説明

画像形成装置

【課題】インクカートリッジに残る液体量を低減して廃棄される液体を少なくする。
【解決手段】記録ヘッドに液体を供給するヘッドタンクと、記録ヘッドに供給する液体を収容する交換可能なインクカートリッジと、インクカートリッジからヘッドタンクに液体を送液し、ヘッドタンクからインクカートリッジに液体を逆送する送液手段と、を備え、インクカートリッジのインクが不足した状態で送液動作を実施したときには、送液ポンプをコロがゴムチューブを潰さない状態にして、インクカートリッジからヘッドタンクへの流路を確保し、ヘッドタンクの大気解放機構を開状態にしてヘッドタンク内部を大気開放し、供給チューブ及びインクカートリッジ内の負圧を解消する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置に関し、特に液滴を吐出する記録ヘッドを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、これらの複合機等の画像形成装置として、例えば液滴を吐出する液体吐出ヘッド(液滴吐出ヘッド)からなる記録ヘッドを用いた液体吐出記録方式の画像形成装置としてのインクジェット記録装置が知られている。
【0003】
このような画像形成装置において、記録ヘッドに液体を供給するヘッドタンク(サブタンク、バッファタンクとも称される。)を備え、装置本体側に着脱自在(交換可能)に装着されるメインタンクであるインクカートリッジからヘッドタンクに供給チューブを介して液体を供給する方式のものが知られている。
【0004】
このようなインク供給システムにあっては、インクカートリッジが空になったにもかかわらず送液ポンプを駆動して送液動作が継続されると、インクカートリッジ内とインク供給経路内が負圧になり、インクカートリッジを交換するために取り外したとき供給経路内に空気が混入し、気泡となってヘッドタンクから記録ヘッドに送られて吐出不良を発生することになる。
【0005】
そこで、例えば、メインタンクからヘッドタンクへの送液を行う送液ポンプとして可逆型ポンプを使用し、ポンプを正転駆動することでメインタンクからヘッドタンクにインクを供給し、ポンプを逆転駆動することでヘッドタンクからメインタンクにインクを逆送できるようにして、ヘッドタンク内部の負圧形成と空になったメインタンク及び供給流路の負圧解消を行うようにしたものが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−155446号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した特許文献1に開示されているように、送液ポンプを逆転駆動してヘッドタンクからメインタンクにインクを戻して空になったメインタンク及び供給流路の負圧解消を行う構成では、メインタンクに戻すインク量が多くなり、メインタンクの交換によって無駄に廃棄されるインク量が増加するという課題がある。
【0008】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、メインタンクに残る液体量を低減して廃棄される液体を少なくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、
液滴を吐出する記録ヘッドと、
前記記録ヘッドに液体を供給するヘッドタンクと、
前記記録ヘッドに供給する液体を収容する交換可能なメインタンクと、
前記メインタンクから前記ヘッドタンクに前記液体を送液し、前記ヘッドタンクから前記メインタンクに前記液体を逆送する送液手段と、を備え、
前記ヘッドタンクには内部を大気に開放する大気開放手段が設けられ、
前記送液手段は流路が閉じない状態を有する送液ポンプであり、
前記メインタンクの液体残量が不足した状態で前記送液ポンプによる送液動作を行ったとき、前記送液ポンプを流路が閉じない状態にして、前記ヘッドタンクと前記メインタンクとの間の流路を確保した後、前記ヘッドタンクの大気開放手段を開状態にして前記ヘッドタンク内部を大気開放する制御をする手段を備えている
構成とした。
【0010】
本発明に係る画像形成装置は、
液滴を吐出する記録ヘッドと、
前記記録ヘッドに液体を供給するヘッドタンクと、
前記記録ヘッドに供給する液体を収容する交換可能なメインタンクと、
前記メインタンクから前記ヘッドタンクに前記液体を送液し、前記ヘッドタンクから前記メインタンクに前記液体を逆送する送液手段と、を備え、
前記ヘッドタンクには内部を大気に開放する大気開放手段が設けられ、
前記送液手段は流路が閉じない状態を有しない送液ポンプであり、
前記送液ポンプをバイパスして前記ヘッドタンクと前記インクカートリッジを連通させるバイパス流路と、前記バイパス流路を開閉する開閉手段とが設けられ、
前記メインタンクの液体残量が不足した状態で前記送液ポンプによる送液動作を行ったとき、前記開閉手段を開状態にし、前記バイパス流路を開いた状態にして前記ヘッドタンクと前記メインタンクとの間の流路を確保した後、前記ヘッドタンクの大気開放手段を開状態にして前記ヘッドタンク内部を大気開放する制御をする手段を備えている
構成とした。
【0011】
ここで、前記ヘッドタンクには液面を検知する液面検知手段が設けられ、
前記メインタンクの液体残量が不足した状態で前記送液ポンプによる送液動作が行われたとき、前記液面検知手段が前記液面を検知しているか否かを判別する手段と、
前記判別の結果、前記液面検知手段が前記液面を検知しているときには、前記ヘッドタンクと前記メインタンクとの間の流路を確保した状態にした後前記ヘッドタンク内部を大気に開放する制御を行い、
前記液面検知手段が前記液面を検知していないときには、前記ヘッドタンク内部を大気に開放する制御を行わない
構成とできる。
【0012】
また、前記ヘッドタンク内部を大気に開放する制御を行わないときには、前記ヘッドタンクを大気開放する動作を所定時間規制する構成とできる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る画像形成装置によれば、ヘッドタンクには内部を大気に開放する大気開放手段が設けられ、送液手段は流路を閉じない状態を有する送液ポンプであり、メインタンクの液体残量が不足した状態で送液ポンプによる送液動作を行ったとき、送液ポンプを流路が閉じない状態にしてヘッドタンクとメインタンクとの間の流路を確保した後、ヘッドタンクの大気開放手段を開状態にしてヘッドタンク内部を大気開放する制御をする手段を備えている構成としたので、メインタンクの負圧解消のために戻る液体量が低減し、無駄に廃棄される液体量を少なくできる。
【0014】
本発明に係る画像形成装置によれば、ヘッドタンクには内部を大気に開放する大気開放手段が設けられ、送液手段は流路が閉じない状態を有しない送液ポンプであり、送液ポンプをバイパスしてヘッドタンクとインクカートリッジを連通させるバイパス流路と、バイパス流路を開閉する開閉手段とが設けられ、メインタンクの液体残量が不足した状態で送液ポンプによる送液動作を行ったとき、開閉手段を開状態にし、バイパス流路を開いた状態にしてヘッドタンクとメインタンクとの間の流路を確保した後、ヘッドタンクの大気開放手段を開状態にしてヘッドタンク内部を大気開放する制御をする手段を備えている構成としたので、メインタンクの負圧解消のために戻る液体量が低減し、無駄に廃棄される液体量を少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一例の機構部を説明する側面説明図である。
【図2】同機構部の要部平面説明図である。
【図3】ヘッドタンクの一例を示す模式的平面説明図である。
【図4】同じく図3の模式的正面説明図である。
【図5】本発明の第1実施形態におけるインク供給排出系の説明に供する模式的説明図である。
【図6】同実施形態の送液ポンプの一例を説明する模式的説明図である。
【図7】同装置の制御部を説明する概略ブロック説明図である。
【図8】同実施形態におけるインク充填動作の制御の説明に供するフロー図である。
【図9】本発明の第2実施形態に説明に供するヘッドタンクの液面検知を説明する模式的説明図である。
【図10】同じくヘッドタンクを大気開放したときの液面変位の説明に供する模式的説明図である。
【図11】同実施形態におけるインク充填動作の制御の説明に供するフロー図である。
【図12】本発明の第2実施形態におけるインク供給排出系の説明に供する模式的説明図である。
【図13】同実施形態における送液ポンプの模式的説明図である。
【図14】同実施形態におけるインク充填動作の制御の説明に供するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず、本発明に係る画像形成装置の一例について図1及び図2を参照して説明する。なお、図1は同画像形成装置の全体構成を説明する側面説明図、図2は同装置の要部平面説明図である。
この画像形成装置はシリアル型インクジェット記録装置であり、装置本体1の左右の側板21A、21Bに横架したガイド部材である主従のガイドロッド31、32でキャリッジ33を主走査方向に摺動自在に保持し、後述する主走査モータによってタイミングベルトを介してキャリッジ主走査方向に移動走査する。
【0017】
このキャリッジ33には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出するための液体吐出ヘッドからなる記録ヘッド34a、34b(区別しないときは「記録ヘッド34」という。)を複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
【0018】
記録ヘッド34は、それぞれ2つのノズル列を有し、記録ヘッド34aの一方のノズル列はブラック(K)の液滴を、他方のノズル列はシアン(C)の液滴を、記録ヘッド34bの一方のノズル列はマゼンタ(M)の液滴を、他方のノズル列はイエロー(Y)の液滴を、それぞれ吐出する。
【0019】
また、キャリッジ33には、記録ヘッド34のノズル列に対応して各色のインクを供給するためのヘッドタンク35a、35b(区別しないときは「ヘッドタンク35」という。)を搭載している。このヘッドタンク35には、カートリッジ装填部4に着脱自在に装着される各色のメインタンクであるインクカートリッジ10y、10m、10c、10kから、供給ポンプユニット24によって各色の供給チューブ36を介して、各色のインクが補充供給される。
【0020】
一方、給紙トレイ2の用紙積載部(圧板)41上に積載した用紙42を給紙するための給紙部として、用紙積載部41から用紙42を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)43及び給紙コロ43に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド44を備え、この分離パッド44は給紙コロ43側に付勢されている。
【0021】
そして、この給紙部から給紙された用紙42を記録ヘッド34の下方側に送り込むために、用紙42を案内するガイド部材45と、カウンタローラ46と、搬送ガイド部材47と、先端加圧コロ49を有する押さえ部材48とを備えるとともに、給送された用紙42を静電吸着して記録ヘッド34に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト51を備えている。
【0022】
この搬送ベルト51は、無端状ベルトであり、搬送ローラ52とテンションローラ53との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。また、この搬送ベルト51の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ56を備えている。この帯電ローラ56は、搬送ベルト51の表層に接触し、搬送ベルト51の回動に従動して回転するように配置されている。この搬送ベルト51は、後述する副走査モータによってタイミングを介して搬送ローラ52が回転駆動されることによってベルト搬送方向に周回移動する。
【0023】
さらに、記録ヘッド34で記録された用紙42を排紙するための排紙部として、搬送ベルト51から用紙42を分離するための分離爪61と、排紙ローラ62及び排紙コロである拍車63とを備え、排紙ローラ62の下方に排紙トレイ3を備えている。
【0024】
また、装置本体1の背面部には両面ユニット71が着脱自在に装着されている。この両面ユニット71は搬送ベルト51の逆方向回転で戻される用紙42を取り込んで反転させて再度カウンタローラ46と搬送ベルト51との間に給紙する。また、この両面ユニット71の上面は手差しトレイ72としている。
【0025】
さらに、キャリッジ33の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド34のノズルの状態を維持し、回復するための維持回復機構81を配置している。この維持回復機構81には、記録ヘッド34の各ノズル面をキャピングするための各キャップ部材(以下「キャップ」という。)82a、82b(区別しないときは「キャップ82」という。)と、ノズル面をワイピングするためのワイパ部材(ワイパブレード)83と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け84と、キャリッジ33をロックするキャリッジロック87などとを備えている。また、このヘッドの維持回復機構81の下方側には維持回復動作によって生じる廃液を収容するための廃液タンク100が装置本体に対して交換可能に装着される。
【0026】
また、キャリッジ33の走査方向他方側の非印字領域には、記録中などに増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け88を配置し、この空吐出受け88には記録ヘッド34のノズル列方向に沿った開口部89などを備えている。
【0027】
このように構成したこの画像形成装置においては、給紙トレイ2から用紙42が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙42はガイド45で案内され、搬送ベルト51とカウンタローラ46との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド37で案内されて先端加圧コロ49で搬送ベルト51に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
【0028】
このとき、帯電ローラ56に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト51が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト51上に用紙42が給送されると、用紙42が搬送ベルト51に吸着され、搬送ベルト51の周回移動によって用紙42が副走査方向に搬送される。
【0029】
そこで、キャリッジ33を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド34を駆動することにより、停止している用紙42にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙42を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙42の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙42を排紙トレイ3に排紙する。
【0030】
そして、記録ヘッド34のノズルの維持回復を行うときには、キャリッジ33をホーム位置である維持回復機構81に対向する位置に移動して、キャップ部材82によるキャッピングを行ってノズルからの吸引を行うノズル吸引、画像形成に寄与しない液滴を吐出する空吐出などの維持回復動作を行うことにより、安定した液滴吐出による画像形成を行うことができる。
【0031】
次に、ヘッドタンク35の一例について図3及び図4を参照して説明する。なお、図3は同ヘッドタンクの1つのヘッド分の模式的上面説明図、図4は同ヘッドタンクの1つのヘッド分の模式的正面説明図である。
ヘッドタンク35は、インクを保持するための一側部が開口したインク収容部202を形成するタンクケース201を有し、このタンクケース201の開口部は可撓性フィルム203で密閉し、タンクケース201内に配置した弾性部材としてのバネ204によってフィルム203を常時外方へ付勢している。これにより、タンクケース201のフィルム203がバネ204によって外方への付勢力が作用しているので、タンクケース201内のインク残量が減少することによって負圧が発生する。
【0032】
また、タンクケース201の外側には、一端部を支軸202で揺動可能に支持され、タンクケース201側に向けて付勢されている変位部材である検知フィラ205がフィルム状部材203に接着などで固定されている。
【0033】
これにより、フィルム状部材203の動きに連動して検知フィラ205が変位するので、装置本体側に配置された光学センサからなる検知センサ301によって検知フィラ205の変位量を検知することによりヘッドタンク35内のインク残量などを検知することができる。
【0034】
また、タンクケース201の上部には、インクカートリッジ10からインクを供給するための供給口部209があり、供給チューブ36に接続されている。また、タンクケース201の側部には、ヘッドタンク35内を大気に開放する大気開放機構207が設けられている。この大気開放機構207は、ヘッドタンク35内に連通する大気開放路207aを開閉する弁体207b及びこの弁体207bを閉弁状態に付勢するスプリング207cなどを備え、装置本体側の大気開放ソレノイド302によって弁体207bを押すことで開弁されて、ヘッドタンク35内に大気開放状態(大気に連通した状態)になる。
【0035】
また、ヘッドタンク35内のインク残量を検出するための電極ピン208aと208bが取り付けられている。インクは電導性を持っており、電極ピン208aと208bの所までインクが到達すると、電極ピン208aと208b間に電流が流れて両者の抵抗値が変化するため、インク液面高さが所定高さ以下になった、すなわち、ヘッドタンク35の空気量が所定量以上になった、或いは、ヘッドタンク35の液体残量が所定量以下になったことを検出することができる。
【0036】
次に、本発明の第1実施形態におけるインク供給排出系について図5を参照して説明する。
まず、インクカートリッジ(メインタンク)10からヘッドタンク35に対するインク供給は、供給ユニット24の送液手段である送液ポンプ241によって供給チューブ36を介して行なわれる。なお、供給ポンプ241は、チューブポンプなどで構成した可逆型ポンプであり、インクカートリッジ10からヘッドタンク35にインクを供給する送液動作と、ヘッドタンク35からインクカートリッジ10にインクを戻す逆送動作とを行なえるようにしている。
【0037】
また、維持回復機構81は、前述したように記録ヘッド34のノズル面をキャッピングする吸引キャップ82aと、吸引キャップ82aに接続された吸引ポンプ812を有し、キャップ82aでキャッピングした状態で吸引ポンプ812を駆動することで吸引チューブ811を介してノズルからインクを吸引することによってヘッドタンク35内のインクを吸引することができる。なお、吸引された廃インクは廃液タンク100に排出される。
【0038】
また、装置本体側にはヘッドタンク35の大気開放機構207を開閉する押圧部材である大気開放ソレノイド302が配設され、この大気開放ソレノイド302を作動させることで大気開放機構207を開放することができる。さらに、装置本体側にはヘッドタンク35の検知フィラ205を検知する光学センサからなるセンサ301が設けられている。
【0039】
次に、可逆型ポンプとしての送液ポンプ241について図6を参照して説明する。なお、図6は同ポンプの模式的説明図である。
この送液ポンプ241は、チューブポンプであり、ポンプ内部には送液用のゴムチューブ242が這いまわされ、ゴムチューブ242をポンプ内部に内蔵されているコロ243で局所的に潰し、コロ243を回転させることによって潰したポイントを回転方向に移動させることで、コロ243の回転方向にインクが送液される。
【0040】
具体的には、インクカートリッジ10からヘッドタンク35へインクを送液するときは、コロ243を矢印Aの回転方向に回転させる。また、ヘッドタンク35からインクカートリッジ10にインクを逆送するときには、コロ243を矢印Aと反対方向の回転方向に回転させる。
【0041】
そして、この送液ポンプ241は、コロ243が図6の位置に停止しているとき、コロ243がゴムチューブ242を潰さないために、ゴムチューブ242が常に開放された状態、すなわち、インクカートリッジ10とヘッドタンク35との間の流路が閉じられない状態とすることができ、インクカートリッジ10とヘッドタンク35との間の流路を確保した状態とすることができる。
【0042】
次に、この画像形成装置の制御部の概要について図7を参照して説明する。なお、同図は同制御部のブロック説明図である。
この制御部500は、この装置全体の制御を司るCPU501と、CPU501に本発明に係る制御を実行させるプログラムを含むプログラム、その他の固定データを格納するROM502と、画像データ等を一時格納するRAM503と、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための書き換え可能な不揮発性メモリ504と、画像データに対する各種信号処理、並び替え等を行う画像処理やその他装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC505とを備えている。
【0043】
また、記録ヘッド34を駆動制御するためのデータ転送手段、駆動信号発生手段を含む印刷制御部508と、キャリッジ33側に設けた記録ヘッド34を駆動するためのヘッドドライバ(ドライバIC)509と、キャリッジ33を移動走査する主走査モータ554、搬送ベルト51を周回移動させる副走査モータ555、維持回復機構81の維持回復モータ556を駆動するためのモータ駆動部510と、帯電ローラ56にACバイアスを供給するACバイアス供給部511と、ヘッドタンク35の大気開放機構207を開閉する大気開放ソレノイド302を駆動するソレノイド駆動部512と、送液ポンプ241を駆動するポンプ駆動部516と、インクカートリッジ10に設けられて不揮発性メモリ(ここでは、EEPROM)521に対するデータの読み出し及び書き込みのための通信を行うカートリッジ通信部522などを備えている。
【0044】
また、この制御部500には、この装置に必要な情報の入力及び表示を行うための操作パネル514が接続されている。
【0045】
この制御部500は、ホスト側とのデータ、信号の送受を行うためのI/F506を持っていて、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置、イメージスキャナなどの画像読み取り装置、デジタルカメラなどの撮像装置などのホスト600側から、ケーブル或いはネットワークを介してI/F506で受信する。
【0046】
そして、制御部500のCPU501は、I/F506に含まれる受信バッファ内の印刷データを読み出して解析し、ASIC505にて必要な画像処理、データの並び替え処理等を行い、この画像データを印刷制御部508からヘッドドライバ509に転送する。なお、画像出力するためのドットパターンデータの生成はホスト600側のプリンタドライバ601で行っている。
【0047】
印刷制御部508は、上述した画像データをシリアルデータで転送するとともに、この画像データの転送及び転送の確定などに必要な転送クロックやラッチ信号、制御信号などをヘッドドライバ509に出力する以外にも、ROMに格納されている駆動パルスのパターンデータをD/A変換するD/A変換器及び電圧増幅器、電流増幅器等で構成される駆動信号生成部を含み、1の駆動パルス或いは複数の駆動パルスで構成される駆動信号をヘッドドライバ509に対して出力する。
【0048】
ヘッドドライバ509は、シリアルに入力される記録ヘッド34の1行分に相当する画像データに基づいて印刷制御部508から与えられる駆動信号を構成する駆動パルスを選択的に記録ヘッド33の液滴を吐出させるエネルギーを発生する駆動素子(例えば圧電素子)に対して印加することで記録ヘッド33を駆動する。このとき、駆動信号を構成する駆動パルスを選択することによって、例えば、大滴、中滴、小滴など、大きさの異なるドットを打ち分けることができる。
【0049】
I/O部513は、装置に装着されている各種のセンサ群515からの情報を取得し、プリンタの制御に必要な情報を抽出し、印刷制御部508やモータ制御部510、ACバイアス供給部511の制御に使用する。センサ群515は、用紙の位置を検出するための光学センサや、機内の温度、湿度を監視するためのサーミスタ、帯電ベルトの電圧を監視するセンサ、カバーの開閉を検出するためのインターロックスイッチなどがあり、I/O部513は様々のセンサ情報を処理することができる。このI/O部513に入力されるセンサ群515には、前述したヘッドタンク35の検知フィラ205を検知する検知センサ301、検知電極ピン208a、208bなどの信号も入力される。
【0050】
また、この制御部500は、時間を計測する計時手段520を備えている。
【0051】
次に、本発明の第1実施形態におけるインク充填動作の制御について図8のフロー図を参照して説明する。
まず、送液ポンプ241を正転駆動して、インクカートリッジ10からヘッドタンク35にインクを送液し、ヘッドタンク35へのインク充填を開始する。ここで、インクカートリッジ10のインクが不足した状態で送液動作を実施したか否かを判別する。
【0052】
ここで、インクカートリッジ10のインクが不足した状態で送液動作を実施したのでなければ、インク充填動作を終了する。
【0053】
これに対し、インクカートリッジ10のインクが不足した状態で送液動作を実施したときには、送液ポンプ241を前述したようにコロ243がゴムチューブ232を潰さない状態、即ち流路が開いた状態にして、インクカートリッジ10からヘッドタンク35への流路を確保する。
【0054】
その後、ヘッドタンク35の大気開放機構207を開状態にしてヘッドタンク35内部を大気開放する。これによって、インクカートリッジ10からヘッドタンク35への流路を確保されているので、ヘッドタンク35内部が大気に開放されることで、供給チューブ36及びインクカートリッジ10内の負圧が解消される。
【0055】
そして、ヘッドタンク35の大気開放機構207を閉状態にした後、インクカートリッジ10の交換を促すメッセージを操作パネル514の表示部などに表示して、インク充填を終了する。
【0056】
このように、メインタンクの液体残量が不足した状態で送液ポンプによる送液動作を行ったとき、送液ポンプを流路が閉じない状態にしてヘッドタンクとメインタンクとの間の流路を確保した後、ヘッドタンクの大気開放手段を開状態にしてヘッドタンク内部を大気開放する制御をすることで、ヘッドタンク、供給経路及びメインタンクの負圧が解消されるので、メインタンクの負圧解消のために戻る液体量が低減して、無駄に廃棄される液体量を少なくできる。
【0057】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
まず、ヘッドタンク35の液面検出について図9を参照して説明する。前述したように、ヘッドタンク35には電極ピン208a、208bが設けられている。ここで、図9(a)に示すように、インク300が2つの電極ピン208a、208b(208で図示)に接触しているときには電流が流れて液面が検知され、図9(b)に示すように、インク300が2つの電極ピン208a、208b(208で図示)に接触していないときには電流が流れないので液面が検知されない。
【0058】
次に、ヘッドタンク35の液面と供給口部209との関係について図10を参照して説明する。
図10(a)に示すように、供給口部209の下端開口(供給口)がインク300内に浸されている状態では、供給口部209内にヘッドタンク35内の空気が侵入することはない。
【0059】
ここで、前述した第1実施形態で説明したように、インクカートリッジ10や供給経路(供給チューブ36)が負圧になった状態で、図10(a)に示すように、インク300の液面が電極ピン208a、208bに接触し、液面を検知しているときに、大気開放弁207を開放すると、インクカートリッジ10等の負圧とヘッドタンク35の大気開放によるヘッドタンク35の容積の拡大によって、図10(b)に示すように、インク300の液面が下降する。
【0060】
このとき、インク300の液面が供給口部209の下端供給口よりも下になると、供給口部209内に空気が引き込まれることになり、その後にインク供給を行った場合にヘッドタンク35内に気泡が発生してしまうことになる。
【0061】
そこで、本実施形態では、インクカートリッジ10や供給経路が負圧になった状態であっても、ヘッドタンク35の電極ピン208a、208bが液面を検知していないときには、所定時間ヘッドタンク35の大気開放を行わない制御をする。
【0062】
本実施形態におけるインク充填動作の制御について図11のフロー図を参照して説明する。
まず、送液ポンプ241を正転駆動して、インクカートリッジ10からヘッドタンク35にインクを送液し、ヘッドタンク35へのインク充填を開始する。そして、インクカートリッジ10のインクが不足した状態で送液動作を実施したか否かを判別する。
【0063】
ここで、インクカートリッジ10のインクが不足した状態で送液動作を実施したのでなければ、インク充填動作を終了する。
【0064】
これに対し、インクカートリッジ10のインクが不足した状態で送液動作を実施したときには、電極ピン208a、208bでインク液面を検知しながらの充填動作か否かを判別する。
【0065】
そして、電極ピン208a、208bでインク液面を検知しながらの充填動作であれば、送液ポンプ241を前述したようにコロ243がゴムチューブ232を潰さない状態、即ち流路が開いた状態にして、インクカートリッジ10からヘッドタンク35への流路を確保する。
【0066】
その後、ヘッドタンク35の大気開放機構207を開状態にしてヘッドタンク35内部を大気開放する。これによって、インクカートリッジ10からヘッドタンク35への流路を確保されているので、ヘッドタンク35内部が大気に開放されることで、供給チューブ36及びインクカートリッジ10内の負圧が解消される。
【0067】
そして、ヘッドタンク35の大気開放機構207を閉状態にした後、インクカートリッジ10の交換を促すメッセージを操作パネル514の表示部などに表示して、インク充填を終了する。
【0068】
これに対し、インクカートリッジ10のインクが不足した状態で送液動作を実施したときで、かつ、電極ピン208a、208bでインク液面を検知しながらの充填動作でないときには、所定時間、例えば24時間の間、大気開放機構207を大気開放状態にすることを規制(禁止)した後、インクカートリッジ10の交換を促すメッセージを操作パネル514の表示部などに表示して、インク充填を終了する。
【0069】
これにより、ヘッドタンクが大気開放されてヘッドタンクの供給口部からの空気の吸い込まれることを防止できる。
【0070】
次に、本発明の第3実施形態について図12を参照して説明する。なお、図12は同実施形態におけるインク供給排出系の模式的説明図である。
本実施形態では、送液ポンプ441として、流路を閉じない状態を有しないチューブポンプを使用している。この送液ポンプ441は、例えば、図13に示すように、軸710によって回転する回転部材711に設けられた複数(この例は3個)のコロ712を備え、回転部材711を回転することによってコロ712で供給チューブ36を扱くことで送液及び逆送を行うことができるチューブポンプであり、常にいずれかのコロ712が供給チューブ36を押圧して潰しているため、流路を閉じない状態を採ることができない。
【0071】
そして、この送液ポンプ441をバイパスするバイパス流路442を送液ポンプ441の上流側(インクカートリッジ10側)と下流側(ヘッドタンク35側)に切替部443、444を介して接続している。これにより、切替部443、444をバイパス流路442側に切り替えることで、インクカートリッジ10とヘッドタンク35との間の流路を確保することができる。
【0072】
次に、本実施形態におけるインク充填動作の制御について図14のフロー図を参照して説明する。
まず、送液ポンプ241を正転駆動して、インクカートリッジ10からヘッドタンク35にインクを送液し、ヘッドタンク35へのインク充填を開始する。そして、インクカートリッジ10のインクが不足した状態で送液動作を実施したか否かを判別する。
【0073】
ここで、インクカートリッジ10のインクが不足した状態で送液動作を実施したのでなければ、インク充填動作を終了する。
【0074】
これに対し、インクカートリッジ10のインクが不足した状態で送液動作を実施したときには、切替部443、444をバイパス流路442側に切り替えることでインクカートリッジ10とヘッドタンク35との間の流路を確保する。
【0075】
その後、ヘッドタンク35の大気開放機構207を開状態にしてヘッドタンク35内部を大気開放する。これによって、インクカートリッジ10からヘッドタンク35への流路を確保されているので、ヘッドタンク35内部が大気に開放されることで、供給チューブ36及びインクカートリッジ10内の負圧が解消される。
【0076】
そして、ヘッドタンク35の大気開放機構207を閉状態にし、切替部443、444を送液ポンプ441側に切替えた後、インクカートリッジ10の交換を促すメッセージを操作パネル514の表示部などに表示して、インク充填を終了する。
【0077】
このように、メインタンクの液体残量が不足した状態で送液ポンプによる送液動作を行ったとき、送液ポンプをバイパスするバイパス流路側に切り替えてヘッドタンクとメインタンクとの間の流路を確保した後、ヘッドタンクの大気開放手段を開状態にしてヘッドタンク内部を大気開放する制御をすることで、ヘッドタンク、供給経路及びメインタンクの負圧が解消されるので、メインタンクの負圧解消のために戻る液体量が低減して、無駄に廃棄される液体量を少なくできる。
【0078】
なお、本願において、「用紙」とは材質を紙に限定するものではなく、OHP、布、ガラス、基板などを含み、インク滴、その他の液体などが付着可能なものの意味であり、被記録媒体、記録媒体、記録紙、記録用紙などと称されるものを含む。また、画像形成、記録、印字、印写、印刷はいずれも同義語とする。
【0079】
また、「画像形成装置」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味し、また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与すること(単に液滴を媒体に着弾させること)をも意味する。
【0080】
また、「インク」とは、特に限定しない限り、インクと称されるものに限らず、記録液、定着処理液、液体などと称されるものなど、画像形成を行うことができるすべての液体の総称として用い、例えば、DNA試料、レジスト、パターン材料、樹脂なども含まれる。
【0081】
また、「画像」とは平面的なものに限らず、立体的に形成されたものに付与された画像、また立体自体を三次元的に造形して形成された像も含まれる。
【0082】
また、画像形成装置には、特に限定しない限り、シリアル型画像形成装置及びライン型画像形成装置のいずれも含まれる。
【符号の説明】
【0083】
10 インクカートリッジ(メインタンク)
33 キャリッジ
34、34a、34b 記録ヘッド(液体吐出ヘッド)
35 ヘッドタンク
36 供給チューブ
81 維持回復機構
241 送液ポンプ
441 送液ポンプ
442 バイパス流路
500 制御部
600 ホスト(情報処理装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液滴を吐出する記録ヘッドと、
前記記録ヘッドに液体を供給するヘッドタンクと、
前記記録ヘッドに供給する液体を収容する交換可能なメインタンクと、
前記メインタンクから前記ヘッドタンクに前記液体を送液し、前記ヘッドタンクから前記メインタンクに前記液体を逆送する送液手段と、を備え、
前記ヘッドタンクには内部を大気に開放する大気開放手段が設けられ、
前記送液手段は流路が閉じない状態を有する送液ポンプであり、
前記メインタンクの液体残量が不足した状態で前記送液ポンプによる送液動作を行ったとき、前記送液ポンプを流路が閉じない状態にして前記ヘッドタンクと前記メインタンクとの間の流路を確保した後、前記ヘッドタンクの大気開放手段を開状態にして前記ヘッドタンク内部を大気開放する制御をする手段を備えている
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
液滴を吐出する記録ヘッドと、
前記記録ヘッドに液体を供給するヘッドタンクと、
前記記録ヘッドに供給する液体を収容する交換可能なメインタンクと、
前記メインタンクから前記ヘッドタンクに前記液体を送液し、前記ヘッドタンクから前記メインタンクに前記液体を逆送する送液手段と、を備え、
前記ヘッドタンクには内部を大気に開放する大気開放手段が設けられ、
前記送液手段は流路を閉じない状態を有しない送液ポンプであり、
前記送液ポンプをバイパスして前記ヘッドタンクと前記インクカートリッジを連通させるバイパス流路と、前記バイパス流路を開閉する開閉手段とが設けられ、
前記メインタンクの液体残量が不足した状態で前記送液ポンプによる送液動作を行ったとき、前記開閉手段を開状態にし、前記バイパス流路を開いた状態にして前記ヘッドタンクと前記メインタンクとの間の流路を確保した後、前記ヘッドタンクの大気開放手段を開状態にして前記ヘッドタンク内部を大気開放する制御をする手段を備えている
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記ヘッドタンクには液面を検知する液面検知手段が設けられ、
前記メインタンクの液体残量が不足した状態で前記送液ポンプによる送液動作が行われたとき、前記液面検知手段が前記液面を検知しているか否かを判別する手段と、
前記判別の結果、前記液面検知手段が前記液面を検知しているときには、前記ヘッドタンクと前記メインタンクとの間の流路を確保した状態にした後前記ヘッドタンク内部を大気に開放する制御を行い、
前記液面検知手段が前記液面を検知していないときには、前記ヘッドタンク内部を大気に開放する制御を行わない
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ヘッドタンク内部を大気に開放する制御を行わないときには、前記ヘッドタンクを大気開放する動作を所定時間規制することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−236278(P2012−236278A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−104827(P2011−104827)
【出願日】平成23年5月10日(2011.5.10)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 22年11月4日発行日の刊行物の翻訳文提出書類の提出がないため記載しない
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成22年12月6日 超音波エレクトロニクスの基礎と応用に関するシンポジウム論文委員会発行の「超音波エレクトロニクスの基礎と応用に関するシンポジウム論文集, 第31巻」に発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成23年1月31日 圧電材料・デバイスシンポジウム運営委員会発行の「圧電材料・デバイスシンポジウム2011講演論文集」に発表
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】