説明

画像形成装置

【課題】本体を低コストで且つコンパクトにして表面性改質シートを駆動することが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】駆動モーターと、表面性改質シートを供給又は巻き取る第1及び第2の表面性改質シートリールと、熱転写シートを供給又は巻き取る第1及び第2の熱転写シートリールと、駆動モーターの駆動力を第1の表面性改質シートリールに接離する第1の接離機構と、駆動モーターの駆動力を第2の表面性改質シートリールに接離する第2の接離機構と、駆動モーターの駆動力を第1の熱転写シートリールに接離する第3の接離機構と、駆動モーターの駆動力を第2の熱転写シートリールに接離する第4の接離機構とを備えた駆動力伝達機構を有し、駆動力伝達機構は、駆動モーターの駆動状態に応じて、それぞれの接離機構の接離を異ならせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置の1つとして、熱転写シートの染料層を被記録媒体に転写させて画像を形成する昇華型画像形成装置がある。昇華型画像形成装置では、被記録媒体に形成された画像の表面を保護するために、透明な保護層が画像上に形成される、保護層は、具体的には、画像劣化の原因となるガスから画像を遮断したり、紫外線を吸収して画像の変色、退色を防止したり、画像を形成する染料等が可塑性のある物品に移行するのを防止したり、画像の摩耗を防止したり、画像を皮脂から保護したりする。保護層は、例えば、リボン状の基材シートに積層して設けられており、サーマルヘッドによって画像上に熱転写される。この画像上に熱転写されることによって、画像の保護の他に、被記録媒体がカールすることを防止できる。
【0003】
また、保護層がサーマルヘッドを用いて熱転写される際、被記録媒体の画像上に形成された保護層の表面状態を改質して、光沢性、マット調または絹目調等を与えることもできる。保護層の表面状態を改質する方法としては、所望の表面性を有する表面性改質シートを画像上に重ねてサーマルヘッドで加熱押圧することで保護層を軟化させ、表面性改質シートの表面性を保護層表面に写し取る方法が知られている。
【0004】
例えば、特許文献1には、1つのリボンカートリッジにYMCおよび表面改質部が繰り返し連なるシートを備える技術が開示されている。このように、インクおよび表面改質部を単一のカートリッジに備えることで、1つのカートリッジで画像形成および表面性改質を行うことが可能となる。また、特許文献2には、YMCの熱溶融インクをそれぞれ異なるインクリボンカートリッジに収納し、画像形成に必要な色のカートリッジをヘッドに交換装着して画像形成する技術が開示されている。特許文献2に記載の方法では、画像形成後に表面性改質シートを収納したリボンカートリッジを画像形成後にヘッドに装着して、表面性を改質する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−315515号公報
【特許文献2】特開平10−305601号公報
【特許文献3】特開2009−166373号公報
【特許文献4】特開昭60−192668号公報
【特許文献5】特開2000−043364号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、本来表面性改質部は消耗しないため、表面性改質のためには1画像分のみ備えていればよいが、特許文献1に記載のリボンカートリッジの構成では、YMCの領域と同数の表面性改質部が必要となり、資源の無駄とコストの上昇が避けられない。また、特許文献2の方法では、資源の無駄は生じないが、カートリッジを交換するための機構が複雑で、コストも上昇するという問題がある。
【0007】
そこで、本願出願人らは上記の課題を解決すべく、表面性改質シートを少なくとも1面分の改質領域と印刷用の開口を有して双方向に搬送可能なリボンとして構成し、インクリボンに重ねてサーマルヘッドによる加熱押圧を行うことを提案した(特許文献3)。
【0008】
ところで、特許文献3の構成では、表面性改質シートとインクリボンを動作状態に応じて適切に搬送駆動する必要がある。特許文献4及び5では、用紙搬送とインクリボン搬送を単一の駆動源で駆動する方法が開示されているが、従来の表面性改質シートを用いない画像形成装置に適用される。
【0009】
また、特許文献5は、本願の接離機構に該当するアライドアームを駆動するために別途のモーターを必要とする。特許文献4は、ワンウェイクラッチを使用するものであるが、滑りによる搬送精度低下の懸念がある。
【0010】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、本体を低コストで且つコンパクトにして表面性改質シートを駆動することが可能な、新規かつ改良された画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、駆動モーターと、表面性改質シートを供給又は巻き取る第1及び第2の表面性改質シートリールと、熱転写シートを供給又は巻き取る第1及び第2の熱転写シートリールと、駆動モーターの駆動力を第1の表面性改質シートリールに接離する第1の接離機構と、駆動モーターの駆動力を第2の表面性改質シートリールに接離する第2の接離機構と、駆動モーターの駆動力を第1の熱転写シートリールに接離する第3の接離機構と、駆動モーターの駆動力を第2の熱転写シートリールに接離する第4の接離機構とを備えた駆動力伝達機構を有し、駆動力伝達機構は、駆動モーターの駆動に基づいて、それぞれの接離機構の接離を異ならせる画像形成装置が提供される。
【0012】
上記駆動モーターの駆動に基づいて、第1、第2、第3の接離機構を離間させ、第4の接離機構は接続する第1の接離状態と、第1、第3、第4の接離機構を離間させ、第2の接離機構は接続する第2の接離状態と、第2、第3の接離機構を離間させ、第1、第4の接離機構は接続する第3の接離状態と、第2、第3、第4の接離機構を離間させ、第1の接離機構は接続する第4の接離状態とを有してよい。
【0013】
上記第1の接離状態では画像形成動作を行わせ、第2の接離状態では表面性改質シートの表面性改質領域を所定の位置に搬送させ、第3の接離状態では表面性改質処理を行わせ、第4の接離状態では表面性改質シートの開口部を所定の位置に搬送させてもよい。
【0014】
上記第3の接離状態に於いて、表面性改質シートの搬送速度と、熱転写シートの搬送速度とが異なるように駆動力を伝達してもよい。
【0015】
上記第1乃至第4の接離機構は、それぞれ太陽ギアの周囲を公転する遊星ギアの公転位置を異ならせることでそれぞれのリールの回転軸に設けられたギアと遊星ギアとの接離を行わせてもよい。
【0016】
表面性改質処理のための加熱前に、表面性改質シートと熱転写シートの巻き取りを開始することが望ましい。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように本発明によれば、本体を低コストで且つコンパクトにして表面性改質シートを駆動することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す説明図である。
【図2】同実施形態に係る熱転写シートの構成を示す説明図である。
【図3A】同実施形態の画像形成装置による画像形成処理を示すフローチャートである。
【図3B】同実施形態の画像形成装置による画像形成処理を示すフローチャートである。
【図4】熱転写シートおよび表面性改質シートカートリッジに収容された表面性改質シートの走行時の状態を示す説明図である。
【図5】熱転写シートおよび表面性改質シートカートリッジに収容された表面性改質シートの表面性改質処理時の状態を示す説明図である。
【図6】表面性改質ユニットの駆動源のギア列のレイアウトを示す正面図である。
【図7】表面性改質ユニットの駆動源のギア列のレイアウトを示す正面図である。
【図8】表面性改質ユニットの駆動源のギア列のレイアウトを示す正面図である。
【図9】表面性改質ユニットの駆動源のギア列のレイアウトを示す正面図である。
【図10】表面性改質ユニットの駆動源のギア列のレイアウトを示す正面図である。
【図11】表面性改質ユニットの駆動源のギア列のレイアウトを示す正面図である。
【図12】ギアの接離関係を示す表である。
【図13】ギア28の接離動作を示すためのギア列のレイアウトを示す正面図である。
【図14】ギア28の接離動作を示すためのギア列のレイアウトを示す正面図である。
【図15】ギア32の接離動作を示すためのギア列のレイアウトを示す正面図である。
【図16】ギア32の接離動作を示すためのギア列のレイアウトを示す正面図である。
【図17】ギア36の接離動作を示すためのギア列のレイアウトを示す正面図である。
【図18】ギア36の接離動作を示すためのギア列のレイアウトを示す正面図である。
【図19】ギア40の接離動作を示すためのギア列のレイアウトを示す正面図である。
【図20】ギア40の接離動作を示すためのギア列のレイアウトを示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
1.画像形成装置の概略構成
2.画像形成処理
3.熱転写シート150と表面性改質シート170の駆動源
【0020】
<1.画像形成装置の概略構成>
まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略構成について説明する。なお、図1は、本実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す説明図である。本実施形態に係る画像形成装置は、インクフィルムの染料を昇華させて被記録媒体に転写するサーマルプリンタ100であり、熱転写シートを用いて被記録媒体に画像を形成するとともに、その画像の表面を保護する保護層を形成する。
【0021】
サーマルプリンタ100は、図1に示すように、サーマルヘッド110と、被記録媒体である記録紙200を保持するプラテンローラ120と、ピンチローラ132と、キャプスタンローラ134と、熱転写シート150の供給リール142および巻取りリール144と、表面性改質シート170の巻取りリール162および供給リール164と、を備える。
【0022】
記録紙200は、サーマルプリンタ100において画像を形成する被記録媒体であって、例えば昇華転写用印画用紙等を用いることができる。また、プラテンローラ120は、印画時に記録紙200を保持し、サーマルヘッド110と対向して設けられる。ピンチローラ132とキャプスタンローラ134とは、記録紙200を挿通可能に接触して設けられている。ピンチローラ132とキャプスタンローラ134とは、互いに反対方向に同期回転して記録紙200を所定方向へ搬送し、また、回転方向を反転して当該所定方向とは反対方向に記録紙200を搬送する搬送部130を構成する。プラテンローラ120、ピンチローラ132、およびキャプスタンローラ134、さらにローラ駆動機構(図示せず。)により、記録紙200を搬送する搬送機構が構成される。
【0023】
熱転写シート150は、画像を形成するため記録紙200に熱転写される染料を保持するシートである。熱転写シート150の詳細な構成を図2に示す。熱転写シート150には、リボン状の基材シート153に、染料を保持する染料層151と、記録紙200の表面に形成された画像の表面に熱転写され、画像を保護する保護材層156とが、基材シート153の長手方向に並んで形成されている。この熱転写シート150は、通常、インクリボンと称される。なお、基材シート153の裏面側には耐熱滑性層154が形成されており、基材シート153の表面側には易接着層155が形成されている。
【0024】
染料層151は、1または複数色の染料を保持しており、本実施形態では、イエロー(Y)染料層151Y、マゼンタ染料層(M)151M、シアン染料層(C)151Cの3色の染料を保持している。この他、染料層151は、例えばブラックの染料層を備えてもよい。図2では、イエロー染料層151Yの先端位置をY1s、後端位置をY1eで表し、マゼンタ染料層151Mの先端位置をM1s、後端位置をM1eで表し、シアン染料層151Cの先端位置をC1s、後端位置をC1eで表している。染料層151は、図2に示すように、易接着層155を介して基材シート153上に形成されており、記録紙200の表面に昇華転写または溶融転写により転写される。
【0025】
保護材層156は、基材シート153の表面側に形成された易接着層155上に、さらに剥離層157を介して形成されている。図2では、保護材層156の先端位置をL1s、後端位置をL1eで表している。保護材層156は、記録紙200の表面に形成された画像の耐摩耗性、耐薬品性等を向上させるために記録紙200の表面に転写される。また、保護材層156に紫外線吸収剤を添加することにより、画像の耐光性を向上させることも可能である。保護材層156としては、例えば、ポリスチレン樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることができる。あるいは、記録紙200およびその表面に形成された画像表面への保護材層156の接着性を良好にするため、保護材層156の最上層に接着層(図示せず。)を設けてもよい。例えば、保護材層156を、ポリスチレン樹脂の上層にアクリル偏性樹脂を設けた2層構造として構成してもよい。
【0026】
熱転写シート150には、イエロー染料層151Y、マゼンタ染料層151M、シアン染料層151Cの各染料層と保護材層156との4つの領域からなる領域を1つの単位領域として、複数単位の領域が設けられる。各単位領域のイエロー染料層151Y、マゼンタ染料層151M、シアン染料層151C、そして保護材層156の先頭には、それぞれ各領域の先頭位置を示す位置検出マーク152Y、152M、152C、152Lが設けられる。位置検出マーク152Y、152M、152C、152Lは、基材シート153を幅方向に横断して形成された線状のマーキングである。なお、各単位領域の先頭に設けられるイエロー染料層151Yの位置検出マーク152Yは2本の線からなり、マゼンタ染料層151M、シアン染料層151C、保護材層156の位置検出マーク152M、152C、152Lは1本の線からなる。
【0027】
このような熱転写シート150は、図1に示すように、供給リール142と巻取りリール144とによって張設されて、リボンカセット(図示せず。)に収納されている。リボンカセットは、画像形成装置本体に着脱可能に設けられる。リボンカセットが画像形成装置本体に装着されると、熱転写シート150は、サーマルヘッド110とプラテンローラ120とに挟まれて、記録紙200の搬送に同期して走行される。なお、供給リール142および巻取りリール144は、熱転写シート150を所定方向に走行させる熱転写シート走行機構を構成している。なお、熱転写シート150、供給リール142および巻取りリール144は、必ずしもリボンカセットに収納されていなくてもよく、それぞれ画像形成装置本体の所定位置に設けて動作させるようにすることもできる。
【0028】
また、熱転写シート走行機構による熱転写シート150の走行経路の途中には、光センサ146が設けられる。光センサ146は、熱転写シート150に形成された位置検出マーク152Y、152M、152C、152Lを検出するものであり、光センサ146の検出結果に基づき、記録紙200に転写させる色の染料層が転写位置にセットされる。このため、光センサ146は、各位置検出マーク152Y、152M、152C、152Lを当該光センサ146が検出したときに、対応する染料層152Y、152M、152Cまたは保護材層156が転写位置に位置するように、サーマルヘッド110とプラテンローラ120との対向する位置から所定距離だけ離隔した位置に設けられる。
【0029】
表面性改質シート170は、記録紙200に形成された画像を保護する保護層の表面状態を改質する表面性改質部材となる、リボン状のシートである。表面性改質シート170は、二つのリーダーシートと、リーダーシートの間に設けられた改質シートとからなる。
【0030】
リーダーシートは、表面性改質シート170の位置出しを行うために設けられた、引っ張り強度の高いシートであり、それぞれ端部が巻取りリール162又は供給リール164に固定されている。リーダーシートは、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)からなる。
巻取りリール162に固定されているほうのリーダーシートには、サーマルヘッド110を逃すために形成された開口部が設けられている。
【0031】
開口部は、熱転写シート150により染料を記録紙200へ転写させる際に、開口部でサーマルヘッド110を通過させて熱転写シート150にサーマルヘッド110を押し当てるために形成される。開口部の幅は、サーマルヘッド110の主走査方向長さよりもやや大きめに形成されており、通常の印画時および保護層形成時には、印画紙に対して熱転写シート150を介してサーマルヘッド110が押し付けられる。これにより、印画紙および熱転写シートを移動させながらサーマルヘッド110を用いて画像を形成し、さらにその上に保護層を形成するという、通常の印画動作を行うことができるようになる。
【0032】
改質シートは、表面性改質処理を行うために用いられる部材であり、表面仕上げに応じた材質のシートが設けられる。本実施形態では、印画物の保護層表面に光沢性を持たせる鏡面加工を行うための改質シートが設けられている。鏡面加工を行うための改質シートとしては、例えば表面が極めて平坦なポリイミドフィルムを用いることができ、具体的にはユーピレックスS(登録商標)やカプトン(登録商標)等である。これに以外にも、改質シートとして、例えば、ポリサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリエチレンテレフタレート等を用いてもよい。
【0033】
表面改質処理時には、保護層は適度に軟化した状態で改質シートと密着した状態となるため、保護層の表面状態は、改質シートの表面状態に倣って平坦となる。そして、サーマルヘッド110による加熱処理が終了して、サーマルヘッド110が改質シートから離隔され、保護層が冷却した後に改質シートから記録紙200が当該改質シートから剥離される。印画物の保護層表面は、こうして改質シートの平坦面が保護層に転写されることで、極めて平坦で光沢のある表面に仕上げられる。
【0034】
<2.画像形成処理>
上述した画像形成装置では、図3A、図3Bに示す処理によって記録紙200に画像が形成される。以下、図3Aおよび図3Bに基づいて、本実施形態の画像形成装置による画像形成処理について説明する。なお、図3Aおよび図3Bは、本実施形態の画像形成装置による画像形成処理を示すフローチャートである。
【0035】
本実施形態の画像形成装置による画像形成処理は、熱転写シート150を用いた画像形成処理(S100〜S114)と、形成された画像の表面性改質処理(S115〜S134)とに大別される。まず、画像形成装置は、記録紙200に形成する画像データが入力されると、画像形成装置の制御部(図示せず。)は、記録紙200を所定方向に搬送するとともに、サーマルヘッド110、熱転写シート150および表面性改質シート170を初期位置に移動させる(S100)。記録紙200は、プラテンローラ120、ピンチローラ132およびキャプスタンローラ134がローラ駆動機構(図示せず。)により駆動されることにより所定方向に搬送される。初期状態において、表面性改質シート170は、巻取りリール162および供給リール164により構成される表面性改質シート走行機構によって走行され、サーマルヘッド110の熱転写シート150への押し付け位置に開口部172が位置するように移動される。
【0036】
次いで、熱転写シート150の供給リール142および巻取りリール144から構成される熱転写シート走行機構によって、熱転写シート150が移動される。これにより、記録紙200に対して画像を形成する位置に、図2に示す熱転写シート150の各染料層151Y、151M、151Cのいずれか1つの領域が位置される。熱転写シート150の位置合わせは、熱転写シート150に形成された位置検出マーク152Y、152M、152Cを検出可能なセンサ(図示せず。)の検出結果に基づき行うことができる。
【0037】
本実施形態では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)およびシアン(C)の3つの染料層151Y、151M、151Cが熱転写シート150に設けられている。例えば、まず、熱転写シート走行機構によりイエロー染料層151Yを画像形成位置に移動させた状態で熱転写シート150を介してサーマルヘッド110をプラテンローラ120に押圧させる。この状態で、サーマルヘッド110により熱転写シート150に熱エネルギを印加し、熱転写シート150のイエロー染料層151Yを記録紙200の表面に熱転写することによりイエローの画像が形成される(S102)。その後、記録紙200は、ピンチローラ132およびキャプスタンローラ134によって、次の色の画像を形成するために、初期位置に戻される(S104)。
【0038】
次に、イエローの画像の形成と同様に、マゼンタ染料層151Mを画像形成位置に移動して記録紙200の表面にマゼンタの画像を形成した後(S106)、記録紙200は再び初期位置に戻される(S108)。そして、シアン染料層151Cを画像形成位置に移動して記録紙200の表面にシアンの画像を形成した後(S110)、記録紙200は再び初期位置に戻される(S112)。これにより、記録紙200に対して所望の染料層151Y、151M、151Cによって画像が形成される。
【0039】
その後、記録紙200に形成された画像と熱転写シート150の保護材層156とを対向させた状態で、熱転写シート150を介してサーマルヘッド110をプラテンローラ120に押圧させる。この状態で、サーマルヘッド110により熱転写シート150に熱エネルギを印加し、熱転写シート150の保護材層156を記録紙200に形成された画像上に熱転写する(S114)。このとき、熱転写シート150は、熱転写シート走行機構により走行される。そして、センサ(図示せず。)が保護材層156の位置を示す位置検出マーク152Lを検出することにより、熱転写シート150の位置を認識して、熱転写シート150の保護材層156を画像形成位置に位置合わせすることができる。
【0040】
保護材層156が記録紙200の表面に転写されると、画像の表面に形成された保護層の表面状態はまだ改質されていない。そこで、ステップS115〜S134の処理により、ユーザにより指定された表面状態に保護層が改質される。まず、制御部は、ユーザによって指定された表面状態の仕上げ種類を確認する(S115)。図3Bに示す処理手順では、表面状態を光沢仕上げ、またはマット調仕上げのいずれかを選択できるようになっているが、この選択は、表面性改質シート170に設けられた表面性改質部の種類によって決まる。例えば、本実施形態の表面性改質シート170のように、光沢仕上げを行う改質シート174のみが設けられているときには、光沢仕上げ処理(S116〜S124)のみが実行可能となる。
【0041】
光沢仕上げ処理が指定されている場合には、まず、記録紙200が初期位置まで走行され(S116)、熱転写シート150が巻き戻される(S118)。このとき、熱転写シート150は、保護材層156が記録紙200に転写される前の位置、すなわち先端位置L1sの位置まで巻き戻される(S120)。その後、表面性改質シート170を巻取りリール162および供給リール164によって走行させ、画像形成位置に、開口部172から改質シート174が位置するようにされる(S122)。このように、記録紙200の画像上に形成された保護層と、表面性改質シート170の改質シート174とが位置合わせされた後、これらをサーマルヘッド110によって加圧しながら加熱する。そして、冷却後に改質シート174を記録紙200から剥離すると、改質シート174の平坦面が保護層に転写され、画像表面に光沢性が与えられる(S124)。
【0042】
ステップS115にてマット調仕上げ処理が指定されている場合も同様に、まず、記録紙200が初期位置まで走行され(S126)、熱転写シート150が巻き戻される(S128)。このとき、熱転写シート150は、保護材層156が記録紙200に転写される前の位置、すなわち先端位置L1sの位置まで巻き戻される(S130)。その後、表面性改質シート170を巻取りリール162および供給リール164によって走行させ、画像形成位置に、開口部172からマット調仕上げを行う表面性改質部が位置するようにされる(S132)。このように、記録紙200の画像上に形成された保護層と、表面性改質シート170のマット調仕上げを行う表面性改質部とが位置合わせされた後、これらをサーマルヘッド110によって加圧しながら加熱する。そして、冷却後に当該表面性改質部を記録紙200から剥離すると、保護層への転写が行われ、画像表面がマット調となる(S134)。
【0043】
他の種類の表面性改質部による表面性改質処理も、ステップS116〜S134と同様に行うことができる。このように、画像の表面性改質処理が終了すると、プラテンローラ120の回転とともに熱転写シート150、表面性改質シート170および記録紙200が搬送方向下流側に移動され、サーマルヘッド110から離隔される。そして、熱転写シート150、表面性改質シート170および記録紙200の温度がほぼ所定値以下となり冷却された状態となった後に、表面性改質シート170が記録紙200から剥離される。
【0044】
次いで、表面性改質シート170を移動させ、開口部172が画像形成位置となるように改質シート174を退避させた後(S135)、供給リール142および巻取りリール144により、熱転写シート150を巻き上げて使用された染料層151および保護材層156を供給リール144に巻き取る(S136)。そして、次の記録紙200に画像を形成するための染料層151および保護材層156が供給リール142から供給され、初期位置まで走行される(S138)。一方、記録紙200は、切断部(図4、図5の符号180)により所定サイズに切断された後、画像形成装置の排出口から排出される(S140)。その後、終了処理が行われ(S142)、本実施形態に係る画像形成装置による画像形成処理が終了する。
【0045】
なお、複数枚の印画を連続的に行う場合で、各印画物の表面仕上げ状態が異なる場合であっても、図3Aおよび図3Bの処理を印画物毎に繰り返し行うことにより、指定された表面仕上げ状態を実現することができる。
【0046】
<3.熱転写シート150と表面性改質シート170の駆動源>
本実施形態に係る画像形成装置では、熱転写シート150と表面性改質シート170の駆動源が、リボントレー(図示せず。)と表面性改質シートカートリッジの外部に配置されている。リボントレーは、熱転写シート150を収容し、表面性改質シートカートリッジ160は表面性改質シート170を収容する。表面性改質シートカートリッジ160はリボントレーに設置される。これにより、表面性改質シート170を画像形成装置本体から容易に着脱することができ、装置を小型化することもでき、メンテナンス性も向上させることができる。以下、図4、図5に基づいて、本実施形態に係る表面性改質シートカートリッジ160の構成について詳細に説明する。
【0047】
[表面性改質シートカートリッジについて]
図4および図5に、本実施形態に係る画像形成装置における表面性改質シートカートリッジ160および熱転写シート150の配置を示す。
【0048】
図4は、熱転写シート150および表面性改質シートカートリッジ160に収容された表面性改質シート170の走行時の状態を示す説明図である。熱転写シート150および表面性改質シート170は、それぞれの位置出し動作時(走行時)において、各シートが互いに影響を及ぼすことがないように、各シートの走行パスは離隔されている。図4に示す状態は、表面性転写シートカートリッジ160をリボントレーから着脱するときの状態でもある。
【0049】
一方、表面性改質処理時には、図5に示すように、サーマルヘッド110が待機位置より上昇され、印画紙200、表面性改質シート170および熱転写シート150をプラテンローラ120との間に挟み込む。このように、画紙200、表面性改質シート170および熱転写シート150が押圧された状態で、加熱しながら搬送されることで表面性改質処理が行われる。
【0050】
表面性改質処理時に、熱転写シート150と表面性改質シート170とは略平行に搬送させる必要がある。搬送方向に角度が生じた場合、各シート150、170や記録紙200に発生するしわ等の原因となり、表面性の品位の妨げとなる。したがって、熱転写シート150の供給リール142および巻取りリール144、および表面性改質シート170の巻取りリール162および供給リール164の4本を平行に配置させなければならない。
【0051】
また、熱転写シート150の供給リール142および巻取りリール144、および表面性改質シート170の巻取りリール162および供給リール164にはそれぞれ、駆動部と接続される端部側にトルクリミッタ(図示せず。)が設けられる。これにより、熱転写シート150と表面性改質シート170にテンションを発生させることができる。
【0052】
[駆動部について]
上述した表面仕上げ連続処理を実現するため、表面性改質シート170の表面性改質シートカートリッジ160からの出し入れや、表面性改質処理時に表面性改質シート170のテンションを発生させる駆動源が必要である。表面性改質処理は、画像形成処理とは別工程の処理であるため、それぞれの機能を果たすユニットを別ユニットとして構成すると装置の大型化やコスト上昇が見込まれる。そこで、本実施形態では、表面性改質シート170の駆動源として、従来の画像形成装置に備わっている熱転写シート150用の駆動源を使用する。表面性改質シート170の駆動源と熱転写シート150の駆動源を共通化することによって、従来の画像形成装置に対して少ない機構の追加だけで表面性改質処理を実現できる。その結果、画像形成装置の小型化やコスト上昇率の低減を図ることができる。
【0053】
本実施形態では、(1)表面性改質シート170を巻き付けた巻取りリール162と同軸にトルクリミッタ(図示せず。)を設ける。これにより、表面性改質シート170にテンションを発生させることができる。また、(2)巻取りリール162のトルクリミッタをスリップさせるため、熱転写シート150の外径変化も加味しながら、熱転写シート150の送り速度よりも表面性改質シート170が速いスピードになるように、駆動源のギア列の減速比を設定する。これにより、表面性改質シート170にテンションを発生させることができる。
【0054】
図6に実際の駆動ギア列を示す。駆動源はモーター10であり、モーター10にはギア12が設けられている。図6では、図の右側が記録紙200の搬送方向下流側である(図1とは左右反対である)。
【0055】
ギア58、56、54、52はリボントレー内に設けられ、ギア62、60、50は、表面性改質シートカートリッジ160に設けられる。一方、モーター1、ギア12、14、16、34、36、18、20、30、32、38、40、22、24、26、28は、画像形成装置内に設けられる。
【0056】
ギア58は熱転写シート150の巻取りリール144に結合される。ギア58には、ギア56が常に噛み合っている。そして、ギア36がギア56に接続したり離れたりすることで、ギア58に結合した巻取りリール144の駆動と非駆動が切り替えられる。ギア36は、ギア12、ギア14、ギア16及びギア34を介して、モーター10による駆動力が伝達される。これらのギア列が、表面性改質処理時に熱転写シート150を駆動する。
【0057】
ギア54は熱転写シート150の供給リール142に結合される。ギア54には、ギア52が常に噛み合っている。そして、ギア32がギア52に接続したり離れたりすることで、ギア54に結合した供給リール142の駆動と非駆動が切り替えられる。ギア32は、ギア12、ギア14、ギア16、ギア18、ギア20及びギア30を介して、モーター10による駆動力が伝達される。これらのギア列が熱転写シート150を巻き戻す。
【0058】
ギア62は表面性改質シート170の供給リール164に結合される。ギア62には、ギア60が常に噛み合っている。そして、ギア40がギア60に接続したり離れたりすることで、ギア62に結合した供給リール164の駆動と非駆動が切り替えられる。ギア40は、ギア12、ギア14及びギア38を介して、モーター10による駆動力が伝達される。これらのギア列が表面性改質処理時に表面性改質シート170を駆動する。
【0059】
ギア50は表面性改質シート170の巻取りリール162に結合される。そして、ギア28がギア50に接続したり離れたりすることで、ギア50に結合した巻取りリール162の駆動と非駆動が切り替えられる。ギア28は、ギア12、ギア14、ギア16、ギア18、ギア20、ギア22、ギア24およびギア26を介して、モーター10による駆動力が伝達される。これらのギア列が表面性改質シート170を供給リール164側から引き出す。
【0060】
以下、処理順に説明する。
スタンバイ時には、図6に示すように、画像形成装置内の熱転写シート150、記録紙200を交換するために、ギア56、ギア52、ギア60及びギア50はそれぞれ、ギア36、ギア32、ギア40及びギア28から物理的に離れた状態となり、画像形成装置本体から表面性改質シートカートリッジ160を取り出すことができる。
【0061】
イエロー染料層151Y、マゼンタ染料層151M、シアン染料層151Cの各染料層と保護材層156の画像形成処理では、図7に示すように、ギア56とギア36のみが接続状態となり、熱転写シート150のみがモーター10によって駆動される。これによって、熱転写シート150が供給リール142側から巻取りリール144側に巻き取られていく。
【0062】
次に、保護材層156が記録紙200の表面に転写されると、表面性改質処理のため、熱転写シート150は、保護材層156が記録紙200に転写される前の位置、すなわち先端位置L1sの位置まで巻き戻される。この巻き戻しの処理では、図8に示すように、ギア52とギア32が接続状態、ギア56とギア36が接続状態となり、熱転写シート150のみがモーター10によって駆動される。これによって、熱転写シート150が巻取りリール144側から供給リール142側に巻き取られていく。
【0063】
また、表面性改質処理のため、表面性改質シート170を供給リール164側から巻取りリール162に引き出す。この表面性改質シート170の引き出しの処理では、図9に示すように、ギア50とギア28のみが接続状態となり、表面性改質シート170のみがモーター10によって駆動される。そして、供給リール164に巻きついている表面性改質シート170は、表面性改質シート170に形成された表面性改質処理開始位置を示す格納位置検知穴が検知される箇所まで引き出される。
【0064】
そして、表面性改質処理では、図10に示すように、ギア56とギア36が接続状態、ギア60とギア40が接続状態となる。その結果、熱転写シート150は巻取りリール144に巻き取られ、表面性改質シート170は供給リール164へ巻き戻され、熱転写シート150と表面性改質シート170が同期して搬送される。この際、機構の減速比の設定によって、必ず熱転写シート150と表面性改質シート170の両者にテンションが働く。また、熱転写シート150の供給リール142と、表面性改質シート170の巻取りリール162に接続されているトルクリミッタが働き、熱転写シート150と表面性改質シート170が引き出される側にもテンションが発生している。
【0065】
表面性改質処理後には、表面性改質シート170を供給リール164へ格納する。表面性改質シート170の格納処理では、図11に示すように、ギア60とギア40のみが接続状態となり、表面性改質シート170のみが駆動される。その結果、表面性改質シート170が供給リール164に巻き取られ、表面性改質シート170は表面性改質処理前の状態に戻る。
【0066】
図12は、上述した各処理におけるギア36、32、40、28の接離状態を示す表である。○は、ギア36、32、40、28がそれぞれ、ギア56、52、60、50と接続している状態を示し、×は、ギア36、32、40、28がそれぞれ、ギア56、52、60、50と離れている状態を示す。
【0067】
なお、ギア28の接離動作は、図13及び図14に示すように、ギア28が取り付いたレバー70の動作によって行う。ギア28は、ギア26の周囲を公転してギア50に接続したり離れたりする。ギア30の接離動作は、図15及び図16に示すように、ギア32が取り付いたレバー72の動作によって行う。ギア32は、ギア30の周囲を公転してギア52に接続したり離れたりする。
【0068】
ギア36の接離動作は、図17及び図18に示すように、ギア36が取り付いたアーム76をガイドする溝カム74の動作によって行う。ギア36は、ギア34の周囲を公転してギア56に接続したり離れたりする。ギア40の接離動作は、図20及び図21に示すように、ギア40が取り付いたアーム78、80をガイドする溝カム74の動作によって行う。ギア40は、ギア38の周囲を公転してギア60に接続したり離れたりする。
【0069】
レバー70、72や溝カム74の動作は、上述した処理に合わせて制御され駆動する。溝カム74の現在位置は、図示しないセンサによって検出される。上記の機構では、それぞれ太陽ギアの周囲を公転する遊星ギアの公転位置を異ならせることでそれぞれのリールの回転軸に設けられたギアと遊星ギアとの接離を行わせる。
【0070】
また、実際の表面性改質処理時には熱転写シート150、表面性改質シート170のテンションの安定化を図るため、加熱開始前に助走距離を設け、テンションが両シートに確実にかかった時点から加熱を行い、しわ等の発生を防ぐ。
【0071】
以上、本実施形態によれば、昇華方式やその他の方式で形成された記録紙200の表面状態を、表面改質処理により光沢仕上げやマット調仕上げを始めとする各種所望の表面仕上げ状態で形成する機能を持った画像形成装置において、表面性改質シート170の供給リール164からの出し入れや、表面改質処理時に表面性改質シート170にテンションを発生させる駆動源を、従来ある熱転写シート150の駆動源と共通化することにより、従来の表面改質処理の無い画像形成装置対して、少ない機構追加で表面改質処理を実現可能な技術であり、画像形成装置の本体体積、製造コストに関してメリットがある。
【0072】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0073】
100 サーマルプリンタ
110 サーマルヘッド
120 プラテンローラ
132 ピンチローラ
134 キャプスタンローラ
142 供給リール
144 巻取りリール
150 熱転写シート
151 染料層
156 保護材層
160 表面性改質シートカートリッジ
162 巻取りリール
164 供給リール
170 表面性改質シート
200 記録紙



【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動モーターと、
表面性改質シートを供給又は巻き取る第1及び第2の表面性改質シートリールと、
熱転写シートを供給又は巻き取る第1及び第2の熱転写シートリールと、
前記駆動モーターの駆動力を第1の表面性改質シートリールに接離する第1の接離機構と、
前記駆動モーターの駆動力を第2の表面性改質シートリールに接離する第2の接離機構と、
前記駆動モーターの駆動力を第1の熱転写シートリールに接離する第3の接離機構と、
前記駆動モーターの駆動力を第2の熱転写シートリールに接離する第4の接離機構と、
をそなえた駆動力伝達機構を有し、
前記駆動力伝達機構は、前記駆動モーターの駆動に基づいて、それぞれの接離機構の接離を異ならせる画像形成装置。
【請求項2】
前記駆動モーターの駆動に基づいて、
前記第1、第2、第3の接離機構を離間させ、前記第4の接離機構は接続する第1の接離状態と、
前記第1、第3、第4の接離機構を離間させ、前記第2の接離機構は接続する第2の接離状態と、
前記第2、第3の接離機構を離間させ、前記第1、第4の接離機構は接続する第3の接離状態と、
前記第2、第3、第4の接離機構を離間させ、前記第1の接離機構は接続する第4の接離状態と、
を有する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1の接離状態では画像形成処理を行わせ、
前記第2の接離状態では前記表面性改質シートの表面性改質領域を所定の位置に搬送させ、
前記第3の接離状態では表面性改質処理を行わせ、
前記第4の接離状態では前記表面性改質シートの開口部を所定の位置に搬送させる、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第3の接離状態に於いて、前記表面性改質シートの搬送速度と、前記熱転写シートの搬送速度とが異なるように駆動力を伝達する、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1乃至第4の接離機構は、それぞれ太陽ギアの周囲を公転する遊星ギアの公転位置を異ならせることでそれぞれのリールの回転軸に設けられたギアと遊星ギアとの接離を行わせる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
表面性改質処理のための加熱前に、表面性改質シートと熱転写シートの巻き取りを開始する、請求項3に記載の画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−56291(P2012−56291A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−204702(P2010−204702)
【出願日】平成22年9月13日(2010.9.13)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】