説明

画像形成装置

【課題】第1および第2処理部によって効率的に処理を実行することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】給紙部20は、主として、複数段の給紙カセット21と、複数の繰り出しローラー22と、分離ローラー対23と、を有している。各繰り出しローラー22および分離ローラー対23の回転動作が制御され、各給紙カセット21からの供給タイミングが調整されることによって、複数の記録材が、各給紙カセット21から共通給紙路R1に、重ねて供給される。経路切換爪25は、共通給紙路R1を介して供給される記録材の経路を、第1搬送路Raおよび第2搬送路Rbのいずれかに切り換える。そして、経路切換爪25が所望のタイミングで回動させられ、記録材の経路が切り換えられることによって、給紙部20により重ねて供給された記録材は、経路切換爪25により分離される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、複写機、プリンター、ファクシミリ及びこれらの機能を複合的に備えた複合機等の画像形成装置に関するもので、特に、記録材の供給手法の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、原稿載置部と、複数の原稿分離部と、読み取り部と、および複数の原稿排紙部と、を有する画像読み取り装置が、知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1の画像読み取り装置において、複数の原稿分離部のそれぞれは、単一の原稿載置部から、1枚ずつ原稿を分離する。そして、分離された各原稿は、重ね合わせられた状態で、読み取り部により読み取られる。
【0003】
また、シートの一部を重ねて搬送することによって、装置全体のスループットを向上させる技術も、従来より知られている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−217032号公報
【特許文献2】特開2000−095379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1および2の技術のいずれにも、重ね合わせられた各用紙を分離するとともに、各用紙を対応の処理部で処理するための技術は、何ら言及されていない。
【0006】
そこで、本発明では、第1および第2処理部によって効率的に処理を実行することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、画像形成装置であって、第1搬送路を介して供給される第1記録材に、第1処理を実行する第1処理部と、第2搬送路を介して供給される第2記録材に、第2処理を実行する第2処理部と、共通給紙路を介して供給される前記第1および第2記録材の経路を、前記第1搬送路と、前記第2搬送路と、のいずれかに切り換える切換部と、前記共通給紙路に前記第1および第2記録材を重ねて供給する給紙部とを備え、前記切換部は、前記給紙部により重ねて供給された前記第1および第2記録材が、それぞれ前記第1および第2処理部のうち対応するものに分離して搬送できるように、前記第1および第2記録材の経路を切り換えることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記切換部により分離された前記第1および第2記録材を、分離前と同様な順番に重ねて排紙する排紙部、をさらに備えることを特徴とする。
【0009】
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の画像形成装置において、前記第1および第2処理部のうちの少なくとも1つは、画像形成部であることを特徴とする。
【0010】
また、請求項4の発明は、請求項1または請求項2に記載の画像形成装置において、前記第1および第2処理部のうちの少なくとも1つは、画像読取部であることを特徴とする。
【0011】
また、請求項5の発明は、請求項1または請求項2に記載の画像形成装置において、前記第1および第2処理部のうちの少なくとも1つは、ステープル部であることを特徴とする。
【0012】
また、請求項6の発明は、請求項1または請求項2に記載の画像形成装置において、前記第1および第2処理部のうちの少なくとも1つは、パンチ処理部であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1から請求項6に記載の発明によれば、給紙部から重ねて供給される第1および第2記録材は、切換部で分離される。これにより、第1および第2処理部への記録材の供給が並列的に実行できる。すなわち、第1および第2処理部のうち、一方への記録材の供給が完了する前に、他方への記録材の供給が開始できる。そのため、第1および第2処理部における処理が、並行して実行できる。その結果、すべての第1および第2記録材に対して実行される処理の総時間が、短縮できる。
【0014】
特に、請求項2に記載の発明によれば、切換部により分離された第1および第2記録材は、排紙部によって分離前と同様な順番に重ねて排紙される。すなわち、第1および第2処理部での各処理時間ついて、一方の処理時間が他方の処理時間より短い場合であっても、第1および第2記録材が異なったタイミングで排紙されることを防止できる。そのため、第1および第2処理部で処理が実行される場合において、各処理時間の長短によらず、正しい順番(重ね方)で第1および第2記録材が排紙できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるプリンターのハードウェア構成の一例を示す図である。
【図2】複数の記録材を分離する手法を説明するための図である。
【図3】複数の記録材を分離する手法を説明するための図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態におけるプリンターのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0017】
<1.第1の実施の形態>
<1.1.プリンターの概要>
図1は、本実施の形態におけるプリンター1のハードウェア構成の一例を示す図である。図2および図3は、重ね合わせられた複数の記録材P(P1、P2)を1枚ずつに分離する手法を説明するための図である。
【0018】
ここで、プリンター1は、電子写真方式によりモノクロ画像およびカラー画像を印刷するための画像形成装置である。図1に示すように、プリンター1は、主として、モノクロ画像形成部10と、カラー画像形成部101と、給紙部20と、経路切換爪25と、排紙部50と、を備えている。
【0019】
図1に示すように、モノクロ画像形成部10とカラー画像形成部101とは、給紙部20上に横方向(紙面左右方向)に並べて配置されている。図示は省略するが、プリンター1は、例えばLAN(Local Area Network)といったネットワークに接続されても良い。そして、外部端末(図示省略)等からモノクロ印刷指令やカラー印刷指令を受け付けると、プリンター1は、当該指令に基づいてモノクロ印刷ジョブやカラー印刷ジョブを実行するように構成されても良い。
【0020】
なお、本実施の形態において、これら印刷ジョブには、記録材Pの片面に印刷(画像形成)する片面モードのジョブと、記録材Pの一方面および他方面に印刷する両面モードのジョブと、が含まれている。
【0021】
また、本実施の形態において、カラー画像形成部101における画像形成速度は、モノクロ画像形成部10における画像形成速度より遅い。また、後述する第1搬送路Raおよび第2搬送路Rbにおける記録材Pの搬送速度は、可変とされている。さらに、図1中の各搬送路R1〜R5、Ra、Rbに付された矢印は、記録材Pの搬送方向を示す。
【0022】
モノクロ画像形成部10(第1処理部)は、第1搬送路Raを介して供給される記録材P(第1記録材)にモノクロ画像を印刷する処理(第1処理)を実行する。例えば、モノクロ画像形成部10は、周知の電子写真方式によって、モノクロ感光体ドラム13上に形成されたモノクロトナー像を記録材Pに転写する。
【0023】
モノクロ画像形成部10のモノクロ感光体ドラム13は、図1の反時計方向に回転駆動する。モノクロ感光体ドラム13の周囲には、モノクロ露光部15、並びに帯電部、現像部、除電ランプ、および感光体クリーナー(いずれも図示省略)等が配置されている。
【0024】
図1に示すように、モノクロ感光体ドラム13と、モノクロ転写ローラー7とは、対峙しており、モノクロ感光体ドラム13とモノクロ転写ローラー7とは、モノクロ転写位置18で当接する。モノクロ画像形成部10の現像剤は、トナー及びキャリアからなる2成分系現像剤が好ましいが、キャリアを用いない1成分系現像剤であっても良い。
【0025】
カラー画像形成部101(第2処理部)は、第2搬送路Rbを介して供給される記録材P(第2記録材)にカラー画像を印刷する処理(第2処理)を実行する。例えば、カラー画像形成部101は、周知の電子写真方式によって、カラー感光体ドラム103上に形成されたカラートナー像を記録材Pに転写する。
【0026】
カラー画像形成部101は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各色に対応する計4つの作像部102、並びに、中間転写ベルト111等を備えている。4つの作像部102は、中間転写ベルト111の下方において、例えばイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順に、中間転写ベルト111に沿って並べて配置されている。各作像部102は、図1の反時計方向に回転駆動するカラー感光体ドラム103を有している。
【0027】
なお、本実施の形態において、モノクロ画像形成部10およびカラー画像形成部101は、ユニット化されており、装置本体1a内から容易に分離できる。
【0028】
カラー感光体ドラム103の周囲には、カラー露光部105、並びに帯電部、現像部、一次転写ローラー、および感光体クリーナー(いずれも図示省略)等が配置されている。なお、図1では説明の便宜上、再現色に応じた符号Y、M、C、Kを、それぞれの作像部102及びカラー感光体ドラム103に添えている。
【0029】
中間転写ベルト111は駆動ローラー112及び従動ローラー113に巻き掛けられていて、図1の反時計方向に回転駆動する。中間転写ベルト111のうち駆動ローラー112に巻き掛けられた部分の外側に二次転写ローラー114が配置されている。中間転写ベルト111と二次転写ローラー114とは、カラー転写位置118で当接する。中間転写ベルト111のうち従動ローラー113に巻き掛けられた部分の外側には、中間転写ベルト111上の未転写トナーを除去する転写ベルトクリーナ(図示省略)が配置される。
【0030】
なお、カラー画像形成部101の現像剤は、キャリアを用いない1成分系現像剤が好ましいが、トナー及びキャリアからなる2成分系現像剤であっても良い。また、カラー画像形成部101は、電子写真方式のものに限らず、電子写真方式以外のもの、例えばインクジェット方式やトナージェット方式のものでもよい。
【0031】
給紙部20は、モノクロ画像形成部10とカラー画像形成部101とに記録材Pを供給する。図1に示すように、給紙部20は、主として、複数段の給紙カセット21と、複数の繰り出しローラー22と、分離ローラー対23と、を有している。また、図1に示すように、各給紙カセット21に対応する第1〜第3給紙路R11、R12、R13は、共通給紙路R1と接続されている。
【0032】
各給紙カセット21は、一または複数の記録材Pを収容する収容部である。各繰り出しローラー22は、対応する給紙カセット21内の記録材Pを最上層から繰り出す。各分離ローラー対23は、対応する給紙カセット21から繰り出された記録材Pを、1枚ずつ分離する。
【0033】
したがって、各繰り出しローラー22および分離ローラー対23の回転動作が制御され、各給紙カセット21からの供給タイミングが調整されることによって、複数の記録材P(例えば、図2および図3の記録材P1、P2)が、各給紙カセット21から共通給紙路R1に、重ねて供給される。
【0034】
なお、第1の実施の形態におけるプリンター1は、A3対応機である。そのため、最大でA3サイズの記録材Pが短辺側から各画像形成部10、101等に縦送りの姿勢で進入できるように、各給紙カセット21に記録材Pが収容されている。ここで、A3縦の記録材Pの幅寸法長さは297mm、搬送方向長さは420mmである。
【0035】
経路切換爪25(切換部)は、共通給紙路R1を介して供給される記録材P(P1、P2)の経路を、第1搬送路Raおよび第2搬送路Rbのいずれかに切り換える。より具体的に言うと、経路切換爪25は、後述する制御部60に接続されたソレノイド(図示省略)の励磁によって、(a)第2搬送路Rb側が閉止され、かつ、共通給紙路R1と第1搬送路Raとが接続された状態と、(b)第1搬送路Ra側が閉止され、かつ、共通給紙路R1と、第2搬送路Rbとが接続された状態と、を切り換える。そのため、経路切換爪25の切換動作によって、給紙部20の各給紙カセット21から供給される記録材Pは、画像形成部10、101のいずれかに搬送できる。
【0036】
レジストローラー対24は、図1に示すように、第1搬送路Raに沿った経路上のうち、モノクロ転写位置18と経路切換爪25との間の位置に設けられている。そして、レジストローラー対24の回転動作が制御されることによって、モノクロ転写位置18に記録材Pが送り出されるタイミングが、制御される。
【0037】
上流側中継ローラー対123およびレジストローラー対124は、第2搬送路Rbに沿った経路上のうち、カラー転写位置118と経路切換爪25との間の位置に、設けられている。図1に示すように、上流側中継ローラー対123およびレジストローラー対124は、記録材Pの搬送方向における上流側から下流側に向かって、この順番に設けられている。
【0038】
上流側中継ローラー対123は、レジストローラー対124に向けて搬送される記録材Pの搬送動作を中継する。また、レジストローラー対124の回転動作が制御されることによって、カラー転写位置118に記録材Pが送り出されるタイミングが、制御される。
【0039】
モノクロ定着部30は、記録材P上に転写されたモノクロトナー像を、定着させる。図1に示すように、モノクロ定着部30は、第1搬送路Raに沿った経路上のうち、モノクロ転写位置18よりも下流側に配置されており、主として、定着ローラー31と、加圧ローラー32とを有している。
【0040】
定着ローラー31は、ハロゲンランプ等の定着ヒーターを内蔵している。加圧ローラー32は、定着ローラー31と対峙して設けられており、両ローラー31、32の間の記録材Pを加圧する。そして、両ローラー31、32は、モノクロ定着位置で当接する。そして、定着ローラー31により定着処理が実行された記録材Pは、第1排紙路R3を介して共通排紙路R2に案内される。
【0041】
カラー定着部130は、記録材P上に転写されたカラートナー像を定着させる。図1に示すように、カラー定着部130は、第2搬送路Rbに沿った経路上のうち、カラー転写位置118よりも下流側に配置されており、主として、定着ローラー131と、加圧ローラー132と、を有している。
【0042】
定着ローラー131は、定着ローラー31と同様に、ハロゲンランプ等の定着ヒーターを内蔵している。加圧ローラー132は、定着ローラー131と対峙して設けられており、両ローラー131、132の間の記録材Pを加圧する。そして、両ローラー131、132は、カラー定着位置で当接する。
【0043】
経路切換爪145は、第2搬送路Rbを介して供給される記録材Pの経路を反転路R5に、反転ローラー対151で反転させられた記録材Pの経路を第2排紙路R4に、それぞれ切り換える。より具体的に言うと、経路切換爪145は、後述する制御部60に接続されたソレノイド(図示省略)の励磁によって、(c)第2排紙路R4側が閉止され、かつ、第2搬送路Rbと反転路R5とが接続された状態と、(d)第2搬送路Rb側が閉止され、かつ、第2排紙路R4と反転路R5とが接続された状態と、を切り換える。
【0044】
なお、図1に示すように、第2排紙路R4の下流側は、共通排紙路R2と接続されている。したがって、反転ローラー対151で搬送方向が反転された記録材Pは、第2排紙路R4を介して、共通排紙路R2に案内される。
【0045】
排紙部50は、主として、排紙ローラー対51と、排紙トレイ52と、を有しており、処理済の記録材Pを排紙トレイ52に排出する。図1に示すように、排紙ローラー対51は、共通排紙路R2に設けられている。
【0046】
ここで、経路切換爪25により分離された記録材P1、P2(図2および図3参照)が、分離前と同様な順番に重ねて排紙できるように、記録材P1、P2は、対応する第1および第2排紙路R3、R4で待機させられる。
【0047】
したがって、排紙部50は、記録材P1、P2を、分離前と同様な順番に重ねて排紙できる。例えば、本実施の形態のプリンター1のように、モノクロ画像形成部10での処理時間がカラー画像形成部101での処理時間より短い場合であっても、記録材P1、P2が異なったタイミングで排紙されることを防止できる。そのため、モノクロ画像形成部10およびカラー画像形成部101で処理が実行される場合において、各処理時間の長短によらず、正しい順番(重ね方)で記録材P1、P2が排紙できる。
【0048】
なお、最上層の給紙部20と上流側中継ローラー対123との間には、制御部60が配置されている。制御部60は、外部端末(図示省略)等からの画像信号を受けて、これをデジタル化したY−K色用の画像データに変換するとともに、モノクロ画像形成部10、カラー画像形成部101及び給紙部20等の動作を制御することによって、印刷動作を実行させる。
【0049】
また、装置本体1a内のうち、第1搬送路Raおよび第2搬送路Rbに囲繞された空間には、高圧電源19が配置されている。高圧電源19は、モノクロ画像形成部10およびカラー画像形成部101に高電圧を付与する。そして、図1に示すように、高圧電源19が、モノクロ画像形成部10およびカラー画像形成部101の中央付近に配置されることによって、モノクロ画像形成部10およびカラー画像形成部101に含まれるモノクロおよびカラー露光部15、105、および高圧電源19等を装置本体1a内に集約して配置することができる。
【0050】
<1.2.並列処理>
ここでは、図1から図3を参照しつつ、モノクロ画像形成部10およびカラー画像形成部101により実行される並列処理を説明する。なお、本処理が実行される前の時点において、経路切換爪25が回動させられており、記録材P1、P2の経路が、第2搬送路Rbに切り換えられている。
【0051】
まず、各給紙カセット21から記録材Pが供給されるタイミングが調整されると、図2に示すように、複数(本実施の形態では、2枚)の記録材P1、P2が、経路切換爪25に重なって供給される。より具体的には、図2に示すように、記録材P1の先端が、記録材P2の先端と比較して搬送方向の下流側に位置するように、記録材P1、P2が重ねられる。
【0052】
次に、記録材P1の先端が経路切換爪25に到達すると、記録材P1は、図2に示すように、第2搬送路Rbに案内される。このとき、記録材P2の先端は、経路切換爪25に到達しておらず、記録材P2は、共通給紙路R1を搬送されている。
【0053】
続いて、記録材P2の先端が経路切換爪25に到達する前の時点において、経路切換爪25が矢印RR1方向に回動させられる。これにより、記録材P2の先端が経路切換爪25に到達すると、記録材P2は、図3に示すように、第1搬送路Raに案内される。
【0054】
このように、経路切換爪25が所望のタイミングで回動させられ、記録材P1、P2の経路が切り換えられることによって、給紙部20により重ねて供給された記録材P1、P2は、経路切換爪25により分離される。そして、記録材P1、P2は、モノクロ画像形成部10およびカラー画像形成部101のうち対応するものに搬送される。
【0055】
<1.3.第1の実施の形態のプリンターの利点>
以上のように、本実施の形態のプリンター1において、記録材P1、P2(図2および図3参照)は、経路切換爪25で分離される。これにより、モノクロ画像形成部10およびカラー画像形成部101への記録材P1、P2の供給が並列的に実行できる。
【0056】
すなわち、モノクロ画像形成部10およびカラー画像形成部101のうち、一方(図2および図3の場合、モノクロ画像形成部10)への記録材P1の供給が完了する前に、他方(図2および図3の場合、カラー画像形成部101)への記録材P2の供給が開始できる。
【0057】
そのため、モノクロ画像形成部10およびカラー画像形成部101における処理(画像形成処理)が、並行して実行できる。その結果、すべての記録材P1、P2に対して実行される処理の総時間が、短縮できる。
【0058】
<2.第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図4は、第2の実施の形態におけるプリンター200のハードウェア構成の一例を示す図である。図4に示すように、第2の実施の形態のプリンター200は、画像読取部201を有する点を除いては、第1の実施の形態のプリンター1と同様なものである。
【0059】
そこで、以下ではこの相違点を中心に説明する。なお、以下の説明において、第1の実施の形態のプリンター1における構成要素と同様な構成要素については同一符号を付している。これら同一符号の構成要素は、第1の実施の形態において説明済みであるため、本実施の形態では説明を省略する。
【0060】
画像読取部201は、いわゆる画像入力部(スキャナー部)であり、記録材Pのようなシート状の媒体から画像を読み取る。図4に示すように、画像読取部201は、第2搬送路Rbの経路上に設けられている。
【0061】
したがって、本実施の形態のプリンター200では、モノクロ画像形成部10および画像読取部201のうち、一方への記録材Pの供給が完了する前に、他方への記録材の供給が開始できる。そのため、モノクロ画像形成部10および画像読取部201における処理が、並行して実行できる。その結果、すべての記録材Pに対して実行される処理の総時間が、短縮できる。
【0062】
<3.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
【0063】
(1)第1および第2の実施の形態において、第2搬送路Rb側を搬送させる記録材P1の先端が、第1搬送路Ra側を搬送される記録材P2の先端と比較して搬送方向の下流側に位置するものとして説明したが、記録材P1、P2の先端位置はこれに限定されるものでない。例えば、記録材P2の先端が、記録材P1の先端と比較して搬送方向の下流側に位置しても良い。この場合、記録材P2が、記録材P1に先立って経路切換爪25に到達する。
【0064】
(2)また、第2の実施の形態において、第2搬送路Rbの経路上に設けられている処理部は画像読取部201であるものとして説明したが、処理部の種類はこれに限定されるものでない。例えば、図4に示すように、プリンター300の場合にはステープル部301が、プリンター400の場合にはパンチ処理部401が、それぞれ処理部として第2搬送路Rbの経路上に設けられても良い。
【0065】
この場合、プリンター300では、モノクロ画像形成部10およびステープル部301のうち、一方への記録材Pの供給が完了する前に、他方への記録材の供給が開始できる。また、プリンター400では、モノクロ画像形成部10およびパンチ処理部401のうち、一方への記録材Pの供給が完了する前に、他方への記録材の供給が開始できる。そのため、プリンター300、400においても、各処理が並行して実行できる。その結果、すべての記録材Pに対して実行される処理の総時間が、短縮できる。
【0066】
(3)また、第1および第2の実施の形態、並びに変形例のプリンター1、200、300、400において、2つの処理部のうちの少なくとも1つはモノクロ画像形成部10であるものとして説明したが、これに限定されものでない。
【0067】
例えば、2つの処理部のうち少なくとも1つは、カラー画像形成部101、画像読取部201、ステープル部301、およびパンチ処理部401のいずれかであっても良い。また、また、2つの処理部は、いずれもモノクロ画像形成部10以外のものであっても良い。さらに、2つの処理部は、同一の処理部(例えば、いずれもカラー画像形成部101)であっても良い。
【0068】
すなわち、プリンター1、200、300、400は、モノクロ画像形成部10、カラー画像形成部101、画像読取部201、ステープル部301、およびパンチ処理部401の中から、重複を許して選択された2つ処理部(計25通り)を有すれば十分である。
【符号の説明】
【0069】
1、200、300、400 プリンター(画像形成装置)
1a 装置本体
10 モノクロ画像形成部(第1処理部)
20 給紙部
25 経路切換爪(切換部)
50 排紙部
51 排紙ローラー対
101 カラー画像形成部
151 反転ローラー対
201 画像読取部
301 ステープル部
401 パンチ処理部
R1 共通給紙路
R2 共通排紙路
R3 第1排紙路
R4 第2排紙路
R5 反転路
R11〜R13 第1〜第3給紙路
Ra 第1搬送路
Rb 第2搬送路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置であって、
(a) 第1搬送路を介して供給される第1記録材に、第1処理を実行する第1処理部と、
(b) 第2搬送路を介して供給される第2記録材に、第2処理を実行する第2処理部と、
(c) 共通給紙路を介して供給される前記第1および第2記録材の経路を、
前記第1搬送路と、
前記第2搬送路と、
のいずれかに切り換える切換部と、
(d) 前記共通給紙路に前記第1および第2記録材を重ねて供給する給紙部と、
を備え、
前記切換部は、前記給紙部により重ねて供給された前記第1および第2記録材が、それぞれ前記第1および第2処理部のうち対応するものに分離して搬送できるように、前記第1および第2記録材の経路を切り換えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
(e) 前記切換部により分離された前記第1および第2記録材を、分離前と同様な順番に重ねて排紙する排紙部、
をさらに備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の画像形成装置において、
前記第1および第2処理部のうちの少なくとも1つは、画像形成部であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の画像形成装置において、
前記第1および第2処理部のうちの少なくとも1つは、画像読取部であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載の画像形成装置において、
前記第1および第2処理部のうちの少なくとも1つは、ステープル部であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1または請求項2に記載の画像形成装置において、
前記第1および第2処理部のうちの少なくとも1つは、パンチ処理部であることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−24992(P2013−24992A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−158262(P2011−158262)
【出願日】平成23年7月19日(2011.7.19)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】