説明

画像形成装置

【課題】裏面印刷時に用紙の表面の画像を分離部材に付着させないことで、表面印刷時に、給紙トレイから用紙を送り出す際、重送の発生を抑えることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】画像形成装置は、表面印刷時には給紙トレイ21に収容された用紙Pを給紙ローラ23で送り出し、一対の分離ローラ25で一枚ずつに分離して画像形成部へ搬送する。表面に印刷した用紙をスイッチバックして、再搬送経路を経て再び画像形成部へ搬送して裏面印刷する場合、給紙ローラ23をアクチュエータ210で上昇させ、一対の分離ローラ25のうち下側の分離ローラ25Dをアクチュエータ220で下降させる。それによって、給紙ローラ23と用紙上面との間、および一対の分離ローラ25の間に形成した経路に、再搬送された用紙を、分離ローラ25に接触させることなく通過させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、両面印刷を実行可能な画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、給紙トレイ内の用紙を搬送する給紙ローラと、給紙トレイの上方に配置される画像形成部と、給紙トレイと画像形成部とを繋ぐU字状の給紙経路と、画像形成部によって表面印刷された用紙を、裏面印刷のためにスイッチバックし、スイッチバックした用紙を給紙トレイと画像形成部との間を通して再び給紙ローラへ搬送する再搬送機構とを備えた画像形成装置が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
このような画像形成装置には、通常、給紙ローラで送り出した用紙を1枚ずつに分離する一対の分離ローラが設けられており、これにより用紙が複数枚重なって送られること(重送)が抑制されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−6061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したような分離ローラを設けた場合には、裏面印刷時において表面印刷された用紙が一対の分離ローラのニップ部に突入することで、用紙の表面に印刷された画像(トナー)が分離ローラに付着することがある。そして、このように分離ローラにトナーが付着すると、表面印刷の際に用紙収容部から搬送する用紙に対し分離ローラの分離性能が低下して、重送が発生するおそれがある。
【0006】
そこで、本発明は、裏面印刷時にシート材の表面の画像が分離部材に付着するのを抑えることで、表面印刷の際にシート収容部から搬送するシート材が重送するのを抑えることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決する本発明は、装置本体の下部に設けられたシート収容部と、前記シート収容部に収容されたシート材を搬送する給送部材と、前記給送部材によって搬送されたシート材を1枚ずつに分離し、かつ搬送する一対の分離部材と、前記シート収容部の上方に配置され、前記分離部材から搬送されてくるシート材に画像を形成する画像形成部と、前記給送部材と前記分離部材が配置され、前記シート収容部と前記画像形成部とを繋ぐU字状の給送経路と、前記画像形成部によって表面に印刷されたシート材を、裏面印刷のためにスイッチバックし、スイッチバックしたシート材を、前記給送部材と前記シート収容部に収容されたシート材との間および前記一対の分離部材の間を通して再び前記画像形成部へ搬送する再搬送機構と、を備えた画像形成装置であって、前記給送部材を前記シート収容部に収容されたシート材に対し近接・離間させるとともに、前記一対の分離部材を近接・離間させ、ともに離間した状態において前記給送部材と前記シート収容部に収容されたシート材との間および前記一対の分離部材の間に前記スイッチバックしたシート材のためのシート経路を形成する接離機構と、裏面印刷時に前記給送部材が前記シート収容部に収容されたシート材に対しおよび前記一対の分離部材がともに離間した状態になるように前記接離機構を制御する制御装置と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、裏面印刷時に給送部材がシート収容部に収容されたシート材に対しおよび一対の分離部材がともに離間した状態となり、それらの間を、スイッチバックしたシート材が画像形成部へ向け通るので、表面印刷されたシート材の画像が、分離部材に付着するのを抑え、表面印刷のために、シート収容部からシート材を画像形成部へ搬送する際にシート材の重送を抑制することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、裏面印刷時にシート材の表面の画像が分離部材に付着するのを抑えられるので、表面印刷の際にシート収容部からシート材を画像形成部へ搬送する際のシート材の重送の発生を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1実施形態に係るカラープリンタの縦断図である。
【図2】図1において再搬送経路の搬送ガイドと給送経路のガイドとの関係を示す斜視図である。
【図3】図1において給送ローラや分離ローラ周りを拡大した縦断面図であり、表面印刷時の状態を示す図(a)と、裏面印刷時の状態を示す図(b)である。
【図4】第2実施形態に係わる図2相当の縦断面図であり、表面印刷時の状態を示す図(a)と、裏面印刷時の状態を示す図(b)である。
【図5】第3実施形態に係わる要部の縦断面図である。
【図6】図4の動作状態を示す図である。
【図7】第4実施形態に係わる要部の縦断面図であり、表面印刷時の状態を示す図(a)と、裏面印刷時の状態を示す図(b)である。
【図8】第5実施形態に係わる要部の縦断面図である。
【図9】第6実施形態に係わる要部の縦断面給紙ローラと分離ローラを一緒に上下動させる形態を示す図であり、表面印刷時の状態を示す図(a)と、裏面印刷時の状態を示す図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明の一実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明においては、まず、画像形成装置の一例としてのカラープリンタの全体構成を説明した後、本発明の特徴部分の詳細を説明することとする。
【0012】
以下の説明において、方向は、カラープリンタ使用時のユーザを基準にした方向で説明する。すなわち、図1において、紙面に向かって左側を「前側」、紙面に向かって右側を「後側」とし、紙面に向かって奥側を「左側」、紙面に向かって手前側を「右側」とする。また、紙面に向かって上下方向を「上下方向」とする。
【0013】
<カラープリンタの全体構成>
図1に示すように、カラープリンタ1は、装置本体2内に、シート材の一例としての用紙Pを供給する給送部20と、給送された用紙Pに画像を印刷する画像形成部30と、画像が印刷された用紙Pを排出する排出部90とを備えている。
【0014】
給送部20は、シート収容部の一例としての給紙トレイ21と、給紙トレイ21から用紙Pを画像形成部30へ搬送するシート供給機構22とを備えている。給紙トレイ21は、装置本体2内の下部に設けられ、装置本体2に着脱可能となっている。給紙トレイ21は、用紙Pを積層状体で収容し、その用紙を後述する給送ローラ23に向け押し上げる圧板24を備えている。
【0015】
用紙供給機構22は、給紙トレイ21の用紙Pを搬送する給送部材の一例としての給送ローラ23と、一対の分離部材の一例としての一対の分離ローラ25と、複数対の搬送ローラ26,27とを備えている。また、給送ローラ23や分離ローラ25は、用紙の幅方向中央部に設けられている。なお、シート供給機構22の詳細については、後で説明する。
【0016】
そして、前述した各ローラ23,25〜27は、給紙トレイ21と画像形成部30とを繋ぐU字状の給送経路28に沿って配置されている。なお、給送経路28は、一対の円弧状のガイド28A間に略U字状に形成されている。
【0017】
このように構成される給送部20では、給紙トレイ21内の用紙Pが給送ローラ23によって送り出され、給送ローラ23によって搬送された用紙Pが分離ローラ25によって一枚ずつ分離される。分離ローラ25から送り出された用紙Pは、搬送ローラ26,27で挟持されて搬送され、給送経路28を通って後ろ向きに方向転換されて画像形成部30に供給される。
【0018】
画像形成部30は、給紙トレイ21の上方に配置され、露光ユニット40と、4つのプロセスカートリッジ50と、転写ユニット70と、ベルトクリーナ10と、定着ユニット80とを備えている。
【0019】
露光ユニット40は、公知のレーザ露光方式、LED露光方式など各種のものを適用できるが、この実施形態では、各プロセスカートリッジ50に対応したLEDアレイを用いている。各LEDアレイは、アッパーカバー3に支持されている。
【0020】
プロセスカートリッジ50は、アッパーカバー3と給送部20との間で前後方向に並んで配置され、静電潜像が形成される感光体ドラム51、帯電器52、現像ローラ53、現像剤の一例としてのトナーを収容するトナー収容室54などを備えて構成されている。各プロセスカートリッジ50には、ブラック用、イエロー用、マゼンタ用およびシアン用の各色のトナーがそれぞれ収容されている。
【0021】
転写ユニット70は、給紙部20と各プロセスカートリッジ50との間に設けられ、駆動ローラ71、従動ローラ72、搬送ベルト73および転写ローラ74を備えている。
【0022】
駆動ローラ71および従動ローラ72は、前後方向に離間して平行に配置され、その間に無端状のベルトからなる搬送ベルト73が張設されている。搬送ベルト73の内側には、各感光体ドラム51との間で搬送ベルト73を挟持する転写ローラ74が、各感光体ドラム51に対向して4つ配置されている。この転写ローラ74には、転写時に定電流制御によって転写バイアスが掛けられる。
【0023】
ベルトクリーナ10は、搬送ベルト73に摺接して、搬送ベルト73上に付着したトナー等を回収する装置であり、搬送ベルト73の下方に配置されている。具体的に、ベルトクリーナ10は、摺接ローラ11と、回収ローラ12と、ブレード13と、廃トナー収容器14とを備えている。
【0024】
摺接ローラ11は、搬送ベルト73の外周面に接触するように配置され、搬送ベルト73の内周面に配置されたバックアップローラ15との間に回収バイアスが印加されることで搬送ベルト73上の付着物を回収している。
【0025】
回収ローラ12は、摺接ローラ11に摺接し、摺接ローラ11上に付着した付着物を回収する。そして、回収ローラ12上の付着物は、当該回収ローラ12に摺接するブレード13によって削り取られて、廃トナー収容器14内に入り込むようになっている。
【0026】
定着ユニット80は、各プロセスカートリッジ50および転写ユニット70の後側に配置され、加熱ローラ81と、加熱ローラ81と対向配置され加熱ローラ81を押圧する加圧ローラ82とを備えている。
【0027】
このように構成される画像形成部30では、カラーモードの場合、まず、各感光体ドラム51の表面が、各帯電器52により一様にプラスに帯電された後、露光ユニット40で画像データに基づき露光される。これにより、露光された部分の電位が下がって、各感光体ドラム51上に静電潜像が形成される。その後、静電潜像に現像ローラ53からトナーが供給されることで、感光体ドラム51上にトナー像が担持される。
【0028】
搬送ベルト73上に供給された用紙Pが各感光体ドラム51と搬送ベルト73の内側に配置される各転写ローラ74との間を通過することで、各感光体ドラム51上に形成されたトナー像が用紙P上に転写される。そして、用紙Pが加熱ローラ81と加圧ローラ82との間を通過することで、用紙P上に転写されたトナー像が熱定着される。
【0029】
排出部90は、定着ユニット80の出口から上方に向かって延び、前方に反転するように形成された排出側搬送経路91と、用紙Pを搬送する複数対の排出ローラ92,93,94を備えている。トナー像が転写され、熱定着された用紙Pは、排出ローラ92〜94によって排出側搬送経路91を搬送され、装置本体2の外部に排出されて排出トレイ4に蓄積される。
【0030】
また、排出部90の排出ローラ93,94は、画像形成部30によって表面に印刷された用紙Pを、表裏反転させて画像形成部30の上流側へ戻すための再搬送機構100の一部を構成している。なお、再搬送機構100の詳細については、後で説明する。
【0031】
この再搬送機構100では、裏面印刷時において、表面印刷された用紙Pを、排出ローラ94により途中まで排出トレイ4上に排出した後、排出ローラ94の逆回転によってスイッチバックし、スイッチバックした用紙Pを給紙トレイ21と画像形成部30(ベルトクリーナ10)との間を通して再び給送ローラ23へ搬送する。その後、用紙Pは、給紙経路28を通ることで、画像形成部30の上流側に表裏が反転された状態で再供給される。これにより、画像形成部30で用紙Pの裏面に画像が形成された後、両面印刷された用紙Pが排出トレイ4に排出される。
【0032】
<シート供給機構の詳細>
図3(a)に示すように、シート供給機構22において給送ローラ23はブラケット22Aに回転可能に支持されている。分離ローラ25は、給送ローラ23と同方向に回転する上側の分離ローラ25Uおよび摩擦部材すなわち下側の分離ローラ25Dとからなる。
【0033】
ブラケット22Aは、装置本体2に回転可能に設けられる上側の分離ローラ25Uの回転軸を中心に揺動可能に構成されており、揺動する先端で給送ローラ23を回転可能に支持している。これにより、給送ローラ23が、給紙トレイ21に収容された用紙P)に対して近接・離間可能となっている。
【0034】
なお、圧板24は、用紙Pの前端(一端)を押し上げるように前端部24Aが後端部24B(図1参照)を中心にして上下に揺動可能となっており、後述する図7の第4実施形態のようにモータ、ギアを用いた駆動機構、または公知のバネなどによって上昇移動するようになっている。なお、一番上に積載されている用紙の前端位置が常に一定の高さになるように、圧板24の上昇が所定高さで規制されるようになっている。
【0035】
分離ローラ25のうち下側の分離ローラ25Dは、装置本体2に揺動可能に支持されたアーム部材22Cの先端に回転可能に支持されている。これにより、下側の分離ローラ25Dが、上側の分離ローラ25Uに対して近接・離間可能となっている。
【0036】
そして、給紙ローラ23に対しては、給送ローラ23を給紙トレイ21に収容された用紙Pに対して近接・離間させる第1接離機構が設けられ、下側の分離ローラ25Dに対しては、下側の分離ローラ25Dを上側の分離ローラ25Uに対して近接・離間させる第2接離機構が設けられている。
【0037】
第1接離機構は、上下(軸方向)に進退可能な進退軸211を有するソレノイド、モータなどからなるアクチュエータ210と、ブラケット22Aを付勢する第1バネ22Bとを備える。ブラケット22Aは、第1バネ22Bにより給送ローラ23が給紙トレイ21に収容された用紙Pと当接する方向に付勢されている。給送ローラ23が用紙Pと当接した状態で、給送ローラ23の回転によりその用紙Pを搬送することが可能となっている。進退軸211はその先端に、給送ローラ23の回転軸(もしくはブラケット22Aの一部)に進退軸211の進退方向で係合可能な係合部212を有している。そして、このアクチュエータ210は、進退軸211を退避させることで、係合部212を給送ローラ23の回転軸に引っ掛けて、給送ローラ23を第1バネ22Bの付勢力に抗して給紙トレイ21に収容された用紙Pから離間させるように構成されている。
【0038】
なお、第1バネ22Bを省略し、給送ローラ23を、給送ローラ23およびブラケット22Aの重量で給紙トレイ21に収容された用紙Pと当接する方向に付勢してもよい。
【0039】
第2接離機構は、略上下方向(軸方向)に進退可能な進退軸221を有するソレノイド、モータなどからなるアクチュエータ220と、アーム部材22Cを付勢する第2バネ22Dとを備える。アーム部材22Cは、第2バネ22Dにより下側の分離ローラ25Dが上側の分離ローラ25Uと当接する方向に付勢されている。進退軸221は、その先端に、下側の分離ローラ25Dの回転軸(もしくはアーム部材22Cの一部)に進退軸221の進退方向で係合可能な係合部222を有している。そして、このアクチュエータ220は、進退軸221を退避させることで、係合部222を下側の分離ローラ25Dの回転軸に引っ掛けて、下側の分離ローラ25Dを第2バネ22Dの付勢力に抗して上側の分離ローラ25Uから離間するように構成されている。
【0040】
そして、各アクチュエータ210,220は、制御装置230によって適宜制御されるようになっている。具体的に、制御装置230は、CPU,ROM,RAMなどを有し、予め用意されたプログラムに従い、印刷指令(印刷データ)の受信、給送部20、画像形成部30、排出部90、再搬送機構100および各アクチュエータ210,220の制御を行うように構成されている。
【0041】
特に、本実施形態において、制御装置230は、裏面印刷時には、給送ローラ23と用紙Pとが離間し、かつ、一対の分離ローラ25が離間した状態になるように、各アクチュエータ210,220を制御するように構成されている。なお、制御装置230は、実際には装置本体2内に設けられるが、図では便宜上装置本体2の外に図示している。
【0042】
<再搬送機構の詳細>
図1に示すように、再搬送機構100は、前述した排出ローラ93,94と、排出ローラ93,94によってスイッチバックされた用紙Pを給送ローラ23に案内する略U字状の再搬送経路110と、再搬送経路110に配置される複数対(二対)の再搬送ローラ120とを備えている。再搬送経路110は、前述した排出側搬送経路91を構成する部材(例えば装置本体2のリアカバー2Aに形成された複数の搬送リブ111)と、給紙トレイ21と画像形成部30(ベルトクリーナ10)の間を通るように略水平に形成される搬送ガイド112とにより形成されている。
【0043】
再搬送ローラ120は、表面に印刷された用紙Pを挟持して搬送する一対のローラであり、一対のローラのうち、用紙Pの印刷された表面に接するローラ121が樹脂で形成され、裏面に接するローラ122が用紙に対して高摩擦のゴムで形成されている。前者ローラ121の樹脂は後者ローラ122のゴムよりも用紙Pの表面に印刷された画像(トナー)が付着し難い材料であるので、トナーが前者ローラ121により用紙Pの表面に再付着することが抑えられ、印刷された画像の品質を向上させることができる。
【0044】
そして、二対のうちシート搬送方向の最下流側に位置する一対の再搬送ローラ120と、分離ローラ25の下流側に位置する搬送ローラ26とは、カラープリンタ1で裏面印刷することが可能な最小サイズの用紙Pの長さ以下の間隔で配置されている。これにより、裏面印刷時に、給紙ローラ23が用紙Pから離れるとともに、一対の分離ローラ25が互いに離間した場合であっても、これらの搬送方向両側に配置される再搬送ローラ120と搬送ローラ26との間で最小サイズの用紙Pを確実に搬送することが可能となっている。
【0045】
搬送ガイド112は、図2に示すように、レーザプリンタ1の後側から前側に向かって延設されており、その下流側の端部は、給送経路のガイド28A付近まで延設されている。詳しく述べると、表面印刷時に、給送ローラ23と給紙トレイ21内の用紙P、また一対の分離ローラ25どうしが接触できるように、搬送ガイド112の下流側端部は、給送ローラ23および分離ローラ25の位置する部分を切り欠いた形状としている。なお、搬送ガイド112の下流側端部を送出分離機構部23よりも後側に配置し、裏面印刷時に、搬送ガイド112とガイド28Aとの間では、給紙ローラ23が離間した用紙Pの上面を、を利用して、再搬送経路110から給紙経路28へ用紙をガイドするようにしてもよい。
【0046】
<両面印刷の動作>
次に、両面印刷を実行するときの動作について説明する。
まず、表面印刷を実行するときには、第1及び第2バネ22B,22Dの付勢力により、図3(a)に示すように給送ローラ23が給紙トレイ21内の用紙Pに当接し、一対の分離ローラ25どうしが接触した状態となっている。
【0047】
そして、給紙トレイ21内の用紙Pが給送ローラ23で送り出され、一対の分離ローラ25間で1枚ずつに分離される。その際、分離ローラ25のうち下側の分離ローラ25Dは、公知のように図示しない駆動源によりトルクリミッタを介して用紙の搬送方向とは逆方向に回転され、一対の分離ローラ25間に2枚以上の用紙が侵入したとき、下側の分離ローラ25Dと接する側の用紙を用紙の搬送方向とは逆方向にもどす。その後は、用紙Pは、画像形成部30で表面印刷された後、排出ローラ93,94によってスイッチバックされ再搬送経路110に導かれる。
【0048】
また、裏面印刷を実行するときには、アクチュエータ210,220が制御装置230によって駆動され、図3(b)に示すように用紙Pから給送ローラ23が離間されるとともに、上側の分離ローラ25Uから下側の分離ローラ25Dが離間される。それによって、それらの間にスイッチバックされた用紙Pのためのシート経路が形成される。
【0049】
これにより、再搬送機構100によって給送ローラ23に向けて送られてくる用紙Pの印刷された表面が、給送ローラ23や上側の分離ローラ25Uに接触することが抑えられ、給送ローラ23や上側の分離ローラ25Uへのトナーの付着が抑制される。
【0050】
以上によれば、本実施形態において以下のような効果を得ることができる。
裏面印刷時に圧板24で支持された用紙Pから給送ローラ23が離間するので、裏面印刷時において給送ローラ23と用紙Pとが干渉してしまうことを防止することができる。また、裏面印刷時に一対の分離ローラ25が離間するので、表面印刷された用紙の画像(トナー)が給送ローラ23や分離ローラ25Uに付着するのを抑制することができる。仮に、トナーが給送ローラ23や上側の分離ローラ25Uに付着し、さらに上側の分離ローラ25Uから下側の分離ローラ25Dに付着すると、表面印刷のために、給紙トレイ21から用紙を給紙ローラ23および分離ローラ25Uによって送り出すとき、各ローラの摩擦力が低下し用紙の送り出しミスや重送が生じることがある。しかし、上記構成により用紙の重送などを抑制することができる。
【0051】
なお、給送ローラ23および分離ローラ25の離間のタイミングは、スイッチバックした用紙がそれらのローラに達する直前でも良いが、分離ローラ25で送った用紙Pの先端が搬送ローラ26に挟持されたときでも良い。分離ローラ25と用紙Pとの接触(摩擦)を極力少なくすることで、分離ローラ25と用紙Pとの摩擦による紙粉発生量を最小限に抑えることが可能となる。また、給送ローラ23の離間のタイミングは、給紙トレイ21から給送した用紙Pの先端が分離ローラ25に挟持されたタイミングでも良い。給送ローラ23と用紙Pとの接触(摩擦)を極力少なくすることで、給送ローラ23と用紙Pとの摩擦による紙粉発生量を最小限に抑えることが可能となる。
【0052】
なお、本発明は上記第1の実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。以下の説明では、前記実施形態と略同様の構成については同一符号を付し、その説明を省略する。
【0053】
<第2の実施形態>
図4は、第2の実施形態を示す。この実施形態では、圧板24の上下動がモータなどの駆動源によって行われ、制御装置231によってその駆動源が制御される。表面印刷時には、図4(a)に示すように、第1の実施形態と同様に、給送ローラ23が給紙トレイ21内の用紙Pと当接し、一対の分離ローラ25が互いに接触しており、給紙トレイ21内の用紙Pの減少にともない圧板24を上昇させる。裏面印刷時には、図4(b)に示すように、制御装置231の制御によって、一対の分離ローラ25を離間させ、かつ給送ローラ23を上昇させるとともに、圧板24を下降させる。なお、圧板24のみを下降させ給送ローラ23を定位置に停止させておいてもよい。
【0054】
これによれば、圧板24を下降させることで、用紙Pの最上位面を、再搬送されてくる用紙P2が通る経路PRから退避させることができるので、再搬送されてくる用紙P2と圧板24上の用紙P1とが接触することによる用紙の重送を抑えることができる。
【0055】
<第3の実施形態>
図5および図6は、第3の実施形態を示す。この実施形態では、第1の実施形態と同様に、給送ローラ23および分離ローラ25に対し離間機構が設けられている。この実施形態では、分離ローラ25の下流側に隣接する搬送ローラ26に紙粉取り機構263を付設している。紙粉取り機構263は、搬送ローラ26にブラシ、スポンジなどを接触させてローラの表面に付着した紙粉、ゴミなどを除くものである。この搬送ローラ26に対しても第3接離機構が設けられる。
【0056】
第3接離機構は、一対の搬送ローラ26のうち内側のローラ261を、紙粉取り機構263を付設した外側のローラ262と当接する方向に付勢するバネ240と、内側のローラ261を外側のローラ262に対し近接・離間する方向に進退可能な進退軸251を有するアクチュエータ250とを備える。進退軸251の先端には、内側のローラ261の回転軸に進退軸251の進退方向で係合可能な係合部252が設けられている。
【0057】
制御装置232は、表面印刷時には図5に示すように、一対の搬送ローラ26を互いに接触させている。裏面印刷時においては図6に示すように、第1の実施形態と同様に給送ローラ23と一対の分離ローラ25をそれぞれ離間させるとともに、アクチュエータ250は、進退軸251を退避させることで、係合部252を内側のローラ261の回転軸に引っ掛けて、内側のローラ261をバネ240の付勢力に抗して内側に引っ張り、一対の搬送ローラ26を離間させるように構成されている。
【0058】
これによれば、搬送ローラ26の構造上、裏面印刷時には、表面印刷された用紙Pの印刷面が内側のゴムのローラ261に接触するので、印刷面のトナーがゴムのローラ261で剥がされやすいが、このように搬送ローラ26を離間させることで、印刷面の品質を保持することが可能となっている。なお、本実施形態のように裏面印刷時に給送ローラ23と一対の分離ローラ25を離間させる構造では裏面印刷時に紙粉が発生しないので、このような搬送ローラ26の離間が可能となっている。
【0059】
なお、図5の構造では、裏面印刷時に3種類のローラ23,25,26を給送経路28から退避させるため、これらのローラ23,25,26で用紙Pを搬送することができなくなる。そのため、この構造では、前記実施形態よりも、最下流側の再搬送ローラ120を給紙ローラ23側に近づけ、最下流側の再搬送ローラ120と、搬送ローラ26よりも下流側に設けられる一対の搬送ローラ27との間隔が、カラープリンタ1で裏面印刷することが可能な最小サイズの用紙Pの長さ以下に設定されている。
【0060】
<第4の実施形態>
図7は第4の実施形態を示す。この実施形態では、前記実施形態における給送ローラ23と上側の分離ローラ25Uとを1つの給送分離ローラ300で構成している。
【0061】
具体的には、給送分離ローラ300は、装置本体に対して上下動(スライド移動)しないように回転可能に設けられる。圧板24、および摩擦部材すなわち分離パッド320に対して接離機構340が設けられている。
【0062】
そして、接離機構340は、圧板24をモータ310によって上下動させる公知の駆動機構を兼ねるとともに、圧板24を下げる動作に連動して分離パッド320も一緒に一緒に給送分離ローラ300から離すように構成されている。具体的に、接離機構340は、圧板24の下側に配置される押圧板341と、押圧板341を支持するとともに装置本体に揺動可能に支持される扇状のギヤ342と、モータ310と、モータ310の駆動力を扇状のギヤ342に伝達する複数のギヤ343,344,345とを備えている。
【0063】
また、分離パッド320は、装置本体に対して上下動可能に設けられ、給送分離ローラ300に接するパッド部321と、パッド部321から下方に延びる延在部322と、延在部322の下端から押圧板341の下側まで延びる被押圧部323とを備えている。そして、制御装置233は、表面印刷時に図7(a)に示すように、モータ310を駆動して押圧板341を圧板24に向けて揺動させることで圧板24を上昇させ、その上の用紙を給送分離ローラ300に当接させる。分離バッド320は、バネ330の付勢力で上昇し、パッド部321を給送分離ローラ300に当接させる。
また、制御装置233は、裏面印刷時に図7(b)に示すように、モータ310を駆動して押圧板341を圧板24から下方へ揺動させると圧板24が自重で下降する。そのとき押圧板341は、分離パッド320の被押圧部323を押し、分離パッド320を下降させる。その結果、給送分離ローラ300と圧板24上の用紙およびパッド部321とが離間し、再搬送された用紙を画像形成部へ送るための経路が形成される。
【0064】
このような構造によれば、圧板24を上下動させる公知の駆動機構を接離機構340として利用できるので、コストダウンを図ることができる。なお、分離パッド320は、圧板24によって押し下げられるように構成することもできる。
【0065】
<第5の実施形態>
図8は、第5の実施形態を示す。この実施形態では、第4の実施形態の構成において接離機構340のギヤ343に複数のギヤ411,412,413を連結し、分離パッド420の近くのギヤ413の面に設けた突起414によって、分離パッド420の被押圧部423を押圧するように構成し、それによって、裏面印刷時に給送分離ローラ300とパッド部321とを離間させる。
【0066】
<第6の実施形態>
図9は、第6の実施形態を示す。この実施形態では、給送ローラ23と分離ローラ25は1つの1つの接離機構500によって一緒に近接・離間駆動される。なお、摩擦部材すなわち分離パッド720は、装置本体2に対して固定され、圧板24は他の実施形態と同様にモータ、バネなどで昇降される。
【0067】
具体的に、給紙ローラ23と分離ローラ25は、軸610のまわりで揺動可能な1つのブラケット600にそれぞれ回転可能に支持されている。接離機構500は、モータ510により駆動される給送ローラ23および分離ローラ25のためのギヤ列が兼ねる。
【0068】
ギヤ列は、揺動アーム600の揺動中心を構成する軸610に設けられモータ510から駆動力が伝達されるギヤ520、分離ローラ25と一体に回転可能な分離ローラ駆動ギヤ620、給送ローラ23と一体に回転可能な給送ローラ駆動ギヤ630、ギヤ520とギヤ620とを連結する中間ギヤ530、およびギヤ620とギヤ630とを連結する中間ギヤ640を備える。
【0069】
表面印刷の場合には、図9(a)に示すように、制御装置234がモータ510を制御してギヤ520を図示時計回りに回転させることで、ブラケット600も同方向に連れ回りし、分離ローラ25が分離パッド720に、給送ローラ23が圧板24上の用紙Pにそれぞれ当接する。そして、給送ローラ23と分離ローラ25がギヤ列をとおして回転することで、圧板24上の用紙Pを給紙・分離することが可能となっている。なお、上記の当接する方向にブラケット600をバネ等で付勢するようにしてもよい。
【0070】
なお、用紙が搬送ローラ26,27で搬送されるようになると、給送ローラ23と分離ローラ25への動力伝達は遮断され、給送ローラ23と分離ローラ25は搬送される用紙に連れ回りする。その用紙の後端が給送ローラ23から外れ、分離ローラ25が用紙に連れ回りしているとき、分離ローラ25の回転がギヤ列を介して給送ローラ23へ伝達されないように、分離ローラ25と分離ローラ駆動ギヤ620との間には、公知のワンウエイクラッチが設けられている。
【0071】
また、裏面印刷の場合には、図9(b)に示すように、制御装置234がモータ510を制御してギヤ520を図示反時計回りに回転させることで、揺動アーム600も上方に連れ回りして、給送ローラ23と分離ローラ25が圧板24上の用紙Pと分離パッド720から離間する。それによって、給送ローラ23と用紙P、分離ローラ25と分離パッド720の間に、再搬送された用紙を画像形成部へ送るための経路が形成される。以上のような構成でも、接離機構500が1つで済むので、コストダウンを図ることができる。
【0072】
<さらに他の実施形態>
前記各実施形態では、シート収容部として装置本体2に着脱可能な給紙トレイ21を採用したが、本発明はこれに限定されず、例えば装置本体に一体に形成されるシート収容部を採用してもよい。
【0073】
前記実施形態では、シート材の一例として用紙Pを採用したが、用紙Pは、厚紙、はがき、薄紙などを含む。さらに、本発明は、シート材として例えばOHPシートなど樹脂シートを採用してもよい。
【0074】
前記各実施形態で使用したバネは、トーションバネ、板バネ、コイルバネなど各種のものを付勢部材として適用できる。また、モータ、ソレノイド等を付勢部材として用いてローラ、分離パッド等を近接する方向に付勢するようにしてもよい。
【0075】
前記各実施形態において、下側の分離ローラに代え分離パット、分離パッドに代え下側の分離ローラを用いることができる。
【0076】
前記各実施形態では、一対の分離ローラ、または分離ローラと分離パッドが完全に(互いの間に空間ができるように)離間することを採用したが、本発明はこれに限定されず、例えば分離ローラのニップ力(圧接力)を弱めるだけでもよい。このように一対の分離ローラのニップ力を弱めるだけでも、トナーの付着力は弱まり、重送を防止することが可能となる。
【0077】
前記実施形態では、カラープリンタ1に本発明を適用したが、本発明はこれに限定されず、モノクロのプリンタやその他の画像形成装置、例えば複写機や複合機などに本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0078】
1 カラープリンタ
2 装置本体
21 給紙トレイ
23 給送ローラ
24 圧板
25 分離ローラ
28 給送経路
30 画像形成部
100 再搬送機構
210 接離機構のアクチュエータ
220 接離機構のアクチュエータ
230 制御装置
P 用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体の下部に設けられたシート収容部と、
前記シート収容部に収容されたシート材を搬送する給送部材と、
前記給送部材によって搬送されたシート材を1枚ずつに分離し、かつ搬送する一対の分離部材と、
前記シート収容部の上方に配置され、前記分離部材から搬送されてくるシート材に画像を形成する画像形成部と、
前記給送部材と前記分離部材が配置され、前記シート収容部と前記画像形成部とを繋ぐU字状の給送経路と、
前記画像形成部によって表面に印刷されたシート材を、裏面印刷のためにスイッチバックし、スイッチバックしたシート材を、前記給送部材と前記シート収容部に収容されたシート材との間および前記一対の分離部材の間を通して再び前記画像形成部へ搬送する再搬送機構と、を備えた画像形成装置であって、
前記給送部材を前記シート収容部に収容されたシート材に対し近接・離間させるとともに、前記一対の分離部材を近接・離間させ、ともに離間した状態において前記給送部材と前記シート収容部に収容されたシート材との間および前記一対の分離部材の間に前記スイッチバックしたシート材のためのシート経路を形成する接離機構と、
裏面印刷時に前記給送部材が前記シート収容部に収容されたシート材に対し、および前記一対の分離部材がともに離間した状態になるように前記接離機構を制御する制御装置と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記接離機構は、裏面印刷時に、
前記一対の分離部材のうち付勢部材によって付勢される一方の分離部材を、前記付勢部材の付勢力に抗して動かすように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記シート収容部は、前記シート収容部に収容された前記シート材を押し上げるように移動可能な圧板を備え、
前記接離機構は、裏面印刷時に、
前記圧板を下げるように構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記接離機構は、裏面印刷時に、
前記圧板を下げるとともに、前記給送部材を上げるように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像形成部は、前記シート材に現像剤からなる画像を形成するものであり、
前記再搬送機構は、表面に印刷されたシート材を挟持して搬送する一対の再搬送ローラを備え、
前記一対の再搬送ローラのうち、前記シート材の印刷された表面に接する方が、裏面に接する方よりも現像剤が付着しにくい材料で形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記再搬送機構は、表面に印刷されたシート材を挟持して搬送する一対の再搬送ローラを備え、
前記給送経路のうち前記分離部材と前記画像形成部との間には、一対の搬送ローラが設けられ、
前記搬送ローラと前記再搬送ローラとが、画像形成装置で裏面印刷することが可能な最小サイズのシート材の長さ以下の間隔で配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記シート材は用紙を含み、
前記給送経路のうち前記分離部材と前記画像形成部との間には、複数対の搬送ローラが設けられ
前記搬送ローラの複数対のうち一つには、用紙に付いた紙粉を除去する紙粉取り機構が設けられ、
前記接離機構が、前記紙粉取り機構が設けられた搬送ローラを、対向するローラに対し近接・離間させるように構成され、
前記制御装置は、裏面印刷時に前記紙粉取り機構が設けられた搬送ローラが対向するローラに対し離間した状態になるように前記接離機構を制御することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記給送部材は、給送ローラであり、前記一対の分離部材の一方は、分離ローラであり、前記一対の分離部材の他方は、前記分離ローラに対し前記接離機構により近接・離間する摩擦部材であり、
前記給送ローラは、前記シート収容部に収容されたシート材に対し前記接離機構により近接・離間する方向に揺動可能なブラケットに支持されていることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記分離ローラは、前記ブラケットに支持され、前記接離機構により前記摩擦部材に対し近接・離間することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記給送部材と、前記一対の分離部材の一方は、1つの給送分離ローラで構成され、前記一対の分離部材の他方は、摩擦部材であり、
その給送分離ローラはその外周の一部を前記シート収容部に収容されたシート材に対し、またそのシート材よりもシート搬送方向下流側で前記摩擦部材に対しそれぞれ前記接離機構により近接・離間可能であることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記シート収容部は、そのシート収容部に収容された前記シート材を押し上げるように移動可能な圧板を備え、
前記接離機構は、前記圧板を前記給送部材から離間する動作に連動して前記分離部材の一方に対して他方を離間させることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記シート収容部は、前記圧板をモータによって前記給送部材に対し近接・離間させる駆動機構を備え、前記分離部材の他方は、一方と近接する位置に向け付勢部材の付勢力により付勢され、
前記接離機構は、前記圧板が前記給送部材に対し近接する位置にあるとき、前記分離部材の他方を前記付勢部材の付勢力により一方と近接させ、前記圧板が前記給送部材から離間する動作により、前記分離部材の他方を前記付勢部材の付勢力に抗して一方から離間させることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−46353(P2012−46353A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−47286(P2011−47286)
【出願日】平成23年3月4日(2011.3.4)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】