説明

画像形成装置

【課題】別部材を追加して組立工程を増やすことなく、画像形成装置側面に設けられた凹形状の把持部に滑り止めを設けることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】側面カバー20に凹形状の把持部21を儲け、当該把持部の上面に挿入孔22を備える。さらに、側面カバーと連結される連結部材に下方を向けて突出する突起31を備え、側面カバーと連結部材を連結する際に挿入孔に突起を上方から挿入し、把持部上面に滑り止めの役割を果たす突起を突出させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合機、プリンタ、スキャナー、あるいはファクシミリなどの画像形成装置に関し、特に、持ち上げて運搬や移動等を行うために把持部を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置の側面カバーに手掛用の凹部を設けて把持部の役割を果たさせるものが知られている。手掛用凹部の指を掛ける面には、指が滑らないように突起等を設けて指が引っかかりやすくすることが望ましい。しかし、手掛け用の凹部の内側に指を引っ掛けるような突起を設けると、カバー成形時の型抜き時に、突起が成形用の型と引っかかってしまう。そのため、手掛用凹部に滑り止め用の突起を設けることは困難であった。
【0003】
そこで、カバー成形後に手掛用凹部に別部材の滑止部材を設けるという画像形成装置が特許文献1に記載してある。滑止部材を手掛用凹部に設けることにより、手掛用凹部を持って画像形成装置を移動するときに、手掛用凹部で指が滑らないようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−189752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような画像形成装置では、手掛用凹部に滑り止めを設けるために、手掛用凹部に別部材の滑止部材を追加して組み立てなければならない。そのため、画像形成装置の組み立て時の組立工程が増えてしまい、手間がかかってしまうという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、組み立て時の組立工程を増やすことなく、手掛用凹部に滑り止めを設けることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために請求項1に記載の発明は、画像形成装置の側面の外装を形成する側面カバーと、前記側面カバーと連結される連結部材と、前記側面カバーに設けられ、前記画像形成装置の内側に向けて凹んだ凹形状に形成された把持部と、前記把持部の上面に設けられた挿入孔と、前記連結部材に設けられ、前記連結部材から下方に向けて突出した突起と、を有し、前記側面カバーと前記連結部材を連結すると、前記突起は、前記挿入孔の上方から挿入され、前記把持部上面から下方に向けて突出することを特徴している。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記連結部材は、前記突起を複数有し、前記複数の突起は、前記把持部の凹形状の縁と略平行に並んで配置されることを特徴としている。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記把持部は、前記挿入孔を複数有し、前記連結部材を前記側面カバーに連結するときに、前記複数の突起が前記複数の挿入孔にそれぞれ挿入されることを特徴としている。
【0010】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明において、前記側面カバーとして、互いに対向して配置される第1側面カバーと第2側面カバーとを有し、前記連結部材は、第1端で前記第1側面カバーと連結され、第2端で前記第2側面カバーと連結されることを特徴としている。
【0011】
また、請求項5に記載の発明は、請求項2から請求項4のいずれかに記載の発明において、前記複数の突起のうち、隣合う突起と突起の間隔は、ユーザが前記把持部に手を入れたときにユーザの指が突起と突起との間から抜けない第1の所定の間隔以内であることを特徴としている。
【0012】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の発明において、前記把持部の上面の最も内側と前記挿入孔との間隔はユーザが手を入れたときに前記把持部の上面の最も内側と前記挿入孔との間に指が入る第2の所定の間隔以上であることを特徴としている。
【0013】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の発明において、前記側面カバーは、下よりも上のほうが画像形成装置の外側に傾斜している傾斜面を有し、前記把持部は、前記傾斜面に設けられていることを特徴としている。
【0014】
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、前記側面カバーは前記画像形成装置の設置面に対して垂直に延びる水平面を有し、前記傾斜面は前記水平面の上端に連続して設けられていることを特徴としている
また、請求項9に記載の発明は、請求項1から8のいずれかに記載の発明において、前記画像形成装置の上方には、画像読み取り部が設けられていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の発明によれば、側面カバーの把持部に挿入孔を設け、側面カバーと連結する連結部材に設けた突起を挿入孔に挿入することによって、把持部の上面から突起を突出させる構成としている。これによって、把持部を持って画像形成装置を運ぶときに、把持部の上面から突出した突起を把持部の滑り止めとすることができるので、別部材を設けることなく、把持部に滑り止めを設けることができる。さらに、挿入孔と突起で側面カバーと連結部材を連結しているので、組み付け時の固定のための仮位置決めや把持部を持つときに把持部の引っ張り方向へのたわみも防止することができる。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、突起を複数有することによって、把持部をもつときに突起が指に引っかかりやすくなり、より滑り止めとしての効果を奏するので、把持部を持ちやすくなる。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、複数の突起に対して複数の挿入孔を有するので、挿入孔が一つのときよりも挿入孔のサイズを小さくすることができるので、挿入孔の強度を増すことができる。これによって、把持部の引っ張り方向へのたわみをより防止することができる。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、連結部材が両側面に備えられる側面カバーと連結するように設けられているので、側面カバーの組み付けが容易になる。
【0019】
請求項5に記載の発明によれば、ユーザが把持部に手をかけたときに突起と突起の間から指が抜けないように、隣合う突起と突起の間隔を第1の所定の間隔以下にしたので、突起と突起の間に指を配置したときに、指の幅のほうが突起と突起の間隔より広いので、指に突起が引っかかりやすくなり、より滑り止めの効果を奏する。
【0020】
請求項6に記載の発明によれば、ユーザが把持部に手を掛けたときに前記把持部上面の最も内側と前記突起との間に指が入る構成としたので、把持部内で最も内側にある面と突起の間に指を入れるスペースを確保することができるので、より指が滑りにくくなり把持部を持ちやすくなる。
【0021】
請求項7に記載の発明によれば、側面カバーに設けられた傾斜面に把持部を有する構成としているので、把持部に指を掛けやすく、安定して画像形成装置を持つことができる。
【0022】
請求項8に記載の発明によれば、傾斜面を水平面よりも上側に設けたので、より画像形成装置を持ちやすくなる。
【0023】
請求項9に記載の発明によれば、画像形成装置の上部に画像読取部を備える画像形成装置において、把持部を有していることにより、画像読取部を持って画像形成装置を移動することを防止することができ、移動中に画像読取部が画像形成装置に対して回動し、その反動で画像形成装置を落としてしまうなどの危険を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】第1の実施形態に係る画像形成装置の斜視図である。
【図2】第1の実施形態に係る画像形成装置の中央断面図である。
【図3】第1の実施形態に係る画像形成装置の左側面図である。
【図4】図3の把持部のA−A断面図である。
【図5】第1の実施形態に係る側面カバーの斜視図である。
【図6】第1の実施形態に係る上面カバーの斜視図である。
【図7】第1の実施形態に係る側面カバーと上面カバーの組み付け図である。
【図8】第2の実施形態に係る画像形成装置の斜視図である。
【図9】第2の実施形態に係る画像形成装置の左側面図である。
【図10】第2の実施形態に係る側面カバーと本体フレームの組み付け図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明では、まず、画像形成装置1の概略構成について説明する。
【0026】
図1に第1の実施形態に係る画像形成装置1の斜視図を示し、図2に図1の画像形成装置1の中央断面図を示す。また、以下の説明において、方向は、画像形成装置1を使用するユーザを基準にした方向で説明する。すなわち、図2における右側を「前」、左側を「後ろ」とし、手前側を「左」、奥側を「右」とする。また、図2における上下方向を「上下」とする。
<画像形成装置の概略構成>
図1、図2に示すように、画像形成装置1は、用紙に画像形成(印刷)可能に構成されている。本体筐体2は、画像形成部4と、読取部5と給紙トレイ7と排紙トレイ8とを主に備えている。さらに、画像形成装置1の側面には把持部21が備えられており、側面の上方が左右方向に広がっている形状をしている。
【0027】
給紙トレイ7は本体筐体2の下方に設けられている。給紙トレイ7に収容された用紙は、給紙機構32によって画像形成部4に供給される。
【0028】
画像形成部4は、露光装置10と、プロセスユニット11と、転写ローラ12と、定着装置13とを主に備えている。
【0029】
読取部5はフラットベット式であって、排紙トレイ8の上方に設けられている。読取部5の上方には開閉可能な上部カバー6を備えている。読取部5はイメージセンサを有しており、このイメージセンサを操作することによってセットされた原稿の情報を読み取ることができる。
【0030】
露光装置10は、本体筐体2内に設けられ、図示しないレーザ光源、ポリゴンミラー、レンズ、反射鏡などを備えている。画像データに基づいてレーザ光源から出射されたレーザ光は、ポリゴンミラーや反射鏡で反射され、レンズを通過して、各感光体ドラム11Aの表面で高速走査される。
【0031】
プロセスユニット11は、給紙トレイ7と露光装置10との間に配置され、感光体ドラム11A、帯電器11B、現像ローラ11C、供給ローラ11D、トナー収容部11Eなどを主に備えている。
【0032】
転写ローラ12は、給紙トレイ7とプロセスユニット11との間に設けられている。
【0033】
定着装置13は、用紙上に転写されたトナー像(現像剤像)を熱定着する装置であり、プロセスユニット11の後方に設けられている。この定着装置13は、加熱ローラ13Aと、加熱ローラ13Aと対向配置させて、加熱ローラ13Aを押圧する加圧ローラ13Bとを主に備えている。
【0034】
画像形成部4では、感光体ドラム11Aの表面が、帯電器11Bにより一様に帯電された後、露光装置10からのレーザ光によって露光されることで、感光体ドラム11A上に画像データに基づく静電潜像が形成される。そして、トナー収容部11E内のトナーが、供給ローラ11Dおよび現像ローラ11Cを介して感光体ドラム11A上の静電潜像に供給されることで、静電潜像が可視像化されて感光体ドラム11A上にトナー像が形成される。
【0035】
用紙が感光体ドラム11Aと転写ローラ12との間を搬送されると、感光体ドラム11A上に形成されたトナー像が用紙上に転写される。そして、用紙が加熱ローラ13Aと加圧ローラ13Bとの間を搬送されることで、用紙上に転写されたトナー像が熱定着される。画像が形成された用紙は排紙トレイ8にむけて搬送され、排紙トレイ8上に排紙される
<把持部の構成>
次に本発明の把持部21の構成について詳しく説明する。
【0036】
図3は、画像形成装置1の左側面図である。画像形成装置1は、画像形成装置1の両側面に外装を形成する一対の側面カバー20を有する。一対の側面カバー20は、画像形成装置1の右側面と左側面に対向するように配置されている。右側面と左側面は左右対称となっており、ほぼ同一の形状となるため、左側面について詳細に説明し、右側面の詳細な説明は省略する。側面カバー20は、装置の設置面に対して略垂直に接している面20A(請求項に記載の水平面の一例)と、側面カバー20の上方が下方より外側に広がるように、外側に傾斜している傾斜面20Bとを備えている。さらに、傾斜面20Bの上下方向における上端部付近かつ前後方向における中央部には、把持部21が設けられている。
【0037】
把持部21は、側面カバー20が画像形成装置1の内側に凹んだ凹形状に形成されており、図4に示すように、把持部21の上方からは上面カバー30(請求項1に記載の連結部材の一例)に設けられた複数の突起31が把持部21の凹形状の縁と略平行な方向、すなわち、前方から後方へ水平方向に並んで突出している。
【0038】
把持部21は、把持部上面21Aと、把持部下面21Bと、把持部側面21Cと、を備えている。
【0039】
把持部上面21Aには、把持部21の縁から画像形成装置1の内側に向けて緩やかに下る勾配が備えられている。把持部下面21Bには、把持部21の縁から画像形成装置1の内側に向けて緩やかに上る勾配が備えられている。言い換えると、把持部21は、把持部21の最も内側に設けられた把持部側面21Cから把持部21の縁へ向かうにつれて次第に拡がる形状になっている。
【0040】
把持部上面21Aには、図5に示すように、複数の挿入孔22(後で詳細に説明する)が設けられており、把持部上面21Aと把持部側面21Cとを連結する位置を把持部最深部21Dとする。
【0041】
上面カバー30は、複数の突起31を備えており、挿入孔22に突起31を挿入することで側面カバー20と連結する。把持部上面21Aから下方に向かって突出した突起31は、把持部最深部21Dより画像形成装置1の外側に10mm(請求項に記載の第2の所定の間隔の一例)以上離して設けられている。10mmというのは、ユーザが把持部21に指を掛けるときに、突起31から把持部最深部21Dの間に指を引っ掛けるために必要なスペースであり、一般的な人の指先の大きさである。
【0042】
把持部上面21Aには、複数の挿入孔22が把持部21の縁と略平行、すなわち、前後方向に水平に並んで設けられている。挿入孔22は、把持部最深部21Dから10mm以上外側に設けられている。また、複数の挿入孔22の隣合う挿入孔22と挿入孔22の間隔は10mm以内になるように設けられている。このように構成することで、挿入孔22に突起31を挿入したときに隣合う突起31と突起31の間隔を10mm(請求項に記載の第1の所定の間隔の一例)以内にすることができる。10mmというのは、一般の人の指の幅程度の間隔であり、突起31に指を引っ掛けやすくするために、突起31と突起31の間隔は指の幅よりも狭くなっている。このような構成にすることで、突起31と突起31の間に指を配置したときでも、突起31を指に引っ掛けることができる。
【0043】
側面カバー20の前方と後方にはネジ孔23(図5には前方のネジ孔23のみ図示している)が設けられている。
【0044】
図6は、画像形成部4と読取部5との間に設けられ、排紙トレイ8が備えられている上面カバー30の斜視図である。上面カバー30の左右両側面における前後方向中央部には、下方に向けて突出させた突起31が側面カバー20と略平行かつ上下方向に略直交する方向、すなわち、前後方向に水平に並んで設けられている(図6では左側の突起31のみ図示している)。また、隣り合う突起31の間隔は10mm以内になるように設けられている。このような構成にすることで、突起31と突起31の間に指を配置したときでも、突起31を指に引っ掛けることができる。
【0045】
さらに、上面カバー30にはネジ孔33が上面カバー30の4隅にそれぞれ設けられている。4隅に設けられたネジ孔33によって、上面カバー30は、図示しない本体フレームに組みつけられている。
【0046】
上面カバー30は、図7に示すように左右に設けられている側面カバー20と連結されるようになっている。
<画像形成装置への側面カバーの組み付け>
次に画像形成装置1への側面カバー20の組み付けについて説明する。
【0047】
上面カバー30と側面カバー20とは、図示しない本体フレームに固定されて組み付けられている。詳細に説明すると、まず上面カバー30の4隅に設けられたネジ孔33を図示しない本体フレームにネジ止めすることで上面カバー30を本体フレームに組み付ける。
【0048】
次に、上面カバー30に設けられた突起31を側面カバー20に設けられた挿入孔22に挿入し、側面カバー20を上面カバー30と本体フレームに対して仮位置決めする。その後、側面カバー20の前後に設けられたネジ孔23を本体フレームにネジ止めすることで、側面カバー20を画像形成装置1に組み付ける。
【0049】
上面カバー30と側面カバー20を組み付けた後に、上面カバー30の上方に読取部5を組み付けることで、画像形成装置1への組み付けが完了する。
<本構成の作用効果>
以上説明した画像形成装置1によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
【0050】
側面カバー20の把持部上面21Aに挿入孔22を設け、側面カバー20と連結する上面カバー30に設けた突起31を挿入孔22の上方から挿入することによって、把持部上面21Aから突起31を下方に突出させることができる。これによって、把持部21を持って画像形成装置1を運ぶときに、把持部上面21Aから突出した突起31を把持部21の滑り止めとすることができるので、別部材を把持部21に設けることなく滑り止めを形成することができる。さらに、挿入孔22と突起31で側面カバー20と上面カバー30を連結しているので、組み付け時の仮位置決めをすることができる。また、把持部21を持つときに、把持部21の画像形成装置外側への引っ張りによる側面カバー20のたわみも防止することができる。
【0051】
また、突起31を複数有することによって、把持部21をもつときに突起31が指に引っかかりやすくなり、より滑り止めとしての効果を奏するので画像形成装置1を持ちやすくなる。
【0052】
また、複数の突起31に対して複数の挿入孔22を有するので、一つ一つの挿入孔22の大きさを挿入孔22が一つのときに比べて小さくすることができるので、挿入孔22の強度を増すことができる。これによって、把持部21の画像形成装置外側への引っ張りによる側面カバー20のたわみをより防止することができる。
【0053】
また、上面カバー30が両側面に備えられる側面カバー20を連結するように設けられているので、側面カバー20の組み付けが容易になる。
【0054】
また、突起31と突起31の間隔を10mm(第1の所定の間隔以内)としたので、突起31と突起31の間に指を配置した場合にも指の幅のほうが突起31と突起31の間隔より広いので、指に突起31が引っかかりやすくなるので、より滑り止めの効果を奏する。
【0055】
また、把持部上面21Aの最も画像形成装置1の内側の位置(把持部最深部21D)から10mm(第2の所定の間隔)以上外側に離れた位置に突起31を有するので、把持部側面21Cと突起31の間に指を入れるスペースを確保することができるので、より把持部21が持ちやすくなる効果を奏する。
【0056】
また、側面カバー20に設けられた傾斜面20Bに把持部21を有する構成としているので、把持部21に指を掛けやすく、安定して画像形成装置1を持つことができるという効果を奏する。
【0057】
また、画像形成装置1の上部に読取部5を備えるような画像形成装置1において、把持部21を有していることにより、読取部5を持って画像形成装置1を移動することを防止することができ、移動中に読取部5が画像形成装置1に対して回動し、画像形成装置1を落としてしまうなどの危険を防止することができる。
【0058】
<他の実施形態>
前述した実施形態では、側面カバー20の上方にある外側に広がっている面20Bに把持部21を設け、挿入孔22と突起31とを複数有している例を例示したが、第2の実施形態として、鉛直に設けた側面カバーの設置面に近い位置に把持部を備え、挿入孔と突起を一つだけ備える画像形成装置について説明する。なお、前述の実施形態と同様の構成のものについては詳しい説明を省略する。
【0059】
図8、図9に示すように、画像形成装置51は側面が略鉛直に設けられており、画像形成部4と読取部5と給紙トレイ7と排紙トレイ8と把持部61とを主に備えている。
【0060】
図10は左側面の分解図である。把持部61の上面には前後方向に長く形成された挿入孔62が設けられている。また、側面カバー60の前方と後方(前方のみ図示する)にはネジ孔63と係合孔64が設けられている。
【0061】
本体フレーム70(請求項1に記載の連結部材の一例)の側面の中央付近には前後方向に長く形成された突起71が下方を向けて設けられており、さらに前方と後方(前方のみ図示する)にはネジ孔73と係合フック74が設けられている
側面カバー60と本体フレーム70の組み付けは、まず、挿入孔62に突起71を上方から挿入することで本体フレーム70に対して側面カバー60の仮位置決めを行う。次に、係合孔64に係合フック74をはめ込み、仮位置決めを行った後に、ネジ孔63とネジ孔73を同時にネジ止めすることで側面カバー60を本体フレーム70に固定する。
【符号の説明】
【0062】
1,51 画像形成装置
2,52 本体筐体
5 読取部
20,60 側面カバー
21,61 把持部
21D 把持部最深部
22,62 挿入孔
30 上面カバー
31,71 突起
70 本体フレーム


【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置の側面の外装を形成する側面カバーと、
前記側面カバーと連結される連結部材と、
前記側面カバーに設けられ、前記画像形成装置の内側に向けて凹んだ凹形状に形成された把持部と、
前記把持部の上面に設けられた挿入孔と、
前記連結部材に設けられ、前記連結部材から下方に向けて突出した突起と、を有し、
前記側面カバーと前記連結部材を連結すると、前記突起は、前記挿入孔の上方から挿入され、前記把持部上面から下方に向けて突出することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記連結部材は、前記突起を複数有し、
前記複数の突起は、前記把持部の凹形状の縁と略平行に並んで配置されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置
【請求項3】
前記把持部は、前記挿入孔を複数有し、
前記連結部材を前記側面カバーに連結するときに、前記複数の突起が前記複数の挿入孔にそれぞれ挿入されることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記側面カバーとして、互いに対向して配置される第1側面カバーと第2側面カバーとを有し、
前記連結部材は、第1端で前記第1側面カバーと連結され、第2端で前記第2側面カバーと連結されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の画像形成装置
【請求項5】
前記複数の突起のうち、隣合う突起と突起の間隔は、ユーザが前記把持部に手を入れたときにユーザの指が突起と突起との間から抜けない第1の所定の間隔以内であることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記把持部の上面の最も内側と前記挿入孔との間隔はユーザが手を入れたときに前記把持部の上面の最も内側と前記挿入孔との間に指が入る第2の所定の間隔以上であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記側面カバーは、下よりも上のほうが画像形成装置の外側に傾斜している傾斜面を有し、
前記把持部は、前記傾斜面に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記側面カバーは前記画像形成装置の設置面に対して垂直に延びる水平面を有し、
前記傾斜面は前記水平面の上端に連続して設けられていることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記画像形成装置の上方には、画像読み取り部が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−32766(P2012−32766A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−35486(P2011−35486)
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】