また、定着ユニット90の上方には、排紙部24へ向けて用紙を搬送し排紙する搬送ローラ43や排紙ローラ44が設けられている。さらにその上には、両面プリント時に搬送路を切換える切換え爪45や、スイッチバック式に用紙の向きを反転するための反転搬送ローラ46及び反転搬送路47が設けられている。この反転搬送路47に一時的にスタックされた用紙は、反転搬送ローラ46で向きを反転されて、両面用搬送路を第一両面搬送ローラ48、及び第二両面搬送ローラ49により搬送され、レジストローラ41に再給紙される。
【0018】
次にこの画像形成装置の動作について説明する。コピーを行うときは、圧版を開いてスキャナ部25のコンタクトガラス25a上に原稿をセットするか、あるいは図示しないADFの原稿台に原稿をセットする。
そして、不図示の操作部のスタートスイッチを押すと、ADFに原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス25a上へと移動した後にスキャナ部25を駆動する。他方、コンタクトガラス25a上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ部25を駆動する。そして、光源25bと第1ミラー25cを有する第1走行体、および第2ミラー25dと第3ミラー25eを保持する第2走行体を走行する。そして、光源25bから光を放射し、原稿面からの反射光を第1ミラー25cで反射して第2走行体に向け、第2走行体の第2ミラー25d、第3ミラー25eで反射して結像レンズ25fを通してイメージセンサ25gに入れ、イメージセンサ25gで原稿内容を読み取る。その後、操作部でのモード設定、あるいは操作部で自動モード選択が設定されている場合には原稿の読み取り結果に従い、フルカラーモードまたは白黒モードで画像形成動作を開始する。
【0019】
プリンタ部22では、まず、帯電装置32Y,32C,32M,32Kによって各感光体ドラム31Y,31C,31M,31Kが一様に帯電される。その後、感光体ドラム31Y,31C,31M,31Kは、4つのレーザ光源と共通の偏向器と4系統の走査光学系を有する光書込装置33によりレーザ光にて露光走査され、感光体ドラム31Y,31C,31M,31K上に静電潜像が作られる。
各静電潜像は、それぞれ各色の現像装置34Y,34C,34M,34Kにより現像され、感光体ドラム31Y,31C,31M,31Kの表面にイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックのトナー像がそれぞれ形成される。
【0020】
次に一次転写ローラ35Y,35C,35M,35Kに一次転写電圧が印加され、感光体ドラム31Y,31C,31M,31K上のトナーが、中間転写ベルト37a上に順次転写されていく。この時、各色の作像動作は、そのトナー像が中間転写ベルト37aの同じ位置に重ねて転写されるように、上流側から下流側に向けてタイミングをずらして実行される。
【0021】
上述の一次転写動作にタイミングを合わせて、給紙装置23の第一給紙カセット23a、第二給紙カセット23bいずれかから記録材としての転写紙Pが第一給紙部39a、第二給紙部39bで給紙される。または、手差し用テーブル29から給紙ローラ50で給紙される。転写紙Pの先端がレジストローラ41まで到達すると図示しなセンサによって検知され、この検出信号でタイミングを取りながら、レジストローラ41によって転写紙Pが二次転写ローラ8と中間転写ベルト37aとの間の記録体転写部としての2次転写ニップ部に搬送される。
そして中間転写ベルト37a上に形成された画像は、二次転写ローラ8の位置まで搬送され、転写紙Pに一括して二次転写される。画像が転写された転写紙Pは、定着ユニット90に搬送されて熱と圧力により画像が定着され、搬送ローラ43で排紙部24に向けて搬送され、排紙ローラ44で排紙される。これにより転写紙P上にカラー画像を得ることができる。
【0022】
また、操作部で両面モードが選択され、両面コピーを行うときには、切換え爪45で搬送路を切換え、定着済みの転写紙Pを反転搬送路47に一時的にスタックした後、反転搬送ローラ46でスイッチバック式に進行方向を反転する。そして、画像形成動作にタイミングを合わせて、両面用搬送路を第一両面搬送ローラ48及び第二両面搬送ローラ49により搬送し、レジストローラ41に再給紙する。そして、レジストローラ41で再び二次転写部に給紙し、転写紙Pの裏面側に画像を転写する。裏面側にも画像が転写された転写紙Pは、定着ユニット90に搬送されて熱と圧力により画像が定着され、搬送ローラ43で排紙部24に向けて搬送され、排紙ローラ44で排紙される。これにより転写紙Pの両面にカラー画像を得ることができる。
【0023】
なお、感光体ドラム31Y,31C,31M,31K上の残留トナーは、それぞれのクリーニング装置36Y,36C,36M,36Kでクリーニングされる。その後、直流に交流成分のバイアスが重畳印加された帯電装置32Y,32C,32M,32Kによって除電と同時に帯電され、次の作像に備える。
また、中間転写ベルト37a上の残留トナーは、中間転写ベルトクリーニング装置38によってクリーニングされ、次の作像工程に備える。
【0024】
以上、画像形成装置の内部構成の一例を示したが、本発明に係る画像形成装置は上記の構成に限るものではない。すなわち、図1の例ではタンデム方式の画像形成部を示したが、これに代えて、1つの感光体と複数の現像装置及び中間転写体を備える構成(所謂1ドラム−中間転写方式)のカラー画像形成部としてもよい。また、単色画像のみを形成するモノクロ式の画像形成部としてもよい。
また、図1ではスキャナ部25を備えた構成を例示したが、スキャナ部25を外せば、プリンタの構成となる。
【0025】
図2は、プロセスカートリッジ30を装置挿入方向側から見た斜視図である。なお、各色のプロセスカートリッジの構成は、同じであるので、以下の説明では、色符号を省略して説明する。
現像装置34は、プロセスカートリッジ30の枠体301に仮位置決めされた後、プロセスカートリッジ30の枠体301の駆動側の面と反対側の面とにそれぞれ取り付けられる奥側面板302と、手前側面板312(図6参照)とにより位置決めされる。奥側面板302は、感光体のフランジ部を回転自在に支持する感光体軸受303が嵌合する感光体軸受挿入穴と、現像装置の現像ローラの軸を軸受する現像軸受342が嵌合する現像軸受挿入穴とが設けられている。この感光体軸受303を、奥側面板302と手前側面板312の感光体軸受挿入穴に嵌合し、現像軸受342を、現像軸受挿入穴に嵌合させることで、奥側面板302と手前側面板312とによって感光体ドラム31と現像ローラとが互いに正しく位置決めされ、感光体ドラム31と現像装置34とが一体的なプロセスカートリッジ30が構成される。しかも面板302,312によって感光体ドラム31の中心軸線と現像ローラの中心軸線との間の距離が正しく規制される。これによって、感光体ドラム31と現像ローラとが微小なギャップをあけて対向配置されるように構成されているときは、そのギャップが正しく維持され、感光体ドラム31に高品質なトナー像を現像することができる。また、感光体ドラム31と現像ローラとが互いに当接して対向配置されるように構成されているときは、その当接圧が正しく規制され、感光体ドラム31に高品質なトナー像を現像することができる。
【0026】
また、クリーニング装置36はプロセスカートリッジ30の枠体301に固定されている。また、この図では、図示してないが、帯電装置32が、面板302の帯電装置取り付け部305に取り付けられる。
【0027】
図2に示すように、奥側面板302の感光体軸受挿入穴に嵌合した感光体軸受303の一部は、奥側面板302から突出しており、この感光体軸受303の外周面が、プロセスカートリッジ30の位置決めの主基準部となる。また、プロセスカートリッジ30は、現像装置34の現像ローラや攪拌スクリューに駆動を伝達するための駆動伝達機構を備えており、この駆動伝達機構の入力ギヤ341が奥側面板302から貫通して設けられている。また、奥側面板302には、プロセスカートリッジ30の位置決めの従基準となる従基準部304が、奥側面板302から突出して設けられている。
【0028】
また、奥側面板302の上端には、後述するプロセスカートリッジ押圧機構110の押圧力を受ける受け部306が設けられている。受け部306は、プロセスカートリッジ挿入方向をX軸方向、図中上下方向をY軸方向、図中左右方向をZ軸方向としたとき、Z軸方向において、従基準部304と、主基準部としての感光体軸受303との間に配置されている。
【0029】
図3は、本体奥側側板101にプロセスカートリッジ30がセットされた状態を、駆動側から見た正面図である。
図3に示すように、本体奥側側板101には、感光体軸受303の奥側面板302から突出した部分が貫通する感光体軸受貫通孔102と、現像軸受342の奥側面板302から突出した部分が貫通する現像軸受貫通孔103と、奥側面板302から突出した入力ギヤ341が貫通する入力ギヤ貫通孔104とを有している。また、奥側面板302から突出した従基準部304が貫通する従基準受け部としての長穴105が設けられている。感光体軸受貫通孔102は、挿入方向から見たとき、2箇所の直線部102aと、円形部102bとで構成されている。プロセスカートリッジ30の位置決めの主基準部としての感光体軸受303が、感光体軸受貫通孔102に挿入されたとき、感光体軸受303の外周面が上記2箇所の直線部102aに当接する。すなわち、この2箇所の直線部102aが、プロセスカートリッジ30の主基準部を受ける主基準受け部として機能している。また、本体奥側側板101には、プロセスカートリッジ30を押圧する押圧手段としての押圧機構110が設けられている。
【0030】
図4は、プロセスカートリッジ30が装置本体にセットされたときの側断面図であり、図5は、押圧機構110の概略平面図である。
図4に示すように、押圧機構110は、プロセスカートリッジ30の受け部306に当接する当接部材113と、当接部材113をプロセスカートリッジ側へ押圧するスプリングなどの弾性部材112と、当接部材113と弾性部材112とを保持する保持ケース111とを有している。弾性部材112の一端は、当接部材113の上面に設けられた凹状のバネ受け部113aに固定され、他端は、保持ケース111の上面に固定されている。また、当接部材113の下面には、切欠き部113bが設けられており、プロセスカートリッジ30が装置本体に装着されていないとき、この切欠き部113bの底面が、保持ケース111の当接部材受け部111aに突き当たっている。当接部材113の手前側(図中右側)の面の一部は、手前側に向かうにつれて、図中上側へ傾斜するテーパ面113cが設けられている。
【0031】
図3、図5に示すように、保持ケース111の図中右半分には、当接部材113の奥側(駆動側)の面と対向する対向面111bが設けられている。当接部材113の奥側(駆動側)の面の図中左半分は、図中右側部分よりも奥側へ突出している。そして、図5に示すように、当接部材113の奥側(駆動側)の図中左側端部は、図中左側へ突出しており、保持ケース111の挿入方向に延びる面111cの端部と対向している。このような構成により、当接部材113は、保持ケース111に押圧方向(Y軸方向)にスライド可能に保持される。
【0032】
プロセスカートリッジ30が装置本体に装着されていないとき、当接部材113の切欠き部113bの底面が、保持ケースの当接部材受け部111aに突き当たっている。プロセスカートリッジ30が挿入されると、プロセスカートリッジ30の受け部306が、当接部材113のテーパ面113cに突き当たる。受け部306がテーパ面113cに突き当たった状態からさらにプロセスカートリッジ30を挿入していくと、当接部材113が、弾性部材112の押圧力に抗して、当接部材113を持上げて、弾性部材112を圧縮変形させる。そして、図4に示すように、プロセスカートリッジ30が挿入されると、当接部材113が、受け部306に乗っかった状態となる。このとき、弾性部材112が圧縮され、所定の押圧力が、当接部材113を介してプロセスカートリッジ30に付与される。
【0033】
プロセスカートリッジ30が、図3に示すように、押圧機構110により下方へ押圧されることにより、主基準部としての感光体軸受303の外周面が、主基準受け部としての2箇所の直線部102a側へ押圧され、ガタ無く、感光体軸受303の外周面が、主基準受け部としての2箇所の直線部102aと当接する。これにより、プロセスカートリッジ30が、装置本体に対して、Y軸方向、Z軸方向に良好に位置決めされる。また、本実施形態においては、図3に示すように、主基準部としての感光体軸受303の中心Oから、押圧機構110が、プロセスカートリッジ30を押圧する押圧位置Dとを結んだ線分ODに対して、押圧機構110が、プロセスカートリッジ30を押圧する押圧方向を傾かせている。これにより、図3の矢印Fに示すように、プロセスカートリッジの主基準部である感光体軸受303を、2箇所の直線部102aへ押圧する力の他に、プロセスカートリッジ30の主基準部である感光体軸受303を中心にして回動させるような押圧力が働く。これにより、プロセスカートリッジ30の従基準部304が、長穴105の短手方向へ押圧され、X軸回りにガタ無く従基準部304が長穴105と当接する。これにより、プロセスカートリッジ30が、装置本体に対して、X軸回りに良好に位置決めされる。
【0034】
このように、本実施形態においては、プロセスカートリッジ30を、装置本体に対して精度よく位置決めすることができる。これにより、書き込み位置や転写位置を正確に保つことができる。また、現像装置34の駆動入力ギヤ341の位置精度も確保できるため、本体駆動の受け渡しがギヤの場合は正確なギヤ間ピッチを保てることで安定した回転が得られ良好な画像を提供できる。受け渡しがカップリングの場合では、駆動入力ギヤ341とカップリングの軸心ズレを最小限に抑えられるため、カップリングによる回転変動を抑えることができる。
【0035】
また、本実施形態においては、押圧機構110のプロセスカートリッジ30の押圧方向を、主基準受け部としての各直線部102aの主基準部としての感光体軸受303外周面との各接点と感光体軸受303の中心Oとを結んだ線分の2等分線Eと平行にしている。これにより、感光体軸受303を、2箇所の直線部102aに良好に押圧することができる。
【0036】
このようにして、装置本体にプロセスカートリッジ30を挿入したら、図6に示すように、プロセスカートリッジ手前側に設けられた締結部材挿入穴301aに締結部材たるネジを挿入し、装置本体の手前側の側板201に設けられたネジ穴207aにネジを締結する。このように、ネジなどの締結部材でプロセスカートリッジを装置本体に締結することにより、プロセスカートリッジ30が、X軸方向にもガタなく装置本体に取り付けることができる。
【0037】
本実施形態においては、感光体軸受303を位置決めの主基準としているが、奥側面板302に位置決め主基準を設けてもよい。また、本実施形態においては、プロセスカートリッジ30の主基準部を受ける主基準受け部を、2箇所の直線部102aとしているが、押圧機構110により押圧された主基準部(感光体軸受303)のY軸方向、Z軸方向の移動が規制される形状であればよい。例えば、主基準受け部を感光体軸受303の外径とほぼ同じ径の円弧状の部分としてもよい。このように構成しても、主基準部である感光体軸受303の外周面が、主基準受け部の円弧状の部分と面接触して、Y軸方向、Z軸方向の移動を規制することができ、プロセスカートリッジ30をY軸方向およびZ軸方向に位置決めすることができる。また、本実施形態においては、プロセスカートリッジ30の従基準部304を受ける従基準受け部を長穴105としているが、押圧された従基準部304が突き当たる構成であれば、どのような形状であっても構わない。例えば、本体奥側側板101にX軸方向に延びる平面部を設けて、この平面部に、従基準部304を突き当てる構成でもよい。
【0038】
また、上述ではプロセスカートリッジ30の奥側について説明したが、手前側についても同様の構成を踏襲することが望ましい。
【0039】
図6は、プロセスカートリッジ30がセットされた状態を、駆動側と反対側(手前側)から見た正面図である。
図6に示すように、枠体301の手前側には、図中点線で示すように、感光体ドラム3の回転中心と同じ中心を有する円弧状の手前側主基準部313が設けられている。また、手前側面板312には、従基準部としての長穴314が設けられており、装置の手前側側板201には、従基準部受け部としての手前側従基準ボス部205を有している。図では、従基準部を長穴、従基準受け部をボス部としているが、従基準部をボス部、従基準受け部を長穴にしてもよい。
【0040】
また、手前側側板201には、手前側主基準部313と当接して、手前側主基準部313を受ける直線状の手前側主基準受け部202aが2箇所設けられている。また、本体手前側側板201には、プロセスカートリッジ30を押圧する押圧手段としての手前側押圧機構210が設けられている。手前側側板201には、プロセスカートリッジ30が装置本体に装着されたとき手前側押圧機構210と当接して、手前側押圧機構210からの押圧力を受ける手前側受け部316が設けられている。
【0041】
図6に示すように、手前側受け部316は、先端側が、図中下側になるように傾斜しており、これにより、手前側圧機構210がプロセスカートリッジ30を押圧する押圧方向を手前側主基準部313の中心O1(ドラム軸の中心)と、手前側押圧機構210がプロセスカートリッジ30を押圧する押圧位置D1とを結んだ線分O1D1に対して傾かせることができる。その結果、手前側においても、図6の矢印F1に示すように、プロセスカートリッジ30の手前側主基準部313を、2箇所の手前側主基準受け部202aへ押圧する力の他に、プロセスカートリッジ30の主基準部を中心にして回動させるような押圧力を働かせることができる。これにより、長穴105が、長穴105の短手方向へ押圧され手前側従基準ボス部205に当接する。これにより、プロセスカートリッジ30の手前側も、装置本体に対して、X軸回りに良好に位置決めされる。
【0042】
次に、本実施形態の変形例について説明する。
【0043】
[変形例]
図7は、変形例の画像形成装置におけるプロセスカートリッジ30がセットされた状態を、駆動側と反対側(手前側)から見た正面図である。
この変形例は、図7に示すように、従基準部の中心O2が、手前側主基準受け部202aの手前側主基準部313との接点と感光体の中心O1とを結んだ線分の2等分線E1の近傍となるよう構成したものである。
【0044】
プロセスカートリッジ30を本体に挿入する際、本体に手前から奥に挿入する。プロセスカートリッジ30の奥側は、装置本体に設けられた図省略のガイドレールに沿って移動するので、主基準部である感光体軸受303は、主基準受け部としての装置本体奥側側板101の感光体軸受貫通孔の2箇所の直線部102aに支持され、従基準部304は、従基準受け部としての長穴105に挿入され、正しくセットされる。
【0045】
一方、プロセスカートリッジ30の手前側は、プロセスカートリッジ30を本体に挿入する際、最初から最後まで手で操作することができる。よって、例えば、プロセスカートリッジ30の手前側は、不図示のガイドレールから浮いた状態で、手前側面板312の長穴314に手前側従基準ボス部205を挿入して、装置本体に装着することができる。このように、プロセスカートリッジ30の手前側を持上げた状態で装置本体に装着したとき、装着直後は、図8で示すように、手前側主基準部313の図中左側(従基準部側)は、手前側主基準受け部202aから浮いた状態となっている。そして、プロセスカートリッジ30を手放すと、プロセスカートリッジ30の自重や手前側押圧機構210の押圧力により、長穴314が、手前側従基準ボス部205に対して相対的に(図中矢印Nの方向に)移動し、従基準部側の手前側主基準部313が、従基準部側の手前側主基準受け部202aと当接する。すなわち、装着後、プロセスカートリッジ30を手放すと、プロセスカートリッジ30が、プロセスカートリッジ30の自重や手前側押圧機構210の押圧力により、感光体の回転中心O1と、手前側従基準ボス部の中心O2とを結んだ線分と平行に移動して、従基準部側の手前側主基準部313が、従基準部側の手前側主基準受け部202aと当接するのである。
【0046】
このとき、プロセスカートリッジ30と本体の挿抜の繰り返しなどにより手前側従基準ボス部205や長穴314の内周面が傷いたり、手前側従基準ボス部205や長穴314の内周面にゴミなどが付着していたりして、長穴314と手前側従基準ボス部205との間の静止摩擦力が高まっていると、プロセスカートリッジ30の自重や手前側押圧機構210の押圧力では、長穴314が手前側従基準ボス部205に対して相対的に移動しない場合がある。その結果、プロセスカートリッジ30装着後も手前側主基準部313が、手前側主基準受け部202aと当接せず、図8に示すように、手前側主基準部313が、手前側従基準側の主基準受け部202aから浮いた状態となる場合がある。この場合、色ずれは大幅に悪化し、バンディングなどの画像品質に悪影響を与えることになる。
【0047】
ここで、プロセスカートリッジ30の自重G1によりプロセスカートリッジ30を感光体の回転中心O1と、手前側従基準ボス部の中心O2とを結んだ線分と平行に移動させる力(長穴314を、手前側従基準ボス部205に対して相対的に移動させる力)S1は、次の式で表すことができる。
S1=G1COSθ1
【0048】
上記θ1は、図6に示すように、手前側主基準受け部202aの手前側主基準部313との接点と感光体の中心O1とを結んだ線分の2等分線E1と、従基準部の中心O2と感光体の中心O1とを結んだ線分M1とがなす角度のうち、鋭角の方の角度である。
【0049】
図6に示すように、従基準部の中心O2が、2等分線E1から離れた位置にあると、θ1が大きくなり、S1が小さくなる。また、手前側押圧機構210の主目的は、プロセスカートリッジ30を押圧して、手前側主基準部313を手前側主基準受け部202aに突き当らせることである。このため、手前側押圧機構210の押圧方向は、上記2等分線E1とほぼ平行にしている。よって、手前側主基準受け部202aが、上記2等分線E1から離れた位置にあると、プロセスカートリッジ30を線分M1と平行に移動させる方向に働く手前側押圧機構210の押圧力も小さくなる。その結果、従基準部の中心O2が、2等分線E1から離れた位置にある場合、プロセスカートリッジ30装着後も手前側主基準部313が、主基準受け部202aと当接しないおそれが高くなる。
【0050】
一方、図7に示すように、変形例1においては、従基準部の中心O2を、2等分線E1に近接させた位置にあるため、θ1が小さくなり、プロセスカートリッジ30の自重G1によりプロセスカートリッジ30を感光体の回転中心O1と、手前側従基準ボス部の中心O2とを結んだ線分と平行に移動させる力S1を大きくすることができる。また、同様な理由で、2等分線E1とほぼ平行な方向な手前側押圧機構210の押圧力のプロセスカートリッジ30を線分M1と平行に移動させる方向に働く力も大きくなる。その結果、プロセスカートリッジと本体の挿抜の繰り返しなどにより手前側従基準ボス部205や長穴314の内周面が傷いたり、手前側従基準ボス部205や長穴314の内周面にゴミなどが付着していたりして、長穴314と手前側従基準ボス部205との間の静止摩擦力が高まっていても、プロセスカートリッジ30の自重や手前側押圧機構210の押圧力でプロセスカートリッジ30をM1方向へ移動させることができる。その結果、プロセスカートリッジ30の手前側を持上げた状態で、装置本体に装着しても、確実に、手前側主基準部313を手前側主基準受け部202aに当接させることができる。
【0051】
具体的には、θ1の角度が30°以下のとき、従基準部の中心O2が、2等分線E1に対し、十分近傍に配置され、プロセスカートリッジと本体の挿抜の繰り返しなどにより手前側従基準ボス部205や長穴314の内周面が傷いたり、手前側従基準ボス部205や長穴314の内周面にゴミなどが付着していたりして、長穴314と手前側従基準ボス部205との間の静止摩擦力が高まっていても、プロセスカートリッジ30の自重や手前側押圧機構210の押圧力でプロセスカートリッジをM1方向へ移動させることができる。
【0052】
変形例1では、従基準部を、手前側面板312上部の受け部316の近傍に、線分M1と平行に形成された手前側従基準部としての切り欠き部314’を設け、手前側側板201に、この切り欠き部314に嵌り合う手前側従基準受け部としての四角柱形状の従基準ボス部205を設けた構成にしている。もちろん、図6と同様に、長穴と円柱状のボス部とで従基準部を構成してもよい。
【0053】
また、図7に示すように、変形例1においては、従基準部の中心O2と感光体の中心O1とを結んだ線分M1が、手前側押圧機構210の押圧方向に対して、ほぼ平行となるよに設けている。これにより、手前側押圧機構210の押圧力のほとんどを、プロセスカートリッジ30をM1方向へ移動させる力として利用することができる。よって、良好に長穴314を、手前側従基準ボス部205に対して相対的に移動させることができ、手前側主基準部313を、手前側主基準受け部202aに当接させることができる。
【0054】
また、プロセスカートリッジ30の奥側を、図7に示した手前側と同じように構成してもよい。また、上述においては、プロセスカートリッジの自重G1が、主基準部が主基準受け部に突き当らせる力として作用する実施形態について説明したが、例えば、主基準受け部が、主基準部よりも鉛直上方にあり、押圧機構が、プロセスカートリッジの自重に抗してプロセスカートリッジを押圧して、主基準部を主基準受け部に突き当てる構成でもよい。この場合も、従基準部の中心O2を、上記2等分線E1の近傍に設けることで、押圧機構の押圧力により、主基準部が主基準受け部に突き当たるように、プロセスカートリッジをスムーズに移動させることができ、プロセスカートリッジを装置本体に挿入したとき、主基準部が主基準受け部に突き当たらないような自体を抑制することができる。
【0055】
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の(1)〜(6)態様毎に特有の効果を奏する。
(1)
感光体ドラム31などの像担持体と、像担持体に作用する1つ以上のプロセス手段(現像装置34、帯電装置32、クリーニング装置36)とを備え、画像形成装置本体に対して着脱可能なプロセスカートリッジ30を有している。プロセスカートリッジ30には、感光体軸受303などの位置決め主基準部と、位置決めの従基準となる従基準部304とを備えており、本体奥側側板101などには、上記プロセスカートリッジ30の主基準部を受ける感光体軸受貫通孔102の2箇所の直線部102aなどの主基準受け部と、上記従基準部304を受ける長穴105などの従基準受け部とを有している。また、本体奥側側板101などには、プロセスカートリッジ30が装置本体に装着されたとき、主基準部が、上記主基準受け部に突き当たるように上記プロセスカートリッジ30を押圧する押圧機構110などの押圧手段を備えている。そして、プロセスカートリッジ挿入方向から見たとき、上記押圧機構110などの押圧手段の上記プロセスカートリッジ押圧方向を、押圧手段の上記プロセスカートリッジ30との当接位置Dと感光体軸受303などの主基準部の中心Oとを結んだ線分ODに対して傾かせた。これにより、上述したように、従基準部304が、挿入方向(X軸方向)回りに押圧力を受け、長穴105などの従基準受け部に突き当てることができる。その結果、ひとつの押圧手段で、主基準部と、従基準部304とをそれぞれの受け部(直線部102aおよび長穴105)に突き当てることができ、精度よくプロセスカートリッジ30を装置本体に対して位置決めすることができる。これにより、駆動負荷時にプロセスカートリッジがY軸方向、Z軸方向、X軸方向回りにガタつくことがなくなり、バンティングなどの異常画像が生じるのを抑制することができる。また、一つの押圧手段で、感光体軸受303などの主基準部と、従基準部304とをそれぞれの受け部(直線部102aおよび長穴105)に突き当てることができるので、部品点数の増加を抑制することができ、装置のコストダウンを図ることができる。
【0056】
(2)
また、上記(1)に記載の態様の画像形成装置において、上記主基準受け部は、上記主基準部に対して2点接触で受ける構成であり、上記主基準部は、上記主基準受け部との接点を接線とする円または円弧状の形状であり、かつ、上記従基準部は、上記プロセスカートリッジ挿入方向から見たとき、上記従基準受け部に対して上記従基準部の中心と上記主基準部の中心とを結んだ線分と平行な方向に相対的に移動可能に構成されており、上記プロセスカートリッジ挿入方向から見たとき、上記従基準部の中心O2が、上記主基準受け部の主基準部との一方の接点と主基準部の中心O1とを結んだ線分と、上記主基準受け部の主基準部との他方の接点と主基準部の中心O1とを結んだ線分との2等分線E1の近傍となるように、従基準部を設けた。
かかる構成により、変形例1で説明したように、プロセスカートリッジ30を装置本体に挿入したとき、上記主基準部が、上記主基準受け部に対して突き当っていない状態であっても、上記押圧手段の押圧力により、プロセスカートリッジ30を、上記主基準部が上記主基準受け部に対して突き当たる方向にスムーズに移動させることができる。これにより、良好に、プロセスカートリッジを装置本体内に位置決めすることができる。
【0057】
(3)
また、上記(2)に記載の態様の画像形成装置において、上記プロセスカートリッジ挿入方向から見たとき、上記従基準部の中心と上記主基準部の中心とを結んだ線分M1と、上記2等分線E1とのなす角度を、30°以下にした。
かかる構成とすることで、変形例1で説明したように、上記従基準部の中心O2を、2等分線E1の近傍に配置することができる。
【0058】
(4)
また、上記(1)乃至(3)いずれかに記載の態様の画像形成装置において、上記主基準受け部は、上記主基準部に対して2点接触で受ける構成であり、上記主基準部は、上記主基準受け部との接点を接線とする円または円弧状の形状であり、上記プロセスカートリッジ挿入方向から見たとき、上記押圧手段の押圧方向を、上記主基準受け部の主基準部との一方の接点と主基準部の中心とを結んだ線分と、上記主基準受け部の主基準部との他方の接点と主基準部の中心とを結んだ線分との2等分線と平行にした。
これにより、感光体軸受303などの主基準部を、主基準受け部に均等に押圧させることができ、プロセスカートリッジがY軸方向、Z軸方向にガタつくのをより一層抑制することができる。
【0059】
(5)
また、上記(1)乃至(4)いずれかに記載の態様の画像形成装置において、上記プロセスカートリッジを複数備えた。
かかる構成とすることで、各プロセスカートリッジを良好に装置本体に位置決めすることができ、色ずれが抑制された高品位な画像を得ることができる。
【0060】
(6)
また、上記(1)乃至(5)いずれかに記載の態様の画像形成装置において、上記プロセスカートリッジ30を装置本体に装着後、締結部材で上記プロセスカートリッジを装置本体に固定した。
かかる構成とすることで、プロセスカートリッジがX軸方向にがたつくのも抑制することができる。
【符号の説明】
【0061】
30:プロセスカートリッジ
31:感光体ドラム
32:帯電装置
34:現像装置
36:クリーニング装置
100:複写機
101:本体奥側側板
102a:直線部
105:長穴
110:押圧機構
111:保持ケース
112:弾性部材
113:当接部材
201:手前側側板
202a:手前側主基準受け部
205:手前側従基準ボス部
210:手前側圧機構
301:枠体
302:奥側面板
303:感光体軸受
304:従基準部
306,316:受け部
312:手前側面板
313:手前側主基準部
314 長穴
314’:切り欠き部
D,D1:押圧位置
E,E1:2等分線
【先行技術文献】
【特許文献】
【0062】
【特許文献1】特開2010−9011号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体と、該像担持体に作用する1つ以上のプロセス手段とを備え、画像形成装置本体に対して着脱可能なプロセスカートリッジを有し、
上記プロセスカートリッジに設けられた主基準部を受ける主基準部受け部と、
上記プロセスカートリッジに設けられた従基準部を受ける従基準受け部と、
上記プロセスカートリッジが装置本体に装着されたとき、上記主基準部が、上記主基準受け部に突き当るように上記プロセスカートリッジを押圧する押圧手段とを備えた画像形成装置において、
上記プロセスカートリッジ挿入方向から見たとき、上記押圧手段の上記プロセスカートリッジ押圧方向を、上記押圧手段の上記プロセスカートリッジとの当接位置と上記主基準部の中心とを結んだ線分に対して傾かせたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の画像形成装置において、
上記主基準受け部は、上記主基準部に対して2点接触で受ける構成であり、
上記主基準受け部との接点を接線とする円または円弧状の形状であり、かつ、上記従基準部は、上記プロセスカートリッジ挿入方向から見たとき、上記従基準受け部に対して上記従基準部の中心と上記主基準部の中心とを結んだ線分と平行な方向に相対的に移動可能に構成されており、
上記プロセスカートリッジ挿入方向から見たとき、上記従基準部の中心が、上記主基準受け部の主基準部との一方の接点と主基準部の中心とを結んだ線分と、上記主基準受け部の主基準部との他方の接点と主基準部の中心とを結んだ線分との2等分線の近傍となるように、上記従基準部を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2の画像形成装置において、
上記プロセスカートリッジ挿入方向から見たとき、上記従基準部の中心と上記主基準部の中心とを結んだ線分と、上記2等分線とのなす角度を、30°以下にしたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1乃至3いずれかの画像形成装置において、
上記主基準受け部は、上記主基準部に対して2点接触で受ける構成であり、
上記主基準部は、上記主基準受け部との接点を接線とする円または円弧状の形状であり、
上記プロセスカートリッジ挿入方向から見たとき、上記押圧手段の押圧方向を、上記主基準受け部の主基準部との一方の接点と主基準部の中心とを結んだ線分と、上記主基準受け部の主基準部との他方の接点と主基準部の中心とを結んだ線分との2等分線と平行にしたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1乃至4いずれかの画像形成装置において、
上記プロセスカートリッジを複数備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1乃至5いずれかの画像形成装置において、
上記プロセスカートリッジを装置本体に装着後、締結部材で上記プロセスカートリッジを装置本体に固定したことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−189981(P2012−189981A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−210249(P2011−210249)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】